JP2019113448A - 圧力検出器及びこれを備える流体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力検出器により作動流体の漏れを検出する流体装置が大型化することを抑制する。【解決手段】圧力検出器100は、導入ポート21とドレンポート22とが形成されたハウジング20と、ハウジング20に形成されたシート部24に着座することにより導入ポート21とドレンポート22との連通を遮断する弁体30と、弁体30をシート部24に向けて付勢するスプリング44と、弁体30内に収装され導入ポート21に導入された作動油の圧力を検出する圧力センサ50と、を備え、導入ポート21に導入された作動油の圧力が予め設定された設定圧になると弁体30がシート部24から離座し、導入ポート21とドレンポート22とが連通する。【選択図】図3
Description
本発明は、圧力検出器及びこれを備える流体装置に関するものである。
特許文献1には、シール間の空間に漏れ出た作動流体の圧力を検出する圧力検出器と、シール間の空間に漏れ出た作動流体を外部へ排出するリリーフバルブと、を備えた流体装置が開示されている。
この流体装置では、圧力検出器により検出された値に基づいて、シール間の空間への作動流体の漏れの有無が判定される。また、この流体装置では、シール間の空間に漏れ出た作動流体の圧力が予め設定された設定圧になるとリリーフバルブが開弁して作動流体が外部に排出される。このため、シール間の空間に比較的高圧の作動流体が漏れ出た場合であっても圧力検出器が破損することが防止される。
しかしながら、特許文献1に記載の流体装置では、シール間の空間に対して圧力検出器とリリーフバルブとが別々に設けられている。このため、これらを流体装置に組み付けるスペースを確保する必要があり、結果として流体装置が大型化するおそれがある。
流体装置が大型化することを抑制するために、定格圧が比較的大きい圧力検出器を採用し、リリーフバルブを廃止することも考えられるが、圧力検出器の定格圧を大きくすると作動流体の漏れによるわずかな圧力の上昇を検知することが困難となり、漏れを検出する精度が低下する。したがって、作動流体の漏れを精度よく検知するためには定格圧が比較的小さい圧力検出器を用いるとともに、圧力検出器の破損を防止するリリーフバルブを設けることが必要となる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、圧力検出器によって作動流体の漏れを検出する流体装置が大型化することを抑制することを目的とする。
第1の発明は、作動流体の圧力を検出する圧力検出器が、作動流体が導入される導入ポートと、外部へ作動流体を排出するドレンポートと、が形成されたハウジングと、ハウジング内に収装され、ハウジングに形成されたシート部に着座することにより導入ポートとドレンポートとの連通を遮断する弁体と、弁体をシート部に向けて付勢する付勢部材と、導入ポートに臨むように弁体内に収装され、導入ポートに導入された作動流体の圧力を検出する圧力検出部と、を備え、導入ポートに導入された作動流体の圧力が予め設定された設定圧になると弁体がシート部から離座し、導入ポートとドレンポートとが連通することを特徴とする。
第1の発明では、導入ポートに導入された作動流体の圧力が圧力検出部により検出されるとともに、導入ポートに導入された作動流体の圧力が予め設定された設定圧になると弁体がシート部から離座し、導入ポートとドレンポートとが連通し、作動流体は外部へと排出される。このように、圧力検出器は、圧力検出機能とリリーフ機能とを併せ持っている。このため、流体装置の作動流体の漏れを検出する装置として、このような構成の圧力検出器を用いれば、装置の取り付けに要するスペースが小さくなる。
第2の発明は、圧力検出部が、弁体と一体的に設けられ、弁体がシート部から離座する際に弁体とともに移動することを特徴とする。
第2の発明では、圧力検出部が弁体と一体的に設けられており、弁体の移動に伴って圧力検出部も移動する。このように、圧力検出機能を発揮する圧力検出部が、リリーフ機能を発揮する弁体の一部を構成しているため、圧力検出器を小型化することが可能となる。
第3の発明は、圧力検出部が、ハウジングに対して固定されることを特徴とする。
第3の発明では、圧力検出部は、導入ポートに臨むように弁体に収装されるものの、ハウジングに固定されるため、弁体とともに変位しない。つまり、圧力検出部に作用する導入ポートの圧力は、弁体をシート部から離座させる推力とはならない。このように弁体をシート部から離座させる推力を生じさせる受圧面積が小さくなることで、ばね定数の小さい弾性部材を採用することが可能となる。この結果、弾性部材のサイズに合せて圧力検出器を小型化することができる。
