JP2019111737A - 構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸音性に優れた構造体を提供する。【解決手段】本発明によれば、発泡成形体と、多孔性の表皮シートを有する構造体であって、前記表皮シートは、前記発泡成形体に一体成形されており、前記発泡成形体は、内部に幅広空間を備え、前記幅広空間の厚さが最大の位置での前記発泡成形体の厚さをFt、前記幅広空間の幅をSwとすると、Sw/Ft≧0.5である、構造体が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の内装部材(例:ドアトリム、デッキサイドトリム、天井材)、ラゲッジフロアボード等のボード類、ダクト、エンジンアンダーカバー等の構造体の製造方法に関する。
特許文献1には、樹脂成形体で形成されたダクトが開示されている。
特開2015−1353号公報
ドアトリム、デッキサイドトリム等の内装部材やダクトのような構造体は、自動車内等の静音性を高めるために、吸音性を高めることが望まれている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、吸音性に優れた構造体を提供するものである。
本発明によれば、発泡成形体と、多孔性の表皮シートを有する構造体であって、前記表皮シートは、前記発泡成形体に一体成形されており、前記発泡成形体は、内部に幅広空間を備え、前記幅広空間の厚さが最大の位置での前記発泡成形体の厚さをFt、前記幅広空間の幅をSwとすると、Sw/Ft≧0.5である、構造体が提供される。
本発明者は、多孔性の表皮シートが発泡成形体に一体成形され、かつ上記形状の幅広空間が発泡成形体に設けられた構造体が優れた吸音性を有することを見出し、本発明の完成に到った。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載の構造体であって、前記幅広空間の厚さをStとすると、St/Ft≧0.1である、構造体である。
好ましくは、前記記載の構造体であって、前記幅広空間に対して厚さ方向に隣接する気泡の平均幅をNwとすると、Sw/Nw≧4である、構造体である。
好ましくは、前記記載の構造体であって、前記幅広空間の厚さをStとし、前記幅広空間に対して厚さ方向に隣接する気泡の平均厚さをNtとすると、St/Nt≧2である、構造体である。
好ましくは、前記記載の構造体であって、前記発泡成形体は、幅方向に隣接する複数の前記幅広空間を備える、構造体である。
好ましくは、前記記載の構造体であって、互いに隣接する3つの幅広空間についてのSw/Ftの平均値をAv(Sw/Ft)とすると、Av(Sw/Ft)≧0.5である、構造体である。
本発明の別の観点によれば、発泡成形体と、多孔性の表皮シートを有する構造体の製造方法であって、配置工程と、膨張工程を備え、前記配置工程では、発泡樹脂シートと多孔性の表皮シートを第1及び第2金型間に配置し、前記膨張行程では、前記発泡樹脂シートと前記表皮シートの合計厚さよりも大きい隙間が第1及び第2金型の間に設けられるように第1及び第2金型を近づけた状態で第1及び第2金型の両方によって前記発泡樹脂シートを減圧吸引することによって、前記発泡樹脂シートを厚さが1.5倍以上になるように膨張させる、方法が提供される。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記表皮シートは、前記発泡樹脂シートと第1金型の間に配置され、前記膨張工程は、第1吸引工程と、金型近接工程と、第2吸引工程をこの順に備え、第1吸引工程では、第1金型により前記発泡樹脂シートを減圧吸引して前記発泡樹脂シート及び前記表皮シートを第1金型の内面に沿った形状に賦形し、前記金型近接工程では、前記隙間が第1及び第2金型の間に設けられるように第1及び第2金型を近接させ、第2吸引工程では、第1及び第2金型により前記発泡樹脂シートを減圧吸引することによって前記発泡樹脂シートを膨張させる、方法である。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記隙間は、前記発泡樹脂シートの厚さの2〜10倍である、方法である。
