JP2019114468A - 導電材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電気回路、電磁波シールド材、タッチパネル等の用途に用いることができる導電材料の製造方法に関する。
スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、タブレットPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルセンサーが広く用いられている。
タッチパネルセンサーには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等があり、上記したディスプレイ用途においては抵抗膜方式と投影型静電容量方式が好適に利用されている。抵抗膜方式のタッチパネルセンサーは、支持体上に光透過性導電層を有する導電材料を2枚利用し、これら導電材料がドットスペーサーを介して対向配置した構造を有しており、タッチパネルセンサーの1点に力を加えることにより光透過性導電層同士が接触し、各光透過性導電層に印加された電圧をもう一方の光透過性導電層を通して測定することで、力の加えられた位置の検出を行うものである。一方、投影型静電容量方式のタッチパネルセンサーは、2層の光透過性導電層を有する導電材料を1枚、または1層の光透過性導電層を有する導電材料を2枚利用し、指等を接近させた際の光透過性導電層間の静電容量変化を検出し、指を接近させた位置の検出を行うものである。後者は可動部分がないため耐久性に優れる他、多点同時検出ができることから、スマートフォンやタブレットPC等で、とりわけ広く利用されている。
投影型静電容量方式のタッチパネルセンサーにおいては、支持体上に光透過性導電層をパターニングすることで得られた複数のセンサーからなるセンサー部を配することで、多点同時検出や移動点の検出を可能にしている。このセンサー部が検出した静電容量の変化を電気信号として外部に取り出すため、導電材料が有する全てのセンサーと、外部に電気信号を取り出すために設けられる複数の端子からなる端子部との間には、これらを電気的に接続する複数の周辺配線からなる周辺配線部が設けられる。通常、前述した光透過性導電層はディスプレイ上に位置し、周辺配線部や端子部はディスプレイの外、いわゆる額縁部に位置する。従来技術においては、光透過性導電層はITO(インジウム−錫酸化物)導電膜により形成されるのが一般的であり、周辺配線部や端子部は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属により形成されるのが一般的であった。例えば特開2015−32183号公報(特許文献1)には、光透過性導電層の材料としてITOやIZO(インジウム−亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)等の透明導電体を使用し、取出配線(周辺配線部)の材料として銅等の金属を使用したタッチパネルセンサー部材が開示されている。
近年では光透過性導電層として網目状金属細線によるメッシュパターンを有し、さらに周辺配線部を該メッシュパターンと同じ金属により形成した導電材料も開示されている。例えば特開2015−133239号公報(特許文献2)には、メッシュパターンと周辺配線部を、銀微粒子を含有するインクを印刷して形成する方法や、無電解めっき触媒を含有する樹脂塗料を印刷した後に無電解めっきを施す方法、金属層上にフォトレジスト層を設け、レジストパターンを形成した後、金属層をエッチング除去するサブトラクティブ法、銀塩感光材料を用いる方法等、様々な方法により形成できることが記載されている。
電気回路やメッシュパターンを形成する金属の中でも、銀は最も導電性が高いため、他の金属に比べ、より線幅が細く膜厚が薄い細線で高い導電性を得ることができる。線幅が細ければ、電気回路の小型化が可能であり、光透過性やパターンの難視認性の点でも有利である。また、細線の厚みが薄ければ粘着剤層やハードコート層など種々の機能性層をパターン上に設けることが容易となる。例えば、2枚の電極を張り合わせるタッチセンサーや窓ガラスなどに貼合する電磁波シールドフィルムなど、金属パターン側の面に粘着剤層を設ける場合、金属パターンの厚みが薄い程、凹凸による空気の混入が少なく均一に貼合することが容易であるため、パターンの厚みが薄いことは大きな利点となる。
更にパターンの厚みが薄い場合は配線の屈曲性が大きく改善されるため、曲面を有する物体への配線、貼合が可能となり、利用分野がこれまでの平面デバイスから立体デバイスへと飛躍的に拡大することが予想され、今後、銀を含有する細線によって形成された金属パターンを有する導電材料への期待が高まってきている。
導電性金属部として銀によるパターンを支持体上に形成する方法としては、先に述べたようなサブトラクティブ法、フルアディティブ法やスクリーン印刷法の他、例えば国際公開第04/007810号パンフレットに開示されるような銀塩拡散転写方式を用いる方法、および特開2004−221564号公報に開示されるような化学現像銀を用いる方法等の、感光性ハロゲン化銀を用いる方法も知られている。
前述のように銀によるパターンを用いることは多くの利点を有するが、その一方で種々の問題点があることも分かってきている。例えば、銀はイオンマイグレーションが発生しやすく、電子回路として長時間駆動した場合には銀イオンの移動により電極間の絶縁破壊が生じる場合がある。この対策としては、例えば、特開2009−188360号公報(特許文献3)や特開2013−125797号公報(特許文献4)にはメルカプト系化合物を用いた例が、特開2014−130764号公報(特許文献5)にはメルカプト基を有する複素環化合物を含む絶縁シートを貼り付ける方法が提案されている。また、金属パターンの製造工程又はその保存により抵抗値の振れや断線が起こってしまう問題に対しては、特開2013−196779号公報(特許文献6)にはメルカプトトリアジン化合物を用いた例が、特開2016−021345号公報(特許文献7)にはメルカプト基を有するオキサジアゾール化合物を用いる例が提案されている。
