JP2019114729A - 熱伝導性絶縁接着シート、および該シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1時間未満の加熱・加圧工程で、従来よりも熱伝導性、特に絶縁信頼性性能に優れる複合部材を形成し得る熱伝導性絶縁接着シートを提供すること。【解決手段】 複数の層(A)と、1層以上の層(B)とを有し、複数の層(A)と1層以上の層(B)とは、層(B)が最外層には位置しないように交互に積層されてなる熱伝導性絶縁接着シートであって、層(B)が、熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)とを含有する熱硬化型組成物の未硬化物および/または半硬化物であり、複数の層(A)のうち最も外側に位置する最外層(Aout)に含まれる熱伝導性フィラー(F)の質量が、層(B)に含まれ得る熱伝導性フィラー(F)の質量よりも相対的に多い、熱伝導性絶縁接着シート。【選択図】 なし

Description

本発明は、熱伝導性絶縁接着シート、および該シートの製造方法に関する。
家電、産業ロボット、輸送機器等の電力駆動機器はパワー半導体モジュールが搭載されている。パワー半導体素子は高電流・電圧下においても駆動が可能であるが、一方で、電力損失により発熱が生じモジュールが高温環境下に曝されるため、パワー半導体モジュールには効率的な放熱構造の存在が不可欠である。この理由から、一般に、各種電子部品(例えばパワー半導体素子およびこれを含むパワーカード等)の熱を発生し得る熱発生部材からヒートシンク等の放熱部材への熱伝導を促し、放熱を促すために、放熱部材の放熱ベース基板と熱発生部材との間にサーマルインターフェースマテリアル(TIM材)を配置することが好ましい。
種々のTIM材の中でも熱伝導性絶縁接着シートは、例えば、熱伝導性フィラーと熱硬化性樹脂の未硬化物および/または半硬化物とを含む熱伝導性絶縁接着シートを放熱部材と熱発生部材との間に配置し、熱プレス等の加熱・加圧により硬化させることで、簡易に形成することができるため、パワー半導体モジュールで使用されている。
電気絶縁性を保ちつつ、熱伝導率を高めるためには、例えば、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化ケイ素等の熱伝導性セラミック粒子である、熱伝導性フィラーを分散させた熱伝導性絶縁接着シートを用いる方法が知られている。
例えば、特許文献1には、金属板、はんだ層、および半導体チップがこの順に積層された半導体モジュールと、放熱部材とを含むパワー半導体装置であって、前記金属板と前記放熱部材との間に、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂硬化剤、α−アルミナ、および窒化ホウ素等とを含有するエポキシ樹脂組成物の硬化体が配置されたパワー半導体装置が開示されている。
特許文献2には、大きさの異なる3種類の熱伝導性フィラーを含む樹脂層と、前記樹脂層の少なくとも一方の面上に配置された接着剤層とを備えた多層樹脂シートが記載され、接着剤層にも酸化アルミウム等のフィラーを含有し得る旨開示されている。
また、特許文献3には、エポキシ樹脂、フェノール系硬化剤、電気絶縁性及び熱伝導性に優れた無機充填剤に、短い加圧時間で空隙を低減して電気絶縁性を確保できる硬化度を得る目的で、反応性をコントロールし速硬化させる硬化促進剤を使用した熱伝導性樹脂シートを搭載したパワーモジュールの製造法が開示されている。
特許文献4には、窒化ホウ素を除く熱伝導性球状フィラー(F1)と、粉末状または粒状の窒化ホウ素フィラー(F2)と、バインダー樹脂とを含む熱伝導性絶縁シートであって、熱伝導性球状フィラー(F1)を含有し、窒化ホウ素フィラー(F2)を含有し得る複数の層(A)と、窒化ホウ素フィラー(F2)を含有し、熱伝導性球状フィラー(F1)を含有し得る1層以上の層(B)とを有し、空隙率が0.2以下である熱伝導性絶縁シートが開示されている。
特開2016−155985号公報 WO2012/046814 特開2014−196403号公報 WO2017/154962
しかし近年、エレクトロニクス分野において、特に電子機器の小型化、軽量化、高密度化、及び高出力化が著しく進み、それに伴い要求される信頼性、性能のレベルも高くなっており、中でも、電子回路の高密度化、高出力化に伴う絶縁信頼性や、発熱から電子部材の劣化を防ぐための放熱性(熱伝導性)の性能向上が強く求められている。
また、部材の軽量化を狙い、上記課題を高分子材料を用いて克服しようとする試みも始まり、絶縁性を高めた高分子材料に熱伝導性粒子を混合した熱伝導性絶縁接着部材の開発も進んでいるが、パワー半導体装置に好適な複合部材として、高い熱伝導性と絶縁性との両立は、十分ではないのが現状である。
また、熱伝導性絶縁シートは、熱発生部材および放熱部材の表面凹凸に良好に追従できる柔軟性を有し、熱発生部材と放熱部材とを良好に接着することが望まれる。
さらに、パワー半導体装置の作製工程を簡素化するために、熱伝導性絶縁接着シートの接着および硬化工程における加熱・加圧時間の短時間化が要求される。
特許文献1、2においてはいずれも140℃以上の加熱温度で、4時間以上の硬化工程が必要であり、特許文献3においても、硬化促進剤を使用し反応性のコントロールを試みているが、200℃で3時間の硬化工程が必要である。
特許文献4においても、180℃、1時間の加熱硬化を要する。
絶縁性能を長期に渡り維持し続けることは、パワー半導体等高出力デバイスの信頼性を確保する上で必須であるが、パワー半導体装置の作製工程が1時間未満の加熱・加圧工程では、高い絶縁信頼性を十分に満たすものがないのが現状である。
すなわち、本発明の目的は、1時間未満の加熱・加圧工程で、従来よりも熱伝導性、特に絶縁信頼性性能に優れる複合部材を形成し得る熱伝導性絶縁接着シートを提供することである。
本発明者らは、上記の諸問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[8]に関する。
[1] 複数の層(A)と、1層以上の層(B)とを有し、複数の層(A)と1層以上の層(B)とは、層(B)が最外層には位置しないように交互に積層されてなる熱伝導性絶縁接着シートであって、下記条件(1)〜(3)の全てを満たす、熱伝導性絶縁接着シートに関する。
(1) 複数の層(A)が、熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)とを含有し、硬化促進剤(D)を含有し得る熱硬化型組成物の未硬化物および/または半硬化物である。
(2) 層(B)が、熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)とを含有する熱硬化型組成物の未硬化物および/または半硬化物である。
(3) 複数の層(A)のうち最も外側に位置する最外層(Aout)に含まれる熱伝導性フィラー(F)の質量が、層(B)に含まれ得る熱伝導性フィラー(F)の質量よりも相対的に多い。
[2] 硬化剤(C)が、エポキシ基、イソシアネート基、カルボジイミド基、アジリジン基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有すものである、上記[1]記載の熱伝導性熱硬化型接着シートに関する。
[3] 硬化剤(C)がエポキシ基を有すものでありエポキシ当量が50〜500(g/eq)である、上記[2]記載の熱伝導性熱硬化型接着シートに関する。
[4] 硬化促進剤(D)が3級アミノ基を有するものである、上記[1]〜[3]いずれかに記載の熱伝導性熱硬化型接着シートに関する。
[5] 層(B)に含まれる硬化剤(C)100質量%に対して、硬化促進剤(D)を25〜150質量%を含んでなる、上記[1]〜[4]いずれかに記載の熱伝導性絶縁接着シートに関する。
[6] 熱硬化性樹脂(R)が、ポリウレタン系樹脂またはポリアミド樹脂である、上記[1]〜[5]いずれかに記載の熱伝導性絶縁接着シートに関する。
[7] 最外層(Aout)は、熱伝導性フィラー(F)として熱伝導性球状フィラー(F1)を含み、窒化ホウ素フィラー(F2)を含有し得るものであり、
層(B)は、熱伝導性フィラー(F)として窒化ホウ素フィラー(F2)を含有し、熱伝導性球状フィラー(F1)を含み得るものである、上記[1]〜[6]いずれかに記載の熱伝導性絶縁接着シートに関する。
[8] 複数の層(A)と1層以上の層(B)とを有す熱伝導性絶縁接着シートの製造方法であって、下記条件(101)〜(103)の全てを満たす、熱伝導性絶縁接着シートの製造方法に関する。
(101) 熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)とを含有し、硬化促進剤(D)を含有し得る熱硬化型組成物シート(A’)を複数用意する工程。
