以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態が説明される。なお、各図では、同様の要素には同様の符号が付され、適宜、説明が省略される。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の送受信装置を備える車両1の構成を概略的に示すブロック図である。図2は、それぞれ無線送信装置10、検出部20を備える子機4,5,6,7と、データ収集装置30と、アンテナユニット40との配置例を概略的に示す図である。
(構成)
図1に示される車両1は、例えば4輪自動車である。車両1は、図1に示されるように、子機4,5,6,7、データ収集装置(親機の一例に相当)30、アンテナユニット40、車載バッテリ42、イグニションスイッチ44、シガーライターソケット46、二次電池48、電子制御ユニット(ECU)50を備える。子機4,5,6,7は、それぞれ、無線送信装置10、検出部20を備える。
この車両1は、車両の開発現場において、車両に取り付けられた多数のセンサを用いて、車両の性能評価を行うためのものである。本実施形態では、検出部20は、このようなセンサとして、腐食センサ21と、温湿度センサ22とを含む。腐食センサ21は、無線送信装置10と接続ケーブル23で接続され、温湿度センサ22は、無線送信装置10と接続ケーブル24で接続されている。アンテナユニット40は、データ収集装置30に接続ケーブル41で接続されている。そして、車両1は、検出部20の検出データが、無線送信装置10により無線で送信されて、アンテナユニット40を介して、データ収集装置30に保存されるように構成されている。
腐食センサ21(状態検出部の一例)は、車両1における、腐食センサ21が取り付けられた場所の腐食度合いを検出する。腐食センサ21は、車両1の腐食度合いを検出することができる一般的なセンサ素子であってもよい。腐食センサ21として、例えば、大気腐食モニタ(ACM)型腐食センサが用いられてもよい。
温湿度センサ22は、車両1における、温湿度センサ22が取り付けられた場所の温度及び湿度を検出する。温湿度センサ22として、一般的な検出素子が用いられてもよい。温湿度センサ22の温度検出素子として、例えば公知の白金測温抵抗体が用いられてもよい。温湿度センサ22の湿度検出素子として、例えば公知の高分子容量式湿度検出素子が用いられてもよい。
図2において、子機4の検出部20は、車両1の例えば、エンジンルームに取り付けられている。子機5の検出部20は、車両1の例えば、フロントホイルハウスに取り付けられている。子機6の検出部20は、車両1の例えば、リフトゲートの外板に取り付けられている。子機7の検出部20は、車両1の例えば、エンジンのアンダカバーに取り付けられている。子機4〜7の検出部20とそれぞれ接続ケーブル23,24で接続された子機4〜7の無線送信装置10は、それぞれ検出部20の近傍に取り付けられている。データ収集装置30は、例えば、車両1のトランクルーム2に配置されている。アンテナユニット40は、例えば、車両1の室内前部3の天井に配置されている。
図1に戻って、無線送信装置10は、検出部20の検出データをデータ収集装置30に無線で送信する。以下では、データ収集装置30は、「親機」とも称される。
無線送信装置10は、メモリ11、中央演算処理装置(CPU)12、アンテナユニット13、電池14、発振器15等を備える。アンテナユニット13は、CPU12により制御されて、本実施形態では例えば、周波数2.4GHzの電波を3mWの電力で放射することにより、データ等を送信する。アンテナユニット13は、アンテナユニット40から送信された要求信号等を受信する。電池14は、メモリ11、CPU12、腐食センサ21、温湿度センサ22が動作するための電力を供給する。発振器15は、例えばセラミック発振子、分周回路等を含み、CPU12が動作するためのクロック信号を生成する。
無線送信装置10のメモリ11(記憶部の一例)は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、又は他の記憶素子で構成される。メモリ11は、検出部20で検出された検出データを一時的に保存するメモリ、プログラムを保存するメモリ等を含む。なお、メモリ11は、検出部20で検出された検出データを一時的に保存する領域、プログラムを保存する領域を備える単一のメモリ素子で構成されていてもよい。
図2を用いて上述したように、子機4〜7は、それぞれ、車両1の異なる4箇所に取り付けられている。そこで、子機4〜7の無線送信装置10のメモリ11は、それぞれ子機4〜7の無線送信装置10を特定する固有の子機IDを予め記憶している。
CPU12は、メモリ11に保存されているプログラムに従って動作することにより、データ制御部120、モード制御部121、カウンタ122として機能する。データ制御部120は、検出制御部12a、通信制御部12bとして機能する。カウンタ122は、発振器15により生成されるクロック信号に基づき、検出制御部12aにより設定されるサンプリング周期(後述)で、カウント値をカウントアップする。
検出制御部12aは、接続ケーブル23を介して、腐食センサ21により検出された腐食データを取得する。検出制御部12aは、接続ケーブル24を介して、温湿度センサ22により検出された温度データ及び湿度データを取得する。検出制御部12aは、カウンタ122のカウント値がカウントアップされたタイミングで、腐食データ、温度データ及び湿度データを取得する。検出制御部12aは、取得した腐食データ、温度データ及び湿度データを、腐食データ、温度データ及び湿度データを取得したときのカウンタ122のカウント値と対応付けて、メモリ11に保存する。以下では、腐食データ、温度データ及び湿度データは、「検出データ」と総称されることがある。
通信制御部12bは、データ収集装置30から送信された、検出データ(本実施形態では、腐食データ、温度データ及び湿度データ)の送信を要求する要求信号を受信すると、メモリ11に記憶されている、検出データ、子機ID等を含む送信信号を生成する。通信制御部12bは、生成した送信信号をアンテナユニット13から送信する。
モード制御部121は、CPU12(データ制御部120)の動作モードを制御する。モード制御部121は、CPU12を、通常の動作を行う通常モードと、必要最小限の動作を行うスリープモードとに制御する。
モード制御部121は、まず、CPU12を、通常モードから、スリープモードに移行させる。モード制御部121は、発振器15からのクロック信号に基づきスリープモードにおいて経過時間をカウントし、所定のサンプリング周期で、CPU12を通常モードに移行させる。通常モードでは、検出制御部12aが所定の動作を行う。所定の動作が終了すると、モード制御部121は、CPU12をスリープモードに移行させる。このモード制御部121によって、電池14の長寿命化が図られている。
モード制御部121は、データ収集装置30が動作中のときは、CPU12を電源オンモードで動作させる。モード制御部121は、データ収集装置30の動作が停止中のときは、CPU12を電源オフモードで動作させる。上記サンプリング周期は、電源オンモードではサンプリング周期Tc1であり、電源オフモードではサンプリング周期Tc2であり、互いに異なっている。具体的なサンプリング周期Tc1,Tc2の例については、後に詳述される。
ここで、子機4〜7における、各検出制御部12aによる各検出部20の検出データの取得タイミングが説明される。上述のように、検出制御部12aは、カウンタ122のカウント値がカウントアップされたタイミングで、腐食データ、温度データ及び湿度データを取得する。また、カウンタ122は、発振器15により生成されるクロック信号に基づき、カウント値をカウントアップする。また、発振器15は、例えばセラミック発振子、分周回路等を含み、CPU12が動作するためのクロック信号を生成する。
