JP2019122190A - ロータ、モータおよびロータの製造方法 - Google Patents

ロータ、モータおよびロータの製造方法 Download PDF

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Takenori Kawashima
丈典 川島
吉田 洋
Hiroshi Yoshida
洋 吉田
彰利 前野
Akitoshi Maeno
彰利 前野
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Abstract

【課題】磁束漏れを抑制しつつ、マグネット及び磁極部の回転時の位置ずれを防止する。【解決手段】モータに用いられるロータ32であって、シャフトを支持するシャフト支持部513と、シャフト支持部を周方向に沿って囲む複数のマグネット52と、周方向に沿って、マグネットと交互に配列され、シャフト支持部を周方向に沿って囲む複数の磁極部511と、複数の磁極部を覆う樹脂部53と、を有する。樹脂部は、複数のマグネットの上面および複数の磁極部の上面を覆う上樹脂部531と、複数のマグネットの下面および複数の磁極部の下面を覆う下樹脂部と、を有し、径方向において、複数のマグネットおよび複数の磁極部と、シャフト支持部との間に、空間が介在し、上樹脂部および下樹脂部の少なくとも一方は、複数のマグネットと、シャフト支持部との間の空間と、軸方向において重なる位置に設けられた、複数の開口531Aを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、ロータ、モータおよびロータの製造方法に関する。
従来、樹脂モールドにより一体成型されたロータ(回転子)が知られている。従来のロータについては、例えば、特開平7−312852号公報に記載される。特開平7−312852号公報に記載の回転子は、円周方向に等間隔に永久磁石が配列され、その永久磁石の間に、扇形のヨーク部が設けられる。そして、永久磁石を介して隣り合うヨーク部同士は、つなぎ部により結合される。つなぎ部は、永久磁石の径方向内側に配置される。
特開平7−312852号公報
特開平7−312852号公報に記載の回転子では、つなぎ部により、ヨーク部同士を繋ぎつつ、永久磁石の径方向の位置決めが行われる。しかしながら、ヨーク部がつなぎ部により結合することで、つなぎ部を介して磁束漏れが生じ、モータトルクが低減するおそれがある。
本発明の目的は、磁束漏れを抑制しつつ、マグネットおよび磁極部が回転時の位置ずれ防止する、ロータ、モータおよびロータの製造方法を提供することである。
本願発明は、モータに用いられるロータであって、上下に延びる中心軸を周方向に沿って囲む円環状であって、中心軸に沿って配置されるシャフトを支持するシャフト支持部と、周方向に配列され、前記シャフト支持部を周方向に沿って囲む複数のマグネットと、周方向に沿って、前記マグネットと交互に配列され、前記シャフト支持部を周方向に沿って囲む複数の磁極部と、複数の前記マグネット、および、複数の前記磁極部を覆う樹脂部と、を有し、前記樹脂部は、複数の前記マグネットの上面および複数の前記磁極部の上面を覆う上樹脂部と、複数の前記マグネットの下面および複数の前記磁極部の下面を覆う下樹脂部と、を有し、径方向において、複数の前記マグネットおよび複数の前記磁極部と、前記シャフト支持部との間に、空間が介在し、前記上樹脂部および前記下樹脂部の少なくとも一方は、複数の前記マグネットと、前記シャフト支持部との間の空間と、軸方向において重なる位置に設けられた、複数の開口を有する。
本願発明によれば、マグネットおよび磁極部を樹脂で覆うことで、マグネットおよび磁極部の位置が回転時にずれるのを防止できる。特に、磁極部の径方向内側の面と、シャフト支持部との間に空間が介在している。このため、磁束漏れを低減することができる。また、マグネットとシャフト支持部間に空間ができるため、樹脂使用量を減らすことができる。
