JP2019117928A - 電極内蔵構造体およびこれを備える静電チャック - Google Patents

電極内蔵構造体およびこれを備える静電チャック Download PDF

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Abstract

【課題】 加熱および冷却が繰り返されても、基体に亀裂が生じにくい電極内蔵構造体およびこれを備える静電チャックを提供する。【解決手段】 本開示の電極内蔵構造体は、セラミックスからなる基体と、該基体の少なくとも内部に位置する電極と、を備える。そして、電極は、複数の金属粒子が網目状に繋がっている。また、本開示の静電チャックは、上記構成の電極内蔵構造体と、静電吸着用電極とを備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、電極内蔵構造体およびこれを備える静電チャックに関する。
半導体デバイスの製造工程において、プラズマを発生させてウェハを処理するプラズマ処理を行なう場合は、プラズマ生成用の電極を有する構造体が必要となる。
このような構造体の一例として、特許文献1には、冷媒を通す流路が形成された第1のセラミックスの基材と、前記第1のセラミックスの基材における基板が載置される側の主面及び側面に形成された第1の導電層と、前記第1の導電層上に積層され、載置された基板を静電吸着する静電チャックと、を有し、前記流路の体積は、前記第1のセラミックスの基材の体積以上である、載置台が開示されている。
特開2014−160790号公報
近年では、構造体において、耐プラズマ特性に優れたセラミックスからなる基体を用いるとともに、プラズマに侵食されないよう電極を基体の内部に設けることが行なわれている。
プラズマ処理においては、加熱および冷却が繰り返される。このように、加熱および冷却が繰り返されたときには、金属からなる電極とセラミックスからなる基体とは熱膨張係数が異なるため、熱膨張差に起因する応力が繰り返しかかることとなり、基体に亀裂が生じるおそれがあった。
本開示は、このような事情を鑑みて案出されたものであり、加熱および冷却が繰り返されても、基体に亀裂が生じにくい電極内蔵構造体およびこれを備える静電チャックを提供することを目的とする。
本開示の電極内蔵構造体は、セラミックスからなる基体と、該基体の少なくとも内部に位置する電極と、を備える。そして、電極は、複数の金属粒子が網目状に繋がっている。
また、本開示の静電チャックは、上記構成の電極内蔵構造体と、静電吸着用電極とを備える。
本開示の電極内蔵構造体は、加熱および冷却が繰り返されても、基体に亀裂が生じにくく、長期間に亘って使用することができる。
また、本開示の静電チャックは、上記電極内蔵構造体を備えることから、信頼性に優れる。
本開示の電極内蔵構造体の一例を示す断面図である。 図1に示すS部における拡大図である。 本開示の電極内蔵構造体の他の例を示す断面図である。 本開示の電極内蔵構造体の他の例を示す断面図である。 本開示の静電チャックの一例を示す断面図である。
本開示の電極内蔵構造体およびこれを備える静電チャックについて、図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
本開示の電極内蔵構造体10は、図1に示すように、基体1と、基体1の少なくとも内部に位置する電極2と、を備える。ここで、電極2の形状は、どのような形状であっても構わない。例えば、図1においては、コの字状である。そして、基体1の下面においては、電極2の一部が露出している。
また、本開示の電極内蔵構造体10における基体1は、セラミックスからなる。セラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム質セラミックス、炭化珪素質セラミックス、コージェライト質セラミックス、窒化珪素質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミックスまたはムライト質セラミックス等が挙げられる。ここで、基体1が酸化アルミニウム質セラミックスからなるならば、加工性に優れ、かつ安価である。また、基体1が炭化珪素質セラミックスからなるならば、剛性に優れることから、基体1に要求される剛性を満足しつつ、基体1を小型化できる。
ここで、例えば、酸化アルミニウム質セラミックスとは、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、酸化アルミニウムを70質量%以上含有するものである。そして、本開示の電極内蔵構造体10における基体1の材質は、以下の方法により確認することができる。まず、X線回折装置(XRD)を用いて、基体1を測定し、得られた2θ(2θは、回折角度である。)の値よりJCPDSカードを用いて同定を行なう。次に、蛍光X線分析装置(XRF)を用いて、含有成分の定量分析を行なう。そして、例えば、上記同定により酸化アルミニウムの存在が確認され、XRFで測定したアルミニウム(Al)の含有量から酸化アルミニウム(Al)に換算した含有量が70質量%以上であれば、酸化アルミニウム質セラミックスである。なお、他のセラミックスに関しても、同じ方法で確認できる。