本発明の一実施形態の構造体1の斜視図である。 図1中のA−A断面図である。 構造体1の断面の模式図である。 本発明の一実施形態の発泡成形体の製造方法で利用可能な発泡成形機10の一例を示す。 図4の第1及び第2金型21,22近傍の拡大断面図である。 図5の状態から、金型21によって発泡樹脂シート23を減圧吸引して、発泡樹脂シート23及び表皮シート3を金型21の内面21bに沿った形状に賦形した状態を示す断面図である。 図6の状態から金型21,22を互いに近接させた後に、第2金型22によって発泡樹脂シート23を減圧吸引して発泡樹脂シート23を金型21,22の間の隙間Gの厚さにまで膨張させた状態を示す断面図である。 サンプル1(本発明の実施例の構造体1)の断面写真を示す。 図8中の領域Aの拡大写真である。 図9中の領域Bに存在する幅広空間2b及びこれに隣接した気泡の拡大写真である。 サンプル5(本発明の比較例の構造体1)の断面写真を示す。 吸音率の測定装置を説明するための概念図である。 サンプル1〜4についての、吸音率の測定結果を表すグラフである。 サンプル5〜7についての、吸音率の測定結果を表すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.構造体1
図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態の構造体1は、発泡成形体2と表皮シート3を備える。
表皮シート3は、多孔性であり、発泡成形体2に一体成形されている。より具体的には、発泡成形体2を構成する樹脂が表皮シート3の細孔内に入り込むことによって表皮シート3が発泡成形体2に固着されている。表皮シート3は、一例では、不織布シートである。表皮シート3の材料は、特に限定されないが、PETなどの樹脂が好ましい。
表皮シート3の厚さは、例えば0.5〜5mmであり、好ましくは1〜2.5mmであり、具体的には例えば、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
発泡成形体2は、発泡樹脂で形成された成形体である。発泡成形体2の発泡倍率は、例えば2〜15倍であり、好ましくは3〜10倍であり、具体的には例えば、具体的には例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15倍であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。倍であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
発泡成形体2の厚さは、例えば1〜15mmであり、好ましくは4〜10mmであり、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
図3に示すように、発泡成形体2は、多数の気泡2aによって構成されており、発泡成形体2の内部には幅広空間2bが設けられている。幅広空間2bは、隣接する複数の気泡2aが連通されて構成されている。従って、幅広空間2bは、多数の気泡2aで取り囲まれている。幅広空間2bが設けられる位置は特に限定されないが、発泡成形体2の厚さ方向の中央に設けられることが好ましい。
幅広空間2bの厚さが最大の位置での発泡成形体2の厚さをFt、幅広空間2bの幅をSwとすると、Sw/Ft≧0.5であることが好ましい。幅Swは、図3に示すように、幅広空間2bの幅方向の長さが最大となる部位での幅広空間2bの幅である。後述する実施例・比較例で示すように、多孔性の表皮シート3が発泡成形体2に一体成形され、かつ上記形状の幅広空間2bが発泡成形体2に設けられている場合に、構造体1は、優れた吸音性を有する。Sw/Ftは、例えば0.5〜5であり、好ましくは0.5〜3であり、具体的には例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。発泡成形体2は、このような形状の幅広空間2bを少なくとも1つ有していればよいが、複数有していることがさらに好ましい。
また、互いに隣接する3つの幅広空間2bについてのSw/Ftの平均値をAv(Sw/Ft)とすると、Av(Sw/Ft)≧0.5であることが好ましい。この値の具体例は、Sw/Ftと同様である。