しかしながら、これらの導電材料がモバイル用途などの室外で用いられる場合、室内に比べて、より過酷な環境下で使用されることになり、例えばより高温、高湿および大気中に含まれる硫化水素や亜硫酸ガスなどの腐食性成分が存在する雰囲気下での動作安定性が要求される。また、金属パターンに高い光透過性を付与するためには細線幅を狭くする必要があり、近年のタッチパネルの高精細化によって金属パターンの細線化の傾向が顕著になってきた結果、金属パターンが使用環境の影響を受けやすくなっており、動作安定性に対する要求が厳しくなっていた。
本発明の課題は、大気中の硫黄化合物による導電性金属部の腐食を抑制し、抵抗値上昇などの電気特性上の障害を予防することができる、信頼性に優れた導電材料を得るための製造方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の発明によって解決される。
支持体上に形成された導電性金属部を一般式(1)で示される化合物によって処理する事を特徴とする導電材料の製造方法。
支持体上に形成された導電性金属部を一般式(1)で示される化合物によって処理する事を特徴とする導電材料の製造方法。
式中Zは、一般式(1)の化合物が有する炭素原子、酸素原子、及び窒素原子と共にオキサゾール環、またはオキサジアゾール環を形成するのに必要な原子群を表す。また式中Lは二価の連結基である。
本発明により、大気中の硫黄化合物による導電性金属部の腐食を抑制し、抵抗値上昇などの電気特性上の障害を予防することができる、信頼性に優れた導電材料を得るための製造方法を提供することができる。
本発明により得られる導電材料の形態の一例としては、支持体上に導電性金属部としてメッシュパターン状に金属で描画した金属パターンを有する光透過性導電材料や、配線部を金属で描画した金属パターンを有する電気回路等を挙げることができる。以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の導電材料をタッチパネルセンサー等の光透過性が必要な用途に利用する場合、導電材料の透明性の観点から、メッシュパターンや端子部、周辺配線部等の導電性金属部が形成される支持体は光透過性を有することが特に好ましい。光透過性を有する支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂フィルム、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス等が例示できる。導電材料の透明性の観点から、支持体の全光線透過率は60%以上が好ましく、特に好ましくは70%以上である。支持体は、易接着層、ハードコート層、反射防止層、防眩層、ITO等からなる導電性非金属層等の、公知の層を有していてもよい。
支持体上のメッシュパターンや端子部、周辺配線部等の導電性金属部が含有する金属種は限定されず、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル等の公知の金属や公知の金属からなる合金を例示できるが、導電性の観点から銀または銅を含有することが好ましく、銀を含有することが特に好ましい。導電性金属部が含有する金属の割合は、導電性金属部の全固形分質量に対し50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。また、本発明を構成する導電材料は、支持体上に導電性金属部以外に、ITO等からなる導電性非金属部を有していてもよい。
支持体上に導電性金属部を形成する方法は特に限定されず、例えば特開2015−69877号公報に開示される方法に従い、金属およびバインダーを含有する導電性金属インキや導電性ペーストを、支持体上に印刷等の方法で付与し導電性金属部を形成する方法や、特開2007−59270号公報に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、硬化現像方式を用いて導電性金属部を形成する方法、特開2004−221564号公報、特開2007−12314号公報等に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、直接現像方式を用いて導電性金属部を形成する方法、特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報、特開2007−188655号公報、特開2004−207001号公報等に開示される方法に従い、支持体上に物理現像核層と、ハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させる、いわゆる銀塩拡散転写法を用いて導電性金属部を形成する方法、特開2014−197531号公報に開示される方法に従い、支持体上に下地層、感光性レジスト層を積層し、感光性レジスト層を任意のパターン状に露光後、現像し、レジスト画像を形成した後、無電解メッキを施してレジスト画像に被覆されていない下地層上に金属を局在化させ、その後レジスト画像を除去し導電性金属部を形成する方法、特開2015−82178号公報に開示されている方法に従い、支持体上に金属膜、レジスト膜を設け、該レジスト膜を露光および現像して開口部を形成し、該開口部の金属膜をエッチングして除去して導電性金属部を形成する方法、等が例示できる。
