JP2019110460A - Rfidタグ用基板、rfidタグおよびrfidシステム - Google Patents

Rfidタグ用基板、rfidタグおよびrfidシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 通信特性に優れたRFIDタグ用基板、RFIDタグおよびRFIDシステムを提供する。【解決手段】 凹部1aを含む第1面11および対向する第2面12を有する誘電体基板1と、第1面11に設けられた放射導体2と、第2面12に設けられた接地導体3と、放射導体2と接地導体3とを電気的に接続する接続導体4と、凹部1a内に設けられており、第1接続導体8aによって放射導体2と電気的に接続されている第1電極7aと、前凹部1a内に設けられており、第2接続導体8bによって接地導体3と電気的に接続されている第2電極7bとを備える配線基板10と、配線基板10の凹部1aを塞いて接合されており、放射導体2に電気的に接続された板状の基体21と、基体21の配線基板10とは反対側の面に設けられた凸部22とを有している導電性の蓋体20とを備えるRFIDタグ用基板30等である。【選択図】 図2

Description

本開示は、放射導体(アンテナ導体)としての放射導体を有するRFIDタグ用基板、RFID(Radio Frequency Identification)タグおよびRFIDシステムに関する。
近年、電子マネー用のIC(Integrated Circuit)カードや在庫管理用のタグとして、RFID(Radio Frequency IDentification)システムを用いた非接触型の情報通信手段が広く使われるようになってきている。情報の授受は、リーダライタ等の外部機器との間で無線(RF)通信によって行なわれる。このようなRFIDシステムとして、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯の周波数を情報通信に用いるものがあり、このUHF帯のRFIDタグとして、アンテナ機能を有する配線基板上にRFID用IC等の半導体素子が搭載されたものがある。RFIDシステムで送受される信号は、RFIDタグの半導体素子で記憶または呼び出し等が行なわれる。(例えば、特許文献1を参照。)。RFIDタグ用の配線基板としては、小型であることあることが重要であるので、アンテナ導体としての放射導体と接地導体とが誘電体である誘電体基板を挟んで対向して配置された、逆Fのアンテナ基板が用いられる場合がある。
国際公開第2007/083574号
従来のRFIDタグ用の配線基板では、半導体素子をRFIDタグ用基板の外表面に実装する必要があるため、半導体素子の接合の信頼性を高めることが難しい。これに対して、例えばRFIDタグ用基板に凹部を設けて、凹部内に半導体素子を収容するという手段が考えられる。
しかしながら、このような凹部を、物品への実装面である配線基板の下面、すなわち接地導体が設けられた面に設け、凹部を物品の表面で塞ぐようにしてRFIDタグを実装する場合には、凹部の存在に起因してRFIDタグとしての共振周波数が所定の範囲からずれる可能性があった。そして、共振周波数がずれるとRFIDタグとしての通信距離の低下等の通信特性の低下を招く可能性があった。
また、凹部を配線基板の上面、すなわち放射導体が設けられた面に設ける場合には、放射導体の面積が凹部の開口面積の分だけ小さくなるので、やはりRFIDタグとしての通信距離の低下等の通信特性の低下を招く可能性があった。
本開示の1つの態様のRFIDタグ用基板は、凹部を有する配線基板と該配線基板の前記凹部を塞いて接合された導電性の蓋体とを備えており、前記配線基板は、前記凹部を含む第1面および該第1面に対向する第2面を有する誘電体基板と、該誘電体基板の前記第1面に設けられた放射導体と、前記誘電体基板の前記第2面に設けられた接地導体と、前記放射導体と前記接地導体とを電気的に接続する接続導体と、前記凹部内に設けられており、第1接続導体によって前記放射導体と電気的に接続されている第1電極と、前記凹部内に設けられており、第2接続導体によって前記接地導体と電気的に接続されている第2電極とを有しており、前記蓋体は、前記放射導体に電気的に接続された板状の基体と、該
基体の前記配線基板とは反対側の面に設けられた凸部とを有している。
本開示の1つの態様のRFIDタグは、上記構成のRFIDタグ用基板と、該RFIDタグ用基板の前記凹部に搭載され前記第1電極および前記第2電極に接続された半導体素子とを含む。
本開示の1つの態様のRFIDシステムは、上記構成のRFIDタグと該RFIDタグとの間で電波を送受するアンテナを備えるリーダライタとを含む。
