JP2019128743A - 移動装置、移動システム、移動装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

移動装置、移動システム、移動装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】対象物の誤検知が発生する可能性を低減可能な移動装置、移動システム、移動装置の制御方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】移動装置10は、移動する本体部と、本体部に備えられる物体検知部3と、送波制限部31と、を含む。物体検知部3は、送波部5から探査波を送波し、対象物により探査波が反射された反射波を受波部6が受波することによって対象物を検知する。送波制限部31は、送波部5が探査波を送波する送波範囲を制限する。【選択図】図3

Description

本開示は、移動装置、移動システム、移動装置の制御方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、空間内で移動する移動装置、移動システム、移動装置の制御方法、及びプログラムに関する。
従来、経路データに従って走行エリア内を移動する無人搬送車があった(例えば特許文献1参照)。無人搬送車(移動装置)は、無人搬送車の周囲の物体までの距離を計測可能なレーザ測距センサを備える。レーザ距離センサ(送波部、受波部、及び物体検知部)は、レーザ光を発射し、その反射光(反射波)を検知して障害物までの距離を測定する。
特開2012−53838号公報
特許文献1に記載の無人搬送車が走行エリア内で複数走行する場合、ある無人搬送機のレーザ測距センサが、別の無人搬送車のレーザ測距センサから発射されたレーザ光を受光すると、物体までの距離を誤検出する可能性があった。
本開示の目的は、対象物の誤検知が発生する可能性を低減可能な移動装置、移動システム、移動装置の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
本開示の一態様の移動装置は、移動する本体部と、前記本体部に備えられる物体検知部と、送波制限部と、を含む。前記物体検知部は、送波部から探査波を送波し、対象物により前記探査波が反射された反射波を受波部が受波することによって前記対象物を検知する。前記送波制限部は、前記送波部が前記探査波を送波する送波範囲を制限する。
本開示の一態様の移動システムは、複数の移動装置と、上位システムとを含む。前記複数の移動装置の各々は、移動する本体部と、前記本体部に備えられる物体検知部と、送波制限部と、地図情報生成部と、地図情報送信部と、地図情報受信部と、を含む。前記物体検知部は、送波部から探査波を送波し、対象物により前記探査波が反射された反射波を受波部が受波することによって前記対象物を検知する。前記送波制限部は、前記送波部が前記探査波を送波する送波範囲を制限する。前記地図情報生成部は、前記物体検知部の検知結果に基づいて、前記送波範囲における地図情報を生成する。前記地図情報送信部は、前記地図情報生成部が生成した前記地図情報を前記上位システムに送信する。前記地図情報受信部は、前記上位システムから統合地図情報を受信する。前記統合地図情報は、前記地図情報生成部が生成した前記地図情報と、前記移動装置とは異なる移動装置で生成された地図情報とを統合した情報である。前記上位システムは、統合地図情報生成部と、統合地図情報送信部と、を含む。前記統合地図情報生成部は、前記移動装置の前記地図情報生成部で生成された地図情報を統合した前記統合地図情報を生成する。前記統合地図情報送信部は、前記統合地図情報生成部が生成した前記統合地図情報を前記複数の移動装置に送信する。前記移動装置は、前記地図情報受信部が受信した前記統合地図情報にしたがって移動する。
本開示の一態様の移動装置の制御方法は、送波範囲決定ステップと、送波ステップと、検知ステップと、を含む。前記送波範囲決定ステップでは、送波部が探査波を送波する送波範囲を制限するように前記送波範囲を決定する。前記送波ステップでは、前記送波部が前記送波範囲に前記探査波を送波する。前記検知ステップでは、対象物により前記探査波が反射された反射波を受波部が受波することによって前記対象物を検知する。
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータシステムに、送波範囲決定ステップと、送波ステップと、検知ステップと、を実行させるためのプログラムである。前記送波範囲決定ステップでは、送波部が探査波を送波する送波範囲を制限するように前記送波範囲を決定する。前記送波ステップでは、前記送波部から前記送波範囲に前記探査波を送波させる。前記検知ステップでは、対象物により前記探査波が反射された反射波を受波部が受波することによって前記対象物を検知する。
本開示によれば、対象物の誤検知が発生する可能性を低減可能な移動装置、移動システム、移動装置の制御方法、及びプログラムを提供することができる。
図1は、本開示の実施形態1に係る移動装置の外観斜視図である。 図2は、同上の移動装置の使用例を説明する説明図である。 図3は、本開示の実施形態1に係る移動システムのブロック図である。 図4は、同上の移動装置の動作を説明するフローチャートである。 図5は、本開示の変形例1に係る移動システムのブロック図である。 図6は、同上の移動システムの第1使用例を説明する説明図である。 図7は、同上の移動システムの第2使用例を説明する説明図である。 図8は、同上の移動システムの第3使用例を説明する説明図である。
(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係る移動装置10は、図1及び図2に示すように、複数の車輪13で移動面200の上を走行する装置である。移動装置10は、例えば、物流センター(配送センターを含む)、工場、オフィス、店舗、学校、及び病院等の施設に導入され、施設の床面等を移動面200として、移動面200の上を走行する。移動面200はその上を移動装置10が移動する面であり、移動装置10が施設内を移動する場合は施設の床面等が移動面200となり、移動装置10が屋外を移動する場合は地面等が移動面200となる。本実施形態では、一例として、移動装置10が搬送物X1の搬送用の搬送装置である場合について説明する。
図2では、移動面200の上を複数台(図2では例えば2台)の移動装置10A,10Bが走行している。複数台の移動装置10A、10Bは共通の構成を有しているので、複数台の移動装置10A、10Bを特に区別せずに説明する場合は移動装置10と表記する。尚、移動装置10の台数は2台に限定されず、1台でもよいし、3台以上でもよい。
