JP2019119220A - 車両用廃熱利用装置および暖房装置 - Google Patents

車両用廃熱利用装置および暖房装置 Download PDF

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洋介 野老
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Abstract

【課題】電気ヒータ等の使用を極力抑えつつ暖房運転を適切に行うことができる車両用廃熱利用装置および暖房装置を提供する。【解決手段】車両用廃熱利用装置10は、冷却側流路22と分岐流路54とに跨って設けられる熱交換器80と、熱交換器80に設けられる蓄熱体と、第1分岐部42aと蓄熱体との間の分岐流路54に設けられる空調側二方弁56、第2分岐部42bに設けられる空調側第1三方弁58と、熱交換器80の下流側の分岐流路54に設けられる空調側第2三方弁60と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電動車両に設けられる駆動モータ等の熱源体の廃熱を利用して車室内を暖房する車両用廃熱利用装置および暖房装置に関する。
エンジンを搭載する車両はエンジンの廃熱を熱媒体で吸収してエンジンを冷却すると共に、熱媒体の熱をヒータコアで放散することにより車室内を暖房する。一方、エンジンを搭載しない電動車両は熱媒体を駆動モータの廃熱や電気ヒータで暖めて、熱媒体の熱をヒータコアで放散することにより車室内を暖房する。
特許文献1には、熱媒体を圧縮機で昇温させた後に室内熱交換器(ヒータコア)で放熱させ、減圧弁で降温させた後に室外熱交換器(ラジエータ)で吸熱させるヒートポンプ回路を使用して車室内を暖房する空調装置が示される。この空調装置は、発電機やインバータ等の廃熱を利用する加熱器を有しており、減圧弁で降温させた熱媒体を加熱器で昇温させた後に分流し、一方をラジエータに流して除霜を行うと共に、他方を圧縮機で吸込むことにより、除霜と暖房を同時に行うことを可能にしている。
特開2012−76589号公報
特許文献1の空調装置が行う暖房運転には、加熱器側の熱媒体が暖まるまで車室内を暖房することができない等の改良の余地がある。このような場合に電気ヒータ等を使用することも考えられる。しかし、電動車両では航続距離を伸ばすために電気ヒータ等の電力消費を回避することが望ましい。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、電気ヒータ等の使用を極力抑えつつ暖房運転を適切に行うことができる車両用廃熱利用装置および暖房装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用廃熱利用装置は、
冷却側流路に第1熱媒体を還流させて熱源体から熱を吸収する冷却回路と、
空調側流路に第2熱媒体を還流させてヒータコアで熱を放散する空調回路と、を備え、
前記冷却側流路には、前記第1熱媒体を吐出する冷却側ポンプと、前記熱源体と、がその順で配置され、
前記空調側流路には、前記第2熱媒体を圧縮することにより昇温させて吐出する圧縮機と、前記ヒータコアと、前記第2熱媒体を減圧することにより降温させることができる減圧弁と、前記第2熱媒体と外気との間で熱交換を行う空調側ラジエータと、前記第2熱媒体を気液分離して気相の前記第2熱媒体を前記圧縮機側に流すアキュムレータと、がその順で配置され、更に、前記圧縮機の下流側でありかつ前記減圧弁の上流側に分岐部が配置され、前記減圧弁の下流側でありかつ前記空調側ラジエータの上流側に第1合流部が配置され、前記空調側ラジエータの下流側でありかつ前記アキュムレータの上流側に第2合流部が配置され、前記分岐部と前記第1合流部と前記第2合流部に分岐流路が接続され、
前記熱源体の下流側の前記冷却側流路と前記分岐流路とに跨って設けられて、前記第1熱媒体と前記第2熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、
前記熱交換器に設けられて、前記第1熱媒体および前記第2熱媒体の熱を蓄えまた蓄えた熱を前記第2熱媒体に与える蓄熱体と、
前記分岐部または前記分岐部と前記熱交換器との間の前記分岐流路に設けられて、前記空調側流路と前記熱交換器との連通と遮断とを切り替える空調側第1切替弁と、
前記熱交換器の下流側の前記分岐流路に設けられて、前記熱交換器と前記空調側ラジエータの上流側の前記空調側流路と下流側の前記空調側流路との連通と遮断とを切り替える空調側第2切替弁と、を更に備える
ことを特徴とする。
上記構成によれば、空調側第1切替弁を適切なタイミングで切り替えることにより第1熱媒体および第2熱媒体の熱を蓄熱体に蓄えることができる。また、外気温が低い状況、すなわち、空調側ラジエータで第2熱媒体が外気から熱を吸収できずヒートポンプシステムによる室内暖房を維持することができない状況であっても、空調側第1切替弁および空調側第2切替弁を適切なタイミングで切り替えることによりホットガス暖房が可能になる。また、空調側第1切替弁および/または空調側第2切替弁を適切なタイミングで切り替えることにより、空調側ラジエータとアキュムレータの両者に高温の第2熱媒体を同時に供給することができる。このため、電気ヒータを使用しなくても室内の暖房と空調側ラジエータの除霜を同時に行うことができる。更に、空調側第1切替弁および/または空調側第2切替弁を適宜切り替えることにより、様々な暖房運転と除霜運転を行うことができる。
本発明に係る車両用廃熱利用装置において、
前記分岐部は、
前記圧縮機と前記ヒータコアとの間に配置される第1分岐部と、
前記ヒータコアと前記減圧弁との間に配置される第2分岐部と、を含み、
前記空調側第1切替弁は、
前記第1分岐部と前記熱交換器との間の前記分岐流路に設けられる二方弁と、
前記第2分岐部に設けられる三方弁と、を含んでいてもよい。
上記構成によれば、二方弁により圧縮機と熱交換器との連通と遮断とを切り替えることができる。圧縮機と熱交換器とが連通すると、圧縮機から吐出される高温の第2熱媒体が第1分岐部で分流し、その一部がヒータコアに流入し、残りが熱交換器に直接流入する。このため、暖房を行いつつ、蓄熱体に蓄熱することができる。また、上記構成によれば、三方弁によりヒータコアと熱交換器との連通と遮断とを切り替えることができる。ヒータコアと熱交換器とが連通すると、ヒータコアで放熱し降温した第2熱媒体が熱交換器で吸熱して昇温する。このため、空調側ラジエータとアキュムレータの両者に高温の第2熱媒体を同時に供給することができる。
本発明に係る車両用廃熱利用装置において、
前記分岐部は、前記ヒータコアと前記減圧弁との間に配置され、
前記空調側第1切替弁は、前記分岐部に設けられる三方弁であってもよい。
上記構成によれば、三方弁によりヒータコアと熱交換器との連通と遮断とを切り替えることができる。ヒータコアと熱交換器とが連通すると、ヒータコアで放熱し降温した第2熱媒体が熱交換器で吸熱して昇温する。このため、空調側ラジエータとアキュムレータの両者に高温の第2熱媒体を同時に供給することができる。
本発明に係る車両用廃熱利用装置において、
前記分岐部は、前記圧縮機と前記ヒータコアとの間に配置され、
前記空調側第1切替弁は、前記分岐部と前記蓄熱体との間の前記分岐流路に設けられる二方弁であってもよい。
上記構成によれば、二方弁により圧縮機と熱交換器との連通と遮断とを切り替えることができる。圧縮機と熱交換器とが連通すると、圧縮機から吐出される高温の第2熱媒体が第1分岐部で分流し、その一部がヒータコアに流入し、残りが熱交換器に直接流入する。このため、暖房を行いつつ、蓄熱体に蓄熱することができる。
本発明に係る車両用廃熱利用装置において、
前記圧縮機から流出する前記第2熱媒体の第1温度を検出する第1温度センサと、
前記ヒータコアから流出する前記第2熱媒体の第2温度を検出する第2温度センサと、
前記蓄熱体の温度を検出する蓄熱体温度センサと、
外気の温度を検出する外気温度センサと、
前記第1温度と前記第2温度と前記蓄熱体の温度と外気の温度に基づいて、前記空調側第1切替弁と前記空調側第2切替弁を制御する制御部と、を更に備えてもよい。
上記構成によれば、空調側第1切替弁と空調側第2切替弁を適切なタイミングで動作させることができ、様々な暖房運転、除霜運転、蓄熱運転を行うことができる。
本発明に係る暖房装置は、
熱媒体を圧縮することにより昇温させて吐出する圧縮機と、
前記熱媒体と室内の空気との間で熱交換を行う室内熱交換器と、
前記熱媒体を減圧することにより降温させることができる減圧弁と、
前記熱媒体と室外の空気との間で熱交換を行う室外熱交換器と、
前記熱媒体を気液分離して気相の前記熱媒体を前記圧縮機側に流すアキュムレータと、
前記圧縮機と前記室内熱交換器と前記減圧弁と前記室外熱交換器と前記アキュムレータとがその順で配置され、前記熱媒体が還流する空調側流路と、を備える暖房装置であって、
前記空調側流路には、前記圧縮機の下流側でありかつ前記減圧弁の上流側に分岐部が配置され、前記減圧弁の下流側でありかつ前記室外熱交換器の上流側に第1合流部が配置され、前記室外熱交換器の下流側でありかつ前記アキュムレータの上流側に第2合流部が配置され、前記分岐部と前記第1合流部と前記第2合流部に分岐流路が接続され、
前記分岐流路に設けられ、前記熱媒体の熱を蓄えまた蓄えた熱を前記熱媒体に与える蓄熱体と、
前記分岐部または前記分岐部と前記蓄熱体との間の前記分岐流路に設けられて、前記空調側流路と前記蓄熱体との連通と遮断とを切り替える空調側第1切替弁と、
前記蓄熱体の下流側の前記分岐流路に設けられて、前記蓄熱体と前記室外熱交換器の上流側の前記空調側流路と下流側の前記空調側流路との連通と遮断とを切り替える空調側第2切替弁と、を備える
ことを特徴とする。
上記構成によれば、空調側第1切替弁を適切なタイミングで切り替えることにより熱媒体の熱を蓄熱体に蓄えることができ、また、蓄熱体に蓄えた熱を熱媒体に与えることができる。このため、例えば、夜間に蓄熱体に熱を蓄えておけば、朝等室内を急速に暖めたいときに急速暖房を行うことができる。また、空調側第1切替弁および/または空調側第2切替弁を適切なタイミングで切り替えることにより、室外熱交換器とアキュムレータの両者に高温の熱媒体を同時に供給することができる。このため、電気ヒータを使用しなくても室内の暖房と室外熱交換器の除霜を同時に行うことができる。更に、空調側第1切替弁および/または空調側第2切替弁を適宜切り替えることにより、様々な暖房運転と除霜運転を行うことができる。
本発明に係る暖房装置において、
前記分岐部は、
前記圧縮機と前記室内熱交換器との間に配置される第1分岐部と、
前記室内熱交換器と前記減圧弁との間に配置される第2分岐部と、を含み、
前記空調側第1切替弁は、
前記第1分岐部と前記蓄熱体との間の前記分岐流路に設けられる二方弁と、
前記第2分岐部に設けられる三方弁と、を含んでいてもよい。
上記構成によれば、二方弁により圧縮機と蓄熱体との連通と遮断とを切り替えることができる。圧縮機と蓄熱体とが連通すると、圧縮機から吐出される高温の熱媒体が第1分岐部で分流し、その一部が室内熱交換器に流入し、残りが蓄熱体に直接流入する。このため、暖房を行いつつ、蓄熱体に蓄熱することができる。また、上記構成によれば、三方弁により室内熱交換器と蓄熱体との連通と遮断とを切り替えることができる。室内熱交換器と蓄熱体とが連通すると、室内熱交換器で放熱し降温した熱媒体が蓄熱体で吸熱して昇温する。このため、室外熱交換器とアキュムレータの両者に高温の熱媒体を同時に供給することができる。
本発明に係る暖房装置において、
前記分岐部は、前記室内熱交換器と前記減圧弁との間に配置され、
前記空調側第1切替弁は、前記分岐部に設けられる三方弁であってもよい。
上記構成によれば、三方弁により室内熱交換器と蓄熱体との連通と遮断とを切り替えることができる。室内熱交換器と蓄熱体とが連通すると、室内熱交換器で放熱し降温した熱媒体が蓄熱体で吸熱して昇温する。このため、室外熱交換器とアキュムレータの両者に高温の熱媒体を同時に供給することができる。
本発明に係る暖房装置において、
前記分岐部は、前記圧縮機と前記室内熱交換器との間に配置され、
前記空調側第1切替弁は、前記分岐部と前記蓄熱体との間の前記分岐流路に設けられる二方弁であってもよい。
上記構成によれば、二方弁により圧縮機と蓄熱体との連通と遮断とを切り替えることができる。圧縮機と蓄熱体とが連通すると、圧縮機から吐出される高温の熱媒体が第1分岐部で分流し、その一部が室内熱交換器に流入し、残りが蓄熱体に直接流入する。このため、暖房を行いつつ、蓄熱体に蓄熱することができる。
本発明に係る暖房装置において、
前記圧縮機から流出する前記熱媒体の第1温度を検出する第1温度センサと、
前記室内熱交換器から流出する前記熱媒体の第2温度を検出する第2温度センサと、
前記蓄熱体の温度を検出する蓄熱体温度センサと、
外気の温度を検出する外気温度センサと、
前記第1温度と前記第2温度と前記蓄熱体の温度と外気の温度に基づいて、前記空調側第1切替弁と前記空調側第2切替弁を制御する制御部と、を更に備えてもよい。
上記構成によれば、空調側第1切替弁と空調側第2切替弁を適切なタイミングで動作させることができ、様々な暖房運転、除霜運転、蓄熱運転を行うことができる。
本発明によれば、熱媒体を急速に暖めて室内の暖房を行うことができ、暖房を行いつつ除霜を行うこともできる。更に、切替弁を適宜切り替えることにより、様々な暖房運転と除霜運転を行うことができる。