セラミック発振子は、水晶発振子に比べて、発振周波数の精度が低い。しかし、コストが低いため、例えば時計のような高精度の発振周波数が必要な用途以外では、一般に、セラミック発振子が使われる。この第1実施形態で使われるセラミック発振子の仕様によれば、子機4〜7の間において、24時間当たりで最大10.45秒のずれが生じる。このため、例えば、検出データを取得するサンプリング周期を10秒に設定すると、24時間以上が経過すると、検出データの取得回数が、1回以上ずれることになる。そこで、第1実施形態では、検出データの取得回数のずれにより、子機4〜7の間で検出データの数が不一致にならないようにしている。
図1に戻って、アンテナユニット40は、アンテナユニット13から放射された電波を受信することによって、検出部20の検出データ(本実施形態では、腐食データ、温度データ及び湿度データ)、子機ID等を含む上記送信信号を受信する。上述のように、アンテナユニット40は、接続ケーブル41でデータ収集装置30に接続されている。
データ収集装置30は、検出部20の検出データ(本実施形態では、腐食データ、温度データ及び湿度データ)を収集する。データ収集装置30は、メモリ31、CPU32、その他の周辺回路を含む。データ収集装置30は、例えば、パーソナルコンピュータで構成される。
メモリ31は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、ハードディスク、又は他の記憶素子で構成される。メモリ31は、検出部20により検出されたデータを保存するメモリ、データ収集プログラムを保存するメモリ、データを一時的に保存するメモリ等を含む。なお、メモリ31は、検出部20により検出されたデータを保存する領域、データ収集プログラムを保存する領域、データを一時的に保存する領域を備えた単一のメモリ素子で構成されていてもよい。メモリ31は、子機4〜7の子機IDをそれぞれ予め記憶している。
CPU32は、メモリ31に保存されているデータ収集プログラムに従って動作することにより、データ収集制御部33として機能する。データ収集制御部33は、アンテナユニット40を介して、検出データの送信を要求する要求信号を子機4〜7の各無線通信装置10に送信する。
データ収集制御部33は、イグニションスイッチ44がオフにされると、電源オンモードから電源オフモードへのモード変更を指示する指示信号を生成する。データ収集制御部33は、上記指示信号の子機4〜7の各無線送信装置10への送信を制御する。データ収集制御部33は、イグニションスイッチ44がオフにされた後でイグニションスイッチ44がオンにされると、子機4〜7の各無線送信装置10に向けてデータ収集の準備を指示する準備信号を生成する。データ収集制御部33は、上記準備信号の子機4〜7の各無線送信装置10への送信を制御する。
データ収集制御部33は、予め定められた同期用周期Tc3で、同期信号を子機4〜7の各無線送信装置10に送信する。データ収集制御部33は、アンテナユニット40により受信された、検出部20の検出データ(本実施形態では、腐食データ、温度データ及び湿度データ)を、子機ID毎に、メモリ31に保存する。データ収集制御部33は、子機4〜7の各無線送信装置10から送信された検出データ数が互いに一致するように、検出データを補正する。検出データの補正の具体例は、後に詳述される。
本実施形態において、上記指示信号は、動作中のデータ収集装置30が動作を停止することを通知する停止通知信号の一例である。本実施形態において、上記準備信号は、動作の停止後にデータ収集装置30が動作を再開したことを通知する再開通知信号の一例である。
車載バッテリ42、イグニションスイッチ44、シガーライターソケット46は、それぞれ、一般的な車両に搭載される周知の構成である。シガーライターソケット46は、二次電池48の正極に接続され、二次電池48の正極は、データ収集装置30に接続されている。
シガーライターソケット46は、イグニションスイッチ44を介して、車載バッテリ42に接続されている。このため、車載バッテリ42は、シガーライターソケット46を介して、イグニションスイッチ44がオンの間(車両1のエンジンが動作している間)のみ、二次電池48を充電する。二次電池48は、本実施形態では、イグニションスイッチ44のオンオフ(つまり車両1のエンジンの動作状態)に関係なく、データ収集装置30に電力を供給することが可能に構成されている。
ECU50は、車両1の全体の動作を制御する。ECU50は、イグニションスイッチ44のオンオフを検出する。ECU50は、検出したイグニションスイッチ44のオンオフ状態を、データ収集装置30のCPU32(データ収集制御部33)に通知する。言い換えると、データ収集装置30のCPU32(データ収集制御部33)は、ECU50から出力される信号に基づき、イグニションスイッチ44のオンオフ状態を判別する。なお、ECU50と、データ収集装置30のCPU32とは、有線または無線で直接接続される構成でもよく、別のコントローラ(CPU)を介して間接的に接続される構成でもよい。
(動作)
図3〜図5は、子機4〜7の各無線送信装置10、データ収集装置30(親機)の動作の一例を概略的に示すシーケンス図である。
図3のステップS1000において、例えばユーザによって、無線送信装置10の電源がオンにされる。ステップS2000において、例えばユーザによってイグニションスイッチ44がオンにされた後で、ステップS3000において、データ収集装置30の電源がオンにされる。
例えば、ユーザにより二次電池48がデータ収集装置30に接続されて、二次電池48からデータ収集装置30への電力供給が開始されると、データ収集装置30の電源がオンにされるように構成されてもよい。この構成に代えて、又は加えて、データ収集装置30に設けられた電源スイッチがユーザによりオンにされると、データ収集装置30の電源がオンにされるように構成されてもよい。
ステップS3010において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、子機4〜7の各無線送信装置10に向けて、データ収集の準備を指示する準備信号を送信する。
ステップS1010において、子機4〜7の各無線送信装置10のデータ制御部120の通信制御部12bは、データ収集の準備を開始する。ステップS1020において、通信制御部12bは、子機ID及び電源オンから初回であることを表す初回信号を含む応答信号をデータ収集装置30に送信する。ステップS3020において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、子機4〜7の各無線送信装置10から送信された子機ID及び初回信号を含む応答信号を確認する。
ステップS3030において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、データ収集の開始を指示する開始信号を、応答のあった子機IDに対応する無線送信装置10に対して送信する。開始信号を受信した無線送信装置10のデータ制御部120の通信制御部12bは、ステップS1030において、子機IDを含む応答信号をデータ収集装置30に送信し、かつ、開始信号を受信したことをモード制御部121に通知する。
ステップS3040において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、子機4〜7の各無線送信装置10から送信された応答信号を確認する。ステップS1040において、モード制御部121は、開始信号を受信したことの通知を受けて、CPU12をスリープモードに移行させる。また、モード制御部121は、カウンタ122のカウント値をリセットして、カウンタ122のカウント動作を0から開始させる。