第4の発明は、設定圧が、圧力検出部の耐圧よりも低い圧力に設定されることを特徴とする。
第4の発明では、導入ポートにおける圧力が、圧力検出部の耐圧よりも低い設定圧に抑制される。このように圧力検出部に作用する導入ポートにおける圧力を、圧力検出部の耐圧を超えないようにすることで圧力検出部が破損することを防止することができる。
第5の発明は、圧力検出器によって外部への作動流体の漏れを検出する流体装置において、圧力検出部の定格圧が流体装置内の作動流体の最高圧より低いことを特徴とする。
第5の発明では、流体装置内の作動流体の最高圧より低い定格圧を有する圧力検出部が、作動流体の漏れ検出に用いられる。このため、漏れ出た作動流体のわずかな圧力の変化を検出することが可能となり、結果として、作動流体の漏れを検出する精度を向上させることができる。
本発明によれば、圧力検出器によって作動流体の漏れを検出する流体装置が大型化することを抑制することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る圧力検出器100及びこれを備える流体装置について説明する。以下では、流体装置が作動油を作動流体として駆動する油圧シリンダ1である場合について説明する。図1は、油圧シリンダ1を示す断面図である。図2は、圧力検出器100が設けられる部位の周辺を拡大して示した断面図である。なお、図1では、圧力検出器100の図示を省略している。
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る圧力検出器100及びこれを備える流体装置について説明する。以下では、流体装置が作動油を作動流体として駆動する油圧シリンダ1である場合について説明する。図1は、油圧シリンダ1を示す断面図である。図2は、圧力検出器100が設けられる部位の周辺を拡大して示した断面図である。なお、図1では、圧力検出器100の図示を省略している。
油圧シリンダ1は、図1及び図2に示すように、筒状のシリンダチューブ2と、シリンダチューブ2に挿入されるシャフトとしてのピストンロッド3と、ピストンロッド3の基端(図1中右端)に連結されシリンダチューブ2の内周面に沿って摺動するピストン4と、を備える。
シリンダチューブ2の内部は、ピストン4によってロッド側室5と反ロッド側室6との2つの油圧室に仕切られる。油圧シリンダ1は、図示しない油圧源からロッド側室5または反ロッド側室6に導かれる作動油圧によって伸縮作動する。シリンダチューブ2の内周とピストン4の外周との間は、シール部材(図示省略)によって封止される。これにより、シリンダチューブ2の内周とピストン4の外周との間を通じたロッド側室5と反ロッド側室6との連通が遮断される。
シリンダチューブ2には、シリンダチューブ2の開口端を閉塞すると共にピストンロッド3を摺動自在に支持するシリンダヘッド7が設けられる。シリンダヘッド7は、周方向に並ぶ複数の締結ボルト(図示省略)を介してシリンダチューブ2に締結される。
シリンダヘッド7の内周には、図2に示すように、ブッシュ9、シール部材10、及びダストシール11が、ロッド側室5側から外部に向かって、この順で設けられる。
ブッシュ9は、ピストンロッド3の外周面3aに摺接するように配置される。このため、ピストンロッド3は、ブッシュ9を介してシリンダヘッド7によって摺動支持され、シリンダチューブ2の軸方向に沿って移動可能である。
シール部材10は、断面形状がU字状のUパッキンであり、ロッド側室5内の作動油が外部に漏れることを防止する。シール部材10は、ピストンロッド3とシリンダヘッド7との間に圧縮された状態で、シリンダヘッド7に形成された溝内に配置される。
ダストシール11は、外部からシリンダチューブ2内へのダストの侵入を防止するものであり、シール部材10と同様に、ピストンロッド3とシリンダヘッド7との間に圧縮された状態で、シリンダヘッド7に形成された溝内に配置される。
シール部材10とダストシール11との間には、ピストンロッド3の外周面3aとシリンダヘッド7の内周面とにより区画されたシール間領域12が形成される。シール部材10の劣化やピストンロッド3の外周面3aの損傷等が生じると、ロッド側室5内の作動油が、シール部材10とピストンロッド3との間の隙間を通じてシール間領域12へと漏れ出す。なお、ダストシール11は、シール部材10と比較し、外部への作動油の漏れを防止する性能が低いため、シール部材10とダストシール11との間にシール部材10と同等のシール部材をさらに設けることが好ましい。