図1は、本発明の実施形態に係るモータの縦断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係るロータの斜視図である。 図3は、図2のIII-III線における断面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る樹脂部を省略したロータの斜視図である。 図5は、本発明の実施形態に係るロータの製造手順を示すフローチャートである。 図6は、本発明の実施形態に係るロータの製造時の様子を示す縦断面図である。 図7は、本発明の別の実施形態に係るロータの斜視図である。 図8は、本発明の別の実施形態に係るロータの平面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本願では、ロータの中心軸と平行な方向を「軸方向」、ロータの中心軸に直交する方向を「径方向」、ロータの中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。また、本願では、軸方向を上下方向として、各部の形状や位置関係を説明する。ただし、この上下方向の定義により、本発明に係るロータおよびモータの使用時および製造時の向きを限定する意図はない。
また、本願において「平行な方向」とは、略平行な方向も含む。また、本願において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
<1.モータについて>
図1は、本発明の実施形態に係るモータ1の縦断面図である。
モータ1は、いわゆるインナロータ型のモータである。モータ1は、静止部2と、回転部3と、を有する。静止部2は、駆動対象となる機器の枠体に固定される。回転部3は、静止部2に対して、回転可能に支持される。
静止部2は、ハウジング21、蓋部22、ステータ23、下軸受部24、および上軸受部25を有する。
ハウジング21は、上下に延びる中心軸9を囲う、略円筒状であって、下部が閉じられ、上部が開口する。蓋部22は、そのハウジング21の開口を覆う。ステータ23および後述するロータ32は、ハウジング21と蓋部22とに囲まれた内部空間に、収容される。
ステータ23は、後述するロータ32の径方向外側に、配置される。ステータ23は、ステータコア41、インシュレータ42、およびコイル43を有する。ステータコア41は、電磁鋼板が軸方向に積層された積層鋼板からなる。ステータコア41は、中心軸9と略同軸に配置され、後述するロータ32の径方向外側に配置される。また、ステータコア41の外周面は、ハウジング21の側壁の内周面に、固定される。
インシュレータ42は、絶縁体である樹脂からなる。インシュレータ42は、ステータコア41の一部を覆う。コイル43は、ステータコア41に、インシュレータ42を介して設けられる巻き線である。インシュレータ42は、ステータコア41とコイル43との間に介在することによって、ステータコア41とコイル43とが電気的に短絡することを、防止する。
なお、インシュレータ42に代えて、ステータコア41の表面に、絶縁塗装が施されていてもよい。
下軸受部24は、ハウジング21の底部中央に設けられる。また、上軸受部25は、蓋部22の中央に設けられる。下軸受部24および上軸受部25には、例えば、ボールベアリングが、使用される。ただし、ボールベアリングに代えて、すべり軸受や流体軸受等の他方式の軸受が、使用されてもよい。下軸受部24と、上軸受部25とは、軸方向において重なる位置に配置される。そして、下軸受部24と、上軸受部25とは、中心軸9に沿って延びるシャフト31を回転可能に支持する。
静止部2のコイル43に駆動電流を与えると、コイル43から磁束が発生する。そして、コイル43と、後述のロータ32との間の磁束の作用により、周方向のトルクが生じる。その結果、静止部2に対してロータ32が、中心軸9を中心として回転し、ロータ32と共にシャフト31が回転する。
回転部3は、シャフト31と、ロータ32と、を有する。
シャフト31は、中心軸9に沿って延びる柱状の部材である。シャフト31の材料には、例えばステンレスが使用される。シャフト31は、上述した下軸受部24および上軸受部25に支持されつつ、中心軸9を中心として回転する。シャフト31は、ロータ32の回転に伴い、ロータ32と共に回転する。
<2.ロータについて>
図2は、本発明の実施形態に係るロータ32の斜視図である。図3は、図2のIII-III線における断面図である。図4は、本発明の実施形態に係る樹脂部53を省略したロータ32の斜視図である。なお、図2、図3および図4では、シャフト31の図示は省略する。
ロータ32は、ステータ23の径方向内側に配置される。ロータ32は、シャフト31とともに回転する。ロータ32は、積層コア51、複数のマグネット52、および樹脂部53を有する。
