JP2019124535A - 電源システム - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池のSOCを正確に推定できる電源システムを提供すること。【解決手段】二次電池2と、SOC推定装置3とを備える。SOC推定装置3は、記憶部31、ΔV測定部32、OCP算出部33、OCV算出部34、推定部35を備える。記憶部31は、劣化前正OCP特性と、負OCP特性とを記憶している。ΔV測定部32は、使用により劣化した二次電池2が低SOC状態になっているときに、二次電池2を放電させ、電圧変化量ΔVを測定する。OCP算出部33は、電圧変化量ΔVの測定値と劣化前正OCP特性とを用いて、現在正OCP特性を算出する。OCV算出部34は、現在正OCP特性と負OCP特性とを用いて、現在OCV特性を算出する。推定部35は、二次電池2のOCVと現在OCV特性とを用いて、SOCを推定する。【選択図】図3

Description

本発明は、二次電池と、該二次電池のSOCを推定するSOC推定装置とを備える電源システムに関する。
従来から、リチウムイオン電池等の二次電池と、該二次電池の充電率(SOC:State Of Charge)を推定するSOC推定装置とを備えた電源システムが知られている(下記特許文献1参照)。二次電池(以下、単に「電池」とも記す)は、それぞれ活物質を有する正極及び負極を備える。電池を充放電すると、上記活物質にリチウム等の金属イオンが脱挿入され、これに伴って、正極及び負極の電位が変化する。上記電池では、正極と負極の電位の差が、出力電圧となって表れる。
SOC推定装置は、正極の開回路電位(OCP:Open Circuit Potential)とSOCとの関係である正OCP特性と、負極の開回路電位とSOCとの関係である負OCP特性とを記憶している。正OCP特性から負OCP特性を減算すると、出力電圧(開回路電圧)とSOCとの関係であるOCV特性を得ることができる。SOC推定装置は、電池の開回路電圧を測定し、その測定値と、上記OCV特性とを用いて、電池のSOCを推定する。
電池は、使用すると劣化し、OCV特性が変化することが知られている。そのため上記SOC推定装置は、電池が劣化した場合、その劣化度に応じて、正OCP特性、負OCP特性、正負極のSOCずれを補正するよう構成されている。これにより、電池が劣化した場合でも、OCV特性を算出でき、SOCを推定できるようにしてある。
特許第5904134号公報
しかしながら、上記電源システムでは、劣化した電池の正OCP特性を、充分に正確に補正できていなかった。そのため、劣化した電池のOCV特性を充分正確に算出できなかった。したがって、SOCの推定精度が必ずしも充分に高いとは言えなかった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、電池のSOCをより正確に推定できる電源システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、二次電池(2)と、該二次電池のSOCを推定するSOC推定装置(3)とを備える電源システム(1)であって、
上記SOC推定装置は、
劣化前の上記二次電池の、正極(21P)の開回路電位と上記SOCとの関係である劣化前正OCP特性(PA)と、上記二次電池の容量劣化率が予め定められた値より高い高劣化状態における上記正極の開回路電位と上記SOCとの関係である高劣化正OCP特性(PC)と、上記二次電池の、負極(21N)の開回路電位と上記SOCとの関係である負OCP特性(N)と、を記憶する記憶部(31)と、
使用により劣化した上記二次電池が、予め定められた閾値(SOCTH)よりも上記SOCが低い低SOC状態となっているときに、上記二次電池の放電前の電圧である放電前電圧(V1)を測定すると共に、その測定後、上記二次電池を予め定められた放電時間(TD)放電し、該放電を停止して所定の待機時間(Tw)経過したときの電圧である放電後電圧(V2)を測定して、上記放電前電圧と上記放電後電圧との差である電圧変化量(ΔV)を求めるΔV測定部(32)と、
上記電圧変化量の測定値と、上記劣化前正OCP特性と、上記高劣化正OCP特性とを用いて、上記正極の上記開回路電位と上記SOCとの現在の関係である現在正OCP特性(PB)を算出するOCP算出部(33)と、
上記現在正OCP特性と上記負OCP特性とを用いて、上記二次電池の開回路電圧と上記SOCとの現在の関係である現在OCV特性を算出するOCV算出部(34)と、