幅広空間2bの厚さをStとすると、St/Ft≧0.1であることが好ましい。厚さStは、図3に示すように、幅広空間2bの厚さ方向の長さが最大となる部位での幅広空間2bの厚さである。St/Ftは、例えば0.1〜0.6であり、好ましくは0.15〜0.5であり、具体的には例えば、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
また、互いに隣接する3つの幅広空間2bについてのSt/Ftの平均値をAv(St/Ft)とすると、Av(St/Ft)≧0.1であることが好ましい。この値の具体例は、St/Ftと同様である。
幅広空間2bに対して厚さ方向に隣接する気泡2aの平均幅をNwとすると、Sw/Nw≧4であることが好ましい。つまり、幅広空間2bは、気泡2aの4つ分以上の幅を有することが好ましい。Nwは、幅広空間2bに対して厚さ方向に隣接する気泡2aのうち幅が100μm以上であるものの幅の平均値を意味する。Sw/Nwは、例えば4〜30であり、具体的には例えば、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
幅広空間2bに対して厚さ方向に隣接する気泡2aの平均厚さをNtとすると、St/Nt≧2であることが好ましい。つまり、幅広空間2bは気泡2aの2つ分以上の厚さを有することが好ましい。Ntは、幅広空間2bに対して厚さ方向に隣接する気泡2aのうち厚さが100μm以上であるものの厚さの平均値を意味する。St/Ntは、例えば2〜10であり、具体的には例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
2.発泡成形機10の構成
図4〜図7を用いて、本発明の一実施形態の構造体1の製造方法の実施に利用可能な発泡成形機10について説明する。発泡成形機10は、樹脂供給装置20と、Tダイ18と、金型21,22を備える。樹脂供給装置20は、ホッパー12と、押出機13と、インジェクタ16と、アキュームレータ17を備える。押出機13とアキュームレータ17は、連結管25を介して連結される。アキュームレータ17とTダイ18は、連結管27を介して連結される。
以下、各構成について詳細に説明する。
<ホッパー12,押出機13>
ホッパー12は、原料樹脂11を押出機13のシリンダ13a内に投入するために用いられる。原料樹脂11の形態は、特に限定されないが、通常は、ペレット状である。原料樹脂は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂であり、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などが挙げられる。原料樹脂11は、ホッパー12からシリンダ13a内に投入された後、シリンダ13a内で加熱されることによって溶融されて溶融樹脂になる。また、シリンダ13a内に配置されたスクリューの回転によってシリンダ13aの先端に向けて搬送される。スクリューは、シリンダ13a内に配置され、その回転によって溶融樹脂を混練しながら搬送する。スクリューの基端にはギア装置が設けられており、ギア装置によってスクリューが回転駆動される。
<インジェクタ16>
シリンダ13aには、シリンダ13a内に発泡剤を注入するためのインジェクタ16が設けられる。インジェクタ16から注入される発泡剤は、物理発泡剤、化学発泡剤、及びその混合物が挙げられるが、物理発泡剤が好ましい。物理発泡剤としては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系物理発泡剤、およびブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤、さらにはそれらの超臨界流体を用いることができる。超臨界流体としては、二酸化炭素、窒素などを用いて作ることが好ましく、窒素であれば臨界温度−149.1℃、臨界圧力3.4MPa以上、二酸化炭素であれば臨界温度31℃、臨界圧力7.4MPa以上とすることにより得られる。化学発泡剤としては、酸(例:クエン酸又はその塩)と塩基(例:重曹)との化学反応により炭酸ガスを発生させるものが挙げられる。化学発泡剤は、インジェクタ16から注入する代わりに、ホッパー12から投入してもよい。
<アキュームレータ17、Tダイ18>
