JP2019111793A - 液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液滴の吐出に関する問題の発生が低減された液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置を提供する。【解決手段】液体吐出ヘッドは流路部材と加圧部を有する。流路部材は、第1個別流路12、第2個別流路12d、共通流路5を有する。第1個別流路12は、第1供給流路、第1加圧室10、第1吐出流路7、第1吐出口を有する。第2個別流路12dは、第2供給流路、第2加圧室10d、第2吐出流路7d、第2吐出口に加えて、共通流路5と第2吐出流路7dとを繋ぐバイパス流路16を有する。加圧部は第1加圧部と第2加圧部を含む。第1個別流路12および第2個別流路12dは列を成すように配置され、第2個別流路12dは列の端に位置する。【選択図】図6

Description

本開示は、液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置に関するものである。
液体を記録媒体上に吐出することによって各種の印刷を行なう液体吐出ヘッドが知られている。液体吐出ヘッドに用いられる流路部材として、吐出口、加圧室、個別流路および共通流路を有するものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2003−305852号公報
本開示の液体吐出ヘッドは、流路部材と、複数の加圧部と、を有している。前記流路部材は、1つ以上の第1個別流路および1つ以上の第2個別流路を含む複数の個別流路と、該複数の個別流路が接続された共通流路と、を有している。前記第1個別流路は、第1吐出口と、第1加圧室と、前記共通流路と前記第1加圧室とを繋いでいる第1供給流路と、前記第1加圧室と前記第1吐出口とを繋いでいる第1吐出流路と、を有している。前記第2個別流路は、第2吐出口と、第2加圧室と、前記共通流路と前記第2加圧室とを繋いでいる第2供給流路と、前記第2加圧室と前記第2吐出口とを繋いでいる第2吐出流路と、前記共通流路と前記第2吐出流路とを繋いでいるバイパス流路と、を有している。前記複数の加圧部は、前記第1加圧室内の液体を加圧する1つ以上の第1加圧部と、前記第2加圧室内の液体を加圧する1つ以上の第2加圧部と、を含んでおり、前記第1個別流路および前記第2個別流路は列を成すように配置されており、前記第2個別流路は前記列の端に位置している。
本開示の記録装置は、前記液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドを制御する制御部と、記録媒体を搬送する搬送部と、を有している。
本開示の液体吐出ヘッドを含む記録装置の一例を模式的に示す図である。 図1の液体吐出ヘッドにおける流路部材および圧電アクチュエータを示す平面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。 図3のV−V線に沿った縦断面図である。 図4の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。 図6のW−W線に沿った縦断面図である。 図6のX−X線に沿った縦断面図である。
吐出口およびそれに繋がる加圧室を有する個別流路が列を成すように配置された液体吐出ヘッドでは、1つの吐出口から吐出される液体に、その吐出口に繋がる加圧室以外の加圧室で生じた圧力波が伝達されて吐出量が変化する現象が生じる。この変化は、周囲の加圧室の配置に影響されるため、列の端部に位置する個別流路から吐出される液体の量と、列の中央部に位置する個別流路から吐出される液体の量との間に、明らかな差が生じる。そして、それにより、印刷物に濃度斑が生じるという問題がある。
本開示の液体吐出ヘッドは、この問題の発生を低減できる。以下、本開示の液体吐出ヘッドおよびそれを用いた記録装置の具体例について説明する。
図1は、本開示の液体吐出ヘッドを含む記録装置の一例を模式的に示す図である。この記録装置は、カラーインクジェットプリンタであり、以下、プリンタ1と称する。プリンタ1は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている液体吐出ヘッド2は、図1の手前から奥へ向かう方向に細長い長尺形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。
プリンタ1には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。
給紙ユニット114は、複数枚の印刷用紙Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に収容された印刷用紙Pのうち、最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ送り出すことができる。
給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、これらの送りローラによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106および107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラに巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラの共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、印刷用紙Pを搬送する搬送面127である。
ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。
ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。ニップローラ138およびニップ受けローラ139は回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。
液体吐出ヘッド2は、下端にヘッド本体2aを有している。ヘッド本体2aの下面は、液体を吐出する多数の第1吐出口8(以下、単に吐出口8と呼ぶ場合がある)が設けられている吐出口面4−1となっている。
