JP2019111151A - 止血用テープと、それを用いた止血用具及び止血用キット - Google Patents
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Abstract
【課題】患部の位置にかかわらず止血作業を容易かつ確実に実施する。【解決手段】止血用テープ1は、伸長性を示す伸長部分21、及び伸長部分に隣接すると共に非伸長性を示す第1非伸長部分22を有する基材層11と、第1非伸長部分において使用時に止血パッド2が存在する側の表面上に設けられる第1接着層13と、伸長部分が伸長して基材層が巻回されたときにその伸長方向における基材層の一方側と他方側とを接合し、基材層の巻回状態を保持する巻回保持部14と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明の一側面は、止血用テープと、それを用いた止血用具及び止血用キットに関する。
例えば下記特許文献1には、動脈血管に対する穿刺孔を圧迫して止血するための止血用具が開示されている。この止血用具では、穿刺孔に当てられるパッドを押圧するために患部に巻き付ける結束バンドが用いられている。この結束バンドの一端にはリングが取り付けられ、その他端にはフック状の面ファスナーが取り付けられている。このような止血用具を用いる場合、まず穿刺孔に対してパッドを押圧し続けながら、結束バンドを患部周辺に巻き付ける。そして結束バンドの他端をリングに通して引っ張り、面ファスナーを結束バンドの表面に押し付けて係止する。
上記特許文献1に示される止血用具を、利用者単独で用いることは困難な場合がある。例えば、利用者の肘またはその周辺に対して上記止血用具を用いる場合、当該利用者は、片手でほぼ全ての止血作業をしなければならない。このとき、パッドを押圧し続けながら結束バンドを巻き付けることは、利用者単独では困難である。このため、患部の位置にかかわらず止血作業を容易かつ確実に実施できる手段が望まれている。
本発明の一側面に係る止血用テープは、伸長性を示す伸長部分、及び伸長部分に隣接すると共に非伸長性を示す第1非伸長部分を有する基材層と、第1非伸長部分において使用時に止血パッドが存在する側の表面上に設けられる第1接着層と、伸長部分が伸長して基材層が巻回されたときにその伸長方向における基材層の端部同士を接合し、基材層の巻回状態を保持する巻回保持部と、を備える。
このような側面によれば、例えば、利用者は、第1接着層に止血パッドを接着した後、穿刺孔等の患部に当該止血パッドを当接させ、且つ、当該患部の周辺に第1接着層を接着させることができる。これにより、第1接着層によって止血パッドを患部に仮固定できるので、当該止血パッドを押圧し続けることなく基材層を患部周辺に容易に巻回できる。また、第1接着層が第1非伸長部分の表面上に設けられているので、基材層を患部周辺に巻回する際に第1接着層の変形が第1非伸長部分によって抑制される。これにより、伸長部分を伸長するために引張荷重を基材層に印加したときであっても第1接着層の患部周辺への接着が剥がれにくくなるので、止血パッドの患部への仮固定を確実に実施できる。このため、例えば利用者が片手しか用いることができない場合であっても、上記止血用テープを用いた止血作業を当該利用者単独で容易かつ確実に実施できる。加えて上記側面に係る止血用テープでは、基材層を患部周辺に巻回させるときに伸長部分が伸長する。このため、使用前における基材層の長さを使用後よりも短くできるので、止血用テープの小型化が実現可能である。
本発明の一側面によれば、患部の位置にかかわらず止血作業を容易かつ確実に実施できる。また、止血用テープの小型化が実現可能である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は理解を容易にするため一部を誇張して描いており、寸法比率等は図面に記載のものに限定されるものではない。
本明細書における「止血用テープ」は、人間などの生物(以下、単に「利用者」とする)の患部(例えば、創傷、傷口、または穿刺孔など)を止血するため、当該患部に当接される止血パッドを固定する部材を意味する。より具体的には、止血用テープは、利用者の患部に当接した止血パッドを固定すべく、当該止血パッドに覆われた患部及びその周辺に巻き付けられ、巻回保持部によって巻回状態を保持される部材を意味する。巻回保持部は、止血用テープに備えられており、当該止血用テープを構成する基材の一方側と他方側とを接合することによってその巻回状態を保持する部材である(巻回保持部の詳細な構成は後述する)。以下では、利用者において止血用テープにて巻き付けられる箇所を「患部周辺」と定義する。なお、止血パッドは、例えばガーゼなどの任意の物品であってよく、その種類、形状、寸法などは何ら限定されない。例えば、止血パッドの形状は、平面視にて円形状を呈してもよく、多角形状を呈してもよい。
本明細書における「止血用具」は、上記止血用テープと上記止血パッドとが一体化されてなる部材を意味する。本明細書における「止血キット」は、少なくとも上記止血用テープと上記止血パッドとを含む用具を意味する。
本明細書における「伸長性を示す部材」は、引張荷重が与えられることによって、当該引張荷重の方向に沿って容易に伸長可能な部材を意味する。例えば、10N/25mmの引張強度を印加した場合に伸長率が100%以上である部材が、伸長性を示す部材とされる。ここで、伸長率が100%以上である部材とは、所定方向に沿って上記引張強度が与えられる場合に、伸長後における部材の所定方向に沿った長さが伸長前の部材の長さの2倍以上になる部材を意味する。本明細書における「伸縮性を示す部材」は、伸長性を示し、且つ、引張荷重が与えられなくなることによって伸長して変形した部分が、伸長した方向と逆方向に向かって縮む部材を意味する。本明細書における「弾性を示す部材」とは、伸長性を示し、且つ、引張荷重が与えられなくなることによって伸長して変形した部分が完全にもしくは略完全に元の形状になるように縮む部材を意味する。したがって本明細書では、伸長性は伸縮性の上位概念であり、伸縮性は弾性の上位概念である。本明細書における伸長性を示す部材は、単に伸長性のみを示す部材でもよいし、伸縮性を示す部材でもよいし、弾性を示す部材でもよい。
本明細書における「非伸長性を示す部材」は、引張荷重が与えられた場合、当該引張荷重の方向に沿って容易に伸長しない部材を意味する。例えば、10N/25mmの引張強度を印加した場合であっても伸長率が50%未満である部材が、非伸長性を示す部材とされる。このため、非伸長性を示す部材は、引張荷重の強さ等によっては多少伸長する部材であってもよい。
(第1実施形態)
まず、図1及び図2を参照しながら、第1実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の構成及び構造を説明する。図1(a)は、第1実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の平面図であり、図1(b)は、図1(a)のIb−Ib線に沿った断面図である。図2(a)は、図1(a)に示される止血用具を展開した状態を示す図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線に沿った断面図である。
まず、図1及び図2を参照しながら、第1実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の構成及び構造を説明する。図1(a)は、第1実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の平面図であり、図1(b)は、図1(a)のIb−Ib線に沿った断面図である。図2(a)は、図1(a)に示される止血用具を展開した状態を示す図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線に沿った断面図である。
図1(a),(b)に示される止血用具100は、第1実施形態に係る止血用テープ1と、止血用テープ1に固定される止血パッド2とを備える。止血用テープ1は、平面視にて帯形状を呈する。帯形状とは、例えば細長い板形状、棒形状、または紐形状などを意味する。第1実施形態では、帯形状は、平面視にて一対の長辺及び一対の短辺を有する略長方形状に相当する。止血用テープ1の長辺長さの下限値は、例えば40mm、50mm、又は60mmであり、長辺長さの上限値は、例えば200mm、180mm、又は150mmである。止血用テープ1の短辺長さの下限値は、例えば20mm、30mm、又は40mmであり、短辺長さの上限値は、例えば70mm、60mm、又は50mmである。以下では、止血用テープ1の長辺に沿った方向を「長手方向X」と定義し、止血用テープ1の短辺に沿った方向を「短手方向Y」と定義する。長手方向Xは、基材層11の巻付け方向、基材層11の展開方向、または基材層11の伸長方向と言い換えることができる。