本実施形態の移動装置10(10A,10B)は、移動する本体部1と、本体部1に備えられる物体検知部3(図3参照)と、送波制限部31と、を含む。物体検知部3は、送波部5から探査波を送波し、対象物により探査波が反射された反射波を受波部6が受波することによって対象物を検知する。送波制限部31は、送波部5が探査波を送波する送波範囲50(図2参照)を制限する。尚、以下の説明において、移動装置10Aの送波範囲と移動装置10Bの送波範囲とを区別して説明する場合、移動装置10Aの送波範囲を送波範囲50Aと表記し、移動装置10Bの送波範囲を送波範囲50Bと表記する。
ここにおいて、探査波は、例えば光(光波)と、電波と、音波との少なくとも1つであり、送波部5から本体部1の周りの空間に向かって送波される。反射波は、移動装置10の周りに存在する対象物に探査波が当たって反射されることで発生する。対象物は、移動面200の上を移動する自装置とは異なる移動装置10、移動面200に置かれている静止物等である。移動装置10の送波範囲50は、例えば、当該移動装置10とは異なる移動装置10(特に、移動装置10の受波部6)が存在しない範囲であり、移動装置10の存在位置等に応じて適宜変更される。図2、6〜8において、送波範囲50(50A,50B)などを示す線分及びハッチングは説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
本実施形態の移動装置10は、送波制限部31によって探査波の送波範囲50を制限することができる。したがって、送波範囲50の外側に当該移動装置10とは異なる移動装置10が存在する場合、当該移動装置10の送波部5から送波された探査波が、当該移動装置10とは異なる移動装置10の受波部6で受波される可能性を低減できる。よって、当該移動装置10とは異なる移動装置10において誤検知が発生する可能性を低減可能である。
(2)構成
以下、本実施形態に係る移動装置10及び移動システム100の構成について、図1〜図4を参照して詳しく説明する。以下、特に断りがない限り、移動面200に直交する方向を上下方向とし、移動面200から見て移動装置10側を「上方」として説明する。また、移動装置10の前進時において移動装置10が進む向きを「前方」とし、上下方向及び前後方向の両方向に直交する方向を左右方向として説明する。つまり、図1等において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の矢印で示す通りに上、下、左、右、前、後の各方向を規定する。ただし、これらの方向は移動装置10の使用方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。同様に、図面中で本体部1等の各部の移動の向きを示す矢印についても説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
移動システム100は、複数の移動装置10と、複数の移動装置10と通信可能な上位システム300と、で構成される。
移動装置10は、上述したように、本体部1と、物体検知部3と、送波制限部31と、を備えている。また、本実施形態では、移動装置10は、制御部2と、センサ部4(41,42)と、位置検知部7と、走行系駆動部8と、通信部9と、を更に備える。本実形態では、制御部2、物体検知部3、センサ部4(41,42)、位置検知部7、走行系駆動部8、及び通信部9は、いずれも本体部1に搭載されている。
移動装置10は、例えば、施設の床面等からなる平坦な移動面200の上を自律走行する。ここでは一例として、移動装置10は、蓄電池を備え、蓄電池に蓄積された電気エネルギを用いて動作することとする。尚、移動装置10は、上記以外の構成、例えば、蓄電池の充電回路等を適宜備えていてもよい。
本実施形態では、移動装置10は、上述したように搬送物X1の搬送用の「搬送装置」である。そのため、移動装置10は、本体部1に搬送物X1を積載した状態で移動面200上を走行する。これにより、移動装置10は、例えば、施設内のある場所に置かれている搬送物X1を、施設内の別の場所に搬送することが可能である。
本体部1は、左右方向よりも前後方向に長く、かつ左右方向及び前後方向よりも上下方向の寸法が小さい直方体状である。本体部1は、車体部11と、荷台部12とを有している。本実施形態では、本体部1は金属製である。ただし、本体部1は、金属製に限らず、例えば、樹脂製であってもよい。
車体部11は、4つの車輪13によって移動面200上に支持される。4つの車輪13は、平面視において車体部11の四隅に配置されている。
荷台部12は、車体部11の上面の少なくとも一部を覆うように、車体部11の上方に配置されている。本実施形態では、荷台部12は、車体部11の前端部及び後端部を除き、車体部11の上面の略全域を覆っている。荷台部12の上面は、搬送物X1を積載するための積載面である。つまり、移動装置10にて搬送物X1を搬送する際には、荷台部12の上面に搬送物X1が積載される。
複数の車輪13の各々は、車体部11に搭載された走行系駆動部8からの駆動力を受けて個別に回転可能である。各車輪13は、左右方向に延びる回転軸を中心に回転可能な状態で、本体部1(車体部11)に保持されている。
本実施形態では、4つの車輪13の全てが、走行系駆動部8によって駆動される駆動輪である。これら複数の車輪13が個別に駆動されることにより、本体部1は全方向に移動可能となる。つまり、複数の車輪13にて支持された本体部1は、複数の車輪13の各々の回転により、移動面200の上を、前、後、左及び右の全方位に移動可能である。複数の車輪13の各々は、例えば、オムニホイール等の全方向移動型車輪であってもよい。
走行系駆動部8は、複数の車輪13のうちの少なくとも一部である駆動輪に対して、直接的又は間接的に駆動力を与える。本実施形態では、上述したように複数(4つ)の車輪13の全てが駆動輪であるので、走行系駆動部8は、複数の車輪13の全てに対して駆動力を与える。走行系駆動部8は、車体部11に内蔵されている。走行系駆動部8は、例えば、電動機(モータ)を含み、ギアボックス及びベルト等を介して、電動機で発生する駆動力を間接的に車輪13に与える。また、走行系駆動部8は、インホイールモータのように、各車輪13に対して直接的に駆動力を与える構成であってもよい。走行系駆動部8は、制御部2から入力される制御信号に基づいて、複数の車輪13の各々を制御信号に応じた回転方向及び回転速度で駆動する。
制御部2は、物体検知部3、及び走行系駆動部8を制御する。本実施形態では、制御部2は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部2の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
