本発明に係る遊技機を実施するための形態を図面に基づいて以下に説明する。
(パチンコ遊技機の全体構成)
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図3は、遊技機用枠を開放した状態を示す斜視図である。図4は、(A)は窓部ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は窓部ユニットを斜め後から見た状態を示す斜視図である。図5は、パチンコ遊技機の内部構造を示す概略縦断面図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面200Aを前面側に有する遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2b(図3参照)によって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10は、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれ、打ち込まれた遊技球が流下可能な領域とされている。
また、遊技機用枠3には、遊技領域10を視認するための窓部51が設けられた開閉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該開閉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、開閉枠50を閉鎖したときに窓部51を通して遊技領域10を透視できるようになっている。また、開閉枠50は、遊技機用枠3の前面全域を被覆可能な大きさに形成されており、窓部51は、開閉枠50を閉鎖したときに遊技領域10に対応する位置に配置される。また、開閉枠50における窓部51の上方には、後述する枠側演出装置500が設けられ、窓部51の下方には打球操作ハンドル30が設けられている。
遊技盤2は、図5に示すように、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材(透過性部材)にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面200Aに障害釘(図示略)やガイドレール2b(図3参照)等が設けられた盤面板200と、該盤面板200の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材205と、から主に構成されている。尚、本実施の形態の遊技盤2は、透光性を有する合成樹脂材にて構成されていたが、これに限られるものではなく、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の左側下部位置)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、可変(変動)可能に表示(可変表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄(飾り図柄ともいう)が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
また、画像表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、窓部51及び該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠52が設けられている。また、遊技盤2と画像表示装置5との間には、後述する盤側演出装置300が設けられている。
画像表示装置5の表示領域の下部の左右2個所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの右側方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aが設けられ、画像表示装置5の右下方には、可変入賞球装置6Bが設けられている。入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示すソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの右側方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右側方位置には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿ともいう)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球やファール球などをパチンコ遊技機1の外部へと排出する排出口(図示略)が設けられている。開閉枠50の下部に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
(パチンコ遊技機の回路構成)
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、飾り図柄の可変表示時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の可変態様を示す変動パターンを示す可変パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B、後述する回動用モータ372、演出用表示器390、演出用ソレノイド318L,318R、駆動体モータ308L,308R、上方位置検出スイッチ315L,315R、中間位置検出スイッチ314L,314R、下方位置検出スイッチ313L,313R、枠側可動体モータ520、第1原点位置検出スイッチ521、第1演出位置検出スイッチ522、回転灯LED510、リフレクタモータ511といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の可変表示を開始させた後、普図可変表示時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となり、可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、可変表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して可変している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示され、可変表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図可変表示時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示され、可変表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率可変表示制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図可変表示時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
(パチンコ遊技の動作)
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板(図示略)からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、可変パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの可変表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該可変表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動(可変表示)パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を可変表示させるための設定や特別図柄が可変を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動変処理、特別図柄の可変表示を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、可変表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する先読予告設定処理を実行する。次いで、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する可変表示開始待ち処理、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定し、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定した後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示する可変表示開始設定処理、設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行し、こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる可変表示中演出処理、主基板11から大当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定し、大当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定する特図当り待ち処理、大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する大当り中演出処理、大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行するエンディング演出処理を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、飾り図柄の可変表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が飾り図柄の可変表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率可変状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
本実施の形態では、以下に説明する可動体による可動体演出や、可動体とスピーカ8L,8R、及び遊技効果ランプ9等とによる複合演出や、遊技者がスティックコントローラまたはプッシュボタン等の操作手段を操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能とされている。
(パチンコ遊技機の構造)
次に、図3に基づいて、パチンコ遊技機1の構造について説明する。図3に示すように、外枠60は、上板61、下板62、左側板63及び右側板64により縦長四角枠状に形成されている。上板61及び下板62は木材により板状に形成されており、遊技場等に設置される図示しない遊技島に釘等を介して設置固定できるようになっている。左側板63及び右側板64は、アルミニウム材の押出成型により板状に形成されている。
外枠60の開口下部には幕板65が設けられ、開口下部が閉塞されている。外枠60の左上角部及び左下角部には、遊技機用枠3の左上角部及び左下角部に設けられた上下方向を向く回動軸(図示略)を回動可能に支持する軸受部(図示略)が設けられており、遊技機用枠3は、外枠60の左側辺付近を中心として該外枠60の開口を閉鎖する閉鎖位置と開口を開放する開放位置との間で回動可能に支持されている。
図3に示すように、遊技機用枠3には、遊技盤2の背面側に設けられる各種部品や装置(演出可動体等)を被覆する裏カバー70(図5参照)が挿入可能な大きさを有する開口部(図示略)が形成されている。尚、画像表示装置5は、裏カバー70の背面側に配設され、裏カバー70に設けられた貫通孔71を介して前面側(遊技者側)から視認可能となっている。また、開口部の左側上下位置には、前面側に盤押え部31を有する係止凹部が設けられているとともに、右側上下位置には、盤押え金具(図示略)が設けられている。よって、遊技機用枠3の前方から遊技盤2の背面の裏カバー70を開口部に挿入し、該遊技盤2の左端部、詳しくは、スペーサ部材205の左端部を係止凹部に差し込んだ状態で右端部を盤押え金具(図示略)で係止することにより、遊技機用枠3に遊技盤2を取付けできるようになっている。このとき、盤押え部31と盤面板200とは、左右方向に離間して配置され、その間に空間が形成されている。また、盤押え金具の係止状態を解除すれば遊技盤2を遊技機用枠3から容易に取外すことができる。
開閉枠50は、略中央部に後述する窓部ユニット51Aを挿入可能な開口部50A(図5参照)を有しており、開口部50Aの右側上方位置、左側上下位置には、窓押え部材53が設けられている。よって、開閉枠50の後方から窓部ユニット51Aを開口部50Aに挿入し、窓押え部材53により係止することにより、開閉枠50に窓部ユニット51Aを取付けできるようになっており、窓押え部材53の係止状態を解除すれば窓部ユニット51Aを開閉枠50から容易に取外すことができる。また、開閉枠50に窓部ユニット51Aを取付けることで開口部50Aが閉鎖され、窓部ユニット51Aを開閉枠50から取外すことで開口部50Aが開口される。
(窓部ユニット)
次に、窓部51を構成する窓部ユニット51Aについて、図4及び図5に基づいて概略的に説明する。図4は、(A)は窓部ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は窓部ユニットを斜め後から見た状態を示す斜視図である。図5は、開閉枠に窓部ユニットが取付けられた状態を示すパチンコ遊技機の縦断面図である。
図4及び図5に示すように、窓部ユニット51Aは、第1構成部260と、第1構成部260から遊技盤2(遊技領域10)と反対側(遊技者側)に突出する第2構成部250と、から主に構成されている。
第1構成部260は、透明なアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材からなり、開閉枠50を閉鎖したときに盤面板200の開口2cに対応する位置に配置される孔部270が形成された後透過板261と、非透光性の合成樹脂材により枠状に形成された枠体262と、から構成されている。
後透過板261は、枠体262の開口を閉鎖するように枠体262の背面に接着剤等を介して固着される。具体的には、枠体262の背面側には、後透過板261を嵌合可能な凹部が形成されており、凹部を構成する前壁部(図示略)の背面と後透過板261の前面側周縁部とが接着剤等で固着されている。すなわち、前壁部262Bの背面と後透過板261の前面側周縁部とが全周に亘って広い面積で固着されるため、後透過板261と枠体262とが強固に一体化される。
また、枠体262の左辺の上部及び下部には、外側に張り出す突片部262a,262bが形成されている。枠体262の下辺には、下方に突出する取付片(図示略)が左右方向に離間して2つ形成されている。また、枠体262の上辺には、上方に延びる取付片262fが左右方向に離間して2つ形成されており、取付片262fの背面側には、盤面側(第1構成部260の向き)を示す表示(「盤面側」なる文字が表示された)がなされている。これによれば、第1構成部260の取付方向の間違いを防止できるようになっている。また、枠体262の上辺には、前後に貫通する縦長のスリット262gが左右方向に離間して2つ形成されている。
また、後透過板261の孔部270には、後述するように、開閉枠50を閉鎖した状態において、孔部270から遊技領域10における孔部270に対応しない領域への異物の進入を阻止するための異物進入阻止部材280が取付けられている。尚、本実施の形態では、後透過板261に孔部270を形成した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、孔部270や切欠部等は形成されていなくてもよい。
第2構成部250は、透明なガラス材からなる前透過板251と、非透光性の合成樹脂材により筒状に形成された第1筒状体252及び第2筒状体253からなる周壁部(筒状部)と、から構成されている。第2筒状体253は、特に図5に示すように、第1筒状体252の内部に背面側の開口から嵌合可能に設けられ、第2筒状体253の前端に前透過板251を固定した状態で第1筒状体252に背面側から挿入嵌合することで、前透過板251の周縁部が第1筒状体252と第2筒状体253とにより前後から挟持されている。
尚、第1筒状体252の外周面と、第2筒状体253の内周面にはメッキ加工が施され、メッキ加工により補強されている。また、第1筒状体252の内周面と第2筒状体253の外周面との間には、金属板から成る略C字形状の補強板(図示略)が配設され、該補強板により補強されている。
第1筒状体252は、筒状を成す第1周壁部252aと、第1周壁部252aにおける後側の開口周縁部から周囲に広がるように形成された板状のフランジ部256と、を有している。第1周壁部252aの前側開口の周縁部には、前透過板251の周縁部の前面側に配置される環状の第1保持部252bが形成されている。尚、本実施の形態では、第1筒状体252は、第1周壁部252aとフランジ部256とが一体成型にて形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1周壁部252aとフランジ部256とは別個の部材にて構成されていてもよい。
また、フランジ部256の上辺における前面の略中央部には、運搬用の把持部256aが凹設されているとともに、フランジ部256の上辺における背面の左右両側には、第2構成部250に第1構成部260を取付けるための係止部材285が設けられている。
係止部材285は、フランジ部256に対し回動可能に軸支されており、長手方向が上下方向を向く第1回動位置(図示略)と、右方向(右の係止部材285は左方向)に傾倒する第2回動位置(図4(B)参照)と、に変更(回動)可能であり、第1回動位置にあるときに第1構成部260のスリット262gに係止部材285を挿入し、スリット262gに係止部材285が挿入された状態で該係止部材285を第2回動位置に回動させることにより第1構成部260と第2構成部250とが一体に組付けられる。
また、フランジ部256の上辺における左右には、外側に張り出す突片部256b,256cが設けられている。また、フランジ部256の下辺には、下方に延びる取付片256dが左右方向に離間して2つ形成されている。また、フランジ部256の下辺の左側には、外側に張り出す突片部256kが設けられている。また、フランジ部256の左右辺の背面には、枠体262の被係止部に係止可能な鉤状の係止部が設けられている(図示略)。
第2筒状体253は、筒状を成す第2周壁部253aを有している。第2周壁部253aの前側開口の周縁部には、前透過板251の周縁部の背面に配置される環状の第2保持部253bが形成されている。尚、前透過板251は、前透過板251に対して接着剤等を介して固着される。
第2筒状体253は、第1筒状体252の後側開口から嵌合し、背面側からネジを螺入することにより第1筒状体252に一体化されて筒状部を構成するとともに、これら第1筒状体252の第1保持部252b及び第2筒状体253の第2保持部253bの間に保持された前透過板251も一体化されて第2構成部250を構成する。
第1筒状体252及び第2筒状体253は、上壁部の前後長さ寸法が下壁部の前後長さ寸法よりも長寸となるように形成されていることで、縦断面視略三角状をなしており、前透過板251は、下方に向けて後側に傾斜する、つまり、上端が前側に傾倒する傾倒姿勢をなすように配置されている(特に図5参照)。
尚、本実施の形態では、第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部は、下壁部の前後長さ寸法が上壁部の前後長さ寸法に比べて極端に短いが、本発明はこれに限定されるものではなく、上壁部と下壁部の前後長さ寸法はほぼ同じであってもよいし、上壁部の前後長さ寸法が下壁部の前後長さ寸法よりも短寸となっていてもよい。また、前透過板251の全周縁に沿うように設けられる筒状部でなくても、前透過板251の周縁の一部に沿うアーチ状部であってもよい。
窓部ユニット51Aを構成する際には、第2構成部250に前透過板251を固定し、第1構成部260の下辺に形成された各取付片(図示略)を第2構成部250における各取付片256dに設けられた凹部に上方から差し込み、第1構成部260のスリット262gを第2構成部250の係止部材285に嵌め込み、係止部材285を操作して係止させることにより、第1構成部260と第2構成部250とが組付けられる(窓部ユニット51Aが構成される)。また、係止部材285の係止状態を解除すれば、第2構成部250から第1構成部260を取外すことが可能となる。
また、第1構成部260と第2構成部250とを組付けた状態にあっては、第1構成部260の突片部262a,262bと、第2構成部250の突片部256b,256c,256kとが互いに重ならないように異なる位置に配置されている。これによれば、第1構成部260と第2構成部250とを分離する際に、第1構成部260と第2構成部250の突片部をそれぞれ別々に同時に把持することができるため、第1構成部260と第2構成部250との分離作業を行いやすい。さらに、前透過板251や後透過板261を直接触れる必要が無いため、前透過板251や後透過板261に指紋が付いたりすることが抑制される。
窓部ユニット51Aを開閉枠50に取付ける際には、開閉枠50の開口部50Aの下部に設けられた被係止部54aに窓部ユニット51Aの各取付片256dを係止した状態で、窓部ユニット51Aの筒状部を開口部50A内に背面側から挿入する(図17参照)。そして、開閉枠50の各窓押え部材53(図3参照)が窓部ユニット51Aの突片部256b,256c,256kに係止されることで窓部ユニット51Aが開閉枠50の特定位置に取付けられる。また、係止部材285の係止状態を解除することで開閉枠50から第2構成部250を取外したりすることなく第1構成部260のみを取外すことができるので、窓部51のメンテナンス性が向上する。
また、第1構成部260と該第1構成部260に対し前方に突出する第2構成部250とから構成される窓部ユニット51Aは、上記のように開閉枠50に形成された開口部50A内に筒状の第2構成部250を背面側から挿入することにより取付けできるので、第2構成部250のような突出部がなく第1構成部260のみからなるガラス窓が組付けられる既存のパチンコ遊技機にも後付で容易に組付けることが可能である。
図5に示すように、第1構成部260と第2構成部250とが組付けられた状態において、後透過板261は、略垂直をなすように起立状態で設置されるのに対し、前透過板251は、上方から下方に向けて漸次後側に傾斜するように、後透過板261に対し傾斜する前傾姿勢で配置される。そのため、後透過板261に対する上方の離間寸法L2よりも下方の離間寸法L3の方が短寸とされている(L2>L3)。尚、前透過板251と後透過板261とにおける前後方向の離間幅のうち少なくとも離間幅が最大となる部分の寸法は、前透過板251及び後透過板261の板厚よりも大きいとともに、遊技球の直径よりも大きい。
また、第2構成部250は、後側開口が前側開口よりも大きいため、第1周壁部252a及び第2周壁部253aの上部(屋根の部分)が前方に向けて前側に傾斜しているとともに、第1周壁部252a及び第2周壁部253aの左右側部が前方に向けて左右方向の中央に向けて傾斜している。
窓部ユニット51Aが開閉枠50に組付けられた状態にあっては、窓部ユニット51Aの突出部が開閉枠50の前面を構成するサイドランプ55L,55Rよりも前面側に突出している。すなわち、窓部ユニット51Aにおける前透過板251と後透過板261との上部の離間寸法L2(窓部ユニット51Aにおける上部の前後寸法)は、開閉枠50の側辺部における上部の前後寸法L8に比べ大きくなっている(L2>L8)。また、窓部ユニット51Aにおける前透過板251と後透過板261との下部の離間寸法L3(窓部ユニット51Aにおける下部の前後寸法)は、開閉枠50の側辺部における下部の前後寸法L9に比べ大きくなっている(L3>L9)。このように、窓部ユニット51Aがサイドランプ55L,55Rよりも前方側に突出していることにより、遊技者に奥行きを感じさせることができる。
また、窓部ユニット51Aの下方位置には、前述した上皿90が設けられている。上皿90は上方が開放しており、遊技を行うための遊技球を投入可能としているため、上皿90の上方に窓部ユニット51Aが突出していると遊技球の投入の邪魔になってしまう。また、窓部ユニット51Aは、上皿90を形成する部材よりも前方に突出するように設けられている。よって、前透過板251は、上端が上皿90を形成する部材の前端よりも前方に位置するとともに、下端が上皿90よりも後側に位置するように、上方から下方に向けて後側に傾斜するように配設される。
尚、本実施の形態では、第1筒状体252の外周面及び第2筒状体253の内周面に施されたメッキ加工により装飾部が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1筒状体252の外周面及び第2筒状体253の内周面を着色したり絵柄を設けるなどして装飾部を構成してもよい。
第1筒状体252の外周面及び第2筒状体253の内周面にメッキ加工(非透光性)が施されているとともに、第1筒状体252及び第2筒状体253の上壁部は、前方に向けて下方に傾斜するように形成され、パチンコ遊技機1の前上方からの外光を遊技領域10に入りにくくしているため、遊技領域10の上部の前方が上壁部にて隠されてしまうが、遊技者の目線位置は上壁部よりも下方に位置するため、見上げれば視認可能である。
また、本実施の形態では、孔部270は、盤面板200に形成された開口2cとは、形状が異なるとともに大きさも小さく、かつ、該開口2cに対応する位置に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、孔部270とほぼ同形に形成されていてもよいし、一部が開口2cの外側に位置するようになっていてもよい。
また、本実施の形態では、遊技領域10は、盤面板200と後透過板261との間に形成される空間部であってガイドレール2bにより囲まれる領域とされており、窓部51を構成する前透過板251と後透過板261とを透して、パチンコ遊技機1の前方である遊技者側から視認(透視)できるようになっている。
また、本実施の形態では、被支持部を第2構成部250の下辺部に設け、下辺部を中心として第2構成部250の上部を回動させることで上辺部を第2構成部250に取付ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、被支持部を第2構成部250や開閉枠50における上辺部、左辺部、右辺部のいずれかに設け、第1構成部260を上辺部、左辺部、右辺部のいずれかに設けた被支持部に支持部を支持した状態で回動させることで第2構成部250に取付けできるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、第2透過部としての前透過板251は、第1保持部252bと第2保持部253bとにより前透過板251の少なくとも一部を前面側と後面側とから挟み込むように所定位置に保持する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1筒状体252の前面開口を閉鎖するように設けられていれば、保持形態は上記のものに限定されるものはなく、種々に変更可能である。
また、本実施の形態では、窓部51は、第1透過部としての後透過板261を有する第1構成部としての第1構成部260と、後透過板261とは異なる第2透過部としての前透過板251を有し、第1構成部260に対して遊技領域10と反対側(前側)に突出するように形成された第2構成部としての第2構成部250と、から構成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、窓部51は、第1構成部と第2構成部以外の他の構成部等を含むものであってもよい。