上記二次電池の上記開回路電圧を測定し、その測定値と上記現在OCV特性とを用いて、上記二次電池の上記SOCを推定する推定部(35)と、
を備える電源システムにある。
上記電源システムのSOC推定装置は、電池の上記電圧変化量を測定し、その測定値を用いて、上記現在正OCP特性を算出する。そして、この現在正OCP特性を用いて上記現在OCV特性を算出し、これを用いてSOCを推定するよう構成されている。
そのため、電池のSOCを正確に推定することができる。すなわち、後述するように、上記電圧変化量と、電池の劣化度との間には大きな相関関係がある。そのため、電圧変化量を用いれば、上記現在正OCP特性を正確に算出することができる。したがって、この現在正OCP特性から上記負OCP特性を減算することにより、上記現在OCV特性を正確に算出することができる。そのため、この現在OCV特性を用いて、電池のSOCを正確に推定することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、電池のSOCをより正確に推定できる電源システムを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、劣化前正OCP特性と、現在正OCP特性と、高劣化正OCP特性と、負OCP特性とを表したグラフ。 実施形態1における、OCV特性を表したグラフ。 実施形態1における、電源システムの概念図。 実施形態1における、ΔVを測定する際の、電池の電圧の時間変化を表したグラフ。 実施形態1における、劣化前の電池の、正極電位とSOCとの関係を表したグラフ。 実施形態1における、劣化した電池の、正極電位とSOCとの関係を表したグラフ。 実施形態1における、放電中の電池の概念図。 実施形態1における、充電中の電池の概念図。 実施形態1における、低SOC状態で放電している電池の概念図。 実施形態1における、SOC推定装置のフローチャート。 図10に続くフローチャート。 実施形態1における、正極電位とSOCとの関係を、劣化前と後とについて測定したグラフ。 実施形態1における、現在正OCP特性の、計算値および実測値。 実施形態2における、電源システムの概念図。 実施形態2における、SOC推定装置のフローチャート。 実施形態3における、SOC推定装置のフローチャート。
(実施形態1)
上記SOC推定装置に係る実施形態について、図1〜図13を参照して説明する。図3に示すごとく、本形態の電源システム1は、二次電池2と、該二次電池2のSOCを推定するSOC推定装置3とを備える。SOC推定装置3は、記憶部31と、ΔV測定部32と、OCP算出部33と、OCV算出部34と、推定部35とを備える。
記憶部31は、劣化前正OCP特性PAと、高劣化正OCP特性PCと、負OCP特性Nとを記憶している。図1に示すごとく、劣化前正OCP特性PAは、劣化前の二次電池2の、正極21Pの開回路電位とSOCとの関係である。高劣化正OCP特性PCは、電池2の容量劣化率が予め定められた値より高い高劣化状態における、正極21Pの開回路電位とSOCとの関係である。また、負OCP特性Nは、二次電池2の、負極21Nの開回路電位とSOCとの関係である。記憶部31は、これら劣化前正OCP特性と、高劣化正OCP特性と、負OCP特性とを、数値データ又は関数として記憶している。
ΔV測定部32は、使用により劣化した電池2が低SOC状態(図6参照)になっているときに、図4に示す電圧変化量ΔVを測定する。低SOC状態は、予め定められた閾値SOCTHよりもSOCが低い状態である。電圧変化量ΔVの測定は、以下のように行う。まず、図4に示すごとく、二次電池2の放電前の電圧である放電前電圧V1を測定する。その後、二次電池2を予め定められた放電時間TD放電し、該放電を停止して所定の待機時間Tw経過したときの電圧である放電後電圧V2を測定する。そして、放電前電圧V1から放電後電圧V2を減算して、電圧変化量ΔV(=V1−V2)を求める。
OCP算出部33は、電圧変化量ΔVの測定値と、上記劣化前正OCP特性PAと、高劣化正OCP特性PCとを用いて、図1に示すごとく、正極21Pの閉回路電位とSOCとの現在の関係である現在正OCP特性PBを算出する。
OCV算出部34は、現在正OCP特性と負OCP特性とを用いて、図2に示すごとく、二次電池の開回路電圧とSOCとの現在の関係である現在OCV特性を算出する。より詳しくは、OCV算出部34は、現在正OCP特性から負OCP特性を減算することにより、現在OCV特性を求める。
