JP2019123431A - 電動ブレーキシステム - Google Patents

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【課題】電動ブレーキ装置を備えた電動ブレーキシステムの実用性を向上させる。【解決手段】複数の電動ブレーキのうちの1つにおいて、(i)自身に対応する車輪の制動力が発生させている押圧力に対する制動力の基準値より低下しているような状況下にある場合に、目標押圧力Fdrefを増加させ、(ii)前記状況下にある場合であって複数の電動ブレーキのうちの1つのものにおいて増加させるべき目標押圧力Fdrefが閾値FMAXを超える場合に、その複数の電動ブレーキのうちの1つのものの目標押圧力Fdrefをその閾値FMAXまで増加させるとともに、他の電動ブレーキに対する目標押圧力Fdrefをも増加させる(S13,S14)。【選択図】図3

Description

本発明は、複数の車輪に対応して設けられた複数の電動ブレーキを含んで構成される電動ブレーキシステムに関する。
下記特許文献1には、複数の車輪の各々に対応して設けられ、それぞれが、(a)摩擦部材と、(b)車輪とともに回転する回転体と、(c)動力源としてのモータと、(d)そのモータによって前進・後退させられる被駆動部材とを有し、モータが被駆動部材を前進させることによって摩擦部材を回転体に押し付けることで、制動力を発生させる複数の電動ブレーキを備えた電動ブレーキシステムが記載されている。
特開2011−122649号公報
上記特許文献等に記載の電動ブレーキシステムは、未だ開発途上にあり、改良の余地を多分に残すものとなっている。そのため、種々の改良を施すことによって、電動ブレーキシステムの実用性が向上すると考えられる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高い電動ブレーキシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の電動ブレーキシステムは、複数の車輪に対応して設けられた複数の電動ブレーキの各々において、摩擦部材が回転体を押圧する力である押圧力が目標押圧力となるようにモータを制御することで、発生させる制動力を制御するように構成され、それら複数の電動ブレーキのうちの1つにおいて、(i)自身に対応する車輪の制動力が発生させている押圧力に対する制動力の基準値より低下しているような状況下にある場合に、目標押圧力を増加させ、(ii)前記状況下にある場合であって複数の電動ブレーキのうちの1つのものにおいて増加させるべき目標押圧力が閾値を超える場合に、その複数の電動ブレーキのうちの1つのものの目標押圧力をその閾値まで増加させるとともに、他の電動ブレーキに対する目標押圧力をも増加させるように構成されたことを特徴とする。
摩擦部材が回転体を押圧する力である押圧力が目標押圧力となるようにモータを制御する場合、例えば、環境や走行状況等によってブレーキ温度が上昇して摩擦部材の摩擦係数が大きく低下すると、電動ブレーキが、目標押圧力を発生させたとしても、それに対応する必要な制動力を発生できない虞がある。本発明の電動ブレーキシステムは、そのような場合であっても、摩擦係数が低下している電動ブレーキの目標押圧力を増加させ、また、その電動ブレーキの押圧力を増加させきれないような場合には、他の車輪に対応する電動ブレーキの目標押圧力をも増加させるようになっている。本発明の電動ブレーキシステムによれば、摩擦部材の摩擦係数が低下したような場合であっても、車両を適切に制動させることが可能となる。なお、他の車輪に対応する電動ブレーキの目標押圧力をも増加させる場合には、各電動ブレーキへの制動力配分が変化するため、車両のヨーレートが許容範囲内となるように、各電動ブレーキの目標押圧力を増加させることが望ましい。
本発明の実施例である電動ブレーキシステムの概念図である。 摩擦係数の変化に対して、必要な押圧力を示す図である。 図1のブレーキECUにおいて実行されるブレーキ制御プログラムのフローチャートを示す図である。 図1のモータECUにおいて実行されるモータ制御プログラムのフローチャートを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の一実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<電動ブレーキシステムの構成>