上記構成の油圧シリンダ1において、ロッド側室5が油圧源に連通され、反ロッド側室6が図示しないタンクに連通されると、ロッド側室5に作動油が供給され、反ロッド側室6内の作動油がタンクに排出されることにより、油圧シリンダ1は収縮作動する。一方、反ロッド側室6が油圧源に連通され、ロッド側室5がタンクに連通されると、反ロッド側室6に作動油が供給され、ロッド側室5内の作動油がタンクに排出されることにより、油圧シリンダ1は伸長作動する。
油圧シリンダ1は、シール間領域12への作動油の漏れの有無を判定するために、シール間領域12に漏れ出た作動油の圧力を検出する圧力検出器100と、圧力検出器100で検出された検出値が入力されるコントローラ80と、をさらに備える。
以下に、図2及び図3を参照して、圧力検出器100について説明する。図3は、図2に示される圧力検出器100を拡大して示した断面図である。
油圧シリンダ1のシリンダヘッド7には、圧力検出器100を油圧シリンダ1に組みつけるための挿入孔14が径方向に沿って形成される。さらにシリンダヘッド7には、挿入孔14の底面14aに開口し挿入孔14とシール間領域12とを連通する連通路13と、挿入孔14に開口し挿入孔14と外部とを連通するドレン通路15と、が設けられる。ドレン通路15は、シリンダヘッド7の外部において、作動油が貯留される作動油タンク18に接続される。
圧力検出器100は、図3に示すように、挿入孔14に挿入される有底筒状のハウジング20と、ハウジング20内に収装される弁体30と、弁体30をハウジング20に形成されるシート部24に向けて付勢する付勢部材としてのスプリング44と、弁体30内に収装される圧力検出部としての圧力センサ50と、を備える。
ハウジング20は、弁体30の外周面を摺動自在に支持する摺動孔23と、摺動孔23と連通路13とを連通しシール間領域12内の作動油をハウジング20内へと導く導入ポート21と、ドレン通路15に連通し外部へ作動油を排出するドレンポート22と、を有する。摺動孔23の底面に開口する導入ポート21の開口端には、弁体30が離着座可能なシート部24が形成される。
また、ハウジング20には、スプリング44の荷重を調節するためのスプリングシート42が螺合されるねじ孔25が摺動孔23に連続して形成され、ハウジング20の開口部を封止する蓋部材46が嵌合される嵌合孔26がねじ孔25に連続して形成される。
また、ハウジング20の外周面には、雄ねじ部27が設けられており、この雄ねじ部27が挿入孔14に形成された雌ねじ部14bに螺合されることによって圧力検出器100は、シリンダヘッド7に組み付けられる。雄ねじ部27には、ロックナット48がさらに組み付けられ、これによりハウジング20がシリンダヘッド7から抜け出ることが防止される。
挿入孔14に挿入されたハウジング20と、挿入孔14と、の間には、ハウジング20と挿入孔14との間で圧縮される第1シールリング61及び第2シールリング62が設けられる。第1シールリング61は、ハウジング20と挿入孔14との隙間を通じて連通路13とドレン通路15とが連通することを遮断する位置に配置され、第2シールリング62は、ハウジング20と挿入孔14との隙間を通じてドレン通路15が外部に連通することを遮断する位置に配置される。
弁体30は、円柱状部材であり、軸方向においてシート部24に対向する部分に形成されたテーパ状のシート面31と、軸方向に貫通して形成される貫通孔32と、を有する。また、貫通孔32のシート面31側には、圧力センサ50を収装可能な内径を有する収容孔32aが形成される。
また、弁体30の外周には、摺動孔23と弁体30との間で圧縮される第3シールリング63が設けられる。第3シールリング63によって、摺動孔23と弁体30との隙間を通じてスプリング44が配置されるスプリング室45へ作動油が流入することが防止される。
スプリング44は、弁体30とスプリングシート42との間に圧縮された状態で介装され、弁体30のシート面31がシート部24に着座する方向に弁体30を付勢する。スプリング44の一端が係止されるスプリングシート42は、中央に貫通孔42aが設けられた円盤状部材であり、外周面には、ハウジング20のねじ孔25に螺合する雄ねじ部42bが形成される。弁体30に付与されるスプリング44の付勢力の大きさは、ハウジング20に対するスプリングシート42の軸方向位置を変更することによって調節可能である。
圧力センサ50は、円柱状に形成された歪ゲージ式のセンサであり、一端面に圧力を検出する圧力検出面50aを有する。圧力センサ50は、圧力検出面50aが導入ポート21に臨むようにして弁体30の収容孔32aに圧入固定されており、弁体30と一体的に摺動孔23内を移動可能である。圧力センサ50をこのように配置することによって、連通路13を通じて導入ポート21へと導かれるシール間領域12に漏れ出た作動油の圧力を圧力センサ50により検出することができる。なお、圧力センサ50の形式は、歪ゲージ式に限定されず、静電容量式や圧電式であってもよい。また、収容孔32aへの圧力センサ50の固定は圧入に限定されず、収容孔32aの開口端部をかしめることで圧力センサ50を弁体30に対して固定してもよい。