推定部35は、二次電池2の開回路電圧を測定し、その測定値と現在OCV特性とを用いて、二次電池2のSOCを推定する。
本形態の電源システム1は、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載するための、車載用電源システムである。図3に示すごとく、電池2は、負荷12と、充電装置11とに接続している。負荷12と電池2との間には、放電用スイッチ14が設けられている。また、充電装置11と電池2との間には、充電用スイッチ13が設けられている。SOC推定装置3は、電池2の充放電を制御する制御装置を兼ねている。SOC推定装置3は、電池2を充電するときは充電用スイッチ13をオンし、放電するときは放電用スイッチ14をオンする。負荷12は、例えば、車両のインバータとすることができる。
次に、電池2の構造について説明する。本形態の電池2は、リチウムイオン二次電池である。図7に示すごとく、電池2は、正極21Pと、負極21Nと、これらを絶縁するインシュレータ22と、電解液23とを備える。正極21P及び負極21Nは、それぞれ活物質210を備える。
図7に示すごとく、電池2のSOCが高い場合は、殆どのリチウムイオンは、負極21Nの活物質210Nに存在している。電池2を放電させると、リチウムイオンが負極21Nから脱離し、電解液23を移動する。その後、リチウムイオンは正極21Pに挿入され、活物質210P内に保持される。
また、図8に示すごとく、電池2のSOCが低い場合は、殆どのリチウムイオンは、正極21Pの活物質210Pに存在している。電池2を充電すると、リチウムイオンが正極21Pから脱離し、電解液23を移動する。その後、リチウムイオンは負極21Nに挿入され、活物質210N内に保持される
図1に示すごとく、電池2のSOCが変化するに伴って、正極21Pの電位(PA〜PC)と、負極21Nの電位(N)とが変化する。これらの電位の差が、電池2の電圧となって表れる(図2参照)。
正極21Pの電位は、電池2の劣化に伴って大きく変化する。未使用の電池2の正極電位の特性はPAであり、略完全に劣化した電池2の正極電位の特性はPCである。電池2の劣化に伴って、正極電位の特性はPAからPCへ向かって徐々に変化する。このように正極電位の特性が変化するのは、正極21Pの活物質210Pの結晶構造が変化し、分極が大きくなることが原因だと考えられる。
また、負極電位の特性(負OCP特性)は、電池2が劣化しても殆ど変わらない。これは、電池2が劣化しても、負極21Nの活物質210Nは結晶構造が大きく変化しないことが原因だと考えられる。
上述したように、電池2の正極電位の特性(現在正OCP特性)は、電池2の劣化に伴って変化する。そのため、現在正OCP特性から負OCP特性を減算して得られる現在OCV特性(図2参照)も、電池2の劣化に伴って変化する。したがって、現在OCV特性を正確に認識していないと、電池2のSOCを正確に推定できなくなる。そのため本形態のSOC推定装置3は、上記電圧変化量ΔV(図4参照)を測定し、これを用いて現在正OCP特性を算出して、現在OCV特性を正確に求めている。
SOC推定装置3は、上述したように、電池2が上記低SOC状態(図6参照)であるときに、電圧変化量ΔVを測定する。この際、まず、図4に示すごとく、放電前の電圧である放電前電圧V1を測定する。その後、電池2を所定の放電時間TD放電させ、待機時間TW経過したときの電圧である放電後電圧V2を測定する。そして、放電前電圧V1から放電後電圧V2を減算して、電圧変化量ΔVを求める。
このようにして求めた電圧変化量ΔVは、電池2の劣化度と大きな相関がある。その理由について説明する。図9に示すごとく、放電を行うと、リチウムイオンが負極21Nから脱離し、電解液23を移動して、正極21Pに挿入される。放電時には、これら負極21N、電解液23、正極21Pの分極のため、電池2の電圧が低下する(図4参照)。また、放電を停止すると、電解液23と負極21Nがまず定常状態に戻り(すなわち分極が緩和され)、その後、暫く経過して、正極21Pの分極が緩和される。したがって、放電を停止してから僅かに経過したときの電圧(すなわち放電後電圧V2)は、正極21Pの分極のみが緩和されていない状態で測定した電圧である。そのため、上記電圧変化量ΔV(=V1−V2)を測定することにより、正極21Pの分極によって生じた電圧降下を測定することができる。電池2が劣化すると、正極21Pの活物質210Pの結晶構造が変化し、分極が大きくなるため、電圧変化量ΔVが高くなる。
