JP2019126318A - 収穫機 - Google Patents

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Abstract

【課題】収穫作業中に刈取部が圃場に接触して土を取り込んでしまう虞や穀粒の取り残しが生じる虞などを確実に回避できるようにする。【解決手段】収穫機において、制御装置80が、刈り高さセンサ30の検出に基づいて、刈取部2の刈り高さが制御目標刈り高さに維持されるように昇降駆動ユニット75の作動を制御する刈り高さ制御と、刈取部2のロール姿勢が対地平行姿勢に維持されるように揺動駆動ユニット76の作動を制御する水平制御とを実行し、かつ、特定条件が成立したか否かに基づいて、収穫作業時の制御状態を、刈り高さ制御と水平制御とを同時に実行する同時制御状態と、刈り高さ制御を優先して実行する刈り高さ制御優先状態と、水平制御を優先して実行する水平制御優先状態とに切り換える制御状態切り換え制御を実行する。【選択図】図7

Description

本発明は、刈取部を昇降駆動する昇降駆動ユニットと、前記刈取部をロール方向に揺動駆動する揺動駆動ユニットと、前記昇降駆動ユニット及び前記揺動駆動ユニットの作動を制御する制御装置と、前記刈取部の刈り高さを検出する刈り高さセンサとを備えた収穫機に関する。
収穫機の一例であるコンバインとしては、刈取部に3個以上の対地高さ検出用ソリ体を備え、中間に位置する対地高さ検出用ソリ体の検出による刈り高さ制御を、左右端の対地高さ検出用ソリ体の検出による水平制御よりも優先して行うことにより、刈取部による土の取り込みを防止するように構成されたものがある(例えば特許文献1参照)。
特許第5410860号公報
特許文献1に記載の構成によると、例えば、圃場の起伏などに起因して、収穫作業中に刈取部を含むコンバインの姿勢がロール方向に変化するときにおいても、水平制御よりも刈取部のロール方向の動作量が小さくなる刈り高さ制御が優先して行われることになる。そのため、圃場の起伏などに起因したコンバインのロール方向での姿勢変化量に対して、刈り高さ制御による刈取部の動作量が小さくなることにより、そのときの低位側となる刈取部の左右一端側が圃場に接触して土を取り込んでしまう虞がある。特に、収穫作業中の車速が速い場合は、圃場の起伏などに起因したコンバインのロール方向での姿勢変化が激しくなるのに対して、刈取部のロール方向での動作量が小さい刈り高さ制御が優先して行われることで、刈取部における低位側の左右一端部が圃場に接触し易くなる。又、刈取部の作業幅が広い場合は、コンバインのロール方向での姿勢変化に対する刈取部の両端部での上下方向の変化量が大きくなることから、刈取部における低位側の左右一端部が圃場に接触し易くなる。
又、例えば、大豆などのように着粒位置が低い穀物を収穫対象とする収穫作業中にコンバインの姿勢がロール方向に変化するときにおいても、刈り高さ制御が優先して行われることにより、そのときの高位側となる刈取部の左右一端側が更に上昇することになる。そのため、刈取部の刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用することによる穀粒の取り残しが生じる虞がある。特に、刈取部の作業幅が広い場合は、コンバインのロール方向での姿勢変化に対する刈取部の両端部での上下方向の変化量が大きくなることから、上記のような穀粒の取り残しが生じる虞が高くなる。
上記の実情に鑑み、本発明の主たる課題は、収穫作業中に刈取部が圃場に接触して土を取り込んでしまう虞や穀粒の取り残しが生じる虞などを確実に回避できるようにする点にある。
本発明の第1特徴構成は、収穫機において、
刈取部を昇降駆動する昇降駆動ユニットと、前記刈取部をロール方向に揺動駆動する揺動駆動ユニットと、前記昇降駆動ユニット及び前記揺動駆動ユニットの作動を制御する制御装置と、前記刈取部の刈り高さを検出する刈り高さセンサとを備え、
前記制御装置は、
前記刈り高さセンサの検出に基づいて前記刈取部の刈り高さが制御目標刈り高さに維持されるように前記昇降駆動ユニットの作動を制御する刈り高さ制御と、
前記刈り高さセンサの検出に基づいて前記刈取部のロール姿勢が対地平行姿勢に維持されるように前記揺動駆動ユニットの作動を制御する水平制御と、
収穫作業時の制御状態を、前記刈り高さ制御と前記水平制御とを同時に実行する同時制御状態と、前記刈り高さ制御を優先して実行する刈り高さ制御優先状態と、前記水平制御を優先して実行する水平制御優先状態とに切り換える制御状態切り換え制御とを実行し、
前記制御状態切り換え制御では、収穫作業時の制御状態の切り換えに関する特定条件が成立したか否かを判定し、この判定結果に基づいて収穫作業時の制御状態を切り換える点にある。
本構成によれば、圃場の起伏などに起因して収穫作業中に刈取部を含む収穫機のピッチング方向やロール方向の姿勢変化が生じたときの収穫作業時の制御状態を、特定条件が成立したときと成立していないときとで、同時制御状態と刈り高さ制御優先状態と水平制御優先状態とに切り換えることができる。
つまり、特定条件の設定を適正に行うことにより、特定条件が成立したときと成立していないときとのそれぞれの収穫作業中に生じる収穫機のピッチング方向やロール方向の姿勢変化に応じて、収穫作業時の制御状態を、同時制御状態と刈り高さ制御優先状態と水平制御優先状態とのいずれかに適切に切り換えることができる。
その結果、特定条件が成立したときと成立していないときとのそれぞれの収穫作業中において、刈取部が圃場に接触して土を取り込んでしまう虞や、刈取部の刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用して穀粒の取り残しが生じる虞を確実に回避することができる。
本発明の第2特徴構成は、
前記制御装置は、前記刈取部の種別情報を取得し、前記制御状態切り換え制御において、前記特定条件が成立しているときは収穫作業時の制御状態を前記同時制御状態に切り換え、前記特定条件が成立していないときは、前記種別情報に基づいて収穫作業時の制御状態を前記刈り高さ制御優先状態又は前記水平制御優先状態に切り換える点にある。