積層コア51は、複数の磁極部511と、複数の繋ぎ部512と、一対のシャフト支持部513とを有する。積層コア51は、複数の電磁鋼板510が、軸方向に積層された積層鋼板である。つまり、複数の磁極部511、複数の繋ぎ部512、および、一対のシャフト支持部513は、複数の電磁鋼板510が、軸方向に積層されてなる。積層鋼板を使用すれば、積層コア51内に生じる渦電流を、抑制できる。したがって、積層コア51に効率よく磁束を流すことができる。
一対のシャフト支持部513は、中心軸9を周方向に沿って囲む円環状であって、軸方向に離れて配置される。そして、一対のシャフト支持部513は、中心軸9に沿って配置されるシャフト31を支持する。シャフト31は、シャフト支持部513の内側に、圧入される。
一対のシャフト支持部513の一方は、積層鋼板の上面となる上面鋼板に形成される。また、一対のシャフト支持部513の他方は、積層鋼板の下面となる下面鋼板に形成される。この場合において、一対のシャフト支持部513それぞれは、複数の電磁鋼板510の少なくとも一つに形成されていればよい。つまり、一対のシャフト支持部513それぞれは、一層の鋼板にのみ形成されてもよいし、複数層の鋼板にわたって形成されてもよい。
複数の磁極部511は、それぞれ、軸方向に視て扇形状である。複数の磁極部511は、周方向に沿って等間隔に配列される。すなわち、複数の磁極部511は、シャフト支持部513を周方向に沿って囲む。複数の磁極部511それぞれには、図4に示すように、軸方向に貫通した貫通孔511Aが設けられる。この貫通孔511Aには、樹脂が充填される。貫通孔511A内の樹脂により、後述の上樹脂部531と、下樹脂部532とを繋ぐ柱状部535が構成される。複数の磁極部511それぞれは、軸方向の長さが、径方向に対向するステータコア41よりも長い。つまり、磁極部511の上面は、軸方向において、ステータコア41よりも上方に位置する。また、磁極部511の下面は、軸方向において、ステータコア41よりも下方に位置する。
複数の繋ぎ部512は、径方向に延び、シャフト支持部513と、複数の磁極部511それぞれとを繋ぐ。周方向に隣り合う繋ぎ部512の間には、空間514を有する。繋ぎ部512同士は直接接続されていない。このため、磁極部511間での磁束漏れを低減できる。また、周方向において、繋ぎ部512の周方向の幅は、磁極部511の径方向内側の端面の幅よりも、狭い。これにより、複数の磁極部511それぞれと、シャフト支持部513との接続領域を小さくして、繋ぎ部512を介した磁束の漏れを軽減できる。
複数の繋ぎ部512は、積層鋼板の上面となる上面鋼板と、積層鋼板の下面となる下面鋼板とに形成される。つまり、複数の繋ぎ部512と、シャフト支持部513とは、同じ電磁鋼板510に形成される。また、複数の繋ぎ部512は、シャフト支持部513と同様、複数の電磁鋼板510の少なくとも一つに形成されていればよい。つまり、複数の繋ぎ部512は、一層の鋼板にのみ形成されてもよいし、複数層の鋼板にわたって形成されてもよい。
複数のマグネット52は、中心軸9の周囲において、周方向に略等間隔に配列されている。複数のマグネット52それぞれは、略直方体状である。複数のマグネット52は、周方向に配列され、シャフト支持部513を周方向に沿って囲む。各マグネット52は、周方向に隣り合う磁極部511の間に配置される。つまり、周方向に沿って、マグネット52と磁極部511とは、交互に配列される。径方向において、複数のマグネット52、および複数の磁極部511と、シャフト支持部513との間に、空間514が介在する。詳しくは、空間514は、マグネット52と、繋ぎ部512と、シャフト支持部513とで囲まれた空間である。
各マグネット52の周方向の両端面は、磁極面(N極またはS極)である。そして、各マグネット52からの磁束によって、磁極部511の径方向外側の面は、N極またはS極に磁化される。
複数のマグネット52それぞれの径方向内側の端面は、複数の磁極部511それぞれの径方向内側の端面よりも、径方向内側へ突出する。つまり、各マグネット52の径方向内側の端面は、空間514に位置する。この場合、マグネット52の径方向の長さを長くでき、マグネット52からの磁束が増加する。また、磁極部511の径方向内側の端面が、マグネット52の径方向内側の端面よりも、径方向内側へ突出する場合よりも、マグネット52から磁極部511へ入る磁束の量は、より多くなる。その結果、モータトルクが増加する。
