本願発明は、ホッパースケールにおける計量装置の試験に用いられる荷重校正検査方法及び荷重校正検査装置に関するものである。
本件出願人は、図13及び図14に示すホッパースケールを製作・販売しているが、この種のホッパースケール1は、例えば穀物(特に限定しない)のような取り分けられる物品を順次一定重量(例えば500Kg、1000Kg等の定量)ずつ自動で取り出せるようにした大型の計量器である。
図13及び図14に示す公知のホッパースケール1は、機枠11内に計量ホッパー12を複数(図示例では4つ)のロードセル2,2・・を介して宙吊り状態で支持している。図示例のホッパースケール1では、計量ホッパー12は、ホッパー本体12aの外側をカバー体13で一体的に囲繞したものが採用されており、該カバー体13の外面を4つのロードセル2,2・・で支持することで、計量ホッパー12全体を宙吊り状態で支持している。尚、以下の説明では、計量ホッパー12のカバー体13を単にホッパーカバー体13ということがある。
そして、図13及び図14のホッパースケール1は、投入シュート14から計量ホッパー12(ホッパー本体12a)内に投入される被計量物をロードセル2を含む計量装置で一定重量ずつ計量した後、その計量した物品(被計量物)をホッパー本体12aの排出シュート17から順次排出するようにしたものである。
即ち、このホッパースケール1では、ホッパー本体12aの下部にある排出シュート17の出口(下端)を開閉装置(ゲート)18で閉じた状態で、上部の投入シュート14から物品(被計量物)をホッパー本体12a内に連続投入していくが、その投入物品による増加重量を各ロードセル2,2・・を含む計量装置で計量して、該計量装置での計量値が設定された重量値に達すると、コントローラ10からの信号で、投入シュート14の開閉装置(ゲート)15が閉じ、その後に排出シュート17の開閉装置(ゲート)18が開放して、ホッパー本体12a内の被計量物(計量済み)が排出シュート17の出口から所定容器(例えばフレコンバッグ)内に放出される(1回の計量工程が完了する)。
ところで、この種のホッパースケール1では、長期使用に伴って計量装置での計量精度が変化することがあるので、定期的に計量装置の荷重校正検査を行う必要がある。そして、この種のホッパースケール1における計量装置の荷重校正検査方法は、予め計量されている分銅(図示例では分銅ブロック体3A)を実際に計量ホッパー12に載架して行うもの(例えば特許文献1の段落「0006」に記載)と、分銅に替えてシリンダによる圧力を計量ホッパーに付与して行うもの(例えば特許文献2に記載)、とに大別されるが、計量装置を荷重校正検査するには実際の分銅を載架して行う方が検査精度がよいとされている。
ところで、図13及び図14に示すホッパースケール1は、1回当たり例えば1000Kg程度の大重量を計量し得るものである。尚、超大型のホッパースケール1には、1回当たり2000Kgを超える重量を計量するような、さらに大重量計測用のものもある。
そして、図13及び図14のホッパースケール1では、計量ホッパー12(ホッパーカバー体13)の外面の4箇所に計量装置の荷重校正検査用となる分銅ブロック体3Aを載架するための分銅載架部4A,4A・・が設けられていて、計量装置の荷重校正検査時にはこの各分銅載架部4Aにそれぞれ所定重量の分銅ブロック体3Aが載架される。尚、4つの分銅載架部4A,4A・・は、図13の正面図の状態でホッパーカバー体13の左右外側に2箇所ずつ設けられている。
ところで、このホッパースケール1が1000Kg計量用であれば、1体当たりの分銅ブロック体3Aの重量は250Kgに設定される(250Kg×4=1000Kg)が、このように分銅ブロック体3Aが1体当たり250Kgの重量があると、1つの分銅ブロック体3Aであっても人力で載せ降ろしができないので、図13及び図14の従来例では、1個が25Kg(人力で載せ降ろしできる程度の重量)の個体分銅35を10個合わせて250Kgの分銅ブロック体3Aを構成するようにしている。
そして、図13及び図14に示す従来のホッパースケール1では、計量ホッパー12の外面4箇所にある各分銅載架部4A,4A・・にそれぞれ後述する分銅ホルダー31A,31A・・を固定的に設置しておき、各分銅ホルダー31Aに対して図15〜図17に示すように所定個数(10個)の個体分銅35,35・・を下から上に順次積み重ねて、それぞれの分銅載架部4A,4A・・に合計250Kgの分銅ブロック体3Aを載架するようにしている。
各分銅ホルダー31Aは、図15〜図17に示すように下端の台座部32Aの上に縦棒部33を立設したものである。そして、該分銅ホルダー31Aは、縦棒部33をホッパーカバー体13の外側面に沿って縦向き姿勢で配置している一方で、縦棒部33の上端部をホッパーカバー体13に対して固定的に取付けている。従って、この各分銅ホルダー31Aは、ホッパーカバー体13に対して一体(分離不能)に取付けられている。
分銅ホルダー31Aには、図15〜図17に示すように、縦棒部33に対して個体分銅35をその切込溝37(図16参照)を通して中心穴36(同図16参照)まで嵌合させることによって、順次所定個数(10個)の個体分銅35,35・・を縦棒部33に対して下から上に積み重ね状態で装着し得るようになっている。又、分銅ホルダー31に装着している各個体分銅35を縦棒部33から離脱させるには、縦棒部33から個体分銅35の切込溝37を通して外せばよい。尚、1個の個体分銅35の重量が25Kg程度であるので、分銅ホルダー31Aに対する各個体分銅35,35・・の着脱は、人力で載せ降ろしすることで行える。
又、この従来例のホッパースケール1では、分銅ホルダー31Aの縦棒部33の上端部を、計量ホッパー12の外側面に取付けている揚重シリンダ42のロッド43に連結しており、この揚重シリンダ42の伸縮動によって、分銅ホルダー31Aと共に該分銅ホルダー31に装着している全個体分銅35,35・・を昇降させ得るようになっている。そして、この揚重シリンダ42は、図13及び図14に示す縮小状態では、分銅ホルダー31Aに装着されている全個体分銅35,35・・が宙吊り状態(地切り状態)で支持される一方で、図15及び図17に示す伸長状態では、縦棒部33の最下部に装着された個体分銅35が機枠11側に設けた載せ台11a上に支持されるようになっている。従って、各揚重シリンダ42を縮小させることで、分銅ブロック体3Aを宙吊り状態で支持して、該分銅ブロック体3Aを荷重校正検査に供することができる一方、各揚重シリンダ42を伸長させることで、分銅ブロック体3Aの全個体分銅35,35・・を機枠11側の載せ台11a上に預け渡せる(計量ホッパー12側に分銅ブロック体3Aの荷重がかからない)ので、分銅ブロック体3Aを分銅ホルダー31Aに装着したまま(常設のまま)でも被計量物の計量作業が行える、という機能がある。
計量装置の荷重校正検査を実施するには、各分銅載架部4Aに載荷される分銅ブロック体3A(10個の個体分銅35で構成される)の重量を厳密に設定重量(この例では一体当たり250Kg)に合致させることが要求される。尚、個体分銅35の製作当初は、各個体分銅35,35・・の重量がそれぞれ正確に(厳密に)25Kgに設定されているので、その正確重量(1個が25Kg)である10個の個体分銅35,35・・で構成される一群の分銅ブロック体3Aでは合計重量が正確に250Kgになる。
ところが、個体分銅35を長期間使用していると、経時変化で各個体分銅35の重量が正規の重量(25Kg)に対して僅かではあるが誤差が生じることがある。そして、従来例(図13、図14)のホッパースケール1において、分銅ホルダー31Aに分銅ブロック体3A(10個の個体分銅35,35・・)を載架させた状態では、分銅ホルダー31Aが計量ホッパー12に連結されているので、一群の分銅ブロック体3Aごとホッパースケールから取り外すことができず、従って一群の分銅ブロック体3A(10個の個体分銅35,35・・)の状態で計量することができない。
そこで、図13及び図14に示す従来例のホッパースケール1では、分銅載架部4Aの分銅ホルダー31Aに載架させる分銅ブロック体3Aの重量(10個の個体分銅35の合計重量)を設定重量(250Kg)に合致させるのに、次のような手順で行っていた。
即ち、1つの分銅ホルダー31Aに載架する分銅ブロック体3Aの重量を250Kgに調整するのに、分銅ホルダー31Aに装着すべき必要個数(1箇所につき10個)の個体分銅35,35・・をそれぞれ図15に示すように1個ずつコンパレータ(電子天秤)5で計量して、そのうちの許容限度を超えて重量誤差があるものは象眼という手法(重量調整体の増減)で個別に適正重量(25Kg)に調整しておく。
