JP2019112833A - 掘削装置及びその組立方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】掘削装置におけるリングビットとケーシングシューとの接続を、簡易且つ確実に行うこと。【解決手段】ケーシング7の下端部に接合するケーシングシュー8と、ケーシング7およびケーシングシュー8へ回転可能に挿入されるパイロットビット5と、パイロットビット5の下端部外周部分へ継手要素を介して取付けられるリングビット6とを具備する。リングビット6は、ケーシングシュー8へ挿入され、外周面に溝部6dが形成された筒状部6bを有する。ケーシングシュー8は、リングビット6の筒状部6bの外周面と対向しかつ溝部6dに対向して位置する溝部8eが形成された内周面を有する。リングビット6とケーシングシュー8とは、両溝部6d,8eの間に挿入され、これら溝部6d,8eと干渉する連接部材10を介して相対移動可能に接続される。【選択図】図12

Description

本発明は、地盤に削孔を形成しながら鋼管等からなるケーシングを打ち込むための掘削装置及びその組立方法に関するものである。
地盤に削孔を形成しながら鋼管等からなるケーシングを打ち込む技法として、従来よりいわゆるクリッド工法(通称CRID工法)が存在する。さらにクリッド工法のうち、打ち込んだケーシングを地中に残したままこれを本杭として利用する、中堀工法(DPRタイプ)が近年利用されている。この中堀工法は、杭の建込、根固めを正確かつ確実に行うことができ、また、軟弱地盤から玉石・転石・岩盤層に至るまで様々な地盤に対して円滑に打設できる等の優れた利点を有する。
前記中堀工法においては、回転駆動力源としてのアースオーガと、アースオーガからの回転駆動力を伝達しかつ掘削した土を排出するためのスクリューロッドと、スクリューロッドを介して伝達された回転駆動力によって地盤を切削するパイロットビットと、このパイロットビットと着脱自在に接続するリングビットと、打ち込みに用いられるダウンザホールハンマーと、杭として埋め込まれるケーシングとから構成された掘削装置が一般的に用いられる。
前記掘削装置を用いて削孔作業を行うには、所定の形に装置を立設する必要がある。この立設作業は、アースオーガ、スクリューロッド、ダウンザホールハンマーおよびパイロットビットを所定の形のアセンブリに組立て、これを装置固定枠体によって略鉛直に起立させられたケーシングのなかへ、クレーンを用いて挿入するといった手順で行なわれる。
前記アセンブリは、最上部にアースオーガが配設され、その下方にスクリューロッドおよびダウンザホールハンマーが接続し、さらにその下方にパイロットビットが取付けられている。また、前記起立させられたケーシングの下方には、ケーシングシューが溶接によって接合され、さらにその下端部にリングビットが配設されている。
ケーシングのなかへ挿入された前記アセンブリの下端部には、パイロットビットが取付けられており、当該パイロットビットと起立させられたケーシングの下方に配設されたリングビットとを、例えばバヨネットマウントを用いて、着脱自在かつ回転伝達可能な状態に接続(チャッキング)する。
前記一連の作業によって、掘削装置を立設した後、杭芯に位置合せた状態でアースオーガを起動して削孔作業を開始する。アースオーガの回転駆動力は、スクリューロッドを通じてパイロットビットおよびリングビットへと伝達され、回転するパイロットビットおよびリングビットの先端部に設けられたドリル片の切削作用により地盤が掘削される。掘削された地盤の土は、スクリューロッドおよび加圧空気によって上方へと送られ地表に排出される。当該地盤の掘削とあわせて、ダウンザホールハンマーを用いてパイロットビットへ押圧力(打ち込み力)を印加し、これにより下方推進力がパイロットビットに付与され削孔作業をより迅速に進めることが可能となっている。
前記削孔作業によって所定の深さまで地盤が削孔されると、パイロットビットとリングビットとの接続(チャッキング)を解除し、パイロットビット、スクリューロッドおよびダウンザホールハンマーを引き抜いてこれら部品を回収する。ケーシングおよびリングビットは、地中に残したまま本杭として利用される。
前記立設作業および削孔作業を円滑かつ効率的に行なうためには、ケーシングの下端部に接合されたケーシングシューとリングビットが、相対移動(回転および軸方向移動)可能であって、かつ軸方向に連接する(外れない)構造(以下、単に連接構造という)が有用である。なぜなら、パイロットビットおよびリングビットによって形成された削孔にケーシングを効率的に埋め込むためには、パイロットビットおよびリングビットが削孔を形成するスピードと連動して、ケーシングを下方へ引き込む機構が必要であり、そのための機構として前記連接構造が有効だからである。また、前記連接構造によれば、前記立設作業のなかで、ケーシング内にスクリューロッド及びパイロットビットを挿入して、ケーシングの下端に連結されたリングビットにパイロットビットを接続する作業を容易に行うことができるからである。
前記連接構造を具備する掘削装置として、例えば特許文献1および2に記載の発明が従来より存在する。この従来技術としての掘削装置においては、ケーシング(12)の下端部に溶接されたケーシングシュー(13)内周面から突出する凸部と、リングビット(14)の外周面に形成された凸部とが直接係合することで前記連接構造を実現している(特許文献1および2の図3等を参照)。なお特許文献1および2の図3に示す「19」は、緩衝部材であり、上記ケーシングシュー(13)とリングビット(14)間の連接構造とは直接関係がない部材である。
