JP2019113582A - 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、硬化膜、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 - Google Patents
感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法、硬化膜、層間絶縁膜、カバーコート層、表面保護膜及び電子部品 Download PDFInfo
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Abstract
Description
しかしながら、これらを全て満足する樹脂組成物は得られていなかった。
本発明によれば、以下の感光性樹脂組成物等が提供される。
1.(A)重合性の不飽和結合を有するポリイミド前駆体と、
(B)熱塩基発生剤と、
(C)光重合開始剤と、
を含む感光性樹脂組成物。
2.前記(A)成分が、下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体である、1に記載の感光性樹脂組成物。
3.前記(B)成分が、示差走査熱量測定による測定において、100℃から200℃の間に塩基発生温度を有する化合物を含む、1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
4.前記(B)成分が、アニオンとカチオンを含むイオン型構造を有する化合物を含む、1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
5.前記(B)成分が、下記式(21)又は(22)で表される化合物を含む、4に記載の感光性樹脂組成物。
6.前記(B)成分が、前記アニオンとしてフェノール由来構造又はオルトフタル酸由来構造を含み、前記カチオンとして1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン由来構造又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン由来構造を含む、4又は5に記載の感光性樹脂組成物。
7.1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
前記パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、
を含むパターン硬化膜の製造方法。
8.前記加熱処理の温度が200℃以下である7に記載のパターン硬化膜の製造方法。
9.1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜。
10.パターン硬化膜である9に記載の硬化膜。
11.9又は10に記載の硬化膜を用いて作製された層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
12.11に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)重合性の不飽和結合を有するポリイミド前駆体(以下、「(A)成分」ともいう。)、(B)熱塩基発生剤(以下、「(B)成分」ともいう。)、及び(C)光重合開始剤(以下、「(C)成分」ともいう。)を含有する。本発明の感光性樹脂組成物は、好ましくはネガ型感光性樹脂組成物である。
以下、各成分について説明する。
(A)成分は、重合性の不飽和結合を有するポリイミド前駆体であれば特に制限はされないが、パターニング時の光源にi線を用いた場合の透過率が高く、200℃以下の低温硬化時にも高い硬化膜特性を示すポリイミド前駆体が好ましい。
重合性の不飽和結合としては、炭素原子間の二重結合等が挙げられる。
Z3は、−O−が好ましい。
式(1)で表される構造単位以外の構造単位は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求める。
熱塩基発生剤とは、熱によって塩基を発生する化合物である。
(B)成分は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry(以下、「DSC」ともいう。))において100℃から200℃の間に塩基発生温度を有する化合物が好ましい。
塩基発生温度が200℃以下であれば、感光性樹脂組成物を200℃以下の低温で硬化した場合でも問題なく塩基が発生し、添加効果を十分発現することができる。塩基発生温度が100℃以上であれば、保存中や感光性樹脂膜の作成過程において塩基が生じることなく、安定性やハンドリングに優れた感光性樹脂組成物とすることができる。
イオン型構造を有する化合物のアニオンとしては、カルボン酸アニオン、フェノールアニオン、リン酸アニオン及び硫酸アニオンからなる群から選択されるアニオンが好ましい。また、塩基発生温度の観点から、カルボン酸アニオン又はフェノールアニオンが好ましい。即ち、熱塩基発生剤はカルボン酸アニオンとの塩又はフェノールアニオンとの塩が好ましい。
また、アニオン中の上記官能基(カルボキシ基、フェノール性水酸基、リン酸基及び硫酸基)の数は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
上記の基が結合して環を形成する場合、連結基を含んでもよく、当該連結基としては、−CO−、−O−、−NH−、2価の脂肪族基(例えば、アルキル基から水素原子を1個除いた基)、2価の芳香族環基(例えば、フェニル基等の芳香族炭化水素基から水素原子を1個除いた基)及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基が挙げられる。当該環は、例えば4〜8員環であり、好ましくは5〜7員環である。
