JP2019125652A - チップ型金属板抵抗器製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、従来、抵抗体と、一対の電極とを、超音波接合により取付ける構成は、公知である(特許文献2参照)。
この公知例では、電極の上面に所定形状の凹部を形成することを目的とし、この凹部の存在により基板に対する実装強度を向上させている。
すなわち、前者の公知例の接合方法では、当接面の不純物の除去が十分でないこと、当接面が不均一になって、抵抗体の抵抗とは別に電気の流れに抵抗が生じ、その分、所望の低い抵抗値のチップ型金属板抵抗器が得られないのである。
前記公知例のうち後者のものは、単に、電極に凹部を形成することを目的としているので、抵抗値の低いチップ型金属板抵抗器を提供できないという課題がある。
なお、後者の公知例には、電極と抵抗体との固定手段に、超音波接合を使用する旨が記載されているが、電極と抵抗体との固定手段の一手段に過ぎず、溶接やクラッド接合等であっても良いとの認識であるから、抵抗値の低いチップ型金属板抵抗器を得るための超音波接合という手段を選択するという着想はなく、これを示唆する記載も無い。
また、後者の公知例の凹部は各図に図示されているように、電極の面積に対して小さく、所謂スポット溶接のようであって、電極が全面的に抵抗体に接合していないと思われ、このことから、電極と抵抗体との接合面積も小さく、この点で、電気の流れに抵抗が生じ、その分、所望の低い抵抗値のチップ型金属板抵抗器が得られないという課題がある。
しかし、この超音波接合を有効活用すると、抵抗値の小さいチップ型金属板抵抗器が得られることを知見した。
本願は、チップ型金属板抵抗器の構成を工夫し、0.1ミリオーム以下という小さい低抵抗値のチップ型金属板抵抗器を提供するものである。
請求項2の発明は、前記抵抗体1の両端に表側から裏側に貫通する透孔15を穿孔し、前記電極2は所定の大きさであって所定形状のフランジ部16と該フランジ部16の所定位置に起立する起立部17とを一体状に成形し、前記抵抗体1の各透孔15に各電極2の起立部17を厚入し、次に、前記電極2のフランジ部16に該フランジ部16の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の接合チップ6を当接させ、この接合チップ6を超音波振動させて前記フランジ部16と前記抵抗体1との当接面を超音波接合面12として固相接合させるチップ型金属板抵抗器製造方法としたものである。
請求項3の発明は、前記電極2を、抵抗体1の一面に当接する表側板部23および抵抗体1の他面に当接する裏側板部24と、該表側板部23と裏側板部24とを連結する連結部25を有して断面コ字形状に、抵抗体1とは別体でそれぞれ成形し、前記各電極2の表側板部23と裏側板部24の間の溝26を、抵抗体1の両端に嵌合させ、次に、各電極2の表側板部23に該表側板部23の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の一方側接合チップ6を当接させ、各電極2の裏側板部24に該裏側板部24の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の他方側接合チップ11を当接させ、一方側接合チップ6と他方側接合チップ11とを同時に超音波振動させて抵抗体1と電極2の表側板部23および裏側板部24との当接面を超音波接合面12として固相接合するチップ型金属板抵抗器製造方法としたものである。
請求項4の発明は、前記各電極2の表側板部23と裏側板部24とは同じ長さまたは前記各電極2の表側板部23を裏側板部24より長く成形し、あるいは、裏側板部24の厚さを所定厚さとし、該裏側板部24の厚さより表側板部23の厚さを薄くしたチップ型金属板抵抗器製造方法としたものである。
請求項5の発明は、前記電極2を、抵抗体1の一面に当接する表側板部23および抵抗体1の他面に当接する裏側板部24と、該表側板部23と裏側板部24とを連結する連結部25とを有すると共に、前記表側板部23を一対の連結部25を連結するように一枚板状に成形し、この電極2を抵抗体1の外周に密着嵌合させ、次に、表側板部23の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の一方側接合チップ6を各電極2の表側板部23に当接させ、裏側板部24の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の他方側接合チップ11を各電極2の両端の裏側板部24に当接させ、一方側接合チップ6と他方側接合チップ11を同時に超音波振動させて抵抗体1と電極2の表側板部23および裏側板部24との当接面を超音波接合面12として固相接合するチップ型金属板抵抗器製造方法としたものである。