特に、低SOC状態では、図9に示すごとく、正極21の活物質210Pに多くのリチウムイオンが存在しているため、リチウムイオンが移動しにくく、分極が大きくなりやすい。したがって、低SOC状態では、電圧変化量ΔVは、電池2の劣化度を正確に反映した値になりやすい。
また、電圧変化量ΔVを測定する際には、電池2の放電レートをなるべく高くすることが望ましい。放電レートを高くすると、活物質210Pの分極が大きくなりやすい。そのため、放電レートを高くした場合は、電圧変化量ΔVは、電池2の劣化度を正確に反映した値になりやすい。なお、放電レートは、1C以上とすることが好ましい。
また、記憶部31(図3参照)は、下記表1に示すごとく、電圧変化量ΔVに対応する重み付け係数tを記憶している。重み付け係数tは、電圧変化量ΔVが高くなるほど1より小さくなり、0に近づく係数である。
Figure 2019124535
また、記憶部31は、上述したように、上記劣化前正OCP特性PA(図1参照)と、高劣化正OCP特性PCを記憶している。OCP算出部33は、劣化前正OCP特性PAと、高劣化正OCP特性PCと、重み付け係数tとから、下記式(1)を用いて、現在正OCP特性PBを算出する。
B=PAt+PC(1−t) ・・・(1)
この式から分かるように、電池2が殆ど劣化しておらず、電圧変化量ΔVが小さい場合は、重み付け係数tは1に近いため、現在正OCP特性PBは、劣化前正OCP特性PAに近い特性になる。また、電池2が大きく劣化し、電圧変化量ΔVが大きくなった場合は、重み付け係数tが0に近づくため、現在正OCP特性PBは、高劣化正OCP特性PCに近い特性になる。
次に、SOC推定装置3のフローチャートの説明をする。図10に示すごとく、SOC推定装置3は、まず、ステップS1を行う。ここでは、電池2の電圧V、電流I、温度Tから、電池2の現在のSOCを算出する。その後、ステップS2に移る。ここでは、SOCが閾値SOCTHより小さいか否か、すなわち低SOC状態であるか否かを判断する。閾値SOCTHは、例えば40%に設定することができる。
ステップS2でYesと判断した場合は、ステップS3を行い、放電前電圧V1(図4参照)を測定する。その後、ステップS4に移る。ここでは、電池2を予め定められた放電時間TD放電させ、放電を停止してから所定の待機時間TW休止させる。その後、ステップS5に移り、放電後電圧V2を測定する。そして、ステップS6に移り、電圧変化量ΔV(=V1−V2)を算出する。
次いで、ステップS7に移る。ここでは、電圧変化量ΔVが所定の電圧閾値VTHより高いか否かを判断する。電圧閾値VTHは、重み付け係数tが1になる上限値であり、例えば上記表1では0.02(V)が電圧閾値VTHに相当する。ステップS7でYesと判断した場合は、ステップS8に移り、電圧変化量ΔVに対応する重み付け係数tを抽出する(上記表1参照)。
その後、ステップS9に移る。ここでは、上記式(1)を用いて、現在正OCP特性を算出する。その後、ステップS10に移る。ここでは、現在正OCP特性と負OCP特性のシフト量を演算し、その演算したシフト量を各特性に加える。電池2を使用すると、負極21Nの表面に被膜が形成され、リチウムイオンが消費される。その結果、負OCP特性が正OCP特性に対してずれてしまう(正負極のSOCずれ)。ステップS10では、このずれを補正している。
その後、ステップS11に移り、現在正OCP特性から負OCP特性を減算して、現在OCV特性を算出する。その後、ステップS12に移る。ここでは、電池2のOCVを測定し、その測定値と、現在OCV特性とを用いて、現在のSOCを算出する。
本発明の効果を確認するための実験を行った。まず、未使用の電池2を用意し、劣化前正OCP特性を測定した。また、略完全に劣化した電池2を用意し、高劣化正OCP特性を測定した。これらの電池2の正極21PはLiNi1/3Mn1/3Co1/32であり、負極はハードカーボンである。測定結果を下記表2に示す。また、同表をグラフにしたものを図12に示す。
Figure 2019124535
次に、ある程度劣化した電池2を用意し、電圧変化量ΔVを測定した。この電池2の容量劣化率は19.8%であった。電圧変化量ΔVを測定したときの温度は25℃であり、SOCは10%であった。また、放電レートは2Cであり、放電時間TDは3秒、待機時間TWは60秒であった。