また、本実施の形態では、第1透過部及び第2透過部の一例として、後透過板261及び前透過板251を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、後透過板261や前透過板251は、必ずしも板状に形成されているものに限定されるものではなく、形状は任意である。また、第1筒状体252や第2筒状体253は筒状に形成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも筒状に形成されていなくてもよい。
(枠側演出装置)
次に、枠側演出装置500について、図6〜図21に基づいて説明する。図6は、(A)は枠側演出装置を斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は枠側演出装置を示す正面図である。図7は、枠側演出装置の構造を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図8は、枠側演出装置の構造を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図9は、可動ユニットの構造を示す分解斜視図である。図10は、(A)は可動ユニットの第1状態、(B)は可動ユニットの第2状態、(C)は可動ユニットの第3状態を示す説明図である。図11は、(A)は可動ユニットが第1状態であるときの駆動機構部を示す概略外側面図、(B)は駆動機構部を示す概略内側面図、(C)は保持軸を示す概略図である。図12は、(A)は可動ユニットが第2状態であるときの駆動機構部を示す概略外側面図、(B)は駆動機構部を示す概略内側面図、(C)は保持軸を示す概略図である。図13は、(A)は可動ユニットが第3状態であるときの駆動機構部を示す概略外側面図、(B)は駆動機構部を示す概略内側面図、(C)は保持軸を示す概略図である。図14は、(A)は可動ユニットを第3状態から第1状態に復帰させる場合の駆動機構部を示す概略外側面図、(B)は駆動機構部を示す概略内側面図、(C)は保持軸を示す概略図である。図15は、(A)は操作部が係止位置にある状態を示す背面図、(A’)は(A)のA−A断面図、(B)は操作部が係止解除位置にある状態を示す背面図、(B’)は(B)のA’−A’断面図である。図16は、(A)は可動ユニットが第1状態であるときの駆動機構部を示す概略外側面図、(B)は可動ユニットが第1状態であるときに可動体に外力が加えられた場合の駆動機構部を示す概略外側面図である。図17は、可動ユニットが第3状態であるときに窓部ユニットを開閉枠に組付ける状態を示す説明図である。図18は、パチンコ遊技機を輸送する際の梱包状態を示す説明図である。
図6〜図8に示すように、枠側演出装置500は、板状のベース部材501と、ベース部材501の前面における左右方向の中央位置に組付けられる回転灯ユニット502と、回転灯ユニット502の上方を被覆する上方被覆部材503と、回転灯ユニット502の下方を被覆する下方被覆部材504と、ベース部材501の前面における左右方向の中央位置に組付けられ、回転灯ユニット502の前方で上下方向に回動可能に設けられた可動ユニット505と、から主に構成されている。
ベース部材501は、開閉枠50における開口部50Aの上方位置に組付けられるため、ベース部材501の下辺部には、開口部50Aの上縁部に沿うように略円弧状に形成された円弧状部501Aが形成されている。ベース部材501の前面側における左右方向の略中央位置には、該ベース部材501の背面側から挿入される複数のネジN1により取付けられた下方被覆部材504に一体に組付けられる回転灯ユニット502が設けられている。また、回転灯ユニット502の前方には、ベース部材501の背面側から挿入される複数のネジN2により取付けられる可動ユニット505が設けられている。上方被覆部材503は、複数のネジN3により下方被覆部材504に取付けられるとともに、複数のネジN4により可動ユニット505に取付けられている。
ベース部材501には、可動ユニット505を後述する第3状態に変化させるための操作部材593を挿通可能な挿通口506L,506Rが左右に離間して形成されている(図15参照)。尚、挿通口506L,506Rは、窓部ユニット51Aを開閉枠50の特定位置に設置した状態において、窓部ユニット51Aのフランジ部256により背面側から被覆される位置に形成されている。また、ベース部材501の左右側には、スピーカ8L,8Rやスピーカカバーが取付けられるようになっている。
回転灯ユニット502は、発光表示部502Aと駆動部502Bとから構成される。特に詳細な図示はしないが、発光表示部502Aは、回転灯LED510(図2参照)と回転可能に設けられたリフレクタ(図示略)とを有し、駆動部502Bに内蔵されリフレクタモータ511(図2参照)によりリフレクタを回転させながらLEDを発光させることにより、発光表示部502Aを回転灯のように発光させることができるようになっている。
図9〜図12に示すように、可動ユニット505は、第1可動体530A及び該第1可動体530Aよりも上方に配置される第2可動体530Bと、第1可動体530A及び第2可動体530Bを駆動させるための駆動機構部531L,531Rと、から主に構成される。第1可動体530A及び第2可動体530Bは、非透過性部材により平面視で左右方向の中央部が前方に突出する曲線形状をなす湾曲状部材から構成され、前面には所定の装飾等が施されている。
第1可動体530Aは、図10(A)に示すように、回転灯ユニット502の前方を被覆するように配置される第1原点位置と、図10(B)に示すように、該第1原点位置よりも上方の第1演出位置と、図10(C)に示すように、第1原点位置より下方であって開口部50A内上部に収容される第1収容位置と、の間で上下方向に回動可能に設けられている。第1原点位置と第1演出位置との間は、ステッピングモータからなる枠側可動体モータ520により駆動されることにより回動可能とされ、第1原点位置と第1収容位置との間は、枠側可動体モータ520によらず、外力を加えることで回動可能とされている。
つまり、第1可動体530Aは、第1原点位置及び該第1原点位置とは異なる第1演出位置を含む第1移動範囲E1と、第1原点位置及び第1移動範囲E1外の第1収容位置を含む第2移動範囲E2と、で変位可能である。
第2可動体530Bは、図10(A)に示すように、第1原点位置に位置している第1可動体530Aよりも上方に配置される第2演出位置と、図10(C)に示すように、第2演出位置より下方であって開口部50A内に収容される第2収容位置と、の間で回動可能に設けられている。第2演出位置と第2収容位置との間は、枠側可動体モータ520によらず、外力を加えることで回動可能とされている。
つまり、第2可動体530Bは、第2演出位置及び該第2演出位置とは異なる第2収容位置を含む第3移動範囲E3で変位可能である。
このように構成される可動ユニット505(枠側演出装置500)は、図10(A)に示すように、第1可動体530Aが第1原点位置に位置し、第2可動体530Bが第2演出位置に位置している第1状態と、図10(B)に示すように、第1可動体530Aが第1演出位置に位置し、第2可動体530Bが第2演出位置に位置している第2状態と、図10(C)に示すように、第1可動体530Aが第1収容位置に位置し、第2可動体530Bが第2収容位置に位置している第3状態と、に変化可能である。
尚、本実施の形態では、回転灯ユニット502の詳細な説明は省略しているが、例えば、回転灯ユニット502をベース部材501に対し前後方向に移動可能に設け、可動ユニット505を第1状態から第2状態に変化させたときに、回転灯ユニット502を前方に移動させた状態でリフレクタを回転させながらLEDを発光させる演出を実行可能としてもよい。
そして、図10(A)(B)に示すように、窓部ユニット51Aを開閉枠50の開口部50Aに組付けた状態(パチンコ遊技機1において正規な遊技が可能な状態)では、枠側可動体モータ520により第1状態と第2状態とに変化(動作)可能とされる一方で、図10(C)に示すように、窓部ユニット51Aを開閉枠50の開口部50Aに組付けた状態(パチンコ遊技機1において正規な遊技が困難または不可能な状態)では、第1状態から第3状態へ変化(変位)可能とされている。
また、これら第1可動体530A及び第2可動体530Bは、第1状態及び第2状態において遊技者が接触可能に設けられている。
駆動機構部531L,531Rは、前後方向に延設されるベース板540L,540Rと、ベース板540L,540Rの前端に回動可能に設けられる左右方向を向く回動軸541L,541Rと、ベース板540L,540R各々の外側面に設けられる各種ギヤ部材と、各種ギヤ部材を被覆するカバー部材542L,542Rと、カバー部材542L,542Rの外側面において回動軸541L,541Rの外端部に固着され、第1可動体530Aを回動軸541L,541Rに軸支する第1支持部材543L,543Rと、ベース板540L,540Rの内側面に配置され、第2可動体530Bを回動軸541L,541R周りに回動可能に支持する第2支持部材544L,544Rと、第2支持部材544L,544Rの内側面に配置され、回動軸541L,541Rの内端部に固着される回動部材545L,545Rと、ベース板540L,540R各々の内側面に前後方向に移動可能に設けられ、第2可動体530Bを第2演出位置に保持するための保持軸546L,546Rと、ベース板540L,540Rをベース部材501に取付けるためのスペーサ部材547L,547Rと、主に共通して有する。
左側の駆動機構部531Lは、ベース板540Lの外側面において回動軸541Lに対し相対回転不能に固着される第1ギヤ部材551Lと、第1ギヤ部材551Lに対し噛合する第2ギヤ部材552Lと、第2ギヤ部材552Lに対し噛合する第3ギヤ部材553Lと、を有している。第2ギヤ部材552L及び第3ギヤ部材553Lは、ベース板540Lの外側面に突設された左右方向を向く回動軸(図示略)を中心に回動可能に設けられている。
ベース板540Lの外側面には、第3ギヤ部材553Lに形成された検出片(図示略)を検出可能な第1原点位置検出スイッチ521及び第1演出位置検出スイッチ522(図2参照)が設けられており、演出制御用CPU120は、第1原点位置検出スイッチ521からの検出信号に基づいて第1可動体530Aが第1原点位置に位置していることを特定し、第1演出位置検出スイッチ522からの検出信号に基づいて第1可動体530Aが第1演出位置に位置していることを特定できるようになっている。
右側の駆動機構部531Rは、ベース板540Rの外側面において回動軸541Rに対し相対回転不能に固着される第1ギヤ部材551Rと、第1ギヤ部材551Rに対し噛合可能な第2ギヤ部材552Rと、第2ギヤ部材552Rに対し噛合する第3ギヤ部材553Rと、を有する。また、第3ギヤ部材553Rに対しクラッチ機構554を介して連結される第4ギヤ部材555と、第4ギヤ部材555に噛合される第5ギヤ部材556と、第5ギヤ部材556が駆動軸520Aに固着された枠側可動体モータ520と、を有している。
図16に示すように、第4ギヤ部材555は、はす歯歯車(ウォームホイール)であり、第5ギヤ部材556は、ねじ歯車(ウォーム)である。つまり、第4ギヤ部材555と第5ギヤ部材556とでウォームギヤを構成している。
クラッチ機構554は、第4ギヤ部材555及び第5ギヤ部材556からなる第1駆動機構560A(第1伝達部)と、第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R及び第3ギヤ部材553Rからなる第2駆動機構560B(第2伝達部)との連結を断続するための機構であり、図16に示すように、第1クラッチ部材561、第2クラッチ部材562及び圧縮バネ563を備えている。第1クラッチ部材561と第2クラッチ部材562は、円盤状の部材にて構成され、各々の対向面には互いに嵌合可能なギヤ状の凹凸部が形成されている。
第1クラッチ部材561は、第4ギヤ部材555の内側面に一体に固着されており、第4ギヤ部材555の回動軸564を中心として、第4ギヤ部材555とともに回動可能とされている。一方、第2クラッチ部材562は、第3ギヤ部材553Rの回動軸565の右側に、回動軸565の軸心方向に往復移動可能、かつ、回動軸565の軸心を中心に回動不能な状態で嵌挿され、圧縮バネ563により第1クラッチ部材561側に向けて付勢されている。また、第4ギヤ部材555の回動軸564と第3ギヤ部材553Rの回動軸565とは、各々の軸心が合致するように配設されている。
クラッチ機構554は、枠側可動体モータ520により第5ギヤ部材556と第4ギヤ部材555が回動したときには、圧縮バネ563の付勢力により第1クラッチ部材561と第2クラッチ部材562との嵌合が解除されることがないので、枠側可動体モータ520の動力は第1駆動機構560A側からクラッチ機構554を介して第2駆動機構560B側に伝達される。
一方、第1可動体530Aは、第1原点位置が、第1演出位置と第1収容位置との途中位置に設定されている。つまり、第1原点位置を基準として、第1演出位置と、該第1演出位置と反対側の第1収容位置と、に回動可能とされていることから、第1原点位置にて、規制部材などにより第1収容位置側への回動を規制していない。よって、第1可動体530Aは、第1原点位置から第1収容位置側へ自重により回動可能であることで、第1可動体530Aが自重により回動する力は、第2駆動機構560B側から第1駆動機構560A側へ力が伝達されるが、第5ギヤ部材556と第4ギヤ部材555とがウォームギヤであることで、第4ギヤ部材555の回転は規制される。
すなわち、第1可動体530Aに回動力が働いても、回動軸541R、第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R、第3ギヤ部材553R、クラッチ機構554、第4ギヤ部材555及び第5ギヤ部材556は回転しないため、第1可動体530Aは、第1移動範囲E1においては、枠側可動体モータ520をオフ状態とした場合でも、自重により回動したりすることはないので、規制部材等により規制しなくても、第1原点位置を含む第1移動範囲E1の任意の位置にて保持することができる。
また、第1可動体530Aに回動力が働いても、回動力が枠側可動体モータ520の駆動軸520Aまで伝達されることはないため、枠側可動体モータ520の故障等を防止できる。さらに、第1可動体530Aに所定以上の外力が加わった場合、圧縮バネ563の付勢力に抗して第1クラッチ部材561と第2クラッチ部材562との嵌合が解除され、第1クラッチ部材561に対し第2クラッチ部材562が回転することが許容される(空転する)ため、駆動機構部531Rを構成する各ギヤ部材等に無理な負荷がかかり破損することを防止できる。
このように右側の駆動機構部531Rは、枠側可動体モータ520により第5ギヤ部材556が第1方向に回動すると、枠側可動体モータ520の動力が第4ギヤ部材555、クラッチ機構554、第3ギヤ部材553R、第2ギヤ部材552R、第1ギヤ部材551R、回動軸541R、第1支持部材543Rを介して第1可動体530Aに伝達されるため、第1可動体530Aは回動軸541Rを中心として上方向に回動し、枠側可動体モータ520により第5ギヤ部材556が第1方向と逆の第2方向に回動すると、回動軸541Rを中心として下方向に回動する。
一方、左側の駆動機構部531Lでは、第1可動体530Aの回動に連動して、第1ギヤ部材551L、第2ギヤ部材552L及び第3ギヤ部材553Lが回動し、第1可動体530Aが第1原点位置に位置したときに第3ギヤ部材553Lの検出片(図示略)が第1原点位置検出スイッチ521にて検出され、第1演出位置に位置したときに第3ギヤ部材553Lの検出片(図示略)が第1演出位置検出スイッチ522にて検出される。つまり、これら第1ギヤ部材551L、第2ギヤ部材552L及び第3ギヤ部材553Lは従動ギヤ部材である。
また、図10に示すように、第1可動体530A及び第2可動体530Bは、第1状態や第2状態において開閉枠50の前面に突出するように設けられ、可動ユニット505が第3状態であるときには、第1状態または第2状態であるときよりも第1可動体530Aや第2可動体530Bが後方に退避する。具体的には、第3状態における第2可動体530Bの前端は、第1状態における第1可動体530Aの前端よりも前後寸法L10だけ後方に位置し、第2状態における第1可動体530Aの前端よりも前後寸法L11だけ後方に位置する。よって、可動ユニット505を第3状態とすることで、開閉枠50の前後寸法を小さくすることができる。
次に、右側の第1ギヤ部材551Rと第2ギヤ部材552Rの構造について、図11〜図19に基づいて説明する。
図11(C)に示すように、第1ギヤ部材551Rは、周面に所定のピッチ間隔で配置される左右幅方向に延びる3つの第1歯部570と、3つのうち一端側の第1歯部570から第1方向(右側面視時計周り)に離れた周面左側に形成され、周方向の長さが第1歯部570よりも長い第2歯部571と、第2歯部571に対し第2方向にずれた周面右側に形成され、周方向の長さが第2歯部571よりも長い第3歯部572と、歯部が形成されない切欠部573と、を有する。
図11(D)に示すように、第2ギヤ部材552Rは、周面に所定のピッチ間隔で配置される左右幅方向に延びる3つの第1歯部580と、3つのうち他端側の第1歯部580から第2方向(右側面視反時計回り)に離れた周面左側に形成される第2歯部581と、第1歯部580と第2歯部581との間に形成され、第1歯部580のピッチ間隔よりも大きい溝部582と、第1ギヤ部材551Rにおける第3歯部572の歯先面に沿う湾曲面にて構成され溝部582に対応するように周面右側に形成される摺面部583と、歯部が形成されない切欠部584A,584Bと、第3ギヤ部材553Rに噛合する第3歯部585と、を有する。
図11(A)(B)に示すように、第1可動体530A及び第2可動体530Bが第1状態にあるときには、第1ギヤ部材551Rの第2歯部571が第2ギヤ部材552Rの溝部582に入り込んで第1ギヤ部材551Rと第2ギヤ部材552Rとが噛合状態となっているとともに、第2ギヤ部材552Rの歯部585と第3ギヤ部材553Rの歯部とが噛合状態となっている。
また、図11(B)に示すように、第2支持部材544Rの内側面に凹設されたガイド部544Bの下部に回動部材545Rの回動部545Aが配置され、第1可動体530Aの第2方向(下方向)への回動が規制されていることで、第1可動体530Aが第1原点位置に保持される。
一方、第2可動体530Bは、図12(C)に示すように、第2支持部材544Rの当接部590に保持軸546Rの先端が当接し、第2支持部材544Rの第2方向への回動が規制されていることで、第2演出位置に保持される。
第2支持部材544Rは、第2可動体530Bが第2演出位置に位置しているときにカバー部材542Rに形成された規制片542Aに当接することで第1方向への回動が規制され、第2可動体530Bが第2収容位置に位置しているときにカバー部材542Rに形成された規制片542Bに当接することで第2方向への回動が規制される。
次に、図12(A)(B)に示すように、枠側可動体モータ520により第2ギヤ部材552Rが第2方向に回動すると、第2ギヤ部材552Rの第1歯部580と第1ギヤ部材551Rの第1歯部570とが噛合して、第1ギヤ部材551Rとともに第1可動体530Aが第1方向に回動する。これにより第1可動体530Aが第1原点位置から第1演出位置まで回動する。一方、枠側可動体モータ520により第2ギヤ部材552Rを逆回動させると、第1ギヤ部材551Rとともに第1可動体530Aが第1原点位置側に向けて回動する。これにより第1可動体530Aが第1演出位置から第1原点位置まで回動する。
次に、可動ユニット505を、図11に示す第1状態から図13に示す第3状態に変化させる場合、まず、保持軸546L,546Rによる第2支持部材544Rの支持状態を解除する。尚、保持軸546L,546Rの構成はほぼ同様であるため、以下においては、右側の保持軸546Rの構造についてのみ説明し、左側の保持軸546Lの説明は省略する。
具体的には、図15に示すように、保持軸546R(保持軸546L)は、ベース板540Rの内側面に前後方向に移動可能、かつ、軸心周りに回転可能に設けられている。保持軸546Rは、ベース板540Rの後部を貫通してベース部材501に形成された挿通口506Rまで延出されており、延出された後端には操作部材593が取付けられている。また、保持軸546Rには、前端がベース板540Rに係止され、後端が保持軸546Rの所定箇所に係止された圧縮バネ544Aが環装されている。
操作部材593は、作業者が操作可能に挿通口506Rに挿入される操作部593Aと、操作部593Aの前側にて外方に突出する係止部593Bと、から構成されており、第2可動体530Bを第2演出位置に保持するときには、操作部593Aが挿通口506R内上部に位置し、係止部593Bがベース部材501前面における挿通口506Rの上方に係止されることで、圧縮バネ544Aの付勢力に抗して保持軸546Rが前方位置に保持される(図15(A)(A’)参照)。
一方、第2可動体530Bを第2収容位置に収容するときには、操作部593Aを挿通口506R内下部まで回動させることで、係止部593Bとベース部材501前面との係止状態が解除され、これにより、圧縮バネ544Aの付勢力により付勢されて保持軸546Rが後方位置まで移動し、操作部593Aが挿通口506Rから後方に飛び出す(図15(B)(B’)参照)。よって、保持軸546Rの前端が後退して当接部590との当接が解除されるので、第2可動体530Bを第2演出位置から第2収容位置まで回動させることが可能となる。
このように、第2可動体530Bを第2演出位置から第2収容位置まで回動させることで、第2支持部材544Rのガイド部544Bも回動するので、第1可動体530Aも第1原点位置から第1収容位置へ回動させることが可能となる。また、第2可動体530Bを第2収容位置へ移動すると、図15(B’)に示すように、保持軸546Rの前端が第2支持部材544Rの外周面590Aに対向し、保持軸546Rを前方へ移動させても該保持軸546Rの前端が外周面590Aに当接することにより、保持軸546Rを前方位置へ移動できなくなり、操作部593Aが挿通口506Rから後方に飛び出したまま前方へ押し込めなくなる。
第1可動体530Aが第1原点位置に位置している状態で、図13(C)に示すように保持軸546Rを後方位置まで移動し、第2可動体530Bを第2演出位置から第2収容位置まで回動可能な状態とした後、図13(A)(B)に示すように、例えば、第1可動体530Aを作業者等が手で下方に押し込むように外力を加えると、回動軸541Rとともに第1ギヤ部材551Rが第2方向(右側面視反時計回り)に回動する。このとき、第2ギヤ部材552Rは、第4ギヤ部材555と第5ギヤ部材556とからなるウォームギヤの作用により回動が規制されているが、外力がクラッチ機構554の圧縮バネ563の付勢力を上回ることにより第2ギヤ部材552R及び第3ギヤ部材553Rの空転が許容されることで、第1ギヤ部材551Rが第2方向に回動する。このとき、切欠部573,584Aにより第1ギヤ部材551Rの第2歯部571が第2ギヤ部材552Rの溝部582から逸脱して噛合が解除されるとともに、第3歯部572が第2ギヤ部材552Rの摺面部583から離れる。よって、第3状態において枠側可動体モータ520が駆動しても、その動力が第2ギヤ部材552Rから第1ギヤ部材551Rに伝達されることはないので、第1可動体530Aが回動することはない。
また、第3状態から第1状態に復帰させる場合、図14に示すように、第1可動体530A及び第2可動体530Bを作業者等が手で手前側に引出すように外力を加えると、回動軸541Rとともに第1ギヤ部材551Rが第1方向(右側面視時計回り)に回動する。このとき、第1ギヤ部材551Rと第2ギヤ部材552Rとの連係は解除されているため、第1ギヤ部材551Rのみが第1方向に回動する。そして、第3歯部572が摺面部583に係合、摺接して第2ギヤ部材552Rを回動させることで、第1ギヤ部材551Rの第2歯部571が第2ギヤ部材552Rの溝部582に噛合され、次いで、第1歯部570と第1歯部580とが噛合されることで、第1可動体530Aが第1原点位置に保持される。
このように、動力伝達手段としての駆動機構部531Rは、切欠部573を有する第1ギヤ部材551Rと切欠部584Aを有する第2ギヤ部材552Rとを有することで、第1の状況(例えば、第1可動体530Aを第1移動範囲E1内で移動させる状況)では枠側可動体モータ520の動力を第1可動体530Aへ伝達し、第2の状況(例えば、第1可動体530Aを第2移動範囲E2内に位置する状況)では、枠側可動体モータ520の動力を第1可動体530Aへ伝達しないようにすることができる。
また、操作部593Aを押し込みながら回動させて係止部593Bをベース部材501前面に係止させることで、保持軸546Rの前端が進出して当接部590と当接されるので、第2可動体530Bが第2演出位置に保持される。これにより、可動ユニット505を第3状態から第1状態に復帰させることができる。
次に、可動ユニット505が第1状態や第2状態であるときに、遊技者等が第1可動体530Aや第2可動体530Bに接触するなどして外力が加えられた場合について図16に基づいて説明する。
図16(A)に示すように、右側の駆動機構部531Rは、第4ギヤ部材555及び第5ギヤ部材556からなる第1駆動機構560A(第1伝達部)と、第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R及び第3ギヤ部材553Rからなる第2駆動機構560B(第2伝達部)との間にクラッチ機構554が設けられている。よって、図16(B)に示すように、可動ユニット505が第1状態や第2状態であるときに、例えば、第1可動体530Aを上向きに回動させる外力が働いた場合、第2駆動機構560B側から第1駆動機構560A側に向けて力が伝達されるが、クラッチ機構554により第2駆動機構560B側のギヤ部材の空転が許容されることで、第1駆動機構560Aに力が伝達されて枠側可動体モータ520に無理な負荷がかかることが防止されるとともに、第2駆動機構560B側のギヤ部材の空転が許容されないことにより各ギヤ部材や回動軸などに負荷がかかり破損することが防止される。
さらに、第2駆動機構560Bを構成する各第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R及び第3ギヤ部材553Rにおいて、互いに噛合する歯部の間にバックラッシュS(2つのかみ合うギヤ部材にて、互いのピッチ円間にある隙間)が設けられていることで、歯部の両面(腹と背)の接触を防ぎ、性能が低下することを防止することができるだけでなく、第1可動体530Aに働いた外力が第1駆動機構560A側に向けて伝達される際に、各ギヤ部材間に設けられたバックラッシュSによりギヤ部材同士が僅かに空転することで伝達効率が低下するため、枠側可動体モータ520に無理な負荷がかかることをより好適に防止できる。
このように構成された可動ユニット505を備える枠側演出装置500は、図17に示すように、開閉枠50における開口部50Aの上方に組付けられ、第1可動体530Aが第1収容位置に位置し、第2可動体530Bが第2収容位置に位置する第3状態において、第1可動体530A及び第2可動体530Bの一部は開口部50Aの上部に進入可能、つまり、開口部50Aの上部に収容することが可能とされている。
一方、図5に示すように、開閉枠50の開口部50Aに窓部ユニット51Aが組付けられている状態では、可動ユニット505を第1状態と第2状態とに変化させることはできるが、開口部50Aは窓部ユニット51Aにより閉鎖されているため、第3状態に変化させることはできない(または困難である)。
ここで、製造メーカにて製造したパチンコ遊技機1を遊技場へ輸送したり、製造メーカや遊技場などにおいて保管したりする場合に、例えば、図18に示すように、パチンコ遊技機1を段ボール等に収容して梱包することがある。この場合、窓部ユニット51Aの第2構成部250が遊技機用枠3の前面に対し前方に突出しており、前透過板251や後透過板261が破損しやすいため、外枠60、遊技機用枠3及び開閉枠50からなる本体とは別の段ボールDに梱包して別送することが好ましい。
また、外枠60、遊技機用枠3及び開閉枠50からなる本体を梱包する場合において、図10に示すように、可動ユニット505が第1状態や第2状態であると、第1可動体530Aや第2可動体530Bが窓部ユニット51Aの先端部よりも前方に突出しているため、梱包サイズが大きくなり、また、第1可動体530Aや第2可動体530Bが輸送中に破損する危険性が高いため、可動ユニット505を第3状態として梱包することが好ましい。