(102) 熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)とを含有する熱硬化型組成物シート(B’)をであって、複数のシート(A’)のうち積層後に最も外側に位置する予定の最外層用シート(A’out)に含まれる熱伝導性フィラー(F)の質量が、シート(B’)に含まれ得る熱伝導性フィラー(F)の質量よりも相対的に多い、熱硬化型組成物シート(B’)を用意する工程。
(103) 前記シート(B’)が最外層にはならないように、前記シート(A’)と前記シート(B’)とを交互に積層し、加圧する工程。
本発明の熱伝導性絶縁接着シートにより、1時間未満の加熱・加圧工程で熱電導性と絶縁性に優れる複合部材を提供することができるようになり、パワー半導体装置の絶縁信頼性も向上するこができるようになった。
本発明の熱伝導性絶縁接着部材の一例を示す断面図である。 本発明の熱伝導性絶縁接着部材の別の一例を示す断面図である。 本発明の複合部材の一例を示す断面図である。 本発明の複合部材の別の一例を示す断面図である。 本発明の複合部材の別の一例を示す断面図である。 本発明の複合部材の別の一例を示す断面図である。 本発明の複合部材の別の一例を示す断面図である。 本発明の複合部材の別の一例を示す断面図である。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、各種電子部品(例えばパワー半導体素子およびこれを含むパワーカード等)の熱を発生し得る熱発生部材とヒートシンク等の放熱部材の放熱ベース基板との間に配置し、加熱・加圧により硬化させて使用することができる。
本明細書において、熱伝導性絶縁接着シートの加熱・加圧物(硬化物)を「熱伝導性絶縁膜」と言い、熱発生部材/熱伝導性絶縁膜/放熱部材の放熱ベース基板からなる構造体を「複合部材」と言う。
本明細書において、各種パラメータは特に明記しない限り、後記[実施例]の項に記載の方法にて求めるものとする。
<層(A)>
まず、層(A)に関して説明する。層(A)は熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)とを含有し、硬化促進剤(D)を含有し得る熱硬化型組成物の未硬化物および/または半硬化物であり、主に熱伝導性球状フィラー(F1)を含有する。また、最も外側に位置する前記層(A)は層(Aout)となる。
層(A)は、熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)との合計100質量%中、熱伝導性球状フィラー(F1)を30〜90質量%、窒化ホウ素フィラー(F2)を0〜30質量%含むことが好ましい。
前記層(A)中の熱伝導性球状フィラー(F1)の含有率(質量%)は、熱伝導性の点から30質量%以上、塗膜形成性の点から90質量%以下であり、望ましくは50〜80質量%の範囲である。
本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、層(B)よりも、相対的に熱伝導性球状フィラー(F1)を多く含む層(A)を、最外層になるように交互に積層した構成を有する。
また、最も外側に位置する層(Aout)における熱伝導性球状フィラー(F1)の含有量(F1A質量%)が、層(B)に含有し得る熱伝導性球状フィラー(F1)の含有質量率(F1B質量%)よりも高いことで、発熱体や放熱ベース基板の凹凸への追従性・接着性が向上する。
前記層(A)中には硬化促進剤(D)を含有しても良いが、ポットライフと硬化性の観点から硬化剤(C)の100質量部に対して、硬化促進剤(D)は0〜50質量部使用することが好ましく。0〜25質量部使用するのがより好ましい。
<層(B)>
層(B)は、熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)とを含有する熱硬化型組成物の未硬化物および/または半硬化物である。
層(B)は、主に窒化ホウ素フィラー(F2)を含有し、高い熱伝導率を有し、熱伝導性絶縁接着シートの熱伝導性を高める機能を担う。
層(B)は、熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)との合計100質量%中、窒化ホウ素フィラー(F2)を30〜90質量%含み、熱伝導性球状フィラー(F1)を0〜30質量%含むことが好ましい。
層(B)中の窒化ホウ素フィラー(F2)の含有率は、熱伝導性の点から30質量%以上、膜形成性の点から90質量%以下であり、望ましくは40〜80質量%の範囲である。また層(B)には、30質量%以下の範囲で熱伝導性球状フィラー(F1)を併用してもよい。
前記層(B)中には硬化促進剤(D)を含有し、硬化剤(C)100質量部に対して、硬化促進剤(D)は25〜150質量部使用でき、ポットライフと硬化性の観点から30〜100質量部が好ましく、50〜75質量部がより好ましい。
<空隙率>
本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、空隙率が0.2以下であることが好ましい。
熱伝導性絶縁接着シートは、発熱体と放熱ベース基板との間に挟まれ使用される。そのため、発熱体から生じた熱を効率的に放熱部材に伝え、さらに十分な絶縁性を確保するために空隙率は0.2以下であることが好ましく、さらに0.15以下であることが望ましい。空隙率が0.2以下であることにより絶縁性がより優れたものとなり、シートの凝集力が向上し、機械的強度や接着力が良好となり、空気・水分のシート内部への侵入を防止し、耐久性が向上する。
本発明でいう空隙率は以下の式にて求められる。
空隙率=1−(熱伝導性絶縁接着シートの実測密度/熱伝導性絶縁接着シートの理論密度)
熱伝導性絶縁接着シートの実測密度=熱伝導性絶縁接着シート質量(g)/熱伝導性絶縁接着シート体積(cm
熱伝導性絶縁接着シートの理論密度=
熱硬化型組成物シート(A’)および熱硬化型組成物シート(B’)の質量の和(g)/同体積の和(cm)=
(熱硬化型組成物シート(A’)および熱硬化型組成物シート(B’)を構成する各成分の乾燥質量の和)/(熱硬化型組成物シート(A’)および熱硬化型組成物シート(B’)を構成する各成分の乾燥体積の和)
熱硬化型組成物シート(A’)および熱硬化型組成物シート(B’)の体積=同質量(g)/同密度(g/cm
窒化ホウ素フィラー(F2)、熱伝導性球状フィラー(F1)等の密度は一般的なものを用いる。
熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)その他の有機成分の密度は仮に1とする。
熱伝導性絶縁接着シートに空隙がない場合、実測密度と理論密度が等しくなり、空隙率=0となる。
仮に熱伝導性絶縁接着シートの実測重量に対し体積が無限大に大きい場合、実測密度≒0となり、空隙率≒1となる。
熱伝導性絶縁接着シートが空隙を含み実測密度が理論密度を下回る場合、空隙率は0〜1の値となる。
なお、発熱体と放熱ベース基板との間に挟まれた状態での空隙率が測定困難な場合は、熱伝導性絶縁性接着シートに剥離シートを貼った状態で、挟んで使用する場合と同様の条件で加圧プレスした後、空隙率を測定することにより、空隙率を求めることができる。
発熱体と放熱ベース基板との間に挟まれた状態での空隙率を予測することにより、熱伝導性絶縁接着シートの使用条件を設定することができる。
本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、主に窒化ホウ素フィラー(F2)を含有し、空隙の多い熱硬化型組成物シート(B’)の両面を、主に熱伝導性球状フィラー(F1)を含有する熱硬化型組成物シート(A’)で挟み、加熱・加圧することより得られる。主に熱伝導性球状フィラー(F1)を含有する熱硬化型組成物シート(A’)は、含まれる熱伝導性フィラーが球状なので、無溶剤状態でも熱硬化型組成物シート(A’)が加熱・加圧により容易に変形しやすい。その結果、熱硬化型組成物シート(A’)中に含まれ、熱硬化型組成物シート(B’)との積層界面近傍に位置していた熱伝導性球状フィラー(F1)や熱硬化性樹脂(R)、および含まれ得る窒化ホウ素フィラー(F2)の一部が、加熱・加圧により、空隙の多い熱硬化型組成物シート(B’)内の空隙を埋め、さらに熱硬化型組成物シート(A’)よりも熱硬化型組成物シート(B’)に多く硬化促進剤(D)を用いることにより、熱硬化型組成物シート(A’)の流動を妨げることがなく、短い硬化時間でも熱硬化型組成物シート(B’)の空隙を埋めた状態で高い硬化度合いに達することができ熱伝導性絶縁接着シート全体の空隙率を低減することができる。その結果として、高い絶縁性が発現できたと考察する。
そして、熱伝導性球状フィラー(F1)を含有し、変形しやすい熱硬化型組成物シート(A’)が最外層に位置することにより、熱を発生し得る部材を含む発熱体や放熱ベース基板の凹凸への追従性・接着性が向上でき、接触熱抵抗の点からも熱伝導性が向上できたものと考察する。
<最外層の占有体積率>
本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、最も外側に位置する層(Aout)の不揮発成分全体積中の熱伝導性フィラーの占有体積率が、50%よりも多く90%以下であることが好ましい。
