JP2019116014A - 印刷機におけるインキの嵩増し方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ムダ紙を抑制してインキ濃度を目標濃度に一致させることができる印刷機におけるインキの嵩増し方法を提供する。【解決手段】印刷物の複数のインキツボキーKのそれぞれに対応する領域の現状のインキ濃度が、各領域に割り当てられる今回の印刷を行う印刷物の目標インキ濃度よりも低い場合に、現状のインキ濃度が目標インキ濃度になるように複数のインキツボキーKそれぞれの開度を調整することによってインキツボ内からインキツボローラ21に供給されるインキの量を調整して刷版が巻回された版胴1へ供給することでインキの嵩増しを行うように構成され、インキの嵩増しは、印刷機による印刷を停止した状態で行い、目標インキ濃度と現状のインキ濃度との濃度差及び印刷予定の印刷画像の画線率により割り出したインキの嵩増し量に基づいて各インキツボキーKの開度を決定してインキの嵩増しを行う。【選択図】 図2

Description

本発明は、目標インキ濃度になるように構成された印刷機におけるインキの嵩増し方法に関するものである。
かかる印刷機は、複数のインキツボキーの開度をそれぞれ調整することによってインキツボ内からインキツボローラに供給されるインキの量を調整し、該インキツボローラに供給されたインキをインキ呼び出しローラの呼び出し動作により多数のインキローラ群を介して刷版が巻回された版胴へ供給し、版胴からゴム胴を介して圧胴にインキが移動して印刷物が印刷される。
ところで、印刷を行う時の湿度や温度の違いによるインキの流動性が変化することや、前回印刷した印刷物の画像と今回印刷予定の印刷物の画像とが異なることにより、今回印刷した印刷物のインキ濃度が目標インキ濃度よりも低い場合がある。これを解消するものとして、本印刷前に予め定められた枚数の試し刷りを行い、所定枚目の印刷物のインキ濃度を測定し、測定値が上限値と下限値とで挟まれる許容範囲(目標インキ濃度)になければ、印刷物のインキ濃度が許容範囲に入るまでインキツボキーの開度を調整する。そして、印刷した印刷物が所定枚数を越えても、測定値が許容範囲になければ、印刷を中止する印刷機が既に公知である(例えば、特許文献1)。
特許第6214862号公報
特許文献1の構成では、印刷物のインキ濃度が許容範囲に入るまでインキツボキーの開度を調整している間も、印刷物を印刷している状態であるため、ムダ紙が増えてしまうという不都合がある。特に、印刷機では、多数のインキローラ群を備えていることから、これら多数のインキローラそれぞれがインキを有している状態であるため、全てのインキローラ上のインキの厚み(濃度)を直ちに変更することができない。そのため、印刷物のインキ濃度が許容範囲に入るまでに多くの時間を費やすため、前記のようにムダ紙が増えてしまうことになる。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、ムダ紙を抑制してインキ濃度を目標濃度に一致させることができる印刷機におけるインキの嵩増し方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷機におけるインキの嵩増し方法は、印刷物の全てのインキツボキーに対応する領域の現状のインキ濃度が、それに対応する今回の印刷を行う印刷物の目標インキ濃度よりも低い場合に、前記現状のインキ濃度が前記目標インキ濃度になるように複数のインキツボキーそれぞれの開度を調整することによってインキツボ内からインキツボローラに供給されるインキの量を調整して刷版が巻回された版胴へ供給することでインキの嵩増しを行うように構成された印刷機におけるインキの嵩増し方法であって、前記インキの嵩増しは、印刷を停止した状態で行うように構成され、前記目標インキ濃度と現状のインキ濃度との濃度差及び印刷予定の印刷画像の画線率によりインキの嵩増し量を割り出し、その嵩増し量に基づいて各インキツボキーの開度を決定してインキの嵩増しを行うことを特徴としている。
上記構成によれば、印刷物の全てのインキツボキーに対応する領域の現状のインキ濃度が、それに対応する今回の印刷を行う印刷物の目標インキ濃度よりも低い場合に、印刷を停止した上で、目標インキ濃度と現状のインキ濃度との濃度差及び印刷予定の印刷画像の画線率によりインキの嵩増し量を割り出し、その嵩増し量に基づいて各インキツボキーの開度を決定してインキの嵩増しを行うことによって、ローラ上のインキ量を早く調整できるので、ムダ紙を抑制できる。