この組み合わせを有する熱塩基発生剤は、100℃から200℃の加熱において有機強塩基を発生しやすい。
上記範囲内である場合、実用的なレリーフパターンが得られやすく、未露光部の現像後残滓を抑制しやすい。
光重合開始剤としては、オキシム化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、アシルジアルコキシメタン化合物等が挙げられる。感度の観点から、オキシム化合物が好ましい。オキシム化合物としては、下記式(31)で表される化合物が好ましい。
任意の置換基は、さらに上述の任意の置換基を有してもよい。
R64は、−H、−OH、−COOH、−O(CH2)OH、−O(CH2)2OH、−COO(CH2)OH、又は−COO(CH2)2OHであり、−H、−O(CH2)OH、−O(CH2)2OH、−COO(CH2)OH、又は−COO(CH2)2OHであることが好ましく、−H、−O(CH2)2OH、又は−COO(CH2)2OHであることがより好ましい。
R65は、炭素数1〜6のアルキル基であり、エチル基であることが好ましい。R66は、炭素数1〜12のアルキル基、又はアセタール結合を有する有機基であり、メチル基又は後述する式(37)で表される化合物が有する、式(33)のR66に対応する置換基であることが好ましい。iは1〜3の整数であり、1又は2であることが好ましい。
架橋剤としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに(E)熱重合開始剤(以下、「(E)成分」ともいう。)を含んでもよい。
(E)成分としては、感光性樹脂膜の成膜時に溶剤を除去するための加熱(乾燥)では分解せず、硬化時の加熱により分解してラジカルを発生し、(A)成分の重合反応を促進する化合物が好ましい。そのため、(E)成分は分解点が、110℃以上200℃以下の化合物が好ましく、より低温で重合反応を促進する観点から、110℃以上175℃以下の化合物がより好ましい。
(E)成分としては、ビス(1−フェニル−1−メチルエチル)ペルオキシド等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、通常、溶剤を含む。溶剤としては以下の化合物が挙げられる。
エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ―ブチロラクトン、ε−カプロラクトンδ−バレロラクトン、オキシ酢酸アルキル(例えば、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチルなど;エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等;ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、N−メチル−2−ピロリドン等;芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン、アニソール、リモネン等;スルホキシド類として、例えばジメチルスルホキシド等;3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の有機溶剤が挙げられる。
溶剤の含有量は特に限定されないが、一般的に、(A)成分100質量部に対して50〜1000質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記成分以外に、カップリング剤、界面活性剤又はレベリング剤、防錆剤、重合禁止剤等を含有してもよい。
カップリング剤は、通常、現像後の加熱処理において、(A)成分と反応して架橋するか、又は加熱処理する工程においてカップリング剤自身が重合する。これにより、得られる硬化膜と基板との接着性をより向上させることができる。
好ましいシランカップリング剤としては、ウレア結合(−NH−CO−NH−)を有する化合物が挙げられる。これにより、200℃以下の低温下で硬化を行った場合も基板との接着性をさらに高めることができる。
低温での硬化を行った際の接着性の発現に優れる点で、下記式(41)で表される化合物がより好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−グリシドキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
R76−(CH2)q−CO−NH−(CH2)r−Si(OR77)3 (43)
(式(43)中、R76はヒドロキシ基又はグリシジル基であり、q及びrは、それぞれ独立に、1〜3の整数であり、R77はメチル基、エチル基又はプロピル基である。)
界面活性剤又はレベリング剤を含むことで、塗布性(例えばストリエーション(膜厚のムラ)の抑制)及び現像性を向上させることができる。
防錆剤を含むことで、銅及び銅合金の腐食の抑制や変色の防止ができる。
防錆剤としては、例えば、トリアゾール誘導体及びテトラゾール誘導体等が挙げられる。
防錆剤を用いる場合、防錆剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.5〜3質量部がさらに好ましい。
重合禁止剤を含有することで、良好な保存安定性を確保することができる。
重合禁止剤としては、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合抑制剤等が挙げられる。
