JP2019110711A - 電力変換器の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気鉄道車両の床下のように他の種々の機器と併せて電力変換装置を搭載するに当たり、電力変換装置を構成する電力変換器やその制御装置に関しては、水平方向にも垂直方向にも小型化を図ると共に放熱性能を向上させる必要性がある。【解決手段】複数のゲートドライブ基板を備える電力変換器の制御装置は、複数のゲートドライブ基板それぞれを、絶縁性を有するフレームを介して、基板短手方向を垂直方向にして基板面が対向する水平方向に並べて配置し、複数のゲートドライブ基板それぞれの長手方向両端部の少なくともいずれかの端部に対して中継基板を配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換器の制御装置の構造に関するものであって、特に電気鉄道車両等に搭載する電力変換器を駆動する制御装置として好適なものである。
電気鉄道車両等が搭載する電力変換装置は、車両を駆動する電動機を制御するためのもので、車両の床下等に設置されている。車両の床下には、例えばブレーキ制御装置や空調用電源等、他にも多くの機器を搭載する必要があるため、電力変換装置に対しても例外なく小型化が要求される。
電力変換装置は、大まかには、電力変換器を構成するパワーデバイス、該パワーデバイスを駆動するゲートドライブ回路および平滑用のフィルタコンデンサ等から構成されるところ、特許文献1には、半導体モジュール(パワーデバイス)の長手方向が冷却風と平行する方向を向いて配置され、ゲートドライブ装置が重力方向下側に配置されるスタック構造の電力変換装置が示されている。この構造は、小型化および発熱の観点を総合的に配慮して提供されたものである。
特開2016−213946号公報
例えば、特許文献1に示されている電力変換装置の構造では、ゲートドライブ装置と外部の入出力信号を受けるインタフェース部分をゲートドライブ装置毎に設けると制御配線が複雑になり、また、小型化に関しては、重力方向には小型化は可能であるが、水平方向には大型化してしまうという課題が残る。
本発明の目的は、水平方向にも垂直方向にも小型化を図り放熱性能を向上させた電力変換器の制御装置を提供することにある。
本発明に係る電力変換器の制御装置は、複数のゲートドライブ基板それぞれを、絶縁性を有するフレームを介して、基板短手方向を垂直方向にして基板面が対向する水平方向に並べて配置し、複数のゲートドライブ基板それぞれの長手方向両端部の少なくともいずれかの端部に対して中継基板を配置することを特徴とする。
本発明によれば、電力変換器の制御装置を水平方向にも垂直方向にも小型化を図ると共に、放熱性能を向上させることが可能となり、設置スペースが限られた空間に配置する上で有効である。
図1は、本発明の実施例に係る電力変換器の制御装置の構造の一例を示す斜視図である。 図2は、第1の中継基板、第2の中継基板および複数のゲートドライブ基板との相互の配置関係を示す斜視図である。 図3は、ゲートドライブ基板を絶縁性フレームに挿入する様子を模式的に示す斜視図である。 図4は、絶縁性フレームの単体構造を示す斜視図である。 図5は、第2の中継基板を電力変換器の制御装置の外側から見た斜視図である。
以下に、本発明に係る電力変換器の制御装置の実施形態として、実施例について図面を参照しながら説明する。
ただし、以下に示す実施例は、本発明の実施形態の具体例を示すものであるところ、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではなく、本明細書が開示する技術的思想の範囲内において、当業者による様々な変更および組み合わせが可能である。
図1は、本発明の実施例に係る電力変換器の制御装置の構造の一例を示す斜視図である。
電力変換器の制御装置1(以下、「制御装置1」と略す)は、絶縁性フレーム2に対して第1の中継基板4aおよび第2の中継基板4bに挟まれる格好で、複数のゲートドライブ基板3が挿入されている構造を有する。
ここにおいて、ゲートドライブ基板3は、図示しないパワーデバイス(例えば、IGBTやパワーMOSFETなど)を駆動するゲートドライブ信号を生成するための基板である。第1の中継基板4aは、上記ゲートドライブ信号を生成するための制御信号や駆動用の電源をゲートドライブ基板3に供給するための中継基板である。また、第2の中継基板4bは、ゲートドライブ基板3で生成したゲートドライブ信号をパワーデバイスに供給するための中継基板である。
