JP2019111007A - 自走式掃除機 - Google Patents

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Kuniyuki Nakanishi
邦行 中西
励 山下
Tsutomu Yamashita
励 山下
内山 亘
Wataru Uchiyama
亘 内山
渡邉 優
Masaru Watanabe
優 渡邉
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Abstract

【課題】高さの低い隙間も確実に掃除することができる自走式掃除機を提供する。【解決手段】塵埃を集めるための集塵装置2と、掃除機本体1の略内側の収納位置と掃除機本体1から突出した掃除位置との間を自在に駆動可能な補助清掃装置6と、補助清掃装置6を使用して掃除可能な場所を検知する障害物センサ8と、掃除機本体1を走行させる駆動輪9と、駆動輪9と集塵装置2と補助清掃装置6とを制御する制御装置10とを備え、障害物センサ8を補助清掃装置6より上方に配置すると共に検出範囲を床方向に向けて障害物の高さ方向の形状を認識する共に障害物の下側に補助清掃装置6の高さ以上の隙間を検知すれば補助清掃装置6を駆動するもので、障害物の下に補助清掃装置6の入り込む空間の有無を確実に検知し、高さの低い隙間でも補助清掃装置6を家具や障害物に衝突させることなく、掃除機本体が入り込めない空間の奥まで掃除することが可能となる。【選択図】図6

Description

本発明は、自走式掃除機に関するものである。
従来の自走式掃除機として、メインノズルの一部だけ突出させるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図13(a)は、上記特許文献1に記載された従来の自走式掃除機の斜視図、図13(b)は、同自走式掃除機の斜視図(吸引口を突出させた状態)、図14(a)は、同自走式掃除機の断面図、図14(b)は、同自走式掃除機の断面図(吸引口を突出させた状態)である。
図13、図14において、従来の自走式掃除機は、掃除機本体40に固定された吸引口26および掃除機本体1から直線状に突出可能な吸引口27から塵埃を吸引する吸引ファン28と、吸引した塵埃を吸引ファン28に進入させないように分離する集塵バッグ29と、集塵バッグ29と吸引口26とを連通接続する吸引経路30と、吸引経路30と吸引口27とを連通接続させる蛇腹ホース31と、吸引口27を突出させるためのシャフト32およびギア付モータ33と、駆動輪34とからなり、掃除機本体40が入り込めないような狭い場所の塵埃を掃除する際に、吸引口27を突出させてその場所の塵埃を吸引できるように構成されている。
実開平4−116938号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の自走式掃除機の構成では、家具などと壁の間にできる本体が入れない幅の隙間の奥は掃除することができないという課題があった。このような課題に対応するために掃除機本体の進行方向に向かって側方の略端部に伸縮自在の補助清掃装置を設置するようにしたものがある。このような補助清掃装置で自走式掃除機が入り込めないテレビ台の下の隙間を掃除することができる。しかし、このような狭所の掃除を行うためには、従来よりも詳細な掃除場所の形状を検知することが必要となり、この形状検知が不十分であると補助清掃装置が家具や障害物に頻繁に衝突して傷つけてしまうという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高さの低い隙間でも補助清掃装置を家具や障害物に衝突させて傷つけてしまうことを極力避けることができるとともに、使用者が後から追加で掃除する手間を低減させた自走式掃除機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の自走式掃除機は、掃除機本体と、塵埃を集めるための集塵装置と、前記掃除機本体の略内側の収納位置と前記掃除機本体から突出した掃除位置との間を自在に駆動可能な補助清掃装置と、前記補助清掃装置を使用して掃除可能な場所を検知するための障害物センサと、前記掃除機本体を被掃除面上で走行可能とする駆動輪と、前記駆動輪と前記集塵装置と前記補助清掃装置とを制御する制御装置とを備え、前記障害物センサを前記補助清掃装置より上方に配置すると共に前記障害物センサ
