JP2019125442A - 燃料電池セル - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化剤ガスが下方から上方へ流れる燃料電池セルにおいて、酸化剤ガス流路の入口側における水の滞留を抑制し、電解質膜の疲労耐性を向上させることができる燃料電池セルを提供する。【解決手段】カソードガス拡散層を含む膜電極ガス拡散層接合体を備え、酸化剤ガスが下方から上方へ鉛直方向に沿って流れ、燃料ガスが水平方向に沿って流れる燃料電池セルである。カソードガス拡散層は、酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側における撥水材料の含有量が、酸化剤ガスの出口側である鉛直方向上方側における撥水材料の含有量よりも多い。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池セルに関する。
従来から、酸化剤ガスが、酸化剤ガス流路の下方から上方へ鉛直方向に沿って流れ、燃料ガスが、燃料ガス流路の一端から他端へ水平方向に沿って流れる燃料電池セルが知られている(下記特許文献1を参照)。
特開2016−95966号公報
酸化剤ガスの流量が多い場合、酸化剤ガス流路の入口側に存在する水分は、酸化剤ガスとともに燃料電池セルから排出される。しかし、実際の運転では、酸化剤ガスの流量が少なくなり、酸化剤ガス流路の入口側に水が残留する場合がある。
そのため、前記従来の燃料電池セルのように酸化剤ガスが下方から上方へ鉛直方向に沿って流れる場合、酸化剤ガスの流量が少なくなると、燃料ガスとの反応によって生成された水が重力の作用により下方へ流れ、酸化剤ガス流路の入口側に液水が滞留するおそれがある。
酸化剤ガス流路の入口側に滞留した液水は、たとえば、膜電極ガス拡散層接合体(Membrane - Electrode - Gas Diffusion Layer Assembly:MEGA)を構成する撥水層(Micro Porous Layer:MPL)の細孔に吸着するカチオンなどの汚染物質を含む。
そのため、酸化剤ガス流路の入口側に液水が滞留すると、MEGAを構成する電解質膜に汚染物質が蓄積され、燃料電池セルが長期にわたって使用された場合に、電解質膜の疲労耐性が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、酸化剤ガスが下方から上方へ流れる燃料電池セルにおいて、酸化剤ガス流路の入口側における液水の滞留を抑制し、電解質膜の疲労耐性を向上させることができる燃料電池セルを提供する。
本発明の一態様は、カソードガス拡散層を含む膜電極ガス拡散層接合体を備え、酸化剤ガスが下方から上方へ鉛直方向に沿って流れ、燃料ガスが水平方向に沿って流れる燃料電池セルであって、前記カソードガス拡散層は、前記酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側における撥水材料の含有量が、前記酸化剤ガスの出口側である鉛直方向上方側における撥水材料の含有量よりも多いことを特徴とする燃料電池セルである。
この態様の燃料電池セルは、酸化剤ガスが下方から上方へ鉛直方向に沿って流れる。この場合、酸化剤ガスの流速は、酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側において高く、酸化剤ガスの出口側である鉛直方向上方側に向けて徐々に低下する。また、酸化ガス流量が多い場合は、酸化剤ガスと燃料ガスとの反応によって生成された水は、重力の影響によらず、酸化剤ガスとともに燃料電池セルから排出されるが、酸化剤ガスの流量が少なくなると、重力の作用によって下方へ流れる場合がある。
しかし、上記態様の燃料電池セルにおいて、カソードガス拡散層は、酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側における撥水材料の含有量が、酸化剤ガスの出口側である鉛直方向上方側における撥水材料の含有量よりも多い。そのため、カソードガス拡散層の鉛直方向下方側、すなわち酸化剤ガスの入口側に到達した液水は、撥水材料によってカソードガス拡散層への浸透が抑制される。また、酸化剤ガスの入口側は、酸化剤ガスの流速が高いため、酸化剤ガスの入口側に到達した液水は、酸化剤ガス中に水蒸気となって取り込まれ易く、酸化剤ガスとともに燃料電池セルから排出される。