1つの液体吐出ヘッド2に設けられた吐出口8からは、同じ色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。各液体吐出ヘッド2には図示しない外部液体タンクから液体が供給される。各液体吐出ヘッド2の吐出口8は、吐出口面4−1に開口しており、一方方向(印刷用紙Pと平行で印刷用紙Pの搬送方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔で配置されているため、一方方向に隙間なく印刷することができる。各液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、例えば、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。各液体吐出ヘッド2は、液体吐出ヘッド本体13の下面と搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。
搬送ベルト111によって搬送された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成するヘッド本体2aから印刷用紙Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りローラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。このとき、印刷用紙Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、印刷済みの印刷用紙Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。
なお、印刷用紙Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素子および受光素子によって構成され、搬送経路上の印刷用紙Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。
上述したように、本開示の記録装置は、液体吐出ヘッド2と、液体吐出ヘッド2を制御する制御部100と、記録媒体(印刷用紙P)を搬送する搬送部(搬送ユニット120)と、を有している。この構成が本開示の記録装置の基本構成であり、これ以外の構成は適宜変更および省略が可能である。なお、制御部100および搬送部(搬送ユニット120)の構成は、上述した構成に限定されるものではなく、適宜変更および省略が可能である。
次に、液体吐出ヘッド2について説明する。図2は、ヘッド本体2aの平面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した平面図である。図4は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図であり、説明のため図3とは異なる一部の流路を省略した図である。図5は図3のV−V線に沿った縦断面図である。図6は図4の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。図7は図6のW−W線に沿った縦断面図である。図8は図6のX−X線に沿った縦断面図である。なお、図2〜4および図6においては、図面を分かりやすくするために、圧電アクチュエータ基板21の下方にあって破線で描くべき第1絞り部6(以下、単に絞り部6と呼ぶ場合がある)、吐出口8、第1加圧室10(以下、単に加圧室10と呼ぶ場合がある)などを実線で描いている。また、図4においては、位置を分かりやすくするために、吐出口8を実際よりも大きく描くとともに、一部の吐出口8の図示を省略している。
液体吐出ヘッド2は、平面視において、第1方向(図2の+x方向)の長さが、第1方向に垂直な第2方向(図2の+y方向)の長さよりも大きい形状を有している。液体吐出ヘッド2は、ヘッド本体2a以外にリザーバや、金属製の筐体を含んでいる。また。ヘッド本体2aは、流路部材4と、変位素子(加圧部)30が作り込まれている圧電アクチュエータ基板21とを含んでいる。
ヘッド本体2aを構成する流路部材4は、共通流路5と、共通流路5と繋がっている複数の第1個別流路12(以下、単に個別流路12と呼ぶ場合がある)を有している。個別流路12は、共通流路5内へ開口している接続口12aと、外部へ開口している吐出口8とを有している。加圧室10は流路部材4の上面に開口しており、流路部材4の上面が加圧室面4−2となっている。また、流路部材4の上面には共通流路5と繋がる開口5aを有し、この開口5aより液体が供給される。
また、流路部材4の上面には、変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21が接合されており、各変位素子30が加圧室10上に位置するように設けられている。また、圧電アクチュエータ基板21には、各変位素子30に信号を供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)などの信号伝達部92が接続されている。図2には、2つの信号伝達部92が圧電アクチュエータ基板21に繋がる状態が分かるように、信号伝達部92の圧電アクチュエータ21に接続される付近の外形を点線で示した。圧電アクチュエータ21に電気的に接続されている、信号伝達部92に形成されている電極は、信号伝達部92の端部に、矩形状に配置されている。2つの信号伝達部92は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部にそれぞれの端がくるように接続されている。2つの信号伝達部92は、中央部から圧電アクチュエータ基板21の長辺に向かって伸びている。
また、信号伝達部92にはドライバICが実装されている。ドライバICは金属製の筐体に押し付けられるように実装されている。圧電アクチュエータ基板21上の変位素子30を駆動する駆動信号は、ドライバIC内で生成される。駆動信号の生成を制御する信号は、制御部100で生成され、信号伝達部92の圧電アクチュエータ基板21と接続された側と反対側の端から入力される。制御部100と信号伝達部92との間には、必要に応じて、液体吐出ヘッド2内に設けられた、配線基板などが設けられる。
ヘッド本体2aは、平板状の流路部材4と、流路部材4上に接続された変位素子30を含む圧電アクチュエータ基板21を1つ有している。圧電アクチュエータ基板21の平面形状は長方形状であり、その長方形の長辺が流路部材4の長手方向に沿うように流路部材4の上面に配置されている。
流路部材4の内部には2つの共通流路5が形成されている。共通流路5は流路部材4の長手方向の一端部側から、他端部側に延びる細長い形状を有している。共通流路5は、その両端に、流路部材4の上面に開口している開口5aを有している。