図1は第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置の構成図である。 図2は熱交換器の構成図である。 図3は第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図4は第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図5は第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図6は第1実施形態の通常暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図7は第1実施形態の第1ホットガス暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図8は第1実施形態の第2ホットガス暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図9は第1実施形態の第1除霜運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図10は第1実施形態の第2除霜運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図11は第1実施形態の第3除霜運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図12は第1実施形態の第1蓄熱運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図13は第1実施形態の第2蓄熱運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図14は第2実施形態に係る車両用廃熱利用装置の構成図である。 図15は第2実施形態に係る車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図16は第2実施形態に係る車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図17は第2実施形態の通常暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図18は第2実施形態の第1ホットガス暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図19は第2実施形態の第2ホットガス暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図20は第2実施形態の第1除霜運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図21は第2実施形態の第2除霜運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図22は第2実施形態の蓄熱運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図23は第3実施形態に係る車両用廃熱利用装置の構成図である。 図24は第3実施形態に係る車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図25は第3実施形態に係る車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図26は第3実施形態の通常暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図27は第3実施形態の第1ホットガス暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図28は第3実施形態の第2ホットガス暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図29は第3実施形態の第1除霜運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図30は第3実施形態の第2除霜運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図31は第3実施形態の蓄熱運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図32は第4実施形態に係る車両用廃熱利用装置の構成図である。 図33は第4実施形態に係る車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図34は第4実施形態に係る車両用廃熱利用装置で行われる処理のフローチャートである。 図35は第4実施形態の通常暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図36は第4実施形態の第1ホットガス暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図37は第4実施形態の第2ホットガス暖房運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図38は第4実施形態の第1除霜運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図39は第4実施形態の第2除霜運転時に第1熱媒体および第2熱媒体が流れる流路を示す図である。 図40は第1実施形態に相当する暖房装置の構成図である。 図41は第2実施形態に相当する暖房装置の構成図である。 図42は第3実施形態に相当する暖房装置の構成図である。
以下、本発明に係る車両用廃熱利用装置および暖房装置について、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
[1.第1実施形態]
図1〜図13を用いて第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10を説明する。
[1.1.車両用廃熱利用装置10の構成]
図1に示される車両用廃熱利用装置10は、バッテリやジェネレータから供給される電力により駆動モータを作動させて走行する電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両に設けられる。車両用廃熱利用装置10は、冷却回路20と、空調回路40と、制御部90と、を備え、更に冷却回路20と空調回路40に跨る熱交換器80を備える。
冷却回路20は、水等の第1熱媒体を還流させる環状の冷却側流路22を有し、第1熱媒体で熱源体26から熱を吸収することにより熱源体26を冷却する。冷却側流路22には、冷却側ポンプ24と、熱源体26と、熱交換器80と、逆止弁27と、冷却側ラジエータ28と、が第1熱媒体の還流方向(矢線X)に沿って、その順で配置される。また、冷却側流路22には、熱交換器80をバイパスする冷却側バイパス流路30が接続される。冷却側バイパス流路30は、分岐部22aで冷却側流路22から分岐し、合流部22bで冷却側流路22に合流する。分岐部22aには冷却側切替弁32が設けられる。また、冷却回路20には、熱源体26から流出する第1熱媒体の温度Tmを検出する冷却側温度センサ36が設けられる。
冷却側ポンプ24は、第1熱媒体を冷却側ラジエータ28側から吸込んで熱源体26側に吐出する。熱源体26は、走行用の駆動モータや駆動モータの駆動回路やバッテリのような冷却が必要な冷却対象物である。熱源体26には、第1熱媒体の流路が近接して設けられる。例えば、駆動モータはその周囲をケースで覆われ、そのケースには第1熱媒体を流す流路が形成される。駆動モータの熱はケースを介して第1熱媒体に吸収される。熱交換器80に関しては後述する。逆止弁27は、熱交換器80から合流部22bへの第2熱媒体の流れを許容し、合流部22bから熱交換器80への第2熱媒体の流れを阻止する。冷却側ラジエータ28は、第1熱媒体を流す流路を備える熱交換装置であり、第1熱媒体と車室外の空気との間で熱交換を行い、第1熱媒体の熱を車室外に放散する。冷却側切替弁32は、制御部90から出力される指令信号に従い、上流側の冷却側流路22と下流側の冷却側流路22との連通と遮断とを切り替えると共に、上流側の冷却側流路22と冷却側バイパス流路30との連通と遮断とを切り替える。
空調回路40は、フロン等の第2熱媒体を還流させる環状の空調側流路42を有し、ヒータコア46で第2熱媒体の熱を放散する。空調側流路42には、圧縮機44と、ヒータコア46と、減圧弁48と、空調側ラジエータ50と、アキュムレータ52と、が第2熱媒体の還流方向(矢線Y)に沿って、その順で配置される。空調側流路42のうち、圧縮機44の吐出口とヒータコア46との間には第1分岐部42aが配置される。ヒータコア46と減圧弁48との間には第2分岐部42bが配置される。減圧弁48と空調側ラジエータ50との間には第1合流部42cが配置される。空調側ラジエータ50とアキュムレータ52との間には第2合流部42dが配置される。第1分岐部42aと第2分岐部42bと第1合流部42cと第2合流部42dには、分岐流路54が接続される。分岐流路54には熱交換器80が設けられる。
熱交換器80よりも上流側の分岐流路54は、第1分岐部42aおよび第2分岐部42bで空調側流路42から分岐し、分岐したそれぞれの分岐流路54が合流箇所54aで合流して熱交換器80に繋がる。熱交換器80よりも下流側の分岐流路54は、熱交換器80に繋がる分岐流路54が分岐箇所54bで分岐して、第1合流部42cおよび第2合流部42dで空調側流路42に合流する。第1分岐部42aと合流箇所54aとの間の分岐流路54には空調側二方弁56が設けられる。第2分岐部42bには空調側第1三方弁58が設けられる。分岐箇所54bには空調側第2三方弁60が設けられる。熱交換器80と空調側第2三方弁60との間の分岐流路54と、空調側第1三方弁58と減圧弁48との間の空調側流路42は、空調側バイパス流路62を介して連通する。
また、空調回路40には、圧縮機44から流出する第2熱媒体の第1温度Tpを検出する第1温度センサ64と、ヒータコア46から流出する第2熱媒体の第2温度Thを検出する第2温度センサ66と、空調側ラジエータ50から流出する第2熱媒体の第3温度Tfを検出する第3温度センサ68と、後述する蓄熱体88の温度Trを検出する蓄熱体温度センサ70と、が設けられる。
圧縮機44は、アキュムレータ52側から気相の第2熱媒体を吸込み、吸込んだ第2熱媒体を圧縮し、圧縮に伴い昇温した第2熱媒体をヒータコア46側に吐出する。ヒータコア46は、図示しない空調装置の内部に設けられる。ヒータコア46は、第2熱媒体を流す流路を備える熱交換装置であり、第2熱媒体と空調装置内の空気との間で熱交換を行い、第2熱媒体の熱を空調装置内に放散する。なお、空調装置には、ヒータコア46に送風するブロア74が設けられる。減圧弁48は、上流側から流入する第2熱媒体を減圧することができ、減圧時には降温/膨張した第2熱媒体を下流側に流し、非減圧時には等温/等圧の第2熱媒体を下流側に流す。減圧弁48は、制御部90の指令信号に応じて弁の開度を変えて、第2熱媒体を減圧(降温/膨張)して下流側に流す状態と減圧せずに下流側に流す状態と、流路を閉塞する状態とを切り替える。空調側ラジエータ50は、第2熱媒体を流す流路を備える熱交換装置であり、第2熱媒体と車室外の空気との間で熱交換を行い、車室外の空気から熱を吸収する。アキュムレータ52は、第2熱媒体を気液分離して、気相の第2熱媒体を圧縮機44側に流す。
空調側二方弁56は、制御部90から出力される指令信号に従い、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54との連通と遮断とを切り替える。空調側第1三方弁58は、制御部90から出力される指令信号に従い、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42との連通と遮断とを切り替えると共に、上流側の空調側流路42と分岐流路54との連通と遮断とを切り替える。空調側第2三方弁60は、制御部90から出力される指令信号に従い、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54との連通と遮断とを切り替える。
空調側二方弁56と空調側第1三方弁58は、第2分岐部42bまたは第1分岐部42aと熱交換器80との間の分岐流路54に設けられて、空調側流路42と熱交換器80との連通と遮断とを切り替える空調側第1切替弁55である。また、空調側第2三方弁60は、熱交換器80と空調側ラジエータ50の上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42との連通と遮断とを切り替える空調側第2切替弁69である。
制御部90はECUにより構成され、プロセッサ等の演算装置と、ROMやRAM等の記憶装置と、を備える。制御部90は、演算装置が記憶装置に記憶されるプログラムを実行することにより各種機能を実現する。制御部90は、車室内に設けられる操作パネル92で指示される暖房要求に応じて空調装置を制御する。この際、各種温度センサから各種温度Tm、Tp、Th、Tf、Tr、T1を入力し、減圧弁48、空調側二方弁56、空調側第1三方弁58、空調側第2三方弁60に対して指令信号を出力する。