の検出範囲を床方向に向けることにより、前記制御装置は障害物の高さ方向の形状を認識するとともに前記障害物の下側に前記補助清掃装置の高さ以上の隙間を検知すれば前記補助清掃装置を駆動するもので、障害物の下に補助清掃装置の入り込む空間の有無を確実に検知し、高さの低い隙間でも補助清掃装置を家具や障害物に衝突させて傷つけてしまうことを極力避けて、掃除機本体が入り込めない空間の奥まで掃除することが可能となる。
本発明の自走式掃除機は、高さの低い隙間でも補助清掃装置を家具や障害物に衝突させて傷つけてしまうことを極力避けることができるとともに、使用者が後から追加で掃除する手間を低減する自走式掃除機を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態1における自走式掃除機の断面図 (a)同自走式掃除機の底面図(補助清掃装置が収納された状態)、(b)同自走式掃除機の底面図(補助清掃装置が突出した状態) (a)同自走式掃除機の平面図(補助清掃装置が収納された状態)、(b)同自走式掃除機の平面図(補助清掃装置が突出した状態) (a)同自走式掃除機の断面図(補助清掃装置が収納された状態)、(b)同自走式掃除機の断面図(補助清掃装置が突出した状態) (a)同自走式掃除機の補助清掃装置と吸引経路の断面図(補助清掃装置が収納された状態)、(b)同補助清掃装置と吸引経路の断面図(補助清掃装置が突出した状態) 同自走式掃除機の縦断面図(補助清掃装置が突出した状態) (a)同自走式掃除機の要部断面図、(b)同自走式掃除機の要部断面図 同自走式掃除機の障害物センサによる検出距離の推移を示すグラフ (a)本発明の実施の形態2における自走式掃除機の平面図、(b)同自走式掃除機を反時計方向に回転させたときの平面図 同自走式掃除機の補助清掃装置の他の例を示す要部断面図 本発明の実施の形態3における自走式掃除機の縦断面図 同自走式掃除機の要部側面図 (a)従来の自走式掃除機の斜視図、(b)同自走式掃除機の斜視図(吸引口を突出させた状態) (a)同自走式掃除機の縦断面図、(b)同自走式掃除機の縦断面図(吸引口を突出させた状態)
第1の発明は、掃除機本体と、塵埃を集めるための集塵装置と、前記掃除機本体の略内側の収納位置と前記掃除機本体から突出した掃除位置との間を自在に駆動可能な補助清掃装置と、前記補助清掃装置を使用して掃除可能な場所を検知するための障害物センサと、前記掃除機本体を被掃除面上で走行可能とする駆動輪と、前記駆動輪と前記集塵装置と前記補助清掃装置とを制御する制御装置とを備え、前記障害物センサを前記補助清掃装置より上方に配置すると共に前記障害物センサの検出範囲を床方向に向けることにより、前記制御装置は障害物の高さ方向の形状を認識するとともに前記障害物の下側に前記補助清掃装置の高さ以上の隙間を検知すれば前記補助清掃装置を駆動するもので、障害物の下に補助清掃装置の入り込む空間の有無を確実に検知し、高さの低い隙間でも補助清掃装置を家具や障害物に衝突させて傷つけてしまうことを極力避けて、掃除機本体が入り込めない空間の奥まで掃除することが可能となる。
第2の発明は、特に、第1の発明の障害物センサは、略線状の範囲を検知するもので、障害物の下の空間の幅方向の形状も検知することができるので、より詳細な空間検知が可
能となり、さらに家具や障害物を傷つけることを低減することができ、掃除機本体が入り込めない空間の奥まで掃除することが可能となる。
