JP2019120539A - トイレブース使用状況報知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 少数の検知モジュールによりブース内の人や不審物等の有無を確実に特定でき、その使用状況を的確に報知することができるトイレブースの使用状況報知システムを提供する。【解決手段】トイレブース200内の便器201の上方に、予め定められた変調パターンにて周波数が連続変調される送信波形信号を生成する信号生成部と、送信波形信号の入力に基づき周波数が連続変調されるマイクロ波送信波を、便器及びその周囲を見込む向きに送信する送信部と、送信波の反射波を受信する受信部と、送信波形信号の分配波形と受信部の受信波形信号とを混合し、送信波形信号と受信波形信号との周波数差に基づく定在波ビート信号を検知信号として出力する混合器とを備えた検知モジュール103を設置する。その検知信号を解析してトイレブース内の使用者の有無を判定し、該判定結果に基づいて、トイレブース200の使用状況報知情報を出力する。【選択図】 図1

Description

この発明は、列車トイレ、駅などの公共施設や商業施設に設置されるトイレなどに適用されるトイレブースの使用状況報知システムに関する。
列車トイレや集合トイレにおいて大便器の設置エリアには、扉施錠可能なトイレブースが設けられている。トイレブースの使用者は、扉を開けて中に入ると内側から施錠し、用を足し終えると解錠して扉を開け、外へ出る。このとき、扉の外面には施錠・解錠と連動して、その使用状況を「あき」「使用中」などの文字により、あるいは空き状態を青色、使用中を赤などの色により切替表示する表示部が設けられるのが一般的である。
ところで、こうしたトイレにおいては、ブース扉への施錠を失念して使用者が滞在するケースや、使用者が荷物などを留置してトイレブースを出た場合など、扉施錠表示が「あき」になっていても内部に人や留置物が存在することがある。当然ではあるが、こうしたブース内の状況は扉の施錠表示を見ただけでは全く判別することができない。
例えば、特許文献1には、ブース内の使用者をドップラーセンサにより検知するとともに、使用者のブース在室時間をタイマー計測し、該在室時間が所定時間を超えたときにブース内のスピーカーから退去喚起の音声情報を出力する発明が開示されている。同文献には、音声出力と連動して順番待ちする人に喚起状況を伝える表示部を順番待ち列の近傍壁部に設置する構成、あるいはドップラーセンサによるブース内の監視状態を、外部の管理部門に通信報知する構成なども開示されている。
また、特許文献2には、トイレブース内に複数個の距離センサ(赤外線の投受光による距離センサもしくは、超音波の発信・受信による超音波センサなど)を設け、それら距離センサの設置位置に応じた使用者までの検出距離情報に基づいて使用者の姿勢を詳細に特定し、使用者の長時間の滞在もしくは異常状態の有無を判定するシステムが開示されている。複数の距離検出センサには、洋式便器の背面側に高さ方向に複数の距離センサを配置した座高センサも含まれており、洋式便器への使用者の着座の有無を座高により特定する方法が開示されている。
特開2017−159033号公報 特開2005−160921号公報
特許文献1の方式では、ドップラーセンサによる心拍ないし呼吸の検知状態から、(生きている)人間がブース内に滞在しているか否かについては的確な情報を得ることができ、ブースの使用状況把握に貢献できる。しかし、ブース内の使用者が不測の事態により心肺停止状態になるなど、重度の異常を来たした場合にはセンサが反応しなくなる問題がある。また、ブース内に人ではなく、荷物や不審物など、人に順ずるサイズの非生存物が持ち込まれた場合も同様にセンサは反応しないので、重篤な異常事態であるにも関わらず検知できない、という欠点がある。
一方、特許文献2の方式は、姿勢も含めてブース内の人の状態を詳細に特定することができ、かつ、ブース内の物体が非生物であっても、人に近い大きさを有していれば特定できる利点がある。しかし、指向性の強い赤外ないし超音波センサからなる距離センサを用いるためセンサ設置数の増大が避けがたい問題がある。例えば便器への人の着座の有無を特定するためだけにも、座高方向にいくつもセンサを設ける必要がある。
本発明の課題は、少数の検知モジュールによりブース内の人や不審物等の有無を確実に検知でき、その使用状況を的確に報知することができるトイレブースの使用状況報知システムを提供することにある。
本発明のトイレブース使用状況報知システムは、上記の課題を解決するために、
扉を有したトイレブース内の便器の上方に設置される検知モジュールであって、予め定められた変調パターンにて周波数が連続変調される送信波形信号を生成する信号生成部と、送信波形信号の入力に基づき周波数が連続変調されるマイクロ波送信波を、便器及びその周囲を見込む向きに送信する送信部と、送信波の反射波を受信する受信部と、送信波形信号の分配波形と受信部の受信波形信号とを混合し、送信波形信号と受信波形信号との周波数差に基づく定在波ビート信号を検知信号として出力する混合器とを備えた検知モジュールと、
検知信号を解析してトイレブース内の使用者の有無を判定する使用者有無判定手段と、
使用者有無判定手段による判定結果に基づいて、トイレブースの使用状況を示す使用状況報知情報を出力する使用状況報知情報出力手段と、を備えたことを特徴する。
本発明に使用する検知モジュールは、これまで自動車用追尾システムなどに使われてきた周波数変調連続波レーダーと同様の原理を用いるものである。マイクロ波プローブは、距離センサに使用する赤外線や超音波と異なり、極度に指向性の強い送信アンテナを使用したとしても、近距離局所距離計測に適したビーム径に絞ることは非常に難しい。したがって、周波数変調連続波レーダーは従来、多重反射や回り込みの影響を受けにくい路面上や海洋上の自動車ないし船舶など、数m〜数100m程度遠方の物体までの距離計測に用途が限定されてきた。広がりを持つマイクロ波プローブは、トイレブースなど配置物の多い閉鎖空間内に送信した場合、受信波は必然的に、配置物表面の形状に応じたプローブ到達距離の異なる反射波成分が複雑に重ね合わされたものとなり、さらに直線距離よりも飛行距離が大幅に長くなる壁面や床面などでの多重反成分も加わる。その結果、本来特定したい使用者や不審物等までの距離を正確に反映した情報は得られず、トイレブースなどの狭い閉鎖空間内の物体特定にはおよそ不向きと考えられてきたのである。
しかし、本発明者が鋭意検討した結果、トイレブースの便器上方に送信部を設置し、便器及びその周囲を見込む向きにマイクロ波送信波を送出することにより、トイレブース内に人や荷物等が存在しない場合と、人ないしこれと拮抗する大きさの荷物等がブース内に存在する場合とで、送信波形信号の分配波形と受信部の受信波形信号とを混合して得られる定在波ビート信号の状態は大きく変化することがわかった。その結果、抽出される定在波ビート信号が使用者までの距離把握に十分な分解能が備わっていなくとも、トイレブースが使用状態にあるか否か、さらには、荷物等が持ち込まれていないかどうか等についての判定が十分可能となることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。これにより、便器の上方に設置される検知モジュールのみで、ブース内の人や不審物等の有無を確実に特定でき、その使用状況を的確に報知することができるようになる。
また、使用者有無判定手段による判定結果が使用者なしの状態から使用者ありの状態に切り替わってからの使用継続時間を計測する使用継続時間計測手段を設けることができ、使用状況報知情報出力手段は、計測される使用継続時間が予め定められた閾時間を超過した場合に使用状況報知情報として使用継続超過情報を報知出力するものとして構成できる。列車トイレなどにおいては、ブース内の使用者が病気等により動けなくなり、施錠後の滞在時間が異常に長くなってしまうことが起こりうる。トイレが設けられるのは新幹線や特急といった長距離列車が多く、車掌や車内アテンダント等は定期的に車内を行き来して巡視を行う。トイレブースの使用状況は表示部を参照することで、そのブースが空いているのか使用中なのかは識別できるが、その使用継続時間までは把握できない。こうした事情は、列車以外の集合トイレなどにおいてもおおむね同様である。しかし、上記の構成によると、計測される使用継続時間が予め定められた閾時間を超過した場合に使用継続超過情報が報知出力されるので、入室後、相当時間経過しているブースのみを容易に識別することが可能となり、例えば急病人の救出等のため開扉するといった判断も的確に行えるようになる。
信号生成部は、周波数偏移幅と周期とが一定に定められた線形変調パターンに従い送信波形信号を生成するものとして構成できる。線形変調パターンに従う送信波形信号を用いることで、送信波に対する受信波の受信タイミングとは無関係に、電波飛行時間に対する周波数変調量すなわち送信波と受信波との差分周波数の変化率が一定となり、検知信号である定在波ビート信号の解析が極めて容易になる。
信号生成部の送信波形信号の周波数偏移幅は100MHz以上1.5GHz以下に設定することが望ましい。トイレブース内の使用者の便座への着座の有無は、成人の平均座高付近の反射波の有無に基づいて識別することとなるが、周波数偏移幅が100MHz未満では分離分解能が不足し、使用者の着座の有無を識別することができなくなる可能性が高くなる。一方、分離分解能は周波数偏移幅が1.5GHz前後で20cm程度にまで向上し、トイレブース内の使用者の有無を単に検知する上では過剰ともいえるレベルに到達する。そして、それ以上に周波数偏移幅を増加させても分解能の向上率は非常に小さくなり、検知モジュールの不要なコストアップを招く恐れがある。信号生成部の送信波形信号の周波数偏移幅は300MHz以上1GHz以下に設定することが望ましい。