原料樹脂と発泡剤が溶融混練されてなる発泡樹脂は、シリンダ13aの樹脂押出口から押し出され、連結管25を通じてアキュームレータ17内に注入される。アキュームレータ17は、シリンダ17aとその内部で摺動可能なピストン17bを備えており、シリンダ17a内に発泡樹脂が貯留可能になっている。そして、シリンダ17a内に発泡樹脂が所定量貯留された後にピストン17bを移動させることによって、連結管27を通じて発泡樹脂をTダイ18内に設けられたスリットから押し出して垂下させて発泡樹脂シート23を形成する。
<第1及び第2金型21,22>
発泡樹脂シート23は、第1及び第2金型21,22間に導かれる。図4〜図7に示すように、金型21には、多数の減圧吸引孔21aが設けられており、発泡樹脂シート23を減圧吸引して金型21の内面21bに沿った形状に賦形することが可能になっている。内面21bは、凸部21cを有する形状になっており、凸部21cを取り囲むようにピンチオフ部21dが設けられている。金型22には、多数の減圧吸引孔22aが設けられており、発泡樹脂シート23を減圧吸引して金型22の内面22bに沿った形状に賦形することが可能になっている。内面22bは、凸部21cが入り込む形状の凹部22cを有する形状になっており、凹部22cを取り囲むようにピンチオフ部22dが設けられている。なお、金型22の内面22bが凸部を有する形状で、金型21の内面21bが凸部に入り込む凹部を有する形状であってもよい。
3.発泡成形体の製造方法
ここで、図5〜図7を用いて、本発明の一実施形態の構造体1の製造方法について説明する。本実施形態の方法は、配置工程と膨張工程を備える。以下、詳細に説明する。
2.1 配置工程
この工程では、図5に示すように、溶融状態の発泡樹脂をTダイ18のスリットから押し出して垂下させて形成した発泡樹脂シート23と多孔性の表皮シート3を金型21,22間に配置する。本実施形態では、Tダイ18から押し出された発泡樹脂シート23をそのまま使用するダイレクト真空成形が行われるので、発泡樹脂シート23は、成形前に室温にまで冷却されて固化されることがなく、固化された発泡樹脂シート23が成形前に加熱されることもない。また、本実施形態の発泡樹脂シート23は、スリットから押し出された直後は全体がほぼ均一の温度であり、垂下されている間に大気によって表面から徐々に冷却されるものである。そして、発泡樹脂シート23の厚さ方向の中央に向かうほど大気による冷却の影響を受けにくくなるので、本実施形態の発泡樹脂シート23は、厚さ方向の中央に向かうほど温度が上昇して粘度が低くなるという性質を有する。発泡樹脂シート23の肉厚は、特に限定されないが、例えば、0.5〜5mmであり、好ましくは、1〜3mmである。この肉厚は、具体的には例えば、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
2.2 膨張工程
この工程では、図6〜図7に示すように、発泡樹脂シート23と樹脂シート3の合計厚さよりも大きい隙間Gが金型21,22の間に設けられるように金型21,22を近づけた状態で金型21,22の両方によって発泡樹脂シート23を減圧吸引することによって、発泡樹脂シート23を厚さが1.5倍以上になるように膨張させる。
発泡樹脂シート23を厚さが1.5倍以上になるように膨張させると、発泡樹脂シート23の厚さ方向の中央付近の気泡の周囲壁が大きく引き伸ばされて破断されることによって発泡成形体2に幅広空間2bが形成されやすい。幅広空間2bは、隣接する気泡の間の境界壁を破断させて連通させることによって形成される。発泡樹脂シート23の膨張倍率(膨張後の厚さ/膨張前の厚さ)は、例えば1.5〜10倍であり、具体的には例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10倍であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
膨張前の発泡樹脂シート23の発泡倍率は特に限定されないが、この発泡倍率が高いほど幅広空間2bが形成されやすく、1.2倍以上であることが好ましく、例えば1.2〜8倍であり、具体的には例えば、1.2、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8倍であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