制御部90の記憶装置には、各種のプログラムや数値が記憶される。数値としては、例えば、実施すべき暖房運転を判定するための外気の閾値温度Tthと、蓄熱体88に蓄熱する場合の目標温度Ttr1と、空調側ラジエータ50が着霜しているか否かを判定するための閾値温度Tfth1と、空調側ラジエータ50の除霜が終了したか否かを判定するための閾値温度Tfth2(>Tfth1)と、が記憶される。また、後述する通常暖房運転とホットガス暖房運転のいずれを行うかを判定するための外気の閾値温度Tth(例えば−10℃)が記憶される。また、第1温度Tpと、第2温度Thと、蓄熱体88の温度Trと、を入力パラメータとして、空調側ラジエータ50に流入する第2熱媒体の推測温度TC1、TC2を求めるためのマップM1、M2が記憶される。マップM1、M2は実測またはシミュレーションにより予め定められる。
また、車両用廃熱利用装置10は、外気の温度T1を検出する外気温度センサ72を備える。
[1.2.熱交換器80の構成]
図2に示されるように、熱交換器80は、冷却側流路22を流れる第1熱媒体と分岐流路54を流れる第2熱媒体との間で熱交換を行う回路間熱交換装置である。熱交換器80は、冷却回路側熱交換器82と、空調回路側熱交換器84と、を備える。冷却回路側熱交換器82は、熱伝導率の高い金属、例えばアルミニウムで形成されており、その内部に第1熱媒体が流れる流路が形成される。空調回路側熱交換器84は、熱伝導率の高い金属、例えばアルミニウムで形成されており、その内部に第2熱媒体が流れる流路が形成される。冷却回路側熱交換器82と空調回路側熱交換器84は、ヒートパイプ86を介して互いに接続される。
熱交換器80の空調回路側熱交換器84側には、蓄熱体88が設けられる。蓄熱体88は、一般的な蓄熱材、例えば水や酸化バナジウム等で形成される。蓄熱体88は、空調回路側熱交換器84と接するように設けられてもよいし、ヒートパイプ86に接するように設けられてもよいし、空調回路側熱交換器84とヒートパイプ86の両者に接するように設けられてもよい。この構造により、蓄熱体88は、冷却側流路22を流れる第1熱媒体および分岐流路54を流れる第2熱媒体の熱を蓄えることができ、蓄えた熱を第2熱媒体に与えることができる。
[1.3.車両用廃熱利用装置10の動作]
図3〜図5を用いて車両用廃熱利用装置10の動作を説明する。以下で説明する一連の処理は、電動車両の電源が投入されている間に所定時間間隔で繰り返し実行される。
図3のステップS1において、制御部90は、空調装置の暖房要求があるか否かを判定する。電動車両の乗員が操作パネル92を操作すると、操作パネル92から制御部90に対して暖房作動信号または暖房停止信号が出力される。制御部90は、暖房作動信号を入力すると、暖房停止信号を入力するまで暖房要求があるものと判定する。暖房要求がある場合(ステップS1:YES)、処理はステップS3に移行する。一方、暖房要求がない場合(ステップS1:NO)、処理はステップS2に移行する。
ステップS1からステップS2に移行すると、制御部90は、暖房運転を停止状態にする。具体的には、制御部90は、圧縮機44およびブロア74を停止状態にする。このとき、圧縮機44およびブロア74を駆動させている場合は停止させ、既に圧縮機44およびブロア74を停止させている場合は停止状態を維持する。そして、一連の処理は一旦終了し、次の一連の処理に備える。
ステップS1からステップS3に移行すると、制御部90は、外気温度センサ72で検出される外気の温度T1と閾値温度Tthとを比較する。T1<Tthである場合(ステップS3:YES)、処理はステップS4に移行する。一方、T1≧Tthである場合(ステップS3:NO)、処理はステップS5に移行する。
ステップS3からステップS4に移行すると、制御部90は、通常暖房運転を行うために、冷却側切替弁32、ヒータコア46、空調側二方弁56、空調側第1三方弁58、空調側第2三方弁60に指令信号を出力する。指令信号に応じて各弁は動作し、冷却回路20と空調回路40は図6に示される状態となる。第1熱媒体と第2熱媒体は実線部分の流路を流れる。通常暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[1.4.1]で説明する。
ステップS3からステップS5に移行すると、制御部90は、蓄熱体温度センサ70で検出される蓄熱体88の温度Trと第2温度センサ66で検出される第2温度Thとを比較する。Tr>Thである場合(ステップS5:YES)、蓄熱体88が第2熱媒体に加熱することができる状態であり、処理はステップS6に移行する。一方、Tr≦Thである場合(ステップS5:NO)、蓄熱体88が第2熱媒体に加熱することができない状態であり、処理はステップS7に移行する。
ステップS5からステップS6に移行すると、制御部90は、第1ホットガス暖房運転を行うために、冷却側切替弁32、ヒータコア46、空調側二方弁56、空調側第1三方弁58、空調側第2三方弁60に指令信号を出力する。指令信号に応じて各弁は動作し、冷却回路20と空調回路40は図7に示される状態となる。第1熱媒体と第2熱媒体は実線部分の流路を流れる。第1ホットガス暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[1.4.2]で説明する。ここで、一連の処理は一旦終了し、次の一連の処理に備える。
ステップS5からステップS7に移行すると、制御部90は、第2ホットガス暖房運転を行うために、冷却側切替弁32、ヒータコア46、空調側二方弁56、空調側第1三方弁58、空調側第2三方弁60に指令信号を出力する。指令信号に応じて各弁は動作し、冷却回路20と空調回路40は図8に示される状態となる。第1熱媒体と第2熱媒体は実線部分の流路を流れる。第2ホットガス暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[1.4.3]で説明する。ここで、一連の処理は一旦終了し、次の一連の処理に備える。
ステップS4の通常暖房運転が行われる場合に、処理は図4のステップS8に移行する。ステップS8おいて、制御部90は、空調側ラジエータ50の除霜が必要か否かを判定する。空調側ラジエータ50に着霜が発生すると、空調側ラジエータ50における第2熱媒体の吸熱量が低下し、暖房効率が悪化する。このため除霜を行い、暖房効率の低下を抑制する必要がある。制御部90は、第3温度センサ68で検出される第3温度Tfと閾値温度Tfth1とを比較する。Tf<Tfth1である場合(ステップS8:YES)、除霜が必要であり、処理はステップS9に移行する。一方、Tf≧Tfth1である場合(ステップS8:NO)、除霜は不要である。このとき、処理は図5に示されるステップS17に移行する。
ステップS8からステップS9に移行すると、制御部90は、蓄熱体温度センサ70で検出される蓄熱体88の温度Trと第2温度センサ66で検出される第2温度Thとを比較する。Tr>Thである場合(ステップS9:YES)、蓄熱体88が第2熱媒体に加熱することができる状態であり、処理はステップS11に移行する。一方、Tr≦Thである場合(ステップS9:NO)、蓄熱体88が第2熱媒体に加熱することができない状態であり、処理はステップS10に移行する。
ステップS9からステップS10に移行すると、制御部90は、第3除霜運転を行うために、冷却側切替弁32、ヒータコア46、空調側二方弁56、空調側第1三方弁58、空調側第2三方弁60に指令信号を出力する。指令信号に応じて各弁は動作し、冷却回路20と空調回路40は図11に示される状態となる。第1熱媒体と第2熱媒体は実線部分の流路を流れる。第3除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[1.4.6]で説明する。
ステップS9からステップS11に移行すると、制御部90は、蓄熱体温度センサ70で検出される蓄熱体88の温度Trと第1温度センサ64で検出される第1温度Tpとを比較する。Tr>Tpである場合(ステップS11:YES)、処理はステップS12に移行する。一方、Tr≦Tpである場合(ステップS11:NO)、処理はステップS13に移行する。
ステップS11からステップS12に移行すると、制御部90は、推測温度TC1とTC2とを比較する。TC1というのは、図9に示される第1除霜運転を行った場合に、空調側ラジエータ50に流入する第2熱媒体の温度の推測値である。TC2というのは、図10に示される第2除霜運転を行った場合に、空調側ラジエータ50に流入する第2熱媒体の温度の推測値である。TC1およびTC2は、第1温度センサ64により検出される第1温度Tpと、第2温度センサ66により検出される第2温度Thと、蓄熱体温度センサ70により検出される蓄熱体88の温度Trと、マップM1、M2により求められる。TC2<TC1である場合(ステップS12:YES)、処理はステップS14に移行する。一方、TC2≧TC1である場合(ステップS12:NO)、処理はステップS13に移行する。
ステップS11またはステップS12からステップS13に移行すると、制御部90は、第1除霜運転を行うために、冷却側切替弁32、ヒータコア46、空調側二方弁56、空調側第1三方弁58、空調側第2三方弁60に指令信号を出力する。指令信号に応じて各弁は動作し、冷却回路20と空調回路40は図9に示される状態となる。第1熱媒体と第2熱媒体は実線部分の流路を流れる。第1除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[1.4.4]で説明する。
ステップS12からステップS14に移行すると、制御部90は、第2除霜運転を行うために、冷却側切替弁32、ヒータコア46、空調側二方弁56、空調側第1三方弁58、空調側第2三方弁60に指令信号を出力する。指令信号に応じて各弁は動作し、冷却回路20と空調回路40は図10に示される状態となる。第1熱媒体と第2熱媒体は実線部分の流路を流れる。第2除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[1.4.5]で説明する。
ステップS10、ステップS13、ステップS14の除霜運転が行われると、ステップS15において、制御部90は、空調側ラジエータ50の除霜が終了したか否かを判定する。制御部90は、第3温度センサ68で検出される第3温度Tfと閾値温度Tfth2とを比較する。Tf≧Tfth2である場合(ステップS15:YES)、空調側ラジエータ50から霜が除かれた除霜終了状態であり、処理はステップS16に移行する。一方、Tf<Tfth2である場合(ステップS15:NO)、空調側ラジエータ50に霜が残っている除霜未終了状態であり、処理はステップS9に戻りいずれかの除霜運転が継続される。
ステップS15からステップS16に移行すると、制御部90は、実行中の除霜運転を停止する。ここで、一連の処理は一旦終了し、次の一連の処理に備える。
図4のステップS8から図5のステップS17に移行すると、制御部90は、蓄熱体温度センサ70で検出される蓄熱体88の温度Trと第1温度センサ64で検出される第1温度Tpとを比較する。Tr<Tpである場合(ステップS17:YES)、第2熱媒体の熱を蓄熱体88に蓄熱可能な状態であり、処理はステップS18に移行する。一方、Tr≧Tpである場合(ステップS17:NO)、第2熱媒体の熱を蓄熱体88に蓄熱不可能な状態であり、一連の処理は一旦終了し、次の一連の処理に備える。
ステップS17からステップS18に移行すると、制御部90は、蓄熱体温度センサ70で検出される蓄熱体88の温度Trと第2温度センサ66で検出される第2温度Thから所定温度、ここでは5℃を減じた温度Th−5とを比較する。Tr<Th−5である場合(ステップS18:YES)、処理はステップS19に移行する。一方、Tr≧Th−5である場合(ステップS18:NO)、処理はステップS20に移行する。
ステップS18からステップS19に移行すると、制御部90は、第1蓄熱運転を行うために、冷却側切替弁32、ヒータコア46、空調側二方弁56、空調側第1三方弁58、空調側第2三方弁60に指令信号を出力する。指令信号に応じて各弁は動作し、冷却回路20と空調回路40は図12に示される状態となる。第1熱媒体と第2熱媒体は実線部分の流路を流れる。第1蓄熱運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[1.4.7]で説明する。
ステップS18からステップS20に移行すると、制御部90は、第2蓄熱運転を行うために、冷却側切替弁32、ヒータコア46、空調側二方弁56、空調側第1三方弁58、空調側第2三方弁60に指令信号を出力する。指令信号に応じて各弁は動作し、冷却回路20と空調回路40は図13に示される状態となる。第1熱媒体と第2熱媒体は実線部分の流路を流れる。第2蓄熱運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[1.4.8]で説明する。
ステップS21において、制御部90は、蓄熱体温度センサ70で検出される蓄熱体88の温度Trと目標温度Ttr1とを比較する。Tr≦Ttr1である場合(ステップS21:NO)、ステップS17〜ステップS20の処理(蓄熱体88への蓄熱)が繰り返し行われる。一方、Tr>Ttr1となる場合(ステップS21:YES)、ステップS17〜ステップS20の処理(蓄熱体88への蓄熱)は終了する。そして、一連の処理は一旦終了し、次の一連の処理に備える。
[1.4.各種空調運転]
図3〜図5に示されるように、本実施形態では、通常暖房運転、第1、第2ホットガス暖房運転、第1〜第3除霜運転、第1、第2蓄熱運転という8つの空調運転が行われる。以下で、各種空調運転における第1熱媒体および第2熱媒体の流れを説明する。
[1.4.1.通常暖房運転]