よって、製造メーカから輸送されたパチンコ遊技機1は、図17に示すように、遊技場において、開閉枠50の開口部50Aに窓部ユニット51Aを背面側から挿入して組付ける必要があるが、窓部ユニット51Aを開口部50Aに正常に組付けできないと、遊技盤2の前方に後透過板261が配置されないので遊技領域10を構成することができない。つまり、窓部ユニット51Aが開閉枠50の開口部50Aに挿入され後透過板261が略鉛直方向に起立する特定位置に位置している状態(例えば、図5に示す状態)では正規な遊技が可能となる一方で、窓部ユニット51Aが前記特定位置に位置していない状態(例えば、図17に示す状態。窓部ユニット51Aが開口部50Aに組付けられていない状態も含む)では正規な遊技が困難または不可能となる。
ここで、可動ユニット505を、第1可動体530Aや第2可動体530Bが第1収容位置や第2収容位置に位置する第3状態としたまま、窓部ユニット51Aを開口部50Aの背面側から挿入して組付けようとすると、窓部ユニット51Aの前上部が第1可動体530Aや第2可動体530Bに接触してしまう。そこで、図17に示すように、第3状態において第1可動体530Aや第2可動体530Bを窓部ユニット51Aで押し上げることも可能であるが、破損を回避するために手で下方から持ち上げておくことで窓部ユニット51Aを開口部50Aに挿入可能となる。しかし、図17において1点鎖線で囲まれた図に示すように、第1可動体530Aが第1収容位置を含む第2移動範囲E2に位置しているときには、保持軸546Rの前端が第2支持部材544Rの外周面590Aに対向していることで、挿通口506Rから後方に飛び出している操作部材593を押し込んでも、保持軸546Rの前端が外周面590Aに当接することにより前方位置への移動が規制されている。
よって、窓部ユニット51Aを前方へ押し込もうとしても、窓部ユニット51Aのフランジ部256の前面が操作部材593に当接することで窓部ユニット51Aをそれ以上押し込めなくなるので、後透過板261が略鉛直方向に起立する特定位置に位置させることができない。つまり、可動ユニット505を第3状態としたままでは、遊技用部材としての窓部ユニット51Aを開口部50Aに挿入する際に操作部材593が接触して特定位置に位置させることができない。
よって、第1可動体530Aを第1収容位置から第1原点位置まで回動させるとともに、第2可動体530Bを第2収容位置から第2演出位置まで回動させ、可動ユニット505を第3状態から第1状態に変化させることで、保持軸546Rの前端が第2支持部材544Rの当接部590に対向するので(図12(B)参照)、挿通口506Rから後方に飛び出している操作部材593を押し込み可能となるので、窓部ユニット51Aを開閉枠50の開口部50Aにおける特定位置に位置させることが可能となる。
言い換えると、可動ユニット505を、遊技に関する演出にて使用可能な第1状態や第2状態とは異なる状態であって輸送時や保管時などで使用するための第3状態としたままでは、遊技用部材としての窓部ユニット51Aを開口部50Aに背面側から挿入する際に、前方への移動が規制された操作部材593に窓部ユニット51Aのフランジ部256の前面が接触することにより特定位置に位置させることができないことで、窓部ユニット51Aを特定位置に位置させて正規な遊技が可能な状態とする際には第3状態から第1状態に変化させる必要があるため、可動ユニット505を演出で用いることができない第3状態としたまま遊技が行われてしまうことを回避できる。
(盤側演出装置)
次に、盤側演出装置300について、図19〜図27に基づいて説明する。図19は、盤側演出装置を示す正面図である。図20は、盤側演出装置を示す背面図である。図21は、盤側演出装置の左側の駆動機構部を斜め後側から見た状態を示す斜視図である。図22は、盤側演出装置の右側の駆動機構部を斜め後側から見た状態を示す斜視図である。図23は、(A)は左側、(B)は右側のアーム、駆動体、案内軸の内部構造を示す断面図である。図24は、(A)は可動部が原点位置にあるときの駆動機構を示す正面図、(B)は可動部が演出位置にあるときの駆動機構を示す正面図である。図25は、(A)は盤側演出装置の通常状態、(B)は第2落下演出可能状態を示す概略説明図である。
盤側演出装置300は、図1に示すように、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる画像表示装置5との間に設けられ、可動体302は、上方位置(原点位置)と該上方位置よりも下方の下方位置との間で上下方向に移動可能とされている。具体的には、盤側演出装置300は、図19〜図22に示すように、左右に配置される上下方向に延設されるベース部301L,301Rと、該ベース部301L,301R各々の上部の上方位置から下方位置に自重により落下可能な可動体302と、該可動体302を下方位置から上方位置に移動させる移動手段303L,303Rと、を備えている。ベース部301L,301Rは、ベース板及び該ベース板の前後に配置されるカバー部材等を含み、遊技盤2の背面側に直接または間接的に固定されている。また、可動体302は、上方位置から下方位置又はそれらの間の中間位置に自重で落下可能となっている。
可動体302は、左右方向に延設され右斜め上方に傾斜する可動ベース302Cと、回動可能な回動部302Aと、リーチ演出や大当り演出などを表示するための演出表示部302B(例えば、リーチ演出や大当り演出等に関する演出関連時間(ミッション残時間表示や、発展リーチ演出の開始タイミングまでの残時間など)を表示するための時間表示部など)を備えている。演出表示部302Bは、演出用表示器390(図2参照)の表示部にて構成されている。また、可動体302は、リーチ演出や大当り演出などに連動して発光可能な所定の発光表示部を備えるようにしてもよい。
移動手段303L,303Rは、上下方向に延設され上下端部がベース部301L,301Rに対し回転可能に軸支された案内軸306L,306Rと、案内軸306L,306Rを軸心周りに回転させるための駆動体モータ308L,308Rと、から主に構成される。駆動体モータ308L,308Rと案内軸306L,306Rとは図示しないギヤ部材を介して連結されており、駆動体モータ308L,308Rが駆動することで案内軸306L,306Rが軸心周りに回転するようになっている。また、案内軸306L,306Rの周面には、図19及び図23に示すように、凹状の溝部321が螺旋状に形成されている。
案内軸306L,306Rには、可動体302の左右端に位置するアーム309L,309Rと、該アーム309L,309Rの下方に配置され可動体302を下方位置から上方位置に移動させる駆動体310L,310Rと、が昇降可能に取付けられている。
図23(A)(B)に示すように、アーム309L,309Rには、案内軸306L,306Rが挿入可能な上下方向に貫通する貫通孔331L,331Rが形成されている。アーム309L,309Rが駆動体310L,310Rよりも上方位置になるように、該アーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rに案内軸306L,306Rの上端側が挿入される。この貫通孔331L,331Rの内径R1は、案内軸306L,306Rの外径R2よりも大きい(つまり、内径と外径との寸法差が十分に大きい)ため(R1>R2)、アーム309L,309Rが案内軸306L,306Rに対してスムーズに上下方向に移動可能であるとともに、アーム309L,309Rは、案内軸306L,306Rに対して若干傾斜できるようになっている。言い換えれば、アーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rの内周面と案内軸306L,306Rの外周面との面接触が抑制され、摩擦力によってアーム309L,309R(つまり可動体302)の上下移動が妨げられるようなことがない。
略直方体をなす駆動体310L,310Rには、上下方向に貫通する貫通孔332L,332Rが形成されている。該貫通孔332L,332Rには案内軸306L,306Rが挿入される。貫通孔332L,332Rの内径R3は、案内軸306L,306Rの外径R2よりも若干大寸に設けられているとともに(R3>R2)、貫通孔332L,332Rの内周面には係合部333が突設されている。係合部333の上下幅L13は、溝部321の上下幅L14よりも小さく形成されているため(L13<L14)、係合部333が溝部321内に嵌合された際には、上下方向に隙間(遊び)が形成される。貫通孔332L,332Rの内径R3は、案内軸306L,306Rの外径R2よりも大寸に設けられているため、駆動体310L,310Rは、案内軸306L,306Rに対して若干傾斜できるようになっている。
すなわち、アーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rの内径R1は、駆動体310L,310Rの貫通孔332L,332Rの内径R3より大寸とされている(R1>R3>R2)。
また、駆動体310L,310Rには、それぞれ図示しない規制片が突設されており、この規制片がベース部301L,301Rに案内軸306L,306Rと平行に上下方向に向けて延設された凹溝(図示略)に挿入されていることで、案内軸306L,306Rを中心とする回転が規制された状態で上下方向に案内される。
よって、左右の案内軸306L,306Rが回転したときに、駆動体310L,310Rが案内軸306L,306Rを中心として回転することが規制され、また、係合部333が案内軸306L,306Rの溝部321に嵌合されていることで、案内軸306L,306Rが第1方向に回転すると駆動体310L,310Rが上昇し、案内軸306L,306Rが第1方向とは逆の第2方向に回転すると駆動体310L,310Rが下降するようになっている。更に、係合部333は、案内軸306L,306Rの溝部321内に遊びを持って嵌合されているため、案内軸306L,306Rの回転時における係合部333と溝部321との摩擦が少なく、駆動体310L,310Rが昇降移動しやすくなっている。
図25に示すように、ベース部301L,301Rの上部位置には、アーム309L,309Rを検出する上方位置検出スイッチ315L,315Rが設けられ、中部位置には、駆動体310L,310Rを検出する中間位置検出スイッチ314L,314Rが設けられ、下部位置には、駆動体310L,310Rを検出する下方位置検出スイッチ313L,313Rが設けられている。尚、図21及び図22に示すように、落下してきた可動体302は、第1受止部351L,351R又は第2受止部352L,352Rで受け止めるため、可動体302が駆動体310L,310Rに直接衝突するものではない。
図21及び図22に示すように、ベース部301L,301Rには、可動体302を上方位置に保持するための演出用ソレノイド318L,318Rが設けられている。演出用ソレノイド318Lは、図21に示すように、左右方向に進退可能な係止部材318aを備えている。一方、演出用ソレノイド318Rは、図22に示すように、前後方向に進退可能な係止部材318aを備えている。演出用ソレノイド318Lがオフ状態時には、係止部材318aが圧縮バネ(図示略)の付勢力により右側に突出する進出状態となり、演出用ソレノイド318Rがオフ状態時には、係止部材318aが圧縮バネ(図示略)の付勢力により前側に突出する進出状態となる。つまり、演出用ソレノイド318L,318Rがオフ状態であるときには、図21及び図22に示すように、可動体302をその両端で各係止部材318aに係止させて該可動体302を上方位置に保持できる。また、演出用ソレノイド318Lがオン状態時には、係止部材318aが圧縮バネ(図示略)の付勢力に抗して左側に退避する後退状態となり、演出用ソレノイド318Rがオン状態時には、係止部材318aが圧縮バネ(図示略)の付勢力に抗して後側に退避する後退状態となる。つまり、演出用ソレノイド318L,318Rがオン状態時には、可動体302と係止部材318aとの係止状態を解除して(つまり、可動体302を上方位置に保持しない解除状態にして)、上方位置にある可動体302を下方位置に自重で落下させることができる。
また、可動体302のアーム309L,309Rにおける各係止部材318aが接触する箇所には、摩擦力軽減部としての例えばローラ(図示略)が設けられている。このようにすることで、可動体302のローラ(図示略)により摩擦力が軽減されるため、各係止部材318aをスムーズに解除状態に変化させることができる。
また、演出用ソレノイド318Lの係止部材318a(第1規制部材)が保持状態から解除状態に変化する方向(本実施の形態では、左方向)と、演出用ソレノイド318Rの係止部材318a(第2規制部材)が保持状態から解除状態に変化する方向(本実施の形態では、後方向)とが異なるので、可動体302に対して一方向に意図しない力がかかったとしても、演出用ソレノイド318Lの係止部材318a(第1規制部材)と演出用ソレノイド318Rの係止部材318a(第2規制部材)のうちの少なくとも一方が保持状態を維持することができる。これにより、可動体302に対して一方向に意図しない力がかかったとしても可動体の落下を防止できる。
尚、ローラに替えて、微小球体を設けたり、曲面形状などとしたりしてもよい。例えば、微小球体を設ける場合には、可動体302のアーム309L,309Rにおける各係止部材318aが接触する箇所に、少なくとも一つ以上の微小球体の一部が突出した状態で該微小球体を回動可能に埋め込んだ構成とし、係止部材318aとの接触抵抗を低減するようにすればよい。また、曲面形状とする場合には、可動体302のアーム309L,309Rにおける各係止部材318aが接触する箇所を外側に膨らんだ曲面形状とし、係止部材318aとの接触抵抗を低減するようにすればよい。
また、図21及び図22に示すように、ベース部301L,301Rには、上方位置から落下してきた可動体302を受け止める受止部として、落下してきた可動体302を下方位置で受け止める第1受止部351L,351Rと、落下してきた可動体302を中間位置で受け止める第2受止部352L,352Rと、を備えている。
第1受止部351L,351Rは、可動体302におけるローラ(図示略)とは異なる部分である下部309aに当接する当接部351aを備え、可動体302の下部309aが当接部351aに当接することにより、該可動体302を下方位置で受け止め可能となっている。当接部351aは、例えば弾性部材で形成されており、可動体302の落下衝撃を吸収可能である。
第2受止部352L,352Rは、可動体302におけるローラ(図示略)とは異なる部分である下部309aに当接する当接部352aを備え、可動体302の下部309aが当接部352aに当接することにより、該可動体302を中間位置で受け止め可能となっている。当接部352aは、例えば弾性部材で形成されており、可動体302の落下衝撃を吸収可能である。尚、上方位置から中間位置までの落下距離は、上方位置から下方位置までの落下距離よりも短く、当接部352aへの衝撃力は当接部351aの場合よりも小さいことから、当接部352aの厚みを当接部351aの厚みよりも薄くするようにしてもよい。また、当接部351aと当接部352aとを異なる弾性材料とすることで衝撃吸収率を異ならせてもよい。
第2受止部352L,352Rは、移動手段303L,303Rを動作させることにより、可動体302を受け止め可能な状態(図25(A)に示す第2受止部352L,352Rの受け止め可能状態)と、受け止め不可能な状態(図25(B)に示す第2受止部352L,352Rの受け止め不可能な状態)と、に切替え可能である。言い換えれば、可動体302を上方位置から中間位置に落下させるときには、第2受止部352L,352Rを図25(A)に示す受け止め可能状態とし、可動体302を第2受止部352L,352Rで受け止める。一方、可動体302を上方位置から下方位置に落下させるときには、第2受止部352L,352Rを図25(B)に示す受け止め不可能な状態とし、可動体302を第1受止部351L,351Rで受け止める。
図20及び図25に示すように、ベース部301L,301Rは、上下方向に変位可能に支持された長手形状の伝達部材361L,361Rと、該伝達部材361L,361Rを上方向に付勢するコイルバネ366とを備えている。伝達部材361L,361Rの下端側には、駆動体310L,310Rが接触可能な突起部365L,365R(図25参照)が形成され、伝達部材361L,361Rの上端側には、上端側がベース部301L,301Rに係止されたコイルバネ366の下端側が係止され、伝達部材361L,361Rの上端部には、第2受止部352L,352Rの基端側が横方向に変位可能に連結されている。
本実施の形態では、図25(A)に示す通常状態において、移動手段303L,303Rを動作させることにより、図25(B)に示すように、駆動体310L,310Rが下方に移動して、該駆動体310L,310Rが、可動体302の下方位置に対応する位置(下方待機位置)に位置すると、駆動体310L,310Rが突起部365L,365Rを下方向に押し下げ、伝達部材361L,361Rが下方に変位され、第2受止部352L,352Rが起立姿勢となり、駆動体310L,310Rが受け止め不可能な状態となる。これに対し、図25(A)に示すように、駆動体310L,310Rが下方待機位置よりも上方に移動して、駆動体310L,310Lによる突起部365L,365Rの押し下げが解除されると、コイルバネ366の付勢力によって伝達部材361L,361Rが上方に変位され、第2受止部352L,352Rが水平姿勢となり、駆動体310L,310Rが受け止め可能な状態となる。
可動体302の落下位置が下方位置と中間位置のいずれであるかに応じて、移動手段303L,303Rの駆動体310L,310Rを待機させる位置が異なっている。例えば、可動体302の落下位置が中間位置の場合には、駆動体310L,310Rを中間位置に対応する位置(中間待機位置)に待機させる(図25(A)参照)。また、可動体302の落下位置が下方位置の場合には、駆動体310L,310Rを、可動体302の下方位置に対応する位置(下方待機位置)に待機させる(図25(B)参照)。
図24に示すように、回動部302Aは、正面視略楕円形状をなすカバー部材370と、カバー部材370が取付けられる回動ベース371と、回動ベース371を回動させるための回動用モータ372と、を主に有する。尚、カバー部材370は、透光性部材からなり、前面には「CHANCE」なる文字が施されている。また、カバー部材370の内部には、可動体用LED(図示略)が内蔵され、「CHANCE」の文字を発光表示させることができるようになっていてもよい。
回動ベース371は、可動ベース302Cの前面に突設された前後方向を向く回動軸373を中心として回動可能に設けられ、回動軸373を中心とする円弧状に形成された2つのガイド孔375に、可動ベース302Cの前面に突設されたガイド軸374が挿入されることで回動範囲が規制されている。
回動用モータ372は、回動ベース371の背面側に設けられており、前方に突出する駆動軸の先端に固着された駆動ギヤ376には、回動ベース371の前面に前後方向を向く回動軸を中心として回動可能に設けられた従動ギヤ377が噛合されている。従動ギヤ377の前面周縁部近傍位置には連結軸378が突設されており、連結軸378は、回動ベース371に形成された切欠部379の上辺379Aに摺接されている。
回動部302Aは、図24(A)に示すように、カバー部材370がやや右斜め上方に傾斜する第1回動位置と、図24(B)に示すように、カバー部材370がやや右斜め下方に傾斜する第2回動位置との間で回動可能とされている。第1回動位置においては、回動部302Aの自重により切欠部379の上辺379Aが連結軸378の上部に当接した状態で維持されており、回動用モータ372により従動ギヤ377が正面視時計回りに回動して連結軸378が下方へ移動することで、回動部302Aは自重により回動軸373を中心として第2回動位置まで回動する。また、回動用モータ372を逆駆動すれば、従動ギヤ377が正面視反時計回りに回動して連結軸378が上方へ移動することで、回動部302Aは連結軸378により押し上げられて回動軸373を中心として上方へ回動して第1回動位置に復帰する。
このように構成された可動体302は、回動部302Aを回動させるための回動用モータ372を含む回動機構部と、演出表示部302Bを構成する演出用表示器390とを有している。演出用表示器390は、可動ベース302Cの左右方向の中央よりも左側に配置され、回動用モータ372を含む回動機構部は、可動ベース302Cの左右方向の中央よりも右側に配置されている。そして、左側に配置された演出用表示器390は、右側に配置された回動機構部よりも重いため、可動体302の重心位置Gは、該可動体302の左右方向の中央よりもやや左側に設定されている(図25参照)。
可動体302は、演出用表示器390や回動用モータ372といった重量物を有することで、上方位置から落下し、中間位置にて第2受止部352L,352Rに受け止められたり、下方位置にて第1受止部351L,351Rに受け止められたりしたときの衝撃が大きいため、可動体302における右側のアーム309Rの近傍位置には、上端がベース部301Rの上端に係止され、可動体302を上方向に付勢する引張コイルバネ385の下端が係止されている。これにより、可動体302が下方位置に近づくほど引張コイルバネ385により可動体302を上方へ付勢する力が増大するため、落下時の衝撃を抑制できるようになっている。
本実施の形態では、可動体302が下方位置に位置したときに、可動体302の自重により下向きにかかる力F1と、引張コイルバネ385により上向きにかかる付勢力F2とがほぼ釣り合うようになっているため、中間位置よりも下方の下方位置まで落下したときに可動体302にかかる衝撃を好適に低減できる。
また、本実施の形態では、回動用モータ372を含む回動機構部よりも重い演出用表示器390が可動体302の左側に配置されていることで、可動体302の重心位置Gは左右方向の中央位置よりも左側に設定されているため、下向きにかかる力F1が左側よりも大きい右側に引張コイルバネ385を設けている。
次に、可動体302の移動態様について、図25〜図27に基づいて説明する。図25は、(A)は盤側演出装置の通常状態、(B)は第2落下演出可能状態を示す概略説明図である。図26は、(A)は可動体を上方位置に保持している状態、(B)は右側の係止部材とアームとの係止状態を解除した状態、(C)は左側の係止部材とアームとの係止状態を解除した状態を示す概略説明図である。図27は、(D)は可動体が下方位置まで落下した状態、(E)は可動体が駆動体により上方位置まで戻される状態を示す概略説明図である。
まず、図25(A)に示すように、可動体302は、通常状態(初期状態)において、演出用ソレノイド318L,318Rの各係止部材318aにより可動体302が係止され、原点位置である上方位置にて保持されている。このとき、上方位置検出スイッチ315L,315Rは、アーム309L,309Rを検出しているとともに、中間位置検出スイッチ314L,314Rは、駆動体310L,310Rを検出している。これら上方位置検出スイッチ315L,315R及び中間位置検出スイッチ314L,314Rからの検出信号により、演出制御用CPU120は、可動体302が上方位置に保持され、かつ、駆動体310L,310Rが中間待機位置に配置されていると判定する。
また、駆動体310L,310Rが中間待機位置に位置しているため、駆動体310L,310Rによる突起部365L,365Rの押し下げがなく、コイルバネ366の付勢力によって伝達部材361L,361Rが上方に位置して第2受止部352L,352Rが水平姿勢となり、駆動体310L,310Rは可動体302を受け止め可能な状態となっている。このように、駆動体310L,310Rが可動体302の中間位置に対応する中間待機位置に位置している通常状態は、可動体302を上方位置から中間位置に落下させる第1落下演出の実行が可能な第1落下演出可能状態となる。
一方、図25(B)に示すように、可動体302を上方位置から下方位置に落下させる場合、演出制御用CPU120は、まず、駆動体モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第2方向へ逆回転させ、中間待機位置にある駆動体310L,310Rを下方へ移動させる。その後、駆動体310L,310Rが下方位置検出スイッチ313L,313Rにより検出されたことに基づき、駆動体310L,310Rが下方待機位置まで移動したとして、駆動体モータ308L,308Rをオフ状態として案内軸306L,306Rの回転を停止させる。このように、上方位置検出スイッチ315L,315Rがアーム309L,309Rを検出し、下方位置検出スイッチ313L,313Rが駆動体310L,310Rを検出していることに基づき、演出制御用CPU120は、可動体302が上方位置に保持され、かつ、駆動体310L,310Rが下方待機位置に配置されていると判定する。
また、駆動体310L,310Rが下方待機位置に位置しているため、駆動体310L,310Rが突起部365L,365Rを下方向に押し下げ、コイルバネ366の付勢力に抗して伝達部材361L,361Rが下方に変位されて第2受止部352L,352Rが起立姿勢となり、駆動体310L,310Rは可動体302を受け止め不可能な状態となっている。このように、駆動体310L,310Rが可動体302の下方位置に対応する下方待機位置に位置している状態は、可動体302を上方位置から下方位置に落下させる第2落下演出の実行が可能な第2落下演出可能状態となる。
次に、可動体302を落下させる際の各部の動作態様について、第2落下演出を実行する場合を例として説明する。
図26(A)に示すように、可動体302が上方位置にある状態では、左右のアーム309L,309R各々の下部309aは、左右の演出用ソレノイド318L,318Rの係止部材318a上に載置されていることで、可動体302は、荷重が左右に分散された状態で係止部材318aにより支持されている。よって、左右のアーム309L,309Rは、貫通孔331L,331Rの軸心が案内軸306L,306Rの軸心とほぼ平行をなす状態で左右の係止部材318aに支持されている。
尚、可動体302の重心位置Gは、可動体302の左右方向の略中央位置よりも左側、つまり、右側のアーム309Rより左側のアーム309Lの近傍に設定されているため、可動体302から左側の演出用ソレノイド318Lの係止部材318aには、右側の演出用ソレノイド318Rの係止部材318aよりも大きな荷重がかかっている。
そして、落下条件が成立した場合(例えば、可動体演出の実行中において所定の落下タイミングとなった場合等)、演出制御用CPU120は、図26(B)に示すように、まず、右側の演出用ソレノイド318Rをオン状態とする(左側の演出用ソレノイド318Lはオフ状態のまま維持する)。これにより、係止部材318aが後退し、可動体302の右側のアーム309Rと係止部材318aとの係止状態が解除される。このように、右側のアーム309Rと係止部材318aとの係止状態が解除されると、可動体302がその自重により落下しようとする。
しかし、左側の演出用ソレノイド318Lはオフ状態のまま維持されているので、可動体302は、左側の係止部材318aを中心として右側が下方に傾くように回動する。これにより、左右のアーム309L,309Rは、貫通孔331L,331Rの軸心が案内軸306L,306Rの軸心に対して傾倒するように右に傾くことで、貫通孔331L,331Rの内周面の上下部(例えば、所定部位T)が案内軸306L,306Rの外周面に押し付けられる。
次いで、演出制御用CPU120は、図26(C)に示すように、右側の演出用ソレノイド318Rをオン状態としてから所定時間(例えば、約50msなど)が経過したタイミングで左側の演出用ソレノイド318Lをオン状態とする(図29の予告演出処理参照)。これにより、係止部材318aが退避して、可動体302の左側のアーム309Lと係止部材318aとの係止状態が解除される。このように、左側のアーム309Lと係止部材318aとの係止状態が解除されると、可動体302は左右の係止状態が解除されたフリーな状態でその自重により落下する。