続くステップS2100は、予め定められた電源オンモードのサンプリング周期Tc1(本実施形態では、例えばTc1=10秒間)で繰り返される。電源オンモードでは、検出制御部12aは、カウンタ122のカウント値を、サンプリング周期Tc1でカウントアップさせる。ステップS2100は、カウンタ122のカウント値がカウントアップされる度に実行される。カウンタ122のカウント値がカウントアップされると、まず、ステップS1050において、モード制御部121は、CPU12を通常モードに移行させる。ステップS1060において、検出制御部12aは、腐食センサ21及び温湿度センサ22に電池14から電力を供給して動作させ、検出部20の検出データ(腐食データ、温度データ及び湿度データ)を取得する。検出制御部12aは、取得した検出データを、カウンタ122のカウント値と対応付けて、メモリ11に保存する。ステップS1070において、子機4〜7の各無線送信装置10のモード制御部121は、CPU12をスリープモードに移行させる。
ステップS3040に続くステップS2150は、予め定められたサンプリング周期Tc3(本実施形態では、例えばTc3=24時間)で繰り返される。まず、ステップS3050において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、同期信号を子機4〜7の各無線送信装置10に送信する。ステップS1080において、データ収集装置30からの同期信号を受信すると、子機4〜7の各無線送信装置10のデータ制御部120の検出制御部12aは、カウンタ122のカウント値をリセットする。
ステップS1090において、検出制御部12aは、メモリ11に保存されている検出データを含む検出情報に、同期フラグ(後述)を書き込む。ステップS1092において、子機4〜7の各無線送信装置10のデータ制御部120の通信制御部12bは、子機IDを含む応答信号をデータ収集装置30に送信する。応答信号が送信(ステップS1092)された後、処理はステップS1070に進む。ステップS3060において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、子機4〜7の各無線送信装置10から送信された応答信号を確認する。
子機4〜7の各無線送信装置10では、以上のステップS2100が、電源オンモードのサンプリング周期Tc1で実行される。また、データ収集装置30では、以上のステップS2150が、サンプリング周期Tc3で実行される。
このように、子機4〜7の各無線送信装置10の、サンプリング周期Tc1で繰り返されるステップS2100において、データ収集装置30から同期信号が送信されないときは、ステップS1060に続いてステップS1070が実行される。一方、ステップS2100において、データ収集装置30から同期信号が送信されたときは、ステップS1060に続いて、ステップS1080,S1090,S1092が実行された後、ステップS1070が実行される。
続いて、図4のステップS2200において、ユーザによってイグニションスイッチ44がオフにされる。一方、このときも、無線送信装置10では、上記ステップS2100が、電源オンモードのサンプリング周期Tc1(本実施形態では、例えばTc1=10秒間)で実行されている。
データ収集装置30のデータ収集制御部33は、ECU50からの出力信号に基づき、イグニションスイッチ44がオフにされたと判別すると、ステップS3100において、電源オンモードから電源オフモードへのモード変更を指示する指示信号を生成する。データ収集装置30は、上記指示信号を子機4〜7の各無線送信装置10に送信する。
無線送信装置10が通常モードに移行した(ステップS1050)後で、データ収集装置30からの指示信号(ステップS3100)を受信すると、ステップS1110において、無線送信装置10のモード制御部121は、CPU12を電源オフモードに変更する。ステップS1120において、子機4〜7の各無線送信装置10のデータ制御部120の通信制御部12bは、ステップS3100の指示信号に対する、子機IDを含む応答信号を、データ収集装置30に送信する。ステップS1130において、子機4〜7の各無線送信装置10のCPU12(データ制御部120)は、モード制御部121によって、スリープモードに移行する。
ステップS3120において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、子機4〜7の各無線送信装置10から送信された応答信号を確認する。その後、ステップS3130において、データ収集装置30の電源がオフにされる。
例えば、ECU50からの出力信号に基づき、イグニションスイッチ44がオフにされたとデータ収集制御部33が判別し、ステップS3100,S3120の処理が正常に終了すると、データ収集装置30の電源が自動的にオフにされるように構成されてもよい。代替的に、メモリ31に保存されているデータ収集プログラムの動作中に、データ収集装置30に対してデータ収集プログラムの終了がユーザにより指示されると、データ収集装置30の電源がオフにされるように構成されてもよい。これらの構成に代えて、又は加えて、データ収集装置30に設けられた電源スイッチがユーザによりオフにされると、データ収集装置30の電源がオフにされるように構成されてもよい。
データ収集装置30の電源がオフの間、子機4〜7の各無線送信装置10のCPU12は、ステップS2300の動作を所定時間(本実施形態では例えば30秒間)毎に繰り返す。すなわち、モード制御部121によって、CPU12(データ制御部120)は、通常モードに移行する(ステップS1140)。CPU12(データ制御部120)は、所定時間(例えば5秒間)待機し、データ制御部120の通信制御部12bは、データ収集装置30の電源がオンにされたときに送信される準備信号がデータ収集装置30から送信されているか否かを判定する(ステップS1150)。準備信号がデータ収集装置30から送信されていなければ、モード制御部121によって、CPU12(データ制御部120)は、スリープモードに移行する(ステップS1160)。
また、データ収集装置30の電源がオフの電源オフモードでは、子機4〜7の各無線送信装置10のCPU12は、ステップS2400の動作を電源オフモードのサンプリング周期Tc2(本実施形態では例えばTc2=30分間)で繰り返す。電源オフモードでは、カウンタ122のカウント値は、サンプリング周期Tc2でカウントアップされる。ステップS2400は、カウンタ122のカウント値がカウントアップされる度に実行される。まず、モード制御部121によって、CPU12は通常モードに移行する(ステップS1170)。検出制御部12aは、腐食センサ21及び温湿度センサ22に電池14から電力を供給して動作させ、検出部20の検出データ(腐食データ、温度データ及び湿度データ)を取得し、取得した検出データを、カウンタ122のカウント値と対応付けてメモリ11に保存する(ステップS1180)。その後、モード制御部121によって、CPU12はスリープモードに移行する(ステップS1190)。このステップS2400によって、データ収集装置30の動作が停止している間には、動作中(サンプリング周期Tc1)に比べて長い間隔(サンプリング周期Tc2)で、検出部20の検出データを取得することができる。
続いて、図5のステップS2500において、ユーザによってイグニションスイッチ44がオンにされると、ステップS3200において、データ収集装置30の電源がオンにされる。一方、無線送信装置10では、上記ステップS2300が、例えば30秒間毎に実行されている。
ステップS3210において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、子機4〜7の各無線送信装置10に向けて、データ収集の準備を指示する準備信号を生成する。データ収集制御部33は、生成した準備信号を、所定時間(例えば1秒間)毎に繰り返して、所定時間(例えば1分間)継続して送信する。一方、子機4〜7の各無線送信装置10では、上記ステップS2300が、例えば30秒間毎に実行されている。