層(A)は、熱伝導性絶縁接着シートにおいて最外層(Aout)となり、発熱体や冷却器と直接接触する層であるため、接着性と共に高い熱伝導性が必要とされる。そのため、最外層(Aout)もしくは熱硬化型組成物シート(A’)中における熱伝導性球状フィラー(F1)、窒化ホウ素フィラー(F2)、熱硬化性樹脂(R)、硬化剤(C)、および硬化促進剤(D)の合計体積100%中、含まれる熱伝導性球状フィラー(F1)と窒化ホウ素フィラー(F2)を合わせた占有体積は50%より多いことが好ましく、接着性等の実用物性を鑑みると、更に好ましくは、50%より多く、90%以下であることが好ましい。
占有体積率(vol%と呼ぶ)は次のようにして算出することができる。
熱伝導性球状フィラー(F1)の重量(g)÷熱伝導性球状フィラー(F1)の比重(g/cm)・・・(1)
窒化ホウ素フィラー(F2)の重量(g)÷窒化ホウ素フィラー(F2)の比重(g/cm)・・・(2)
シート中の熱伝導性フィラー以外のその他の成分(g)÷1(g/cm)・・・(3)
体積%=100×{((1)+(2))/((1)+(2)+(3))}
※シート中の熱伝導性フィラー以外のその他の成分は、計算を容易にするため比重を1g/cmとした。
本発明では、用いる熱硬化性樹脂(R)、硬化剤(C)、および硬化促進剤(D)熱伝導性球状フィラー(F1)、及び窒化ホウ素フィラー(F2)は不揮発性成分であるため、例えば、熱硬化型組成物シート(A’)や熱硬化型組成物シート(B’)を加熱・加圧した前後で不揮発性成分中の上記占有体積率は変化しないとみなす。
加熱・加圧により、熱硬化型組成物シート(A’)中に含まれていた熱伝導性球状フィラー(F1)、熱硬化性樹脂(R)および含まれ得る窒化ホウ素フィラー(F2)がどの程度熱硬化型組成物シート(B’)に移行し、熱硬化型組成物シート(B’)の空隙率を埋めたのかを特定する手段がないこと(若しくは特定には非現実的な多大な労力を要すこと)、そして本発明で用いる熱硬化性樹脂(R)、熱伝導性球状フィラー(F1)、及び窒化ホウ素フィラー(F2)は不揮発性成分であることから、熱硬化型組成物シート(A’)や熱硬化型組成物シート(B’)を加熱・加圧した前後で、占有体積率は変化しないとみなすことができるため、熱硬化型組成物シート(A’)中に含まれていた各成分の量をもって、層(Aout)中の量とし占有体積率を求めることができる。
なかでも、熱伝導性絶縁接着シートは、空隙率が0.2以下かつ、最も外側に位置する層(Aout)中の、熱伝導性フィラーの占有体積率が、50体積%よりも多く90%体積以下であることが好ましい。このような熱伝導性絶縁接着シートである場合、熱伝導性絶縁接着シート中の空隙を出来るだけ少なくできるほか、最外層となる層(Aout)中に含まれる熱伝導性球状フィラー(F1)の効果で流動性が増し、発熱体や放熱ベース基板の表面凹凸への追従性が上がり、層(Aout)中に金属と良好な接着性を示す硬化促進剤(D)が含まれる場合、発熱体や冷却器への接着性が向上する。さらには熱伝導性を有する最外層となる層(Aout)が熱伝導性絶縁接着シート内の空隙を埋める役割をし、熱伝導性絶縁接着シート内部の熱伝導性能を活かすことができ、高い熱伝導性と絶縁性の両立が可能とすることができる。
<熱伝導性絶縁接着シート>
熱伝導性絶縁接着シートを形成する熱硬化型組成物シートを用いて形成することができる。
熱伝導性球状フィラー(F1)、熱硬化性樹脂(R)、硬化剤(C)を含有し、窒化ホウ素フィラー(F2)、硬化促進剤(D)を含有し得る層(A)を形成するための熱硬化型組成物シート(A’)、および、窒化ホウ素フィラー(F2)、熱硬化性樹脂(R)、硬化剤(C)、硬化促進剤(D)を含有し、熱伝導性球状フィラー(F1)を含有し得る層(B)を形成するための、熱硬化型組成物シート(B’)を用い、層(A)と層(B)とが、前記層(B)が最外層には位置しないように交互に積層することで、熱伝導性絶縁接着シートが得られる。
また、このとき、最も外側に位置する層(Aout)における熱伝導性球状フィラー(F1)の含有質量率(F1A質量%)が、熱伝導性絶縁(B)に含有し得る熱伝導性球状フィラー(F1)の含有質量率(F1B質量%)よりも高いことを特徴とする。
このように、基材との密着性や絶縁性を高めるように設計された層(A)と、高い熱伝導性を発現できるように設計された層(B)とが、層(A)が最外層となるように積層され、機能分離構成を有していることが必要である。
また、本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、主に熱伝導性球状フィラー(F1)を含有する最外層(Aout)の外側を、剥離性シートで覆うこともできる。
本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、放熱ベース基板と熱を発生し得る部材を含む発熱体との間に挟まれ使用される。そのため、熱を発生し得る部材を含む発熱体から生じた熱を効率的に放熱ベース基板に伝え、さらに十分な絶縁性を確保するために空隙率は0.2以下であることが好ましく、さらに0.15以下であることが望ましい。空隙率が0.2を超えると十分な絶縁性が得られなかったり、シートの凝集力が低下し機械的強度や接着力が低下したり、空気・水分がシート内部に侵入したりしやすくなり耐久性が低下する恐れがある。
熱硬化型組成物シートは、必要に応じて、難燃剤、充填剤、その他各種添加剤を含むことができる。
難燃剤としては例えば、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウム、リン酸化合物等が挙げられる。
添加剤として例えば、基材密着性を高めるためのカップリング剤、吸湿時・高温時の信頼性を高めるためのイオン捕捉剤・酸化防止剤、およびレベリング剤等が挙げられる。
[熱伝導性フィラー]
本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、熱伝導性フィラーを含有し、層(A)は、熱伝導性球状フィラー(F1)を含有し、窒化ホウ素フィラー(F2)を含有し得る。層(B)は、窒化ホウ素フィラー(F2)を含有し、熱伝導性球状フィラー(F1)を含有し得る。
(熱伝導性球状フィラー(F1))
熱伝導性球状フィラー(F1)は、窒化ホウ素フィラー(F2)以外の、球状である熱伝導性フィラーであれば、従来公知の熱伝導性フィラーを用いることができる。
熱伝導性球状フィラー(F1)としては、例えば、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、窒化アルミニウム等の金属窒化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸金属塩、ケイ酸カルシウム等のケイ酸金属塩、水和金属化合物、結晶性シリカ、非結晶性シリカ、炭化ケイ素またはこれらの複合物等が挙げられる。これらは、1種類でもよいし複数の種類を併用することもできる。
球形度、熱伝導性、絶縁性の観点からアルミナまたは窒化アルミニウムの少なくとも一方であることが望ましい。
本発明において球状であるとは、例えば、「円形度」であらわすことができ、この円形度とは、粒子をSEM等で撮影した写真をから任意の数の粒子を選び、粒子の面積をS、周囲長をLとしたとき、(円形度)=4πS/L2として表すことができる。円形度を測定するには、各種画像処理ソフト、または画像処理ソフトを搭載した装置を使用することができるが、本発明では、東亜医用電子(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて粒子の平均円形度を測定した際の平均円形度が0.9〜1のものをいう。好ましくは、平均円形度が0.96〜1である。
熱伝導性球状フィラー(F1)の大きさは、特に制限されないが、熱伝導性の観点から、平均粒子径10μm〜100μmの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、平均粒子径10μm〜50μmの範囲であると良い。熱伝導性球状フィラー(F1)の平均粒子径が10μmよりも小さいと熱伝導性を発現するために必要な充填量が増えるが、その際、比表面積が大きいために空隙ができやすくなり、絶縁性を損なう恐れがある。また、平均粒子径が100μmを超えると、熱伝導性は有利になるが、塗液中で沈降するなど塗工の際の不具合を生じる可能性がある。
(窒化ホウ素フィラー(F2))
本発明では種々の窒化ホウ素フィラー(F2)を用いることができ、例えば、鱗片状、凝集体、造粒体等を使用することができる。ただし、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
窒化ホウ素フィラー(F2)は熱伝導性に異方性を有するため、鱗片状の一次粒子を造粒した造粒窒化ホウ素フィラーが好適に用いられる。しかし、変形しにくい造粒窒化ホウ素フィラーでは圧力をかけても空隙が残りやすいため、特に、易変形性造粒窒化ホウ素フィラーを用いることが好ましい。シート内の空隙を出来るだけ少なくし、最外層がシート内部の熱伝導性能を活かすことにより、高い熱伝導性と絶縁性の両立が可能となるために好ましい。