複数のマグネット52それぞれの径方向外側の端面は、周方向に隣り合う磁極部511の径方向外側端部で保持される。磁極部511の径方向外側の両端部それぞれには、周方向に突出する爪部515および爪部516が設けられる。マグネット52の径方向外側の端面は、このマグネット52と周方向の一方側に隣接する磁極部511の爪部515と、周方向の他方側に隣接する磁極部511の爪部516とに接する。これにより、マグネット52は、径方向外側への位置ずれが防止される。
樹脂部53は、積層コア51およびマグネット52を覆う。樹脂部53は、上樹脂部531と、下樹脂部532と、内樹脂部533と、外樹脂部534と、を有する。
上樹脂部531は、複数のマグネット52の上面、および複数の磁極部511の上面を覆う。上樹脂部531は、軸方向に視て、略円形である。上樹脂部531には、軸方向に貫通する、複数の開口531Aと、複数の第1穴部531Bと、複数の第2穴部531Cとが設けられる。複数の開口531A、複数の第1穴部531B、および、複数の第2穴部531Cはそれぞれ、周方向に沿って配置される。
複数の開口531Aは、複数のマグネット52と、シャフト支持部513との間の空間514と、軸方向において重なる位置に設けられる。つまり、積層コア51およびマグネット52が樹脂部53で覆われても、空間514は、開口531Aを通じて、外部に連通する。そして、複数のマグネット52それぞれの径方向内側の面は、この開口531Aを介して、樹脂部53から露出する。後に詳述するが、開口531Aは、ロータ32の製造時において、樹脂部53を成型する際に、マグネット52の径方向の位置決めを行ったことにより、形成された箇所である。開口531Aおよび空間514を有することで、上樹脂部531の形成時の樹脂使用量を減らすことができる。
複数の第1穴部531B、および、複数の第2穴部531Cは、ロータ32の製造時において、磁極部511と、マグネット52とを金型内において位置決めした際に形成された穴である。詳しくは後述する。
下樹脂部532は、複数のマグネット52の下面、および複数の磁極部511の下面を覆う。下樹脂部532は、上樹脂部351と略同じ構成であるが、上樹脂部531の開口531Aに相当する開口を有さない。そして、下樹脂部532は、複数のマグネット52、および複数の磁極部511と、シャフト支持部513との間の空間514を覆う。この場合、下樹脂部532が開口を有する場合と比べ、シャフト支持部513と、磁極部511およびマグネット52との保持力をより強固にできる。また、上樹脂部531と、下樹脂部532とは、柱状部535で繋がれる。柱状部535は、磁極部511の貫通孔511Aに充填された樹脂で形成され、軸方向に延びる部位である。柱状部535により、上樹脂部531と、下樹脂部532との保持力を高め、磁極部511およびマグネット52の位置ずれを、より抑制できる。
内樹脂部533は、図2に示すように、複数のマグネット52それぞれについて、径方向内側の端面の周方向の両縁部を覆う。この内樹脂部533により、マグネット52の径方向内側への位置ずれを防止できる。
外樹脂部534は、複数のマグネット52の径方向外側の面、および複数の磁極部511の径方向外側の面を覆う。外樹脂部534は、径方向において、磁極部511と重なる位置に、矩形状の露出部534Aを有する。この露出部534Aは、複数の磁極部511それぞれの径方向外側の面が樹脂部53から露出する。
このように構成されたロータ32では、積層コア51およびマグネット52を、樹脂部53で覆うことで、マグネット52および磁極部511が回転する際の位置ずれを、防止できる。また、上記構成では、マグネット52および磁極部511と、シャフト支持部513との間に空間514が介在しているため、磁束漏れを低減できる。さらに、磁極部511と、シャフト支持部513とを繋ぐ繋ぎ部512は、積層コア51の上面と下面とに配置され、軸方向の中央付近には設けられていない。このため、繋ぎ部512が占める軸方向の範囲を少なくして、磁極部511間での磁束漏れを低減できる。