重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ジフェニル−p−ベンゾキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ピロガロール、フェノチアジン、レゾルシノール、オルトジニトロベンゼン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロベンゼン、フェナントラキノン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、クペロン、2,5−トルキノン、タンニン酸、パラベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン類等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物の、例えば、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、98質量%以上、99質量%以上、99.5質量%以上、99.9質量%以上又は100質量%が、溶剤を除いて、
(A)〜(C)成分、
(A)〜(D)成分、又は
(A)〜(C)成分、並びに、(D)成分、(E)成分、カップリング剤、界面活性剤、レベリング剤、防錆剤及び重合禁止剤からなる群から選択される1以上の成分からなっていてもよい。
本発明の硬化膜は、上述の感光性樹脂組成物を硬化することで得ることができる。本発明の硬化膜は、パターン硬化膜として用いてもよく、パターンがない硬化膜として用いてもよい。本発明の硬化膜の膜厚は、5〜20μmが好ましい。
本発明のパターン硬化膜の製造方法では、上述の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、を含む。これにより、パターン硬化膜を得ることができる。
乾燥温度は90〜150℃が好ましく、溶解コントラスト確保の観点から、(A)成分と(B)成分の反応を抑制するために90〜120℃がより好ましい。
乾燥時間は、30秒間〜5分間が好ましい。
乾燥は、2回以上行ってもよい。
これにより、上述の感光性樹脂組成物を膜状に形成した感光性樹脂膜を得ることができる。
照射する活性光線は、i線等の紫外線、可視光線、放射線などが挙げられるが、i線であることが好ましい。
露光装置としては、平行露光機、投影露光機、ステッパ、スキャナ露光機等を用いることができる。
現像液として用いる有機溶剤は、感光性樹脂膜の良溶媒を単独で、又は良溶媒と貧溶媒を適宜混合して用いることができる。
良溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ガンマブチロラクトン、α−アセチル−ガンマブチロラクトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
貧溶媒としては、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び水等が挙げられる。
現像時間は、用いる(A)成分によっても異なるが、10秒間〜15分間が好ましく、10秒間〜5分間より好ましく、生産性の観点からは、20秒間〜5分間がさらに好ましい。
リンス液としては、蒸留水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を単独又は適宜混合して用いてもよく、また段階的に組み合わせて用いてもよい。
(A)成分のポリイミド前駆体が、加熱処理工程によって、脱水閉環反応を起こし、対応するポリイミドとなってもよい。
上記範囲内であることにより、基板やデバイスへのダメージを小さく抑えることができ、デバイスを歩留り良く生産することが可能となり、プロセスの省エネルギー化を実現することができる。
加熱処理の雰囲気は大気中であっても、窒素等の不活性雰囲気中であってもよいが、パターン樹脂膜の酸化を防ぐことができる観点から、窒素雰囲気下が好ましい。
本発明の硬化膜は、パッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜等として用いることができる。
上記パッシベーション膜、バッファーコート膜、層間絶縁膜、カバーコート層及び表面保護膜等からなる群から選択される1以上を用いて、信頼性の高い、半導体装置、多層配線板、各種電子デバイス等の電子部品などを製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品である多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
図1において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2などで被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成される。その後、前記半導体基板1上に層間絶縁膜4が形成される。
次いで、窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5を腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が除去される。
3層以上の多層配線構造を形成する場合には、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。