本発明の実施例である電動ブレーキシステムは、車両に設けられた前後左右の4つの車輪に対応して設けられた図1に示す電動ブレーキ装置2(以下、単にブレーキ装置2と称する場合がある)と、それらブレーキ装置2を制御する制御装置としてのブレーキECU4とを含んで構成される。各ブレーキ装置2は、モータ6を有してそのモータ6の駆動により車輪の回転を抑制する電動ブレーキ8と、モータ6を制御するモータECU10とを含んで構成される。各ブレーキ装置2のモータECU10とブレーキECU4とは、CAN12で接続され、互いに通信可能となっている。
電動ブレーキ8は、図1に示すように、ディスクブレーキであり、(a)車輪と一体的に回転する回転体としてのディスクロータ20(以下、単に「ロータ20」と称する場合がある)と、(b)そのディスクロータ20を跨ぐ状態で、車輪の回転軸線と平行な方向(以下、軸線方向と称する)に移動可能に保持されたキャリパ22と、(c)ロータ20の内側と外側とにそれぞれ位置する1対のブレーキパッド24in,24outと、(d)キャリパ22の内側に保持されたモータ6と、(e)そのモータ6の回転を減速して出力する減速機26と、(f)キャリパ22に相対回転不能かつ軸線方向移動可能に保持されたピストン30と、(g)減速機26の出力軸の回転を直線運動に変換してピストン30に出力するねじ機構を備えた運動変換機構32等を含んで構成されている。
電動ブレーキ8は、また、モータ6の回転角を検出する回転角センサ34,ピストン30に作用する軸線方向の力を検出する軸力センサ36等を含んで構成される。つまり、本実施例においては、軸力センサ36によって、ピストン30がブレーキパッド24を押圧する力である押圧力を検出可能となっている。なお、本実施例においては、軸力センサ36を設けることは不可欠ではない。例えば、回転角センサ34によって検出されたモータ6の回転角に基づいてピストン30の移動距離が取得され、そのピストン30の移動距離に基づいて、ピストン30がブレーキパッド24を押圧する力である押圧力を推定するように構成することも可能である。
モータECU10は、コンピュータを主体とするコントローラ40を備え、コントローラ40は、実行部40c,記憶部40m,入出力部40i等を含んで構成される。コントローラ40には、回転角センサ34,軸力センサ36が接続されるとともに、駆動回路42を介してモータ6が接続される。また、その駆動回路42には、モータ6に流れる電流を検出する電流センサ44が設けられており、その電流センサ44も、コントローラ40に接続される。さらに、車輪には、車輪の回転速度Vを検出する車輪速センサ46が設けられており、その車輪速センサ46も、コントローラ40に接続される。
ブレーキECU4は、コンピュータを主体とするコントローラ50を備え、コントローラ50は、実行部50c,記憶部50m,入出力部50i等を含んで構成される。コントローラ50には、ブレーキペダル等のブレーキ操作部材52が操作状態にあるか否かを検出するブレーキスイッチ54,ブレーキ操作部材52の操作ストロークを検出するストロークセンサ56,ブレーキ操作部材52に運転者によって加えられた操作力を検出する操作力センサ58等が接続される。
<電動ブレーキ装置の作動>
以上のように構成された本電動ブレーキシステムにおいては、運転者によりブレーキ操作が行なわれ、ブレーキECU4からブレーキ装置2に対するブレーキ作動指令が出力されると、モータ6に電流が供給される。それにより、モータ6が正方向に回転させられると、ピストン30が前進させられ、ブレーキパッド24inがロータ20に当接させられる。また、ピストン30の前進に伴うキャリパ22の動作によって、ブレーキパッド24outがロータ20に押し付けられる。つまり、ロータ20が、1対のブレーキパッド24in,24outによって挟み込まれることとなる。そして、車輪には、1対のブレーキパッド24in,24outがロータ20に押し付けられる力に応じた制動力が加えられ、車輪の回転が抑制される。
一方、運転者によりブレーキ操作部材52を後退させる操作が行なわれると、制動力を小さくすべく、モータ6に電流が小さくされ(あるいは、逆向きの電流が供給され)、モータ6が逆方向に回転させられると、ピストン30の押圧力が小さくされる。そして、ピストン30の後退が許容され、ブレーキパッド24in,24outのロータ20からの離間が許容されるのである。なお、以下の説明において、ブレーキ操作部材52を後退させる場合の電動ブレーキ装置2の制御は、省略するものとする。
