JP2019116408A - 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 - Google Patents

光学ガラス、プリフォーム及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が所望の範囲内にありながら、光学素子や光学機器の軽量化に寄与することが可能な光学ガラスを提供する。【解決手段】光学ガラスは、質量%で、SiO2成分を0%超15.0%以下、B2O3成分を0%超17.0%以下、La2O3成分を32.0〜62.0%、TiO2成分を6.0〜37.0%含有し、2.00以上の屈折率(nd)を有し、20以上30以下のアッベ数(νd)を有し、屈折率(nd)とアッベ数(νd)、比重ρの関係が、5.00≦(nd×2+νd)/ρ≦7.00の関係を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、光学ガラス、プリフォーム及び光学素子に関する。
近年、光学系を使用する機器のデジタル化や高精細化が急速に進んでおり、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮影機器や、プロジェクタやプロジェクションテレビ等の画像再生(投影)機器等の各種光学機器の分野では、光学系で用いられるレンズやプリズム等の光学素子の枚数を削減し、光学系全体を軽量化及び小型化する要求が強まっている。
光学素子を作製する光学ガラスの中でも特に、光学系全体の小型化を図ることが可能な、2.00以上の屈折率(n)を有し、20以上30以下のアッベ数(ν)を有する高屈折率低分散ガラスの需要が非常に高まっている。このような高屈折率低分散ガラスとして、特許文献1に代表されるようなガラス組成物が知られている。
特開2012−162448号公報
しかし、2.00以上の屈折率(n)を有し、20以上30以下のアッベ数(ν)を有する光学ガラスとしては、比重が大きいものが知られるのみであった。そのような中で、光学素子や光学機器の軽量化の観点からも、このような屈折率(n)及びアッベ数(ν)において、比重のより小さいガラスが求められていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、光学素子や光学機器の軽量化に寄与することが可能な光学ガラスを得ることにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、SiO成分、B成分、La成分及びTiO成分を含有するガラスにおいて、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながらも、比重の小さいガラスが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 質量%で、
SiO成分を0%超15.0%以下、
成分を0%超17.0%以下、
La成分を32.0〜62.0%、
TiO成分を6.0〜37.0%
含有し、
2.00以上の屈折率(n)を有し、20以上30以下のアッベ数(ν)を有し、
屈折率(n)とアッベ数(ν)、比重ρの関係が、5.00≦(n×2+ν)/ρ≦7.00の関係を満たす光学ガラス。
(2) 質量%で、
Nb成分 0〜18.0%、
成分 0〜18.0%、
ZrO成分 0〜15.0%、
である請求項1に記載の光学ガラス。
(3) 質量%で、
Gd成分 0〜10.0%、
Yb成分 0〜10.0%
Ta成分 0〜10.0%、
WO成分 0〜10.0%未満、
ZnO成分 0〜10.0%、
MgO成分 0〜10.0%、
CaO成分 0〜10.0%、
SrO成分 0〜10.0%、
BaO成分 0〜10.0%、
LiO成分 0〜10.0%、
NaO成分 0〜10.0%、
O成分 0〜10.0%、
成分 0〜10.0%、
GeO成分 0〜10.0%、
Al成分 0〜10.0%、
Ga成分 0〜10.0%、
Bi成分 0〜10.0%、
TeO成分 0〜10.0%、
SnO成分 0〜3.0%、
Sb成分 0〜1.0%
であり、
上記各元素の1種又は2種以上の酸化物の一部又は全部と置換した弗化物のFとしての含有量が0〜10.0質量%である請求項1又は2記載の光学ガラス。
(4) 質量%で、
Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)の含有量の和が40.0%以上65.0%以下であり、
RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される1種以上)の含有量の和が0〜10.0%であり、
RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)の含有量の和が0〜10.0%である請求項1から3のいずれか記載の光学ガラス。
(5) 質量比Y/(La+Gd+Yb)が0超0.500以下である請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス。
(6) 質量和TiO+WO+Nbが15.0%以上45.0%以下である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス。
(7) 質量和SiO+Bが5.0%以上20.0%以下である請求項1から6のいずれか記載の光学ガラス。
(8) 請求項1から7のいずれか記載の光学ガラスからなるプリフォーム。
(9) 請求項1から7のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
(10) 請求項9に記載の光学素子を備える光学機器。