本構成によれば、圃場の起伏などに起因して収穫作業中に収穫機のピッチング方向やロール方向の姿勢変化が生じると、特定条件が成立しているときは刈り高さ制御と水平制御とが同時に実行されることにより、刈取部の刈り高さが制御目標刈り高さに維持されるとともに刈取部のロール姿勢が対地平行姿勢に維持された状態を迅速に得ることができる。又、特定条件が成立していないときは、種別情報に含まれている刈取部の作業幅、又は、刈取部が高刈り作業用か低刈り作業用か、などに応じて、刈り高さ制御と水平制御とのいずれかが適正に優先して実行されることにより、刈取部が圃場に接触する虞や刈取部の刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用する虞をより確実に回避することができる。
その結果、特定条件が成立したときと成立していないときとのそれぞれの収穫作業中において、刈取部が圃場に接触して土を取り込んでしまう虞や、刈取部の刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用して穀粒の取り残しが生じる虞をより確実に回避することができる。
本発明の第3特徴構成は、
前記制御装置は、前記制御状態切り換え制御において、前記特定条件が成立しているときは収穫作業時の制御状態を前記同時制御状態に切り換え、前記特定条件が成立していないときは、収穫作業時の制御状態の切り換えに関する例外条件が成立したか否かを判定し、この判定結果に基づいて収穫作業時の制御状態を切り換える点にある。
本構成によれば、圃場の起伏などに起因して収穫作業中に収穫機のピッチング方向やロール方向の姿勢変化が生じると、特定条件が成立しているときは刈り高さ制御と水平制御とが同時に実行されることにより、刈取部の刈り高さが制御目標刈り高さに維持されるとともに刈取部のロール姿勢が対地平行姿勢に維持された状態を迅速に得ることができる。又、特定条件が成立していないときは、特定条件とは異なる例外条件に基づいて、刈り高さ制御と水平制御とのいずれかが適正に優先して実行されることにより、刈取部が圃場に接触する虞や刈取部の刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用する虞をより確実に回避することができる。ちなみに、例えば、特定条件が収穫作業時の車速に関するものであれば、例外条件を、刈取部の制御目標刈り高さに対する偏差、又は、ロール方向の対地平行姿勢に対する偏差、などに関するものにすることができる。
その結果、特定条件が成立したときと成立していないときとのそれぞれの収穫作業中において、刈取部が圃場に接触して土を取り込んでしまう虞や、刈取部の刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用して穀粒の取り残しが生じる虞をより確実に回避することができる。
本発明の第4特徴構成は、
前記制御装置は、前記制御状態切り換え制御において、前記特定条件の成立判定として収穫作業時の車速が設定速度未満か否かを判定し、前記車速が設定速度未満のときは収穫作業時の制御状態を前記同時制御状態に切り換え、前記車速が設定速度以上のときは、前記刈取部が高刈り作業用である場合に収穫作業時の制御状態を前記水平制御優先状態に切り換え、前記刈取部が低刈り作業用である場合に収穫作業時の制御状態を前記刈り高さ制御優先状態に切り換える点にある。
本構成によれば、圃場の起伏などに起因して収穫作業中に収穫機のピッチング方向やロール方向の姿勢変化が生じると、車速が設定速度未満のときは、圃場の起伏などに起因した収穫機のピッチング方向やロール方向での姿勢変化が比較的穏やかであることから、刈り高さ制御と水平制御とを同時に実行するようにしても、同時に実行することに起因したハンチングを招くことなく、刈取部の刈り高さが制御目標刈り高さに維持されるとともに刈取部のロール姿勢が対地平行姿勢に維持される状態を得ることができる。そして、車速が設定速度以上のときは、刈取部が高刈り作業用である場合、言い換えると、圃場に接触し難く刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用し易い場合に水平制御を優先して実行することで、刈り高さ制御を優先して実行した場合に生じ易くなる、刈取部の刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用する虞、を回避することができる。又、刈取部が低刈り作業用である場合、言い換えると、圃場に接触し易く刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用し難い場合に刈り高さ制御を優先して実行することで、水平制御を優先して実行した場合に生じ易くなる、刈取部が圃場に接触する虞、を回避することができる。
その結果、車速が設定速度未満のときと設定速度以上のときとのそれぞれの収穫作業中において、刈取部が圃場に接触して土を取り込んでしまう虞や、刈取部の刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用して穀粒の取り残しが生じる虞を確実に回避することができる。
本発明の第5特徴構成は、収穫機において、
刈取部を昇降駆動する昇降駆動ユニットと、前記刈取部をロール方向に揺動駆動する揺動駆動ユニットと、前記昇降駆動ユニット及び前記揺動駆動ユニットの作動を制御する制御装置と、前記刈取部の刈り高さを検出する刈り高さセンサとを備え、
前記制御装置は、
前記刈り高さセンサの検出に基づいて前記刈取部の刈り高さが制御目標刈り高さに維持されるように前記昇降駆動ユニットの作動を制御する刈り高さ制御と、
前記刈り高さセンサの検出に基づいて前記刈取部のロール姿勢が対地平行姿勢に維持されるように前記揺動駆動ユニットの作動を制御する水平制御と、
前記刈り高さ制御及び前記水平制御における応答速度の設定を、前記刈り高さ制御及び前記水平制御での応答速度とを標準速度に設定する標準設定状態と、前記水平制御での応答速度を前記標準速度に設定しつつ前記刈り高さ制御での応答速度を前記標準速度よりも速い高速に設定する刈り高さ優先設定状態と、前記刈り高さ制御での応答速度を前記標準速度に設定しつつ前記水平制御での応答速度を前記標準速度よりも速い高速に設定する水平優先設定状態とに切り換える設定切り換え制御とを実行し、
前記設定切り換え制御では、前記応答速度の設定切り換えに関する特定条件が成立したか否かを判定し、この判定結果に基づいて前記応答速度の設定を切り換える点にある。