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の補助清掃装置の先端部に第2の障害物センサを設けたもので、障害物の下の空間が奥深い場合でも補助清掃装置を家具や障害物に衝突させることを低減することができ、掃除機本体が入り込めない空間のおくまで掃除することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における自走式掃除機の断面図、図2(a)は、同自走式掃除機の底面図(補助清掃装置が収納された状態)、図2(b)は、同自走式掃除機の底面図(補助清掃装置が突出した状態)、図3(a)は、同自走式掃除機の平面図(補助清掃装置が収納された状態)、図3(b)は、同自走式掃除機の平面図(補助清掃装置が突出した状態)、図4(a)は、同自走式掃除機の断面図(補助清掃装置が収納された状態)、図4(b)は、同自走式掃除機の断面図(補助清掃装置が突出した状態)、図5(a)は、同自走式掃除機の補助清掃装置と吸引経路の断面図(補助清掃装置が収納された状態)、図5(b)は、同補助清掃装置と吸引経路の断面図(補助清掃装置が突出した状態)、図6は、同自走式掃除機の断面図(補助清掃装置が突出した状態)、図7(a)は、同自走式掃除機の要部断面図、図7(b)は、同自走式掃除機の要部断面図、図8は、同自走式掃除機の障害物センサによる検出距離の推移を示すグラフである。
図1〜8において、本実施の形態における自走式掃除機は、掃除機本体1と、回転ブラシ2aや回転装置(図示せず)などからなる集塵装置2と、塵埃を回収する集塵ボックス3と、集塵装置2で床から浮き上がらせた塵埃を集塵ボックス3に誘導するための集塵経路4と、集塵ボックス3と連通接続された吸引ファン5と、伸縮自在の補助清掃装置6と、補助清掃装置6を駆動させるための補助掃除駆動装置7と、障害物センサ8と、掃除機本体1を移動させるための駆動輪9と、集塵装置2と吸引ファン5と補助掃除駆動装置7と駆動輪9の駆動を制御する制御装置10とを有している。
掃除機本体1は、進行方向(図中矢印A)に対して、後半は略円形状をしている。掃除機本体1の底面には、5つの落下防止用センサ11が外周近くに略均等に設けられており、また前方には充電用端子12が2つ設けられている。
また、壁際の掃除用に床面に略垂直な回転軸(図示せず)で旋回する回転ブラシ13が掃除機本体1の右側に設けられている。また、掃除機本体1の進行方向(図中矢印A)に対して後方中央の底面には補助輪14が設けられている。掃除機本体1の前面には障害物センサ8が設けられている。
この障害物センサ8は、前方の障害物の有無を検出する前方センサとしても使用されている。また、自走式掃除機の略側方には、側面の障害物の有無を検出する側面センサ(図示せず)が設けられている。掃除機本体1の進行方向(図中矢印A)に対して右側に補助清掃装置6を設けている。
掃除機本体1の天面には、集塵ボックス3を取り出すための集塵ボックス蓋15と、表示装置16と、操作装置17と、赤外線検知センサ18とが設けられている。掃除機本体1内の進行方向(図中矢印A)に対して後方には電力を供給するための充電池19が備えられている。また、充電池19の上側には制御装置10が設けられている。
集塵装置2は、回転ブラシ2aと、回転モータ2b及び補助ブラシ2cとからなる。回転ブラシ2aは進行方向(図中矢印A)に対して左右方向の軸周りに自在に回転するよう構成されている。
集塵ボックス3は、集塵経路4と吸引ファン5とを連通接続させ、床面上の塵埃を貯める部分である。集塵ボックス3内にはフィルター3aを設けてあり、このフィルター3aにより塵埃を含んだ空気から塵埃を分離する。
補助清掃装置6は、先端に吸引口6aと補助ブラシ6bとが設けられており、先端経路6cと3つの中空経路6dとからなっている。先端経路6cおよび3つの中空経路6dのそれぞれに集塵口6eが設けてあり、このいずれかの集塵口6eと集塵ボックス3とを連通接続する吸引経路20が設けられている。
中空経路6dは、経路回転軸6fで回転可能に固定されている。なお、補助清掃装置6を突出させたときに補助清掃装置6を直線状態で固定させるための固定具6gが3つ設けられており、回転軸6hで回転可能に固定されている。固定具6gの突起部6iが先端経路6cや中空経路6dとかみ合うことによって補助清掃装置6全体が直線状に固定される。なお、図6に示すように、本実施の形態では、補助清掃装置6の高さは掃除機本体1の全高の約半分の高さに構成されている。