したがって、上記態様の燃料電池セルは、実際の運転において酸化剤ガスの流量が少なくなって、酸化剤ガスと燃料ガスとの反応によって生成された水が重力の作用によって下方へ流れても、酸化剤ガス流路の入口側における水の滞留を抑制することができる。その結果、膜電極ガス拡散層接合体に含まれる電解質膜に対する汚染物質の蓄積が抑制され、燃料電池セルが長期にわたって使用された場合の電解質膜の疲労耐性を向上させることができる。
本発明の上記態様によれば、酸化剤ガスが下方から上方へ流れる燃料電池セルにおいて、酸化剤ガス流路の入口側における水の滞留を抑制し、電解質膜の疲労耐性を向上させることができる燃料電池セルを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池セルのカソードGDLの透水圧と、燃料電池自動車の走行距離との関係を示すグラフ。 比較対象の燃料電池セルのカソードGDLの透水圧と、燃料電池自動車の走行距離との関係を示すグラフ。 カソードGDLにおけるカチオンコンタミ量と透水圧との関係を示すグラフ。 比較対象の燃料電池セルのカソードGDLの水の転落角の計測位置を示す図。 耐久前の図4に示すaからiまでの各位置の水の転落角を示すグラフ。 耐久後の図4に示すaからiまでの各位置の水の転落角を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明に係る燃料電池セルの一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池セルのカソード拡散層(Gas Diffusion Layer:GDL)の透水圧と、燃料電池自動車の走行距離との関係を示すグラフである。
本実施形態の燃料電池セルは、たとえば、燃料電池自動車に搭載される燃料電池スタックを構成する単セルである。燃料電池スタックは、たとえば、複数の燃料電池セルを積層させた構成を有し、複数の燃料電池セルによって発電された電力を、たとえば燃料電池自動車を駆動するモータ等に供給する。
本実施形態の燃料電池セルは、たとえば、一対のセパレータと、一対のセパレータの間に配置された枠状の樹脂部材と、樹脂部材の中央の開口部に配置された膜電極ガス拡散層接合体(Membrane-Electrode-Gas Diffusion Layer Assembly:MEGA)とを備えている。
MEGAは、たとえば、高分子電解質膜(Polymer Electrolyte Membrane:PEM)の一方の面に、アノード触媒層(Catalyst Layer:CL)、アノード撥水層(Micro Porous Layer:MPL)、およびアノードガス拡散層(Gas Diffusion Layer:GDL)が積層されている。また、MEGAは、たとえば、PEMの他方の面に、カソードCL、カソードMPL、カソードGDLが積層されている。
本実施形態の燃料電池セルにおいて、カソードGDLは、たとえば、炭素繊維(Carbon Fiber:CF)製の基材にポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)を添加したカーボンペーストを塗工し、焼成することによって製造されている。これにより、カソードGDLは、たとえば、電極側表面に、撥水材料としてPTFEを含有するカソードMPLを備えている。
詳細については後述するが、本実施形態の燃料電池セルは、カソードGDL(カソードガス拡散層)を含むMEGA(膜電極ガス拡散層接合体)を備え、酸化剤ガスが下方から上方へ鉛直方向に沿って流れ、燃料ガスが水平方向に沿って流れる。本実施形態の燃料電池セルは、カソードGDLがカソードMPLを備え、酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側におけるカソードMPLの撥水材料の含有量が、酸化剤ガスの出口側である鉛直方向上方側におけるカソードMPLの撥水材料の含有量よりも多いことを特徴としている。
すなわち、本実施形態の燃料電池セルは、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により生成した水が流れ落ちる鉛直方向の下方側において、長時間使用された耐久後のカソードGDLの透水圧の低下分を見越して、カソードGDLの透水圧を上昇させている。カソードGDLの透水圧は、たとえば、カソードMPLの厚さを増大させたり、カソードMPLの細孔径を縮小させたり、カソードMPLの細孔の表面張力を抑制したりすることによって、上昇させることができる。