測定された電圧変化量ΔVの値は、0.064(V)であった。この値に対応する重み付け係数tは、上記表1から、0.68であることが分かる。この重み付け係数t(=0.68)と、上記表2に記載の劣化前正OCP特性PA及び高劣化正OCP特性PCを用いて、下記式から、現在正OCP特性PBを算出した。
B=PA×0.68+PC×0.32
また、電池2の現在正OCP特性PBを測定した。下記表3に、現在正OCP特性PBの、測定値と計算値を示す。また、同表をグラフにしたものを、図13に示す。
Figure 2019124535
図13から、SOCが20〜90%の範囲で、現在正OCP特性の計算値と実測値とが殆ど等しいことが分かる。これから、上記電圧変化量ΔVを用いて、現在正OCP特性を正確に算出できることが分かる。
次に、本形態の作用効果について説明する。本形態のSOC推定装置3は、電池2の電圧変化量ΔVを測定し、その測定値を用いて、現在正OCP特性を算出する。そして、この現在正OCP特性を用いて現在OCV特性を算出し、これを用いてSOCを推定する。
そのため、電池2のSOCを正確に推定することができる。すなわち、上述したように、電圧変化量ΔVと、電池2の劣化度との間には大きな相関関係がある。そのため、電圧変化量ΔVを用いれば、現在正OCP特性を正確に算出することができる。したがって、この現在正OCP特性を用いて、上記現在OCV特性(図2参照)を正確に算出することができ、電池2のSOCを正確に推定することができる。
また、上記OCP算出部33は、上記式(1)を用いて、現在正OCP特性を算出する。すなわち、OCP算出部33は、劣化前正OCP特性と高劣化正OCP特性との割合を決定し、これらの割合を乗じた劣化前正OCP特性と高劣化正OCP特性とを互いに加えて現在正OCP特性を算出する。
このようにすると、現在正OCP特性を正確に算出することができる。
また、本形態では、上記電圧変化量ΔVを測定する際、待機時間T(図4参照)を1秒以上としている。
放電した後、1秒以上待機すると、負極21Nと電解液23の分極が緩和し、正極21Pのみ分極している状態になる。そのため正極21の劣化度を、電圧変化量ΔVに正確に反映させることができる。
また、本形態のΔV測定部32(図3参照)は、電池2を放電する際に、放電時間TDを0.1秒以上とし、かつ放電レートを1C以上にするよう構成されている。
放電時間TDを0.1秒以上とすれば、充分な時間、電池2を放電させることができる。また、放電レートを1C以上にすると、正極21Pの分極が大きくなりやすい。したがって、正極21Pの劣化度を、電圧変化量ΔVに反映させやすい。
以上のごとく、本形態によれば、電池のSOCをより正確に推定できる電源システムを提供することができる。
以下の実施形態については、図面に用いた符号のうち、実施形態1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施形態1と同様の構成要素等を表す。
(実施形態2)
本形態は、現在正OCP特性の算出方法を変更した例である。図14に示すごとく、本形態では、電池2に、該電池2の温度を測定する温度センサ4を取り付けてある。記憶部31は、現在正OCP特性の温度依存性を記憶している。SOC推定装置3は、温度の測定値を用いて現在正OCP特性を補正し、その補正した現在正OCP特性を用いて現在OCV特性を算出する。そして、電池2のOCVの測定値と、現在OCV特性とを用いて、現在のSOCを推定するよう構成されている。
図15に、SOC推定装置3のフローチャートを示す。このフローチャートは、実施形態1におけるステップS10(図11参照)から続く。ステップS1〜S10は実施形態1と同様なので、説明を省略する。図15に示すごとく、本形態では、ステップS10の後、ステップS101を行う。ここでは、電池2の温度Tを測定する。
その後、ステップS102へ進む。ここでは、温度Tの測定値を用いて、現在正OCP特性を補正する。その後、ステップS11’へ進む。ここでは、補正した現在正OCP特性から負OCP特性を減算し、現在OCV特性を求める。その後、ステップS12’へ移る。ここでは、OCVの測定値と、現在OCV特性とを用いて、電池2のSOCを算出する。
本形態の作用効果について説明する。上記構成にすると、現在正OCP特性に温度依存性があっても、電池2のSOCを正確に推定することができる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施形態3)