図6を用いて通常暖房運転の説明をする。空調側二方弁56は、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54とを遮断する。空調側第1三方弁58は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを連通し、上流側の空調側流路42と分岐流路54とを遮断する。空調側第2三方弁60は、上流側の分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを遮断し、上流側の分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断する。減圧弁48は、第2熱媒体を減圧(膨張、降温)して下流側に流す。
このとき、第2熱媒体は、図6の実線で示される空調側流路42を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、空調側第1三方弁58で空調側流路42の下流側に流れ、減圧弁48で降温し、空調側ラジエータ50で昇温(吸熱)し、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
このように、通常暖房運転時には、第2熱媒体は熱交換器80を流れない。このため、第2熱媒体から蓄熱体88への蓄熱は行われない。また、第1熱媒体と第2熱媒体との間の熱交換も行われない。
各運転時に、制御部90は、冷却側温度センサ36で検出される温度Tmと蓄熱体温度センサ70で検出される蓄熱体88の温度Trとを比較し、冷却側切替弁32に対してTmとTrに応じた指令信号を出力する。Tm≧Trである場合、冷却側切替弁32は、指令信号に応じて、上流側の冷却側流路22と下流側の冷却側流路22とを連通し、冷却側流路22と冷却側バイパス流路30とを遮断する。このとき、第1熱媒体は熱交換器80を流れる。すると、熱源体26の廃熱が第1熱媒体を介して蓄熱体88に蓄熱される。図6では、この状態の冷却側流路22が実線で示される。
一方、Tm<Trである場合、冷却側切替弁32は、上流側の冷却側流路22と下流側の冷却側流路22とを遮断し、上流側の冷却側流路22と冷却側バイパス流路30とを連通する。このとき、第1熱媒体は熱交換器80を流れない。このため、蓄熱体88の熱が第1熱媒体に吸収されることはない。また、逆止弁27は、冷却側バイパス流路30を流れた第1熱媒体が熱交換器80側に戻ることを防止するため、蓄熱体88の熱が第1熱媒体に漏れることもない。
[1.4.2.第1ホットガス暖房運転]
図7を用いて第1ホットガス暖房運転の説明をする。空調側二方弁56は、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54とを遮断する。空調側第1三方弁58は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断し、上流側の空調側流路42と分岐流路54とを連通する。空調側第2三方弁60は、上流側の分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを遮断し、上流側の分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断する。減圧弁48は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断する。
このとき、第2熱媒体は、図7の実線で示される空調側流路42および分岐流路54を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、空調側第1三方弁58で分岐流路54に流れ、熱交換器80で昇温(吸熱)し、空調側第2三方弁60および第2合流部42dを流れ、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
第1ホットガス暖房運転は、外気の温度T1が低く、空調側ラジエータ50で外気の熱を吸収できない場合に行われる。第1ホットガス暖房運転時には、第2熱媒体は減圧弁48および空調側ラジエータ50を流れない。このため、第2熱媒体を減圧弁48で降温させた後に空調側ラジエータ50に流す場合と比較して、第2熱媒体の温度を高い温度に維持することができる。
また、第1ホットガス暖房運転時には、第2熱媒体は熱交換器80を流れる。このため、第1熱媒体から第2熱媒体への放熱が行われると共に、蓄熱体88から第2熱媒体への放熱が行われる。その結果、第2熱媒体は昇温し、第1熱媒体は降温する。
[1.4.3.第2ホットガス暖房運転]
図8を用いて第2ホットガス暖房運転の説明をする。空調側二方弁56は、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54とを遮断する。空調側第1三方弁58は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを連通し、上流側の空調側流路42と分岐流路54とを遮断する。空調側第2三方弁60は、上流側の分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを遮断し、上流側の分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断する。減圧弁48は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断する。
このとき、第2熱媒体は、図8の実線で示される空調側流路42、分岐流路54および空調側バイパス流路62を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、空調側第1三方弁58で空調側流路42の下流側に流れ、空調側バイパス流路62を流れ、空調側第2三方弁60および第2合流部42dを流れ、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
第2ホットガス暖房運転は、外気の温度T1が低く、空調側ラジエータ50で外気の熱を吸収できない場合に行われる。第2ホットガス暖房運転時には、第2熱媒体は減圧弁48および空調側ラジエータ50を流れない。このため、第2熱媒体を減圧弁48で降温させた後に空調側ラジエータ50に流す場合と比較して、第2熱媒体の温度を高い温度に維持することができる。
[1.4.4.第1除霜運転]
図9を用いて第1除霜運転の説明をする。空調側二方弁56は、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54とを遮断する。空調側第1三方弁58は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断し、上流側の空調側流路42と分岐流路54とを連通する。空調側第2三方弁60は、上流側の分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを連通し、上流側の分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通する。減圧弁48は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断する。
このとき、第2熱媒体は、図9の実線で示される空調側流路42および分岐流路54を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、空調側第1三方弁58で分岐流路54に流れ、熱交換器80で昇温(吸熱)し、空調側第2三方弁60で分流する。一部の第2熱媒体は、空調側ラジエータ50で除霜(放熱)し、第2合流部42dに流入する。残りの第2熱媒体は、空調側ラジエータ50を流れることなく第2合流部42dに流入する。第2合流部42dで合流した第2熱媒体は、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
このように、第1除霜運転時には、第2熱媒体の一部は減圧弁48を流れず空調側ラジエータ50を流れる。第2熱媒体はホットガスのまま空調側ラジエータ50を流れるため、除霜を行うことができる。また、第2熱媒体の残りが減圧弁48および空調側ラジエータ50を流れずに、アキュムレータ52で気液分離される。このため、アキュムレータ52において、第2熱媒体の乾き度は比較的高い状態に維持される。従って、除霜運転と同時に暖房運転を行うことができる。
また、第1除霜運転時には、第2熱媒体は熱交換器80を流れる。このため、第1熱媒体から第2熱媒体への放熱が行われると共に、蓄熱体88から第2熱媒体への放熱が行われる。その結果、第2熱媒体は昇温し、第1熱媒体は降温する。従って、除霜および暖房の効率が後述する第3除霜運転よりもよい。
[1.4.5.第2除霜運転]
図10を用いて第2除霜運転の説明をする。空調側二方弁56は、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54とを連通する。空調側第1三方弁58は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを連通し、上流側の空調側流路42と分岐流路54とを遮断する。空調側第2三方弁60は、上流側の分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを連通し、上流側の分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通する。減圧弁48は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断する。
このとき、第2熱媒体は、図10の実線で示される空調側流路42、分岐流路54および空調側バイパス流路62を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、第1分岐部42aで分流する。一部の第2熱媒体は、空調側二方弁56を流れ、熱交換器80で昇温(吸熱)し、空調側第2三方弁60に流入する。残りの第2熱媒体は、ヒータコア46で放熱し、空調側第1三方弁58で空調側流路42の下流側に流れ、空調側バイパス流路62を流れ、空調側第2三方弁60に流入する。第2熱媒体は、空調側第2三方弁60で再び分流する。一部の第2熱媒体は、空調側ラジエータ50で除霜(放熱)し、第2合流部42dに流入する。残りの第2熱媒体は、空調側ラジエータ50を流れることなく第2合流部42dに流入する。第2合流部42dで合流した第2熱媒体は、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
このように、第2除霜運転時には、第2熱媒体の一部は減圧弁48を流れず空調側ラジエータ50を流れる。第2熱媒体はホットガスのまま空調側ラジエータ50を流れるため、除霜を行うことができる。また、第2熱媒体の残りが減圧弁48および空調側ラジエータ50を流れずに、アキュムレータ52で気液分離される。このため、アキュムレータ52において、第2熱媒体の乾き度は比較的高い状態に維持される。従って、除霜運転と同時に暖房運転を行うことができる。
また、第2除霜運転時には、第2熱媒体の一部は減圧弁48を流れない。このため、第2熱媒体は減圧弁48で降温しない。また、第2熱媒体の一部は熱交換器80を流れる。このため、第1熱媒体から第2熱媒体への放熱が行われると共に、蓄熱体88から第2熱媒体への放熱が行われる。その結果、第2熱媒体は昇温し、第1熱媒体は降温する。従って、除霜および暖房の効率が後述する第3除霜運転よりもよい。但し、第2熱媒体の一部がヒータコア46を流れないため、第1除霜運転と比較して暖房の効率は低くなる。
[1.4.6.第3除霜運転]
図11を用いて第3除霜運転の説明をする。空調側二方弁56は、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54とを遮断する。空調側第1三方弁58は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを連通し、上流側の空調側流路42と分岐流路54とを遮断する。空調側第2三方弁60は、上流側の分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを連通し、上流側の分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通する。減圧弁48は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断する。
このとき、第2熱媒体は、図11の実線で示される空調側流路42、分岐流路54および空調側バイパス流路62を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、空調側第1三方弁58で空調側流路42の下流側に流れ、空調側バイパス流路62を流れ、空調側第2三方弁60で分流する。一部は、空調側ラジエータ50で除霜(放熱)し、第2合流部42dを流れ、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。残りは、空調側ラジエータ50を流れることなく第2合流部42dを流れ、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
このように、第3除霜運転時には、第2熱媒体の一部は減圧弁48を流れず空調側ラジエータ50を流れる。第2熱媒体はホットガスのまま空調側ラジエータ50を流れるため、除霜を行うことができる。また、第2熱媒体の残りが減圧弁48および空調側ラジエータ50を流れずに、アキュムレータ52で気液分離される。このため、アキュムレータ52において、第2熱媒体の乾き度は比較的高い状態に維持される。従って、除霜運転と同時に暖房運転を行うことができる。