このとき、図26(B)に示すように、貫通孔331L,331Rの内周面の上下部(例えば、所定部位T)が案内軸306L,306Rの外周面に押し付けられ、貫通孔331L,331Rの内周面と案内軸306L,306Rの外周面との間に摩擦抵抗が生じている状態で左側のアーム309Lと係止部材318aとの係止状態が解除される。よって、係止状態が解除された後は、貫通孔331L,331Rの軸心の案内軸306L,306Rの軸心に対する傾斜角度が若干小さくなる(または貫通孔331L,331Rの軸心と案内軸306L,306Rの軸心がほぼ平行になる)ものの、左側のアーム309Lと係止部材318aとの係止状態が解除された直後の落下開始時において貫通孔331L,331Rの内周面(例えば、所定部位T)と案内軸306L,306Rの外周面との間に摩擦抵抗が生じているとともに、該摩擦抵抗が生じている状態でしばらくの間は落下するため、落下速度が低下する。
すなわち、第1解除タイミングで右側の演出用ソレノイド318Rをオン状態とした後、第1解除タイミングよりも後の第2解除タイミングで左側の演出用ソレノイド318Lをオン状態とすることで、可動体302が右下方に傾倒し、貫通孔331L,331Rの内周面と案内軸306L,306Rの外周面との間に摩擦抵抗を生じさせた状態で落下させることができるため、可動体302を右下方に傾倒させない状態で落下させる場合よりも好適に落下速度を低下させることができる。
また、可動体302において重心位置Gから遠い右側のアーム309Rと係止部材318aとの係止状態を、重心位置Gから近い左側のアーム309Rと係止部材318aとの係止状態を解除するよりも前に解除することで、可動体302の右側の係止状態が解除されたときに可動体302が傾倒する際の衝撃が大きくなってがたついて見えることを抑制できるため、落下速度を好適に低減しつつ、スムーズに落下させることができる。
また、可動体302が落下することで、引張コイルバネ385の上向きの付勢力F2が漸次増大していくことで、可動体302の落下速度をより好適に低減させることができる。さらに、可動体302が下方位置に位置したときに、可動体302の自重により下向きにかかる力F1と、引張コイルバネ385により上向きにかかる付勢力F2とがほぼ釣り合うようになっているため、中間位置よりも下方の下方位置まで落下したときに可動体302にかかる衝撃を好適に低減できる。
そして、図27(D)に示すように、落下した可動体302は、第1受止部351L,351Rによりアーム309L,309Rの下部309aが当接して受け止められ、下方位置に保持される。尚、演出用ソレノイド318L,318Rは、可動体302が落下した後にオフ状態となる。
また、特に図示しないが、第1落下演出の場合、落下した可動体302は、第2受止部352L,352Rによりアーム309L,309Rの下部309aが当接して受け止められ、中間位置に保持される。
また、図27(E)に示すように、可動体302を下方位置または中間位置から上方位置へ戻す場合、演出制御用CPU120は、駆動体モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第1方向に回転させ、駆動体310L,310Rを上昇させる。これにより、駆動体310L,310Rは、上方の第1受止部351L,351Rまたは第2受止部352L,352Rに載置されていた可動体302に下方から当接して上方へ押し上げる。
そして、可動体302が上方位置近傍まで上昇すると、アーム309L,309Rの所定部位が進出状態になっている係止部材318aに摺接し、該係止部材318aを退避させながら上方位置まで上昇する。そして、アーム309L,309Rの下部309aが係止部材318aの上方まで上昇して係止部材318aがバネの付勢力で進出状態に復帰し、アーム309L,309Rが上方位置検出スイッチ315L,315Rにより検出されると、演出制御用CPU120は、可動体302が上方位置に保持されたとして、駆動体モータ308L,308Rの第1方向への回転を停止させる。つまり、アーム309L,309Rが係止部材318aに係止され、これにより、可動体302が上方位置に保持され、通常状態に復帰する。
演出制御用CPU120は、可動体302が落下する可動体演出(盤側可動体演出)の実行を決定したとき、可動体302を中間位置まで落下させる第1演出パターンまたは下方位置まで落下させる第2演出パターンのいずれかを決定し、該決定した演出パターンに基づいて可動体演出を実行することが可能である。
具体的には、可動体302を落下させる可動体演出が、例えば、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示が実行されているときに予告演出として行われる場合等において、可変表示結果が大当り表示結果となる場合、演出制御用CPU120は、可動体302を下方位置まで落下させる第2演出パターンを、中間位置まで落下させる第1演出パターンよりも高い割合で決定するようにし、可動体302が下方位置まで落下したときの期待度(例えば、大当り期待度、確変大当り期待度、ラウンド遊技期待度など)が高くなるようにしてもよい。このように、可動体302の落下位置により大当り期待度が異なるようにすることで、可動体302の落下位置に注目させることができる。
また、演出制御用CPU120は、第2演出パターンに基づく可動体演出の実行を決定した場合、所定の落下タイミングにおいて第2落下演出を実行しない非実行パターンまたは所定の落下タイミングにおいて第2落下演出を実行する実行パターンのいずれかを決定し、決定したパターンに基づいて可動体演出を実行することが可能である。
具体的には、第2演出パターンに基づく可動体演出が、例えば、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示が実行されているときに予告演出として行われる場合等において、可変表示結果が大当り表示結果となる場合、演出制御用CPU120は、第2落下演出を実行する実行パターンを、第2落下演出を実行しない非実行パターンよりも高い割合(例えば、100%を含む)で決定するようにし、第2落下演出が実行されたときの期待度(例えば、大当り期待度、確変大当り期待度、ラウンド遊技期待度など)が高くなるようにしてもよい。このように、第2落下演出が実行されるか否かにより大当り期待度が異なるようにすることで、可動体302の落下に注目させることができる。
ここで、駆動体310L,310Rや第2受止部352L,352Rなどの可動部材は、遊技盤2と画像表示装置5との間における画像表示装置5の左右側に配置されていることで、遊技者は、パチンコ遊技機1の正面側から画像表示装置5の手前左右側方を覗き込むことで、駆動体310L,310Rや第2受止部352L,352Rの動作を視認可能とされている。よって、移動手段303L,303Rが、駆動体310L,310Rを中間待機位置から下方待機位置まで移動させて第2受止部352L,352Rを受け止め可能な状態から不可能な状態に変化させる落下準備動作を行うことで、遊技者は第2落下演出が実行されることを予測できてしまう。
そこで、本実施の形態では、演出制御用CPU120は、第2演出パターンに基づく可動体演出の実行を決定したときにおいて、非実行パターンと実行パターンのいずれを決定した場合でも、所定の落下タイミングより前に落下準備動作を実行することで、所定の落下タイミングにて可動体302が落下するか否かを遊技者が予測し難くしている。よって、落下準備動作の実行の有無により可動体302が落下することに対する期待感が低下することが防止されている。
また、このように可動体302が落下する可動体演出が、例えば、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示が実行されているときに予告演出として行われる場合等にあっては、可動体302が落下する前において、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rが表示画面右下に縮小表示されるとともに、可動体302の落下を示唆するエフェクト画像が表示される。このような表示内容は演出の種別等に応じて種々に変更可能である。
可動体302が落下する可動体演出の実行タイミングとしては、可変中予告、疑似連演出、スーパーリーチへの発展、大当り確定演出、確率可変への昇格演出等といった複数の実行タイミングで実行可能である。また、これら複数の実行タイミングごとに、落下位置、遊技効果ランプ9の発光態様、演出効果音の出力態様といった種々の演出制御が異なるようにしてもよい。
また、同じ落下タイミング(例えば、可動体演出における同じ落下タイミング)において、可動体302を中間位置と下方位置とに落下可能としてもよい。これによれば、可動体302がいずれの位置に落下するかについて遊技者を注目させることができる。落下位置の違い(ここでは中間位置か下方位置かの違い)によって期待度(例えば、大当り期待度、確変大当り期待度、ラウンド遊技期待度など)が異なるようにすることが好ましい。また、落下タイミング(つまり、可動体演出での可動体302を落下させるタイミング)としては単一のタイミングに限らず、複数のタイミングとしてもよい。複数のタイミングのうちの少なくとも一部のタイミングにおいて、可動体302を中間位置と下方位置とに落下可能としてもよい。また、可動体演出での複数の落下タイミングのうち後半になる程、中間位置への落下よりも下方位置への落下の方が発生し易くしたり、それとは逆に中間位置への落下の方が発生し易くしたりするなど、落下タイミングの違いにより、可動体302の落下位置が異なるようにしてもよい。これによれば、可動体302がいずれのタイミングで落下するかについて遊技者を注目させることができる。
また、演出制御用CPU120は、上記のように落下条件が成立したことに基づいて演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態として係止部材318aを退避させ、係止状態を解除して可動体302を落下させるようにしていたが、可動体302を下方位置に落下させる際に、下方位置検出スイッチ313L,313Rにて駆動体310L,310Rが検出されているか否かを確認し、下方位置検出スイッチ313L,313Rにて駆動体310L,310Rが検出されていること、つまり、駆動体310L,310Rが下方待機位置にあることを条件に、可動体302を下方位置に落下させるようにしてもよい。
このようにすることで、駆動体310L,310Rが何らかの要因(例えば、引っ掛かりなど)により下方待機位置に位置していないにも関わらず、可動体302が落下され、下方待機位置よりも上方にある駆動体310L,310Rにより可動体302が下方位置へ到達する前に落下が阻害されることを回避できる。
また、可動体302を中間位置に落下させる際に、中間位置検出スイッチ314L,314Rにて駆動体310L,310Rが検出されているか否かを確認し、中間位置検出スイッチ314L,314Rにて駆動体310L,310Rが検出されていること、つまり、駆動体310L,310Rが中間待機位置にあることを条件に、可動体302を中間位置に落下させるようにしてもよい。
このようにすることで、駆動体310L,310Rが何らかの要因(例えば、引っ掛かりなど)により中間待機位置に位置していないにも関わらず、可動体302が落下され、中間待機位置よりも上方にある駆動体310L,310Rにより可動体302が中間位置へ到達する前に落下が阻害されることを回避できる。
演出制御用CPU120は、可動体302を落下させるときに駆動体310L,310Rが下方待機位置又は中間待機位置に配置されていない場合、可動体302を落下させる演出の代替演出(例えば、画像表示装置5により可動体302が落下する映像を表示するなど)を実行するようにしてもよい。また、この代替演出は、画像表示装置5により可動体302が落下する映像を表示するものに限らず、落下以外の映像を表示するものであってもよい。
また、演出制御用CPU120は、可動体302を落下させる可動体演出の実行を決定した場合、駆動体310L,310Rが下方待機位置又は中間待機位置に配置されているか否かを、落下タイミングよりも前に確認するようにすればよい。あるいは、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行するか否かを決定するときや、図柄の可変表示が開始されたときに駆動体310L,310Rが下方待機位置又は中間待機位置に配置されているか否かを確認し、下方待機位置又は中間待機位置に配置されていない場合には可動体演出の実行を決定しないまたは実行を無効とするようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、駆動体310L,310Rが可動体302を上昇させてから下方待機位置又は中間待機位置へ戻るまでの期間内に下方位置検出スイッチ313L,313R又は中間位置検出スイッチ314L,314Rにより駆動体310L,310Rを検出できなかった場合、駆動体モータ308L,308Rを再度駆動(リトライ)し、それでも所定期間内に下方位置検出スイッチ313L,313R又は中間位置検出スイッチ314L,314Rにより駆動体310L,310Rが検出できなかった場合に、上記したような代替演出を実行するようにしてもよい。
図28は、演出制御用CPU120が行う演出制御プロセス処理における可変表示中演出処理を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、可変表示時間タイマ、可変表示制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。また、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマがセットされている(予告演出を行うことに決定されている)か、または予告演出実行中フラグがセットされている(予告演出の実行中である)場合には、図29に示す予告演出処理を実行する(S305)。予告演出開始待ちタイマも予告演出実行中フラグもセットされていない場合には、S305の予告演出処理を実施することなく、S306に進む。
S306において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切替えを行う(S307)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S308)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S309)。
S306においてプロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、可変表示制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S310)。可変表示制御タイマがタイマアウトしている場合には、演出制御用CPU120は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S311)。そのようにして、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を画像表示装置5に出力する。そのようにして、画像表示装置5において、飾り図柄の可変における背景画像、キャラクタ画像及び飾り図柄が表示される。また、可変表示制御タイマに所定値を再セットする(S312)。
また、可変表示制御タイマがタイマアウトしていない場合、S312の実行後、演出制御用CPU120は、可変表示時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S313)。可変表示時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に応じた値に更新する(S315)。可変表示時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し(S314)、確定コマンド受信フラグがセットされていたら、演出制御プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に応じた値に更新する(S315)。可変表示時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら可変を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い可変表示時間を示す可変パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の可変表示時間経過時(特別図柄の可変終了時)に、飾り図柄の可変を終了させることができる。
尚、飾り図柄の可変表示制御に用いられているプロセステーブルには、飾り図柄の可変表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は飾り図柄の可変表示時間に相当する。よって、S306の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやランプ制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく飾り図柄の演出制御は終了する。
図29は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU120は、予告演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、複数のうちいずれかの予告演出が開始されている場合であるか否かを判定する(S321)。
予告演出実行中フラグがセットされていない場合には、S322において、演出制御用CPU120は、予告演出開始待ちタイマの値を−1する。尚、予告演出開始待ちタイマは、可変表示中演出処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる。予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしていなければ、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイマアウトしている場合、つまり、予告演出の開始タイミングである場合には、S324に移行する。
S324では、演出制御用CPU120は、予告演出の実行中であることを示す予告演出実行中フラグをセットする。また、予告演出に該当する予告演出期間に相当する値を予告演出期間タイマにセットする(S325)。
次いで、演出制御用CPU120は、実行する予告演出に対応した予告演出プロセステーブルを読み出してセットした後(S326)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における予告演出プロセスタイマをスタートさせる(S327)。尚、本実施例では、各予告演出の全ての組合せに対応する予告演出プロセステーブルが、予めROM121に記憶されている。
そして演出制御用CPU120は、セットした予告演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての遊技効果ランプ9及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31B)の制御を開始する(S328)。
また、S321において予告演出実行中フラグがセットされている場合には、S329に進んで、演出制御用CPU120は、予告演出のプロセスを変更するための予告演出プロセスタイマの値を−1する。そして、予告演出期間の終了を計時するための予告演出期間タイマの値を−1する(S330)。予告演出期間タイマがタイマアウト(値が0になる)した場合には、予告演出実行中フラグをクリアして予告演出処理を終了する(S347)。
予告演出期間タイマがタイマアウトしていない場合、演出制御用CPU120は、予告演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S332)。予告演出プロセスタイマがタイマアウトしていたら、予告演出の予告演出プロセスデータの切替えを行う(S333)。即ち、予告演出プロセステーブルにおける次に設定されている予告演出プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S334)。また、S332において予告演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合、及びS334においてプロセスタイマをあらためてスタートさせた場合、その次に設定されている予告演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S335)。
次いで、実行中の予告演出が、可動体302を中間位置まで落下させる第1演出パターンに基づく可動体予告である場合における第1落下演出の開始タイミングであるか否かを判定する(S336)。第1落下演出の開始タイミングではない場合は、実行中の予告演出が、可動体302を下方位置まで落下させる第2演出パターンに基づく可動体予告である場合における駆動体310L,310Rの落下準備動作の開始タイミングであるか否かを判定する(S337)。
駆動体310L,310Rの落下準備動作の開始タイミングではない場合は、図26で説明したように、左側の演出用ソレノイド318Lによる可動体302の係止状態を解除するタイミングを、右側の演出用ソレノイド318Rによる可動体302の係止状態を解除するタイミングよりも遅延させるための遅延タイマによるタイマカウントの実行中であるか否かを判定する(S338)。遅延タイマによるカウント中ではない場合は、実行中の予告演出が、可動体302を下方位置まで落下させる第2演出パターンに基づく可動体予告である場合における第2落下演出の開始タイミングであるか否かを判定する(S339)。第2落下演出の開始タイミングではない場合、当該予告演出処理を終了する。
S336において第1落下演出の開始タイミングである場合には、左右の演出用ソレノイド318L,318Rを同時に(同タイミングで)オン状態にして、係止部材318aと可動体302の左右のアーム309L,309R各々との係止状態を解除し(S340)、当該予告演出処理を終了する。
S337において駆動体310L,310Rの落下準備動作の開始タイミングである場合には、左右の駆動体モータ308L,308Rにより駆動体310L,310Rを駆動して、中間待機位置から下方待機位置まで移動させる(S341)。これにより、第2落下演出可能状態となる。
S338において遅延タイマによるタイマカウントの実行中である場合は、遅延タイマの値を−1し(S342)、遅延タイマがタイムアウトになったか否かを判定する(S343)。遅延タイマがタイムアウトになっていない場合は、当該予告演出処理を終了し、遅延タイマがタイムアウトになっている場合、つまり、左側の演出用ソレノイド318Lによる可動体302の係止状態を解除するタイミングである場合には、左側の演出用ソレノイド318Lをオン状態として、係止部材318aによる右側のアーム309Rの係止状態を解除する(S344)。
S339において第2落下演出の開始タイミングである場合には、まず、右側の演出用ソレノイド318Rをオン状態にして、係止部材318aと可動体302の右側のアーム309Rとの係止状態を解除した後(S345)、遅延タイマに所定値(例えば、50msに相当する値など)をセットしてタイマカウントを開始し(S346)、当該予告演出処理を終了する。
このように、予告演出プロセステーブルと予告演出プロセスタイマとに基づいて予告演出の制御が実行されることにより、予告演出プロセステーブルにおける開始タイミングにおいて予告演出が開始されて、順次、予告演出プロセステーブルに記述されている予告演出の制御内容が実行されていくことで予告演出が、予告演出の期間が終了するまで実行される。
また、可動予告演出として第1落下演出の実行が決定されている場合は、S336において左右の演出用ソレノイド318L,318Rを同時に(同タイミングで)オン状態にして、係止部材318aと可動体302の左右のアーム309L,309R各々との係止状態を解除することで可動体302を落下させる一方で、第2落下演出の実行が決定されている場合は、S345において右側の演出用ソレノイド318Rをオン状態にして、係止部材318aと可動体302の右側のアーム309Rとの係止状態を解除してから所定時間(例えば、約50ms)が経過したタイミングで左側の演出用ソレノイド318Lをオン状態とし、係止部材318aによる左側のアーム309Lの係止状態を解除することで可動体302を落下させるようになっている。
尚、本実施の形態では、右側の係止部材318aと可動体302の右側のアーム309Rとの係止状態を解除してから左側の係止部材318aと可動体302の左側のアーム309Lとの係止状態を解除するまでの所定時間(例えば、約50ms)としている。この時間は、タイマ割込(例えば、2ms)よりも長く、また、左右の演出用ソレノイド318L,318Rを同時にオン状態とする制御を行う際の左右の係止解除タイミングの誤差(例えば、1msなど)よりも大きい値としている。つまり、左右の演出用ソレノイド318L,318Rを同時にオン状態とする制御を行う際の誤差ではなく、一方の演出用ソレノイド318Lをオン状態とするタイミングを意図的に遅延させるための時間とされているため、可動体302を落下させる際に好適に傾きを生じさせることができる。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1にあっては、遊技者が接触可能に設けられた装飾体(例えば、枠側演出装置500の可動ユニット505における第1可動体530A)と、遊技に関する遊技用部材としての窓部ユニット51Aと、を備え、窓部ユニット51Aが開閉枠50の開口部50Aに挿入される特定位置に位置している状態(例えば、図5に示す状態)では正規な遊技が可能となる一方で、窓部ユニット51Aが前記特定位置に位置していない状態(例えば、開口部50Aに完全に嵌まっていない状態など)では正規な遊技が困難または不可能となり、第1可動体530Aは、第1収容位置と該第1収容位置とは異なる第1原点位置とに変位可能であり、第1可動体を第1収容位置から第1原点位置に変位させない場合、操作部材593に窓部ユニット51Aのフランジ部256の前面が接触することにより、窓部ユニット51Aを前記特定位置に位置させることができない。
このようにすることで、第1可動体530Aを第1収容位置から第1原点位置に変位させないと窓部ユニット51Aが開口部50Aに挿入することができず、これにより遊技領域10を形成できない(または後透過板261と盤面板200との離間寸法が正規な離間寸法より広いなど)ことから正規な遊技が可能にならないので、正規な遊技が困難または不可能な状態で遊技が行われる虞がなく、遊技興趣の低下を抑制できる。
また、正規な遊技が可能な状態とするために、遊技用部材としての窓部ユニット51Aを開口部50Aに挿入するには、第1可動体530Aを第1収容位置から第1原点位置に変位させる必要があるため、第1可動体530Aを第1収容位置から第1原点位置まで変位させることを忘れたまま遊技が行われ、枠側演出装置500による枠側可動体演出が実行されない(枠側可動体モータ520によって第1可動体530Aが正常に駆動しない)といった事態が生じることを回避できる。
また、窓部ユニット51Aは、パチンコ遊技機1の開閉枠50に対し着脱可能であることで、窓部ユニット51Aを特定位置に位置していない状態で遊技が行われることを防止でき、遊技興趣の低下を抑制できる。
言い換えると、正規な遊技が可能な状態とするためにパチンコ遊技機1に取付ける必要がある部材である窓部ユニット51Aを利用して、第1可動体530Aを第1収容位置から第1原点位置まで変位させることを忘れたまま遊技が行われることを回避することができる。
また、第1可動体530Aは枠側可動体モータ520により動作可能であり、窓部ユニット51Aを特定位置に位置させることが可能とする第1原点位置は、第1移動範囲E1における原点位置(駆動初期位置)である。
