まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する演出ユニット300が設けられている。また、演出ユニット300と遊技盤2の背面との間には後述する導光板装置500が設けられており、遊技盤2における開口2cから後述する第1導光板511、第2導光板521を透して演出ユニット300の可動体301及び演出表示装置5の表示画面を視認できるようになっている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522、演出用モータ302といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522、の発光及び演出ユニット300の演出用モータ302の駆動制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
また、本実施例では、上記予告を含む各種演出として、演出ユニット300の可動体301による可動体演出や、導光板装置500を用いた発光演出(演出表示)や、演出ユニット300、導光板装置500、スピーカ8L,8R、及び演出用LED9による複合演出を実行可能とされている。尚、これら各種演出は、例えば、変動表示中における所定タイミングや、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したタイミングで実行される。
演出ユニット300は、演出用モータ302及び図示しない駆動機構と、遊技盤2の背面に取付けられる図示しないベース部に対し移動可能に設けられた可動体301とを有し、可動体301は、演出表示装置5の上部に配置される待機位置と、演出表示装置5の表示画面の前側略中央位置に重畳する演出位置と、の間で上下方向に移動可能とされている。
次に、導光板装置500について、図3〜図23に基づいて説明する。図3は、(A)は導光板装置を斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は導光板装置を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図4は、導光板装置の構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図5は、導光板装置の構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図6は、前保持部材を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図7は、前保持部材に第1集光レンズ及び第1導光板を取付ける状態を示す要部拡大斜視図である。図8は、(A)は前保持部材の左側辺部の上部を示す背面図、(B)は凹凸部と第1導光板との間に生じる隙間を示す断面図である。図9は、中保持部材の前面に対する第2導光板LED基板及び第2集光レンズの取付状態を示す斜視図である。図10は、中保持部材の背面に対する第1導光板LED基板及び第1集光レンズの取付状態を示す斜視図である。図11は、後保持部材を斜め前から見た状態を示す斜視図である。図12は、(A)は凸条と第1集光レンズとの位置関係を示す概略図、(B)は(A)のJ−J断面図である。図13は、(A)は凸条と第1集光レンズとの位置関係を示す概略図、(B)は(A)のK−K断面図である。図14は、第1集光レンズ及び第2集光レンズを示す六面図である。図15は、(A)は第2導光板、(B)は第1導光板を示す正面図である。図16は、導光板装置における各位置決め用ボスと各挿入部との配置位置を示す正面図である。図17は、図16のA−A断面図である。図18は、(A)は図16のB−B断面図、(B)はC−C断面図である。図19は、(A)は図16のD−D断面図、(B)はE−E断面図である。図20は、(A)は図16のF−F断面図、(B)はG−G断面図である。図21は、(A)は図16のH−H断面図、(B)はI−I断面図である。図22は、(A)は第2導光板の通常時、(B)は第2導光板の熱膨張時の態様を示す正面図である。図23は、(A)は第1導光板の通常時、(B)は第1導光板の熱膨張時の態様を示す正面図である。尚、以下の説明において、各種複数の取付ネジのうち一部の図示は省略する。
図3〜図5に示すように、導光板装置500は、第1導光板ユニット501と、該第1導光板ユニット501の前方に配置される第2導光板ユニット502と、第1導光板ユニット501と第2導光板ユニット502とを前後から挟むように保持する前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505と、から主に構成される。詳しくは、中保持部材504と後保持部材505とは、第1導光板ユニット501を前後から挟むように後取付位置に保持し、前保持部材503と中保持部材504とは、第2導光板ユニット502を前後から挟むように後保持位置よりも前側の前取付位置に保持する。後保持部材505は、複数のネジN1により中保持部材504の背面に取付けられるとともに、複数のネジN2により前保持部材503の背面に取付けられ、中保持部材504は、複数のネジN3により前保持部材503の背面に取付けられる。
よって、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505は、中保持部材504と後保持部材505との間に第1導光板ユニット501を保持し、かつ、前保持部材503と中保持部材504との間に第2導光板ユニット502を保持した状態で一体化されることで導光板装置500が構成され、該導光板装置500は、前保持部材503を図示しないネジにより遊技盤2のスペーサ部材の背面に取付けることで、遊技盤2の背面側に取付けられる。
第1導光板ユニット501は、第1導光板511と、第1導光板511の上方に配置される第1導光板LED基板513の背面に左右方向に向けて所定間隔おきに複数配設され赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなる第1導光板LED512と、第1導光板LED512から入射された光を第1導光板511の上端面511Aに向けて集光する第1集光レンズ514と、第1導光板511の左側方に配置される第1導光板LED基板518Lの背面に上下方向に向けて所定間隔おきに複数配設され赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなる第1導光板LED517と、第1導光板LED517から入射された光を第1導光板511の左端面511Bに向けて集光する第1集光レンズ519と、第1導光板LED基板518Lの前面に上下方向に向けて複数配設された第1導光板LED507Lと、第1導光板511の右側方に配置される第1導光板LED基板518Rの前面に上下方向に向けて複数配設された第1導光板LED507Rと、を有する。尚、第1導光板LED507L,507Rは、赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなり前方に向けて光を照射可能に設けられており、照射された光が前保持部材503を透して前方に出射されることにより、前保持部材503の左右側辺部の前面が発光するようになっている。
第2導光板ユニット502は、第1導光板511の前方に離れて配置される第2導光板521と、第2導光板521の上方に配置される第2導光板LED基板523の前面に左右方向に向けて所定間隔おきに複数配設され赤(R)・緑(G)・青(B)の発光素子を有し、7色にて発光可能なフルカラーLEDからなる第2導光板LED522と、第2導光板LED522から入射された光を第2導光板521の上端面521Aに向けて集光する第2集光レンズ524と、を有する。
第1導光板LED基板513は、複数のネジN4により中保持部材504の背面に取付けられ、第1導光板LED基板518L,518Rは、複数のネジN5により前保持部材503の背面の左右側辺部に取付けられ、第2導光板LED基板523は、複数のネジN6により中保持部材504の前面に取付けられる。
図6〜図8に示すように、前保持部材503は、透光性を有する(透明な)アクリル樹脂により、板状の上辺部503H及び左右の側辺部503L,503Rにより下向き略コ字形に形成されている。上辺部503Hの背面左右側には、第1導光板511を前保持部材503に対する後取付位置に保持する際の位置決め用の第1位置決め用ボス551と第2位置決め用ボス552とがそれぞれ突設されている。また、上辺部503Hの背面には、後述する第2集光レンズ524の前面側に突設される複数の集光レンズ位置決め用ボス593Fが嵌合する位置決め孔530が複数個所に形成されているとともに、第2集光レンズ524の左右端部を保持するレンズ用フック531が左右に形成されている。
左右の側辺部503L,503R各々の背面下位置には、第1導光板511を前保持部材503に対する後取付位置に保持する際の位置決め用の第3位置決め用ボス543A,543Bが突設されているとともに、左下の第3位置決め用ボス543Aの左斜め下方位置には、第2位置決め用ボス542が突設されている。
また、左右の側辺部503L,503R各々の背面には、後保持部材505を取付けるためのネジN1が螺入される複数の保持枠用ボス545が突設されているとともに、第1導光板LED基板518L,518Rを取付けるためのネジN5が螺入される複数のネジ孔546が形成されている。第1導光板LED基板518L,518Rが取付けられた状態において、複数の第1導光板LED517は、右側方、つまり右側に向けて光を照射可能に上下方向に向けて列設される。
また、左右の側辺部503L,503R各々の背面には、第1導光板LED507L,507Rからの光を拡散するための複数の凸部からなる光拡散部532が形成されている。尚、側辺部503L,503Rの前面には、図示しないレンズ部材と該レンズ部材を被覆する発光パネル547L,547R(図4参照)が取付けられている。
また、左右の側辺部503L,503R各々の内側辺には、内壁部548L,548Rが背面側に向けて突出するように立設されている。これら内壁部548L,548Rの後端縁部には、所定間隔ごとに凹部549Bが形成されており、これにより内壁部548L,548Rの後端縁部は、凹部549Bと凸部549Aとからなる凹凸部549L,549Rとして形成されている。凹凸部549L,549Rは、後述するように第1導光板511が中保持部材504と後保持部材505とにより後取付位置に保持された状態において、第1導光板511の前面における左右側部に対向するように設けられている。
次に、図9及び図10に示すように、中保持部材504は、透光性を有する(透明な)アクリル樹脂により左右方向に延びる板状に形成されている。中保持部材504の左右側の下端部には、所定の前後幅を有する板片により、第1導光板511と第2導光板521との間に所定の隙間を設けるための枠状部560L,560Rが形成されている。
また、中保持部材504には、中保持部材504の前面よりも前方に突出する凸条562Fが下辺部に沿って延設されている。この凸条562Fの前端部は、枠状部560L,560Rの前端部と面一をなして連結されており、後述するように第2導光板521が中保持部材504と前保持部材503との間に保持された状態において、第2導光板521の背面における上縁部に対向するように設けられている。
図9に示すように、中保持部材504の前面には、第2導光板LED基板523を取付けるためのネジN6が螺入されるネジ孔561が形成されている。中保持部材504の前面に第2導光板LED基板523が取付けられた状態において、複数の第2導光板LED522が、下方に向けて光を照射可能に左右方向に向けて直線状に列設される。
図10に示すように、中保持部材504の背面には、第1導光板LED基板513を取付けるためのネジN4が螺入されるネジ孔563が形成されている。中保持部材504の背面に第1導光板LED基板513が取付けられた状態において、複数の第1導光板LED512が、下方に向けて光を照射可能に左右方向に向けて直線状に列設される。また、背面左右側には、第1集光レンズ514の左右端部を保持するレンズ用フック564が左右に形成されている。
中保持部材504には、中保持部材504の背面よりも後方に突出する凸条562Bが下辺部に沿って延設されている。この凸条562Bの後端部は、枠状部560L,560Rの後端部と面一をなして連結されており、後述するように第1導光板511が中保持部材504と後保持部材505との間に保持された状態において、第1導光板511の背面における上縁部に対向するように設けられている。
また、中保持部材504の背面左右側には、第1導光板511を中保持部材504に対する後取付位置に保持する際の位置決め用の第1位置決め用ボス571と第2位置決め用ボス572とがそれぞれ突設されている。また、第1位置決め用ボス571の左側には第3位置決め用ボス573Aが突設され、第2位置決め用ボス572の右側には第3位置決め用ボス573Bが突設されている。このように構成される中保持部材504は、第1導光板511と第2導光板521との間に所定の隙間を設けるためのスペーサ部材として機能する。
図11に示すように、後保持部材505は、非透光性を有する(不透明な)合成樹脂により、板状の上辺部505H及び左右の側辺部505L,505Rにより下向き略コ字形に形成されている。上辺部505Hの前面には、後述する第1集光レンズ514の背面側に突設される複数の集光レンズ位置決め用ボス593Bが嵌合する位置決め孔580が複数個所に形成されている。
図12に示すように、上辺部505Hの前面における各位置決め孔580の間には、前方に向けて突出する凸条581が左右方向に延設されており、第1集光レンズ514が第1導光板LED基板513の背面に配置された状態において該第1集光レンズ514の背面における左右方向にわたり当接するようになっている。
図13に示すように、左側の側辺部505Lの前面には、前方に向けて突出する凸条582が上下方向に延設されており、第1集光レンズ519が第1導光板LED基板518Lの背面に配置された状態において該第1集光レンズ519の背面における左右方向にわたり当接するようになっている。
図14に示すように、第1集光レンズ514,519及び第2集光レンズ524は、アクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂等の透光性を有する(透明な)合成樹脂材により長板状に形成されている。具体的には、第1集光レンズ514、第2集光レンズ524の下辺部及び第1集光レンズ519の右辺部には、正面視で第1導光板511、第2導光板521側に膨出する略半円形状の複数の凸部590が長手方向に複数連続して並設されている。各凸部590は、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522の各々に対応して1つずつ形成され、各第1導光板511の上端面511A及び左端面511B、第2導光板521の521A各々に対向する対向端面は、正面視において導光板側に向けて突出するように湾曲して形成され光を出射する出射面590A(レンズ面)を構成している。
第1集光レンズ514、第2集光レンズ524の上辺部及び第1集光レンズ519の左辺部には、正面視で第1導光板LED512,517、第2導光板LED522側に膨出する複数の凸部591が長手方向に複数連続して並設されている。各凸部591は、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522の各々に対応して1つずつ形成され、各第1導光板LED512,517、第2導光板LED522に対向する対向端面は、正面視において角LED側に向けて突出するように湾曲して形成され光を入射する入射面591A(レンズ面)を構成している。尚、各凸部591の入射面591Aは、凸部590の出射面590Aに比べて曲率が極めて小さく僅かに膨出する程度に形成されている。
尚、複数の凸部590,591は、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522の各々に一対一に対応するものに限らず、例えば2以上のLED(発光体)に対応する凸部590,591が複数設けられていてもよい。また、第1集光レンズ514,519及び第2集光レンズ524は複数の凸部590,591が一体に設けられた単一の部材にて構成されていたが、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522の各々に対応して互いに別個に形成された複数の集光レンズ部材にて構成されていてもよい。
第1集光レンズ514、第2集光レンズ524の左右端部及び第1集光レンズ519の上下端部には、押え片592A,592Bが形成されている。第1集光レンズ514の押え片592A,592Bは、中保持部材504の背面に形成された左右のレンズ用フック564に係止され(図10参照)、第2集光レンズ524の押え片592A,592Bは、前保持部材503の前面に形成された左右のレンズ用フック531(図6参照)に係止され、第1集光レンズ519の押え片592A,592Bは、いずれのレンズ用フックにも係止されない(図7参照)。
第1集光レンズ514、第2集光レンズ524及び第1集光レンズ519の前面には、複数の集光レンズ位置決め用ボス593Fがそれぞれ前方に向けて突出するように形成され、第1集光レンズ514及び第2集光レンズ524の背面には、複数の集光レンズ位置決め用ボス593Bがそれぞれ後方に向けて突出するように形成されている。尚、第1集光レンズ519の背面には集光レンズ位置決め用ボス593Bは形成されていない。
第1集光レンズ514は、前側の集光レンズ位置決め用ボス593Fは第1導光板LED基板513に形成された位置決め孔594に挿入され(図10参照)、後側の集光レンズ位置決め用ボス593Bは後保持部材505に形成された位置決め孔580(図11参照)に挿入される。また、第1集光レンズ519は、前側の集光レンズ位置決め用ボス593Fは第1導光板LED基板518Lに形成された位置決め孔595Aに挿入される(図7参照)。
第2集光レンズ524は、前側の集光レンズ位置決め用ボス593Fは前保持部材503に形成された位置決め孔530に挿入され(図6参照)、後側の集光レンズ位置決め用ボス593Bは後保持部材505に形成された位置決め孔595(図9参照)に挿入される。
これら各集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bは、各第1集光レンズ514、第2集光レンズ524及び第1集光レンズ519に形成された複数のうち一の凸部590,591に対応する位置であって、各レンズにおいて最も幅寸法(上下幅寸法や左右幅寸法)が長い位置、つまり、幅寸法が短い位置に比べて強度が高い位置に突設されているため、位置決め精度が向上する。また、各第1集光レンズ514、第2集光レンズ524及び第1集光レンズ519における前後面、つまり、光の出射面590Aや入射面591A以外の位置、詳しくは、光の出射面590Aや入射面591Aに対し直交する面の表面に突出するように設けられているため、光の入射や出射に影響を及ぼすことがない。また、前後の集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bは、前後のうち一方に対応する位置に他方が設けられている。
図15(A)に示すように、第2導光板521は、所定の板厚寸法L15{板厚(例えば、2.5mm)}を有する透明なアクリル樹脂板により形成されている。上端面521Aは、左右方向に延設される平坦面からなる。左右の斜辺部及び側辺部は、前保持部材503及び中保持部材504に沿うように形成され、下辺部は、可動体301が待機位置にあるときに該可動体301の下辺部に沿うように非直線状に形成されている。
第2導光板521の背面には、第2導光板LED522からの光を反射して前面から出射させるための反射部596が形成されている(図24(B)参照)。反射部596は、「激熱!」の文字を発光表示可能な態様に配置されている。
図15(B)に示すように、第1導光板511は、所定の板厚寸法L15{板厚(例えば、2.5mm)}を有する透明なアクリル樹脂板により形成されている。上端面511Aは左右方向に延設される平坦面からなり、左端面511Bは上下方向に延設される平坦面からなり、右側辺部及び下辺部は前保持部材503及び後保持部材505に沿うように形成されており、演出表示装置5の表示画面及び演出ユニット300の可動体301の前方を被覆可能な形状とされている。
第1導光板511の背面には、第1導光板LED512からの光を反射して前面から出射させるための反射部597Aと、第1導光板LED517からの光を反射して前面から出射させるための反射部597Bと、がそれぞれ形成されている(図24(B)参照)。反射部597Aは、「激熱!」の文字を発光表示可能な態様に配置され、反射部597Bは、可動体301が演出位置に移動したときに該可動体301の周囲を装飾するエフェクトを発光表示可能な態様に配置されている。尚、反射部597Aは、第2導光板LED522の反射部596と同様の文字を発光表示可能に構成され、第1導光板511と第2導光板521とを前後に重畳するように前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505により保持して所定の取付位置に保持した状態において、反射部596の背面側に重畳するように第1導光板511に配置されている。
これら反射部596,597A,597Bは、図24(B)に示すように、第1導光板511や第2導光板521の内部を導光される光の進行方向の断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されている。具体的には、スタンパーやインジェクションにより第1導光板511や第2導光板521の背面に凹凸部をつける成型方式にて構成されているが、例えばアクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により反射部を構成してもよい。
尚、本実施例では、反射部596,597A,597Bを光の進行方向の断面視が略三角波形状の凹凸部としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら反射部596,597A,597Bの断面形状を略半円形状等、光を前方に向けて反射可能な反射面を構成するものであれば種々に変形可能である。尚、図15において、反射部597Aは点線で囲まれた文字として表されているが、実際には点線はなく、上記ドット等の集まりにより文字が形成されている。
また、第1導光板LED512からの光のみが反射部597Aにて前方に反射して「激熱!」の文字が発光表示され、第1導光板LED517からの光のみが反射部597Bにて前方に反射してエフェクトが発光表示する導光構造の詳細についての説明は省略する。尚、本実施例では、第1導光板LED512からの光のみが反射部597Aで反射し、第1導光板LED517からの光のみが反射部597Bで反射する構成であったが、第1導光板LED512からの光または第1導光板LED517からの光が反射部597A,597B双方で反射して発光表示するようにしてもよい。
また、本実施例では、第1導光板511や第2導光板521により表示可能とする表示情報として文字や絵柄が例示されているが、これら以外にも、記号、図柄、あるいは模様等の装飾も含む他の表示情報を表示可能としてもよい。また、第1導光板511や第2導光板521は、透光性を有していれば必ずしも透明でなくてもよく、例えば着色されていてもよいし、半透明とされていてもよい。
これら第1導光板511及び第2導光板521は、アクリル樹脂材により板厚寸法L15が約2.5mmの透明板からなり、遊技盤2を構成する透明な合成樹脂材からなる盤面板の板厚寸法(例えば、約10mm)に比べて肉薄であるため、後述するように、パチンコ遊技機1に組付けられた状態において、パチンコ遊技機1の内部の温度変化により伸び縮みが発生することがある。
パチンコ遊技機1は、遊技盤2の前面側はガラス扉枠50により閉鎖され、背面側はカバー体(図示略)により閉鎖されており、これらガラス扉枠50とカバー体とにより閉鎖された内部空間には、液晶表示器等からなる演出表示装置5や、制御基板、LED、駆動源(モータやソレノイド)といった多数の熱源が設けられている。よって、パチンコ遊技機1の稼働時の内部温度は非稼働時に比べて高くなるため、演出表示装置5とガラス窓50aとの間に設けられる第1導光板511及び第2導光板521は、例えば、約40度の温度変化により最大で約1.6mmの伸び縮みが生じる。