燃料電池セルの発電性能に関係する酸化剤ガスの拡散性を阻害しないようにする観点から、カソードGDLの透水圧を上昇させるための手段として、カソードMPLの厚さを増大させたり、細孔径を縮小したりするのは望ましくない。したがって、カソードMPLの細孔の表面張力を抑制することで、カソードGDLの透水圧を上昇させることが望ましい。具体的には、カソードGDLの鉛直方向の下方側の部分において、たとえば、カソードMPLに含まれる撥水材料であるPTFEの含有量を30[wt%]から40[wt%]に増加させることができる。
図1に示すように、カソードGDLの透水圧は、燃料電池自動車の走行距離の増加に伴って低下する。PTFEの含有量が30[wt%]のカソードMPLを備えるカソードGDLを用いた場合、燃料電池自動車の走行距離がおよそ13万[km]に到達するまで、カソードGDLの透水圧は、一次直線的に減少する。燃料電池自動車の走行距離がおよそ13万[km]に到達すると、カソードGDLの透水圧は、およそ130[kPa]で一定になる。
カソードGDLの透水圧が低下する要因の一つは、カソードMPLの細孔表面に吸着されるカチオンなどの汚染物質である。カソードGDLの透水圧が低下すると、酸化ガス流路に液水が滞留しやすい燃料電池セルの下部において、膜電極接合体(Membrane-Electrode Assembly:MEA)がカソードGDLを通過した液水によって水没する。その結果、乾湿差が増大し、汚染物質の浸入によって化学的な劣化が増大し、カチオンなどの汚染物質による電解質膜の延び低下など、化学的および物理的要因により、電解質膜の耐久性が低下する。
このような電解質膜の耐久性低下を抑制するために、本実施形態の本実施形態の燃料電池セルは、前述のように、カソードGDLの鉛直方向の下方側の部分において、たとえば、カソードMPLに含まれる撥水材料であるPTFEの含有量を増加させている。これにより、本実施形態の本実施形態の燃料電池セルは、図1の矢印に示すように、カソードGDLの透水圧を上昇させている。
一対のセパレータのうち、アノード側のセパレータは、樹脂部材およびMEGAの一方の面に沿う水平方向の燃料ガス流路を形成し、カソード側のセパレータは、絶縁材およびMEGAの他方の面に沿う鉛直方向の酸化剤ガス流路を形成する。また、一対のセパレータは、たとえば、複数の燃料電池セルが積層されたときに、隣り合う他の二つの燃料電池セルのセパレータとの間に冷媒流路を形成する。
アノード側のセパレータは、水平方向の一端と他端に、それぞれ、燃料ガスの供給用と排出用のマニホールド孔を有している。カソード側のセパレータは、鉛直方向の下端と上端に、それぞれ、酸化剤ガスの供給用と排出用のマニホールド孔を有している。また、一対のセパレータは、水平方向または鉛直方向の一端と他端に、それぞれ、冷媒の供給用と排出用のマニホールド孔を有している。
樹脂部材は、MEGAの外周を囲むように配置され、一対のセパレータに挟持された額縁状の部材である。樹脂部材は、たとえば、中央部にMEGAを配置するための開口部を有し、周縁部にマニホールドを構成する複数のマニホールド開口部を有している。樹脂部材は、たとえば、一対のセパレータに溶着され、一対のセパレータを接合する接合材としても機能する。
樹脂部材は、たとえば、水平方向の一端と他端に、それぞれ、アノード側のセパレータに設けられた燃料ガスの供給用と排出用のマニホールド孔に連通する燃料ガスの供給用と排出用のマニホールド開口部を有している。また、樹脂部材は、たとえば、鉛直方向の下端と上端に、それぞれ、カソード側のセパレータに設けられた酸化剤ガスの供給用と排出用のマニホールド孔に連通する酸化剤ガスの供給用と排出用のマニホールド開口部を有している。また、樹脂部材は、たとえば、水平方向または鉛直方向の一端と他端に、それぞれ、セパレータに設けられた冷媒の供給用と排出用のマニホールド孔に連通する冷媒の供給用と排出用のマニホールド開口部を有している。