本発明でいう易変形性造粒窒化ホウ素フィラーとは、平均一次粒子径が0.1〜15μmの窒化ホウ素フィラー(F2)を造粒してなる、平均粒子径が2〜100μm、圧縮変形率10%に要する平均圧縮力が5mN以下の窒化ホウ素フィラー(F2)の凝集体である。
易変形性造粒窒化ホウ素フィラーは、熱伝導性絶縁接着シートを形成する際の圧力を調整し、変形を適度な範囲に調整することで、空隙率の低下と熱伝導性を両立することが容易であるため好適に用いられる。
本発明において「一次粒子」とは、単独で存在することができる最小粒子を表し、「平均一次粒子径」とは、走査型電子顕微鏡で観察される一次粒子径の長径を意味する。「一次粒子径の長径」とは、球状粒子については一次粒子の最大直径を意味し、六角板状または円板状粒子については、それぞれ厚み方向から観察した粒子の投影像における最大直径または最大対角線長を意味する。具体的に「平均一次粒子径」は、300個の粒子の長径を上記方法により測定し、その個数平均として算出する。
圧縮変形率10%に要する平均圧縮力は、微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製、MCT−210)を用い、測定領域内で無作為に選んだ10個の粒子について、粒子を10%変形させるための荷重を測定し、求めることができる。
[熱硬化性樹脂(R)]
本発明で使用される熱硬化性樹脂(R)は、特に限定されず、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリウレタンポリウレア樹脂等のポリウレタン系樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂、アセタール樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、ニトロセルロース、ベンジルセルロース、セルロース(トリ)アセテート、カゼイン、シェラック、ギルソナイト、ゼラチン、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/マレイン酸共重合体樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン、ロジンエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルニトロセルロース、エチレン/ビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、変性塩素化ポリオレフィン樹脂、および塩素化ポリウレタン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂(R)は、1種または2種以上を用いることができる。
上記の中でも、柔軟性の観点からはポリウレタン系樹脂、もしくはポリアミド樹脂が好適に用いられ、電子部品として用いる際の絶縁性および耐熱性等の観点からはエポキシ系樹脂が好適に用いられる。ただし、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
[硬化剤(C)]
本発明では、硬化速度および硬化物の物性をコントロールするために、熱硬化性樹脂(R)に応じ適当な硬化剤(C)を用いる。
熱硬化性樹脂(R)の反応基としてカルボキシル基、アミノ基、フェノール性水酸基等を有する場合、これと反応し得る硬化剤(C)として2官能以上の、エポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、アジリジン基含有化合物、金属キレート、金属アルコキシドおよび金属アシレート等が挙げられる。硬化剤(C)は1種または2種以上を用いることができる。
上記の中でも、ポットライフと硬化速度の観点から、2官能以上のエポキシ基含有化合物を用いることが好ましい。
さらに、硬化物に適度な柔軟性を付与するためには、エポキシ当量は50〜500g/eq.が好ましく、50〜400g/eq.がより好ましく、50〜250g/eq.が最も好ましい。
[硬化促進剤(D)]
本発明の熱伝導性絶縁接着シートでは、加熱・加圧プレス工程において1時間未満の時間で硬化が完了するよう、硬化促進剤(D)を含有する。
硬化促進剤(D)としては、3級アミノ基を有する化合物、リン系硬化促進剤、ウレア化合物、ジシアンジアミド系化合物、ヒドラジド化合物等が挙げられる。3級アミノ基を有する化合物、ウレア化合物、ジシアンジアミドがより好ましく、3級アミノ基を有する化合物が最も好ましい。3級アミノ基を有する化合物としては、複素環を有するものと有しないものとがあり、複素環を有するものがさらに好ましい。
これらはいずれも1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤(D)としては、常温では固体状態であって、加熱・加圧時に溶融し硬化促進剤としての機能を発現する潜在性硬化促進剤が好適であり、3級アミノ基を有する潜在性硬化促進剤が特に好適である。
3級アミノ基を有する潜在性促進剤としては、3級アミノ基とエポキシ基と反応し得る官能基とを有し、比較的低分子量の化合物に、比較的低分子量のエポキシ化合物が付加したアダクト型の潜在性硬化促進剤が挙げられる。エポキシ基と反応し得る官能基としては、1級または2級のアミノ基、酸無水物、カルボキシル基などが挙げられる。
3級アミノ基を有するアダクト型の潜在性硬化促進剤としては、イミダゾール基のように複素環を有するものと、複素環を有しないものとがある。
複素環を有しない3級アミン-アダクト潜在性硬化促進剤は適宜商業的に入手可能である。
例えば、味の素ファインテクノ株式会社製のアミキュアMY-24、アミキュアMY-25、アミキュアMY-H、アミキュアMY-24J、アミキュアMY-HK-1;株式会社ADEKA製のEH4380S、EH3616S、EH5001P、EH4357S、EH3615S等が挙げられる。
複素環を有するイミダゾール-アダクト潜在性硬化促進剤も適宜商業的に入手可能である。
例えば、味の素ファインテクノ株式会社製のアミキュアPN-23、アミキュアPN-23J、アミキュアPN-31、アミキュアPN-31J、アミキュアPN-40、アミキュアPN-40J、アミキュアPN-50、アミキュアPN-H、株式会社ADEKA製のアデカハードナーEH3293S、アデカハードナーEH3366S、アデカハードナーEH4346S、エアープロダクツジャパン株式会社製のサンマイドLH210等が挙げられる。
さらに、アダクト型の潜在性硬化促進剤以外の3級アミノ基を有する潜在性硬化促進剤としては、
ジシアンジアミド変性ポリアミン(例えば、株式会社ADEKA製のEH3842等)、
尿素結合含有変性ポリアミン(例えば、株式会社T&K TOKA製のフジキュアーFXE1000、フジキュアーFXR1110、フジキュアーFXR1121、フジキュアーFXR1081等)、
尿素結合含有変性脂肪族ポリアミン(例えば、株式会社ADEKA製のEH4353S)、
尿素結合およびイミダゾール基含有変性ポリアミン(例えば、株式会社T&K TOKA製のFXR1110、FXR1121)、
イミダゾール化合物(例えば、四国化成工業株式会社製キュアゾール2MZ-A、キュアゾール2MA-OK、キュアゾール2PHZ、キュアゾール2P4MHZ等)等も挙げられる。
ウレア化合物としては、芳香族ジメチルウレア(例えば、サンアプロ株式会社製のU-CAT3512T、Evonik製DYHARD UR200、UR300、UR500)、脂肪族ジメチルウレア(例えば、サンアプロ株式会社製のU-CAT3513N)、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(DCMU)、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチルウレア、2,4-ビス(3,3-ジメチルウレイド)トルエン等のウレア類等が挙げられる。
ヒドラジド化合物としては、例えば、カルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6-ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’-ビスベンゼンジヒドラジド、1,4-ナフトエ酸ジヒドラジド、ナフタレン-2,6-ジカルボヒドラジド、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸ヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド等が挙げられる。また、ヒドラジド化合物の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ株式会社製のアミキュアVDH、アミキュアUDH等が挙げられる。