そして、図17に示すように、1箇所の分銅載架部4Aにつき予め適正重量に調整した必要個数(10個)の個体分銅35,35・・を順次分銅ホルダー31Aに装着させて、計量ホッパー12に一群の分銅ブロック体3Aを載架させる。尚、図13及び図14に示す従来例のホッパースケール1では、計量ホッパー12の外面4箇所にある4つの分銅載架部4A,4A・・において、それぞれ上記の分銅ブロック体組付け作業を行う必要があるので、1基のホッパースケール1ごとに合計40個(10個×4箇所)の個体分銅35について上記の各処理(コンパレータ5での個別計量と分銅ホルダー31Aに対する個別組付け)が行われる。
ところで、大規模な計量処理工場では、例えば図18に示すように複数台(図示例では9台)のホッパースケール1,1・・を同時使用することがあるが、これらの各ホッパースケール1,1・・についても計量装置の荷重校正検査を行うときにはそれぞれ複数箇所(4箇所)に分銅ブロック体3Aを装備する必要がある。
特開2010−249555号公報(段落[0006])
特開2013−195286号公報
ところが、図13及び図14に示す従来例のホッパースケール1では、荷重校正検査用の分銅ブロック体3Aを載架する分銅ホルダー31Aが計量ホッパー12に連結されたままであるので、該分銅ホルダー31Aに対して設定重量分(例えば250Kg)に見合う個数(10個)の個体分銅35,35・・を載架させる場合、上記したように1台のホッパースケールに使用される多数個(40個)の個体分銅35を順次1個ずつコンパレータ5で計量するという作業と、そのうちの重量誤差がある個体分銅35については象眼という手法で個別に重量調整するという作業と、その適正重量に調整した各個体分銅35,35・・を順次1個ずつ分銅ホルダー31Aに載架させるという作業が必要であるので、その作業手順が繁雑であるとともに、各個体分銅35の載架作業に長時間を要する(例えば1台のホッパースケール当たりの個体分銅載架作業に8時間程度必要である)という問題があった。
又、1台のホッパースケールに装備していた4つの分銅ブロック体3A,3A・・を他のホッパースケールの荷重校正検査に転用する場合は、各分銅載架部4A,4A・・の分銅ホルダー31Aにそれぞれ載架している各個体分銅35(合計40個)を1個ずつ外して、その各個体分銅35を次のホッパースケールの各分銅載架部4A(分銅ホルダー31A)に付け替える作業を行うが、その場合も上記の作業手順を行う必要がるので、多大な労力と長時間を有することになる。
他方、図18に示すように、複数台(図示例では9台)のホッパースケール1,1・・にそれぞれ荷重校正検査用の分銅ブロック体3A,3A・・を常備している場合は、個体分銅の載架時間が不要となる(又は軽減される)が、各ホッパースケール1,1・・に拘束される個体分銅35の個数が多くなる。例えば図18の例では、1つの分銅ブロック体3Aに10個の個体分銅35を有し、1台のホッパースケール1の4箇所に分銅ブロック体3A,3A・・を使用し、9台のホッパースケール1,1・・があるので、10個×4箇所×9台で合計360個の個体分銅が必要である。従って、複数のホッパースケール1,1・・にそれぞれ分銅ブロック体3Aを常備する場合には、個体分銅35の資材コストが非常に高価になるという問題がある。
そこで、本願発明は、ホッパースケールにおける計量装置の荷重校正検査を行うための一群の分銅ブロック体を簡便に且つ短時間で取り扱えるようにした、計量装置の荷重校正検査方法及び荷重校正検査装置を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、計量装置の荷重校正検査方法及び荷重校正検査装置を対象にしたものである。
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明は、計量ホッパー内に投入される被計量物の重量を計量するようにしたホッパースケールにおける計量装置の荷重校正検査方法である。尚、以下の説明では、本願請求項1の発明である「計量装置の荷重校正検査方法」を単に「荷重校正検査方法」ということがある。
そして、本願請求項1の発明の荷重校正検査方法は、上記計量ホッパーとは別の位置で分銅ホルダーに所定個数の個体分銅を組付けて分銅ブロック体を構成し、該分銅ブロック体の全体重量が上記計量装置の荷重校正検査に用いる所定重量に適合しているかどうかをコンパレータ(電子天秤)で検査した後、その重量検査済みの分銅ブロック体を上記計量ホッパーに載架して上記計量装置の荷重校正検査を行うことを特徴としている。
尚、本願発明を説明するのに当たり、分銅ホルダーや個体分銅や分銅ブロック体等の個数や重量を例示しておくことが本願発明を理解し易くなると思われるので、上記個数や重量として後述する実施例のもので説明する。
使用するホッパースケールが例えば1000Kg計量用のものであれば、計量ホッパーの外面4箇所に1つ当たり250Kgの分銅ブロック体を載架することが好ましい。そして、その場合は、重量が25Kgの分銅ホルダーに対して1つが25Kgで9個の個体分銅を組付けることで、合計重量が250Kgの分銅ブロック体を構成することができる。尚、1個当たりの重量が25Kg程度であれば人力で取り扱うことができるので、分銅ホルダー(25Kg)に対して個体分銅(25Kg)を1個ずつ載せ降ろしするのは人力で行える。又、一群の分銅ブロック体を構成した状態では、合計重量が250Kgになるので人力では取り扱えないので、該分銅ブロック体の状態では移載手段(例えば移動式リフター)で移動及び載せ替えを行う。
この請求項1に係る発明の計量装置の荷重校正検査方法では、計量ホッパーとは別の位置で1つの分銅ホルダーに所定個数(9個)の個体分銅を組付けて荷重校正検査に用いる所定重量(250Kg)の分銅ブロック体を構成するが、分銅ホルダーに各個体分銅を組付ける際に上記コンパレータ上で行えば、所定個数(9個)の個体分銅を分銅ホルダーに組付けた時点で、その分銅ブロック体の重量(目標重量が250Kg)をコンパレータで直ちに計量することができる。尚、分銅ホルダーに所定個数の個体分銅を組付けて構成された一群の分銅ブロック体の重量(目標重量が250Kg)が分銅ブロック体の荷重校正検査に用いる設定重量(250Kg)に適合していない場合は、その過不足分の重量を例えば象眼という手法で増減することで一群の分銅ブロック体を適正重量(250Kg)に調整することができる。
ところで、1000Kg計量用のホッパースケールでは、1つが250Kgの分銅ブロック体を使用すると4組の分銅ブロック体が必要であるので、上記の製作工程を繰り返し行って4組の分銅ブロック体を製作しておくが、製作した各分銅ブロック体は、移載手段(例えば移動式リフター)でコンパレータ上から順次仮置台に移してそこで仮保持させておくとよい。
そして、分銅ブロック体の製作が終えると、その計量済みの分銅ブロック体を移載手段(移動式リフター)で荷重校正検査すべきホッパースケールの設置位置まで搬送し、さらに該移載手段で各分銅ブロック体を計量ホッパーの所定位置(分銅載架部)に載架して、計量装置の荷重校正検査を行う。
尚、計量装置の荷重校正検査は、計量ホッパーに載架する分銅ブロック体の個数を0個から4個の5通りで実施できる。即ち、載架する分銅ブロック体が0個では荷重0Kgの校正検査が行え、分銅ブロック体が1個増すごとに、順次250Kg、500Kg、750Kg、1000Kgの各校正検査が行える。そして、計量装置に表示される各計量値が計量ホッパーに載架した実際の分銅ブロック体の各重量(0Kg、250Kg、500Kg、750Kg、1000Kg)に適合しているかどうかを検認し、計量誤差が許容範囲を超えている場合は計量装置のスパン値を調整する。
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の発明の荷重校正検査方法を実施するための荷重校正検査装置であって、計量ホッパー内に投入される被計量物の重量を計量するようにしたホッパースケールにおける計量装置の荷重校正検査装置である。尚、以下の説明では、本願請求項2の発明である「計量装置の荷重校正検査装置」を単に「荷重校正検査装置」ということがある。
そして、本願請求項2の発明の荷重校正検査装置は、計量ホッパーに、分銅ホルダーに所定個数の個体分銅を組付けて上記計量装置の荷重校正検査に用いる所定重量に設定した分銅ブロック体を、載せ降ろし自在に載架し得る分銅載架部を設けたことを特徴としている。
この請求項2の発明の荷重校正検査装置で使用される分銅ブロック体は、上記請求項1で説明した分銅ブロック体と同様に、1つの分銅ホルダーに所定個数(例えば9個)の個体分銅を組付けて荷重校正検査用の所定重量(例えば250Kg)に設定したものである。
又、この請求項2の発明において、上記分銅載架部は分銅ブロック体を載せ降ろし自在に載架し得るものであるが、具体的には該分銅載架部として分銅ブロック体の分銅ホルダーの上端部を係脱自在に係止させ得る構造のものが採用される。尚、その場合、分銅ホルダーの上端部には、上記分銅載架部に係止し得る被係止部(この実施例では横棒部)を設ける。