また、本発明に係る印刷機におけるインキの嵩増し方法は、目標インキ濃度が、各領域で同じ値に設定されたインキ濃度であることが好ましい。
また、本発明に係る印刷機におけるインキの嵩増し方法は、本刷りの前に試し刷りで複数枚の印刷物を印刷し、前記複数枚の印刷物のうち、予め設定された所定枚目から最終枚目までの複数の印刷物それぞれの各インキツボキーに対応する領域のインキ濃度を測定し、それら測定したインキ濃度をインキツボキー毎に平均化し、その平均化したインキ濃度と目標インキ濃度とを比較することで目標インキ濃度よりも低いかどうかを判断してもよい。
上記のように、印刷機が駆動して印刷状態が安定し易い予め設定された所定枚目から最終枚目までの複数の印刷物のインキ濃度を測定することによって、測定結果のバラツキを抑制することができる。また、測定した複数のインキ濃度をインキツボキー毎に平均化することによって、インキ濃度の測定時の測定誤差を吸収することができる。よって、インキ濃度と目標インキ濃度との差が真の値から大きくずれてしまうことを抑制できる。
本発明によれば、印刷を停止した上で、目標インキ濃度と現状のインキ濃度との濃度差及び印刷予定の印刷画像の画線率によりインキの嵩増し量を割り出し、その嵩増し量に基づいて各インキツボキーの開度を決定してインキの嵩増しを行うことによって、ムダ紙を抑制してインキ濃度を目標濃度に一致させることができる印刷機におけるインキの嵩増し方法を提供することができる。
印刷機の概略縦断側面図である。 印刷機のインキ供給部の拡大図である。 印刷機を制御する制御装置のブロック図である。 (a)は各インキツボキーにおけるインキ濃度を測定した測定値を示す説明図、(b)は(a)からインキを掻き取った時のインキ濃度を示す説明図、(c)は(b)からインキを画線率を加味した状態で追加した後のインキ濃度を示す説明図、(d)は(b)からインキを一定量追加した後のインキ濃度を示す説明図である。 インキ調整方法を示すフローチャートである。
以下、本発明のインキ濃度調整方法に用いる印刷機を、図面を参照しながら説明する。
図1は、ベースインキ調整モードを備えた印刷機であり、枚葉オフセット印刷機(以下において単に印刷機という)を示している。この印刷機は、紙積み台からフィーダ装置や用紙分離装置等により一枚ずつ印刷用紙としての枚葉紙を送り出すための給紙部Aと、この給紙部Aからの枚葉紙に印刷を行うための印刷部Bと、印刷部Bで印刷された枚葉紙に表面処理を施す表面処理部Cと、枚葉紙を排紙するための排紙部Dを備えている。ここで印刷部Bは、4色の印刷が行えるように4台の印刷ユニット5を備えた印刷部Bとしているが、4色以外の色、つまり1色又は2色又は3色、あるいは5色以上の印刷が行える印刷部であってもよい。又、印刷機を構成する各部の具体的な構成は図1に示されるものに限定されるものではない。
前記印刷ユニット5は、版胴1とゴム胴2とインキローラ群4、そして圧胴3と渡し胴6とを備えている。図示していないが、圧胴3のそれぞれには、送り出されてきた枚葉紙を爪台と爪とで把持するグリッパを、円周方向の2箇所(1箇所又は3箇所以上でもよい)に備えている。符号7は給紙胴であり、フィーダーボード8、口板9上を搬送される枚葉紙をスイングアーム10から受け取り、圧胴3に渡す役割を果たす。給紙胴7及びスイングアーム10にも前記の爪台と爪が設けられている。また、版胴1には、画像が形成された図示しない刷版が巻回され、固定されている。
排紙部Dは、2つの排紙胴とグリッパを備えるチェーン搬送装置にて構成されている。すなわち、表面処理部Cの圧胴3に隣接した第1排紙胴11と、これに隣接した第2排紙胴12が設けられ、そして枚葉紙の搬送方向前側(上流側)に設けられたスプロケット13と枚葉紙の搬送方向後側(下流側)に設けられたスプロケット14に無端状のチェーン15が巻回されており、スプロケット13、14の回転により、図示しないチェーンガイドに規制された状態でチェーン15は周回する。枚葉紙は、チェーン15に所定間隔で複数固定された図示しないチェーングリッパに把持されて排紙される。