本構成によれば、圃場の起伏などに起因して収穫作業中に刈取部を含む収穫機のピッチング方向やロール方向の姿勢変化が生じたときの刈り高さ制御及び水平制御における応答速度の設定を、特定条件が成立したときと成立していないときとで、標準設定状態と刈り高さ優先設定状態と水平優先設定状態とに切り換えることができる。
つまり、特定条件の設定を適正に行うことにより、特定条件が成立したときと成立していないときとのそれぞれの収穫作業中に生じる収穫機のピッチング方向やロール方向の姿勢変化に応じて、刈り高さ制御及び水平制御における応答速度の設定を、標準設定状態と刈り高さ優先設定状態と水平優先設定状態とのいずれかに適切に切り換えることができる。
その結果、特定条件が成立したときと成立していないときとのそれぞれの収穫作業中において、刈取部が圃場に接触して土を取り込んでしまう虞や、刈取部の刈取装置が収穫対象穀稈の着粒部に作用して穀粒の取り残しが生じる虞を確実に回避することができる。
普通型コンバインの左側面図 刈取部の背面図 刈り高さセンサの斜視図 刈り高さセンサの左側面図 刈り高さセンサの左端部の構成を示す斜視図 刈り高さセンサの操作機構の構成を示す斜視図 刈り高さ制御と水平制御に関する制御構成を示すブロック図 収穫作業時の制御状態の切り換えに関する特定条件と種別情報との関係を示す制御優先テーブル 制御状態切り換え制御のフローチャート
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明を、収穫機の一例である普通型コンバインに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、本実施形態で例示する普通型コンバインは、稲、麦、そば、大豆、とうもろこし、などの穀類を収穫対象とする汎用性の高いものである。
又、本発明は、普通型コンバインの他に、野菜収穫機、さとうきび収穫機、などの収穫機に適用可能である。
図1に示すように、普通型コンバインは、乗用型の走行機体1、機体前方の未刈り穀稈を刈り取る刈取部2、刈り取られた穀稈を刈取部2から受け取って後上方に搬送する搬送部3、搬送部3からの穀稈に脱穀処理を施すとともに脱穀処理で得られた選別対象物に選別処理を施す脱穀選別部4、脱穀処理後の穀稈(排わら)を細断して機外に排出する排わら処理部5、脱穀・選別処理で得られた単粒化した穀粒を貯留する穀粒貯留部6、及び、穀粒貯留部6に貯留された穀粒を機外に排出するスクリュ搬送式の穀粒排出装置7、などを備えている。
走行機体1は、機体フレーム8の下部に取り付けられた左右のクローラ9、機体フレーム8における穀粒貯留部6の後方箇所に搭載された原動部10、及び、機体フレーム8における穀粒貯留部6の前方箇所に搭載されたキャビン仕様の運転部11、などを有している。図示は省略するが、原動部10には、ディーゼルエンジンやラジエータなどが備えられている。運転部11には、ステアリングホイールや変速レバーなどの各種の操作具及び運転席などが備えられている。
図1〜2に示すように、刈取部2は、収穫対象の未刈り穀稈を刈取部2の作業幅内に案内する左右のデバイダ12、作業幅内に位置する未刈り穀稈の穂先側を後方に掻き込む掻込リール13、作業幅内に位置する未刈り穀稈を刈り取る刈取装置14、刈り取られた穀稈を受け止めるプラットホーム15、及び、プラットホーム上の穀稈を左右中央側の所定位置に搬送して後方に送り出すオーガ16、などを有している。プラットホーム15には、その左右中央側の所定位置において穀稈の搬送部3への受け渡しを許容する開口15Aが形成されている。
搬送部3は、刈取部2の後端から脱穀選別部4の前上部にわたるフィーダハウス17、及び、フィーダハウス17で覆われたスラットコンベヤ(図示せず)、などを有している。そして、スラットコンベヤが、オーガ16にて送り出された穀稈を、フィーダハウス17の底板に沿って後上方に掻き上げ搬送した後、脱穀選別部4の扱室(図示せず)に投入するように構成されている。搬送部3の搬送終端部位は、スラットコンベヤを駆動する駆動軸18を介して脱穀選別部4に連結されている。これにより、搬送部3は、刈取部2とともに駆動軸18を支点にした昇降操作が許容されている。搬送部3の搬送始端部位には、フィーダハウス17の右前端部から前方に突出して、刈取部2をロール方向に姿勢変更可能に支持する支軸19が備えられている。支軸19は、刈取部2におけるその左右中心から右側に偏倚した位置を支持するように配置設定されている。
図1に示すように、脱穀選別部4は、扱室に投入された穀稈に脱穀処理を施しながら穀稈を後方に搬送する扱胴20、脱穀処理で得られた穀粒やわら屑などが混在した選別対象物を漏下させる受網21、漏下した選別対象物に篩い選別処理を施す揺動選別装置22、選別対象物に選別風を供給してわら屑などを風力選別する主選別ファン23と2つの副選別ファン(図示せず)、選別された単粒化穀粒を一番物として脱穀選別部4の右端部に搬送するスクリュ搬送式の一番コンベヤ(図示せず)、右端部に搬送された一番物を上方に搬送して穀粒貯留部6に供給するバケットコンベヤ24、選別された枝梗付着粒や二又粒などを二番物として脱穀選別部4の左端部に搬送するスクリュ搬送式の二番コンベヤ(図示せず)、及び、左端部に搬送された二番物を前上方に搬送して脱穀選別部4の扱室に還元するスクリュ搬送式の二番還元コンベヤ25、などを有している。これにより、単粒化した穀粒を一番物として穀粒貯留部6に貯留することができる。又、選別後の枝梗付着粒や二又粒などの二番物に脱穀・選別処理を施すことができる。
図1〜7に示すように、刈取部2は、収穫作業時に接地して刈取部2の刈り高さを検出する刈り高さセンサ30を有している。刈り高さセンサ30は、同一軸心回りに独立揺動する左側の第1接地体31と右側の第2接地体32、第1連係機構33を介して第1接地体31の上下揺動角度を検出する第1検出器34、及び、第2連係機構35を介して第2接地体32の上下揺動角度を検出する第2検出器36、などを有している。つまり、刈り高さセンサ30は、第1接地体31の上下揺動角度を刈取部2の左半部での刈り高さとして検出する第1検出機構30Aと、第2接地体32の上下揺動角度を刈取部2の右半部での刈り高さとして検出する第2検出機構30Bとを有している。