また、共通流路5は、少なくとも加圧室10からの流路が繋がっている領域である、長さ方向の中央部分が、幅方向に間隔を開けて設けられた隔壁(仕切り部)15で仕切られている。隔壁15は、加圧室10からの流路が繋がっている領域である、長さ方向の中央部分では、共通流路5と同じ高さを有し、共通流路5を複数の分岐流路5bに完全に仕切っている。このようにすることで、平面視したときに、隔壁15と重なるように、吐出口8および吐出口8から加圧室10に繋がっている第1吐出流路7(以下、単に吐出流路7という)を設けることができる。なお、本開示において、平面視する際には、流路部材4厚み方向(すなわち、流路部材4を構成する複数のプレート(4a〜4m)の積層方向)から平面視する。
図2では、共通流路5の両端部を除く全体が隔壁15で仕切られている。このようにする以外に、両端部のうちのどちらか一端部以外が隔壁15で仕切られているようにしてもよい。また、流路部材4の上面に開口している開口5a付近のみが仕切られておらず、開口5aから流路部材4の深さ方向に向かう間に隔壁が設けられるようにしてもよい。
分岐流路5bは、共通流路5における複数に分けられた部分である。本実施形態においては、共通流路5は独立して2本設けられており、それぞれの両端部に開口5aが設けられている。また、1つの共通流路5には、7つの隔壁15が設けられており、8つの分岐流路5bに分けられている。また、7つの隔壁15は、幅方向の中央に近いほど、長さが長くなっており、共通流路5の両端において、幅方向の中央に近い隔壁15ほど、隔壁15の端が共通流路5の端に近くなっている。
流路部材4は、複数の加圧室10が2次元的に広がって形成されている。加圧室10は、角部にアールが施されている、2つの鋭角部と2つの鋭角部を有するほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。
加圧室10は、個別流路12を介して1つの分岐流路5bと繋がっている。個別流路12における、分岐流路5bと加圧室10とを繋ぐ部分を第1供給流路14と呼ぶ(以下、単に供給流路14と呼ぶ場合がある)。1つの分岐流路5bに沿うようにして、この分岐流路5bに繋がっている加圧室10の列である加圧室行11が、分岐流路5bの両側に1列ずつ、合計2列設けられている。したがって、1つの共通流路5に対して、16列の加圧室11が設けられており、ヘッド本体2a全体では32列の加圧室行11が設けられている。各加圧室行11における加圧室10の長手方向の間隔は同じであり、例えば、37.5dpiの間隔となっている。
1つの共通流路5に繋がっている加圧室10は、液体吐出ヘッド2の長手方向である行方向と短手方向である列方向とに沿って、行上および列上で、それぞれ略等間隔で配置されている。行方向は、菱形形状の加圧室10の鈍角部同士を結ぶ対角線と同じ方向であり、列方向は、菱形形状の加圧室10の鋭角部同士を結ぶ対角線と同じ方向である。つまり、加圧室10の菱形形状の対角線が行および列と角度がついていない状態になっている。行上および列上での加圧室10の間隔は、等間隔にすれば、間隔が他より狭いところがなくなりクロストークを小さくできるが、間隔は±20%程度異なるようにしてもよい。
加圧室10を格子状の配置にして、圧電アクチュエータ21を、行および列に沿った外辺を有する矩形状にするとよい。加圧室行11に属する加圧室10は等間隔で配置されており、加圧室行11に対応する個別電極25も等間隔で配置されている。加圧室行11は短手方向に等間隔で配置されており、加圧室行11に対応する個別電極25の列も短手方向に等間隔で配置されている。
流路部材4を平面視したとき、1つの加圧室行11に属する加圧室10が、隣接する加圧室行11に属する加圧室10と、液体吐出ヘッド2の長手方向において、重ならないように配置することにより、クロストークを抑制できる。一方、加圧室行11の間の距離を離すと、液体吐出ヘッド2の幅が大きくなるので、プリンタ1に対する液体吐出ヘッド2の設置角度の精度や、複数の液体吐出ヘッド2を使用する際の、液体吐出ヘッド2の相対位置の精度が印刷結果に与える影響が大きくなる。そこで、隔壁15の幅を分岐流路5bよりも小さくすることで、それらの精度が印刷結果に与える影響を少なくできる。
1つの分岐流路5bに繋がっている加圧室10は、2列の加圧室行11をなしており、1つの加圧室行11に属する加圧室10から繋がっている吐出口8は、1つの吐出口行9をなしている。2列の加圧室行11に属する加圧室10に繋がっている吐出口8はそれぞ
れ、分岐流路5bの異なる側に開口している。図4では隔壁15には、2列の吐出口行9が設けられているが、それぞれの吐出口行9に属する吐出口8は、吐出口8に近い側の分岐流路5bに加圧室10を介して繋がっている。隣接する分岐流路5bに加圧室行11を介して繋がっている吐出口8と液体吐出ヘッド2の長手方向において重ならないように配置されていると、加圧室10と吐出口8とを繋ぐ流路間のクロストークが抑制できるので、さらにクロストークを小さくすることができる。加圧室10と吐出口8とを繋ぐ流路全体が、液体吐出ヘッド2の長手方向において重ならないように配置されていると、さらにクロストークを小さくすることができる。
また、平面視において、加圧室10と分岐流路5bとが重なるように配置することにより、液体吐出ヘッド2の幅を小さくできる。加圧室10の面積に対する、重なっている面積の割合が80%以上、さらに90%以上にすることで、液体吐出ヘッド2の幅をより小さくできる。また、加圧室10と分岐流路5bとが重なっている部分の加圧室10の底面は、分岐流路5bと重なっていない場合と比較して剛性が低くなっており、その差により吐出特性がばらつくおそれがある。加圧室10全体の面積に対する、分岐流路5bと重なっている加圧室10の面積の割合を、各加圧室10で略同じにすることで、加圧室10を構成する底面の剛性が変わることによる吐出特性のばらつきを少なくすることができる。ここで略同じとは、面積の割合の差が、10%以下、特に5%以下であることを言う。
1つの共通流路5に繋がっている複数の加圧室10により加圧室群が構成されており、共通流路5が2つあるため、加圧室群は2つある。各加圧室群内における吐出に関わる加圧室10の配置は同じで、短手方向に平行移動させた配置されている。これらの加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータ基板21に対向する領域に、加圧室群間などの少し間隔が広くなった部分があるものの、ほぼ全面にわたって配列されている。つまり、これらの加圧室10によって形成された加圧室群は圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。また、各加圧室10の開口は、流路部材4の上面に圧電アクチュエータ基板21が接合されることで閉塞されている。