このようにすることで、第1可動体530Aを好適に動作させることができる。詳しくは、窓部ユニット51Aを特定位置に位置させるために、第1可動体530Aを原点位置まで変位させればよいため、パチンコ遊技機1への電力の供給が開始されたときに、第1可動体530Aを原点位置に素早く復帰させることができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、遊技者が接触可能に設けられた動作可能な枠側演出装置500の可動ユニット505における第1可動体530Aと、枠側可動体モータ520の動力を第1可動体530Aに伝達するための動力伝達手段(例えば、第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R、第3ギヤ部材553R、クラッチ機構554、第4ギヤ部材555、第5ギヤ部材556を含む駆動機構部531R)と、を備え、駆動機構部531Rは、第4ギヤ部材555と第5ギヤ部材556とからなるウォームギヤを含む。
このようにすることで、第1可動体530Aに作用した外力が枠側可動体モータ520に伝達されることがウォームギヤにより阻止されるため、遊技者が第1可動体530Aに接触することによる枠側可動体モータ520の故障を抑制できる。
特に本実施の形態では、第1可動体530Aは、第1演出位置と第1収容位置との間に第1原点位置が設定されている関係で、第1可動体530Aを第1原点位置に保持するための保持手段等を設けることができないため、上記のようなウォームギヤを設けて第1原点位置に保持可能としている。
しかし、第1可動体530Aは、遊技者が接触可能に開閉枠50に設けられていることで、パチンコ遊技機1が遊技場などに設置された状態において、遊技者により第1可動体530Aが手で押されたり、荷物により押されたり、荷物により動かなくなったり、あるいは、開閉枠50を開放したときにパチンコ遊技機1の左隣のカードユニット(図示略)等の遊技用装置やパチンコ遊技機に接触したりすることにより、第1可動体530Aに作用した外力が枠側可動体モータ520に伝達される虞があるため、上記のようなウォームギヤを有することで、第1可動体530Aに作用した外力が枠側可動体モータ520に伝達されることを阻止することができる。
また、駆動機構部531Rは、第1伝達部(例えば、第4ギヤ部材555及び第5ギヤ部材556からなる第1駆動機構560A)及び該第1伝達部より第1可動体530A側に設けられる第2伝達部(例えば、第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R及び第3ギヤ部材553Rからなる第2駆動機構560B)を有し、第1駆動機構560Aはウォームギヤ(例えば、第4ギヤ部材555及び第5ギヤ部材556)を含む。
このようにすることで、第2駆動機構560Bよりも枠側可動体モータ520に近い第1駆動機構560Aの近傍で動力の伝達を阻止できるため、遊技者が第1可動体530Aに接触することによる枠側可動体モータ520の故障を抑制できる。
また、駆動機構部531Rは、第1可動体530Aとウォームギヤとの間に複数のギヤ部材(例えば、第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R、第3ギヤ部材553R、第4ギヤ部材555、第5ギヤ部材556など)を有し、前記複数のギヤ部材各々の間にバックラッシュSが設けられている。
このようにすることで、第1可動体530Aに作用した外力はウォームギヤに伝達されるまでにバックラッシュSにより小さくなるため、遊技者が第1可動体530Aに接触することによる枠側可動体モータ520の故障を抑制できる。
また、動力伝達手段としての駆動機構部531Rは、切欠部573を有する第1ギヤ部材551Rと切欠部584Aを有する第2ギヤ部材552Rとを有することで、第1の状況(例えば、第1可動体530Aを第1移動範囲E1内で移動させる状況)では枠側可動体モータ520の動力を第1可動体530Aへ伝達し、第2の状況(例えば、第1可動体530Aを第2移動範囲E2内に位置する状況)では、枠側可動体モータ520の動力を第1可動体530Aへ伝達しないようにする。
このようにすることで、状況に応じて好適に駆動力を伝達できる。また、第1可動体530Aが第2移動範囲E2内の第1収容位置に位置している状態において、何らかの要因により意図せずに枠側可動体モータ520が駆動した場合でも、第1可動体530Aに動力が伝達され駆動してしまうことを防止することができる。
また、第1可動体530Aが第2移動範囲E2内の第1収容位置に位置している状態において、例えば、輸送時などにおいて第1可動体530Aに外力が作用した場合、その力が枠側可動体モータ520に伝達されてしまうことがないので、枠側可動体モータ520の故障や第1可動体530A、駆動機構部531Rの破損等を防止できる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、遊技者が接触可能に設けられた動作可能な枠側演出装置500の可動ユニット505における第1可動体530Aと、枠側可動体モータ520の動力を第1可動体530Aに伝達するための動力伝達手段(例えば、第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R、第3ギヤ部材553R、クラッチ機構554、第4ギヤ部材555、第5ギヤ部材556を含む駆動機構部531R)と、を備え、第1可動体530Aは、第1原点位置及び該第1原点位置とは異なる第1演出位置を含む第1移動範囲E1と、第1原点位置及び第1移動範囲E1外の第1収容位置を含む第2移動範囲E2と、で変位可能であり、動力伝達手段としての駆動機構部531Rは、切欠部573を有する第1ギヤ部材551Rと切欠部584Aを有する第2ギヤ部材552Rとを有することで、第1の状況(例えば、第1可動体530Aを第1移動範囲E1内で移動させる状況)では枠側可動体モータ520の動力を第1可動体530Aへ伝達し、第2の状況(例えば、第1可動体530Aを第2移動範囲E2内に位置する状況)では、枠側可動体モータ520の動力を第1可動体530Aへ伝達しないようにする。
このようにすることで、輸送用の第1収容位置で、意図せずに駆動力が伝達されてしまうことによる第1可動体530A、駆動機構部531Rや枠側可動体モータ520の故障を抑制できる。また、第1可動体530Aが第2移動範囲E2内の第1収容位置に位置している状態において、例えば、輸送時などにおいて第1可動体530Aに外力が作用した場合、その力が枠側可動体モータ520に伝達されてしまうことがないので、枠側可動体モータ520の故障や第1可動体530A、駆動機構部531Rの破損等を防止できる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、上方位置から落下可能な可動体302と、可動体302を上方位置に保持する係止状態と該上方位置に保持しない係止解除状態とに変化可能な保持手段(例えば、演出用ソレノイド318L,318R、係止部材318a)と、を備え、前記保持手段は、可動体302を上方位置に保持している状態において該可動体302の右側のアーム309Rを保持する第1保持手段(例えば、右側の演出用ソレノイド318R、係止部材318a)及び該可動体302の左側のアーム309Lを保持する第2保持手段(例えば、左側の演出用ソレノイド318L、係止部材318a)を有し、可動体302を上方位置から落下させるときに、前記第1保持手段を係止状態から係止解除状態に変化させるタイミングと前記第2保持手段を係止状態から係止解除状態に変化させるタイミングとを異ならせる。
このようにすることで、落下タイミングにおいて可動体302を意図的に傾けることで可動体302の落下速度を抑制できるため、落下の衝撃による可動体302の故障を抑制できる。
また、可動体302は、右側のアーム309Rより左側のアーム309Lの近傍に重心が位置することで、可動体302の落下速度を抑制できるため、落下の衝撃による可動体302の故障を抑制できる。
また、第2落下演出の実行が決定されている場合、演出制御用CPU120は、予告演出処理のS345において右側の演出用ソレノイド318Rをオン状態にして、係止部材318aと可動体302の右側のアーム309Rとの係止状態を解除してから所定時間(例えば、約50ms)が経過したタイミングで左側の演出用ソレノイド318Lをオン状態とし、係止部材318aによる左側のアーム309Lの係止状態を解除することで可動体302を落下させる。
このようにすることで、可動体302の落下速度を抑制できるため、落下の衝撃による可動体302の故障を抑制できる。
また、可動体302を上方位置から下方位置まで落下させたときに、可動体302を上方位置側に向けて付勢可能なバネ部材としての引張コイルバネ385を備える。
このようにすることで、可動体302の落下速度を抑制できるため、落下の衝撃による可動体の故障を抑制できる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1は、上方位置から落下可能な可動体302と、可動体302を上方位置に保持する係止状態と該上方位置に保持しない係止解除状態とに変化可能な保持手段(例えば、演出用ソレノイド318L,318R、係止部材318a)と、可動体302を摺動案内する案内手段(例えば、案内軸306L,306R、貫通孔331L,331Rを有するアーム309L,309R)と、を備え、前記案内手段は、可動体302の右側のアーム309Rを摺動案内する案内軸306R及び該可動体302のアーム309Rとは異なる左側のアーム309Lを摺動案内する案内軸306Lを有し、可動体302は、アーム309Rよりアーム309Lの近傍に重心位置Gが設定されている。
このようにすることで、重心位置Gが中央より左側に変位させることで、落下する際に可動体302を意図的に傾けることができ、これにより可動体302の落下速度を抑制できるため、落下の衝撃による可動体302の故障を抑制できる。
また、保持手段は、可動体302を上方位置に保持している状態において該可動体302の右側のアーム309Rを保持する第1保持手段(例えば、右側の演出用ソレノイド318R、係止部材318a)及び該可動体302の左側のアーム309Lを保持する第2保持手段(例えば、左側の演出用ソレノイド318L、係止部材318a)を有し、可動体302は、アーム309Rよりアーム309Lの近傍に重心位置Gが設定されている。
このようにすることで、可動体302の落下速度を抑制できるため、落下の衝撃による可動体302の故障を抑制できる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、遊技者が接触可能に設けられた装飾体の一例として、枠側演出装置500の可動ユニット505における第1可動体530Aを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2可動体530Bを適用してもよい。また、装飾体は、枠側演出装置500の可動ユニット505だけでなく、回転灯ユニット502であってもよいし、開閉枠50または遊技機用枠3等に設けられる他の装飾体(例えば、ランプカバーやスピーカカバーなど)であってもよい。また、第1可動体530Aは、第1原点位置と第1演出位置との間で移動可能な可動体であったが、少なくとも第1位置(第1収容位置)と第2位置(第1原点位置)とに変位可能な装飾体であれば、第1原点位置から他の演出位置等へ移動可能とされていなくてもよい。
また、前記実施の形態では、遊技に関する遊技用部材の一例として、窓部ユニット51Aを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者に接触可能に設けられ、特定位置に位置している状態では正規な遊技が可能となる一方で、特定位置に位置していない状態では正規な遊技が困難または不可能となる部材であれば、窓部ユニット51A以外の部材であってもよい。特に、本実施の形態の窓部ユニット51Aのように、後透過板261に対し前透過板251が前方に突出するものでなくてもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動体530Aを第1収容位置から第1原点位置に変位させることで窓部ユニット51Aを特定位置に位置させることができる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体530Aを原点位置でない第1演出位置など他の位置に変位させることで窓部ユニット51Aを特定位置に位置させることができるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動体530Aが第1収容位置に位置している状態では、操作部材593に窓部ユニット51Aのフランジ部256の前面が接触することにより該窓部ユニット51Aを特定位置に位置させることができない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作部材593のように、第1可動体530A(装飾体)の動作に応じて動作態様が変化する(例えば、第3状態において前方への移動が規制され、第1状態や第2状態において前方へ移動可能となるなど)関連部材、つまり、装飾体に関連する関連部材であれば、操作部材593以外の部材であってもよい。
また、第1可動体530A(装飾体)が第1収容位置(第1位置)に位置している状態において、窓部ユニット51A(遊技用部材)が第1可動体530A(装飾体)に関連する関連部材である操作部材593に接触することで窓部ユニット51Aを特定位置に位置させることができない形態を例示したが、装飾体である第1可動体530Aに接触することで窓部ユニット51Aを特定位置に位置させることができないようにしてもよい。
また、第1可動体530A(装飾体)が第1収容位置(第1位置)に位置している状態において、開閉枠50を遊技機用枠3の前面を閉鎖する閉鎖位置に位置させることができないものであってもよい。つまりこの場合、開閉枠50は遊技用部材を構成する。
さらに、装飾体が第1位置に位置している状態において、装飾体、該装飾体に関連する関連部材、装飾体に関連しない部材などに遊技用部材に接触することで装飾体を特定位置に位置させることができない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、装飾体を第1位置から第2位置に変位させなければ、開閉枠50の回動がロックされて閉鎖できなくなるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、遊技用部材としての窓部ユニット51Aは、パチンコ遊技機1の開閉枠50に対し着脱可能な部材とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用部材は、特定位置と該特定位置とは異なる所定位置との間で変位可能に設けられている部材であってもよい。
具体的には、例えば、遊技用部材としての窓部ユニット51Aを、開閉枠50に対し下辺部を中心として、図17において実線または2点鎖線で示される所定位置と、図5に示す特定位置との間で回動可能に設け、所定位置から特定位置まで回動させることで開口部50Aに組付けできるようにしてもよい。このようにすることで、窓部ユニット51Aが特定位置に位置していない状態で遊技が行われることを防止でき、遊技興趣の低下を抑制できる。
また、前記実施の形態では、駆動源の動力を可動体に伝達するための動力伝達手段として、第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R、第3ギヤ部材553R、クラッチ機構554、第4ギヤ部材555、第5ギヤ部材556を含む駆動機構部531Rを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくともウォームギヤを構成する第4ギヤ部材555と第5ギヤ部材556がギヤ部材からなるものであれば、第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R、第3ギヤ部材553R及びクラッチ機構554などを歯車からなるギヤ部材以外の駆動機構部(例えば、ラックギヤとピニオンギヤなど)にて構成されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第4ギヤ部材555と第5ギヤ部材556によりウォームギヤが構成されていたが、第1ギヤ部材551R、第2ギヤ部材552R、第3ギヤ部材553R、クラッチ機構554、第4ギヤ部材555など他のギヤ部材のうち2つのギヤ部材にてウォームギヤが構成されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1可動体530Aは上下方向に回動可能な可動体であったが、左右方向に回動可能な可動体でもよいし、スライド移動可能な可動体など、動作態様は回動によるものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。
また、前記実施の形態では、装飾体や可動体としての第1可動体530A及び第2可動体530Bは、第1移動範囲E1において遊技者が接触可能に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも駆動源による駆動範囲の所定位置にて遊技者に接触可能となるものであれば、通常状態において遊技者が接触困難または接触不可能に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、第3ギヤ部材553Rと第4ギヤ部材555との間にクラッチ機構554が設けられる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、クラッチ機構554は必ずしも設けられていなくてもよい。
また、前記実施の形態では、動力伝達手段としての駆動機構部531Rは、切欠部573を有する第1ギヤ部材551Rと切欠部584Aを有する第2ギヤ部材552Rとを有することで、第1の状況(例えば、第1可動体530Aを第1移動範囲E1内で移動させる状況)ではギヤ部材が噛合状態となることで枠側可動体モータ520の動力を第1可動体530Aへ伝達し、第2の状況(例えば、第1可動体530Aが第2移動範囲E2内に位置する状況)では、ギヤ部材の噛合状態が解除されることで枠側可動体モータ520の動力を第1可動体530Aへ伝達しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、複数のギヤ部材のうち一のギヤ部材と他のギヤ部材との噛合状態を解除可能な機構など、動力を伝達可能な状態と伝達不可能な状態とに切替可能な機構等を有しているものであってもよい。
また、前記実施の形態では、盤側可動体としての可動体302を上方位置に保持可能な保持手段として、可動体302の左右のアーム309L,309Rをそれぞれ保持可能な演出用ソレノイド318L,318Rと係止部材318aを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、保持手段は、可動体302の左右側2箇所を保持するものだけでなく、少なくとも可動体の2箇所を保持可能であれば、被保持部は前後2箇所でもよいし上下2箇所でもよい。また、3箇所以上を保持可能とされていてもよい。
また、前記実施の形態では、可動体302を落下させるときに、右側の第1保持手段(例えば、右側の演出用ソレノイド318R、係止部材318a)による保持状態を解除した後に、左側の第2保持手段(例えば、左側の演出用ソレノイド318L、係止部材318a)による保持状態を解除する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、左側の第2保持手段による保持状態を解除した後に、右側の第1保持手段による保持状態を解除してもよい。
また、前記実施の形態では、右側の第1保持手段(例えば、右側の演出用ソレノイド318R、係止部材318a)による保持状態を解除してから所定時間(例えば、約50ms)が経過したタイミングで左側の第2保持手段(例えば、左側の演出用ソレノイド318L、係止部材318a)による保持状態を解除する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記所定時間は、可動体302の落下速度を好適に抑制しつつスムーズに落下させることが可能な時間であればよく、種々に変更可能である。
また、前記実施の形態では、可動体302において重心位置Gから遠い右側のアーム309Rと係止部材318aとの係止状態を、重心位置Gの近傍の左側のアーム309Lと係止部材318aとの係止状態を解除するよりも前に解除する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体302において重心位置Gの近傍にある左側のアーム309Lと係止部材318aとの係止状態を、重心位置Gから遠い右側のアーム309Rと係止部材318aとの係止状態を解除するよりも前に解除してもよい。
このようにした場合、左側のアーム309Lと係止部材318aとの係止状態を先に解除することで、可動体302が傾いたときに貫通孔331L,331Rの内周面の上下部(例えば、所定部位T)が案内軸306L,306Rの外周面に強く押し付けられるので、可動体302の落下速度を好適に低減できる。
また、前記実施の形態では、右側の第1保持手段(例えば、右側の演出用ソレノイド318R、係止部材318a)による保持状態を解除してから所定時間(例えば、約50ms)が経過したタイミングで左側の第2保持手段(例えば、左側の演出用ソレノイド318L、係止部材318a)による保持状態を解除する形態を例示したが、パチンコ遊技機1の電源投入時において、可動体302の通常の演出動作において不具合が発生するか否かを確認するための後述するショートイニシャル動作やロングイニシャル動作を含むイニシャル動作(可動体初期化処理)を実行可能とする場合、イニシャル動作において可動体302を落下させるときには、第1保持手段(例えば、右側の演出用ソレノイド318R、係止部材318a)による保持状態を解除してから第2保持手段(例えば、左側の演出用ソレノイド318L、係止部材318a)による保持状態を解除するまでの所定時間として、上記約50msよりも長い時間(例えば、100msなど)を設定することが好ましい。
このように、落下速度を低下させるために第1保持手段と第2保持手段の解除タイミングのずれをより大きくすることにより、落下時の可動体302のがたつきが大きくなるとしても、動作確認が目的のイニシャル動作は遊技者の目に触れる機会がなく問題にならないため、可動体302の故障の防止を優先することができる。
また、前記実施の形態では、可動体302を摺動案内する案内手段として、可動体302の第1被案内部(例えば、右側のアーム309R)を摺動案内する第1案内手段(例えば、右側の案内軸306R)及び該可動体の前記第1被案内部とは異なる第2被案内部(例えば、左側のアーム309L)を摺動案内する第2案内手段(例えば、左側の案内軸306L)を有する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、案内手段は、可動体302の左右側2箇所を摺動案内するものだけでなく、少なくとも可動体の2箇所を案内可能であれば、被案内部は前後2箇所でもよい。また、3箇所以上を案内可能とされていてもよい。
また、前記実施の形態では、可動体302を摺動案内する案内手段として案内軸306L,306Rを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、案内手段は、可動体302の被案内突部を摺動案内可能な案内溝であってもよいし、可動体302の被案内溝部を摺動案内可能な案内突条であってもよく、種々に変更可能である。
(変形例)
次に本発明の変形例としてのパチンコ遊技機1001(図示略)について説明する。尚、本変形例において前記変形例と同様の構成部に関しては同一の符号を付すことで詳細な説明は省略する。
変形例としてのパチンコ遊技機1001は、設定値にもとづいて遊技者にとって有利な大当り遊技状態などの有利状態の制御を実行可能とし、所定の設定変更操作にもとづいて設定値を変更可能にするための構成や、設定されている設定値を表示により確認可能にするための構成を備えている。そして、遊技球などの遊技媒体が所定領域に進入することにもとづいて付与される賞球などの遊技価値に関する情報を表示可能な構成により、設定されている設定値を表示可能にする。
パチンコ遊技機1001が備える電源基板(図示略)は、外部電源(商用電源)である交流電源(AC100V)からの電力を、主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能となるように構成されている。電源基板は、透過性を有する合成樹脂材からなる基板ケース(図示略)に封入されており、電源基板の背面右側上部には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための錠スイッチ1051(図示略)と、設定変更状態において大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ1052(図示略)が設けられている。また、電源基板(図示略)には、クリアスイッチAK001(図示略)、電源スイッチAK002(図示略)が設けられている。
錠スイッチ1051および設定切替スイッチ1052は、パチンコ遊技機1001の背面側に設けられており、所定のキー操作により開放可能な遊技機用枠3を開放しない限り操作不可能であり、所定のキーを所持する係員のみが操作可能となる。また、錠スイッチ1051はキー操作を要することから、遊技場の係員のなかでも、錠スイッチ1051の操作を行うキーを所持する係員のみ操作が可能とされている。錠スイッチ1051は、所定のキーによってONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチであるとともに、切替操作とは異なる操作(例えば、押込み操作)を実行可能なスイッチでもある。
電源スイッチAK002を用いた電源投入の操作が行われるときには、錠スイッチ1051におけるオンとオフの切替操作や、クリアスイッチAK001の押下操作といった、錠スイッチ1051またはクリアスイッチAK001を用いた所定の動作が行われる場合がある。錠スイッチ1051とクリアスイッチAK001は、電源スイッチAK002を用いた電源投入の動作に伴い、これらのスイッチを同時に用いた所定の動作が行われる場合もある。そこで、少なくとも、錠スイッチ1051と、クリアスイッチAK001と、電源スイッチAK002は、遊技場の係員などにより同時操作が可能な位置に配置されていればよい。このように、錠スイッチ1051、および、クリアスイッチAK001は、電源スイッチAK002を用いた電源投入の動作に伴い、遊技場の係員などによるオンとオフの切替操作や押下操作となる各種動作を検出可能に構成されている。
また、本変形例では、演出制御コマンドとして、パチンコ遊技機1001における電源投入による電力供給が開始されたときに、設定値を変更可能にする設定変更状態の開始を指定する設定変更開始コマンド(コマンド9100H)と、設定変更状態の終了を指定する設定変更終了コマンド(コマンド93XXH)と、パチンコ遊技機1001における電源投入による電力供給が開始されたときに、設定値を確認可能にする設定確認状態の開始を指定する設定確認開始コマンド(コマンド9400H)とが含まれる。
設定変更終了コマンドでは、例えば変更により新たに設定された設定値に対応するEXTデータが設定されてもよい。この場合には、設定変更状態における変更により新たに設定された設定値または変更されずに継続して設定される設定値に応じて、異なるEXTデータが設定される。設定値が1〜3の3段階からなる場合に、コマンド9300Hは設定値が「1」に設定されていることを指定し、コマンド9301Hは設定値が「2」に設定されていることを指定し、コマンド9302Hは設定値が「3」に設定されていることを指定すればよい。あるいは、設定変更終了コマンドは、EXTデータが00Hであるコマンド9300Hのみが用意され、変更により新たに設定された設定値にかかわらず、コマンド9300Hにより、設定変更状態の終了を指定してもよい。あるいは、設定変更終了コマンドとは異なる演出制御コマンドとして、パチンコ遊技機1001にて設定されている設定値を指定する設定値指定コマンドが用意されてもよい。設定値指定コマンドは、設定変更終了コマンドの送信に伴い送信される場合の他にも、例えば第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの送信に伴い、特図ゲームの各回における変動開始と対応して送信されてもよい。また、例えば特図ゲームにおける10回の変動開始ごとのように、所定回数の変動表示が実行されることに伴い、設定値指定コマンドが送信されてもよい。これらに代えて、あるいは、これらに加えて、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドの送信に伴い、設定値指定コマンドが送信されてもよい。客待ちデモ指定コマンドの送信に伴い、設定値指定コマンドが送信されてもよい。