位置検知部7は本体部1の位置を測定する。位置検知部7は、例えば、複数の発信器から電波で送信されるビーコン信号を受信する受信部を備える。複数の発信器は、移動装置10が移動する範囲内の複数箇所に配置されている。位置検知部7は、複数の発信器の位置と、複数の発信器から送信されるビーコン信号の受信電波強度とに基づいて、本体部1の位置を測定する。尚、位置検知部7は、GPS(Global Positioning System)等を用いて、本体部1の位置を特定してもよい。
走行系駆動部8は、制御部2からの制御信号を受けて車輪13の回転速度、回転方向等を制御することで、車体部11の移動速度及び移動方向を制御する。
通信部9は、例えば無線局の免許が不要な通信方式で無線通信を行う通信モジュールを備えている。この種の通信方式としては、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、特定小電力無線等の規格に準拠した通信方式がある。通信部9は、上位システム300と通信する通信機能を有している。
本実施形態の物体検知部3は、センサ部4を駆動し、光波からなる探査波を送波部5から投光させ、対象物で反射された反射波(反射光)を受波部6で受光することによって対象物を検知する。
センサ部4は、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging)等であり、本体部1の周りの対象空間において対象物を検知する。
センサ部4は、送波部5と、受波部6とを有する。
送波部5は、例えば、レーザーダイオード等の光源と投光光学系とを含む。光源から出力されるレーザー光(パルス光又は連続光)のような探査波は、投光光学系によって対象空間に照射される。
受波部6は、例えば、フォトダイオードアレイ等の受光素子と受光光学系とを含む。対象空間からの入射光が受光光学系に導かれて受光素子に入射すると、受波部6は入射波に応じた受波信号S21又はS22を出力する。
また、センサ部4は、探査波を移動面200と平行な平面内で走査(スキャン)させる走査機構を有している。走査機構は、例えば投光光学系及び受光光学系を移動面200と平行な面内で回転させることによって、送波部5から出力される探査波をある角度範囲で走査する。送波部5は、対象空間を所定の周期で走査するように、対象空間に対して探査波を周期的に投光する。これによって、送波部5から出力された探査波が本体部1の周りの空間に向かって照射される。換言すると、送波部5は移動面200と平行な平面内で探査波(探査光)を送波する。ここで、送波部5から投光された探査波(レーザー光)が届く範囲が、対象物を検知可能な対象空間となる。
受光光学系は、走査機構によって探査光が走査される角度範囲において、対象空間から入射する入射光を、フォトダイオードアレイ等で構成される受光素子に導いており、受光素子によって探査光の反射光を受光することができる。ここで、対象空間に対象物が存在する場合、送波部5から出力された探査光が対象物によって反射され、その反射光が受光素子によって受光され、受波部6から受波信号S21又はS22が出力される。
本実施形態では、移動面200と平行な平面において本体部1を中心とする360度の範囲で対象物を検知するため、本体部1の前後に上述のセンサ部4が1個ずつ配置されている。2個のセンサ部4を区別する場合は、本体部1の前側に配置されたセンサ部4をセンサ部41といい、本体部1の後側に配置されたセンサ部4をセンサ部42という。尚、センサ部4の数及び配置は適宜変更が可能である。また、図2、6〜8では、図示を簡単にするため、移動装置10の前側に配置されたセンサ部41について送波範囲50(50A,50B)等を表示し、移動装置10の後側に配置されたセンサ部42については送波範囲等の表示を省略している。
物体検知部3は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、物体検知部3の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。ここにおいて、制御部2と物体検知部3とは1つのコンピュータシステムで実現されてもよい。また、物体検知部3はコンピュータシステムを主構成とするものに限定されず、複数の回路素子で構成される電気回路を主構成としてもよい。
本実施形態の物体検知部3は、上述の送波制限部31、及び取得部32の機能を含む。
取得部32は、探査波を送波しない制限範囲に関する制限情報を外部(例えば上位システム300)から取得する。ここで、制限範囲は、例えば、当該移動装置10(自装置)とは異なる移動装置10が存在する位置を含む範囲である。上位システム300は、複数の移動装置10と通信することによって、複数の移動装置10の各々から当該移動装置10の現在位置に関する位置情報を収集する。上位システム300は、複数の移動装置10の現在位置の情報を含む制限情報を作成し、作成した制限情報を複数の移動装置10に送信する。
複数の移動装置10の各々では、通信部9が上位システム300から送信された制限情報を受信する。取得部32は、通信部9が受信した制限情報を制御部2を介して取得する。尚、制御部2と物体検知部3とは1つのコンピュータシステムで構成されているので、物体検知部3が通信部9から制限情報を直接的に取得してもよい。
送波制限部31は、例えば、物体検知部3が自装置とは異なる移動装置10の存在を検知すると、送波部5が探査波を送波する送波範囲50を制限する。移動装置10A,10Bの送波制限部31は、それぞれ、取得部32が取得した制限情報に基づいて、送波部5が探査波を送波する送波範囲50A,50Bを制限する。例えば、ある移動装置10の送波制限部31は、制限情報に含まれる当該移動装置10とは異なる移動装置10の現在位置の情報をもとに、探査波を送波しない制限範囲51を決定する。そして、送波制限部31は、制限範囲51が含まれないように探査波を送波する送波範囲50を決定する。これにより、移動装置10から出力された探査波が、当該移動装置10と異なる移動装置10の受波部6によって受波される可能性を低減できる。
物体検知部3は、送波制限部31によって設定された送波範囲50に送波部5から探査波を送波させる。センサ部4から出力された探査波が対象物によって反射され、その反射波が受波部6に入射すると、受波部6が反射波に応じた受波信号S21,S22を物体検知部3に出力する。物体検知部3は、例えば探査波を送波してから、反射波に応じた受波信号S21,S22が入力されるまでの飛行時間をもとに、対象物までの距離を測定でき、これによって送波範囲50における対象物の存在を検知できる。
