以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態におけるモビリティデータとは、各自動車に搭載されたセンサや車載端末で計測される位置情報や、自動車の車両や車載端末等を一意に識別する識別情報を含むデータを指す。モビリティデータには、運転手個人などを識別する情報が含まれていてもよく、識別情報として車両登録ナンバーやETC車載機IDや通信機器契約者情報等が含まれていてもよい。
本実施形態におけるサービスとは、主に道路交通に関するサービスを指す。道路交通に関するサービスは、例えば有料道路サービスや時間貸し駐車場サービス等が挙げられる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による管理サーバを用いたモビリティサービスメータリングシステムのブロック図である。
本形態におけるモビリティサービスメータリングシステム100は図1に示すように、管理コンソール101と、管理サーバ(サービス管理装置)102と、サービス事業者103と、フィールド104と、サービス利用車両105と、車載端末106と、ゲートウェイ107と、地図データ/車両登録情報等管理組織108とを有する。
管理コンソール101は、モビリティメータリングシステムの管理画面を表示する機能を有する。管理サーバ102は、モビリティサービスメータリングシステムを実現する一形態であり、メータリングシステムの機能を有するサーバ装置である。サービス事業者103は、モビリティサービスを提供する道路管理会社などの事業者である。フィールド104は、サービス利用料金のメータリング対象となる道路交通リソースであり、例えば有料道路や時間貸し駐車場などである。サービス利用車両105は、フィールド104内でサービスを利用する車両である。車載端末106は、サービス利用車両105に搭載された車載端末であり、サービス利用車両105は、車載端末106を搭載することで申告車両となる。ゲートウェイ107は、車載端末106と管理サーバ102との通信を行う通信設備である。地図データ/車両登録情報等管理組織108は、サービスメータリングで利用する地図データや車両登録情報などを保有する地図管理会社や公共機関などの組織である。
管理サーバ102は、モビリティデータ送受信部111と、申告車両情報管理部112と、モビリティサービス管理部113と、メータリング処理部114と、通信IF(インタフェース)115とを有する。
モビリティデータ送受信部111は、フィールド104を走行するサービス利用車両105の車載端末106から、サービス利用車両105の位置情報を含むモビリティデータをゲートウェイ107を介して受信したり、管理サーバ102で算出されたサービス利用量や利用料金情報を車載端末106に送信したりする機能を有する。
申告車両情報管理部112は、申告情報抽出部120と、課金対象ID管理テーブル121と、位置情報整形部122と、位置情報管理テーブル123とを有する。申告車両情報管理部112は、モビリティデータ送受信部111を介して入力されたモビリティデータから個々のサービス利用車両105のサービス利用量のメータリングに必要な車両位置情報と、車両識別情報と、サービス利用者情報とを抽出し、管理する。
申告情報抽出部120は、モビリティデータ送受信部111が受信したモビリティデータから、個々の車両の位置情報と、車両識別子となりうる車両登録ナンバーあるいは車載端末106の識別子と、サービス利用料金の課金対象者を識別する利用者識別子とを抽出する。
課金対象ID管理テーブル121は、サービス利用料金の課金対象者を車両によって一意に特定するためのID情報を管理するテーブルである。課金対象ID管理テーブル121は、申告情報抽出部120で抽出した車両識別子と利用者識別子とを一意な課金対象IDに対応づけて登録する。また、車両識別子に料金プランの決定に関わる車両のサイズ等も管理する。
位置情報整形部122は、モビリティデータから抽出した位置情報が暗号化あるいは符号化されている場合や、位置情報のフォーマットが統一されていない場合(例えば、仕様が10進法であるが受信データが60進法である場合)に、データの復号化や整形処理を行う。
位置情報管理テーブル123は、サービス利用車両104がある時刻にどこにいたかを特定するために、サービス利用車両毎に、位置情報整形部122で整形した位置情報と、位置情報を送信した車両識別子と、位置情報の測定日時とを位置情報識別子に対応付けて管理する。
モビリティサービス管理部113は、サービスメータリング管理部130と、サービスリソース管理部131とを有する。モビリティサービス管理部113は、サービスメータリング管理部130が管理するメータリング定義情報(後述)や、サービスリソース管理部131が管理するフィールド定義情報(後述)などのサービス定義情報を管理する機能を有する。モビリティサービス管理部113は、サービス事業者103から通信IF115を介してサービス定義情報160を受け取る。
サービス定義情報160は、モビリティデータを用いたサービス利用量メータリングや利用料金算出方法を規定するメータリング定義情報161と、サービスが提供されるフィールド104範囲の規定するフィールド定義情報162とから構成される。モビリティサービス管理部113は、メータリング定義情報161をサービスメータリング管理部130に提供し、フィールド定義情報162をサービスリソース管理部131に提供する。メータリング定義情報161とフィールド定義情報162は、いずれも、サービス事業者103が道路の混雑状況等の外部環境の変化を鑑みて動的に変更される。
メータリング定義情報161は、利用量算出ロジックと、ロジック提供開始/終了時間と、料金プランと、料金プランの適用対象となる車両タイプの定義を含む。利用量算出ロジックは、モビリティデータからサービス利用量を計測するためのデータ処理方法あるいは処理プログラムを含む情報である。ロジック提供開始/終了時間は、モビリティデータの測定日時から適用すべき利用量算出ロジックを選択するための情報である。料金プランは、計測したサービス利用量をサービス利用料金に変換するためのデータ処理方法あるいはプログラムを含む情報である。車両タイプは、例えば車両サイズや用途や内燃機関などのような自動車の属性を示す情報である。
フィールド定義情報162は、サービスが提供されるフィールド104に含まれる道路、道路上のレーン、および路側駐車場等を指定する情報と、サービスの被提供対象車両を指定する為の車両タイプを含む。
モビリティサービス管理部113は、地図データ/車両登録情報等管理組織108から通信IF115を介して、メータリング処理に必要な地図/車両登録情報170を受けとる。地図情報171は、個々の道路交通リソースの位置情報や形状、リソース間の接続関係を示す情報である。車両登録情報172は、例えば車両登録ナンバーのように車両を一意に特定する識別子と、登録名義人の識別子と、車両タイプをセットにした情報である。地図/車両登録情報170は、サービスリソース管理部131で管理される。
本実施形態では、モビリティサービスメータリングシステム100を提供する事業者とサービス事業者103は異なる事業者を想定しているが、サービス事業者103が当該メータリングシステム100を自社あるいは他社に提供してもよい。
サービスメータリング管理部130は、メータリングロジック管理テーブル132と、料金プラン管理テーブル133とを有する。サービスメータリング管理部130は、モビリティサービス管理部113から入力された利用量算出方法となるメータリングロジックを示すメータリング定義情報161の利用量算出ロジックを、利用量算出ロジックを適用する時間を示す適用時間情報とともにメータリングロジック管理テーブル132に登録して管理するとともに、モビリティサービス管理部113から入力された料金プラン情報を料金プラン管理テーブル133に登録して管理する。その際、サービスメータリング管理部130は、サービス事業者103により入力されたサービス定義情報を変換してメータリングロジック管理情報を生成し、メータリングロジック管理テーブル132に登録して管理する。これにより、サービス事業者は入力しやすい形式でサービス定義情報を入力することができる。
また、サービスメータリング管理部130は、メータリング処理部114からのメータリングロジック管理テーブル132と、料金プラン管理テーブル133に登録されたデータの参照要求を受けてデータを検索し、提供する機能も有する。
メータリングロジック管理テーブル132は、メータリング処理部114がモビリティデータからサービス利用量を算出する際に必要な利用量算出ロジックを、モビリティデータの測定日時や、利用中のサービスリソースをクエリに用いて参照するために、利用量算出ロジックの適用対象となるサービスリソースの識別子と、ロジック適用開始/終了日時情報と、ロジック情報とを対応づけて管理するテーブルである。
料金プラン管理テーブル133は、モビリティデータから算出されたサービス利用量を料金情報へ変換する際に、車両タイプごとに異なる料金プランを参照させるために、料金プランが適用される車両タイプと、料金プランとを対応付けて管理するテーブルである。
サービスリソース管理部131は、サービスリソース管理テーブル135と、地図/道路情報管理テーブル136と、車両登録情報管理テーブル137と、マップマッチング処理部138とを有する。サービスリソース管理部131は、サービスが提供されるフィールド定義情報をサービスリソース情報に変換して、サービスリソース管理テーブル135に登録して管理する。サービスリソース情報は、サービス利用車両105によるフィールド104の利用を、モビリティデータの位置情報で判定するために、フィールド104を構成する道路レーンなどを位置情報(緯度経度)で表現した情報である。また、フィールド104は、同一の日時であっても車両タイプごとに異なる場合がありうるため、サービスリソース情報は、フィールド104を規定する道路交通リソースと、道路交通リソースが有料サービスとして提供される特定の車両タイプを合わせて保持する。車両タイプによりフィールド104が異なるサービス提供のケースとして、例えば、環境負荷の高いガソリン車両にのみ追い越しレーンを有料サービスとするなどが挙げられる。サービスリソース管理部131は、モビリティサービス管理部113から提供されるフィールド定義情報162をサービスリソース情報に変換してサービスリソース管理テーブルに登録する。例えば、サービスリソース管理部131は、サービス事業者103から提供されるフィールド定義情報162が「4点の位置情報で囲われたA地区一帯の路側駐車場」のようなものであった場合に、4点の位置情報と「路側駐車場」という情報を範囲に含まれる各路側駐車場の位置情報を含むサービスリソース情報に変換する。変換処理は、マップマッチング処理部138を用いて実施される。変換した情報は、サービスリソース管理テーブル135へ登録して管理する。サービスリソース管理部131は、モビリティサービス管理部113から入力された、地図情報171や車両登録ナンバーなどの車両登録情報172を受けて、それぞれ地図/道路情報管理テーブル136と、車両登録情報管理テーブル137に逐次更新する機能も有する。
また、サービスリソース管理部131は、モビリティサービス管理部113からの要求を受けてサービスリソース管理テーブル135と、地図/道路情報管理テーブル136と、車両登録情報管理テーブル137とに登録された情報を検索する機能も提供する。