本発明によれば、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、光学素子や光学機器の軽量化に寄与することが可能な光学ガラスを得ることができる。
本願の実施例のガラスについての屈折率(nd)とアッベ数(ν)の関係を示す図である。
本発明の光学ガラスは、質量%で、SiO成分を0%超15.0%以下、B成分を0%超17.0%以下、La成分を32.0〜62.0%、TiO成分を6.0〜37.0%含有し、2.00以上の屈折率(n)を有し、20以上30以下のアッベ数(ν)を有し、屈折率(n)とアッベ数(ν)、比重ρの関係が、5.00≦(n×2+ν)/ρ≦7.00の関係を満たす。本発明者は、SiO成分、B成分及びLa成分をベースとし、これにTiO成分を含有させた場合に、2.00以上の屈折率(n)及び20以上30以下のアッベ数(ν)を有しながらも、安定なガラスが得られ、また、比重の小さいガラスが得られることを見出した。従って、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、光学素子や光学機器の軽量化に寄与することが可能な光学ガラスを得ることができる。
加えて、本発明の光学ガラスは、可視光についての透過率が高いことで可視光を透過させる用途に好適に使用できる。
以下、本発明の光学ガラスの実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所について、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
[ガラス成分]
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有量は、特に断りがない場合、全て酸化物換算組成の全質量に対する質量%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」は、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総質量を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
<必須成分、任意成分について>
SiO成分は、ガラス形成酸化物として必須の成分である。特に、SiO成分を0%超含有することで、ガラスの安定性を高めて量産に耐えるガラスを得易くする成分でもある。また、熔融ガラスの粘度を高め、ガラスの着色を低減することができる。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは3.0%超、さらに好ましくは4.0%超とする。
他方で、SiO成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラス転移点の上昇を抑えられ、且つ屈折率の低下を抑えられる。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは12.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは7.0%未満、さらに好ましくは6.5%未満、さらに好ましくは5.0%未満とする。
成分は、ガラス形成酸化物として必須の成分である。特に、B成分を0%超含有することで、ガラスの安定性を高めて耐失透性を高め、且つガラスのアッベ数を高めることができる。従って、B成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは4.0%超、さらに好ましくは4.5%超、さらに好ましくは5.0%超とする。
一方、B成分の含有量を17.0%以下にすることで、より大きな屈折率を得易くでき、且つ化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B成分の含有量は、好ましくは17.0%以下、より好ましくは15.0%未満、さらに好ましくは12.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは8.0%未満、さらに好ましくは7.0%以下とする。
La成分は、ガラスの屈折率及びアッベ数を高める必須成分である。また、希土類の中では比較的安価なため、ガラスの材料コストを低減することができる。従って、La成分の含有量は、好ましくは32.0%以上、より好ましくは35.0%超、さらに好ましくは38.0%超、さらに好ましくは40.0%超、さらに好ましくは43.0%超とする。
一方、La成分の含有量を62.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めることで失透を低減できる。また、ガラス原料の熔解性を高められる。従って、La成分の含有量は、好ましくは62.0%以下、より好ましくは60.0%未満、さらに好ましくは58.0%未満、さらに好ましくは55.0%未満、さらに好ましくは53.0%未満、さらに好ましくは51.0%未満とする。
TiO成分は、ガラスの屈折率を高め、且つガラスの液相温度を低くすることで安定性を高められ、また、ガラスの比重を小さくでき、ガラスの材料コストを低減できる必須成分である。従って、TiO成分の含有量は、好ましくは6.0%以上、より好ましくは10.0%超、さらに好ましくは13.0%超、さらに好ましくは15.0%超とする。
他方で、TiO成分の含有量を37.0%以下にすることで、TiO成分の過剰な含有による失透を低減でき、ガラスの可視光(特に波長500nm以下)に対する透過率の低下を抑えられる。また、これによりアッベ数の低下を抑えられる。従って、TiO成分の含有量は、好ましくは37.0%以下、より好ましくは35.0%未満、さらに好ましくは33.0%未満、さらに好ましくは30.0%未満、さらに好ましくは27.0%以下、さらに好ましくは25.0%以下とする。