また、一方の繋ぎ部512は、ステータコア41の上面よりも軸方向上側に位置する。また、他方の繋ぎ部512は、ステータコア41の下面よりも軸方向下側に位置する。すなわち、繋ぎ部512は、ステータコア41と径方向に対向する位置には設けられていない。磁極部511とステータコア41とを流れる磁束は、磁極部511とステータコア41とが対向する位置において、最も流れやすい。一方、ステータコア41から離れた軸方向上側および軸方向下側の位置では、磁束が流れる量はやや減少する。このため、ステータコア41の上面よりも軸方向上側、または、ステータコア41の下面よりも軸方向下側に、繋ぎ部512が位置することで、繋ぎ部512により磁束漏れが起きて磁束量が低減することによる影響は低い。この結果、不要な磁束漏れが防止される。そして、モータトルクの低減が防止される。
<3.ロータの製造方法>
続いて、ロータ32の製造方法の一例について、説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るロータ32の製造手順を示すフローチャートである。図6は、本発明の実施形態に係るロータ32の製造時の様子を示す縦断面図である。
ロータ32を製造するときには、まず、一対の金型である上金型110および下金型120と、予め作製された積層コア51、および予め作製された複数のマグネット52を用意する(ステップS1)。一対の金型110、120は、互いの対向面を当接させることにより、それらの内部に、ロータ32の形状に対応する空洞130を形成するものが、使用される。また、図6に示すように、下金型120は、第1金型ピン121、および、複数の第2金型ピン122を有する。そして、上金型110は、複数の金型ピン111、および、不図示のゲートを有する。
次に、一対の金型110、120の内部に、積層コア51および複数のマグネット52を配置する(ステップS2)。ここでは、まず、下金型120の内部に、積層コア51および複数のマグネット52を配置する。そして、下金型120の上部を、上金型110で閉鎖する。これにより、金型110、120の内部に空洞130が形成され、当該空洞130に積層コア51および複数のマグネット52が配置された状態となる。
ステップS2では、複数の磁極部511と、複数のマグネット52とが、周方向に交互に配列される。また、図6に示すように、下金型120の第2金型ピン122は、磁極部511およびマグネット52の下面に突き当てられる。また、上金型110の金型ピン111は、磁極部511およびマグネット52の上面に突き当てられる。これにより、マグネット52が軸方向に位置決めされる。
また、下金型120の第1金型ピン121は、マグネット52と、シャフト支持部513との間に、配置され、マグネット52の径方向の内側端面に接触される。これにより、マグネット52が径方向に位置決めされる。第1金型ピン121が配置されていた部分は、成型後に開口531Aとなる。
続いて、金型110、120内の空洞130に、不図示のゲートから熱可塑性樹脂である溶融樹脂を流し込む(ステップS3)。ゲートから吐出された溶融樹脂は、積層コア51の上面に当たり、積層コア51および複数のマグネット52の上面に沿って、周囲に広がる。その後、溶融樹脂は、マグネット52の径方向外側、マグネット52および積層コア51の径方向内側、および貫通孔511A内の各空間を通って、積層コア51および複数のマグネット52の下面側へ流れる。これにより、金型110、120内の空洞130に、溶融樹脂が効率よく行き渡る。その結果、樹脂部53の各部が精度よく成型される。なお、溶融樹脂は、空間514の一部にも流れる。
金型110、120内の空洞130に溶融樹脂が行き渡ると、続いて、金型110、120内の溶融樹脂を、冷却して固化させる(ステップS4)。金型110、120内の溶融樹脂は、固化されることにより、樹脂部53となる。樹脂部53は、上樹脂部531、下樹脂部532、内樹脂部533、外樹脂部534、および柱状部535を有するように、成型される。また、溶融樹脂の固化とともに、積層コア51、マグネット52、および樹脂部53が、互いに固定される。
その後、一対の金型110、120を開き、金型110、120からロータ32を離型させる(ステップS5)。離型した後、複数の第2金型ピン112、および、第1金型ピン121の部分に、上記の第1穴部531Bおよび第2穴部531Cが形成される。
<4.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