また、トイレブース内に使用者が不在の状態で検知モジュールにより予め計測された定在波ビート信号のデータをブランク信号データとして記憶するブランク信号データ記憶手段を設けることができ、使用者有無判定手段は、該ブランク信号データを読み出して検知信号と比較する信号比較手段とを備え、該比較結果に基づいてトイレブース内の使用者の有無を判定するものとして構成するのがよい。トイレブース内に使用者(荷物等の非生物も含む)が存在しない状態で検知モジュールにより計測される定在波ビート信号は再現性が高く、トイレブースがあき状態であること示すブランク信号データ(基準データ)として最も好適に採用できる。そして、実際の検知信号をこのブランク信号データと比較することで、トイレブース内の人や荷物の存在情況を簡単かつ的確に把握することができる。
トイレブース内の使用者の有無によりもたらされる定在波ビート信号の差異は、検知対象物までの反射距離分布の変化に伴う周波数成分の分布、すなわち周波数スペクトルの変化となって現れる。そこで、混合器から抽出される定在波ビート信号の周波数スペクトルデータを生成する周波数スペクトル生成手段を設け、ブランク信号データ記憶手段はブランク信号データを周波数スペクトルデータとして記憶するように構成することができる。そして、信号比較手段は、各々周波数スペクトルに変換されたブランク信号データと検知信号との比較を行うようにすることで、定在波ビート信号の変化に基づく使用者の有無の判定を簡単かつ的確に行うことができる。
この場合、信号比較手段は、ブランク信号データの周波数スペクトルと検知信号の周波数スペクトルとの差分スペクトルを演算するものであり、使用者有無判定手段は、差分スペクトルの強度に基づいてトイレブース内の使用者の有無を判定するように構成することができる。これにより、上記ブランク信号データと検知信号との比較を、周波数スペクトルプロファイルの単純な差分演算に置き換えることができるようになり、トイレブース内の使用者の有無判定のアルゴリズムを簡略化することができる。
また、送信波と、トイレブースの床面から高さH(m)の位置にある反射ポイントによる一次反射波との重ね合わせに由来したビート信号成分の周波数をθ(H)としたとき、H=0に対応する周波数θ(0)よりも高周波の複数次反射波に由来したビート信号成分を遮断する低域通過フィルタ手段が設けられ、使用者有無判定手段は該低域通過フィルタ手段を通過した検知信号に基づいて差分スペクトルを演算するように構成することも可能である。便器上方の検知モジュールから直線距離にて最も遠くにある反射点はトイレブースの床面であり、これより見かけ上の距離が大きくなる(すなわち、高周波域にある)ビート周波数成分は全て多重反射等によるノイズ成分であると捉えることができる。そこで、この高周波域のノイズ成分を低域通過フィルタ手段により除去して差分スペクトルを演算するように構成すれば、トイレブース内の使用者有無の判定精度を向上できる。
次に、本発明のトイレブース使用状況報知システムは、トイレブース内の便器に着座する使用者の心拍及び呼吸の少なくともいずれかに由来した生存微動を検出するドップラーセンサモジュールと、ドップラーセンサモジュールによる検出結果に基づいてトイレブース内の使用者の生存状態を判定する生存判定手段と、使用者有無判定手段によりトイレブース内の使用者がありと判定されている状態で、生存判定手段による使用者の生存状態にかかる判定結果が否定的な結果を示している場合に、使用状況報知情報出力手段に対し使用者に異常が発生したことを示す異常報知情報を出力させる異常報知情報出力制御手段と、を備えるものとして構成できる。本発明にて使用する連続変調送信波による検知モジュールによりトイレブース内の物体は、心拍や呼吸といった生存微動(生きていることの証)がなくとも検知でき、例えば人ではなく荷物等が置かれている場合にも問題なく検出できる。そして、これと生存微動を検出するドップラーセンサモジュールを併用することで、連続変調送信波による検知モジュールが検知状態にあって、かつドップラーセンサモジュールによる生存微動の検出が途切れている場合は、次のような状況が想定され、異常報知情報を出力することで的確な対応に速やかに移行することができる。
・ブース内の使用者の生存微動が途切れた状態、すなわち心肺停止等の重篤な危機にある状態。異常報知情報を受け、速やかな救出活動に移行することができる。
・人ではなく荷物(特に不審物)が持ち込まれた状態。内部の荷物等の撤去や避難指示などの対応に速やかに移行することができる。
・使用者がブース内に何らかの忘れ物をした状態。使用者が立ち去るときにこれを報知できれば、忘れ物の回収を使用者に速やかに促すことができる。
いずれの場合も、こうした異常報知情報は、例えばトイレブースに随伴する音声出力装置から報知させるようにすれば、ブース周囲の誰かに緊急事態の発生を速やかに知らせることができ、効果的である。また、トイレブースから離れた位置にある報知端末に優先又は無線により、視覚情報及び音声情報の少なくともいずれかの情報(両者の組み合わせを含む)により報知すれば、係員等の現場急行を的確に促すことができる。
この場合、人の心拍及び呼吸の少なくともいずれかに由来した信号成分をカバーする周波数帯域が検知対象帯域として定められるとともに、ドップラーセンサモジュールの検知信号から該検知対象帯域成分を、使用者のトイレブースへの入退室に伴う体動の信号成分から分離しつつ選択的に抽出する検知対象帯域成分抽出手段と、抽出された検知対象帯域成分の強度を評価する検知対象帯域成分強度評価手段とを設け、生存判定手段は、検知対象帯域成分強度評価手段による評価結果に基づいて使用者の生存状態にかかる判定を行うものとして構成できる。生存微動を示す検知対象帯域成分が大きな体動成分から分離検知されるので、使用者の生存状態を確実に検知できるようになる。使用者有無判定のための検知対象帯域は、0.1Hz以上3Hz以下の周波数範囲の30%以上(望ましくは50%以上)がカバーされるように設定することにより、一般的な人の呼吸周波数帯域(0.2Hz以上0.5Hz以下)及び心拍周波数帯域(0.5Hz以上2Hz以下)の少なくともいずれかを部分的にはカバーでき、かつ、便器への着座及び離座、身振り、伸びといった大きく急峻な体動の周波数帯から確実に切り分けることができるので、使用者生存状態の判定精度を向上することができる。
心拍や呼吸に伴う生存微動は人体の胸部付近に集中するので、胸部に対し前か後ろのいずれかのなるべく近距離よりマイクロ波を照射するように、ドップラーセンサモジュールを設置することが効果的である。具体的には、使用者の胸部前方側ないし後方側のいずれかに面するトイレブースの壁面に、便器に着在する使用者の胸部までの距離が1.5m以下となるよう設置するのがよい。ドップラーセンサモジュールの胸部までの距離が1.5mを超えると、着衣が厚かったり、使用者の心拍レベルが急病等の影響により弱くなったりして生存微動検知のS/N比が低下した場合に、使用者が存在していても非生存と判定してしまう不具合が生じやすくなる。ドップラーセンサモジュールの胸部までの距離は、より望ましくは1m以下とするのがよい。他方、ドップラーセンサモジュールは、心拍ないし呼吸の微動を検知できる範囲内で、トイレブースの天井(ないし天井裏)に取り付けることも可能である。
また、本発明においてはトイレブース内の物体が使用者(人)であるか否かを判断できれば十分であって、呼吸と心拍を特に区別して検知すること、あるいは、あえて詳細な呼吸数や心拍数を特定する必要は全くない。特に、設定された検知対象帯域の波形の強度の代表値(例えば平均値)に基づいて使用者の有無を判定するようにすれば、処理速度の比較的小さい安価なマイクロプロセッサ等でも十分にリアルタイム判定を行うことができる。
また、呼吸と心拍のいずれか一方のみを選択的に検知するように構成してもよいが、呼吸と心拍を双方ともに包含する帯域の成分を利用して、特に呼吸と心拍の区別を行うことなく波形強度解析を行うこともできる。このようにすれば、呼吸と心拍のどちらか一方の信号強度が不十分な場合も、他方の信号強度が確保できていれば使用者の有無を問題なく判定できる。特に振幅の小さい心拍の成分は重ね着などで隠ぺいされやすいので、この場合はより振幅の大きい呼吸の成分が利用できることで、冬場などにおいても検知精度は格段に向上する。具体的には、検知対象帯域を0.3Hz以上1Hz以下(望ましくは、0.2Hz以上1.5Hz以下)の周波数範囲を包含するように設定しておくとよい。また、この帯域から外れる信号成分は、これをなるべく排除することで、心拍や呼吸以外の動きを検知することに伴う誤動作を生じにくくすることができる。
検知対象帯域成分抽出手段は、検知信号の波形から検知対象帯域成分を抽出するバンドパスフィルタを備え、検知対象帯域成分強度評価手段は該バンドパスフィルタの通過波形信号の強度を評価するものとして構成することができる。すなわち、検知対象帯域成分を埋没させる可能性のある大きな体動の帯域成分をフィルタリングにより除去する考え方であり、生存判定手段は、通過波形信号の強度評価結果に基づいて生存判定を行う。検知対象帯域成分のバンドパスフィルタ通過波形を強度解析することで、心拍や呼吸に由来した生存微動成分の有無を簡単かつ確実に特定することができる。バンドパスフィルタはアナログフィルタ回路として構成してもよいが、検知対象帯域が上記のような低周波領域に設定されるため、DSP等を用いない低廉なハードウェア上でもデジタルフィルタを容易に構成でき、クロック周波数の低い汎用マイクロプロセッサ(例えばPICなど)にもソフトウェア的に十分組込みが可能である。
また、別の手法としては、検知対象帯域成分抽出手段は、検知信号の波形をフーリエ変換処理することにより該検知信号の周波数スペクトル情報を生成するフーリエ変換処理手段を備え、検知対象帯域成分強度評価手段は周波数スペクトル情報における検知対象帯域のスペクトル強度を評価する検知対象帯域スペクトル強度評価手段を備えたものとして構成することもできる。これは、ドップラーセンサモジュールの波形出力をフーリエ変換により周波数と強度の分布情報に変換することで、検知対象帯域成分を大きな体動の帯域成分と分離して把握する手法であり、解析波形から大きな体動の帯域成分を除去する上記フィルタリングとは思想を異にするが、得られる効果については同様である。この場合、生存判定手段は、検知対象帯域のスペクトル強度の評価結果に基づいて生存判定を行う。この手法では、サンプリングした検知信号(ドップラーシフト成分)をフーリエ変換処理して周波数スペクトル情報に変換し、検知対象帯域のスペクトル強度を解析することで、心拍や呼吸に由来した微動成分の有無を簡単かつ確実に特定することができる。フーリエ変換処理手段は専用ICなどで構成してもよいが、検知対象帯域が上記のような低周波領域に設定されるため、ここでもクロック周波数の低い汎用マイクロプロセッサ上でのソフトウェアコンポーネントとして十分組込みが可能である。この場合、処理的には高速フーリエ変換が演算量も少なく、安価なシステム構成を実現する上で有利である。
