JP2019116929A - 燃料電池車両の高圧ガスタンクシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧ガスタンクの保護を図るとともに、燃料ガス充填への影響を小さくする。【解決手段】第1種の高圧ガスタンクおよび第1種の高圧ガスタンクよりも長を有する第2種の高圧ガスタンクに燃料ガスの充填を行なう場合において、(a)燃料ガスの充填を開始する際に、第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が予め定めた温度以下の時には、第2種の高圧ガスタンクと充填側マニホールドとの間の流路に設けられた充填遮断バルブを閉じて、第2種の高圧ガスタンクへの燃料ガスの充填を行なわずに、第1種の高圧ガスタンクのうちの少なくとも1つへの燃料ガスの充填を開始し、(b)第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が予め定めた温度よりも高くなった後、充填遮断バルブを開いて、第2種の高圧ガスタンクへの燃料ガスの充填を開始する。【選択図】図6

Description

本発明は、燃料電池車両の高圧ガスタンクシステムに関する。
燃料電池を搭載した車両(以下、単に「燃料電池車両」とも呼ぶ)では、搭載された高圧ガスタンクに貯蔵された燃料ガスとしての水素と、空気に含まれる酸化ガスとしての酸素とを用いて燃料電池による発電が行なわれる。高圧ガスタンクへの燃料ガスの充填は、例えば、燃料ガス充填装置の側の燃料ガスを供給するためのノズルを、燃料電池車両の燃料ガスの供給を受けるためのレセプタクルに嵌合装着させて、燃料ガス充填装置のガス充填元タンクから燃料電池車両の高圧ガスタンクへ向けて燃料ガスを供給することで行なわれる(例えば、特許文献1)。
特開2014−47491号公報
燃料電池車両の走行可能距離を向上させる一手段として、燃料ガスを貯蔵する高圧ガスタンクを複数備えることが考えられる。燃料電池車両に複数の高圧ガスタンクを配置するためには、燃料電池車両の限られた空間領域に複数の高圧ガスタンクを配置しなければならず、配置可能な空間領域に合わせた形状を有する高圧ガスタンクを用いることが望まれる。
複数の高圧ガスタンクの配置の一例として、1つの高圧ガスタンクを、車内中央で車長方向に伸びたセンタートンネルと呼ばれる空間領域に、高圧ガスタンクの長さ方向を車長方向に沿わせて配置(以下、「縦配置」とも呼ぶ)し、その後方の空間領域に、他の高圧ガスタンクを、高圧ガスタンクの長さ方向を車幅方向に沿わせて配置(以下、「横配置」とも呼ぶ)する配置が考えられる。高圧ガスタンクが横方向配置される燃料電池車両の後方の空間領域は、他の空間領域間に比べて余裕があるため、高圧ガスタンクの長さ(以下、「タンク長」とも呼ぶ)および高圧ガスタンクの径(以下、「タンク径」とも呼ぶ)の制限は小さい。しかし、センタートンネルは、車長方向は他の空間領域に比べて余裕があるが、車幅方向の制限が他の空間領域に比べて厳しく、タンク径の制限が大きい。このため、センタートンネルに縦配置される高圧ガスタンクには、後方空間領域に横配置される高圧ガスタンクに比べて、タンク長が長く、タンク径が細い高圧ガスタンクを用いることが望まれる。
上記のように、基準となる高圧ガスタンク(以下、「基準高圧ガスタンク」とも呼ぶ)に比べて、タンク長が長くなった高圧ガスタンク(以下、「長尺高圧ガスタンク」とも呼ぶ)を含む場合、以下で説明するように、極低温・低圧環境下で燃料ガスの充填を行なった場合に、長尺高圧ガスタンクの耐久性や信頼性に悪影響が発生する可能性がある。極低温・低圧環境下で燃料ガスの充填を行なう場合としては、例えば、−30℃以下の極低温環境下で、速度100km/h以上の高い速度および1時間以上連続での走行がなされて、燃料ガスが満タンに対応する圧力からガス欠に対応する圧力まで高圧ガスタンク内の圧力が低下した状態となるまで燃料ガスが消費され、直後に燃料ガスの充填を行なった場合が、代表例として挙げられる。
高圧ガスタンクは、通常、樹脂製のライナーの外周が、繊維強化樹脂で形成された補強層で覆れた構造を有し、ライナーと補強層との間には隙間がある。この隙間は、高圧ガスタンクのタンク長が長いほど相対的に大きくなり、また、タンク径が細いほど相対的に大きくなる。また、環境温度が低いほど、補強層の縮小量に比べてライナーの縮小量の方が大きくなり、隙間は大きくなる。また、燃料ガスの充填によるタンク内の圧力上昇に伴うライナーの膨張量、すなわち、隙間の縮小量は、タンク長が長いほど相対的に小さくなり、また、タンク径が細いほど相対的に小さくなる。これらのことから、極低温・低圧環境下からの燃料ガスの充填に伴ってライナーが膨張した場合に、基準高圧ガスタンクのライナーでは補強層に接触するが、長尺高圧ガスタンクのライナーでは補強層に接触せずに、ライナーに対して局部的な応力集中が発生して、ライナーに長尺高圧ガスタンクの耐久性や信頼性の低下を招く可能性がある。なお、タンク長が長くなることに加えてタンク径が細くなれば、高圧ガスタンクの耐久性や信頼性の低下の問題はより顕著となる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池車両の高圧ガスタンクシステムが提供される。この燃料電池車両の高圧ガスタンクシステムは;基準となる1以上の第1種の高圧ガスタンクと;前記第1種の高圧ガスタンクよりも長いタンク長を有する1以上の第2種の高圧ガスタンクと;前記第1種の高圧ガスタンクと、前記第2種の高圧ガスタンクと、燃料ガスの充填用のレセプタクルとに、それぞれの流路を介して接続された充填側マニホールドと;前記第2種の高圧ガスタンクと前記充填側マニホールドとの間の流路に設けられ、前記第2種の高圧ガスタンクへの前記レセプタクルからの前記燃料ガスの充填を遮断するための充填遮断バルブと;前記第2種の高圧ガスタンクの内部に設けられた温度センサーと、