そして、この請求項2の発明の荷重校正検査装置では、予め分銅ホルダーに所定個数の個体分銅を組付けた状態の分銅ブロック体(重量が250Kg)を、移載手段(移動式リフター)で計量ホッパーに設けている分銅載架部に載架することで、該分銅ブロック体を荷重校正検査に供することができる。
[本願請求項3の発明]
本願請求項3の発明は、上記請求項2の発明の荷重校正検査装置において、上記分銅載架部に、上記分銅ホルダーの上端部を係脱自在に係止して上記分銅ブロック体を載せ降ろし自在に支持し得るフックを設けていることを特徴としている。
この請求項3の発明のように、分銅載架部に分銅ブロック体載せ降ろし用のフックを設けたものでは、該フックに分銅ホルダーの上端部を係脱させるだけで分銅ブロック体を載せ降ろしできる。
[本願請求項4の発明]
本願請求項4の発明は、上記請求項3の発明の荷重校正検査装置において、上記分銅載架部に、上記フックに上記分銅ブロック体を支持させた状態で該分銅ブロック体と共に上記フックを上下動させ得る揚重シリンダを設けているとともに、上記揚重シリンダで上記分銅ブロック体を所定高さ以上降下させたときに、該分銅ブロック体の全重量が上記計量ホッパー以外の場所に預け渡されて、上記フックによる分銅ブロック体の支持が自動的に解除されるようにしていることを特徴としている。
この請求項4の発明のように、分銅載架部に分銅ブロック体と共にフックを昇降させ得る揚重シリンダを設けていると、分銅ブロック体をホッパースケールに常備した状態であっても、計量装置の非検査時には揚重シリンダで分銅ブロック体を降下させて該分銅ブロック体の全重量を他の場所(計量ホッパー以外の場所)に預け渡しておけば、計量ホッパーに対する分銅ブロック体の荷重が「0」になる。このことは、分銅ブロック体をホッパースケールから取り外すことなしに(ホッパースケールに常備したままで)、計量装置による通常の物品計量を行えることを意味する。
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の発明の荷重校正検査方法は、予め計量ホッパーとは別の位置で構成した分銅ブロック体の全体重量をコンパレータで検査した後に、その重量検査済みの分銅ブロック体を計量ホッパーに載架して計量装置の荷重校正検査を行うようにしたものである。
従って、この請求項1の発明の荷重校正検査方法では、分銅ブロック体を荷重校正検査用に供するまでの作業工程が図13〜図17に示す従来例のものより簡便になるとともに、その作業時間を大幅に短縮できるという効果がある。
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の発明の荷重校正検査方法を実施するための荷重校正検査装置であって、計量ホッパーに、予め荷重校正検査に用いる所定重量に設定した分銅ブロック体を、載せ降ろし自在に載架し得る分銅載架部を設けたものである。
従って、この請求項2のの発明の荷重校正検査装置では、計量ホッパーに設けた分銅載架部に、予め荷重校正検査用に適合する重量に設定した分銅ブロック体を載せ降ろし自在に載架し得るので、上記請求項1の発明の荷重校正検査方法と同様な効果を達成できる。即ち、この請求項2の発明の荷重校正検査装置では、分銅ブロック体を荷重校正検査用に供するための作業工程が図13〜図17に示す従来例のものより簡便になるとともに、その作業時間を大幅に短縮できるという効果がある。
[本願請求項3の発明の効果]
本願請求項3の発明は、上記請求項2の発明の荷重校正検査装置において、分銅載架部に、上記分銅ホルダーの上端部を係脱自在に係止して上記分銅ブロック体を載せ降ろし自在に支持し得るフックを設けたものである。
従って、この請求項3の発明の荷重校正検査装置では、分銅載架部に設けているフックに分銅ホルダーの上端部を係脱させるだけで分銅ブロック体を載せ降ろしできるので、上記請求項2の発明の効果に加えて、分銅載架部に対する分銅ブロック体の載せ降ろし作業を簡単に行えるという効果がある。
[本願請求項4の発明の効果]
本願請求項4の発明は、上記請求項3の発明の荷重校正検査装置において、分銅載架部に揚重シリンダを設け、該揚重シリンダで分銅ブロック体と共にフックを上下動させることにより、分銅ブロック体を宙吊り状態(荷重校正検査可能状態)と他の場所に預け渡した状態(荷重「0」の状態)との間で移動させ得るようにしている。
従って、この請求項4の発明の荷重校正検査装置では、分銅ブロック体をホッパースケールに常備した状態であっても、揚重シリンダにより分銅ブロック体を計量ホッパーに対して荷重「0」の状態(非検査状態)にできるので、上記請求項3の発明のフックによる効果(載せ降ろしが容易)に加えて、分銅ブロック体による非検査状態にする場合(実際に物品計量する場合)でも該分銅ブロック体をホッパースケールから取り外す作業が不要となるという効果がある。
本願実施例に係る計量装置の荷重校正検査装置を備えたホッパースケールの正面図である。
図1のホッパースケールの右側面図である。
図1の一部拡大図で、分銅載架部の構成及び該分銅載架部に対する分銅ブロック体の載架方法説明図である。
図1で使用する分銅ブロック体における分銅ホルダーの構成と該分銅ホルダーに対する個体分銅の着脱方法説明用の斜視図である。
図4の側面図相当図で、コンパレータ上で分銅ホルダーに個体分銅を組付ける際の説明図である。
図5からの進行図で、コンパレータ上で一群の分銅ブロック体が完成した状態の側面図である。
図6からの進行図で、分銅ブロック体をコンパレータ上から移載する際の説明図である。
図7からの進行図で、分銅ブロック体を移動式リフターで移動させる際の説明図である。
複数(4つ)の分銅ブロック体を仮置台に仮保持させた状態の説明図である。
移動式リフターを使用して分銅ブロック体を計量ホッパーの分銅載架部に移載する際の説明図である。
図10からの進行図で、分銅ブロック体を分銅載架部(フック)に載架させた(預け渡した)状態の説明図である。
図11からの状態変化図で、分銅載架部の揚重シリンダを伸長させたときの説明図である。
従来例である本件出願人製作のホッパースケールの正面図(図1相当図)である。
図13の右側面図(図2相当図)である。
図13の一部拡大図で、分銅ホルダーに個体分銅を組付ける際の説明図である。
図15のXVI−XVI矢視図である。
図15からの進行図で、分銅ホルダーに最終の個体分銅を組付けている説明図である。
図13のホッパースケールを複数台(9台)並設した状態の平面図である。
[実施例]
以下、図1〜図12を参照して本願実施例に係る計量装置の荷重校正検査方法及び荷重校正検査装置を説明する。
図1及び図2には、本願実施例の荷重校正検査装置を採用したホッパースケール1の全体図を示しているが、この図1及び図2に示すホッパースケール1の基本構成部分は、図13及び図14に示す従来例のものと同じである。そして、図1及び図2に示すホッパースケール1の基本構成の説明は、従来例の図13及び図14のホッパースケールの説明と重複するが、ここでもホッパースケール1の構成の概略を説明しておく。
図1及び図2のホッパースケール1も、例えば穀物(特に限定しない)のような取り分けられる物品を順次一定重量(例えば500Kg、1000Kg等の定量)ずつ自動で取り出せるようにした大型の計量器であって、機枠11内に計量ホッパー12を複数(図示例では4つ)のロードセル2,2・・を介して宙吊り状態で支持している。尚、計量ホッパー12は、ホッパー本体12aの外側をカバー体(ホッパーカバー体という)13で一体的に囲繞したものが採用されており、該ホッパーカバー体13の外面を4つのロードセル2,2・・で支持している。
そして、図1及び図2のホッパースケール1は、投入シュート14から計量ホッパー12(ホッパー本体12a)内に投入される被計量物をロードセル2を含む計量装置で一定重量ずつ計量した後、その計量した物品(被計量物)をホッパー本体12aの排出シュート17から順次排出するようにしたものである。
ところで、図1及び図2のホッパースケール1でも、定期的に計量装置の荷重校正検査を行う必要があるが、この実施例で行う荷重校正検査でも、予め計量されている分銅(分銅ブロック体3)を実際に計量ホッパー12に載架して行うものである。
そして、図1及び図2に示すホッパースケール1も、1回当たり1000Kg程度の大重量を計量するものであって、ホッパーカバー体13の外面の4箇所に、1個の重量が250Kgの分銅ブロック体3をそれぞれ載架するための4つの分銅載架部4,4・・が設けられている。尚、4つの分銅載架部4は、図1の正面図の状態で計量ホッパー12(ホッパーカバー体13)の左右外側に2箇所ずつ設けられている。
この実施例で使用される分銅ブロック体3は、図1〜図2及び図4〜図6に示すように、1つの分銅ホルダー31に9個の個体分銅35,35・・を上下重合状態で組付けて構成されるものである。
分銅ホルダー31は、図4に拡大図示するように、下部に円形のブロック体からなる台座部32を有し、該台座部32の中心部に所定長さの縦棒部33を立設固定しているとともに、該縦棒部33の上端部に短小な横棒部34を固定したものである。そして、この分銅ホルダー31は、台座部32と縦棒部33と横棒部34の合計重量が25Kgになるように設定している。