次に、ドップラーセンサモジュールは、マイクロ波送信波の出力部と、該送信波が動体により反射されて形成される反射波の受信部と、反射波のドップラーシフト波形成分を検波する検波部とを有したアナログ回路部と、検波部が抽出するドップラーシフト波形をデジタル変換してデジタル波形情報を生成するA/D変換部と、デジタル波形情報が入力される入出力部と、デジタル波形情報を解析して動体の有無を判定する動体判定プログラムが格納されるROMと、動体判定プログラムの実行エリアを形成するRAMと、動体判定プログラムを実行し、その判定結果を入出力部の判定出力ポートに出力させるCPUとを備えたマイクロプロセッサ部とを備えたものとして構成できる。このとき、ROMのプログラム格納エリアの一部が、外部からの書き込み処理が可能なPROM(Programmable Read Only Memory)エリアとして構成されるとともに、検知対象帯域成分抽出手段及び使用者有無判定手段の機能実現プログラムが、CPUが読み取り可能な形でPROMエリアに書き込み格納され、CPUは、それら機能実現プログラムが組み込まれた形で動体判定プログラムを実行し、判定出力ポートから判定結果を出力させるように構成できる。
上記構成のように、信号処理部となるマイクロプロセッサ部をドップラーセンサモジュールが備え、かつ、そのプログラム格納エリアとなるROMの一部がPROMで構成されていれば、検知対象帯域成分抽出手段(及び使用者有無判定手段)の機能実現プログラムはそのPROMエリアに対し外部から書き込むことで追加格納することができる。これにより、本来であれば、A/D変換されたドップラーシフト波形の全帯域の強度に基づいて動体有無が判定されるところ、ドップラーセンサモジュール周辺へのハードウェアコンポーネントを何ら追加することなく、検知対象帯域成分に特化した解析結果(つまり、呼吸や心拍の有無の解析結果)を反映した形で使用者の有無が判定できるようドップラーセンサモジュールの動作をカスタマイズできる。
使用状況報知情報出力手段は、トイレブースの外に付帯設置された報知表示部に使用継続超過情報を表示出力するものとして構成できる。トイレブースに付帯設置された報知表示部に使用継続超過情報が表示出力されることで、トイレの巡視者は使用中のトイレブースを発見したとき、その表示を見ることでブースが長時間占有されていることを一目で把握でき、中の使用者に安否確認のため声かけしたり、応答がない場合は開扉したりするといった緊急対応に速やかに移行することができる。
トイレブースは、そのほとんどがブース内側から操作可能な扉施錠機構と、扉の施錠状態を扉の外から識別できる位置にて扉施錠機構と連動して切替表示する既設の施錠表示部とを備えている。この場合、本発明における報知表示部は、該施錠表示部と別体に設けること(例えば、後付け設置すること)が可能であり、かつ、扉施錠機構の作動状態と無関係に使用状況報知情報を表示出力ように構成できる。トイレブースの既設の施錠表示部の状態は、後述の通り、実際のトイレブースの占有状態を反映していないことがあり得る。しかし、本発明においては、検知モジュールを用いた判定処理により使用者による内部の占有状態を高信頼率で判定でき、使用状況報知情報出力手段にその内容を出力できるので、トイレブースの使用者は既設の施錠表示部の状態によらず、より確度の高いトイレブースの使用状態把握が可能となる。
使用状況報知情報出力手段は、判定結果が使用者ありの状態を示し、かつ使用継続時間が閾時間を超過していない場合に、報知表示部に、トイレブースが使用中であることを示す使用中情報を使用継続超過情報と区別可能に表示出力するよう構成することもできる。使用継続時間が閾時間を超過していない場合も、超過時と異なる内容で敢えて表示を行うことで、そのトイレブースが通常の使用状態にあることを容易に把握することができる。このとき、トイレブースの使用者が扉の施錠を失念して入室していた場合も、使用状況報知情報出力手段の表示状態により当該ブース内に使用者がいることが報知される。これにより、使用者がいる「あき」表示状態のブースの扉が次の利用者により不用意に開け放たれ、中の使用者が狼狽してしまう流れを防止ないし抑制することができる。これは、施錠されていなくても一見強固な閉鎖状態が形成されてしまう引き戸式の扉が採用されている場合(例えば列車トイレなど)に生じやすい問題であり、上記構成の採用により効果的に解決を図ることができる。例えば、前述の扉施錠機構が扉に対し施錠解除状態とされ施錠表示部が非施錠状態を表示している場合において、判定結果が使用者ありの状態を示している場合に、使用状況報知情報出力手段は報知表示部に使用中情報を出力するように構成することができる。
他方、使用状況報知情報出力手段は、判定結果が使用者なしの状態を示している場合に、報知表示部にトイレブースがあき状態であることを示すあき情報を、使用継続超過情報及び使用中情報と区別可能に表示出力するように構成することもできる。これにより、そのトイレブースがあき状態にあることを外から容易に把握できる利点が生ずる。また、稀ではあるが、トイレブースから人が退出する際の扉閉鎖時の振動等で扉の内鍵が動き、無人のブースが施錠されてしまうことがある。しかし、上記の表示は、検知モジュールを用いた判定処理によりブースが真正の「あき状態」であることを示すものであるから、「使用中」となっているブースが実は「あき」状態であることを外から目視で把握できるようになる。その結果、当該のブースが使えるにもかかわらず「使用中」となって、次の利用を妨げてしまう不具合を効果的に回避することができる。
なお、一般使用者にとって、同じトイレブースに既設の施錠表示部と報知表示部とが併設されている場合、2つの表示部の表示状態が相違していると、実際のブースの占有状態がどちらの表示部に反映されているのかの把握ができなくなり、混乱要因となることも考えられる。この場合、既設の施錠表示部を隠蔽する位置に報知表示部を設置すれば、表示が一義的となって混乱要因を解消できる。
一方、報知表示部は、立位にある視認者がトイレブースの扉を左右の視界の一方に寄せた視野にて見込んだ時に発光状態が視認可能となるように、トイレブースの扉の幅方向の一方に隣接する壁部外側面上に取り付けられるとともに、互いに異なる内容の使用状況報知情報を発光状態の相違により区別可能に出力する発光表示部として構成することができる。このような発光表示部は、集合トイレや列車トイレのように通路と平行にブース扉が設置される場合、通路を歩行する利用者や巡視者は、遠くにあるブースであっても発光表示部の発光状態により当該ブースの占有状況を容易に把握でき、特に時間超過して占有されているブースについては、これをいち早く発見して必要な対応に速やかに移行できる利点が生ずる。また、既設の施錠表示部が非発光形態のものであっても、上記発光表示部を新たな施錠表示部として容易に後付け設置することが可能である。
また、使用状況報知情報出力手段は、使用状況報知情報を外部ネットワークに無線ないし有線の通信手段により通信出力する通信出力手段を有するものとして構成することもできる。これにより、トイレブースに対する巡回監視者が不在の状況にあっても、使用継続超過などの異常が発生したとき、外部に通信により遠隔報知することができ、より手厚い対応を行うことが可能となる。
本発明の作用及び効果の詳細については、「課題を解決するための手段」の欄にすでに記載したので、ここでは繰り返さない。
本発明のトイレブース使用状況報知システムを列車トイレに設置する例を模式的に示す図。 扉施錠機構の拡大図。 施錠表示部の一例を表示例とともに示す図。 発光表示部として構成した報知表示部の第一例を示す正面図。 トイレブース内における検知モジュールの検知域の一例を示す正面模式図。 トイレブース使用状況報知システムの全体構成の一例を示すブロック図。 検知モジュールの詳細を示すブロック図。 検知モジュールの検知信号の連続変調される送信波形信号の例を示す図。 フーリエ変換によりビート波形信号の周波数スペクトルを生成する概念を示す図。 ビート波形信号の周波数スペクトルの解析を行う概念の第一例を示す図。 ビート波形信号の周波数スペクトルの解析を行う概念の第一例を示す図。 使用者検知処理の第一例の流れを示すフローチャート。 同じく第二例の流れを示すフローチャート。 判定プログラムの流れを示すフローチャート。 トイレブース使用状況と施錠表示部及び報知表示部の表示形態の第一例を示す図。 同じく第二例を示す図。 同じく第三例を示す図。 同じく第四例を示す図。 発光表示部として構成した報知表示部の別使用形態を示す図。 図18の発光表示部の詳細を示す図。 本発明のトイレブース使用状況報知システムを集合トイレに設置する例を模式的に示す図。 既設の施錠表示部を隠蔽する形で報知表示部を設置する例を示す図。 発光表示部として構成した報知表示部の第三例を示す正面図。 報知表示部を平面ディスプレイにて構成した例を示す図。 ドップラーセンサモジュールの詳細を示すブロック図。 ドップラーセンサモジュールの検知信号のバンドパスフィルタ処理の概念を示す図。 バンドパスフィルタ処理後の波形の強度解析の第一例を示す図。 同じく第二例を示す図。 ドップラーセンサモジュールによる生存判定を併用する使用者検知処理の流れを示すフローチャート。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づき説明する。
図1は本発明のトイレブース使用状況報知システムを列車トイレに設置する場合の構成例を模式的に示す図である。トイレブース200は、車両のデッキ付近において通路に面する側に出入り口が設けられ、施錠可能な扉202により該出入口が開閉可能に閉鎖される。その内部床面には洋式便器201が設けられている。扉202は引き戸として構成され、外側面には開閉操作用のドアノブ203が設けられている。