止血用テープ1は、基材層11と、基材層11の表面上に設けられる接着層12〜14とを備える。止血パッド2は、止血用具100において患部に直接接触する部材であり、接着層13を介して止血用テープ1に固定されている。
基材層11は、止血用テープ1の主構成部分であり、平面視にて帯形状を呈する。基材層11は、一または複数の部材を有する。第1実施形態では、基材層11は、伸長性を示す伸長部分21、及び伸長部分21に隣接すると共に非伸長性を示す非伸長部分22(第1非伸長部分)を有する。伸長部分21及び非伸長部分22は、互いに独立した部材であり、伸長部分21の端部21aと、非伸長部分22の端部22aとの接合部C1の周辺を折り目とし、長手方向Xに沿って折りたたまれることによって互いに積層している。以下では、伸長部分21及び非伸長部分22が積層されており、基材層11(もしくは止血用テープ1)が折りたたまれている状態を「積層状態」と定義し、伸長部分21及び非伸長部分22が積層する方向を「積層方向Z」と定義する。図1(b)においては、説明のため、伸長部分21及び非伸長部分22の大部分は、積層方向Zにおいて密着していないが、本来は、これらは積層方向Zにおいて互いに密着している。このため、使用前の基材層11は、折りたたまれた状態になっている。
基材層11では、使用時に上記折り目を解消して、伸長部分21及び非伸長部分22を展開できる。例えば、非伸長部分22を固定しつつ伸長部分21を積層方向Zに引っ張る。そして、接合部C1以外における伸長部分21と非伸長部分22との密着を解消させると共に折り目を取ることによって、伸長部分21及び非伸長部分22を展開できる。これにより図2(a),(b)に示されるように、展開された基材層11は、伸長部分21及び非伸長部分22が順に配列された一本の帯形状を呈する。以下では、基材層11が一本の帯形状を呈する状態を「展開状態」と定義する。なお、以下の説明では、「基材層11(もしくは止血用テープ1)が展開状態である場合」などと規定されない限り、基材層11の各構成要素は、積層状態における基材層11の説明を記載する。
次に、基材層11の伸長部分21と、伸長部分21に設けられる接着層12とを詳細に説明する。伸長部分21は、止血用テープ1が積層状態にて患部及びその周辺に固定された場合に表層側に位置する層状の伸長性を示す部材(伸長層)であり、帯形状を呈する。非伸長部分22側を向く表面21cと、表面21cと反対側の表面21dとを有している。表面21c上には接着層12が設けられている。表面21dは、非伸長部分22に貼り付けられた止血パッド2が存在する側と反対側に設けられている。積層方向Zから見て、伸長前の伸長部分21の長辺長さは、例えば60mm〜150mmであり、伸長部分21の短辺長さは、例えば30mm〜60mmである。伸長部分21の厚さは、例えば0.02mm〜0.30mmである。
長手方向Xにおける伸長部分21の端部21aは、上述した接合部C1を構成する部分である。伸長部分21の端部21aの一部は、積層方向Zにおいて非伸長部分22の端部22aと重なっている。長手方向Xにおける伸長部分21の他方の端部21bは、長手方向Xにおける非伸長部分22の他方の端部22bよりも端部21a側に位置している。
伸長部分21は、例えば樹脂製のフィルム、または織物、編物、不織布等の布(以下、単に布とする)から構成される。第1実施形態では、伸長部分21は樹脂製のフィルムである。伸長部分21は、単一層構造を有してもよいし、多層構造を有してもよい。第1実施形態では、伸長部分21は、少なくとも伸縮性を示しており、長手方向Xに引張荷重を加えたときにその少なくとも一部の幅が狭まる。このため、長手方向Xに沿って伸長部分21を伸長した場合、伸長部分21は、後述する図3(b)に示されるように変形する。
伸長部分21に含まれる樹脂材料には、エラストマーが含有されている。エラストマーの種類は、特に限定されず、例えば、スチレン系エラストマー又はオレフィン系エラストマーを少なくとも含んでいる。より具体的には、エラストマーとしては、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、ポリウレタン、ポリオレフィン(エチレンコポリマー(例えば、エチレンビニルアセテート、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー)、ポリプロピレンコポリマー、ポリプロピレンホモポリマー等)などが挙げられる。上記樹脂材料は、エラストマーと、他の成分とを含んでもよい。例えば、樹脂材料は、剛化剤(例えば、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、クマロン−インデン樹脂)、粘度降下剤、可塑剤、粘着付与剤(例えば、脂肪族炭化水素粘着付与剤、芳香族炭化水素粘着付与剤、テルペン樹脂粘着付与剤、水素化テルペン樹脂粘着付与剤)、顔料、酸化防止剤、静電防止剤、接着剤、粘着防止剤、スリップ剤、熱安定剤、光安定剤、発泡剤、ガラスバブル、スターチ、金属塩、マイクロファイバー等を含んでもよい。
伸長部分21の特性(例えば、強度、伸長特性、巻付特性等)は、止血用テープ1の構成及び形状に応じて適宜調整することが可能である。本実施形態のように伸長部分21が伸縮性を示し、長手方向Xに引張荷重を加えたときにその少なくとも一部の幅が狭まる場合、伸長部分21の戻り荷重と、伸長部分21の短辺長さの減少度(すなわち、後述する図3(b)に示される伸長部分21の幅W1の減少度)もまた、止血用テープ1の構造及び形状に応じて適宜調整することが可能である。
上述した特性を有する伸長部分21を用いることによって、伸長部分21を伸長したときの基材層11の最大長辺長さは、例えば、積層状態の基材層11の長辺長さの少なくとも3.5倍以上になり得る。具体的には、積層状態の基材層11の長辺長さを80mmと設定した場合、展開状態の基材層11の最大長辺長さは、280mm以上、又は350mm以上になり得る。これにより、伸長前の伸長部分21を備える基材層11の積層状態での寸法(特に、基材層11の長辺長さ)を小型化可能である。
接着層12は、基材層11の積層状態を維持すべく部材同士(第1実施形態では、伸長部分21と非伸長部分22)を貼り合わせる層(第2接着層)である。本明細書では、異なる二つの部材同士(例えば、伸長部分21と非伸長部分22)を貼り合わせる機能を奏する層が、接着層に相当する。このため、異なる二つの部材同士の貼り合わせは、必ずしも粘着剤等によって実施されなくてもよく、例えばメカニカルファスナー(面ファスナー)等の接合部材(図示しない)によって実施されてもよい。本明細書では、粘着剤等による異なる二つの部材同士の貼り合わせと、接合部材による異なる二つの部材同士の貼り合わせとの両方が、接着(接合もしくは固定とも称される)と解釈され得る。このため、第1実施形態では、接着層12は粘着剤等を含有しているが、これに限られず、接着層は接合部材の一部を構成するものとも解釈され得る。接着層12は、非伸長部分22に着脱可能に接着していると共に、接合部C1にて非伸長部分22に設けられる接着層13に接着している。このため、基材層11が積層状態である場合、伸長部分21は、接着層12を介して非伸長部分22と着脱可能に接着している。換言すると、基材層11が積層状態である場合、伸長部分21と非伸長部分22とは、接着層12によって互いに積層された状態が維持される。接着層12の厚さは、例えば、5μm〜100μmである。
第1実施形態では、接着層12は、伸長部分21の表面21cに粘着剤等を配置することによって形成される。接着層12は、伸長部分21の表面21cの全面に配置されてもよいし、伸長部分21の表面21cの一部に配置されてもよい。接着層12が伸長部分21の表面21cの一部に配置される場合、接着層12は、パターン状に配置されてもよいし、無規則に配置されていてもよい。接着層12に含まれる粘着剤は、例えばアクリル系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、またはシリコーン系粘着剤である。
接着層12の接着力(すなわち、接着層12が設けられた伸長部分21を非伸長部分22から剥離するときに印加される力)は、例えば0.1N/25mm以上または0.3N/25mm以上であって、5N/25mm以下または2.5N/25mm以下である。上記接着力が0.1N/25mm以上であることにより、伸長部分21が非伸長部分22から不用意に展開することを防止できる。上記接着力が5N/25mm以下であることにより、適度な力にて伸長部分21を非伸長部分22から脱離できる。