上位システム300は、移動面200の上を移動する複数の移動装置10と通信する通信機能を備えている。上位システム300は、移動面200の上を移動する複数の移動装置10の各々から、当該移動装置10の現在位置に関する位置情報を受信する。上位システム300は、複数の移動装置10の現在位置の情報を含む制限情報を作成し、作成した制限情報を複数の移動装置10に送信する。
(3)動作
以下、本実施形態に係る移動装置10及び上位システム300の動作について説明する。
移動装置10は、定常時には、基本動作として、移動面200を自律走行する。移動装置10では、物体検知部3にて本体部1の周囲の対象空間において対象物の存否、対象物までの距離等を検知し、位置検知部7にて本体部1の位置を特定する。移動装置10の制御部2は、本体部1の現在の位置、目的地、周囲の対象物等の情報をもとに移動経路を決定し、走行系駆動部8を制御することで車輪13を駆動し、自立走行を行う。
移動装置10の物体検知部3は、走行中等に、周期的(間欠的)にセンサ部4(41,42)の送波部5から探査光を送波(投光)させ、受波部6から出力される受波信号S21,S22に基づいて対象物の存否、対象物までの距離等を検知する。
ここで、図2に示すように、移動面200の上を2台の移動装置10A,10Bが移動している場合に、移動装置10Aの動作に着目して説明を行う。以下では移動装置10Aの動作を図4のフローチャートを参照して説明する。
移動装置10Aでは、制御部2が、位置検知部7で定期的に検知された現在位置を示す位置情報を通信部9から上位システム300に送信させる。上位システム300は、移動面200の上を走行している複数の移動装置10(10A,10B)から位置情報を受信すると、複数の移動装置10(10A,10B)の現在位置の情報を含む制限情報を作成する。上位システム300は、作成した制限情報を複数の移動装置10に送信する。
移動装置10Aの通信部9が、上位システム300から送信された制限情報を受信すると、取得部32が制御部2を介して制限情報を取得する。取得部32が制限情報を取得すると、送波制限部31は、制限情報に基づいて探査波を送波しない制限範囲51Aを決定し、送波部5が探査波を送波する送波範囲50Aを制限するように送波範囲50Aを決定する処理(送波範囲決定ステップ)を行う(S1)。ここにおいて、送波範囲50Aを制限するとは、送波部5が探査波を送波する範囲を、送波可能な範囲から狭めることをいう。
送波制限部31によって送波範囲50Aが設定されると、物体検知部3は、送波部5から送波範囲50Aに探査波(探査光)を送波させる処理(送波ステップ)を行う(S2)。送波部5から送波された探査波が対象物に当たって反射され、その反射波が受波部6によって受波されると、受波部6が受波信号S21を出力する。物体検知部3は、対象物により探査波が反射された反射波を受波部6が受波することによって対象物を検知する処理(検知ステップ)を行う(S3)。
例えば、移動装置10Aの送波制限部31は、制限情報に含まれる自装置とは異なる移動装置10Bの現在位置の情報をもとに、移動装置10Aと移動装置10Bとの相対的な位置関係を求め、移動装置10Bの現在位置を含む範囲を、探査波を送波しない制限範囲51Aとする。ここで、送波制限部31は、移動装置10Bの全体が制限範囲51Aに入るように制限範囲51Aを決定してもよいし、移動装置10Bにおいて受波部6の配置位置が少なくとも制限範囲51Aに入るように制限範囲51Aを決定してもよい。そして、送波制限部31は、制限範囲51Aを決定すると、制限範囲51Aが含まれないように送波範囲50Aを決定する。これにより、移動装置10Aから出力された探査波が、移動装置10Bの受波部6によって受波される可能性を低減でき、移動装置10Bにおいて誤検出が発生する可能性を低減できる。
同様に、移動装置10Bの送波制限部31は、取得部32が取得した制限情報に基づいて探査波を送波しない制限範囲51Bを決定し、制限範囲51Bが含まれないように、送波部5が探査波を送波する送波範囲50Bを設定する。つまり、移動装置10Bにおいても移動装置10Aと同様に送波部5から探査波が送波される送波範囲50Bが制限される。したがって、移動装置10Bから出力された探査波が、移動装置10Aの受波部6によって受波される可能性を低減でき、移動装置10Aにおいて誤検出が発生する可能性を低減できる。
物体検知部3は、送波制限部31によって設定された送波範囲50(50A,50B)に送波部5から探査波を送波させる。ここで、物体検知部3は、センサ部41の送波部5に送波信号S11を出力し、センサ部42の送波部5に送波信号S12を出力することによって、センサ部41,42のそれぞれの送波部5から探査光を出力させる。センサ部4から出力された探査光が対象物によって反射され、その反射光が受波部6に入射すると、受波部6が入射光(反射光)に応じた受波信号S21,S22を物体検知部3に出力する。物体検知部3は、例えば探査光を投光させてから、反射光(反射波)に応じた受波信号S21,S22が入力されるまでの飛行時間をもとに、対象物までの距離を測定でき、これによって対象空間における対象物の存在を検知できる。したがって、移動装置10は、対象物を避けながら、移動面200の上を自律走行することができる。
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、実施形態1に係る移動装置10と同様の機能は、移動装置10の制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る移動装置10の制御方法は、送波範囲決定ステップと、送波ステップと、検知ステップと、を含む。送波範囲決定ステップでは、送波部5が探査波を送波する送波範囲50を制限するように送波範囲50を決定する。送波ステップでは、送波部5が送波範囲50に探査波を送波する。検知ステップでは、対象物により探査波が反射された反射波を受波部6が受波することによって対象物を検知する。
また、一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、送波範囲決定ステップと、送波ステップと、検知ステップと、とを実行させるためのプログラムである。送波範囲決定ステップでは、送波部5が探査波を送波する送波範囲50を制限するように送波範囲50を決定する。送波ステップでは、送波部5が送波範囲50に探査波を送波する。検知ステップでは、対象物により探査波が反射された反射波を受波部6が受波することによって対象物を検知する。
以下、実施形態1の変形例について列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における移動装置10は、例えば、制御部2、物体検知部3等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御部2、物体検知部3等の機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