[1.4.7.第1蓄熱運転]
図12を用いて第1蓄熱運転の説明をする。空調側二方弁56は、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54とを遮断する。空調側第1三方弁58は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断し、上流側の空調側流路42と分岐流路54とを連通する。空調側第2三方弁60は、上流側の分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを遮断し、上流側の分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断する。減圧弁48は、第2熱媒体を減圧(膨張、降温)して下流側に流す。
このとき、第2熱媒体は、図12の実線で示される空調側流路42、分岐流路54および空調側バイパス流路62を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、空調側第1三方弁58で分岐流路54に流れ、熱交換器80で蓄熱(放熱)し、空調側バイパス流路62を流れ、減圧弁48で降温し、空調側ラジエータ50で昇温(吸熱)し、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
このように、第1蓄熱運転時には、第2熱媒体は熱交換器80を流れる。このため、第2熱媒体から蓄熱体88への蓄熱が行われる。また、第1熱媒体と第2熱媒体との間の熱交換も行われる。また、第1蓄熱運転時には、全ての第2熱媒体が熱交換器80を流れるため、蓄熱体88の温度Trを急速に上昇させることができる。
[1.4.8.第2蓄熱運転]
図13を用いて第2蓄熱運転の説明をする。空調側二方弁56は、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54とを連通する。空調側第1三方弁58は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを連通し、上流側の空調側流路42と分岐流路54とを遮断する。空調側第2三方弁60は、上流側の分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを遮断し、上流側の分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断する。減圧弁48は、第2熱媒体を減圧(膨張、降温)して下流側に流す。
このとき、第2熱媒体は、図13の実線で示される空調側流路42、分岐流路54および空調側バイパス流路62を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、第1分岐部42aで分流する。一部の第2熱媒体は、空調側二方弁56を流れ、熱交換器80で昇温(吸熱)し、空調側バイパス流路62を流れ、減圧弁48に流入する。残りの第2熱媒体は、ヒータコア46で放熱し、空調側第1三方弁58で空調側流路42の下流側に流れ、減圧弁48に流入する。合流した第2熱媒体は、減圧弁48で降温し、空調側ラジエータ50で昇温(吸熱)し、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
このように、第2蓄熱運転時には、第2熱媒体は熱交換器80を流れる。このため、第2熱媒体から蓄熱体88への蓄熱が行われる。また、第1熱媒体と第2熱媒体との間の熱交換も行われる。また、第2蓄熱運転時には、圧縮機44から吐出される一部の第2熱媒体が熱交換器80を直接流れるため、蓄熱体88の温度Trを目標温度Ttr1まで上昇させることができる。
[2.第2実施形態]
図14〜図22を用いて第2実施形態に係る車両用廃熱利用装置10を説明する。なお、第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10と同一の構成に関しては同一の符号を付してその説明を省略する。
[2.1.車両用廃熱利用装置10の構成]
図14に示されるように、第2実施形態に係る車両用廃熱利用装置10は、第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10に設けられる第1分岐部42aおよび空調側二方弁56を有さない。その点を除き、第2実施形態に係る車両用廃熱利用装置10の構成は、第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10の構成と同じである。
[2.2.車両用廃熱利用装置10の動作]
図15、図16は第2実施形態に係る車両用廃熱利用装置10で行われる一連の処理のフローチャートである。第2実施形態に係る車両用廃熱利用装置10で行われる処理の流れは、第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10で行われる処理の流れと概ね同じである。
図15に示されるステップS31〜ステップS33、ステップS35の処理は、図3に示されるステップS1〜ステップS3、ステップS5の処理に相当する。ステップS34、ステップS36、ステップS37で行われる各種空調運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[2.3]で説明する。
図16に示されるステップS38、ステップS42、ステップS43の処理は、図4に示されるステップS8、ステップS15、ステップS16の処理に相当する。また、図16に示されるステップS46の処理は、図5に示されるステップS21の処理に相当する。ステップS40、ステップS41、ステップS45で行われる各種空調運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[2.3]で説明する。
ステップS39は、図4のステップS9と判定後の処理が異なる。ステップS39において、Tr>Thである場合(ステップS39:YES)、処理はステップS40(第1除霜運転)に移行する。一方、Tr≦Thである場合(ステップS39:NO)、処理はステップS41(第2除霜運転)に移行する。
ステップS44は、図4のステップS9と比較対象および判定後の処理が異なる。ステップS44において、制御部90は、蓄熱体温度センサ70で検出される蓄熱体88の温度Trと第2温度センサ66で検出される第2温度Thとを比較する。Tr<Thである場合(ステップS44:YES)、処理はステップS45(蓄熱運転)に移行し、Tr≧Thである場合(ステップS44:NO)、一連の処理は一旦終了し、次の一連の処理に備える。
[2.3.各種空調運転]
図15、図16に示されるように、本実施形態では、通常暖房運転、第1、第2ホットガス暖房運転、第1、第2除霜運転、蓄熱運転という6つの空調運転が行われる。以下で、各種空調運転における第1熱媒体および第2熱媒体の流れを説明する。
[2.3.1.通常暖房運転]
第2実施形態における通常暖房運転時の各弁の状態は、第1実施形態における通常暖房運転時の各弁の状態と同じである。このため、図17に示される第2実施形態における通常暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図6に示される第1実施形態における通常暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[2.3.2.第1ホットガス暖房運転]
第2実施形態における第1ホットガス暖房運転時の各弁の状態は、第1実施形態における第1ホットガス暖房運転時の各弁の状態と同じである。このため、図18に示される第2実施形態における第1ホットガス暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図7に示される第1実施形態における第1ホットガス暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[2.3.3.第2ホットガス暖房運転]
第2実施形態における第2ホットガス暖房運転時の各弁の状態は、第1実施形態における第2ホットガス暖房運転時の各弁の状態と同じである。このため、図19に示される第2実施形態における第2ホットガス暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図8に示される第1実施形態における第2ホットガス暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[2.3.4.第1除霜運転]
第2実施形態における第1除霜運転時の各弁の状態は、第1実施形態における第1除霜運転時の各弁の状態と同じである。このため、図20に示される第2実施形態における第1除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図9に示される第1実施形態における第1除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[2.3.5.第2除霜運転]
第2実施形態における第2除霜運転時の各弁の状態は、第1実施形態における第2除霜運転時の各弁の状態と同じである。このため、図21に示される第2実施形態における第2除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図11に示される第1実施形態における第3除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[2.3.6.蓄熱運転]
第2実施形態における蓄熱運転時の各弁の状態は、第1実施形態における第1蓄熱運転時の各弁の状態と同じである。このため、図22に示される第2実施形態における蓄熱運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図12に示される第1実施形態における第1蓄熱運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[3.第3実施形態]
図23〜図31を用いて第3実施形態に係る車両用廃熱利用装置10を説明する。なお、第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10と同一の構成に関しては同一の符号を付してその説明を省略する。
[3.1.車両用廃熱利用装置10の構成]
図23に示されるように、第3実施形態に係る車両用廃熱利用装置10は、第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10に設けられる第2分岐部42bおよび空調側第1三方弁58を有さない。その点を除き、第3実施形態に係る車両用廃熱利用装置10の構成は、第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10の構成と同じである。
[3.2.車両用廃熱利用装置10の動作]
図24、図25は第3実施形態に係る車両用廃熱利用装置10で行われる一連の処理のフローチャートである。第3実施形態に係る車両用廃熱利用装置10で行われる処理の流れは、第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10で行われる処理の流れと概ね同じである。
図24に示されるステップS51〜ステップS53の処理は、図3に示されるステップS1〜ステップS3の処理に相当する。ステップS54、ステップS56、ステップS57で行われる各種空調運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[3.3]で説明する。
図25に示されるステップS58、ステップS62、ステップS63の処理は、図4に示されるステップS8、ステップS15、ステップS16の処理に相当する。また、図25に示されるステップS66の処理は、図5に示されるステップS21の処理に相当する。ステップS60、ステップS61、ステップS65で行われる各種空調運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[3.3]で説明する。
ステップS55は、図3のステップS5と比較対象が異なる。ステップS55において、制御部90は、蓄熱体温度センサ70で検出される蓄熱体88の温度Trと第1温度センサ64で検出される第1温度Tpとを比較する。Tr>Tpである場合(ステップS55:YES)、処理はステップS56(第1ホットガス暖房運転)に移行し、Tr≦Tpである場合(ステップS55:NO)、処理はステップS57(第2ホットガス暖房運転)に移行する。
ステップS59は、ステップS9と比較対象および判定後の処理が異なる。制御部90は、蓄熱体温度センサ70で検出される蓄熱体88の温度Trと第1温度センサ64で検出される第1温度Tpとを比較する。ステップS59において、Tr>Tpである場合(ステップS59:YES)、処理はステップS60(第1除霜運転)に移行する。一方、Tr≦Tpである場合(ステップS59:NO)、処理はステップS61(第2除霜運転)に移行する。
ステップS64は、ステップS17と判定後の処理が異なる。ステップS64において、Tr<Tpである場合(ステップS64:YES)、処理はステップS65(蓄熱運転)に移行し、Tr≧Tpである場合(ステップS64:NO)、一連の処理は一旦終了し、次の一連の処理に備える。