ただし、電力変換器を構成するパワーデバイスについては、図1には図示しないが、当該制御装置1から見て第2の中継基板4bの外側部分(図1では右奥側)に配置されることになる。第2の中継基板4bとパワーデバイスとの接続態様等に関しては、図5の第2の中継基板4bの説明の部分で後述する。
また、第1の中継基板4aは、当該制御装置1の外側部分(図1では左手前側)に、上記制御信号および電源を受けるためのコネクタを配置している(これらコネクタについては、本発明の要旨に関係するものではないので、詳細は省略する)。
絶縁性フレーム2は、ユニット化したフレーム部材(フレームユニット)を適宜複数個連結して構成することができる。この場合、ユニット化したフレーム部材(フレームユニット)は、ゲートドライブ基板1枚毎対応に用意するものである(図4、参照)。一体化したフレーム構成を採用することも可能であるが、ユニット化したフレーム部材(フレームユニット)の方が増設等使用するゲートドライブ基板の枚数に変更等が生じた場合に柔軟に対応することが可能である。また、一体化したフレーム構成を採用する際に、ユニット化したフレーム部材(フレームユニット)を複数個連結して、例えばモールド加工により一体成型にし1個のモールド品の構造とすることも可能であり、これによりコスト低減を図ることができる。
図1に示す絶縁性フレーム2は、3相分それぞれにゲートドライブ基板3を割り当てた構成の場合として、3個のフレーム部材を水平の幅方向に連結し、上部側において、例えば固定用枠(固定用フレーム)を用いてボルト締め等により固定することで構成される。なお、ユニット化したフレーム部材(フレームユニット)の連結の態様については、図1に示す上記連結の態様に限定されるものではない。
また、連結するフレーム部材の個数は、必要となるゲートドライブ基板の枚数に依存することになり、必要となるゲートドライブ基板の枚数は、パワーデバイスにより構成される電力変換器の種類(例えば、各種のインバータやコンバータ)や駆動対象となる電力変換器の数等に対応して、決定されることになる。
以下、図2〜図5により、制御装置1を構成する各パーツについて順次説明する。
図2は、第1の中継基板4a、第2の中継基板4bおよび複数のゲートドライブ基板3との相互の配置関係を示す斜視図であって、図1に示す制御装置1の全体構造から絶縁性フレーム2を取り去った場合に相当する。
配置関係としては、先ず、第1の中継基板4a、第2の中継基板4bおよび複数のゲートドライブ基板3それぞれ共に、基板の短手方向を垂直にした形態で、複数のゲートドライブ基板3それぞれを、水平方向に並べて積層するような形態で配置する。その上で、ゲートドライブ基板3の基板長手方向に対して、第1の中継基板4aおよび第2の中継基板4bの基板長手方向が直交する形で、ゲートドライブ基板3を両方の中継基板4aおよび4bにより挟み込むような形態で配置する。
以上のように、各基板を垂直に立てる形態を採用することにより、基板を水平方向に並べる場合に比べて水平方向のスペース占有率を大幅に縮小することが可能となり、制御装置1を搭載する電力変換装置の水平方向の小型化を可能とする。電力変換装置の水平方向の小型化は、例えば、車両走行に伴う走行風にてパワーデバイスを冷却するタイプの製品の場合、冷却風の温度上昇を低減し、冷却効率向上に寄与する。
また、第1の中継基板4a、第2の中継基板4bおよび複数のゲートドライブ基板3の両端部それぞれには、互いを接続するためのコネクタ5が設けられている。図2では、第2の中継基板4bに設けたコネクタ5とそれに接続されるゲートドライブ基板3の一方の端部に設けたコネクタ5とが目視できる。一方、第1の中継基板4aに設けたコネクタ5とそれに接続するゲートドライブ基板3の他方の端部に設けたコネクタ5とは、隠れて目視できないが対応する箇所に設けられている。
図3は、ゲートドライブ基板3を絶縁性フレーム2に挿入する様子を模式的に示す斜視図である。ここで、ゲートドライブ基板3の挿入方向(矢印方向)に対して絶縁性フレーム2の奥側を絶縁フレーム2の背面側と呼ぶこととする。
複数のゲートドライブ基板3それぞれを、絶縁性フレーム2の背面側に取り付け固定した第2の中継基板4bに向けて、図3に示す矢印の方向に挿入し、各ゲートドライブ基板3の一方(奥側)の端部のコネクタ5と、対応する第2の中継基板4bのコネクタ5とを接続する。この挿入に当たっては、ゲートドライブ基板3の上下端部を絶縁性フレーム2の上下に設けた溝部(図4に示す溝部6)に嵌め込み、ゲートドライブ基板3を移動させることになる。