本変形例のパチンコ遊技機1001は、設定値に応じて大当り及び小当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。例えば特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当り及び小当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1〜3の3段階からなり、1が最も出玉率が高く、1、2、3の順に値が大きくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、2、3の順に値が大きくなるほど有利度が段階的に低くなる。
CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1の値が大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA〜大当りC)とすることを決定する。また、MR1が小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当り及び小当りの当選を決定する。尚、「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。このように、設定値に応じて、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御される確率が異なるので、設定値を変更すれば、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定において、1の設定が他の設定に変更されることになる。
尚、本変形例では、各表示結果判定テーブルにおいて、変動特図指定バッファが第2である場合における小当りの当選確率は全て同じとしているが、設定値1、2、3の順に小当りの当選確率が低くなるようにしてもよい。一方、変動特図指定バッファが第1である場合、設定値1、2、3の順に小当りの当選確率が低くなるようにしているが、変動特図指定バッファが第2である場合と同様に、全ての設定値で同じ当選確率としてもよい。
本変形例では、CPU103は、表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
本変形例では、設定値3に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに変動特図指定バッファが第1である場合、大当りに対応する判定値以外の判定値が小当りに対応する判定値として設定されていない、つまり、小当りが当選しないようになっていたが、大当りに対応する判定値以外の判定値の一部を小当りに対応する判定値として設定し、小当りが当選するようにしてもよい。つまり、設定されている設定値に応じて小当り確率の割合が異なることには、小当り確率が0%であることも含まれている。
尚、本変形例では、パチンコ遊技機1001に設定可能な設定値として1〜3の計3個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1001に設定可能な設定値は、2個または4個以上(例えば6個)であってもよい。また、設定値に応じた遊技者の有利度は、設定値が小さいほど遊技者にとって有利度が高くなるものに限定されず、設定値が大きいほど遊技者にとっての有利度も高くなるようにしてもよい。例えば設定値が1〜6の6段階からなる場合に、1が最も出玉率が低く、1、2、3、4、5、6の順に値が大きくなるほど出玉率が高くなり、6が最も出玉率が高くなるものであってもよい。このように、設定値として1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高くなるように、値が大きくなるほど有利度が段階的に高くなるものでもよい。
また、本変形例においては、設定されている設定値が1である場合は、大当り種別を大当りCに決定する割合が最も高く、次いで、大当りBに決定する割合が高く、大当りAに決定する割合が最も低い(設定値1における大当り種別決定割合:大当りC>大当りB>大当りA)。また、設定されている設定値が2である場合は、大当り種別を大当りBに決定割合が最も高く、次いで、大当りAに決定する割が高く、大当りCに決定する割合が最も低い(設定値2における大当り種別決定割合:大当りB>大当りA>大当りC)。さらに、設定されている設定値が3である場合は、大当り種別を大当りAに決定する割合が最も高く、次いで、大当りBに決定する割合が高く、大当りCに決定する割合が最も低くなっている(設定値3における大当り種別決定割合:大当りA>大当りB>大当りC)。
尚、設定されている設定値によっては、大当りA、大当りB、大当りCのうち、決定されてない大当り種別が1つまたは複数あってもよい。つまり、設定されている設定値に応じて大当り種別の決定割合が異なることには、いずれかの大当り種別を決定しないこと(決定割合が0%である)や、特定の大当り種別を100%の割合で決定すること含まれている。
パチンコ遊技機1001に設定される設定値にかかわらず遊技性自体は変化しないものに限定されず、パチンコ遊技機1001に設定される設定値に応じて遊技性が変化するようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1001に設定される設定値が1である場合は、通常状態での大当り確率が1/320、確変状態が65%の割合でループする遊技性(いわゆる確変ループタイプ)とし、パチンコ遊技機1001に設定されている設定値が2である場合は、通常状態での大当り確率が1/200、大当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチを通過することに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御する一方で、変動特図に応じて大当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチを通過する割合が異なる遊技性(いわゆるV確変タイプ)とし、パチンコ遊技機1001に設定されている設定値が3である場合は、大当り確率が1/320かつ小当り確率が1/50であり、高ベース中(時短制御中)に遊技球が第3カウントスイッチを通過することに基づいて大当り遊技状態に制御する遊技性(いわゆる1種2種混合タイプ)としてもよい。さらに、パチンコ遊技機1001に設定されている設定値が1〜3と遊技性が同一であるが、これら設定値が1〜3のいずれかである場合よりも大当り確率や小当り確率が高い一方で大当り遊技中に獲得可能な賞球数が少ない設定(例えば、パチンコ遊技機1001に設定されている設定値が4である場合)を設けてもよい。設定値に応じて遊技性を変化させる場合は、共通のスイッチを異なる用途に使用してもよい。具体的には、設定値が1や4の場合は、第3カウントスイッチを演出用スイッチ(遊技球が第3カウントスイッチを通過する毎に所定の演出を実行するためのスイッチ)として使用し、設定値が2や3の場合は、第3カウントスイッチを遊技用スイッチ(遊技球が第3カウントスイッチを通過したことに基づいて遊技状態を確変状態や大当り遊技状態に制御するためのスイッチ)として使用してもよい。
(遊技制御の説明)
図30は、本変形例において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が実行するメイン処理の一例を示すフローチャートである。このメイン処理は、遊技制御メイン処理に代えて実行できればよい。メイン処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップSa1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップSa2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップSa3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップSa4)、RAM102をアクセス可能状態に設定する(ステップSa5)。なお、割込モード2は、CPU103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
続いて、クリアスイッチAK001の出力信号であるクリア信号に基づき、クリアスイッチAK001がオンであるか否かを判定する(ステップSa6)。クリアスイッチAK001がオフであれば、電源断検出処理を実行したか否かを判定する(ステップSa7)。電源断検出処理を実行した場合には、パリティチェックの実行結果が正常であるか否かを判定する(ステップSa8)。チェック結果が正常であれば、バックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップSa41)、その内容に基づき作業領域に初期値を設定する(ステップSa42)。これにより、パチンコ遊技機1001における遊技の進行に関する停電時の記憶内容が復旧される。
ステップSa42にて停電復旧が行われたときには、錠スイッチ1051の出力信号である錠スイッチ信号に基づき、錠スイッチ1051がオンであるか否かを判定する(ステップAKS001)。ステップAKS001にて錠スイッチ1051がオンである場合には、設定確認処理を実行することにより(ステップAKS002)、設定値を確認可能な状態となる。設定確認処理においては、パチンコ遊技機1001にて設定されている設定値を表示モニタ(図示略)の表示により確認することが可能となっている。ステップAKS001にて錠スイッチAK002がオフである場合や、ステップAKS002にて設定確認処理を実行した後には、ステップSa14に進む。なお、ステップAKS001にて錠スイッチAK002がオフである場合には、主基板11から演出制御基板12に対して、停電復旧指定コマンドとなるコマンド9200Hが送信されるようにすればよい。
ステップAKS002にて設定確認処理の実行が開始されるときには、パチンコ遊技機1001において設定されている設定値を確認可能な設定確認状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認開始コマンドとなるコマンド9400Hが送信される。パチンコ遊技機1001が設定確認状態であるときには、パチンコ遊技機1001における遊技の進行を停止させる遊技停止状態としてもよい。遊技停止状態であるときには、打球操作ハンドル30の操作による遊技球の発射、各種スイッチによる遊技球の検出などが停止され、また、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20において、はずれ図柄などを停止表示したり、はずれ図柄とは異なる遊技停止状態に対応した表示が行われたりするように制御すればよい。ステップAKS001における設定確認処理の実行が終了するときには、設定確認状態と、これに伴う遊技停止状態が終了し、主基板11から演出制御基板12に対して、設定確認終了コマンドとなるコマンド9401Hが送信される。
ステップSa6にてクリアスイッチAK001がオンである場合、ステップSa7にて電源断検出処理を実行していなかった場合、あるいは、ステップSa8にてチェック結果が正常ではなかった場合には、所定のRAMクリア処理を実行し、RAM102のバックアップ格納領域に格納されている設定値以外のデータをクリアする(ステップSa9)。遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域は、ステップSa9にてクリアされないようにしてもよい。ステップSa9に続いて、初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップSa10)、その内容に基づき作業領域に初期値を設定する(ステップSa11)。これにより、パチンコ遊技機1001における遊技の進行に関する記憶内容が初期化される。ステップSa6にてクリアスイッチAK001がオンである場合には、ステップSa9、Sa10によりRAM102の記憶内容が初期化(クリア)されるので、クリアスイッチAK001は、オンに押下操作する動作を検出することにより、パチンコ遊技機1001の初期化に関する動作を検出することができる。
ステップSa11にて記憶内容が初期化されたときには、錠スイッチ信号に基づき、錠スイッチ1051がオンであるか否かを判定する(ステップSa12)。ステップSa12にて錠スイッチ1051がオンである場合には、設定変更処理を実行することにより(ステップSa13)、設定値を変更可能な状態となる。設定変更処理では、パチンコ遊技機1001における設定値の変更状況を表示モニタ1029(図示略)の表示により確認することが可能となっている。ステップSa12にて錠スイッチ1051がオフである場合や、ステップSa13にて設定変更処理を実行した後には、ステップSa14に進む。
ステップSa12にて錠スイッチ1051がオフである場合には、主基板11から演出制御基板12に対して、RAMクリア通知コマンドとなるコマンド9000Hが送信されるようにすればよい。なお、錠スイッチ1051がオンであることを条件に設定変更処理を実行する形態に限定されるものではなく、さらに遊技機用枠3が開放されていることを条件として設定変更処理を実行し、パチンコ遊技機1001に設定されている設定値を変更可能としてもよい。
ステップSa13にて設定変更処理の実行が開始されるときには、パチンコ遊技機1001において設定されている設定値を変更可能な変更許可状態としての設定変更状態となり、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更開始コマンドとなるコマンド9100Hが送信される。パチンコ遊技機1001が設定変更状態であるときには、設定確認状態であるときと同様に、パチンコ遊技機1001を遊技停止状態としてもよい。ステップSa13における設定変更処理の実行が終了するときには、設定変更状態と、これに伴う遊技停止状態が終了し、主基板11から演出制御基板12に対して、設定変更終了コマンドとなるコマンド93XXHが送信される。なお、クリアスイッチAK001がオンである場合の他に、電源断検査処理を実行していなかった場合、あるいは、パリティチェックの実行結果が正常ではなかった場合に、錠スイッチ1051がオンであれば設定変更処理を実行する形態に限定されるものではなく、クリアスイッチAK001がオンである場合にRAM102をクリアした場合のみ錠スイッチ1051がオンであれば設定変更処理を実行してもよい。
その後、RAM102のバックアップ領域に格納されている設定値を読み出し(ステップSa14)、その値をパチンコ遊技機1001における設定値として使用する。このときには、乱数回路設定処理により、乱数回路104を初期設定する(ステップSa15)。また、所定時間(例えば2ms)ごとに定期的なタイマ割込を発生させる設定を行う(ステップSa16)。そして、割込禁止の設定(ステップSa17)、表示用乱数更新処理(ステップSa18)、初期値用乱数更新処理(ステップSa19)、割込許可の設定(ステップSa20)を繰り返し実行する。
CPU103は、特別図柄プロセス処理において特別図柄通常処理を実行するときに、設定されている設定値に応じた表示結果判定テーブルと、変動表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。また、変動パターン設定処理を実行するときに、設定されている設定値に応じた変動パターン判定テーブルと、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定すればよい。このように、設定されている設定値に応じて異なる割合により、変動表示結果を決定することなどにより、遊技者にとっての有利度が異なるように遊技を進行させることができる。
なお、本変形例では、メイン処理のステップSa6にてクリアスイッチAK001がオンである場合に、ステップSa9〜Sa11にてRAM102の記憶内容を初期化(クリア)してから、ステップSa12、Sa13にて設定値を変更可能な状態になるが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定値を変更可能な状態が終了してから、RAM102の記憶内容が初期化(クリア)されてもよい。すなわち、ステップSa6にてクリアスイッチAK001がオンである場合には、ステップSa12にて錠スイッチ1051がオンであるか否かを判定し、オフであればステップSa9〜Sa11に進むことで、RAM102の記憶内容が初期化(クリア)され、これに対し、ステップSa12にて錠スイッチ1051がオンである場合には、ステップSa13にて設定変更処理を実行し、その処理が終了してからステップSa9〜Sa11に進むようにしてもよい。例えばRAM102の記憶内容が初期化(クリア)されたことに対応してRAMクリア通知コマンドが送信される場合には、演出制御基板12において、RAMクリア通知コマンドの受信に伴い初期化報知が開始されることがある。そのため、ステップSa13よりも先にステップSa9〜Sa11が実行されてしまうと、ステップSa13にて設定変更処理が実行されて設定値を変更可能な状態になる場合に、初期化報知が実行されて設定値の変更作業に支障が生じるおそれがある。これに対し、ステップSa13の設定変更処理が終了してからステップSa9〜Sa11によりRAM102の記憶内容が初期化(クリア)されることにより、設定値の変更が完了した後に初期化報知などを開始させることができるので、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
また、遊技場の係員などによって電源スイッチAK002が操作され、電源遮断により電力供給が停止された後、遊技場の係員などがクリアスイッチAK001を押下操作するとともに、錠スイッチ1051をオンに切替操作しながら、電源スイッチAK002を操作することにより、電源投入により電力供給が開始されると、表示モニタ1029では、RAM102のバックアップ領域に格納されている設定値が表示される。この設定値が表示されている状態において、遊技場の係員などにより設定切替スイッチ1052が押下操作されると、その操作が検出されるごとに表示モニタ1029に表示している数値を順次更新して表示する。例えば設定切替スイッチ1052の押下操作が検出されたときに、表示モニタ1029に「1」が表示されていれば「2」に更新し、「2」が表示されていれば「3」に更新し、「3」が表示されていれば「1」に更新することにより、表示モニタ1029の表示を「1」〜「3」の間で循環的に順次更新できればよい。その後、遊技場の係員などにより錠スイッチ1051が押込操作されると、その操作が検出されたことにより、表示モニタ1029に表示されている設定値をRAM102のバックアップ領域に格納(更新記憶)する。このときには、表示モニタ1029を点滅表示させることによって、新たな設定値が格納されたことを遊技場の係員などが認識可能に報知する。
ステップSa13にて設定変更処理が実行されるときには、ステップSa9によりRAM102の記憶内容が初期化されている。したがって、設定値の変更が行われるときには、第1特図保留記憶部(図示略)や第2特図保留記憶部(図示略)における保留データなどに基づく保留記憶が消去される。遊技場の係員などにより錠スイッチ1051をオフとする切替操作がなされると、その操作が検出されたことにより、設定変更処理を終了する。CPU103は、メイン処理におけるステップSa14以降の処理を実行することによって遊技が可能な状態となる。これにより、例えば変動表示結果や大当り種別、変動パターンの決定抽選や、賞球の払出などが実行可能な状態となる。なお、設定変更処理では、表示モニタ1029に表示する初期表示として、RAM102のバックアップ領域に格納されている格納値を表示する形態に限定されるものではなく、例えば遊技者にとって最も有利な設定値の「1」、あるいは、遊技者にとって最も不利な設定値の「3」など、予め定められた設定値を表示するようにしてもよい。
設定変更処理において、表示モニタ1029に表示している数値を順次更新して表示する制御は、設定切替スイッチ1052の押下操作が検出されるごとに更新する形態に限定されるものではなく、例えばクリアスイッチAK001の押下操作が検出されるごとに順次更新して表示するようにしてもよい。例えば、表示モニタ1029では、RAM102のバックアップ領域に格納されている設定値が表示されている状態において、クリアスイッチAK001が押下操作されると、表示モニタ1029に「1」が表示されていれば「2」に更新し、「2」が表示されていれば「3」に更新し、「3」が表示されていれば「1」に更新することにより、表示モニタ1029の表示を「1」〜「3」の間で循環的に順次更新できればよい。この場合には、RAM102の記憶内容を初期化するために用いられるクリアスイッチAK001を、パチンコ遊技機1001における設定値の変更にも共通して使用することができる。これにより、パチンコ遊技機1001における装置構成の増大による製造コストの増大を、防止することができる。
また、パチンコ遊技機1001は、大当り遊技終了後に遊技状態を確変状態に制御可能なパチンコ遊技機として構成され、大当り遊技中に第3カウントスイッチを遊技球が通過したことに基づいて大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に制御可能としてもよい。この場合は、大当り種別として、大当り遊技中に第2大入賞口を開放する大当り種別、つまり、遊技球が大当り遊技中に第3カウントスイッチを通過可能な大当り種別(以下、大当りX)と、大当り遊技中に第2大入賞口を開放しない、つまり、遊技球が大当り遊技中に第3カウントスイッチを通過不能な大当り種別(以下、大当りY)を設け、これら大当りXと大当りYの決定割合を設定値に応じて異ならせてもよい。このようにすることで、設定されている設定値に応じて大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に制御される割合を異ならせることができるので、遊技興趣を向上できる。
変動表示結果が大当りとなる割合や、大当り種別の決定割合が異なることに加えて、あるいは代えて、遊技球が各入賞口に入賞した際の賞球数や、大当り遊技中における各ラウンドにおける大入賞口への遊技球の上限入賞数を、設定されている設定値に応じて異ならせるようにしてもよい。さらに、大当り遊技中における第1大入賞口と第2大入賞口の開放パターンを、設定されている設定値に応じて異ならせるようにしてもよい。これにより、大当り遊技状態において付与される賞球数を、設定値に応じて異ならせることができるので、遊技興趣を向上できる。
パチンコ遊技機1001に可動体(例えば、前記実施の形態で説明した盤側演出装置300や枠側演出装置500の可動体など)を設け、この可動体を変動表示中や大当り遊技中といった遊技中に動作させる可動体演出を実行可能としてもよい。このような可動体を設ける場合は、第2大入賞口の内部における規制部材の進退動作確認などの可変入賞初期化制御を実行可能にするとともに、可動体の動作確認や可動体を初期位置に移動させる可動体初期化制御を演出制御用CPU120により実行可能とし、パチンコ遊技機1001に新たな設定値が設定されるとき(例えば、パチンコ遊技機1001に電源が投入されたときや、パチンコ遊技機1001に新たな設定値が設定されたとき)に、可変入賞初期化制御と可動体初期化制御を実行するようにしてもよい。これにより、規制部材や可動体の動作に、新たな設定値を的確に反映させることができる。可変入賞初期化制御や可動体初期化制御は、メイン処理におけるステップSa13またはステップSa14の実行後に実行すればよい。例えば1回目のタイマ割込が発生したタイミングで、可変入賞初期化制御や可動体初期化制御を実行してもよい。可変入賞初期化制御と可動体初期化制御を実行可能である場合は、可変入賞初期化制御を可動体初期化制御よりも前のタイミングにて開始してもよい。あるいは、可変入賞初期化制御と可動体初期化制御を同時に開始するとともに、可変入賞初期化制御を可動体初期化制御よりも先に終了してもよい。これにより、遊技球の入賞にかかわる初期化制御を適切に行うことができる。
設定されている設定値に応じて異なる割合で決定されるのは、少なくとも大当り遊技状態といった、遊技者にとって有利な有利状態に制御するか否かを決定される場合であればよく、大当り種別や変動パターンについては、設定されている設定値にかかわらず共通の割合で決定されるものであってもよい。設定されている設定値に応じて異なる割合で変動表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを決定する一方で、設定されている設定値にかかわらず共通の割合で大当り種別や変動パターンを決定する場合には、設定値が変更されても変動パターンの決定割合は変更されないので、遊技者などに設定値を示唆しない、または示唆しにくくなる。設定されている設定値に応じて異なる割合で変動表示結果だけでなく変動パターンなども決定する場合には、設定値が変更されると変動パターンの決定割合も変更されるので、遊技者などに設定値を示唆できる、または示唆しやすくなる。
以上のように、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100では、電源投入による電力供給の開始に伴い、CPU103がメイン処理を実行することにより、錠スイッチ1051(図示略)やクリアスイッチAK001(図示略)による動作の検出結果に応じて、設定変更状態、設定確認状態、初期化状態、停電復旧状態のいずれかに制御可能となる。設定変更状態は、設定切替スイッチ1052(図示略)あるいはクリアスイッチAK001(図示略)の操作による設定値の変更を許可する変更許可状態である。設定確認状態は、表示モニタ(図示略)にて、設定されている設定値を確認可能な状態である。初期化状態は、設定変更状態や設定確認状態とは異なり、RAM102の記憶内容が初期化(クリア)された状態である。停電復旧状態は、RAM102の記憶内容が停電時の内容に復旧された状態である。
図31は、上記変形例において、演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御メイン処理は、上記実施の形態における演出制御メイン処理に代えて実行できればよい。本変形例の演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、上記実施の形態と同様の初期化処理(ステップAKS011)を実行した後、上記実施の形態とは異なり、電源投入時コマンド処理(ステップAKS012)を実行する。電源投入時コマンド処理を実行した後には、上記実施の形態と同様に、タイマ割込フラグがオンとなっているか否かを判定し(ステップAKS013)、オフであれば(ステップAKS013;No)、ステップAKS013の処理を繰り返し実行して待機する。これに対し、タイマ割込フラグがオンである場合には(ステップAKS013;Yes)、タイマ割込フラグをクリアしてオフ状態とし(ステップAKS014)、コマンド解析処理(ステップAKS015)、演出制御プロセス処理(ステップAKS016)、演出用乱数更新処理(ステップAKS017)を順に実行する。
(特徴部72AKに関する説明)