特開2012−112160号公報 特開2013−108227号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載の掘削装置が具備する連接構造には、例えばバヨネットマウントやこれに類するねじ込み式構造等の特殊な構造が用いられていた。このため、リングビットおよびケーシングシューの両者に対して複雑な加工を施すことが必要になってしまうなどの問題があった。
本発明は、前記従来技術が抱える問題に鑑み創作されたものであって、その目的は、簡易かつ低廉な構造でありながら相対移動(相対回転および軸方向への相対移動)するリングビットとケーシングシューとを、軸方向に外れることなく確実に連接することができる掘削装置及びその組立方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、上下に伸長する円管部材からなるケーシングと、このケーシングの下端部に同軸状に接合した円筒部材からなるケーシングシューと、前記ケーシングおよびケーシングシューへ回転可能に挿入されるパイロットビットと、このパイロットビットの下端部外周部分へ継手要素を介して着脱自在に取り付けられるリングビットとを具備する掘削装置において、前記リングビットは、前記ケーシングシューへ挿入されかつ外周面に第1係止部が形成された筒状部を有し、前記ケーシングシューは、前記リングビットの筒状部の外周面と対向しかつ前記第1係止部に対向して位置する第2係止部が形成された内周面を有し、前記リングビットと前記ケーシングシューとは、前記第1係止部と前記第2係止部との間に挿入されかつこれら2つの係止部と干渉する連接部材を介して相対移動可能に接続されていることを特徴としている。
本発明によれば、前記連接部材によって、リングビットとケーシングシューとの相対移動(相対回転および軸方向移動)を可能にしつつ、相互に外れることのない確実な連接が可能になる。
また、本発明によれば、リングビットに形成された第1係止部とケーシングシューに形成された第2係止部との間に連接部材を挿入するという簡単な構成なので、その作成を容易に行うことができる。
さらに、本発明によれば、回転要素であるリングビットの筒状部は非回転要素であるケーシングシューの内側になるので、リングビットの外周面の内、地盤と接する部分はリングビットのケーシングシューの下端から突出している短い長さの部分だけとなる。このため、リングビットを回転した際の掘削抵抗を低く抑えることができ、効率的な掘削を実現することが可能になる。
また本発明は、前記特徴に加え、前記第1係止部が、前記リングビットの筒状部の外周面に形成された溝であり、前記第2係止部は、前記ケーシングシューの内周面に形成された溝であることを特徴としている。
本発明によれば、連接部材が、リングビットの筒状部の外周面に形成された溝とケーシングシューの内周面に形成された溝とに四方を囲まれるようにして収容される。これによって、リングビットとケーシングシューとを連結部材によって容易且つ確実に相対移動可能且つ相互に外れないように連接することができる。
また本発明は、前記特徴に加え、前記連接部材が、円環状のワイヤーからなり、その内周側が前記第1係止部に収納され、かつその外周側が前記第2係止部に収納される寸法に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、ワイヤーという簡易かつ低廉な連接部材を用いてリングビットとケーシングシューとを連接することが可能になる。
また本発明は、前記特徴を有する掘削装置の組立方法であって、前記ケーシングシューにその外周面から前記第2係止部に至るワイヤー挿入孔を開口しておき、このワイヤー挿入孔に前記ケーシングシューの外側から前記ワイヤーを挿入して、このワイヤーを前記第1係止部と前記第2係止部との間に装着することを特徴としている。
本発明によれば、ケーシングシューにワイヤー挿入孔を設けてこれにワイヤーを挿入するという、簡易な方法を用いるだけで、前記掘削装置を簡単に組立てることが可能になる。
本発明によれば、簡易かつ低廉な構造でありながら相対移動するリングビットとケーシングシューとを、軸方向に外れることなく確実に連接することができる。
本発明に係る掘削装置1の組立て手順を示した概略図である。 本発明に係る掘削装置1を組立てた状態を示す概略図である。 本発明に係る掘削装置1の底面図である。 本発明に係る掘削装置1の先端部分の断面図(図3のA−A断面図)である。 パイロットビット5の側面図である。 リングビット6の平面図である。 リングビット6の断面図(図6のB−B断面図)である。 リングビット6の底面図である。 ケーシングシュー8の底面図である。 ケーシングシュー8の断面図(図9のC−C断面図)である。 ケーシングシュー8の側面図である。 図4中のリングビット6とケーシングシュー8との連接部分の拡大断面図である。 リングビット6とケーシングシュー8との連接部分の拡大断面図である。 連接部材10の平面図である。 掘削装置1の上端部分に配置された回転止め手段の縦断面概略図である。 掘削装置1の上端部分に配置された回転止め手段の横断面概略図である。
以下、本発明の実施形態を、図1ないし16を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明中の上下左右および前後は、図2に示される本発明に係る掘削装置を組立てた状態を示す概略図に基づいて定義されるものとする。また、特に記載がない限り上下方向と軸方向は同義である。
本発明の一実施形態に係る掘削装置1は、図1および図2に示されるように、回転駆動源としてのアースオーガ2と、アースオーガ2の回転駆動力を伝達しかつ掘削した土を排出するためのスクリューロッド3と、打ち込みに用いられるダウンザホールハンマー4と、地盤を切削するためのドリル片を備えたパイロットビット5と、このパイロットビット5と着脱自在に接続するリングビット6と、杭として埋め込まれるケーシング7と、このケーシング7の下端部に溶接によって結合するケーシングシュー8とから構成された掘削装置である。