上記した支持体上に導電性金属部を形成する方法の中でも、銀を含有する導電性金属部が容易に形成でき、周辺配線の微細化も容易であることから、銀塩感光材料を導電材料前駆体として用いて導電性金属部を形成する方法が特に好ましい。
感光性ハロゲン化銀を用いる銀塩方式としては、国際公開第04/007810号パンフレット、特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報や特開2007−188655号公報に開示されたような銀塩拡散転写方式を用いたもの、および国際公開第01/51276号パンフレットや特開2004−221564号公報に開示されたような化学現像銀を利用するものを用いることができる。化学現像銀を用いる方式は、露光された部位のハロゲン化銀が現像液中に存在する現像主薬によって還元されてできる化学現像銀を触媒核として、無電解めっきを施すことによって導電性とするものである。
銀塩拡散転写方式を用いる方式は、支持体上に物理現像核層と称する、銀錯体が現像主薬によって還元されて金属銀となるための触媒核層、およびその上層にハロゲン化銀乳剤層を設けた材料を使うものである(ハロゲン化銀写真乳剤層は別の支持体に塗設されていても良い)。また、現像処理時には現像主薬の他にハロゲン化銀を溶解する化合物(ハロゲン化銀溶剤)を作用させる。この材料に露光および現像を行うと、ネガ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合、露光部のハロゲン化銀は化学現像銀に変換されて、ハロゲン化銀乳剤層に留まる。一方、未露光部のハロゲン化銀は、前述の現像液中に添加されたハロゲン化銀溶剤によって溶解されて銀錯体となり支持体上の物理現像核層まで移動・拡散し、そこで現像主薬により還元されることにより、導電性の金属銀が析出する。その後、露光部位にある化学現像銀を含む乳剤層は、後に述べる水洗除去あるいは剥離紙等に転写剥離する方法等により除去される。
支持体上に銀によるパターンを形成させる方法の中でも、細線の膜厚が好ましくは1.0μm以下、更に好ましくは0.3μm以下の均一な銀によるパターンを容易にかつ安定的に製造することができる銀塩拡散転写方式を用いる方法が特に好ましい。また銀塩拡散転写方式を用いた方法で作製した銀によるパターンは、そのほとんどが金属銀のみから形成されており、バインダー等で補強されていない。このことは導電性という観点からは大変好ましく、金属銀の厚みが薄くても、極めて高い導電性が得られる。更にタッチパネル用センサー電極などで求められる高い透過率、低い銀パターンの難視認性を達成するためには15μm以下の細線幅が求められる場合があるが、銀塩拡散転写方式を用いる方法で得られた銀パターンは、均一で高精細な画像が得られるため好適である。
本発明の導電材料において、支持体上に銀によるパターンを形成させる最も好ましい方法である銀塩拡散転写方式について以下に詳しく説明する。
銀塩拡散転写方式に用いる導電材料前駆体は、支持体上に少なくとも物理現像核を含有する下引き層、およびハロゲン化銀乳剤層を支持体に近い方から少なくともこの順で有する。また該導電材料前駆体は、さらには、非感光性層を支持体から最も遠い最外層および/または物理現像核を含有する下引き層とハロゲン化銀乳剤層との間に中間層を有していても良い。このような導電材料前駆体に、必要とするパターンに応じた露光を施したのち、可溶性銀錯体形成剤および還元剤を含むアルカリ現像液中を作用させると、下引き層上に銀によるパターンが形成される。
下引き層が含有する物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられる。物理現像核の含有量は、固形分で1m2あたり0.1〜10mg程度が適当である。
上記した導電材料前駆体においては光センサーとしてハロゲン化銀乳剤層が設けられる。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術はそのまま用いることもできる。
ハロゲン化銀乳剤層に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)で記載されているような公知の手法を用いることができる。中でも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。またハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80モル%以上含有するのが好ましく、90モル%以上が塩化物であることが特に好ましい。
ハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩などVIII族金属元素の塩、もしくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明に用いる導電材料前駆体においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる。
また、ハロゲン化銀乳剤層に含有するハロゲン化銀量とゼラチン量の比率は、ハロゲン化銀(銀換算)とゼラチンとの質量比(銀/ゼラチン)が1.2以上、より好ましくは1.5以上である。また、ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀量は銀換算で2〜10g/m2であることが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層には、さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