図5において、ステップS1140が実行される前に、データ収集装置30から準備信号が送信されても(ステップS3210)、無線送信装置10のCPU12がスリープモードであるため、CPU12は、応答しない。CPU12が通常モードに移行し(ステップS1140)、CPU12が待機し、データ制御部120の通信制御部12bが、データ収集装置30から準備信号が送信されているか否かを判定している間に(ステップS1150)、データ収集装置30から準備信号が送信されると(ステップS3210)、ステップS1200において、子機4〜7の各無線送信装置10のモード制御部121によって、CPU12は、データ収集装置30の再起動を確認して、電源オンモードに変更する。
ステップS1210において、子機4〜7の各無線送信装置10のデータ制御部120の通信制御部12bは、子機ID及び電源オンから初回でないことを表す非初回信号を含む応答信号をデータ収集装置30に送信する。ステップS3220において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、子機4〜7の各無線送信装置10から送信された子機ID及び非初回信号を含む応答信号を確認する。その後、データ収集装置30における処理は、図3のステップS3030の前に戻る。また、子機4〜7の各無線送信装置10における処理は、図3のステップS1030の前に戻る。
第1実施形態において、例えば子機4が、第1子機の一例に相当し、子機4の検出部20(腐食センサ21)が、第1状態検出部の一例に相当し、子機4のメモリ11が、第1記憶部の一例に相当し、子機4の発振器15が、第1発振器の一例に相当し、子機4のカウンタ122が、第1カウンタの一例に相当し、子機4のデータ制御部120(検出制御部12a)が、第1データ制御部の一例に相当する。また、例えば子機5が、第2子機の一例に相当し、子機5の検出部20(腐食センサ21)が、第2状態検出部の一例に相当し、子機5のメモリ11が、第2記憶部の一例に相当し、子機5の発振器15が、第2発振器の一例に相当し、子機5のカウンタ122が、第2カウンタの一例に相当し、子機5のデータ制御部120(検出制御部12a)が、第2データ制御部の一例に相当する。
図6は、検出データを子機4〜7の各無線送信装置10からデータ収集装置30(親機)に送信する手順の一例を概略的に示すシーケンス図である。図6の動作は、例えばユーザによってデータ収集装置30に対する指示が入力されると、開始される。
ステップS3300において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、子機4〜7の各無線送信装置10に向けて、検出データを要求する要求信号を送信する。ステップS2400において、子機4〜7の各無線送信装置10の通信制御部12bは、メモリ11に保存されている、検出データを含む検出情報を、子機IDとともにデータ収集装置30に送信する。その後、子機4〜7の各無線送信装置10における処理は終了する。
ステップS3310において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、子機4〜7の各無線送信装置10から送信された検出情報及び子機IDを受信し、受信した検出情報を、子機IDと対応付けてメモリ31に保存する。
ステップS3320において、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、メモリ31に保存した検出情報に含まれる検出データを補正する。ステップS3320におけるデータの補正手順は、図7を参照して、次に説明される。その後、データ収集装置30における処理は終了する。
図7は、データ収集装置30(親機)において実行されるデータの補正手順の一例を概略的に示すフローチャートである。
ステップS4000において、データ収集制御部33は、正規データ数を算出する。正規データ数は、同期用周期Tc3の間に、子機4〜7の各検出部20において検出される筈のデータ数である。例えば、サンプリング周期Tc1が、Tc1=10秒とし、サンプリング周期Tc2が、Tc2=30分間とし、同期用周期Tc3が、Tc3=24時間とする。また、24時間のうち、電源オンモードの時間(つまりサンプリング周期Tc1で検出データが取得された時間)が、6時間とし、電源オフモードの時間(つまりサンプリング周期Tc2で検出データが取得された時間)が、18時間とする。
この場合、電源オンモードで検出される筈のデータ数は、
6×60×60/10=2160
となるので、2160個である。また、電源オフモードで検出される筈のデータ数は、
18×60/30=36
となるので、36個である。よって、正規データ数は、
2160+36=2196
となる。データ収集制御部33は、同期用周期Tc3の間における電源オンモードの時間と電源オフモードの時間とをそれぞれカウントし、カウントしたそれぞれの積算値をメモリ31に保存しておけばよい。
ステップS4010において、データ収集制御部33は、データ数カウント値を取得する。データ数カウント値は、同期用周期Tc3の間に、子機4〜7の各検出部20において実際に検出された計測データ数を表す。上述のように、子機4〜7の各無線送信装置10の検出制御部12aは、カウンタ122のカウント値のカウントアップ毎に、検出部20の検出データを取得している。したがって、子機4〜7の各CPU12において、データ収集装置30からの同期信号によってカウンタ122のカウント値がリセットされる直前のカウント値(データ数カウント値)は、子機4〜7の各検出部20において実際に検出された計測データ数を表す。
上述のように、子機4〜7の各メモリ11には、検出データと、その検出データが取得されたときのカウンタ122のカウント値とが、対応付けられた検出情報が保存されている。この検出情報が、子機4〜7の各無線送信装置10から、データ収集装置30に送信され、メモリ31に保存されている。そこで、データ収集制御部33は、カウンタ122のカウント値がリセットされる直前のカウント値を、データ数カウント値として、メモリ31から取得する。
ステップS4020において、データ収集制御部33は、式(1)によって、差分を算出する。
差分=データ数カウント値−正規データ数 (1)
ステップS4030において、データ収集制御部33は、算出された差分がゼロであるか否かを判定する。算出された差分がゼロであれば(ステップS4030でYES)、処理はステップS4100に進む。算出された差分がゼロでなければ(ステップS4030でNO)、処理はステップS4040に進む。
ステップS4040において、データ収集制御部33は、式(2)によって、分割サイズを算出する。
分割サイズ=|差分|+1 (2)
分割位置=データ数カウント値/分割サイズ (3)
ステップS4050において、データ収集制御部33は、式(3)によって、分割位置を算出する。分割サイズ及び分割位置については、具体例を用いて後述される。
ステップS4060において、データ収集制御部33は、データを補正する操作の対象となるデータを決定する。操作対象のデータは、分割位置を例えば四捨五入することによって、分割位置の前又は後のデータに決定される。ステップS4070において、データ収集制御部33は、データ数カウント値が正規データ数より大きいか否かを判定する。なお、ステップS4030でNOであるので、データ数カウント値と正規データ数との一方が他方より大きくなっている。データ数カウント値が正規データ数より大きければ(ステップS4070でYES)、処理はステップS4080に進む。一方、データ数カウント値が正規データ数以下であれば(ステップS4070でNO)、処理はステップS4090に進む。
ステップS4080において、データ収集制御部33は、操作対象のデータを削除する。ステップS4090において、データ収集制御部33は、操作対象のデータを複製して、次の位置に挿入する。ステップS4100において、データ収集制御部33は、同期フラグを削除する。データ収集装置30のメモリ31に保存するデータとしては、同期フラグは不要であるので、同期フラグは、削除される。その後、図7の処理は終了する。