また、樹脂部材は、たとえば、燃料ガスの供給用と排出用のマニホールド開口部を燃料ガス流路に連通させる連絡流路を有している。また、樹脂部材は、たとえば、酸化剤ガスの供給用と排出用のマニホールド開口部を酸化剤ガス流路に連通させる連絡流路を有している。また、樹脂部材は、一対のセパレータの周縁部の間を密閉して、一対のセパレータに設けられた冷媒の供給用と排出用のマニホールド孔と、燃料ガス流路および酸化剤ガス流路との間を封止している。
以下、本実施形態の燃料電池セルの作用について、比較対象の燃料電池セルとの対比に基づいて説明する。なお、以下に説明する比較対象の燃料電池セルは、カソードGDLに含まれるカソードMPLにおいて、撥水材料であるPTFEの含有率が30[wt%]であり、鉛直方向の下方から上方まで撥水材料の含有率が一定である点で本実施形態の燃料電池セルと異なっている。
図2は、比較対象の燃料電池セルのカソードGDLの透水圧と、燃料電池自動車の走行距離との関係を示すグラフである。前述のように、CF製の基材にPTFEを添加したカーボンペーストを塗工し、焼成することによって製造されたカソードMPLを含むカソードGDLの透水圧は、燃料電池自動車の走行距離の増加に伴って減少する。
比較対象の燃料電池セルにおいて、カソードGDLの透水圧は、たとえば、燃料電池自動車の走行距離がおよそ13万[km]に到達すると、走行開始当初の190[kPa]から約30[%]程度低下して、約130[kPa]で一定となる。この際、透水圧低下の主な要因は、カソードMPLの細孔表面に吸着するカチオンなどの汚染物質である。
図3は、カソードGDLにおけるカチオンコンタミ量、すなわち汚染物質としてのカチオンの含有率と、カソードGDLの透水圧との関係を示すグラフである。なお、カソードGDLのカチオンの含有率は、エネルギー分散型X線分析(Energy dispersive X-ray spectrometry:EDX)による計測値である。図3に示すように、カソードGDLの透水圧の低下は、カソードMPLに吸着したカチオンの含有率に依存する。より具体的には、カソードGDLの透水圧は、カソードGDLに含まれるカソードMPLのカチオンの含有率の増加に伴って減少する。
図4は、比較対象の燃料電池セルのカソードGDLに含まれるカソードMPLの表面における水の転落角の計測位置を示す図である。ここで、転落角とは、たとえば滑落法(転落法)による滑落角を意味する。すなわち、転落角が大きいほど撥水性が低く、転落角が小さいほど撥水性が高いことを意味している。
図4において、a、bおよびcの各位置は、カソードGDLにおいて酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側の位置であり、それぞれ、下方左位置、下方中央位置、下方右位置である。また、図4において、d、eおよびfの各位置は、カソードGDLにおいて酸化剤ガスの入口と出口の間である鉛直方向中央の位置であり、それぞれ、中央左位置、中央位置、中央右位置である。また、図4において、g、hおよびiの各位置は、カソードGDLにおいて酸化剤ガスの出口側である鉛直方向上方側の位置であり、それぞれ、上方左位置、上方中央位置、上方右位置である。
図5は、燃料電池自動車の走行前、すなわち耐久前の比較対象の燃料電池セルのカソードGDLに含まれるカソードMPLの表面の図4に示すaからiまでの各位置における水の転落角の計測結果を示すグラフである。図6は、燃料電池自動車の走行距離が20万[km]に到達した時、すなわち耐久後の比較対象の燃料電池セルのカソードGDLに含まれるカソードMPLの表面の図4に示すaからiまでの各位置における水の転落角の計測結果を示すグラフである。
図5および図6に示すように、比較対象の燃料電池セルは、燃料電池自動車の走行距離が20万[km]に到達した耐久後において、酸化剤ガスの入口(Air_in)側である鉛直方向下方側位置、すなわちaの下方左位置およびbの下方中央位置の転落角が増加している。すなわち、比較対象の燃料電池セルは、耐久後において、カソードGDLの酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側の撥水性が低下している。
なお、図5および図6に示す例において、比較対象の燃料電池セルは、耐久後において、カソードGDLの酸化剤ガスの出口(Air_out)側である鉛直方向上方側の位置のうち、iの上方右位置においても転落角が増加して撥水性が低下している。しかし、カソードGDLの鉛直方向下方側の方が、より多くの位置で撥水性が低下している。これは、特に、燃料電池セルの鉛直方向下方側において、水が溜まりやすいためと推定される。したがって、カソードGDLの撥水性低下の対策は、鉛直方向の下方側において優先される。