(4.1)変形例1
変形例1に係る移動システム100では、図5に示すように、移動装置10が地図情報生成部21を備え、上位システム300が統合地図情報生成部311を備える点で実施形態1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
移動装置10の制御部2は地図情報生成部21の機能を有している。地図情報生成部21は、物体検知部3の検知結果に基づいて、送波範囲50における地図情報を生成する。制御部2は、地図情報生成部21が生成した地図情報を、地図情報送信部である通信部9から外部(例えば、上位システム300)に送信させる。ここにおいて、地図情報とは、移動装置10が移動する空間の座標系(二次元座標系又は三次元座標系)において、当該空間に存在する物体(他の移動装置10や静止物など)の位置(座標)を表す情報である。
上位システム300は、制御部310と、通信部320とを備える。
通信部320は、移動装置10の通信部9との間で無線通信を行う通信モジュールを備えている。
制御部310は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部310の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御部310は統合地図情報生成部311の機能を備える。統合地図情報生成部311は、通信部320が複数の移動装置10から受信した地図情報、つまり複数の移動装置10の地図情報生成部21で生成された地図情報を統合した統合地図情報を生成する。統合地図情報は、複数の移動装置10で生成された地図情報を統合した情報である。複数の移動装置10の各々では、地図情報生成部21が、送波範囲50の地図情報を生成している。統合地図情報生成部311は、複数の移動装置10の現在位置を示す位置情報と、複数の移動装置10で生成された地図情報とに基づいて、統合地図情報を生成する。例えば、統合地図情報生成部311は、複数の移動装置10でそれぞれ生成された複数の地図情報を、複数の移動装置10の現在位置に対応する座標にそれぞれ配置することで、統合地図情報を生成する。そして、制御部310は、統合地図情報生成部311で生成された統合地図情報を、統合地図情報送信部である通信部320から移動装置10に送信させる。
外部のシステムである上位システム300から提供される統合地図情報は、複数の移動装置10の通信部9(地図情報受信部)によって受信される。そして、複数の移動装置10の制御部2は、通信部9が受信した統合地図情報にしたがって移動する。上述のように、移動装置10A,10Bは、それぞれ、探査波の送波範囲50A,50Bを制限しているので、自装置の物体検知部3の検知結果から求めた地図情報には、送波範囲50A,50B以外の地図情報が含まれない。
ここで、図6に示す第1使用例において移動装置10A,10Bの動作を説明する。図6の例では、壁211と壁212との間の移動面200を2つの移動装置10A,10Bが走行しており、移動装置10A,10Bは互いに相手を右側に見ながら互いに近付く向きに移動している。すなわち、移動装置10A,10Bは、壁211と壁212との間の移動面200の上をそれぞれ進行方向に向かって左側を通行するように移動している。ここで、壁211と壁212との間の移動面200には、壁211寄りに3つの障害物221〜223が配置され、壁212寄りに障害物224が配置されている。
移動装置10Aは、前方右側に移動装置10Bが存在するため、前方右側を制限範囲51Aとしている。移動装置10Aは、当該移動装置10Aの物体検知部3の検知結果だけでは前方右側の地図情報が得られず、障害物224の存在位置が不明である。移動装置10Bも、前方右側に移動装置10Aが存在するため、前方右側を制限範囲51Bとしている。移動装置10Bは、当該移動装置10Bの物体検知部3の検知結果だけでは前方右側の地図情報が得られず、障害物222の存在位置が不明である。変形例1では、移動装置10A,10Bが上位システム300から統合地図情報を受信しており、移動装置10A,10Bは、移動装置10Aの送波範囲50Aの地図情報と、移動装置10Bの送波範囲50Bの地図情報とを統合した統合地図情報を取得できる。そして、移動装置10Aは、上位システム300から取得した統合地図情報に基づいて移動する。これにより、移動装置10A,10Bは、上位システム300によって生成された、移動装置10Aの送波範囲50Aよりも広い範囲の統合地図情報に基づいて移動することができる。同様に、移動装置10Bは、上位システム300によって生成された、移動装置10Bの送波範囲50Bよりも広い範囲の統合地図情報に基づいて移動することができる。
変形例1では、移動装置10において、地図情報送信部である通信部9が上位システム300に地図情報を送信し、地図情報受信部である通信部9が上位システム300から統合地図情報を受信する。よって、移動装置10A,10Bは、誤検知が発生する可能性を低減するために、送波範囲50A,50Bを制限しながらも、送波範囲50A,50Bよりも広い範囲の統合地図情報を上位システム300から取得し、この統合地図情報にしたがって移動できる。
尚、変形例1において、複数の移動装置10の通信部9が相互に通信を行ってもよい。複数の移動装置10の各々において、通信部9(地図情報受信部)が、当該移動装置10とは異なる移動装置10で生成された地図情報を受信してもよい。この場合、移動装置10は、当該移動装置10の地図情報生成部21が生成した地図情報と、通信部9(地図情報受信部)が受信した地図情報とを統合した統合地図情報にしたがって移動する。これにより、移動装置10は、誤検知が発生する可能性を低減するために、送波範囲50を制限しながらも、当該移動装置10の送波範囲50よりも広い範囲の統合地図情報にしたがって移動することができる。
(4.2)その他の変形例
実施形態1及び変形例1では、送波部5が光(光波)からなる探査波を照射し、対象物で反射された反射波(反射光)を受光することによって、対象物を検知しているが、探査波は光(光波)に限定されない。送波部5は、マイクロ波、ミリ波等の電波を送波するレーダーを含むものでもよいし、超音波等の音波を送波するソナーセンサを含むものでもよい。