図5に示すように、先端経路6cは中空になっており、進行方向側の床面に対向する部分に吸引口6aを、進行方向の反対側に接続口6jを、接続口6j近傍の上面に集塵口6eを有する。また、先端経路6c内に切替弁6kを設けており、切替弁6kは、回転自在に取り付けられており、接続口6jと集塵口6eとのどちらかを閉じる構成となっている。
切替弁6kは、基本的には図示しないバネにより接続口6jを閉じるようになっている。図5(a)に示すように、補助清掃装置6を掃除機本体1内に収納している場合には、先端経路6cの集塵口6eは吸引経路20と接続されている。図5(a)の状態を補助清掃装置6が収納位置にあるという。
なお、図5(b)は、補助清掃装置6が限界まで伸展した状態を示しており、この場合は先端経路6cと3つの中空経路6dとはかみ合った状態になっており、先端経路6cから一番遠い中空経路6dの集塵口6eが吸引経路20と接続される。この図5(a)の状態を補助清掃装置6は収納位置にあるという。中空経路6dと先端経路6cとがかみ合うと、中空経路6dの先端部6mの一部が先端経路6c内に入り込む。入り込んだ先端部6mは切替弁6kを押し上げて、切替弁6kは集塵口6eを閉じることとなる。
先端経路6cから一番遠い中空経路6d以外の中空経路6dの集塵口6eは同様に次の中空経路6dの先端部6mによって切替弁6kが押し上げられ、補助清掃装置6の途中の集塵口6eはすべて閉じられることで、吸引口6aで吸い込まれた塵埃が吸引経路20を通って集塵ボックス3に運ばれることになる。
制御装置10は、補助清掃装置6の前進の程度を調整することが可能で、1番目の中空経路6dに設けられた集塵口6eと吸引経路20が連通接続されるように調整することも可能であるし、2番目の中空経路6dに設けられた集塵口6eと吸引経路20が連通接続されるように調整することも可能である。これらの場合は、補助清掃装置6は収納位置でも突出位置でもなく、その中間の位置にあると表現する。このような場合でも吸引口6aと集塵ボックス3とは連通接続され、それ以外の接続口6jや使われていない集塵口6e
は切替弁6kによって全て閉じられる。
補助掃除駆動装置7は、モータ7aおよびピニオン7b、補助清掃装置6に固定された湾曲変形可能なラック7cとからなっている。
障害物センサ8は、単焦点のレーザー発光素子(図示せず)および受光素子(図示せず)からなっている。この障害物センサ8は、掃除機本体1の前面かつ補助清掃装置6の上方に配置されている。図7に示すように、障害物センサ8は、その検出範囲が床方向に向かうように、床面に対してあらかじめ定められた角度αの方向にレーザー光を照射し、その反射光から距離を検出する。
以上のように構成された自走式掃除機について、以下その動作、作用について説明する。
自走式掃除機の自動掃除プログラム実行による動作の詳細を以下に説明する。
まず、掃除の手順の概要を示す。自走式掃除機は使用者が操作装置17のうちスタートボタン(図示せず)を押すことによって掃除を開始する。あるいは、タイマー設定されている場合には、あらかじめ設定された時刻になると、掃除を開始する。
充電台(図示せず)から出発した自走式掃除機は、自律移動を開始するとともに、集塵装置2および吸引ファン5とを動作させる。所定のプログラムに沿って移動しながら、部屋の掃除を行っていく。掃除が完了したと判断すれば、制御装置10は、吸引ファン5と集塵装置2とを停止して、充電台に向かって移動し、充電台に接続して充電を開始した時点で運転を停止し、掃除行動を完了する。
障害物センサ8が障害物を検出したときは、制御装置10は駆動輪9を制御して自走式掃除機の前進を中止し、基本的に反時計回りに方向転換し、障害物に接触しないよう進む。そのため、進行中の掃除機本体1の右側は基本的に壁や家具などの障害物と近接して移動することになる。また、側方センサ(図示せず)が障害物を検出したときは、制御装置10は回転ブラシ13を駆動させて、障害物のごく近くの塵埃を進行方向である矢印Aの方向に弾き飛ばす。これにより、壁や障害物のごく近傍の塵埃を掃除することができる。また、壁と家具との間の隙間を掃除するためには、多くの場合に壁と近接する掃除機本体1の右側に補助清掃装置6が存在する方が掃除が容易であるため、本実施の形態では補助清掃装置6は掃除機本体1の右端に設けられている。