サービスリソース管理テーブル135は、サービス利用車両105が利用するサービスリソースの識別子から、そのサービスリソースが含まれるフィールド104を特定するために、個々のフィールド104を構成するサービスリソースをグルーピングして管理するテーブルである。サービスリソース管理テーブル135は、車両タイプごとに異なるフィールド104を定義可能にするために、サービス提供される1つ以上のサービスリソースからなるリソースグループと、有料サービスが提供される車両タイプを対応づけて管理する。
地図/道路情報管理テーブル136は、地図データ/車両登録情報等管理組織108から提供された道路交通リソースを管理するテーブルである。地図/道路情報管理テーブル136は、マップマッチング処理部138(後述)を用いて、入力された任意の位置情報に対して、最近傍の道路交通リソースを特定するために、個々の道路交通リソースについて、リソースの種類と、位置情報(測位点)によるリソースの形状と、リソース間の接続情報の対応を管理する。すなわち、サービスリソース管理部131は、車両により利用可能なサービスリソースの位置を示すリソース位置情報を含む地理構成情報を地図データ/車両登録情報等管理組織108から受け取り地図/道路情報管理テーブル136にて管理する。
車両登録情報管理テーブル137は、地図データ/車両登録情報等管理組織108から提供された車両登録情報を管理し、車両登録ナンバーからサービス利用車両105の車両タイプを推定するために、車両登録ナンバーと登録車両の車両タイプとを関連付けて管理するテーブルである。
マップマッチング処理部138は、サービスリソース管理部131がフィールド定義情報162をサービスリソース情報に変換する際などに、サービスリソース管理部131が入力した緯度経度情報から、入力された緯度経度に最近傍のサービスリソースを算出して特定する機能を提供する。また、マップマッチング処理部138は、緯度経度情報で指定された領域に含まれるサービスリソース情報を特定する機能も提供する。領域指定でサービスリソースを特定する際、例えば領域内の路側駐車場のみを特定したりするような、サービスリソースの種類を指定して特定する機能も提供する。特定処理のなかで検索対象となるサービスリソースは、地図/道路情報管理テーブル136で管理されるサービスリソースである。
メータリング処理部114は、サービスリソース利用判定部140と、サービス利用状況管理テーブル141と、サービス利用量算出部142と、利用料金算出部143と、メータリング結果管理テーブル144とを有する。サービス利用量算出部142は、メータリングロジック適用部145を有する。利用料金算出部143は、料金プラン適用部146を有する。メータリング処理部114は、申告車両情報管理部112が、受信したモビリティデータを整形し、課金対象ID管理テーブル121と位置情報管理テーブル123に登録したのち、通信IF115を介して提供する加工済みモビリティデータを受け付ける。加工済みモビリティデータには、モビリティデータの送信元車両の識別子や、整形済みの位置情報の識別子を含む。これらの識別子を用いて、適宜申告車両情報管理部112が管理する位置情報や車両タイプなどを適宜参照して利用する。
サービスリソース利用判定部140は、申告車両情報管理部112に管理される加工済みのモビリティデータに含まれる位置情報と車両タイプと、地図/道路情報管理テーブル136に登録された情報とに基づいて、サービス利用車両105によるサービスリソースの利用を判定する。そして、サービス利用判定結果として、サービス利用が見込まれる加工済みモビリティデータについて、サービス利用車両105が利用したサービスリソースに関する利用リソース情報と、サービス利用車両105がサービスリソースを利用した時間を示す利用時間情報とを含むサービス利用状況管理情報を生成し、利用見込みのリソースグループの識別子とともにサービス利用状況管理テーブル141に登録する。
サービス利用状況管理テーブル141は、サービスリソース利用判定部140の判定結果を蓄積するテーブルである。利用料金算出部142が各サービス利用車両105のサービス利用量を計測するために、サービス利用有無の判定結果を蓄積する。サービス利用状況管理テーブル141は、サービス利用が見込まれる加工済みモビリティデータについてのサービス利用状況管理情報に含まれるサービス利用車両105の識別子に対して、位置情報の識別子や測定日時と、利用が見込まれるリソースグループの識別子を紐づけて管理する。
サービス利用量算出部142は、サービス利用状況管理テーブル141にサービス利用判定結果として登録されたサービス利用状況管理情報とメータリングロジック管理テーブル132に登録された情報とを参照し、サービス利用車両105がサービスリソースを利用した時間と、その時間に適用させるメータリングロジックによる利用量算出方法とに基づいて、サービス利用車両105によるサービスリソースの利用に関するサービス利用量を算出する機能を有する。サービス利用量算出部142は、サービス利用状況管理テーブル141から、任意のサービス利用車両105の識別子を持つデータを取得し、これを時系列順にソートして算出処理を適用する。ソートされた各データは位置情報の識別子を含んでおり、対象車両の位置情報の時間変化を取得できる。位置情報の時間変化を用いることにより、例えば、有料道路サービスの利用量はフィールド104を走行した距離で利用量を算出したり、路側駐車場サービスの利用量はメ特定の駐車場に滞在した時間で利用量を算出したりすることができる。利用量算出に必要なメータリング情報が動的に変更されるサービスでは、有料道路を走行中にサービス利用料金の設定が変わることが起こりうる。このような場合、ソートされたデータに適用するべきメータリング情報が複数存在する。サービス利用量算出部142は、ソートされた個々のデータに含まれている、利用中のリソースグループ(フィールド104)や位置測定時刻から適宜適切なメータリング情報を選択し、適用して利用量を算出する。
利用料金算出部143は、サービス利用量算出部142で算出したサービスの利用量と料金プラン管理テーブル134に保持した料金プラン情報を用いて、サービス利用者に最終的に課するサービス利用料金を算出する。利用料金算出部143は、算出結果をメータリング結果管理テーブル144に登録する。
メータリング結果管理テーブル144は、利用料金算出部143が算出した結果を管理するテーブルである。メータリング結果管理テーブル144は、サービス利用者105の識別子や料金、徴収状態を互いに関連付けて管理する。メータリング結果管理テーブル144には、メータリング時に適用された利用量算出ロジックや位置情報ID221が含まれていてもよい。
通信IF115は、API(Application Programming Interface)150と、GUI(Graphical User Interface)151とを有する。管理サーバ102は、通信IF115を介して管理コンソール101と、サービス事業者103と、地図データ/車両登録情報管理組織108と通信によるデータを授受する。例えば、サービス事業者103との間でやり取りされるデータは、メータリング定義情報161やフィールド定義情報162である。また、地図データ/車両登録情報管理組織108とやり取りされるデータは、地図情報171や車両登録情報172である。API150は、これらの定義情報やデータをたとえばJSON(JavaScript Object Notation)形式でやり取りする(Javascriptは登録商標)。また、管理サーバ102の内部では、申告車両情報管理部112と、モビリティサービス管理部113と、メータリング処理部114とが、互いに通信IF115を介して通信によるデータの授受が可能である。
図2は、図1に示した管理サーバ102のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示した管理サーバ102は、例えば、一般的な計算機であり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)1301、メモリ1302、補助記憶装置1303、通信インタフェース1304、メディアインタフェース1305及び入出力装置1306を備える。また、メディアインタフェース1305を介して外部記憶媒体1307を接続する。さらに、通信インタフェース1304を介して、ネットワーク1308経由で管理コンソール101と接続する。
CPU1301は、メモリ1302または補助記憶装置1303に格納されているプログラムを実行し、メモリ1302または補助記憶装置1303に格納されているデータを用いて、各種処理を実行する。
メモリ1302は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、CPU1301により実行されるプログラムや、データ等を格納する。
補助記憶装置1303は、例えばバードディスク、フラッシュメモリ、RAMなどであり、CPU1301で実行されるプログラムや、CPU1301に利用されるデータを記憶する。
通信インタフェース1304は、ネットワーク1308を介して他の装置(車載端末105やサービス事業者103の有する通信装置等)と通信するためインタフェースである。
メディアインタフェース1305は、外部記憶媒体1307を着脱可能であり、外部記憶媒体1307との間のデータの入出力を仲介する。
入出力装置1306は、管理サーバ102の管理者により操作されるコンソール101が接続され、コンソール101との間の情報の入出力を行う。
図1に示した管理サーバ102に実装されている各機能部は、CPU1301が補助記憶装置1303またはメモリ1302に格納されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。また、管理サーバ102が備える各機能部に管理されている情報は、メモリ1302や補助記憶装置1303に格納される。
CPU1301が実行するプログラムは、必要に応じて通信インタフェース1304を介し取得したり、メディアインタフェース1305を経由して利用可能な外部記憶媒体から取得したりしてもよい。また、管理サーバ102は、図2に示すハードウェア上に実装されるだけでなく、物理的なハードウェアが持つ計算処理能力を、論理分割された仮想環境サービスとして提供するクラウド上に配備されていてもよい。
図3は、図1に示した申告車両情報管理部112が備えるテーブルの構成例を示す図である。申告車両情報管理部112が備えるテーブルとして、(a)課金対象ID管理テーブル121と、(b)位置情報管理テーブル123がある。
課金対象ID管理テーブル121は、図3(a)に示すように、課金対象ID201と、利用者ID202と、車両ID203と車両タイプ204とから構成される。課金対象ID管理テーブル121は、サービス利用車両を識別する情報の管理を目的としたテーブルである。課金対象ID201は、利用者ID202と車両ID203の組み合わせを管理するために車両ごとに付与されるIDである。利用者ID202は、例えば、個人ナンバーやETCカード番号、運転免許証番号、車載端末IDなど、サービス料金の徴収対象となる個人および法人を特定する識別子である。車両ID203は、例えば、車両ナンバーのように自動車を一意に特定できるID情報である。車両タイプ204は、車両ID203で指定された車両の属性を示す情報であり、例えば、車両サイズ区分や車体用途や燃料タイプ等であり、モビリティデータに含まれていない場合には、車両ID203をクエリとして車両登録情報管理テーブル137を参照するなどにより取得される情報である。