上記接着力は、例えば以下のようにして測定した90度剥離力(接着層12を介した伸長部分21の非伸長部分22に対する90度剥離力)に相当し、基材層11における伸長部分21と非伸長部分22との展開容易性の指標になる。まず、接着層12が設けられた伸長部分21を加工し、25mm×50mmの試験片を準備する。次に、当該試験片の半分(25mm×25mm)に対して、25mm×210mmの紙片を貼り付け、直線形状を呈するサンプルを設ける。次に、被着体である非伸長部分22を50mm×100mmのアルミ板に貼り付ける。ここで、アルミ板の長辺は、サンプルを剥離する方向(剥離方向)に沿って延びるように配置される。次に、2kgローラーを用いて、サンプルにおいて試験片が露出している部分(25mm×25mm)を被着体に貼り付ける。そして、引張試験機又はこれと同等の性能を持つ装置を用い、速度300mm/minの条件下で、サンプルを被着体から剥離させることによって、上記接着力を測定する。なお、90度剥離力は、剥離開始から移動距離25mmまでの平均値とする。
次に、基材層11の非伸長部分22と、非伸長部分22に設けられる接着層13,14とを詳細に説明する。非伸長部分22は、止血用テープ1の使用時に止血パッド2を固定すると共に患部の周辺に固定される層状の非伸長性を示す部材(第1非伸長層)であり、帯形状を呈する。非伸長部分22は、伸長部分21と反対側を向く表面22cと、表面22cと反対側であって伸長部分21側を向く表面22dとを有している。表面22c上には接着層13が設けられており、表面22d上には接着層14が設けられている。表面22dには、伸長部分21に設けられた接着層12が着脱可能に接着されている。なお、表面22dの少なくとも一部には、剥離剤層(図示しない)が設けられてもよい。これにより、接着層12が設けられた伸長部分21が容易に非伸長部分22から剥離される。積層方向Zから見て、非伸長部分22の長辺長さは、例えば80mm〜150mmであり、非伸長部分22の短辺長さは、例えば30mm〜60mmである。非伸長部分22の厚さは、例えば0.02mm〜0.50mmである。
長手方向Xにおける非伸長部分22の端部22aは、接合部C1を構成する部分である。基材層11が積層状態である場合、端部22aは、伸長部分21側に向かって折り返されている。長手方向Xにおける非伸長部分22の端部22bは、積層方向Zから見て伸長部分21から露出している。すなわち、積層方向Zから見た端部22bは、長手方向Xにおいて伸長部分21の端部21bよりも外側に突出している。
非伸長部分22は、例えば樹脂製のフィルム、紙、または布から構成される。非伸長部分22が樹脂製のフィルムである場合、非伸長部分22を構成する樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタンなどの合成樹脂である。
接着層13は、使用時に患部の周辺に接着する層(第1接着層)である。接着層13には、止血パッド2が接着されている。このため、接着層13は、非伸長部分22において使用時に止血パッド2が存在する側の表面22c上に設けられると言える。接着層13において非伸長部分22の端部22aに設けられた部分の一部は、折り返されて伸長部分21側を向いており、接着層12に直接接着される。接着層13の厚さは、例えば、5μm〜100μmである。なお、接着層13は、使用前において他の部材等との不用意な接着を防ぐために、保護シート等によって覆われていてもよい。
接着層13は、非伸長部分22の表面22cに粘着剤等を配置することによって形成される。接着層13は、非伸長部分22の表面22cの全面に配置されてもよいし、非伸長部分22の表面22cの一部に配置されてもよい。接着層13が非伸長部分22の表面22cの一部に配置される場合、接着層13は、パターン状に配置されてもよいし、無規則に配置されていてもよい。接着層13に含まれる粘着剤は、人体等に使用可能なものであり、例えば、接着層12に含まれる粘着剤と同様のものとすることもできる。接着層13の接着力は、接着層12の接着力よりも大きくてもよい。例えば、接着層13の接着力は、1N/25mm以上であって、10N/25mm以下でもよい。接着層13の接着力が1N/25mm以上であることにより、接着層13が利用者に接着された後であって基材層11を展開状態にするとき、並びに伸長部分21に引張荷重を加えるとき、接着層13が脱離することを良好に抑制できる。接着層13の接着力が10N/25mm以下であることにより、適度な力にて利用者から非伸長部分22を脱離できる。また、積層方向Zから見て、端部22aを除く非伸長部分22の表面22cの面積のうち止血パッド2が接着される面積は、例えば5%以上40%以下である。この場合、接着層13が利用者に接着するための面積と、接着層13において止血パッド2が接着される面積との両方を確保できる。
接着層14は、止血用具100の使用時に伸長部分21が伸長して基材層11が患部周辺に巻回されたときに、その伸長方向における基材層11の一方側と他方側とを接着し、基材層11の巻回状態を保持する部材である。このため第1実施形態では、接着層14が巻回保持部として機能する。接着層14は、非伸長部分22の表面22dに粘着剤等を配置することによって形成される。接着層14に含まれる粘着剤は、例えば、接着層12に含まれる粘着剤と同様のものであってもよい。第1実施形態では、接着層14は、非伸長部分22の端部22bの表面22d上に設けられているが、これに限られない。接着層14は、非伸長部分22の端部22aの表面22d上に設けられてもよいし、端部22a,22b以外における表面22d上に設けられてもよい。展開状態の基材層11であって、伸長部分21が伸長して患部周辺に巻回されたときにおいて、接着層14は、基材層11の巻回状態を保持するための十分な接着力にて伸長部分21と非伸長部分22とを接着する。接着層14は、使用前において他の部材等との不用意な接着を防ぐために、保護シート等によって覆われていてもよい。
基材層11の一方側は伸長部分21の任意の領域に相当し、基材層11の他方側は長手方向Xにおいて当該一方側よりも非伸長部分22側に位置する領域に相当する。このため、基材層11の一方側が伸長部分21内の領域であって、基材層11の他方側が非伸長部分22内の領域であってもよい。第1実施形態では、基材層11の一方側は、長手方向Xにおいて基材層11の中心よりも伸長部分21側に相当し、基材層11の他方側は、長手方向Xにおいて基材層11の中心よりも非伸長部分22側に相当する。もしくは、基材層11の一方側及び他方側のそれぞれは、伸長部分21内の領域であってもよい。この場合、例えば接着層14は、後述する図6(b)等に示されるように、伸長部分21に設けられてもよい。
次に、図3を参照しながら、第1実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の使用方法を説明する。図3(a)〜(c)は、止血用具の使用方法を説明するための図である。
まず、図3(a)に示されるように、止血用テープ1を利用者Hの患部周辺に貼り付ける(第1ステップ)。第1ステップでは、例えば利用者Hは、自らの患部に止血パッド2を当接するように、接着層13を介して非伸長部分22を利用者Hの患部周辺に接着させる。これにより、止血パッド2が患部に当接した状態が、止血用テープ1の接着層13及び非伸長部分22によって維持される(すなわち、止血パッド2が仮固定状態になる)。そして、止血用テープ1を患部周辺に貼り付けたまま、利用者Hが伸長部分21を摘まみ、基材層11を展開状態にする。
ここで、接着層13の接着力が4N/25mmである場合、接着層13が患部周辺に強固に接着する。これにより、止血パッド2に対して押圧等をしなくとも、非伸長部分22を介した止血パッド2によって患部を圧迫止血することができる。
次に、図3(b)に示されるように、止血用テープ1を患部周辺に貼り付けたまま、長手方向Xに沿って伸長部分21に対して引張荷重を印加する(第2ステップ)。これにより、伸長部分21が長手方向Xに沿って伸長する。一方、非伸長部分22は全くもしくは殆ど伸長せず、接着層13を介して患部周辺に接着されている。
次に、図3(c)に示されるように、伸長部分21が伸長した状態を維持したまま、当該伸長部分21を利用者Hの患部周辺に巻き付ける。そして、長手方向Xにおける基材層11の一方側と他方側とを接着層14によって接着する(第3ステップ)。第1実施形態の第3ステップでは、長手方向Xにおいて伸長部分21の非伸長部分22側の反対側の端部と、長手方向Xにおいて非伸長部分22の伸長部分21側の反対側の端部とを、接着層14によって接着する。これにより、基材層11が患部周辺に巻き付けられた状態が保持され、止血パッド2が患部に当接した状態を良好に維持できる。