リン系硬化促進剤としては、有機ホスフィン化合物、例えば、アルキルホスフィン、ジアルキルホスフィン、トリアルキルホスフィン、フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の第一、第二、第三オルガノホスフィン化合物、(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,4−(ジフェニルホスフィノ)ブタン等のホスフィノアルカン化合物、トリフェニルジホスフィン等のジホスフィン化合物及びトリフェニルホスフィン−トリフェニルボラン等のトリオルガノホスフィンとトリオルガノボランとの塩、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のテトラオルガノホスホニウムとテトラオルガノボレート、第一〜第三ベンジルホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルジホスフィン、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムヒドロキサイド40%水溶液、テトラブチルホスホニウムアセテート40%溶液、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ−p−トリボレート、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボレート、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、ジフェニルホスフィノスチレン、ジフェニルホスフィノクロライド、トリ−n−オクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、ジフェニルホスフィニルハイドロキノンなどが挙げられる。
本発明における層(A)は、層(A)中に含まれる硬化剤(C)100質量部に対して、硬化促進剤(D)を0〜50質量部を含むことが好ましく、0〜25質量部含むことがより好ましい。硬化剤(C)100質量部に対して、硬化促進剤(D)が50質量部以下であることにより、硬化工程における流動性を制御し易くなる。
本発明における(B)は、層(B)に含まれる硬化剤(C)100質量部に対して、硬化促進剤(D)を25〜150質量部を含むことが好ましく、30〜100質量部含むことがより好ましく、50〜75質量部の範囲が最も好ましい。硬化促進の発揮の点から25質量部以上とすることが好ましく、熱硬化型組成物シートとしてのポットライフの点から、150質量部以下とすることが好ましい。
なお、前記硬化促進剤(D)の含有量は、層(A)および層(B)それぞれ1層ずつにおける含有量を指す。すなわち、硬化剤(C)100質量部に対して、硬化促進剤(D)を20質量部含む層(A)を3層、および硬化剤(C)100質量部に対して、硬化促進剤(D)を50質量部含む層(B)を2層、交互に重ね合せた場合、層(A)中に含まれる硬化促進剤(D)の量は20質量部であり、層(B)中に含まれる硬化促進剤(D)の量は50質量部である。
[熱伝導性絶縁接着シートの製造方法]
本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、例えば以下のような方法で得ることができる。
熱伝導性球状フィラー(F1)と窒化ホウ素フィラー(F2)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)との合計100質量%中、熱伝導性球状フィラー(F1)を30〜90質量%、窒化ホウ素を0〜30質量%、液状分散媒、および必要に応じて他の任意成分を含有する塗液(A‘’)を調製し、これを剥離性シートに塗工後、液状分散媒を揮発乾燥し、剥離性シート付きの熱硬化型組成物シート(A’)を作製する。
別途、同様にして熱伝導性球状フィラー(F1)と窒化ホウ素フィラー(F2)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)との合計100質量%中、窒化ホウ素フィラー(F2)を30〜90質量%含み、熱伝導性球状フィラー(F1)を0〜30質量%、液状分散媒、および必要に応じて他の任意成分を含有する塗液(B‘’)を調製し、これを離形性シートに塗工後、溶剤を揮発乾燥し、剥離性シート付きの熱硬化型組成物シート(B’)を作製する。
しかる後、剥離性シート付きの熱硬化型組成物シート(B’)の剥離性シートとは反対側と、剥離性シート付きの熱硬化型組成物シート(A’)の剥離性シートとは反対側とを重ね合せる。重ね合せる際、加圧することもできる。
次いで熱硬化型組成物シート(B’)の表面を覆っていた剥離性シートを剥がし、露出した熱硬化型組成物シート(B’)の表面に、他の剥離性シート付きの熱硬化型組成物シート(A’)の剥離性シートとは反対側を重ね合せ、[剥離性シート/熱硬化型組成物シート(A’)/熱硬化型組成物シート(B’)/熱硬化型組成物シート(A’)/剥離性シート]という状態の積層体を得る。
そして、前記積層体を加圧することにより、熱硬化型組成物シート(A’)/熱硬化型組成物シート(B’)/熱硬化型組成物シート(A’)を一体化し、「層(Aout)/層(B)/層(Aout)]を形成可能な熱伝導性絶縁接着シートを得る。
両面の剥離性シートを剥がしてから加圧することもできる。
加圧圧着方法は特に限定されず、公知のラミネーターまたはプレス処理機を使用することができる。加圧する際には加熱することが好ましい。
熱伝導性絶縁接着シートは、最も基本的な「層(Aout)/層(B)/層(Aout)]という積層構成の他、「層(Aout)/層(B)/層(A)/層(B)/層(Aout)]や「層(Aout)/層(B)/層(A)/層(B)/層(A)/層(B)/層(Aout)]となるように、任意の膜厚に合わせて交互に積層することもできる。
熱硬化型組成物シート(A’)形成用の前記塗液(A‘’)、熱硬化型組成物シート(B’)形成用の前記塗液(B‘’)は、熱伝導性フィラー(F)、熱硬化性樹脂(R)、溶剤、および必要に応じて他の任意成分を撹拌混合することで製造することができる。
撹拌混合には一般的な撹拌方法を用いることができる。撹拌混合機としては特に限定されないが、例えば、ディスパー、ミキサー、混練機、スキャンデックス、ペイントコンディショナー、サンドミル、らいかい機、メディアレス分散機、三本ロール、およびビーズミル等が挙げられる。
撹拌混合後は、塗液(A‘’)および塗液(B‘’)から気泡を除去するために、脱泡工程を経ることが好ましい。脱泡方法としては、特に制限されないが、例えば、真空脱泡、および超音波脱泡等が挙げられる。
剥離性シートとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、およびポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムに離型処理したものが挙げられる。
剥離性シートへの塗液(A‘’)および塗液(B‘’)の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、ナイフコート、ブレードコート、コンマコート、ダイコート、リップコート、ロールコート、カーテンコート、バーコート、グラビアコート、フレキソコート、ディップコート、スプレーコート、スクリーンコート、ディスペンサー、インクジェットおよびスピンコート等が挙げられる。
熱硬化型組成物シート(A’)および熱硬化型組成物シート(B’)の膜厚、単位面積当たりの塗布質量は特に規定しないが、熱硬化型組成物シート(B’)の膜厚に対し、熱硬化型組成物シート(A’)の膜厚が相対的に十分厚い場合、積層により効果的に空隙を減少できる。例えば、[層(A)/層(B)/層(A)]の熱伝導性絶縁接着シートの場合、層(A)形成用の熱硬化型組成物シート(A’)の膜厚は層(B)形成用の熱硬化型組成物シート(B’)の半分程度であることが好ましいが、各熱硬化型組成物シートの厚みは、最終的に得られる[層(A)/層(B)/層(A)]の空隙率と熱伝導率を見ながら、積層時の加圧条件を勘案し決定することができる。
加圧圧着時の温度および圧力は適宜選択することが出来るが、高圧にしすぎると窒化ホウ素フィラー(F2)崩れてしまい熱伝導性が低下し、低すぎると熱伝導性絶縁接着シート内に空隙が残り、熱を発生し得る部材を含む発熱体と放熱ベース基板との間に挟み使用する際の熱伝導性が低下する場合がある。
加熱・加圧プレス処理方法は特に限定されず、公知のプレス処理機やラミネーターを使用することができる。加熱・加圧プレス時の温度は適宜選択することが出来るが、熱硬化性樹脂(R)の熱硬化が起こる温度以上で加熱することが望ましい。必要に応じて、減圧することにより大気圧との差で加圧プレスすることができる。
本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、加熱・加圧時に硬化を短時間で完了させることが可能な硬化促進剤(D)を含有するため、本発明の熱伝導性絶縁接着シートを発熱体と放熱ベース基板間に挟み、加熱・加圧プレスを行う際は、加熱温度は150〜200℃、加圧は1〜3MPa、加熱時間は60分未満で十分に特性が発現可能である。