具体的には、例えば第1導光板511の場合、反り公差(平面度交差)は約3〜6mm程度とされているため、例えば、導光板装置500を遊技盤2の背面に取付けた状態において、前側の第2導光板521との離間寸法及び後側の演出表示装置5や他の部材との離間寸法は、6mmを超えた寸法とすることが好ましい。
一方、導光板装置500は、第1導光板511及び第2導光板521は、それぞれの周縁の一部が前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505により前後から挟持された状態で遊技盤2の背面側に取付けられる構造であるため、製造上の寸法公差や組付誤差によるアセンブリの歪みなどで前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505に接触して傷ついたり破損する虞があるばかりか、上記したような温度変化による伸び縮みにより前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505に接触して傷ついたり破損する虞がある。
よって、本実施例の導光板装置500は、以下に説明するように、パチンコ遊技機1の内部の温度変化や、製造上の寸法公差や組付誤差に対応できるように、第1導光板511及び第2導光板521は、各前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505に対し所定の隙間(クリアランス)をもって取付けられている。
図15(A)及び図16、図17に示すように、第2導光板521の上端面521Aの右側下方位置には、前保持部材503の背面左側に突設された第1位置決め用ボス551が挿入可能な第1挿入部としての正面視円形状の第1孔部601が形成されている。また、第2導光板521の上端面521Aの左側下方位置には、前保持部材503の背面右側に突設された第2位置決め用ボス552が挿入可能な第2挿入部としての正面視横長形状の第2孔部602が形成されている。
第1孔部601と第2孔部602とは、これら第1孔部601と第2孔部602の中心を通る直線LN2が、上端面521A(第2導光板521の上辺)に沿う直線LN1に対し平行をなすように、上端面521Aの近傍位置に形成されている。詳しくは、直線LN1と直線LN2との離間寸法L20は、第2導光板521の板厚寸法L15の2倍の長さ(2.5mm×2=5mm)より長寸とされている(L20>L15×2)。つまり、第1孔部601と第2孔部602とは、上端面521A(第2導光板521の上辺)から第2導光板521の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されている。
また、第1孔部601と第2孔部602とは、上端面521A(第2導光板521の上辺)に対してだけでなく、第2導光板521の周縁から第2導光板521の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されていることで、第2導光板521の周縁近傍の強度が孔部により著しく低下しないように適切に維持されている。
図17に示すように、第1孔部601の直径L1は、第1位置決め用ボス551の直径L2よりも若干長寸とされているが(L1>L2)、第1孔部601に第1位置決め用ボス551が挿入された状態において、第1孔部601と第1位置決め用ボス551との間に左右上下方向の隙間S1(L1−L2)がほぼ生じない。つまり、第1位置決め用ボス551は第1孔部601に嵌合される。
第2孔部602の左右寸法L3Aは、第2位置決め用ボス552の直径L4よりも長寸とされ(L3A>L4)、第2孔部602の上下寸法L3Bは、第2位置決め用ボス552の直径L4よりも若干長寸とされている(L3B>L4)。よって、第2孔部602に第2位置決め用ボス552が挿入された状態において、第2孔部602と第2位置決め用ボス552との間に左右方向の隙間S2(L3A−L4)が生じるが、上下方向の隙間S3(L3B−L4)がほぼ生じない。
左右方向の隙間S2は、隙間S1よりも大きい(S2(L3A−L4)>S1(L1−L2))。また、隙間S1と隙間S3とはほぼ同寸とされている(S1(L1−L2)=S3(L3B−L4))。つまり、第2孔部602は、第2位置決め用ボス552に対する第2導光板521の左右方向への移動を許容し、上下方向への移動を許容しない。
図15(B)及び図16、図18に示すように、第1導光板511の上端面511Aの左側の斜辺の下方位置には、中保持部材504の背面左側に突設された第1位置決め用ボス571が挿入可能な第1挿入部としての正面視円形状の第1孔部611が形成されている。また、第1導光板511の上端面511Aの右側の斜辺の下方位置には、中保持部材504の背面右側に突設された第2位置決め用ボス572が挿入可能な第2挿入部としての第2孔部612が形成されている。第2孔部612は左右方向に向けて延設される長孔にて構成されている。
第1孔部611と第2孔部612とは、これら第1孔部611と第2孔部612の中心を通る直線LN4が、上端面511A(第1導光板511の上辺)に沿う直線LN3に対し平行をなすように、上端面511Aの近傍位置に形成されている。詳しくは、直線LN3と直線LN4との離間寸法L21は、第2導光板521の板厚寸法L15の2倍の長さ(2.5mm×2=5mm)より長寸とされている(L21>L15×2)。つまり、第1孔部611と第2孔部612とは、上端面511A(第1導光板511の上辺)から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されている。
また、第1孔部611と第2孔部612とは、上端面511A(第1導光板511の上辺)に対してだけでなく、第1導光板511の周縁から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されていることで、第1導光板511の周縁近傍の強度が孔部により著しく低下しないように適切に維持されている。
また、第1導光板511の左下角部には、前保持部材503の背面右側に突設された第2位置決め用ボス542が挿入可能な第2挿入部としての第2孔部622が形成されている。第2孔部622は上下方向に向けて延設される長孔にて構成されており、左端面511B(左側辺)の下方位置に配置されている。
図18(A)に示すように、第1孔部611の直径L5は、第1位置決め用ボス571の直径L6よりも若干長寸とされているが(L5>L6)、第1孔部611に第1位置決め用ボス571が挿入された状態において、第1孔部611と第1位置決め用ボス571との間に左右上下方向の隙間S11(L5−L6)がほぼ生じない。つまり、第1位置決め用ボス571は第1孔部611に嵌合される。
第2孔部612の左右寸法L7Aは、第2位置決め用ボス572の直径L8よりも長寸とされ(L7A>L8)、第2孔部612の上下寸法L7Bは、第2位置決め用ボス572の直径L8よりも若干長寸とされている(L7B>L8)。よって、第2孔部612に第2位置決め用ボス572が挿入された状態において、第2孔部612と第2位置決め用ボス572との間に左右方向の隙間S12(L7A−L8)が生じるが、上下方向の隙間S13(L7B−L8)がほぼ生じない。
左右方向の隙間S12は、隙間S11よりも大きい(S12(L7A−L8)>S11(L5−L6))。また、隙間S11と隙間S13とはほぼ同寸とされている(S11(L5−L6)=S13(L7B−L8))。つまり、第2孔部612は、第2位置決め用ボス572に対する第1導光板511の左右方向への移動を許容し、上下方向への移動を許容しない。
また、図18(B)に示すように、第2孔部622の上下寸法L7Cは、第2位置決め用ボス542の直径L8よりも長寸とされ(L7C>L8)、第2孔部622の左右寸法L7Dは、第2位置決め用ボス542の直径L8よりも若干長寸とされている(L7D>L8)。よって、第2孔部622に第2位置決め用ボス542が挿入された状態において、第2孔部622と第2位置決め用ボス542との間に上下方向の隙間S14(L7C−L8)が生じるが、左右方向の隙間S15(L7D−L8)がほぼ生じない。
上下方向の隙間S14は、隙間S11よりも大きい(S14(L7C−L8)>S11(L5−L6))。また、隙間S11と隙間S15とはほぼ同寸とされている(S11(L5−L6)=S15(L7D−L8))。つまり、第2孔部612は、第2位置決め用ボス572に対する第1導光板511の左右方向への移動を許容し、上下方向への移動を許容しない。
尚、第1位置決め用ボス551の直径L2と第2位置決め用ボス552の直径L4とはほぼ同寸とされ(L2=L4)、第1位置決め用ボス571の直径L6と第2位置決め用ボス572,542の直径L8とはほぼ同寸とされている(L6=L8)。また、第1位置決め用ボス551,571の直径と第2位置決め用ボス572,542の直径とは全て同寸とされている。尚、本実施例では、全ての第1位置決め用ボス551,571の直径と第2位置決め用ボス572,542の直径とは全て同寸とされているが、各々異なっていてもよい。
第1導光板511の左上角部には、中保持部材504の背面左側に突設された第3位置決め用ボス573Aが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部633Aが形成され、第1導光板511の右上角部には、中保持部材504の背面右側に突設された第3位置決め用ボス573Bが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部633Bが形成されている。
また、第1導光板511の左下角部には、前保持部材503の側辺部503Lの背面下部に突設された第3位置決め用ボス543Aが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部643Aが形成され、第1導光板511の右下角部には、前保持部材503の側辺部503Rの背面下部に突設された第3位置決め用ボス543Bが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部643Bが形成されている。
これら第3孔部633A,633B、643A,643Bは、第1導光板511の周縁から第1導光板511の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に形成されている(例えば、左端面511Bから第3孔部633Aの中心までの離間寸法L22>L15×2)ことで、第1導光板511の周縁近傍の強度が孔部により著しく低下しないように適切に維持されている。
図19及び図20に示すように、第3孔部633A,633B,643A,643Bの直径L9は、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの直径L10よりも長寸とされている(L9>L10)。よって第3孔部633A,633B,643A,643Bに対応する第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bが挿入された状態において、第3孔部633A,633B,643A,643Bと第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bとの間に隙間S16(L9−L10、約2.2mm)が上下左右方向に生じる。
尚、隙間S16は、隙間S1,S11よりも長寸とされている(S16(L9−L10)>S1(L1−L2)、S11(L5−L6),S11)。また、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの直径L10は、第1位置決め用ボス551,571の直径L2,L6よりも長寸とされ(L10>L2,L6)、第2位置決め用ボス552,572,542の直径L4,L8よりも長寸とされている(L10>L4,L8)。
また、図15に示すように、第1導光板511の背面における周縁近傍位置には、第1導光板511の製造時において、成型品である第1導光板511を図示しないエジャクタピン(押出ピンともいう)により金型から押出して取出す際に形成される複数のエジェクタピン跡650が形成されている。エジェクタピン跡650は、第1導光板511を金型から取出す際にエジャクタピンにより押圧されることにより形成される凸部(例えば、突出寸法約0.1mm程度)であり、注視しないと視認が困難な程度のものである。特に第1導光板511の周縁における各孔部の近傍には、取出し時の破損を防止するために2箇所ずつ形成されている。
このように構成された導光板装置500は、図4及び図5に示すように、前保持部材503と中保持部材504とにより、第2導光板521を前面側と背面側とから挟み込むように前取付位置に保持するとともに、前保持部材503及び中保持部材504と後保持部材505とにより、第1導光板511を前面側と背面側とから挟み込むように後取付位置に保持することができる。
詳しくは、第2導光板521の第1孔部601を前保持部材503の第1位置決め用ボス551に挿入し、第2導光板521の第2孔部602を前保持部材503の第2位置決め用ボス552に挿入し、第2導光板521を前保持部材503の背面側に配置した状態で、第2導光板LED基板523及び第2集光レンズ524を取付けた中保持部材504をネジN3により前保持部材503に取付けることで、前保持部材503と中保持部材504とは、第2導光板521を前面側と背面側とから挟み込むように前取付位置に保持する。
第2位置決め用ボス552と第2孔部602とは、第2導光板521を前取付位置に取付けた状態において、第2位置決め用ボス552と第2孔部602との間に生じる隙間S2が第1位置決め用ボス551と第1孔部601との間に生じる隙間S1よりも大きく(S2>S1)、上端面521Aに平行または略平行な特定方向(左右方向)への第2導光板521の移動を許容する一方で該左右方向以外の方向(上下方向など)への第2導光板521の移動を規制するように設けられる。尚、図16に示すように、第2位置決め用ボス552は、第2孔部602の長手方向の略中央位置に配置される。
次いで、第1導光板511の第1孔部611を中保持部材504の第1位置決め用ボス571に挿入し、第1導光板511の第2孔部612を中保持部材504の第2位置決め用ボス572に挿入し、第3孔部633Aを中保持部材504の第3位置決め用ボス573Aに挿入し、第3孔部633Bを中保持部材504の第3位置決め用ボス573Bに挿入する。一方、第1導光板511の第2孔部622を前保持部材503の第2位置決め用ボス542に挿入し、第1導光板511の第3孔部643Aを前保持部材503の第3位置決め用ボス543Aに挿入し、第1導光板511の第3孔部643Bを前保持部材503の第3位置決め用ボス543Bに挿入する。
そして、第1導光板511を中保持部材504の背面側に配置した状態で、後保持部材505の上辺部505HをネジN1により中保持部材504に取付け、後保持部材505の左右の側辺部505L,505RをネジN2により前保持部材503に取付けることで、中保持部材504と後保持部材505とは、第1導光板511を前面側と背面側とから挟み込むように後取付位置に保持する。
第2位置決め用ボス572と第2孔部612とは、第1導光板511を後取付位置に取付けた状態において、第2位置決め用ボス572と第2孔部612との間に生じる隙間S12が第1位置決め用ボス571と第1孔部611との間に生じる隙間S11よりも大きく、上端面511Aに平行または略平行な特定方向(左右方向)への第1導光板511の移動を許容する一方で該左右方向以外の方向(上下方向など)への第1導光板511の移動を規制するように設けられる。
また、第2位置決め用ボス542と第2孔部622とは、第1導光板511を後取付位置に取付けた状態において、第2位置決め用ボス542と第2孔部622との間に生じる隙間S14が第1位置決め用ボス571と第1孔部611との間に生じる隙間S11よりも大きく(S14>S11)、左端面511Bに平行または略平行な特定方向(上下方向)への第1導光板511の移動を許容する一方で該上下方向以外の方向(左右方向など)への第1導光板511の移動を規制するように設けられる。
また、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bと第3孔部633A,633B,643A,643Bとの隙間S16は、第1導光板511における第3位置決め用ボスの軸心に対し直交する全方向(左右上下方向)への移動を許容する。
図16に示すように、第2位置決め用ボス572は、第2孔部612の長手方向の略中央位置に配置され、第2位置決め用ボス542は、第2孔部622の長手方向の略中央位置に配置され、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bは、第3孔部633A,633B,643A,643Bの略中央位置に配置される。
また、前保持部材503の背面側に中保持部材504が取付けられ、前保持部材503及び中保持部材504の背面側に後保持部材505が取付けられることで、前取付位置に第2導光板521が保持されるとともに後取付位置に第1導光板511が保持された状態で前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505が一体化される。
また、第1導光板511と第2導光板521を前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505により前取付位置と後取付位置とに保持した状態において、前保持部材503の背面には中保持部材504が所定の隙間を隔てて配置され、中保持部材504の背面には後保持部材505が所定の隙間を隔てて配置される。
第2導光板521を前保持部材503と中保持部材504とにより保持した状態において、第2導光板521の下辺部を除く周縁部は、前保持部材503と中保持部材504の周縁部とにより前後から挟持される。特に第2導光板521の背面における下辺部を除く周縁部には、中保持部材504の凸条562Fが近接して配置される。
また、図24に示すように、第2導光板521は、上端面521Aが第2集光レンズ524の各凸部590の出射面590Aに近接して配置される。つまり、上端面521Aが各第2導光板LED522を通る直線と平行又は略平行をなすように配置される。
一方、第1導光板511を前保持部材503及び中保持部材504と後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511の上辺部は、中保持部材504と後保持部材505の周縁部とにより前後から挟持される。特に第1導光板511の前面における上辺部には、中保持部材504の凸条562Bが近接して配置される。また、後保持部材505の前面に形成された凸条581が、第1集光レンズ514の背面に左右方向にわたり当接するようになっている。
また、図24に示すように、第1導光板511は、上端面511Aが第1集光レンズ514の各凸部590の出射面590Aに近接して配置される。つまり、上端面511Aが各第1導光板LED512を通る直線と平行又は略平行をなすように配置される。また、左端面511Bが第1集光レンズ519の各凸部590の出射面590Aに近接して配置される。つまり、左端面511Bが各第1導光板LED517を通る直線と平行又は略平行をなすように配置される。
第2導光板521を前保持部材503と中保持部材504とにより保持した状態において、第2導光板521と中保持部材504との間に隙間が設けられる。また、第1導光板511を中保持部材504と後保持部材505とにより保持した状態において、第1導光板511と中保持部材504との間に隙間が設けられる。
詳しくは、例えば、図17の拡大図に示すように、中保持部材504の凸条562Fと第2導光板521の背面との間には隙間S20が設けられ、中保持部材504の凸条562Bと第1導光板511の前面との間には隙間S21が設けられる。これら隙間S20,21は、第2導光板521や第1導光板511の板厚寸法L15以下の寸法(例えば、約0.2mm程度)とされている(S20,S21<L15)。
また、例えば、図19の拡大図に示すように、第3位置決め用ボス573Aの中保持部材504の背面からの突出長さL30は、上記隙間S21よりも長寸とされている(L30>S21)ことで、第3位置決め用ボス573Aと後保持部材505との間から第1導光板511が抜けてしまうことが防止されている。
また、例えば、図8及び図21(A)、(B)に示すように、保持体としての前保持部材503の左右の側辺部503L,503Rには、第1導光板511を保持した状態において該第1導光板511と対向する凹凸部549L,549Rが、内壁部548L,548Rの後端縁部に形成されている。そしてこの凸部549Aと第1導光板511の前面との間に隙間S22が設けられる。これら隙間S22は、第2導光板521や第1導光板511の板厚寸法L15以下の寸法(例えば、約0.2mm程度)とされている(S22<L15)。
また、図8(A)に示すように、第1導光板511を中保持部材504と後保持部材505とで挟持した状態において、凹凸部549L,549Rは、第1導光板511の背面に形成されたエジェクタピン跡650と対向しない位置に配置されている。詳しくは、第1導光板511が中保持部材504と後保持部材505とにより保持された状態において、第1導光板511の左側辺に形成された各エジェクタピン跡650は、凹凸部549L,549Rよりも内側、つまり、周縁から離れた位置に形成されているため、エジェクタピン跡650が凸部549Aと接触することにより第1導光板511の表面に傷が付くことが抑制されている。
図26及び図27に示すように、このように構成された導光板装置500にあっては、第1導光板511及び第2導光板521を保持体としての前保持部材503,中保持部材504及び後保持部材505により、第1導光板511及び第2導光板521の周縁の一部(上辺部及び左右側辺部)を前後側から挟持するように保持することで、保持体における前取付位置に第2導光板521が取付けられ、前取付位置よりも後方の後取付位置に第1導光板511が取付けられる。
そして、このように2枚の第1導光板511及び第2導光板521が前保持部材503,中保持部材504及び後保持部材505により保持された状態において、前側の第2導光板521の前面周縁部には前保持部材503が対向して配置されるとともに(図27(A)参照)、背面周縁部には中保持部材504が対向して配置され(図27(B)参照)、後側の第1導光板511の前面周縁部には中保持部材504が対向して配置されるとともに(図27(C)参照)、背面周縁部には後保持部材505が対向して配置される(図27(D)参照)。
特に、第2導光板521の背面における上辺部及び左右斜辺部には、中保持部材504の凸条562Fが近接して配置される。また、第1導光板511の前面における上辺部及び左右斜辺部には、中保持部材504の凸条562Bが近接して配置され、背面における上辺部及び左右側辺部には、後保持部材505の凹凸部549L,549Rの凸部549Aが近接して配置される。これら凸条562F,562Bと凹凸部549L,549Rの凸部549Aとは、保持体の保持部として機能する。
また、本実施例では、第1導光板511及び第2導光板521の前後面が前保持部材503,中保持部材504及び後保持部材505により保持される一方で、第1位置決め用ボス571,551、第2位置決め用ボス572,552,542、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bが第1孔部601,611、第2孔部602,612,622、第3孔部633A,633B,643A,643Bにそれぞれ挿入されることで、第1導光板511及び第2導光板521の保持体に対する取付位置が決定され、保持体からの下方への逸脱が防止される。
次に、図22及び図23に基づいて、第1導光板511及び第2導光板521の熱膨張について説明する。
第1導光板511及び第2導光板521は、アクリル樹脂材により板厚寸法L15が約2.5mmの透明板からなるため、前述したように、パチンコ遊技機1の内部の温度変化に応じて伸び縮みが生じる。
本実施例では、例えば、図23に示すように、第1導光板511における第1孔部611と第3孔部643Bまでの離間寸法L40は約442mmであり、この場合、製造上の寸法公差は±0.6mm程度となり、40度の温度変化に対し最大で約1.6mm程度の伸びが発生する。よって、第1孔部611と第3孔部643Bの位置が固定されていると、温度変化により約16.3mm程度の不可逆的な反りが発生することがある。