本実施形態では、金型21,22にピンチオフ部21d,22dが設けられており、ピンチオフ部21d,22dが当接するまで金型21,22を近接させると、ピンチオフ部21d,22dで囲まれる空間が密閉空間Sとなる。発泡樹脂シート23及び表皮シート3のうち密閉空間S外にある部位はバリ23bとなる。
金型21,22の内面21b,22bは、密閉空間S内の全体に渡って、金型21,22の間の隙間Gが略一定となるように構成されている。この状態で金型21,22によって発泡樹脂シート23を減圧吸引すると発泡樹脂シート23が膨張して、発泡樹脂シート23と表皮シート3の合計厚さが隙間Gと一致する。なお、ピンチオフ部21d,22dは、必須の構成ではなく、金型21,22の間に隙間Gが形成されるように金型21,22を非接触で近接させてもよい。但し、ピンチオフ部21d,22dを当接させて密閉空間Sを形成した状態で金型21,22による減圧吸引を行うと密閉空間S内の圧力が低下されやすいので、発泡樹脂シート23が膨張されやすいというメリットがある。
金型21,22による減圧吸引は,金型21による減圧吸引を先に開始してもよく,金型22による減圧吸引を先に開始してもよく,金型21,22による減圧吸引を同時に開始してもよい。また,金型21による減圧吸引を先に停止してもよく,金型22による減圧吸引を先に停止してもよく,金型21,22による減圧吸引を同時に停止してもよい。金型21,22による減圧吸引は,金型21,22を近接させる前に開始してもよく,近接させた後に開始してもよい。
膨張工程は,好ましくは,第1吸引工程と,金型近接工程と,第2吸引工程をこの順で実行することによって行う。第1吸引工程では,図6に示すように,金型21により発泡樹脂シート23を減圧吸引して発泡樹脂シート23及び表皮シート3を金型21の内面21bに沿った形状に賦形する。金型近接工程では,図6に示すように,隙間Gが金型21,22の間に設けられるように金型21,22を近接させる。第2吸引工程では,図7に示すように,金型21,22により発泡樹脂シート23を減圧吸引することによって発泡樹脂シート23を膨張させる。このような工程では、発泡樹脂シート23が金型21と直接接触しないので、発泡樹脂シート23が金型21によって冷却されることが抑制される。
2.3 仕上げ工程
膨張工程の後,金型21,22を開いて,バリ23bのついた構造体1を取り出し,バリ23bを切除して,図1に示す構造体1が得られる。
以上のように,本実施形態の方法によれば,軽量且つ高剛性であり、且つ吸音性に優れた構造体1を製造することができる。
3.用途
本発明の構造体1は,吸音性が高いので,そのような物性が好適である種々の用途に利用可能である。
本発明の構造体1は,例えば,ドアトリムや天井材などの自動車用内装部材,ラゲッジフロアボード等のボード類,ダクト,エンジンアンダーカバー等に利用可能である。
4.その他の実施形態
・上記実施形態では、発泡成形体2の片面に表皮シート3が一体成形されているが、発泡成形体2の両面に表皮シート3を一体成形してもよい。また、発泡成形体2の一方の面に表皮シート3を一体成形して、発泡成形体2の他方の面に表皮シート3を後貼りしてもよい。
・上記実施形態では、Tダイから発泡樹脂シート23を押し出しているが、筒状の発泡パリソンを開環してシート状にすることによって発泡樹脂シート23を形成してもよい。
1.サンプルの製造
以下の方法で吸音率測定のためのサンプルを準備した。
1−1.サンプル1(本発明の実施例)