<電動ブレーキ装置の制御>
制動力の制御は、簡単に説明すれば、運転者によるブレーキ操作に基づいて、車両の目標制動力が決定され、その目標制動力に基づいて、4つのブレーキ装置2の各々の、ピストン30がブレーキパッド24を押圧する力の目標である目標押圧力Fdrefが決定される。そして4つのブレーキ装置2の各々において、軸力センサ36の検出結果から取得された押圧力Fが目標押圧力Fdrefに近づくように、モータ6への通電電流が制御されるのである。
ちなみに、モータ6の制御には、制動力が増加し始めるピストン30の位置である0点位置、換言すれば、ブレーキパッド24in,24outがディスクロータ20に接触し始めるピストン30の位置である接触開始位置が用いられる。例えば、ブレーキ操作開始時に、制動力の発生遅れが生じないように、ブレーキスイッチ54がON状態になると、ピストン30を0点位置に移動させる制御である準備制御が行われるようになっている。そして、ピストン30が0点位置まで移動させられた後、電動ブレーキ装置10へのブレーキ作動指令が出力されている場合に、押圧力Fを目標押圧力Fdrefに近づける押圧力制御が行われることとなる。
ブレーキECU4は、ブレーキスイッチ54がON状態である場合に、ストロークセンサ56の検出結果および操作力センサ58の検出結果からブレーキ操作部材52の操作ストロークSおよび操作力Fを取得し、それら操作ストロークSと操作力Fとの少なくとも一方に基づいて各車輪に対応する目標制動力Frefを決定する。次いで、ブレーキECU4は、その目標制動力Frefに基づいて、ピストン30がブレーキパッド24を押圧する力の目標である目標押圧力Fdrefを決定する。ただし、その目標押圧力Fdrefは、目標制動力Frefと等しくされる場合もあるが、例えば、回生協調制御が行われるような場合には、目標制動力Frefが回生制動力Fのみで補えない場合(Fref>F)に、目標制動力Frefから回生制動力Fを差し引いた値とされる。
dref=Fref−F
そして、ブレーキECU4は、目標制動力Frefが回生制動力Fのみで補えない場合に、モータECU10に、ブレーキ装置10に対するブレーキ作動指令を出力するとともに、目標押圧力Fdrefを出力するのである。
各ブレーキ装置2のモータECU10は、ブレーキスイッチ54がON状態とされると、前述した準備制御が実行される。そして、モータECU10は、ブレーキECU4からブレーキ作動指令および目標押圧力drefを受け取ると、その準備制御に続いて、押圧力制御を実行する。モータECU10は、軸力センサ36の検出結果から現時点での押圧力である実押圧力Fを取得し、通常は、目標押圧力に応じたフィードフォワード成分と、目標押圧力drefと実押圧力Fとの押圧力偏差ΔFに応じたフィードバック成分とを足し合わせて、モータ6への目標となる通電電流である目標通電電流Irefを決定するようになっている。
ただし、各ブレーキ装置2の電動ブレーキ6においては、1対のブレーキパッド24in,24outの摩擦特性が、環境や使用状況によって変動する。図2に示すように、ある大きさの目標制動力Frefを発生させるために必要な減速度を各車輪において生じさせるためには、ブレーキ温度の上昇等によって、1対のブレーキパッド24in,24outの摩擦係数が大きく低下すると、大きな押圧力が必要なる。つまり、1対のブレーキパッド24in,24outの摩擦係数が大きく低下すると、上記の目標押圧力Fdrefと同じ大きさの押圧力を発生させたとしても、実際に生じる減速度、つまり、車両の制動力が不十分な状態となる。本実施例のブレーキステムにおいては、ある1つの車輪に対応するブレーキ装置2において制動力不足が発生した場合に、その制動力不足を補うための制御を実行するようになっている。
各ブレーキ装置2のモータECU10は、自身に対応する車輪の車輪速センサ46の検出結果から車輪速Vを取得するとともに、軸力センサ36の検出結果から実押圧力Fを取得し、車輪速Vに基づいて車輪の実際の減速度αを演算するとともに、実押圧力Fに応じた車輪の減速度である必要減速度αを取得する。そして、それら実減速度αと必要減速度αとの差Δα(=α−α)を求め、その減速度差Δαが基準値Δαより大きくなった場合に、自身に対応する車輪の減速度が不足している状況にあると判定する。なお、本実施例においては、実押圧力Fに応じた車輪の減速度αを推定して、実際の減速度αと比較していたが、車輪の実際の減速度αに応じた押圧力を推定して、実押圧力Fと比較するようにしてもよい。