まず、第2導光板521について説明すると、図22(A)に示すように、第2導光板521を前保持部材503と中保持部材504とにより保持した状態において、第1孔部601には第1位置決め用ボス551が嵌合され、第2孔部602の左右方向の略中央位置には第2位置決め用ボス552が挿入される。
図22(B)に示すように、第2導光板521が熱膨張する場合、第2導光板521は、前保持部材503と中保持部材504に対し相対移動することになるが、第1孔部601が前保持部材503に形成された第1位置決め用ボス551に嵌合されていることで、第1孔部601を基準として放射状(図中矢印方向)に伸長することになる。
ここで、第1孔部601及び第2孔部602は、第2集光レンズ524の出射面590Aから出射される光が入射される上端面521Aの近傍に設けられており、また、第1位置決め用ボス551との上下方向の隙間S1及び第2位置決め用ボス552との上下方向の隙間S3は小さいため、第1孔部601及び第2孔部602から上方向への伸び幅を小さく抑えることができる。よって、第2導光板521の上端面521Aが上方の第2集光レンズ524側に伸長することで、第2集光レンズ524との離間寸法が左右方向の一の位置(例えば、右側位置)と他の位置(例えば、左側位置)との間で異なる、つまり、第2集光レンズ524の出射面590Aと上端面521Aとの位置関係がずれてしまったり、上端面521Aが第2集光レンズ524に接触するなどして、第2集光レンズ524が傷付いたり破損したりすることが防止される。
一方、第2位置決め用ボス552と第2孔部602との隙間S2が隙間S1よりも大きいことで、第1孔部601を基準とする左方向への伸びは許容されるため、図22(B)に示すように、第2孔部602が第2位置決め用ボス552に対し左側に大きくずれた場合でも、第2導光板521を前取付位置に位置決めするための第2位置決め用ボス552を押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503及び中保持部材504に対する位置ずれにより、第2集光レンズ524から上端面521Aへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
尚、第2導光板521は、上辺部の第1孔部601と第2孔部602以外に位置決め用の孔部は設けられていないため、第1孔部601を基準とする下方への伸びは許容されることになる。
次に、第1導光板511について説明すると、図23(A)に示すように、第1導光板511を前保持部材503及び中保持部材504と後保持部材505により保持した状態において、第1孔部611には第1位置決め用ボス571が嵌合され、第2孔部612の左右方向の略中央位置には第2位置決め用ボス572が挿入され、第2孔部622の上下方向の略中央位置には第2位置決め用ボス542が挿入される。また、第3孔部633A,633Bの略中央位置には、第3位置決め用ボス573A,573Bが、第3孔部633A,633Bの中心に軸心が位置するように設けられ、第3孔部643A,643Bの略中央位置には、第3位置決め用ボス543A,543Bが、第3孔部643A,643Bの中心に軸心が位置するように設けられる。
図23(B)に示すように、第1導光板511が熱膨張する場合、第1導光板511は、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505に対し相対移動することになるが、第1孔部611が中保持部材504に形成された第1位置決め用ボス571に嵌合されていることで、第1孔部611を基準として放射状(図中矢印方向)に伸長することになる。
ここで、第1孔部611及び第2孔部612は、第1集光レンズ514の出射面590Aから出射される光が入射される上端面511Aの近傍に設けられており、また、第1孔部601と第1位置決め用ボス571との上下方向の隙間S11及び第2孔部602と第2位置決め用ボス572との上下方向の隙間S13は小さいため、第1孔部611及び第2孔部612から上方向への伸び幅を小さく抑えることができる。よって、第1導光板511の上端面511Aが上方の第1集光レンズ514側に伸長することで、第1集光レンズ514との離間寸法が左右方向の一の位置(例えば、右側位置)と他の位置(例えば、左側位置)との間で異なる、つまり、第1集光レンズ514の出射面590Aと上端面511Aとの位置関係がずれてしまったり、上端面511Aが第1集光レンズ514に接触するなどして、第1集光レンズ514が傷付いたり破損したりすることが防止される。
一方、第2位置決め用ボス572と第2孔部612との隙間S12が隙間S11よりも大きいことで、第1孔部611を基準とする右方向への伸びは許容されるため、図23(B)に示すように、第2孔部612が第2位置決め用ボス572に対し右側に大きくずれた場合でも、第1導光板511を後取付位置に位置決めするための第2位置決め用ボス572を押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505に対する位置ずれにより、第1集光レンズ514から上端面511Aへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
また、第1孔部611及び第2孔部622は、第1集光レンズ519の出射面590Aから出射される光が入射される左端面511Bの近傍に設けられており、また、第1孔部611と第1位置決め用ボス571との左右方向の隙間S11及び第2孔部612と第2位置決め用ボス542との左右方向の隙間S15は小さいため、第1孔部611及び第2孔部622から左方向への伸び幅を小さく抑えることができる。よって、第1導光板511の左端面511Bが左方の第1集光レンズ519側に伸長することで、第1集光レンズ519との離間寸法が上下方向の一の位置(例えば、上側位置)と他の位置(例えば、下側位置)との間で異なる、つまり、第1集光レンズ519の出射面590Aと左端面511Bとの位置関係がずれてしまったり、左端面511Bが第1集光レンズ519に接触するなどして、第1集光レンズ519が傷付いたり破損したりすることが防止される。
一方、第2位置決め用ボス542と第2孔部622との隙間S14が隙間S11よりも大きいことで、第1孔部611を基準とする下方向への伸びは許容されるため、図23(B)に示すように、第2孔部622が第2位置決め用ボス572に対し下側に大きくずれた場合でも、第1導光板511を後取付位置に位置決めするための第2位置決め用ボス542を押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505に対する位置ずれにより、第1集光レンズ519から左端面511Bへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
また、第1導光板511の四隅に形成された第3孔部633A,633B,643A,643Bと第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bとの間の隙間S16が第1孔部611と第1位置決め用ボス571との隙間S11より大きいことで、第1孔部611を基準とする前後左右方向(全方向)への伸びは許容されるため、図23(B)に示すように、各第3孔部633A,633B,643A,643Bが各第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bに対し任意の方向に大きくずれた場合でも、第1導光板511を後取付位置に位置決めするための第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bを押圧して折ってしまうことを回避できるため、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505に対する位置ずれにより、第1集光レンズ514,519から上端面511Aや左端面511Bへの光の入射に悪影響が及ぶことを防止できる。
尚、図22及び図23では、第1導光板511や第2導光板521が熱膨張した場合について説明したが、例えば、冬季における製造時、保管時、遊技場の非営業時などにおいてパチンコ遊技機1の内部温度が低下して第1導光板511や第2導光板521が収縮した場合にあっては、特に図示はしないが、第1孔部601,611を基準として放射状に収縮、つまり、第1導光板511や第2導光板521の周縁部が第1孔部601,611に向けて移動するように収縮する。
このような場合でも、第2孔部602,612,622の長手方向の略中央位置に第2位置決め用ボス552,572,542が挿入されており、また、第3孔部633A,633Bの略中央位置には、第3位置決め用ボス573A,573Bが、第3孔部633A,633Bの中心に軸心が位置するように設けられ、第3孔部643A,643Bの略中央位置には、第3位置決め用ボス543A,543Bが、第3孔部643A,643Bの中心に軸心が位置するように設けられることで、第2位置決め用ボス552,572,542及び第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bに対する第2孔部602,612,622及び第3孔部633A,633B,643A,643Bの第1孔部601,611側への移動が許容されるため、第2位置決め用ボス552,572,542及び第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの破損が防止される。
次に、導光板装置500による演出表示態様について、図24及び図25に基づいて説明する。図24は、(A)は第2演出表示態様、(B)は第1演出表示態様を示す説明図である。図25は、(A)はLED、集光レンズ、導光板の導光態様を示す図、(B)は図24(A)のL−L断面図である。
図24(A)及び図25に示すように、第2導光板LED522を点灯すると、第2導光板LED522からの光が第2集光レンズ524の入射面591Aに入射され、第2集光レンズ524の内部を反射しながら導光されて出射面590Aから出射され、第2導光板521の上端面521Aに入射される。そして、上端面521Aから入射された光が内部で反射しながら導光され、反射部596にて前方に向けて反射されることで、第2導光板521を正面から見たときに、第2導光板521における反射部596に対応する領域が発光することにより、「激熱!」なる文字が発光表示される第2演出表示が行われる。
また、第1導光板LED512を点灯すると、第1導光板LED512からの光が第1集光レンズ514の入射面591Aに入射され、第1集光レンズ514の内部を反射しながら導光されて出射面590Aから出射され、第1導光板511の上端面511Aに入射される。そして、上端面511Aから入射された光が内部で反射しながら導光され、反射部598にて前方に向けて反射されることで、第1導光板511を正面から見たときに、第1導光板511における反射部598に対応する領域が発光することにより、「激熱!」なる文字が発光表示される第2演出表示が行われる。尚、可動体301が待機位置に位置している場合、該可動体301の前面側に「激熱!」なる文字が発光表示される。
尚、第1導光板LED512と第2導光板LED522とを同時に点灯させた場合は、第2導光板521と第1導光板511双方で「激熱!」なる文字が前後に重畳して発光表示される。
一方、左側の第1導光板LED517を点灯すると、第1導光板LED517からの光が第1集光レンズ519の入射面591Aに入射され、第1集光レンズ519の内部を反射しながら導光されて出射面590Aから出射され、第1導光板511の左端面511Bに入射される。そして、左端面511Bから入射された光が内部で反射しながら導光され、反射部598にて前方に向けて反射されることで、第1導光板511を正面から見たときに、第1導光板511における反射部598に対応する領域が発光することにより、エフェクトが発光表示される第1演出表示が行われる。尚、可動体301が演出位置に位置している場合、該可動体301の周囲にエフェクトが発光表示される。
本実施例において、演出制御用CPU120は、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出として、「激熱!」なる文字を発光表示する第2演出表示を実行可能としている。つまりこの第2演出表示は、遊技者に対し大当りの可能性が高いことを示唆する文字であり、第1導光板511や第2導光板521の熱膨張により好適な発光表示が行われず遊技者が文字を認識できないと予告演出としての意味をなさなくなるものであるため、単に演出位置へ移動した可動体301の周囲を装飾するエフェクトが発光表示される第1演出表示よりも重要度が高い演出とされている。詳しくは、前述したように第1導光板511や第2導光板521が熱膨張したことにより、出射面590Aと上端面511A,521Aとの位置関係がずれてしまったり、第2集光レンズ524や第1集光レンズ514が破損することにより、「激熱!」なる文字を遊技者が認識可能な態様で発光表示することができなくなった場合、大当りの可能性を示唆することができなくなり、これにより遊技者の期待感を好適に向上させることができなくなる虞がある。
一方、エフェクトについては、第1導光板511が熱膨張したことにより、出射面590Aと左端面511Bとの位置関係がずれてしまったり、第1集光レンズ519が破損することによりエフェクトを遊技者が認識可能な態様で発光表示することができなくなった場合、装飾性は低下するものの、大当りの可能性を示唆することができなくなるということはない。
よって、本実施例では、第1演出表示よりも重要度が高い第2演出表示を実行する際に発光させる第1導光板LED512、第2導光板LED522に対応する部位については、第1導光板511や第2導光板521の熱膨張により第2集光レンズ524や第1集光レンズ514と上端面511A,521Aとの位置関係が変化しないように、第1導光板511や第2導光板521において、各第1孔部601,611と各第2孔部602,612とは、直線LN2,LN4が上端面511A,521Aに沿う直線LN1,LN3に対し平行をなすように設けられている。
尚、本実施例では、第2孔部622については、第1孔部611と第2孔部622とを通過する直線が左端面511Bに沿う直線に対し平行をなすように設けられていなかったが、第1孔部611と第2孔部622とを通過する直線が左端面511Bに沿う直線に対し平行をなすように設けてもよい。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、発光手段としての第1導光板LED512,517、第2導光板LED522と、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が上端面511A,521A、左端面511Bから入射されることにより演出表示(発光表示)を行うことが可能な第1導光板511及び第2導光板521と、第1導光板511、第2導光板521が取付けられる被取付部としての前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505と、を備え、被取付部は、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522に対する第1導光板511、第2導光板521の位置決め用のボスとして、第1位置決め用ボス571,551と第2位置決め用ボス572,552,542とを含む複数の位置決め用ボスを有し、第1導光板511、第2導光板521は、第1位置決め用ボス571,551が挿入可能な第1挿入部としての第1孔部601,611と、第2位置決め用ボス572,552が挿入可能な第2挿入部としての第2孔部602,612,622とを含む複数の挿入部を有し、第2位置決め用ボス572,552,542と第2孔部602,612,622とは、第1導光板511、第2導光板521を被取付部に取付けた状態において、第2位置決め用ボス572,552,542と第2孔部602,612,622との間に生じる隙間S2,S12,S14が第1位置決め用ボス571,551と第1孔部601,611,622との間に生じる隙間S1,S11よりも大きく、上端面511A,521A、左端面511Bに平行または略平行な特定方向への第1導光板511、第2導光板521の移動を許容する一方で該特定方向以外の方向への第1導光板511、第2導光板521の移動を規制するように設けられる。
このようにすることで、第2位置決め用ボス572,552,542と第2孔部602,612,622とにより第1導光板511、第2導光板521の第1導光板LED512,517、第2導光板LED522側への移動が規制されることで、熱膨張時の入光状況の変化(例えば、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張により上端面511A,521Aが出射面590Aに近づくなど、上端面511A,521Aと出射面590Aとの離間距離が変化する)を抑えることができるので、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
尚、前記第1位置決め用ボスと前記第1挿入部との間の隙間(例えば、隙間S1,S11)は、前記第2位置決め用ボスと前記第2挿入部との間の隙間(例えば、隙間S2,S12,S14)よりも小さいものであればよく、前記第1位置決め用ボスと前記第1挿入部との間に隙間がないものを含む。
また、第2孔部602,612,622は、第1導光板511、第2導光板521の周縁(入射面)近傍に設けられることが好ましい。詳しくは、第1導光板511、第2導光板521の周縁(入射面)から第2孔部602,612,622までの離間距離は、周縁(入射面)から第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bまでの離間距離よりも小さい距離であることが好ましい。具体的には、第1導光板511、第2導光板521の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置であって、板厚寸法L15の3倍以下の範囲となることが好ましい。
また、第1孔部601,611と第2孔部602,612とは、第1孔部601,611と第2孔部602,612とを結ぶ直線LN2,LN4が上端面511Aに沿うLN3,上端面521Aに沿うLN1と平行または略平行となるように設けられている。
このようにすることで、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。詳しくは、第1導光板511、第2導光板521の周縁(入射面)から第1孔部601,611までの第1離間距離と第1導光板511、第2導光板521の周縁(入射面)から第2孔部602,612までの第2離間距離とが同じになることで、熱膨張による伸び縮みによる影響がほぼ同様に作用するため、第1孔部601,611側と第2孔部602,612側とで上端面511A,521Aとの位置関係が異なってしまうことを抑制できる。
さらに、第1孔部601,611と第2孔部602,612,622とは、上端面511A,521A、左端面511Bに対応する位置であって、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522に対応しない位置に設けられることが好ましい。このようにすることで、第1孔部601,611や第2孔部602,612,622が上端面511A,521A、左端面511Bから第1導光板511、第2導光板521内部に入射された光に影響を及ぼすことを極力回避できる。
また、複数の位置決め用ボスは、第1位置決め用ボス571,551よりも第1導光板LED512,517、第2導光板LED522から遠い位置に設けられる第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bを有し、複数の挿入部は、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部633A,633B,643A,643Bを有し、第1導光板511、第2導光板521を被取付部に取付けた状態において、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bと第3孔部633A,633B,643A,643Bとの間に隙間S16が設けられる。
このようにすることで、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。詳しくは、第1導光板511、第2導光板521において、第1導光板LED512,517や第2導光板LED522から第1位置決め用ボス571,551よりも遠い位置でも位置決めできるので、熱膨張に対応しつつ、第1導光板511、第2導光板521を安定して保持できる。
また、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bと第3孔部633A,633B,643A,643Bとの間の隙間S16は、第1導光板511、第2導光板521における第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの軸心に対し直交する全方向(上下左右方向)への移動を許容する。
このようにすることで、第1位置決め用ボス571,551に対し任意の位置においても第1導光板511、第2導光板521を安定して位置決めすることができるため、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、第1導光板511、第2導光板521には、第1孔部601,611がそれぞれ1つのみ設けられる一方で、第3孔部633A,633B,643A,643Bが複数設けられる。
このようにすることで、第1導光板511、第2導光板521を安定して位置決めすることができるため、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの直径L2,L6は、第1位置決め用ボス571,551の直径L10よりも大きい(L10>L2,L6)。
このようにすることで、第1位置決め用ボス571,551から離れることで熱膨張の影響が大きくなっても壊れにくいので、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。また、第1導光板LED512,517や第2導光板LED522に対し、第1位置決め用ボス571,551よりも離れた位置に設けられることで、第3孔部633A,633B,643A,643Bを大きくしても、第1導光板511、第2導光板521の内部に入射された光の影響を受けにくいので、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bを大きくして強固に位置決めできる。
複数の挿入部(例えば、第1孔部601,611、第2孔部602,612、第3孔部633A,633B,643A,643B)は、第1導光板511、第2導光板521の周縁から該導光板の板厚寸法L15の2倍以上離れた位置に設けられている。
このようにすることで、第1導光板511、第2導光板521の強度を適切に維持することができる。
発光手段は、第1発光手段としての第1導光板LED517と該第1発光手段とは異なる第2発光手段としての第1導光板LED512、第2導光板LED522とを有し、第1導光板511は、第1導光板LED517から光が入射されることにより第1演出表示(例えば、エフェクト)を表示可能であり、第1導光板LED512、第2導光板LED522から光が入射されることにより前記第1演出表示よりも重要度が高い第2演出表示(例えば、「激熱!」なる文字)を表示可能であり、第1孔部601,611と第2孔部602,612とは、第1孔部601,611と第2孔部602,612とを結ぶ直線LN2,LN4が第1導光板LED512、第2導光板LED522からの光が入射される端面と平行または略平行となるように設けられている。
このようにすることで、熱膨張による演出表示の影響が重要度の高い演出表示に対して及ぶことを抑制できる一方で、重要度が低い第1演出表示を実行する際に発光する第1導光板LED517に対応して設けられた第2孔部622は、強度等を優先した好適な位置に設けることができるため、第1導光板511、第2導光板521の強度を適切に維持することができる。
また、上記各位置決め用ボスは、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505における導光板の前後面との対向位置に形成されていることで、遊技者側から見えることがないので、見栄えを損ねることがない。