壁際を自走式掃除機が進んでいくと、図3に示すように部屋の隅の壁と家具の間に隙間Dがある場合を想定する。この隙間Dは、掃除機本体1が入り込むことができないが、補助清掃装置6は入り込むことが可能な幅となっている。
本実施の形態では、障害物センサ8は、掃除機本体1の左側から右側にかけて所定の間隔をおいて配置された5つの素子群8a〜8eで構成されている。掃除機本体1が壁との間に隙間Dを有する家具Cの前に来ると、左側の素子群8a、素子群8b及び素子群8cが家具Cを障害物として検知し、右側の2列の素子群8dおよび素子群8eは、障害物を検知していない。
制御装置10は、障害物センサ8の素子群8a〜8eの内、一つでも障害物を検出すれば、それ以上掃除機本体1を前進させないが、補助清掃装置6側の2列の素子群8dおよび素子群8eが障害物を検出しない場合は、補助清掃装置6を前進させる。補助清掃装置6側の2列の素子群8dおよび素子群8eが検出した奥行に応じて制御装置10は、補助
清掃装置6の前進幅を決定し、補助清掃装置6が壁Bに接触しない範囲で補助清掃装置6を前進させる。
このとき、吸引ファン5は動作しているので、吸引口6aから床面に落ちている塵埃を吸い込み始める。図3に示すような隙間Dであれば、壁Bや家具Cの際の塵埃も吸引するような吸引力を有しているので、制御装置10は、補助清掃装置6を徐々に引き戻すことで、隙間D全体の掃除が可能である。
補助清掃装置6は、掃除機本体1が入り込めないような低い隙間にも入り込んで、掃除をすることが可能である。TV台の下やキッチンラックの下等、床面と家具の底面との間に隙間が発生する家具が存在する。
図7は、そのような家具の例として家具Eを示している。家具Eは、床と掃除機本体1の上面の間の位置にあるため、掃除機本体1は入り込めないが、補助清掃装置6は、掃除機本体1の半分程度の高さしかないため、入り込むことができる。制御装置10は、障害物センサ8により障害物の下の空間の高さを検知し、この高さが補助清掃装置6の高さ以上であれば、掃除機本体1を前進させず、補助清掃装置6を前進させる。これにより、低い位置にある隙間でも掃除が可能になる。
次に、障害物センサ8の障害物の高さの検出方法について説明する。図7(a)の場合には床面までの距離F1を距離として検出する。図8は、掃除機本体1が駆動輪9を駆動させて、一定の速度で進んでいる際の障害物センサ8の検出した結果をグラフ化したものである。図8中の時間t0は、図7(a)の状態である。図7(a)に示すとおり、掃除機本体1の前方に家具Eがある場合でも、家具Eがレーザー光の照射と反射の経路をさえぎるまで(図8中のt0からt1までの間)は、距離F1を検出し続ける。
次に、レーザー光が家具Eで遮られて床まで届かなくなった状態を図8(b)に示している。このとき、レーザー光は家具Eで反射するので、検出距離はこれまでの検出距離F1より短い距離F2となる。この状態が図8中のt1の時点である。その後、掃除機本体1が家具Eに近づくと、レーザー光が当たる点は家具Eの垂直面上を上側にずれていくにつれて、検出距離は距離F2より小さくなっていき、家具Eの垂直面上の上端に達したときが図8中のt2で示されている。その後は、家具Eの上側の水平面上にレーザーの焦点がずれていくため、検出距離は一定距離を保つ。
図7(b)の状態の時に検出した距離F2より、制御装置10はあらかじめ定められた角度αより掃除機本体1と障害物である家具Eとの距離Gを計算することが可能であり、掃除機本体1を家具Eに接触することなく、停止することが可能となる。また同時に、角度αと距離F2より家具Eの下限と障害物センサ8までの高さHを計算することが可能である。障害物センサ8と床面との距離は、基本的には定められた距離であるので、障害物である家具Eの下空間の高さIを算出することが可能となる。この結果、制御装置10は掃除機本体1の前方距離Gの位置に、下側に高さIの空間があることを検出することが可能となる。