前記充填遮断バルブを制御する制御部と;を備える。前記制御部は、前記第1種の高圧ガスタンクおよび前記第2種の高圧ガスタンクに前記燃料ガスの充填を行なう場合において;(a)前記燃料ガスの充填を開始する際に、前記温度センサーで測定される前記第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が予め定めた温度以下の時には、前記充填遮断バルブを閉じて、前記第2種の高圧ガスタンクへの前記燃料ガスの充填を行なわずに、前記第1種の高圧ガスタンクのうちの少なくとも1つへの前記燃料ガスの充填を開始し;(b)前記第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が前記予め定めた温度よりも高くなった後、前記充填遮断バルブを開いて、前記第2種の高圧ガスタンクへの前記燃料ガスの充填を開始する。
上記形態の燃料電池車両の高圧ガスタンクシステムによれば、複数の高圧ガスタンクに燃料ガスを充填する場合において、燃料ガスの充填を開始する際に、第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が予め定めた温度以下の時には、充填遮断バルブを閉じて、第2種の高圧ガスタンクを除く第1種の高圧ガスタンクのうちの少なくとも1つへの燃料ガスの充填を開始する。そして、第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が予め定めた温度よりも高くなった後、充填遮断バルブを開いて、第2種の高圧ガスタンクへの燃料ガスの充填を開始する。これにより、第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が予め定めた温度以下の間、第2種の高圧ガスタンクへの充填が行なわれないので、第1種の高圧ガスタンクに比べて耐久性や信頼性の低下を招く可能性の高い第2種の高圧ガスタンクを保護して、第2種の高圧ガスタンクの耐久性や信頼性の低下を抑制することが可能である。
また、第2種の高圧ガスタンクが予め定めた温度以下の間、第2種の高圧ガスタンクを除く第1種の高圧ガスタンクのうちの少なくとも1つへの燃料ガスの充填を行なうことができるので、第2種の高圧ガスタンクが予め定めた温度よりも高くなるまで、全ての高圧ガスタンクへの充填を不可とする場合に比べて、充填不可の期間を無くすことができ、充填完了までの時間の遅延を少なくすることができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、燃料電池車両の高圧ガスタンクシステム、燃料電池車両の複数の高圧ガスタンクへの充填システム、燃料電池車両の複数の高圧ガスタンクへの充填方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての燃料電池車両を示す概略図。 燃料電池車両に搭載された燃料電池システムを概略的に示す説明図。 第1水素ガスタンクの構成を概略的に示す説明図。 第1水素ガスタンクの一部領域を拡大して示す説明図。 図4に対応する第2水素ガスタンクの一部領域を拡大して示す説明図。 水素ガスの充填の処理を示すフローチャート。
A.実施形態:
図1は本発明の一実施形態としての燃料電池車両10を示す概略図である。本明細書において、燃料電池車両10における方向に関する記載(「右」、「左」、「前」、「後」、「上」、「下」)は、それぞれ、燃料電池車両10に搭乗しているときの運転者を基準とする方向である。図1において、X軸方向は車両の前後方向(車長方向)を示し、Y軸方向は車両の上下方向(車高方向)を示し、Z軸方向は車両の幅方向(左右方向、車幅方向)を示す。
燃料電池車両10は、燃料電池スタック(以下、単に「燃料電池」とも呼ぶ)100で車両の動力源となる電力の発電を行なう燃料電池システムを搭載する。燃料電池システムは、2つの水素ガスタンク110r,110fを含む高圧ガスタンクシステムを有する。図1では、燃料電池100および水素ガスタンク110r,110f以外の各構成要素は、図示および説明の便宜上省略されている。
燃料電池車両10は、燃料電池100で発電された電力により不図示のモータを駆動して前輪FWおよび後輪RWを回転させ、走行する電気自動車である。燃料電池100は、水素ガスタンク110r,110fから供給される燃料ガスとしての水素ガスと、酸化ガスとしての空気中の酸素と、の電気化学反応によって発電する。水素ガスタンク110r,110fは、燃料電池100の発電に利用される水素ガスを貯蔵する容器である。