Nb成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高め、且つガラスの液相温度を低くすることで耐失透性を高められる任意成分である。従って、Nb成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは3.0%超、さらに好ましくは6.0%超、さらに好ましくは8.0%以上としてもよい。
他方で、Nb成分の含有量を18.0%以下にすることで、ガラスの材料コストを抑えられ、アッベ数の低下を抑えられる。また、Nb成分の過剰な含有による失透を低減でき、且つ、ガラスの可視光(特に波長500nm以下)に対する透過率の低下を抑えられる。従って、Nb成分の含有量は、好ましくは18.0%以下、より好ましくは15.0%未満、さらに好ましくは13.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満とする。
成分は、0%超含有する場合に、高屈折率及び高アッベ数を維持しながらも、ガラスの材料コストを抑えられ、且つ、ガラスの比重を低減できる任意成分である。従って、Y成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは4.0%超、さらに好ましくは4.8%以上としてもよい。
他方で、Y成分の含有量を18.0%以下にすることで、ガラスの屈折率の低下を抑えられ、且つガラスの安定性を高められる。また、ガラス原料の熔解性の悪化を抑えられる。従って、Y成分の含有量は、好ましくは18.0%以下、より好ましくは15.0%未満、さらに好ましくは12.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは9.0%未満とする。
ZrO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率及びアッベ数を高められ、且つ耐失透性を向上できる任意成分である。従って、ZrO成分の含有量を、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは3.5%超、さらに好ましくは5.0%超、さらに好ましくは6.2%以上としてもよい。
他方で、ZrO成分の含有量を15.0%以下にすることで、ZrO成分の過剰な含有による失透を低減できる。従って、ZrO成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは12.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは7.0%未満とする。
Gd成分、Yb成分及びLu成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率及びアッベ数を高められる任意成分である。
しかしながら、Gd成分、Yb成分及びLu成分は原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが上昇し、且つ、ガラスの比重が増大する。従って、Gd成分及びYb成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは7.0%未満、さらに好ましくは4.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。特に材料コストを低減させる観点では、これらの成分を含有しないことが最も好ましい。
Ta成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められ、且つ耐失透性を高められる任意成分である。
しかしながら、Ta成分は原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが上昇する。また、Ta成分の含有量を10.0%以下にすることで、原料の熔解温度が低くなり、原料の熔解に要するエネルギーが低減されるため、光学ガラスの製造コストも低減できる。従って、Ta成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。特に材料コストを低減させる観点では、Ta成分を含有しないことが最も好ましい。
WO成分は、0%超含有する場合に、他の高屈折率成分によるガラスの着色を低減しながら、屈折率を高め、ガラス転移点を低くでき、且つ耐失透性を高められる任意成分である。従って、WO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは0.3%超、さらに好ましくは0.5%超としてもよい。
他方で、WO成分の含有量を10.0%未満にすることで、ガラスの材料コストを抑えられ、アッベ数の低下を抑えられる。また、WO成分によるガラスの着色を低減して可視光透過率を高められる。従って、WO成分の含有量は、好ましくは10.0%未満、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
ZnO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの安定性を高められ、着色を低減できる任意成分である。また、ガラス転移点を低くでき、化学的耐久性を改善できる成分でもある。
他方で、ZnO成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの屈折率の低下を抑えられ、且つ、過剰な粘性の低下による失透を低減できる。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