アースオーガ2は、掘削の回転駆動力源として機能する構成部品であって、回転駆動力を発生させる電気モータ(図示せず)と、この電気モータを収容する機器枠体2bと、電気モータの回転軸と接続し下方へと延出する出力軸2cとから構成されている。前記電気モータの回転軸と接続する出力軸2cは、スクリューロッド3の上端部と接続し、これにより、スクリューロッド3の下端部に取付けられたパイロットビット5およびこれと回転伝達可能に接続するリングビット6へと回転駆動力を伝達する。
スクリューロッド3は、アースオーガ2によって生み出された回転駆動力をパイロットビット5およびリングビット6に伝達するとともに、掘削した廃土を地表へ排出する機能を有する構成部品であって、例えば鉄またはその合金等の金属からなり、上下に伸長する円管状のロッド部3aと、その周囲に形成された螺旋状のスクリュー部3bとから構成されている。ロッド部3aの上端は、アースオーガ2の出力軸2cと連結し、スクリューロッド3の下方には、ダウンザホールハンマー4が配設されており、さらにその下端部に後述するパイロットビット5が取付けられている。ここで、ダウンザホールハンマー4は、パイロットビット5に押圧力(打ち込み力)を印加することでこれに下方推進力を付与し、もって迅速かつ効率的な削孔形成を可能にするための構成部品である。
パイロットビット5は、地盤を掘削し削孔を形成するための構成部品であって、例えば鉄またはその合金等の金属からなり、図4および5に示されるように、小径をなす円筒状の駆動軸部5aと、この駆動軸部5aの下方にあって大径をなす円盤状のヘッド部5bとから構成されている。
前記駆動軸部5aは、スクリューロッド3のロッド部3aと接続し、アースオーガ2が具備する電気モータからの回転駆動力が、スクリューロッド3を介して伝達される構造となっている。また、駆動軸部5aは、ダウンザホールハンマー4と、上下方向(軸方向)に相対移動可能となるよう例えばスプライン嵌合によって接続している。
前記ヘッド部5bは、図3に示されるように、その先端面(下端面)に多数の突起状部材からなる中心側ドリル片5cが点在するように設けられている。この中心側ドリル片5cは、駆動軸部5aを通じて伝達されたアースオーガ2が具備する電気モータの回転駆動力により回転し、その切削作用で地盤を掘削する部位である。これにより、地表Tの下方にある地盤が掘削され削孔が形成される。
また、前記ヘッド部5bは、図5に示されるように、その外周面にリングビット6と回転伝達可能な状態で接続(チャッキング)するためのマウント構造(詳細については後述するバヨネットマウント構造)の一部を構成するロック用切欠部5gが設けられている。このロック用切欠部5gは、例えば周回りに略60度の等間隔で6箇所配設されており、排出溝5eと連通する開口部を有し、かつこの開口部を起点に、アースオーガ2が具備する前記電気モータの回転方向と逆方向(図5では平面視において左回り)へ所定の範囲に延在する凹部として形成されている。このロック用切欠部5gは、縦断面形状が縦長の矩形状を呈し、かつ側面視における形状が横長の矩形状を呈し、さらに組付け性を向上させるために、例えば上端部が内側下方に傾斜している。
さらに、前記ヘッド部5bは、図4および5に示されるように、その上部にダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)を受ける部位として、半径方向外方へ円盤状に突出する肩部5hが形成されている。この肩部5hの下端面5iは、後述するケーシングシュー8の上端面8cと対向し、ダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)をこの上端面8cへと伝達するように構成されている。
パイロットビット5の内部には、図3および4に示されるように、略中心軸方向に延びるエアー通路5dが形成されている。このエアー通路5dは、掘削した土を上方へ押し上げるための加圧空気を供給するための通路であり、前記駆動軸部5aおよびヘッド部5bの略軸中心に沿って延在するとともに、前記ヘッド部5bの先端部分(下端部分)の近傍において複数(4体)に分岐している。さらにこれら分岐路は、それぞれが前記ヘッド部5bの先端面(下端面)において開口するよう形成されている。
前記複数(4体)に分岐したエアー通路5dの各開口部からは、図3および4に示されるように、排出溝5eが半径方向外方に向かって延設されている。これら複数の排出溝5eは、前記ヘッド部5bの外周部まで放射状に延出した後、図4および5に示されるように、ヘッド部5bの外周面上に沿って上方へと延在し、ヘッド部5bの上端面5fにおいて開口するよう設けられている。上端面5fにおける各排出溝5eの開口部は、ケーシング7の内部空間7aに連通しており、掘削により生じた廃土等が、前記エアー通路5dから供給される加圧空気により各排出溝5eを通って当該内部空間7aへ排出されるように構成されている。
リングビット6は、ケーシング7直下の地盤を掘削するための構成部品であって、例えば鉄およびその合金等の金属からなり、図6ないし8に示されるように、リング状を呈したヘッド部6aと、このヘッド部6aの上面から上方へ延在する円筒状を呈した筒状部6bとから構成されている。