また、本実施例では、第1導光板511及び第2導光板521は、上辺部及び左右側辺部が保持体により保持され、第1位置決め用ボス571,551及び第1孔部611,601と、第2位置決め用ボス572,552及び第2孔部612,602とは、第1導光板511及び第2導光板521の上部左右側に設けられていることで、第1導光板511及び第2導光板521の保持体により保持されていない下辺部側への熱膨張を許容しつつ、集光レンズとの位置関係の変化を抑制することができる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、発光手段としての第1導光板LED512,517、第2導光板LED522と、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が上端面511A,521A、左端面511Bから入射されることにより演出表示(発光表示)を行うことが可能な第1導光板511、第2導光板521と、第1導光板511、第2導光板521を前取付位置や後取付位置に保持するための保持体としての前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505と、を備え、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505は、第1導光板511、第2導光板521を一面(前面)側と他面(背面)側とから挟み込むように前取付位置や後取付位置に保持可能であり、第1導光板511、第2導光板521を前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511、第2導光板521と前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505との間に隙間S20,S21,S22が設けられる。
このようにすることで、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。詳しくは、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505は、第1導光板511や第2導光板521の周縁部を前面側と背面側とから挟み込むように保持する構造であるため、設計上、第1導光板511や第2導光板521との間に隙間S20,S21,S22(クリアランス)を設けることで、熱膨張に対し逃げがなくなって反りが生じてしまうことを好適に回避することができる。
また、隙間S20,S21,S22は、第1導光板511、第2導光板521の板厚寸法よりも小さい(図17、S20,S21,S22<L15)。
このようにすることで、隙間S20,S21,S22から第1導光板511、第2導光板521が抜けるのを防止しつつ、第1導光板511、第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、保持体は、第1部材(例えば、中保持部材504)と第2部材(例えば、後保持部材505)とから構成され、第1部材には、発光手段に対する第1導光板511、第2導光板521の第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bが設けられ、第1導光板511、第2導光板521には、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bが挿入可能な挿入部としての第3孔部633A,633B,643A,643Bが設けられ、第1導光板511、第2導光板521を前記保持体により保持した状態において、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bの突出寸法L30は、第1導光板511、第2導光板521と中保持部材504との間の隙間S20,S21,S22よりも大きい。
このようにすることで、第3位置決め用ボス573A,573B,543A,543Bと後保持部材505との間から第1導光板511や第2導光板521が抜けるのを防止しつつ、第1導光板511や第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、前保持部材503において第1導光板511と対向する位置に凹凸部549L,549Rが設けられ、第1導光板511を前保持部材503及び中保持部材504と後保持部材505により保持した状態において、凹凸部549L,549Rにおける凸部549Aと第1導光板511との間に隙間S22が設けられる(図8(B))。
このようにすることで、第1導光板511の熱膨張に対し好適に対応できる(凹部に関しては導光板との間に凸部との間に設けられる隙間よりも大きい隙間が生じる)。詳しくは、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505は、第1導光板511や第2導光板521の周縁部を前面側と背面側とから挟み込むように保持する構造であるため、凹凸部549L,549Rを設けることで、第1導光板511との接触面積を極力小さくする(部分的に接触させる)ことができる。よって、第1導光板511や第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応することができる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、発光手段としての第1導光板LED512,517、第2導光板LED522と、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が端面から入射されることにより演出表示(発光表示)を行うことが可能な第1導光板511、第2導光板521と、第1導光板511、第2導光板521を前取付位置、後取付位置に保持するための保持体としての前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505と、を備え、保持体は、第1導光板511、第2導光板521を一面(前面)側と他面(背面)側とから挟み込むように前取付位置や後取付位置に保持可能であり、第1導光板511、第2導光板521を保持した状態において該第1導光板511と対向する位置に凹凸部549L,549Rが設けられ、凹凸部549L,549Rは、第1導光板511を前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511に形成されたエジェクタピン跡650と対向しない位置に配置されている。
このように、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505は、第1導光板511や第2導光板521の周縁部を前面側と背面側とから挟み込むように保持する構造であるが、凹凸部549L,549Rを設けることで、第1導光板511との接触面積を極力小さくする(部分的に接触させる)ことができる。また、第1導光板511や第2導光板521の前面や背面に形成されたエジェクタピン跡650(凸部)は凹凸部549L,549Rと対向しないことで、熱膨張により第1導光板511や第2導光板521が伸び縮みしてエジェクタピン跡650が凹凸部549L,549Rに接触することを回避できるため、第1導光板511や第2導光板521の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、第1導光板511を前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505により保持した状態において、第1導光板511と凸部549Aとの間に隙間(例えば、隙間S22)が設けられる(図8(B))。
このように、第1導光板511や第2導光板521との間に隙間S22(クリアランス)を設けるようにことで、熱膨張に対し逃げがなくなって反りが生じてしまうことを好適に回避することができるため、第1導光板511の熱膨張に対し好適に対応できる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、発光手段としての第1導光板LED512,517、第2導光板LED522と、光が上端面511A,521A、左端面511Bから入射されることにより演出表示(発光表示)を行うことが可能な第1導光板511、第2導光板521と、前記発光手段から入射された光を第1導光板511、第2導光板521に向けて出射する導光部材としての第1集光レンズ514,519、第2集光レンズ524と、第1集光レンズ514,519、第2集光レンズ524が取付けられる被取付部(例えば、前保持部材503の背面及び第1導光板LED基板513の背面、第2導光板LED基板523の前面及び後保持部材505の前面、第1導光板LED基板518Lの背面)と、を備え、第1集光レンズ514,519、第2集光レンズ524には、被取付部に取付けられた状態において該被取付部に設けられた挿入部としての位置決め孔530,594、位置決め孔595,580、位置決め孔595Aに挿入可能な集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bが突出して設けられている。
このようにすることで、集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bを位置決め孔530,594、位置決め孔595,580、位置決め孔595Aに挿入することで第1集光レンズ514,519や第2集光レンズ524の取付位置が決定されるため、第1集光レンズ514や第2集光レンズ524を好適に取付けることができる。
また、第1集光レンズ514,519と第2集光レンズ524の集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bは、それぞれ第1導光板LED512,517、第2導光板LED522が設けられた第1導光板LED基板513,518Lと第2導光板LED基板523に設けられた位置決め孔594,595,595Aに挿入されることで、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522に対し正確に位置決めできるため、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が好適に入射されるようにすることができる。
また、集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bは、光の出射面590Aや入射面591Aに対し直交する面の表面に突出するように設けられていることで、内部に入射された光の反射に影響を与えにくいようになっている(図14参照)。
このようにすることで、第1集光レンズ514や第2集光レンズ524を好適に取付けることができる。
また、保持体としての前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505を備え、前記保持体は、第1導光板511、第2導光板521を前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505により保持した状態において、第1集光レンズ514や第2集光レンズ524の移動を規制する規制部としてのレンズ用フック531,564、凸条581を有する。
このようにすることで、第1集光レンズ514や第2集光レンズ524を好適に取付けることができる。また、これらレンズ用フック531,564、凸条581により係止される押え片592A,592Bは、第1集光レンズ514や第2集光レンズ524の左右端部に形成されているため、導光に極力影響が及ばないように取付けることができる。
また、本実施例では、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光は第1集光レンズ514,519や第2集光レンズ524を介して第1導光板511や第2導光板521に入射されるようになっており、第1集光レンズ514,519や第2集光レンズ524と第1導光板511や第2導光板521とは同じ材質(例えば、アクリル樹脂材など)により形成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、集光レンズを導光板とは異なる材質にて構成してもよい。具体的には、導光板よりも熱により変形し難い材質にて構成することで、LEDからの光を好適に導光板に導光することができる。また、材質を異ならせなくても、導光板よりも体積を小さくしたり、板厚を大きくすることにより変形し難いものとしてもよい。
また、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522と第1導光板511や第2導光板521との間に第1集光レンズ514,519や第2集光レンズ524が介在することで、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの熱が第1導光板511や第2導光板521に伝達され難くなるので、熱膨張を抑制できる。
また、位置決め用ボスが形成される保持体としての前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505については、導光板に比べて温度変化により変形し難い材質とすることが好ましいが、第1導光板511や第2導光板521と同じ材質にて構成するようにしてもよい。このようにすることで、温度変化により導光板と保持体とが同様に伸び縮みするので、熱膨張に好適に対応できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、導光板装置500は、複数枚(本実施例では2枚)の第1導光板511と第2導光板521とを有する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板は1枚でもよいし、3枚以上有していてもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511は前保持部材503及び中保持部材504と後保持部材505により保持されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511は中保持部材504と後保持部材505のみにより保持されていてもよいし、前保持部材503と後保持部材505とにより保持されていてもよい。
また、前記実施例では、第2導光板521は前保持部材503と中保持部材504とにより保持される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前保持部材503と後保持部材505とにより保持されていてもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511と第2導光板521を一面側と他面側とから挟持するように保持する保持体として、それぞれ別個の前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505からなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前保持部材503と中保持部材504とが予め一体に形成された断面視略コ字形の保持体により第2導光板521を保持してもよいし、中保持部材504と後保持部材505が予め一体に形成された断面視略コ字形の保持体により第1導光板511を保持してもよい。
また、前記実施例では、保持体としての前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505は、第1導光板511と第2導光板521の周縁の一部(例えば、上辺部及び左右端辺部)を前後から挟持するように保持する構造である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511や第2導光板521の全周縁を囲むように保持するようにしてもよい。
また、前記実施例では、保持体としての前保持部材503、中保持部材504、後保持部材505に形成された複数の位置決め用ボスを第1導光板511や第2導光板521に形成された複数の孔部に挿入することで、保持体に対する導光板の位置決めをする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら位置決め用ボスと孔部とによる位置決めを行うことなく、導光板を保持体により保持するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511や第2導光板521を取付位置に位置決めするための複数の位置決め用ボスは、前保持部材503、中保持部材504及び後保持部材505からなる保持体に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板の被取付部となる部材や構造物(例えば、遊技盤2や演出用の可動体など)の一部を保持体として、該保持体に位置決め用ボスを形成してもよい。
また、前記実施例では、第1導光板511には第1挿入部として一の第1孔部601が形成され、第2導光板521には一の第1孔部611が形成された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511や第2導光板521に複数の第1挿入部を形成してもよい。
また、前記実施例では、第2導光板521に第3位置決め用ボスが挿入可能な第3挿入部が形成されていない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2導光板521に第3位置決め用ボスが挿入可能な第3挿入部を形成してもよい。
また、上記各位置決め用ボスの突出長さ、直径、外形状、形成位置、形成数及びこれらに対応する各孔部の大きさ、外形状、形成位置、形成数については、上記のように例示したものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。
また、前記実施例では、第1導光板511に第3位置決め用ボスが挿入可能な第3挿入部としての第3孔部633A,633B,643A,643Bが形成された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板511に第3位置決め用ボスが挿入可能な第3挿入部が形成されていなくてもよい。
また、前記実施例では、第1孔部と第2孔部とは、第1孔部と第2孔部とを結ぶ直線LN2,LN4が上端面511A,521Aに対し平行または略平行をなすように設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも直線LN2,LN4が上端面511A,521Aに対し平行または略平行をなすように設けられていなくてもよく、例えば、第2孔部622のように、少なくとも第2孔部602,612が光の入射面である上端面511A,521Aに沿うように形成されていてもよいし、あるいは、第1孔部を通過する直線に沿うように形成されていてもよい。
また、前記実施例では、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が第1集光レンズ514,519と第2集光レンズ524を透して第1導光板511、第2導光板521に入射される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522からの光が集光レンズを介すことなく直接第1導光板511や第2導光板521に入射されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1集光レンズ514,519と第2集光レンズ524の集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bは、光の出射面590Aや入射面591Aに対し直交する面の表面に突出するように設けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光に影響を及ぼし難い位置であれば例示した位置以外に形成されていてもよい。
また、前記実施例では、第1集光レンズ514と第2集光レンズ524については、前後面に集光レンズ位置決め用ボス593F,593Bが突設されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも一面に形成されていればよい。また、一の集光レンズに複数形成されていなくてもよい。
また、前記実施例では、第1集光レンズ514と第2集光レンズ524は、複数の凸部591が長手方向に複数連設される形状とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、集光レンズの形状は種々に変更可能であり、上記に例示した形態に限定されるものではない。
また、前記実施例では、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522はフルカラーLEDであり、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522の発光色を変化させることで発光演出における演出態様(発光色)を種々に変更可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら第1導光板LED512,517、第2導光板LED522を1色でのみ発光可能な単色LED(例えば、白色LED)を適用し、単色LEDの光を所定色に着色した第1集光レンズ514,519及び第2集光レンズ524を透過させ第1導光板511や第2導光板521に入射させることで、第1集光レンズ514,519及び第2集光レンズ524に着色された色にて発光演出を実行できるようにしてもよく、このようにした場合、高価なフルカラーLEDを用いることなく、着色された第1集光レンズ514,519及び第2集光レンズ524を用いることで種々の演出態様(発光色)で発光演出を行うことができる。
また、前記実施例では、導光板装置500は、遊技盤2に形成された開口2cを被覆するように設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板装置500を透過性を有する盤面板からなる遊技盤2の背面側に設け、遊技者側から透明な盤面板を透して導光板による演出表示を視認可能としてもよい。また、透過性を有する盤面板を反射部を有する導光板とし、該盤面板を利用して演出表示を実行可能としてもよいし、盤面板とその背面に設けた導光板装置双方による演出表示を実行可能としてもよい。さらに、導光板装置は、遊技盤2の前面側にセンター飾り枠51などに任意の位置に取付けられていてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
この発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、発光手段(例えば、第1導光板LED512,517、第2導光板LED522)と、前記発光手段からの光が端面(例えば、上端面511A,521A、左端面511B)から入射されることにより演出表示(発光表示)を行うことが可能な導光板(例えば、第1導光板511、第2導光板521)と、前記導光板が取付けられる被取付部(例えば、前保持部材503,中保持部材504,後保持部材505)と、を備え、前記被取付部は、前記発光手段に対する前記導光板の位置決め用のボスとして、第1位置決め用ボス(例えば、第1位置決め用ボス571,551)第2位置決め用ボス(例えば、第2位置決め用ボス572,552,542)とを含む複数の位置決め用ボスを有し、前記導光板は、前記第1位置決め用ボスが挿入可能な第1挿入部(例えば、第1孔部601,611)と、前記第2位置決め用ボスが挿入可能な第2挿入部(例えば、第2孔部602,612,622)とを含む複数の挿入部を有し、前記第2位置決め用ボスと前記第2挿入部とは、前記導光板を前記被取付部に取付けた状態において、前記第2位置決め用ボスと前記第2挿入部との間に生じる隙間(例えば、隙間S2,S12,S14)が前記第1位置決め用ボスと前記第1挿入部との間に生じる隙間(例えば、隙間S1,S11)よりも大きく、前記端面に平行または略平行な特定方向への前記導光板の移動を許容する一方で該特定方向以外の方向への前記導光板の移動を規制するように設けられ(例えば、図18、図19、図22、図23)、さらに、抽選に基づくコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド)を出力する第1制御手段(例えば、主基板9011)と、前記第1制御手段が出力したコマンドに応じた処理(例えば、演出実行のための処理であるステップS90171)を実行する第2制御手段(例えば、演出制御基板9012)と、を備え、前記第2制御手段は、異なる複数のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」)を同じコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)として扱って前記処理を実行する(例えば、ステップS90752で変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」に変換し(図44も参照)、当該「8100」として扱ってステップS90171を実行する)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、導光板の熱膨張に対し好適に対応できる。また、異なる複数のコマンドを同じコマンドとして扱って処理を行うので、第2制御手段を好適に動作させることができる。