[3.3.各種空調運転]
図24、図25に示されるように、本実施形態では、通常暖房運転、第1、第2ホットガス暖房運転、第1、第2除霜運転、蓄熱運転という6つの空調運転が行われる。以下で、各種空調運転における第1熱媒体および第2熱媒体の流れを説明する。
[3.3.1.通常暖房運転]
第3実施形態における通常暖房運転時の各弁の状態は、第1実施形態における通常暖房運転時の各弁の状態と同じである。このため、図26に示される第3実施形態における通常暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図6に示される第1実施形態における通常暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[3.3.2.第1ホットガス暖房運転]
図27を用いて第1ホットガス暖房運転の説明をする。空調側二方弁56は、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54とを連通する。空調側第2三方弁60は、上流側の分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを遮断し、上流側の分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断する。減圧弁48は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断する。
このとき、第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、第1分岐部42aで分流する。一部の第2熱媒体は、空調側二方弁56を流れ、熱交換器80で昇温(吸熱)し、空調側第2三方弁60に流入する。残りの第2熱媒体は、ヒータコア46で放熱し、空調側バイパス流路62を流れ、空調側第2三方弁60に流入する。合流した第2熱媒体は、空調側第2三方弁60および第2合流部42dを流れ、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
第1ホットガス暖房運転は、外気の温度T1が低く、空調側ラジエータ50で外気の熱を吸収できない場合に行われる。第2ホットガス暖房運転時には、第2熱媒体は減圧弁48および空調側ラジエータ50を流れない。このため、第2熱媒体を減圧弁48で降温させた後に空調側ラジエータ50に流す場合と比較して、第2熱媒体の温度を高い温度に維持することができる。
第1ホットガス暖房運転時には、第2熱媒体の一部はヒータコア46を流れない。このため、第2熱媒体はヒータコア46で降温しない。また、第2熱媒体の一部は熱交換器80を流れる。このため、第1熱媒体から第2熱媒体への放熱が行われる。その結果、第2熱媒体は昇温する。従って、暖房の効率がよい。
[3.3.3.第2ホットガス暖房運転]
第3実施形態における第2ホットガス暖房運転時の各弁の状態は、第1実施形態における第2ホットガス暖房運転時の各弁の状態と同じである。このため、図28に示される第3実施形態における第2ホットガス暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図8に示される第1実施形態における第2ホットガス暖房運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[3.3.4.第1除霜運転]
第3実施形態における第1除霜運転時の各弁の状態は、第1実施形態における第2除霜運転時の各弁の状態と同じである。このため、図29に示される第3実施形態における第1除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図10に示される第1実施形態における第2除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[3.3.5.第2除霜運転]
第3実施形態における第2除霜運転時の各弁の状態は、第1実施形態における第3除霜運転時の各弁の状態と同じである。このため、図30に示される第3実施形態における第2除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図11に示される第1実施形態における第3除霜運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[3.3.6.蓄熱運転]
第3実施形態における蓄熱運転時の各弁の状態は、第1実施形態における第2蓄熱運転時の各弁の状態と同じである。このため、図31に示される第3実施形態における蓄熱運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れは、図13に示される第1実施形態における第2蓄熱運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れと実質的に同じである。
[4.第4実施形態]
図32〜図39を用いて第4実施形態に係る車両用廃熱利用装置110を説明する。なお、第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10と同一の構成に関しては同一の符号を付してその説明を省略する。
[4.1.車両用廃熱利用装置10の構成]
図32に示されるように、第4実施形態に係る車両用廃熱利用装置110は、冷却回路20と、空調回路40と、制御部90と、を備え、更に冷却回路20と空調回路40に跨る熱交換器80を備える。
冷却回路20は、水等の第1熱媒体を還流させる環状の冷却側流路22を有し、第1熱媒体で熱源体26から熱を吸収することにより熱源体26を冷却する。
冷却側流路22には、冷却側ラジエータ28をバイパスする冷却側バイパス流路130が設けられる。冷却側バイパス流路130は、分岐部122aで冷却側流路22から分岐し、合流部122bで冷却側流路22に合流する。分岐部122aにはサーモスタット132が設けられる。
サーモスタット132は、流入する第1熱媒体の温度が所定温度よりも低い場合に、上流側の冷却側流路22と冷却側バイパス流路130とを連通すると共に、上流側の冷却側流路22と下流側の冷却側ラジエータ28とを遮断する。また、サーモスタット132は、流入する第1熱媒体の温度が所定温度よりも高い場合に、上流側の冷却側流路22と冷却側バイパス流路130とを遮断すると共に、上流側の冷却側流路22と冷却側ラジエータ28とを連通する。
空調回路40は、フロン等の第2熱媒体を還流させる環状の空調側流路42を有し、ヒータコア46で第2熱媒体の熱を放散する。
空調側流路42には、第2分岐部42bと第1合流部42cと第2合流部42dに接続される分岐流路54が設けられる。なお、第4実施形態では第1実施形態にあった第1分岐部42aはない。第2分岐部42bはヒータコア46と減圧弁48との間に設けられる。第1合流部42cはヒータコア46と空調側ラジエータ50との間に設けられ、第2合流部42dは空調側ラジエータ50とアキュムレータ52との間に設けられる。分岐流路54には熱交換器80が設けられる。
熱交換器80よりも上流側の分岐流路54には第1分岐箇所154aが設けられ、熱交換器80よりも下流側の分岐流路54には合流箇所154bと第2分岐箇所154cが設けられる。第1分岐箇所154aには空調側第1三方弁158が設けられる。空調側第1三方弁158と合流箇所154bには、熱交換器80をバイパスする熱交換器バイパス流路156が設けられる。第2分岐箇所154cには空調側第2三方弁60が設けられる。
空調側第1三方弁158は、制御部90から出力される指令信号に従い、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54との連通と遮断とを切り替えると共に、上流側の分岐流路54と熱交換器バイパス流路156との連通と遮断とを切り替える。空調側第2三方弁60は、制御部90から出力される指令信号に従い、上流側の分岐流路54と下流側の分岐流路54との連通と遮断とを切り替える。
[4.2.車両用廃熱利用装置110の動作]
図33、図34は車両用廃熱利用装置110で行われる一連の処理のフローチャートである。車両用廃熱利用装置110で行われる処理の流れは、第1実施形態等に係る車両用廃熱利用装置10で行われる処理の流れと部分的に同じである。
図33に示されるステップS71〜ステップS73の処理は、図3に示されるステップS1〜ステップS3の処理に相当する。ステップS74、ステップS76、ステップS77で行われる各種空調運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[4.3]で説明する。
図34に示されるステップS78、ステップS85、ステップS86の処理は、図4に示されるステップS8、ステップS15、ステップS16の処理に相当する。ステップS80、ステップS81で行われる各種空調運転時の第1熱媒体および第2熱媒体の流れについては下記[4.3]で説明する。
ステップS75は、図3のステップS5と比較対象が異なる。ステップS75において、制御部90は、冷却側温度センサ36で検出される温度Tmと第2温度センサ66で検出される第2温度Thとを比較する。Tm>Thである場合(ステップS75:YES)、処理はステップS76(第1ホットガス暖房運転)に移行し、Tm≦Thである場合(ステップS75:NO)、処理はステップS77(第2ホットガス暖房運転)に移行する。
ステップS79は、ステップS9と比較対象および判定後の処理が異なる。ステップS79において、制御部90は、冷却側温度センサ36で検出される温度Tmと第2温度センサ66で検出される第2温度Thとを比較する。Tm>Thである場合(ステップS79:YES)、処理はステップS80(第1除霜運転)に移行する。一方、Tm≦Thである場合(ステップS79:NO)、処理はステップS81(第2除霜運転)に移行する。
ステップS80またはステップS81において除霜運転が行われると、ステップS82において、空調側ラジエータ50に流すべき第2熱媒体の増減判定が行われる。制御部90は、第1温度センサ64で検出される第1温度Tpと第2熱媒体の目標温度Ttr2とを比較する。Tp>Ttr2である場合(ステップS82:YES)、処理はステップS83に移行する。一方、Tp≦Ttr2である場合(ステップS82:NO)、処理はステップS84に移行する。
ステップS82からステップS83に移行すると、制御部90は、空調側第2三方弁60に流量調整の指令信号を出力する。空調側第2三方弁60は、指令信号に応じて開度を調整し、空調側ラジエータ50に流す第2熱媒体の流量を増加させ、空調側ラジエータ50をバイパスする第2熱媒体の流量を減少させる。
ステップS82からステップS84に移行すると、制御部90は、空調側第2三方弁60に流量調整の指令信号を出力する。空調側第2三方弁60は、指令信号に応じて開度を調整し、空調側ラジエータ50に流す第2熱媒体の流量を減少させ、空調側ラジエータ50をバイパスする第2熱媒体の流量を増加させる。
[4.3.各種空調運転]
図33、図34に示されるように、本実施形態では、通常暖房運転、第1、第2ホットガス暖房運転、第1、第2除霜運転という5つの空調運転が行われる。以下で、各種空調運転における第1熱媒体および第2熱媒体の流れを説明する。
[4.3.1.通常暖房運転]
図35を用いて通常暖房運転の説明をする。空調側第1三方弁158は、第2分岐部42bに繋がる分岐流路54と熱交換器80に繋がる分岐流路54とを遮断し、分岐流路54と熱交換器バイパス流路156とを遮断する。空調側第2三方弁60は、熱交換器80に繋がる分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを遮断し、熱交換器80に繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断する。減圧弁48は、第2熱媒体を減圧(膨張、降温)して下流側に流す。
このとき、第2熱媒体は、図35の実線で示される空調側流路42を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、減圧弁48で降温し、空調側ラジエータ50で昇温(吸熱)し、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
このように、通常暖房運転時には、第2熱媒体は熱交換器80を流れない。このため、第2熱媒体から蓄熱体88への蓄熱は行われない。また、第1熱媒体と第2熱媒体との間の熱交換も行われない。
[4.3.2.第1ホットガス暖房運転]
図36を用いて第1ホットガス暖房運転の説明をする。空調側第1三方弁158は、第2分岐部42bに繋がる分岐流路54と熱交換器80に繋がる分岐流路54とを連通し、分岐流路54と熱交換器バイパス流路156とを遮断する。空調側第2三方弁60は、熱交換器80に繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通する一方で、熱交換器80に繋がる分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを遮断し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断する。減圧弁48は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断する。