台座部32と縦棒部33の下端部、及び縦棒部33の上端部と横棒部34は、それぞれ強固に結合されていて、図1及び図2に示すように分銅ホルダー31に9個の個体分銅35,35・・を組付けた一群の分銅ブロック体3の状態(250Kgとなる)で、分銅ホルダー31の横棒部34を持ち上げることで分銅ブロック体3全体を安全に吊持できるようになっている。又、この分銅ホルダー31は、図5に示すように、台座部32を水平面上(図示例ではコンパレータ5の上面)に着座させた状態で、安定姿勢で自立できるようになっている。
個体分銅35は、1個の重量が25Kgになるように設定している。この個体分銅35は、図13〜図18の従来例で使用しているものと同じものであるが、さらに詳しく説明すると、この個体分銅35は、図4に明示(鎖線図示)するように円形のブロック体(鋳物製)で中心部に分銅ホルダー31の縦棒部33を挿通させる中心穴36を有しているとともに、外側面から中心穴36に達する縦棒部嵌挿用の切込溝37を有している。尚、この個体分銅35の外側面下端の対向位置には、持ち上げ時に使用する指掛け用の凹部38が形成されている。
そして、この個体分銅35は、分銅ホルダー31の縦棒部33に対して図4及び図5に示すように組付けられるが、その際、外側面下端の対向位置にある各凹部38に手指を掛けて個体分銅35を人力で持ち上げ、分銅ホルダー31の縦棒部33に個体分銅35の切込溝37を通して中心穴36を嵌合させた後、該個体分銅35を台座部32上まで降ろすことで、個体分銅35を分銅ホルダー31に合体させることができる。尚、一群の分銅ブロック体3を構成するには、分銅ホルダー31に対して9個の個体分銅35を順次下から上に積み重ねることで達成できるが、その際、上下に積み重ねる各個体分銅35,35・・は順次所定角度(例えば90°)ずつ変位させることで、上下に位置する各個体分銅35の各切込溝37を周方向に位置ずれさせることができ、それによって各個体分銅35,35・・が分銅ホルダー31の縦棒部33から不用意に外れないようにできる。
ところで、上記分銅ホルダー31及び各個体分銅35は、1個当たりの重量が正確に25Kgであることが好ましいが、分銅ホルダー31及び各個体分銅35のそれぞれの重量は、長期間使用していると経年変化でごく僅かではあるが誤差が生じることがある。そして、分銅ホルダー31と9個の個体分銅35とで構成される分銅ブロック体3を荷重校正検査用に供する場合は、該分銅ブロック体3の合計重量を正確(厳密)に250Kgに設定する必要がある。
そこで、本願の実施例では、一群の分銅ブロック体3を構成するのに当たり、図5及び図6に示すようにコンパレータ(電子天秤)5上で分銅ホルダー31に対して各個体分銅35を組付けることで、一群の分銅ブロック体3を完成させた時点で該分銅ブロック体3の全体重量をコンパレータ5で計量できるようにしている。即ち、図5に示すように、コンパレータ(電子天秤)5上に分銅ホルダー31の台座部32を載せて該分銅ホルダー31を自立さけておき、その分銅ホルダー31の縦棒部33に各個体分銅35を順次1個ずつ組付けていく。そのとき各分銅ブロック体35を組付けるごとにコンパレータ5での計量値が増加していくが、その組付け途中の計量値は確認及び記録する必要はない。
そして、図6に示すように、コンパレータ5上において分銅ホルダー31に9個の個体分銅35を組付けた後、その一群の分銅ブロック体3の合計重量をコンパレータ5で計量する(計量値を見る)ことで、当該分銅ブロック体3が荷重校正検査に供する適正重量(正確に250Kg)であるかどうかを直ちに確認することができる。コンパレータ5で計量された一群の分銅ブロック体3の重量(目標重量が250Kg)が分銅ブロック体の荷重校正検査に用いる設定重量(250Kg)に適合していない場合は、その過不足分の重量を象眼という手法で増減することで一群の分銅ブロック体3を適正重量(250Kg)に調整することができる。尚、分銅ホルダー31に対する各個体分銅35,35・・の組付けは、分銅ホルダー31の台座部32を地面上に置いたままで行ってもよく、その場合は、完成させた分銅ブロック体3を図8に示すように移載手段(移動式リフター)6で移動させて図7に示すようにコンパレータ5上に載せることで、該分銅ブロック体3を計量することができる。
図1及び図2に示すホッパースケール1では、1台につき荷重校正検査用として4組の分銅ブロック体3,3・・が使用される関係で、予め4組の分銅ブロック体3,3・・を製作しておく必要がある。その場合、図6に示すように、コンパレータ5上で一群の分銅ブロック体3を完成させた後、当該コンパレータ5上で次の分銅ブロック体を組立てるが、先にコンパレータ5上で完成させた分銅ブロック体3は大重量(250Kg)であるので、図7及び図8に示すように移動式リフター6に乗せて移動させる。尚、この実施例では、単一のコンパレータ5上で順次4組の分銅ブロック体3,3・・を計量するが、計量済みの分銅ブロック体3は図9に示すように順次仮置台7に仮保持させておくとよい。
図7〜図8及び図10〜図11に示す移動式リフター6は、特許請求の範囲中の移載手段に相当するものであるが、この移動式リフター6は、車輪付きの台板61上に支柱62を立設し、該支柱62の所定高さ位置において分銅ブロック体3の横棒部34を載せ掛けるための支持材63を設けているとともに、該支持材63を上下動操作具64と前後動操作具65とで上下動及び前後動させ得るようにしたものである。尚、この移動式リフター6の使用方法は後述する。
図1〜図2に示すホッパースケール1には、本願実施例の計量装置の荷重校正検査装置が設けられているが、以下の説明でも、本願の「計量装置の荷重校正検査装置」を単に「荷重校正検査装置」ということがある。
図1〜図2に採用している荷重校正検査装置では、ホッパースケール1の計量ホッパー12に、荷重校正検査に用いる上記分銅ブロック体3を載せ降ろし自在に載架し得る分銅載架部4を設けている。
この実施例の分銅載架部4は、図1〜図2に示すように、ホッパーカバー体13の外面の4箇所に設けられている。この各分銅載架部4,4・・には、それぞれフック44を有している。このフック44は、図3及び図10〜図12に拡大図示するように、ホッパースケール1の外側から分銅ブロック体3の横棒部34を係脱させ得るものである。又、このフック44は、図2に示すように左右2つを1組として構成されていて、左右の各フック44で横棒部34の中心を挟んだ左右2箇所を係止することで、分銅ブロック体3を安定的に吊持し得るようになっている。
又、分銅載架部4のフック44は、揚重シリンダ42で昇降させ得るようにしている。この揚重シリンダ42は、各分銅載架部4の設置部におけるホッパーカバー体13の外面にブラケット41を介して支持されている。そして、フック44は、揚重シリンダ42のロッド43の下端部に連結されていて、揚重シリンダ42の伸縮動によってフック44と共に該フック44に吊持している分銅ブロック体3を昇降させようになっている。
そして、この揚重シリンダ42が縮小状態では、図1〜図2及び図11に示すように、フック44で吊持されている分銅ブロック体3が宙吊りされて該分銅ブロック体3の全重量が計量ホッパー12に加わっている一方、揚重シリンダ42が所定長さ以上伸長すると、図12に示すように、フック44で吊持されている分銅ブロック体3の下面(分銅ホルダー31の台座部32の下面)が機枠11側の載せ台11a上に着座することで分銅ブロック体3の全重量が計量ホッパー12以外の場所(載せ台11a上)に預け渡されるようになっている。従って、分銅ブロック体3を載せ台11a上に預け渡した状態(図12の状態)では、上記フック44による分銅ブロック体3の支持が自動的に解除されるようにしている。
本願実施例の荷重校正検査方法は、上記構成の荷重校正検査装置を用いて行うものであるが、この実施例の荷重校正検査方法は、次のように実施される。
まず、荷重校正検査用の分銅ブロック体3は、図5及び図6に示すように、ホッパースケール1とは別の位置において分銅ホルダー31に所定個数(9個)の個体分銅35,35・・を組付けて構成し、次にその一群の分銅ブロック体3の全体重量が荷重校正検査に用いる所定重量(250Kg)に適合しているかどうかをコンパレータ5で計量するが、分銅ブロック体3の製作作業を図5及び図6に示すようにコンパレータ5上で行えば、分銅ブロック体3の完成と同時に当該分銅ブロック体3の重量が適正重量であるかどうかをコンパレータ5で直ちに確認できる。
そして、一群の分銅ブロック体3の合計重量が設定重量(250Kg)に対して誤差がある場合は、その誤差分の重量を加減調整する。尚、この実施例では、1台のホッパースケール1について4組の分銅ブロック体3,3・・を使用するので、上記作業を繰り返して分銅ブロック体3を4組作製しておく(例えば図9に示すように、4組の分銅ブロック体3,3・・を仮置台7に仮保持させておく)。