課金対象ID管理テーブル121を構成する利用者ID202、車両ID203及び車両タイプ204は、申告情報抽出部120が、受信したモビリティデータから個々のデータを抽出すると、それらが課金対象ID管理テーブル121では管理されていない組合せかどうかを判定し、管理されていない組合せの場合には、新たに課金対象ID201を付与してテーブルに登録する。
位置情報管理テーブル123は、図3(b)に示すように、位置情報ID221と、課金対象ID222と、位置測定日時223と、位置情報224とから構成される。位置情報管理テーブル123は、サービス利用車両104から受信したすべての位置データを管理するテーブルである。位置情報ID221は、管理サーバ102が受信した個々のモビリティデータを識別する値であり、申告情報抽出部120により、モビリティデータに対して一意に付与される。課金位置情報ID221は、管理サーバ102が受信した個々のモビリティデータを識別する値であり、申告情報抽出部120により、各モビリティデータに対して発行される。課金対象ID222は、モビリティデータの送信元を識別する値である。位置測定日時223は、送信元車両で位置測定がなされた日時を示すタイムスタンプである。位置情報224は、車両位置情報であり緯度経度および高度のような絶対位置情報である。
位置情報管理テーブル123を構成する位置情報ID221は、申告情報抽出部120がモビリティデータを受信すると、新たに発行される識別子情報である。申告情報抽出部120は、モビリティデータ送信者の識別子である課金対象ID201と、モビリティデータに含まれるタイムスタンプと、位置情報整形部122により整形された位置情報を、それぞれ課金対象ID222、位置測定日時223、位置情報224として、位置情報ID221に対応付けて位置情報管理テーブル123に登録する。
図4は、図1に示したサービスメータリング管理部130が備えるメータリングロジック管理テーブル132の構成例を示す図である。
メータリングロジック管理テーブル132は、図4に示すように、ロジックID301と、ロジック適用開始日時302と、ロジック適用終了日時303と、リソースグループID304と、利用量算出ロジック305とから構成される。ロジックID301は、各利用量算出ロジックを識別するためにサービスメータリング管理部130がレコードごとに与える識別子である。ロジック適用開始日時302は、各レコードで規定されたメータリングロジックの適用開始時刻である。ロジック適用終了日時303は、各レコードで規定されたメータリングロジックの適用終了時刻である。これらロジック適用開始日時302とロジック適用終了日時303とを合わせて適用時間情報と言ってもよい。リソースグループID304は、サービス利用量の計測対象となるサービスリソースを指定する情報である。リソースグループは、例えば、リソースを交差点間の領域として設定した場合、サービス利用量の計測対象となる区間を構成するリソースを1つのグループとして設定したものである。利用量算出ロジック305は、サービス利用量を算出する演算処理情報である。演算処理の具体例をレコード311〜313に示した。レコード311では、例として有料道路サービスの利用量算出処理を示しており、任意車両のモビリティデータから移動経路を推定し、移動経路の走行距離や有料道路の継続利用状況から利用量を算出する演算処理定義が記載されている。なお、利用量算出ロジック305に含まれる利用量とは、利用料金に近い概念であるが、この利用量のみによって利用料金が決定するのではなく、例えば、利用量と車両の属性とから利用料金が決定される。また、利用料金ではなく、利用者に付与するポイントを設定するために用いてもよい。
メータリングロジック管理テーブル132を構成するロジック適用開始日時302と、ロジック適用終了日時303と、利用量算出ロジック305は、サービスメータリング管理部130が、モビリティサービス管理部113からメータリング定義情報161を受け付けた際に、入力された情報から該当する情報を抽出してメータリングロジック管理テーブル132に登録する。その際、サービスメータリング管理部130は、ロジック適用開始日時302と、ロジック適用終了日時303と、利用量算出ロジック305の組み合わせを識別するために、ロジックID301を新たに発行する。リソースグループID305は、サービスリソース管理部131が、サービス事業者102から受け付けたフィールド定義情報162をサービスリソース情報に変換する際に、サービスリソース管理部131が変換されたサービスリソースグループに新たに発行する識別子を取得し登録する。
図5は、図1に示したサービスメータリング管理部130が備える料金プラン管理テーブル133の構成例を示す図である。
図1に示した料金プラン構成テーブル133は、図5に示すように、プランID401と、車両タイプ402と、料金プラン403とから構成され、利用量から利用料金を算出するためのロジックである。この料金プラン構成テーブル133をサービス利用料金の算出に用いることで、車両タイプ毎に異なる料金プランを適用したサービス使用料金を算出することができる。プランID401は、各レコード411〜413の識別子である。車両タイプ402は、料金プランが適用される車両の属性を示す情報である。例えばレコード411,413は、いずれも車種がセダン型のEV車両に関する情報であるが、車体用途が異なるため別レコードであり、料金プラン403も異なっている。料金プラン403は、利用量算出ロジック305を用いて算出されたサービス利用量を、利用料金情報に変更するための処理方法あるいはプログラムを規定する。
料金プラン構成テーブル133を構成する車両タイプ402と、料金プラン403は、サービスメータリング管理部130が、モビリティサービス管理部113からメータリング定義情報161を取得した際に、取得情報から車両タイプ402と料金プラン403を抽出して登録する。料金プラン構成テーブル133に抽出した車両タイプと一致するレコードが無い場合は、サービスメータリング管理部130が新たなプランID401を発行して、プランID401と車両タイプ402と料金プラン403を料金プラン管理テーブルに登録する。抽出した車両タイプと一致する車両タイプを持つレコードがある場合は、料金プラン403のみを新しい料金プランに交換する。
図6は、図1に示したサービスリソース管理部130が備えるサービスリソース管理テーブル135の構成例を示す図である。
サービスリソース管理テーブル135は、図6に示すように、リソースグループID501と、車両タイプ502と、計測対象リソース503とから構成される。リソースグループID501は、各レコード511〜513を識別する情報である。リソースグループID501を持つ個々のリソースグループは、サービス提供対象となる車両タイプ502と、フィールド104を構成する道路交通リソースを示す計測対象リソース503で構成される。計測対象リソース503を構成する情報は、地図/道路構成情報管理テーブル136に管理される個々の道路交通施設の識別子情報(リソースID601)であり、利用対象となる区間を構成する道路間の交差点などの分岐点と車線を示す情報から構成されている。車線を識別していることで、例えば、追い越し車線については利用料金を高くするなどの設定が可能となる。
サービスリソース管理テーブル135を構成するリソースグループID501と、車両タイプ502は、モビリティサービス管理部113からフィールド定義情報162が提供された際に登録される。サービスリソース管理部131は、フィールド定義情報162を取得すると、初めにリソースグループID501の発行と、モビリティサービス管理部113からの車両タイプ502の取得を行い、サービスリソース管理テーブル135に登録する。次に取得したフィールド定義情報162をサービスリソース情報に変換して計測対象リソース503として登録する。
図7は、図1に示したサービスリソース管理部130が備える地図/道路構成情報管理テーブル136の構成例を示す図である。
図1に示した地図/道路構成情報管理テーブル130は、図7に示すように、リソースID601と、リソースタイプ602と、構成測位点603と、リソース間接続情報604とから構成される。リソースID601は、各レコード611〜612の識別子である。各レコードは、道路交通施設の最小構成単位を示す情報であり、一般道路においては交差点間の特定レーンが最小単位となり、路側駐車場においては1台分の駐車スペースが最小単位となる。リソースタイプ602は、道路交通施設の種類を示す情報であり、例えばレコード611の一般道路や、レコード612の路側駐車場などである。構成測位点603は、各レコードの道路交通施設の形状を示す緯度経度からなる測位点である。例えば、リソースタイプ602が一般道路のレコードにおいては、直線道路であれば2つの端点からなり、カーブがある場合は3つ以上の端点からなる。また、リソースタイプ602が路側駐車場のレコードにおいては、その位置を示す点からなる。なお、リソースタイプ602として空き地を設定した場合は、その駐車スペースの4点を測位点として設定しておくことが考えられる。リソース間接続情報604は、接続するリソースを示す情報である。例えば、1車線道路では、道路の端点に接続する2つの異なるリソースIDを有する。
地図/道路構成情報管理テーブル130を構成するリソースタイプ602と、構成測位点603と、リソース間接続情報604は、サービスリソース管理部131によって登録される。地図データ/車両登録情報管理組織108は、地図や道路の形状や構成に変更がある度に変更情報をサービスリソース管理部131に入力する。サービスリソース管理部131は、入力情報から、リソースタイプ602と、構成測位点603と、リソース間接続情報604に対応するものを抽出して登録する。リソースID601は、新しい登録情報がある場合に、サービスリソース管理部131が発行してもよいし、地図データ/車両登録情報管理組織108がリソース毎に一意な識別子を備えている場合には、その識別子をリソースID601として登録してもよい。
図8は、図1に示したサービスリソース管理部130が備える車両登録情報管理テーブル137の構成例を示す図である。
図1に示した車両登録情報管理テーブル137は、図8に示すように、車両登録ナンバー701と、車両タイプ702と、登録名義人ID703とから構成される。車両登録ナンバー701は、車両を一意に特定する識別子情報であり、一例としては運輸機関に登録されている自動車登録番号標がある。車両タイプ702は、車両のサイズや用途、燃料機構などを示す車両の属性情報である。登録名義703は、個人あるいは法人である車両持ち主情報である。
車両登録情報管理テーブル137を構成する車両登録ナンバー701と、車両タイプ702と、登録名義人ID703は、サービスリソース管理部131によって登録される。地図データ/車両登録情報管理組織108は、管理する車両登録ナンバー情報に変更がある度に変更情報を管理サーバ102に入力する。サービスリソース管理部131は、入力情報から、車両登録ナンバー701と、車両タイプ702と、登録名義人ID703をそれぞれ抽出して登録する。
図9は、図1に示したメータリング処理部114が備えるサービス利用状況管理テーブル141の構成例を示す図である。