図1に示すように、表面処理部Cには圧胴3と対向して当接するニス版胴16が設けられている。また、図示しないが、ニス版胴16に当接してニスを供給するアニロックスローラが設けられている。そして表面処理部Cは、ニス版胴16を圧胴3に対して昇降可能に支持する図示しない胴昇降装置を備えている。
図2はインキ供給部の拡大図である。インキツボ内のインキが供給されるインキツボローラ21は図中、反時計方向に回転し、インキ呼出しローラ25を介して下流に位置する多数のインキローラ群4にインキを供給する。インキ呼出しローラ25は詳細図示しないが、インキツボローラ21と横転ローラ26にそれぞれ接離可能に往復動する。すなわち、呼出しローラ25がインキツボローラ21に当接しているときは、呼出しローラ25は横転ローラ26と離反している。この往復動をインキ呼出しともいい、インキ呼出し回数が多いほど、インキ供給量が多くなる。また、インキツボローラ21に対してインキツボキーKが矢印S方向にスライド移動することにより接離可能となっており、インキツボキーKがインキツボローラ21に対して離間するほど、インキツボキーKの開度が大きくなって多量のインキが供給されるように構成されている。インキツボキーKは、図3に示すインキツボキー駆動モータM2の駆動により移動する。また、湿し水を収容する水船23が設けられており、水元ローラ24等を介して刷版に水船23内の湿し水を供給可能となっている。
インキローラ群4のうちの1つのインキローラ4a(図2では、左端の下から2番目に位置するインキローラ)には、ドクタブレード22が矢印T方向に回動することにより接離可能に設けられている。ドクタブレード22は、図3に示すドクタ駆動エアシリンダM3の駆動により回動する。ドクタブレード22は、インキローラ4aの軸方向に延びて設けられ、インキローラ4aへの当接時にインキローラ4aに供給されたインキを掻き取り可能に構成されており、図示しない刷版へのインキ供給量を迅速に減量することができる。インキ供給量の減量は、例えば図4(a)に示すように、インキ濃度が目標濃度(目標インキ濃度)を上回っている(オーバーしている)場合に行い、インキローラ4a上のインキを掻き取ることによって、目標濃度(目標インキ濃度)を上回ることがないようにしている。つまり、インキ濃度が目標濃度(目標インキ濃度)と同一又は下回るようにインキを掻き取るようにしている。目標インキ濃度は、各領域で同じ値に設定されたインキ濃度であり、各領域において同じ値の目標インキ濃度になるように後述する嵩増しを行うことになる。
具体的には、図4(a)に示すように、6つの領域(K1、K4、K5、K6、Kn−3、Kn−2)において斜線で示す部分のインキ濃度が目標濃度(目標インキ濃度)よりも高い状態になっている。このため、ドクタブレード22をインキローラ4aへ当接させてインキを掻き取ることになる。その掻き取られた後のインキ濃度の予測を、図4(b)に示している。つまり図4(b)において、2点鎖線で囲まれている部分が、インキが掻き取られた部分に相当する。また、図4(b)では、インキ濃度が目標濃度(目標インキ濃度)よりも高い左から1番目のインキツボキーK1に対応する領域で掻き取られたインキ量が、左から2番目及び3番目のインキツボキーK2、K3に対応する領域で掻き取られたインキ量よりも多くなっているのは当然であるが、掻き取られて残ったインキの高さがインキツボキーK2、K3の方がインキツボキーK1よりも低くなっている。これは、インキローラ4aが回転している状態では、流動性を有するインキがインキローラ4a上で周方向において波打つような状態になっているものと考えられる。このため、本来掻き取られることのないインキ(インキツボキーK2、K3に対応する領域のインキ)もドクタブレード22に当接して掻き取られてしまっている。その結果、掻き取られて残ったインキの高さがインキツボキーK2、K3の方がインキツボキーK1よりも低くなることがある。なお、左から5番目のインキツボキーK5のインキの高さが目標濃度(目標インキ濃度)に一致した一番高い高さになっているのも、前記した理由である。