図32は、動作用モータAK011〜AK014(図示略)によって駆動される可動部材による電源投入時動作の実行例を示している。動作用モータAK011〜AK014によって駆動される可動部材には、第1可動演出装置となる第1可動部材と、第2可動演出装置となる第2可動部材とが含まれている。第1可動部材は、画像表示装置5の左下位置を原点位置(退避位置)として停止する。その退避位置から右斜め上に上昇して、画像表示装置5の表示画面の前方側に重複する進出位置で停止した後に、再び退避位置に戻る動作演出を行う。第1可動部材は、回動機構と、第1〜第3分裂片と、スライド機構とを含んでいる。回動機構の先端部には、第1〜第3分裂片が設けられている。第1〜第3分裂片は、合体した閉状態のときを原点位置として、このときに所定の図形を形成している。第1可動部材の回動機構は、動作用モータAK011によって原点位置である退避位置から画像表示装置5の表示画面中央部における進出位置まで回動される。これにより、第1可動部材が画像表示装置5の表示画面中央部まで進出した後には、動作用モータAK012によって第1〜第3分裂片が分裂する開状態となる。その一方で、第1可動部材が原点位置にあるときには、第1〜第3分裂片を開状態とすることができない。第1可動部材のスライド機構は、第1可動部材の回動機構および第1〜第3分裂片が進出位置まで回動された後、動作用モータAK013によって横方向にスライドさせる。第1可動部材のスライド機構は、第1可動部材が画像表示装置5の表示画面中央部にあるときを原点位置として、回動機構および第1〜第3分裂片を、画像表示装置5の左側位置と右側位置との間でスライドさせることができればよい。
第2可動部材は、画像表示装置5の上方位置を原点位置(退避位置)として停止する。その退避位置から下降して、画像表示装置5の表示画面の前方側に重複する進出位置で停止した後に、再び退避位置に戻る動作演出を行う。第2可動部材は、動作用モータAK014によって原点位置である退避位置から画像表示装置5の表示画面中央部やや上方における進出位置まで下降され、進出位置から退避位置まで上昇される。このように、第2可動部材は、動作用モータAK014の駆動力によって上下に単純往復する演出動作を行う。
第1可動部材の回動機構は、原点位置が原点センサAK021によって検出される。第1可動部材の第1〜第3分裂片は、原点位置が原点センサAK022によって検出される。第1可動部材のスライド機構は、原点位置が原点センサAK023によって検出される。第2可動部材は、原点位置が原点センサAK024によって原点位置が検出される。動作用モータAK011は、第1可動部材の回動機構を原点位置と進出位置との間で移動可能にする駆動力を提供する。動作用モータAK012は、第1可動部材の第1〜第3分裂片を原点位置の閉状態と開状態との間で移動可能にする駆動力を提供する。動作用モータAK013は、第1可動部材のスライド機構を原点位置と画像表示装置5の左側位置または右側位置との間で移動可能にする駆動力を提供する。動作用モータAK014は、第2可動部材を原点位置と進出位置との間で移動可能にする駆動力を提供する。
第1可動部材および第2可動部材による電源投入時動作には、ロングイニシャル動作と、ショートイニシャル動作とが含まれている。ロングイニシャル動作は、遊技の進行に伴う演出の実行中における通常の演出動作と同様の動作を行う初期動作である。ロングイニシャル動作を実行することにより、通常の演出動作において不具合が発生するか否かを確認できる。ショートイニシャル動作は、通常の演出動作における一部の動作を省略した動作であり、第1可動部材や第2可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作である。
電源投入時動作としてロングイニシャル動作が実行される場合には、まず、実線矢印72KM01で示すように、第1可動部材の回動機構を、動作用モータAK011の駆動力により原点位置(退避位置)から進出位置である画像表示装置5における表示画面中央部の前方側にて重複する位置まで移動させる。続いて、破線矢印72AKM02で示すように、第1可動部材の第1〜第3分裂片を、動作用モータAK012の駆動力により原点位置の閉状態から開状態になるよう移動させる。その後、破線矢印72AKM03で示すように、第1可動部材の第1〜第3分裂片を、動作用モータAK012の駆動力により開状態から閉状態(原点位置)まで移動させる。次に、実線矢印72AKM04〜72AKM06で示すように、第1可動部材のスライド機構を、動作用モータAK013の駆動力により原点位置から右方向の可動位置まで移動させてから左方向の可動位置まで移動した後に原点位置に戻す。それから、実線矢印72AKM07で示すように、第1可動部材の回動機構を、動作用モータAK011の駆動力により進出位置から原点位置(退避位置)に復帰させる。その後、破線矢印72AKM08、72AKM09で示すように、第2可動部材を、動作用モータAK014の駆動力により原点位置(退避位置)から進出位置まで移動させてから原点位置(退避位置)に復帰させる。
電源投入時動作としてショートイニシャル動作が実行される場合には、ロングイニシャル動作の一部を省略した動作が行われるようにすればよい。例えば矢印72AKM01〜72AKM09で示される動作のうち、破線矢印72AKM02、72AKM03、72AKM08、72AKM09で示される動作を実行するための制御が行われる。この場合、第1可動部材の第1〜第3分裂片は、第1可動部材の回動機構が進出位置に移動しなければ、閉状態から開状態に移動させることができない。そのため、ショートイニシャル動作においても、実線矢印72AKM01、72AKM07で示される動作が必要になる。また、ロングイニシャル動作では、破線矢印72AKM02、72AKM03、72AKM08、72AKM09で示される動作よりも移動量が大きくなるように、第1可動部材の第1〜第3分裂片や第2可動部材の動作が行われてもよい。ショートイニシャル動作では、実線矢印72AKM04〜72AKM06で示される動作よりも移動量が小さくなるように、第1可動部材のスライド機構を移動させてもよい。
ショートイニシャル動作では、原点センサAK021〜AK024による検出結果に応じて、少なくとも一部の動作が省略されたり追加されたりしてもよい。例えば原点センサAK022がオフであり、その他の原点センサがオンである場合には、第1可動部材の第1〜第3分裂片を原点位置である閉状態に移動させる動作として、破線矢印72AKM03の方向に移動させるように、動作用モータAK012を駆動させる。そして、原点センサAK022がオンになったときに、動作用モータAK012の駆動を停止させればよい。その後、実線矢印72AKM01、72AKM07で示される移動量よりも小さくなるように、第1可動部材の回動機構を移動させることで、原点センサAK021を一旦オフにしてからオンとなるように、動作用モータAK021を駆動させる。また、第2可動部材については、破線矢印72AKM08、72AKM09で示されるように移動させることで、原点センサAK024を一旦オフにしてからオンとなるように、動作用モータAK024を駆動させればよい。
図33は、動作用モータAK011〜AK014によって可動部材を駆動するために用いられる制御パターンを示している。これらの制御パターンを構成するパターンデータは、演出制御基板12に搭載されたROM121の所定領域に予め記憶されていればよい。本変形例では、可動部材の制御パターンとして、ショートイニシャル制御パターン72AKP01と、ロングイニシャル制御パターン72AKP02と、演出用動作A制御パターン72AKP11と、演出用動作B制御パターン72AKP12とが予め用意されている。
ショートイニシャル制御パターン72AKP01は、ショートイニシャル動作を実行するために用いられる制御パターンである。ロングイニシャル制御パターンAKP02は、ロングイニシャル動作を実行するために用いられる制御パターンである。演出用動作A制御パターン72AKP11は、例えばリーチ演出といった、遊技の進行に伴って実行される第1演出に含まれる可動部材の動作を実行するために用いられる制御パターンである。演出用動作B制御パターン72AKP12は、例えば予告演出といった、遊技の進行に伴って実行される第1演出とは異なる第2演出に含まれる可動部材の動作を実行するために用いられる制御パターンである。尚、可動部材の制御パターンとしては、より多くの制御パターンが用意されてもよいし、一部の制御パターンが用意されてもよい。演出制御用CPU120は、ROM121から読み出したパターンデータに基づいて、動作用モータAK011〜AK014の駆動内容を決定し、可動部材の動作を制御すればよい。
図34は、本変形例の特徴部72AKに関し、演出制御用CPU120により実行される電源投入時コマンド処理の一例を示すフローチャートである。この電源投入時コマンド処理は、上記変形例における演出制御メイン処理のステップAKS012にて実行できればよい。特徴部72AKの電源投入時コマンド処理において、演出制御用CPU120は、上記変形例と同様に主基板11からの受信コマンドを判定する(ステップ72AKS001〜72AKS004)。ステップ72AKS003にて受信コマンドが設定変更開始コマンドであると判定された場合には(ステップ72AKS003;Yes)、上記変形例と同様に、遊技停止状態開始時処理を実行し(ステップ72AKS005)、設定変更報知を開始する制御を行う(ステップ72AKS006)。
ステップ72AKS006による制御を行った後には、上記変形例とは異なり、ショートイニシャル動作を実行する制御を行う(ステップ72AKS007)。例えば、演出制御用CPU120は、ショートイニシャル制御パターン72AKP01のパターンデータをROM121の所定領域から読み出し、読出データに基づいて動作用モータAK011〜AK014による可動部材の動作制御を実行する。ステップ72AKS007における制御が実行されることにより、変更許可状態としての設定変更状態であるときに、可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作を実行する制御を行うことができる。尚、ステップ72AKS008以降に進んだ後の期間においても、ショートイニシャル動作期間が終了するまで、ステップ72AKS007における制御が継続して実行され、ショートイニシャル動作を実行する制御が行われてもよい。
ステップ72AKS007による制御に続いて、上記変形例と同様に、設定変更を終了するか否かを判定する(ステップ72AKS008)。設定変更を終了しない場合には(ステップ72AKS008;No)、ステップ72AKS008を繰り返し実行して待機する。ステップ72AKS008にて設定変更を終了すると判定された場合には(ステップ72AKS008;Yes)、設定変更報知を終了する制御を行い(ステップ72AKS009)、遊技停止状態終了時処理を実行する(ステップ72AKS010)。
ステップ72AKS010にて遊技停止状態終了時処理を実行した後には、上記変形例とは異なり、ロングイニシャル動作を実行する制御を行い(ステップ72AKS011)、ステップ72AKS014に進む。ステップ72AKS011において、例えば、演出制御用CPU120は、ロングイニシャル制御バターン72AKP02のパターンデータをROM121の所定領域から読み出し、読出データに基づいて動作用モータAK011〜AK014による可動部材の動作制御を実行する。ステップ72AKS011における制御が実行されることにより、変更許可状態としての設定変更状態が終了してから、可動部材の初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。また、ステップ72AKS011における制御によりロングイニシャル動作が実行可能になるので、変更許可状態としての設定変更状態であるときに、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行わないようにすることができる。尚、ステップ72AKS014に進んだ後においても、ロングイニシャル動作期間が終了するまで、ステップ72AKS011における制御が継続して実行され、ショートイニシャル動作を実行する制御が行われてもよい。
ステップ72AKS001にて受信コマンドがRAMクリア通知コマンドであると判定された場合には(ステップ72AKS001;Yes)、ショートイニシャル動作を実行する制御を行い(ステップ72AKS012)、続いてロングイニシャル動作を実行する制御を行う(ステップ72AKS013)。ステップ72AKS013では、ステップ72AKS012での制御によるショートイニシャル動作が終了してから、ロングイニシャル動作を実行する制御が開始されればよい。ステップ72AKS012、72AKS013における制御が実行されることにより、電力供給の開始に伴い変更許可状態としての設定変更状態に制御されないときに、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。尚、ステップ72AKS014に進んだ後においても、ロングイニシャル動作期間が終了するまで、ステップ72AKS013における制御が継続して実行され、ショートイニシャル動作を実行する制御が行われてもよい。ステップ72AKS011における制御と、ステップ72AKS013における制御は、共通のロングイニシャル制御パターン72AKP02を用いて、共通の処理により実行されてもよい。あるいは、ステップ72AKS011における制御と、ステップ72AKS013における制御は、共通のロングイニシャル制御パターン72AKP02を用いる一方で、異なる処理により実行されてもよい。
その後、初期化報知を実行する制御を行う(ステップ72AKS014)。尚、初期化報知を実行する制御を行ってから、ロングイニシャル動作を実行する制御を行うようにしてもよい。ステップ72AKS001にて受信コマンドがRAMクリア通知コマンドであると判定された場合には、ステップ72AKS012によりショートイニシャル動作を実行する制御が行われる前に、初期化報知を実行する制御が行われてもよい。
ステップ72AKS004にて受信コマンドが設定確認開始コマンドであると判定された場合には(ステップ72AKS004;Yes)、上記変形例と同様に、遊技停止状態開始時処理を実行し(ステップ72AKS015)、設定確認報知を開始する制御を行う(ステップ72AKS016)。続いて、上記変形例とは異なり、ショートイニシャル動作を実行する制御を行う(ステップ72AKS017)。ステップ72AKS017における制御が実行されることにより、パチンコ遊技機1001にて設定されている設定値を確認するための設定確認状態であるときに、可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作を実行する制御を行うことができる。尚、ステップ72AKS018以降に進んだ後の期間においても、ショートイニシャル動作期間が終了するまで、ステップ72AKS017における制御が継続して実行され、ショートイニシャル動作を実行する制御が行われてもよい。
ステップ72AKS017による制御に続いて、上記変形例と同様に、設定確認を終了するか否かを判定する(ステップ72AKS018)。設定確認を終了しない場合には(ステップ72AKS018;No)、ステップ72AKS018を繰り返し実行して待機する。ステップ72AKS018にて設定確認を終了すると判定された場合には(ステップ72AKS018;Yes)、設定確認報知を終了する制御を行い(ステップ72AKS019)、遊技停止状態終了時処理を実行する(ステップ72AKS020)。
ステップ72AKS020にて遊技停止状態終了時処理を実行した後には、上記変形例とは異なり、ロングイニシャル動作を実行する制御を行い(ステップ72AKS021)、電源投入時コマンド処理を終了する。ステップ72AKS021における制御が実行されることにより、パチンコ遊技機1001にて設定されている設定値を確認するための設定確認状態が終了してから、可動部材の初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。また、ステップ72AKS021における制御によりロングイニシャル動作が実行可能になるので、設定値を確認するための設定確認状態であるときに、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行わないようにすることができる。尚、電源投入時コマンド処理が終了した後においても、ロングイニシャル動作期間が終了するまで、ステップ72AKS021における制御が継続して実行され、ロングイニシャル動作を実行する制御が行われてもよい。
ステップ72AKS002にて受信コマンドが停電復旧指定コマンドであると判定された場合には(ステップ72AKS002;Yes)、ショートイニシャル動作を実行する制御を行い(ステップ72AKS022)、続いてロングイニシャル動作を実行する制御を行ってから(ステップ72AKS023)、電源投入時コマンド処理を終了する。ステップ72AKS023では、ステップ72AKS022での制御によるショートイニシャル動作が終了してから、ロングイニシャル動作を実行する制御が開始されればよい。ステップ72AKS022、72AKS023における制御が実行されることにより、電力供給の開始に伴い変更許可状態としての設定変更状態に制御されないときに、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。尚、電源投入時コマンド処理が終了した後においても、ロングイニシャル動作期間が終了するまで、ステップ72AKS023における制御が継続して実行され、ロングイニシャル動作を実行する制御が行われてもよい。ステップ72AKS021における制御と、ステップ72AKS023における制御は、共通のロングイニシャル制御パターン72AKP02を用いて、共通の処理により実行されてもよい。あるいは、ステップ72AKS021における制御と、ステップ72AKS023における制御は、共通のロングイニシャル制御パターン72AKP02を用いる一方で、異なる処理により実行されてもよい。
(特徴部72AKに関する変形例の説明)
図35は、特徴部72AKの変形例において実行される電源投入時コマンド処理の一例を示すフローチャートである。この変形例における電源投入時コマンド処理では、ステップ72AKS001にて受信コマンドがRAMクリア通知コマンドであると判定された場合と(ステップ72AKS001;Yes)、ステップ72AKS010にて遊技停止状態終了時処理を実行した後に、ショートイニシャル動作を実行する制御を行い(ステップ72AKS031)、続いてロングイニシャル動作を実行する制御を行ってから(ステップ72AKS032)、ステップ72AKS014に進み、初期化報知を実行する制御を行う。ステップ72AKS001にて受信コマンドがRAMクリア通知コマンドであると判定された場合は、電源投入による電力供給の開始に伴い、遊技制御用マイクロコンピュータ100のRAM102における記憶内容を初期化(クリア)したことに対応して、ステップ72AKS014における制御が実行されることにより、初期化報知を実行する。この初期化報知が実行されるときには、ステップ72AKS031、72AKS032における制御が実行されることにより、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。また、ステップ72AKS010にて遊技停止状態終了時処理を実行した後にも、ステップ72AKS031、72AKS032における制御が実行されることにより、変更許可状態としての設定変更状態が終了してから、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。このように、ステップ72AKS001にて受信コマンドがRAMクリア通知コマンドであると判定された場合と、ステップ72AKS010にて遊技停止状態終了時処理を実行した後とにおいて、共通のステップ72AKS031、72AKS032における制御により、ショートイニシャル動作に続いてロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。
この変形例における電源投入時コマンド処理では、ステップ72AKS002にて受信コマンドが停電復旧指定コマンドであると判定された場合と(ステップ72AKS002;Yes)、ステップ72AKS020にて遊技停止状態終了時処理を実行した後に、ショートイニシャル動作を実行する制御を行い(ステップ72AKS033)、続いてロングイニシャル動作を実行する制御を行ってから(ステップ72AKS034)、電源投入時コマンド処理を終了する。ステップ72AKS002にて受信コマンドが停電復旧指定コマンドであると判定された場合は、電源投入による電力供給の開始に伴い、遊技制御用マイクロコンピュータ100のRAM102における記憶内容を停電時の記憶内容に復旧させる。このような停電復旧が実行されるときには、ステップ72AKS033、72AKS034における制御が実行されることにより、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。また、ステップ72AKS020にて遊技停止状態終了時処理を実行した後にも、ステップ72AKS033、72AKS034における制御が実行されることにより、パチンコ遊技機1001にて設定されている設定値を確認するための設定確認状態が終了してから、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。このように、ステップ72AKS002にて受信コマンドが停電復旧通知コマンドであると判定された場合と、ステップ72AKS020にて遊技停止状態終了時処理を実行した後とにおいて、共通のステップ72AKS033、72AKS034における制御により、ショートイニシャル動作に続いてロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。
ショートイニシャル動作やロングイニシャル動作は、初期化報知が行われることに伴い実行する制御が行われてもよいし、初期化報知が行われなくても実行する制御が行われてもよい。また、ショートイニシャル動作やロングイニシャル動作は、停電復旧報知が行われることに伴い実行する制御が行われてもよいし、停電復旧報知が行われなくても実行する制御が行われてもよい。また、遊技の進行に伴う演出を実行する制御が開始された後に、復帰動作条件が成立したことに基づいて、ショートイニシャル動作を実行する制御を行うようにしてもよい。遊技の進行に伴う演出を実行する制御が開始された後に、初期動作条件が成立したことに基づいて、ロングイニシャル動作を実行する制御を行うようにしてもよい。
可動部材の構成は、第1可動部材や第2可動部材を含む形態に限定されるものではなく、少なくとも、復帰動作となるショートイニシャル動作と、初期動作となるロングイニシャル動作を実行可能であり、遊技の進行に伴う演出において、予め定められた動作態様により動作可能なものであればよい。ショートイニシャル動作やロングイニシャル動作は、可動部材の構成にあわせて、任意に指定されたものであればよい。
以上のように、特徴部72AKの電源投入時コマンド処理では、ステップ72AKS007にて、ショートイニシャル動作を実行する制御を行う。こうして、電源投入による電力供給の開始に伴い、パチンコ遊技機1001における設定値の変更を許可する設定変更状態に制御された場合には、第1可動部材や第2可動部材といった可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作を実行する制御が行われる。これにより、設定値を変更するための制御が行われるときに、可動部材が原点位置に復帰されるので、設定値の変更作業などが可動部材によって妨げられないようにして、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。したがって、設定値の適切な設定が可能になる。
特徴部72AKの電源投入時コマンド処理では、ステップ72AKS001にて受信コマンドがRAMクリア通知コマンドであると判定された場合に、ステップ72AKS012、72AKS013における制御が行われることで、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行う。これに対し、ステップ72AKS007での制御によりショートイニシャル動作を実行した場合には、ステップ72AKS008にて設定変更を終了すると判定されるまで、ロングイニシャル動作を実行する制御を行わない。設定変更状態であるときに初期動作となるロングイニシャル動作が実行されると、設定変更報知の実行が妨げられ、適切な報知を行えなくなってしまうおそれがある。そこで、設定変更状態が終了してからロングイニシャル動作を実行する制御を行い、設定確認状態であるときにはロングイニシャル動作を実行する制御を行わないようにする。このように、変更許可状態としての設定変更状態であるときに、可動部材による初期動作となるロングイニシャル動作が実行されないようにして、設定値の変更作業が妨げられないようにすることで、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。したがって、設定値の適切な変更が可能になる。
ステップ72AKS008にて設定変更を終了すると判定された場合には、ステップ72AKS011にて、ロングイニシャル動作を実行する制御を行う。こうして、変更許可状態としての設定変更状態が終了してから、初期動作となるロングイニシャル動作のみを実行する制御を行う。これにより、設定値の変更作業に支障が生じることを防止する場合に、可動部材の無駄な動作を防止して、可動部材を動作させる制御負担を軽減することができる。したがって、設定値の適切な変更が可能になる。
特徴部72AKの変形例における電源投入時コマンド処理では、ステップ72AKS001にて受信コマンドがRAMクリア通知コマンドであると判定された場合に、ステップ72AKS031、72AKS032における制御が行われることで、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行う。このときには、ステップ72AKS014における制御が行われることで、初期化報知を実行する制御を行う。こうして、電源投入による電力供給の開始に伴い、RAM102における記憶内容が初期化(クリア)されることで、パチンコ遊技機1001における遊技の制御に関する初期化が行われた場合には、初期化報知が実行され、この初期化報知が実行されるときに、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行う。また、ステップ72AKS008にて設定変更を終了すると判定された場合にも、ステップ72AKS031、72AKS032における制御が行われることで、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行う。これにより、設定値の変更作業に支障が生じることを防止する場合に、可動部材の動作を共通化して、可動部材を動作させる制御負担を軽減することができる。したがって、設定値の適切な変更が可能になる。
特徴部72AKの電源投入時コマンド処理では、ステップAKS017にて、ショートイニシャル動作を実行する制御を行う。こうして、電源投入による電力供給の開始に伴い、パチンコ遊技機1001における設定値を確認するための設定確認状態に制御された場合には、第1可動部材や第2可動部材といった可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作を実行する制御が行われる。その後、ステップ72AKS018にて設定確認を終了すると判定された場合には、ステップ72AKS021にて、ロングイニシャル動作を実行する制御を行う。こうして、設定確認状態が終了してから、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行う。設定確認状態であるときに初期動作となるロングイニシャル動作が実行されると、設定確認報知の実行が妨げられ、適切な報知を行えなくなってしまうおそれがある。そこで、設定確認状態が終了してからロングイニシャル動作を実行する制御を行い、設定確認状態であるときにはロングイニシャル動作を実行する制御を行わないようにする。これにより、設定値の変更作業に支障が生じることを防止する場合に、設定確認状態であるときには、可動部材による初期動作となるロングイニシャル動作が実行されないようにして、設定値を容易に確認できるようにする。したがって、設定値の適切な変更が可能になる。
(特徴部72AKに係る手段の説明)