モータECU10は、自身に対応する車輪の減速度が不足している場合に、減速度を増加させるべく、目標押圧力を増加させるのである。詳しく言えば、上述した減速度差Δαが減速度の不足分であり、その不足分Δαを補うべく、モータECU10は、上記の目標押圧力Fdrefに、減速度差Δαに応じた大きさの増圧力F(Δα)を加えるようになっている。なお、モータECU10のコントローラ40の記憶部50mには、減速度差Δαに対する増加押圧力F(Δα)のマップデータが記憶されており、そのマップデータを参照して増加押圧力F(Δα)が求められるようになっている。モータECU10は、目標押圧力Fdrefにその増加押圧力F(Δα)を加えて必要押圧力Fを決定する。
=Fdref+F(Δα)
そして、モータECU10は、その必要押圧力Fを最終目標押圧力Fとし、その最終目標押圧力Fと実押圧力Fとに基づいて先に述べた目標通電電流Irefを決定するようになっている。
ただし、モータ6には、供給可能な電流に上限がある。つまり、発生可能な押圧力には、上限がある。そこで、モータECU10は、必要押圧力Fが、発生可能な押圧力である最大押圧力FMAXを超えていないか否かを判定し、必要押圧力Fが最大押圧力FMAXを超えている場合には、最大押圧力FMAXを最終目標押圧力Fとし、その最終目標押圧力Fと実押圧力Fとに基づいて先に述べた目標通電電流Irefを決定するようになっている。
そして、1つの車輪に対応するブレーキ装置2において目標押圧力を最大押圧力FMAXとした場合には、車両の制動力が不足している状態となっている。そこで、本ブレーキシステムにおいては、必要押圧力Fが最大押圧力FMAXを超えている場合に、必要押圧力Fから最大押圧力FMAXを差し引いた不足押圧力ΔF(=F−FMAX)に応じた制動力を、他の3つの車輪に対応するブレーキ装置2で補うように、つまり、他の3つの車輪に対応する電動ブレーキ8の目標押圧力を増加させるようになっている。
詳しく言えば、モータECU10は、必要押圧力Fが最大押圧力FMAXを超えている場合には、ブレーキECU4に、不足押圧力ΔFを出力する。ブレーキECU4は、4つのモータECU10のうちの1つから不足押圧力ΔFを受け取ると、その不足押圧力に相当する制動力を、他の3つのブレーキ装置2に分配するようになっている。なお、制動力を3つのブレーキ装置2に分配するため、車両のヨーレートが変化することになる。そこで、ブレーキECU4は、車両のヨーレートが許容される範囲内で収まるように、また、各電動ブレーキ8における最大押圧力FMAXをも考慮して、3つのブレーキ装置2の各々への制動力の配分量、つまり、各ブレーキ装置2のモータECU10の目標押圧力の増加分である分担押圧力Fを決定するようになっている。
一方、ブレーキECU4は、不足押圧力ΔFに相当する制動力を分担すると車両のヨーレートが許容される範囲内に収めることができない場合には、報知処理が行われる。具体的には、運転者に警告音を鳴らして知らせるとともに、インストゥルメントパネルに警告ランプを点灯させるようになっている。また、その場合、ブレーキECU4は、許容されるヨーレートの範囲内で最大の制動力が発生できるように、各ブレーキ装置2のモータECU10の目標押圧力の増加分である分担押圧力Fを決定する。
そして、ブレーキECU4は、先に決定された目標押圧力Fdrefに、上述のように決定された分担押圧力Fを加えて、他の3つの車輪に対応する電動ブレーキ8の補正目標押圧力F’drefを決定し、その決定された補正目標押圧力F’drefを、他の3つの車輪に対応するモータECU10に出力するのである。モータECU10は、補正目標押圧力F’drefを受け取ると、その補正目標押圧力F’drefを最終目標押圧力Fとし、最終目標押圧力Fと実押圧力Fとに基づいて先に述べた目標通電電流Irefを決定するようになっている。
ちなみに、不足押圧力に相当する制動力を他の3つのブレーキ装置2に分配する方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を採用することができる。例えば、車両のヨーレートが許容される範囲内で、押圧力が不足している車輪以外への配分比を定めておき、3つのブレーキ装置2への分担押圧力Fを決定する方法とすることができる。なお、その場合において、それら3つのブレーキ装置2のいずれかの補正目標押圧力F’drefが最大押圧力FMAXを越えてしまうような場合には、報知処理を行うとともに、そのブレーキ装置2の補正目標押圧力F’drefを最大押圧力FMAXとして、残りの補正目標押圧力を決定するような構成とすることができる。