燃料電池100は、車両10の乗員室14の前方のフロントコンパートメント12に収容されている。2つの水素ガスタンク110r,110fのうち、一方の水素ガスタンク110fは、タンクの長手方向(タンク長方向)が、車長方向(X方向)に沿って延びた細長い空間領域であるセンタートンネル18に沿うように配置(縦配置)され、他方の水素ガスタンク110rは、一方の水素ガスタンク110fの後方で、タンクの長手方向(タンク長方向)が、車幅方向(Z方向)に沿うように配置(横配置)されている。なお、センタートンネル18は、燃料電池車両10の床15のうち、車幅方向(Z方向)の中央部分16で、車幅方向の両側部分17よりも車高方向(Y方向)の上方向に突出し、車長方向(X方向)に沿って延びた部分の床下の空間領域である。一方の水素ガスタンク110fは、センタートンネル18の細長い空間領域に配置するために、他方の水素ガスタンク110rに比べて、そのタンク径が細く、そのタンク長が長い形状の高圧ガスタンクとされている。水素ガスタンク110rが「第1種の高圧ガスタンク」に相当し、水素ガスタンク110fが「第2種の高圧ガスタンク」に相当する。そこで、以下では、説明の便宜上、一方の水素ガスタンク110rを「第1水素ガスタンク110r」、他方の水素ガスタンク110fを「第2水素ガスタンク110f」とも呼ぶ。
図2は、燃料電池車両10に搭載された燃料電池システム20を概略的に示す説明図である。この燃料電池システム20は、燃料電池100と、水素ガス供給系120と、モータ駆動のコンプレッサ150を含む空気供給系160と、図示しない冷却系と、制御装置200と、を備える。
燃料電池100は、電解質膜の両側にアノードとカソードの両電極を接合させた膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly/MEA)を備える発電モジュールを積層して構成される。燃料電池100は、後述の水素ガス供給系120から供給された水素ガス中の水素と、空気供給系160から供給された空気中の酸素と、の電気化学反応により発電し、その発電電力にて駆動用モータ等の負荷を駆動する。
水素ガス供給系120は、燃料電池100に供給する燃料ガスとしての水素ガスを高圧貯蔵する高圧ガスタンクとして第1水素ガスタンク110rおよび第2水素ガスタンク110fを備える。第1水素ガスタンク110rの口金には、バルブユニット111rが装着され、第2水素ガスタンク110fの口金にはバルブユニット111fが装着されている。水素ガス供給系120は、第1水素ガスタンク110rのバルブユニット111rおよび第2水素ガスタンク110fのバルブユニット111fを介して、水素ガスタンク110r,110fから燃料電池100へ水素ガスを供給する供給側部分と、水素ガスタンク110r,110fへ水素ガスを充填する充填側部分とに区分される。
供給側部分には、バルブユニット111r,111fの後述する供給機構部分と、供給側タンク管路116r,116fと、供給側マニホールド121と、水素ガス供給管路120Fと、水素ガス循環管路124と、放出管路129と、を備える。供給側マニホールド121は、第1水素ガスタンク110rのバルブユニット111rの供給側ポートPsrに接続された供給側タンク管路116rと、第2水素ガスタンク110fのバルブユニット111fの供給側ポートPsfに接続された供給側タンク管路116fと、燃料電池100の水素ガス供給口に接続された水素ガス供給管路120Fとを、繋ぐ多岐管(本例では4分岐管)である。供給側マニホールド121の1つの分岐ポートには供給側圧力センサー121Pが設けられている。
また、充填側部分には、バルブユニット111r,111fの後述する充填機構部分と、レセプタクル122と、水素ガス充填管路120Rと、充填側マニホールド123と、充填側タンク管路117r,117fと、充填遮断バルブ118と、を備える。充填側マニホールド123は、第1水素ガスタンク110rのバルブユニット111rの充填側ポートPfrに接続された充填側タンク管路117rと、第2水素ガスタンク110fのバルブユニット111fの充填側ポートPffに接続された充填側タンク管路117fと、レセプタクル122に接続された水素ガス充填管路120Rと、を繋ぐ多岐管(本例では4分岐管)である。充填側マニホールド123の1つの分岐ポートには充填側圧力センサー123Pが設けられている。
第1水素ガスタンク110rのバルブユニット111rは、メインバルブ112rと、開閉バルブ113r、逆止弁115rおよび供給側ポートPsrと、充填側ポートPfrおよび逆止弁114rと、を備える。メインバルブ112rから分岐されて供給側タンク管路116rへ向けて順に配置される開閉バルブ113rと逆止弁115rと供給側ポートPsrとは、供給機構部分を構成する。メインバルブ112rから分岐されて充填側タンク管路117rとの間に配置される逆止弁114rおよび充填側ポートPfrは、充填機構分を構成する。また、バルブユニット111rには、バルブユニット111rが第1水素ガスタンク110rに装着された状態でタンク内温度を検出する温度センサーTSrを備えている。第2水素ガスタンク110fのバルブユニット111fもバルブユニット111rと同様に、メインバルブ112fと、供給機構部分を構成する開閉バルブ113f、逆止弁115fおよび供給側ポートPsfと、充填機構部分を構成する逆止弁114fおよび充填側ポートPffと、温度センサーTSfと、を備える。温度センサーTSr,TSfは、図示しない信号線にて後述の制御装置200と接続され、検出したタンク内温度を制御装置200に出力する。なお、バルブユニット111r,111fには、タンク内温度が所定温度以上になったときにタンク内部の水素ガスを外部に放出するための溶栓弁が含まれる。