制御装置10は、高さIの空間があると判断すると、検出距離がF1になるまで後退し、左右に首振り運動を行う。この首振り運動により、この高さIの空間が幅方向にどこまで広がっているかを検知する。例えば、家具Eに脚(図示せず)やキャスター(図示せず)が取り付けられており、首振り運動をしている最中に障害物センサ8が床よりも近い距離を検知すれば、そこには障害物があると認識し、高さIの空間の幅方向の限界を認識する。制御装置10は、幅方向の障害物である脚やキャスターに補助清掃装置6が接触しないように制御しつつ、補助清掃装置6を伸ばして集塵しながら、掃除機本体1を首振り運
動させるなどして可能な範囲をすべて掃除する。
以上の構成により、本実施の形態における自走式掃除機は、障害物センサ8を補助清掃装置6より上方に視野を床面に向けて設置し、自走式掃除機を前進させながら障害物を検知することで、障害物の高さ方向の形状を詳細に検知することができ、障害物の下に補助清掃装置6が侵入するのに十分な高さを検知した場合のみ補助清掃装置6を障害物の下に前進させることにより、高さの低い隙間でも補助清掃装置6を家具や障害物に衝突させて傷つけてしまうことを極力避けて、掃除機本体1が入り込めない空間の奥まで掃除することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、補助清掃装置6は掃除機本体1の右端に設けられているが、障害物回避の方法を時計回りにすると、掃除機本体1の左側が障害物に近接しやすくなるので、掃除機本体1の左端に補助清掃装置6を取り付けた方が適している。
また、本実施の形態においては、補助清掃装置6が突出位置にある際の掃除機本体1からの補助清掃装置6の突出幅は掃除機本体1の前後寸法の約半分程度であるが、さらに長く突出させれば、例えばTV台の奥など人が掃除しにくい部分も掃除しやすくなるので、さらに使い勝手が向上してよい。
なお、本実施の形態において、補助清掃装置6の高さは掃除機本体1の高さの約半分に限定するものではなく、掃除機本体1の高さよりも低ければよい。
なお、本実施の形態において、集塵装置2は、回転ブラシ2aや吸引ファン5からなるが、必ずしもこれらの構成が必須ではなく、例えば回転ブラシ2aのみの集塵装置2であったり、吸引ファン5のみの集塵装置2であったり、さらには拭き掃除のための布からなるなど他の構成であっても、集塵できればよい。また、補助清掃装置6についても同様に、回転ブラシのみの集塵装置であったり、吸引ファンのみの集塵装置であったり、さらには拭き掃除のための布からなるなど他の構成であっても、集塵できればよい。
(実施の形態2)
図9(a)は、本発明の実施の形態2における自走式掃除機の平面図、図9(b)は、同自走式掃除機を反時計方向に回転させたときの平面図である。なお、上記実施の形態1における自走式掃除機と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
上記実施の形態1における自走式掃除機では、障害物センサ8として、単焦点のレーザー発光素子と受光素子を用いたが、本実施の形態における自走式掃除機では、障害物センサ8を、図9に示すように、掃除機本体1の略前面の略中央部でかつ補助清掃装置6よりも上に水平方向に線状のレーザー光を照射する発光素子(図示せず)と、障害物から反射されるレーザー光を受光する受光素子(図示せず)で構成したもので、他の構成は、上記実施の形態1における自走式掃除機と同一である。
以上のように構成された本実施の形態における自走式掃除機の動作、作用について以下に説明する。
自走式掃除機の自動掃除プログラム実行による動作の詳細について、実施の形態1と異なる部分のみ以下に説明する。