また、例えば、1つの車輪の制動力が不足することによって生じる車両のヨーレートを打ち消すように、その車輪と左右方向において同じ側に位置するもう一つ車輪に対応するブレーキ装置2への分担押圧力Fを決定し、そのブレーキ装置2への分担押圧力Fに基づいて残りの2輪に対応するブレーキ装置2への分担押圧力Fを決定するような方法とすることもできる。
<制御プログラム>
上述した制動力の制御は、ブレーキECU4が、図3にフローチャートを示すブレーキ制御プログラムを実行することによって行われる。そのブレーキ制御プログラムでは、まず、ステップ1(以下、「S1」と略称する。他のステップについても同様とする。)において、ブレーキ操作部材52が操作されたか否かが、ブレーキスイッチ54の検出結果に基づいて判定される。ブレーキスイッチ54がON状態である場合には、S2,3において、ストロークセンサ56および操作力センサ58によって検出されたブレーキ操作部材52の操作ストロークSおよび操作力Fが取得される。そして、S4において、それら操作ストロークSと操作力Fとの少なくとも一方に基づいて目標制動力Frefが決定され、S5において、その目標制動力に基づいて目標押圧力Fdrefが決定される。
次に、S6において、4つのモータECU10のいずれかから不足押圧力ΔFを受け取ったか否かが判定される。不足押圧力ΔFを受け取っていない場合には、S7において、目標押圧力Fdrefが0より大きいか否かが判定される。そして、目標押圧力Fdrefが0より大きい場合には、S8において、ブレーキ作動指令が出力されるとともに、S9において、目標押圧力Fdrefが出力される。一方、目標押圧力Fdrefが0以下である場合には、S10において、ブレーキ終了指令が出力される。
一方、不足押圧力ΔFを受け取っている場合には、S11以下において、不足押圧力ΔFを出力した電動ブレーキ8以外の3つの電動ブレーキ8に、その不足押圧力ΔFに応じた制動力を分配させる。その際には、S13において、各電動ブレーキ8が最大押圧力FMAX以内で、かつ、許容されるヨーレートの範囲内に収まるように、3つの電動ブレーキ8の分担押圧力Fが決定される。ただし、許容されるヨーレートの範囲内で、不足押圧力ΔFに応じた制動力を3つの電動ブレーキ8に分配させることができない場合には、S12において報知処理が行われ、S13において、許容されるヨーレートの範囲内で最大の制動力を発揮できるように、3つの電動ブレーキ8の分担押圧力Fが決定される。
そして、3つの電動ブレーキ8の分担押圧力Fが決定されると、S14において、S5において決定された目標押圧力Fdrefに分担押圧力Fを加えて、補正目標押圧力F’drefが決定される。次いで、S8において、ブレーキ作動指令が出力されるとともに、S9において、不足押圧力ΔFを出力したモータECU10には目標押圧力Fdrefが出力され、他の3つのモータECU10には補正目標押圧力F’drefが出力される。
モータECU10は、ブレーキスイッチがON状態である場合に、ピストン30を0点位置に移動させる制御である準備制御を実行し、ブレーキECU4からブレーキ作動指令を受け取ると、図4にフローチャートを示すモータ制御プログラムを実行することによって、押圧力制御を行う。
モータ制御プログラムでは、まず、S21において、軸力センサ36の検出結果から実押圧力Fが取得される。次いで、S22において、目標押圧力Fdrefを取得したか、補正目標押圧力F’drefを取得したかが判定される。目標押圧力Fdrefを取得した場合には、S23以下において、車輪速センサ46の検出結果に基づいて車輪の減速度αが取得される。次いで、S24において、実押圧力Fに応じた必要減速度αがマップデータを参照して取得される。続く、S25において、それら実減速度αと必要減速度αとの差Δαが演算され、S26において、その減速度差Δαが基準値Δαより大きいか否かが判定される。
