JP2019113128A - バッファリング - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性の向上を図ることのできるバッファリングを提供する。【解決手段】相対的に往復移動する軸500とハウジング600との間の環状隙間を封止する密封装置300に対する流体圧力を緩衝するバッファリング100であって、ハウジング600の軸孔の内周面に設けられた第1環状溝610に装着されるバッファリング100において、ポリテトラフルオロエチレン製のバッファリング本体110と、バッファリング本体110に隣接し、かつバッファリング本体110よりも密封装置300とは反対側に配置されて、バッファリング本体100の第1環状溝610の側壁面に対する衝撃を緩衝する、ニトリルゴム製またはポリウレタン製の緩衝部材120と、を備えることを特徴とする。【選択図】図4
Description
本発明は、密封対象流体の圧力を緩衝するバッファリングに関する。
従来、各種産業機械(例えば、建設機械)に備えられる油圧シリンダなどにおいては、複数のシールを組み合わせたシーリングシステムが用いられている。かかるシーリングシステムにおいては、ピストン(軸)とシリンダ(ハウジング)との間の環状隙間を封止する密封装置と、この密封装置よりも流体圧力が高圧になる側に配置され、密封装置に対する流体圧力を緩衝するバッファリングとを備えたものが知られている。図9〜図11を参照して、従来例に係るバッファリングについて説明する。図9は従来例に係るバッファリングの側面図である。図10は従来例に係るバッファリングの使用状態を示す模式的断面図である。なお、図10中のバッファリングは、図9中のCC断面図に相当する。図11は従来例に係るバッファリングが破損した状態を示す図である。
バッファリング700は、相対的に往復移動する軸500とハウジング600との間の環状隙間に設けられる。より具体的には、バッファリング700は、ハウジング600の軸孔の内周面に設けられた環状溝610に装着される。図10中左側を第1領域側(A)と称し、同図中右側を第2領域側Bと称する。バッファリング700よりも第2領域側(B)には、軸500とハウジング600との間の環状隙間を封止する密封装置(不図示)が配置されている。この密封装置よりも第1領域側(A)にバッファリング700が設けられることによって、密封装置に対する流体圧力が緩衝される。すなわち、バッファリング700は、その内周面が軸500の外周面に摺動自在に設けられており、第1領域側(A)の流体圧力が高くなると、バッファリング700における第2領域側(B)の側面が環状溝610における第2領域側(B)の側壁面に密着する。これにより、バッファリング700よりも第2領域側(B)への密封対象流体の移動が抑制されることで、密封装置への流体圧力の負荷が抑制される。
ここで、バッファリング700と密封装置との間には密閉された空間が形成されるため、この密閉空間内の圧力(背圧と呼ばれる)が高くなることがある。この背圧が第1領域側(A)の流体圧力も高くなると、バッファリング700は、第1領域側(A)に移動する。そして、バッファリング700が第1環状溝610における第1領域側(A)の側壁面に密着した状態で、密封対象流体が第1領域側(A)に逃げることができないと、背圧の方が第1領域側(A)の流体圧力よりも高い状態が維持されてしまう。この場合、シーリングシステムが備えられる機械の動作に支障を来してしまう。そのため、バッファリング700における第1領域側(A)の側面には、背圧を逃がすための溝710が設けられている。
また、シーリングシステムが備えられる機械によっては、軸500とハウジング600との相対移動の速度が速くなることがある。例えば、コンクリートや岩盤を粉砕するためのブレーカの場合、ハウジング600に対して軸500が高速移動する。これにより、バッファリング700も、第1環状溝610内を高速に往復移動する。そのため、バッファリング700は、第1環状溝610の側壁面への衝突が繰り返されることになる。この場合、上記のように、バッファリング700には溝710が設けられているため、バッファリング700が第1環状溝610における第1領域側(A)の側壁面に衝突した際に、溝710の溝底付近に応力が集中する。そのため、経時的な使用によって、通常、溝710の溝底付近に亀裂Xが生じ、破損に至る。このように、溝710が、バッファリング700の耐久寿命を短くする原因となっていた。
本発明の目的は、耐久性の向上を図ることのできるバッファリングを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明のバッファリングは、