(データ補正の第1例)
図8は、データ収集装置におけるデータ補正の第1例を概略的に示す図である。図9は、図8の例における正規データ数等の各値の算出結果200を概略的に示す図である。図8、図9を用いて、データ補正の第1例が説明される。
図8に示される保存情報100は、子機4〜7の各無線送信装置10から送信された検出情報を用いて生成され、データ収集装置30のメモリ31に保存されている。保存情報100は、図8に示されるように、同期フラグ欄101と、補正前のカウント値欄102と、補正後のカウント値欄103と、温度データ欄104と、湿度データ欄105と、腐食データ欄106とを含む。保存情報100に付加されているデータ補正の操作内容欄110は、データ補正のために温度データ欄104、湿度データ欄105、及び腐食データ欄106の各データに対して操作された内容を表す。
同期フラグ欄101には、同期信号を受信すると同期フラグ「1」が書き込まれる。同期フラグ欄101には、予め「0」が記載されている。子機4〜7の各無線送信装置10の各検出制御部12aは、データ収集装置30から同期信号を受信すると、同期フラグ欄101に同期フラグ「1」を書き込む(図3のステップS1090)。補正前のカウント値欄102には、子機4〜7の各無線送信装置10から送信されたときのカウント値が記載されている。補正後のカウント値欄103は、データ補正が行われた後のカウント値を表す。温度データ欄104、湿度データ欄105、腐食データ欄106には、それぞれ、カウンタ122のカウント値がカウントアップされたときに取得された検出データが記載されている。
このように、保存情報100の同期フラグ欄101、補正前のカウント値欄102、温度データ欄104、湿度データ欄105、腐食データ欄106には、子機4〜7の各無線送信装置10から送信された検出情報のデータが、それぞれ記載されている。
このデータ補正の第1例では、図9の算出結果200に示されるように、正規データ数は「100」であり、計測データ数は「102」である。したがって、図8の補正前のカウント値欄102では、同期フラグ欄101が「1」にセットされて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされた後、次に同期フラグ欄101が「1」にセットされて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされる直前のカウント値(データ数カウント値)は、「102」になっている。なお、上述のように、計測データ数は、データ数カウント値と等価である。
同期フラグ欄101に同期フラグ「1」が書き込まれて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされたタイミングでは、検出データは取得されないので、図8に示されるように、温度データ欄104、湿度データ欄105、及び腐食データ欄106には、データは記載されていない。そして、補正前のカウント値欄102のカウント値のカウントアップ毎に、温度データTp1,Tp2,・・・,Tp10が、取得される。湿度データ、腐食データも、同様である。
図9において、上記式(1)により、
差分=計測データ数−正規データ数
=102−100=2
となる。すなわち、計測データ数を、正規データ数に合わせようとすると、計測データを2個減らす必要がある。そこで、削除するデータが決定される。
分割サイズは、上記式(2)により、
分割サイズ=|差分|+1
=2+1=3
となる。したがって、102個の計測データ数が、3個に分割される。
分割位置は、上記式(3)により、
分割位置
=データ数カウント値/分割サイズ
=102/3=34
となる。
よって、図9に示されるように、1つ目の分割位置1は、「34」となり、2つ目の分割位置2は、「68」となる。その結果、操作対象のデータは、1つ目の操作対象1は、34番目のデータとなり、2つ目の操作対象2は、68番目のデータとなる。
そこで、図8に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「34」に対応する、温度データ、湿度データ、腐食データが、削除される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「35」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「34」と補正される。
同様に、図8に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「68」に対応する、温度データ、湿度データ、腐食データが、削除される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「69」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「67」と補正される。
その結果、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「101」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「99」と補正され、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「102」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「100」と補正される。このようなデータ補正によって、保存情報100の検出データ数は、正規データ数である「100」に一致することとなる。
(データ補正の第2例)
図10は、データ収集装置におけるデータ補正の第2例を概略的に示す図である。図11は、図10の例における正規データ数等の各値の算出結果200を概略的に示す図である。図10、図11を用いて、データ補正の第2例が説明される。
このデータ補正の第2例では、図11の算出結果200に示されるように、正規データ数は「100」であり、計測データ数は「98」である。したがって、図10の補正前のカウント値欄102では、同期フラグ欄101が「1」にセットされて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされた後、次に同期フラグ欄101が「1」にセットされて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされる直前のカウント値(データ数カウント値)は、「98」になっている。
図11において、上記式(1)により、
差分=計測データ数−正規データ数
=98−100=−2
となる。すなわち、計測データ数を、正規データ数に合わせようとすると、計測データを2個増やす必要がある。そこで、複製するデータが決定される。
分割サイズは、上記式(2)により、
分割サイズ=|差分|+1
=2+1=3
となる。したがって、98個の計測データ数が、3個に分割される。
分割位置は、上記式(3)により、
分割位置
=データ数カウント値/分割サイズ
=98/3=32.67
となる。
よって、図11に示されるように、1つ目の分割位置1は、「32.67」となり、2つ目の分割位置2は、「65.33」となる。その結果、操作対象のデータは、1つ目の操作対象1は、四捨五入により33番目のデータとなり、2つ目の操作対象2は、四捨五入により65番目のデータとなる。
そこで、図10に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「33」に対応する、温度データTp3、湿度データHm3、腐食データCr3が、複製されて、次の位置に挿入される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「34」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「35」と補正される。