また、図4(b)に示すインキを掻き取った後の各インキツボキーに対応する領域のインキ濃度は、実際に実験を繰り返して得た膨大なデータに基づいて集約して作成されたテーブルの中から1つのデータを取り出すことで把握できる。なお、図4(b)では、各インキツボキーに対する画像の画線率を反映した状態でインキの掻き取り量(2点鎖線で囲まれた部分)を表示している。また、ドクタブレード22を予め設定された設定時間以上にインキローラ4aへ当接させることによって、インキローラ4a上のインキの高さをローラ幅方向で同一高さに均すこともできるが、時間が多くかかってしまうため、ここでは前記インキの高さが均一になる設定時間よりも短い時間に設定しているため、図4(b)ではインキ濃度の高さが均一になっていない。
また、図4に示すように、インキツボキーKは、インキツボローラ21(図2参照)の軸方向に複数(K1〜Kn)設けられている。図4(a)の通り、インキツボキーKのインキツボローラ21に対する距離(開度)は印刷画像の画線率に基づく必要なインキ量によって、インキツボキー毎に決められる。画線率とは、印刷する用紙の1頁に含まれる総ドット数(印刷するドット数と印刷しないドット数の合計)に対する印刷するドット数であり、例えば、印刷物の各インキツボキーに対応する領域毎の画線率を画線率データが多数記憶されているテーブルの中から1つのデータをピックアップして使用することになる。前記画線率データは、見本となる印刷物を撮像する又は見本となる印刷画像をパソコン等で作成し、それら撮像又は作成した画像から各インキツボキーに対応する領域毎の画線率を求めてデータにしたものである。
図3は、印刷機の制御装置の構成を示すブロック図である。マイクロプロセッサ50には、読み出し専用のROM及び読み書きが可能なRAMが接続されており、印刷機を駆動する本機モータM1の駆動制御信号をインターフェイス51を介して出力するように構成されている。また、インターフェイス51には印刷機の各種状態を表示可能で、タッチパネル式ボタンにより各種操作も可能なGUI(Graphical User Interface)30が接続されている。また、前述のインキツボキー駆動モータM2、ドクタブレード22を揺動させるためのドクタ駆動エアシリンダM3も接続されている。なお、上述のマイクロプロセッサに代えて、プログラマブルロジックデバイス等、他の制御手段を用いても本発明は実現可能である。また、インターフェイス51には他の装置も接続されているが、本発明に関係のないものは省略しているので、本発明は図3に示すものに限定されない。
前記制御装置により印刷される印刷物が目標インキ濃度になるように制御するインキ濃度調整方法について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。作業者が図示しないインキ濃度調整用のボタンまたはスイッチ等を押すことによって、制御装置からの指示信号に基づいてインキ濃度を調整する制御を開始する。制御を開始すると、制御装置の判断に基づいて制御装置が各種の処理を行わせる。まず、印刷機を駆動し、50枚(枚数は自由に変更できる)の試し刷りを開始する(ステップS1)。開始してから印刷状態が安定する31枚目から最終の50枚目までの印刷物のインキ濃度を印刷機に備えるセンサ(図示せず)により測定するように制御装置から指示を出す。このように印刷状態が安定する印刷物を測定することによって、測定結果のバラツキを抑制することができる。実際には、印刷された印刷物の各インキツボキーに対応する領域に印刷されたカラーパッチのインキ濃度を測定することによって、印刷物の幅方向における複数のインキ濃度を測定している。全ての印刷物(31枚目から50枚目までの印刷物)のインキ濃度の測定が終了すると、自動給紙を停止する(印刷時の速度よりも低速になるアイドリング状態(印刷機による印刷を停止した状態)にする)とともに、それら測定した印刷物のインキツボキー毎のインキ濃度を平均化する(ステップS2)。このように、測定した複数のインキ濃度をインキツボキー毎に平均化することによって、インキ濃度の測定時の測定誤差を吸収することができる。ここでは、試し刷りした印刷物のインキ濃度を測定したが、前回印刷した印刷物のインキ濃度(前回の印刷時に測定したインキ濃度のデータ)を用いてもよい。ここでは、試し刷りを行った31枚目から最終の50枚目までの印刷物のインキ濃度を印刷機に備えるセンサ(図示せず)により測定しているが、31枚目から最終の50枚目までの印刷物のいずれか数枚を抜き出し、抜き出した数枚の印刷物のインキ濃度を手動で測定するようにしてもよい。