また、セラミックスの熱膨張係数は、一般的に、酸化アルミニウム質セラミックスが7.2ppm程度、炭化珪素質セラミックスが3.7ppm程度、コージェライト質セラミックスが1.5ppm程度、窒化珪素質セラミックスが2.8ppm程度、窒化アルミニウム質セラミックスが4.6ppm程度、ムライト質セラミックスが5.0ppm程度である。
次に、図2は、図1に示すS部における拡大図である。図2に示すように、本開示の電極内蔵構造体10における電極2は、複数の金属粒子3が網目状に繋がっている。ここで、金属の熱膨張係数は、セラミックスの熱膨張係数に比べて大きいものの、電極2において、複数の金属粒子3が網目状に繋がっていれば、緻密な金属からなる電極に比べて、電極2の熱膨張が小さくなる。よって、このような構成を満足していることで、セラミックスからなる基体1と複数の金属粒子3が網目状に繋がっている電極2との熱膨張差が小さいことから、加熱および冷却が繰り返されても、基体1に亀裂が生じにくく、長期間に亘って使用することができる。
ここで、電極2は、網目状の間に大気等の気体が存在していてもよい。このような構成
を満足するならば、加熱および冷却の際の金属粒子3の変形により発生する応力が緩和されることから、本開示の電極内蔵構造体10は、基体1に亀裂が生じにくくなる。なお、電極2において気体が占める割合を表す指標である、電極2の気孔率は、例えば、10%以上90%以下であってもよい。電極2の気孔率は、例えば、アルキメデス法を用いて測定することで算出すればよい。
次に、金属粒子3の材質は、例えば、白金または銅等である。なお、白金の一般的な熱膨張係数は8.8ppm程度であり、銅の一般的な熱膨張係数は16.7ppm程度である。
また、金属粒子3の形状は、例えば、球状または針状である。ここで、金属粒子3の大きさは、金属粒子3が球状であるならば、直径が0.5μm以上200μm以下であってもよい。金属粒子3が針状であるならば、直径が1μm以上50μm以下、長さが100μm以上5mm以下であってもよい。
また、本開示の電極内蔵構造体10は、図2に示すように、基体1および電極2の間に位置する接合層4を有していてもよい。このような構成を満足するならば、基体1と金属粒子3との熱膨張係数に起因して発生する応力を接合層4が緩和し、基体1に亀裂が生じにくくなる。なお、電極2の平均厚みを、例えば、0.3mm以上2mm以下とするならば、接合層4の平均厚みは、0.01μm以上10μm以下である。
また、本開示の電極内蔵構造体10における接合層4は、樹脂、金属およびガラスから選択される一つからなってもよい。ここで、樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂またはイミドアミド樹脂等であり、金属としては、例えば、ニッケル、白金または銅等であり、ガラスとしては、例えば、ホウ硅酸系ガラスまたは珪酸系ガラス等であればよい。このような構成を満足するならば、加熱および冷却が繰り返されても、接合層4により電極2が基体1から剥がれにくくなる。なお、接合層4が金属からなるならば、電気が主に電極2の接合層4を流れていくことから、抵抗が少なくなり、電流の損失が小さくなる。
また、本開示の電極内蔵構造体10は、網目状の間に樹脂を有していてもよい。このような構成を満足するならば、電極2が発熱した際に、樹脂を介して熱を基体1に伝えることができ、本開示の電極内蔵構造体10の放熱特性が向上する。
なお、網目状の間に位置する樹脂の材質は、例えば、シリコーン樹脂である。樹脂がシリコーン樹脂であるならば、他の樹脂(エポキシ樹脂等)に比べて弾力性があり、加熱および冷却に伴う金属粒子3の膨張および収縮の応力を吸収することができ、基体1に亀裂がさらに生じにくくなる。
また、本開示の電極内蔵構造体10は、基体1の内部に位置する流路5を備えていてもよい。この流路5に、温度調整用の流体を流すことで温度調整が可能となる。
そして、本開示の電極内蔵構造体10における基体1は、図1に示すように、載置面1aを備え、電極2の少なくとも一部は、載置面1aと流路5との間に位置していてもよい。ここで、載置面1aとは、ウェハ等の被処理物が載置される側の面のことであり、被処理物が直接載置される面である必要はない。