本発明の熱伝導性絶縁接着シートは、主に熱発生源としての電子部材(熱を発生し得る部材を含む発熱体)と冷却器(放熱ベース基板)との間をつなぎ、熱を効率良く逃がす用途に用いられる。放熱対象の物品としては特に制限はないが、例えば、集積回路、ICチップ、ハイブリッドパッケージ、マルチモジュール、パワートランジスタ、パワー半導体パッケージ、面抵抗器、及びLED(発光ダイオード)用基板等の種々の電子部品や、建材、車両、航空機、および船舶等に用いられ、熱を帯びやすく、性能劣化を防ぐためにその熱を外部に逃がす必要がある物品等が挙げられる。
《放熱ベース基板》
本発明の放熱ベース基板について説明する。
放熱ベース基板とは、熱を発生し得る部材を含む発熱体から発生した熱を最終的に逃がすための部材であり、本発明の放熱ベース基板としては、公知のものを使用することができる。
本発明の放熱ベース基板は、熱伝導性絶縁接着シートの厚みdに対する、発熱体の熱伝導性接着部材と接する面の表面粗さRa(Ra(i))との比率(Ra(i)/d)が、0.5%以下である。
熱伝導性接着部材の厚み(d)に対する放熱ベース基板の(Ra(i))の比率が、0.001%以上0.5%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.4%以下である。
また、放熱ベース基板は、熱伝導性絶縁接着シートと接触する面の表面粗さ(Ra(i))が0.1〜2μmであることが好ましく、0.2〜1.7μmがさらに好ましい。放熱ベース基板のRaを0.1以上とすることで、アンカー効果によって熱伝導性絶縁接着シートとの密着性が上がるため耐久性が向上する。放熱ベース基板の表面粗さ(Ra(i))を2以下とすることで、放熱ベース基板の凸部の高さが抑制されるため絶縁性が向上する。
表面粗さRaは、算術平均粗さRaを指し、規定された中心線平均粗さであり、その基準粗さを1mmとした場合の中心線平均粗さである。測定は、JIS B0601‘2001に準じて行うことができる。
放熱ベース基板は金属やセラミックスが好適に使用され、特に限定はないが、例えば、アルミニウム、銅、鉄、タングステン、モリブデン、マグネシウム、銅―タングステン合金、銅―モリブデン合金、銅―タングステンーモリブデン合金、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、グラフェン等の炭素材料などが挙げられ、単独または2種類以上併用して用いることができる。
放熱ベース基板は、放熱効率を高めるためにフィンを取り付けてもよい。フィンとしては、公知のものを使用することができる。フィンの形状としては、特に限定はないが、例えば、ストレートフィン型、ウェイビーフィン型、オフセットフィン型、ピンフィン型、コルゲートフィン型などが挙げられ、使用目的により適宜選択して用いることができる。
《発熱体》
本発明における発熱体は、熱を発生し得る部材を含み、熱を発生し得る部材単独、または、金属板等の導電性部材上にはんだ等の接合剤を介して熱を発生し得る部材が積層された形態等が挙げられる。
本発明の発熱体は、熱伝導性絶縁接着シートの厚みdに対する、発熱体の熱伝導性接着部材と接する面の表面粗さRa(Ra(ii))との比率(Ra(ii)/d)が、0.5%以下である。これにより絶縁性と耐久性を向上することができる。
熱伝導性接着部材の厚みdに対する放熱ベース基板の(Ra(ii))の比率は、0.001%以上0.5%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.4%以下である。
発熱体の表面粗さ(Ra(ii))、すなわち熱伝導性絶縁接着シートと接する、熱を発生し得る部材または導電性部材の表面の粗さは、0.1〜2μmであることが好ましく、0.2〜1.7μmがさらに好ましい。
このように、熱を発生し得る部材、または導電性部材において熱伝導性絶縁接着シートと接触する面は、放熱ベース基板で説明した同様の理由に加え、電荷は細く尖った部分に密集しやすいという性質があるため絶縁性の観点からも、表面粗さ(Ra(ii))は、0.1〜2μmであることが好ましい。
本発明の熱を発生し得る部材とは、集積回路、ICチップ、ハイブリッドパッケージ、マルチモジュール、パワートランジスタ、パワー半導体素子、面抵抗器、及びLED(発光ダイオード)用基板等の種々の電子部品などが挙げられる。また、他に、建材、車両、航空機、および船舶等に用いられ、熱を帯びやすく、性能劣化を防ぐためにその熱を外部に逃がす必要がある物品等が挙げられる。特に、前述の熱伝導性絶縁接着シートは、パワー半導体モジュールに好適に用いることができる。
パワー半導体モジュールの形態には特に制限はないが、一般的に、パワー半導体素子が金属板等の導電性部材上にはんだ等の接合剤を介して積層された積層体であり、さらに前記積層体が樹脂で封止されている構造をとる。この導電性部材と前記放熱ベース基板とが、前述の熱伝導性絶縁接着シートを介して接続されている。この構造により、パワー半導体モジュールが駆動した際に生じる熱が放熱ベース基板へと効率よく伝播し、放熱がされる。
パワー半導体モジュールに使用される導電性部材としては、例えば、銀、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、スズ、鉄、鉛などの金属や、それらの合金、カーボンなどが挙げられ、回路パターンが形成されていてもよい。これらは、樹脂やセラミック上に積層されていてもよい。
前記導電性部材は、パワー半導体素子と熱伝導性絶縁接着シートとの間に積層されており、パワー半導体で生じた熱を熱伝導性絶縁接着シートへの伝える役割も果たす。そのため、結果的に前記放熱ベース基板への伝熱が効果的に行われ、パワー半導体素子の放熱が促進される。
このように本発明の複合部材は、熱伝導性と絶縁性を両立し、密着性や耐久性も良好なことから、家電、産業ロボット、輸送機器などの電子機器やパワー半導体モジュールのほか、建材、車両、航空機、および船舶にも広く使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例において、「部」および「%」は特に明記しない限り、それぞれ「質量部」、「質量%」を表す。Mwは質量平均分子量を表す。
熱伝導性フィラーの平均粒子径、円径度、圧縮変形率10%に要する平均圧縮力の測定方法は以下の通りである。
<平均粒子径>
熱伝導性球状フィラーの平均粒子径は、Malvern Instruments社製粒度分布計マスターサイザー2000を用いて測定した。測定の際には乾式ユニットを用い、空気圧は2.5バールとした。フィード速度はサンプルにより最適化した。
<円形度>
熱伝導性球状フィラー(F1)の円形度は、東亜医用電子(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて平均円形度を測定した。トルエン10mlに測定したい粒子約5mgを分散させて分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5,000〜2万個/μlとした。この分散液を用い、上記装置により測定を行い、円相当径粒子群の円形度を測定し、平均円形度を求めた。
<圧縮変形率10%に要する平均圧縮力>
易変形性凝集体の圧縮変形率10%に要する平均圧縮力は微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製、MCT−210)を用い、測定領域内で無作為に選んだ10個の粒子について、粒子を10%変形させるための荷重を測定した。その平均値を圧縮変形率10%に要する平均圧縮力とした。
続いて実施例、および比較例で使用した材料を以下に示す。
[熱伝導性フィラー]
<熱伝導性球状フィラー(F1)>
F1−1:球状アルミナAO-509(平均粒子径=10μm、円形度=0.99)
F1−2:球状アルミナCB-A20s(平均粒子径=21μm、円形度=0.98)
F1−3:球状アルミナDAW45(平均粒子径=41μm、円形度=0.98)
<窒化ホウ素フィラー(F2)>
F2−1:Agglomerates100(凝集タイプ、平均粒子径=65-85μm)
F2−2:PTX-60(造粒タイプ、平均粒子径=55-65μm)
[熱硬化性樹脂(R)]
<熱硬化性樹脂合成例1>
(樹脂1:ポリアミド樹脂)
撹拌機、水分定量受器を付けた還流冷却管、窒素導入管、および温度計を備えた反応容器に、炭素数36の多塩基酸化合物としてプリポール1009(クローダジャパン株式会社製、酸価194KOHmg/g)を70.78部、フェノール性水酸基を有する多塩基酸化合物として5−ヒドロキシイソフタル酸(5−HIPA)を5.24部、炭素数36のポリアミン化合物としてプリアミン1074(クローダジャパン株式会社製、酸価210KOHmg/g)を82.84部、トルエンを4.74部仕込んだ。これらの混合物を撹拌しながら、水の流出を確認しつつ、温度を220℃まで昇温し、脱水反応を続けた。1時間ごとにサンプリングを行い、Mwが40,000になったことを確認し、充分に冷却した後、トルエン111.34部、およびイソプロピルアルコール116.12部を希釈溶剤として加え、充分に溶解させた。以上のようにして、固形分量40%、Mw40000のフェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂(樹脂1)の溶液を得た。