本形態は、電圧変化量ΔVを測定するタイミングを変更した例である。本形態では、実施形態2と同様に、電池2に温度センサ4を取り付けてある。また、ΔV測定部32は、電池2の温度が予め定められた温度閾値TTH(℃)以下になっているときに、電圧変化量ΔVを測定するよう構成されている。
図16に、SOC推定装置のフローチャートを示す。同図に示すごとく、本形態では、まずステップS1、S2を行う。ステップS1では、現在のSOCを算出する。また、ステップS2では、電池2が低SOC状態であるか否かを判断する。ここでYesと判断した場合、ステップS21へ進む。ここでは、電池2の温度が温度閾値TTH(℃)以下か否かを判断する。温度閾値TTHは、例えば25℃と設定することができる。ステップS21でYesと判断した場合、ステップS3〜S6を行い、電圧変化量ΔVを測定する。
本形態の作用効果について説明する。本形態では、電池2の温度が温度閾値TTH以下である場合、すなわち電池2が低温である場合に、電圧変化量ΔVを測定する。
電池2が低温である場合は、正極21Pの分極が大きくなりやすい。そのため、正極21の劣化度が、電圧変化量ΔVに正確に反映されやすい。そのため、電池2の現在正OCP特性を正確に算出しやすい。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 電源システム
2 二次電池
3 SOC推定装置
31 記憶部
32 ΔV測定部
33 OCP算出部
34 OCV算出部
35 推定部
A 劣化前正OCP特性
B 現在正OCP特性

Claims (4)

  1. 二次電池(2)と、該二次電池のSOCを推定するSOC推定装置(3)とを備える電源システム(1)であって、
    上記SOC推定装置は、
    劣化前の上記二次電池の、正極(21P)の開回路電位と上記SOCとの関係である劣化前正OCP特性(PA)と、上記二次電池の容量劣化率が予め定められた値より高い高劣化状態における上記正極の開回路電位と上記SOCとの関係である高劣化正OCP特性(PC)と、上記二次電池の、負極(21N)の開回路電位と上記SOCとの関係である負OCP特性(N)と、を記憶する記憶部(31)と、
    使用により劣化した上記二次電池が、予め定められた閾値(SOCTH)よりも上記SOCが低い低SOC状態となっているときに、上記二次電池の放電前の電圧である放電前電圧(V1)を測定すると共に、その測定後、上記二次電池を予め定められた放電時間(TD)放電し、該放電を停止して所定の待機時間(Tw)経過したときの電圧である放電後電圧(V2)を測定して、上記放電前電圧と上記放電後電圧との差である電圧変化量(ΔV)を求めるΔV測定部(32)と、
    上記電圧変化量の測定値と、上記劣化前正OCP特性と、上記高劣化正OCP特性とを用いて、上記正極の上記開回路電位と上記SOCとの現在の関係である現在正OCP特性(PB)を算出するOCP算出部(33)と、
    上記現在正OCP特性と上記負OCP特性とを用いて、上記二次電池の開回路電圧と上記SOCとの現在の関係である現在OCV特性を算出するOCV算出部(34)と、
    上記二次電池の上記開回路電圧を測定し、その測定値と上記現在OCV特性とを用いて、上記二次電池の上記SOCを推定する推定部(35)と、
    を備える電源システム。
  2. 上記OCP算出部は、上記電圧変化量の測定値を用いて、上記劣化前正OCP特性と上記高劣化正OCP特性との割合を決定し、これらの割合をそれぞれ乗じた上記劣化前正OCP特性と上記高劣化正OCP特性とを互いに加えて上記現在正OCP特性を算出するよう構成されている、請求項1に記載の電源システム。
  3. 上記二次電池には、該二次電池の温度を測定する温度センサ(4)が取り付けられ、上記記憶部は、上記現在正OCP特性の温度依存性を記憶しており、上記SOC推定装置は、上記温度の測定値を用いて上記現在正OCP特性を補正し、その補正した該現在正OCP特性を用いて上記現在OCV特性を算出すると共に、上記開回路電圧の測定値と上記現在OCV特性とを用いて上記SOCを推定するよう構成されている、請求項1又は2に記載の電源システム。
  4. 上記ΔV測定部は、上記二次電池の温度が予め定められた温度閾値TTH以下になっているときに、上記電圧変化量を測定するよう構成されている、請求項3に記載の電源システム。
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