図1に示したサービス利用状況管理テーブル141は、図9に示すように、課金対象ID801と、利用時間情報となる測定日時802と、利用リソース情報となるリソースグループID803と、位置情報ID804とから構成される。サービス利用状況管理テーブル141は、申告情報管理部112から入力される加工済みモビリティデータのうち、位置情報がサービスリソース管理テーブル135の計測対象リソース503に含まれているデータの集合である。課金対象ID801は、サービス利用者を一意に識別する情報である。測定日時802は、モビリティデータ測定時のタイムスタンプである。リソースグループID803は、サービスリソース管理テーブル135で管理されるリソースグループのうち、位置情報とリソースグループの計測対象リソース503がマッチしたリソースグループID501である。位置情報位置情報ID804は、位置情報管理テーブル123で管理される位置情報のうち、計測対象リソース503にマッチした位置情報を識別する情報であり、緯度経度を示すものとは異なる。
サービス利用状況管理テーブル141を構成する課金対象ID801と、測定日時802と、リソースグループID803と、位置情報ID804は、サービスリソース利用判定部140によって登録される情報である。サービスリソース利用判定部140は、申告車両情報管理部112が新しいモビリティデータを取得した後に、申告車両情報管理部112から、課金対象ID201と、車両タイプ204と、位置情報ID221と、位置測定日時222を含む加工済みモビリティデータの入力を受ける。サービスリソース利用判定部140は、入力された位置情報に最近傍のリソースIDをマップマッチング処理部138から取得し、リソースIDと車両タイプ204をクエリにサービスリソース管理テーブル135を検索する。検索の結果ヒットするリソースグループID501がある場合は、サービス利用が見込まれるものと判定し、課金対象ID201と、位置測定日時ID223と、リソースグループID501と、位置情報ID221をそれぞれ課金対象ID801と、測定日時802と、リソースグループID803と、位置情報ID804として登録する。
図10は、図1に示したメータリング処理部114が備えるメータリング結果管理テーブル146の構成例を示す図である。
図1に示したメータリング結果管理テーブル171は、図10に示すように、課金対象ID901と、徴収状態902と、適用ロジックID配列903と、エビデンス904と、料金905とから構成される。各レコード911,912は、それぞれサービス利用車両104の一回のサービス利用のメータリング結果である。課金対象ID901は、サービス利用車両104を特定する識別子情報である。徴収状態902は、メータリング結果が既に徴収されたか否かを示すフラグ情報である。適用ロジックID配列903は、メータリング時に適用されたロジックID301の配列である。ロジックID301は一回のサービス利用に際して、1つ以上適用される場合があり、適用された全てのロジックID301を保持する。例えば、異なる高速道路を乗り継いで移動した場合、それぞれの高速道路の適用ロジックの配列となる。エビデンス904は、メータリング時に利用された位置情報ID804の配列である。料金905は、メータリングの結果算出された最終的なサービス利用料金である。
メータリング結果管理テーブル144を構成する課金対象ID901と、適用ロジックID配列と、エビデンス904は、サービス利用量算出部142によって登録される。サービス利用量算出部142は、サービスリソース利用判定部140から、サービス利用の終了が見込まれる課金対象ID201の入力を受ける。サービス利用量算出部142は、入力された課金対象ID201をクエリとして、サービス利用状況管理テーブル141のデータを取得し利用量の算出処理を行う。サービス利用量算出部142は、算出処理を行った課金対象ID801と、取得したデータに含まれるリソースグループID803をクエリにメータリングロジック管理テーブル133から得られるロジックID301の集合データと、取得したデータに含まれる位置情報ID804の集合データを、それぞれ、課金対象ID901と、適用ロジックID配列903と、エビデンス904とに登録する。メータリング結果管理テーブル144を構成する料金905は、利用料金算出部143が、サービス利用量算出部142により算出された利用量を利用料金に変換して登録する。メータリング結果管理テーブル144を構成する徴収状態902は、サービス利用料金登録時に「未徴収」フラグを入力し、サービス事業者102や管理コンソール101が料金徴収を終わったのちに通信IF115を介して「徴収済」フラグを入力する。
以下に、上記のように構成された管理サーバ102におけるサービス管理方法について説明する。
まず、メータリング処理部114における処理について説明する。
図11は、図1に示したメータリング処理部114の処理フローの一例を示すフローチャートである。
メータリング処理部114の処理フローは、サービスリソース利用判定部140で実施されるステップ1010〜ステップ1016と、サービス利用量算出部142で実施されるステップ1020〜ステップ1025と、利用料金算出部144で実施されるステップ1030〜ステップ1032とから構成される。
サービスリソース利用判定部140は、申告車両情報管理部112から入力される各加工済みモビリティデータに対してステップ1010〜ステップ1016の一連の処理をループ実行する。
まず、ステップ1011において、サービスリソース利用判定部140は、加工済みモビリティデータから特定される車両タイプ204と、位置情報224をクエリとして、サービスリソース管理部131からリソースグループID501を取得する。クエリの車両タイプ204は、課金対象ID管理テーブル121を参照することで、加工済みモビリティデータに含まれる車両の識別情報(車両ID)から特定される。クエリの位置情報は、検索時にマップマッチング処理部138により、リソースID601に変換された上で検索処理が実行される。
次に、ステップ1012において、サービスリソース利用判定部140は、リソースグループID501の検索結果を基に条件分岐を行う。検索にヒットするリソースグループIDがある場合には、クエリの位置情報はフィールド104にてサービスを利用していることとなる。
リソースグループIDがある(ステップ1012がTRUE)場合、サービスリソース利用判定部140は、ステップ1014において、リソースグループID501や課金対象IDなどをサービス利用状況管理テーブル141に登録する。
一方、リソースグループIDがない(ステップ1012がFALSE)場合は、サービスリソース利用判定部140は、ステップ1013において、サービス利用状況管理テーブル141からモビリティデータ送信元車両の課金対象IDを持つレコードを検索し、レコードの有無を判定する。
そして、レコードがない(ステップ1013がFALSE)場合、処理中のモビリティデータの送信元車両が、現在いかなるサービスも利用していないこととなるため、サービスリソース利用判定部140は、ステップ1016において、ループ処理を終了しS1010に戻る。
一方、レコードが存在する(ステップ1013がTRUEの場合は、モビリティデータの送信元車両が、以前はサービスを利用していたが現在はサービスを利用していないことを示しているため、サービスリソース利用判定部140は、サービス利用が終了したと判定し、サービス利用量算出部143の処理に移行する。
サービス利用量算出部143は、まず、ステップ1020において、サービス利用状況管理テーブル141から、加工済みモビリティデータに含まれる課金対象IDを持つレコードを取得する。ステップ1021〜ステップ1023においては、取得した各レコードに対するループ2処理として、サービス利用量算出部143は、ステップ1022において、取得したレコードに含まれるリソースグループID803と位置情報測定日時802をクエリとして、メータリングロジック管理テーブル132からメータリングロジックID301を取得する。
サービス利用量算出部143は、次に、ステップ1024において、ステップ1020で取得したレコードを、ステップ1022で取得したメータリングロジックID301でグループ化する。
ステップ1025〜ステップ1027においては、サービス利用量算出部143は、グループ化されたレコード(データ系列)に対してループ3処理を実行する。
ループ3処理では、ステップ1025において、サービス利用量算出部143は、まず、グループ化されたデータ系列を位置計測日時が古いものから順に利用する。
次に、ステップ1026において、サービス利用量算出部143は、グループ化されたデータ系列に対して対応するロジックID301を持つ利用量算出ロジック305を適用し、サービス利用量を算出する。
サービス利用量算出部143は、ステップ1027において、データ系列毎のサービス利用量を順次合計して、次のデータ系列を処理する。
利用料金算出部144は、まず、ステップ1030において、算出されたサービス利用量の合計から利用料金を算出するために、対象車両の車両タイプをクエリとして、料金プラン管理テーブル134aからプラン403を取得する。
次に、ステップ1031において、利用料金算出部144は、算出したサービス利用量と取得したプラン情報をかけ合わせてサービス利用量金を算出する。すなわち、利用料金算出部144は、サービス利用料算出部142にて算出されたサービス利用量と、メータリングロジック管理テーブル132に登録されたメータリングロジックと、車両登録情報管理テーブル137に登録された情報とに基づいて、サービス利用車両105のサービス利用料金を算出することになる。
その後、利用料金算出部143は、ステップ1032において、算出したサービス利用料金情報を、メータリング結果管理テーブル144に保存する。
次に、モビリティサービス管理部113における処理について説明する。
図12は、図1に示したモビリティサービス管理部113の処理フローの一例を示すフローチャートである。
モビリティサービス管理部113の処理フローは、サービス事業者103が実施するステップ1110〜ステップ1111と、モビリティサービス管理部113が実施するステップ1120〜ステップ1121と、サービスリソース管理部131が実施するステップ1130〜ステップ1131と、モビリティサービス管理部113が実施するステップ1140と、サービスメータリング管理部130が実施するステップ1150〜ステップ1152により構成される。
サービス事業者101は、ステップ1110において、サービス定義情報161を作成する。サービス事業者101は、道路混雑情報などを参考に、サービス定義情報161に含まれるメータリング定義情報161を構成する課金対象車両タイプ、メータリングのロジック、ロジック適用期間、区間、料金プランなどの設定項目を作成する。
サービス事業者101は、ステップ1111において、サービス事業者101が作成したメータリングに関する設定情報を通信ID115へ入力する。
モビリティサービス管理部131は、まず、ステップ1120において、モビリティサービス管理部131が通信ID115を介してメータリングに関する設定情報を取得する。
次に、モビリティサービス管理部113は、ステップ1121において、サービスリソース管理部131にフィールド定義情報162を入力する。