相対的に往復移動する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置に対する流体圧力を緩衝するバッファリングであって、前記ハウジングの軸孔の内周面に設けられた環状溝に装着されるバッファリングにおいて、
ポリテトラフルオロエチレン製のバッファリング本体と、
該バッファリング本体に隣接し、かつ該バッファリング本体よりも前記密封装置とは反対側に配置されて、該バッファリング本体の前記環状溝の側壁面に対する衝撃を緩衝する、ニトリルゴム製またはポリウレタン製の緩衝部材と、
を備えることを特徴とする。
相対的に往復移動する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置に対する流体圧力を緩衝するバッファリングであって、前記ハウジングの軸孔の内周面に設けられた環状溝に装着されるバッファリングにおいて、
ポリテトラフルオロエチレン製のバッファリング本体と、
該バッファリング本体に隣接し、かつ該バッファリング本体よりも前記密封装置とは反対側に配置されて、該バッファリング本体の前記環状溝の側壁面に対する衝撃を緩衝する、ニトリルゴム製またはポリウレタン製の緩衝部材と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、緩衝部材が備えられているため、バッファリング本体が環状溝における密封装置とは反対側の側壁面に直接衝突することがなく、緩衝部材によって衝撃が抑制される。また、緩衝部材は、ニトリルゴム製またはポリウレタン製であるため、環状溝における密封装置とは反対側の側壁面に衝突しても破損され難い。
前記緩衝部材は環状の部材により構成されており、かつ前記密封装置の配置側とは反対側の側面に、径方向に伸びる溝が設けられているとよい。
これにより、密封装置とバッファリングとの間の空間内の流体を逃がすことができる。つまり、いわゆる背圧を逃がすことができる。
前記緩衝部材は、前記バッファリング本体に固定されているとよい。
これにより、バッファリング本体と緩衝部材とから構成されるバッファリングを1部品として取り扱うことができる。
前記緩衝部材は、前記バッファリング本体に固定されると共に、周方向に間隔を空けて複数設けられているとよい。
このような構成においては、隣り合う緩衝部材の間に隙間が形成されるため、密封装置とバッファリングとの間の空間内の流体を逃がすことができる。つまり、いわゆる背圧を逃がすことができる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
以上説明したように、本発明によれば、耐久性の向上を図ることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。本実施例に係るバッファリングは、建設機械や一般産業機器に備えられる油圧シリンダなど適用される。例えば、コンクリートや岩盤を粉砕するためのブレーカに備えられる油圧シリンダに好適に適用される。以下、ブレーカに備えられる油圧シリンダに、バッファリングが適用された場合を例にして説明する。
(実施例1)
図1〜図4を参照して、本発明の実施例1に係るバッファリングについて説明する。図1及び図2本発明の実施例1に係るバッファリングの側面図である。図3は本発明の実施例1に係るバッファリングの外周面の一部を示す図である。図4は本発明の実施例1に係るバッファリングの使用状態を示す模式的断面図である。なお、図4中のバッファリング100は、図2のAA断面図に相当する。
図1〜図4を参照して、本発明の実施例1に係るバッファリングについて説明する。図1及び図2本発明の実施例1に係るバッファリングの側面図である。図3は本発明の実施例1に係るバッファリングの外周面の一部を示す図である。図4は本発明の実施例1に係るバッファリングの使用状態を示す模式的断面図である。なお、図4中のバッファリング100は、図2のAA断面図に相当する。
<シーリングシステム>
図4を参照して、本実施例に係るバッファリングを備えるシーリングシステムについて説明する。本実施例に係るシーリングシステムは、軸(ピストン)500とハウジング(シリンダ)600との間の環状隙間を封止する密封装置300と、密封装置300に対する流体圧力を緩衝するバッファリング100とを備えている。なお、ハウジング600の軸孔の内周面に、第1環状溝610と第2環状溝620が設けられている。そして、第1環状溝610にバッファリング100が装着され、第2環状溝620に密封装置300が装着されている。また、軸500とハウジング600は相対的に往復移動するように構成されている。密封装置300よりも図中左側の領域には油が封止されており、密封装置300よりも図中右側の領域には窒素ガスなどの気体が封止されている。以下、密封装置300に対して、図中左側を第1領域側(A)と称し、右側を第2領域側(B)と称する。そして、第1領域側(A)の油圧と第2領域側(B)のガス圧によって、ハウジング600に対して軸500が高速で往復移動するように構成されている。密封装置300に関しては、各種公知技術を適用することができるので、その詳細説明は省略する。