また、上記遊技機において、第2制御手段が発光手段の発光を制御するようにしてもよい。
なお、第1制御手段や第2制御手段は、複数のハードウェア(基板やプロセッサ)から構成されるものであってもよい。また、第1制御手段や第2制御手段は、少なくとも一部が共通のハードウェア構成により構成されてもよい。
例えば、後述の実施形態において、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する部分(共通モジュール90120AがステップS90751〜S90752を実行する部分)を主基板9011に設けてもよい。この場合、例えば、CPU90103は、変動パターンを抽選により決定して変動パターン指定コマンドを生成する(RAM90102に出力することになる)。そして、CPU90103は、ステップS90704と同様の処理を行い、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する。そして、CPU90103は、変換後のコマンドを演出制御基板9012に供給する。このように、第2制御手段は、主基板9011の一部を含んでもよい。
例えば、後述の実施形態において、共通モジュール90120Aを、主基板9011や演出制御基板9012とは別の基板、又は、演出制御基板9012に設けられるが演出制御用CPU90120とは別のプロセッサなどにより実現するようにしてもよい。このように、第2制御手段における、異なる複数のコマンドを同じコマンドとして扱う部分と、処理を実行する部分とを異なるハードウェアにより実現してもよい。
コマンドに応じた処理は、実行する演出を決定する処理の他、演出を実行する処理(表示制御部90123により実行される処理)であってもよい。また、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うとは、複数のコマンドを当該複数のコマンドのうちの1つのコマンドとして扱うことの他、複数のコマンドを当該複数のコマンド以外の他のコマンドとして扱うことも含む。また、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うことは、後述の実施形態のようにコマンドを変換することにより実現してもよいし、複数のコマンドについて同じ処理を実行すること(これにより、同じコマンドとして扱われる)により実現してもよい。
さらに、導光板の熱膨張に対し好適に対応でき、また、第2制御手段を好適に動作させることができる遊技機の形態の一例として、抽選に基づくコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド)を出力する第1制御手段(例えば、主基板9011)と、前記第1制御手段が出力したコマンドに応じた処理(例えば、演出実行のための処理であるステップS90171)を実行する第2制御手段(例えば、演出制御基板9012)と、を備え、前記第2制御手段は、異なる複数のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」)を同じコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド「8100」)として扱って前記処理を実行する(例えば、ステップS90752で変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」に変換し(図44も参照)、当該「8100」として扱ってステップS90171を実行する)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。
(パチンコ遊技機901の構成等)
図28は、パチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図28に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう。)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示などともいう)される(後述の他の可変表示についても同じ)。なお、図柄(特に、後述の飾り図柄)の変動として、スクロール表示、変形、拡大/縮小などが行われてもよい。
なお、以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する。
例えば、画像表示装置905の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。一例として、画像表示装置905では、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。
また、画像表示装置905の画面上には、表示エリア905HL、905HRも配置され、表示エリア905HLには、実行が保留されている第1特図ゲームに対応する第1保留表示画像(ここでは、丸の画像)が右詰めで表示され、表示エリア905HRには、実行が保留されている第2特図ゲームに対応する第2保留表示画像(ここでは、丸の画像)が左詰めで表示される。第1保留表示画像及び第2保留表示画像を総称して保留表示画像ともいう。
なお、特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。特に、第1特図ゲームの保留数を、第1特図保留記憶数という。第2特図ゲームの保留数を、第2特図保留記憶数という。第1保留表示画像の数により、第1特図保留記憶数が示され、第2保留表示画像の数により、第2特図保留記憶数が示される。
また、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられ、第1保留表示器9025Aは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数を表示し、第2保留表示器9025Bは、LEDの点灯個数によって、第2特図保留記憶数を表示する。
画像表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。
普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ9022A(図29参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。)。
普通可変入賞球装置906Bは、普通電動役物用のソレノイド9081(図29参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、例えば、ソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置906Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置906Bは、ソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ9022B(図29参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。)。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、大入賞口扉用となるソレノイド9082(図29参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ9023(図29参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤902の所定位置(図28に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)の可変表示を行う。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)ともいう。
普図ゲームは、遊技球が通過ゲート9041を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート9041を通過したときには、図29のゲートスイッチ9021がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ909が設けられている。遊技効果ランプ909は、LEDを含んで構成されている。
遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
(基板構成)
パチンコ遊技機901には、例えば図29に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014、中継基板9015などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行、保留の管理、後述の大当り遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板9011は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100、スイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などを有する。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)90101と、RAM(Random Access Memory)90102と、CPU(Central Processing Unit)90103と、乱数回路90104と、I/O(Input/output port)90105とを備える。
CPU90103は、ROM90101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板9011の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM90101が記憶する各種データ(変動パターン(図34。詳しくは後述)、演出制御コマンド(図31。詳しくは後述)、各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90102がメインメモリとして使用される。
乱数回路90104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU90103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O90105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(後述のソレノイド駆動信号、第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどを制御(駆動)する信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ9022Aおよび第2始動口スイッチ9022B)、カウントスイッチ9023)からの検出信号(遊技媒体が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。
ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド9081やソレノイド9082をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド9081や大入賞口扉用のソレノイド9082に伝送する。
主基板9011(遊技制御用マイクロコンピュータ90100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定するコマンド)を演出制御基板9012に供給する。主基板9011から出力された演出制御コマンドは、中継基板9015により中継され、演出制御基板9012に供給される。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて各種の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出であり、飾り図柄の可変表示を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板9012には、演出制御用CPU90120と、ROM90121と、RAM90122と、表示制御部90123と、乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
演出制御用CPU90120は、ROM90121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部90123とともに演出を実行するための処理を行う。このとき、ROM90121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90122がメインメモリとして使用される。
演出制御部CPU90120は、上記演出を実行するための処理を実行することで、図30に示す、共通モジュール90120A、演出実行指示部90120Bと、として動作する。
共通モジュール90120Aは、演出制御コマンド解析等処理(図37のステップS90704。詳しくは後述。)や、音、ランプ制御処理(図37のステップS90706。詳しくは後述。)を実行する。演出制御コマンド解析等処理は、主基板9011から送信された演出制御コマンドを解析して当該コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンド(解析結果)に応じた処理を行う処理である。音、ランプ制御処理は、スピーカ908L、908Rからの音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯などを制御する処理である。
共通モジュール90120Aは、音、ランプ制御処理において、出力する音声(音のみを含む。)を指定する音指定信号を音声制御基板9013に供給する。音声制御基板9013は、スピーカ908L、908Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ908L、908Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ908L、908Rから出力させる。このようにして、共通モジュール90120Aは、音声制御基板9013を介して、音声出力を制御する。
さらに、共通モジュール90120Aは、音、ランプ制御処理において、遊技効果ランプ909の点灯/消灯態様を指定するランプ信号をランプ制御基板9014に供給する。ランプ制御基板9014は、遊技効果ランプ909を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ909を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ909を点灯/消灯する。このようにして、共通モジュール90120Aは、ランプ制御基板9014を介して、ランプの点灯/消灯を制御する。
演出実行指示部90120Bは、演出制御プロセス処理(図37のステップS90705。詳しくは後述。)を実行する。演出制御プロセス処理は、共通モジュール90120Aによる解析により特定された演出制御コマンドに基づいて画像系演出の実行等を決定し(例えば、抽選により決定する。)、実行すると決定した画像系演出の実行(実行の開始)を表示制御部90123に指示する処理である。画像系演出は、画像表示装置905に演出画像を表示する演出であり、演出画像に合わせた音声出力や、演出画像に合わせた遊技効果ランプ909の点灯/消灯も適宜含む。
表示制御部90123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU90120からの画像系演出の実行指示に基づき、画像系演出の実行を開始する。画像系演出の実行では、例えば、映像信号を供給することで画像表示装置905に演出画像を表示する。また、表示制御部90123は、画像系演出を実行するときに、スピーカ908L、908Rからの音声出力の指示や遊技効果ランプ909の点灯/消灯の指示を共通モジュール90120Aに供給する。共通モジュール90120Aは、これら指示に従って、上述の音指定信号やランプ信号を出力する。つまり、表示制御部90123は、画像系演出に含まれる音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯を、共通モジュール90120Aを介して制御する。
なお、共通モジュール90120Aは、解析により特定した演出制御コマンドに基づいて、上述の音指定信号やランプ信号を出力することで、表示制御部90123とは独立して音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯を制御することも可能である(例えば、後述の図柄確定指定コマンドを受信したときに、遊技効果ランプ909を点灯させるなど)。
乱数回路90124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU90120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
(遊技の進行など)
パチンコ遊技機901が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技媒体(遊技球)が遊技領域に向けて発射される。
遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート9041を通過したときには、普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。なお、すでに他の普図ゲームが実行されている、下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、当該普図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の普図ゲームが実行されておらず、開放制御中でもないなど)により実行される。普図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が通過ゲート9041を通過したときには、当該普図保留記憶数は増えないで、当該通過は無効化される。
普図ゲームで停止表示される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば、「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば、「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。
「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置906Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。「普図ハズレ」のときには、前記開放制御は行われない。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。また、遊技球が、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。なお、すでに他の特図ゲームが実行中である、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、それぞれ4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、特図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の特図ゲームが実行されておらず、大当り遊技状態中でもないなど)により実行される。
第1特図保留記憶数(保留された第1特図ゲーム数)が上限値に達しているときに遊技球が第1始動入賞口を進入したときには、当該第1特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第2特図保留記憶数(保留された第2特図ゲーム数)が上限値に達しているときに遊技球が第2始動入賞口を進入したときには、当該第2特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。
第1特図保留記憶数を増やす遊技球の第1始動入賞口への進入(入賞)を第1始動入賞ともいう。第2特図保留記憶数を増やす遊技球の第2始動入賞口への進入(入賞)を第2始動入賞ともいう。これら入賞を総称して単に始動入賞ともいう。
特図ゲームで停止表示される可変表示結果には、大当り図柄(例えば、「3」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば、「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。
第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置907により形成される大入賞口が開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。このような開放状態をラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば「15回」)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する。)。
「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変」のときには、「3」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときには、「7」の大当り図柄が停止表示される。
なお、大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」ということがある。また、「確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」ということがある。また、「非確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」ということがある。
確変大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続する。
確変大当り遊技状態又は非確変大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続する。
なお、時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置906Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させてもよい。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機901が、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース」「非時短状態」などともいわれる。確変状態は、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」などともいわれる。
(演出の進行など)
画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも画像系演出の一種である。)が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出表示)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置905の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。