一方、該ドアノブ203よりも幾分高い位置において扉202の内側面には扉施錠機構204が設けられている。図2に示すように、扉施錠機構204は、ブース内側から操作が可能なフック金具204tを有し、回転支持部204pを介して扉202に対し扉面と平行な面内にて回動可能に取り付けられている。解錠位置ではフック金具204tは先端が垂直上方を向くように位置し、この状態から指でフック金具204tを回し落とすように操作すると、その先端が扉枠壁部202a側のフック受け入れ凹部202c内にはまり込んで施錠位置となり、内部に形成されたフック係合部210と係合して施錠状態が形成される。また、解錠する場合はフック金具204tを跳ね上げるように逆方向に回転させ解錠位置に戻せばよい。
図1に戻り、扉枠壁部202aの外側には、扉施錠機構204のフック金具204tの回転動作と連動して表示板がスライドする施錠表示部205が取り付けられている。この施錠表示部205は、図3に示すように、フック金具204tを解錠位置に跳ね上げるとトイレブース200があき状態であることを示す文字表示(以下、「あき」表示という)状態となり、フック金具204tを施錠位置に倒すと、表示板がスライドしつつ「あき」表示を隠蔽する重なり位置に移動し、トイレブース200が使用状態であることを示す文字表示(以下、「使用中」表示という)状態となる。すでに周知の機構であるため、これ以上の詳細な説明は略する。
図1に戻り、トイレブース200内には、便器201の上方に設置され、周波数が連続変調されるマイクロ波送信波MPを便器201及びその周囲を見込む向きに送信する検知モジュール103が取り付けられている。本実施形態では、トイレブース200は使用者PPの側方に扉202が設置されており、検知モジュール103は筐体に収容されたセンサユニット104の形でトイレブース200の天井(ないし天井裏)に取り付けられている。
本実施形態において、トイレブース使用状況報知システム1は、この検知モジュール103による使用者PPの検出状態に基づきトイレブース200内の使用者PPの有無を判定し、その判定結果に基づいてトイレブース200の使用状況を示す使用状況報知情報を、トイレブース200の外に付帯設置された報知表示部13に出力するように構成されている。報知表示部13は扉枠壁部202aの外側面にて、トイレブース200横の通路を歩行する巡回者PIが立位にて視界にとらえることができる位置、本実施形態では、扉202側の施錠表示部205に隣接する高さ位置に取り付けられており、ブース内のセンサユニット104にケーブル5を介して接続されている。
図4は報知表示部13を拡大して示すものである。該報知表示部13は発光表示部として構成され、上面が表示面となる扁平な筐体13mに対し2個のLED6,7を点灯状態が視認できるようにマウントしたものである。このうち、検知モジュール103による使用者PPの検出状態(判定結果)が「使用者なし」の状態を示している場合は、LED6(例えば青色)が点灯し、トイレブース200があき状態であることが報知される(以下、「「あき」LED6」ともいう)。他方、使用者PPの検出状態(判定結果)が使用者ありの状態を示している場合は、LED7(例えば赤色)が点灯し、トイレブース200が使用中状態であることが報知される(以下、「「使用中」LED7」ともいう)。
そして、使用者ありの状態の連続継続時間、すなわちトイレブース200の使用継続時間が予め定められた閾時間を超過した場合には、「使用中」LED7は点滅状態に移行し、使用継続超過情報として報知出力される。すなわち、「あき」LED6及び「使用中」LED7の点灯状態により、トイレブース200に使用者が不在の状態(あき状態)、使用者が在室して使用継続時間が閾値未満の状態(通常の使用中状態)、及び使用継続時間が閾値を超えた状態(使用継続超過状態)の3つが区別して表示出力される。また、報知表示部13は、該施錠表示部205と別体に後付け設置されるものであり、扉施錠機構204の作動(表示)状態と無関係に、トイレブース200の上記使用状況を示す報知情報を表示出力する。
次に、検知モジュール103の構成について説明する。検知モジュール103は、周波数が連続変調される送信波MPを、便器201及びその周囲を見込む向きに送信し、トイレブース200内の反射体に当たって跳ねかえる反射波を受信する。そして、その送信波形信号と受信波形信号とを混合し、それらの周波数差に基づく定在波ビート信号が検知信号として抽出される。そして、該定在波ビート信号の周波数解析に基づいてトイレブース200の使用状況(すなわち、使用者の有無)にかかる判定がなされる。このような検知モジュール103は、自動車用追尾装置や船舶用などにおける周波数連続変調レーザーに採用されてきたものであり、図8に示すように、周波数偏移幅(占有周波数帯域)Δfと周期Tが一定に定められた線形変調パターンに従う送信波を使用する。他方、解析の複雑化は避けがたいが、例えば短距離域の分解能を向上するため、低周波側で周波数変化率が高くなるような非線形変調パターンを使用することも可能である。
送信波の周波数は、送信波が出てからその反射波が返ってくるまでの期間においても反射体までの距離に応じて変化する。その結果、ある時刻に送信された送信波が反射波となって帰ってきたとき、その受信波と受信時点での送信波とを混合すれば、両者の差分周波数に相当する定在波がうなり(ビート)となって発生する。具体的には、検知モジュールから反射体までの距離をR、定在波ビート信号の周波数(=送信周波数f1と受信周波数f2の差分周波数)をδf、光速をcとすれば、
δf=2・R・Δf/(c・T)
となる。c、T及びΔfが一定であるから、定在波ビート信号の周波数Δfは反射体までの距離Rに単純に比例することがわかる。したがって、Δfの測定から反射体までの距離Rを直接的に求めることができる。図8の上に示すのはのこぎり波状の線形変調パターンの例を示し、周期Tごとの周波数変化率は常時一定である。他方、図8の下に示すのは三角波状の線形変調パターンの例を示し、周期Tごとの周波数変化率の絶対値は一定であるが、符号は1周期ごとに反転する。しかし、定在波ビート信号の周波数Δfは、送信周波数f1と受信周波数f2の差分として出現するので、周波数差分値の符号を無視すれば、こぎり波状の線形変調パターンを使用する場合と同じである。
マイクロ波の基本周波数は5GHz以上80GHz以下(本実施形態では、例えば24GHz程度)の範囲で適宜設定され、送信波の周波数偏移幅Δfは300MHz以上1.5GHz以下(望ましくは、300MHz以上1GHz以下)、周期Tは0.5msec以上10msec以下(望ましくは1msec以上5msec以下)の範囲で適宜設定される。図5に示すように、検知モジュール103は基板4S上に実装され、さらに筐体4cに収容されてセンサユニット104が形成されている。筐体4cは、検知モジュール103が出力するマイクロ波を透過可能な樹脂材料(例えばABS樹脂やPBT樹脂等)により構成されている。検知モジュール103はモジュールパッケージの主面法線NLの方向に送信波MPを送出するようになっている。本実施形態では、上記好ましい条件を充足する検知モジュール103の市販品として、新日本無線株式会社製のNJR4234(送信波周波数:24.05GHz〜24.25GHz、周期(掃引時間):1.024msec)を用いている。
次に図6は、トイレブース使用状況報知システム1の全体の電気的構成を示すブロック図である。トイレブース使用状況報知システム1はマイコン50を処理主体として備えている。マイコン50は例えばPIC(例えばPIC12F683:マイクロチップ・テクノロジー社製、等)にて構成され、CPU51、プログラム実行領域となるRAM52、プログラムが格納されるROM54、入出力部53及びそれらを相互に接続するバス55等がワンチップ化されたものである。本実施形態では、入出力部53に接続されるI/O拡張IC56(例えばMCP23008:MICROHIP社製)によりポート数が拡張されている(従って、広義にはマイコン50とI/O拡張IC56とを合わせて一般のマイコンの概念が構築されていると考えてもよい)。ROM54には、すでに説明した各機能実現手段を具現化するためのプログラム群、具体的には判定プログラム54aと通信制御プログラム54bとが書き込まれている。
I/O拡張IC56には、前述の検知モジュール103が接続されている。また、報知表示部13に組み込まれた「あき」LED6及び「使用中」LED7には電流調整抵抗6a,7aが接続され、これらLED6,7の駆動ラインと接地ラインとを束ねたケーブル5を介してI/O拡張IC56に接続されている。I/O拡張IC56の各ポートは、信号変化エッジが有効となる状態割り込みポート(設定により立上りエッジか立下りエッジのいずれかが有効となる)と、弱プルアップによる双方向入出力ポートの一方又は双方として機能する。状態割り込みポートとしての使用可否は、制御レジスタの設定により決定される。具体的には、検知モジュール103の接続ポートは抵抗を介してプルアップされ、使用者ありとなしとに対応したビット情報の出力ポートとして使用される。また、LED6,7の接続ポートは、点灯及び消灯の2つの制御状態に対応させるためのビット情報の出力ポートとして使用される。
また、I/O拡張IC56には、ハブ66に接続された無線アクセスポイント(WiFiルータ)68を介してインターネット100に無線LAN接続するためのWiFiモジュール61が接続され、トイレブース200が同一使用者により使用継続超過状態となっている等の情報をインターネット100上の管理サーバ(あるいは監視者が携帯する無線端末)に無線送信できるようにしてある。なお、この情報は、I/O拡張IC56に接続されたUSBインターフェース63、コネクタ64及びパーソナルコンピュータ65等を介して有線通信により送信できるようにしてもよい。
また、センサユニット104には電源コネクタ58が設けられ、トイレブース200内の電源ラインより所定の外部電源電圧(例えばAC100あるいはAC24V等)が入力される。該外部電源電圧は電源回路57によりDC5V等の信号制御電圧に変換され、回路各部に供給される。また、回路各部の接地ライン(GND)は外部電源入力の接地ラインと共有化されている。