このような構成を満足するならば、電極2に電流を流すことで生成されるプラズマにより、被処理物のプラズマ処理が効率よく行なわれるとともに、流路5を流れる流体により、発熱する電極2を効率よく冷却することができる。
また、本開示の電極内蔵構造体10における電極2は、図3に示すように、給電端子11に近い端部(以下、単に電極2の端部とも記載する)が、保護層9に覆われていてもよい。ここで、給電端子11に近い端部とは、電極2が基体1の外表面から外部に突出していなければ、電極2の先端のことである。一方、図3に示すように、電極2が基板1の外表面から外部に突出しているならば、先端を含めたその突出した部分Aのことである。また、保護層9に覆われているとは、電極2の端部が外部に露出しないように、保護層9が電極2の端部に接して位置していることをいう。
このような構成を満足するならば、保護層9の存在によって、電極2の金属粒子3が浮遊粒子(パーティクル)として外部に拡散することで、被処理物にパーティクルが付着するおそれが低くなる。
ここで、保護層9とは、気孔率が5%未満であれば、どのような材料で構成されていても構わない。例えば、保護層9は、セラミックス、樹脂、金属およびガラスから選択される一つからなってもよい。ここで、セラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム質セラミックス、炭化珪素質セラミックス、コージェライト質セラミックス、窒化珪素質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミックスまたはムライト質セラミックス等であり、樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂またはイミドアミド樹脂等であり、金属としては、例えば、ニッケル、白金または銅等であり、ガラスとしては、例えば、ホウ硅酸系ガラスまたは珪酸系ガラス等であればよい。
また、本開示の電極内蔵構造体10における電極2の端部は、網目状の間に保護層9を構成する成分を有していてもよい。このような構成を満足するならば、電極2と保護層9との接合が強固なものとなり、加熱および冷却が繰り返された際に、電極2から保護層9が剥離するおそれが少なくなる。
また、保護層9が導電性を有するならば、図3に示すように、外部の電源に繋がる給電端子11を保護層9に繋げることで、電極2に電流を供給することが可能となる。
また、本開示の電極内蔵構造体10における給電端子11の少なくとも一部は、図4に示すように、電極2の内部に位置していてもよい。このような構成を満足するならば、加熱および冷却が繰り返された際に、給電端子11が抜けるおそれが少なく、電極2に電流を安定して供給することができる。また、保護層9が絶縁体であっても、給電端子11を介して、電極2に電流を供給することができる。
また、本開示の静電チャック20は、本開示の電極内蔵構造体10と、静電吸着用電極6とを備える。このように、本開示の静電チャック20は、本開示の電極内蔵構造体10を備えることから、信頼性に優れる。
ここで、図5には、電極内蔵構造体10の載置面1a上に位置し、内部に静電吸着用電極6を有する吸着構造体7を備える静電チャック20を例示している。また、吸着構造体7と電極内蔵構造体10とは、接着剤8を介して接合されていてもよい。また、吸着構造体7の材質は、例えば、誘電体材料である酸化アルミニウム質セラミックスまたは窒化アルミニウム質セラミックスである。そして、静電吸着用電極6の材質は、例えば、タングステン、モリブデンまたは白金等である。なお、吸着構造体7を設けず、電極内蔵構造体10の内部に静電吸着用電極6を設けて、電極内蔵構造体10自体を静電チャック20としても構わない。
次に、本開示の電極内蔵構造体およびこれを備える静電チャックの製造方法の一例について説明する。
まず、主成分となる原料(酸化アルミニウム、炭化珪素等)の粉末に、焼結助剤、バインダおよび溶媒等を添加して適宜混合して、スラリーを作製する。次に、このスラリーを用いて、ドクターブレード法によりグリーンシートを形成し、金型による打ち抜きやレーザー加工を施し、所望形状とする。または、このスラリーを噴霧乾燥して、造粒された顆粒を得る。その後、この顆粒を圧延することでグリーンシートを形成し、金型による打ち抜きやレーザー加工を施し、所望形状とする。
次に、グリーンシートを積層していくことによって、貫通孔を有する成形体を得る。このとき、積層することによって、成形体の内部に流路を形成してもよい。その後、この成形体を焼成することによって、貫通孔を有する基体を得る。
次に、白金または銅等からなる複数の金属粒子を水に混合した混合液を準備する。そして、基体における貫通孔の一方の開口部に水が通るフィルターを設けた後、貫通孔の他方の開口部から圧力をかけながら混合液を流し込む。その後、乾燥させることで、基体の貫通孔内に複数の金属粒子が残った状態となる。