カソードGDLの撥水性が低下して透水圧が低下すると、燃料電池セルの下方側の部分において酸化剤ガス流路に滞留した液水は、カソードGDLを通過してMEAに浸透し、電解質膜を含むMEAを水没させる。その結果、電解質膜に汚染物質が蓄積することによる化学的な劣化の増大や、カチオンなどの汚染物質による電解質模の延びの低下や、乾湿差が増大することによる引張応力の増大など、化学的および物理的要因によって電解質膜の耐久性が低下する。
すなわち、燃料電池セルの発電面の下方側の部分において、酸化ガス流路に液水が滞留すると、膨潤およびコンタミ成分(汚染物質)の蓄積等により電解質膜の疲労耐性が低下する。電解質膜の疲労耐性が低下すると、燃料電池セルの下方側の部分において電解質膜に亀裂が発生するおそれがある。これを防ぐために、本実施形態の燃料電池セルは、カソード拡散層の該当部分のみ撥水性を向上させて、MEAへの液水の浸入を妨止する。
本実施形態の燃料電池セルは、前述のように、カソードGDLを含むMEGAを備え、酸化剤ガスが下方から上方へ鉛直方向に沿って流れ、燃料ガスが水平方向に沿って流れる。カソードGDLは、酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側における撥水材料の含有量が、酸化剤ガスの出口側である鉛直方向上方側における撥水材料の含有量よりも多い。
この構成により、本実施形態の燃料電池セルは、酸化剤ガスが下方から上方へ鉛直方向に沿って流れる。この場合、酸化剤ガスの流速は、酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側において高く、酸化剤ガスの出口側である鉛直方向上方側に向けて徐々に低下する。また、酸化ガス流量が多い場合は、酸化剤ガスと燃料ガスとの反応によって生成された水は、重力の影響によらず、酸化剤ガスとともに燃料電池セルから排出されるが、酸化剤ガスの流量が少なくなると、重力の作用によって下方へ流れる場合がある。
しかし、本実施形態の燃料電池セルにおいて、カソードガス拡散層は、酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側における撥水材料の含有量が、酸化剤ガスの出口側である鉛直方向上方側における撥水材料の含有量よりも多い。そのため、カソードガス拡散層の鉛直方向下方側、すなわち酸化剤ガスの入口側に到達した水は、撥水材料によってカソードガス拡散層への浸透が抑制される。また、酸化剤ガスの入口側は、酸化剤ガスの流速が高いため、酸化剤ガスの入口側に到達した水は、酸化剤ガス中に水蒸気として取り込まれ易く、酸化剤ガスとともに燃料電池セルから排出される。
したがって、本実施形態の燃料電池セルは、実際の運転において酸化剤ガスの流量が少なくなって、酸化剤ガスと燃料ガスとの反応によって生成された水が重力の作用によって下方へ流れても、酸化剤ガス流路の入口側における水の滞留を抑制することができる。その結果、MEGAに含まれる電解質膜に対する汚染物質の蓄積が抑制され、燃料電池セルが長期にわたって使用された場合の電解質膜の疲労耐性を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、酸化剤ガスが下方から上方へ流れる燃料電池セルにおいて、酸化剤ガス流路の入口側における水の滞留を抑制し、電解質膜の疲労耐性を向上させることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。

Claims (1)

  1. カソードガス拡散層を含む膜電極ガス拡散層接合体を備え、酸化剤ガスが下方から上方へ鉛直方向に沿って流れ、燃料ガスが水平方向に沿って流れる燃料電池セルであって、
    前記カソードガス拡散層は、前記酸化剤ガスの入口側である鉛直方向下方側における撥水材料の含有量が、前記酸化剤ガスの出口側である鉛直方向上方側における撥水材料の含有量よりも多いことを特徴とする燃料電池セル。
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