メインバルブ112r,112fは、車両搭載前の状態において流路開放側に手動操作され、流路開放を維持する。開閉バルブ113r,113fは、後述の制御装置200の制御下で開閉駆動し、逆止弁115r,115fを介して、供給側タンク管路116r,116fによって、供給側マニホールド121に接続される。逆止弁115r,115fは、ガス通過を開閉バルブ113r,113fの側からのみに規制する。逆止弁114r,114fは、充填側タンク管路117r,117fによって、充填側マニホールド123と接続され、ガス通過を充填側マニホールド123の側からのみに規制する。
上記管路構成により、第1水素ガスタンク110rおよび第2水素ガスタンク110fは、水素ガス供給管路120Fの供給側マニホールド121から分岐した供給側タンク管路116r,116fを介して燃料電池100に接続され、この燃料電池100に対して並列に接続されることになる。また、第1水素ガスタンク110rおよび第2水素ガスタンク110fは、水素ガス充填管路120Rの充填側マニホールド123から分岐した充填側タンク管路117r,117fを介してレセプタクル122に接続され、レセプタクル122に対して並列に接続されることになる。なお、第2水素ガスタンク110fの側の充填側タンク管路117fには充填遮断バルブ118が配置されている。充填遮断バルブ118は、後述の制御装置200の制御下で開閉駆動し、第2水素ガスタンク110fへの水素ガスの充填を遮断し、第1水素ガスタンク110rへの水素ガスの充填のみに規制する。
水素ガス供給管路120Fは、供給側マニホールド121の側から減圧バルブ126とインジェクター125とを備えている。水素ガス循環管路124は、その一方端が燃料電池100の未消費の水素ガスの排出口に接続されており、他方端はインジェクター125よりも燃料電池100の側で水素ガス供給管路120Fに接続されている。水素ガス循環管路124は水素循環ポンプ128を備えている。放出管路129は、水素循環ポンプ128よりも燃料電池100の側の水素ガス循環管路124と、後述する空気供給系160の放出管路162との間に接続されており、排出バルブ127を備える。減圧バルブ126は後述の制御装置200の制御を受けて駆動し、減圧後の水素ガスをインジェクター125に流す。インジェクター125は、後述の制御装置200の制御を受けて駆動し、燃料電池100に水素ガスを噴出供給する。水素循環ポンプ128は、後述の制御装置200の制御を受けて駆動し、燃料電池100から排出された排出ガスに含まれる未消費の水素ガスを燃料電池100に循環供給する。排出バルブ127は、後述する制御装置200の制御を受けて駆動し、燃料電池100から排出された排出ガスを放出管路129および後述する放出管路162を介して大気放出する。
上記管路構成を備える水素ガス供給系120は、水素循環ポンプ128により調整される流量で、燃料電池100から排出された排出ガスに含まれる未消費の水素ガスを、燃料電池100のアノードに循環供給するとともに、インジェクター125から噴出供給される水素ガスを、燃料電池100のアノードに供給する。また、水素ガス供給系120は、燃料電池100のアノードから水素ガス循環管路124に排出される排出ガスの不純物濃度が高くなった場合に、排出バルブ127を介して水素ガス循環管路124から放出管路129へ排出ガスを放出する。なお、水素ガスの供給、水素ガスの循環供給、および、排出ガスの放出の制御は、燃料電池100のアノードへの水素ガスの供給が燃料電池100に要求される発電量に応じた流量となるように、後述する制御装置200による、減圧バルブ126、インジェクター125、水素循環ポンプ128、および排出バルブ127の制御によって行われる。
また、水素ガス供給系120におけるレセプタクル122は、既存のガソリン車両における車両側方の燃料給油箇所に相当するガス充填箇所に位置し、車両外装側カバー(「リッド」とも呼ぶ)で覆われている。そして、図示しない水素ガスステーションでの水素ガス充填に際しては、レセプタクル122は、当該ステーションのガス充填ノズルGnに嵌合装着される。ガス充填ノズルGnから高圧で充填供給された水素ガスは、充填側マニホールド123および充填側タンク管路117r,117fを経て、水素ガスタンク110r,110fに導かれる。こうしたガス充填に際して、水素ガスタンク110r,110fごとの温度センサーTSr,TSfおよび充填側圧力センサー123Pは、タンク内温度および充填ガス圧力を制御装置200およびステーション内制御装置に出力し、充填ガス量や充填ガス圧の確認に用いられる。なお、水素ガス供給系120における水素ガスの充填については、さらに後述する。