また、この実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出(画像系演出の一例)が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBが用意されている。この実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で高い。
大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「6」など)が揃って停止表示される。
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示されることもある。
この実施の形態では、他の画像系演出として、例えば、大当り期待度を予告する予告演出等が可変表示中に実行される。また、大当り遊技状態中にも、画像系演出として、例えば、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。また、画像系演出として、例えば、特図ゲーム等が実行されていないときにはデモ(デモンストレーション)画像が表示される。
(パチンコ遊技機901の主要な動作)
以下、パチンコ遊技機901の主要な動作をフローチャートなどを参照して説明するが、各動作(各処理)では下記で説明されない処理などが行われる場合がある。
(主基板9011の主要な動作)
主基板9011では、CPU90103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給される図示しないCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと(割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごと)に実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU90103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、RAM90102などに一時記憶され、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
遊技用乱数更新処理は、主基板9011の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現する処理(第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、大入賞口扉用のソレノイド9082の制御を含む。)である。なお、特別図柄プロセス処理では、遊技の進行に応じて演出制御コマンドの送信設定を行う。特別図柄プロセス処理の詳細は、後述する。
普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置906B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現する処理(普通図柄表示器9020、普図保留表示器9025C、普通電動役物用のソレノイド9081の制御を含む。)である。
コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板9011から演出制御基板9012に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板9011から演出制御基板9012に送信される演出制御コマンドについて説明する。図31に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。演出制御コマンドは、MODEデータ及びEXTデータから構成されている。
コマンド8000(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第1変動開始指定コマンドである。コマンド8001(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第2変動開始指定コマンドである。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。
コマンド81XX(H)は、特図ゲームや飾り図柄の可変表示の変動パターン(図34参照。詳しくは後述するが、特図や飾り図柄の可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するもの)を指定(通知)する変動パターン指定コマンドである。当該コマンドの「XX」(EXTデータ、「XX」について同じ)には、各変動パターンを示す数値が設定される(例えば、変動パターンPA1´−1なら「00」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する表示結果指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、表示結果を示す数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「確変大当り」なら「01」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8F00(H)は、特図ゲームの終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する図柄確定指定コマンドである。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄の可変表示(変動)を終了するとともに表示結果を導出表示することを指定するものである。当該コマンドは、特図ゲームの終了時に送信される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始でもある)を指定(通知)する当り開始指定コマンドである。ファンファーレとは、大当り遊技状態中に実行される大当り中演出の一部を構成し、大当り遊技状態の開始時に実行され、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始でもある)を指定(通知)する当り終了指定コマンドである。エンディングとは、大当り遊技状態の終了時(大当り中演出後)に実行され、大当り遊技状態が終了することを報知する演出などである。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定(通知)する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドB101(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定(通知)する第2始動入賞指定コマンドである。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを始動入賞指定コマンドと総称することがある。始動入賞指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC0XX(H)は、第1特図ゲームの保留数である第1特図保留記憶数を指定(通知)する第1特図保留記憶数指定コマンドである。コマンドC1XX(H)は、第2特図ゲームの保留数である第2特図保留記憶数を指定(通知)する第2特図保留記憶数指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、保留記憶数を示す数値が設定される。これらコマンドを特図保留記憶数指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC600(H)は、デモ画像を表示することを指定する客待ちデモ指定コマンドである。このコマンドは、特図ゲームを実行しないときに送信される。
(特別図柄プロセス処理)
図32は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S90117の処理のいずれかを選択して実行する。
(始動入賞判定処理:ステップS90101)
CPU90103は、第1始動口スイッチ9022Aがオン(スイッチ処理の判定結果を参照する。各種スイッチのオン判定について同じ)であり(第1始動口に遊技球が進入したときであって)、第1特図保留記憶数(例えば、RAM90102に設けられた第1保留記憶数カウンタでカウントする。以下同じ)が所定の上限値(例えば「4」)となっていない場合、第1始動入賞が発生したとして、乱数回路90104やRAM90102に設けられたランダムカウンタ(遊技用乱数更新処理で値が更新される。)等によって更新される乱数値のうちから、特図表示結果(特図ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1´(「1」〜「65535」いずれかの値)、大当り種別決定用の乱数値MR2´(「1」〜「100」のいずれかの値)、変動パターン決定用の乱数値MR3´(「1」〜「1000」のいずれかの値)を抽出する。こうして抽出された各乱数値は、保留データとして、第1特図保留記憶部(RAM90102に設けられる)の空きエントリの先頭にセットする。また、第1特図保留記憶数を1増加させる。
CPU90103は、第2始動口スイッチ9022Bがオンであり(第2始動口に遊技球が進入したときであって)、第2特図保留記憶数(例えば、RAM90102に設けられた第2保留記憶数カウンタでカウントする。以下同じ)が所定の上限値(例えば「4」)となっていない場合、第2始動入賞が発生したとして、乱数値MR1´〜MR3´を抽出する。こうして抽出された各乱数値は、保留データとして、第2特図保留記憶部(RAM90102に設けられる)の空きエントリの先頭にセットする。また、第2特図保留記憶数を1増加させる。
第1又は第2特図保留記憶部は、例えば、第1又は第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号「1」〜「4」と関連付けて、乱数値MR1´〜MR3´の数値データを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1又は第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、実行が保留されている第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを示す。
この実施の形態では、上記のように第1特図保留記憶部又は第2特図保留記憶部へ保留データを格納することで、未だ開始されていない(実行が保留されている)特図ゲーム(特に、特図ゲームに関する情報。ここでは、保留データ)が保留記憶として記憶される。
その後、始動入賞時コマンドの送信設定を行う。始動入賞時コマンドは、第1始動入賞指定コマンド(第1始動入賞発生時)又は第2始動入賞指定コマンド(第2始動入賞発生時)と、第1特図保留記憶数指定コマンド(第1始動入賞発生時)又は第2特図保留記憶数指定コマンド(第2始動入賞発生時)と、を含む。
上記送信設定後、CPU90103は、始動入賞判定処理を終了する。なお、1回の始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ9022A及び第2始動口スイッチ9022Bそれぞれについて、上記処理(オン判定や保留データの格納等)を行う(これにより、第1始動入賞及び第2始動入賞をもれなく検出できる)。第1始動口スイッチ9022A及び第2始動口スイッチ9022Bいずれもがオフの場合には、CPU90103は、始動入賞判定処理をそのまま終了する。
(特別図柄通常処理:ステップS90110)
特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。特別図柄通常処理において、CPU90103は、第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには、第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1´〜MR3´の数値データを読み出す。読み出された数値データは、RAM90102の変動用乱数バッファに格納されて、一時記憶される。この場合、第2特図保留記憶数を1減算させ、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。このときには、RAM90102に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する。
第2特図保留記憶数が「0」であるときには、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定し、第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには、第1特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1´〜MR3´の数値データを読み出す。読み出された数値データは、変動用乱数バッファに格納されて、一時記憶される。この場合、第1特図保留記憶数を1減算し、第2特図保留記憶部のときと同様に第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる。また、変動特図指定バッファ値を、「1」に更新する。上記処理により第2特図ゲームは、第1特図ゲームよりも優先して実行される。
変動特図指定バッファ値の更新後には、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの可変表示結果)である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する。一例として、予めROM90101に用意された第1特図表示結果決定テーブル(非確変状態のときに参照される)又は第2特図表示結果決定テーブル(確変状態のときに参照される)が参照される。確変状態かどうかは、RAM90102に用意され、確変状態時にオンとなる確変フラグを参照して特定される(以下、同じ)。各特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられていればよい。CPU90103は、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR1´に基づいて、第1又は第2特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定する(乱数値に合致する決定値に割り当てられた決定結果を今回の決定結果とする。)。なお、CPU90103は、確変状態のときには、確変状態でないときよりも高い決定割合で特図表示結果を「大当り」に決定する。なお、この実施の形態では、このような乱数値とテーブルとを用いて決定結果をランダムに決定することを「抽選により決定する」などと表現する。
CPU90103は、決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、RAM90102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。その後、大当り種別を複数種類のいずれかに抽選(変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR3´と、ROM90101に用意され、「非確変」、「確変」を決定結果とする大当り種別決定テーブルとを用いた抽選)により決定する。その後、CPU90103は、RAM90102に設けられた大当り種別バッファに、決定した大当り種別を記憶させる。
特図表示結果が「大当り」ではない場合や、大当り種別を記憶させた後には、今回実行する特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄を決定する。一例として、大当りフラグがオフのときには、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、大当りフラグがオンのときには、大当り種別バッファに記憶された大当り種別に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定する。その後、特図プロセスフラグの値を「1」に更新してから、特別図柄通常処理を終了する。
第1特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には、デモ表示設定を行ってから、特別図柄通常処理を終了する。デモ表示設定では、客待ちデモ指定コマンドが送信済みであるか否かを判定する(例えば、RAM90102に、客待ちデモ指定コマンドが送信済みのときにオンになるフラグを設け、このフラグの状態により、当該判定を行う)。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。
(変動パターン設定処理:ステップS90111)
変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。図33は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
CPU90103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS90261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS90261;Yes)、大当り時の変動パターンを抽選により決定する(ステップS90262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS90261;No)、ハズレ時の変動パターンを抽選により決定する(ステップS90263)。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
図34は、この実施の形態で使用される変動パターンを示している。この実施の形態では、ハズレ時の変動パターンとして、PA1´−1〜PA1´−3、PA2´−1〜PA2´−2、PA3´−2〜PA3´−4がある。また、大当り時の変動パターンとして、PB3´−2〜PB3´−4がある。なお、図34に示すように、各変動パターンには、通番(通し番号「1」〜「11」)が付されている。
PA1´−1〜PA1´−3は、非リーチを指定する。PA1´−1〜PA1´−3を指定する各変動パターン指定コマンドのEXTデータには、「00」〜「02」が順次設定される。PA1´−1〜PA1´−3は、同じ変動パターンを指定するものであり、特図変動時間も同じ長さの時間を指定している。PA1´−2〜PA1´−3を指定する各変動パターン指定コマンドは、演出制御基板9012が受信したときに共通モジュール90120Aにより、そのEXTデータ「01」〜「02」が「00」(PA1´−1を指定するEXTデータ)に変換される。つまり、演出制御基板9012では、PA1´−2、PA1´−3が、PA1´−1として扱われて、各種処理が行われる(他の変動パターン指定コマンドについては、このような扱いは行われない)。
PA2´−1〜PA2´−2も、非リーチを指定する。これらは、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1´−1等)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。PA2´−1〜PA2´−2を指定する各変動パターン指定コマンドのEXTデータには、「03」〜「04」が順次設定される。
PA3´−2、PB3´−2は、ノーマルリーチの実行を指定し、PA3´−3、PB3´−3は、スーパーリーチAの実行を指定し、PA3´−4、PB3´−4は、スーパーリーチBの実行を指定する。PA3´−2〜PA3´−4、PB3´−2〜PB3´−4を指定する各変動パターン指定コマンドのEXTデータには、「05」〜「0A」が順次設定される。
ステップS90262の抽選では、例えば、ROM90101に用意され、PB3´−2〜PB3´−4を決定結果とする大当り用変動パターン決定テーブル(図35の決定割合を実現する決定値が各変動パターンに割り当てられたテーブル)と、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR3´と、が使用され、PB3´−2〜PB3´−4のいずれかを今回実行する可変表示の変動パターン(大当り時の変動パターン)に決定する。
また、ステップS90263の抽選では、例えばROM90101に用意された第1ハズレ用変動パターン決定テーブル又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブルと、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR3´と、が使用され、PA1´−1〜PA1´−3、PA2´−1〜PA2´−2、PA3´−2〜PA3´−4のいずれかを今回実行する可変表示の変動パターン(ハズレ時の変動パターン)に決定する。第1ハズレ用変動パターン決定テーブルは、PA1´−1〜PA1´−3、PA3´−2〜PA3´−4のいずれかを決定結果とするテーブル(図36(A)の決定割合を実現する決定値が各変動パターンに割り当てられたテーブル)であり、時短状態でないとき(非時短時)に使用される。第1ハズレ用変動パターン決定テーブルは、PA2´−1〜PA2´−2、PA3´−2〜PA3´−4のいずれかを決定結果とするテーブル(図36(B)の決定割合を実現する決定値が各変動パターンに割り当てられたテーブル)であり、時短状態であるとき(時短時)に使用される。時短状態であるか否かは、RAM90102に用意され、時短状態時にオンとなる時短フラグを参照して特定される(以下、同じ)。
図35及び図36を参照すると、変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA3´−2>PA3´−3>PA3´−4の順で高い。大当り時は、PB3´−4>PB3´−3>PB3´−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。また、時短状態のときには、特図変動時間が短いPA2´−1、PA2´−2(図34参照)が選択されるので、時短状態のときには、平均的な特図変動時間が非時短状態のときよりも短くなる。
また、演出制御基板9012側でPA1´−1と扱われるPA1´−2、PA1´−3の決定割合は、他の決定割合(同じテーブルでの決定割合及び図35〜図36の全てのテーブルでの決定割合)よりも低くなっている。つまり、PA1´−2、PA1´−3は、変動パターンの決定時に選択されにくい。また、PA1´−1と、演出制御基板9012側でPA1´−1と扱われるPA1´−2、PA1´−3と、は、同じテーブルの決定結果として設定されている。
ステップS90262、S90263の処理のいずれかを実行した後には、今回決定した変動パターンに応じた特図変動時間(図34参照)を設定する(ステップS90266)。具体的には、特図変動時間に応じたタイマ初期値をRAM90102の所定のタイマに設定する。
ステップS90266の処理に続いて、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲーム(特別図柄の変動)を開始させる(ステップS90267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置904Aに送信する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第2特別図柄表示装置904Bに送信する。
ステップS90267の処理を実行した後には、特図ゲームの実行開始時のコマンドとして変動開始時コマンド(上記決定結果、1減算後の第1又は第2特図保留記憶数などを指定する各種コマンド)の送信設定が行われる(ステップS90271)。変動開始時コマンドは、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンドを含み、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンドを含む。
ステップS90271の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS90272)、変動パターン設定処理を終了する。
(特別図柄変動処理:ステップS90112)