前記ヘッド部6aは、その先端面(下端面)が地盤と接触する部位であって、先端面(下端面)の外周縁部には、地盤を掘削するための外周縁ドリル片6cが設けられている。また、ヘッド部6aの上面には、詳細については後述するケーシングシュー8の下端と対向する端面6eが設けられている。この端面6e上には、前記下端との隙間を埋めるように(換言すれば、端面6eと前記下端とに当接するように)、例えば木製、硬質ゴム製または樹脂製のリング状を呈した平板状の部材(後述する緩衝部材11)が載置され、これによってダウンザホールハンマー4からの強い押圧力(打ち込み力)に起因した衝撃を吸収するように設計されている。
なお、前記ヘッド部6aの外周面は、図4、7および12に示されるように、略筒状を呈するものの、下方から上方へ向かうにつれて次第に外径が小さくなるテーパ形状となっている。ヘッド部6aの外周面を前記テーパ形状としたことで、ヘッド部6aの外周面と削孔側面との密着が回避され、これによりヘッド部6aの外周面を通じた土圧の作用が抑えられて掘削措置1にかかる負荷を低減する構造となっている。
前記筒状部6bは、ケーシングシュー8の内側に挿入される部位であって、その外周面の中間位置に、縦断面形状が凹状を呈した第1係止部(以下「溝部」という)6dが全周にわたってリング状に形成されている。当該溝部6dは、後述する連接部材10の一部を収納する部位であって、その深さは連接部材10の直径より小さく、またその上下間の幅H(図7参照)の寸法は、連接部材10の直径よりも所定寸法大きく構成されている。溝部6dは、後述する連接部材10を三方から囲うことで安定した状態で収容するが、その縦横比は任意である。なお、後述するように、溝部6dの幅H寸法は、連接部材10の組付け性の観点から定めてもよい。
また、前記筒状部6bは、図6に示されるように、パイロットビット5へ着脱自在に取付くバヨネットマウントの一部を形成するロック用突起部6fが、その内周面に設けられている。このロック用突起部6fは、例えば周回りに略60度の等間隔で6箇所に配設されており、その周方向長さLは、組付け性を確保するために、パイロットビット5が備える排出溝5eの幅未満に設計されている。また、ロック用突起部6fの縦断面形状は、パイロットビット5に形成されたロック用切欠部5gの縦断面と相似形の略矩形状を呈しており、組付け性を向上させるために、例えば上端部が内側下方に傾斜した面取部6gが設けられている。
ケーシング7は、掘削後にそのまま地表Tに立設された状態で本杭として利用される構成部品であって、図1および2に示されるように、例えば鉄およびその合金等の金属から形成された円管状の鋼管からなる。このケーシング7の下端部には、図4に示されるように、ケーシングシュー8が、例えば溶接によって同軸状に接合されている。また、後述するように、ケーシング7の中空状の内部空間7aには、削孔作業中、その略中心軸回りに回転駆動されるスクリューロッド3およびこれに接続するパイロットビット5が挿入される。
ケーシングシュー8は、ケーシング7の下端部と接合する構成部品であって、例えば鉄およびその合金等の金属から形成された円筒部材からなり、図9および10に示されるように、上部に形成された小径円筒部としての本体基部8aと、この本体基部8aから下方に向かって延出する大径円筒部としての支持部8bとから構成されている。なお、本実施形態においては、掘削抵抗を考慮して、支持部8b(大径円筒部)の外周面の半径と本体基部8a(小径円筒部)の外周面の半径との寸法差が、例えばケーシング7の板厚分と略同じとなるように設計されている。
前記本体基部8aは、ケーシング7の下端部内側に挿入される部位であって、図4に示されるように、ケーシング7の下端部先端と対向する外周面において、例えばその全周にわたり溶接Wされる。また、本体基部8aの内側には、図4および10に示されるように、パイロットビット5のヘッド部5bが収容され、その上端面8cは、パイロットビット5の肩部5hの下端面5iと対向しかつこの下端面5iを通じてダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)を受ける構成となっている。
前記支持部8bは、その内側にリングビット6の筒状部6bを相対移動(回転および上下移動)可能に収容する部位であり、図4および10に示されるように、その内周面8dの内径は、本体基部8aの内周面の内径よりも大きく、これによって形成された本体基部8aの内側面下方の下端面と支持部8bの内周面8dとで囲まれた円形の空間に、リングビット6の筒状部6bが収容される構造となっている。
また、前記支持部8bの内周面8dの中間位置(前記リングビット6の溝部6dに対向する位置)には、図4および10および12に示されるように、縦断面形状が凹状を呈した第2係止部(以下「溝部」という)8eが全周にわたってリング状に形成されている。当該溝部8eは、下記する連接部材10の一部を収納する部位であって、その深さは連接部材10の直径より小さく、またその上下間の幅寸法は、連接部材10の直径よりも所定寸法大きく構成されている。溝部8eは連接部材10を三方向から囲うことで安定した状態で収容するが、その縦横比は任意である。
また、前記支持部8bの側壁には、図9および10に示されるように、支持部8bの外周面から溝部8eに至るワイヤ挿入孔(以下「貫通孔」という)8fが設けられている。この貫通孔8fは、連接部材10としてのワイヤー10aを、支持部8bの外側から内側に挿入して前記溝部6dと前記溝部8eとの間に装着するための孔である。貫通孔8fは、前記装着を容易にするために、挿入されたワイヤー10aを、リング状を呈する溝部6d,8eの略接線方向へ案内するように平面視において、リング状を呈する溝部6d,8eの円周方向に向かって斜めに傾斜する方向を向くように形成されている。