加圧室10の供給流路14が繋がっている角部と対向する角部からは、流路部材4の下面の吐出口面4−1に開口している吐出口8に繋がる吐出流路7が伸びている。吐出流路7は、平面視において、加圧室10から離れる方向に伸びている。より具体的には、加圧室10の長い対角線に沿う方向に離れつつ、その方向に対して左右にずれながら伸びている。これにより、加圧室10は各加圧室行11内での間隔が37.5dpiになっている格子状の配置にしつつ、吐出口8は、全体で1200dpiの間隔で配置することができる。
これは別の言い方をすると、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように吐出口8を投影すると、図4に示した仮想直線のRの範囲に、各共通流路5に繋がっている16個の吐出口8、全部で32個の吐出口8が、1200dpiの等間隔となっているということである。これにより、全ての共通流路5に同じ色のインクを供給することで、全体として長手方向に1200dpiの解像度で画像が形成可能となる。また、1つの共通流路5に繋がっている1個の吐出口8は、仮想直線のRの範囲で600dpiの等間隔になっている。これにより、各共通流路5に異なる色のインクを供給することで、全体として長手方向に600dpiの解像度で2色の画像が形成可能となる。
さらに、液体吐出ヘッド2には、マニホールドの開口5aからの液体の供給を安定させるように流路部材4に、リザーバを接合してもよい。リザーバには、外部から供給された液体を分岐させて、2つの開口5aに繋がる流路が設けられることにより、2つの開口に液体を安定して供給できる。分岐してからの流路長をほぼ等しくすることで、外部から供給される液体の温度変動や圧力変動が、共通流路5の両端の開口5aに、少ない時間差で
伝わるため、液体吐出ヘッド2内の液滴の吐出特性のばらつきをより少なくできる。リザーバにダンパを設けることで、さらに液体の供給が安定化できる。さらに、液体中の異物などが流路部材4に向かうのを抑制するように、フィルタを設けてもよい。またさらに、流路部材4に向かう液体の温度を安定化させるようにヒータを設けてもよい。
圧電アクチュエータ基板21の上面における各加圧室10に対向する位置には個別電極25がそれぞれ形成されている。個別電極25は、加圧室10より一回り小さく、加圧室10とほぼ相似な形状を有している個別電極本体25aと、個別電極本体25aから引き出されている引出電極25bとを含んでおり、個別電極25は、加圧室10と同じように、個別電極列および個別電極群を構成している。引出電極25bは、一端部が個別電極本体25aに接続されており、他端部が加圧室10の鋭角部を通り、加圧室10の外側で、加圧室10の2つの鋭角部を結ぶ対角線を延長した列と重ならない領域に引き出されている。これによりクロストークが低減できる。引出電極25bの形状については、後で詳述する。
また、圧電アクチュエータ基板21の上面には、共通電極24とビアホールを介して電気的に接続されている共通電極用表面電極28が形成されている。共通電極用表面電極28は、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央部に、長手方向に沿うように2列形成され、また、長手方向の端近くで短手方向に沿って1列形成されている。図示した、共通電極用表面電極28は直線上に断続的に形成されたものであるが、直線上に連続的に形成してもよい。
圧電アクチュエータ基板21は、後述のようにビアホールを形成した圧電セラミック層21a、共通電極24、圧電セラミック層21bを積層し、焼成した後、個別電極25および共通電極用表面電極28を同一工程で形成するのが好ましい。個別電極25と加圧室10との位置ばらつきは吐出特性に大きく影響を与えこと、個別電極25を形成した後、焼成すると圧電アクチュエータ基板21に反りが生じるおそれがあり、反りが生じた圧電アクチュエータ基板21を流路部材4に接合すると、圧電アクチュエータ基板21に応力が加わった状態になり、その影響で変位がばらつくおそれがあることから、個別電極25は、焼成後に形成される。共通電極用表面電極28も同様に反りを生じされるおそれがあることと、個別電極25と同時に形成した方が、位置精度が高くなり、工程も簡略化できるので、個別電極25と共通電極用表面電極28は同一工程で形成される。
このような圧電アクチュエータ基板21を焼成する際に生じるおそれのある、焼成収縮によるビアホールの位置ばらつきは、主に圧電アクチュエータ基板21の長手方向に生じるので、共通電極用表面電極28が偶数個ある共通流路5の中央、別の言い方をすれば、圧電アクチュエータ基板21の短手方向の中央に設けられており、共通電極用表面電極28が圧電アクチュエータ基板21の長手方向に長い形状をしていることにより、ビアホールと共通電極用表面電極28とが位置ずれにより電気的に接続されなくなることを抑制できる。
圧電アクチュエータ基板21には、2枚の信号伝達部92が、圧電アクチュエータ基板21の2つの長辺側から、それぞれ中央に向かうように配置され、接合される。その際、圧電アクチュエータ基板21aの引出電極25bおよび共通電極用表面電極28の上に、それぞれ、接続電極26および共通電極用接続電極を形成して接続することで、接続が容易になる。また、その際、共通電極用表面電極28および共通電極用接続電極の面積を接続電極26の面積よりも大きくすれば、信号伝達部92の端部(先端および圧電アクチュエータ基板21の長手方向の端)にける接続が、共通電極用表面電極28上の接続により強くできるので、信号伝達部92が端からはがれ難くできる。
また、吐出口8は、流路部材4の下面側に配置された共通流路5と対向する領域を避けた位置に配置されている。さらに、吐出口8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータ基板21と対向する領域内に配置されている。これらの吐出口8は、1つの群として圧電アクチュエータ基板21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータ基板21の変位素子30を変位させることにより吐出口8から液滴が吐出できる。
ヘッド本体2aに含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート4a、ベースプレート4b、アパーチャ(絞り部)プレート4c、サプライプレート4d、マニホールドプレート(4e、4f、4g、4h、4i、4j)、カバープレート4kおよびノズルプレート4mの順に積層されている。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートの厚さは10〜300μm程度であることにより、形成する孔の形成精度を高くできる。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路12および共通流路5を構成するように、位置合わせして積層されている。加圧室10は流路部材4の上面に、共通流路5は内部の下面側に、吐出口8は下面に配置されており、流路を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設されている。そして、加圧室10を介して共通流路5と吐出口8とが繋がっている。