特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。CPU90103は、特図ゲームが開始してからの経過時間が、上記で設定した特図変動時間に達したか(上記所定のタイマのタイマ値を1減じ、減じた後のタイマ値が0になったか)を判定し、達していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置904A又は第2特別図柄表示装置904Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したとき(前記タイマ値が0になったとき)には、可変表示結果の導出タイミングとなったので、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置904A又は第2特別図柄表示装置904Bに供給し、上記で決定した今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」は「−」、「確変大当り」は「7」、「非確変大当り」は「3」)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS90112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
(特別図柄停止処理:ステップS90113)
特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。CPU90103は、今回の可変表示結果が「大当り」のとき(大当りフラグがオンのとき)は、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」(大当りフラグがオフのとき)で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し(RAM90102に設けられた時短回数カウンタにより可変表示の回数をカウントする。)、所定回数の可変表示が実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
(大当り開放前処理:ステップS90114)
大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。CPU90103は、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間(RAM90102に設けられたタイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS90114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
(大当り開放中処理:ステップS90115)
大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。CPU90103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ9023がオンになった回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(RAM90102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド9082をオフにする処理)などを行う。終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(RAM90102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「7」に更新する処理を行って、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にステップS90115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
(大当り開放後処理:ステップS90116)
大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。CPU90103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
(大当り終了処理:ステップS90117)
大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、最後のラウンド遊技終了時からの経過時間が予め設定されているエンディング待ち時間(演出制御基板9012で実行されるエンディングの実行時間に対応する時間)に達したか、つまり、エンディング待ち時間が終了したかを判定する。エンディング待ち時間が終了していないときには、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。エンディング待ち時間が終了した場合には、エンディングが終了するので、次に、今回の大当り種別が「確変」であるかを判定する。大当り種別は、大当り種別バッファに格納されている。大当り種別が「確変」である場合、確変フラグをオン状態にセットする。また、大当り種別に係わらず、時短回数カウンタに初期値(時短状態において実行可能な可変表示の回数、例えば、100)として設定するとともに(時短回数カウンタのカウント値は、例えば、特別図柄停止処理ごとに1減算される。これにより、時短状態において実行される可変表示の回数がカウントされ、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定できる)、時短フラグをオン状態にする。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新して、本処理を終了する。
(その他)
上記一連の処理において、ステップS90114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS90115、S90116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。また、特図プロセスフラグの値を“0”に更新するときは、1回の可変表示等が終了したことになるので、遊技制御プロセスタイマ、各種フラグの状態などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(演出制御基板9012の主要な動作)
演出制御基板9012の演出制御用CPU90120は、起動後に所定の演出制御メイン処理を実行する。図37は、演出制御メイン処理の一例のフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS90701)、RAM90122のクリアや各種初期値の設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS90702)。タイマ割込みフラグは、例えば図示しないCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば10ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS90702;No)、待機する。
また、演出制御用CPU90120は、演出制御メイン処理とは別に、I/O90125の所定の入力ポートから演出制御コマンドを受信したときには、当該演出制御コマンドを受信コマンドとして例えばRAM90122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS90702;Yes)、演出制御用CPU90120は、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、演出制御コマンド解析等処理(ステップS90704)、演出制御プロセス処理(ステップS90705)、音、ランプ制御処理(ステップS90706)、演出用乱数処理(ステップS90707)を実行する。ステップS90707のあと、ステップS90702の処理を実行する。演出制御用CPU90120は、演出制御コマンド解析等処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンドを読み出して解析して当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、解析により特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う(詳細は後述)。演出制御プロセス処理は、演出制御コマンドに応じて演出の実行を表示制御部90123に指示する処理(演出の実行やその態様の決定を含む。)である(詳細は後述)。音、ランプ制御処理は、スピーカ908L、908Rからの音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯などを制御する処理である(詳細は後述)。演出用乱数更新処理は、演出制御に用いる演出用乱数値をソフトウェアにより更新する処理である。演出制御用CPU90120は、演出制御コマンド解析等処理、音、ランプ制御処理を実行することで、共通モジュール90120Aとして動作し、演出制御プロセス処理を実行することで、演出実行指示部90120Bとして動作する。
(演出制御コマンド解析等処理)
演出制御用CPU90120は、演出制御コマンド解析等処理において、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板9012が受信した演出制御コマンド)を解析して(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。受信コマンドが複数の場合には、それぞれのコマンドについて演出制御コマンド解析等処理を行う。
図38に、演出制御コマンド解析等処理で特定された演出制御コマンドと、その演出制御コマンドについて行われる処理内容と、の関係を示す。なお、図中における各フラグ、各格納領域、コマンドバッファは、RAM90122に設けられる。また、フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。なお、各フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミング(対象のコマンドの受信確認等がそれ以降必要なくなったタイミング等)でリセットや消去するものとする。
解析により特定された演出制御コマンドが変動パターン指定コマンドである場合、演出制御用CPU90120は、例えば図39に示す変動パターン指定コマンド処理を実行する。当該処理にて演出制御用CPU90120は、今回受信した変動パターン指定コマンドのEXTデータに対して変換データがあるかを判定する(ステップS90751)。例えば、ROM90121に予め記憶された変換テーブルを参照して当該判定を行う。変換テーブルは、例えば、図40のように、各変動パターン指定コマンド(左欄の判定対象コマンド)に、変換後の変動パターン指定コマンド(変換無しであれば、変換無しのデータ)(右欄の変換データ)が割り当てられたテーブルとして構成される。
変換テーブルにおいて、今回受信した変動パターン指定コマンドに、変換無しのデータではなく変換後の変動パターン指定コマンドが割り当てられている場合、EXTデータに対して変換データがあることになるので(ステップS90751;Yes)、今回受信した変動パターン指定コマンドのEXTデータを、当該テーブルにおいて当該コマンドに割り当てられている変換後の変動パターン指定コマンドに置き換える。これにより、EXTデータが、変換後のデータとして変換テーブルにより指定されているEXTデータ(指定値)に変換される(ステップS90752)。この処理により、変換される変動パターンであるPA1´−2〜PA1´−3がPA1´−1に変換される。
ステップS90752のあと、又は、EXTデータに対して変換データが無い場合(今回受信した変動パターン指定コマンドに、変換無しのデータが割り当てられている場合)(ステップS90751;No)、変換後の変動パターン指定コマンド(PA1´−1)、又は、今回受信した変動パターン指定コマンドを、RAM90122に設けられた変動パターン指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90753)。このようにして、変換後のコマンドは、一旦記憶手段に保持される。
上記一連の処理により、変動パターン指定コマンドのうちの所定のコマンド(EXTデータが「01」、「02」の変動パターンPA1´−2、PA1´−3を指定するコマンド)が特定のコマンドとして扱われ、後述の画像系演出が実行されることになる。なお、変換テーブルは、EXTデータのみにより構成されてよい。具体的には、図40の判定対象コマンドの欄のデータを各コマンドのEXTデータのみとし(MODEデータは不要)、図40の右欄の変換データを、変換後のEXTデータ及び変換無しの旨のデータとしてもよい(MODEデータは不要)。
解析により特定された演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドである場合、デモ画像を表示する画像系演出であるデモ演出の実行指示を表示制御部90123に供給する。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、デモ演出を実行する(例えば、当該実行指示を受けてから30秒をカウントし、30秒経ったらデモ画像の映像信号を画像表示装置5に供給することを開始し、それによりデモ画像の表示を開始する)。
(演出制御プロセス処理)
演出制御プロセス処理(図41参照)では、演出制御用CPU90120は、保留表示画像制御処理(ステップS90169)を実行したあと、RAM90122に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、「0」である。)に応じて、以下のようなステップS90170〜S90175の処理のいずれかを選択して実行する。
(保留表示画像制御処理:ステップS90169)
演出制御用CPU90120は、始動入賞時コマンド(第1又は第2始動入賞指定コマンドと、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンド)を受信しているかを判定する。各コマンドの受信は、対応する受信フラグがオンになっているか否か、又は、対応するコマンド格納領域に当該コマンドが格納されているか否かにより行う。例えば、第1始動入賞指定コマンド受信フラグがオンのときには、第1始動入賞指定コマンドを受信したと判定できる。例えば、第1特図保留記憶数指定コマンド格納領域にコマンドが格納されているときには、第1特図保留記憶数指定コマンドを受信したと判定できる。このようなコマンドの受信の確認の方法は、他のコマンドの受信判定でも同様である。コマンドの受信が無い場合、本処理を終了する。
始動入賞時コマンドを受信している場合であって、第1始動入賞指定コマンドを受信している場合、第1保留表示画像の数を、当該変動開始時コマンドに含まれる第1特図保留記憶数指定コマンドが指定する保留記憶数と同じ数に更新する画像系演出の実行指示(第1保留画像を1つ増加させる指示)を表示制御部90123に供給する。始動入賞時コマンドを受信している場合であって、第2始動入賞指定コマンドを受信している場合、第2保留表示画像の数を、当該変動開始時コマンドに含まれる第2特図保留記憶数指定コマンドが指定する保留記憶数と同じ数に更新する画像系演出の実行指示(第2保留画像を1つ増加させる指示)を表示制御部90123に供給する。これにより、画像表示装置905の画面では、第1保留表示画像を1つ増える場合には、第1保留表示画像が右詰めで追加され、第2保留表示画像を1つ増える場合には、第2保留表示画像が右詰めで追加される。
(可変表示開始待ち処理:ステップS90170)
可変表示開始待ち処理は、RAM90122に設けられた演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。演出制御用CPU90120は、変動開始時コマンド(第1又は第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンド)を受信しているかを判定する。上記コマンドを受信していない場合、変動開始時コマンドの受信が未だ無いとして当該処理を終了する。上記コマンドを受信している場合、変動開始時コマンドを受信しているとして、飾り図柄の可変表示を開始すべく、演出プロセスフラグの値を「1」に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
(可変表示開始設定処理:ステップS90171)
可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。図42は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、今回の変動パターン(変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターン)及び今回の可変表示結果(表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドによって指定される可変表示結果)に基づいて、最終停止図柄(確定飾り図柄)を決定する(ステップS90321)。なお、最終停止図柄は、例えば、変動パターンと可変表示結果との組み合わせに応じて予め用意されており、抽選等により決定される(乱数値は、乱数回路90124又は演出用乱数更新処理で更新される演出用乱数値のいずれかを使用する)。例えば、今回の表示結果が「確変大当り」のときは、最終停止図柄を「3 3 3」、「5 5 5」、「7 7 7」のいずれかに決定する(決定割合は、任意でよい(例えば均等))。
ステップS90321のあとは、画像系演出の実行の有無や、実行する画像系演出の態様等を決定する(ステップS90322)。具体的には、ROM90121に予め用意された各種テーブルと、演出用乱数値のうちの任意の乱数値と、を用いた抽選により、予告演出等の各種演出の実行の有無やその態様等を決定する。このとき、表示結果や変動パターン等に応じて異なるテーブルを参照することにより、予告演出等の実行の有無やその態様に応じて大当り期待度(スーパーリーチの実行期待度等も含む)を異ならせる。また、今回の変動パターンがリーチを指定するものである場合には、その変動パターンが指定するリーチ演出(最終停止図柄を構成する飾り図柄でリーチを成立させたときのリーチ演出)を実行すると決定する。なお、同じノーマルリーチやスーパーリーチA〜Cそれぞれをカテゴリとし、各カテゴリについて複数種類の詳細なリーチ演出を用意してもよい。この場合、今回の変動パターンが指定するリーチ演出に基づいて、実際に実行するリーチ演出を抽選等により決定する。例えば、スーパーリーチAについて、スーパーリーチA1、A2、A3を用意し、今回の変動パターンがスーパーリーチAを指定するものである場合、抽選により、スーパーリーチA1、A2、A3のいずれかを今回実行するリーチ演出に決定する(決定割合は、任意(例えば、均等でもよいし、大当り期待度を異ならせてもよい))。
その後、演出制御用CPU90120は、ステップS90322で実行すると決定した画像系演出の開始タイミング(実行する演出と変動パターンとの関係で予め決められている)を設定する(ステップS90323)。具体的には、実行すると決定した画像系演出の種類や態様等を特定する演出特定データと、当該画像系演出の実行開始タイミングを示す実行タイミング特定タイマ値(演出制御プロセスタイマ(RAM90122に設けられ、各種の経過時間を計測するためのタイマ)でカウントされるタイマ値。実行する画像系演出と変動パターンとの関係で予め設定されており、ROM90121に用意されている。)と、を、対応付けてRAM90122のタイマ値格納領域に格納する。演出制御用CPU90120は、実行すると決定した画像系演出が複数有る場合には、各画像系演出について、演出特定データと実行タイミング特定タイマ値とをタイマ値格納領域に格納する。
その後、演出制御用CPU90120は、今回の変動パターンが指定する態様かつ上記で決定した最終停止図柄を導出する飾り図柄の可変表示(画像系演出)の実行指示(実行開始の指示)を表示制御部90123に供給する(ステップS90324)。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、飾り図柄の可変表示を開始させる(これ以降、表示制御部90123は、演出制御用CPU90120とは、別個に飾り図柄の可変表示を実行する)。なお、このときには、演出制御用CPU90120は、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に応じたタイマ値を、演出制御プロセスタイマに初期値として設定する。
そして、今回第1変動開始指定コマンドを受信している場合、第1保留表示画像の数を、当該変動開始時コマンドに含まれる第1特図保留記憶数指定コマンドが指定する保留記憶数と同じ数に更新する画像系演出の実行指示(第1保留画像を1つ減らす指示)を表示制御部90123に供給し、今回第2変動開始指定コマンドを受信している場合、第2保留表示画像の数を、当該変動開始時コマンドに含まれる第2特図保留記憶数指定コマンドが指定する保留記憶数と同じ数に更新する画像系演出の実行指示(第2保留画像を1つ減らす指示)を表示制御部90123に供給する(ステップS90325)。これにより、画像表示装置905の画面では、第1保留表示画像を1つ減らす場合には、最も右の第1保留表示画像が消去され、他の第1保留表示画像が右に1つずつシフトし、第2保留表示画像を1つ減らす場合には、最も左の第2保留表示画像が消去され、他の第2保留表示画像が左に1つずつシフトする。
その後、演出プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS90326)、可変表示開始設定処理を終了する。
(可変表示中処理:ステップS90172)
可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。図43は、可変表示中処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示中処理において、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、減じたあとのタイマ値が0であるか否かを判定することで、今回の変動パターンに対応した特図変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS90551)。
タイマ値が0でない場合、つまり、可変表示時間が経過していない場合(ステップS90551;No)、現在が、ステップS90323で設定した画像系演出(今回の可変表示で実行すると決定した演出)の開始タイミングであるかを判定する(ステップS90552)。ここでは、当該判定を、上記のタイマ値格納領域に格納された実行タイミング特定タイマ値が、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致するか判定することにより行う。
上記のタイマ値格納領域に、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致する実行タイミング特定タイマ値が格納されている場合には、対応する画像系演出の開始タイミングであるので(ステップS90552;Yes)、当該タイマ値に対応して当該タイマ値格納領域に格納されている演出特定データが特定する画像系演出の実行指示(実行の開始の指示)を表示制御部90123(ステップS90553)に供給する。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、演出特定データが特定する画像系演出を開始させる(これ以降、表示制御部90123は、演出制御用CPU90120とは、別個に当該画像系演出を実行する)。なお、表示制御部90123は、複数の画像系演出を並行して行うことも可能であるが、各画像系演出を異なるレイヤーで別個に実行することで、演出の実行に関する処理負担が減る。
演出の実行開始タイミングでない場合(ステップS90551;No)、ステップS90553のあとは、可変表示中処理を終了する。
ステップS90551において、タイマ値が0である場合、つまり、可変表示時間が経過した場合(ステップS90551;Yes)、主基板9011からの図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90571)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS90571;No)、可変表示中処理を終了する。