同様に、図10に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「65」に対応する、温度データTp5、湿度データHm5、腐食データCr5が、複製されて、次の位置に挿入される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「66」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「68」と補正される。
その結果、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「97」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「99」と補正され、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「98」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「100」と補正される。このようなデータ補正によって、保存情報100の検出データ数は、正規データ数である「100」に一致することとなる。
(データ補正の第3例)
図12は、データ収集装置におけるデータ補正の第3例を概略的に示す図である。図13は、図12の例における正規データ数等の各値の算出結果200を概略的に示す図である。図12、図13を用いて、データ補正の第3例が説明される。
このデータ補正の第3例では、図13の算出結果200に示されるように、正規データ数は「100」であり、計測データ数は「97」である。したがって、図12の補正前のカウント値欄102では、同期フラグ欄101が「1」にセットされて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされた後、次に同期フラグ欄101が「1」にセットされて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされる直前のカウント値(データ数カウント値)は、「97」になっている。
図13において、上記式(1)により、
差分=計測データ数−正規データ数
=97−100=−3
となる。すなわち、計測データ数を、正規データ数に合わせようとすると、計測データを3個増やす必要がある。そこで、複製するデータが決定される。
分割サイズは、上記式(2)により、
分割サイズ=|差分|+1
=3+1=4
となる。したがって、97個の計測データ数が、4個に分割される。
分割位置は、上記式(3)により、
分割位置
=データ数カウント値/分割サイズ
=97/4=24.25
となる。
よって、図13に示されるように、1つ目の分割位置1は、「24.25」となり、2つ目の分割位置2は、「48.50」となり、3つ目の分割位置3は、「72.75」となる。その結果、操作対象のデータは、1つ目の操作対象1は、四捨五入により24番目のデータとなり、2つ目の操作対象2は、四捨五入により49番目のデータとなり、3つ目の操作対象3は、四捨五入により73番目のデータとなる。
そこで、図12に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「24」に対応する、温度データTp3、湿度データHm3、腐食データCr3が、複製されて、次の位置に挿入される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「25」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「26」と補正される。
同様に、図12に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「49」に対応する、温度データTp5、湿度データHm5、腐食データCr5が、複製されて、次の位置に挿入される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「50」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「52」と補正される。
同様に、図12に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「73」に対応する、温度データTp7、湿度データHm7、腐食データCr7が、複製されて、次の位置に挿入される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「74」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「77」と補正される。
その結果、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「96」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「99」と補正され、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「97」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「100」と補正される。このようなデータ補正によって、保存情報100の検出データ数は、正規データ数である「100」に一致することとなる。
(データ補正の第4例)
図14は、データ収集装置におけるデータ補正の第4例を概略的に示す図である。図15は、図14の例における正規データ数等の各値の算出結果200を概略的に示す図である。図14、図15を用いて、データ補正の第4例が説明される。
このデータ補正の第4例では、図15の算出結果200に示されるように、正規データ数は「10」であり、計測データ数は「15」である。したがって、図14の補正前のカウント値欄102では、同期フラグ欄101が「1」にセットされて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされた後、次に同期フラグ欄101が「1」にセットされて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされる直前のカウント値(データ数カウント値)は、「15」になっている。
図15において、上記式(1)により、
差分=計測データ数−正規データ数
=15−10=5
となる。すなわち、計測データ数を、正規データ数に合わせようとすると、計測データを5個減らす必要がある。そこで、削除するデータが決定される。
分割サイズは、上記式(2)により、
分割サイズ=|差分|+1
=5+1=6
となる。したがって、15個の計測データ数が、6個に分割される。
分割位置は、上記式(3)により、
分割位置
=データ数カウント値/分割サイズ
=15/6=2.50
となる。
よって、図15に示されるように、1つ目の分割位置1は、「2.50」となり、2つ目の分割位置2は、「5.00」となり、3つ目の分割位置3は、「7.50」となり、4つ目の分割位置4は、「10.00」となり、5つ目の分割位置5は、「12.50」となる。その結果、操作対象のデータは、1つ目の操作対象1は、四捨五入により3番目のデータとなり、2つ目の操作対象2は、四捨五入により5番目のデータとなり、3つ目の操作対象3は、四捨五入により8番目のデータとなり、4つ目の操作対象4は、四捨五入により10番目のデータとなり、5つ目の操作対象5は、四捨五入により13番目のデータとなる。