続いて、平均化したインキ濃度が予め設定した許容値(目標インキ濃度の上限値と下限値とで挟まれる許容範囲で設定される目標インキ濃度)であるかどうかを判定する(ステップS3)。平均化したインキ濃度が許容値(目標インキ濃度)であると判定すると、本刷りに移行する(ステップS11)。平均化したインキ濃度が許容値から外れていると判定すると、該インキ濃度のうちの少なくとも1つのインキ濃度が目標インキ濃度よりも高いかどうかを判定する(ステップS4)。1つでもインキ濃度が高いと判定する(図4(a)では、6ヶ所の領域のインキが目標濃度(目標インキ濃度)よりも高くなっていると判定する)と、前述したようにインキローラ4a上のインキをドクタブレード22で掻き取りを開始する(ステップS5)。
掻き取り終了後、インキ濃度が目標インキ濃度よりも低いかどうかを判定する(ステップS6)。インキ濃度が目標インキ濃度よりも低いと判定すると、図4(b)にしている掻き取られた後のインキの濃度予測に基づいてインキの嵩増し量を割り出(算出又はテーブル化されたデータの中から1つを選択)してインキを嵩増しする(ステップS7)。このインキの嵩増し量は、まず、目標濃度(目標インキ濃度)から現状のインキ濃度(掻き取られて残ったインキのインキ濃度)を引き算して濃度差を求め、その濃度差と印刷予定の印刷物の各インキツボキーに対応する画線率とによりインキツボキー毎のインキ量(インキの嵩増し量)を割り出す。なお、現状のインキ濃度は、掻き取り時間に基づいて作成されたテーブル中のインキ濃度をピックアップすることになるが、ローラ上のインキを実際に計測した結果から割り出してもよい。インキ量の割り出しは、具体的には、濃度差と画線率との関係から目標濃度に到達するためのインキ量を実験により求め、求めたデータをテーブル化して記憶させておき、テーブル化した多数のデータの中から1つを選択することになるが、濃度差と画線率とを予め決められた数式に当てはめて演算により割り出すようにしてもよい。このように、目標インキ濃度と現状のインキ濃度との濃度差と印刷予定の印刷画像の画線率とにより割り出したインキ量に基づいて各インキツボキーK1〜Knの開度を決定することによって、インキを増量する量(インキの嵩増し量)を適確に設定することができ(図4(c)参照)、目標インキ濃度に一致させる時間を確実に短縮することができる。ここでは、掻き取った後に嵩増しを行うようにしているが、掻き取らないで印刷物の複数のインキツボキーのそれぞれに対応する領域の現状のインキ濃度が、前記各領域に割り当てられる今回の印刷を行う印刷物の目標インキ濃度よりも低い場合に、現状のインキ濃度が目標インキ濃度になるように嵩増しを行うようにしてもよい。図4(d)は、図4(b)からインキを一定量追加した後のインキ濃度を示している。
嵩増しが終了すると、印刷機をアイドリング速度から印刷速度に増速して更に50枚試し刷りし、前記同様に印刷された印刷物のインキ濃度を測定する(ステップS8)。これによりインキ濃度の最終チェックを行うことができるが、ステップS8は、場合によってはスキップしてもよい。この場合も、前記と同様に印刷開始後に印刷状態が安定する31枚目から最終の50枚目までの印刷物のインキ濃度を測定し、測定した印刷物のインキツボキー毎のインキ濃度を平均化してもよい。また、測定した50枚試し刷りした後は、前述同様に自動給紙を停止する(印刷時の速度よりも低速になるアイドリング状態にする)。平均化したインキ濃度が予め設定した許容値(目標インキ濃度)であるかどうかを判定し(ステップS9)、外れていると判定した場合には、オペレータが本刷りを開始するか再度インキ濃度の補正を行うかを判断する(ステップS10)。これは、外れている場合でも印刷する印刷物によっては問題にならない程度のインキ濃度の外れである場合があり、その判断は機械側で行うのは難しいため、オペレータにより判断させるようにしている。
前述したように、測定した複数のインキ濃度のうち、少なくとも1つのインキ濃度が目標インキ濃度よりも高い場合には、少なくとも1つのローラ(ここではインキローラ4a)上のインキをローラの全幅に亘って掻き取る。また、測定した全てのインキ濃度が目標インキ濃度よりも低い場合には、インキツボローラ21に供給されるインキ量を増量する。これらを行うことによって、ローラ上のインキ量を早く調整できるので、ムダ紙を抑制できる。しかも、前記実施形態では、印刷機の印刷を停止した状態で目標インキ濃度へ収束させるようにしているので、ムダ紙の発生をより一層抑制できる。