次に、ステップ1130において、サービスリソース管理部131が、フィールド定義情報162を、マップマッチング処理部138を用いて地図/道路情報管理テーブル136に管理されるリソースID601で表現されたサービスリソース情報に変換する。変換済みの区間情報は、サービスリソース管理テーブル135の計測対象リソース503に示されるようなデータである。
次に、サービスリソース管理部131は、ステップ1131において、サービスリソース管理テーブル135に、対象車両タイプとフォーマット済みの区間情報を登録し、新規リソースグループID501を発行する。
次に、ステップ1140において、モビリティサービス管理部113が、サービスメータリング管理部130に、メータリング定義情報161とS1131で発行されたリソースグループID501を入力する。
次に、ステップ1150において、サービスメータリング管理部130が、メータリングロジック管理テーブル132に、リソースグループID501、利用量算出ロジック305、ロジック適用期間(302,303)を登録する。
サービスメータリング管理部130は、ステップ1151において、メータリングに関する設定項目に料金プランの変更があるかを判定する。
ステップ1151にて料金プランの変更が確認された場合、サービスメータリング管理部130は、ステップ1152において、料金プラン管理部133に変更後の料金プランと対象車両タイプを登録する。
図13は、図1に示したサービス利用車両105上に設置された車載端末106のGUIイメージを示す図である。
図13に示すように、カーナビ(カーナビゲーションシステム)1201が搭載する表示パネル1202上に、サービスメータリング結果通知メッセージ1203と、現在利用可能なサービス情報1204a,1204bを表示することが考えられる。なお、図13に示したものにおいては、カーナビ1201が搭載する表示パネル1202上に、サービス提供者102を通じて通知された種々の情報が表示されているが、表示に用いる車載端末は、スマートフォンやヘッドアップディスプレイでもよく、ETC端末のような音声情報発信機能を持つ車載端末から音声情報として表示情報が通知されてもよい。サービスメータリング結果通知メッセージ1203は、管理サーバ101が算出したサービス料金情報について、サービス提供者102から車載端末104aへ通知された場合に表示されるメッセージの例である。サービス情報1204a,1204bは、サービス提供者102からサービス利用車両105へ通知された、現時点で利用可能なサービスに関する情報である。
図14は、図1に示したサービス事業者103から提供されるサービス定義情報160の一例を示す図である。
図1に示したサービス事業者103においては、例えば図14に示すように、メータリング定義情報2310やフィールド定義情報2320などからなるサービス定義情報2300を管理サーバ102に提供することで、上述した処理が実行されることになる。
このように、本実施形態においては、サービス利用量の算出方法をその算出方法を適用する時間と共に管理し、車両のサービス利用量の算出に用いるので、時間によって算出方法を変更する柔軟なサービスが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態において課金対象車両であった、自己のモビリティデータを送信できるサービス利用車両105に加え、モビリティデータを送信できないサービス利用車両についても、サービスメータリングの対象とする。
図15は、第2の実施形態による管理サーバを用いたモビリティサービスメータリングシステムのブロック図である。
本実施形態の説明では、第1の実施形態との差分である、モビリティデータを送信しないサービス利用車両に対してサービスメータリングを実施するために必要な機能部およびテーブルの説明を中心に行う。
本実施形態に固有の機能部およびテーブルとして、モビリティデータ申告車両1401と、車載カメラ1402と、モビリティデータ非申告車両1403と、非申告車情報出力部1410と、非申告車両情報管理部1420と、料金プラン管理テーブル1430と、非申告車対応サービス利用状況管理テーブル1440と、非申告車対応メータリング結果管理テーブル1441とである。非申告車両情報管理部1420は、非申告車モビリティデータ推定部1411と、カメラ/センサデータ処理部1422と、非申告車ID管理テーブル1423と、非申告車位置情報管理テーブル1424とがある。
モビリティデータ申告車両1401は、自車の位置情報や車両識別情報等を含むモビリティデータを逐次的に管理サーバ102へ送信する車両である。車載カメラ1402は、モビリティデータ申告車両1401に搭載されたカメラ機器である。カメラ機器は、一般的な単眼カメラ以外にも、撮像機能に加えて被写体までの距離情報を取得する機能を有するカメラ機器でもよい。このようなカメラ機器は、例えば、複数台のカメラ機器で得た画像データから被写体までの距離を測定するステレオカメラや、単眼カメラにより取得される画像データと電磁波や音波などを用いて被写体までの距離を測定するセンシング機能を組み合わせたものが挙げられる。また、モビリティデータ申告車両1401に分類されるすべての車両がカメラ機器1402を備えていなくてもよい。モビリティデータ申告車両1401のモビリティデータは、申告車両情報管理部112にて、第1の実施形態にて開示する方法でサービス利用量がメータリングされる。
モビリティデータ非申告車両1403は、自車の位置情報や車両識別情報等を含むモビリティデータを管理サーバ102へ送信しない車両である。モビリティデータ非申告車両1403は、自車のモビリティデータを取得し、送信する機能がない、あるいは、データ取得の機能があっても意図的または故意に管理サーバ102へ送信しない場合を含む。
非申告車情報出力部1410は、モビリティデータ申告車両1401が送信したモビリティデータに車載カメラ1402で撮影された画像データが含まれている場合に、申告車両情報管理部112で整形された加工済みモビリティデータを非申告車両情報管理部1420に出力する機能を有する。出力される加工済みモビリティデータには、送信元車両の識別情報である課金対象ID201と、送信元車両の位置情報ID221と、位置測定日時223と、整形済みの位置情報224と、画像データとが含まれる。加工済みモビリティデータの受け渡しは通信IF115を通じて行われる。
非申告車情報管理部1420は、非申告車情報出力部1410から入力された画像データに映ったサービス利用車両のうち、モビリティデータを送信しないモビリティデータ非申告車両1403を推定し、推定モビリティデータを蓄積する機能を提供する。推定モビリティデータは、モビリティデータ非申告車両1403の車両登録ナンバーと、登録名義人の識別情報と、画像データの撮影車両の課金対象IDと、撮影車両の位置情報IDと、位置測定日時と、相対位置情報と、緯度経度により表現される位置情報とを含む。
また、非申告車情報管理部1420は、推定モビリティデータを非申告車ID管理テーブル1423と非申告車位置情報管理テーブル1424に登録したり、検索する機能を提供したりする。
非申告車モビリティデータ推定部1421は、入力された加工済みモビリティデータに含まれる送信元車両の位置情報と、入力画像データに対するカメラ/センサデータ処理部1422の分析結果を基に、モビリティデータ非申告車両1403のモビリティデータを推定する。
非申告車モビリティデータ推定部1421は、モビリティデータ非申告車両1403の推定モビリティデータを構成する情報のうち、特にサービスメータリングに必要な、位置測定日時と、位置情報と、登録名義人識別情報を特定する。登録名義人識別情報は、無線通信を用いた料金徴収ができない場合に、サービス利用料金の徴収を行う際に必要な情報である。
非申告車モビリティデータ推定部1421は、非申告車情報出力部1410から入力された加工済みモビリティデータに含まれる位置測定日時223を、推定モビリティデータの位置測定日時として利用する。推定モビリティデータの位置情報は、加工済みモビリティデータに含まれる位置情報224を基準位置とし、画像データに対するカメラ/センサデータ処理部1422の分析処理で得られる撮影車両と被撮影車両の相対位置を合成することで取得する。モビリティデータ非申告車両1403の位置情報と位置測定日時は、非申告車位置情報管理テーブル1424に登録する。
非申告車モビリティデータ推定部1421は、モビリティデータ非申告車両1403の登録名義人識別情報は、画像データに対するカメラ/センサデータ処理部1422の分析処理で得られる被撮影車両の車両登録ナンバー情報を基に推定する。非申告車モビリティデータ推定部1421は、取得した車両登録ナンバーをクエリとして、車両登録情報管理テーブル137を検索し、検索結果に含まれる登録車個人ナンバー704を車両保有者識別情報として用いる。車両保有者識別情報は、非申告車ID管理テーブル1423に登録する。
カメラ/センサデータ処理部1422は、入力された画像データから、被撮影車両の車両登録ナンバーと、撮影車両と被撮影車両の相対位置情報を取得する機能を提供する。車両登録ナンバー認識機能は、一般的な画像認識処理プログラムや、多数の車両登録ナンバーの画像データを学習させた人工知能を用いてもよい。また、車両登録ナンバー認識機能は、管理サーバ102上に実装されていても、管理サーバ102外部の画像認識サービスを用いてもよい。相対位置情報は、撮影車両から観測されたオイラー角(X,Y,Z)と距離(メートル)のようなものでもよい。相対位置情報は、例えばステレオカメラにより撮影された複数毎の画像データから得られる深度情報や、電磁波による距離センシング情報から、被撮影車両の方角と距離を抽出し利用してもよい。あるいは、単眼カメラ機器で撮影された画像データに映った被写体のサイズから大まかな方角と距離を推定して、相対位置情報として利用してもよい。
非申告車ID管理テーブル1423は、モビリティデータ非申告車両1403によるサービス利用状況の管理と、特定の個人あるいは法人に対してサービス料金徴収を実施するために、利用料金の登録名義人IDと車両識別子を対応付けて管理するテーブルである。非申告車モビリティデータ推定部1421で推定された車両登録ナンバーと、車両登録ナンバーをクエリとして車両登録情報管理テーブル137から得られる登録名義人ID704と、車両タイプ702とを対応付けて管理する。
非申告車位置情報管理テーブル1424は、非申告車モビリティデータ推定部1421で生成された推定モビリティデータを、モビリティデータ非申告車両1403に与えられる課金対象ID毎に検索可能とするために、課金対象IDと、推定した位置情報と、位置測定日時を対応付けて管理するテーブルである。
料金プラン管理テーブル1430は、車両タイプやモビリティデータの申告方式毎に異なる適切な料金プランを参照するために、プランが適用される車両のタイプと、モビリティデータの申告方式と、料金算出方法の定義を対応付けて管理するテーブルである。モビリティデータの申告方式とは、自身が送信したモビリティデータによりサービス料金を計測される自己申告方式と、他車モビリティデータに含まれる画像データからサービス料金を計測される他車申告方式があり、両者を区別する情報である。