MgO成分、CaO成分、SrO成分及びBaO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率や熔融性、耐失透性を調整できる任意成分である。
他方で、MgO成分、CaO成分、SrO成分及びBaO成分の含有量をそれぞれ10.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えることができ、且つこれらの成分の過剰な含有による失透を低減できる。従って、MgO成分、CaO成分、SrO成分及びBaO成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。特に屈折率の高いガラスを得る観点では、これらの成分を含有しないことが最も好ましい。
LiO成分、NaO成分及びKO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を改善でき、ガラス転移点を低くできる任意成分である。そのため、これらのうちLiO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%以上としてもよい。
他方で、LiO成分、NaO成分及びKO成分のそれぞれ10.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、且つガラスの失透を低減できる。従って、LiO成分、NaO成分及びKO成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.3%未満とする。
成分は、ガラス形成成分として作用することができ、0%超含有する場合に、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、P成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの化学的耐久性、特に耐水性の低下を抑えられる。従って、P成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
GeO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められ、且つ耐失透性を向上できる任意成分である。
しかしながら、GeOは原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが上昇する。従って、GeO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。特に、材料コストを低減させる観点では、GeO成分を含有しなくてもよい。
Al成分及びGa成分は、0%超含有する場合に、ガラスの化学的耐久性を向上でき、且つガラスの耐失透性を向上できる任意成分である。
他方で、Al成分及びGa成分の各々の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる。従って、Al成分及びGa成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Bi成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高められ、且つガラス転移点を下げられる任意成分である。
他方で、Bi成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる。従って、Bi成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
TeO成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高められ、且つガラス転移点を下げられる任意成分である。
他方で、TeOは白金製の坩堝や、熔融ガラスと接する部分が白金で形成されている熔融槽でガラス原料を熔融する際、白金と合金化しうる問題がある。従って、TeO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
SnO成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスの酸化を低減して清澄し、且つガラスの可視光透過率を高められる任意成分である。
他方で、SnO成分の含有量を3.0%以下にすることで、熔融ガラスの還元によるガラスの着色や、ガラスの失透を低減できる。また、SnO成分と熔解設備(特にPt等の貴金属)の合金化が低減されるため、熔解設備の長寿命化を図れる。従って、SnO成分の含有量は、好ましくは3.0%以下、より好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。
Sb成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスを脱泡できる任意成分である。
他方で、Sb量が多すぎると、可視光領域の短波長領域における透過率が悪くなる。従って、Sb成分の含有量は、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.3%未満とする。
なお、ガラスを清澄し脱泡する成分は、上記のSb成分に限定されるものではなく、ガラス製造の分野における公知の清澄剤、脱泡剤或いはそれらの組み合わせを用いることができる。
F成分は、0%超含有する場合に、ガラスのアッベ数を高め、ガラス転移点を低くし、且つ耐失透性を向上できる任意成分である。