図9は、壁Bと家具Jとの間により広い幅の隙間Kがある場合を示している。このような隙間Kに対して、床面に水平な線状のレーザー光を照射すると、隙間Kの範囲は床面との距離F1を検知するが、側方の壁Bに照射された光はより近い距離を検出し、また反対
側の家具Jに照射された光もより近い距離を検出する。
制御装置10は、最も近く検出された距離に応じて、障害物に接触しないように駆動輪9を制御して停止する。制御装置10は、補助清掃装置6の前方である部分は距離F1を検出するので障害物がないと判断し、補助清掃装置6を前進させる。その後、制御装置10は、掃除機本体1を一定程度後退させた後、補助清掃装置6を前進させた状態のまま反時計回りに回転させる(図9(b)に示す)。
このとき、制御装置10は、補助清掃装置6の前進直前の状態(図9(a)の状態)で障害物センサ8が距離F1を検出した範囲の左限界である線Lを超えて左側に行かないように、回転角度Mを計算して制限している。
その後、制御装置10は、掃除機本体1を元の位置まで時計回りに回転させ、補助清掃装置6を一定距離後退させた後、再び反時計回りに掃除機本体1を回転させる。このときの回転角度も線Lを超えないように決めるので、前回の回転角度Mよりも大きな角度となる。その後、制御装置10は、再び掃除機本体1の元の位置まで時計回りに掃除機本体1を回転させる。掃除機本体1を回転させる際の回転速度は、補助清掃装置6の前進距離と関連して決定される。
具体的には、制御装置10は、補助清掃装置6の前進距離が長いほど、回転速度が遅くなるようにあらかじめ決められている。これにより補助清掃装置6の先端部の隙間Kの奥行に応じて、制御装置10は、これらの回転移動を繰り返すことで、隙間Kのような広い幅の隙間に対しても掃除が可能である。補助清掃装置6を回転させて掃除するので、補助清掃装置6の先端と壁Bとの間に隙間Nが生じてしまう場合も生じる。このような場合は、補助清掃装置6が十分壁Bの近傍にまで届くような位置に掃除機本体1を移動させた後、再び上記のような回転移動を伴う動きで掃除すると、隅々まで問題なく掃除できる。
以上の構成により、本実施の形態における自走式掃除機は、線状の光を照射して受光することにより、障害物の高さ方向の形状のみならず幅方向の形状も瞬時に詳細に検知することができるので、掃除機本体1が家具や障害物に衝突することなく隅々までより早く清掃することが可能となる。
また、図10に示すように補助清掃装置6の先端部である先端経路6cの先端部に第2の障害物センサとして近接センサ21を設けると、補助清掃装置6と壁Bとの距離をより正確に検出することができ、障害物センサ8で正確に距離を検出できない場合でも補助清掃装置6を壁Bにぶつけてしまうことがなく、家具Jや壁Bを傷つけない自走式掃除機を提供することができる。なお、近接センサ21は、補助清掃装置6の前方向の障害物を検知するだけでなく、側面方向の障害物を検知できるように側面側にも設けられていると、より壁Bや家具Jに補助清掃装置6が衝突しにくくなるのでよい。
なお、本実施の形態において、集塵装置2は、回転ブラシ2aや吸引ファン5からなるが、必ずしもこれらの構成が必須ではなく、例えば回転ブラシ2aのみの集塵装置2であったり、吸引ファン5のみの集塵装置2であったり、さらには拭き掃除のための布からなるなど他の構成であっても、集塵できればよい。また、補助清掃装置6についても同様に、回転ブラシのみの集塵装置であったり、吸引ファンのみの集塵装置であったり、さらには拭き掃除のための布からなるなど他の構成であっても、集塵できればよい。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における自走式掃除機の断面図、図12は、同自走式掃除機の要部側面図である。なお、上記実施の形態における自走式掃除機と同一部分には
同一符号を付してその説明を省略する。
上記実施の形態における自走式掃除機では、集塵装置2は、回転ブラシ2aと、回転モータ2bと、補助ブラシ2cで構成されていたが、本実施の形態における自走式掃除機の集塵装置22は、図11に示すように、塵埃を絡め取る布からなる拭き掃除手段からなるもので、固定装置23は、集塵装置22を固定するための装置である。
