JP2019114389A - バッテリモジュール - Google Patents

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俊介 天貝
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Abstract

【課題】一部のバッテリセルに温度異常が発生した場合に、周囲のバッテリセル間で温度異常の連鎖的発生を防ぐことができ、かつバッテリの安全性を担保することができるバッテリモジュールを提供する。【解決手段】一実施形態に係るバッテリモジュールは、電池要素を内部に収容する複数のバッテリセルが搭載されるバッテリモジュールであって、前記バッテリセルに夫々設けられる電極端子と、前記電極端子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるバスバーと、前記内部の内圧が高くなった場合に、前記内部の高圧ガスを外気に放出するガス放出孔と、前記バッテリセルと前記バスバーとの間に設けられる熱膨張樹脂と、を備え、前記熱膨張樹脂は、前記ガス放出孔から前記高圧ガスが放出された場合に前記高圧ガスにより加熱されて膨張し、前記バスバーと前記ガス放出孔との間に介在する場合、前記ワイヤボンディングを切断するように配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、一部のバッテリセルに温度異常が発生した場合に、周囲のバッテリセル間で温度異常の連鎖的発生を防ぎ、かつバッテリの安全性を確保できるバッテリモジュールに関する。
一般に、蓄電池は電池内部を密閉した密閉型蓄電池として使用される。このような密閉型蓄電池は、電池内部で発生したガスを電池内部で消費するように構成されている。しかし、電池内部ガス圧がある一定圧以上に上昇したとき、電池の破損を防止するために電池内部のガスを電池の外に放出する必要がある。そのため、安全弁装置が設けられている。
例えば、特許文献1には、過充電や過放電などにより温度が上昇した場合において、バッテリセルの内部に発生したガスをバッテリセルの外部に放出するためのガス抜き孔を備えたバッテリが開示されている。
特開2000−285894号公報
しかしながら、蓄電池を電気自動車やハイブリッド車等に搭載する場合、大容量とする必要があり、そのため、バッテリモジュールに搭載されるバッテリセルの数が多くなる。また、バッテリセルにおいて、高いバッテリ密度を実現するためには、各バッテリセル間の隙間が可能な限り小さくなるように配置する必要が生じる。
このようなバッテリモジュールにおいて、一部のバッテリセルに温度異常が発生した場合、防爆安全機構として、当該バッテリセルから高温のガスがガス抜き孔より放出される。
しかしながら、当該バッテリセルの周囲にはその他のバッテリセルが高密度で配置されるため、高温ガスの熱害が発生し、周囲のバッテリセル間で温度異常の連鎖的発生を引き起こす虞がある。また、このような場合において、バッテリセルとバスバー間で電気的な導通状態が維持されると、バッテリの安全性が著しく低下する虞がある。
本発明の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、一部のバッテリセルに温度異常が発生した場合に、周囲のバッテリセル間で温度異常の連鎖的発生を防ぐことができ、かつバッテリの安全性を担保することができるバッテリモジュールを提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係るバッテリモジュールは、上記課題を解決するために、
電池要素を内部に収容する複数のバッテリセルが搭載されるバッテリモジュールであって、
前記バッテリセルに夫々設けられる電極端子と、
前記電極端子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるバスバーと、
前記内部の内圧が高くなった場合に、前記内部の高圧ガスを外気に放出するガス放出孔と、
前記バッテリセルと前記バスバーとの間に設けられる熱膨張樹脂と、を備え、
前記熱膨張樹脂は、前記ガス放出孔から前記高圧ガスが放出された場合に前記高圧ガスにより加熱されて膨張し、前記バスバーと前記ガス放出孔との間に介在する場合、前記ワイヤボンディングを切断するように配置される。
上記構成によれば、一部のバッテリセルに温度異常が発生し、バッテリセルの内部に高圧ガスが充満し、上記ガス放出孔から高圧ガスが放出されたとき、上記熱膨張樹脂は、高圧ガスによって加熱されて膨張し、上記バスバーとガス放出孔との間に介在するように配置される。これにより、高圧ガスがバスバーに吹き付けられるのを抑制できる。その結果、高圧ガスの保有熱がバスバーを介して他のバッテリセルに伝達するのを抑制でき、周囲のバッテリセル間で温度異常が連鎖的に発生することを防止できる。