図4に示す発泡成形機10を用いて,構造体1を作製した。押出機13のシリンダ13aの内径は50mmであり,L/D=34であった。原料樹脂には,ポリプロピレン系樹脂A(ポレアリス社(Borealis AG)製,商品名「Daploy WB140」)と,ポリプロピレン系樹脂B(日本ポリプロ株式会社製,商品名「ノバテックPP・BC4BSW」)を質量比60:40で混合し,樹脂100質量部に対して,核剤として20wt%の炭酸水素ナトリウム系発泡剤を含むLDPEベースマスターバッチ(大日精化工業株式会社製,商品名「ファインセルマスターP0217K」)を1.0重量部,および着色剤として40wt%のカーボンブラックを含むLLDPEベースマスターバッチ1.0重量部を添加したものを用いた。発泡樹脂シート23の温度が190〜200℃になるように各部位の温度制御を行った。スクリューの回転数は,60rpmとし,押出量は,20kg/hrとした。発泡剤は,Nガスを用い,インジェクタ16を介して注入した。注入量は,0.4[wt.%](N注入量/樹脂押出量)とした。発泡樹脂シート23は,厚さが3mmになるようにTダイ18のリップのクリアランスと押出量の制御を行った。発泡樹脂シート23の発泡倍率は4.5倍であった。
以上の条件で形成された発泡樹脂シート23と厚さ1.5mmの表皮シート(不織布シート)3を金型21,22の間に配置した。表皮シート3は、発泡樹脂シート23と金型21の間に配置した。次に,金型21によって発泡樹脂シート23の減圧吸引を行って発泡樹脂シート23及び表皮シート3を金型21の内面に沿った形状に賦形した。次に,金型21,22の距離を近づけた状態で,金型21,22による発泡樹脂シート23の減圧吸引を行って発泡樹脂シート23を膨張させた。発泡樹脂シート23は、発泡成形体2の厚さが6.3mmになるように膨張させた。これによって、表皮シート3が発泡成形体2に一体成形された構造体1を得た。金型21,22による減圧吸引は,−0.1MPaで行った。
構造体1の厚さ方向に平行な断面が露出するように、構造体1を切断し、拡大倍率50倍で断面写真を撮影した。得られた写真を図8〜図10に示す。これらの写真に示すように、実施例1の構造体1の発泡成形体2には、幅方向に隣接する複数の幅広空間2bが形成されていた。図8の写真では、5つの幅広空間2bが確認できた。5つの幅広空間2bを上から順にNo.1〜5とすると、各幅広空間2bの厚さSt、幅Sw、Sw/Ftは、表1の通りであった。表1に示すように、全ての幅広空間2bについて、Sw/Ft≧0.5となっていた。
1−2.サンプル2(比較例)
表皮シート3を一体成形させない点以外は、サンプル1と同様の方法で発泡成形体2を製造し、発泡成形体2に表皮シート3を後貼りしたものをサンプル2とした。
1−3.サンプル3(比較例)
表皮シート3を一体成形させない点以外は、サンプル1と同様の方法で発泡成形体2を製造し、この発泡成形体2をそのままサンプル3とした。
1−4.サンプル4(比較例)
表皮シート3のみをそのままサンプル4とした。
1−5.サンプル5(比較例)
発泡成形体2の厚さが3.8mmになるように発泡樹脂シート23を膨張させた点以外は、サンプル1と同様の方法で構造体1を製造してサンプル5とした。サンプル1と同様の方法で撮影した断面写真を図11に示す。図11に示すように、サンプル5には、Sw/Ft≧0.5となる幅広空間は存在していなかった。
1−6.サンプル6(比較例)
表皮シート3を一体成形させない点以外は、サンプル5と同様の方法で発泡成形体2を製造し、発泡成形体2に表皮シート3を後貼りしたものをサンプル6とした。
1−7.サンプル7(比較例)
表皮シート3を一体成形させない点以外は、サンプル5と同様の方法で発泡成形体2を製造し、この発泡成形体2をそのままサンプル7とした。
2.吸音率の測定装置
次に、図12を用いて、吸音率の測定装置について説明する。本実施形態では、細管34にサンプル37を設置し、スピーカ35から音を出力する。そして、出力音と反射音の音圧をマイク36で測定し、出力音と反射音の音圧の減衰から吸音率を計測する。
3.吸音率の測定結果
次に、図13〜図14を用いて、吸音率の測定結果について説明する。本実施形態では、ISO10534−2に準拠し、細管34はφ29mmである。スピーカ35の出力音を100〜6000Hzまで変化させ、各周波数の音について吸音率を測定した。サンプル1〜4についての測定結果を図13に示し、サンプル5〜7についての測定結果を図14に示す。
図13〜図14に示すように、サンプル1と、その他のサンプルとでは、1000Hz以上の周波数領域において吸音率に顕著な差異が見られた。