以上に説明した第1実施形態に係る止血用テープ1を用いた止血用具100を利用した利用者は、穿刺孔等の患部に止血パッド2を当接させ、且つ、患部周辺に接着層13を接着させることができる。これにより、接着層13によって止血パッド2を患部に仮固定できるので、利用者は、止血パッド2を押圧し続けることなく基材層11を患部周辺に容易に巻回できる。また、接着層13が非伸長部分22の表面22c上に設けられているので、基材層11を患部周辺に巻回する際に接着層13の変形が非伸長部分22によって抑制される。これにより、伸長部分21を伸長するために引張荷重を基材層11に印加したときであっても接着層13の患部周辺への接着が剥がれにくくなるので、止血パッド2の患部への仮固定を確実に実施できる。このため、例えば利用者が片手しか用いることができない場合であっても、止血用テープ1を用いた止血作業を当該利用者単独で容易かつ確実に実施できる。
第1実施形態に係る止血用テープ1では、基材層11が折りたたまれている。また、伸長部分21と非伸長部分22とは互いに積層し、伸長部分21は、非伸長部分22の表面22cと接着層12を介して着脱可能に接着している。加えて、上記第2ステップ及び第3ステップにて説明したように、基材層11を患部周辺に巻回させるときに伸長部分21が伸長する。このため、使用前における基材層11の長さ(特に、長辺長さ)を使用後よりも良好に短くできるので、止血用テープ1の小型化が実現可能である。
第1実施形態に係る止血用テープ1は、伸長部分21において使用時に止血パッド2が存在する側の表面21c上に設けられる接着層12を備え、基材層11が折りたたまれた状態のとき、伸長部分21は、接着層12を介して非伸長部分22の表面22dを着脱可能に接着している。このため、基材層11が積層状態である場合、伸長部分21が非伸長部分22から不用意に展開することを防止できる。したがって、止血用テープ1の完成後であって使用前に不良品になってしまうことを抑制できる。
基材層11においては、積層状態から展開状態になるときに折り目が解消されると、積層方向Zに沿った伸長部分21の向きが反転する。すなわち、積層状態における伸長部分21の表面21cと、展開状態における表面21cとは、積層方向Zにおいて互いに反対側を向いている(図1(b)及び図2(b)を参照)。このため、基材層11が患部周辺に巻き付けられたとき、接着層12は外側に露出する。これにより、接着層12が、意図しない物品等(例えば、利用者の衣服)に接着してしまうことがある。ここで、止血用テープ1の伸長部分21は、伸長性を示す。上記第2ステップでは、伸長部分21を長手方向Xに沿って伸長させることにより、伸長部分21も伸長してその厚さが薄くなり、接着層12の接着力が低減するので、使用時において接着層12が衣服等に接着することを抑制できる。また、止血用テープ1が例えば犬、猫等の生物の被毛箇所に用いられる場合、接着層12が当該生物の被毛に接着することも抑制できる。
加えて、第1実施形態に係る止血用テープ1の伸長部分21は、伸長性だけでなく伸縮性を示す。よって、伸長した状態の伸長部分21を含む基材層11を患部周辺に巻き付けると、伸長部分21の少なくとも一部の幅が狭まった状態になる。また、伸長部分21が伸長した状態を巻回保持部である接着層14によって保持されることによって、伸長部分21が伸縮しようとする力が患部周辺に向かう。このため、基材層11を患部周辺に巻き付けた状態を保持すると、単位長さあたりに伸長部分21が患部周辺に加える巻付力が強まるので、止血用テープ1を患部周辺にしっかりと固定できる。したがって、止血用テープ1のみによって止血パッド2を患部に圧迫させることができる。
(第2実施形態)
以下では、第2実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第2実施形態の説明において第1実施形態と重複する記載は省略し、第1実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第2実施形態に第1実施形態の記載を適宜用いてもよい。
以下では、第2実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第2実施形態の説明において第1実施形態と重複する記載は省略し、第1実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第2実施形態に第1実施形態の記載を適宜用いてもよい。
図4(a)は、第2実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の断面図であり、図4(b)は、図4(a)に示される止血用具を展開した状態を示す図である。図4(a),(b)に示されるように、止血用具100Aの止血用テープ1Aは、予め一体化された伸長部分21A及び非伸長部分22Aを含む基材層11Aを有する。具体的には、基材層11Aは、伸長部分21A及び非伸長部分22Aが長手方向Xに沿って連続して一体化した一つの層状部材に相当する。このため、第1実施形態の基材層11と異なり、基材層11Aには、伸長部分21Aと非伸長部分22Aとの間に接着層12,13を介した接合部が形成されていない。代わりに長手方向Xにおいて、伸長部分21Aの非伸長部分22A側の端と、非伸長部分22Aの伸長部分21A側の端とが接している。以上に説明した第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて、基材層11Aが積層状態である場合、伸長部分21A、非伸長部分22A、及び接着層12,13の全てが積層される箇所が存在しないので、積層方向Zにおける止血用テープ1Aの薄型化が実現可能になる。
(第3実施形態)
以下では、第3実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第3実施形態の説明において第1及び第2実施形態と重複する記載は省略し、第1及び第2実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第3実施形態に第1及び第2実施形態の記載を適宜用いてもよい。
以下では、第3実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第3実施形態の説明において第1及び第2実施形態と重複する記載は省略し、第1及び第2実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第3実施形態に第1及び第2実施形態の記載を適宜用いてもよい。
図5(a)は、第3実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の断面図であり、図5(b)は、図5(a)の止血用具を展開した状態を示す図であり、図5(c)は、図5(b)のVc−Vc線に沿った断面図である。図5(c)に示されるように、止血用具100Bにおける止血用テープ1Bの基材層11Bは、長手方向Xの全体にわたって延在する伸長層31と、伸長層31の一部31aに接して設けられる非伸長層32とを有する。第3実施形態においては、基材層11Bの伸長部分21Bは、伸長層31において非伸長層32と接しない他部31bのみから構成され、基材層11Bの非伸長部分22Bは、伸長層31の一部31aと非伸長層32とから構成されている。換言すると、第3実施形態では、伸長部分21Bと非伸長部分22Bとのそれぞれは、単一の独立した部材ではない。
伸長層31は、伸長性を示す層状部材であり、平面視にて帯形状を呈する。伸長層31は、第1実施形態の伸長部分21を構成する層状部材と同様の部材である。伸長層31において止血パッド2が存在する側の表面31c上には、非伸長層32と、接着層13と、止血パッド2とが順番に設けられている。当該表面31cと反対側の表面31d上には、接着層12,14が設けられている。接着層12は伸長層31の他部31bにおける表面31d上に設けられており、接着層14は伸長層31の一部31aにおける表面31d上に設けられている。
非伸長層32は、伸長層31の一部31aの伸長を阻害するために設けられる非伸長性の層状部材であり、平面視にて帯形状を呈する。このため、基材層11Bの非伸長部分22Bに引張荷重が印加された場合であっても、非伸長部分22Bは、伸長部分21Bと異なり、全くもしくは殆ど伸長しない。非伸長層32は、伸長層31の止血パッド2が存在する側の表面31c上に設けられている。非伸長層32は、第1実施形態の非伸長部分22を構成する層状部材と同様の部材でもよい。この場合、非伸長層32は、図示しない接着剤等を介して伸長層31の一部31aに対して接着している。また、伸長層31の表面31cに対して設けられたコーティング層でもよい。非伸長層32の厚さは、例えば0.02mm以上0.50mm以下である。