前述の通り、導電材料前駆体は、ハロゲン化銀乳剤層と物理現像核を含有する下引き層の間やハロゲン化銀乳剤層の上に非感光性層を設けることができる。これらの非感光性層は、水溶性高分子化合物を主たるバインダーとする層である。ここでいう水溶性高分子化合物とは、現像液で容易に膨潤し、下層のハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層まで現像液を容易に浸透させるものであれば任意のものが選択できる。
具体的には、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。特に好ましい水溶性高分子化合物は、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。本発明の効果を十分に得るためには、この非感光性層のバインダー量としては、ハロゲン化銀乳剤層の総バインダー量に対して20〜100質量%の範囲が好ましく、特に30〜80質量%が好ましい。
これら非感光性層には、必要に応じてResearch Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような公知の写真用添加剤を含有させることができる。また、処理後のハロゲン化銀乳剤層の剥離を妨げない限りにおいて、架橋剤により硬膜させることも可能である。
導電材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料又は顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることが好ましい。ハレーション防止剤としては、好ましくは前述した物理現像核を含有する下引き層、あるいは該下引き層とハロゲン化銀乳剤層の間に必要に応じて設けられる中間層、または支持体を挟んで設けられる裏塗り層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、例えばハレーション防止剤として裏塗り層に含有させる場合、1m2あたり、約20mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における吸光度として、0.5以上である。
導電材料前駆体に銀によるパターンを描画するための露光について説明する。導電材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層は像様に露光されるが、露光方法として、所望のパターンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を有する側の面を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて所望のパターンを走査露光する方法等がある。前述したレーザー光で露光する方法においては、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードとも云う)を用いることができる。
露光済みの導電材料前駆体の現像処理について説明する。前述のように像様に露光された導電材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層は、可溶性銀錯体形成剤およびアルカリ剤を含有するアルカリ現像液(銀塩拡散転写現像液)中で処理することにより物理現像が起こり、現像可能なだけの潜像核を有さないハロゲン化銀は可溶性銀錯体形成剤により溶解されて銀錯体となり、下引き層中の物理現像核上で還元されて金属銀が析出し例えばメッシュパターンの銀薄膜を得ることができる。一方、露光により現像可能なだけの潜像核を有するハロゲン化銀はハロゲン化銀乳剤層中で化学現像されて黒化銀となる。現像後、不要になったハロゲン化銀乳剤層(黒化銀もこれに含まれる)及び中間層、保護層等は除去されて、銀薄膜が表面に露出する。
現像処理後のハロゲン化銀乳剤層等の除去方法は、水洗除去あるいは剥離紙等に転写剥離する方法がある。水洗除去は、スクラビングローラ等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法や温水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで除去する方法がある。また、剥離紙等で転写剥離する方法は、ハロゲン化銀乳剤層上の余分なアルカリ現像液を予めローラ等で絞り取っておき、ハロゲン化銀乳剤層等と剥離紙を密着させてハロゲン化銀乳剤層等をプラスチック樹脂フィルムから剥離紙に転写させて剥離する方法である。剥離紙としては吸水性のある紙や不織布、あるいは紙の上にシリカのような微粒子顔料とポリビニルアルコールのようなバインダーとで吸水性の空隙層を設けたものが用いられる。
銀塩拡散転写現像液が含有する可溶性銀錯体形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯体を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯体を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための化合物である。
銀塩拡散転写現像液が含有する可溶性銀錯体形成剤としては、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサゾリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、米国特許第5,200,294号明細書に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474〜475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。これらの可溶性銀錯体形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