各プレートに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1の孔は、キャビティプレート4aに形成された加圧室10である。第2の孔は、加圧室10の一端から共通流路5へと繋がる供給流路14を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート4b、アパーチャプレート4cおよびサプライプレート4dに形成されている。供給流路14は、流路の断面積が小さくなっている部位である絞り部6を含んでいる。絞り部6はアパーチャプレート4cに形成されている。供給流路14は、共通流路5の内壁面に開口する接続口12aを有しており、接続口12aを介して共通流路5と個別流路12(供給流路14)とが接続されている。
第3の孔は、加圧室10の他端から吐出口8へと連通する流路を構成する連通孔であり、この連通孔は、以下の記載において吐出流路7と呼称される。吐出流路7は、ベースプレート4bからノズルプレート4mまでの各プレートに形成されている。ノズルプレート4mの孔は、内部に向かって径が大きくなっており、孔の径は、例えば10〜40μmである。ノズルプレート4mの孔は、吐出口8として、流路部材4の外部に開口している。
第4の孔は、共通流路5を構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート(4e〜4j)に形成されている。マニホールドプレート(4e〜4j)には、分岐流路5bを構成するように隔壁15となる仕切り部が残るように孔が形成されている。
第1〜第3の孔が相互に繋がることにより、共通流路5から吐出口8に至る個別流路12が構成されている。共通流路5に供給された液体は、以下の経路で吐出口8から吐出される。まず、共通流路5から上方向に向かって、供給流路14に入り、絞り部6の一端部に至る。次に、絞り部6の延在方向に沿って水平に進み、絞り部6の他端部に至る。そこから上方に向かって、加圧室10の一端部に至る。さらに、加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、加圧室10の他端部に至る。そこから少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した吐出口8へと進む。
圧電アクチュエータ基板21は、圧電体である2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電アクチュエータ基板21の圧電セラミック層21aの下面から圧電セラミック層21bの上面までの厚さは40μm程度である。圧電セラミ
ック層21a、21bのいずれの層も複数の加圧室10を跨ぐように延在している。これらの圧電セラミック層21a、21bは、例えば、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。
圧電アクチュエータ基板21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極24およびとAu系などの金属材料からなる個別電極25を有している。個別電極25は上述のように圧電アクチュエータ基板21の上面における加圧室10と対向する位置に配置されている個別電極本体25aと、そこから引き出された引出電極25bとを含んでいる。引出電極25bの一端の、加圧室10と対向する領域外に引き出され部分には接続電極26が形成されている。接続電極26は例えばガラスフリットを含む銀−パラジウムからなり、厚さが15μm程度で凸状に形成されている。また、接続電極26は、信号伝達部92に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極25には、制御部100から信号伝達部92を通じて駆動信号が供給される。駆動信号は、印刷媒体Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
共通電極24は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極24は、圧電アクチュエータ基板21に対向する領域内の全ての加圧室10を覆うように延在している。共通電極24の厚さは2μm程度である。共通電極24は、圧電セラミック層21b上に個別電極25からなる電極群を避ける位置に形成されている共通電極用表面電極28に、圧電セラミック層21bに形成されたビアホールを介して繋がっていて、接地され、グランド電位に保持されている。共通電極用表面電極28は、多数の個別電極25と同様に、信号伝達部92上の別の電極と接続されている。
なお、後述のように、個別電極25に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極25に対応する加圧室10の体積が変わり、加圧室10内の液体に圧力が加えられる。これによって、個別流路12を通じて、対応する吐出口8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータ基板21における各加圧室10に対向する部分は、各加圧室10および吐出口8に対応する個別の変位素子30に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層体中には、図5に示されているような構造を単位構造とする圧電アクチュエータである変位素子30が加圧室10毎に、加圧室10の直上に位置する振動板21a、共通電極24、圧電セラミック層21b、個別電極25により作り込まれており、圧電アクチュエータ基板21には加圧部である変位素子30が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって吐出口8から吐出される液体の量は1.5〜4.5pl(ピコリットル)程度である。