このとき、第2熱媒体は、図36の実線で示される空調側流路42および分岐流路54を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、第2分岐部42bで分岐流路54に流れ、空調側第1三方弁158で分岐流路54に流れ、熱交換器80で昇温(吸熱)し、空調側第2三方弁60および第2合流部42dを流れ、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
第1ホットガス暖房運転は、外気の温度T1が低く、空調側ラジエータ50で外気の熱を吸収できない場合であって、第1熱媒体の温度が第2熱媒体の温度よりも高い場合に行われる。第1ホットガス暖房運転時には、第2熱媒体は減圧弁48および空調側ラジエータ50を流れない。このため、第2熱媒体を減圧弁48で降温させた後に空調側ラジエータ50に流す場合と比較して、第2熱媒体の温度を高い温度に維持することができる。
また、第1ホットガス暖房運転時には、第2熱媒体は熱交換器80を流れる。このため、第1熱媒体から第2熱媒体への放熱が行われる。その結果、第2熱媒体は昇温し、第1熱媒体は降温する。
[4.3.3.第2ホットガス暖房運転]
図37を用いて第2ホットガス暖房運転の説明をする。空調側第1三方弁158は、第2分岐部42bに繋がる分岐流路54と熱交換器バイパス流路156とを連通する一方で、第2分岐部42bに繋がる分岐流路54と熱交換器80に繋がる分岐流路54とを遮断し、熱交換器80に繋がる分岐流路54と熱交換器バイパス流路156とを遮断する。空調側第2三方弁60は、熱交換器80に繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを連通する一方で、熱交換器80に繋がる分岐流路54と第1合流部42cに繋がる分岐流路54とを遮断し、第1合流部42cに繋がる分岐流路54と第2合流部42dに繋がる分岐流路54とを遮断する。減圧弁48は、上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42とを遮断する。
このとき、第2熱媒体は、図37の実線で示される空調側流路42、分岐流路54および熱交換器バイパス流路156を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、第2分岐部42bで分岐流路54に流れ、空調側第1三方弁158で熱交換器バイパス流路156に流れ、空調側第2三方弁60および第2合流部42dを流れ、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
第2ホットガス暖房運転は、外気の温度T1が低く、空調側ラジエータ50で外気の熱を吸収できない場合であって、第1熱媒体の温度が第2熱媒体の温度以下である場合に行われる。このとき、第2熱媒体は熱交換器80を流れないため、第2熱媒体の熱が第1熱媒体に吸収されることはない。
[4.3.4.第1除霜運転]
図38に示されるように、第1除霜運転は、図36に示される第1ホットガス暖房運転と比較して、空調側第2三方弁60が全ての流路を連通する点で異なる。
このとき、第2熱媒体は、図38の実線で示される空調側流路42および分岐流路54を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、第2分岐部42bで分岐流路54に流れ、空調側第1三方弁158で分岐流路54に流れ、熱交換器80で昇温(吸熱)し、空調側第2三方弁60で分流する。一部の第2熱媒体は、空調側ラジエータ50で除霜(放熱)し、第2合流部42dに流入する。残りの第2熱媒体は、空調側ラジエータ50を流れることなく第2合流部42dに流入する。第2合流部42dで合流した第2熱媒体は、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
このように、第1除霜運転時には、第2熱媒体の一部は減圧弁48を流れず空調側ラジエータ50を流れる。第2熱媒体はホットガスのまま空調側ラジエータ50を流れるため、除霜を行うことができる。また、第2熱媒体の残りが減圧弁48および空調側ラジエータ50を流れずに、アキュムレータ52で気液分離される。このため、アキュムレータ52において、第2熱媒体の乾き度は比較的高い状態に維持される。従って、除霜運転と同時に暖房運転を行うことができる。
また、第1除霜運転時には、第2熱媒体は熱交換器80を流れる。このため、第1熱媒体から第2熱媒体への放熱が行われると共に、蓄熱体88から第2熱媒体への放熱が行われる。その結果、第2熱媒体は昇温し、第1熱媒体は降温する。従って、除霜および暖房の効率が後述する第2除霜運転よりもよい。
[4.3.5.第2除霜運転]
図39に示されるように、第2除霜運転は、図37に示される第2ホットガス暖房運転と比較して、空調側第2三方弁60が全ての流路を連通する点で異なる。
このとき、第2熱媒体は、図39の実線で示される空調側流路42、分岐流路54および熱交換器バイパス流路156を流れる。第2熱媒体は、圧縮機44で昇温し、ヒータコア46で放熱し、第2分岐部42bで分岐流路54に流れ、空調側第1三方弁158で熱交換器バイパス流路156に流れ、空調側第2三方弁60で分流する。一部の第2熱媒体は、空調側ラジエータ50で除霜(放熱)し、第2合流部42dに流入する。残りの第2熱媒体は、空調側ラジエータ50を流れることなく第2合流部42dに流入する。第2合流部42dで合流した第2熱媒体は、アキュムレータ52で気液分離されて圧縮機44に戻る。
第2除霜運転は、第1熱媒体の温度が第2熱媒体の温度以下である場合に行われる。このとき、第2熱媒体は熱交換器80を流れないため、第2熱媒体の熱が第1熱媒体に吸収されることはない。
[5.第1〜第4実施形態のまとめ]
第1〜第4実施形態に係る車両用廃熱利用装置10、110は、冷却側流路22に第1熱媒体を還流させて熱源体26から熱を吸収する冷却回路20と、空調側流路42に第2熱媒体を還流させてヒータコア46で熱を放散する空調回路40と、を備える。冷却側流路22には、第1熱媒体を吐出する冷却側ポンプ24と、熱源体26と、がその順で配置される。空調側流路42には、第2熱媒体を圧縮することにより昇温させて吐出する圧縮機44と、ヒータコア46と、第2熱媒体を減圧することにより降温させることができる減圧弁48と、第2熱媒体と外気との間で熱交換を行う空調側ラジエータ50と、第2熱媒体を気液分離して気相の第2熱媒体を圧縮機44側に流すアキュムレータ52と、がその順で配置される。更に、圧縮機44の下流側でありかつ減圧弁48の上流側に分岐部(第1分岐部42aおよび/または第2分岐部42b)が配置される。また、減圧弁48の下流側でありかつ空調側ラジエータ50の上流側に第1合流部42cが配置される。また、空調側ラジエータ50の下流側でありかつアキュムレータ52の上流側に第2合流部42dが配置される。分岐部(第1分岐部42aおよび/または第2分岐部42b)と第1合流部42cと第2合流部42dには分岐流路54が接続される。また、車両用廃熱利用装置10は、熱源体26の下流側の冷却側流路22と分岐流路54とに跨って設けられて、第1熱媒体と第2熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器80と、熱交換器80に設けられて、第1熱媒体および第2熱媒体の熱を蓄えまた蓄えた熱を第2熱媒体に与える蓄熱体88と、分岐部または分岐部と熱交換器80との間の分岐流路54に設けられて、空調側流路42と熱交換器80との連通と遮断とを切り替える空調側第1切替弁55(空調側二方弁56、空調側第1三方弁58)と、熱交換器80の下流側の分岐流路54に設けられて、熱交換器80と空調側ラジエータ50の上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42との連通と遮断とを切り替える空調側第2切替弁69(空調側第2三方弁60)と、を更に備える。
上記構成によれば、空調側第1切替弁55を適切なタイミングで切り替えることにより第1熱媒体および第2熱媒体の熱を蓄熱体88に蓄えることができる。また、外気温が低い状況、すなわち、空調側ラジエータ50で第2熱媒体が外気から熱を吸収できずヒートポンプシステムによる室内暖房を維持することができない状況であっても、空調側第1切替弁55および空調側第2切替弁69を適切なタイミングで切り替えることによりホットガス暖房が可能になる。また、空調側第1切替弁55および/または空調側第2切替弁69を適切なタイミングで切り替えることにより、空調側ラジエータ50とアキュムレータ52の両者に高温の第2熱媒体を同時に供給することができる。このため、電気ヒータを使用しなくても室内の暖房と空調側ラジエータ50の除霜を同時に行うことができる。更に、空調側第1切替弁55および/または空調側第2切替弁69を適宜切り替えることにより、様々な暖房運転と除霜運転を行うことができる。
第1実施形態に係る車両用廃熱利用装置10において、分岐部は、圧縮機44とヒータコア46との間に配置される第1分岐部42aと、ヒータコア46と減圧弁48との間に配置される第2分岐部42bと、を含む。空調側第1切替弁55は、第1分岐部42aと熱交換器80との間の分岐流路54に設けられる空調側二方弁56と、第2分岐部42bに設けられる空調側第1三方弁58と、を含む。
上記構成によれば、空調側二方弁56により圧縮機44と熱交換器80との連通と遮断とを切り替えることができる。圧縮機44と熱交換器80とが連通すると、圧縮機44から吐出される高温の第2熱媒体が第1分岐部42aで分流し、その一部がヒータコア46に流入し、残りが熱交換器80に直接流入する。このため、暖房を行いつつ、蓄熱体88に蓄熱することができる。また、上記構成によれば、空調側第1三方弁58によりヒータコア46と熱交換器80との連通と遮断とを切り替えることができる。ヒータコア46と熱交換器80とが連通すると、ヒータコア46で放熱し降温した第2熱媒体が熱交換器80で吸熱して昇温する。このため、空調側ラジエータ50とアキュムレータ52の両者に高温の第2熱媒体を同時に供給することができる。
第2実施形態に係る車両用廃熱利用装置10において、分岐部(第2分岐部42b)は、ヒータコア46と減圧弁48との間に配置される。空調側第1切替弁55は、分岐部(第2分岐部42b)に設けられる空調側第1三方弁58である。
上記構成によれば、空調側第1三方弁58によりヒータコア46と熱交換器80との連通と遮断とを切り替えることができる。ヒータコア46と熱交換器80とが連通すると、ヒータコア46で放熱し降温した第2熱媒体が熱交換器80で吸熱して昇温する。このため、空調側ラジエータ50とアキュムレータ52の両者に高温の第2熱媒体を同時に供給することができる。
第3実施形態に係る車両用廃熱利用装置10において、分岐部(第1分岐部42a)は、圧縮機44とヒータコア46との間に配置される。空調側第1切替弁55は、分岐部(第1分岐部42a)と蓄熱体88との間の分岐流路54に設けられる空調側二方弁56である。
上記構成によれば、空調側二方弁56により圧縮機44と熱交換器80との連通と遮断とを切り替えることができる。圧縮機44と熱交換器80とが連通すると、圧縮機44から吐出される高温の第2熱媒体が第1分岐部42aで分流し、その一部がヒータコア46に流入し、残りが熱交換器80に直接流入する。このため、暖房を行いつつ、蓄熱体88に蓄熱することができる。
第1〜第4実施形態に係る車両用廃熱利用装置10、110は、圧縮機44から流出する第2熱媒体の第1温度Tpを検出する第1温度センサ64と、ヒータコア46から流出する第2熱媒体の第2温度Thを検出する第2温度センサ66と、蓄熱体88の温度Trを検出する蓄熱体温度センサ70と、外気の温度T1を検出する外気温度センサ72と、第1温度Tpと第2温度Thと蓄熱体88の温度Trと外気の温度T1に基づいて、空調側第1切替弁55と空調側第2切替弁69を制御する制御部90と、を備える。
上記構成によれば、空調側第1切替弁55と空調側第2切替弁69を適切なタイミングで動作させることができ、様々な暖房運転、除霜運転、蓄熱運転を行うことができる。
[6.暖房装置200]
第1〜第4実施形態に係る車両用廃熱利用装置10、110は冷却回路20と空調回路40との間で熱交換を行う。しかし、空調回路40は、冷却回路20とは別に単体で使用可能であり、車両の暖房装置を含むあらゆる暖房装置、例えば家庭用の暖房装置に使用可能である。
図40に示される暖房装置200は、図1に示される空調回路40に相当する空調回路240を有する。空調回路240は、空調回路40の熱交換器80の代わりに蓄熱体88を有し、ヒータコア46の代わりに室内熱交換器246を有し、空調側ラジエータ50の代わりに室外熱交換器250を有する。空調回路240のその他の構成は、図1に示される空調回路40の構成と同じである。また、暖房装置200は、図3〜図5に示される一連の処理を行うことができる。
図41に示される暖房装置200は、図14に示される空調回路40に相当する空調回路240を有する。空調回路240は、空調回路40の熱交換器80の代わりに蓄熱体88を有し、ヒータコア46の代わりに室内熱交換器246を有し、空調側ラジエータ50の代わりに室外熱交換器250を有する。空調回路240のその他の構成は、図14に示される空調回路40の構成と同じである。また、暖房装置200は、図15、図16に示される一連の処理を行うことができる。
図42に示される暖房装置200は、図23に示される空調回路40に相当する空調回路240を有する。空調回路240は、空調回路40の熱交換器80の代わりに蓄熱体88を有し、ヒータコア46の代わりに室内熱交換器246を有し、空調側ラジエータ50の代わりに室外熱交換器250を有する。空調回路240のその他の構成は、図23に示される空調回路40の構成と同じである。また、暖房装置200は、図24、図25に示される一連の処理を行うことができる。