非申告車対応サービス利用状況管理テーブル1440は、サービスリソース利用判定部140の判定結果の管理と、任意のサービス利用車両の利用状況検索を行うために、サービス利用判定を受けた個々の加工済みモビリティデータを、モビリティデータ申告車両1401またはモビリティデータ非申告車両1403の課金対象者の識別子と、モビリティデータの申告方式と、位置情報の識別子や測定日時と、利用中のリソースを含むリソースグループの識別子とを対応付けて管理する。
非申告車対応メータリング結果管理テーブル1441は、利用料金算出部143の算出結果を管理蓄積するテーブルである。非申告車対応メータリング結果管理テーブル1441は、サービス利用車両の識別子や、モビリティデータの申告方式、料金、徴収状態を対応付けてデータを管理する。管理されるデータには、メータリング時に適用されたロジック情報やメータリングに利用された位置情報が、メータリングのエビデンスとして含まれていてもよい。
図16は、図15に示した非申告車両管理部1420が備えるテーブルの構成例を示す図である。非申告車両管理部1420が備えるテーブルとして、(a)非申告車ID管理テーブル1423と、(b)非申告車位置情報管理テーブル1424とがある。
図15に示した非申告車ID管理テーブル1423は、図16に示すように、課金対象ID1501と、登録名義人ID1502と、車両ID1503と、車両タイプ1504とから構成される。非申告車ID管理テーブル1423は、第1の実施形態における課金対象ID管理テーブル121と同様に、サービスを利用する個々の車両を識別する情報の管理を目的としたテーブルである。しかし、課金対象ID管理テーブル121が、モビリティデータ申告車両1501(第1の実施形態におけるサービス利用車両105)の車両識別子を対象に管理する一方、非申告車ID管理テーブル1423は、モビリティデータ非申告車両1503の車両識別子を管理する。課金対象ID1501は、車両ID1503に対して与えられる当該システム上の識別子である。登録名義人ID1502は、例えば、車両登録ナンバーを届け出る際に設定される車両保有者の個人ナンバーのような情報であり、サービス料金の徴収対象となる個人および法人を特定する識別子である。車両ID1503は、例えば、車両ナンバーのように自動車を一意に特定できるID情報である。車両タイプ1504は、車両ID1503で指定された車両の属性を示す情報である。
非申告車ID管理テーブル1423を構成する課金対象ID1501と、登録名義人ID1502と、車両ID1503と、車両タイプ1504は、申告車両情報管理部112が受信して加工したモビリティデータを、非申告車情報出力部1410を介して、非申告車モビリティデータ推定部1421が受け取り、画像データを基にモビリティデータ非申告車両1403の推定モビリティデータを生成した後に登録される。この際、非申告車モビリティデータ推定部1421は、画像データから取得した車両登録ナンバー(車両ID1503)と、これをクエリとして車両登録情報管理部テーブル137から取得した、登録名義人ID1502と、車両タイプ1504を、非申告車ID管理テーブル1423に入力し、車両ID1503が一致するレコードがなければ課金対象ID1501を発行して登録する。
非申告車位置情報管理テーブル1424は、図16(b)に示すように、位置情報ID1521と、撮影者課金対象ID1522と、撮影者位置情報ID1523と、相対位置1524と、位置測定日時1525と、位置情報1526とから構成される。
非申告車位置情報管理テーブル1424は、非申告車モビリティデータ推定部1421が推定したモビリティデータを管理するテーブルであり、位置情報管理テーブル123と同じ目的を持つテーブルである。位置情報ID1521は、推定された各モビリティデータを特定する為の識別子である。撮影者課金対象ID1522は、加工済みモビリティデータの送信元車両を特定する為の識別子である。撮影者位置情報ID1523は、加工済みモビリティデータの送信元車両の位置情報を特定する為の識別子である。相対位置1524は、カメラ/センサデータ処理部1422によって推定された撮影車両からの被撮影車両の相対位置情報である。これは、例えば撮影車両の正面からの距離や相対角度により表現される方角を含む。位置測定日時1525は、推定した位置情報の測定日時である。位置情報1526は、非申告車モビリティデータ推定部1421で推定された被撮影車両の位置情報であり、緯度経度および高度のような絶対位置情報である。
非申告車位置情報管理テーブル1424は、非申告車ID管理テーブル1423同様、モビリティデータ申告車両1401から受信した加工済みモビリティデータを、非申告車情報出力部1410を介して、非申告車モビリティデータ推定部1421が受け取り、画像データに映ったモビリティデータ申告車両1403のモビリティデータを推定した際に作成される。
非申告車位置情報管理テーブル1424を構成する撮影者課金対象ID1522と、撮影者位置情報ID1523と、相対位置1524と、位置測定日時1525と、位置情報1526は、非申告車モビリティデータ推定部1421から入力されると、非申告車ID管理テーブル1423の場合と異なり、すべての入力データに位置情報ID1521を発行して登録する。
図17は、図15に示したサービスメータリング管理部130が備える料金プラン管理テーブル1430の構成例を示す図である。
図15に示した料金プラン管理テーブル1430は、図15に示すように、第1の実施形態における料金プラン管理テーブル133にカラムを1つ追加したものであり、テーブルで管理される情報の利用目的やレコード登録に係る処理等も料金プラン管理テーブル133と同様である。以下に、新たに追加されたカラムを中心に説明する。
料金プラン構成テーブル1430は、プランID401と、車両タイプ402と、申告方式1601と、プラン403とから構成される。申告方式1601は、料金プランの選択項目の1つであり、モビリティデータ申告車両1401に適用される料金プラン(自己申告)とモビリティデータ非申告車両1403に適用される料金プラン(他者申告)を区別するための情報である。例えば、モビリティデータ申告車両1401に適用される料金プランよりもモビリティデータ非申告車両1403に適用される料金プランの方を高くすることが考えられる。
料金プラン構成テーブル1430を構成する車両タイプ402と、申告方式1601と、料金プラン403は、サービスメータリング管理部130が、サービス事業者103から通信IF115を介してメータリング情報を取得した際に、取得情報から車両タイプ402と申告方式1601と料金プラン403を抽出して登録する。料金プラン構成テーブル1430に抽出した車両タイプおよび申告方式1601と一致するレコードが無い場合は、サービスメータリング管理部130が新たなプランID401を発行して、プランID401と車両タイプ402と申告方式1601とプラン403を料金プラン管理テーブルに登録する。抽出した車両タイプおよび申告方式1601一致する車両タイプと申告方式1601を持つレコードがある場合は、料金プラン403のみを新しい料金プランに交換する。
図18は、図15に示したメータリング処理部114が備える非申告車対応サービス利用状況管理テーブル1440の構成例を示す図である。
図15に示したメータリング処理部114が備える非申告車対応サービス利用状況管理テーブル1440は、図18に示すように、第1の実施形態におけるサービス利用状況管理テーブル141にカラムを1つ追加したものであり、テーブルで管理される情報の利用目的やレコード登録に係る処理等はサービス利用状況管理テーブル141と同様である。以下に新たに追加されたカラムを中心に説明する。
非申告車対応サービス利用状況管理テーブル1440は、課金対象ID801と、測定日時802と、申告方式1701と、リソースグループID803と、位置情報ID804を有する。申告方式1701は、サービスリソース利用判定部140でサービス利用が見込まれたモビリティデータが、モビリティデータ申告車両1401に関する自己申告のデータであるか、モビリティデータ非申告車両1403に関する他者申告のデータであるかを区別するための情報である。
非申告車対応サービス利用状況管理テーブル1440を構成する課金対象ID801と、測定日時802と、申告方式1701と、リソースグループID803と、位置情報ID804は、サービスリソース利用判定部140によって登録される情報である。サービスリソース利用判定部140は、申告車両情報管理部112が新しいモビリティデータを取得する度に、申告車両情報管理部112あるいは非申告車両情報管理部1420から、課金対象ID(201あるいは1501)と、車両タイプ(204あるいは1504)と、位置情報ID(221あるいは1521)と、位置測定日時(223あるいは1525)の入力を受ける。サービスリソース利用判定部140は、入力された位置情報に最近傍のリソースIDをマップマッチング処理部138から取得し、リソースIDと車両タイプ(204あるいは1504)をクエリにサービスリソース管理テーブル135を検索する。検索の結果ヒットするリソースグループID501がある場合は、サービス利用が見込まれるものと判定し、課金対象ID(201あるいは1501)と、位置測定日時ID(223あるいは1523)と、リソースグループID501と、位置情報ID(221あるいは1521)をそれぞれ課金対象ID801と、測定日時802と、リソースグループID803と、位置情報ID804として登録する。同時に、申告方式1701には、登録情報が申告車両情報管理部112から入力されたデータの場合は「自己申告」フラグを登録し、登録情報が非申告車両情報管理部1420から入力されたデータの場合は「他車申告」フラグを登録する。
図19は、図15に示したメータリング処理部114が備える非申告車対応メータリング結果管理テーブル1441の構成例を示す図である。
図15に示したメータリング処理部114が備える非申告車対応メータリング結果管理テーブル1441、図19に示すように、第1の実施形態におけるメータリング結果管理テーブル144にカラムを1つ追加したものであり、テーブルで管理される情報の利用目的やレコード登録に係る処理等はメータリング結果管理テーブル144と同様である。以下に新たに追加されたカラムを中心に説明する。
非申告車対応メータリング結果管理テーブル1441は、課金対象ID901と、徴収状態902と、申告方式1801と、適用ロジックID配列903と、エビデンス904と、料金905とから構成される。申告方式1801は、サービス利用料金をメータリングされた車両が、モビリティデータ申告車両1401であるか、モビリティデータ非申告車両1403であるかを区別するための情報である。
非申告車対応メータリング結果管理テーブル1441を構成する課金対象ID901と、申告方式1801と、適用ロジックID配列と、エビデンス904は、サービス利用量算出部142によって登録される。サービス利用量算出部142は、サービスリソース利用判定部140から、サービス利用の終了が見込まれる課金対象ID201あるいは1501の入力を受ける。サービス利用量算出部142は、入力された課金対象IDをクエリとして、非申告車対応サービス利用状況管理テーブル1440のデータを取得し利用量の算出処理を行う。サービス利用量算出部142は、算出処理を行った課金対象ID801と、取得したデータに含まれるリソースグループID803をクエリにメータリングロジック管理テーブル132から得られるロジックID301の集合データと、取得したデータに含まれる位置情報ID804の集合データを、それぞれ、課金対象ID901と、適用ロジックID配列903と、エビデンス904に登録する。メータリング結果管理テーブル144を構成する料金905は、利用料金算出部143が、サービス利用量算出部142により算出された利用量を利用料金に変換して登録する。同時に、徴収状態902は、サービス利用料金登録時に「未徴収」フラグを入力し、申告方式1801は非申告車対応サービス利用状況管理テーブル1440から取得したデータに含まれる申告方式1701を入力する。徴収状態902は、サービス事業者102や管理コンソール101が料金徴収を終わったのちに通信IF115を介して「徴収済」フラグを入力する。