空気供給系160は、コンプレッサ150を経て燃料電池100のカソードの入口に接続された酸素供給管路161と、カソードの出口から未消費の空気(カソードオフガス)を大気放出する放出管路162と、放出管路162に設けられた排出流量調整バルブ163とを備える。この空気供給系160は、酸素供給管路161の開口端から取り込んだ空気を、コンプレッサ150にて流量調整した上で燃料電池100のカソードに供給しつつ、放出管路162の排出流量調整バルブ163で調整された流量でカソードオフガスを、放出管路162を介して大気放出する。
制御装置200は、論理演算を実行するCPUやROM、RAM等を備えたいわゆるマイクロコンピュータで構成され、アクセル等のセンサー入力やガス充填に伴うセンサー入力、例えば、温度センサーTSr,TSf、供給側圧力センサー121P、充填側圧力センサー123P等のセンサー入力を受けて、インジェクター125や減圧バルブ126、開閉バルブ113r,113f、充填遮断バルブ118等の各種のバルブの開閉制御を含む燃料電池100の種々の制御を行なう。
図3は、第1水素ガスタンク110rの構成を概略的に示す説明図である。図3において、上半分は断面図であり、下半分は正面図である。図3において、第1水素ガスタンク110rの中心軸AXは、一点鎖線により示している。第1水素ガスタンク110r(以下、単に「タンク110r」とも呼ぶ)は、タンク本体210と、タンク110rの両端部にそれぞれ設けられたプロテクタ240,241とを備える。タンク本体210は、ライナー220と、ライナー220の外周面を被覆する補強層230とを備える。
ライナー220は、水素ガスを密封するための空間を内部に形成する。ライナー220は、例えば、ナイロン系樹脂(ポリアミド系樹脂)やポリエチレン系樹脂等の合成樹脂によって形成することができ、本実施形態ではナイロンによって形成している。ライナー220は、中空円筒状のシリンダ部222と、シリンダ部222の両側に続く略半球状の2つのドーム部224とに区分可能である。ライナー220の両端の各々には、ドーム部224の頂上の位置に、第1口金212あるいは第2口金214が配置されている。第1口金212は、タンク110rの内部の空間と連通する貫通孔215を有すると共に、第1口金212の開口部を開閉するバルブユニット111r(図1参照)を備える。第2口金214は、有底孔216を有する。
補強層230は、繊維強化プラスチック(FRP)によって形成される層である。具体的には、樹脂を含浸させた長繊維を、フィラメントワインディング法(以下、「FW法」と呼ぶ)によりライナー220の表面に巻回し、その後、樹脂を硬化させた層である。補強層230の樹脂としては、エポキシ樹脂や、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、およびアラミド繊維等が挙げられる。本実施形態では、繊維として炭素繊維を用いた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)による層およびガラス繊維を用いたガラス繊維強化プラスチック(GFRP)による層で補強層230を形成している。
プロテクタ240,241は、ライナー220の両端部のドーム部224において補強層230の上に配置されており、外部から受ける衝撃と、タンク110rの内圧による応力からタンク110rを保護する保護部材である。第1口金212側のドーム部224上には、プロテクタ240が配置されており、第2口金214側のドーム部224上には、プロテクタ241が配置されている。タンク110rの内部には、第1口金212にバルブユニット111rが装着されることにより、温度センサーTSrが配置される。
図示は省略するが、第2水素ガスタンク110fも第1水素ガスタンク110rと同様の構成を有している。但し、第2水素ガスタンク110fは、上述したように、センタートンネル18(図1参照)に配置されるために、タンク径が第1水素ガスタンク110rに比べて細い点、および、タンクの中心軸AXに沿ったタンク長が第1水素ガスタンク110rに比べて長い点、が第1水素ガスタンク110rと異なっている。
図4は、第1水素ガスタンク110rの一部領域RE(図3参照)を拡大して示す説明図である。図5は、図4に対応する第2水素ガスタンク110fの一部領域を拡大して示す説明図である。
課題で説明したように、ライナーと補強層との間には隙間があり、この隙間は、高圧ガスタンクのタンク長が長いほど相対的に大きくなり、また、タンク径が細いほど相対的に大きくなる。また、環境温度が低いほど、補強層の縮小量に比べてライナーの縮小量の方が大きくなり、隙間は大きくなる。また、燃料ガスの充填によるタンク内の圧力上昇に伴うライナーの膨張量、すなわち、隙間の縮小量は、タンク長が長いほど相対的に小さくなり、また、タンク径が細いほど相対的に小さくなる。