<熱硬化性樹脂合成例2>
(樹脂2:ポリウレタンポリウレア樹脂))
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、および窒素導入管を備えた反応容器に、テレフタル酸とアジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとから得られたポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラレポリオールP−1011」、Mn=1006)401.9質量部、ジメチロールブタン酸12.7質量部、イソホロンジイソシアネート151.0質量部、およびトルエン40質量部を仕込み、窒素雰囲気下90℃3時間反応させ、これにトルエン300質量部を加えてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。
次に、イソホロンジアミン27.8質量部、ジ−n−ブチルアミン3.2質量部、2−プロパノール342.0質量部、トルエン396.0質量部を混合したものに、得られたイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液815.1質量部を添加し、70℃3時間反応させ、トルエン144.0質量部および2−プロパノール72.0質量部で希釈し、固形分30%、Mw=54,000、酸価=8mgKOH/gのポリウレタンポリウレア樹脂(樹脂2)の溶液を得た。
[その他成分]
<硬化剤(C)>
硬化剤1:エポキシ硬化剤EX−411(ナガセケムテックス株式会社)
硬化剤1の5%トルエン溶液を調製し、使用した。
<硬化促進剤(D)>
硬化促進剤1:3級アミン-アダクト潜在性硬化促進剤 アミキュアMY-25(味の素ファインテクノ株式会社)
硬化促進剤2:イミダゾール-アダクト潜在性硬化促進剤 アミキュアPN-40(味の素ファインテクノ株式会社)
<溶剤>
トルエンと2−プロパノールをあらかじめ質量比で1対1で混合したものを、以下混合溶剤とする。
[放熱ベース基板]
放熱ベース基板1:Ra0.2μm、厚さ2mmのアルミニウムブロック
[導電性部材]
導電性部材1:Ra0.2μm、2mmの銅ブロック
[塗液の調製]
<塗液A1>
樹脂1の溶液を11.48質量部、硬化剤1の溶液を4質量部、混合溶剤を9.5質量部混ぜ合わせた中に、熱伝導性球状フィラーF1−1を21質量部と、窒化ホウ素フィラーF2−1を4.2質量部とを加え、ディスパー撹拌したのち、超音波攪拌機に2分かけて脱泡して塗液を得た。
<塗液A2〜A8、塗液B1〜B8>
表1記載の配合で、塗液A1と同様にして塗液A2〜A8、塗液B1〜B8を得た。

[熱硬化型組成物シートの作製]
<熱硬化型組成物シートA1>、
塗液A1を6MILのブレードコーターを用いて、剥離性シート(厚さ75μmの離型処理ポリエチレンテレフタレートフィルム)に塗布し、100℃で2分間乾燥し、一方の面が剥離性シートで覆われた熱硬化型組成物シートA1を得た。
<熱硬化型組成物シートA2〜A8>、<熱硬化型組成物シートB1〜B8>
表2記載の塗液を使用し、熱硬化型組成物シートA1と同様にして熱硬化型組成物シートA2〜A8、B1〜B8を得た。
熱硬化型組成物シートの組成(固形分重量部)を表2に記す。
組成から計算した熱硬化型組成物シートA1に含まれる、熱伝導性球状フィラー(F1)の質量%、窒化ホウ素フィラー(F2)の質量%は以下の通りである。
熱伝導性球状フィラー(F1)の質量%=(熱伝導性球状フィラー1の質量/熱硬化型組成物シートA1各成分の乾燥質量の和)×100
=[21.0/(11.48×0.4+4.0×0.05+21.0+4.2)]×100
=70
窒化ホウ素フィラー(F2)の質量%=(窒化ホウ素フィラー1の質量/熱硬化型組成物シートA1各成分の乾燥質量の和)×100
=[4.2/(11.48×0.4+4.0×0.05+21.0+4.2)]×100
=14
組成から計算した熱硬化型組成物シートA1の理論密度は
(熱硬化型組成物シートA1各成分の乾燥質量の和)/(熱硬化型組成物シートA1各成分の乾燥体積の和)
=(樹脂1の乾燥質量+硬化剤1の乾燥質量+熱伝導性球状フィラー1+窒化ホウ素フィラー1の質量)/[(樹脂1の乾燥質量/樹脂1の密度)+(硬化剤1の乾燥質量/硬化剤1の密度)+(熱伝導性球状フィラー1の質量/熱伝導性球状フィラー1の密度)+(窒化ホウ素フィラー1の質量/窒化ホウ素フィラー1の密度)]
=(11.48×0.4+4.0×0.05+21.0+4.2))/[(11.48×0.4/1)+(4.0×0.05/1)+(21.0/3.9)+(4.2/2.3)]
=2.50である。
上記の計算と同様にして、熱硬化型組成物シートA2〜A8、熱硬化型組成物シートB1〜B8の理論密度を算出した。
組成から計算した熱硬化型組成物シートA1中の熱伝導性球状フィラー(F1)と窒化ホウ素フィラー(F2)を合わせた熱伝導性フィラー(F)の占有体積率は、
(1)熱伝導性球状フィラー1の重量(g)÷フィラー比重(g/cm
=21/3.9
=5.38(cm
(2)窒化ホウ素フィラー1の重量(g)÷窒化ホウ素フィラー1比重(g/cm
=4.2/2.3
=1.83(cm
(3)熱伝導性フィラー(F)以外のその他の成分(g)÷1(g/cm
=((8.6×0.4)+(2.7×0.5))/1
=(3.44+1.35)/1
=4.79
体積%=100×{((1)+(2))/((1)+(2)+(3))
=100×{(5.38+1.83)/(5.38+1.83+4.79)}
=60(vol%)
上記の計算と同様にして、熱硬化型組成物シートA2〜A8、熱硬化型組成物シートB1〜B8中の熱伝導性フィラー(F)の占有体積率理論密度を算出した。
[[実施例1]] 熱伝導性絶縁接着シートの製造
<熱伝導性絶縁接着シート1>
熱硬化型組成物シートA1から10cm×10cmの大きさで2枚、熱硬化型組成物シートB2から10cm×10cmの大きさで1枚を切出した。剥離性シートを除いた、熱硬化型組成物シートA1の質量は0.876gと0.849g、熱硬化型組成物シートB2の質量は1.039gであった。
熱硬化型組成物シートA1の剥離性シートとは反対側と、熱硬化型組成物シートB2の剥離性シートとは反対側とを合わせ、ロールラミネーターにて貼り合せた。
次に熱硬化型組成物シートB2側の剥離性シートを剥離し、露出した熱硬化型組成物シートB2の表面に、他の熱硬化型組成物シートA1の剥離性シートとは反対側を同様に貼り合せ、両面が剥離性シートで覆われた熱伝導性絶縁接着シート1の積層体を得た。
なお、ラミネート条件は、ロール温度上下80℃、ラミネート圧0.6MPa、速度0.5m/分とした。
後述する方法に従い、熱伝導性絶縁接着シートとしての理論密度、プレス後の実測密度、空隙率、およびポットライフを求め、さらに後述する方法に従い、複合部材を得、該複合部材中の硬化後の熱伝導性絶縁層の厚み、熱伝導率、絶縁破壊電圧を求め、その結果を表3に示す。
<膜厚>
熱伝導性絶縁接着シート1の両面の剥離性シートを剥離し4隅および中央の膜厚を株式不会社ニコン製「DIGIMICROSTANDMS−5C」で測定した平均値は138μmであった。
<密度>、<空隙率>
熱伝導性絶縁接着シート1の理論密度は、以下の通り。
理論密度=熱硬化型組成物シートの質量の和(g)/同体積の和(cm
=(熱硬化型組成物シートA1の質量(g)+熱硬化型組成物シートB2の質量(g))/(熱硬化型組成物シートA1の体積(cm)+熱硬化型組成物シートB2の体積(cm))
=(熱硬化型組成物シートA1の質量(g)熱硬化型組成物シートB2の質量(g))/[(熱硬化型組成物シートA1の質量/熱硬化型組成物シートA1の理論密度)+(熱硬化型組成物シートB2の質量/熱硬化型組成物シートB2の理論密度)]
=((0.876+0.849)+1.039)/((0.876+0.849)/2.50+1.039/2.02)
=2.29となる。
次いで、10cm×10cmの大きさの熱伝導性絶縁接着シート1の両面が剥離性シートで覆われた積層体を5cm×5cmの大きさに4分割する。
そのうちの1片の積層体を剥離性シートのついた状態で1MPaの圧力で150℃、10分間熱プレスを行った後、両面の基材を剥離し4隅および中央の膜厚を株式不会社ニコン製DIGIMICROSTANDMS−5Cで測定した平均値は138μmであった。
また、前記積層体から、両面を覆っていた剥離性シートを除いた熱伝導性絶縁接着シート1の質量は0.688gであった。
熱プレス後の熱伝導性絶縁接着シート1の実測密度は以下の通り。
実測密度=熱伝導性絶縁接着シート質量(g)/熱伝導性絶縁接着シート体積(cm
=熱プレス後の熱伝導性絶縁接着シート1の単位面積当たりの質量(g/cm)/熱プレス後の熱伝導性絶縁接着シート1の厚さ(cm)