以上に説明した第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。
(第4実施形態)
以下では、第4実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第4実施形態の説明において第1〜第3実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第3実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第4実施形態に第1〜第3実施形態の記載を適宜用いてもよい。
以下では、第4実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第4実施形態の説明において第1〜第3実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第3実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第4実施形態に第1〜第3実施形態の記載を適宜用いてもよい。
図6(a)は、第4実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の平面図であり、図6(b)は図6(a)のVIb−VIb線に沿った断面図である。図6(a),(b)に示されるように、止血用具100Cの止血用テープ1Cにおける伸長部分21の表面21c上には、接着層12が設けられていない。止血用具100Cの基材層11は、第1実施形態の止血用具100と異なり、積層状態ではなく、展開状態になっている。止血用テープ1Cでは、伸長部分21と非伸長部分22とは、接合部C1にて接着層13のみを介して互いに一体化されている。止血用テープ1Cでは、接着層14Aは、非伸長部分22の表面22d上ではなく、伸長部分21の表面21d上に設けられているこのため、接着層13,14Aの両方は、基材層11の同一表面上に設けられている。より具体的には、接着層14Aは、伸長部分21の端部21bの表面21d上に設けられている。接着層14Aは、伸長部分21の端部21aの表面21d上に設けられてもよいし、端部21a,21b以外における表面21d上に設けられてもよい。ここで、使用前において接着層13,14Aと他の部材等との不用意な接着を防ぐために、接着層13,14Aのそれぞれは、保護シート等によって覆われていてもよい。このとき、接着層13,14Aは、同一の保護シート等によって覆われてもよい。なお、接着層14Aが伸長部分21に設けられていることにより、止血用テープ1Cが患部周辺に巻き付けられたとき、接着層14Aは、伸長部分21同士を接着してもよい。
以上に説明した第4実施形態に係る止血用テープ1Cを有する止血用具100Cを用いた場合であっても、第1実施形態と同様に、止血作業を当該利用者単独で容易かつ確実に実施できる。加えて、止血用テープ1Cの使用時に積層状態から展開状態にしなくてもよいので、止血用テープ1Cを用いた止血作業をより容易に実施できる。さらには、展開状態における基材層11では、外側に露出する接着層が存在しなくなるので、止血用具100Cの使用時において当該接着層が他の物品等に接着することを防止できる。なお、止血用テープ1Cでは、基材層11を患部周辺に巻回させるときに伸長部分21が伸長する。このため、使用前における基材層11の長さを使用後よりも短くできるので、伸長部分を用いない場合よりも止血用テープ1Cの小型化が実現可能である。
図6(c)は、第4実施形態の変形例に係る止血用テープを用いた止血用具の平面図であり、図6(d)は図6(c)のVId−VId線に沿った断面図である。図6(c),(d)に示されるように、止血用具100Dの止血用テープ1Dは、第2実施形態の止血用テープ1Aと同様に、予め一体化された伸長部分21A及び非伸長部分22Aを含む基材層11Aを有する。また、止血用テープ1Dでは、第4実施形態の止血用テープ1Cと同様に、接着層14Aが伸長部分21Bの表面21d上に設けられている。以上に説明した第4実施形態の変形例に係る止血用テープ1Dを有する止血用具100Dを用いた場合であっても、第4実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて、第4実施形態の変形例に係る止血用テープ1Cでは、第2実施形態と同様の作用効果も奏される。
また、第4実施形態の他の変形例として、第3実施形態にて示した基材層11Bを用いてもよい。この場合、基材層11B上に接着層12を設けず、且つ、伸長部分21Aを構成する伸長層31の表面21d上に接着層14Aを設けてもよい。このような他の変形例においても、第4実施形態と同様の作用効果が奏される(以上、図5(c)を参照)。
(第5実施形態)
以下では、第5実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第5実施形態の説明において第1〜第4実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第4実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第5実施形態に第1〜第4実施形態の記載を適宜用いてもよい。
以下では、第5実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第5実施形態の説明において第1〜第4実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第4実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第5実施形態に第1〜第4実施形態の記載を適宜用いてもよい。
図7(a)は、第5実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具100Eの平面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線に沿った断面図である。図8(a)は、図7(a)に示される止血用具を展開した状態を示す図であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb線に沿った断面図である。
図7(a)、(b)に示されるように、第5実施形態に係る止血用テープ1Eは、折りたたまれた基材層11Cと、接着層12,13,15と、タブ部16とを備える。基材層11Cは、伸長部分21と、非伸長部分22と、伸長部分21に隣接すると共に非伸長性を示す非伸長部分23(第2非伸長部分)とを有する。基材層11Cの伸長部分21と、非伸長部分22,23とは、互いに独立した部材である。基材層11Cでは、非伸長部分23と、伸長部分21と、非伸長部分22とが、積層方向Zに沿って順番に重なっている。このため、非伸長部分23は、積層方向Zにおいて伸長部分21を挟んで非伸長部分22の反対側に位置する。換言すると、伸長部分21は、積層方向Zにおいて非伸長部分22,23に挟まれている。第5実施形態では、接合部C1の周辺を折り目とすると共に、伸長部分21の端部21bと、非伸長部分23の端部23aとの接合部C2の周辺を折り目とし、長手方向Xに沿って折りたたまれている。
図8(a),(b)に示されるように、基材層11Cが展開状態である場合、非伸長部分23は、長手方向Xにおいて伸長部分21を挟んで非伸長部分22の反対側に位置する。このため、基材層11Cが展開状態である場合、伸長部分21は、長手方向Xにおいて非伸長部分22,23の間に位置する。
以下では、基材層11Cの非伸長部分23の構成を説明した後、接着層15と、タブ部16とを説明する。非伸長部分23は、図7(a),(b)に示されるように、積層状態において伸長部分21の少なくとも一部上に設けられる層状の非伸長性を示す部材(第2非伸長層)であり、帯形状を呈する。上述したように、非伸長部分23の端部23aは、接合部C2を構成する部分である。長手方向Xにおいて、非伸長部分23の端部23aと反対側の端部23bは、接合部C2よりも接合部C1側に位置する。非伸長部分23は、積層方向Zにおいて伸長部分21側を向く表面23cと、表面23cと反対側を向く表面23dとを有している。表面23c上には、接着層15と、タブ部16とが設けられている。