図2〜6に示すように、第1接地体31は、左右に並べられたそり状の2つの接地部材37,38と、各接地部材37,38が同じ姿勢で一体揺動するように各接地部材37,38の前端部が連結された第1回転軸39とを有している。第2接地体32は、左右に並べられたそり状の2つの接地部材40,41と、各接地部材40,41が同じ姿勢で一体揺動するように各接地部材40,41の前端部が連結された第2回転軸42とを有している。そして、第1回転軸39と第2回転軸42とが、同一の回転中心(軸心)Xを有するように左右に並べて配置されている。
図3〜6に示すように、第1連係機構33は、第1回転軸39の左端部の上方に第1回転軸39と平行に配置された第1固定軸43、第1回転軸39の左端部に固定された第1アーム44、第1固定軸43に揺動可能に支持された第2アーム45、第1アーム44と第2アーム45とを連動させる第1引っ張りバネ46、第2アーム45から右方に突出して第2アーム45の揺動を第1検出器34に伝える第1連係ピン47、第1アーム44を下方に揺動付勢する第1ねじりバネ48、及び、第2アーム45の揺動を制限するゴム製の第1ストッパ49、などを有している。
第1アーム44は、第1回転軸39の左端部に嵌合されるボス部44Aと、ボス部44Aから後方に延びるアーム部44Bとを有している。そして、ボス部44Aが第1回転軸39の左端部にピン連結(ピンにて連結)されることで、第1回転軸39の左端部に固定されている。
第1固定軸43は、プラットホーム15の左側壁15Bに、左側壁15Bから左方に突出するように取り付けられている。
第2アーム45は、第1固定軸43に相対回転可能に嵌合されるボス部45Aと、ボス部45Aから前後に延びるアーム部45Bと、アーム部45Bの前部上端に固定された接触部45Cとを有している。
第1引っ張りバネ46は、第1アーム44の後端部と第2アーム45の後端部とに架設されている。
第1ねじりバネ48は、第1アーム44のボス部44Aに支持されている。そして、第1ねじりバネ48の一端部がプラットホーム15に受け止められ、第1ねじりバネ48の他端部が第1アーム44に作用することで、第1アーム44を下方に揺動付勢する。
第1ストッパ49は、アーム部45Bの接触部45Cを受け止めることで第2アーム45の揺動を制限し、これにより、第2アーム45と連動する第1アーム44及び第1接地体31の、第1ねじりバネ48の作用による下降揺動を制限する。
上記の構成により、第1連係機構33は、圃場の起伏などに応じた左側の第1接地体31の揺動変位を、第1回転軸39、第1アーム44、第1引っ張りバネ46、第2アーム45、第1連係ピン47、第1検出器34の順に伝えるように、第1接地体31と第1検出器34とを連係している。
図3〜6に示すように、第2連係機構35は、第1回転軸39と第2回転軸42の後方にそれらの回転軸39,42に隣接して平行に配置された第3回転軸50、第2回転軸42の右端部に固定された第3アーム51、第3回転軸50の右端部に固定された第4アーム52、第3アーム51と第4アーム52とを連動させる第1連係ロッド53、第3回転軸50の左端部の上方に第3回転軸50と平行に配置された第2固定軸54、第3回転軸50の左端部に固定された第5アーム55、第2固定軸54に揺動可能に支持された第6アーム56、第5アーム55と第6アーム56とを連動させる第2引っ張りバネ57、第6アーム56から右方に突出して第6アーム56の揺動を第2検出器36に伝える第2連係ピン58、第2回転軸42の右端部に固定された補助アーム59を下方に揺動付勢する第2ねじりバネ60、及び、第6アーム56の揺動を制限する第2ストッパ61、などを有している。
第3アーム51は、第2回転軸42の右端部に嵌合されるボス部51Aと、ボス部51Aから後上方に延びるアーム部51Bとを有している。そして、ボス部51Aが第2回転軸42の右端部にピン連結されることで、第2回転軸42の右端部に固定されている。ボス部51Aには、補助アーム59がボス部51Aから後方に延びるように取り付けられている。
第4アーム52は、第3回転軸50の右端部に嵌合されるボス部52Aと、ボス部52Aから後上方に延びるアーム部52Bとを有している。そして、ボス部52Aが第3回転軸50の右端部にピン連結されることで、第3回転軸50の右端部に固定されている。
第5アーム55は、第3回転軸50の左端部に嵌合されるボス部55Aと、ボス部55Aから後方に延びるアーム部55Bとを有している。そして、ボス部55Aが第3回転軸50の左端部にピン連結されることで、第3回転軸50の左端部に固定されている。
第2固定軸54は、プラットホーム15の左側壁15Bに、左側壁15Bから左方に突出するように取り付けられている。
第6アーム56は、第2固定軸54に相対回転可能に嵌合されるボス部56Aと、ボス部56Aから後方に延びるアーム部56Bとを有している。
第2引っ張りバネ57は、第5アーム55の後端部と第6アーム56の後端部とに架設されている。
第2ねじりバネ60は、第3アーム51のボス部51Aに支持されている。そして、第2ねじりバネ60の一端部がプラットホーム15に受け止められ、第2ねじりバネ60の他端部が補助アーム59に作用することで、補助アーム59とともに第3アーム51を下方に揺動付勢する。
第2ストッパ61は、第6アーム56の下縁を受け止めることで第6アーム56の揺動を制限し、これにより、第6アーム56と連動する第3アーム51及び第2接地体32などの、第2ねじりバネ60の作用による下降揺動を制限する。
上記の構成により、第2連係機構35は、圃場の起伏などに応じた右側の第2接地体32の揺動変位を、第2回転軸42、第3アーム51、第1連係ロッド53、第4アーム52、第3回転軸50、第5アーム55、第2引っ張りバネ57、第6アーム56、第2連係ピン58、第2検出器36の順に伝えるように、第2接地体32と第2検出器36とを連係している。
図3〜6に示すように、第1検出器34には、第1検出アーム34Aを有する回転式のポテンショメータが採用されている。第1検出アーム34Aは、その自重下降によって第1連係ピン47との接触状態を維持している。第2検出器36には、第2検出アーム36Aを有する回転式のポテンショメータが採用されている。第2検出アーム36Aは、その自重下降によって第2連係ピン58との接触状態を維持している。