=[0.688/(5×5)]/(138/10000)=1.99となる。
ここから熱プレス後の熱伝導性絶縁接着シート1の空隙率は、
空隙率=1−(実測密度/理論密度)
=1−1.99/2.29=0.13となる。
<熱伝導性絶縁接着シートのポットライフ>
10cm×10cmの大きさの熱伝導性絶縁接着シートの両面が剥離性シートで覆われた積層体を5cm×5cmの大きさに4分割し、そのうちの1片の積層体を剥離性シートのついた状態で5℃、40℃でそれぞれ1週間保管した。その後、各々のサンプルを1MPaの圧力で150℃、10分間熱プレスを行った後の空隙率を算出した。ポットライフの判断は下記の通りである。
判断基準
○:(40℃で保管した熱伝導性絶縁接着シートのプレス後の空隙率)/(5℃で保管した熱伝導性絶縁接着シートのプレス後の空隙率)≦0.10、実用に値し、より好ましい。
△:0.10<(40℃で保管した熱伝導性絶縁接着シートのプレス後の空隙率)/(5℃で保管した熱伝導性絶縁接着シートのプレス後の空隙率)≦0.15、実用に値し好ましい。
×:(40℃で保管した熱伝導性絶縁接着シートのプレス後の空隙率)/(5℃で保管した熱伝導性絶縁接着シートのプレス後の空隙率)>0.15、実用に値しない。
<複合部材中の硬化後の熱伝導性絶縁層の厚みおよび熱伝導率の測定方法>
熱伝導性絶縁接着シートを15mm角に切り出し、両面の剥離性シートを剥がし、15mm×15mm、厚さ0.2mmの放熱ベース基板としてのアルミニウム及び厚さ0.2mmの導電性部材としての銅との間に挟み、150℃、1MPaで10分間プレスし、複合部材を得、熱伝導率測定用サンプルとした。
サンプル表面に金を蒸着し、カーボンスプレーによりカーボンを被覆した後、キセノンフラッシュアナライザーLFA447NanoFlash(NETZSCH社製)にて、試料環境25℃での熱拡散率を測定した。比熱容量はエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の高感度型示差走査熱量計DSC220Cを用いて測定した。密度は組成からの計算値を用いた。これらのパラメータから、熱伝導率を求めた。
なお、硬化後の熱伝導性絶縁層の厚みは、得られた複合部材の厚みを株式不会社ニコン製「DIGIMICROSTANDMS−5C」で測定し、用いた放熱ベース基板および導電性部材の厚みを差し引いて求めた。
<複合部材の絶縁破壊電圧の測定>
40mm×40mm、厚さ2mmの銅ブロック(C1020P(1/2H))、中央部に25mmφの穴を打ち抜いた、50mm×50mm、厚さ25μmのポリイミドフィルム、両面の剥離性シートを剥がした熱伝導性絶縁接着シート(40mm×40mm)、および(40mm×40mm、厚さ2mmのアルミニウムブロック(A3003P(H24))を準備し、銅ブロック/ポリイミドフィル/熱伝導性絶縁接着シート/アルミニウムブロックの構成となるように積層し、加熱150℃、加圧2〜3MPaの条件で10分間熱プレスし圧着した。
上記で得られたサンプルを、25℃、50%RH環境で1晩静置した後、鶴賀電機株式会社製「TM650 耐電圧試験機」を用い、25℃50%RH環境で、サンプルをフッ素系不活性液体(スリーエムジャパン株式会社製 フロリナートFC−3283)中に浸漬した状態で、0kVから10kVを100秒間で変化させるプログラムを用い、閾値電流2mAとし、絶縁破壊した時の電圧を読み取り絶縁破壊電圧とした。
[[実施例2〜14]]、[[比較例1〜2]]<熱伝導性絶縁接着シート2〜16>
表3記載の熱硬化型組成物シートA1〜A5とB1〜B6とを使用して、熱伝導性絶縁接着シート1の製造例と同様の貼り合わせ作業を繰り返し、シートA1〜A5側が最外層になるようにシートA1〜A5とシートB1〜B6とを交互に積層し、両面が剥離性シートで覆われた熱硬化型組成物シート2〜16を得た。
実施例1と同様にして、密度、空隙率、ポットライフ、複合部材中の硬化後の熱伝導性絶縁層の厚み、熱伝導率、絶縁破壊電圧を求め、その結果を表3に示す。
<実施例15>
[パワー半導体装置の作製]
両面に回路が形成されたセラミックス回路基板上の、一方の面に半田を介してパワー半導体素子を接合し、他方の面に銅製のヒートスプレッダを接触させ、パワー半導体素子を接合している側全体をエポキシ樹脂で封止し、パワー半導体モジュールを得た。
前記ヒートスプレッダに、実施例9で得た熱伝導性絶縁接着シート9が接するよう、熱伝導性絶縁接着シート前駆体、アルミニウム板の順に積層し、1MPaで150℃、10分間プレスをし、パワー半導体装置を得た。前記導電性部材であるヒートスプレッダのRaは0.2μm、放熱ベース基板であるアルミニウム板のRaは0.2μm、プレス後の熱伝導性接着部材の厚みは260μmであった。
[パワー半導体装置の耐久性試験]
得られたパワー半導体装置を、−40℃〜120℃の冷熱サイクルを3000サイクルさせた。その後、パワー半導体装置を断面方向に切断し、熱伝導性絶縁接着シートの剥離、ボイドの状態を冷熱サイクル未実施物とともにSEM(走査型電子顕微鏡)で確認し比較した。その結果、パワー半導体装置は冷熱サイクル前後で状態の変化がなく、セラミックス回路基板とアルミニウム板との間の熱伝導性絶縁接着シートには、剥離やボイドの発生は認められなかった。
このように、本発明の複合部材は熱伝導性、絶縁性が良く、耐久性にも優れていることが確認できた。
100、200、201、202、203、204:複合部材
1:熱を発生し得る部材
1a:パワー半導体素子
2:熱伝導性絶縁接着シート
3:放熱ベース基板
4:導電性部材
5:半田
6:封止剤
7:発熱体

Claims (8)

  1. 複数の層(A)と、1層以上の層(B)とを有し、複数の層(A)と1層以上の層(B)とは、層(B)が最外層には位置しないように交互に積層されてなる熱伝導性絶縁接着シートであって、下記条件(1)〜(3)の全てを満たす、熱伝導性絶縁接着シート。
    (1) 複数の層(A)が、熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)とを含有し、硬化促進剤(D)を含有し得る熱硬化型組成物の未硬化物および/または半硬化物である。
    (2) 層(B)が、熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)とを含有する熱硬化型組成物の未硬化物および/または半硬化物である。
    (3) 複数の層(A)のうち最も外側に位置する最外層(Aout)に含まれる熱伝導性フィラー(F)の質量が、層(B)に含まれ得る熱伝導性フィラー(F)の質量よりも相対的に多い。
  2. 硬化剤(C)が、エポキシ基、イソシアネート基、カルボジイミド基、アジリジン基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有すものである、請求項1記載の熱伝導性熱硬化型接着シート
  3. 硬化剤(C)がエポキシ基を有すものでありエポキシ当量が50〜500(g/eq)である、請求項2記載の熱伝導性熱硬化型接着シート。
  4. 硬化促進剤(D)が3級アミノ基を有するものである、請求項1〜3いずれか1項に記載の熱伝導性熱硬化型接着シート。
  5. 層(B)に含まれる硬化剤(C)100質量部に対して、硬化促進剤(D)を25〜150質量部を含む、請求項1〜4いずれか1項に記載の熱伝導性絶縁接着シート。
  6. 熱硬化性樹脂(R)が、ポリウレタン系樹脂またはポリアミド樹脂である、請求項1〜5いずれか1項に記載の熱伝導性絶縁接着シート。
  7. 最外層(Aout)は、熱伝導性フィラー(F)として熱伝導性球状フィラー(F1)を含み、窒化ホウ素フィラー(F2)を含有し得るものであり、
    層(B)は、熱伝導性フィラー(F)として窒化ホウ素フィラー(F2)を含有し、熱伝導性球状フィラー(F1)を含み得るものである、請求項1〜6いずれか1項に記載の熱伝導性絶縁接着シート。
  8. 複数の層(A)と1層以上の層(B)とを有す熱伝導性絶縁接着シートの製造方法であって、下記条件(101)〜(103)の全てを満たす、熱伝導性絶縁接着シートの製造方法。
    (101) 熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)とを含有し、硬化促進剤(D)を含有し得る熱硬化型組成物シート(A’)を複数用意する工程。
    (102) 熱伝導性フィラー(F)と熱硬化性樹脂(R)と硬化剤(C)と硬化促進剤(D)とを含有する熱硬化型組成物シート(B’)をであって、複数のシート(A’)のうち積層後に最も外側に位置する予定の最外層用シート(A’out)に含まれる熱伝導性フィラー(F)の質量が、シート(B’)に含まれ得る熱伝導性フィラー(F)の質量よりも相対的に多い、熱硬化型組成物シート(B’)を用意する工程。
    (103) 前記シート(B’)が最外層にはならないように、前記シート(A’)と前記シート(B’)とを交互に積層し、加圧する工程。
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