尚、前記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)7.07gと2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン(DMAP)4.12gとをN−メチルピロリドン(NMP)30gに溶解し、30℃で4時間撹拌し、その後室温下で一晩撹拌してポリアミド酸を得た。そこに水冷下で無水トリフルオロ酢酸を9.45g加え、45℃で3時間撹拌し、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)7.08gを加えた。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリイミド前駆体を得た(以下、ポリマーIとする)。
測定装置:検出器 株式会社日立製作所製L4000UV
ポンプ:株式会社日立製作所製L6000
株式会社島津製作所製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラムGelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/L)、H3PO4(0.06mol/L)
流速:1.0mL/分、検出器:UV270nm
測定機器:ブルカー・バイオスピン社製 AV400M
磁場強度:400MHz
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)
溶剤:ジメチルスルホキシド(DMSO)
ODPA7.07gをNMP30gに溶解し、HEMA5.93gを加え、室温下で2日間撹拌することでODPAジエステル体を得た。そこに水冷下で塩化チオニルを加え2時間撹拌した。この溶液に、4,4−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)2.28gと1、3−フェニレンジアミン(MPD)1.23gを10gのNMPに溶解させたアミン溶液を滴下し、3時間撹拌した。これを蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリイミド前駆体を得た(以下、ポリマーIIとする)。
合成例1と同じ方法でポリマーIIの数平均分子量を求めた。ポリマーIIの数平均分子量は50,000であった。
4,4’−ビフタル酸二無水物(s−BPDA)3.60gとODPA2.53gをNMP30gに溶解し、HEMA5.93gを加え、室温下で2日間撹拌し、ODPAジエステル体とs−BPDAジエステル体の混合溶液を得た。この反応溶液に水冷下で塩化チオニルを加え2時間撹拌した。この溶液にDMAP4.12gを10gのNMPに溶解させたアミン溶液を滴下し、3時間撹拌した。これを蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリイミド前駆体を得た(以下、ポリマーIIIとする)。
合成例1と同じ方法でポリマーIIIの数平均分子量を求めた。ポリマーIIIの数平均分子量は50,000であった。
[感光性樹脂組成物の調製]
表1に示す成分及び配合量にて、実施例1〜6及び比較例1〜3の感光性樹脂組成物を調製した。表1の配合量は、100質量部の(A)成分に対する(B)成分、(C)成分及び溶剤の各質量部である。
また、表1には記載しないが、実施例1〜6及び比較例1〜3において下記の架橋剤((D)成分)を加えた。
・テトラエチレングリコールジメタクリレート((A)成分100質量部に対して20質量部)
・A−TMMT(新中村化学工業株式会社製、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、(A)成分100質量部に対して15質量部)
ポリマーI〜III:合成例1〜3で得られたポリマーI〜III
B1:「U−CAT SA1」(サンアプロ株式会社製、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンのフェノール塩、下記式で表される化合物、塩基発生温度:152℃、発生する塩基:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、塩基の沸点:240℃(1気圧))
C1:「IRUGCURE OXE 02」(BASFジャパン株式会社製、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム))
C2:「PDO」(ランブソン社製、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム)
NMP:N−メチルピロリドン
(パターン硬化膜の製造)
得られた感光性樹脂組成物を、塗布装置「Act8」(東京エレクトロン株式会社製)を用いてシリコンウエハ上にスピンコートし、100℃で2分間乾燥後、110℃で2分間乾燥して乾燥膜厚が13μmの感光性樹脂膜を形成した。得られた感光性樹脂膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定した。
上記と同様に感光性樹脂膜を作製し、得られた感光性樹脂膜に、i線ステッパ「FPA−3000iW」(キヤノン株式会社製)を用いて、100〜600mJ/cm2のi線を50mJ/cm2刻みの照射量で所定のパターンに照射して露光を行った。露光後の樹脂膜を、「Act8」により、シクロペンタノンを用いて上記現像時間でパドル現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)でリンス洗浄を行い、パターン樹脂膜を得た。
得られたパターン樹脂膜を、縦型拡散炉「μ−TF」(光洋サーモシステム株式会社製)を用いて、窒素雰囲気下、175℃で2時間加熱し、パターン硬化膜(硬化後膜厚10μm)を得た。