次に、図7は、センサユニット104の内部構成の詳細を示すブロック図である。検知モジュール103は、信号処理を行うためのマイクロプロセッサ部3dと、これに接続されるセンサ部34とを有する。マイクロプロセッサ部3dは、CPU31、RAM32、ROM36、入出力部33とそれらを接続するバス42を有する。ROM36には使用者検知プログラム36cが格納されている。センサ部34は、送信側ブロックとしてPLL制御部41、発振回路40、方向性結合器39、送信アンプ38t及び送信アンテナ37tを有する。他方、受信ブロックは、受信アンテナ37r、低雑音アンプ38r、混合器42、低域通過フィルタ回路43、入力アンプ44及びA/D変換部45を有する。
PLL制御部41は、図8に示すような周波数変調パターンに従う周波数指示値をマイクロプロセッサ部3dから受け、発振回路40に対し、フィードバック制御により位相同期した周波数の送信波形信号を出力させる制御を行う。送信波形信号は送信アンプ38で増幅された後、送信アンテナ37tより周波数が連続変調された送信波として出力される。一方、その送信波の反射波は受信アンテナ37rにより受信され、その受信波形信号が低雑音アンプ38rで増幅された後、方向性結合器39により分配される送信波形信号と混合器42にて混合される。混合器42からは送信波形信号と受信波形信号とが作る定在波ビート信号が出力され、低域通過フィルタ回路43により多重反射波や高調波等に由来した高域側のノイズが遮断された後、入力アンプ44にて増幅され、さらにA/D変換部45によりデジタル化され、入力波形データとしてマイクロプロセッサ部3dに入力される。
一方、RAM32は使用者検知プログラム36cの実行エリアとして機能するものであり、入力波形データを一定のサンプリング時間(例えば5秒以上20秒以下)にて波形バッファメモリ32aに取り込み、波形処理メモリ32bにて使用者有無の判定演算を行なう。判定結果は入出力部33の判定出力ポート35から出力される。具体的には判定出力ポート35は、動体ありの判定がなされた場合は出力電圧がハイ(H)レベル(例えば+3V)となり、動体なしの判定がなされた場合はオープンとなる。本実施形態では、例えば使用者ありをHレベル、使用者なしをLレベル(逆でもよい)として二値出力するために、判定出力ポート35は付加抵抗を介してプルアップされている。
使用者有無判定は、図9のように定在波ビート信号をフーリエ変換して周波数スペクトルSpm(あるいはSpb)を生成し、これを解析することにより使用者有無の判定を行う。この処理を行うため、入力波形から周波数スペクトルデータを得るフーリエ変換モジュール(フーリエ変換処理手段)、本実施形態では高速フーリエ変換(FFT)モジュール36bがROM36に組み込まれている。便器201(図1)に使用者が着座している場合など、使用者ありの場合に取得される周波数スペクトルSpmは、使用者(あるいは荷物などの留置物)に由来した反射波発生のため、使用者なしの場合に取得される周波数スペクトルSpmとは異なる分布形状を示すようになる。特に、便器に使用者が着座している場合のスペクトルSpmにおいては、座位の使用者の上半身(特に、頭部、肩部、膝部など)が反射面となるので、少なくとも座高に対応する周波数帯に、使用者なしの状態では観測されない周波数ピークが出現する。一方、使用者なしの場合のスペクトルSpbにおいては、便座表面等が反射面となり、周波数ピークの位置は大きく変化する。また、便器横等に荷物などが置かれた場合は、その荷物の高さにもよるが、便器高さに近いサイズの荷物であれば、使用者なしの場合の便座表面付近の反射強度に荷物からの反射強度が加わり、対応する周波数帯の強度レベルが上昇する。
そして、上記のいずれの場合も、人も荷物も存在しない状態で取得される周波数スペクトルSpbに対し、実測される検知信号に基づく周波数スペクトルSpmはピーク位置や強度分布の明確に異なるものとなり、これを比較することで使用者の有無を容易に判定することができる。具体的には、図7においてROM36に周波数スペクトルSpbをブランク信号データ36aとして記憶しておき、これを実測される検知信号に基づく周波数スペクトルSpmと比較すること、より詳細には、差分スペクトル|Spm−Spb|の強度解析を行うことにより、使用者の有無を判定するのである。
図10Aは、その概念を示すものであり、左が使用者ありの場合、右が使用者なしの場合を示している。使用者ありの場合は差分スペクトルSdif(≡|Spm−Spb|)の平均強度レベル(平均差分スペクトル強度)Idifmが大きくなる一方、使用者なしの場合、実測されるスペクトルSpmはブランク信号データ36aが示すスペクトル(以下、ブランクスペクトルという)Spbに近似したものとなり、差分スペクトルSdifの平均強度レベルIdifmは非常に小さくなる。したがって、この平均強度レベルIdifmを閾値Idifcと比較することにより使用者の有無を判定するのが合理的であるといえる。この場合の使用者検知プログラム36cの処理は、図11に示すフローチャートのようになる。
まず、S201で定在波ビート信号のサンプリングを行ない、S202でサンプリングされた波形データに高速フーリエ変換処理を行う(処理内容は周知であるので、詳細な説明は略する)。S203では、ブランクスペクトルのデータ(Spb)をリードし、S204では波形データ点毎に差分スペクトルSdif(≡|Spm−Spb|)の強度演算を行う。続いて、S205で、得られた差分スペクトルSdifの強度Idifの総和(=ΣIdif)を演算し、S206にてこれをデータ点数nで除して平均差分スペクトル強度Idifm(=ΣIdif/n)を求める。
S207では、平均差分スペクトル強度Idifmを閾値Idifcと比較する。Idifm>Idifcであれば「使用者あり」と判定し、S208に進んで判定出力ポート35の出力を「H」に設定する。その余の場合は「使用者なし」と判定し、S209に進んで判定出力ポート35の出力を「L」に設定する。S210で終了指示がなければS201に戻って次のサンプリング波形を取得し、同様の処理を繰り返す。
ここで、トイレブース内検知を行う場合の特有の問題として、壁面や床などを介した多重反射成分が相当レベルにて発生することが挙げられる。すなわち、図1に示すようにトイレブース200の内部空間は狭く、広がりを持つマイクロ波送信波MPの受信波においては、ブース側壁や床面、さらには使用者PPや便器201で反射した後、天井や側壁などでさらに複数回反射してようやく受信アンテナに戻るなど、使用者PPや便器201等による直接反射成分以外の、多重反射波成分の占める比率が高くなると考えられる。このとき、送信波と、トイレブースの床面から高さH(m)の位置にある反射ポイントによる一次反射波との重ね合わせに由来したビート信号成分の周波数をθ(H)としたとき、H=0に対応する周波数θ(0)よりも高周波の成分は、使用者有無の判定に関与するべきでない上記の多重反射(複数次反射波)に由来したビート信号成分であることが確実である。そこで、差分スペクトルを演算する際において、この成分を予め除去しておくことが、より高精度の判定を行う上で望ましいといえ、図7のセンサ部の受信ブロックに含まれる低域通過フィルタ回路43は、この成分を遮断するために設けられているのである。
また、側壁で反射してから便座方向に向かう送信波は、実際の便器位置に向けた直接波よりも飛行距離は長くなり、結果として定在波ビート波形にはこの成分が、便器着座した使用者に由来する直接反射波の周波数帯域に入り込む形で現れることもあり得る。また、こうした多重反射波の影響により、使用者なしの状態でも着座時の座高に相当する周波数帯の成分がスペクトルに現れることも考えられるし、使用者ありの状態のスペクトルにおいて、その使用者の真の座高とは異なる反射高さを示す周波数帯に強度ピークが現れることもあり得る。しかしながら、座高値を必ずしも正確に反映しない強度ピークが、使用者ありの状態に特有のピークとしてブランクスペクトルよりも明らかに優位に取得でき、かつ再現性も高い場合には、図10Bに示すように、その特有のピーク値の絶対値Imax(平均値Imでもよい)を、閾値I0と比較することで使用者の有無を判定することも可能である(この場合、ブランクスペクトルは処理上必須のものではなくなる)。
この場合の処理は、図12に示すフローチャートのようになる。
まず、S101で定在波ビート波形のサンプリングを行ない(データ点数をnとする)、S102でサンプリングされた波形データに高速フーリエ変換処理を行う。S103では、得られた周波数スペクトルの強度データ点のうち、上記特有のピークが現れる検知対象帯域に属するものを抽出し(個数をkとする)、S104では抽出した強度Iiの総和(=ΣIi)を演算し、S105にてこれを帯域内のデータ点数kで除して平均強度Im(=ΣIi/k)を求める。
S106では、平均強度Imを閾値Imcと比較する。Im>Imcであれば「使用者あり」と判定し、S107に進んで判定出力ポート35の出力を「H」に設定する。その余の場合は「使用者なし」と判定し、S108に進んで判定出力ポート35の出力を「L」に設定する。S109で終了指示がなければS101に戻って次のサンプリング波形を取得し、同様の処理を繰り返す。
図13は、センサユニット104における判定プログラム54aの処理の流れを示すフローチャートの一例を示すものである。このプログラム54aには、使用者のブース内滞在継続時間を計測する第一タイマーT1と、使用者のブース内滞在の途切れ継続時間を計測する第二タイマーT2とがソフトウェア的に組み込まれている。処理が立ち上がると、H1にてこれらタイマーT1及びT2をリセットする。