多数の個別電極25は、個別に電位を制御することができるように、それぞれが信号伝達部92および配線を介して、個別に制御部100に電気的に接続されている。個別電極25を共通電極24と異なる電位にして圧電セラミック層21bに対してその分極方向に電界を印加したとき、この電界が印加された部分が、圧電効果により歪む活性部として働く。この構成において、電界と分極とが同方向となるように、制御部100により個別電極25を共通電極24に対して正または負の所定電位にすると、圧電セラミック層21bの電極に挟まれた部分(活性部)が、面方向に収縮する。一方、非活性層の圧電セラミック層21aは電界の影響を受けないため、自発的には縮むことがなく活性部の変形を規制しようとする。この結果、圧電セラミック層21bと圧電セラミック層21aとの間で分極方向への歪みに差が生じて、圧電セラミック層21bは加圧室10側へ凸となるように変形(ユニモルフ変形)する。
本実施の形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極25を共通電極24より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極25を共通電極
24と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極25が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが元の形状に戻り、加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、加圧室10内に負圧が与えられ、液体が共通流路5側から加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極25を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、21bが加圧室10側へ凸となるように変形し、加圧室10の容積減少により加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極25に供給することになる。このパルス幅は、圧力波が絞り部6から吐出口8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによると、加圧室1
0内部が負圧状態から正圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
また、階調印刷においては、吐出口8から連続して吐出される液滴の数、つまり液滴吐出回数で調整される液滴量(体積)で階調表現が行われる。このため、指定された階調表現に対応する回数の液滴吐出を、指定されたドット領域に対応する吐出口8から連続して行なう。一般に、液体吐出を連続して行なう場合は、液滴を吐出させるために供給するパルスとパルスとの間隔をALとすることが好ましい。これにより、先に吐出された液滴を吐出させるときに発生した圧力の残余圧力波と、後に吐出させる液滴を吐出させるときに発生する圧力の圧力波との周期が一致し、これらが重畳して液滴を吐出するための圧力を増幅させることができる。なお、この場合後から吐出される液滴の速度が速くなると考えられるが、その方が複数の液滴の着弾点が近くなり、好ましい。
次に、液体吐出ヘッド2が有する第2個別流路12dについて説明する。図6は図4の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である。図7は図6のW−W線に沿った縦断面図である。図8は図6のX−X線に沿った縦断面図である。なお、図6においては、共通流路5と、第1加圧室10と、第2加圧室10dと、第1吐出流路7および第2吐出流路7dにおけるプレート4dに位置する部分と、バイパス流路16と、のみを図示している。
液体吐出ヘッド2は、前述した複数の第1個別流路12に加えて複数の第2個別流路12dを有しており、前述した複数の第1加圧部30に加えて複数の第2加圧部30dを有している。
第1個別流路12および第2個別流路12dは、図の+x方向に延びる列を成すように配置されており、第2個別流路12dは列の端に位置している。詳細には、第2個別流路12dは、列における、図の+x方向の端および−x方向の端に、それぞれ複数配置されている。なお、第1個別流路12および第2個別流路12dは、図の+x方向に延びる複数の列を成しており、第2個別流路12dは、それぞれの列の両端に位置している。
また、平面視において、第1加圧部30は第1加圧室10に重なるように配置されており、第2加圧部30dは第2加圧室10dに重なるように配置されている。よって、第1加圧部30は第1加圧部30および第2加圧部30dは、図の+x方向に延びる列を成すように配置されており、第2加圧部30dは列の端に位置している。詳細には、第2加圧部30dは、列における、図の+x方向の端および−x方向の端に、それぞれ複数配置されている。なお、第1加圧部30および第2加圧部30dは、図の+x方向に延びる複数の列を成しており、第2加圧部30dは、それぞれの列の両端に位置している。
すなわち、第1個別流路12、第2個別流路12d、第1加圧部30および第2加圧部30dは、図の+x方向に延びる列を成すように配置されており、第2個別流路12dおよび第2加圧部30dは、列の端に位置している。詳細には、第2個別流路12dおよび
第2加圧部30dは、列における、図の+x方向の端および−x方向の端に、それぞれ複数配置されている。なお、第1個別流路12、第2個別流路12d、第1加圧部30および第2加圧部30dは、図の+x方向に延びる複数の列を成しており、第2個別流路12dおよび第2加圧部30dは、それぞれの列の両端に位置している。
各々の第2個別流路12dは、第1個別流路12と同様の構成を有している。すなわち、第2個別流路12dは、第1供給流路14に相当する第2供給流路14dと、第1加圧室10に相当する第2加圧室10dと、第1吐出流路7に相当する第2吐出流路7dと、第1吐出口8に相当する第2吐出口8dと、を有している。なお、第2供給流路14dは、第1絞り部6に相当する第2絞り部6dを有している。
なお、第2加圧部30d、第2供給流路14d、第2加圧室10d、第2吐出流路7d、および第2吐出口8d、第2絞り部6dの構成は、それぞれ、第1加圧部30、第1供給流路14、第1加圧室10、第1吐出流路7、第1吐出口8および第1絞り部6と同様であるため説明を省略する。
そして、第2個別流路12dは、共通流路5と第2吐出流路7dとを接続するバイパス流路16を更に有している。バイパス流路16は第1端部と第2端部とを有しており、第1端部は共通流路5の内面に開口しており、第2端部は第2吐出流路7dの内面に開口している。バイパス流路16の位置および形状は、適宜設定することができる。