また、圧力センサ50の外周には、収容孔32aと圧力センサ50との間で圧縮される第4シールリング64が設けられる。第4シールリング64によって、収容孔32aと圧力センサ50との隙間を通じてスプリング44が配置されるスプリング室45へ作動油が流入することが防止される。なお、第4シールリング64が設けられる位置は、圧力センサ50の外周に限定されず、収容孔32aと圧力センサ50との隙間を通じてスプリング室45へ作動油が流入することを防止することができればどのような位置であってもよい。
圧力センサ50で検出された値は、FPCケーブルからなるハーネス52と、蓋部材46に形成されたコネクタ46aを介してコントローラ80へと出力される。ハーネス52は、弁体30の貫通孔32とスプリングシート42の貫通孔42aとを通って、圧力センサ50とコネクタ46aの端子54とを接続する。
なお、蓋部材46には、コネクタ46aが形成されるとともに、ハウジング20の内部と外部と連通する図示しない通気孔が設けられる。スプリング室45は、この通気孔を通じて常時大気に連通した状態となるため、弁体30がスプリング室45を収縮または膨張させる方向へ変位したとしても、その移動が阻害されることはない。
コントローラ80は、中央演算装置(CPU),読み出し専用メモリ(ROM),ランダムアクセスメモリ(RAM),及び入出力インタフェース(I/O インタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ80は、予め記憶された基準値と圧力センサ50で検出された値とを比較することによって、シール間領域12への作動油の漏れが生じているか否かを判定する。コントローラ80において作動油が漏れていると判定された場合、図示しない警告ランプ等の表示を介してオペレータへ作動油が漏れていることが通知される。
次に、図2〜図4を参照し、上記構成の圧力検出器100を備えた油圧シリンダ1における作動油の漏れ検出について説明する。図4は、作動油の漏れが発生する前後のシール間領域12の圧力の時間的変化を示すグラフである。
図4において実線で示すように、作動油が漏れる前の状態、すなわち、油圧シリンダ1が正常に駆動している状態では、シール間領域12の圧力はほぼゼロである。しかし、シール部材10の劣化やピストンロッド3の外周面3aの損傷によってシール部材10とピストンロッド3との間の隙間から作動油が漏れ始めると、シール間領域12の圧力は、時間の経過とともに徐々に上昇し、やがて油圧シリンダ1に供給される作動油の圧力にほぼ等しい大きさとなる。なお、作動油が漏れた後のシール間領域12の圧力の上昇度合いは、シール部材10の劣化の進行度合いやピストンロッド3の外周面3aの損傷度合によって変化する。
上述のように、圧力検出器100の導入ポート21には、連通路13を通じてシール間領域12に漏れ出た作動油が導かれるため、導入ポート21に臨むように配置された圧力センサ50によってシール間領域12の圧力の変化を検出することが可能である。このため、圧力検出器100で検出されたシール間領域12の圧力が漏れ判定圧を超えたか否かによって、作動油が漏れているか否かを判定することができる。
ここで、シール間領域12の圧力が、油圧シリンダ1内の作動油の最高圧である作動油供給圧に近い圧力となったときに作動油が漏れていると判定することは容易である。しかし、シール間領域12の圧力が油圧シリンダ1に供給される作動油供給圧程度に高くなった後では、ダストシール11を通じて外部へと作動油が大量に流出してしまうおそれがある。このため、シール間領域12に作動油が漏れ始めた初期の段階で漏れを検出する必要がある。
しかしながら、作動油が漏れ始めたときのシール間領域12の圧力は、油圧シリンダ1内の作動油の最高圧力に比べて非常に小さい。このため、圧力検出器100の圧力センサ50としては、油圧シリンダ1内の作動油の最高圧力よりも低い定格圧であって、シール間領域12に漏れ出た作動油のわずかな圧力の変化を検出可能な定格圧を有するセンサが選択される。例えば、油圧シリンダ1内の作動油の最高圧が20〜30MPa程度であれば、1MPa以下の定格圧を有する圧力センサ50を用いることが好ましい。
一方で、定格圧が低いほど、圧力センサ50の耐圧も低くなる。上述のように、シール間領域12に漏れ出た作動油の圧力は、油圧シリンダ1に供給される作動油供給圧まで上昇するおそれがあることから、耐圧が低いと圧力センサ50が破損してしまうおそれがある。