さらに、前記支持部8bの外周面には、図9ないし11に示されるように、上下方向(軸方向)に伸長しかつ半径方向外方に突出する突起部8gが、例えば周回りに略45度の等間隔で8箇所に配設されている。この突起部8gを設けることで、ケーシングシュー8と地盤との間の接触抵抗が増大し、ケーシングシュー8およびこれと接合するケーシング7が、その内側に収容するパイロットビット5およびリングビット6に共連れして回転することを防止する効果がもたらされる。なお、当該機能に照らせば、突起部8gと地盤との接触面積ができるだけ大きくなるように突起部8gを設計することが望ましい。このため、突起部8gの形態は、本実施形態に限定されることなく、より多数の突起部8gを設けてもよい。また、突起部8gの形状として、上下斜めに延在する凸形状、曲線状の凸形状、立方体、直方体、半球面等といった種々の形状が考えられる。なお、掘削時の抵抗を考慮すると、突起部8gの最外径は、リングビット6の最外径以下に設計することが求められる。
前記構成部品からなる掘削装置1を用いて削孔作業を実施するための具体的手順を、以下に説明する。
はじめに、図1に示されるように、削孔を行う地盤の地表Tに装置固定枠体9を構築する。この装置固定枠体9の略中央には、開口部9aが開口している。
次に、装置固定枠体9の開口部9aにケーシング7を挿入してこれを略鉛直に起立させる。次に、予め工場において、ケーシングシュー8の下端部にリングビット6を、後述する連接構造Jにより、相対移動(回転移動および上下移動)可能かつ互いが上下方向(軸方向)に外れない状態に取付けておいたものを用意し、そのケーシングシュー8を、ケーシング7の下端に溶接Wにより接合する。
ここで前記連接構造Jについて説明すると、この連接構造Jは、図12に示すように、リングビット6の筒状部6bに形成された溝部6d(第1係止部)と、筒状部6bを内側に収容するケーシングシュー8の支持部8bに形成された溝部8e(第2係止部)と、溝部6d(第1係止部)と溝部8e(第2係止部)の間に介在する連接部材10とから構成されている。本実施形態では、連接部材10として、図14に示されるような、最終的に溶接によって両端が接続されてリング状となる鉄製ワイヤー10aを用いる。
前記連接構造Jにおけるリングビット6とケーシングシュー8の連接手順は、以下のとおりである。先ず、リングビット6の筒状部6bを緩衝部材11に挿入してその端面6e上に載置する。次に、ケーシングシュー8の支持部8b内にリングビット6の筒状部6bを挿入し、この筒状部6bの外周面に形成された凹状の溝部6dと、ケーシングシュー8の支持部8bに設けられた溝部8eとの上下位置(軸方向位置)をあわせる。その後、ケーシングシュー8の外側から、ワイヤー10aを貫通孔8fに挿入し、凹状の両溝部8e,6dの間へワイヤー10aを装着する。ここで、貫通孔8fは、前述したように、挿入されたワイヤー10aをリング状を呈する両溝部6d,8eの接線方向へ案内するように形成されているため、前記両溝部6d,8e間へのワイヤー10aの装着は、容易なものとなっている。最後に、装着されたワイヤー10aの両端P(図14参照)を貫通孔8fを通じて溶接し、さらに貫通孔8fに金属片を埋め込みこれを溶接することで閉塞する。そしてこのリングビット6を取り付けたケーシングシュー8の上端部分を前記略鉛直に起立させたケーシング7の下端部に溶接Wにより接合すれば、上記連接構造Jが完成する。なお、図12は、この連接構造Jをパイロットビット5に取り付けた後の状態を示しているが、パイロットビット5を取り付ける前は図13に示すように、リングビット6は少し下降して、ワイヤー10は溝部6dの上端部分と溝部8eの下端部分に当接した状態となっているが、外れることはない。
前記連接構造Jにおける各部位の寸法関係等は以下のとおりである。すなわち、図12に示すように、ケーシングシュー8の支持部8bにおける内周面8dの内径は、筒状部6bの外径より大きく、且つワイヤー10aの外径D10(図14参照)より小さく設計され、筒状部6bの外径は、ワイヤー10aの内径d10(図14参照)よりも大きく設計されている。また溝部6d,8eの幅H(図12における上下寸法)は、連接部材10としてのワイヤー10a自体の高さ(厚み、直径)αの略150%となるように設計されている。
前記構成からなる連接構造Jにあっては、リングビット6とケーシングシュー8との間に隙間が形成されることで相対回転移動かつ上下移動可能となり、加えて両溝部6d,8e内にワイヤー10aを収納することで、リングビット6とケーシングシュー8とが上下方向(軸方向)に所定範囲で相対移動しても、図13に示すように、両溝部6d,8eとワイヤー10aが干渉し合うことで、リングビット6とケーシングシュー8とが上下方向(軸方向)に外れない構造となっている。また、ワイヤー10a自体の高さ(厚み)αに対して溝部6d,8eの幅H(図12における上下寸法)が大きいため、溝部6d,8eへのワイヤー10aの装着が、より容易なものとなっている。
前記連接構造Jによれば、簡易かつ低廉な構造でありながら相対移動(相対回転および軸方向移動)するリングビット6とケーシングシュー8とを、強固かつ確実に連接することができる。また、リングビット6およびケーシングシュー8の強度・剛性を低下させることなく組立容易な連接構造を提供することができる。
また、前記連接構造Jによれば、リングビット6に形成された第1係止部としての溝部6dとケーシングシュー8に形成された第2係止部としての溝部8eとの間に連接部材10としてのワイヤー10aが介在することから、第1係止部と第2係止部とが互いに直接当接するような対向する形状であることが不要となり、リングビット6およびケーシングシュー8の加工性および強度・剛性を向上できる一方、連結部材10としてのワイヤー10aを通じて簡易かつ低廉な構造でありながら、強固かつ確実な連接を可能にする構造を容易に実現することができる。