図4を参照して、本実施例に係るバッファリングを備えるシーリングシステムについて説明する。本実施例に係るシーリングシステムは、軸(ピストン)500とハウジング(シリンダ)600との間の環状隙間を封止する密封装置300と、密封装置300に対する流体圧力を緩衝するバッファリング100とを備えている。なお、ハウジング600の軸孔の内周面に、第1環状溝610と第2環状溝620が設けられている。そして、第1環状溝610にバッファリング100が装着され、第2環状溝620に密封装置300が装着されている。また、軸500とハウジング600は相対的に往復移動するように構成されている。密封装置300よりも図中左側の領域には油が封止されており、密封装置300よりも図中右側の領域には窒素ガスなどの気体が封止されている。以下、密封装置300に対して、図中左側を第1領域側(A)と称し、右側を第2領域側(B)と称する。そして、第1領域側(A)の油圧と第2領域側(B)のガス圧によって、ハウジング600に対して軸500が高速で往復移動するように構成されている。密封装置300に関しては、各種公知技術を適用することができるので、その詳細説明は省略する。
<バッファリング>
バッファリング100について、より詳細に説明する。なお、図1はバッファリング100における第2領域側(B)の側面図を示し、図2はバッファリング100における第1領域側(A)の側面図を示している。
バッファリング100について、より詳細に説明する。なお、図1はバッファリング100における第2領域側(B)の側面図を示し、図2はバッファリング100における第1領域側(A)の側面図を示している。
本実施例に係るバッファリング100は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のバッファリング本体110と、ニトリルゴム(NBR)製またはポリウレタン(PU)製の緩衝部材120とから構成される。緩衝部材120は、バッファリング本体110よりも密封装置300とは反対側(つまり、第1領域側(A))に配置されて、バッファリング本体110の第1環状溝610の側壁面に対する衝撃を緩衝する役割を担っている。
バッファリング本体110は、円筒状の部材により構成されている。このバッファリング本体110の内周面は、軸500の外周面に対して摺動自在に構成されている。また、バッファリング本体110の第2領域側(B)の側面111と第1領域側(A)の側面112は、いずれも平面により構成されている。ただし、第2領域側(B)の側面111の内周面側には面取り111aが設けられている。以上のように構成されるバッファリング本体110が、第1領域側(A)の油圧により、第1環状溝610の第2領域側(B)の側壁面に密着することで、第2領域側(B)への油の移動が妨げられる。これにより、密封装置300に対する流体圧力の衝撃を緩衝させることが可能となる。
本実施例に係る緩衝部材120は環状の部材により構成されている。すなわち、本実施例に係る緩衝部材120も、円筒状の部材により構成されている。この緩衝部材120の内周面も、軸500の外周面に対して摺動自在に構成されている。更に、緩衝部材120の第2領域側(B)の側面121と第1領域側(A)の側面122は、いずれも平面により構成されている。そして、この緩衝部材120の第1領域側(A)の側面(密封装置300の配置側とは反対側の側面)に、径方向に伸びる溝122aが設けられている。本実施例においては、溝122aが、4か所に等間隔で設けられている。ただし、溝122aの数及び配置については特に限定されるものではない。
<本実施例に係るバッファリングの優れた点>
ブレーカに用いられる油圧シリンダの場合には、ハウジング600に対して軸500が高速移動する。これにより、バッファリング100も、第1環状溝610内を高速に往復移動する。そのため、バッファリング100は、第1環状溝610の側壁面への衝突が繰り返されることになる。
ブレーカに用いられる油圧シリンダの場合には、ハウジング600に対して軸500が高速移動する。これにより、バッファリング100も、第1環状溝610内を高速に往復移動する。そのため、バッファリング100は、第1環状溝610の側壁面への衝突が繰り返されることになる。
本実施例に係るバッファリング100によれば、緩衝部材120が備えられているため、バッファリング本体110が第1環状溝610における密封装置300とは反対側(第1領域側(A))の側壁面に直接衝突することがなく、緩衝部材120によって衝撃が抑制される。また、バッファリング本体110は、側面111,112が平面で構成されており、従来例のように溝が設けられてはいないため、応力が一部に集中してしまうことはない。従って、耐久性が高い。また、緩衝部材120は、ニトリルゴム製またはポリウレタン製であるため、環状溝610における第1領域側(A)の側壁面に衝突しても破損され難い。