実施形態1及び変形例1では、複数の移動装置10の各々で、送波制限部31が、当該移動装置10と異なる移動装置10の現在位置の情報に基づいて送波範囲50を決定しているが、上位システム300において送波範囲を決定してもよい。つまり、上位システム300の制御部310が、複数の移動装置10の現在位置の情報に基づいて、複数の移動装置10の間で探査波の干渉が発生するか否かを予測する。ここで、探査波の干渉が発生する状態とは、複数の移動装置10のうちの1つから送波された探査波が、複数の移動装置10のうちの他の移動装置10で受波される状態をいう。制御部310が、探査波の干渉が発生する可能性があると予測すると、探査波が異なる移動装置10によって受波されないように送波範囲50を制限する制限情報を生成する。そして、制御部310は、当該移動装置10に通信部320から制限情報を送信させており、移動装置10の送波制限部31は、上位システム300からの制限情報に基づいて送波範囲50を制限する。
実施形態1及び変形例1において、移動面200に複数(例えば2つ)の移動装置10A,10Bが存在する場合、複数の移動装置10の各々が探査波の送波範囲50A,50Bを予め決められた範囲に制限してもよい。
例えば移動面200において移動装置10A,10Bがすれ違う場合に、移動装置10A,10Bが互いに相手の左側を移動するように制御される場合、送波範囲50A,50Bが進行方向に対して左側の領域に制限されてもよい。
また、移動面200において複数の移動装置10が移動する走行レーンが予め決められている場合、複数の移送装置10の各々において、送波範囲50が走行レーンに制限されてもよい。例えば、移動装置10の物体検知部3が当該移動装置10とは異なる移動装置10の存在を検知すると、当該移動装置10の制御部2が、当該移動装置10が移動する走行レーンに送波範囲50を制限してもよい。
実施形態1及び変形例1では、物体検知部3による検知範囲を、当該移動装置10Aと、検知範囲に存在する当該移動装置10Aとは異なる1以上の移動装置10Bとで等分することによって、移動装置10Aの送波範囲50Aが決定されている。物体検知部3による検知範囲とは、送波制限部31によって送波範囲が制限されていない状態で対象物を検知可能な最大の範囲である。これにより、複数の移動装置10A,10Bの各々では、検知範囲を等分した送波範囲50A,50Bで対象物を検知可能であるが、送波範囲は適宜変更可能である。
例えば、図7の使用例2に示すように、物体検知部3による検知範囲を、当該移動装置10Aと、検知範囲に存在する当該移動装置10Aとは異なる1以上の移動装置10Bとで不均等に分割することによって、移動装置10Aの送波範囲50Aが決定されてもよい。複数の移動装置10でセンサ部4の検知方法、検知範囲、検知感度などの検知特性が異なる場合、複数の移動装置10のそれぞれで、センサ部4の検知特性などに応じて最適な送波範囲が設定されていればよい。
また、図8の使用例3に示すように、移動装置10のセンサ部41は、移動面200と平行な面内で移動装置10を中心とする360度の範囲で対象物を検知可能なセンサでもよい。この場合、移動装置10の送波制限部31は、当該移動装置10と異なる移動装置10が存在する範囲を含む扇状の領域を制限範囲51とし、制限範囲51が含まれないように送波範囲50を設定すればよい。
実施形態1及び変形例1では、複数の移動装置10の各々は、物体検知部3が別の移動装置10の存在を検知すると、送波制限部31が送波範囲50を制限しているが、物体検知部3による検知以外のトリガで送波範囲50を制限してもよい。例えば、移動装置10の送波制限部31は、当該移動装置10の通信部9が上位システム300又は当該移動装置10と異なる移動装置10から制限要求を受信すると、送波範囲50を制限してもよい。
実施形態1及び変形例1において、ある移動装置10の周囲に複数の移動装置10が存在する場合、当該移動装置10の送波制限部31は、当該移動装置10の周囲に存在する複数の移動装置10をそれぞれ含む複数の制限範囲51を設定してもよい。そして、当該移動装置10の送波制限部31は、複数の制限範囲51が含まれないように送波範囲50を設定すればよい。
実施形態1では、移動装置10が搬送物X1の搬送に用いられる場合を例示したが、移動装置10の用途を搬送物X1の搬送用に限る趣旨ではない。移動装置10は、例えば、人の搬送用(つまり乗用)の装置であってもよいし、監視ロボット及び案内ロボットのように何の搬送も行わずに移動する装置等であってもよい。
また、実施形態1において本体部1に備わっている制御部2、物体検知部3等は、本体部1以外に備わっていてもよい。例えば、制御部2及び物体検知部3の一部の機能は、本体部1と通信可能な上位システム300等に備わっていてもよい。
また、自律走行は移動装置10に必須の機能ではなく、例えば、移動装置10は、上位システム300又は送信機等からの操作信号を受信することで、遠隔操作されてもよい。
(まとめ)
第1の態様の移動装置(10,10A,10B)は、移動する本体部(1)と、本体部(1)に備えられる物体検知部(3)と、送波制限部(31)と、を含む。物体検知部(3)は、送波部(5)から探査波を送波し、対象物により探査波が反射された反射波を受波部(6)が受波することによって対象物を検知する。送波制限部(31)は、送波部(5)が探査波を送波する送波範囲(50,50A,50B)を制限する。
この態様の移動装置(10,10A,10B)によれば、送波制限部(31)によって探査波の送波範囲(50,50A,50B)を制限することができる。当該移動装置(10,10A,10B)の送波部(5)から送波された探査波が、送波範囲(50,50A,50B)の外側に存在する、当該移動装置(10,10A,10B)とは異なる移動装置(10,10A,10B)で受波される可能性を低減できる。よって、移動装置(10,10A,10B)において誤検知が発生する可能性を低減可能である。
第2の態様の移動装置(10,10A,10B)は、第1の態様において、探査波を送波しない制限範囲(51,51A,51B)に関する制限情報を外部から取得する取得部(32)を、更に含む。送波制限部(31)は、制限情報に基づいて送波部(5)が探査波を送波する送波範囲(50,50A,50B)を制限する。
この態様によれば、送波制限部(31)は、外部から取得した制限情報に基づいて送波範囲(50,50A,50B)を制限することができる。
第3の態様の移動装置(10,10A,10B)では、第2の態様において、制限範囲(51,51A,51B)は、移動装置(10,10A,10B)とは異なる移動装置(10,10A,10B)が存在する位置を含む範囲である。
この態様によれば、送波制限部(31)は、外部から取得した制限情報に基づいて送波範囲(50,50A,50B)を制限することができる。
第4の態様の移動装置(10,10A,10B)は、第1〜第3のいずれか1つの態様において、地図情報生成部(21)と、地図情報送信部(9)と、を更に含む。地図情報生成部(21)は、物体検知部(3)の検知結果に基づいて、送波範囲(50,50A,50B)における地図情報を生成する。地図情報送信部(9)は、地図情報生成部(21)が生成した地図情報を外部に送信する。