そして、作製した分銅ブロック体3を、図8に示すように移動式リフター6の支持材63で吊上げ支持してホッパースケール1の設置位置まで搬送し、次に図10に示すように支持材63に載せ掛けている横棒部34を分銅載架部4のフック44の入口に挿入し、続いて図11に示すように支持材63を上下動操作具64で降下させることで、分銅ブロック体3の横棒部34を分銅載架部4のフック44に預け渡すことができる。そして、図11に示すように、分銅ブロック体3の横棒部34を分銅載架部4のフック44に預け渡した後、移動式リフター6を移動させて次の分銅載架部4への分銅ブロック体載架作業に使用する。
ところで、計量ホッパー12に載架する分銅ブロック体3の個数は、0個から4個の5通りで実施できる。即ち、載架する分銅ブロック体3が0個では荷重0Kgの校正検査が行え、分銅ブロック体3が1個増すごとに、順次250Kg、500Kg、750Kg、1000Kgの各校正検査が行える。そして、計量装置に表示される各計量値が計量ホッパー12に載架した実際の分銅ブロック体3の各重量(0Kg、250Kg、500Kg、750Kg、1000Kg)に適合しているかどうかを検認し、計量誤差が許容範囲を超えている場合は計量装置のスパン値を調整する。
このように、本願実施例(請求項1及び請求項2に対応)の荷重校正検査方法及び荷重校正検査装置では、分銅ブロック体3を荷重校正検査用に供するまでの作業工程が、図13〜図17に示す従来例のものより簡便になるとともに、その作業時間を大幅に短縮できる。特に、図18に示すように、複数台(9台)のホッパースケール1,1・・を使用して計量作業を行う大規模作業所において、各ホッパースケール1,1・・に対して4つ1組の分銅ブロック体3,3・・を使い回しする場合は、図13〜図17の従来例に比して作業工程及び作業時間が大幅に軽減できる。
又、この実施例(請求項3に対応)の荷重校正検査装置のように、分銅載架部4にフック44を使用したものでは、分銅載架部4に対する分銅ブロック体3の載せ降ろし作業を簡単に行える。
さらに、この実施例(請求項4に対応)の荷重校正検査装置のように、揚重シリンダ42で分銅ブロック体3と共にフック44を上下動させ得るようにしたものでは、分銅ブロック体3をホッパースケール1に常備した状態であっても、図12に示すように揚重シリンダ42を伸長させることで分銅ブロック体3を計量ホッパー12に対して荷重「0」の状態(非検査状態)にできるので、分銅ブロック体3による非検査状態にする場合でも該分銅ブロック体3をホッパースケール1から取り外す作業が不要となる。
1はホッパースケール、2はロードセル、3は分銅ブロック体、4は分銅載架部、5はコンパレータ(電子天秤)、6は移載手段(移動式リフター)、11は機枠、12は計量ホッパー、13はホッパーカバー体、31は分銅ホルダー、32は台座部、33は縦棒部、34は横棒部、35は個体分銅、42は揚重シリンダ、44はフックである。
本願発明は、ホッパースケールにおける計量装置の試験に用いられる荷重校正検査方法に関するものである。
本件出願人は、図13及び図14に示すホッパースケールを製作・販売しているが、この種のホッパースケール1は、例えば穀物(特に限定しない)のような取り分けられる物品を順次一定重量(例えば500Kg、1000Kg等の定量)ずつ自動で取り出せるようにした大型の計量器である。
図13及び図14に示す公知のホッパースケール1は、機枠11内に計量ホッパー12を複数(図示例では4つ)のロードセル2,2・・を介して宙吊り状態で支持している。図示例のホッパースケール1では、計量ホッパー12は、ホッパー本体12aの外側をカバー体13で一体的に囲繞したものが採用されており、該カバー体13の外面を4つのロードセル2,2・・で支持することで、計量ホッパー12全体を宙吊り状態で支持している。尚、以下の説明では、計量ホッパー12のカバー体13を単にホッパーカバー体13ということがある。
そして、図13及び図14のホッパースケール1は、投入シュート14から計量ホッパー12(ホッパー本体12a)内に投入される被計量物をロードセル2を含む計量装置で一定重量ずつ計量した後、その計量した物品(被計量物)をホッパー本体12aの排出シュート17から順次排出するようにしたものである。
即ち、このホッパースケール1では、ホッパー本体12aの下部にある排出シュート17の出口(下端)を開閉装置(ゲート)18で閉じた状態で、上部の投入シュート14から物品(被計量物)をホッパー本体12a内に連続投入していくが、その投入物品による増加重量を各ロードセル2,2・・を含む計量装置で計量して、該計量装置での計量値が設定された重量値に達すると、コントローラ10からの信号で、投入シュート14の開閉装置(ゲート)15が閉じ、その後に排出シュート17の開閉装置(ゲート)18が開放して、ホッパー本体12a内の被計量物(計量済み)が排出シュート17の出口から所定容器(例えばフレコンバッグ)内に放出される(1回の計量工程が完了する)。
ところで、この種のホッパースケール1では、長期使用に伴って計量装置での計量精度が変化することがあるので、定期的に計量装置の荷重校正検査を行う必要がある。そして、この種のホッパースケール1における計量装置の荷重校正検査方法は、予め計量されている分銅(図示例では分銅ブロック体3A)を実際に計量ホッパー12に載架して行うもの(例えば特許文献1の段落「0006」に記載)と、分銅に替えてシリンダによる圧力を計量ホッパーに付与して行うもの(例えば特許文献2に記載)、とに大別されるが、計量装置を荷重校正検査するには実際の分銅を載架して行う方が検査精度がよいとされている。
ところで、図13及び図14に示すホッパースケール1は、1回当たり例えば1000Kg程度の大重量を計量し得るものである。尚、超大型のホッパースケール1には、1回当たり2000Kgを超える重量を計量するような、さらに大重量計測用のものもある。
そして、図13及び図14のホッパースケール1では、計量ホッパー12(ホッパーカバー体13)の外面の4箇所に計量装置の荷重校正検査用となる分銅ブロック体3Aを載架するための分銅載架部4A,4A・・が設けられていて、計量装置の荷重校正検査時にはこの各分銅載架部4Aにそれぞれ所定重量の分銅ブロック体3Aが載架される。尚、4つの分銅載架部4A,4A・・は、図13の正面図の状態でホッパーカバー体13の左右外側に2箇所ずつ設けられている。
ところで、このホッパースケール1が1000Kg計量用であれば、1体当たりの分銅ブロック体3Aの重量は250Kgに設定される(250Kg×4=1000Kg)が、このように分銅ブロック体3Aが1体当たり250Kgの重量があると、1つの分銅ブロック体3Aであっても人力で載せ降ろしができないので、図13及び図14の従来例では、1個が25Kg(人力で載せ降ろしできる程度の重量)の個体分銅35を10個合わせて250Kgの分銅ブロック体3Aを構成するようにしている。
そして、図13及び図14に示す従来のホッパースケール1では、計量ホッパー12の外面4箇所にある各分銅載架部4A,4A・・にそれぞれ後述する分銅ホルダー31A,31A・・を固定的に設置しておき、各分銅ホルダー31Aに対して図15〜図17に示すように所定個数(10個)の個体分銅35,35・・を下から上に順次積み重ねて、それぞれの分銅載架部4A,4A・・に合計250Kgの分銅ブロック体3Aを載架するようにしている。
各分銅ホルダー31Aは、図15〜図17に示すように下端の台座部32Aの上に縦棒部33を立設したものである。そして、該分銅ホルダー31Aは、縦棒部33をホッパーカバー体13の外側面に沿って縦向き姿勢で配置している一方で、縦棒部33の上端部をホッパーカバー体13に対して固定的に取付けている。従って、この各分銅ホルダー31Aは、ホッパーカバー体13に対して一体(分離不能)に取付けられている。
分銅ホルダー31Aには、図15〜図17に示すように、縦棒部33に対して個体分銅35をその切込溝37(図16参照)を通して中心穴36(同図16参照)まで嵌合させることによって、順次所定個数(10個)の個体分銅35,35・・を縦棒部33に対して下から上に積み重ね状態で装着し得るようになっている。又、分銅ホルダー31に装着している各個体分銅35を縦棒部33から離脱させるには、縦棒部33から個体分銅35の切込溝37を通して外せばよい。尚、1個の個体分銅35の重量が25Kg程度であるので、分銅ホルダー31Aに対する各個体分銅35,35・・の着脱は、人力で載せ降ろしすることで行える。