次に、基体を加熱するか、基体に超音波振動を与えることにより、金属粒子同士を接合させ、複数の金属粒子が網目状に繋がっている電極を備えた電極内蔵構造体を得る。なお、金属粒子に電気を流すことで、金属粒子同士を接合させることもできる。
また、基体および電極の間に接合層を形成するには、以下の方法で電極内蔵構造体を製造すればよい。
まず、接合層を金属で構成する場合には、貫通孔を有する基体を得た後、無電解めっきにより、金属からなる接合層を貫通孔の内壁に形成する。または、接合層を樹脂またはガラスで構成する場合には、それぞれを主成分としたペーストを貫通孔に流し込むことで貫通孔の内壁にペーストを塗布した後、乾燥または熱処理を行なうことで、樹脂またはガラスからなる接合層を貫通孔の内壁に形成する。そして、基体における貫通孔の一方の開口部に水が通るフィルターを設けた後、貫通孔の他方の開口部から圧力をかけながら混合液を流し込み、乾燥させる。その後、基体を加熱するか、基体に超音波振動を与えることにより、金属粒子同士と金属粒子および接合層とを接合させ、貫通孔の内壁に接する接合層を有する電極を備えた電極内蔵構造体を得る。なお、接合層を金属で構成する場合には、接合層に電気を流すことで、金属粒子同士と金属粒子および接合層とを接合させることもできる。
また、電極の端部を保護層で覆う場合、セラミックス、樹脂、金属およびガラスからなる部材を保護層として電極の端部に接合すればよい。または、セラミックス、樹脂、金属およびガラスを主成分とするペーストを電極の端部に塗布し、乾燥および熱処理することで保護層を形成してもよい。特に、ペーストを用いれば、電極の端部の網目状の間に保護層を構成する成分を存在させることができる。
なお、給電端子の少なくとも一部を電極2の内部に位置させるには、給電端子の形状に合わせた穴を電極にあけ、この穴に給電端子を挿入すればよい。また、保護層は、給電端子を挿入する穴を有する部材を用意し、電極の端部に接するように上記部材を接合させるか、電極の端部および給電端子にペーストを塗布し、乾燥および熱処理することで形成することができる。
また、静電吸着用電極を備えた吸着構造体を別途製造した後、接着剤を介して吸着構造体を電極内蔵構造体に接合することで、静電チャックを得ることができる。または、上述
した電極内蔵構造体の製造方法において、グリーンシートを積層して基体となる成形体を得る際に、タングステン、モリブデンまたは白金等からなる金属シートまたは金属ペーストをグリーンシート同士の間に挟み込むことで、焼成後において、この金属シートまたは金属ペーストが静電吸着用電極となり、電極内蔵構造体を静電チャックとして利用することができる。
なお、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
1:基体
2:電極
3:金属粒子
4:接合層
5:流路
6:静電吸着用電極
7:吸着構造体
8:接着剤
9:保護層
10:電極内蔵構造体
11:給電端子
20:静電チャック

Claims (9)

  1. セラミックスからなる基体と、
    該基体の少なくとも内部に位置する電極と、を備え、
    該電極は、複数の金属粒子が網目状に繋がっている、電極内蔵構造体。
  2. 前記基体および前記電極の間に位置する接合層を有する、請求項1に記載の電極内蔵構造体。
  3. 前記接合層は、樹脂、金属およびガラスから選択される一つからなる、請求項2に記載の電極内蔵構造体。
  4. 前記網目状の間に樹脂を有する、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電極内蔵構造体。
  5. 前記基体は、載置面と、前記基体の内部に位置する流路とを備え、前記電極の少なくとも一部は、前記載置面と前記流路との間に位置している、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電極内蔵構造体。
  6. 給電端子を有し、
    前記電極は、前記給電端子に近い端部が、保護層に覆われている、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電極内蔵構造体。
  7. 前記端部は、前記網目状の間に前記保護層を構成する成分を有する、請求項6に記載の電極内蔵構造体。
  8. 前記給電端子の少なくとも一部は、前記電極の内部に位置している、請求項6または請求項7に記載の電極内蔵構造体。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電極内蔵構造体と、静電吸着用電極とを備える、静電チャック。
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