以下に、上非申告車両情報管理部115の処理について説明する。
図20は、図15に示した非申告車両情報管理部115の処理フローの一例を示すフローチャートである。
図15に示した申告車両情報管理部115の処理フローは、非申告車両情報管理部115以外の機能部が実施するステップ1910〜ステップ1911と、非申告車両情報管理部1420が実施するステップ1120と、カメラ/センサデータ処理部1422が実施するステップ1930〜ステップ1933と、非申告車モビリティデータ推定部1421が実施するステップ1940〜ステップ1947とから構成される。ステップ1940〜ステップ1943は、カメラ/センサデータ処理部1422で検出された個々の被撮影車両のデータに対するループ処理(ループ1)である。
ステップ1910において、モビリティデータ申告車1401が自車の車載カメラ1402で撮影した周辺道路の画像データを、自車で測定した位置情報や車両識別子を含むモビリティデータとともに管理サーバ102へ送信すると、画像データを含むこれらのモビリティデータをモビリティデータ送受信部111が受信する。
すると、申告車両管理部112は、ステップ1911において、受信したモビリティデータのうち、モビリティデータ送信車両の課金対象ID201と、位置情報ID221と、画像データを非申告車両管理部1420へ出力する。
非申告車両情報管理1420は、ステップ1920において、入力された周辺道路の画像データをカメラ/センサデータ処理部1422へ入力する。
カメラ/センサデータ処理部1422は、まず、ステップ1930において、入力画像データに映る車両(被撮影車両)の車両登録ナンバーを読み取る。
カメラ/センサデータ処理部1422は、次に、ステップ1931において、撮影車両と被撮影車両の相対位置を推定する。相対位置の推定には、ステレオカメラを用いて生成された深度情報や電磁波を用いて取得した周辺物体との距離情報を用いてもよい。
カメラ/センサデータ処理部1422は、次に、ステップ1932において、位置情報ID221から参照可能な撮影車両の位置情報と、ステップ1931で推定した相対位置から、被撮影車両の絶対位置(緯度、経度等)を推定する。
カメラ/センサデータ処理部1422は、次に、ステップ1933において、ステップ1931で読み取った車両登録ナンバーと、ステップ1932で推定した被撮影車両の絶対位置情報を、非申告車モビリティデータ推定部1421へ出力する。
すると、非申告車モビリティデータ推定部1421は、ステップ1940において、カメラ/センサデータ処理部1422から入力された1台以上の被撮影車両のデータについて、個々の被撮影車両のデータに対してループ1を実行する。
非申告車モビリティデータ推定部1421は、次に、ステップ1941において、ループ1に入力された被撮影車のデータうち、車両登録ナンバーをクエリに、課金対象ID管理テーブル121のレコードを検索する。これは、被撮影車両が、自身のモビリティデータを送信するモビリティデータ申告車両1401であるか、モビリティデータを発さないサービス利用モビリティデータ非申告1403であるかを検出するために実行される。
そして、非申告車モビリティデータ推定部1421は、ステップ1942において、検索処理にヒットするレコードがあるかどうかを判定する。
レコードがある場合は、非申告車モビリティデータ推定部1421は、被撮影車両がモビリティデータ申告車両1401であると判断し、ステップ1943に進み次の被撮影車両のデータに対するループ1処理に戻る。
一方、レコードがない場合は、非申告車モビリティデータ推定部1421は、被撮影車両がモビリティデータ非申告車両1403と判断し、この被撮影車両のデータに対する処理を引き続き行うためにステップ1944に移行する。
非申告車モビリティデータ推定部1421は、ステップ1944において、被撮影車両のデータに含まれる車両登録ナンバーを、車両登録情報管理部137に問い合わせ、車両タイプ702と登録名義人ID703を取得する。
非申告車モビリティデータ推定部1421は、次に、ステップ1945において、登録名義人ID702と、車両登録ナンバーと、車両タイプ702を、それぞれ登録名義人ID1502、車両ID1503、車両タイプ1504として、非申告車ID管理テーブル1423に登録し、非申告車管理ID1501を発行する。
非申告車モビリティデータ推定部1421は、次に、ステップ1946において、非申告車管理ID1504と、画像データを撮影したモビリティデータ申告車両1401の課金対象ID201と位置情報ID221、ステップ1932で推定した被撮影車の絶対位置情報と相対位置情報と位置測定時刻を、それぞれ非申告車位置情報管理テーブルを構成する撮影者課金対象ID1522と、撮影者位置情報ID1523と、相対位置1524と、位置測定日時1525と、位置情報1526に登録する。このとき、新しい位置情報ID1521も発行する。
そして、非申告車モビリティデータ推定部1421は、ステップ1947において、非申告車両のモビリティデータを、申告車両のモビリティデータと同様にメータリング処理部114へ入力する。
その後、第1の実施形態と同様に、サービスリソース利用判定部140が、推定された非申告車両の位置情報に基づき非申告車両によるサービスリソースの利用を判定し、非申告車両が利用したサービスリソースに関する利用リソース情報と非申告車両がサービスリソースを利用した時間を示す利用時間情報とを含むサービス利用状況管理情報を生成してサービス利用状況管理テーブル1440に登録し、サービス利用量算出部142が、サービス利用状況管理テーブル1440に登録されたサービス利用状況管理情報と、メータリングロジック管理テーブル132に登録されたメータリングロジック管理情報とを参照し、非申告車両がサービスリソースを利用した時間と、その時間に適用させる利用量算出方法とに基づいて、非申告車両によるサービスリソースの利用に関するサービス利用量を算出することになる。
本形態においては、モビリティデータを通知してサービスの利用を申告する車両だけでなく、申告を行うことができない車両が混在した場合においても、申告を行うことができない車両についての位置情報を含むモビリティデータを収集し、時間によって算出方法を変更する柔軟なサービスの提供が可能となる。なお、本実施形態では、図14に例示した第1の実施形態におけるサービス定義情報2300のメータリング定義情報2310に、例えば申告方式という項目を設け自己申告と他車申告を設定し、料金プランの項目に自己申告と他車申告のそれぞれの料金プランを設定することにより、上述した処理が実行されることになる。例えば、自己申告の料金プランを「総利用量[単位]×1.0円×0.6」とし、他車申告の料金プランを「総利用量[単位]×1.0円×1.0」とするというように異なる料金プランを適用できる。
なお、本実施形態においては、モビリティデータ申告車両1401の車載カメラ1402にて撮影された画像データに基づいて、サービスリソース利用を申告しないモビリティデータ非申告車両1403の位置情報を推定しているが、モビリティデータ受信部111において、サービスリソースに設置された路上カメラ装置にて撮影された路上カメラ画像データを受信し、非申告車両情報管理部1420において、この路上カメラ画像データに基づいて、モビリティデータ非申告車両1403の位置情報を推定する構成としてもよい。そのような構成とすることにより、申告車両が存在しないときにサービスリソースを利用した非申告車両のサービス利用量についても算出することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1の実施形態及び第2の実施形態において、モビリティデータに対する改ざんが行われた場合において、それを検出する方法を説明する。
第1の実施形態及び第2の実施形態においては、管理サーバ102に送信されたすべてのモビリティデータは、不正な改ざんがされていないことを想定する。しかし、モビリティデータは、モビリティデータ申告車両1401の車載端末106や車載カメラ1402によって作成されたものである為、管理サーバ102への送信データ改ざんのリスクが存在する。改ざんによるリスクとは、例えば、管理サーバ102への送信前に車載端末106が測定する位置情報を不正に改ざんして、メータリングシステムにサービス利用を検出させないケースや、車載カメラ1402で撮影された画像データを偽り、サービスを利用していない無関係の車両が映り込んだものを送信して他の車両に不当なサービス利用料金を課すケース等がありうるが、これらを検出できないことが課題である。
第3の実施形態は、複数台のモビリティデータ申告車両1401が提供するモビリティデータ間の整合性を評価する。本実施形態における整合性評価方法は、モビリティデータ申告車1401の大多数が改ざんのないモビリティデータを送信する状況を前提としており、この前提を基に、整合性評価により不正検知を行うことで前述の課題を解決する。
また、整合性評価の結果、不正のないモビリティデータを提供するモビリティデータ申告車両1401を、信頼度の高いサービス利用車とみなし、信頼度の高いサービス利用車には料金割引を行うなどの仕組みを提供し、不正のないサービス利用を促す方法を説明する。
図21は、第3の実施形態による管理サーバを用いたモビリティサービスメータリングシステムのブロック図である。図21は第3の実施形態の全体図である。
本実施形態の説明では、図15に示した第2の実施形態と多くの機能部やテーブルが共通しているため、第2の実施形態との差分を中心に説明する。本実施形態に固有な機能部およびテーブルとして、整合性評価部2010、整合性評価結果管理テーブル2011、信頼度評価部2012、信頼度管理テーブル2013、検出申告車情報出力部2020、料金プラン管理テーブル2030がある。
整合性評価部2010は、不正に改ざんされた位置情報や画像データを含むモビリティデータを送信する車両を検出するために、複数の車両から得られるモビリティデータ間の整合性を評価する機能を有する。整合性評価部2010は、モビリティデータ申告車両1401から得たモビリティデータを対象に整合性評価を行う。モビリティデータに画像データが含まれており、画像データに他のモビリティデータ申告車両1401が複数台映っている場合に、この画像データを送信した車両が整合性評価の対象車両となる。画像データから得られた周辺車両の位置情報と、画像データに映ったモビリティデータ申告車両1401が自己申告した位置情報との間の一致を評価することで、整合性評価を行う。整合性評価により検出可能な不正は、評価対象車両が、モビリティデータに含まれる位置情報あるいは画像データに対して行ったデータ改ざんである。