請求項2の発明では、電極2のフランジ部16の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の接合チップ6を超音波振動させて抵抗体1と電極2とを接合するので、抵抗体1と電極2との固相接合部分の面積を大きく(広く)でき、これにより電気が流れる際の電気抵抗を少なくし、小さい低抵抗値のチップ型金属板抵抗器Tを提供することができ、また、抵抗体1の透孔15に電極2の起立部17を圧入しているので、取付強度を向上させることができる。
請求項3の発明では、抵抗体1と電極2の表側板部23および裏側板部24のそれぞれとの当接面を超音波接合面12として固相接合するので、抵抗体1に対する電極2の容積比率を大きくでき、より一層、低い抵抗値のチップ型金属板抵抗器Tを提供できる。
請求項4の発明では、抵抗体1に対する電極2の容積比率を簡単に大きくでき、より一層、低い抵抗値のチップ型金属板抵抗器Tを提供でき、また、裏側板部24の厚さを表側板部23の厚さより厚くすると、抵抗板1の下面と基板Kとの間の空間を大きくすることができ、基板Kへの実装を容易にすることができる。
請求項5の発明では、電極2の表側板部23は連結部25を連結するように一枚板状に成形しているので、抵抗体1に対する電極2の容積比率を簡単に大きくでき、より一層、低い抵抗値のチップ型金属板抵抗器Tを提供でき、しかも、抵抗体1と電極2の表側板部23および裏側板部24との当接面を超音波接合面12として固相接合する抵抗体1と電極2との固相接合部分の面積を大きく(広く)でき、これにより電気が流れる際の電気抵抗を少なくし、小さい低抵抗値のチップ型金属板抵抗器Tを提供することができる。
また、抵抗体1には抵抗値調整用の切欠き(図示省略)を形成してもよい。
なお、起立部17は複数設けてもよい。
次に、抵抗体1に電極2を嵌めた状態で、フランジ部16と抵抗体1との当接面を超音波により接合する。
そのため、基板Kに実装する際には、抵抗体1と電極2のフランジ部16とは超音波接合により電気抵抗が生じない電気的に結合し、これにより、これにより電気が流れる際の電気抵抗を少なくし、小さい低抵抗値のチップ型金属板抵抗器Tとすることができる。
また、電極2は抵抗体1にカシメ固定されるので、実装された製品が振動環境にあっても安定して作動させられる。
なお、抵抗体1と電極2の固定作業順序は任意であり、超音波接合工程とカシメ工程との順序は反対であってもよい。
そのため、電極2は抵抗板1に対する容積を大きくでき、小さい低抵抗値のチップ型金属板抵抗器Tとすることができる。
また、電極2の形状も任意であり、フランジ部16の所定位置に起立部17があればよい。
なお、この実施形態では、抵抗板1の表面側を一方面1Aとし、抵抗板1の裏面側を他方面1Bとしており、表側板部23と裏側板部24の何れかが基板Kに固定されることになり、基板Kに固定された抵抗体1の面が電極2を設けた片面となる。
この場合、前記一方側接合チップ6と他方側接合チップ11とは、同時に互いに反対方向に振幅させる。
これにより、電極2の表側板部23および裏側板部24と抵抗板1との上下2カ所の超音波接合を同時に行える。
また、この実施形態では、抵抗体1の上下両側に表側板部23と裏側板部24とがそれぞれ電極2として存在するので、チップ型金属板抵抗器Tの電極2の上下位置を考慮せずに、基板Kに実装でき、基板Kへの実装作業を容易にする。
そのため、抵抗体1に対する電極2の容積率を増加させることができ、一層、抵抗値の小さいチップ型金属板抵抗器Tとすることができる。
また、図14、15では、裏側板部24の厚さを所定厚さとし、裏側板部24の厚さより表側板部23の厚さを薄く形成する。
そのため、図示は省略するが、抵抗板1の下面と基板Kとの間の空間を大きくすることができ、基板Kへの実装を容易にする。
なお、この各実施形態において、上記抵抗板1の形状は任意であり、抵抗板1の左右幅よりも前後幅を大きくしてもよく、また、抵抗板1の厚さを厚くあるいは薄くしてもよい。