そして、緩衝部材120における密封装置300の配置側とは反対側(第1領域側(A))の側面122には、径方向に伸びる溝122aが設けられている。これにより、密封装置300とバッファリング100との間の空間内の流体を逃がすことができる。すなわち、密封装置300とバッファリング100との間には密閉空間が形成され得る。この密閉空間には、油が封じ込められ得るため、油圧(背圧と呼ばれる)が生じる。この背圧が
、第1領域側(A)の油圧よりも高くなってしまうと、ブレーカの動作に支障が生じてしまうため、背圧を逃がす必要がある。本実施例に係るバッファリング100によれば、背圧が第1領域側(A)の油圧よりも高い状態となり、バッファリング100が第1環状溝610における第1領域側(A)の側壁面に密着した状態となっても、溝122aを通じて、油は第1領域側(A)に流れて行く。従って、背圧を逃がすことが可能となる。
、第1領域側(A)の油圧よりも高くなってしまうと、ブレーカの動作に支障が生じてしまうため、背圧を逃がす必要がある。本実施例に係るバッファリング100によれば、背圧が第1領域側(A)の油圧よりも高い状態となり、バッファリング100が第1環状溝610における第1領域側(A)の側壁面に密着した状態となっても、溝122aを通じて、油は第1領域側(A)に流れて行く。従って、背圧を逃がすことが可能となる。
ここで、バッファリング本体110と緩衝部材120は、それぞれ独立した部品として取り扱うこともできるし、バッファリング本体110に緩衝部材120を接着などにより固定させることで1部品として取り扱うこともできる。前者の場合には、バッファリング本体110と緩衝部材120とを固定させる手間がないという利点がある。後者の場合には、2部材からなるバッファリング100を1部品として取り扱うことができるため、第1環状溝610への装着作業が容易になると共に、溝122aが第2領域側(B)に向くように緩衝部材120が装着されてしまうことを避けることができるという利点がある。
上記実施例においては、緩衝部材120が軸500の外周面に対して摺動自在に構成される場合を示した。しかしながら、摺動抵抗を抑制させるために、緩衝部材120が軸500の外周面に対して摺動しない構成を採用することもできる。図5は本発明の実施例1の変形例に係るバッファリングの使用状態を示す模式的断面図である。
図5に示すように、緩衝部材120の内径を軸500の外径よりも大きくなるように構成した上で、緩衝部材120とバッファリング本体110とを固定させる構成を採用することができる。このような構成を採用すれば、緩衝部材120と軸500との間には環状隙間Sが形成されるため、緩衝部材120が軸500の外周面に摺動することはない。
(実施例2)
図6〜図8には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、緩衝部材の構成が上記実施例1とは異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。図6は本発明の実施例2に係るバッファリングの側面図である。図7は本発明の実施例2に係るバッファリングの外周面の一部を示す図である。図8は本発明の実施例2に係るバッファリングの使用状態を示す模式的断面図である。なお、図8中のバッファリング200は、図6のBB断面図に相当する。
図6〜図8には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、緩衝部材の構成が上記実施例1とは異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。図6は本発明の実施例2に係るバッファリングの側面図である。図7は本発明の実施例2に係るバッファリングの外周面の一部を示す図である。図8は本発明の実施例2に係るバッファリングの使用状態を示す模式的断面図である。なお、図8中のバッファリング200は、図6のBB断面図に相当する。
<シーリングシステム>
図8を参照して、本実施例に係るバッファリングを備えるシーリングシステムについて説明する。本実施例に係るシーリングシステムにおいても、軸500とハウジング600との間の環状隙間を封止する密封装置300と、密封装置300に対する流体圧力を緩衝するバッファリング200とを備えている。軸500,ハウジング600及び密封装置300については、上記実施例1で説明した通りであるので、その詳細説明は省略する。