次いでH2では、図4のLED6,7を初期状態とする処理、ここでは「使用中」LED7を消灯し、「あき」LED6を点灯させる制御を行う。続いて、H3で使用者検知処理の現在の判定結果を取得する。トイレブース内に人がいなければH4にて「使用者なし」の判定となっているはずであり、この場合はH1に戻り、タイマーをリセットしてH4までの処理を繰り返す。他方、H4で「使用者あり」の場合はH5に進んで第一タイマーT1による計時を開始する。H6では第一タイマーT1による計時経過時間が下限閾値T1mを超えているか否かを判定し、超えていなければH2に戻って以下の処理を繰り返す。もし、下限閾値T1m以内で「使用者なし」の状態に遷移してしまった場合は、直後の繰り返しループにおけるH4の判断分岐にて処理はH1に戻り、第一タイマーT1はリセットされる。
図14は、「使用者なし」の状態におけるトイレブース使用状況報知システム1の作動状態を示す模式図である。判定結果が「使用者なし」の状態を示している場合は、報知表示部13の「あき」LED6が点灯しており、そのトイレブース200が「あき」状態にあることを外から容易に把握できる利点が生ずる。また、トイレブース200から人が退出する際、勢いよく扉202が閉鎖されるときの振動で施錠機構204のフック金具が動き、トイレブース200が無人状態で施錠されてしまうことがある。このとき、既設の施錠表示部205は「使用中」になるが、報知表示部13は「あき」LED6が点灯している。後者は、前述の使用者有無判定により得られる、高信頼度にて「あき状態」を示すものであるから、施錠表示部205が「使用中」となっているブースが実は「あき」状態であることを外から目視で容易に把握でき、巡視者(車掌等)PIは速やかに解錠処理に移行できる。これにより、当該のトイレブース200が使えるにもかかわらず「使用中」となって、次の利用を妨げてしまう不具合を効果的に回避することができる。
他方、H6にて「使用者あり」の判定受信の継続時間が下限閾値T1mを超えていれば、「使用者あり」の判定を確定させ、H7に進んで「あき」LED6を消灯し、「使用中」LED7を点灯させる。図15は、「使用者あり」の状態におけるトイレブース使用状況報知システム1の作動状態を示す模式図である。判定結果が「使用者あり」の状態を示している場合は、報知表示部13の「使用中」LED7が点灯しており、そのトイレブース200が「使用中」状態にあることを外から容易に把握できる利点が生ずる。また、後述の通り、この「使用中」LED7が点滅していなければ、使用者の滞在時間が使用継続超過の閾値T1cを超えていないことを意味するので、巡視者PIは特に異常の内通常の使用状態として判断できる。
一方、図17は、トイレブース200に使用者PPが扉202の施錠を失念して入室している場合を示すものである。公共トイレを使用する際には、扉をノックしてから入るのがマナーとはいえ、施錠表示部205が「あき」となっていれば、列車内の利用希望者PIは、たいていは躊躇することなく扉202を開け放つことになる。中の使用者PPは、不用意に扉202が開け放たれると狼狽し、状況によっては進退窮まることもありえるし、扉202を開けたほうの利用希望者PIは非常にばつの悪い思いをする。本実施形態のように、引き戸形式の列車トイレの場合、施錠されていなくても扉はしっかり閉鎖されているように見えるから、上記のような施錠失念問題は比較的高頻度で発生していると考えられる。
しかし、トイレブース使用状況報知システム1を使用すれば、既設の施錠表示部205は「あき」になるが、報知表示部13には「使用中」LED7が点灯している。後者は、検知モジュール103を用いた判定により高信頼度にて「使用中」状態を示すものであるから、施錠表示部205が「あき」となっているブースが実は「使用中」状態であることを外から目視で容易に把握できる。したがって、これを見た利用希望者PIは、施錠表示部205が「あき」となっていても、中に使用者がいる可能性を察知して即時の開扉を思いとどまり、ノックをするなどの行為に誘導されるから、上記のような問題発生を効果的に抑制できる。
図13に戻り、H8では第一タイマーT1の計時状態が使用継続超過の閾値T1cを超えているか否かを判断する。超えていなければH9をスキップしてH10に進み、再び使用者検知判定結果取得する。H11にてその判定内容が「使用者あり」の場合にH12に進んで第二タイマーT2をリセットし、H8に戻ってH11までの処理を繰り返す。この途上で、H8で取得する第一タイマーT1の計時状態が使用継続超過の閾値T1cを超えていた場合はH9の処理となり、(連続点灯状態にある)「使用中」LED7を、使用継続超過を示す点滅状態に切り替える。
図16は、使用継続超過状態におけるトイレブース使用状況報知システム1の作動状態を示す模式図である。判定結果が使用継続超過状態を示している場合は、報知表示部13の「使用中」LED7が点滅しており、そのトイレブース200が使用継続超過状態にあることを外から速やかに把握できる。また、巡視者PIは使用中のトイレブース200内で、使用者に何らかの異常が発生したと判断し、開扉操作等をためらうことなく実施できる。
図13に戻り、H11にてその判定内容が「使用者なし」の場合、H13に進んで第二タイマーT2による計時を開始する。H14では第二タイマーT2による計時経過時間が閾値T2cを超えているか否かを判定し、超えていなければH8に戻って以下の処理を繰り返す。これにより、閾値T2c未満(つまり、ノイズ等)の範囲で一時的に人が検出されない状態になっても第一タイマーT1の計時は継続され、連続使用継続時間の計時が細切れになってしまうことが防止される。
一方、H11で「使用者あり」の判定がなされた場合は、前述の通りH12に進んで第二タイマーT2をリセットし、H8に戻って以下の処理を繰り返す。つまり、「使用者なし」の継続時間が閾値T2cに達するまでに「使用者あり」の状態に遷移してしまった場合は、直後の繰り返しループにおけるH11での判断分岐にて処理はH8に戻り、第二タイマーT2はリセットされて、次の「使用者なし」状態が発生するまで待機することとなる。当然、この間も第一タイマーT1による連続使用継続時間の計時は継続されたままである。
そして、H14にて第二タイマーT2の計時が閾値T2cを超えれば「使用者なし」の判定を確定させ、H15を経てH1に戻り、以下の処理を繰り返す。その後のH2のステップで、報知表示部13の「使用中」LED7を消灯させ、「あき」LED6を点灯させる。
以下、トイレブース使用状況報知システム1の種々の変形例について説明する(すでに説明した部分と共通の要素には、同一の符号を付与して詳細な説明を略する)。
図18,19は、発光表示部の変形形態を示すものである。該発光表示部513は、半透光性のカバー513c(ここでは半円状断面)を有し、内側にはベース513bに実装された前述のLED6,7が設けられる。図20は、この発光表示部513を含むシステム1を、集合トイレの複数のトイレブース200に個別に設置した例である。個々のブースの扉202は蝶番により前後に開閉可能に取り付けられており、図示しない周知のスライド式の施錠機構により、内側から施錠可能である。
発光表示部513は、立位にある巡視者(あるいは利用者(視認者))PIがトイレブース200の扉202を左右の視界の一方(図では、巡視者PIから見て左側)に寄せた視野にて見込んだ時に、発光状態が視認可能となるように、トイレブース200の扉202の幅方向の一方に隣接する壁部外側面上、ここでは扉202の取付枠202aの前面上方に取り付けられている。図20の集合トイレでは、通路と平行にブース扉202が設置されており、上記のように発光表示部513を取り付けることで、通路を歩行する利用者や巡視者PIは、遠くにあるブースであっても発光表示部513の発光状態により当該ブースの占有状況を容易に把握できる。
そして、特に使用継続超過のブースについては、これをいち早く発見して必要な対応に速やかに移行できる利点が生ずる。また、使用継続超過の発生を、集合トイレ内の無線アクセスポイント68に向け、無線送信することで外部に通報することも可能である。さらに、個々のブース200に取り付けられている既設の施錠表示部が非発光形態のものであっても、上記発光表示部513を新たな施錠表示部205として容易に後付け設置することが可能である。集合トイレ内に入った利用者は、空いているトイレブース200がどれであるかを、トイレブース200に近づかなくとも把握しやすくなる。
また、図1に示すごとく、同じトイレブース200に既設の施錠表示部205と報知表示部13とが併設されている場合、2つの表示部の表示状態が相違していると、実際のブースの占有状態がどちらの表示部に反映されているのかの把握ができなくなり、混乱要因となることも考えられる。この場合、図21に示すように、既設の施錠表示部205を隠蔽する位置に報知表示部13を設置すれば、表示が一義的となって混乱要因を解消できる。図21においては、報知表示部13の筐体13mの側面に取付ベース13bが一体化され、該取付ベース13bにて締結部材202sにより扉枠壁部202aに片持ち形態で組付けられている。これにより、閉扉状態にて報知表示部13は扉202上の施錠表示部205の上方に重なり、これを隠蔽する。
図22は、報知表示部13において「使用中」LEDを、通常使用状態を示すLED7(例えばオレンジ)と、使用継続超過を示すLED8(例えば赤)とに分けて設けた例を示すものである。使用継続超過時にあっては、LED8は点滅させても連続点灯させてもいずれでもよい。また、図23は、報知表示部を平面ディスプレイ9で構成した例であり、個々の状態を文字にて表示するようにしている。該平面ディスプレイ9は、例えば液晶ディスプレイのほか、自発光ドットマトリックスディスプレイ(例えば、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、LEDマトリックスディスプレイなど)で構成でき、図6に示すように、I/O拡張IC56に対しグラフィックインターフェース9aを介して接続される。
次に、図1ないし図6に示すトイレブース使用状況報知システム1には、トイレブース内の便器に着座する使用者の心拍及び呼吸の少なくともいずれかに由来した生存微動を検出するドップラーセンサモジュール303を追加することができる。このドップラーセンサモジュール303による検出結果に基づいてトイレブース内の使用者の生存状態を判定し、上記検知モジュール103による検知結果から、トイレブース内に使用者がありと判定されている状態で、ドップラーセンサモジュール303による前記使用者の生存状態にかかる判定結果が否定的な結果を示している場合に、使用者に異常が発生したことを示す異常報知情報を出力させるように構成することができる。以下、詳細に説明する。