又、この従来例のホッパースケール1では、分銅ホルダー31Aの縦棒部33の上端部を、計量ホッパー12の外側面に取付けている揚重シリンダ42のロッド43に連結しており、この揚重シリンダ42の伸縮動によって、分銅ホルダー31Aと共に該分銅ホルダー31に装着している全個体分銅35,35・・を昇降させ得るようになっている。そして、この揚重シリンダ42は、図13及び図14に示す縮小状態では、分銅ホルダー31Aに装着されている全個体分銅35,35・・が宙吊り状態(地切り状態)で支持される一方で、図15及び図17に示す伸長状態では、縦棒部33の最下部に装着された個体分銅35が機枠11側に設けた載せ台11a上に支持されるようになっている。従って、各揚重シリンダ42を縮小させることで、分銅ブロック体3Aを宙吊り状態で支持して、該分銅ブロック体3Aを荷重校正検査に供することができる一方、各揚重シリンダ42を伸長させることで、分銅ブロック体3Aの全個体分銅35,35・・を機枠11側の載せ台11a上に預け渡せる(計量ホッパー12側に分銅ブロック体3Aの荷重がかからない)ので、分銅ブロック体3Aを分銅ホルダー31Aに装着したまま(常設のまま)でも被計量物の計量作業が行える、という機能がある。
計量装置の荷重校正検査を実施するには、各分銅載架部4Aに載荷される分銅ブロック体3A(10個の個体分銅35で構成される)の重量を厳密に設定重量(この例では一体当たり250Kg)に合致させることが要求される。尚、個体分銅35の製作当初は、各個体分銅35,35・・の重量がそれぞれ正確に(厳密に)25Kgに設定されているので、その正確重量(1個が25Kg)である10個の個体分銅35,35・・で構成される一群の分銅ブロック体3Aでは合計重量が正確に250Kgになる。
ところが、個体分銅35を長期間使用していると、経時変化で各個体分銅35の重量が正規の重量(25Kg)に対して僅かではあるが誤差が生じることがある。そして、従来例(図13、図14)のホッパースケール1において、分銅ホルダー31Aに分銅ブロック体3A(10個の個体分銅35,35・・)を載架させた状態では、分銅ホルダー31Aが計量ホッパー12に連結されているので、一群の分銅ブロック体3Aごとホッパースケールから取り外すことができず、従って一群の分銅ブロック体3A(10個の個体分銅35,35・・)の状態で計量することができない。
そこで、図13及び図14に示す従来例のホッパースケール1では、分銅載架部4Aの分銅ホルダー31Aに載架させる分銅ブロック体3Aの重量(10個の個体分銅35の合計重量)を設定重量(250Kg)に合致させるのに、次のような手順で行っていた。
即ち、1つの分銅ホルダー31Aに載架する分銅ブロック体3Aの重量を250Kgに調整するのに、分銅ホルダー31Aに装着すべき必要個数(1箇所につき10個)の個体分銅35,35・・をそれぞれ図15に示すように1個ずつコンパレータ(電子天秤)5で計量して、そのうちの許容限度を超えて重量誤差があるものは象眼という手法(重量調整体の増減)で個別に適正重量(25Kg)に調整しておく。
そして、図17に示すように、1箇所の分銅載架部4Aにつき予め適正重量に調整した必要個数(10個)の個体分銅35,35・・を順次分銅ホルダー31Aに装着させて、計量ホッパー12に一群の分銅ブロック体3Aを載架させる。尚、図13及び図14に示す従来例のホッパースケール1では、計量ホッパー12の外面4箇所にある4つの分銅載架部4A,4A・・において、それぞれ上記の分銅ブロック体組付け作業を行う必要があるので、1基のホッパースケール1ごとに合計40個(10個×4箇所)の個体分銅35について上記の各処理(コンパレータ5での個別計量と分銅ホルダー31Aに対する個別組付け)が行われる。
ところで、大規模な計量処理工場では、例えば図18に示すように複数台(図示例では9台)のホッパースケール1,1・・を同時使用することがあるが、これらの各ホッパースケール1,1・・についても計量装置の荷重校正検査を行うときにはそれぞれ複数箇所(4箇所)に分銅ブロック体3Aを装備する必要がある。
特開2010−249555号公報(段落[0006])
特開2013−195286号公報
ところが、図13及び図14に示す従来例のホッパースケール1では、荷重校正検査用の分銅ブロック体3Aを載架する分銅ホルダー31Aが計量ホッパー12に連結されたままであるので、該分銅ホルダー31Aに対して設定重量分(例えば250Kg)に見合う個数(10個)の個体分銅35,35・・を載架させる場合、上記したように1台のホッパースケールに使用される多数個(40個)の個体分銅35を順次1個ずつコンパレータ5で計量するという作業と、そのうちの重量誤差がある個体分銅35については象眼という手法で個別に重量調整するという作業と、その適正重量に調整した各個体分銅35,35・・を順次1個ずつ分銅ホルダー31Aに載架させるという作業が必要であるので、その作業手順が繁雑であるとともに、各個体分銅35の載架作業に長時間を要する(例えば1台のホッパースケール当たりの個体分銅載架作業に8時間程度必要である)という問題があった。
又、1台のホッパースケールに装備していた4つの分銅ブロック体3A,3A・・を他のホッパースケールの荷重校正検査に転用する場合は、各分銅載架部4A,4A・・の分銅ホルダー31Aにそれぞれ載架している各個体分銅35(合計40個)を1個ずつ外して、その各個体分銅35を次のホッパースケールの各分銅載架部4A(分銅ホルダー31A)に付け替える作業を行うが、その場合も上記の作業手順を行う必要があるので、多大な労力と長時間を有することになる。
他方、図18に示すように、複数台(図示例では9台)のホッパースケール1,1・・にそれぞれ荷重校正検査用の分銅ブロック体3A,3A・・を常備している場合は、個体分銅の載架時間が不要となる(又は軽減される)が、各ホッパースケール1,1・・に拘束される個体分銅35の個数が多くなる。例えば図18の例では、1つの分銅ブロック体3Aに10個の個体分銅35を有し、1台のホッパースケール1の4箇所に分銅ブロック体3A,3A・・を使用し、9台のホッパースケール1,1・・があるので、10個×4箇所×9台で合計360個の個体分銅が必要である。従って、複数のホッパースケール1,1・・にそれぞれ分銅ブロック体3Aを常備する場合には、個体分銅35の資材コストが非常に高価になるという問題がある。
そこで、本願発明は、ホッパースケールにおける計量装置の荷重校正検査を行うための一群の分銅ブロック体を簡便に且つ短時間で取り扱えるようにした、計量装置の荷重校正検査方法を提供することを目的としている。
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
本願発明は、計量ホッパー内に投入される被計量物の重量を計量するようにしたホッパースケールにおける計量装置の荷重校正検査方法を対象にしている。尚、以下の説明では、本願発明である「計量装置の荷重校正検査方法」を単に「荷重校正検査方法」ということがある。
そして、本願発明の荷重校正検査方法は、上記計量ホッパーとは別の位置で分銅ホルダーに所定個数の個体分銅を組付けて分銅ブロック体を構成し、該分銅ブロック体の全体重量が上記計量装置の荷重校正検査に用いる所定重量に適合しているかどうかをコンパレータ(電子天秤)で検査した後、その重量検査済みの分銅ブロック体を上記計量ホッパーに載架して上記計量装置の荷重校正検査を行うことを特徴としている。
尚、本願発明を説明するのに当たり、分銅ホルダーや個体分銅や分銅ブロック体等の個数や重量を例示しておくことが本願発明を理解し易くなると思われるので、上記個数や重量として後述する実施例のもので説明する。
使用するホッパースケールが例えば1000Kg計量用のものであれば、計量ホッパーの外面4箇所に1つ当たり250Kgの分銅ブロック体を載架することが好ましい。そして、その場合は、重量が25Kgの分銅ホルダーに対して1つが25Kgで9個の個体分銅を組付けることで、合計重量が250Kgの分銅ブロック体を構成することができる。尚、1個当たりの重量が25Kg程度であれば人力で取り扱うことができるので、分銅ホルダー(25Kg)に対して個体分銅(25Kg)を1個ずつ載せ降ろしするのは人力で行える。又、一群の分銅ブロック体を構成した状態では、合計重量が250Kgになるので人力では取り扱えないので、該分銅ブロック体の状態では移載手段(例えば移動式リフター)で移動及び載せ替えを行う。
本願発明の計量装置の荷重校正検査方法では、計量ホッパーとは別の位置で1つの分銅ホルダーに所定個数(9個)の個体分銅を組付けて荷重校正検査に用いる所定重量(250Kg)の分銅ブロック体を構成するが、分銅ホルダーに各個体分銅を組付ける際に上記コンパレータ上で行えば、所定個数(9個)の個体分銅を分銅ホルダーに組付けた時点で、その分銅ブロック体の重量(目標重量が250Kg)をコンパレータで直ちに計量することができる。尚、分銅ホルダーに所定個数の個体分銅を組付けて構成された一群の分銅ブロック体の重量(目標重量が250Kg)が分銅ブロック体の荷重校正検査に用いる設定重量(250Kg)に適合していない場合は、その過不足分の重量を例えば象眼という手法で増減することで一群の分銅ブロック体を適正重量(250Kg)に調整することができる。