表皮シート3を発泡成形体2に一体成形させていないサンプル2において吸音率が低かったことは、表皮シート3を発泡成形体2に一体成形させることが、吸音性を高めるのに必須の要件であることを示している。また、表皮シート3が発泡成形体2に一体成形されているが発泡成形体2に幅広空間が存在していないサンプル5において吸音率が低かったことは、発泡成形体2に幅広空間が存在していることも吸音性を高めるのに必須の要件であることを示している。
1 :構造体
2 :発泡成形体
2a :気泡
2b :幅広空間
3 :表皮シート
10 :発泡成形機
11 :原料樹脂
12 :ホッパー
13 :押出機
13a :シリンダ
16 :インジェクタ
17 :アキュームレータ
17a :シリンダ
17b :ピストン
18 :Tダイ
20 :樹脂供給装置
21 :第1金型
21a:減圧吸引孔
21b:内面
21c:凸部
21d:ピンチオフ部
22 :第2金型
22a:減圧吸引孔
22b:内面
22c:凹部
22d:ピンチオフ部
23 :発泡樹脂シート
23a:部位
23b:バリ
25 :連結管
27 :連結管
30 :ダクト
31 :ダクト半体
31a:接合面
32 :ダクト半体
32a:接合面
33 :ヒンジ部
34 :細管
35 :スピーカ
36 :マイク

Claims (9)

  1. 発泡成形体と、多孔性の表皮シートを有する構造体であって、
    前記表皮シートは、前記発泡成形体に一体成形されており、
    前記発泡成形体は、内部に幅広空間を備え、
    前記幅広空間の厚さが最大の位置での前記発泡成形体の厚さをFt、前記幅広空間の幅をSwとすると、Sw/Ft≧0.5である、構造体。
  2. 請求項1に記載の構造体であって、
    前記幅広空間の厚さをStとすると、St/Ft≧0.1である、構造体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の構造体であって、
    前記幅広空間に対して厚さ方向に隣接する気泡の平均幅をNwとすると、Sw/Nw≧4である、構造体。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の構造体であって、
    前記幅広空間の厚さをStとし、前記幅広空間に対して厚さ方向に隣接する気泡の平均厚さをNtとすると、St/Nt≧2である、構造体。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の構造体であって、
    前記発泡成形体は、幅方向に隣接する複数の前記幅広空間を備える、構造体。
  6. 請求項5に記載の構造体であって、
    互いに隣接する3つの幅広空間についてのSw/Ftの平均値をAv(Sw/Ft)とすると、Av(Sw/Ft)≧0.5である、構造体。
  7. 発泡成形体と、多孔性の表皮シートを有する構造体の製造方法であって、
    配置工程と、膨張工程を備え、
    前記配置工程では、発泡樹脂シートと多孔性の表皮シートを第1及び第2金型間に配置し、
    前記膨張行程では、前記発泡樹脂シートと前記表皮シートの合計厚さよりも大きい隙間が第1及び第2金型の間に設けられるように第1及び第2金型を近づけた状態で第1及び第2金型の両方によって前記発泡樹脂シートを減圧吸引することによって、前記発泡樹脂シートを厚さが1.5倍以上になるように膨張させる、方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、
    前記表皮シートは、前記発泡樹脂シートと第1金型の間に配置され、
    前記膨張工程は、第1吸引工程と、金型近接工程と、第2吸引工程をこの順に備え、
    第1吸引工程では、第1金型により前記発泡樹脂シートを減圧吸引して前記発泡樹脂シート及び前記表皮シートを第1金型の内面に沿った形状に賦形し、
    前記金型近接工程では、前記隙間が第1及び第2金型の間に設けられるように第1及び第2金型を近接させ、
    第2吸引工程では、第1及び第2金型により前記発泡樹脂シートを減圧吸引することによって前記発泡樹脂シートを膨張させる、方法。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の方法であって、
    前記隙間は、前記発泡樹脂シートの厚さの2〜10倍である、方法。
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