第2個別流路12dは共通流路5に接続されており、第2個別流路12dの内部は液体で満たされている。また、第2加圧部30dは、第1加圧部30と同様に駆動される。しかしながら、第2個別流路12dは、共通流路5と第2吐出流路7dとを接続するバイパス流路16を有しているため、第2吐出流路7d内の液体に加わる圧力波をバイパス流路16を介して共通流路5へ逃がすことができる。これにより、第2吐出口8dからの液体の吐出を防止することができる。すなわち、動作時に、第1加圧部30および第2加圧部30dの両方が駆動し、第1吐出口8から液体が吐出され、第2吐出口8dから液体が吐出されない。このように、第2加圧部30dは液体の吐出に直接寄与しない加圧部であり、第2個別流路12dは液体の吐出に直接寄与しない流路である。
そして、列を成すように配置された第1個別流路12の外側に第2個別流路12dが配置されていることから、列の中央部に位置する第1個別流路12に周囲から伝わる圧力波による影響と、列の端部に位置する第1個別流路12に周囲から伝わる圧力波による影響とを近づけることができる。これにより、列の中央部に位置する第1個別流路12から吐出される液体の量と、列の端部に位置する第1個別流路12から吐出される液体の量との差異を小さくすることができる。
なお、第2個別流路12dが第1個別流路12と類似の構成を有し、第2個別流路12dが第1個別流路12と同様に液体で満たされ、第2加圧部30dが第1加圧部30と同様に駆動されることにより、列の中央部に位置する第1個別流路12から吐出される液体の量と、列の端部に位置する第1個別流路12から吐出される液体の量とを近似させることができる。
上述したように、本開示の液体吐出ヘッドは、流路部材4と、複数の加圧部と、を有している。流路部材4は、1つ以上の第1個別流路12および1つ以上の第2個別流路12dを含む複数の個別流路と、複数の個別流路が接続された共通流路5と、を有している。第1個別流路12は、第1吐出口8と、第1加圧室10と、共通流路5と第1加圧室10とを繋いでいる第1供給流路14と、第1加圧室10と第1吐出口8とを繋いでいる第1吐出流路7と、を有している。第2個別流路12dは、第2吐出口8dと、第2加圧室1
0dと、共通流路5と第2加圧室10dとを繋いでいる第2供給流路14dと、第2加圧室10dと第2吐出口8dとを繋いでいる第2吐出流路7dと、共通流路5と第2吐出流路7dとを繋いでいるバイパス流路16と、を有している。複数の加圧部は、第1加圧室10内の液体を加圧する1つ以上の第1加圧部30と、第2加圧室10d内の液体を加圧する1つ以上の第2加圧部30dと、を含んでいる。そして、第1個別流路12および第2個別流路12dは列を成すように配置されており、第2個別流路12dは列の端に位置している。これが本開示の液体吐出ヘッドの基本構成であり、その他の構成は適宜変更および省略が可能である。この基本構成を有していることにより、列の中央部に位置する第1個別流路12から吐出される液体の量と、列の端部に位置する第1個別流路12から吐出される液体の量との差異を小さくすることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドにおいて、バイパス流路16の横断面の面積が、第2吐出口8dの開口面積よりも大きくてもよい。このような構成を有しているときには、第2加圧部30dの駆動により第2個別流路12d内に発生する圧力波を、バイパス流路16を介して共通流路5へ逃がしやすくすることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドにおいて、バイパス流路16の流路抵抗が第2供給流路14dの流路抵抗よりも大きくてもよい。このような構成を有しているときには、加圧パージの際に、共通流路5から第2加圧室10dへ液体が流れやすくなるので、第2加圧室10dに気泡が溜まり難くすることができる。これにより、第1加圧室10から周囲へ伝わる圧力波と、第2加圧室10dから周囲へ伝わる圧力波とを更に近づけることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドでは、平面視(第1吐出口8および第2吐出口8dが位置する平面に垂直な方向からの平面視)において、バイパス流路16、第2加圧室10dおよび共通流路5の3つが全て重なる部分が存在しないように、バイパス流路16、第2加圧室10dおよび共通流路5が位置してもよい。このような構成を有しているときには、第2加圧室10dに対して第2加圧部30dと反対側に位置する部分の構造および剛性を、第1加圧室10に対して第1加圧部30と反対側に位置する部分の構造および剛性に近づけることができる。これにより、第1加圧室10から周囲へ伝わる圧力波と、第2加圧室10dから周囲へ伝わる圧力波とを更に近似させることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドにおいて、第2吐出流路7dの横断面の面積が、第1吐出流路7の横断面の面積よりも大きくてもよい。このような構成を有しているときには、第2加圧部30dの駆動により第2吐出流路7d内の液体に伝わる圧力波を分散させて減衰させることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドは、第1供給流路14は、横断面の面積が他の部分よりも小さい第1絞り部6を有しており、第2供給流路14dは、横断面の面積が他の部分よりも小さい第2絞り部6dを有しており、第2絞り部6dの横断面の面積が、第1絞り部6の横断面の面積よりも大きい構成を有していてもよい。このような構成を有しているときには、第2個別流路12dの構造を第1個別流路12の構造に近似させつつ、第2加圧部30dの駆動により生じた圧力波が第2供給流路14dを介して共通流路5へ逃げやすくすることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドは、共通流路5は、第1吐出口8および第2吐出口8dの近くに位置する第1内面と、第1内面と反対側に位置する第2内面と、を有しており、第2供給流路14dおよびバイパス流路16が、第2内面に開口している構成を有していてもよい。このような構成を有しているときには、加圧パージの際に、共通流路5内の気泡が排出されやすくすることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドでは、第1加圧部30の形状と第2加圧部30dの形状とが等しく、第1加圧室10の形状と第2加圧室10dの形状とが等しくてもよい。このような構成を有しているときには、第1加圧部30の駆動より周囲へ伝わる圧力波と、第2加圧室10dの駆動により周囲へ伝わる圧力波と近似させることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドでは、1つの第2個別流路12dにおける第2供給流路14dおよびバイパス流路16が、1つの共通流路5に接続されている。