しかし、F成分の含有量、すなわち上述した各金属元素の1種又は2種以上の酸化物の一部又は全部と置換した弗化物のFとしての合計量が10.0%を超えると、F成分の揮発量が多くなるため、安定した光学恒数が得られ難くなり、均質なガラスが得られ難くなる。
従って、F成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(質量和)は、40.0%以上65.0%以下が好ましい。
特に、この和を40.0%以上にすることで、ガラスの屈折率及びアッベ数が高められるため、所望の屈折率及びアッベ数を有するガラスを得易くすることができる。従って、Ln成分の質量和は、好ましくは40.0%以上、より好ましくは45.0%超、さらに好ましくは47.0%以上、さらに好ましくは50.0%超とする。
他方で、この和を65.0%以下にすることで、ガラスの液相温度が低くなるため、ガラスの失透を低減できる。従って、Ln成分の質量和は、好ましくは65.0%以下、より好ましくは62.0%未満、さらに好ましくは60.0%未満、さらに好ましくは58.0%未満とする。
RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(質量和)は、10.0%以下が好ましい。これにより、屈折率の低下を抑えられ、また、ガラスの安定性を高められる。従って、RO成分の質量和は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(質量和)は、10.0%以下が好ましい。これにより、溶融ガラスの粘性の低下を抑えられ、ガラスの屈折率を低下し難くでき、且つガラスの失透を低減できる。従って、RnO成分の質量和は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.3%未満とする。
他方で、RnO成分の質量和の下限値は、0%超としてもよく、0.1%以上としてもよい。
成分の含有量に対する、La成分、Gd成分及びYb成分の含有量の比率(質量比)は、0超0.50以下が好ましい。
特に、この質量比を0超にすることで、ガラスの比重を小さくすることができる。従って、質量比Y/(La+Gd+Yb)は、好ましくは0超、より好ましくは0.010超、さらに好ましくは0.030超、さらに好ましくは0.070超、さらに好ましくは0.095以上、さらに好ましくは0.114以上とする。
他方で、この質量比は、所望の屈折率及びアッベ数を得易くする観点から、好ましくは0.500、より好ましくは0.400、さらに好ましくは0.300、さらに好ましくは0.203を上限としてもよい。
TiO成分、Nb成分及びWO成分の含有量の和(質量和)は、15.0%以上45.0%以下が好ましい。
特に、この和を15.0%以上にすることで、屈折率が高まり、且つガラスの安定性が高まるため、高屈折率低分散の光学ガラスを得易くできる。従って、質量和(TiO+Nb+WO)は、好ましくは15.0%以上、より好ましくは20.0%超、さらに好ましくは23.0%超、さらに好ましくは25.0%超とする。
一方で、この和を45.0%以下にすることで、これら成分の過剰な含有によるガラスのアッベ数の低下や、ガラスの着色や失透を低減できる。従って、質量和(TiO+Nb+WO)は、好ましくは45.0%以下、より好ましくは40.0%未満、さらに好ましくは36.0%未満、さらに好ましくは35.0%未満とする。
成分及びSiO成分の含有量の和(質量和)は、5.0%以上20.0%以下が好ましい。
特に、この和を5.0%以上にすることで、ガラスのネットワーク構造が形成されるため、安定なガラスを形成することができる。従って、質量和(B+SiO)は、好ましくは5.0%以上、より好ましくは8.0%超、さらに好ましくは10.0%超とする。
他方で、この和を20.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有による屈折率の低下を抑えられる。従って、質量和(B+SiO)は、好ましくは20.0%以下、より好ましくは18.0%未満、さらに好ましくは15.0%未満、さらに好ましくは14.5%未満、さらに好ましくは12.5%未満とする。
SiO成分及びB成分の含有量の和に対する、TiO成分、WO成分及びNb成分の含有量の和の比率(質量比)は、1.00以上5.00以下が好ましい。
特に、この質量比を0.50以上にすることで、ガラスの屈折率を高められる。従って、質量比(TiO+WO+Nb)/(SiO+B)は、好ましくは1.00以上、より好ましくは1.30超、さらに好ましくは1.60超、さらに好ましくは1.80超、さらに好ましくは2.00超、さらに好ましくは2.25以上、さらに好ましくは2.30以上とする。
他方で、この質量比を5.00以下にすることで、ガラスの安定性を高められ、アッベ数の低下を抑えられる。従って、質量比(TiO+WO+Nb)/(SiO+B)は、好ましくは5.00以下、より好ましくは4.00以下、さらに好ましくは3.50以下、さらに好ましくは3.30以下とする。
<含有すべきでない成分について>
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加することができる。ただし、Ti、Zr、Nb、W、La、Gd、Y、Yb、Luを除く、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等の各遷移金属成分は、それぞれを単独又は複合して少量含有した場合でもガラスが着色し、可視域の特定の波長に吸収を生じる性質があるため、特に可視領域の波長を使用する光学ガラスにおいては、実質的に含まないことが好ましい。
また、PbO等の鉛化合物及びAs等の砒素化合物は、環境負荷が高い成分であるため、実質的に含有しないこと、すなわち、不可避な混入を除いて一切含有しないことが望ましい。