図8を参照して、本実施例に係るバッファリングを備えるシーリングシステムについて説明する。本実施例に係るシーリングシステムにおいても、軸500とハウジング600との間の環状隙間を封止する密封装置300と、密封装置300に対する流体圧力を緩衝するバッファリング200とを備えている。軸500,ハウジング600及び密封装置300については、上記実施例1で説明した通りであるので、その詳細説明は省略する。
<バッファリング>
バッファリング200について、より詳細に説明する。なお、図6においては、バッファリング100における第1領域側(A)の側面図を示している。
バッファリング200について、より詳細に説明する。なお、図6においては、バッファリング100における第1領域側(A)の側面図を示している。
本実施例に係るバッファリング200は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のバッファリング本体210と、ニトリルゴム(NBR)製またはポリウレタン(PU)製の緩衝部材220とから構成される。緩衝部材220は、バッファリング本体210よりも密封装置300とは反対側(つまり、第1領域側(A))に配置されて、バッファリング本体210の第1環状溝610の側壁面に対する衝撃を緩衝する役割を担っている。
バッファリング本体210は、円筒状の部材により構成されている。このバッファリング本体210の内周面は、軸500の外周面に対して摺動自在に構成されている。また、バッファリング本体210の第2領域側(B)の側面211と第1領域側(A)の側面212は、いずれも平面により構成されている。ただし、第2領域側(B)の側面211の内周面側には面取り211aが設けられている。以上のように構成されるバッファリング本体210が、第1領域側(A)の油圧により、第1環状溝610の第2領域側(B)の側壁面に密着することで、第2領域側(B)への油の移動が妨げられる。これにより、密封装置300に対する流体圧力の衝撃を緩衝させることが可能となる。
そして、本実施例に係る緩衝部材220は、バッファリング本体210に固定されると共に、周方向に間隔を空けて複数設けられている。なお、本実施例に係る緩衝部材220は、円板状の部材により構成されている。ただし、緩衝部材220の形状は、特に限定されるものではなく、平面形状が矩形などの多角形状の板状部材により構成することもできる。
以上のように構成される本実施例に係るバッファリング200においても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。なお、本実施例に係るバッファリング200の場合には、隣り合う緩衝部材220の間の隙間R(図7参照)が、背圧を逃がすための流路となる。また、本実施例の場合にも、緩衝部材220と軸500との間に隙間Sを設けるようにすることで、緩衝部材220が軸500の外周面に摺動しないようにすることができる。
100,200 バッファリング
110,210 バッファリング本体
111,112,211,212 側面
120,220 緩衝部材
121,122 側面
122a 溝
300 密封装置
500 軸
600 ハウジング
610 第1環状溝
620 第2環状溝
110,210 バッファリング本体
111,112,211,212 側面
120,220 緩衝部材
121,122 側面
122a 溝
300 密封装置
500 軸
600 ハウジング
610 第1環状溝
620 第2環状溝
Claims (4)
- 相対的に往復移動する軸とハウジングとの間の環状隙間を封止する密封装置に対する流体圧力を緩衝するバッファリングであって、前記ハウジングの軸孔の内周面に設けられた環状溝に装着されるバッファリングにおいて、
ポリテトラフルオロエチレン製のバッファリング本体と、
該バッファリング本体に隣接し、かつ該バッファリング本体よりも前記密封装置とは反対側に配置されて、該バッファリング本体の前記環状溝の側壁面に対する衝撃を緩衝する、ニトリルゴム製またはポリウレタン製の緩衝部材と、
を備えることを特徴とするバッファリング。 - 前記緩衝部材は環状の部材により構成されており、かつ前記密封装置の配置側とは反対側の側面に、径方向に伸びる溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバッファリング。
- 前記緩衝部材は、前記バッファリング本体に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバッファリング。
- 前記緩衝部材は、前記バッファリング本体に固定されると共に、周方向に間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバッファリング。
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