図1に示すように、トイレブース200内には、検知用マイクロ波を送出することにより検知域DAを形成するドップラーセンサモジュール303を取り付ける。ドップラーセンサモジュール303は、便器201に着座する使用者PPに対し、該使用者PPの心拍及び呼吸の少なくともいずれかを検出するために使用者PPの胸部に向けて検知用マイクロ波を送出するものである。具体的には、着座する使用者PPの胸部に対応した位置(例えば床面から50cm以上1m以下)にて、使用者PPの前方から胸部に向けて検知用マイクロ波を送出できるように設置高さが調整されている。ここでは、トイレブース200は使用者PPの側方に扉202が設置されており、ドップラーセンサモジュール303は筐体に収容されたセンサユニット4の形で使用者PPの前方側の内壁面に取り付けられている。なお、ドップラーセンサモジュール303は、使用者PPの背後から検知用マイクロ波を送出するように取り付けてもよいし、心拍ないし呼吸の微動を検知できる範囲内で、トイレブースの天井(ないし天井裏)に取り付けることも可能である。しかし、呼吸や心拍に伴う生存微動の信号強度を大きく取得するためには、使用者PPの胸部前方側に取り付けるほうがより有利である。
このドップラーセンサモジュール303による使用者PPの検出状態に基づきトイレブース200内の使用者PPの生存状態を判定する。そして、検知モジュール103を用いた判定が「使用者あり」となっており、かつドップラーセンサモジュール303を用いた判定が「非生存」の判定となっていた場合に、使用状況報知情報としての異常報知情報を、トイレブースに付帯設置された音声出力部10(図1及び図6:音声合成LSI、アンプ及びスピーカーからなる)に出力するように構成されている。
前述の通り、トイレブース使用状況報知システム1においては、使用者ありの状態の連続継続時間、すなわちトイレブース200の使用継続時間が予め定められた閾時間を超過した場合には、「使用中」LED7は点滅状態に移行し、使用継続超過情報として報知出力される。しかし、使用者がブース内にいると判定されつつも、生存状態が否定的な判定結果になる(つまり、心拍や呼吸が非検知となる)ということは、次のような緊急対応が差し迫っていることを意味する。
・ブース内の使用者の生存微動が途切れた状態、すなわち心肺停止等の重篤な危機にある状態。
・人ではなく荷物(特に不審物)が持ち込まれた状態。
・使用者がブース内に何らかの忘れ物をした状態。
いずれの場合も、その緊急性から、使用継続超過を待たず、音声出力部10から異常報知出力(アラーム音、あるいは「このトイレ内で異常です」、「不審物があります」、「お忘れ物がありませんか?」などの音声出力)を即時に出力することが効果的である。
ドップラーセンサモジュール303の構成は周知であり、検出波としてマイクロ波を検出域に送出し、動体による反射波を受信するとともに、反射波のドップラーシフトに由来した周波数成分(ドップラーシフト成分)を抽出し、動体の動きを検出するものである。送信波の周波数はマイクロ波帯(GHz帯)であるのに対し、人の動きなどを示すドップラー周波数は0.2〜数十Hzの低周波帯であり、反射波はドップラーシフトによる周波数変調波と見ることができる。したがって、一般的なドップラーセンサモジュールにおいては、反射波を直交検波してドップラーシフト成分を抽出する方式が採用されている。
次に、図24は、ドップラーセンサモジュール303を含むセンサユニット4の内部構成の詳細を示すブロック図である。ドップラーセンサモジュール303は、検出プローブであるマイクロ波を発生させる高周波回路部(ドップラーセンサRF回路)338を備え、パッチアンテナ等から構成される送信アンテナ337t及び受信アンテナ337rが接続される。高周波回路部338は送信周波数の発信回路を有し、これを増幅して送信アンテナ337tより対象物に送信し、その反射波を受信アンテナ337rにより受信する。反射波は前述の通り送信波がドップラーシフト成分で変調された波形を有するが、高周波回路部338内ではその入力反射波の同相波(Ich)と、図示しない位相シフト回路により90°移相した直交波(Qch)とを発生させ、各々高周波アンプ339を介して乗算器からなる直交検波回路(直交検波部(MUX))340に入力することで、変調成分であるドップラーシフト波形が抽出される。これらのブロックがドップラーセンサモジュール303のアナログ回路部303aを構成する。
一方、ドップラーセンサモジュール303には信号処理を行うためのマイクロプロセッサ部(デジタル回路部)303dが設けられる。マイクロプロセッサ部303dは、CPU331、RAM332、ROM334、PROM336、入出力部333とそれらを接続するバス342、及び直交検波回路340からのドップラーシフト成分の検波波形(検知信号)をデジタル変換して入出力部333に入力するA/D変換器(変換部)341とを有する。信号処理プログラムは読取専用メモリ(Read Only Memory:ROM)部に格納されるが、そのROM部のプログラム格納エリアが、書換え処理が不能なROM334のエリアと書換え処理あるいは書込み処理が可能なPROM336のエリアとによって構成されている。
例えばROM334はマスクROMにて構成され、検波波形のノイズ除去を行ない、さらに仕様に定められた動体速度範囲をカバーする全周波数帯域にてその強度評価を行うことにより動体の有無を判定する標準プログラムが消去不能に搭載されている。これは、ドップラーセンサモジュール303の製品仕様書に開示された動体検知・出力機能が、ユーザーによる誤ったプログラムの書き換えにより喪失しないようにするためである。
一方、PROM336はEPROM(Erasable Programmable ROM)あるいはEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)にて構成され、データ読み出し時よりも高電圧を印加するか、あるいは紫外線の照射により内容が消去可能に構成され、同じく高電圧印加により再書き込みが可能となっている。このPROM336のエリアには、バンドパスフィルタモジュール336aと生存微動検知プログラム336cが格納されている。
ドップラーセンサモジュール303の動作制御プログラムの先頭には、どのプログラムモジュールを処理に使用するかの情報(プログラム名ないしプログラム格納アドレス)を指定する実行指定ルーチンが置かれるが、このルーチンはPROM336内に書き込まれ、初期状態(工場出荷時の状態)ではROM34内の標準プログラムを指定する内容が書き込まれている。そして、本実施形態においては、その内容がバンドパスフィルタモジュール336aと生体微動検知プログラム336cとを指定する内容に書き換えられ、ROM334内の標準プログラムの不要なルーチンは実行されないようになっている(例えば、ノイズ除去処理など、本発明の実施に支障のないルーチンはそのまま引き継がれるようにプログラミングしておく)。
一方、RAM332はプログラムの実行エリアとして機能するものであり、入力波形データを一定のサンプリング時間(例えば5秒以上20秒以下)にて波形バッファメモリ332aに取り込み、波形処理メモリ332bにて生存微動有無の判定演算を行なう。判定結果は入出力部333の判定出力ポート335から出力される。具体的には判定出力ポート335は、生存微動ありの判定がなされた場合は出力電圧がハイ(H)レベル(例えば+3V)となり、生存微動なしの判定がなされた場合はオープンとなる。本実施形態では、例えば生存微動ありをHレベル、生存微動なしをLレベル(逆でもよい)として二値出力するために、判定出力ポート335は付加抵抗を介してプルアップされている。
バンドパスフィルタモジュール336aは、検波されたドップラーシフト波形に対し、人の心拍及び呼吸の少なくともいずれかに由来した信号成分をカバーする周波数帯域を通過帯域(検知対象帯域)として定めている。一般的な人の呼吸周波数帯域は0.2Hz以上0.5Hz以下程度であり、心拍周波数帯域は0.5Hz以上2Hz以下程度である。例えば、0.1Hz以上3Hz以下の周波数範囲の30%以上(望ましくは50%以上)がカバーされるように検知対象帯域を設定すると、呼吸と心拍との少なくともいずれかは部分的にはカバーでき、かつ、着座、離座、身振りといった大きく急峻な体動の周波数帯からは確実に切り分けることができる。
本実施形態では、心拍ないし呼吸による生存微動の検知精度をより高めるため、図25に示すように、呼吸と心拍を双方ともに包含する帯域の成分を利用して、呼吸と心拍の区別を特に行うことなく波形強度解析を行うようにしている。具体的には、検知対象帯域は0.2Hz以上1.5Hz以下の周波数範囲が包含されるように設定され、例えば通過帯域の下限を0.1Hz以上0.2Hz以下、上限が1.5Hz以上2Hz以下となるように定める。すると通過波形として、入力される直交検波波形から心拍成分と呼吸成分とが混合して抽出されたものが得られる。このようにすれば、呼吸と心拍のどちらか一方の信号強度が不十分な場合も、他方の信号強度が確保できていれば生存微動の有無を問題なく判定できる。特に振幅の小さい心拍の成分は重ね着などで隠ぺいされやすいが、より振幅の大きい呼吸の成分を利用することで、冬場などにおいても検知精度は格段に向上する。
生存微動検知プログラム336cは、バンドパスフィルタを通過した波形の強度(振幅)を演算し、例えばその強度が予め定められた閾値を超えているか否かにより、生存微動があるか否かを判定する。図26に示すように、サンプリングされた通過波形の振幅Aを時間tの関数A(t)で表したとき、平均振幅Amは、数学的にはA(t)の時間平均値A0を振幅中心として、|A(t)−A0|をサンプリング期間Tについて積分し、その積分値をTで除した値として計算できる。一方、心拍ないし呼吸成分による生存微動有無判定は、図27のように直交検波波形(検知信号)をフーリエ変換して周波数スペクトルを生成し、検知対象帯域のスペクトル強度分析を行うことにより行ってもよい。この場合、図24においてバンドパスフィルタモジュール336aに変え、入力波形から周波数スペクトルデータを得るフーリエ変換モジュール(フーリエ変換処理手段)、本実施形態では高速フーリエ変換(FFT)モジュール336bを組み込んでおくようにする。この場合の生存微動検知プログラム336cは、フーリエ変換により得られた周波数スペクトル曲線から検知対象帯域の区間を切り出して帯域内での平均強度Imを演算し、例えばその平均強度Imが予め定められた閾値Imcを超えているか否かにより生存微動があるか否かを判定する。