尚、第1検出アーム34A及び第2検出アーム36Aは、ねじりバネなどの作用によって第1連係ピン47又は第2連係ピン58との接触状態を維持するように構成されていてもよい。
図3、図6に示すように、刈り高さセンサ30において、第1回転軸39と第2回転軸42は、プラットホーム15の底部において左右方向に一列に並べられた複数の第1軸支部62により回転可能に支持されている。各第1軸支部62は、プラットホーム15の底面を支持するように左右方向に並べられた複数の支持部材63に取り付けられている。これにより、第1接地体31と第2接地体32は、プラットホーム15における底面の下方箇所に配備されている。第3回転軸50は、プラットホーム15の底部において左右方向に一列に並べられた複数の第2軸支部64により回転可能に支持されている。各第2軸支部64は、第1軸支部62と同様に複数の支持部材63に取り付けられている。第1固定軸43と第2固定軸54は、前述したように、プラットホーム15の左側壁15Bに取り付けられている。
図3〜6に示すように、刈り高さセンサ30は、各接地体31,32の遊端側がプラットホーム15の底面に近接してそれらの接地が阻止された格納姿勢と、各接地体31,32の遊端側がプラットホーム15の底面から離れてそれらの接地が許容された使用姿勢とに切り換え可能に構成されている。そのため、刈り高さセンサ30は、その切り換えを可能にするための操作機構65を有している。
操作機構65は、第1固定軸43に揺動可能に支持された第1操作アーム66、第2固定軸54に揺動可能に支持された第2操作アーム67、第1操作アーム66と第2操作アーム67とを連動させる第2連係ロッド68、第1操作アーム66に取り付けられた操作レバー69、操作レバー69を下方の格納位置と上方の使用位置とにわたって案内するレバーガイド70、及び、操作レバー69を格納位置と使用位置とに保持する保持機構71、などを有している。
第1操作アーム66は、第1固定軸43に相対回転可能に嵌合されるボス部66Aと、ボス部66Aから前後に延びるアーム部66Bとを有している。そして、アーム部66Bの前部上端箇所に、前述した第1ストッパ49が取り付けられている。又、アーム部66Bの後部側に、前述した第1検出器34が取り付けられている。そして、第1操作アーム66は、操作レバー69が上方の使用位置から下方の格納位置に揺動操作された場合は、第1ストッパ49を介して第2アーム45の接触部45Cを下方に押し下げる方向に揺動して、第2アーム45の前部側を下降揺動させるとともに後部側を上昇揺動させる。逆に、操作レバー69が下方の格納位置から上方の使用位置に揺動操作された場合は、第1ストッパ49を第2アーム45の接触部45Cから上方に離す方向に揺動して、第1ねじりバネ48の作用による第2アーム45の揺動を許容する。
第2操作アーム67は、第2固定軸54に相対回転可能に嵌合されるボス部67Aと、ボス部67Aから前後に延びるアーム部67Bとを有している。そして、アーム部67Bの前部側が、第2連係ロッド68を介して第1操作アーム66の前部側に連係されている。又、アーム部67Bの後部側に、前述した第2検出器36と第2ストッパ61とが取り付けられている。そして、第2操作アーム67は、操作レバー69が上方の使用位置から下方の格納位置に揺動操作された場合は、第2ストッパ61を介して第6アーム56を上方に押し上げる方向に揺動して、第6アーム56を上昇揺動させる。逆に、操作レバー69が下方の格納位置から上方の使用位置に揺動操作された場合は、第2ストッパ61を第6アーム56から下方に離す方向に揺動して、第2ねじりバネ60の作用による第6アーム56の揺動を許容する。
これにより、操作レバー69の使用位置から格納位置への揺動操作が行われた場合は、その操作が第1操作アーム66から第2アーム45を含む第1連係機構33を介して第1接地体31に伝わることで、第1接地体31が使用姿勢から格納姿勢に切り換わり、又、その操作が第2操作アーム67から第6アーム56を含む第2連係機構35を介して第2接地体32に伝わることで、第2接地体32が使用姿勢から格納姿勢に切り換わる。
逆に、操作レバー69の格納位置から使用位置への揺動操作が行われた場合は、第1ねじりバネ48の作用によって、第2アーム45を含む第1連係機構33が第1操作アーム66に追従連動することで、第1接地体31が格納姿勢から使用姿勢に切り換わり、又、第2ねじりバネ60の作用によって、第6アーム56を含む第2連係機構35が第2操作アーム67に追従連動することで、第2接地体32が格納姿勢から使用姿勢に切り換わる。
図3〜6に示すように、操作レバー69は、中間部に円錐台形状の接触部72Aを有する操作ロッド72、操作ロッド72をその軸心方向にスライド可能に支持する支持部材73、及び、接触部72Aと支持部材73との間において操作ロッド72に嵌められた圧縮バネ74、などを有している。そして、支持部材73が第1操作アーム66に取り付けられ、操作ロッド72がレバーガイド70に形成された縦長のガイド溝70Aに挿し通されている。レバーガイド70は、プラットホーム15の左側壁15Bに備えたガイド支持部15Cに取り付けられている。ガイド溝70Aは、その上下両端部において圧縮バネ74による接触部72Aの挿し込み接触を許容するように、その上下両端部に円形の拡径部(図示せず)を有している。
上記の構成により、操作レバー69は、操作ロッド72が圧縮バネ74の作用に抗する方向に押し込み操作されることにより、接触部72Aが上下の拡径部から離脱し、これにより、操作レバー69の上下方向への揺動操作が許容される。そして、操作ロッド72がガイド溝70Aの上端部まで揺動操作された後、圧縮バネ74の作用による操作ロッド72のスライド操作が行われると、接触部72Aが上側の拡径部に挿し込まれて接触することで上方の使用位置に保持される。又、操作ロッド72がガイド溝70Aの下端部まで揺動操作された後、圧縮バネ74の作用による操作ロッド72のスライド操作が行われると、接触部72Aが下側の拡径部に挿し込まれて接触することで下方の格納位置に保持される。
つまり、レバーガイド70における上下の拡径部、接触部72Aを有する操作ロッド72、及び、圧縮バネ74によって保持機構71が構成されている。