この態様によれば、移動装置(10,10A,10B)から地図情報を受信する外部の装置又はシステムで、地図情報生成部(21)が生成した地図情報を利用できる、という利点がある。
第5の態様の移動装置(10,10A,10B)は、第4の態様において、外部から提供される統合地図情報を受信する地図情報受信部(9)を、更に含む。統合地図情報は、地図情報生成部(21)が生成した地図情報と、移動装置(10,10A,10B)とは異なる移動装置(10,10A,10B)で生成された地図情報とを統合した情報である。地図情報受信部(9)が受信した統合地図情報にしたがって移動する。
この態様によれば、移動装置(10,10A,10B)は、地図情報生成部(21)が生成した地図情報だけでなく、当該移動装置(10,10A,10B)とは異なる移動装置(10,10A,10B)で生成された地図情報も利用して移動することができる。
第6の態様の移動装置(10,10A,10B)では、第5の態様において、地図情報送信部(9)は上位システム(300)に地図情報を送信し、地図情報受信部(9)は上位システム(300)から統合地図情報を受信する。
この態様によれば、移動装置(10,10A,10B)は、上位システム(300)によって生成された、当該移動装置(10,10A,10B)の送波範囲(50,50A,50B)よりも広い範囲の統合地図情報に基づいて移動することができる。
第7の態様の移動装置(10,10A,10B)は、第4の態様において、地図情報受信部(9)を、更に含む。地図情報受信部(9)は、移動装置(10,10A,10B)とは異なる移動装置(10,10A,10B)で生成された地図情報を受信する。移動装置(10,10A,10B)は、地図情報生成部(21)が生成した地図情報と、地図情報受信部(9)が受信した地図情報とを統合した統合地図情報にしたがって移動する。
この態様によれば、移動装置(10,10A,10B)の地図情報受信部(9)は、当該移動装置(10,10A,10B)とは異なる移動装置(10,10A,10B)から地図情報を取得する。当該移動装置(10,10A,10B)とは異なる移動装置(10,10A,10B)の地図情報には、当該移動装置(10,10A,10B)の送波範囲(50,50A,50B)以外の範囲の情報が含まれる。よって、移動装置(10,10A,10B)は、より広い範囲の統合地図情報にしたがって移動することができる。
第8の態様の移動装置(10,10A,10B)では、第1〜第7のいずれか1つの態様において、送波範囲(50,50A,50B)が予め決められた範囲である。
この態様によれば、誤検出が発生する可能性を低減できる。
第9の態様の移動装置(10,10A,10B)では、第1〜第7のいずれか1つの態様において、送波範囲(50,50A,50B)は第1分割方法によって決定される。第1分割方法は、物体検知部(3)による検知範囲を、移動装置(10,10A,10B)と、検知範囲に存在する、移動装置(10,10A,10B)とは異なる1以上の移動装置(10,10A,10B)とで等分する方法である。
この態様によれば、誤検出が発生する可能性を低減できる。
第10の態様の移動装置(10,10A,10B)では、第1〜第7のいずれか1つの態様において、送波範囲(50,50A,50B)は第2の分割方法によって決定される。第2分割方法は、物体検知部(3)による検知範囲を、移動装置(10,10A,10B)と、検知範囲に存在する、移動装置(10,10A,10B)とは異なる1以上の移動装置(10,10A,10B)とで不均等に分割する方法である。
この態様によれば、誤検出が発生する可能性を低減できる。
第11の態様の移動システム(100)は、複数の移動装置(10,10A,10B)と、上位システム(300)とを含む。複数の移動装置(10,10A,10B)の各々は、移動する本体部(1)と、本体部(1)に備えられる物体検知部(3)と、送波制限部(31)と、地図情報生成部(21)と、地図情報送信部(9)と、地図情報受信部(9)と、を含む。物体検知部(3)は、送波部(5)から探査波を送波し、対象物により探査波が反射された反射波を受波部(6)が受波することによって対象物を検知する。送波制限部(31)は、送波部(5)が探査波を送波する送波範囲(50,50A,50B)を制限する。地図情報生成部(21)は、物体検知部(3)の検知結果に基づいて、送波範囲(50,50A,50B)における地図情報を生成する。地図情報送信部(9)は、地図情報生成部(21)が生成した地図情報を上位システム(300)に送信する。地図情報受信部(9)は、上位システム(300)から統合地図情報を受信する。統合地図情報は、地図情報生成部(21)が生成した地図情報と、移動装置(10,10A,10B)とは異なる移動装置(10,10A,10B)で生成された地図情報とを統合した情報である。上位システム(300)は、統合地図情報生成部(311)と、統合地図情報送信部(320)と、を含む。統合地図情報生成部(311)は、移動装置(10,10A,10B)の地図情報生成部(21)で生成された地図情報を統合した統合地図情報を生成する。統合地図情報送信部(320)は、統合地図情報生成部(311)が生成した統合地図情報を複数の移動装置(10,10A,10B)に送信する。移動装置(10,10A,10B)は、地図情報受信部(9)が受信した統合地図情報にしたがって移動する。
この態様によれば、移動装置(10,10A,10B)の送波制限部(31)が送波範囲(50,50A,50B)を制限することで、誤検出が発生する可能性を低減できる。また、移動装置(10,10A,10B)は統合地図情報にしたがって移動しており、統合地図情報は、複数の移動装置(10,10A,10B)の地図情報を統合して生成される。よって、移動装置(10,10A,10B)は、当該移動装置(10,10A,10B)の送波範囲以外の範囲を含む統合地図情報にしたがって移動することができる。
第12の態様の移動装置(10,10A,10B)の制御方法は、送波範囲決定ステップと、送波ステップと、検知ステップと、を含む。送波範囲決定ステップでは、送波部(5)が探査波を送波する送波範囲(50,50A,50B)を制限するように送波範囲(50,50A,50B)を決定する。送波ステップでは、送波部(5)が送波範囲(50,50A,50B)に探査波を送波する。検知ステップでは、対象物により探査波が反射された反射波を受波部(6)が受波することによって対象物を検知する。
この態様によれば、送波範囲決定ステップによって探査波の送波範囲(50,50A,50B)を制限するように決定できる。移動装置(10,10A,10B)の送波部(5)から送波された探査波が、送波範囲(50,50A,50B)の外側に存在する、当該移動装置(10,10A,10B)とは異なる移動装置(10,10A,10B)で受波される可能性を低減できる。よって、移動装置(10,10A,10B)において誤検知が発生する可能性を低減可能である。