さらに、Th、Cd、Tl、Os、Be、及びSeの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、これらを実質的に含有しないことが好ましい。
[製造方法]
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、上記原料を各成分が所定の含有量の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を白金坩堝に投入し、ガラス原料の熔解難易度に応じて電気炉で1100〜1500℃の温度範囲で2〜5時間熔解させて攪拌均質化した後、適当な温度に下げてから金型に鋳込み、徐冷することにより作製される。
[物性]
本発明の光学ガラスは、高屈折率及び高アッベ数(低分散)を有することが好ましい。特に、本発明の光学ガラスの屈折率(n)は、好ましくは2.00、より好ましくは2.01、さらに好ましくは2.03、さらに好ましくは2.04を下限とする。この屈折率(n)は、好ましくは2.20、より好ましくは2.15、さらに好ましくは2.10を上限としてもよい。また、本発明の光学ガラスのアッベ数(ν)は、好ましくは20、より好ましくは21、さらに好ましくは22を下限とする。このアッベ数(ν)は、好ましくは30、より好ましくは29、さらに好ましくは28を上限とする。
このような高屈折率を有することで、光学素子の薄型化を図っても大きな光の屈折量を得ることができる。また、このような低分散を有することで、単レンズとして用いたときに光の波長による焦点のずれ(色収差)を小さくできる。そのため、例えば高分散(低いアッベ数)を有する光学素子と組み合わせて光学系を構成した場合に、その光学系の全体として収差を低減させて高い結像特性等を図ることができる。
このように、本発明の光学ガラスは、光学設計上有用であり、特に光学系を構成したときに、高い結像特性等を図りながらも、光学系の小型化を図ることができ、光学設計の自由度を広げることができる。
ここで、本発明の光学ガラスは、屈折率(n)とアッベ数(ν)、比重ρの関係が、(n×2+ν)/ρ≧5.00の関係式を満たす。屈折率(n)が2.00以上であり且つ低分散を有するガラスとしては、従来、比重が大きいものが知られるのみであった。これに対し、本発明では、上記関係式を満たしており、それにより屈折率(n)とアッベ数(ν)に相対して小さな比重ρを有する光学ガラスによることで、光学素子や光学機器の軽量化に寄与することができる。より具体的には、本発明の光学ガラスにおける屈折率(n)とアッベ数(ν)、比重ρの関係は、好ましくは(n×2+ν)/ρ≧5.00の関係式を満たし、より好ましくは(n×2+ν)/ρ≧5.30の関係式を満たし、より好ましくは(n×2+ν)/ρ≧5.50の関係式を満たし、さらに好ましくは(n×2+ν)/ρ≧5.80の関係式を満たし、さらに好ましくは(n×2+ν)/ρ≧6.00の関係式を満たし、さらに好ましくは(n×2+ν)/ρ≧6.06の関係式を満たす。
他方で、(n×2+ν)/ρの上限については、好ましくは(n×2+ν)/ρ≦7.00の関係式を満たし、より好ましくは(n×2+ν)/ρ≦6.50の関係式を満たし、さらに好ましくは(n×2+ν)/ρ≦6.20の関係式を満たす。このようなガラスにすることで、より安定なガラスにすることができる。
また、本発明の光学ガラスは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が、(−0.01ν+2.25)≦n≦(−0.01ν+2.40)の関係を満たすことが好ましい。本発明で特定される組成のガラスでは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)がこの関係を満たすことで、より安定なガラスを得られる。
従って、本発明の光学ガラスでは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が、n≧(−0.01ν+2.25)の関係を満たすことが好ましく、n≧(−0.01ν+2.28)の関係を満たすことがより好ましく、n≧(−0.01ν+2.30)の関係を満たすことがさらに好ましく、n≧(−0.01ν+2.31)の関係を満たすことがさらに好ましい。
一方で、本発明の光学ガラスでは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が、n≦(−0.01ν+2.40)の関係を満たすことが好ましく、n≦(−0.01ν+2.37)の関係を満たすことがより好ましく、n≦(−0.01ν+2.35)の関係を満たすことがさらに好ましい。
本発明の光学ガラスの比重は、光学素子や光学機器の軽量化に寄与する観点から、好ましくは5.50、より好ましくは5.30、好ましくは5.20を上限とする。他方で、本発明の光学ガラスの比重は、概ね3.00以上、より詳細には3.50以上、さらに詳細には4.00以上であることが多い。
本発明の光学ガラスの比重は、日本光学硝子工業会規格JOGIS05−1975「光学ガラスの比重の測定方法」に基づいて測定する。