図7は、本発明の別の実施形態に係るロータの斜視図である。図7の例では、外樹脂部534は、径方向において、複数のマグネット52と対向する位置に、軸方向に延びるスリット534Bを有する。つまり、複数のマグネット52は、スリット534Bから露出する。樹脂部53の成型時には、このスリット534Bに、金型の一部が配置される。この金型の一部により、樹脂部53の成型時に、マグネット52を位置決め固定できる。これにより、磁極部511に、周方向に突出させた、位置決め固定用の部位を設ける必要がなく、その位置決め固定用の部位を介する磁束漏れを低減できる。
上記の実施形態では、積層コア51は、シャフト支持部513と、複数の繋ぎ部512とを有するが、磁極部511のみを有する構成でもよい。図8は、本発明の別の実施形態に係るロータ32の平面図である。図8に示すように、径方向において、複数の磁極部511と、シャフト支持部513とは、繋ぎ部で接続されておらず、互いに独立する。この場合、複数の磁極部511とシャフト支持部513とは、例えば、樹脂部により連結される。この構成では、マグネットの径方向内側の面とシャフト支持部との間に空間が介在しているため、磁束漏れを低減することができる。また、周方向に配列されるマグネット52と、磁極部511とは、樹脂部53に覆われることで、位置ずれが防止される。
さらに、上記実施形態では、繋ぎ部512およびシャフト支持部513は、軸方向において、積層コア51の上面側と下面側とに配置されているが、これに限定されない。繋ぎ部512およびシャフト支持部513は、積層コア51の軸方向の中央付近に設けられていてもよい。また、上記実施形態では、磁極部511の数と、繋ぎ部512の数とは、同じであるが、異なっていてもよい。詳しくは、全ての磁極部511に対して、繋ぎ部512が繋がっていなくてもよい。さらに、繋ぎ部512およびシャフト支持部513は、樹脂で形成し、樹脂部53の一部としてもよい。
さらに、上記実施形態では、熱可塑性樹脂を一対の金型110、120内に流し込み、冷却して固化させているが、熱硬化性樹脂を用いてもよい。熱硬化性樹脂を用いた場合、図5のフローにおける、溶融樹脂を固化させる処理(ステップS4)は、熱を与えて固化させる方法となる。
以上、本発明の一実施形態および変形例について説明したが、それぞれに登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
本願は、ロータ、モータおよびロータの製造方法に利用できる。
1 :モータ
2 :静止部
3 :回転部
9 :中心軸
23 :ステータ
31 :シャフト
32 :ロータ
41 :ステータコア
42 :インシュレータ
43 :コイル
51 :積層コア
52 :マグネット
53 :樹脂部
351 :上樹脂部
510 :電磁鋼板
511 :磁極部
511A :貫通孔
512 :繋ぎ部
513 :シャフト支持部
514 :空間
531 :上樹脂部
531A :開口
532 :下樹脂部
533 :内樹脂部
534 :外樹脂部
534A :露出部
534B :スリット
535 :柱状部

Claims (14)

  1. モータに用いられるロータであって、
    上下に延びる中心軸を周方向に沿って囲む円環状であって、中心軸に沿って配置されるシャフトを支持するシャフト支持部と、
    周方向に配列され、前記シャフト支持部を周方向に沿って囲む複数のマグネットと、
    周方向に沿って、前記マグネットと交互に配列され、前記シャフト支持部を周方向に沿って囲む複数の磁極部と、
    複数の前記マグネット、および、複数の前記磁極部を覆う樹脂部と、
    を有し、
    前記樹脂部は、
    複数の前記マグネットの上面および複数の前記磁極部の上面を覆う上樹脂部と、
    複数の前記マグネットの下面および複数の前記磁極部の下面を覆う下樹脂部と、
    を有し、
    径方向において、複数の前記マグネットおよび複数の前記磁極部と、前記シャフト支持部との間に、空間が介在し、
    前記上樹脂部および前記下樹脂部の少なくとも一方は、
    複数の前記マグネットと、前記シャフト支持部との間の空間と、軸方向において重なる位置に設けられた、複数の開口を有する、
    ロータ。
  2. 請求項1に記載のロータであって、
    前記マグネットの径方向内側の面は、前記樹脂部から露出する、ロータ。
  3. 請求項2に記載のロータであって、
    前記樹脂部は、
    複数の前記マグネットそれぞれについて、径方向内側の端面の周方向の両縁部を覆う内樹脂部、