固定装置23は、床に集塵装置22を押し付けるように掃除機本体1に弾性的に支持されている。
以上のように、本実施の形態における自走式掃除機は、集塵装置22を押し付けながら走行することで、床面上の汚れを集塵装置22に絡め取る拭き掃除を行うことができる。
掃除機本体1の前面中央上部には、障害物センサ24が設けられている。図12において、補助清掃装置25は、掃除機本体1が入り込めない部分を掃除するための小型の布からなる拭き掃除手段25aを備えている。
以上のように構成された本実施の形態における自走式掃除機について、動作は上記実施の形態と同様であるので省略する。
以上のように構成された本実施の形態における自走式掃除機は、障害物センサ24を補助清掃装置25より上方に視野を床面に向けて設置し、自走式掃除機を前進させながら障害物を検知することで、障害物の高さ方向の形状を詳細に検知することができ、障害物の下に補助清掃装置25が侵入するのに十分な高さを検知した場合のみ補助清掃装置25を障害物の下に前進させることにより、高さの低い隙間でも補助清掃装置25を家具や障害物に衝突させて傷つけてしまうことを極力避けて、掃除機本体1が入り込めない空間の奥まで掃除することが可能となる。
なお、本実施の形態では、集塵装置22は布からなるが、必ずしもこれらの構成が必須ではなく、例えば回転ブラシのみの集塵装置であったり、吸引ファンのみの集塵装置であったり、それらの組み合わせなど他の構成であっても、集塵できればよい。また、補助清掃装置についても同様に、回転ブラシのみの集塵装置であったり、吸引ファンのみの集塵装置であったり、それらの組み合わせなど他の構成であっても、集塵できればよい。
なお、上記すべての実施の形態において、距離の検知のために照射するのはレーザー光に限定するものではなく、例えば、赤外線領域の光や可視光でも照射する範囲を絞って照射すれば同様の効果が得られるのでよい。
以上のように、本発明にかかる自走式掃除機は、壁の近くに家具等の障害物があっても、壁と家具の間の隙間の掃除が可能になるので、掃除ロボット以外にも、片付けロボットなど他の補助清掃装置を有する機器の用途にも適用できる。
1 掃除機本体
2、22 集塵装置
2a、13 回転ブラシ
2b 回転モータ
2c、6b 補助ブラシ
3 集塵ボックス
3a フィルター
4 集塵経路
5 吸引ファン
6、25 補助清掃装置
6a 吸引口
6c 先端経路
6d 中空経路
6e 集塵口
6f 経路回転軸
6g 固定具
6h 回転軸
6i 突起部
6j 接続口
6k 切替弁
7 補助掃除駆動装置
7a モータ
7b ピニオン
7c ラック
8、24 障害物センサ
8a〜8e 素子群
9 駆動輪
10 制御装置
11 落下防止用センサ
12 充電用端子
14 補助輪
15 集塵ボックス蓋
16 表示装置
17 操作装置
18 赤外線検知センサ
19 充電池
20 吸引経路
21 近接センサ(第2の障害物センサ)
23 固定装置
25a 拭き掃除手段

Claims (3)

  1. 掃除機本体と、塵埃を集めるための集塵装置と、前記掃除機本体の略内側の収納位置と前記掃除機本体から突出した掃除位置との間を自在に駆動可能な補助清掃装置と、前記補助清掃装置を使用して掃除可能な場所を検知するための障害物センサと、前記掃除機本体を被掃除面上で走行可能とする駆動輪と、前記駆動輪と前記集塵装置と前記補助清掃装置とを制御する制御装置とを備え、前記障害物センサを前記補助清掃装置より上方に配置すると共に前記障害物センサの検出範囲を床方向に向けることにより、前記制御装置は障害物の高さ方向の形状を認識するとともに前記障害物の下側に前記補助清掃装置の高さ以上の隙間を検知すれば前記補助清掃装置を駆動する自走式掃除機。
  2. 障害物センサは、略線状の範囲を検知する請求項1に記載の自走式掃除機。
  3. 補助清掃装置の先端部に第2の障害物センサを設けた請求項1または2に記載の自走式掃除機。
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