図28は、この場合の使用者検知処理の流れを示すフローチャートである。S300では検知モジュール103(図1)をONとし、ドップラーセンサモジュール303をOFFとする。S301では検知モジュール103による図11又は図12と同様の使用者検知処理を行う。S302で「使用者あり」の場合はS303に進み、判定出力ポート出力を「H」(使用者あり)に設定する。次いでS304に進み、検知モジュール103(図1)をOFFとし、ドップラーセンサモジュール303をONとする。そして、S305では図26ないし図27を用いて説明したドップラーセンサモジュールによる生存微動検知処理を行う。S306で生存微動がある場合は「使用者あり」の状態を維持し、S313を経てS300に戻り、以下の処理を繰り返す。他方、S306で生存微動がない場合はS307に進み、上記の異常報知処理を行う。その後、S313を経てS300に戻り、以下の処理を繰り返す。
また、S302で「使用者なし」の場合はS308に進み、検知モジュール103(図1)をOFFとし、ドップラーセンサモジュール303をONとする。そして、S309でドップラーセンサモジュールによる生存微動検知処理を行う。S310で生存微動がある場合はS312に進み、判定出力ポート出力を「H」(使用者あり)に設定する。他方、S310で生存微動がない場合はS311に進み、判定出力ポート出力を「L」(使用者なし)に設定する。その後、S313を経てS300に戻り、以下の処理を繰り返す。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、あくまで例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
1 トイレブース使用状況報知システム
103 検知モジュール(信号生成部、送信部、受信部、混合器)
6 「あき」LED(使用状況報知情報出力手段、発光表示部)
7 「使用中」LED(使用状況報知情報出力手段、発光表示部)
13 報知表示部
31 CPU
32 RAM
33 入出力部
36 ROM(ブランク信号データ記憶手段)
36c 使用者検知プログラム(使用者有無判定手段、信号比較手段)
36b FFTモジュール(周波数スペクトル生成手段)
37 アンテナ(送信波の出力部、反射波の受信部)
43 低域通過フィルタ回路
50 マイクロプロセッサ
51 CPU
52 RAM
53 入出力部
54 ROM
54a 判定プログラム(使用継続時間計測手段、使用者有無判定手段)
200 トイレブース
201 便器
202 扉
303 ドップラーセンサモジュール
336c 生存微動検知プログラム
338 ドップラーセンサRF回路

Claims (15)

  1. 扉を有したトイレブース内の便器の上方に設置される検知モジュールであって、予め定められた変調パターンにて周波数が連続変調される送信波形信号を生成する信号生成部と、前記送信波形信号の入力に基づき周波数が連続変調されるマイクロ波送信波を、前記便器及びその周囲を見込む向きに送信する送信部と、前記送信波の反射波を受信する受信部と、前記送信波形信号の分配波形と前記受信部の受信波形信号とを混合し、前記送信波形信号と前記受信波形信号との周波数差に基づく定在波ビート信号を検知信号として出力する混合器とを備えた検知モジュールと、
    前記検知信号を解析して前記トイレブース内の使用者の有無を判定する使用者有無判定手段と、
    前記使用者有無判定手段による判定結果に基づいて、前記トイレブースの使用状況を示す使用状況報知情報を出力する使用状況報知情報出力手段と、
    を備えたことを特徴するトイレブース使用状況報知システム。
  2. 前記使用者有無判定手段による前記判定結果が使用者なしの状態から使用者ありの状態に切り替わってからの使用継続時間を計測する使用継続時間計測手段を備え、前記使用状況報知情報出力手段は、計測される前記使用継続時間が予め定められた閾時間を超過した場合に前記使用状況報知情報として使用継続超過情報を報知出力するものである請求項1記載のトイレブース使用状況報知システム。
  3. 前記信号生成部は、周波数偏移幅と周期が一定に定められた線形変調パターンに従い前記送信波形信号を生成する請求項1又は請求項2に記載のトイレブース使用状況報知システム。
  4. 前記信号生成部の前記送信波形信号の周波数偏移幅が100MHz以上1.5GHz以下に設定される請求項3記載のトイレブース使用状況報知システム。
  5. 前記トイレブース内に使用者が不在の状態で前記検知モジュールにより予め計測された定在波ビート信号のデータをブランク信号データとして記憶するブランク信号データ記憶手段が設けられるとともに、前記使用者有無判定手段は、該ブランク信号データを読み出して前記検知信号と比較する信号比較手段を備え、該比較結果に基づいて前記トイレブース内の使用者の有無を判定するものである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のトイレブース使用状況報知システム。
  6. 前記混合器から抽出される前記定在波ビート信号の周波数スペクトルデータを生成する周波数スペクトル生成手段を備えるとともに、前記ブランク信号データ記憶手段は前記ブランク信号データを周波数スペクトルデータとして記憶するものであり、前記信号比較手段は、各々周波数スペクトルに変換された前記ブランク信号データと前記検知信号との比較を行う請求項5記載のトイレブース使用状況報知システム。
  7. 前記信号比較手段は、前記ブランク信号データの周波数スペクトルと前記検知信号の周波数スペクトルとの差分スペクトルを演算するものであり、
    前記使用者有無判定手段は、前記差分スペクトルの強度に基づいて前記トイレブース内の使用者の有無を判定する請求項6記載のトイレブース使用状況報知システム。
  8. 前記送信波と、前記トイレブースの床面から高さH(m)の位置にある反射ポイントによる一次反射波との重ね合わせに由来したビート信号成分の周波数をθ(H)としたとき、H=0に対応する周波数θ(0)よりも高周波の複数次反射波に由来したビート信号成分を遮断する低域通過フィルタ手段が設けられ、前記使用者有無判定手段は該低域通過フィルタ手段を通過した前記検知信号に基づいて前記差分スペクトルを演算するものである請求項7記載のトイレブース使用状況報知システム。
  9. 前記トイレブース内の便器に着座する使用者の心拍及び呼吸の少なくともいずれかに由来した生存微動を検出するドップラーセンサモジュールと、
    前記ドップラーセンサモジュールによる検出結果に基づいて前記トイレブース内の前記使用者の生存状態を判定する生存判定手段と、
    前記使用者有無判定手段により前記トイレブース内の使用者がありと判定されている状態で、前記生存判定手段による前記使用者の生存状態にかかる判定結果が否定的な結果を示している場合に、前記使用状況報知情報出力手段に対し前記使用者に異常が発生したことを示す異常報知情報を出力させる異常報知情報出力制御手段と、を備える請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のトイレブース使用状況報知システム。
  10. 前記使用状況報知情報出力手段は、前記トイレブースの外に付帯設置された報知表示部に前記使用継続超過情報を表示出力するものである請求項2記載のトイレブース使用状況報知システム。
  11. 前記使用状況報知情報出力手段は、前記判定結果が前記使用者ありの状態を示し、かつ前記使用継続時間が前記閾時間を超過していない場合に、前記報知表示部に、前記トイレブースが使用中であることを示す使用中情報を前記使用継続超過情報と区別可能に表示出力するものである請求項10記載のトイレブース使用状況報知システム。
  12. 前記使用状況報知情報出力手段は、前記判定結果が前記使用者なしの状態を示している場合に、前記報知表示部に前記トイレブースがあき状態であることを示すあき情報を、前記使用継続超過情報及び前記使用中情報と区別可能に表示出力するものである請求項11記載のトイレブース使用状況報知システム。
  13. 前記トイレブースは、ブース内側から操作可能な扉施錠機構と、前記扉の施錠状態を該扉の外から識別できる位置にて前記扉施錠機構と連動して切替表示する既設の施錠表示部とを備えたものであり、
    前記報知表示部は該施錠表示部と別体に設けられてなり、かつ、前記扉施錠機構の作動状態と無関係に前記使用状況報知情報を表示出力するものである請求項12記載のトイレブース使用状況報知システム。
  14. 前記トイレブースの外に付帯設置された報知表示部を備え、立位にある視認者が前記トイレブースの前記扉を左右の視界の一方に寄せた視野にて見込んだ時に発光状態が視認可能となるように、前記トイレブースの前記扉の幅方向の一方に隣接する壁部外側面上に取り付けられるとともに、互いに異なる内容の前記使用状況報知情報を発光状態の相違により区別可能に出力する発光表示部である請求項9ないし請求項13のいずれか1項に記載のトイレブース使用状況報知システム。
  15. 前記使用状況報知情報出力手段は、前記使用状況報知情報を外部ネットワークに無線ないし有線の通信手段により通信出力する通信出力手段を有する請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載のトイレブース使用状況報知システム。
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