銀塩拡散転写現像液が含有する還元剤は、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。これらの還元剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
可溶性銀錯体形成剤の含有量は、銀塩拡散転写現像液1Lあたり0.001〜5モルが好ましく、より好ましくは0.005〜1モルの範囲である。還元剤の含有量は現像液1Lあたり0.01〜1モルが好ましく、より好ましくは0.05〜1モルの範囲である。
銀塩拡散転写現像液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14が好ましい。所望のpHに調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤、リン酸、炭酸などの緩衝剤を単独、または組み合わせて含有させる。また銀塩拡散転写現像液は、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウム等の保恒剤を含むことが好ましい。
前述の導電材料前駆体を拡散転写現像するための現像液の適用は、現像液を浸漬する方法や塗布する方法であってもよい。浸漬法は、例えば、タンクに大量に貯留された現像液中に、露光済みの導電材料前駆体を浸漬しながら搬送するものであり、塗布法は、例えばハロゲン化銀乳剤層側に現像液を1平方メートル当たり40〜120mL程度塗布するものである。浸漬法の具体的な方法として、例えば特開2006−190535号公報に開示されたような処理方法、処理装置を挙げることができる。該公報に記載される方法は、導電材料の銀パターニング層が設けられる側の面を、非接触で搬送することを基本としているので、銀パターンの断線が生じにくいため好ましい。現像液の適用温度は2〜30℃が好ましく、10〜25℃がさらに好ましい。現像液の適用時間は、20秒〜3分程度が適当である。この態様は、特に浸漬法式の場合に好適である。
本発明において、導電性金属部として支持体上に形成される金属パターンはメッシュパターンを有することも可能である。本発明においてメッシュパターンとは、複数の単位格子を網目状に配置した幾何学形状を有するパターンを意味し、該単位格子の形状としては、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、六角形、八角形、十二角形、二十角形などのn角形、星形などを組み合わせた形状が挙げられ、またこれらの形状の単独の繰り返し、あるいは2種類以上の複数の形状の組み合わせが挙げられる。中でも単位格子の形状としては正方形もしくは菱形が好ましい。またボロノイ図形やドロネー図形、ペンタイル図形などに代表される不規則幾何学形状も本発明での好ましい網目状メッシュパターンの一つである。
支持体上の金属パターンの線幅は特に限定されないが、本発明の導電材料をタッチパネル用途に利用する場合、周辺配線の導電性を確保する観点から1〜1000μmである事が好ましく、より好ましくは1.5〜750μmであり、特に好ましくは2〜500μmである。導電性金属部間の間隔は特に限定されないが、周辺配線の微細化による狭額縁化の観点から0.5〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは1〜750μmであり、特に好ましくは1.5〜500μmである。
次に、本発明において導電性金属部を処理する一般式(1)で示される化合物について説明する。
式中、Zは一般式(1)の化合物が有する炭素原子、酸素原子、窒素原子と共にオキサゾール環、またはオキサジアゾール環を形成するのに必要な原子群を示す。該オキサゾール環はベンゼン環、ナフタレン環と縮合してベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環を形成していても良い。該オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環およびナフトオキサゾール環は置換基を有していても良い。置換基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基等の炭素数1〜20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、アセチル基、ブチリル基、イソブチリル基、イソヘキサデシリル基、ベンゾイル基等のアシル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルキルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ペンチルチオ基等のアルキルチオ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基を挙げることができる。またこれらの置換基は更にメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基等の炭素数1〜20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、アセチル基、ブチリル基、イソブチリル基、イソヘキサデシリル基、ベンゾイル基等のアシル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルキルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ペンチルチオ基等のアルキルチオ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基を置換基として有していても良い。