図1〜2、図7に示すように、この普通型コンバインは、前述した駆動軸18を支点にして走行機体1に対して搬送部3とともに刈取部2を昇降駆動する昇降駆動ユニット75と、前述した支軸19を支点にして走行機体1に対して刈取部2をロール方向に揺動駆動する揺動駆動ユニット76とを備えている。昇降駆動ユニット75は、走行機体1から搬送部3にわたる油圧シリンダ77、及び、油圧シリンダ77に対するオイルの流れを制御する電磁制御弁(図示せず)、などを有している。揺動駆動ユニット76には、搬送部3から刈取部2にわたるシリンダ部78Aと、シリンダ部78Aを伸縮作動させるモータ部78Bとを有する電動アクチュエータ78が採用されている。
走行機体1は、走行機体1に搭載された各電子機器の作動を制御する制御装置として本機用電子制御ユニット80を備えている。本機用電子制御ユニット80は、昇降駆動ユニット75の作動を制御することで刈取部2の昇降を制御する昇降制御部80Aと、揺動駆動ユニット76の作動を制御することで刈取部2のロール姿勢を制御する姿勢制御部80Bとを有している。昇降制御部80Aは、運転部11に備えられた昇降操作具(図示せず)の操作に基づいて刈取部2を昇降させる手動昇降制御、走行機体1の後進に基づいて刈取部2を上昇させる後進上昇制御、及び、刈り高さセンサ30の検出に基づいて刈取部2を昇降させる刈り高さ制御、などを行う。姿勢制御部80Bは、刈り高さセンサ30の検出に基づいて刈取部2のロール姿勢を収穫作業地面に対して平行な姿勢に維持する水平制御を行う。
昇降制御部80Aは、手動昇降制御においては、操作された昇降操作具が刈取部2の高さ位置を任意に設定する任意設定具である場合に、任意設定具にて設定される高さ位置まで刈取部2が任意設定具の操作に追従して昇降するように昇降駆動ユニット75の作動を制御する追従昇降制御処理を行う。操作された昇降操作具が非作業用の待機位置への刈取部2の上昇を指令する上昇指令具である場合に、待機位置まで刈取部2が自動で上昇するように昇降駆動ユニット75の作動を制御する自動上昇制御処理を行う。操作された昇降操作具が作業位置への刈取部2の下降を指令する下降指令具である場合に、作業位置まで刈取部2が自動で下降するように昇降駆動ユニット75の作動を制御する自動下降制御処理を行う。
昇降制御部80Aは、刈り高さ制御においては、刈り高さセンサ30の検出に基づいて、刈取部2の左半部での刈り高さと右半部での刈り高さとが、刈取部2の種別に応じて設定された制御目標刈り高さに維持される(制御目標刈り高さの不感帯幅内に収まる)ように昇降駆動ユニット75の作動を制御する。
姿勢制御部80Bは、水平制御においては、刈り高さセンサ30の検出に基づいて、刈取部2の左半部での刈り高さと右半部での刈り高さとが同じになる(刈り高さ判定用の不感帯幅内に収まる)対地平行姿勢が維持されるように揺動駆動ユニット76の作動を制御する。
刈取部2は、前述した支軸19や揺動駆動ユニット76などを介して搬送部3の前端部に着脱可能に連結されている。これにより、この普通型コンバインは、収穫対象となる穀物の種類や圃場の広さなどに応じて刈取部2を付け替えることができる。
図7に示すように、刈取部2は、刈取部2に搭載された各電子機器の作動を制御する刈取用電子制御ユニット81を有している。刈取用電子制御ユニット81は、刈取部2の種別に応じて異なる収穫対象穀物の種類や作業幅などの種別情報を有するとともに、刈取部2が搬送部3に連結された状態では、本機用電子制御ユニット80に双方向通信可能に接続されている。
図7〜8に示すように、本機用電子制御ユニット80は、各種の情報を記憶する記憶部80C、刈取用電子制御ユニット81との双方向通信によって刈取部2の種別情報を取得する種別情報取得部80D、及び、収穫作業時の制御状態を切り換える制御状態切換部80Eを有している。本機用電子制御ユニット80には、走行機体1に備えられた車速センサ82などの各種のセンサ類からの検出情報が入力され、又、刈り高さセンサ30の検出情報などが刈取用電子制御ユニット81を介して入力される。
尚、本機用電子制御ユニット80は、ユーザが操作可能な刈取部2の種別情報選択部の操作に基づいて刈取部2の種別情報を取得するように構成されていてもよく、又、無線通信又は有線通信にて刈取部2の種別情報を管理端末から取得するように構成されていてもよい。
記憶部80Cには、収穫作業時の制御状態と、その切り換えに関する特定条件と種別情報との関係を示す制御優先テーブル(図8参照)が記憶されている。ここでの特定条件としては、走行機体1の車速と、刈取部2の刈り高さと、刈取部2のロール方向での対地姿勢角度とに関する条件が設定されている。又、種別情報としては、収穫作業時の制御目標刈り高さと刈取部2の作業幅とが採用されている。制御状態切換部80Eは、収穫作業時の制御状態を、前述した刈り高さ制御と水平制御とを同時に実行させる同時制御状態と、前記刈り高さ制御を優先して実行させる刈り高さ制御優先状態と、前記水平制御を優先して実行させる水平制御優先状態とに切り換える制御状態切り換え制御を行う。
以下、図9のフローチャートに基づいて、制御状態切換部80Eによる制御状態切り換え制御について説明する。
制御状態切換部80Eは、先ず、特定条件のうちの第1条件が成立したか否かを判定する第1条件判定処理(ステップ#1)と、特定条件のうちの第2条件が成立したか否かを判定する第2条件判定処理(ステップ#2)と、特定条件のうちの第3条件が成立したか否かを判定する第3条件判定処理(ステップ#3)とを行う。
第1条件判定処理(ステップ#1)では、収穫作業時に車速センサ82が検出する車速に基づいて、収穫作業時の車速が設定範囲内(例えば1.5m/s未満)か否かを判定する。
第2条件判定処理(ステップ#2)では、種別情報に含まれている収穫作業時の制御目標刈り高さと、収穫作業時に刈り高さセンサ30が検出する刈取部2の刈り高さとに基づいて、収穫作業時の刈り高さが設定範囲内(例えば制御目標刈り高さから−10cmの範囲内)か否かを判定する。
第3条件判定処理(ステップ#3)では、収穫作業時に刈り高さセンサ30が検出する刈取部2の刈り高さに基づいて、左右の刈り高さの差から得られる刈取部2のロール方向での対地姿勢角度が設定範囲内(例えば左右の刈り高さの差が同じになる対地水平から±0.5度の範囲内)か否かを判定する。