上述したように、第2水素ガスタンク110fは、第1水素ガスタンク110rに比べてタンク長が長く、タンク径が細い。従って、図5の上段に示すように、第2水素ガスタンク110fの補強層230とライナー220との間の隙間Gfは、図4の上段に示した第1水素ガスタンク110rの隙間Grに比べて大きい。また、第2水素ガスタンク110fはセンタートンネル18に配置されているので、環境温度の低下に伴って冷却され易い。このため、冷却によるライナーの収縮に伴う第2水素ガスタンク110fの隙間Gfは、第1水素ガスタンク110rの隙間Grに比べて大きくなり易い。また、タンク内の圧力上昇に伴う第2水素ガスタンク110fのライナー220の膨張による隙間Gfの縮小量は、第1水素ガスタンク110rの隙間Grの縮小量に比べて小さくなる。このため、課題でも説明したように、極低温・低圧環境下で燃料ガスの充填を行なった場合、図4の下段に示すように、第1水素ガスタンク110rのライナー220は膨張により隙間Grが無くなって補強層230に接触するが、図5の下段に示すように、第2水素ガスタンク110fのライナー220では補強層230に接触しない可能性が高い。これにより、第1水素ガスタンク110rのライナー220では、図4の下段に示すように、加わる圧力に対する応力は分散されるが、第2水素ガスタンク110fのライナー220では、図5の下段に示すように、局部的な応力集中が発生し、耐久性や信頼性の低下を招く可能性が高い。そこで、本実施形態では、水素ガスの充填を以下で説明するように行なうこととした。なお、課題でも説明したように、極低温・低圧環境下で燃料ガスの充填を行なう場合としては、例えば、−30℃以下の極低温環境下で、速度100km/h以上の高い速度および1時間以上連続での走行がなされて、燃料ガスが満タンに対応する圧力からガス欠に対応する圧力まで高圧ガスタンク内の圧力が低下した状態となるまで燃料ガスが消費され、直後に燃料ガスの充填を行なった場合が、代表例として挙げられる。但し、これに限定されるものではなく、高圧ガスタンクのタンク内温度が低く、かつ、タンク内の圧力が低下してライナーが収縮した環境下で、燃料ガスの充填によるライナーの膨張によってライナーと補強層との隙間が無くならず、局所的な応力集中が発生するような種々の場合が考えられる。
図6は、水素ガスの充填の処理を示すフローチャートである。この処理は、制御装置200によって実行される。この処理は、例えば、水素ガスの充填のため、運転者が、レセプタクル122を覆うリッドを開く操作を行なった際に、開始される。ステップS110では、ガス充填ノズルGnの装着の完了を待つ。レセプタクル122へのガス充填ノズルGnの装着が完了したか否かは、例えば、ガス充填ノズルGnが装着された場合に、水素ガスステーションのステーション内制御装置と制御装置200との間で行なわれる不図示の信号回線(例えば、赤外線通信回線等の無線通信回線や有線通信回線)を介して、行なわれる通信によって確認される。
ガス充填ノズルGnの装着が完了した場合には、ステップS120において、対象タンク、本例では、第2水素ガスタンク110fのタンク温度Tt(以下、「対象タンク温度Tt」とも呼ぶ)のチェック(測定)が開始され、処理が終了するまで継続される。そして、ステップS130において、対象タンク温度Ttがあらかじめ定めた判定温度Tthよりも高いか否か判断される。なお、判定温度Tthは、あらかじめ定めたタンク内圧力の状態から水素ガスの充填を行なった場合に、対象タンクのライナーに応力集中が発生して、許容可能な歪み量以上の歪みが発生する可能性が高い温度として、あらかじめ実験等によって定められる。なお、燃料電池車両に搭載する高圧ガスタンクの環境温度は−40℃以上と規定されている。また、タンク温度は、高圧ガスタンクの環境温度以下である。そこで、判定温度Tthとしては、例えば、−45℃±5℃の範囲内の何れかの温度に設定されれば良いと考えられる。
対象タンク温度Ttが判定温度Tthよりも高い場合には(ステップS130:YES)、ステップS140において充填遮断バルブ118が開かれ、ステップS150において、水素ガスステーションに対して水素ガスの充填を開始しても良い旨の通知が送信され、水素ガスステーションによって水素ガスの充填が開始される。この場合、充填遮断バルブ118が開かれているので、第1水素ガスタンク110rおよび第2水素ガスタンク110fの両方に水素ガスの充填が行なわれる。
対象タンク温度Ttが判定温度Tth以下の場合には(ステップS130:NO)、ステップS160において充填遮断バルブ118が閉じられ、ステップS170において、水素ガスステーションに対して水素ガスの充填を開始しても良い旨の通知が送信され、水素ガスステーションによって水素ガスの充填が開始される。この場合、充填遮断バルブ118が閉じられているので、第2水素ガスタンク110fへの水素ガスの充填は行なわれず、第1水素ガスタンク110rにのみ水素ガスの充填が行なわれる。そして、ステップS180において、対象タンク温度Ttが判定温度Tth以下の間、第1水素ガスタンク110rのみへの充填が行なわれている状態が継続され、対象タンク温度Ttが判定温度Tthよりも高くなった場合に、ステップS190において充填遮断バルブ118が開かれる。これにより、第2水素ガスタンク110fへの充填も開始され、第1水素ガスタンク110rおよび第2水素ガスタンク110fの両方に水素ガスの充填が行なわれる。なお、第2水素ガスタンク110fのタンク温度Ttは判定温度Tth以下の状態であっても、数分(1〜3分)の間に、判定温度Tthよりも高い温度まで回復するので、第1水素ガスタンク110rへの充填はまだ完了せず、水素ガスの充填は停止されない。