そこで、圧力検出器100では、導入ポート21に導かれるシール間領域12に漏れ出た作動油の圧力が、図4に破線で示すように、圧力センサ50の耐圧よりも低い予め設定された設定圧であるリリーフ圧を超えないように抑制される。
具体的には、導入ポート21に導かれた作動油の圧力がリリーフ圧になると、弁体30及び圧力センサ50に作用する作動油の圧力による推力が、弁体30をシート部24に押し付ける方向に作用するスプリング44の付勢力を上回り、弁体30のシート面31はシート部24から離れる。
シート面31とシート部24との間に隙間が形成されることで導入ポート21に導かれた作動油は、シート面31とシート部24との間の隙間、ドレンポート22及びドレン通路15を通じて作動油タンク18へと排出される。
これにより導入ポート21における圧力は、圧力センサ50の耐圧よりも低いリリーフ圧以下に抑制されることになるため、圧力センサ50が破損することを防止することができる。
なお、圧力センサ50の定格圧とは、所定の測定精度が保証される圧力範囲のことを意味し、圧力センサ50の耐圧とは、定格圧を超える圧力が圧力センサ50に作用した後、圧力センサ50に作用する圧力が定格圧以下となったときに、所定の測定精度が維持される最大圧力のことを意味する。
このように、圧力検出器100では、導入ポート21に導かれた作動油の圧力が設定圧となるまでは、スプリング44の付勢力によって弁体30がシート部24に押し付けられることで、導入ポート21に導かれた作動油の圧力が圧力センサ50により検出される一方、導入ポート21に導かれた作動油の圧力が設定圧となると、スプリング44が圧縮されて弁体30がシート部24から離座し、導入ポート21に導かれた作動油が外部へと排出される。
このように作動する圧力検出器100によれば、比較的低い定格圧を有する圧力センサ50を用いることで作動油の漏れを早期に検出することが可能であるとともに、圧力センサ50の耐圧よりも低い設定圧で弁体30を開弁させて導入ポート21に導かれた作動油を排出することによって圧力センサ50が破損することを防止することが可能である。
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
圧力検出器100では、導入ポート21に導入された作動油の圧力が圧力センサ50により検出されるとともに、導入ポート21に導入された作動油の圧力が予め設定されたリリーフ圧になると弁体30がシート部24から離座し、導入ポート21とドレンポート22とが連通し、作動油はドレンポート22を通じて外部へと排出される。このように、圧力検出器100は、圧力検出機能とリリーフ機能とを併せ持っている。
したがって、作動油の漏れを検出する検出器として上記構成の圧力検出器100を油圧シリンダ1に組み付ければ、油圧シリンダ1に対して圧力センサとリリーフバルブとを別々に設ける必要がない。このため、作動油の漏れを検出する装置を取り付けるために必要なスペースが小さくなり、結果として、油圧シリンダ1が大型化することを抑制することができる。
また、圧力検出器100を油圧シリンダ1に組み付けるためには、油圧シリンダ1に単一の挿入孔14を形成するだけでよい。これに対して圧力センサとリリーフバルブとを別々に油圧シリンダ1に組み付けるためには、複数の挿入孔や連通路を形成する必要がある。このように、圧力検出器100を油圧シリンダ1に組み付けるための加工は、油圧シリンダ1に対して圧力センサとリリーフバルブとを別々に組み付ける場合と比較し簡素化される。このため、圧力検出器100により作動油の漏れを検出する油圧シリンダ1の製造コストを低減させることができる。
また、圧力検出器100では、圧力センサ50が弁体30と一体的に設けられており、弁体30の移動に伴って圧力センサ50も移動する。このように、圧力検出器100では、圧力検出機能を発揮する圧力センサ50が、リリーフ機能を発揮する弁体30の一部を構成することになる。このため、圧力検出機能とリリーフ機能とを併せ持つ圧力検出器100の大きさを、圧力センサとリリーフバルブとを別々に設けた場合と比較し、小型化することができる。
<第2実施形態>
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態に係る圧力検出器200について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付し説明を省略する。
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態に係る圧力検出器200について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付し説明を省略する。