また、本発明は、インキツボ内のインキが供給されるインキツボローラと、インキツボローラの軸方向に複数設けられたインキツボキーと、上限値と下限値とで挟まれる許容範囲で設定される目標インキ濃度になるようにインキツボ内からインキツボローラに供給されるインキの量を調整するように複数のインキツボキーそれぞれの開度を調整する開度調整手段(インキツボキー駆動モータM2)とを備え、前記インキツボローラに供給されたインキをインキ呼び出しローラの呼び出し動作により多数のインキローラ群を介して刷版が巻回された版胴へ供給するように構成された印刷機であって、前の印刷物又は今回の本刷り前の試し刷りで印刷された印刷物の各インキツボキーに対応する領域のインキ濃度を測定する測定手段と、前記測定した複数のインキ濃度のうち、少なくとも1つのインキ濃度が目標インキ濃度よりも高い場合には、前記インキツボローラ、前記インキ呼び出しローラ、前記インキローラ群のうちの少なくとも1つのローラ上のインキを該ローラの全幅に亘って掻き取る掻取手段(ドクタブレード22)、前記測定した全てのインキ濃度が目標インキ濃度よりも低い場合には、目標インキ濃度に基づいて前記各インキツボキーの開度を調整して前記インキツボローラに供給されるインキ量を増量する増量手段とを備えていることを特徴とする印刷機であってもよい。
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
前述の実施形態では枚葉オフセット式印刷機であったが、インキ供給量が調整可能な印刷機であればこれに限らず、輪転オフセット印刷機等、その他の印刷機にも適用可能である。
また、前述の実施形態では、インキローラ群4のうちの左端の下から2番目に位置するインキローラ4aのインキを掻き取るようにしたが、インキローラ群4の他のインキローラ又はインキツボローラ21又はインキ呼び出しローラ25のインキを掻き取る構成であってもよい。
1…版胴、2…ゴム胴、3…圧胴、4…インキローラ群、4a…インキローラ、5…印刷ユニット、6…渡し胴、7…給紙胴、8…フィーダーボード、9…口板、10…スイングアーム、11…第1排紙胴、12…第2排紙胴、13,14…スプロケット、15…チェーン、16…ニス版胴、21…インキツボローラ、22…ドクタブレード、23…水船、24…水元ローラ、25…インキ呼び出しローラ、26…横転ローラ、50…マイクロプロセッサ、51…インターフェイス、A…給紙部、B…印刷部、C…表面処理部、D…排紙部、K,K1〜Kn…インキツボキー、M1…本機モータ、M2…インキツボキー駆動モータ、M3…ドクタ駆動エアシリンダ、S,T…矢印

Claims (3)

  1. 印刷物の複数のインキツボキーのそれぞれに対応する領域の現状のインキ濃度が、前記各領域に割り当てられる今回の印刷を行う印刷物の目標インキ濃度よりも低い場合に、前記現状のインキ濃度が前記目標インキ濃度になるように複数のインキツボキーそれぞれの開度を調整することによってインキツボ内からインキツボローラに供給されるインキの量を調整して刷版が巻回された版胴へ供給することでインキの嵩増しを行うように構成された印刷機におけるインキの嵩増し方法であって、
    前記インキの嵩増しは、印刷機による印刷を停止した状態で行い、前記目標インキ濃度と現状のインキ濃度との濃度差及び印刷予定の印刷画像の画線率によりインキの嵩増し量を割り出し、その嵩増し量に基づいて各インキツボキーの開度を決定してインキの嵩増しを行うことを特徴とする印刷機におけるインキの嵩増し方法。
  2. 目標インキ濃度は、各領域で同じ値に設定されたインキ濃度であることを特徴とする請求項1に記載の印刷機におけるインキの嵩増し方法。
  3. 本刷りの前に試し刷りで複数枚の印刷物を印刷し、前記複数枚の印刷物のうち、予め設定された所定枚目から最終枚目までの複数の印刷物それぞれの各インキツボキーに対応する領域のインキ濃度を測定し、それら測定したインキ濃度をインキツボキー毎に平均化し、その平均化したインキ濃度と目標インキ濃度とを比較することで目標インキ濃度よりも低いかどうかを判断することを特徴とする請求項1に記載の印刷機におけるインキの嵩増し方法。
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