整合性評価部2010による整合性評価は、検出車両情報出力部2020(後述)を介して、非申告車両情報管理部1420により実行される画像データの分析結果を基に行う。申告車両情報管理部112は、第2の実施形態と同様に、画像データを含むモビリティデータを取得すると、非申告車情報出力部1410を介して画像データを含む加工済みモビリティデータを非申告車両管理部1420に入力する。非申告車両管理部1420では、カメラ/センサデータ処理部1422により、画像データに映る車両について、撮影車両からの相対位置情報と車両登録ナンバーを取得する。検出車両情報出力部2020(後述)は、画像データから取得した2台以上の車両(被撮影車両)に関する相対位置情報と車両登録ナンバーと、加工済みモビリティデータに含まれる評価対象車両の位置情報IDと、位置情報と、位置測定日時と、課金対象IDを含む被撮影車両データを整合性評価部2010に入力する。
整合性評価部2010は、被撮影車両データに含まれる各被撮影車両の車両登録ナンバーをクエリとして、クエリと課金対象ID管理テーブル121の車両ID203がマッチする課金対象ID201を取得する。さらに、位置情報管理テーブル123から、取得した個々の被撮影車両の課金対象ID201と、被撮影車両データに含まれる評価対象車両の位置測定日時をクエリとして、評価対象車両の位置測定日時に最も近い日時に測定された被撮影車両の位置情報を取得する。整合性評価部2010は、個々の被撮影車両の位置情報を参考情報として次の整合性評価を行う。評価対象車両の位置情報と、被撮影車両データに含まれる評価対象の被撮影車両の相対位置情報を基に、被撮影車両の位置情報を推定し、位置情報管理テーブル123から得た被撮影車両の位置情報と比較する。2つの位置情報は近しい日時における、評価対象車両のモビリティデータから推定された情報と、被撮影車両の自己申告情報である。評価対象車両と、被撮影車両の両者が不正を行っていない場合は2つの位置情報がおおむね一致する。本実施形態では、前述のとおり、位置データの改ざんを行うモビリティデータ申告車両1401は少なく、被撮影車両が申告したほぼすべての位置情報が正しいという前提を採用する。被撮影車両データに含まれるすべての被撮影車両に対して同様の操作を行い、例えば、半数台以上の被撮影車両の位置情報で一致が見られた場合は、画像データを含むモビリティデータが不正のないデータであると判定し、不正のない画像データを含むモビリティデータの送信元車両は公正な車両であると推定する。整合性評価部2010は、評価結果として、モビリティデータ送信元車両の課金対象ID201と、位置情報IDと、位置測定日時と、判定結果を整合性評価結果管理テーブル2011に登録する。判定結果は、例えば「不正無し」(評価“〇”)か「不正の疑い」(評価“−”)のような離散的な評価でもよい。
整合性評価結果テーブル2011は、整合性評価部2010による不正なデータ改ざん有無の評価結果を蓄積したり、公正なモビリティデータを提供する優良な車両の信頼度を過去の整合性評価結果から定量化するために、整合性の評価結果と、評価対象のモビリティデータの識別子とそのデータを送信した車両の識別子と対応付けて管理する為のテーブルである。
信頼度評価部2012は、改ざん等の不正のないモビリティデータを提供する優良なサービス利用車に対してサービス利用料金の優遇措置などを実施するために、整合性評価結果を基に、個々のモビリティデータ申告車両1401の信頼度の定量評価を行う機能を有する。
信頼度評価部2012は、整合性評価結果テーブル2011に登録された個々の車両の評価結果を用いる。整合性評価部2010が整合性評価結果テーブル2011へ新しい評価結果登録を契機に実行される。新しい評価結果が登録されると、登録されたレコードに含まれる、課金対象IDをクエリとして、整合性評価結果管理テーブル2011から対象車両に関するレコードを取得する。取得した各レコードに含まれる評価結果を用いて信頼度を算出する。信頼度の算出方法は、信頼度評価部2012にあらかじめ定義された評価方式を提供してもよい。例えば、レコード数に占める「不正無し」(評価“〇(丸印)”)のパーセンテージを用いたり、1度でも不正があった場合には信頼度を60%に固定したりするといった方式が挙げられる。また、すべてのレコードを使うのではなく、各レコードに含まれる位置測定日時を参考に現在から過去1年間のレコードのみに絞り込んで評価する方式が適用されてもよい。
信頼度管理テーブル2013は、公正なモビリティデータを提供する優良なサービス利用車両に対して、サービス利用料金の優遇を行ったりするために、信頼度評価部2013による信頼度評価結果を評価対象車両の識別子に対応付けて管理する為のテーブルである。
検出車両情報出力部2020は、非申告車情報出力部1410から非申告車モビリティデータ推定部1421に入力された画像データを含む加工済みモビリティデータを基に、カメラ/センサデータ処理部1422が抽出した被撮影車両データを、整合性評価部2010に出力する機能を有する。検出車両情報出力部2020は、カメラ/センサデータ処理部1422が抽出する被撮影車両データは前述のように、2台以上の車両(被撮影車両)に関する相対位置情報と車両登録ナンバーと、加工済みモビリティデータに含まれる評価対象車両の位置情報IDと、位置情報と、位置測定日時と、課金対象IDを含む。
料金プラン管理テーブル2030は、車両タイプやモビリティデータの申告方式や対象車両の信頼度評価に応じて異なる適切な料金プランを参照するために、プランが適用される車両のタイプと、モビリティデータの申告方式と、信頼度評価の範囲と、料金算出方法の定義を対応付けて管理するテーブルである。信頼度評価の範囲とは、モビリティデータ申告車両1401の料金算出時に、対象車両の課金対象IDを持つ信頼度評価が存在する場合に、信頼度評価に応じて料金プランを参照させるための目安となる情報である。
図22は、図21に示した申告車両情報管理部112が備えるテーブルの構成例を示す図である。申告車両情報管理部112が備えるテーブルとして、(a)整合性評価結果管理テーブル2011と、(b)信頼度管理テーブル2013とがある。
整合性評価結果管理テーブル2011は、図22(a)に示すように、課金対象ID1501と、位置情報1502と、位置測定日時1503と、評価結果1504とから構成される。課金対象ID1501は、整合性評価の評価対象車両を特定する為の識別子である。位置情報ID1502は、整合性評価対象となったモビリティデータを特定する為の識別子である。位置測定日時1503は、位置情報ID1502が特定するモビリティデータに含まれる位置情報の測定日時である。評価結果1504は、評価対象のモビリティデータに対する整合性評価部2010による整合性評価結果である。
整合性評価結果管理テーブル2011を構成する課金対象ID2101と、位置情報2102と、位置測定日時2103と、評価結果2104は、整合性評価部2010により登録される。整合性評価部2010は、申告車両情報管理部112が画像データを含むモビリティデータを受信し、このモビリティデータに対するカメラ/センサデータ処理部1422の分析処理結果が検出車両情報出力部2020を介して入力された際に整合性評価を実施する。整合性評価の結果、評価対象車(モビリティデータの送信元車両)の課金対象ID201と、位置情報224と、位置情報ID221と、評価結果が、それぞれ課金対象ID2101と、位置情報2102と、位置測定日時2103と、評価結果2104として登録される。
信頼度管理テーブル2013は、図22(b)に示すように、課金対象ID2121、信頼度2122、整合性評価結果対象期間2123とから構成される。
信頼度管理テーブル2013を構成する課金対象ID2121、信頼度2122、整合性評価結果対象期間2123は、信頼度評価が実行されたのちに信頼度評価部2012によって登録される。信頼度評価部は、整合性評価結果管理テーブル2011に新しいデータが登録されたことを契機にして実行される。信頼度評価の結果、信頼度評価部は評価対象車両の課金対象IDと、算出した信頼度と、信頼度評価に用いた整合性評価結果レコードのうち最も古い位置測定日時情報を信頼度管理テーブル2013に登録する。
図23は、図21に示したサービスメータリング管理部130が備える料金プラン管理テーブル2030の構成例を示す図である。
図21に示したサービスメータリング管理部130が備える料金プラン管理テーブル2030は、図23に示すように、第2の実施形態における料金プラン管理テーブル1430にカラムを1つ追加したものであり、テーブルで管理される情報の利用目的やレコード登録に係る処理等も料金プラン管理テーブル133と同様である。以下に、新たに追加されたカラムを中心に説明する。
料金プラン構成テーブル1430は、プランID401と、車両タイプ402と、申告方式1501と、信頼度2201、料金プラン2202とから構成される。信頼度2201は、料金プランの選択項目の1つであり、モビリティデータ申告車両1401について各車両がこれまでに送信したモビリティデータの信頼度の高さを基準に各車両に適用される料金プランを区別するための情報である。例えば、信頼度が高いほど、利用料金を低く設定するなどが考えられる。
料金プラン構成テーブル2030を構成する車両タイプ402と、申告方式1501と、信頼度2201、料金プラン2202は、サービスメータリング管理部130が、サービス事業者103から通信IF115を介してメータリング情報を取得した際に、取得情報から車両タイプ402と申告方式1501と信頼度2201と料金プラン2202を抽出して登録する。料金プラン構成テーブル2030に抽出した車両タイプ402と申告方式1501と信頼度2201の組み合わせに一致するレコードが無い場合は、サービスメータリング管理部130が新たなプランID401を発行して、プランID401と車両タイプ402と申告方式1501と信頼度2201とプラン2202を料金プラン管理テーブルに登録する。抽出した車両タイプおよび申告方式1501一致する車両タイプと申告方式1501を持つレコードがある場合は、料金プラン2202のみを新しい料金プランに交換する。
このように本形態においては、モビリティデータ申告車両1401から受信したモビリティデータに含まれる画像データを用いて、その画像データに映っている他の申告車両の位置情報の整合性を評価する整合性評価部2010を有するため、申告車両からモビリティデータにより申告された内容を、他の車両で撮影された画像データにより検証することができ、申告車両が位置情報を偽るなど不正な申告を行った場合に不正を検知することができる。
また、整合性評価部2010における整合性の評価結果に基づき、申告車両の申告の信頼性を評価する信頼度評価部2012を有し、過去の整合性評価結果に基づき申告車両の申告内容に関する信頼度を算出するので、申告車両がどの程度信頼できるかを知得することができる。
なお、本実施形態においては、モビリティデータ申告車両1401の車載カメラ1402にて撮影された画像データに基づいて、他の申告車両の位置情報を推定し、推定した位置情報を用いて位置情報の整合性を評価しているが、モビリティデータ受信部111において、サービスリソースに設置された路上カメラ装置にて撮影された路上カメラ画像データを受信し、この路上カメラ画像データに基づいて、他の申告車両の位置情報を推定し、推定した位置情報を用いて位置情報の整合性を評価する構成としてもよい。そのような構成とすることにより、サービスリソースに設置された路上カメラ装置を用いても申告車両の位置情報の整合性を評価することができる。