本発明の光学ガラスは、耐失透性が高いこと、より具体的には、低い液相温度を有することが好ましい。すなわち、本発明の光学ガラスの液相温度は、好ましくは1350℃、より好ましくは1320℃、さらに好ましくは1300℃、さらに好ましくは1250℃を上限とする。これにより、熔解後のガラスをより低い温度で流出しても、作製されたガラスの結晶化が低減されるため、熔融状態からガラスを形成したときの失透を低減でき、ガラスを用いた光学素子の光学特性への影響を低減できる。また、ガラスの熔解温度を低くしてもガラスを成形できるため、ガラスの成形時に消費するエネルギーを抑えることで、ガラスの製造コストを低減できる。一方、本発明の光学ガラスの液相温度の下限は特に限定しないが、本発明によって得られるガラスの液相温度は、概ね800℃以上、具体的には850℃以上、さらに具体的には900℃以上であることが多い。なお、本明細書中における「液相温度」とは、50mlの容量の白金製坩堝に5ccのカレット状のガラス試料を白金坩堝に入れて1400℃で完全に熔融状態にし、所定の温度まで降温して1時間保持し、炉外に取り出して冷却した後直ちにガラス表面及びガラス中の結晶の有無を観察したときに、結晶が認められない一番低い温度を表す。ここで降温する際の所定の温度は、1350℃〜800℃の間の10℃刻みの温度である。
本発明の光学ガラスは、可視光透過率、特に可視光のうち短波長側の光の透過率が高く、それにより着色が少ないことが好ましい。
特に、本発明の光学ガラスにおける、厚み10mmのサンプルで分光透過率5%を示す最も短い波長(λ)は、好ましくは420nm、より好ましくは400nm、さらに好ましくは390nmを上限とする。
これらにより、ガラスの吸収端が紫外領域又はその近傍になり、可視光に対するガラスの透明性が高められるため、この光学ガラスを、レンズ等の光を透過させる光学素子に好ましく用いることができる。
[プリフォーム及び光学素子]
作製された光学ガラスから、例えば研磨加工の手段、又は、リヒートプレス成形や精密プレス成形等のモールドプレス成形の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスに対して研削及び研磨等の機械加工を行ってガラス成形体を作製したり、光学ガラスからモールドプレス成形用のプリフォームを作製し、このプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、研磨加工を行って作製したプリフォームや、公知の浮上成形等により成形されたプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
このように、本発明の光学ガラスは、様々な光学素子及び光学設計に有用である。その中でも特に、本発明の光学ガラスからプリフォームを形成し、このプリフォームを用いてリヒートプレス成形や精密プレス成形等を行い、レンズやプリズム等の光学素子を作製することが好ましい。これにより、径の大きなプリフォームの形成が可能になるため、光学素子の大型化を図りながらも、カメラやプロジェクタ等の光学機器に用いたときに高精細で高精度な結像特性及び投影特性を実現できる。
本発明の実施例(No.1〜No.13)及び比較例(No.A)の組成、並びに、これらのガラスの屈折率(n)、アッベ数(ν)、液相温度、分光透過率が5%を示す波長(λ)及び比重の結果を表1〜表2に示す。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみ限定されるものではない。
本発明の実施例及び比較例のガラスは、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、メタ燐酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を選定し、表に示した各実施例の組成の割合になるように秤量して均一に混合した後、白金坩堝に投入し、ガラス原料の熔解難易度に応じて電気炉で1100〜1500℃の温度範囲で2〜5時間熔解させた後、攪拌均質化してから金型等に鋳込み、徐冷して作製した。
実施例のガラスの屈折率(n)及びアッベ数(ν)は、ヘリウムランプのd線(587.56nm)に対する測定値で示した。また、アッベ数(ν)は、上記d線の屈折率と、水素ランプのF線(486.13nm)に対する屈折率(n)、C線(656.27nm)に対する屈折率(n)の値を用いて、アッベ数(ν)=[(n−1)/(n−n)]の式から算出した。
実施例及び比較例のガラスの比重ρは、日本光学硝子工業会規格JOGIS05−1975「光学ガラスの比重の測定方法」に基づいて測定した。また、測定された比重ρの値と、屈折率(n)及びアッベ数(ν)の値から、(n×2+ν)/ρの値を求めた。
実施例及び比較例のガラスの透過率は、日本光学硝子工業会規格JOGIS02−2003に準じて測定した。なお、本発明においては、ガラスの透過率を測定することで、ガラスの着色の有無と程度を求めた。具体的には、厚さ10±0.1mmの対面平行研磨品をJISZ8722に準じ、200〜800nmの分光透過率を測定し、λ(透過率5%時の波長)を求めた。
実施例及び比較例のガラスの液相温度は、50mlの容量の白金製坩堝に5ccのカレット状のガラス試料を白金坩堝に入れて1400℃で完全に熔融状態にし、1350℃〜800℃まで10℃刻みで設定したいずれかの温度まで降温して1時間保持し、炉外に取り出して冷却した後直ちにガラス表面及びガラス中の結晶の有無を観察したときに、結晶が認められない一番低い温度を求めた。
Figure 2019116408
Figure 2019116408
表に表されるように、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも屈折率(n)が2.00以上、より詳細には2.04以上であるとともに、この屈折率(n)は2.20以下、より詳細には2.10以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもアッベ数(ν)が20以上、より詳細には22以上であるとともに、このアッベ数(ν)は30以下、より詳細には28以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも比重が5.50以下、より詳細には5.20以下であった。