第13の態様のプログラムは、コンピュータシステムに、送波範囲決定ステップと、送波ステップと、検知ステップと、を実行させるためのプログラムである。送波範囲決定ステップでは、送波部(5)が探査波を送波する送波範囲(50,50A,50B)を制限するように送波範囲(50,50A,50B)を決定する。送波ステップでは、送波部(5)から送波範囲(50,50A,50B)に探査波を送波させる。検知ステップでは、対象物により探査波が反射された反射波を受波部(6)が受波することによって対象物を検知する。
この態様によれば、送波範囲決定ステップによって探査波の送波範囲(50,50A,50B)を制限するように決定できる。移動装置(10,10A,10B)の送波部(5)から送波された探査波が、送波範囲(50,50A,50B)の外側に存在する、当該移動装置(10,10A,10B)とは異なる移動装置(10,10A,10B)で受波される可能性を低減できる。よって、移動装置(10,10A,10B)において誤検知が発生する可能性を低減可能である。
1 本体部
3 物体検知部
5 送波部
6 受波部
9 通信部(地図情報送信部、地図情報受信部)
10,10A,10B 移動装置
21 地図情報生成部
31 送波制限部
32 取得部
50,50A,50B 送波範囲
51,51A,51B 制限範囲
100 移動システム
300 上位システム
311 統合地図情報生成部
320 通信部(統合地図情報送信部)

Claims (13)

  1. 移動する本体部と、
    前記本体部に備えられ、送波部から探査波を送波し、対象物により前記探査波が反射された反射波を受波部が受波することによって前記対象物を検知する物体検知部と、
    前記送波部が前記探査波を送波する送波範囲を制限する送波制限部と、を含む
    移動装置。
  2. 前記探査波を送波しない制限範囲に関する制限情報を外部から取得する取得部を、更に含み、
    前記送波制限部は、前記制限情報に基づいて前記送波部が前記探査波を送波する送波範囲を制限する
    請求項1に記載の移動装置。
  3. 前記制限範囲は、前記移動装置とは異なる移動装置が存在する位置を含む範囲である
    請求項2に記載の移動装置。
  4. 前記物体検知部の検知結果に基づいて、前記送波範囲における地図情報を生成する地図情報生成部と、
    前記地図情報生成部が生成した前記地図情報を外部に送信する地図情報送信部と、を更に含む
    請求項1〜3の何れか1項に記載の移動装置。
  5. 外部から提供される統合地図情報を受信する地図情報受信部を、更に含み、
    前記統合地図情報は、前記地図情報生成部が生成した前記地図情報と、前記移動装置とは異なる移動装置で生成された地図情報とを統合した情報であり、
    前記地図情報受信部が受信した前記統合地図情報にしたがって移動する
    請求項4に記載の移動装置。
  6. 前記地図情報送信部は上位システムに前記地図情報を送信し、
    前記地図情報受信部は前記上位システムから前記統合地図情報を受信する
    請求項5に記載の移動装置。
  7. 前記移動装置とは異なる移動装置で生成された地図情報を受信する地図情報受信部を、更に含み
    前記地図情報生成部が生成した前記地図情報と、前記地図情報受信部が受信した前記地図情報とを統合した統合地図情報にしたがって移動する
    請求項4に記載の移動装置。
  8. 前記送波範囲が予め決められた範囲である
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動装置。
  9. 前記物体検知部による検知範囲を、前記移動装置と、前記検知範囲に存在する、前記移動装置とは異なる1以上の移動装置とで等分することによって、前記送波範囲が決定される
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動装置。
  10. 前記物体検知部による検知範囲を、前記移動装置と、前記検知範囲に存在する、前記移動装置とは異なる1以上の移動装置とで不均等に分割することによって、前記送波範囲が決定される
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動装置。
  11. 複数の移動装置と、上位システムとを含む移動システムであって、
    前記複数の移動装置の各々は、
    移動する本体部と、
    前記本体部に備えられ、送波部から探査波を送波し、対象物により前記探査波が反射された反射波を受波部が受波することによって前記対象物を検知する物体検知部と、
    前記送波部が前記探査波を送波する送波範囲を制限する送波制限部と、
    前記物体検知部の検知結果に基づいて、前記送波範囲における地図情報を生成する地図情報生成部と、
    前記地図情報生成部が生成した前記地図情報を前記上位システムに送信する地図情報送信部と、
    前記地図情報生成部が生成した前記地図情報と、前記移動装置とは異なる移動装置で生成された地図情報とを統合した統合地図情報を前記上位システムから受信する地図情報受信部と、を含み、
    前記上位システムは、
    前記移動装置の前記地図情報生成部で生成された地図情報を統合した前記統合地図情報を生成する統合地図情報生成部と、
    前記統合地図情報生成部が生成した前記統合地図情報を前記複数の移動装置に送信する統合地図情報送信部と、を含み
    前記移動装置は、前記地図情報受信部が受信した前記統合地図情報にしたがって移動する
    ことを特徴とする移動システム。
  12. 送波部が探査波を送波する送波範囲を制限するように前記送波範囲を決定する送波範囲決定ステップと、
    前記送波部が前記送波範囲に前記探査波を送波する送波ステップと、
    対象物により前記探査波が反射された反射波を受波部が受波することによって前記対象物を検知する検知ステップと、を含む
    移動装置の制御方法。
  13. コンピュータシステムに、
    送波部が探査波を送波する送波範囲を制限するように前記送波範囲を決定する送波範囲決定ステップと、
    前記送波部から前記送波範囲に前記探査波を送波させる送波ステップと、
    対象物により前記探査波が反射された反射波を受波部が受波することによって前記対象物を検知する検知ステップと、を実行させるための
    プログラム。
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