そこで、図14に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「3」に対応する、温度データ、湿度データ、腐食データが、削除される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「4」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「3」と補正される。
同様に、図14に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「5」に対応する、温度データ、湿度データ、腐食データが、削除される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「6」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「4」と補正される。
同様に、図14に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「8」に対応する、温度データ、湿度データ、腐食データが、削除される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「9」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「6」と補正される。
同様に、図14に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「10」に対応する、温度データ、湿度データ、腐食データが、削除される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「11」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「7」と補正される。
同様に、図14に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「13」に対応する、温度データ、湿度データ、腐食データが、削除される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「14」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「9」と補正される。
その結果、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「15」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「10」と補正される。このようなデータ補正によって、保存情報100の検出データ数は、正規データ数である「10」に一致することとなる。
(データ補正の第5例)
図16は、データ収集装置におけるデータ補正の第5例を概略的に示す図である。図17は、図16の例における正規データ数等の各値の算出結果200を概略的に示す図である。図16、図17を用いて、データ補正の第5例が説明される。
このデータ補正の第5例では、図17の算出結果200に示されるように、正規データ数は「10」であり、計測データ数は「5」である。したがって、図16の補正前のカウント値欄102では、同期フラグ欄101が「1」にセットされて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされた後、次に同期フラグ欄101が「1」にセットされて(つまり同期信号を受信)、カウント値が0にリセットされる直前のカウント値(データ数カウント値)は、「5」になっている。
図15において、上記式(1)により、
差分=計測データ数−正規データ数
=5−10=−5
となる。すなわち、計測データ数を、正規データ数に合わせようとすると、計測データを5個増やす必要がある。そこで、複製するデータが決定される。
分割サイズは、上記式(2)により、
分割サイズ=|差分|+1
=5+1=6
となる。したがって、5個の計測データ数が、6個に分割される。
分割位置は、上記式(3)により、
分割位置
=データ数カウント値/分割サイズ
=5/6=0.83
となる。
よって、図17に示されるように、1つ目の分割位置1は、「0.83」となり、2つ目の分割位置2は、「1.67」となり、3つ目の分割位置3は、「2.50」となり、4つ目の分割位置4は、「3.33」となり、5つ目の分割位置5は、「4.17」となる。その結果、操作対象のデータは、1つ目の操作対象1は、四捨五入により1番目のデータとなり、2つ目の操作対象2は、四捨五入により2番目のデータとなり、3つ目の操作対象3は、四捨五入により3番目のデータとなり、4つ目の操作対象4は、四捨五入により3番目のデータとなり、5つ目の操作対象5は、四捨五入により4番目のデータとなる。
そこで、図16に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「1」に対応する、温度データTp1、湿度データHm1、腐食データCr1が、複製されて、次の位置に挿入される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「2」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「3」と補正される。
同様に、図16に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「2」に対応する、温度データTp2、湿度データHm2、腐食データCr2が、複製されて、次の位置に挿入される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「3」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「5」と補正される。
同様に、図16に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「3」に対応する、温度データTp3、湿度データHm3、腐食データCr3が、2個複製されて、次の位置に連続して挿入される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「4」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「8」と補正される。
同様に、図16に示されるように、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「4」に対応する、温度データTp4、湿度データHm4、腐食データCr4が、複製されて、次の位置に挿入される。したがって、補正前のカウント値欄102におけるカウント値「5」は、補正後のカウント値欄103において、カウント値「10」と補正される。このようなデータ補正によって、保存情報100の検出データ数は、正規データ数である「10」に一致することとなる。
(効果)
以上説明されたように、この第1実施形態では、データ収集装置30のデータ収集制御部33は、子機4〜7においてそれぞれ取得された計測データ数を、データ収集制御部33により算出された正規データ数に一致させている。すなわち、計測データ数が正規データ数より大きいときは、検出データが削除され、計測データ数が正規データ数より小さいときは、検出データが複製されて、計測データ数を正規データ数に一致させている。これによって、第1実施形態によれば、子機4〜7の間において、同じ取得タイミングの検出データで比較することができる。その結果、車両1において、各腐食センサ21が取り付けられた箇所の間で、腐食の進み具合を好適に比較することができる。
また、この第1実施形態では、データ数カウント値(計測データ数)と正規データ数との差分を用いて分割サイズが算出され、分割サイズを用いて分割位置が算出され、分割位置を四捨五入することにより、分割位置の前又は後のデータが、データ補正における操作対象のデータとされている。つまり、検出データの最初及び最後を除いた均等に分割された位置で、データの複製又は削除によるデータ補正が行われている。したがって、サンプリング周期Tc1,Tc2で継続して取得されている検出データの緩やかな変化が、データ補正によって阻害されるのを可能な限り抑制することができる。