そして、ステップS200において、水素ガスステーションから充填完了の通知を受けるまで、水素ガスタンク110r,110fへの充填が行なわれ、充填完了の通知を受けて、この処理が終了される。なお、水素ガスステーションでは、例えば、制御装置200から受け取る水素ガスタンク110r,110fのタンク温度や、供給される水素ガスの充填圧力等の充填時の状況に関係する種々の情報から、ガス流量推移や圧力推移、充填量推移等の充填の状況が把握される。そして、水素ガスステーションでは、充填完了の場合に、水素ガスの送出が停止されるとともに、充填完了の通知が制御装置200へ送信される。
図5で説明したように、基準となる第1水素ガスタンク110rよりもタンク長が長くタンク径が細い第2水素ガスタンク110fは、水素ガスの充填時において、局所的な応力集中の発生により、ライナーへの損傷等を招き、耐久性や信頼性の低下を招く可能性がある。これに対して、図6で説明したように、本実施形態の水素ガスの充填の処理では、第2水素ガスタンク110fのタンク温度Ttが、局所的な応力集中の発生によるライナーへの損傷等の抑制が可能か否かの境界温度である判定温度Tthよりも高くなった場合において、第2水素ガスタンク110fへの水素ガスの充填を行なっている。これにより、第2水素ガスタンク110fの耐久性や信頼性の低下を抑制することができる。また、第2水素ガスタンク110fのタンク温度Ttが判定温度Tthよりも高くなるまで、第1水素ガスタンク110rへの水素ガスの充填も不可とする場合に比べて、充填不可の期間を無くすことができるので、充填完了までの時間の遅延を少なくすることができる。
なお、本実施形態において、水素ガス供給系120および制御装置200が「高圧ガスタンクシステム」に相当する。
B.他の実施形態:
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような形態での実施も可能である。
(1)上記実施形態では、第2種の高圧ガスタンクに相当する第2水素ガスタンク110fは、第1種の高圧ガスタンクに相当する第1水素ガスタンク110rに比べて、タンク長が長いだけでなく、タンク径も細い場合を例に説明した。しかしながら、少なくともタンク長が長ければ、上述したように、ライナーと補強層との間の隙間が大きくなるので、第2水素ガスタンク110f(第2種の高圧ガスタンク)が、第1水素ガスタンク110r(第1種の高圧ガスタンク)と比べて、少なくともタンク長が長い高圧ガスタンクであれば、同様に適用可能である。
(2)上記実施形態では、センタートンネル18に縦配置された第2水素ガスタンク110f(第2種の高圧ガスタンク)と、その後方に横配置された第1水素ガスタンク110r(第1種の高圧ガスタンク)を例としている。しかしながら、それぞれの配置はこれに限定されるものではなく、燃料電池車両の種々の任意の配置可能な空間に配置した場合にも適用可能である。
(3)上記実施形態では、第1水素ガスタンク110r(第1種の高圧ガスタンク)および第2水素ガスタンク110f(第2種の高圧ガスタンク)を有する場合を例に説明したが、1以上の第1種の高圧ガスタンクおよび1以上の第2種の高圧ガスタンクを有する構成としてもよい。
基準となる1つの第1種の高圧ガスタンクと、少なくとも、第1種の高圧ガスタンクよりも長いタンク長を有する複数の第2種の高圧ガスタンクとを有する場合には、これら複数の第2種の高圧ガスタンクと充填側マニホールドとを接続する充填側タンク管路(流路)のそれぞれに、充填遮断バルブを設けるようにすればよい。そして、複数の第2種の高圧ガスタンクについて、それぞれ、タンク温度が判定温度以下か否かに応じて、充填遮断バルブの開閉を制御するようにすればよい。なお、複数の第2種の高圧ガスタンクのタンク長は、同じであっても異なっていても良く、少なくとも、基準となる1つの第1種の高圧ガスタンクのタンク長よりも長ければ良い。
また、複数の第1種の高圧ガスタンクを有する構成としてもよい。この場合、複数の第1種の高圧ガスタンクのタンク長は同じであっても、異なっていても良い。但し、タンク長が異なっている場合、複数の第1種の高圧ガスタンクのうち、最も長いタンク長の高圧ガスタンクを第2種の高圧ガスタンクのタンク長との比較の基準とすればよい。
以上のことから、「第1種の高圧ガスタンク」は、第2種の高圧ガスタンクのタンク長との比較の基準となる高圧ガスタンクのタンク長と同じ長さの高圧ガスタンクだけでなく、そのタンク長よりも短いタンク長の高圧ガスタンクを含むとしてもよい。また、「第2種の高圧ガスタンク」は、第1種の高圧ガスタンクのうちの基準となるタンク長を有する高圧ガスタンクよりも長い1つのタンク長の高圧ガスタンクだけでなく、第1種の高圧ガスタンクのうちの基準となるタンク長を有する高圧ガスタンクよりも長い種々の長さのタンク長を有する高圧ガスタンクを含むとしてもよい。