得られたパターン硬化膜を、70℃に加熱した「Dynastrip7700」(Dynaloy株式会社製)又はNMP(薬液)に30分浸漬した。その後、パターン硬化膜を冷却し、アセトンで洗浄し、乾燥した。
乾燥後のパターン硬化膜の膜厚を測定し、「(薬液浸漬前の膜厚)−(乾燥後のパターン硬化膜の膜厚)」の絶対値を薬液浸漬前の膜厚で除して百分率にすることで膜厚変化率を算出し、以下のように評価した。結果を表1に示す。
(Dynastrip7700)
○:膜厚変化率が2%以下
×:膜厚変化率が2%超
(NMP)
○:膜厚変化率が1.6%以下
×:膜厚変化率が1.6%超
上記の薬液浸漬、乾燥後のパターン硬化膜を光学顕微鏡で観察してパターンのダメージを以下のように評価した。結果を表1に示す。
○:クラック及びしわが観察されなかった。
×:クラック及びしわの少なくとも1つが観察された。
(パターン硬化膜の製造)で得られたパターン硬化膜に水溶性フラックス「WS−600」(アレントジャパン株式会社製)を塗布し、ホットプレート上で、245℃で1分間加熱した。冷却後、60℃に加熱した水で水洗してフラックスを除去し、乾燥した。乾燥後のパターン硬化膜の膜厚を測定し、(フラックス浸漬前の膜厚−乾燥後のパターン硬化膜の膜厚)の絶対値をフラックス浸漬前の膜厚で除して百分率にすることで膜厚変化率を算出し、以下のように評価した。結果を表1に示す。
○:膜厚変化率が7%以下
×:膜厚変化率が7%超
上記のフラックス浸漬、乾燥後のパターン硬化膜を光学顕微鏡で観察してパターンのダメージを以下のように評価した。結果を表1に示す。
○:クラック、しわ、パターン形状変化及びパターン表面荒れのいずれも観察されなかった。
×:クラック、しわ、パターン形状変化及びパターン表面荒れの少なくとも1つが観察された。
(パターン硬化膜の製造)で得られた感光性樹脂組成物を、塗布装置「Act8」(東京エレクトロン株式会社製)を用いて厚さ625μmの6インチシリコンウエハに塗布して、硬化後膜厚が約10μmとなるようにスピンコートした。得られた感光性樹脂膜にプロキシミティ露光機「マスクアライナーMA8」(ズース・マイクロテック社製)を用いて400mJ/cm2の露光を行った。露光後の樹脂膜について、縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製)を用いて、窒素雰囲気下、175℃で1時間加熱硬化してポリイミド膜(硬化膜)を得た。
次に、4.9%フッ酸水溶液を用いて硬化膜を剥離し、水洗し、乾燥した。得られた硬化膜について、(破断時の硬化膜の長さ−測定前の硬化膜の長さ)の絶対値を測定前の硬化膜の長さで除して百分率とし、3回測定の平均値を破断伸び率(%)とし、以下のように測定した。結果を表1に示す。
○:破断伸び率が50%以上
×:破断伸び率が50%未満
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜
5 感光樹脂層
6A、6B、6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜
Claims (12)
- (A)重合性の不飽和結合を有するポリイミド前駆体と、
(B)熱塩基発生剤と、
(C)光重合開始剤と、
を含む感光性樹脂組成物。 - 前記(B)成分が、示差走査熱量測定による測定において、100℃から200℃の間に塩基発生温度を有する化合物を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)成分が、アニオンとカチオンを含むイオン型構造を有する化合物を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)成分が、下記式(21)又は(22)で表される化合物を含む、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)成分が、前記アニオンとしてフェノール由来構造又はオルトフタル酸由来構造を含み、前記カチオンとして1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン由来構造又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン由来構造を含む、請求項4又は5に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥して感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜をパターン露光して、樹脂膜を得る工程と、
前記パターン露光後の樹脂膜を、有機溶剤を用いて現像し、パターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と、
を含むパターン硬化膜の製造方法。 - 前記加熱処理の温度が200℃以下である請求項7に記載のパターン硬化膜の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜。
- パターン硬化膜である請求項9に記載の硬化膜。
- 請求項9又は10に記載の硬化膜を用いて作製された層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜。
- 請求項11に記載の層間絶縁膜、カバーコート層又は表面保護膜を含む電子部品。
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