また、この第1実施形態では、同期信号を受信したときに、子機4〜7の各無線送信装置10では、データ制御部120(検出制御部12a)は、同期フラグを書き込むだけであり、データ補正は、データ収集装置30において実行されている。したがって、子機4〜7の各無線送信装置10の電池14の消耗を可能な限り避けることができる。
また、この第1実施形態では、例えば図8に示されるように、データ収集装置30のメモリ31に保存される保存情報100は、補正後のカウント値欄103を設け、カウント値が補正されている。このため、補正後のカウント値欄103のカウント値を確認することによって、データ補正により計測データ数が正規データ数に一致したことを容易に把握することができる。また、他の子機の検出データと比較する際に、同じタイミングの検出データを容易に抽出することができる。
(第2実施形態)
図18は、第2実施形態における、子機4〜7の各無線送信装置10、データ収集装置30(親機)の動作の一例を概略的に示すシーケンス図である。図18に続く動作は、図4、図5に示される第1実施形態の動作と同じである。また、第2実施形態の送受信装置を備える車両1の構成は、図1、図2に示される第1実施形態と同じである。
第2実施形態では、ステップS1090(図3)に代えて、ステップS1094が実行される。ステップS1094において、検出制御部12aは、メモリ11に保存されている検出データを含む検出情報において、検出データを補正する。すなわち、第1実施形態では、データ収集装置30のデータ収集制御部33が実行していたデータの補正を、第2実施形態では、無線送信装置10の検出制御部12aが実行する。
第2実施形態では、検出制御部12aは、同期信号の受信ごとに検出データを補正するため、第1実施形態のように、同期フラグを書き込む必要はない。データ補正を実行する主体が異なること以外は、第2実施形態は、第1実施形態と同じである。よって、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形された実施形態)
(1)上記各実施形態では、図4に示されるように、ステップS2300とステップS2400とが別々に実行されているが、これに限られない。
例えば、ステップS2300の繰返し周期とステップS2400の繰返し周期とが同じであってもよい。この場合には、ステップS1140とステップS1150との間、又はステップS1150とステップS1160との間において、ステップS1180を実行してもよい。この実施形態では、ステップS2400を省略することができる。
或いは、通常は30秒毎にステップS2300を実行しておき、30分毎のタイミングのときだけ、ステップS1140とステップS1150との間、又はステップS1150とステップS1160との間において、ステップS1180を実行してもよい。この実施形態でも、ステップS2400を省略することができる。
(2)上記各実施形態では、検出部20は、車両1の例えば、エンジンルーム、フロントホイルハウス、リフトゲートの外板、エンジンのアンダカバーの4箇所に取り付けられているが、これに限られない。例えば、検出部20は、上記4箇所以外の場所に取り付けられてもよい。また、検出部20は、3箇所以下の場所に取り付けられてもよく、5箇所以上の場所に取り付けられてもよい。無線送信装置10は、検出部20の近傍に取り付けられるようにすればよい。
(3)上記各実施形態では、検出部20は、腐食センサ21と温湿度センサ22とを含んでいるが、これに限られない。検出部20は、腐食センサ21のみを含んでもよく、温湿度センサ22のみを含んでもよく、腐食センサ21及び温湿度センサ22に加えて、更に他のセンサを含んでもよい。
(4)上記各実施形態では、二次電池48を備えているが、これに限られない。二次電池48は、イグニションスイッチ44がオフにされた後(図4のステップS2200)、データ収集装置30の電源がオフにされるまで(図4のステップS3130)、ステップS3100,S3110、S3120の動作が行えるだけの小さい容量を有する電池であってもよい。或いは、二次電池48に代えて、電気二重層キャパシタを備えてもよい。
このような二次電池48又は電気二重層キャパシタの場合、二次電池48又は電気二重層キャパシタが充電されている(つまりイグニションスイッチ44がオンにされている)時のみ、二次電池48又は電気二重層キャパシタから、データ収集装置30に電力が供給されるように構成されてもよい。
(5)上記各実施形態において、二次電池48は、二次電池48が充電されている(つまりイグニションスイッチ44がオンにされている)時のみ、二次電池48からデータ収集装置30に電力が供給されるように構成されてもよい。
このような構成の場合、例えば、イグニションスイッチ44がオンにされると、データ収集装置30の電源が自動的にオンにされるように構成されてもよい。
また、例えば、ECU50からの出力信号に基づき、イグニションスイッチ44がオフにされたとデータ収集制御部33が判別し、ステップS3100,S3120(図4)の処理が正常に終了すると、データ収集装置30の電源が自動的にオフにされるように構成されてもよい。代替的に、メモリ31に保存されているデータ収集プログラムの動作中に、データ収集装置30に対してデータ収集プログラムの終了がユーザにより指示されると、データ収集装置30の電源がオフにされるように構成されてもよい。これらの構成に代えて、又は加えて、データ収集装置30に設けられた電源スイッチがユーザによりオフにされると、データ収集装置30の電源がオフにされるように構成されてもよい。
(6)上記各実施形態では、例えば図8に示されるように、補正後のカウント値欄103を設け、データ補正後の補正されたカウント値が明示されているが、補正後のカウント値欄103を設けなくてもよい。或いは、補正後のカウント値欄103には、補正前のカウント値を、そのまま記載してもよい。この場合、例えば図8では、34番目と68番目のデータが削除されているので、カウント値「34」、「68」は欠番となる。また、例えば図10では、33番目と65番目のデータが複製されているので、カウント値「33」、「65」は、重複して示される。
(7)上記各実施形態では、ステップS4100(図7)において、同期フラグが削除されている。この場合、データ収集制御部33は、例えば図8に示される保存情報100において、同期フラグ欄101に「1」が書き込まれている行全体を削除してもよい。これに代えて又は加えて、データ収集制御部33は、データ補正が終了した分の同期フラグ欄101(例えば図8)を削除してもよい。代替的に、データ収集制御部33は、保存情報100に含まれている全てのデータ補正が終了した後で、同期フラグ欄101の全体を削除してもよい。
(8)上記各実施形態では、例えば図8、図14に示されるように、削除された行の補正後のカウント値欄103及び各データ欄104,105,106が空欄で示され、データを削除したことが分かるようにされている。しかし、データ収集制御部33により削除された行は、保存情報100に含まれないようにしてもよい。
(9)上記各実施形態において、例えば図8に示される保存情報100は、カウンタ122のカウント値がカウントアップされるサンプリング周期Tc1,Tc2の情報を含むようにしてもよい。この場合には、データ収集制御部33は、保存情報100に含まれる情報から、正規データ数を容易に算出することができる。
(10)上記各実施形態では、計測データ数が正規データ数より小さいときは、検出データが複製されているが、これに限られない。例えば、算出された分割位置を四捨五入せずに、その分割位置の前後の検出データの平均値を新たな検出データとしてもよい。