積層方向Zから見て、非伸長部分23の長辺長さは、例えば60mm〜130mmであり、非伸長部分23の短辺長さは、例えば30mm〜60mmである。非伸長部分23の厚さは、例えば0.02mm〜0.50mmである。非伸長部分23は、非伸長部分22と同様の材料から構成することもできる。
接着層15は、基材層11Cの積層状態を維持する層である。接着層15は、非伸長部分23の表面23c上に設けられている。接着層15は、非伸長部分23の表面23cの全面に配置されてもよいし、非伸長部分23の表面23cの一部に配置されてもよい。接着層15が非伸長部分23の表面23cの一部に配置される場合、接着層15は、パターン状に配置されてもよいし、無規則に配置されていてもよい。基材層11Cが積層状態である場合、接着層15は、伸長部分21の表面21dに着脱可能に接着している。このため、基材層11Cが積層状態である場合、伸長部分21と非伸長部分23とが接着層15を介して密着し、これらの積層状態が維持される。ここで、伸長部分21の表面21dの少なくとも一部には、剥離剤層(図示しない)が設けられてもよい。また、基材層11Cが展開状態である場合、接着層15は、基材層11Cの一方側と他方側とを接着する層となり得る。この場合、第5実施形態では、接着層15は、基材層11Cの巻回状態を保持する巻回保持部としても機能する。接着層15の厚さは、例えば、5μm〜100μmである。
基材層11Cが積層状態である場合、伸長部分21の端部21bは、非伸長部分23側に向かって折り返されている。このため、接着層12において伸長部分21の端部21bに設けられた部分の一部は、折り返されて非伸長部分23側を向いており、接着層15に直接接着される。
接着層15は、非伸長部分23の表面23cに粘着剤等を配置することによって形成される。接着層15に含まれる粘着剤は、例えば、第1実施形態の接着層12に含まれる粘着剤と同様のものでもよい。
タブ部16は、基材層11Cを展開する際に摘まみ部となる層状部材であり、非伸長性を示す。タブ部16は、長手方向Xにおいて非伸長部分23の端部23bから突出するように接着層15に接着している。すなわち、タブ部16は、非伸長部分23において接合部C2を構成する端部23aと反対側の端部23bに重なるように設けられている。基材層11Cにおけるタブ部16の位置を容易に判断する観点から、タブ部16は着色されていてもよい。長手方向Xにおいて、タブ部16は、例えば0.1mm〜20mm程度、非伸長部分23から露出している。タブ部16は、例えば樹脂製のフィルム、紙、又は布等から構成される。タブ部16の厚さは、例えば80μm程度である。
以上に説明した第5実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が奏される。また、基材層11Cが非伸長部分23を有することによって、積層状態において、伸長部分21を良好に保護することができる。また、保護カバー等を用いることなく、巻回保持部として機能し得る接着層15に他の部材等が接着してしまうことを防止できる。加えて、基材層11Cが展開状態である場合、伸長部分21に対して容易に引張荷重を印加することができる。さらには、伸長部分21を伸長した場合であっても非伸長部分23の形状は殆ど変化しないため、非伸長部分23に設けられた接着層15を介して基材層11の一方側と他方側とを容易に接着できる。
(第6実施形態)
以下では、第6実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第6実施形態の説明において第1〜第5実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第5実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第6実施形態に第1〜第5実施形態の記載を適宜用いてもよい。
以下では、第6実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第6実施形態の説明において第1〜第5実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第5実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第6実施形態に第1〜第5実施形態の記載を適宜用いてもよい。
図9(a)は、第6実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の断面図である。図9(b)は、図9(a)に示される止血用具を展開した状態を示す図である。図9(a)、(b)に示されるように、止血用具100Fの止血用テープ1Fは、第5実施形態と第2実施形態とを組み合わせてなるものである。具体的には、止血用テープ1Fは、予め一体化された伸長部分21A、非伸長部分22A、及び非伸長部分23Aを含む基材層11Fを有する。より具体的には、基材層11Fは、非伸長部分22Aと、伸長部分21Aと、非伸長部分23Aとが、長手方向Xに沿って連続して一体化した一つの層状部材に相当する。このため、第5実施形態の基材層11Eと異なり、基材層11Fには、伸長部分21Aと非伸長部分22Aとの間に接着層12,13を介した接合部が形成されておらず、且つ、伸長部分21Aと非伸長部分23Aとの間に接着層12,15を介した接合部が形成されていない。代わりに長手方向Xにおいて、伸長部分21Aの非伸長部分22A側の端と、非伸長部分22Aの伸長部分21A側の端とが接している。また、長手方向Xにおいて伸長部分21Aの非伸長部分23A側の端と、非伸長部分23Aの伸長部分21A側の端とが接している。
以上に説明した第6実施形態に係る止血用テープ1Fを有する止血用具100Fを用いた場合であっても、第5実施形態と同様の作用効果が奏されると共に、第2実施形態と同様の作用効果も奏される。
図9(c)は、第6実施形態の変形例に係る止血用テープを用いた止血用具の断面図である。当該変形例に係る止血用具100Faの止血用テープ1Faは、第4実施形態と同様に、接着層12を有していない。止血用テープ1Faの基材層11Dは、第6実施形態の止血用テープ1Fと異なり、積層状態ではなく、展開状態になっている。ここで、使用前において接着層13,15と他の部材等との不用意な接着を防ぐために、接着層13,15のそれぞれは、保護シート等によって覆われていてもよい。このとき、接着層13,15は、同一の保護シート等によって覆われてもよい。
以上に説明した第6実施形態の変形例に係る止血用テープ1Faを有する止血用具100Faを用いた場合であっても、第5実施形態と同様に、止血作業を当該利用者単独で容易かつ確実に実施できる。また、当該変形例では、上記第4実施形態と同様の作用効果も奏される。
(第7実施形態)
以下では、第7実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第7実施形態の説明において第1〜第6実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第6実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第7実施形態に第1〜第6実施形態の記載を適宜用いてもよい。
以下では、第7実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第7実施形態の説明において第1〜第6実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第6実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第7実施形態に第1〜第6実施形態の記載を適宜用いてもよい。
図10(a)は、第7実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の断面図である。図10(b)は、図10(a)に示される止血用具を展開した状態を示す図である。図10(a)、(b)に示されるように、止血用具100Gの止血用テープ1Gは、第5実施形態と第3実施形態とを組み合わせてなるものである。具体的には、止血用テープ1Gは、長手方向Xの全体にわたって延在する伸長層31と、伸長層31の一部31aに接して設けられる非伸長層32と、伸長層31の他の一部31eに接して設けられる非伸長層33とを含む基材層11Eを有する。第7実施形態においては、基材層11Eの伸長部分21Bは、伸長層31において非伸長層32,33と接しない他部31bのみから構成され、基材層11Eの非伸長部分22Bは、伸長層31の一部31aと非伸長層32とから構成され、基材層11Eの非伸長部分23Bは、伸長層31の他の一部31eと非伸長層33とから構成されている。