本開示のRFIDタグ用基板によれば、接地導体が設けられた第2面ではなく、放射導体が設けられた第1面に凹部を有しているので共振周波数のずれの抑制が可能なRFIDタグを容易に製作することができるとともに、凹部を塞ぐ蓋体は導電性であり放射導体に電気的に接続されていることから、放射導体と蓋体とでアンテナ導体が構成されるので凹部による放射導体の面積の低減を補い、さらに蓋体は凸部を有していることから、アンテナ導体の表面積が増加してアンテナ特性が向上するので、通信特性に優れたRFIDタグを作製することができるものとなる。
本開示のRFIDタグによれば、アンテナ特性の向上したRFIDタグ用基板を含むことから、通信距離等の通信特性に優れたものとなる。
本開示のRFIDシステムによれば、上記構成のRFIDタグを含むことから、RFIDタグとリーダライタとの通信距離の増加に有利であり、物品とリーダライタとの間の情報の送受が容易なRFIDシステムを提供することができる。
RFIDタグ用基板およびRFIDタグの一例を示す斜視図である。 (a)は図1に示すRFIDタグ用基板およびRFIDタグを示す平面図であり、(b)は(a)のB−B線における断面の一例を示す断面図であり、(c)は(b)のC部を拡大して示す断面図である。 図2に示すRFIDタグ用基板を示す分解斜視図である。 RFIDタグ用基板およびRFIDタグの他の例を示す斜視図である。 (a)は図4に示すRFIDタグ用基板およびRFIDタグを示す平面図であり、(b)は(a)のB−B線における断面の一例を示す断面図である。 図5に示すRFIDタグ用基板を示す分解斜視図である。 (a)および(b)はいずれもRFIDタグ用基板およびRFIDタグの蓋体の他の例を示す斜視図である。 (a)〜(d)はいずれもRFIDタグ用基板およびRFIDタグの蓋体の他の例を示す断面図である。 (a)〜(c)はいずれもRFIDタグ用基板およびRFIDタグの配線基板の他の例を示す断面図である。 (a)および(b)はいずれもRFIDタグ用基板およびRFIDタグの配線基板の他の例を示す断面図である。 RFIDシステムを示す模式図である。
本開示の実施形態のRFIDタグ用基板、RFIDタグおよびRFIDシステムを、添付の図面を参照して説明する。なお、以下の説明における上下の区別は説明上の便宜的なものであり、実際にRFIDタグ用基板、RFIDタグまたはRFIDシステムが使用されるときの上下を限定するものではない。
図1はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの一例を示す斜視図であり、蓋体を外した状態を示している。図2(a)は図1に示すRFIDタグ用基板およびRFIDタグを示す平面図であり、図2(b)は図2(a)のB−B線における断面の一例を示す断面図であり、図2(c)は(b)のC部を拡大して示す断面図である。図3は図2に示すRFIDタグ用基板を示す分解斜視図である。図3において、貫通導体は太い破線で示し、接続位置を黒丸で示している。
RFIDタグ用基板30は、凹部1aを有する配線基板10と配線基板10の凹部1aを塞いて接合された導電性の蓋体20とを備えている。
配線基板10は、凹部1aを含む第1面11(上面)および第1面11に対向する第2面12(下面)を有する誘電体基板1と、誘電体基板1の第1面11に設けられた放射導体2と、誘電体基板1の第2面12に設けられた接地導体3と、放射導体2と接地導体と3を電気的に接続する接続導体4とを有している。接続導体4は誘電体基板1を厚み方向に貫通しており、放射導体2の外周部の一部のみにおいて放射導体2と接続している。RFIDタグ100として用いる際には、配線基板10の下面が外部(後述する物品等)に接合されて実装される。
放射導体2および接地導体3といった導体部分は、配線基板10がRFIDタグ100として用いられるときにアンテナとして機能する部分である。このアンテナは、放射導体2および接地導体3、ならびにこれらを電気的に接続させる接続導体4を有し、後述するリーダライタ200のアンテナ201との間で電波を送受するアンテナ(逆Fアンテナ)を構成している。逆Fアンテナはパッチアンテナをベースにしたアンテナであり、金属製の物品へ直接取り付けることが可能で、またパッチアンテナより小型化ができる点でRFIDタグ用基板100に適している。
この放射導体2は上述したようにアンテナ導体であり、四角枠状のアンテナ導体の端部分(図3に示す例では放射導体2の1つの辺の中央部に近い外周部)に接続導体4の上端部分が接続されている。すなわち、上述したように接続導体4は放射導体2の外周部の一部のみにおいて放射導体2と接続している。このように接続導体4が放射導体2の中央部ではなく外周部に偏った位置で接続されているため、接地導体3とともに逆F型アンテナとして効果的に機能するアンテナを構成できる。
配線基板10は、さらに、凹部1a内に設けられており、第1接続導体8aによって放射導体2と電気的に接続されている第1電極7aと、凹部1a内に設けられており、第2接続導体8bによって3接地導体と電気的に接続されている第2電極7bとを有している。第1電極7aおよび第2電極7bは、凹部1a内に収容される半導体素子70と電気的に接続される配線導体である。第1電極7a、第2電極7bおよび半導体素子70は、RFIDタグ100における給電部を構成する。