(4)複数の第1種の高圧ガスタンクを有する場合、それぞれへの水素ガスの充填を、同時に行っても良く、複数の組に分けてそれぞれの組ごとに順に行っても良く、1つずつ順に行っても良い。そして、順に充填を行なう場合には、組分けした充填側タンク管路毎、あるいは、各充填側タンク管路に、充填遮断バルブを設けて制御する構成とすれば良い。
(5)上記実施形態では、第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が判定温度以下か否かで充填遮断バルブの開閉を制御する構成としている。これに加えて、以下の構成とするようにしてもよい。例えば、複数の第1種の高圧ガスタンクを有する場合に、燃料電池車両内の配置環境によっては、全ての高圧ガスタンクのうち、第1種の高圧ガスタンクのいずれかが最も早く冷却され、最も低い温度までタンク内温度が低下する場合がある。このような高圧ガスタンクにおいても、第2種の高圧ガスタンクと同様に、耐久性や信頼性の低下を招く可能性がある。そこで、このような高圧ガスタンクの充填側タンク管路にも、充填遮断バルブを設けて、同様に制御する構成としてもよい。
(6)なお、参考形態として以下の構成とすることも可能である。上記実施形態では、第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が判定温度以下であるか否かに応じて、充填遮断バルブの開閉を制御する構成としている。これに対して、第2種の高圧ガスタンクのライナーのドーム部に歪みセンサーを設けて、歪みセンサーで検出される歪み量があらかじめ定めた歪み量を超えていれば充填遮断バルブを閉じ、超えていなければ遮断バルブを開く構成とすることも可能である。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…燃料電池車両
12…フロントコンパートメント
14…乗員室
15…床
16…中央部分
17…両側部分
18…センタートンネル
20…燃料電池システム
100…燃料電池
110f,110r…水素ガスタンク
111f,111r…バルブユニット
112f,112r…メインバルブ
113f,113r…開閉バルブ
114f,114r…逆止弁
115f,115r…逆止弁
116f,116r…供給側タンク管路
117f,117r…充填側タンク管路
118…充填遮断バルブ
120…水素ガス供給系
120F…水素ガス供給管路
120R…水素ガス充填管路
121…供給側マニホールド
121P…供給側圧力センサー
122…レセプタクル
123…充填側マニホールド
123P…充填側圧力センサー
124…水素ガス循環管路
125…インジェクター
126…減圧バルブ
127…排出バルブ
128…水素循環ポンプ
129…放出管路
150…コンプレッサ
160…空気供給系
161…酸素供給管路
162…放出管路
163…排出流量調整バルブ
200…制御装置
210…タンク本体
212…第1口金
214…第2口金
215…貫通孔
216…有底孔
220…ライナー
222…シリンダ部
224…ドーム部
230…補強層
240…プロテクタ
241…プロテクタ
FW…前輪
RW…後輪
AX…中心軸
Gf,Gr…隙間
Gn…ガス充填ノズル
Pff,Pfr…充填側ポート
Psf,Psr…供給側ポート
TSf,TSr…温度センサー

Claims (1)

  1. 燃料電池車両の高圧ガスタンクシステムであって、
    基準となる1以上の第1種の高圧ガスタンクと、
    前記第1種の高圧ガスタンクよりも長いタンク長を有する1以上の第2種の高圧ガスタンクと、
    前記第1種の高圧ガスタンクと、前記第2種の高圧ガスタンクと、燃料ガスの充填用のレセプタクルとに、それぞれの流路を介して接続された充填側マニホールドと、
    前記第2種の高圧ガスタンクと前記充填側マニホールドとの間の流路に設けられ、前記第2種の高圧ガスタンクへの前記レセプタクルからの前記燃料ガスの充填を遮断するための充填遮断バルブと、
    前記第2種の高圧ガスタンクの内部に設けられた温度センサーと、
    前記充填遮断バルブを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記第1種の高圧ガスタンクおよび前記第2種の高圧ガスタンクに前記燃料ガスの充填を行なう場合において、
    (a)前記燃料ガスの充填を開始する際に、前記温度センサーで測定される前記第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が予め定めた温度以下の時には、前記充填遮断バルブを閉じて、前記第2種の高圧ガスタンクへの前記燃料ガスの充填を行なわずに、前記第1種の高圧ガスタンクのうちの少なくとも1つへの前記燃料ガスの充填を開始し、
    (b)前記第2種の高圧ガスタンクのタンク温度が前記予め定めた温度よりも高くなった後、前記充填遮断バルブを開いて、前記第2種の高圧ガスタンクへの前記燃料ガスの充填を開始する、
    ことを特徴とする燃料電池車両の高圧ガスタンクシステム。
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