また、各ゲートドライブ基板3の他方(手前側)の端部のコネクタ5と第1の中継基板4aのコネクタとの接続については、図示していないが、各ゲートドライブ基板3の挿入後、手前側から第1の中継基板4aを、双方の対応するコネクタ5同士を接続した後に絶縁性フレーム2に取り付け固定する。
図4は、絶縁性フレーム2の単体構造を示す斜視図である。実際には、図1や図3に示したように、ユニット化したフレーム部材(フレームユニット)として適宜に複数個連結して使用することになる。
絶縁性フレーム2は、フレームの上部および下部それぞれの内面側にゲートドライブ基板3を脱着するための溝部6を有し、また、ゲートドライブ基板3から発生する熱を外部へ逃がすための任意形状の開口部8を上下それぞれに設けている。この開口部8の大きさ、形状および配置については、特に限定されるものではないが、トランスといった特に発熱の大きい部分に対応して設けることで、自然対流が促進され放熱性能の向上が期待できる。
複数のフレーム部材を水平の幅方向に連結する際には、図1や図3に示したように、上部側において金属枠(フレーム)等を用いてボルト締め等により固定する。下部側も、必要に応じて同様に金属枠(フレーム)等を用いてボルト締め等により固定してもよい。
また、絶縁性フレーム2は、ゲートドライブ基板3を作動させる高電圧側からできるだけ離隔させるために、少なくとも該高電圧の影響を受けない程度の沿面距離を有するものである。図4に示すユニット化したフレーム部材(フレームユニット)の場合には、沿面距離7としては、図4に示すように、水平の幅方向の矢印部分と高さ方向の矢印部分との和の距離となる。要するに、基板面が対向する水平方向に並べたゲートドライブ基板3同士の間の距離と、ゲートドライブ基板3の下部端部または上部端部から少なくとも下側または上側に設ける金属フレーム(図示せず)までの距離との和が、少なくとも上記の高電圧の影響を受けない程度の沿面距離を有するものであればよいことになる。
図5は、第2の中継基板4bを制御装置1の外側(図2に示す矢印方向)から見た斜視図である。
第2の中継基板4bは、図2に示したように、ゲートドライブ基板3側、すなわち制御装置1の内側(図5で見える面の反対側)の面には、各ゲートドライブ基板3のコネクタ5と接続するコネクタ5を設けている一方で、制御装置1の外側(図5で見える側)の面には、図5に示すように、複数の端子台10を設けている。複数の端子台10は、パワーデバイス(図示せず)へのゲートドライブ信号をパワーデバイスの制御端子に伝達するための接続部として使用するものである。
複数の端子台10のそれぞれと図示しないパワーデバイスの制御端子とを接続するための手段としては、図5に示すように、導体バー9を用いる。この導体バー9と端子台10とは機械的に接続し、例えば、ネジ等で固定させることができる。また、導体バー9のパワーデバイス側に関しては、必要に応じて図5に示すように曲がりを持たせてもよい。曲がりの方向は、図示のように下側に限らず、上下左右に適宜である。
また、第2の中継基板4bに設ける端子台10は、導体バー9を使って端子台10とパワーデバイスの制御端子とを接続する際の作業性を鑑みて、上段と下段において、千鳥配列を採用している。例えば、上段に設けた端子台10がパワーデバイスの上側アームの制御端子に対応し、下側に設けた端子台10がパワーデバイスの下側アームの制御端子に対応する。ただし、端子台10の配列を含めた配置については、上記した千鳥配列に限定されるものではなく、接続先のパワーデバイスの制御端子との関係等に応じて他の配列や配置を採用してもよい。
さらに、上段に設けた端子台10と下段に設けた端子台10の距離については、最小にすることが望ましい。これは、上段および下段の端子台10間の距離が、制御装置1の垂直方向サイズを決定する主たるパラメータとなるためである。上段と下段の端子台間の距離については、絶縁距離を考慮した上で最小にすることで制御装置1の垂直方向の小型化が実現できる。
なお、第2の中継基板4bとパワーデバイスの制御端子との接続態様に関しては、上記の導体バー9および端子台10の形態に限定させるものではなく、他の接続手段(例えば、接続ケーブル等)を用いてもよい。