減速度差Δαが基準値Δα以下である場合には、S27において、目標押圧力Fdrefが最終目標押圧力Fとされる。一方、減速度差Δαが基準値Δαより大きい場合には、自身に対応する車輪の減速度が不足している状況にあるため、S28において、Δαに応じた増加押圧力F(Δα)がマップデータを参照して取得され、その増加押圧力F(Δα)を目標押圧力Fdrefに足し合わせて、必要押圧力Fが演算される。続く、S29において、その必要押圧力Fが最大押圧力FMAXより大きいか否かが判定される。必要押圧力Fが最大押圧力FMAX以下である場合には、S30において、必要押圧力Fが最終目標押圧力Fとされる。一方、必要押圧力Fが最大押圧力FMAXより大きい場合には、S31において、不足押圧力ΔFが演算され、その不足押圧力ΔFがブレーキECU4に出力される。続くS32において、最大押圧力FMAXが最終目標押圧力Fとされる。
なお、S22において、補正目標押圧力F’drefを取得していると判定された場合には、S33において、その補正目標押圧力F’drefが最終目標押圧力Fとされる。そして、最終目標押圧力Fが決定されると、S34において、その最終目標押圧力Fと実押圧力Fとの偏差ΔFが演算される。次に、S35において、押圧力偏差ΔFに応じたモータ6への通電電流のフィードバック成分と、目標押圧力Fに応じたモータ6への通電電流フィードフォワード成分とが演算され、それらを足し合わせて目標通電電流Irefが決定される。そして、S36において、駆動回路42への指示が出力され、1回のモータ制御プログラムの実行が終了する。
<電動ブレーキシステムの特徴>
本電動ブレーキシステムは、目標となる押圧力を発生させているにも拘らず、その押圧力に応じた制動力(減速度)が車輪に発生していない場合であっても、その車輪に対応する電動ブレーキの目標押圧力を増加させ、また、その車輪に対応する電動ブレーキの押圧力を増加させきれないような場合には、他の3つの車輪に対応する電動ブレーキの目標押圧力をも増加させるように構成されており、車両を適切に制動させることが可能となる。また、他の3つの車輪に対応する電動ブレーキの目標押圧力をも増加させる際に、本電動ブレーキシステムは、各電動ブレーキ8の押圧力が発生可能な最大押圧力以内で、かつ、車両のヨーレートが許容される範囲内に収まるようにされる。そのため、車両の安定性を保ちつつ、車両を制動させることができる。なお、本電動ブレーキシステムは、運転者によるブレーキ操作に応じた制動だけでなく、自動運転等による制動にも採用することが可能である。
2:電動ブレーキ装置 4:ブレーキECU〔制御装置〕 6:モータ 8:電動ブレーキ 10:モータECU 20:ディスクロータ〔回転体〕 22:キャリパ 24in,24out:1対のブレーキパッド〔摩擦部材〕 26:減速機 30:ピストン〔被駆動部材〕 32:運動変換機構 34:回転角センサ 36:軸力センサ 42:駆動回路 44:電流センサ 46:車輪速センサ 52:ブレーキ操作部材 54:ブレーキスイッチ 56:ストロークセンサ 58:操作力センサ
dref:目標押圧力 F:実押圧力 α:実減速度 α:必要減速度 F(Δα):増加押圧力 F:必要押圧力 FMAX:最大押圧力 ΔF:不足押圧力 F:分担押圧力 F’dref:補正目標押圧力 F:最終目標押圧力

Claims (1)

  1. 複数の車輪に対応して設けられ、それぞれが、 (a)摩擦部材と(b)車輪とともに回転する回転体と(c)動力源としてのモータと(d)そのモータによって駆動させられる被駆動部材とを有し、前記被駆動部材の前進によって前記摩擦部材を前記回転体に押し付けることで、制動力を発生させる複数の電動ブレーキと、
    前記複数の電動ブレーキの各々において、前記摩擦部材が前記回転体を押圧する力である押圧力が目標押圧力となるように前記モータを制御することで、発生させる制動力を制御する制御装置と
    を備え、
    前記制御装置が、
    前記複数の電動ブレーキのうちの1つものにおいて、自身に対応する車輪の制動力が発生させている押圧力に対する制動力の基準値より低下しているような状況下にある場合に、目標押圧力を増加させ、
    前記状況下にある場合であって前記複数の電動ブレーキのうちの1つのものにおいて増加させるべき目標押圧力が閾値を超える場合に、その複数の電動ブレーキのうちの1つのものの目標押圧力をその閾値まで増加させるとともに、他の電動ブレーキに対する目標押圧力をも増加させるように構成された電動ブレーキシステム。
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