式中Lは二価の連結基を示しており、具体的にはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのアルキレン基、1−ブテニレン、2−ブテニレンなどのアルケニレン基、フェニレン、ナフチレンなどのアリーレン基やアルキレン基と酸素原子及び/または硫黄原子との組み合わせからなるエーテル基及び/またはチオエーテル基部位を有するアルキレン基など)を示す。またこれらの連結基はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基等で置換されていてもよい。
本発明において導電性金属部は、上記した一般式(1)で示される化合物にて処理(以下、MC処理と称する)が施される。
MC処理の方法としては特に規定はないが、例えば、導電性金属部を形成した導電材料を一般式(1)で示される化合物を含有する溶液(以下、MC処理液と称する)に浸漬する方法や、導電性金属部を形成した導電材料にMC処理液を塗布する方法などが挙げられる。処理温度は10〜50℃が好ましく、20〜40℃がさらに好ましい。処理時間は10秒以上が好ましく、30秒以上がさらに好ましい。処理時間の上限は10分以内であることが望ましい。
本発明に用いる、一般式(1)で示される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
MC処理液が含有する溶媒としては、例えば、水、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチルセロソルブ、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど任意のものを用いることができる。
MC処理液が含有する一般式(1)で示される化合物の量は1リットル当たり0.01〜20gが好ましく、0.05〜5gがさらに好ましい。
前述のMC処理液には必要に応じて、他の化合物を含有させることができる。例えば、MC処理液のpHを調整するための、アルカリや酸、緩衝剤などを含有させることができる。例えば、水を溶媒とする場合のMC処理液の好ましいpHは8以上である。さらに消泡剤、防腐剤、酵素、界面活性剤なども含有させることができる。MC処理後の乾燥は、フィルムドライヤーの温風を用いるなど任意の方法で実施することができる。乾燥前に水道水や純水などで水洗することもできる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なお、支持体の全光線透過率は91%であった。
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なお、支持体の全光線透過率は91%であった。
次に下記組成の物理現像核層を支持体上に塗布、乾燥して物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層組成/1m2あたり>
前記硫化パラジウムゾル(固形分として) 0.4mg
2質量%グリオキサール水溶液 200mg
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコール(登録商標)EX−830 25mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%エポミン(登録商標)HM−2000水溶液 500mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量30,000)
前記硫化パラジウムゾル(固形分として) 0.4mg
2質量%グリオキサール水溶液 200mg
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコール(登録商標)EX−830 25mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%エポミン(登録商標)HM−2000水溶液 500mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量30,000)
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、および保護層を上記物理現像核液層の上に塗布、乾燥して、銀塩感光材料を得た。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<中間層組成/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
<ハロゲン化銀乳剤層組成/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成/1m2あたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得た導電材料前駆体を、水銀灯を光源とする密着プリンターで図1のパターンを有する透過原稿を密着させて露光した。図1のパターンにおいて、メッシュパターン部(導電部)aは、細線幅10μm、細線間隔300μmの単位図形が正方形のメッシュからなり、bは電極端子部、cは非画像部(非導電部)である。露光量は現像後に得られる導電材料の導電性金属部を形成する金属パターンの細線幅が透過原稿の細線幅と同じになる露光量で行った。