    を有する、ロータ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載のロータであって、
    前記磁極部は、軸方向に貫通した貫通孔を有し、
    前記樹脂部は、
    前記貫通孔内において軸方向に延び、前記上樹脂部と前記下樹脂部とを繋ぐ、柱状部、
    を有する、ロータ。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載のロータであって、
    前記上樹脂部および前記下樹脂部のいずれか一方は、
    複数の前記マグネット、および複数の前記磁極部と、前記シャフト支持部との間の空間を覆う、
    ロータ。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載のロータであって、
    前記樹脂部は、
    複数の前記マグネットの径方向外側の面および複数の前記磁極部の径方向外側の面を覆う外樹脂部、
    を有し、
    前記外樹脂部は、
    径方向において、複数の前記マグネットと対向する位置に、軸方向に延びるスリットを有する、
    ロータ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のロータであって、
    複数の前記マグネットそれぞれの径方向内側の端面は、複数の前記磁極部それぞれの径方向内側の端面よりも、径方向内側へ突出する、
    ロータ。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一つに記載のロータであって、
    前記シャフト支持部と、複数の前記磁極部それぞれとを繋ぐ、径方向に延びる複数の繋ぎ部、
    を備え、
    周方向に隣り合う前記繋ぎ部の間には、前記空間を有する、
    ロータ。
  9. 請求項8に記載のロータであって、
    複数の前記磁極部は、複数の鋼板が軸方向に積層された積層鋼板を有し、
    前記シャフト支持部、および、複数の前記繋ぎ部は、複数の前記鋼板の少なくとも一つに形成される、
    ロータ。
  10. 請求項9に記載のロータであって、
    前記シャフト支持部、および、複数の前記繋ぎ部は、
    前記積層鋼板の上面となる上面鋼板、および、下面となる下面鋼板の一方に形成される、
    ロータ。
  11. 請求項10に記載のロータであって、
    前記シャフト支持部、および、複数の前記繋ぎ部は、
    前記積層鋼板の上面となる上面鋼板、および、下面となる下面鋼板それぞれに形成される、
    ロータ。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか一つに記載のロータと、
    前記ロータの径方向外側に配置されるステータと、
    を備えたモータ。
  13. 請求項12に記載のモータであって、
    前記ステータは、
    前記ロータの径方向外側に配置されるステータコアと、
    前記ステータコアにインシュレータを介して設けられる巻き線と、
    を有し、
    前記磁極部の上面は、前記ステータコアより、上方に位置し、
    前記磁極部の下面は、前記ステータコアより、下方に位置する、
    モータ。
  14. 上下に延びる中心軸の周囲に配列される複数のマグネットと、軸方向に延び、周方向に沿って、前記マグネットと交互に配列される磁極部と、樹脂部とを有するロータの製造方法であって、
    前記ロータは、中心軸に沿って配置されるシャフトを支持するシャフト支持部を有し、
    記シャフト支持部は、周方向に交互に配列される、複数の前記磁極部、および、複数の前記マグネットの径方向内側に、配置され、
    a)複数の前記磁極部と、複数の前記マグネットとを、金型の内部に配置する工程と、
    b)前記金型内部へ、溶融樹脂を流し込む工程と、
    を有し、
    前記工程b)では、
    径方向において、複数の前記マグネットと、前記シャフト支持部との間に、金型を配置し、複数の前記マグネットそれぞれの内側端面を、前記金型に接触させた状態で、前記溶融樹脂を流し込む、
    ロータの製造方法。
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