さらに、前記連接構造Jによれば、この連接構造Jを設けるためにリングビット6の上下寸法を伸長させても、伸張させた部分は、ケーシングシュー8の内側に位置するので、これを回転しても、掘削時に回転抵抗が増えることはない。したがって、前記連接構造Jによれば、所定の範囲で相対移動可能でありながら強固かつ確実な接続が行える連接構造と、地盤と回転接触することで生じる掘削時の抵抗が低く抑えられた構造とを両立することが構造的に可能かつ容易である。
また、前記連接構造Jによれば、この連接構造Jを内側に配設したケーシングシュー8の外周面は、土壌と接することになるため、内部に収容するパイロットビット5(およびスクリューロッド3)に共連れしてケーシングシュー8(およびこれに接合するケーシング7)が回転することを防止するための突起部8gを、この外周面に設けることが構造的に可能かつ容易である。また、前記連接構造Jによれば、ケーシングシュー8の上下寸法を自由に設定できることから、突起部8gの上下寸法を広範囲で伸長でき、したがって、共連れ回転をより効果的に防止することが可能かつ容易である。
図1、図2に戻って、前記装置固定枠体9の構築およびケーシング7の起立およびケーシング7へのケーシングシュー8などの取付作業と並行して、アースオーガ2、スクリューロッド3、ダウンザホールハンマー4およびパイロットビット5とからなるアセンブリを、図1に示されているような所定の形に組立てる。具体的は、最上部にアースオーガ2を配設し、このアースオーガ2が備える出力軸2bにスクリューロッド3の一端部を接続し、さらにこのスクリューロッド3の他端部にダウンザホールハンマー4を接続し、さらにこのダウンザホールハンマー4の下方に、パイロットビット5の駆動軸部5aを、例えばスプライン嵌合等によって上下方向(軸方向)へ相対移動可能かつ回転伝達可能に取り付ける。これにより、最上部にアースオーガ2が配設され、その下方にスクリューロッド3およびダウンザホールハンマー4が接続され、さらにその下方にパイロットビット5が取付けられたアセンブリが組み上がる。
そして、前記アセンブリをクレーンで吊しながら起立したケーシング7内へと挿入する。このとき、アースオーガ2を上にパイロットビット5を下にして挿入し、下記する方法でパイロットビット5をリングビット6に接続する。これによって、図2で示されるように、掘削装置1が組み上がる。
図2で示される掘削装置1においては、前記アセンブリの上端部に位置するアースオーガ2が、ケーシング7の上端部分に連結されている。このときアースオーガ2の機器枠体2bが内部に収容する電気モータの回転に共連れして回転しないように、例えば図15および16に示されるように、回転止め手段としての回転止めキャップ20を介してケーシング7の上端部分に連結されている。この回転止めキャップ20は、上方が閉塞し下方が開口する中空円筒状部材からなるキャップ本体20aを有し、上方にアースオーガ2の機器枠体2bの下端部が溶接等により固定され、内周面に中心軸に向かって内方に突出するキャップ側回転係合板20bが円周方向に沿って略等間隔で複数設けられている。一方ケーシング7の上端部の外周面には、前記キャップ側回転係合板20bと係合するための部位として、中心軸から外方に突出するケーシング側回転係合板7bが円周方向に沿って略等間隔で複数設けられている。そして、この回転止めキャップを構成しているキャップ本体20aは、当該キャップ本体20aの下端側に設けられた開口部から、ケーシング7の上端部分の外方側を覆うように外嵌されることによって装着される構造となっている。
また、図2で示される掘削装置1においては、前記アセンブリの下端部に位置するパイロットビット5が、ケーシングシュー8を介してケーシング7の下方に取付けられたリングビット6に、バヨネットマウントを用いて着脱自在に接続(チャッキング)されている。当該バヨネットマウント構造について詳述すると、パイロットビット5の外周面には、前述したように、ロック用切欠部5gが、周回りに略60度の等間隔で所定の範囲、すなわち、排出溝5eを起点に前記電気モータの回転方向と逆の方向(図5では平面視において左回りの方向)へ例えば20度回転した範囲に6箇所設けられ、また、リングビット6における内周壁面には、前述したように、ロック用突起部6fが周回りに略60度の等間隔で所定の範囲に6箇所設けられている(図5ないし8参照)。
前記構成からなるバヨネットマウント構造を用いた接続手順は、以下のとおりである。先ずはじめに、リングビット6のロック用突起部6fとパイロットビット5が備える排出溝5eとが、平面視において重なるように位置合わせする(当該位置は、ロック用切欠部5gおよびロック用突起部6fどうしが非嵌合状態となる角度位置である)。その状態でリングビット6のロック用突起部6fとパイロットビット5のロック用切欠部5gとが、側面視において同じ高さとなるよう双方または一方を軸方向に移動させる。その後、パイロットビット5を静止させた状態で、リングビット6をロック用切欠部5gが延在する所定の方向(図5では平面視において左回り。当該回転方向は、電気モータの回転方向と逆の回転方向)へ例えば20度回転させる(リングビット6を静止させた状態でパイロットビット5を回転させる場合には、平面視において右回りに例えば20度回転させる)。これにより、リングビット6の突起部6fとパイロットビット5のロック用切欠部5gとが嵌合状態となる。なお、当該嵌合状態を解除するには、平面視において、リングビット6のロック用突起部6fがパイロットビット5の排出溝5eの位置にくるように、リングビット6を前記所定の方向と逆の右周りに例えば20度回転(または、パイロットビット5を平面視において左回りに例えば20度回転)させればよい。これによって、掘削装置1の組立作業が終了する。