圧力検出器200の基本的な構成は、第1実施形態に係る圧力検出器100と同様である。圧力検出器200では、圧力センサ150が弁体30とともに移動しない構成である点で圧力検出器100と相違する。
図5に示すように、圧力検出器200の圧力センサ150は、第1実施形態に係る圧力検出器100の圧力センサ50と同様に、圧力検出面150aが導入ポート21に臨むように弁体30の収容孔32a内に挿入されている。しかしながら、圧力センサ150は、弁体30ではなく、ハウジング20に対して固定されている。
具体的には、圧力センサ150は、スプリングシート42と、スプリングシート42に結合される支持ロッド43と、を介してハウジング20に固定される。支持ロッド43は、中空の筒状部材であり、一端側がスプリングシート42の貫通孔42aに結合され、他端側が弁体30の貫通孔32を通り圧力センサ150に向かって延出している。圧力センサ150は、圧力検出面150aとは反対側の端面において支持ロッド43の他端側の端部に固定される。
このように、圧力センサ150は、スプリングシート42と支持ロッド43とを介してハウジング20に固定されるため、弁体30に収装されるものの、弁体30とともに変位することはない。
なお、この場合、スプリング室45に開口する貫通孔42aが支持ロッド43により閉塞されるため、蓋部材46に加えてスプリングシート42にもスプリング室45を大気に連通させるための通気孔を設けることが好ましい。スプリング室45が通気孔を通じて常時大気に連通した状態となることで、弁体30がスプリング室45を収縮または膨張させる方向へ変位したとしても、その移動が阻害されることが防止される。
また、圧力センサ150の外周には、収容孔32aと圧力センサ150との間で圧縮される第4シールリング64が設けられる。第4シールリング64によって、収容孔32aと圧力センサ150との隙間を通じてスプリング44が配置されるスプリング室45へ作動油が流入することが防止される。なお、第4シールリング64が設けられる位置は、圧力センサ150の外周に限定されず、収容孔32aと圧力センサ150との隙間を通じてスプリング室45へ作動油が流入することを防止することができればどのような位置であってもよい。
上記構成の圧力検出器200を備えた油圧シリンダ1における作動油の漏れ検出は、第1実施形態に係る圧力検出器100を備えた油圧シリンダ1における作動油の漏れ検出と同様にして行われる。
具体的には、圧力検出器200においても、導入ポート21に臨むように配置された圧力センサ150によってシール間領域12の圧力の変化が検出され、圧力検出器200で検出された圧力が漏れ判定圧を超えたか否かによって、作動油が漏れているか否かが判定される。
また、圧力検出器200においても、導入ポート21に導かれた作動油の圧力がリリーフ圧になると、弁体30のシート面31がシート部24から離れ、導入ポート21に導かれた作動油が作動油タンク18へと排出されることで、圧力センサ150に作用する作動油の圧力の大きさはリリーフ圧以下に抑制される。
ここで、上述のように、圧力検出器200において、圧力センサ150はハウジング20に対して固定されている。このため、導入ポート21に導かれた作動油の圧力が圧力センサ150に作用することによって生じる推力は、弁体30をシート部24から離座させる推力とはならない。つまり、弁体30をシート部24から離座させる推力を生じるのは、導入ポート21に臨んでいる弁体30に対して作用する作動油の圧力のみとなる。
このように、圧力検出器200では、第1実施形態に係る圧力検出器100と比較して、導入ポート21に導かれた作動油の圧力を受けて弁体30をシート部24から離座させる推力を生じる受圧面積が小さくなる。このため、圧力検出器200において弁体30が開弁するリリーフ圧を、第1実施形態に係る圧力検出器100と同じ大きさに設定する場合、スプリング44の付勢力を小さくすることが可能となる。つまり、ばね定数の小さいスプリング44を採用することができるため、結果として、スプリング44のサイズに合せて圧力検出器200を小型化することが可能となる。
以上の第2実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
作動油の漏れを検出する検出器として上記構成の圧力検出器200を油圧シリンダ1に組み付ければ、油圧シリンダ1に対して圧力センサとリリーフバルブとを別々に設ける必要がない。このため、作動油の漏れを検出する装置を取り付けるために必要なスペースが小さくなり、結果として、油圧シリンダ1が大型化することを抑制することができる。