又、種別情報のうちの収穫作業時の制御目標刈り高さに基づいて、搬送部3に連結された刈取部2が高刈り作業用か低刈り作業用かを判定する第1種別判定処理(ステップ#4)と、種別情報のうちの刈取部2の作業幅に基づいて、刈取部2の作業幅が作業幅判定用の設定値を境にして広いか狭いかを判定する第2種別判定処理(ステップ#5)とを行う。
そして、上記の各判定処理での判定結果と制御優先テーブルとに基づいて採用する制御状態を選択する制御状態選択処理(ステップ#6)と、収穫作業時の制御状態を選択した作業状態に切り換える作業状態切り換え処理(ステップ#7)とを行う。
そして、図8に示すように、制御状態選択処理においては、第1条件と第2条件と第3条件の全てが成立しているときは、各種別判定処理での判定結果に関係なく、収穫作業時の制御状態として同時制御状態を選択する。第1条件が成立していないときは、第1種別判定処理での判定結果に基づいて、刈取部2が高刈り作業用である場合に収穫作業時の制御状態として水平制御優先状態を選択し、刈取部2が低刈り作業用である場合に収穫作業時の制御状態として刈り高さ制御優先状態を選択する。第2条件が成立していないときは、第2種別判定処理での判定結果に基づいて、刈取部2の作業幅が広い場合に収穫作業時の制御状態として水平制御優先状態を選択し、刈取部2の作業幅が狭い場合に収穫作業時の制御状態として刈り高さ制御優先状態を選択する。第3条件が成立していないときも第2条件が成立していないときと同様の選択を行う。
これにより、圃場の起伏などに起因して収穫作業中に機体のピッチング方向やロール方向の姿勢変化が生じると、特定条件が成立しているときは刈り高さ制御と水平制御とが同時に実行されることにより、刈取部2の刈り高さが制御目標刈り高さに維持されるとともに刈取部2のロール姿勢が対地平行姿勢に維持された状態を迅速に得ることができる。又、特定条件が成立していないときは、種別情報に含まれている刈取部2の作業幅、又は、刈取部2が高刈り作業用か低刈り作業用かに応じて、刈り高さ制御と水平制御とのいずれかが適正に優先して実行されることにより、刈取部2が圃場に接触する虞や刈取部2の刈取装置14が収穫対象穀稈の着粒部に作用する虞を確実に回避することができる。
その結果、特定条件が成立したときと成立していないときとのそれぞれの収穫作業中において、刈取部2が圃場に接触して土を取り込んでしまう虞や、刈取部2の刈取装置14が収穫対象穀稈の着粒部に作用して穀粒の取り残しが生じる虞を確実に回避することができる。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)コンバインは、稲などの禾穀類のみを収穫対象とするもの、そばなどの擬禾穀類のみを収穫対象とするもの、大豆などの菽穀類のみを収穫対象とするもの、などであってもよい。
(2)昇降駆動ユニット75には、例えば、走行機体1から搬送部3にわたるシリンダ部と、シリンダ部を伸縮作動させるモータ部とを有する電動アクチュエータなどが採用されていてもよい。
(3)揺動駆動ユニット76は、例えば、搬送部3から刈取部2にわたる油圧シリンダ、及び、油圧シリンダに対するオイルの流れを制御する電磁制御弁、などを有する油圧式に構成されていてもよい。
(4)揺動駆動ユニット76は、例えば、左右のクローラ9を走行機体1に対して独立して昇降駆動する左右の油圧シリンダなどを有して、左右の油圧シリンダの作動による左右のクローラ9の昇降で、走行機体1とともに刈取部2をロール方向に揺動駆動するように構成されていてもよい。
(5)刈り高さセンサ30は、例えば、同一軸心回りに独立揺動する3つの接地体を有して、左右中央の接地体が刈り高さ制御に使用され、左右両端の接地体が水平制御に使用されるように構成されていてもよい。
(6)制御装置(本機用電子制御ユニット)80は、例えば、制御状態切り換え制御において、特定条件の成立判定として収穫作業時の車速が設定速度未満か否かのみを判定し、車速が設定速度未満のときは収穫作業時の制御状態を同時制御状態に切り換え、車速が設定速度以上のときは、種別情報に基づいて、刈取部2が高刈り作業用である場合に収穫作業時の制御状態を水平制御優先状態に切り換え、刈取部2が低刈り作業用である場合に収穫作業時の制御状態を刈り高さ制御優先状態に切り換えるように構成されていてもよい。
(7)制御装置(本機用電子制御ユニット)80は、例えば、制御状態切り換え制御において、特定条件の成立判定として収穫作業時の車速が設定速度未満か否かのみを判定し、車速が設定速度未満のときは収穫作業時の制御状態を同時制御状態に切り換え、車速が設定速度以上のときは、収穫作業時の制御状態の切り換えに関する例外条件の成立判定として、刈取部2における制御目標刈り高さに対する偏差がロール方向の対地平行姿勢に対する偏差よりも大きいか否かを判定し、刈取部2における制御目標刈り高さに対する偏差がロール方向の対地平行姿勢に対する偏差よりも大きいとき(例外条件が成立したとき)は、収穫作業時の制御状態を刈り高さ制御優先状態に切り換え、刈取部2における制御目標刈り高さに対する偏差がロール方向の対地平行姿勢に対する偏差以下のとき(例外条件が成立していないとき)は、収穫作業時の制御状態を水平制御優先状態に切り換えるように構成されていてもよい。
(8)制御装置(本機用電子制御ユニット)80は、例えば、制御状態切り換え制御において、特定条件の成立判定として、収穫作業時の刈り高さが設定範囲内か否かと、刈取部2のロール方向での対地姿勢角度が設定範囲内か否かを判定し、収穫作業時の刈り高さが設定範囲内で、かつ、刈取部2のロール方向での対地姿勢角度が設定範囲内のとき(特定条件が成立したとき)は収穫作業時の制御状態を同時制御状態に切り換え、収穫作業時の刈り高さが設定範囲外で、かつ、刈取部2のロール方向での対地姿勢角度が設定範囲内のとき(刈り高さに関する特定条件が成立していないとき)は収穫作業時の制御状態を昇降制御優先状態に切り換え、収穫作業時の刈り高さが設定範囲内で、かつ、刈取部2のロール方向での対地姿勢角度が設定範囲外のとき(対地姿勢角度に関する特定条件が成立していないとき)は収穫作業時の制御状態を水平制御優先状態に切り換え、収穫作業時の刈り高さが設定範囲外で、かつ、刈取部2のロール方向での対地姿勢角度が設定範囲外のとき(刈り高さと対地姿勢角度に関する双方の特定条件が成立していないとき)は、収穫作業時の制御状態の切り換えに関する例外条件の成立判定として、刈取部2におけるピッチ方向の変化速度がロール方向の変化速度よりも速いか否かを判定し、刈取部2におけるピッチ方向の変化速度がロール方向の変化速度よりも速いとき(例外条件が成立したとき)は収穫作業時の制御状態を昇降制御優先状態に切り換え、刈取部2におけるピッチ方向の変化速度がロール方向の変化速度よりも速くないとき(例外条件が成立していないとき)は収穫作業時の制御状態を水平制御優先状態に切り換えるように構成されていてもよい。