また、電極2の形状も任意であり、表側板部23と裏側板部24と連結部25の、厚さ・左右長さ・前後長さを、抵抗板1に対して相対的にどのように変更させてもよい。
なお、この実施形態では、抵抗板1の裏面側を一方面1Aとし、抵抗板1の表面側を他方面1Bとしており、抵抗板1の裏面側の一方面1Aに設けた裏側板部24が電極2となって基板Kに固定されることになるので、抵抗板1の裏面側の一方面1Aが抵抗体1の片面となる。
なお、上記抵抗板1の形状は任意であり、抵抗板1の左右幅よりも前後幅を大きくしてもよく、また、抵抗板1の厚さを厚くあるいは薄くしてもよい。
また、電極2の形状も任意であり、表側板部23と裏側板部24と連結部25の、厚さ・左右長さ・前後長さを、抵抗板1に対して相対的にどのように変更させてもよい。
Claims (5)
- 導電性を有する金属板で抵抗体1を成形し、該抵抗体1の、少なくとも、片面の両端にそれぞれ設ける一対の電極2を、前記抵抗体1の電気伝導率と同等または前記抵抗体1の電気伝導率より大きい電気伝導率を有する金属により前記抵抗体1とは別体で形成し、前記電極2は、電極2の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の接合チップ6を当接させて超音波振動させ、電極2と抵抗体1とを固相接合させるチップ型金属板抵抗器製造方法。
- 請求項1において、前記抵抗体1の両端に表側から裏側に貫通する透孔15を穿孔し、前記電極2は所定の大きさであって所定形状のフランジ部16と該フランジ部16の所定位置に起立する起立部17とを一体状に成形し、前記抵抗体1の各透孔15に各電極2の起立部17を厚入し、次に、前記電極2のフランジ部16に該フランジ部16の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の接合チップ6を当接させ、この接合チップ6を超音波振動させて前記フランジ部16と前記抵抗体1との当接面を超音波接合面12として固相接合させるチップ型金属板抵抗器製造方法。
- 請求項1において、前記電極2を、抵抗体1の一面に当接する表側板部23および抵抗体1の他面に当接する裏側板部24と、該表側板部23と裏側板部24とを連結する連結部25を有して断面コ字形状に、抵抗体1とは別体でそれぞれ成形し、前記各電極2の表側板部23と裏側板部24の間の溝26を、抵抗体1の両端に嵌合させ、次に、各電極2の表側板部23に該表側板部23の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の一方側接合チップ6を当接させ、各電極2の裏側板部24に該裏側板部24の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の他方側接合チップ11を当接させ、一方側接合チップ6と他方側接合チップ11とを同時に超音波振動させて抵抗体1と電極2の表側板部23および裏側板部24との当接面を超音波接合面12として固相接合するチップ型金属板抵抗器製造方法。
- 請求項3において、前記各電極2の表側板部23と裏側板部24とは同じ長さまたは前記各電極2の表側板部23を裏側板部24より長く成形し、あるいは、裏側板部24の厚さを所定厚さとし、該裏側板部24の厚さより表側板部23の厚さを薄くしたチップ型金属板抵抗器製造方法。
- 請求項1において、前記電極2を、抵抗体1の一面に当接する表側板部23および抵抗体1の他面に当接する裏側板部24と、該表側板部23と裏側板部24とを連結する連結部25とを有すると共に、前記表側板部23を一対の連結部25を連結するように一枚板状に成形し、この電極2を抵抗体1の外周に密着嵌合させ、次に、表側板部23の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の一方側接合チップ6を各電極2の表側板部23に当接させ、裏側板部24の面積と同一またはそれ以上の面積を有する超音波溶接機5の他方側接合チップ11を各電極2の両端の裏側板部24に当接させ、一方側接合チップ6と他方側接合チップ11を同時に超音波振動させて抵抗体1と電極2の表側板部23および裏側板部24との当接面を超音波接合面12として固相接合するチップ型金属板抵抗器製造方法。
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