また、圧力検出器200を油圧シリンダ1に組み付けるための加工は、油圧シリンダ1に対して圧力センサとリリーフバルブとを別々に組み付ける場合と比較し簡素化される。このため、圧力検出器200により作動油の漏れを検出する油圧シリンダ1の製造コストを低減させることができる。
また、圧力検出器200の圧力センサ150は、導入ポート21に臨むように弁体30に収装されるものの、ハウジング20に固定されるため、弁体30とともに変位しない。つまり、圧力センサ150に作用する導入ポート21の圧力は、弁体30をシート部24から離座させる推力とはならない。このように弁体30をシート部24から離座させる推力を生じさせる受圧面積が小さくなることで、ばね定数の小さいスプリング44を採用することが可能となる。この結果、スプリング44のサイズに合せて圧力検出器200を小型化することができる。
次に、上記各実施形態の変形例について説明する。
上記各実施形態では、圧力検出器100,200が設けられる流体装置が油圧シリンダ1である場合について説明した。流体装置は、これに限定されず、緩衝器や液圧モータ、液圧ポンプ等であってもよく、外部への作動流体の漏れを防止する必要がある装置であればどのようなものであってもよい。また、作動流体としては、作動油に限らず、例えば、水やその他の液体であってもよく、装置の摺動部を潤滑する潤滑油であってもよい。
また、上記各実施形態では、シール部材10がUパッキンである場合について説明した。これに限らず、シール部材10は、ピストンロッド3とシリンダヘッド7との間に圧縮された状態で配置され、作動油の漏れを防止することができるものであればどのような形式であってもよく、Oリングやオイルシールであってもよい。
また、上記各実施形態では、弁体30は、テーパ状のシート面31を有する形状であるが、弁体30の形状はこれに限定されず、導入ポート21に導かれた作動油の圧力がリリーフ圧となったときに導入ポート21とドレンポート22とを連通することが可能なものであれば、どのような形状であってもよい。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
圧力検出器100,200は、作動油が導入される導入ポート21と、外部へ作動油を排出するドレンポート22と、が形成されたハウジング20と、ハウジング20内に収装され、ハウジング20に形成されたシート部24に着座することにより導入ポート21とドレンポート22との連通を遮断する弁体30と、弁体30をシート部24に向けて付勢するスプリング44と、導入ポート21に臨むように弁体30内に収装され、導入ポート21に導入された作動油の圧力を検出する圧力センサ50,150と、を備え、導入ポート21に導入された作動油の圧力が予め設定された設定圧になると弁体30がシート部24から離座し、導入ポート21とドレンポート22とが連通する。
この構成では、導入ポート21に導入された作動油の圧力が圧力センサ50,150により検出されるとともに、導入ポート21に導入された作動油の圧力が予め設定されたリリーフ圧になると弁体30がシート部24から離座し、導入ポート21とドレンポート22とが連通し、作動油はドレンポート22を通じて外部へと排出される。このように、圧力検出器100,200は、圧力検出機能とリリーフ機能とを併せ持っている。
したがって、作動油の漏れを検出する検出器として、このような構成の圧力検出器100,200を油圧シリンダ1に組み付ければ、油圧シリンダ1に対して圧力センサとリリーフバルブとを別々に設ける必要がない。このため、作動油の漏れを検出する装置を取り付けるために必要なスペースが小さくなり、結果として、油圧シリンダ1が大型化することを抑制することができる。
さらに、圧力検出器100,200を油圧シリンダ1に組み付けるためには、油圧シリンダ1に単一の挿入孔14を形成するだけでよい。これに対して圧力センサとリリーフバルブとを別々に油圧シリンダ1に組み付けるためには、複数の挿入孔や連通路を形成する必要がある。このように、圧力検出器100,200を油圧シリンダ1に組み付けるための加工は、油圧シリンダ1に対して圧力センサとリリーフバルブとを別々に組み付ける場合と比較し簡素化される。このため、圧力検出器100,200により作動油の漏れを検出する油圧シリンダ1の製造コストを低減させることができる。
また、圧力センサ50は、弁体30と一体的に設けられ、弁体30がシート部24から離座する際に弁体30とともに移動する。
この構成では、圧力センサ50が弁体30と一体的に設けられており、弁体30の移動に伴って圧力センサ50も移動する。このように、圧力検出機能を発揮する圧力センサ50が、リリーフ機能を発揮する弁体30の一部を構成することになる。このため、圧力検出機能とリリーフ機能とを併せ持つ圧力検出器100の大きさを、圧力センサとリリーフバルブとを別々に設けた場合と比較し、小型化することができる。