非伸長層33は、非伸長層32と同様に、平面視にて帯形状であって、伸長層31の他の一部31eの伸長を阻害するために設けられる非伸長性の層状部材である。このため、基材層11Eの非伸長部分23Bに引張荷重が印加された場合であっても、非伸長部分23Bは、非伸長部分22Bと同様に、全くもしくは殆ど伸長しない。非伸長層33は、伸長層31の止血パッド2が存在する側の表面31c上に設けられている。非伸長層33は、非伸長層32と同様にして設けられる。
以上に説明した第7実施形態に係る止血用テープ1Gを有する止血用具100Gを用いた場合であっても、第5実施形態と同様の作用効果が奏される。
図10(c)は、第7実施形態の変形例に係る止血用テープを用いた止血用具の断面図である。当該変形例に係る止血用具100Gaの止血用テープ1Gaは、第4実施形態の変形例と同様に、接着層12を有していない。止血用テープ1Gaの基材層11Eは、第7実施形態の止血用テープ1Gと異なり、積層状態ではなく、展開状態になっている。接着層13,15のそれぞれは、第6実施形態の変形例と同様に、保護シート等によって覆われていてもよい。このとき、接着層13,15は、同一の保護シート等によって覆われてもよい。
以上に説明した第7実施形態の変形例に係る止血用テープ1Gaを有する止血用具100Gaを用いた場合であっても、第5実施形態と同様の作用効果が奏される。また、当該変形例では、上記第4実施形態の変形例と同様の作用効果も奏される。
(第8実施形態)
以下では、第8実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第8実施形態の説明において第1〜第7実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第7実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第8実施形態に第1〜第7実施形態の記載を適宜用いてもよい。
以下では、第8実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第8実施形態の説明において第1〜第7実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第7実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第8実施形態に第1〜第7実施形態の記載を適宜用いてもよい。
図11(a)は、第8実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具の断面図である。図11(b)は、図11(a)に示される止血用具を展開した状態を示す図である。図11(b)に示されるように、第8実施形態に係る止血用テープ1Hにおいて、基材層11Fの伸長部分21Cの幅W11は、非伸長部分23の幅W12(及び非伸長部分22の幅)よりも短くなっている。例えば、幅W11は、幅W12の30%以上95%以下である。加えて、伸長部分21Cの表面21cには、接着層12が設けられていない。この場合であっても、基材層11Dが積層状態であるとき、非伸長部分23に設けられた接着層15の一部は、伸長部分21Cと重ならず、非伸長部分22の表面22dに直接接着する。
以上に説明した第8実施形態に係る止血用テープ1Hを有する止血用具100Hを用いた場合であっても、第5実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて第8実施形態によれば、接着層12が設けられない場合であっても、接着層15によって伸長部分21Cと、非伸長部分22,23との積層状態が維持されるので、製造コストを低減しつつ、使用前における基材層11Dの積層状態が良好に維持される。加えて、積層方向Zにおける止血用テープ1Hの厚さを、例えば第5実施形態の止血用テープ1Eよりも薄くできる。さらには第4実施形態と同様に、止血用具100Hの使用時において接着層が他の物品等に接着することを防止できる。
図11(c)は、第8実施形態の変形例を示す平面図である。図11(c)に示されるように、伸長部分21Caには、開口部21eが設けられ、且つ、接着層12が設けられていない。この場合であっても、接着層15によって伸長部分21Caと、非伸長部分22,23との積層状態が維持される。開口部21eの形状、数、寸法等は特に限定されない。開口部21eの形状は、例えば積層方向Zから見て円形状でもよいし、楕円形状でもよいし、多角形状でもよい。
(第9実施形態)
以下では、第9実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第9実施形態の説明において第1〜第8実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第8実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第9実施形態に第1〜第8実施形態の記載を適宜用いてもよい。
以下では、第9実施形態に係る止血用テープを用いた止血用具について説明する。第9実施形態の説明において第1〜第8実施形態と重複する記載は省略し、第1〜第8実施形態と異なる部分を記載する。つまり、技術的に可能な範囲において、第9実施形態に第1〜第8実施形態の記載を適宜用いてもよい。
図12(a)は、第9実施形態に係る止血用テープの断面図である。図12(a)に示される止血用テープ1Iは、例えば第5実施形態と比較して、伸長部分21Dの長辺長さが異なっている。具体的には、基材層11Gにおける伸長部分21Dの端部21aは、長手方向Xにおいて接合部C1よりも大きく外側に位置している。このため、端部21aは、積層状態における止血用テープ1Iの長手方向Xにおける一端となっている。長手方向Xにおいて、接合部C1から伸長部分21Dの端部21aの先端までの長さLは、第5実施形態における端部21aの突出量よりも大きい。例えば、上記長さLは、3mm以上20mm以下であり、第5実施形態における端部21aの突出量の5倍程度である。
図12(b)は、止血用テープ1Iの使用態様を説明するための図である。図12(b)に示されるように、止血用テープ1Iを用いる際に患部周辺等に接着層13を接着する際に、伸長部分21Dの端部21aに設けられた接着層12の一部も患部周辺に接着する。これにより、接着層12のみを患部周辺に接着するよりも強固に止血用テープ1Iを接着できる。このような第9実施形態に係る止血用テープ1Iを用いた止血用具もしくは止血キットでは、止血パッドの仮固定をより確実に実施できる。
以上、本発明を上記実施形態及び変形例に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態及び上記変形例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲でさらなる変形が可能である。
例えば、上記実施形態及び上記変形例に係る止血用テープの平面視における形状は帯形状だが、これに限られない。例えば、止血用テープは、円形状を呈してもよいし、楕円形状を呈してもよいし、正方形状でもよいし、多角形状でもよい。同様に、止血用テープを構成する伸長部分及び非伸長部分の形状は、円形状を呈してもよいし、楕円形状を呈してもよいし、正方形状でもよいし、多角形状でもよい。
上記第1〜第8実施形態では、止血パッド2は接着層13によって予め固定されているが、本発明はこれに限られない。例えば、止血用テープと止血パッドとは、互いに独立して保存された止血用キットとされてもよい。この場合、止血用テープと止血パッドとのそれぞれは、滅菌包装されていてもよい。
上記実施形態及び上記変形例は、適宜組み合わせてもよい。例えば、第1〜第4実施形態に第5実施形態に記載されるタブ部が適用されてもよい。あるいは、第5〜第9実施形態からタブ部が除外されてもよい。また、第9実施形態に示される伸長部分の端部の構成を、他の実施形態態に適用してもよい。また、第8実施形態の伸長部分に対して、その変形例に手示される開口部が設けられてもよい。
上記実施形態及び上記変形例に対して、適宜構成を加えてもよい。例えば、第5実施形態では、基材層は、一つの伸長部分と、二つの非伸長部分とを有するが、これに限られない。例えば、本発明に係る止血用テープの基材層は、二つ以上の伸長部分を有してもよいし、三つ以上の非伸長部分を有してもよい。これらの場合、積層状態における基材層は、蛇腹状に折りたたまれた状態でもよい。