以上では、本発明に係る実施例として、複数のゲートドライブ基板3を第1の中継基板4aおよび第2の中継基板4bによって挟み込む構造を示したが、必ずしも当該構造の拘束されるものではない。例えば、パワーデバイス側の中継基板4bのみを用い、中継基板4a側の方は、当該中継基板を用いることなく、ゲートドライブ信号を生成するための制御信号や駆動用の電源を、ケーブル等を用いて直接にゲートドライブ基板3の対応するコネクタに接続するようにしてもよい。ただし、この際には、絶縁性フレーム2の解放側の溝部6付近にストッパを設けるなどして、ゲートドライブ基板3が抜け出ないようにする対策を施すようにする。
1…(電力変換器の)制御装置、2…絶縁性フレーム、3…ゲートドライブ基板、
4a…第1の中継基板、4b…第2の中継基板、5…コネクタ、6…溝部、
7…沿面距離、8…開口部、9…導体バー、10…端子台

Claims (10)

  1. 複数のゲートドライブ基板を備える電力変換器の制御装置であって、
    前記複数のゲートドライブ基板それぞれを、絶縁性を有するフレームを介して、基板短手方向を垂直方向にして基板面が対向する水平方向に並べて配置し、
    前記複数のゲートドライブ基板それぞれの長手方向両端部の少なくともいずれかの端部に対して中継基板を配置する
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  2. 請求項1に記載の電力変換器の制御装置であって、
    前記複数のゲートドライブ基板それぞれの前記端部と前記中継基板とは、コネクタを介して接続される
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の電力変換器の制御装置であって、
    前記複数のゲートドライブ基板それぞれは、独立して前記絶縁性を有するフレームに脱着がなされる
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  4. 請求項3に記載の電力変換器の制御装置であって、
    前記絶縁性を有するフレームは、当該フレームの上部および下部に前記脱着のための溝部を有する
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  5. 請求項3または4に記載の電力変換器の制御装置であって、
    前記絶縁性を有するフレームは、少なくとも当該フレームの上部および下部に開口部を有し、該開口部から前記ゲートドライブ基板が発生する熱を逃がす
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  6. 請求項3から5のいずれか1項に記載の電力変換器の制御装置であって、
    前記絶縁性を有するフレームは、前記ゲートドライブ基板ごとに個別に設けたフレームユニットを連結して構成される
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  7. 請求項6に記載の電力変換器の制御装置であって、
    前記絶縁性を有するフレームを構成する前記フレームユニットは、前記溝部から前記基板面が対向する水平方向の当該フレームユニットの端部までの距離と当該端部から当該フレームユニットの上端部または下端部までの距離との和が前記ゲートドライブ基板を作動させる高電圧の影響を受けない程度の沿面距離以上である
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  8. 請求項6または7に記載の電力変換器の制御装置であって、
    前記絶縁性を有するフレームは、前記ゲートドライブ基板ごとに個別に設けたフレームユニットを連結してモールド加工により一体成型した構造である
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電力変換器の制御装置であって、
    前記複数のゲートドライブ基板それぞれの長手方向両端部のいずれかの端部に配置した前記中継基板は、当該制御装置の外向きの基板面上に、導体バーが接続可能な端子台を複数個有する
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  10. 請求項9に記載の電力変換器の制御装置であって、
    前記端子台は、前記中継基板の前記基板面上に千鳥配列で配置される
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
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