図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS90571;Yes)、最終停止図柄の導出タイミングとなったので、表示制御部90123に最終停止図柄(確定飾り図柄)の導出を指示する(ステップS90572)。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、画像表示装置905の画面上にて飾り図柄の可変表示を終了させて確定飾り図柄(可変表示結果)を導出させる。その後、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマに設定する(ステップS90573)。演出プロセスフラグの値を 「3」に更新し(ステップS90576)、可変表示中処理を終了する。
(特図当り待ち処理:ステップS90173)
特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から当り開始指定コマンドを受信しているかを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信している場合には、「大当り」が発生したことになるので、大当り中演出(ファンファーレを含む。)の実行指示(実行開始の指示)を表示制御部90123に供給する。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、ファンファーレを含む大当り中演出(画像系演出)を開始させる(これ以降、表示制御部90123は、演出制御用CPU90120とは、別個に当該大当り中演出を実行する)。そして、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、特図当り待ち処理を終了する。
一方で、当り開始指定コマンドの受信がまだないと判定した場合には、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新し、本処理を終了する。
(当り中処理:ステップS90174)
当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。当り中処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、本処理を終了する。当り終了指定コマンドを受信している場合、エンディングの実行指示(実行開始の指示)を表示制御部90123に供給する。表示制御部90123は、当該実行指示を受け、エンディング(画像系演出)を開始させる(これ以降、表示制御部90123は、演出制御用CPU90120とは、別個に当該エンディングを実行する)。また、エンディングの演出実行時間(エンディング待ち時間)に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマに設定し、演出プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
(エンディング処理:ステップS90175)
エンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。エンディング処理において、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値が「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合には、本処理を終了する。タイマ値が「0」のときは、演出プロセスフラグの値を初期値である「0」に更新し、本処理を終了する。
(その他)
なお、上記一連の処理(ステップS90170〜S90175)において、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新するときには、1回の可変表示等が終了したことになるので、演出制御プロセスタイマや、各種フラグの状態やカウンタの値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(音、ランプ制御処理)
演出制御用CPU90120は、受信した演出制御コマンド(演出制御コマンド解析等処理により解析、特定されたコマンド)、又は、表示制御部90123から供給される指示(画像系演出と同期した音声出力の指示、画像系演出と同期した遊技効果ランプ909の点灯/消灯の指示)に基づいて、音声制御基板9013を介してスピーカ908L、908Rから音声を出力させたり、ランプ制御基板9014を介して遊技効果ランプ909を駆動して点灯/消灯させたりする。演出制御コマンドに基づく音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯としては、例えば、図柄確定指定コマンドや始動入賞指定コマンドを受信したときに、遊技効果ランプ909を点灯させる。以上のようにして、音、ランプ制御処理にて、音声出力や遊技効果ランプ909の点灯/消灯が制御される。
(コマンドの変換について)
次に変動パターン指定コマンドの取り扱いを、図44を参照して説明する。変動パターン指定コマンドは、主基板9011から変動開始時に送信され、共通モジュール90120Aにより受信される。共通モジュール90120Aでは、受信した変動パターン指定コマンドのEXTデータが「01」又は「02」であれば、これらデータを「00」に変換する(「01」、「02」以外はコマンドの変換無し)。これにより、変動パターンPA1´−2、PA1´−3を指定する変動パターン指定コマンドは、変動パターンPA1´−1に変換される。変換無しの変動パターン指定コマンド(「8100」、「8103」〜「810A」)は、そのまま演出実行指示部90120Bに供給され、無変換なまま演出実行指示部90120Bに使用される(当該変動パターン指定コマンドに基づいて飾り図柄の可変表示等の実行指示が表示制御部90123に対してなされる)。一方、変換有りの変動パターン指定コマンド(「8101」〜「8102」)は、変換後の変動パターン指定コマンド(「8100」)として演出実行指示部90120Bに供給されて使用される(当該変動パターン指定コマンド「8100」に基づいて飾り図柄の可変表示等の実行指示が表示制御部90123に対してなされる)。このように、この実施の形態では、演出制御基板9012側で、所定のコマンド(「8101」〜「8102」)が、特定のコマンドとして扱われ、演出を実行するための処理が実行される。なお、この実施の形態では、上記特定のコマンドに基づいて実行され得る演出は、変換の有無に関わらず同じである。つまり、上記特定のコマンドは、変換の有無にかかわらず同じ扱いを受ける。
(実施形態上の効果等)
パチンコ遊技機901の開発では、主基板9011が出力する変動パターン指定コマンド(EXTデータで特定される変動パターンでもある。)を予め多めに用意する場合があり(後で追加すると変動パターンを決定するときのテーブルが煩雑になるため)、その結果、演出制御基板9012が実行可能な飾り図柄の可変表示のパターンに対して変動パターン指定コマンドが余ることがある(実際に使用される変動パターンに対してコマンドが余ることがある)。余った変動パターン指定コマンドは、使用できないため(実行する演出がないため)、当該コマンドに対して演出制御基板9012は動作できない。つまり、演出制御基板9012は、好適に動作できないことがある。この実施の形態では、演出制御基板9012が、当該余った変動パターン指定コマンド(「8101」〜「8102」)を他の変動パターン指定コマンド(「8100」)として扱って、「8100」を受信したときと同じように演出(画像系演出)の実行決定を実行決定した演出を実行するので、余ったコマンドに対して演出制御基板9012が動作できないなどの不都合が生じず、演出制御基板9012(特に、演出制御用CPU90120)は、好適に動作できる。
なお、余ったコマンドを削除することが考えられるが、当該削除に伴って、変動パターンを選択するためのテーブルの調整作業が繁雑になるので、コマンドの削除はなるべく行いたくない(開発費の増大につながる)。また、余ったコマンドを使用しないことが考えられるが、このような場合、主基板9011(遊技制御用マイクロコンピュータ90100)の動作チェックを第3者が行うときに、当該第3者にとっては当該余ったコマンドの役割が不明であるので、当該第3者による動作チェックが順調に進まないという不都合が生じる。この実施の形態では、余った変動パターン指定コマンド(「8101」〜「8102」)を他の変動パターン指定コマンド(「8100」)として扱うので、コマンドの削除や不使用を避けることができる。つまり、パチンコ遊技機901の構成は、開発費の増大や動作チェック時に生じ得る不都合を解消できるという優れた効果も奏する。
また、上記実施の形態のように、変換後のコマンドになり得る変動パターン指定コマンド「8100」が「8101」又は「8102」から変換されたものであるか否かの区別無く同じ処理が実行されることで、同じ種類の画像系演出(リーチ演出、予告演出、飾り図柄の可変表示)を同じ割合で実行することで、演出制御基板9012を好適に動作させることができる。
また、変換対象及び変換後のコマンドである変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」は、図36(A)に示すように、同じテーブルを参照した抽選により出力されるコマンドであるので、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」の使用のされ方、互いの関係等を容易に把握できる。
また、上記実施の形態のように、変動パターンPA1´−1の決定割合(変動パターン指定コマンド「8100」が出力される割合)は、変動パターンPA1´−1を決定するための抽選、又は、当該抽選を含む全ての抽選(例えば、同じ処理において異なるテーブルを参照する抽選全てであってもよいし、他の処理を含む全ての抽選(例えば、同じハードウェアにより行われる抽選)であってもよい)において最も高く(例えば、図35〜図36において、変動パターンPA1´−1の決定割合は、他のいずれの変動パターンの決定割合よりも高い)、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3の決定割合(変動パターン指定コマンド「8101」又は「8102」が出力される割合)は、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3を決定するための抽選、又は、当該抽選を含む全ての抽選(例えば、同じ処理において異なるテーブルを参照する抽選全てであってもよいし、他の処理を含む全ての抽選(例えば、同じハードウェアにより行われる抽選)であってもよい)において最も低く(例えば、図35〜図36において、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3の決定割合は、他のいずれの変動パターンの決定割合よりも低い)してもよく、これにより、変動パターン指定コマンド「8101」又は「8102」が送信される割合を低くすることができ、例えば、「8101」又は「8102」を「8100」に変換できない誤動作等を極力抑えることができる。また、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を決定割合が高い「8100」として扱うことで、抽選における決定割合の調整を容易にすることができる。
なお、変動パターンPA1´−1の決定割合を、変動パターンPA1´−1を決定するための抽選、又は、当該抽選を含む全ての抽選において最も高くすることと、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3の決定割合を、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3を決定するための抽選、又は、当該抽選を含む全ての抽選において最も低くすることのいずれか一方のみを満たすようにパチンコ遊技機901を構成してもよい。
なお、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3の決定割合をある程度高くしてもよい。例えば、これらの各決定割合を、変動パターンPA1´−2〜PA1´−3を決定するための抽選、又は、当該抽選を含む全ての抽選(例えば、同じ処理において異なるテーブルを参照する抽選全てであってもよいし、他の処理を含む全ての抽選(例えば、同じハードウェアにより行われる抽選)であってもよい)において最も低いものでないようにしてもよい。これにより、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」がある程度の頻度で使用されるので、上記第3者による動作チェックを容易化することできる。
また、上記実施の形態のように、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を、異なるテーブルを用いた抽選それぞれで個別に出力されないコマンドである(例えば、図35〜図36参照)ようにしてもよく、これにより、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」の使用のされ方、互いの関係等を容易に把握できる。
また、上記実施形態のように、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」は、変動パターン指定コマンド全体の通番(上記実施形態では、各変動パターンに付された通番により特定できる)又は変動パターン指定コマンドが示す値(例えば、EXTデータの値)が所定範囲内(近い範囲内(特に連番))にあるか、同じカテゴリ(上記実施の形態では、非リーチ)の変動パターンを指定するグループに属している(例えば、図34参照)ようにしてもよく、これにより、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」の使用のされ方、互いの関係等を容易に把握できる。所定範囲は、例えば、2つの変動パターン指定コマンドの通番又はEXTデータの値が「10」以内などの近い範囲であればよい。カテゴリは、例えば、リーチか非リーチか、ノーマルリーチかスーパーリーチか、ハズレ時の変動パターンであるか大当り時の変動パターンであるか、などの少なくとも1つの条件により仕分けされたものであれよい(例えば、ハズレ時のノーマルリーチ、ハズレ時のスーパーリーチ、大当り時のノーマルリーチ、大当り時のスーパーリーチなどでカテゴリを構成してもよい。その他、疑似連があるか否かなどでカテゴリを構成してもよい)。
また、変動パターン指定コマンドについて、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うので、良く使用されるコマンドについて演出制御基板9012を好適に動作させることができる。
また、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」に変換することで、コマンドの扱いの処理を容易化でき、演出制御基板9012を好適に動作させることができる。さらに、変換後の「8100」を記憶手段(変動パターン指定コマンド格納領域)に格納(保持)するので、「8101」〜「8102」を精度良く「8100」として扱えることができる(特に、変動パターン指定コマンドを複数回参照する場合に、その都度コマンドを変換した場合における、処理負担の増加、変換ミス、参照ミスを抑制できる)。また、「8100」〜「8102」について同じ特図変動時間が設定されているので、「8101」〜「8102」についてコマンドの変換があっても、特図ゲームの実行に同期した飾り図柄の可変表示やその他の演出を好適に違和感なく実行できる。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、上記実施の形態などについて様々な変形及び応用が可能である。以下に上記実施の形態の変形例を例示するが、各変形例の少なくとも一部は矛盾が生じない限り組み合わせることができる。なお、上記実施の形態の構成や下記変形例の構成は、上記「発明が解決しようとする課題」等に係る構成であるか否かに関わらず、どの構成であっても省略できる(その場合には、別の発明となりうる)。
(変形例1)
変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する部分(共通モジュール90120AがステップS90751〜S90752を実行する部分)を主基板9011に設けてもよい。この場合、例えば、CPU90103は、変動パターンを抽選により決定して変動パターン指定コマンドを生成する(RAM90102に出力することになる)。そして、CPU90103は、ステップS90704と同様の処理を行い、変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を変動パターン「8100」に変換する。
また、共通モジュール90120Aを、主基板9011や演出制御基板9012とは別の基板、又は、演出制御基板9012に設けられるが演出制御用CPU90120とは別のプロセッサなどにより実現するようにしてもよい。
(変形例2)
変動パターン指定コマンド「8100」〜「8102」を共通の他の変動パターン指定コマンド(主基板9011から出力され得る「8100」〜「810A」のいずれでもないコマンド)に変換してもよい。この場合、演出制御基板9012は、変動パターン指定コマンド「8100」に基づく処理と同様の処理を、前記他の変動パターン指定コマンドに基づいて行うとよい。
(変形例3)
演出制御基板9012は、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」に変換せずに、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」の受信時に、変動パターン指定コマンド「8100」と同じ処理を行ってもよい。このようにして、変動パターン指定コマンド「8101」〜「8102」を「8100」として扱ってもよい。
(変形例4)
あるコマンドを他の特定のコマンドとして扱うコマンドの種類は、変動パターン指定コマンドに限られない。例えば、可変表示結果が多数有る場合(大当り種別が多いなど)、このコマンドは、表示結果指定コマンドであってもよい。
(変形例5)
演出の実行等の決定をする演出制御用CPU90120(演出の実行等の決定を行う部分は、DSPなどの他のプロセッサにより実現されてもよい。)から表示制御部90123にコマンド(演出実行を指定するコマンド)を出力することで、表示制御部90123に演出を実行させてもよい。この場合、演出制御用CPU90120からのコマンドについて、あるコマンドを他の特定のコマンドとして扱うようにしてもよい(例えば、表示制御部90123がコマンド変換等を行う)。
例えば、保留ないし実行中の特図ゲームのうちの少なくとも保留に対応する対応画像(保留表示画像やアクティブ表示画像(実行中の特図ゲームに対応する画像)のうちの少なくとも保留表示画像)の表示態様を複数回の特図ゲームに渡って変化させる変化演出を実行可能とする。当該変化演出は、先読み予告演出の一種であり、主基板9011にて行われる先読み判定(始動入賞時に、当該始動入賞により保留された特図ゲームについて、可変表示結果が「大当り」であるか、変動パターンが「スーパーリーチ」を指定したものであるかなどを判定(予測)すること)の判定結果に基づいて実行される。この場合、演出制御用CPU90120は、当該判定結果(判定結果を指定する演出制御コマンドが主基板9011から送信される)に基づいて、変化演出の実行パターン(保留表示画像の表示態様の変遷)を抽選等により一括で決定する。そして、決定した実行パターンを指定するコマンドを表示制御部90123に出力し、当該実行パターンでの変化演出を表示制御部90123に実行させる。このようなコマンドについて、あるコマンドを他の特定のコマンドとして扱うようにしてもよい。
例えば、図45のような実行パターン(例えば、第2保留表示画像についての変化パターンであり、第2保留表示画像がすでに3つあるときのパターン)を用意し、実行パターンSP1´−2〜SP1´−3をそれぞれ指定するコマンドB5001〜B5002を、表示制御部90123で、実行パターンSP1´−1を指定するコマンドB5000に変換し、変化演出を実行する。なお、図45の内容の部分は、ターゲットの特図ゲーム(変化演出で変化させる第2保留表示画像に対応する特図ゲーム)よりも前に実行される特図ゲームごとの第2保留表示画像の表示態様の変遷を示す。具体的には、一番左がターゲットの3つ前の特図ゲームでの表示態様、真ん中がターゲットの2つ前の特図ゲームでの表示態様、一番右がターゲットの1つ前の特図ゲームでの表示態様を示す。例えば、SP1´−6では、ターゲットの第2保留表示画像は、3つ前の特図ゲームでは通常(変化演出で変化させないときの表示態様)のままであり、2つ前の特図ゲームでは通常から特殊1(ターゲットの大当り期待度が「中」の態様)に変化し、1つ前の特図ゲームでは特殊1から特殊2(ターゲットの大当り期待度が「高」の態様)に変化する(なお、図45では、アクティブ表示画像は対象外となっている)。
このように、あるコマンドを他の特定のコマンドとして扱うコマンドは、先読み予告演出の実行に使用されるコマンドであってもよい。先読み予告演出は、保留表示画像を変化させるものの他、確定飾り図柄としてチャンス目等を導出するもの、1回の可変表示にて保留表示画像やアクティブ表示画像を複数回変化させるものであってもよい。先読み予告演出の実行に使用されるコマンドは、先読み判定の結果を示すコマンド等であってもよい。
先読み予告演出の実行に使用されるコマンドについて、複数のコマンドを同じコマンドとして扱うので、良く使用されるコマンドについて表示制御部90123を好適に動作させることができる。また、上記実施の形態等の構成(抽選の決定割合の関係等)を適宜採用してもよい。
(変形例6)
あるコマンドを他の特定のコマンドとして扱うコマンドは、演出制御基板9012から他の演出制御基板に送信されるものであってもよい。また、例えば、主基板9011から払出制御基板等に出力されるコマンド(例えば、賞球の数を示すコマンド)であってもよい。
(変形例7)
識別情報(特図、飾り図柄、普図など)の可変表示(単に可変表示であってもよい。)は、識別情報が点滅することも含む。例えば、特図や普図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すもの識別情報の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、飾り図柄や普通図柄についても、点滅させることによって、可変表示を行ってもよい。また、可変表示にて可変表示される識別情報と、可変表示結果としての識別情報とは、異なるものであってもよい。例えば、特図又は普図の可変表示として、横棒一本の表示(「−」)を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の表示(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を導出表示することも識別情報の可変表示に含まれる。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。なお、1回の可変表示において、当初の所定期間では表示されなかった識別情報が所定期間経過後表示される態様も識別情報の可変表示に含まれる(上記特殊図柄は、最終停止図柄の仮停止時などに初めて登場する飾り図柄であってもよい。)。上記遊技機は、例えば可変表示を行うものであればよい。
(変形例8)
先読み判定は、演出制御基板9012側で行っても良い。例えば、始動入賞時の各乱数値を示すコマンドを始動入賞時に主基板9011から演出制御基板9012に送信し、演出制御基板9012において先読み判定を行ってもよい。
(変形例9)
上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて当該大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
(変形例10)
この発明は、スロットマシンにおける複数の制御手段間、遊技球を封入した封入式のパチンコ遊技機における複数の制御手段間にも適用可能である。
(変形例11)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(その他)
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。