ところで、1000Kg計量用のホッパースケールでは、1つが250Kgの分銅ブロック体を使用すると4組の分銅ブロック体が必要であるので、上記の製作工程を繰り返し行って4組の分銅ブロック体を製作しておくが、製作した各分銅ブロック体は、移載手段(例えば移動式リフター)でコンパレータ上から順次仮置台に移してそこで仮保持させておくとよい。
そして、分銅ブロック体の製作が終えると、その計量済みの分銅ブロック体を移載手段(移動式リフター)で荷重校正検査すべきホッパースケールの設置位置まで搬送し、さらに該移載手段で各分銅ブロック体を計量ホッパーの所定位置(分銅載架部)に載架して、計量装置の荷重校正検査を行う。
尚、計量装置の荷重校正検査は、計量ホッパーに載架する分銅ブロック体の個数を0個から4個の5通りで実施できる。即ち、載架する分銅ブロック体が0個では荷重0Kgの校正検査が行え、分銅ブロック体が1個増すごとに、順次250Kg、500Kg、750Kg、1000Kgの各校正検査が行える。そして、計量装置に表示される各計量値が計量ホッパーに載架した実際の分銅ブロック体の各重量(0Kg、250Kg、500Kg、750Kg、1000Kg)に適合しているかどうかを検認し、計量誤差が許容範囲を超えている場合は計量装置のスパン値を調整する。
本願発明の荷重校正検査方法は、予め計量ホッパーとは別の位置で構成した分銅ブロック体の全体重量をコンパレータで検査した後に、その重量検査済みの分銅ブロック体を計量ホッパーに載架して計量装置の荷重校正検査を行うようにしたものである。
従って、本願発明の荷重校正検査方法では、分銅ブロック体を荷重校正検査用に供するまでの作業工程が図13〜図17に示す従来例のものより簡便になるとともに、その作業時間を大幅に短縮できるという効果がある。
本願実施例の計量装置の荷重校正検査方法を行うのに用いられる荷重校正検査装置を備えたホッパースケールの正面図である。
図1のホッパースケールの右側面図である。
図1の一部拡大図で、分銅載架部の構成及び該分銅載架部に対する分銅ブロック体の載架方法説明図である。
図1で使用する分銅ブロック体における分銅ホルダーの構成と該分銅ホルダーに対する個体分銅の着脱方法説明用の斜視図である。
図4の側面図相当図で、コンパレータ上で分銅ホルダーに個体分銅を組付ける際の説明図である。
図5からの進行図で、コンパレータ上で一群の分銅ブロック体が完成した状態の側面図である。
図6からの進行図で、分銅ブロック体をコンパレータ上から移載する際の説明図である。
図7からの進行図で、分銅ブロック体を移動式リフターで移動させる際の説明図である。
複数(4つ)の分銅ブロック体を仮置台に仮保持させた状態の説明図である。
移動式リフターを使用して分銅ブロック体を計量ホッパーの分銅載架部に移載する際の説明図である。
図10からの進行図で、分銅ブロック体を分銅載架部(フック)に載架させた(預け渡した)状態の説明図である。
図11からの状態変化図で、分銅載架部の揚重シリンダを伸長させたときの説明図である。
従来例である本件出願人製作のホッパースケールの正面図(図1相当図)である。
図13の右側面図(図2相当図)である。
図13の一部拡大図で、分銅ホルダーに個体分銅を組付ける際の説明図である。
図15のXVI−XVI矢視図である。
図15からの進行図で、分銅ホルダーに最終の個体分銅を組付けている説明図である。
図13のホッパースケールを複数台(9台)並設した状態の平面図である。
[実施例]
以下、図1〜図12を参照して本願実施例に係る計量装置の荷重校正検査方法を説明する。
図1及び図2には、本願実施例の荷重校正検査方法を行うのに使用される荷重校正検査装置を採用したホッパースケール1の全体図を示しているが、この図1及び図2に示すホッパースケール1の基本構成部分は、図13及び図14に示す従来例のものと同じである。そして、図1及び図2に示すホッパースケール1の基本構成の説明は、従来例の図13及び図14のホッパースケールの説明と重複するが、ここでもホッパースケール1の構成の概略を説明しておく。
図1及び図2のホッパースケール1も、例えば穀物(特に限定しない)のような取り分けられる物品を順次一定重量(例えば500Kg、1000Kg等の定量)ずつ自動で取り出せるようにした大型の計量器であって、機枠11内に計量ホッパー12を複数(図示例では4つ)のロードセル2,2・・を介して宙吊り状態で支持している。尚、計量ホッパー12は、ホッパー本体12aの外側をカバー体(ホッパーカバー体という)13で一体的に囲繞したものが採用されており、該ホッパーカバー体13の外面を4つのロードセル2,2・・で支持している。
そして、図1及び図2のホッパースケール1は、投入シュート14から計量ホッパー12(ホッパー本体12a)内に投入される被計量物をロードセル2を含む計量装置で一定重量ずつ計量した後、その計量した物品(被計量物)をホッパー本体12aの排出シュート17から順次排出するようにしたものである。
ところで、図1及び図2のホッパースケール1でも、定期的に計量装置の荷重校正検査を行う必要があるが、この実施例で行う荷重校正検査でも、予め計量されている分銅(分銅ブロック体3)を実際に計量ホッパー12に載架して行うものである。
そして、図1及び図2に示すホッパースケール1も、1回当たり1000Kg程度の大重量を計量するものであって、ホッパーカバー体13の外面の4箇所に、1個の重量が250Kgの分銅ブロック体3をそれぞれ載架するための4つの分銅載架部4,4・・が設けられている。尚、4つの分銅載架部4は、図1の正面図の状態で計量ホッパー12(ホッパーカバー体13)の左右外側に2箇所ずつ設けられている。
この実施例で使用される分銅ブロック体3は、図1〜図2及び図4〜図6に示すように、1つの分銅ホルダー31に9個の個体分銅35,35・・を上下重合状態で組付けて構成されるものである。
分銅ホルダー31は、図4に拡大図示するように、下部に円形のブロック体からなる台座部32を有し、該台座部32の中心部に所定長さの縦棒部33を立設固定しているとともに、該縦棒部33の上端部に短小な横棒部34を固定したものである。そして、この分銅ホルダー31は、台座部32と縦棒部33と横棒部34の合計重量が25Kgになるように設定している。
台座部32と縦棒部33の下端部、及び縦棒部33の上端部と横棒部34は、それぞれ強固に結合されていて、図1及び図2に示すように分銅ホルダー31に9個の個体分銅35,35・・を組付けた一群の分銅ブロック体3の状態(250Kgとなる)で、分銅ホルダー31の横棒部34を持ち上げることで分銅ブロック体3全体を安全に吊持できるようになっている。又、この分銅ホルダー31は、図5に示すように、台座部32を水平面上(図示例ではコンパレータ5の上面)に着座させた状態で、安定姿勢で自立できるようになっている。
個体分銅35は、1個の重量が25Kgになるように設定している。この個体分銅35は、図13〜図18の従来例で使用しているものと同じものであるが、さらに詳しく説明すると、この個体分銅35は、図4に明示(鎖線図示)するように円形のブロック体(鋳物製)で中心部に分銅ホルダー31の縦棒部33を挿通させる中心穴36を有しているとともに、外側面から中心穴36に達する縦棒部嵌挿用の切込溝37を有している。尚、この個体分銅35の外側面下端の対向位置には、持ち上げ時に使用する指掛け用の凹部38が形成されている。
そして、この個体分銅35は、分銅ホルダー31の縦棒部33に対して図4及び図5に示すように組付けられるが、その際、外側面下端の対向位置にある各凹部38に手指を掛けて個体分銅35を人力で持ち上げ、分銅ホルダー31の縦棒部33に個体分銅35の切込溝37を通して中心穴36を嵌合させた後、該個体分銅35を台座部32上まで降ろすことで、個体分銅35を分銅ホルダー31に合体させることができる。尚、一群の分銅ブロック体3を構成するには、分銅ホルダー31に対して9個の個体分銅35を順次下から上に積み重ねることで達成できるが、その際、上下に積み重ねる各個体分銅35,35・・は順次所定角度(例えば90°)ずつ変位させることで、上下に位置する各個体分銅35の各切込溝37を周方向に位置ずれさせることができ、それによって各個体分銅35,35・・が分銅ホルダー31の縦棒部33から不用意に外れないようにできる。
ところで、上記分銅ホルダー31及び各個体分銅35は、1個当たりの重量が正確に25Kgであることが好ましいが、分銅ホルダー31及び各個体分銅35のそれぞれの重量は、長期間使用していると経年変化でごく僅かではあるが誤差が生じることがある。そして、分銅ホルダー31と9個の個体分銅35とで構成される分銅ブロック体3を荷重校正検査用に供する場合は、該分銅ブロック体3の合計重量を正確(厳密)に250Kgに設定する必要がある。