(9)制御装置(本機用電子制御ユニット)80は、前述した制御状態切り換え制御の代わりに、例えば、刈り高さ制御及び水平制御における応答速度(制御感度)の設定を、刈り高さ制御及び水平制御での応答速度(制御感度)を標準速度(標準感度)に設定する標準設定状態と、水平制御での応答速度(制御感度)を標準速度(標準感度)に設定しつつ刈り高さ制御での応答速度(制御感度)を標準速度(標準感度)よりも速い高速(敏感)に設定する刈り高さ優先設定状態と、刈り高さ制御での応答速度(制御感度)を標準速度(標準感度)に設定しつつ水平制御での応答速度(制御感度)を標準速度(標準感度)よりも速い高速(敏感)に設定する水平優先設定状態とに切り換える設定切り換え制御とを実行し、設定切り換え制御では、応答速度(制御感度)の設定切り換えに関する特定条件が成立したか否かを判定し、この判定結果に基づいて応答速度(制御感度)の設定を切り換えるように構成されていてもよい。
尚、応答速度(制御感度)の設定切り換えは、刈り高さ制御及び水平制御における不感帯幅の変更、及び、刈り高さ制御及び水平制御におけるゲインの変更、などを採用することができる。
又、応答速度(制御感度)の設定切り換えに関する特定条件は、前述した実施形態や別実施形態の(6)〜(8)で例示した収穫作業時の制御状態の切り換えに関する特定条件と同様のものなどを採用することができる。
更に、前述した実施形態や別実施形態の(6)〜(8)と同様に、特定条件の成立判定と種別判定処理や例外条件の成立判定とを併用するように構成されていてもよい。
(10)制御装置(本機用電子制御ユニット)80は、刈取部2の種別に応じて異なる収穫対象穀物の種類や作業幅などの種別情報が手動操作で入力されるように構成されていてもよい。
2 刈取部
30 刈り高さセンサ
75 昇降駆動ユニット
76 揺動駆動ユニット
80 制御装置
80D 種別情報取得部

Claims (5)

  1. 刈取部を昇降駆動する昇降駆動ユニットと、前記刈取部をロール方向に揺動駆動する揺動駆動ユニットと、前記昇降駆動ユニット及び前記揺動駆動ユニットの作動を制御する制御装置と、前記刈取部の刈り高さを検出する刈り高さセンサとを備え、
    前記制御装置は、
    前記刈り高さセンサの検出に基づいて前記刈取部の刈り高さが制御目標刈り高さに維持されるように前記昇降駆動ユニットの作動を制御する刈り高さ制御と、
    前記刈り高さセンサの検出に基づいて前記刈取部のロール姿勢が対地平行姿勢に維持されるように前記揺動駆動ユニットの作動を制御する水平制御と、
    収穫作業時の制御状態を、前記刈り高さ制御と前記水平制御とを同時に実行する同時制御状態と、前記刈り高さ制御を優先して実行する刈り高さ制御優先状態と、前記水平制御を優先して実行する水平制御優先状態とに切り換える制御状態切り換え制御とを実行し、
    前記制御状態切り換え制御では、収穫作業時の制御状態の切り換えに関する特定条件が成立したか否かを判定し、この判定結果に基づいて収穫作業時の制御状態を切り換える収穫機。
  2. 前記制御装置は、前記刈取部の種別情報を取得し、前記制御状態切り換え制御において、前記特定条件が成立しているときは収穫作業時の制御状態を前記同時制御状態に切り換え、前記特定条件が成立していないときは、前記種別情報に基づいて収穫作業時の制御状態を前記刈り高さ制御優先状態又は前記水平制御優先状態に切り換える請求項1に記載の収穫機。
  3. 前記制御装置は、前記制御状態切り換え制御において、前記特定条件が成立しているときは収穫作業時の制御状態を前記同時制御状態に切り換え、前記特定条件が成立していないときは、収穫作業時の制御状態の切り換えに関する例外条件が成立したか否かを判定し、この判定結果に基づいて収穫作業時の制御状態を切り換える請求項1又は2に記載の収穫機。
  4. 前記制御装置は、前記制御状態切り換え制御において、前記特定条件の成立判定として収穫作業時の車速が設定速度未満か否かを判定し、前記車速が設定速度未満のときは収穫作業時の制御状態を前記同時制御状態に切り換え、前記車速が設定速度以上のときは、前記刈取部が高刈り作業用である場合に収穫作業時の制御状態を前記水平制御優先状態に切り換え、前記刈取部が低刈り作業用である場合に収穫作業時の制御状態を前記刈り高さ制御優先状態に切り換える請求項1〜3のいずれか一項に記載の収穫機。
  5. 刈取部を昇降駆動する昇降駆動ユニットと、前記刈取部をロール方向に揺動駆動する揺動駆動ユニットと、前記昇降駆動ユニット及び前記揺動駆動ユニットの作動を制御する制御装置と、前記刈取部の刈り高さを検出する刈り高さセンサとを備え、
    前記制御装置は、
    前記刈り高さセンサの検出に基づいて前記刈取部の刈り高さが制御目標刈り高さに維持されるように前記昇降駆動ユニットの作動を制御する刈り高さ制御と、
    前記刈り高さセンサの検出に基づいて前記刈取部のロール姿勢が対地平行姿勢に維持されるように前記揺動駆動ユニットの作動を制御する水平制御と、
    前記刈り高さ制御及び前記水平制御における応答速度の設定を、前記刈り高さ制御及び前記水平制御での応答速度とを標準速度に設定する標準設定状態と、前記水平制御での応答速度を前記標準速度に設定しつつ前記刈り高さ制御での応答速度を前記標準速度よりも速い高速に設定する刈り高さ優先設定状態と、前記刈り高さ制御での応答速度を前記標準速度に設定しつつ前記水平制御での応答速度を前記標準速度よりも速い高速に設定する水平優先設定状態とに切り換える設定切り換え制御とを実行し、
    前記設定切り換え制御では、前記応答速度の設定切り換えに関する特定条件が成立したか否かを判定し、この判定結果に基づいて前記応答速度の設定を切り換える収穫機。
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