以上の特徴部72AKに関して、従来、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定に変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。また、可動部材を原点位置に復帰させる遊技機として、例えば特開2016−221154号公報に記載されているものがある。しかしながら、特開2010−200902号公報や特開2016−221154号公報に記載の技術では、設定の変更と可動部材の動作が競合する場合について、考慮されていなかった。そのため、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値に変更する作業に支障が生じるおそれがあった。そこで、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる遊技機を提供するための特徴部72AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1001など)であって、
複数の設定値のうちいずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)に設定可能な設定手段(例えばステップSa13の設定変更処理を実行するCPU103など)と、
設定された設定値にもとづいて遊技者にとっての有利度が異なるように遊技を進行可能な遊技制御手段(例えば特別図柄プロセス処理を実行するCPU103など)と、
電力供給の開始に伴い前記設定手段による設定値の変更を許可する変更許可状態に制御可能な設定制御手段(例えばステップSa6およびステップSa12の処理を実行するCPU103など)と、
遊技の進行に応じて動作可能な可動部材(例えば動作用モータAK011〜AK013によって動作する第1可動部材、動作用モータAK014によって動作する第2可動部材など)と、
少なくとも、前記可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作(例えばショートイニシャル動作など)の制御と、前記可動部材による初期動作(例えばロングイニシャル動作など)の制御とを実行可能な可動制御手段(例えばステップAKS012の電源投入時コマンド処理を実行する演出制御用CPU120など)とを備え、
前記可動制御手段は、前記変更許可状態であるときに、前記復帰動作を実行する制御を行う(例えばステップ72AKS007の実行など)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、変更許可状態であるときに、可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作が実行されるので、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
特徴部72AKに係る手段2の遊技機として、
前記可動制御手段は、
電力供給の開始に伴い前記変更許可状態に制御されないときに、前記復帰動作に続いて前記初期動作を実行する制御を行い(例えばステップ72AKS012、72AKS013の実行など)、
前記変更許可状態であるときに、前記復帰動作に続いて前記初期動作を実行する制御を行わない(例えばステップ72AKS008の実行など)、
ことを特徴とする特徴部72AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成においては、変更許可状態であるときに、可動部材による初期動作が実行されないようにして、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
特徴部72AKに係る手段3の遊技機として、
前記可動制御手段は、前記変更許可状態が終了してから、前記初期動作のみを実行する制御を行う(例えばステップ72AKS011の実行など)、
ことを特徴とする特徴部72AKに係る手段2の遊技機であってもよい。
このような構成においては、可動部材による無駄な動作を防止するとともに、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
特徴部72AKに係る手段4の遊技機として、
電力供給の開始に伴って遊技機の初期化が行われた場合に、初期化報知を実行する初期化報知手段(例えば画像表示装置5、スピーカ8L、8R、ステップ72AKS014を実行する演出制御用CPU120など)を備え、
前記可動制御手段は、
前記初期化報知が実行されるときに、前記復帰動作に続いて前記初期動作を実行する制御を行い(例えばステップ72AKS014の実行に伴うステップ72AKS031、72AKS032の実行など)、
前記変更許可状態が終了してから、前記復帰動作に続いて前記初期動作を実行する制御を行う(例えばステップ72AKS005〜72AKS010に続くステップ72AKS031、72AKS032の実行など)、
ことを特徴とする特徴部72AKに係る手段2の遊技機であってもよい。
このような構成においては、可動部材による動作を共通化して制御負担を軽減するとともに、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
特徴部72AKに係る手段5の遊技機として、
前記設定手段にて設定されている設定値を確認するための設定確認状態に制御可能な設定確認制御手段(例えばステップAKS002の設定確認処理を実行するCPU103など)を備え、
前記可動制御手段は、
前記設定確認状態であるときに、前記復帰動作を実行する制御を行い(例えばステップ72AKS017の実行など)、
前記設定確認状態が終了してから、前記初期動作を実行する制御を行う(例えばステップ72AKS021の実行など)、
ことを特徴とする特徴部72AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成においては、設定確認状態であるときに、可動部材による初期動作が実行されないようにして、設定値を容易に確認できるとともに、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
(特徴部73AKに関する説明)
図36は、本変形例の特徴部73AKに関し、演出制御用CPU120により実行される電源投入時コマンド処理の一例を示すフローチャートである。この電源投入時コマンド処理は、上記変形例における演出制御メイン処理のステップAKS012にて実行できればよい。特徴部73AKにおいても、ショートイニシャル動作やロングイニシャル動作の動作内容については、本変形例の特徴部72AKと同様の内容であればよい。特徴部73AKの電源投入時コマンド処理において、演出制御用CPU120は、上記変形例と同様に主基板11からの受信コマンドを判定する(ステップ73AKS001〜73AKS004)。ステップ73AKS003にて受信コマンドが設定変更開始コマンドであると判定された場合には(ステップ73AKS003;Yes)、上記変形例と同様に、遊技停止状態開始時処理を実行し(ステップ73AKS005)、設定変更報知を開始する制御を行う(ステップ73AKS006)。
ステップ73AKS006による制御を行った後には、設定変更を終了するか否かを判定する(ステップ73AKS007)。設定変更を終了しない場合には(ステップ73AKS007;No)、ステップ73AKS007を繰り返し実行して待機する。ステップ73AKS007にて設定変更を終了すると判定された場合には(ステップ73AKS007;Yes)、設定変更報知を終了する制御を行い(ステップ73AKS008)、遊技停止状態終了時処理を実行する(ステップ73AKS009)。このように、特徴部73AKの電源投入時コマンド処理では、変更許可状態としての設定変更状態であるときに、可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作としてのショートイニシャル動作を実行する制御を行わない。
ステップ73AKS001にて受信コマンドがRAMクリア通知コマンドであると判定された場合や(ステップ73AKS001;Yes)、ステップ73AKS009にて遊技停止状態終了時処理を実行した後には、ショートイニシャル動作を実行する制御を行い(ステップ73AKS010)、続いてロングイニシャル動作を実行する制御を行う(ステップ73AKS011)。ステップ73AKS011では、ステップ73AKS010での制御によるショートイニシャル動作が終了してから、ロングイニシャル動作を実行する制御が開始されればよい。ステップ73AKS010、73AKS011における制御が行われることにより、電力供給の開始に伴い変更許可状態としての設定変更状態に制御されないときに、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。また、電力供給の開始に伴い変更許可状態としての設定変更状態に制御された場合に、その設定変更状態が終了してから、復帰動作となるショートイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。あるいは、電力供給の開始に伴い変更許可状態としての設定変更状態に制御された場合に、その設定変更状態が終了してから、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。
その後、初期化報知を実行する制御を行う(ステップ73AKS012)。尚、初期化報知を実行する制御を行ってから、ショートイニシャル動作やロングイニシャル動作を実行する制御を行うようにしてもよい。あるいは、ショートイニシャル動作を実行する制御を行ってから、初期化報知を実行する制御を行い、その後にロングイニシャル動作を実行する制御を行うようにしてもよい。
ステップ73AKS004にて受信コマンドが設定確認開始コマンドであると判定された場合には(ステップ73AKS004;Yes)、上記変形例と同様に、遊技停止状態開始時処理を実行し(ステップ73AKS013)、設定確認報知を開始する制御を行う(ステップ73AKS014)。続いて、ショートイニシャル動作を実行する制御を行う(ステップ73AKS015)。ステップ73AKS015における制御が実行されることにより、パチンコ遊技機1001にて設定されている設定値を確認するための設定確認状態であるときに、可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作を実行する制御を行うことができる。尚、ステップ73AKS016以降に進んだ後の期間においても、ショートイニシャル動作期間が終了するまで、ステップ73AKS015における制御が継続して実行され、ショートイニシャル動作を実行する制御が行われてもよい。
ステップ73AKS015による制御に続いて、設定確認を終了するか否かを判定する(ステップ73AKS016)。設定確認を終了しない場合には(ステップ73AKS016;No)、ステップ73AKS016を繰り返し実行して待機する。ステップ73AKS016にて設定確認を終了すると判定された場合には(ステップ73AKS016;Yes)、設定確認報知を終了する制御を行い(ステップ73AKS017)、遊技停止状態終了時処理を実行する(ステップ73AKS018)。次に、ロングイニシャル動作を実行する制御を行い(ステップ73AKS019)、電源投入時コマンド処理を終了する。ステップ73AKS019における制御が実行されることにより、パチンコ遊技機1001にて設定されている設定値を確認するための設定確認状態が終了してから、可動部材の初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。また、ステップ73AKS019における制御によりロングイニシャル動作が実行可能になるので、設定値を確認するための設定確認状態であるときに、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行わないようにすることができる。尚、電源投入時コマンド処理が終了した後においても、ロングイニシャル動作期間が終了するまで、ステップ73AKS019における制御が継続して実行され、ロングイニシャル動作を実行する制御が行われてもよい。
ステップ73AKS002にて受信コマンドが停電復旧指定コマンドであると判定された場合には(ステップ73AKS002;Yes)、ショートイニシャル動作を実行する制御を行い(ステップ73AKS020)、続いてロングイニシャル動作を実行する制御を行ってから(ステップ73AKS021)、電源投入時コマンド処理を終了する。ステップ73AKS021では、ステップ73AKS020での制御によるショートイニシャル動作が終了してから、ロングイニシャル動作を実行する制御が開始されればよい。ステップ73AKS020、73AKS021における制御が実行されることにより、電力供給の開始に伴い変更許可状態としての設定変更状態に制御されないときに、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて、初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行うことができる。尚、電源投入時コマンド処理が終了した後においても、ロングイニシャル動作期間が終了するまで、ステップ73AKS021における制御が継続して実行され、ロングイニシャル動作を実行する制御が行われてもよい。ステップ73AKS019における制御と、ステップ73AKS021における制御は、特徴部72AKの場合と同様に、共通のロングイニシャル制御パターン72AKP02を用いて、共通の処理により実行されてもよい。あるいは、ステップ73AKS019における制御と、ステップ73AKS021における制御は、特徴部72AKの場合と同様に、共通のロングイニシャル制御パターン72AKP02を用いる一方で、異なる処理により実行されてもよい。
図37は、特徴部73AKに関して、設定確認報知の実行中に表示される設定確認報知画面73AKD01を示している。設定確認報知画面73AKD01では、「設定確認中」というメッセージを報知するための文字画像が表示されるとともに、パチンコ遊技機1001において設定された設定値の履歴が表示可能となる。設定値の履歴は、例えば演出制御基板12に搭載されたRAM122のバックアップ領域に設定値情報をRTC情報とともに記憶することにより、演出制御基板12の側において累積的に格納されてもよい。あるいは、設定値の履歴は、RAM122とは別個に設けられた不揮発性の記憶装置(例えばフラッシュメモリなど)にて、所定領域に設定値情報をRTC情報とともに記憶することにより、演出制御基板12の側において累積的に格納されてもよい。あるいは、設定値の履歴は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のRAM102にて、バックアップ領域に設定値情報をRTC情報とともに記憶しておき、設定確認開始コマンドが送信される場合に、設定値の履歴を特定可能な演出制御コマンドとして予め用意された設定値履歴コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信することにより、演出制御基板12の側では、電力供給の開始に伴い特定できるようにしてもよい。
設定確認報知画面73AKD01が表示される場合に、可動部材が原点位置から外れた位置で停止した状態になっていると、画像表示装置5の表示画面を視認しにくくなり、設定値の履歴を把握しにくくなる。そこで、特徴部73AKの電源投入時コマンド処理では、ステップ73AKS015における制御が実行されることにより、パチンコ遊技機1001にて設定されている設定値を確認するための設定確認状態であるときに、可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作となるショートイニシャル動作を実行する制御を行う。このように、電力供給の開始に伴い設定確認状態に制御される場合には、設定変更状態に制御される場合とは異なり、復帰動作となるショートイニシャル動作が実行されるので、設定確認報知画面73AKD01にて表示可能となる設定値の履歴を、遊技場の係員などが容易に把握することができる。その一方で、特徴部73AKの電源投入時コマンド処理では、ステップ73AKS018における制御によりロングイニシャル動作が実行可能になるので、パチンコ遊技機1001にて設定されている設定値を確認するための設定確認状態であるときに、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行わない。このように、電力供給の開始に伴い設定確認状態に制御される場合には、この設定確認状態であるときに、復帰動作となるショートイニシャル動作が実行される一方で、初期動作となるロングイニシャル動作が実行されないので、設定確認報知画面73AKD01にて表示可能となる設定値の履歴を、遊技場の係員などが容易に把握することができるようになってから、ロングイニシャル動作が実行されてしまう場合に可動部材により設定値の履歴が把握しにくくなってしまうことを防止できる。
尚、設定変更状態に制御される場合にも、設定値の履歴が表示可能となるものであってもよい。この場合には、変更許可状態としての設定変更状態であるときに、可動部材を原点位置に復帰させるショートイニシャル動作を実行する制御を行えばよい。このように、電力供給の開始に伴い設定確認状態に制御されることで、設定値の履歴が表示可能となる場合には、復帰動作となるショートイニシャル動作が実行されるようにして、設定値の履歴を容易に把握することができるものであってもよい。
以上のように、特徴部73AKの電源投入時コマンド処理では、ステップ73AKS001にて受信コマンドがRAMクリア通知コマンドであると判定された場合に、ステップ73AKS010にて、ショートイニシャル動作を実行する制御を行う。これに対し、ステップ73AKS003にて受信コマンドが設定変更開始コマンドであると判定された場合には、ステップ73AKS007にて設定変更を終了すると判定されるまで、ショートイニシャル動作を実行する制御を行わない。これにより、設定値を変更するための制御が行われるときに、可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作となるショートイニシャル動作が実行されないので、設定値の変更作業が復帰動作によって妨げられないようにして、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。したがって、設定値の適切な設定が可能になる。
特徴部73AKの電源投入時コマンド処理では、ステップ73AKS007にて設定変更を終了すると判定された後に、ステップ73AKS010における制御が行われることで、復帰動作としてのショートイニシャル動作を実行する制御を行う。このように、変更許可状態としての設定変更状態が終了してから、復帰動作となるショートイニシャル動作を実行する制御を行うので、設定値の変更作業に支障が生じることを防止する場合に、可動部材を適切に原点位置に復帰させる動作が可能になる。
特徴部73AKの電源投入時コマンド処理では、ステップ73AKS001にて受信コマンドがRAMクリア通知コマンドであると判定された場合に、ステップ73AKS010、73AKS011における制御が行われることで、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行う。このときには、ステップ73AKS012における制御が行われることで、初期化報知を実行する制御を行う。こうして、電源投入による電力供給の開始に伴い、RAM102における記憶内容が初期化(クリア)されることで、パチンコ遊技機1001における遊技の制御に関する初期化が行われた場合には、初期化報知が実行され、この初期化報知が実行されるときに、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行う。また、ステップ73AKS007にて設定変更を終了すると判定された場合にも、ステップ73AKS010、73AKS011における制御が行われることで、復帰動作となるショートイニシャル動作に続いて初期動作となるロングイニシャル動作を実行する制御を行う。これにより、設定値の変更作業に支障が生じることを防止する場合に、可動部材の動作を共通化して、可動部材を動作させる制御負担を軽減することができる。したがって、設定値の適切な変更が可能になる。
設定確認報知画面73AKD01では、パチンコ遊技機1001において設定された設定値の履歴が表示可能となる。特徴部73AKの電源投入時コマンド処理では、ステップ73AK004にて受信コマンドが設定確認開始コマンドであると判定された場合に、ステップ73AKS015にて、ショートイニシャル動作を実行する制御を行う。こうして、設定値の履歴を表示可能な設定確認表示となる設定確認報知画面73AKD01の表示が実行されているときに、復帰動作となるショートイニシャル動作を実行する制御を行う。これにより、設定値の変更作業に支障が生じることを防止する場合に、設定確認表示を容易に把握することができる。したがって、設定値の適切な変更が可能になる。
演出制御用CPU120は、主基板11から送信された演出制御コマンドに基づいて、パチンコ遊技機1001における遊技の進行に応じた演出の実行を制御する。特徴部73AKの電源投入時コマンド処理では、ステップ73AKS003にて、設定変更開始コマンドとなるコマンド9100Hを受信したときに、受信コマンドが設定変更開始コマンドであると判定される。主基板11から送信される設定変更開始コマンドとなるコマンド9100Hは、RAMクリア通知コマンドとなるコマンド9000Hや停電復旧指定コマンドとなるコマンド9200H、設定確認開始コマンドとなるコマンド9400Hとは異なっている。こうして、電源投入による電力供給の開始に伴い、パチンコ遊技機1001における設定値の変更を許可する設定変更状態に制御される場合に、設定変更状態に制御されない場合とは異なる情報としてのコマンドが送信される。これにより、設定値の変更作業に支障が生じることを防止する場合に、演出に関する制御負担を軽減することができる。したがって、設定値の適切な変更が可能になる。
(特徴部73AKに係る手段の説明)
以上の特徴部73AKに関して、従来、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定に変更可能な遊技機として、例えば特開2010−200902号公報に記載されているものがある。また、可動部材を原点位置に復帰させる遊技機として、例えば特開2016−221154号公報に記載されているものがある。しかしながら、特開2010−200902号公報や特開2016−221154号公報に記載の技術では、設定の変更と可動部材の動作が競合する場合について、考慮されていなかった。そのため、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値に変更する作業に支障が生じるおそれがあった。そこで、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる遊技機を提供するための特徴部73AKに係る手段1の遊技機として、
遊技を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1001など)であって、
複数の設定値のうちいずれかの設定値(例えば設定値1〜3のいずれかなど)に設定可能な設定手段(例えばステップSa13の設定変更処理を実行するCPU103など)と、
設定された設定値にもとづいて遊技者にとっての有利度が異なるように遊技を進行可能な遊技制御手段(例えば特別図柄プロセス処理を実行するCPU103など)と、
電力供給の開始に伴い前記設定手段による設定値の変更を許可する変更許可状態に制御可能な設定制御手段(例えばステップSa6およびステップSa12の処理を実行するCPU103など)と、
遊技の進行に応じて動作可能な可動部材(例えば動作用モータAK011〜AK013によって動作する第1可動部材、動作用モータAK014によって動作する第2可動部材など)と、
少なくとも、前記可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作の制御を実行可能な可動制御手段(例えばステップAKS012の電源投入時コマンド処理を実行する演出制御用CPU120など)とを備え、
前記可動制御手段は、
電力供給の開始に伴い前記変更許可状態に制御されないときに、前記復帰動作を実行する制御を行い(例えばステップ73AKS010の実行など)、
前記変更許可状態であるときに、前記復帰動作を実行する制御を行わない(例えばステップ73AKS005〜73AKS009の実行など)、
ことを特徴とする遊技機であってもよい。
このような構成によれば、変更許可状態であるときに、可動部材を原点位置に復帰させる復帰動作が実行されないので、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
特徴部73AKに係る手段2の遊技機として、
前記可動制御手段は、前記変更許可状態が終了してから、前記復帰動作を実行する制御を行う(例えばステップ73AKS010の実行など)、
ことを特徴とする特徴部73AKに係る手段1の遊技機であってもよい。
このような構成においては、可動部材を適切に動作させ、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
特徴部73AKに係る手段3の遊技機として、
電力供給の開始に伴って遊技機の初期化が行われた場合に、初期化報知を実行する初期化報知手段(例えば画像表示装置5、スピーカ8L、8R、ステップ73AKS012を実行する演出制御用CPU120など)を備え、
前記可動制御手段は、
前記初期化報知が実行されるときに、前記復帰動作に続いて前記可動部材による初期動作を実行する制御を行い(例えばステップ73AKS010〜73AKS012の実行など)、
前記変更許可状態が終了してから、前記復帰動作に続いて前記初期動作を実行する制御を行う(例えばステップ73AKS005〜73AKS009に続くステップ73AKS010の実行など)、
ことを特徴とする特徴部73AKに係る手段1または手段2の遊技機であってもよい。
このような構成においては、可動部材による動作を共通化して制御負担を軽減するとともに、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
特徴部73AKに係る手段4の遊技機として、
前記設定手段にて設定されている設定値を確認するための設定確認表示を実行可能な設定表示手段(例えば画像表示装置5など)を備え、
前記設定表示手段は、前記設定確認表示において前記設定手段にて設定された設定値の履歴を表示可能であり(例えば設定確認報知画面73AKD01の表示など)、
前記可動制御手段は、前記設定確認表示が実行されているときに、前記復帰動作を実行する制御を行い、前記初期動作を実行する制御を行わない(例えばステップ73AKS015、73AKS016の実行など)、
ことを特徴とする特徴部73AKに係る手段1〜手段3のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成においては、設定確認表示が実行されているときに、可動部材による初期動作が実行されないようにして、設定確認表示を容易に把握できるとともに、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
特徴部73AKに係る手段5の遊技機として、
前記遊技制御手段からの情報にもとづいて演出の実行を制御する演出制御手段(例えばAKS015のコマンド解析処理を実行する演出制御用CPU120など)を備え、
前記遊技制御手段は、電力供給の開始に伴い前記変更許可状態に制御される場合に、該変更許可状態に制御されない場合とは異なる情報(例えば設定変更開始コマンドとなるコマンド9100Hなど)を送信する、
ことを特徴とする特徴部73AKに係る手段1〜手段4のいずれかの遊技機であってもよい。
このような構成においては、演出制御手段による制御負担を軽減するとともに、設定値の変更作業に支障が生じることを防止できる。
また、上記第1可動部材や第2可動部材として、前記実施の形態にて説明した盤側演出装置300や枠側演出装置500の可動体を適用した場合でも、上記変形例と同様の作用・効果を奏する。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を可変表示可能な可変表示装置に可変表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された可変表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。