前記掘削装置1の組立作業を経た後、杭芯に位置合せた状態でアースオーガ2が備える電気モータを起動させて削孔作業を開始する。前記電気モータの回転駆動力は、出力軸2cに接続するスクリューロッド3を介してパイロットビット5およびこれに接続するリングビット6へと伝達され、パイロットビット5が備える中心側ドリル片5cおよびリングビット6が備える外周縁ドリル片6cによって地盤を掘削する。掘削された土は、エアー通路5dを通じて送り込まれる加圧空気とともに排出溝5eを通って上方へと押し上げられ、スクリューロッド3が備えるスクリュー部3bに乗って地表へと運ばれ排出される。
前記掘削と同時に、ダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)を、例えば毎秒3回の周期で、パイロットビット5のヘッド部5b上方に形成された肩部5hの上端面5fに印加する。この押圧力(打ち込み力)は、肩部5hの下端面5iを通じてこれと対向するケーシングシュー8の上端面8cに伝達され、さらにケーシングシュー8と接合するケーシング7へと付与される。これにより、パイロットビット5およびリングビット6の掘削により形成された削孔にケーシング7およびケーシングシュー8が効率的に下方に向けて打ち込まれる。これら一連の作業によって削孔作業が進められる。
なお、本発明に係る掘削装置1においては、前記ケーシング7およびケーシングシュー8を下方に向けて打ち込む力が、連接構造Jを通じても伝達され得る。すなわち、ダウンザホールハンマー4からの押圧力(打ち込み力)は、パイロットビット5を通じて前記バヨネットマインで接続するリングビット6へと伝達された後、連接構造Jを介してケーシングシュー8およびこれと接合するケーシング7へと伝達される。当該連接構造Jを介した力の伝達は、作業完了後に回収されて繰り返し再利用されるパイロットビット5にあってはその肩部5h(より具体的には肩部5hの下端面5i)が磨耗し、当該部分を介しての前記伝達経路が十分に機能しなくなった場合に特に重要となる。リングビット5およびケーシングシュー8の強度・剛性を低下させることなく強固な連接を可能にする連接構造Jによれば、当該力の伝達機能を確実に果たすことができる。
前記削孔作業を円滑かつ効率的に進めるためには、掘削した土を迅速に排出することが必須であり、そのためには、加圧空気の押力が廃土へ有効に作用し、当該加圧空気に乗って廃土が効率的に押し上げられることが望ましいが、これを可能にするためには、ケーシング7が、内部に収容する回転要素としてのパイロットビット5およびリングビット6に共連れして回転しない構造が必要とされている。ここで、本発明の連接構造Jは、回転部品であるリングビット6の筒状部6bが内側に、非回転部品であるケーシングシュー8の支持部8bが外側に配置されるように構成されている。このため、連接構造Jは、ケーシングシュー8の支持部8bにおける外周面に、十分な長さの突起部8gを容易に設けることが可能であるといった構造的特徴を有している。所定の長さの突起部8gが設けられたことで、ケーシングシュー8と地盤との間の接触抵抗、特にケーシングシュー8が回転することを抑止する方向に働く接触抵抗が増大し、ケーシングシュー8およびこれと接合するケーシング7が、その内部に収容する回転要素としてのパイロットビット6およびリングビット5に共連れして回転することを効果的に防止できるといった効果がもたらされる。当該効果は、前述したように、連接構造Jが具備する前記構造的特徴に起因したものである(段落「0053」参照)。
なお、本発明と異なり、回転部品であるリングビット6の筒状部6bが外側に配置され、この内側にケーシングシュー8の支持部8bを挿入するようにして構成された連接構造の場合、土壌と接する突起部8gをケーシングシュー8の外周面に、十分な長さで設けることは構造的に困難であり、よってケーシングシュー8およびこれと接合するケーシング7の共連れよる回転を防止するだけの十分な接触抵抗を、突起部8gによって生じさせることは困難である。
また、前記突起部8gによるケーシング7の回転止め構造は、比較的薄い板材からなるケーシング7に直接加工を施す必要がないため、生産性に優れるといった利点がある。すなわち、特許文献1に記載の発明が具備するケーシングの回転止め手段(第2回転止め手段)では、回転ローラ(22)と係合する回転係合溝(12b)を、ケーシング(12)の外周面に形成する必要があるものの、薄肉の板材からなるケーシングの外周面に、一定の深さを要する回転係合溝(12b)を成形するのは容易でなく、生産性が著しく悪化する(実質的に生産不可能)といったことが問題になるが、本実施形態に係る掘削装置1にあっては、前述したように、ケーシング7に直接加工を施す必要がないためこのような問題が生じることはない。
また、本実施形態に係る掘削装置1においては、ケーシングシュー8の下端とリングビット6の端面6eとの隙間を埋めるように(換言すれば、端面6eと前記下端とに当接するように)、緩衝部材11が載置されている。これによって、ダウンザホールハンマー4からの強い押圧力(打ち込み力)に起因した前記ケーシングシュー8の下端とリングビット6の端面6eとの衝突による衝撃が吸収され、掘削孔作業中の騒音・振動が効果的に抑制されるといった効果がもたらされる。
前記削孔作業により、ケーシング7は地中内に埋め込まれるようにして起立させられる。削孔が予定の深さに達したら、パイロットビット5とリングビット6との接続(チャッキング)を解除し、パイロットビット5、スクリューロッド3およびダウンザホールハンマー4を引き抜いてこれら部位を回収する。一方、ケーシング7、ケーシングシュー8およびリングビット6は、地中に残したまま本杭として利用される。