また、圧力センサ150は、ハウジング20に対して固定される。
この構成では、圧力センサ150は、導入ポート21に臨むように弁体30に収装されるものの、ハウジング20に固定されるため、弁体30とともに変位しない。つまり、圧力センサ150に作用する導入ポート21の圧力は、弁体30をシート部24から離座させる推力とはならない。このように弁体30をシート部24から離座させる推力を生じさせる受圧面積が小さくなることで、ばね定数の小さいスプリング44を採用することが可能となる。この結果、スプリング44のサイズに合せて圧力検出器200を小型化することができる。
また、設定圧は、圧力センサ50,150の耐圧よりも低い圧力に設定される。
この構成では、導入ポート21における圧力が、圧力センサ50,150の耐圧よりも低い設定圧に抑制される。このように圧力センサ50,150に作用する導入ポート21における圧力を、圧力センサ50,150の耐圧を超えないようにすることで圧力センサ50,150が破損することを防止することができる。
また、圧力検出器100,200によって外部への作動油の漏れを検出する油圧シリンダ1において、圧力センサ50,150の定格圧は油圧シリンダ1内の作動油の最高圧より低い。
この構成では、油圧シリンダ1内の作動油の最高圧より低い定格圧を有する圧力センサ50,150が、作動油の漏れ検出に用いられる。このため、シール間領域12に漏れ出た作動油のわずかな圧力の変化を検出することが可能となり、結果として、作動油の漏れを検出する精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100,200・・・圧力検出器、1・・・油圧シリンダ(流体装置)、10・・・シール部材、20・・・ハウジング、21・・・導入ポート、22・・・ドレンポート、24・・・シート部、30・・・弁体、44・・・スプリング(付勢部材)、50,150・・・圧力センサ(圧力検出部)
Claims (5)
- 作動流体の圧力を検出する圧力検出器であって、
作動流体が導入される導入ポートと、外部へ作動流体を排出するドレンポートと、が形成されたハウジングと、
前記ハウジング内に収装され、前記ハウジングに形成されたシート部に着座することにより前記導入ポートと前記ドレンポートとの連通を遮断する弁体と、
前記弁体を前記シート部に向けて付勢する付勢部材と、
前記導入ポートに臨むように前記弁体内に収装され、前記導入ポートに導入された作動流体の圧力を検出する圧力検出部と、を備え、
前記導入ポートに導入された作動流体の圧力が予め設定された設定圧になると前記弁体が前記シート部から離座し、前記導入ポートと前記ドレンポートとが連通することを特徴とする圧力検出器。 - 前記圧力検出部は、前記弁体と一体的に設けられ、前記弁体が前記シート部から離座する際に前記弁体とともに移動することを特徴とする請求項1に記載の圧力検出器。
- 前記圧力検出部は、前記ハウジングに対して固定されることを特徴とする請求項1に記載の圧力検出器。
- 前記設定圧は、前記圧力検出部の耐圧よりも低い圧力に設定されることを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の圧力検出器。
- 請求項1から4の何れか1つに記載の圧力検出器を備え、前記圧力検出器によって外部への作動流体の漏れを検出する流体装置であって、
前記圧力検出部の定格圧が前記流体装置内の作動流体の最高圧より低いことを特徴とする流体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017248026A JP2019113448A (ja) | 2017-12-25 | 2017-12-25 | 圧力検出器及びこれを備える流体装置 |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2017248026A Pending JP2019113448A (ja) | 2017-12-25 | 2017-12-25 | 圧力検出器及びこれを備える流体装置 |
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- 2017-12-25 JP JP2017248026A patent/JP2019113448A/ja active Pending
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