その後、露光した導電材料前駆体を下記組成の銀塩拡散転写現像液中に20℃で60秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。得られた金属パターンの細線幅、ピッチを光学顕微鏡で確認したところ、図1の透過原稿の細線幅、ピッチを再現していた。また、細線部の膜厚を共焦点顕微鏡(レーザーテック社製、オプテリクスC130)で調べたところ、0.15μmであった。
<銀塩拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000mlに調整し、pH=12.2に調整した。
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000mlに調整し、pH=12.2に調整した。
前述のようにして得られた図1のパターン形状を有する金属パターンが形成された導電材料を、下記のMC処理液(液温30℃)で60秒間浸漬処理した(MC処理)。その後、35℃の温水で30秒間水洗し、フィルムドライヤーを使用して60℃の温風で2分間乾燥し、実施例1の導電材料を作製した。
<MC処理液>
化合物M1 0.7g
リン酸水素2カリウム 2.5g
全量を水で1000mLとした。pHは9であった。
化合物M1 0.7g
リン酸水素2カリウム 2.5g
全量を水で1000mLとした。pHは9であった。
(実施例2〜6)
MC処理液に用いた化合物M1を、各々化合物M4、化合物M7、化合物M10、化合物M12、化合物M15に変更した他は実施例1と同様にして実施例2〜6の導電材料を作製した。
MC処理液に用いた化合物M1を、各々化合物M4、化合物M7、化合物M10、化合物M12、化合物M15に変更した他は実施例1と同様にして実施例2〜6の導電材料を作製した。
(比較例1)
MC処理を実施しなかった他は実施例1と同様にして比較例1の導電材料を作製した。
MC処理を実施しなかった他は実施例1と同様にして比較例1の導電材料を作製した。
(比較例2〜3)
MC処理液に用いた化合物M1を、各々化合物N1、化合物N2に変更した他は実施例1と同様にして比較例2、3の導電材料を作製した。
MC処理液に用いた化合物M1を、各々化合物N1、化合物N2に変更した他は実施例1と同様にして比較例2、3の導電材料を作製した。
(比較例4)
前記した比較例1の導電材料をメルテック(株)製薄付無電解銅めっき液(メルプレート(登録商標)CU−5100)の標準希釈液(液温50℃)で5分間浸漬処理し、その後、水洗、乾燥を行い、銀表面に銅をめっきした比較例4を作製した。
前記した比較例1の導電材料をメルテック(株)製薄付無電解銅めっき液(メルプレート(登録商標)CU−5100)の標準希釈液(液温50℃)で5分間浸漬処理し、その後、水洗、乾燥を行い、銀表面に銅をめっきした比較例4を作製した。
(実施例7〜12)
比較例4に対してMC処理を行い、MC処理液に用いた化合物を、各々化合物M1、化合物M4、化合物M7、化合物M10、化合物M12、化合物M15とした他は実施例1と同様にして実施例7〜12の導電材料を作製した。
比較例4に対してMC処理を行い、MC処理液に用いた化合物を、各々化合物M1、化合物M4、化合物M7、化合物M10、化合物M12、化合物M15とした他は実施例1と同様にして実施例7〜12の導電材料を作製した。
(比較例5〜6)
比較例4に対してMC処理を行い、MC処理液に用いた化合物M1を、各々化合物N1、化合物N2に変更した他は実施例1と同様にして比較例5、6の導電材料を作製した。
比較例4に対してMC処理を行い、MC処理液に用いた化合物M1を、各々化合物N1、化合物N2に変更した他は実施例1と同様にして比較例5、6の導電材料を作製した。
前述のようにして得られた図1のパターンと同じ金属パターンが形成された導電材料の最も外側の端子の電極端子間の電気抵抗をテスターで測定した(図1のb部)。
次に導電材料の電極端子部(図1のb部)をマスキングテープで封止したうえで、ファクトケイ(株)製ガス腐食試験機KG200内に入れ、42時間の硫化水素曝露試験を行った。曝露試験に使用した硫化水素のガス濃度は1ppm、温度25℃で相対湿度は95%であった。試験後、マスキングテープを剥離し、曝露試験前と同様に電極端子間の電気抵抗をテスターで測定した。
<抵抗変化率評価>
硫化水素曝露の前と後での電極端子間の抵抗値の変化率(硫化水素曝露前の電極端子間の抵抗値をRb、硫化水素曝露後の電極端子間の抵抗値をRaとしたときに、{(Ra−Rb)/Rb}×100(%))を以下の基準で評価し、表1に示した。
硫化水素曝露の前と後での電極端子間の抵抗値の変化率(硫化水素曝露前の電極端子間の抵抗値をRb、硫化水素曝露後の電極端子間の抵抗値をRaとしたときに、{(Ra−Rb)/Rb}×100(%))を以下の基準で評価し、表1に示した。
抵抗変化率評価基準
○:曝露前後の抵抗値の変化率が5%以内。
△:曝露前後の抵抗値の変化率が50%以内。
×:端子間で導通が確認されない。
○:曝露前後の抵抗値の変化率が5%以内。
△:曝露前後の抵抗値の変化率が50%以内。
×:端子間で導通が確認されない。
表1の結果から、本発明によって硫化水素による導電性金属部の腐食が抑制され、信頼性に優れた導電材料が得られることが判る。
a メッシュパターン部
b 電極端子部
c 非画像部
b 電極端子部
c 非画像部
Claims (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017248032A JP2019114468A (ja) | 2017-12-25 | 2017-12-25 | 導電材料の製造方法 |
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