また、上記熱膨張樹脂は、ガス放出孔から放出される高圧高温ガスによって加熱されて膨張し、上記バスバーとガス放出孔との間に介在する場合、上記ワイヤボンディングを切断するように配置されるため、バッテリセルとバスバー間で電気的な導通状態を遮断できる。これによって、バッテリモジュールの安全性を確保できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、複数のバッテリセルを収容したバッテリモジュールにおいて、一部のバッテリセルに温度異常が発生した場合に、周囲のバッテリセル間における温度異常の連鎖的発生を防止できる。また、バッテリセルとバスバー間で電気的な導通状態を遮断できるため、バッテリの安全性を確保できる。
本発明の一実施形態に係るバッテリモジュールを収容するバッテリパックの内部を部分的に示す模式図である。 図1のバッテリモジュールの上部近傍における拡大断面図である。 図2に示すバッテリモジュールの上部近傍をさらに拡大した断面図である。 図1において熱膨張樹脂が膨張した様子を示す断面図である。 図4において熱膨張樹脂が膨張した様子を示す拡大断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリモジュール10を収容するバッテリパック1の内部を部分的に示す模式図である。図2は、図1のバッテリモジュール10の上部近傍における拡大断面図であり、図3は、バッテリモジュール10の上部近傍を図2よりさらに拡大して示す断面図である。
バッテリパック1は、例えばハイブリッド電気自動車や電気自動車のように電力を利用して走行する車両に搭載される蓄電装置である。バッテリパック1は、筐体であるケーシング2上に外部接続端子4を有する。外部接続端子4は給電先(例えば走行用の電動モータやインバータ等の負荷回路)が接続可能になっており、所定の電力が出力されるように構成されている。なお、外部接続端子4は図示しないバッテリモジュール筐体から外部に露出するように設けられていてもよい。
ケーシング2内には、少なくとも一つのバッテリモジュール10が収容される。本実施形態では、ケーシング2内に複数のバッテリモジュール10が収容されており、各バッテリモジュール10は、絶縁性材料からなる固定スリーブ30によって、ケーシング2の内壁に対して固定されている(図1において、固定スリーブ30のケーシング2に対する固定構造は省略されており、任意の構成を取ることができる)。
各バッテリモジュール10は、少なくとも一つのバッテリセル12を含む。バッテリセル12は例えばリチウムイオン電池セルである。本実施形態のバッテリセル12は略円筒形状を有しており、複数のバッテリセル12が軸方向を鉛直方向に揃えるように配列されている。バッテリセル12の端部には、図2に示されるように、軸中心位置にプラス極14が配置されており、プラス極14の周りを囲むようにマイナス極16が配置されている。プラス極14とマイナス極16との間には短絡電流Scが流れないように絶縁体18が設けられている。また隣り合うバッテリセル12間が短絡しないように、隣り合うバッテリセル12間には絶縁体19が設けられている。
またバッテリセル12には、バッテリセル12の内圧が高くなった場合に、バッテリセル内の高圧ガスを外部に放出するためのガス放出孔22が設けられる。ガス放出孔22は通常は封止されており、バッテリセル12の内圧が一定の閾値を超えた場合に、破断してバッテリセル12の内部を外部に対して開放するように構成される。このようなガス放出孔22は、例えば、バッテリセル12の隔壁に切れ目を入れて意図的に強度を低下させておき、バッテリセル12の内圧が閾値を超えた場合に切れ目が破断してバッテリセル内が開放するように構成されてもよい。
本実施形態では、バッテリモジュール10は複数のバッテリセル12を有する。バッテリモジュール10を構成する各バッテリセル12は、図3に示すように、導線23がプラス極14とバスバー20とに接続されている。導線23は、例えば、導電性を有する金属材料からなり、これをワイヤ状に形成したものである。導線23は、例えば、プラス極14及びバスバー20にハンダ付けなどの方法によって固着できる。他方、固着方法はこの方法に限定されない。これによって、複数のバッテリセル12は、バスバー20によって互いに直列又は並列に電気的に接続され、仕様に応じた電力供給が可能になっている。