また、例えば上記実施形態の止血用テープは、患部周辺等に接着されたときに表面となる最外層を有してもよい。最外層は、例えば接着剤等を介して基材層の伸長部分もしくは非伸長部分に固定されている。
上記実施形態及び上記変形例の構成は、他の実施形態の構成に置換してもよい。例えば、第1実施形態の止血用テープ1には接着層14が設けられているが、これに限られない。例えば上述したように、第1実施形態の止血用テープ1は、接着層14の代わりに、第4実施形態に示され、伸長部分21に設けられる接着層14Aを有してもよい。
また、上記第1実施形態等では、基材層11が積層状態である場合、伸長部分21と非伸長部分22との積層は、粘着剤等を含む接着層12によって維持されているが、これに限られない。例えば上述したように、伸長部分21と非伸長部分22との積層は、メカニカルファスナー(面ファスナー)等の粘着剤等を含まない接合部材によって維持されてもよい。この場合、例えば、伸長部分21の表面21c上と、非伸長部分22の表面22d上との一方にフック等の雄材が設けられ、表面21c,22d上との他方にリング、ループ等の雌材が設けられる。これにより、基材層11の積層状態においては、雄材と雌材とを介して伸長部分21が非伸長部分22に対して着脱可能に接合(接着)することによって、当該積層状態が維持され得る。上記接合部材が適用される場合、粘着剤等を含む接着層12は必ずしも設けられなくてもよい。なお、上記雄材及び上記雌材のいずれかが接着層に相当する場合、これらは必ずしも層形状を呈する必要はない。
加えて、上記第1〜第4実施形態では、接着層14,14Aが巻回保持部とされているが、これに限られない。例えば、巻回保持部は、上述した接合部材によって構成されてもよい。この場合、基材層11の一方側に上記雄材又は上記雌材の一方が設けられ、基材層11の他方側に上記雄材又は上記雌材の他方が設けられる。例えば、伸長部分21の表面21d上と、非伸長部分22の表面22d上との一方に上記雄材が設けられ、表面21d,22d上の他方に上記雌材が設けられる。このような形態の巻回保持部を用いた場合であっても、伸長部分21が伸長して基材層11が患部周辺に巻回されたときに、その伸長方向における基材層11の一方側と他方側とを接合(接着)し、基材層11の巻回状態を保持することができる。
さらには、上記第5〜第9実施形態では、接着層15の代わりに上記接合部材が非伸長部分23の表面23c上に設けられてもよい。この場合、例えば、非伸長部分23の表面23c上と、非伸長部分22の表面22d上との一方に上記雄材が設けられ、表面23c,22d上との他方に上記雌材が設けられる。これにより、雄材と雌材とを介して非伸長部分22,23が着脱可能に接合(接着)することによって、積層状態が維持され得る。また、上記接合部材が巻回保持部として機能することができる。また、伸長部分21の表面21d上にも、表面23c上に設けられた雄材又は雌材に対応する部材が設けられてもよい。なお、非伸長部分23の表面23c上には、接着層15と上記接合部材との両方が設けられてもよい。
上記接合部材は、必ずしも接着層及び巻回保持部の代わりに設けられなくてもよい。例えば、非伸長部分に含まれる素材等によっては、非伸長部分自体が接合部材として機能してもよい。具体例としては、非伸長部分が不織布から構成される場合、非伸長部分自体が雌材として機能し得る。また、非伸長部分に対して表面加工を実施して凹凸を形成することによって、非伸長部分自体が雄材又は雌材として機能してもよい。例えば、非伸長部分を加工することによって、非伸長部分から直接突出するフック等の雄材が設けられてもよいし、雄材が嵌合するための凹部等の雌材が非伸長部分に設けられてもよい。この場合、非伸長部材自体が雄材又は雌材の一方になり、伸長部分において当該非伸長部材に対向する表面上に雄材又は雌材の他方が設けられてもよい。加えて、上記非伸長部分と同様に、伸長部分自体が接合部材として機能してもよい。この場合、伸長部材自体が雄材又は雌材の一方であり、非伸長部分自体が雄材又は雌材の他方であってもよい。もしくは、伸長部分自体が雄材又は雌材の一方であり、非伸長部分において当該伸長部材に対向する表面上に雄材又は雌材の他方が設けられてもよい。これらのように伸長部分自体や非伸長部分自体が接合部材として機能することによって、止血用テープにおける部品点数の低減が可能になる。
上記第1実施形態では、止血用具は利用者自身が用いているが、これに限られない。例えば、医療従事者等が患者または人間以外の生物に対して止血作業を実施するために本発明に係る止血用テープを用いてもよい。
上記第3実施形態等では、非伸長層は伸長層と接着層との間に設けられるが、これに限られない。例えば、非伸長層は、伸長層において接着層が存在する側と反対側の表面上に設けられてもよい。
上記実施形態等では、基材層が積層状態である場合、接着層や接合部材によって積層状態が維持されているが、これに限られない。止血用テープは、基材層の積層状態を維持するための部材を備えず、単に基材層が折り目に沿って折り返されることによって積層状態になっていてもよい。この場合、止血用テープの積層状態は、外部部材を用いて維持されてもよい。例えば、基材層の積層状態が維持されるように、止血用テープに対して個別包装等が施されてもよい。
1,1A〜1I…止血用テープ、2…止血パッド、11,11A〜11G…基材層、12…接着層(第2接着層)、13…接着層(第1接着層)、14,14A,15…接着層(巻回保持部)、21,21A〜21D…伸長部分、22,22A,22B…非伸長部分(第1非伸長部分)、23,23A,23B…非伸長部分(第2非伸長部分)、31…伸長層、32…非伸長層(第1非伸長層)、33…非伸長層(第2非伸長層)、100,100A〜100H…止血用具、C1,C2…接合部。
Claims (10)
- 伸長性を示す伸長部分、及び前記伸長部分に隣接すると共に非伸長性を示す第1非伸長部分を有する基材層と、
前記第1非伸長部分において使用時に止血パッドが存在する側の表面上に設けられる第1接着層と、
前記伸長部分が伸長して前記基材層が巻回されたときにその伸長方向における前記基材層の一方側と他方側とを接合し、前記基材層の巻回状態を保持する巻回保持部と、を備える、
止血用テープ。 - 前記基材層は、前記伸長部分を構成する伸長層と、前記第1非伸長部分を構成する第1非伸長層とを有し、
前記伸長層と前記第1非伸長層とは、前記伸長方向に沿って連続して一体化した一つの層状部材を構成する、請求項1に記載の止血用テープ。 - 前記基材層が折りたたまれており、
前記伸長部分と前記第1非伸長部分とは、互いに積層し、
前記伸長部分は、前記第1非伸長部分の他方の表面と着脱可能に接合している、請求項1または2に記載の止血用テープ。 - 前記基材層は、前記伸長部分に隣接すると共に非伸長性を示す第2非伸長部分をさらに有し、
前記伸長部分は、前記伸長方向において前記第1非伸長部分と前記第2非伸長部分との間に位置する、請求項1に記載の止血用テープ。 - 前記基材層は、前記伸長部分を構成する伸長層と、前記第1非伸長部分を構成する第1非伸長層と、前記第2非伸長部分を構成する第2非伸長層とを有し、
前記伸長層と前記第1非伸長層と前記第2非伸長層とは、前記伸長方向に沿って連続して一体化した一つの層状部材を構成する、請求項4に記載の止血用テープ。 - 前記基材層が折りたたまれており、
前記伸長部分と、前記第1非伸長部分と、前記第2非伸長部分とは互いに積層し、
前記伸長部分は、前記伸長部分、前記第1非伸長部分、及び前記第2非伸長部分の積層方向において、前記第1非伸長部分と前記第2非伸長部分との間に位置し、
前記積層方向において前記第2非伸長部分の前記伸長部分側の表面上には、前記伸長部分と着脱可能に接合している前記巻回保持部が設けられる、請求項4または5に記載の止血用テープ。 - 前記伸長部分において使用時に前記止血パッドが存在する側と反対側の表面上に設けられる第2接着層をさらに備え、
前記基材層が折りたたまれた状態のとき、前記第2接着層は、前記第1非伸長部分の前記表面と反対側の表面と着脱可能に接合している、請求項6に記載の止血用テープ。 - 前記伸長部分は、伸縮性を示す、請求項1〜7のいずれか一項に記載の止血用テープ。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の止血用テープと、
前記第1接着層に接着された前記止血パッドと、
を備える止血用具。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の止血用テープと、前記止血パッドと、を備える止血用キット。
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