[7.暖房装置200のまとめ]
暖房装置200は、熱媒体を圧縮することにより昇温させて吐出する圧縮機44と、熱媒体と室内の空気との間で熱交換を行う室内熱交換器246と、熱媒体を減圧することにより降温させることができる減圧弁48と、熱媒体と室外の空気との間で熱交換を行う室外熱交換器250と、熱媒体を気液分離して気相の熱媒体を圧縮機44側に流すアキュムレータ52と、圧縮機44と室内熱交換器246と減圧弁48と室外熱交換器250とアキュムレータ52とがその順で配置され、熱媒体が還流する空調側流路42と、を備える。空調側流路42には、圧縮機44の下流側でありかつ減圧弁48の上流側に分岐部(第1分岐部42a、第2分岐部42b)が配置され、減圧弁48の下流側でありかつ室外熱交換器250の上流側に第1合流部42cが配置され、室外熱交換器250の下流側でありかつアキュムレータ52の上流側に第2合流部42dが配置され、分岐部と第1合流部42cと第2合流部42dに分岐流路54が接続される。暖房装置200は、分岐流路54に設けられ、熱媒体の熱を蓄えまた蓄えた熱を熱媒体に与える蓄熱体88と、分岐部または分岐部と蓄熱体88との間の分岐流路54に設けられて、空調側流路42と蓄熱体88との連通と遮断とを切り替える空調側第1切替弁55(空調側二方弁56、空調側第1三方弁58)と、蓄熱体88の下流側の分岐流路54に設けられて、蓄熱体88と室外熱交換器250の上流側の空調側流路42と下流側の空調側流路42との連通と遮断とを切り替える空調側第2切替弁69(空調側第2三方弁60)と、を備える。
上記構成によれば、空調側第1切替弁55を適切なタイミングで切り替えることにより熱媒体の熱を蓄熱体88に蓄えることができ、また、蓄熱体88に蓄えた熱を熱媒体に与えることができる。このため、例えば、夜間に蓄熱体88に熱を蓄えておけば、朝等室内を急速に暖めたいときに急速暖房を行うことができる。また、空調側第1切替弁55および/または空調側第2切替弁69を適切なタイミングで切り替えることにより、室外熱交換器250とアキュムレータ52の両者に高温の熱媒体を同時に供給することができる。このため、電気ヒータを使用しなくても室内の暖房と室外熱交換器250の除霜を同時に行うことができる。更に、空調側第1切替弁55および/または空調側第2切替弁69を適宜切り替えることにより、様々な暖房運転と除霜運転を行うことができる。
図40に示される暖房装置200において、分岐部は、圧縮機44と室内熱交換器246との間に配置される第1分岐部42aと、室内熱交換器246と減圧弁48との間に配置される第2分岐部42bと、を含む。空調側第1切替弁55は、第1分岐部42aと蓄熱体88との間の分岐流路54に設けられる空調側二方弁56と、第2分岐部42bに設けられる空調側第1三方弁58と、を含む。
上記構成によれば、空調側二方弁56により圧縮機44と蓄熱体88との連通と遮断とを切り替えることができる。圧縮機44と蓄熱体88とが連通すると、圧縮機44から吐出される高温の熱媒体が第1分岐部42aで分流し、その一部が室内熱交換器246に流入し、残りが蓄熱体88に直接流入する。このため、暖房を行いつつ、蓄熱体88に蓄熱することができる。また、上記構成によれば、空調側第1三方弁58により室内熱交換器246と蓄熱体88との連通と遮断とを切り替えることができる。室内熱交換器246と蓄熱体88とが連通すると、室内熱交換器246で放熱し降温した熱媒体が蓄熱体88で吸熱して昇温する。このため、室外熱交換器250とアキュムレータ52の両者に高温の熱媒体を同時に供給することができる。
図41に示される暖房装置200において、分岐部(第2分岐部42b)は、室内熱交換器246と減圧弁48との間に配置される。空調側第1切替弁55は、分岐部(第2分岐部42b)に設けられる空調側第1三方弁58である。
上記構成によれば、空調側第1三方弁58により室内熱交換器246と蓄熱体88との連通と遮断とを切り替えることができる。室内熱交換器246と蓄熱体88とが連通すると、室内熱交換器246で放熱し降温した熱媒体が蓄熱体88で吸熱して昇温する。このため、室外熱交換器250とアキュムレータ52の両者に高温の熱媒体を同時に供給することができる。
図42に示される暖房装置200において、分岐部(第1分岐部42a)は、圧縮機44と室内熱交換器246との間に配置される。空調側第1切替弁55は、分岐部(第1分岐部42a)と蓄熱体88との間の分岐流路54に設けられる空調側二方弁56である。
上記構成によれば、空調側二方弁56により圧縮機44と蓄熱体88との連通と遮断とを切り替えることができる。圧縮機44と蓄熱体88とが連通すると、圧縮機44から吐出される高温の熱媒体が第1分岐部42aで分流し、その一部が室内熱交換器246に流入し、残りが蓄熱体88に直接流入する。このため、暖房を行いつつ、蓄熱体88に蓄熱することができる。
図40〜図42に示される暖房装置200は、圧縮機44から流出する熱媒体の第1温度Tpを検出する第1温度センサ64と、室内熱交換器246から流出する熱媒体の第2温度Thを検出する第2温度センサ66と、蓄熱体88の温度Trを検出する蓄熱体温度センサ70と、外気の温度T1を検出する外気温度センサ72と、第1温度Tpと第2温度Thと蓄熱体88の温度Trと外気の温度T1に基づいて、空調側第1切替弁55と空調側第2切替弁69を制御する制御部90と、を備える。
上記構成によれば、空調側第1切替弁55と空調側第2切替弁69を適切なタイミングで動作させることができ、様々な暖房運転、除霜運転、蓄熱運転を行うことができる。
なお、本発明に係る車両用廃熱利用装置および暖房装置は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10、110…車両用廃熱利用装置 20…冷却回路
22…冷却側流路 24…冷却側ポンプ
26…熱源体 30…冷却側バイパス流路
32…冷却側切替弁 40…空調回路
42…空調側流路 42a…第1分岐部
42b…第2分岐部 42c…第1合流部
42d…第2合流部 44…圧縮機
46…ヒータコア 48…減圧弁
50…空調側ラジエータ 52…アキュムレータ
54…分岐流路 55…空調側第1切替弁
56…空調側二方弁 58、158…空調側第1三方弁
60…空調側第2三方弁 69…空調側第2切替弁
80…熱交換器 88…蓄熱体
200…暖房装置 246…室内熱交換器
250…室外熱交換器

Claims (10)

  1. 冷却側流路に第1熱媒体を還流させて熱源体から熱を吸収する冷却回路と、
    空調側流路に第2熱媒体を還流させてヒータコアで熱を放散する空調回路と、を備え、
    前記冷却側流路には、前記第1熱媒体を吐出する冷却側ポンプと、前記熱源体と、がその順で配置され、
    前記空調側流路には、前記第2熱媒体を圧縮することにより昇温させて吐出する圧縮機と、前記ヒータコアと、前記第2熱媒体を減圧することにより降温させることができる減圧弁と、前記第2熱媒体と外気との間で熱交換を行う空調側ラジエータと、前記第2熱媒体を気液分離して気相の前記第2熱媒体を前記圧縮機側に流すアキュムレータと、がその順で配置され、更に、前記圧縮機の下流側でありかつ前記減圧弁の上流側に分岐部が配置され、前記減圧弁の下流側でありかつ前記空調側ラジエータの上流側に第1合流部が配置され、前記空調側ラジエータの下流側でありかつ前記アキュムレータの上流側に第2合流部が配置され、前記分岐部と前記第1合流部と前記第2合流部に分岐流路が接続され、
    前記熱源体の下流側の前記冷却側流路と前記分岐流路とに跨って設けられて、前記第1熱媒体と前記第2熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器と、
    前記熱交換器に設けられて、前記第1熱媒体および前記第2熱媒体の熱を蓄えまた蓄えた熱を前記第2熱媒体に与える蓄熱体と、
    前記分岐部または前記分岐部と前記熱交換器との間の前記分岐流路に設けられて、前記空調側流路と前記熱交換器との連通と遮断とを切り替える空調側第1切替弁と、
    前記熱交換器の下流側の前記分岐流路に設けられて、前記熱交換器と前記空調側ラジエータの上流側の前記空調側流路と下流側の前記空調側流路との連通と遮断とを切り替える空調側第2切替弁と、を更に備える
    ことを特徴とする車両用廃熱利用装置。
  2. 請求項1に記載の車両用廃熱利用装置において、
    前記分岐部は、
    前記圧縮機と前記ヒータコアとの間に配置される第1分岐部と、
    前記ヒータコアと前記減圧弁との間に配置される第2分岐部と、を含み、
    前記空調側第1切替弁は、
    前記第1分岐部と前記熱交換器との間の前記分岐流路に設けられる二方弁と、
    前記第2分岐部に設けられる三方弁と、を含む
    ことを特徴とする車両用廃熱利用装置。
  3. 請求項1に記載の車両用廃熱利用装置において、
    前記分岐部は、前記ヒータコアと前記減圧弁との間に配置され、
    前記空調側第1切替弁は、前記分岐部に設けられる三方弁である
    ことを特徴とする車両用廃熱利用装置。
  4. 請求項1に記載の車両用廃熱利用装置において、
    前記分岐部は、前記圧縮機と前記ヒータコアとの間に配置され、
    前記空調側第1切替弁は、前記分岐部と前記蓄熱体との間の前記分岐流路に設けられる二方弁である
    ことを特徴とする車両用廃熱利用装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用廃熱利用装置において、
    前記圧縮機から流出する前記第2熱媒体の第1温度を検出する第1温度センサと、
    前記ヒータコアから流出する前記第2熱媒体の第2温度を検出する第2温度センサと、
    前記蓄熱体の温度を検出する蓄熱体温度センサと、
    外気の温度を検出する外気温度センサと、
    前記第1温度と前記第2温度と前記蓄熱体の温度と外気の温度に基づいて、前記空調側第1切替弁と前記空調側第2切替弁を制御する制御部と、を更に備える
    ことを特徴とする車両用廃熱利用装置。
  6. 熱媒体を圧縮することにより昇温させて吐出する圧縮機と、
    前記熱媒体と室内の空気との間で熱交換を行う室内熱交換器と、
    前記熱媒体を減圧することにより降温させることができる減圧弁と、
    前記熱媒体と室外の空気との間で熱交換を行う室外熱交換器と、
    前記熱媒体を気液分離して気相の前記熱媒体を前記圧縮機側に流すアキュムレータと、
    前記圧縮機と前記室内熱交換器と前記減圧弁と前記室外熱交換器と前記アキュムレータとがその順で配置され、前記熱媒体が還流する空調側流路と、を備える暖房装置であって、
    前記空調側流路には、前記圧縮機の下流側でありかつ前記減圧弁の上流側に分岐部が配置され、前記減圧弁の下流側でありかつ前記室外熱交換器の上流側に第1合流部が配置され、前記室外熱交換器の下流側でありかつ前記アキュムレータの上流側に第2合流部が配置され、前記分岐部と前記第1合流部と前記第2合流部に分岐流路が接続され、
    前記分岐流路に設けられ、前記熱媒体の熱を蓄えまた蓄えた熱を前記熱媒体に与える蓄熱体と、
    前記分岐部または前記分岐部と前記蓄熱体との間の前記分岐流路に設けられて、前記空調側流路と前記蓄熱体との連通と遮断とを切り替える空調側第1切替弁と、
    前記蓄熱体の下流側の前記分岐流路に設けられて、前記蓄熱体と前記室外熱交換器の上流側の前記空調側流路と下流側の前記空調側流路との連通と遮断とを切り替える空調側第2切替弁と、を備える
    ことを特徴とする暖房装置。
  7. 請求項6に記載の暖房装置において、
    前記分岐部は、
    前記圧縮機と前記室内熱交換器との間に配置される第1分岐部と、
    前記室内熱交換器と前記減圧弁との間に配置される第2分岐部と、を含み、
    前記空調側第1切替弁は、
    前記第1分岐部と前記蓄熱体との間の前記分岐流路に設けられる二方弁と、
    前記第2分岐部に設けられる三方弁と、を含む
    ことを特徴とする暖房装置。
  8. 請求項6に記載の暖房装置において、
    前記分岐部は、前記室内熱交換器と前記減圧弁との間に配置され、
    前記空調側第1切替弁は、前記分岐部に設けられる三方弁である
    ことを特徴とする暖房装置。
  9. 請求項6に記載の暖房装置において、
    前記分岐部は、前記圧縮機と前記室内熱交換器との間に配置され、
    前記空調側第1切替弁は、前記分岐部と前記蓄熱体との間の前記分岐流路に設けられる二方弁である
    ことを特徴とする暖房装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の暖房装置において、
    前記圧縮機から流出する前記熱媒体の第1温度を検出する第1温度センサと、
    前記室内熱交換器から流出する前記熱媒体の第2温度を検出する第2温度センサと、
    前記蓄熱体の温度を検出する蓄熱体温度センサと、
    外気の温度を検出する外気温度センサと、
    前記第1温度と前記第2温度と前記蓄熱体の温度と外気の温度に基づいて、前記空調側第1切替弁と前記空調側第2切替弁を制御する制御部と、を更に備える
    ことを特徴とする暖房装置。
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