このようにバスバー20によって電気的に接続された複数のバッテリセル12の上端側は、図1に示すように、絶縁性材料からなる固定部材24を介して、バッテリモジュール10の上部カバー28aに固定されている。一方、バスバー20によって接続された複数のバッテリセル12の下端側は、絶縁性材料からなる固定部材25を介して、バッテリモジュール10の下部カバー28bに固定されている。
一実施形態では、図3に示すように、バスバー20は、プラス極14の上方に位置する部位に切欠き25を有する。プラス極14の上方でバスバー20に切欠き25を形成することで、プラス極14とバスバー20とが、導線23に因らず直接接触して電気的に接続するのを防止できる。これによって、後述する熱膨張樹脂27がガス放出孔22から噴き出す高温ガスによって膨張した時、膨張した熱膨張樹脂27によって導線23を切断するだけで、プラス極14とバスバー20との電気的接続を確実に遮断できる。
ここでバッテリセル12の上端面とバスバー20との間には、熱膨張樹脂27が設けられる。熱膨張樹脂27は、ガス放出孔22から高温のガスが放出された際に、当該ガスが当たる位置に配置される。本実施形態では、熱膨張樹脂27は、バッテリセル12の上端面とバスバー20との間において固定部材24で囲まれた空間sに配置されている。
尚、図3に示すように、空間sでは、プラス極14がバッテリセル12の上端面から上方に突出し、該突出部には導線23が接続されているので、熱膨張樹脂27は導線23との接触を避けるために、プラス極14の周りを囲むように配置されている。
但し、別な実施形態では、プラス極14の周りだけでなく、導線23との接触を避けつつプラス極14の上方空間まで熱膨張樹脂27を配置してもよい。
ここで、図4は、図1に示すバッテリモジュール10において、ガス放出孔22から高圧高温のガスが噴き出し、該ガスの熱で熱膨張樹脂27が膨張した様子を示す模式図である。何らかの要因よってバッテリセル12の内圧が一定の閾値を超えると、上述したように、ガス放出孔22から高圧高温のガスが放出される。このような高圧高温ガスによって熱膨張樹脂27が加熱されると、熱膨張樹脂27は、図4に示すように、バスバー20とガス放出孔22との間に位置するように膨張する(言い換えると、バッテリセル12の上端側を覆うように膨張する)。これにより、ガス放出孔22から放出される高圧高温ガスがバスバー20に吹き付けられることを防止し、バスバー20を介して他のバッテリセル12に異常が連鎖的に伝達することを回避できる。
また、熱膨張樹脂27は、高温ガスによって加熱されて膨張し、バスバー20とガス放出孔22との間に介在する場合、導線23を切断するように配置される。熱膨張樹脂27の膨張によって導線23を切断するため、バッテリセル12とバスバー20間で電気的な導通状態を遮断できる。これによって、バッテリモジュール10の安全性を確保できる。
図5は、膨張した熱膨張樹脂27によって導線23が切断された状態を示す。
このような熱膨張樹脂27は、バッテリセル12の上端面のうちガス放出孔22上に配置されてもよい。この場合、熱膨張樹脂27はガス放出孔22からガスが放出される際に、当該ガスの行き先を完全に遮断しないように、例えば通気性を有する多孔性材料から形成されるとよい。これにより、ガス放出孔22からガスが放出された場合、当該ガスは熱膨張樹脂27によって噴出速度が緩和されつつもバッテリセル12の内部からの放出を許容することでバッテリセル12の内圧上昇を防止しながら、バスバー20の加熱防止を達成できる。
熱膨張樹脂27は、例えば、熱膨張断熱ゴムで構成される。熱膨張断熱ゴムは昇温するにつれて膨張する。例えば、100℃を超えると膨張し始め、温度上昇に応じて体積が増加する。使用環境に合わせて、NBR、フッ素、シリコーンなど各種ゴムから材料を選定できる。熱膨張断熱ゴムとして、例えば、熱膨張断熱ゴムの一例として、積水化学工業(株)製の商品名「フィブロック」を挙げることができる。熱膨張断熱ゴムの材料を選定することで、膨張が起こる温度を調整できる。バッテリセル12の内部から膨出する高圧ガスは、例えば700℃にも達するので、高圧ガスの温度で熱膨張断熱ゴムを十分膨張できる。
このような熱膨張断熱ゴムは、難燃性を有しかつ熱伝導係数が小さい材料であってもよい。これにより、高圧ガスの熱によって熱膨張樹脂27自体が破損し、上記作用が発揮されない事態を回避することができる。
尚、熱膨張樹脂27は絶縁性材料から形成されることにより、バッテリセル12とバスバー20とを電気的に絶縁する絶縁材として機能してもよい。ガス放出孔22から高温ガスが放出されたとき、熱膨張樹脂27が高温ガスの熱によって膨張し、導線23を切断する。これによって、バスバー20を介して他のバッテリセル12に異常高温が伝搬するのを防止できると共に、バッテリセル12とバスバー20とを電気的に絶縁し、バッテリモジュール10の安全性を確保できる。