このような構成を有しているときには、他の共通流路5内の液体を介して伝達する圧力波による影響を受け難いようにすることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドは、第1個別流路12および第2個別流路12dが列を成すように配置されており、第2個別流路12dは、列の両端にそれぞれ複数配置されている構成を有している。このような構成を有しているときには、列の中央部に位置する第1個別流路12から吐出される液体の量と、列の端部に位置する第1個別流路12から吐出される液体の量との差異を更に小さくすることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドは、平面視において、第1方向(図の+x方向)の長さが、第1方向(図の+x方向)に垂直な第2方向(図の+y方向)の長さよりも大きい形状を有しており、列は第1方向(図の+x方向)に延びており、第2個別流路12dは、前記第1方向(図の+x方向)の端部および前記第1方向(図の+x方向)と逆方向である第3方向(図の−x方向)の端部に配置されている。このような構成を有しているときには、顕著な濃度斑の発生が低減できるとともに小型の液体吐出ヘッドを得ることができる。
また、本開示の液体吐出ヘッドでは、平面視において、第1個別流路12および第1加圧部30が、第4方向およびそれに交差する第5方向に2次元的に配置されており、第1個別流路12および第1加圧部30が配置された領域を囲むように、第2個別流路12dおよび第2加圧部30dが配置されているようにしてもよい。このような構成を有しているときには、濃度斑の発生を更に低減することができる。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
2a・・・ヘッド本体
4・・・流路部材
4a〜4m・・・(流路部材の)プレート
5・・・共通流路
5a・・・開口
5b・・・分岐流路
6・・・第1絞り部
6d・・・第2絞り部
7・・・第1吐出流路
7d・・・第2吐出流路
8・・・第1吐出口
8d・・・第2吐出口
9・・・吐出口行
10・・・第1加圧室
10d・・・第2加圧室
11・・・加圧室行
12・・・第1個別流路
12d・・・第2個別流路
14・・・第1供給流路
14d・・・第2供給流路
15・・・隔壁(仕切り部)
16・・・バイパス流路
21・・・圧電アクチュエータ基板
21a・・・圧電セラミック層(振動板)
21b・・・圧電セラミック層
24・・・共通電極
25・・・個別電極
25a・・・個別電極本体
25b・・・引出電極
26・・・接続電極
28・・・共通電極用表面電極
30・・・第1加圧部(変位素子)
30d・・・第2加圧部30d(変位素子)

Claims (11)

  1. 流路部材と、複数の加圧部と、を有しており、
    前記流路部材は、1つ以上の第1個別流路および1つ以上の第2個別流路を含む複数の個別流路と、該複数の個別流路が接続された共通流路と、を有しており、
    前記第1個別流路は、第1吐出口と、第1加圧室と、前記共通流路と前記第1加圧室とを繋いでいる第1供給流路と、前記第1加圧室と前記第1吐出口とを繋いでいる第1吐出流路と、を有しており、
    前記第2個別流路は、第2吐出口と、第2加圧室と、前記共通流路と前記第2加圧室とを繋いでいる第2供給流路と、前記第2加圧室と前記第2吐出口とを繋いでいる第2吐出流路と、前記共通流路と前記第2吐出流路とを繋いでいるバイパス流路と、を有しており、
    前記複数の加圧部は、前記第1加圧室内の液体を加圧する1つ以上の第1加圧部と、前記第2加圧室内の液体を加圧する1つ以上の第2加圧部と、を含んでおり、
    前記第1個別流路および前記第2個別流路は列を成すように配置されており、前記第2個別流路は前記列の端に位置している、
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 動作時に、前記第1加圧部および前記第2加圧部の両方が駆動し、前記第1吐出口から液体が吐出され、前記第2吐出口から液体が吐出されないことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記バイパス流路の横断面の面積が、前記第2吐出口の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記バイパス流路の流路抵抗が前記第2供給流路の流路抵抗よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 平面視において、前記バイパス流路、前記第2加圧室および前記共通流路の3つが全て重なる部分が存在しないように、前記バイパス流路、前記第2加圧室および前記共通流路が位置していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記第2吐出流路の横断面の面積が、前記第1吐出流路の横断面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記第1供給流路は、横断面の面積が他の部分よりも小さい第1絞り部を有しており、前記第2供給流路は、横断面の面積が他の部分よりも小さい第2絞り部を有しており、該第2絞り部の横断面の面積が、前記第1絞り部の横断面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記共通流路は、前記第1吐出口および前記第2吐出口の近くに位置する第1内面と、該第1内面と反対側に位置する第2内面と、を有しており、前記第2供給流路および前記バイパス流路が、前記第2内面に開口していることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記第1加圧部の形状と前記第2加圧部の形状とが等しく、前記第1加圧室の形状と前記第2加圧室の形状とが等しいことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  10. 平面視において、第1方向の長さが、前記第1方向に垂直な第2方向の長さよりも大きい形状を有しており、前記列は前記第1方向に延びており、前記第2個別流路は、前記第1方向の端部および前記第1方向と逆方向である第3方向の端部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドを制御する制御部と、記録媒体を搬送する搬送部と、を有していることを特徴とする記録装置。
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