そして、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(n)とアッベ数(ν)、比重ρの関係が、5.00≦(n×2+ν)/ρ≦7.00の関係を満たしており、より詳細には屈折率(n)とアッベ数(ν)、比重ρの関係が、5.40≦(n×2+ν)/ρ≦6.20の関係の関係を満たしていた。他方で、比較例の光学ガラスは、(n×2+ν)/ρが10.15であり、所望とする範囲よりも大きな値であり、屈折率(n)とアッベ数(ν)に相対し比重ρが大きいものであった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が、(−0.01ν+2.25)≦n≦(−0.01ν+2.40)の関係を満たしており、より詳細には(−0.02ν+2.30)≦n≦(−0.02ν+2.33)の関係を満たしていた。なお、本願の実施例のガラスについての屈折率(n)及びアッベ数(ν)の関係は、図1に示されるようになった。
また、本発明の光学ガラスは、安定なガラスを形成しており、ガラス作製時において失透が起こり難いものであった。このことは、本発明の光学ガラスの液相温度が1350℃以下、より詳細には1300℃以下であることからも推察される。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、λ(透過率5%時の波長)がいずれも420nm、より詳細には390nm以下であり、所望の範囲内であった。
従って、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、屈折率(n)とアッベ数(ν)に相対して比重が小さいことが明らかになった。そのため、本発明の実施例の光学ガラスは、光学素子や光学機器の軽量化に寄与することが推察される。
さらに、本発明の実施例の光学ガラスを用いて、ガラスブロックを形成し、このガラスブロックに対して研削及び研磨を行い、レンズ及びプリズムの形状に加工した。その結果、安定に様々なレンズ及びプリズムの形状に加工することができた。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。

Claims (10)

  1. 質量%で、
    SiO成分を0%超15.0%以下、
    成分を0%超17.0%以下、
    La成分を32.0〜62.0%、
    TiO成分を6.0〜37.0%
    含有し、
    2.00以上の屈折率(n)を有し、20以上30以下のアッベ数(ν)を有し、
    屈折率(n)とアッベ数(ν)、比重ρの関係が、5.00≦(n×2+ν)/ρ≦7.00の関係を満たす光学ガラス。
  2. 質量%で、
    Nb成分 0〜18.0%、
    成分 0〜18.0%、
    ZrO成分 0〜15.0%、
    である請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 質量%で、
    Gd成分 0〜10.0%、
    Yb成分 0〜10.0%
    Ta成分 0〜10.0%、
    WO成分 0〜10.0%未満、
    ZnO成分 0〜10.0%、
    MgO成分 0〜10.0%、
    CaO成分 0〜10.0%、
    SrO成分 0〜10.0%、
    BaO成分 0〜10.0%、
    LiO成分 0〜10.0%、
    NaO成分 0〜10.0%、
    O成分 0〜10.0%、
    成分 0〜10.0%、
    GeO成分 0〜10.0%、
    Al成分 0〜10.0%、
    Ga成分 0〜10.0%、
    Bi成分 0〜10.0%、
    TeO成分 0〜10.0%、
    SnO成分 0〜3.0%、
    Sb成分 0〜1.0%
    であり、
    上記各元素の1種又は2種以上の酸化物の一部又は全部と置換した弗化物のFとしての含有量が0〜10.0質量%である請求項1又は2記載の光学ガラス。
  4. 質量%で、
    Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)の含有量の和が40.0%以上65.0%以下であり、
    RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Ba、Znからなる群より選択される1種以上)の含有量の和が0〜10.0%であり、
    RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)の含有量の和が0〜10.0%である請求項1から3のいずれか記載の光学ガラス。
  5. 質量比Y/(La+Gd+Yb)が0超0.500以下である請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス。
  6. 質量和TiO+WO+Nbが15.0%以上45.0%以下である請求項1から5のいずれか記載の光学ガラス。
  7. 質量和SiO+Bが5.0%以上20.0%以下である請求項1から6のいずれか記載の光学ガラス。
  8. 請求項1から7のいずれか記載の光学ガラスからなるプリフォーム。
  9. 請求項1から7のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
  10. 請求項9に記載の光学素子を備える光学機器。
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