そこで、本願の実施例では、一群の分銅ブロック体3を構成するのに当たり、図5及び図6に示すようにコンパレータ(電子天秤)5上で分銅ホルダー31に対して各個体分銅35を組付けることで、一群の分銅ブロック体3を完成させた時点で該分銅ブロック体3の全体重量をコンパレータ5で計量できるようにしている。即ち、図5に示すように、コンパレータ(電子天秤)5上に分銅ホルダー31の台座部32を載せて該分銅ホルダー31を自立さけておき、その分銅ホルダー31の縦棒部33に各個体分銅35を順次1個ずつ組付けていく。そのとき各分銅ブロック体35を組付けるごとにコンパレータ5での計量値が増加していくが、その組付け途中の計量値は確認及び記録する必要はない。
そして、図6に示すように、コンパレータ5上において分銅ホルダー31に9個の個体分銅35を組付けた後、その一群の分銅ブロック体3の合計重量をコンパレータ5で計量する(計量値を見る)ことで、当該分銅ブロック体3が荷重校正検査に供する適正重量(正確に250Kg)であるかどうかを直ちに確認することができる。コンパレータ5で計量された一群の分銅ブロック体3の重量(目標重量が250Kg)が分銅ブロック体の荷重校正検査に用いる設定重量(250Kg)に適合していない場合は、その過不足分の重量を象眼という手法で増減することで一群の分銅ブロック体3を適正重量(250Kg)に調整することができる。尚、分銅ホルダー31に対する各個体分銅35,35・・の組付けは、分銅ホルダー31の台座部32を地面上に置いたままで行ってもよく、その場合は、完成させた分銅ブロック体3を図8に示すように移載手段(移動式リフター)6で移動させて図7に示すようにコンパレータ5上に載せることで、該分銅ブロック体3を計量することができる。
図1及び図2に示すホッパースケール1では、1台につき荷重校正検査用として4組の分銅ブロック体3,3・・が使用される関係で、予め4組の分銅ブロック体3,3・・を製作しておく必要がある。その場合、図6に示すように、コンパレータ5上で一群の分銅ブロック体3を完成させた後、当該コンパレータ5上で次の分銅ブロック体を組立てるが、先にコンパレータ5上で完成させた分銅ブロック体3は大重量(250Kg)であるので、図7及び図8に示すように移動式リフター6に乗せて移動させる。尚、この実施例では、単一のコンパレータ5上で順次4組の分銅ブロック体3,3・・を計量するが、計量済みの分銅ブロック体3は図9に示すように順次仮置台7に仮保持させておくとよい。
図7〜図8及び図10〜図11に示す移動式リフター6は、特許請求の範囲中の移載手段に相当するものであるが、この移動式リフター6は、車輪付きの台板61上に支柱62を立設し、該支柱62の所定高さ位置において分銅ブロック体3の横棒部34を載せ掛けるための支持材63を設けているとともに、該支持材63を上下動操作具64と前後動操作具65とで上下動及び前後動させ得るようにしたものである。尚、この移動式リフター6の使用方法は後述する。
図1〜図2に示すホッパースケール1には、本願実施例の荷重校正検査方法で使用される計量装置の荷重校正検査装置が設けられているが、以下の説明でも、本願の「計量装置の荷重校正検査装置」を単に「荷重校正検査装置」ということがある。
図1〜図2に採用している荷重校正検査装置では、ホッパースケール1の計量ホッパー12に、荷重校正検査に用いる上記分銅ブロック体3を載せ降ろし自在に載架し得る分銅載架部4を設けている。
上記分銅載架部4は、図1〜図2に示すように、ホッパーカバー体13の外面の4箇所に設けられている。この各分銅載架部4,4・・には、それぞれフック44を有している。このフック44は、図3及び図10〜図12に拡大図示するように、ホッパースケール1の外側から分銅ブロック体3の横棒部34を係脱させ得るものである。又、このフック44は、図2に示すように左右2つを1組として構成されていて、左右の各フック44で横棒部34の中心を挟んだ左右2箇所を係止することで、分銅ブロック体3を安定的に吊持し得るようになっている。
又、分銅載架部4のフック44は、揚重シリンダ42で昇降させ得るようにしている。この揚重シリンダ42は、各分銅載架部4の設置部におけるホッパーカバー体13の外面にブラケット41を介して支持されている。そして、フック44は、揚重シリンダ42のロッド43の下端部に連結されていて、揚重シリンダ42の伸縮動によってフック44と共に該フック44に吊持している分銅ブロック体3を昇降させようになっている。
そして、この揚重シリンダ42が縮小状態では、図1〜図2及び図11に示すように、フック44で吊持されている分銅ブロック体3が宙吊りされて該分銅ブロック体3の全重量が計量ホッパー12に加わっている一方、揚重シリンダ42が所定長さ以上伸長すると、図12に示すように、フック44で吊持されている分銅ブロック体3の下面(分銅ホルダー31の台座部32の下面)が機枠11側の載せ台11a上に着座することで分銅ブロック体3の全重量が計量ホッパー12以外の場所(載せ台11a上)に預け渡されるようになっている。従って、分銅ブロック体3を載せ台11a上に預け渡した状態(図12の状態)では、上記フック44による分銅ブロック体3の支持が自動的に解除されるようにしている。
本願実施例の荷重校正検査方法は、上記構成の荷重校正検査装置を用いて行うものであるが、この実施例の荷重校正検査方法は、次のように実施される。
まず、荷重校正検査用の分銅ブロック体3は、図5及び図6に示すように、ホッパースケール1とは別の位置において分銅ホルダー31に所定個数(9個)の個体分銅35,35・・を組付けて構成し、次にその一群の分銅ブロック体3の全体重量が荷重校正検査に用いる所定重量(250Kg)に適合しているかどうかをコンパレータ5で計量するが、分銅ブロック体3の製作作業を図5及び図6に示すようにコンパレータ5上で行えば、分銅ブロック体3の完成と同時に当該分銅ブロック体3の重量が適正重量であるかどうかをコンパレータ5で直ちに確認できる。
そして、一群の分銅ブロック体3の合計重量が設定重量(250Kg)に対して誤差がある場合は、その誤差分の重量を加減調整する。尚、この実施例では、1台のホッパースケール1について4組の分銅ブロック体3,3・・を使用するので、上記作業を繰り返して分銅ブロック体3を4組作製しておく(例えば図9に示すように、4組の分銅ブロック体3,3・・を仮置台7に仮保持させておく)。
そして、作製した分銅ブロック体3を、図8に示すように移動式リフター6の支持材63で吊上げ支持してホッパースケール1の設置位置まで搬送し、次に図10に示すように支持材63に載せ掛けている横棒部34を分銅載架部4のフック44の入口に挿入し、続いて図11に示すように支持材63を上下動操作具64で降下させることで、分銅ブロック体3の横棒部34を分銅載架部4のフック44に預け渡すことができる。そして、図11に示すように、分銅ブロック体3の横棒部34を分銅載架部4のフック44に預け渡した後、移動式リフター6を移動させて次の分銅載架部4への分銅ブロック体載架作業に使用する。
ところで、計量ホッパー12に載架する分銅ブロック体3の個数は、0個から4個の5通りで実施できる。即ち、載架する分銅ブロック体3が0個では荷重0Kgの校正検査が行え、分銅ブロック体3が1個増すごとに、順次250Kg、500Kg、750Kg、1000Kgの各校正検査が行える。そして、計量装置に表示される各計量値が計量ホッパー12に載架した実際の分銅ブロック体3の各重量(0Kg、250Kg、500Kg、750Kg、1000Kg)に適合しているかどうかを検認し、計量誤差が許容範囲を超えている場合は計量装置のスパン値を調整する。
このように、本願実施例の荷重校正検査方法では、分銅ブロック体3を荷重校正検査用に供するまでの作業工程が、図13〜図17に示す従来例のものより簡便になるとともに、その作業時間を大幅に短縮できる。特に、図18に示すように、複数台(9台)のホッパースケール1,1・・を使用して計量作業を行う大規模作業所において、各ホッパースケール1,1・・に対して4つ1組の分銅ブロック体3,3・・を使い回しする場合は、図13〜図17の従来例に比して作業工程及び作業時間が大幅に軽減できる。
又、この実施例で使用される荷重校正検査装置のように、分銅載架部4にフック44を使用したものでは、分銅載架部4に対する分銅ブロック体3の載せ降ろし作業を簡単に行える。
さらに、この実施例で使用される荷重校正検査装置のように、揚重シリンダ42で分銅ブロック体3と共にフック44を上下動させ得るようにしたものでは、分銅ブロック体3をホッパースケール1に常備した状態であっても、図12に示すように揚重シリンダ42を伸長させることで分銅ブロック体3を計量ホッパー12に対して荷重「0」の状態(非検査状態)にできるので、分銅ブロック体3による非検査状態にする場合でも該分銅ブロック体3をホッパースケール1から取り外す作業が不要となる。
1はホッパースケール、2はロードセル、3は分銅ブロック体、4は分銅載架部、5はコンパレータ(電子天秤)、6は移載手段(移動式リフター)、11は機枠、12は計量ホッパー、13はホッパーカバー体、31は分銅ホルダー、32は台座部、33は縦棒部、34は横棒部、35は個体分銅、42は揚重シリンダ、44はフックである。