本発明は、前記実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。また、前記実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いに構成を組み合わせることも可能である。また、前記記載及び図面によって示された内容は、その一部であっても、それぞれが独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は、前記記載及び図面によって示された内容を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記連接構造Jを構成する溝部6dの代わりに、下側が凹むリング状の段差部(即ち、溝部6dの下側の段差部がない状態)とし、溝部8eの代わりに、上側が凹むリング状の段差部(即ち、溝部8eの上側の段差部がない状態)としても良い。要は、第1,第2係止部は、それらの間に挿入された連接部材が干渉して相対移動可能に接続できる構成であれば、どのような構成であっても良い。
1:掘削装置
2:アースオーガ
3:スクリューロッド
4:ダウンザホールハンマー
5:パイロットビット
5a:駆動軸部
5b:ヘッド部
6:リングビット
6a:ヘッド部
6b:筒状部
6d:溝部(第1係止部)
7:ケーシング
8:ケーシングシュー
8a:本体基部
8b:支持部
8d:内周面
8e:溝部(第2係止部)
8f:貫通孔(ワイヤー挿入孔)
8g:突起部
9:装置固定枠体
10:連接部材
10a:ワイヤー
11:緩衝部材
J:連接構造
前記目的を達成するため、本発明は、上下に伸長する円管部材からなるケーシングと、このケーシングの下端部に同軸状に接合した円筒部材からなるケーシングシューと、前記ケーシングおよびケーシングシューへ回転可能に挿入されるパイロットビットと、このパイロットビットの下端部外周部分へ継手要素を介して着脱自在に取り付けられるリングビットとを具備する掘削装置において、前記リングビットは、前記ケーシングシューへ挿入されかつ外周面に第1係止部が形成された筒状部を有し、前記ケーシングシューは、前記リングビットの筒状部の外周面と対向しかつ前記第1係止部に対向して位置する第2係止部が形成された内周面を有し、前記リングビットと前記ケーシングシューとは、前記第1係止部と前記第2係止部との間に挿入されかつこれら2つの係止部と干渉する連接部材を介して相対移動可能に接続されており、さらに前記連接部材は、円環状のワイヤーからなり、その内周側が前記第1係止部に収納され、かつその外周側が前記第2係止部に収納される寸法に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、前記連接部材によって、リングビットとケーシングシューとの相対移動(相対回転および軸方向移動)を可能にしつつ、相互に外れることのない確実な連接が可能になる。
また、本発明によれば、リングビットに形成された第1係止部とケーシングシューに形成された第2係止部との間に連接部材を挿入するという簡単な構成なので、その作成を容易に行うことができる。
さらに、本発明によれば、回転要素であるリングビットの筒状部は非回転要素であるケーシングシューの内側になるので、リングビットの外周面の内、地盤と接する部分はリングビットのケーシングシューの下端から突出している短い長さの部分だけとなる。このため、リングビットを回転した際の掘削抵抗を低く抑えることができ、効率的な掘削を実現することが可能になる。
さらに、本発明によれば、ワイヤーという簡易かつ低廉な連接部材を用いてリングビットとケーシングシューとを連接することが可能になる。

Claims (4)

  1. 上下に伸長する円管部材からなるケーシングと、
    このケーシングの下端部に同軸状に接合した円筒部材からなるケーシングシューと、
    前記ケーシングおよびケーシングシューへ回転可能に挿入されるパイロットビットと、
    このパイロットビットの下端部外周部分へ継手要素を介して着脱自在に取り付けられるリングビットとを具備する掘削装置において、
    前記リングビットは、前記ケーシングシューへ挿入されかつ外周面に第1係止部が形成された筒状部を有し、
    前記ケーシングシューは、前記リングビットの筒状部の外周面と対向しかつ前記第1係止部に対向して位置する第2係止部が形成された内周面を有し、
    前記リングビットと前記ケーシングシューとは、前記第1係止部と前記第2係止部との間に挿入されかつこれら2つの係止部と干渉する連接部材を介して相対移動可能に接続されていることを特徴とする掘削装置。
  2. 前記第1係止部は、前記リングビットの筒状部の外周面に形成された溝であり、前記第2係止部は、前記ケーシングシューの内周面に形成された溝であることを特徴とする請求項1に記載の掘削装置。
  3. 前記連接部材は、円環状のワイヤーからなり、その内周側が前記第1係止部に収納され、かつその外周側が前記第2係止部に収納される寸法に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の掘削装置。
  4. 請求項3に記載の掘削装置の組立方法であって、
    前記ケーシングシューにその外周面から前記第2係止部に至るワイヤー挿入孔を開口しておき、このワイヤー挿入孔に前記ケーシングシューの外側から前記ワイヤーを挿入して、このワイヤーを前記第1係止部と前記第2係止部との間に装着することを特徴とする掘削装置の組立方法。
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