尚、本実施形態では熱膨張樹脂27はバッテリセル12の上端側に配置した場合を例示したが、例えば、熱膨張樹脂27は絶縁体18と一体的に構成されていてもよい。この場合、ガス放出孔22から放出される高温のガスによって、絶縁体18(熱膨張樹脂27)がバッテリセル12の上端側から外部に向けて膨出することで、バスバー20とガス放出孔22との間に進入し、導線23を切断する。このような態様においても、バスバー20の加熱を抑制でき、かつ電気的な絶縁を確保できる。
また熱膨張樹脂27は絶縁体19と一体的に構成されていてもよい。この場合、絶縁体19(熱膨張樹脂27)は、ガス放出孔22から放出される高温のガスによって直接的には加熱されないが、ガス放出孔22から放出される高温のガスから伝達される熱量によって加熱されることで、隣り合うバッテリセル12間で膨張する。これにより、バッテリセル12の内圧が上昇しバッテリセル12が膨らむことで隣のバッテリセル12と短絡することを、より好適に防止できる。
また、別な実施形態では、固定部材24又は25が熱膨張樹脂で構成されるようにしてもよい。この実施形態では、ガス放出孔22から高温ガスが放出されたとき、固定部材24又は25が高温ガスの熱によって膨張し、導線23を切断すると共に、バッテリセル12とバスバー20との間を熱的に遮断する。この実施形態によれば、固定部材24又は25が熱膨張樹脂を兼ねるので、熱膨張樹脂の配置に自由度を広げることができる。
以上説明したように、上述の実施形態によれば、一部のバッテリセル12に温度異常が発生し、バッテリセル12の内部に高圧ガスが充満し、上記ガス放出孔22から高圧高温ガスが放出されたとき、上記熱膨張樹脂27は、高圧高温ガスによって加熱されて膨張し、上記バスバー20とガス放出孔22との間に介在するように配置される。これにより、高圧高温ガスがバスバー20に吹き付けられるのを抑制できる。その結果、高圧高温ガスの保有熱がバスバー20を介して他のバッテリセル12に伝達するのを抑制でき、周囲のバッテリセル12間で温度異常が連鎖的に発生することを防止できる。また、膨張した熱膨張樹脂27が導線23を切断することで、バッテリセル12とバスバー20間で電気的な導通状態を遮断でき、これによって、バッテリモジュール10の安全性を確保できる。
本発明は、例えば、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載されるバッテリモジュールに適用可能であり、一部のバッテリセルに温度異常が発生した場合に、周囲のバッテリセル間で温度異常の連鎖的発生を防ぎ、かつバッテリセルとバスバー間の電気的導通状態を遮断してバッテリモジュールの安全性を担保できる。
1 バッテリパック
2 ケーシング
4 外部接続端子
10 バッテリモジュール
12 バッテリセル
14 プラス極
16 マイナス極
18 電気絶縁体
20 バスバー
22 ガス放出孔
23 導線
24 固定部材
25 切欠き
27 熱膨張樹脂
28a 上部カバー
28b 下部カバー
30 固定スリーブ
Sc 短絡電流
s 空間

Claims (1)

  1. 電池要素を内部に収容する複数のバッテリセルが搭載されるバッテリモジュールであって、
    前記バッテリセルに夫々設けられる電極端子と、
    前記電極端子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるバスバーと、
    前記内部の内圧が高くなった場合に、前記内部の高圧ガスを外気に放出するガス放出孔と、
    前記バッテリセルと前記バスバーとの間に設けられる熱膨張樹脂と、を備え、
    前記熱膨張樹脂は、前記ガス放出孔から前記高圧ガスが放出された場合に前記高圧ガスにより加熱されて膨張し、前記バスバーと前記ガス放出孔との間に介在する場合、前記ワイヤボンディングを切断するように配置されることを特徴とするバッテリモジュール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024043586A1 (ko) * 2022-08-26 2024-02-29 주식회사 엘지에너지솔루션 전지 모듈 및 이를 포함하는 전지팩
JP7548050B2 (ja) 2021-02-19 2024-09-10 トヨタ自動車株式会社 組電池
EP4203157A4 (en) * 2021-01-28 2024-10-16 Lg Energy Solution Ltd BATTERY MODULE WITH IMPROVED FIRE PREVENTION CAPABILITY

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