第1接続導体8aは、図2および図3に示す例では、誘電体基板1の誘電体層間の導体層と、この導体層から放射導体2まで誘電体層を貫通して伸びる貫通導体とで構成されている。第1接続導体8aの導体層は、第1電極7aと一体であり、第1電極7aが凹部1a内から誘電体基板1内へ伸びた部分とみなすこともできる。同様の図に示す例において、第2接続導体8bは、第2電極7bから接地導体3まで誘電体層を貫通して伸びる貫通導体だけで構成されている。
そして、蓋体20は、放射導体2に電気的に接続された板状の基体21と、基体21の配線基板10とは反対側の面に設けられた凸部22とを有している。説明の便宜上基体2
1と凸部22と分けているが、図に示す例のように、これらは一体であってよい。図1および図2に示す例では、凸部22は、正方形状の基体21の対向する一対の辺に沿って長い直方体(凸条)であり、別の一対の辺に沿って一定の間隔で配列されている。板状体の一面に複数の溝が設けられているとみなすこともできる。この場合は、溝の間の部分、板状体の面方向において溝に隣接する部分が凸部22に相当する。平面視の大きさが同じ板に対して、凸部22の側面の分だけ表面積が増加している。
物品への実装面であるRFIDタグ用基板の下面に凹部を設けると、下面に設けられた接地導体は凹部の部分に開口を有する形状となる。上述したように、RFIDタグは凹部を物品の表面で塞ぐようにして実装する、すなわち、例えばRFIDタグは、下面を金属製の物品の表面に接触あるいは接合材で接合して用いられる。すると、放射導体と、これに対向する接地電位を有する層(接地導体または物品の表面)との間の距離が、凹部が存在している部分と存在していない部分とで異なることになる。より具体的には、凹部が存在する部分では、誘電体基板の下面に接地導体が存在しないので、放射導体と接地電位を有する層との間の距離が大きくなる。前述した共振周波数のずれは、このような放射導体と接地電位を有する層との間の距離のばらつきに起因するものである。
本開示の1つの態様のRFIDタグ用基板30によれば、上記共振周波数のずれを効果的に低減できる。すなわち、この構成のRFIDタグ用基板30によれば、上面に凹部1aを有することから、RFIDタグとして物品に実装されるときに、アンテナ導体としての放射導体2と、これに対向する接地電位を有する層(接地導体3または金属製の物品の表面)との間の距離が、凹部が存在している部分と存在していない部分とで異なってしまう可能性を効果的に低減できる。前述したように、共振周波数のずれは、上記放射導体と接地電位を有する層との間の距離のばらつきに起因するものであり、この距離のばらつきの低減によって共振周波数のずれを抑制できる。したがって、この構成のRFIDタグ用基板30は、共振周波数のずれの抑制が可能なRFIDタグ100を容易に製作することができる。
一方、配線基板のアンテナ導体である放射導体が設けられる、配線基板の上面に凹部を設ける場合には、放射導体の面積が凹部の開口面積の分だけ小さくなるので、やはりアンテナ基板として利得の低下等のアンテナ特性の低下を招く可能性がある。
しかしながら、本開示の1つの態様のRFIDタグ用基板30によれば、凹部1aを塞ぐ蓋体20は導電性であり放射導体2に電気的に接続されていることから、放射導体2と蓋体20とでアンテナ導体が構成され、凹部1aによる開口のない放射導体2によるアンテナ導体と同様になり、さらに蓋体20は表面に凸部22を有していることから、アンテナ導体の表面積が増加することとなるので、アンテナ特性が向上する。
図4はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの他の例を示す斜視図であり、蓋体を外した状態を示している。図5(a)は図4に示すRFIDタグ用基板およびRFIDタグを示す平面図であり、図5(b)は図5(a)のB−B線における断面の一例を示す断面図である。図6は図5に示すRFIDタグ用基板を示す分解斜視図である。図3と同様に図6において、貫通導体は太い破線で示し、接続位置を黒丸で示している。図4〜図6に示す例は、図1〜図3に示す例に対して、蓋体20の大きさが異なり、配線基板10が容量導体5を有している点が大きく異なる。
図4および図5に示す例のRFIDタグ用基板30おいては、蓋体20は放射導体2の全面と重なって接続されている、言い換えれば、蓋RFIDタグ用基板30体20の平面視の大きさは放射導体2の平面視の大きさと同等のものとすることができる。このようにすることで、放射導体2の平面視の大きさ、RFIDタグ用基板100の平面視の大きさ
を大きくすることなく、アンテナ導体の表面積をより大きくすることができる。そのため、RFIDタグ用基板30は、より高利得なアンテナ基板となり、RFIDタグ100として用いた際には、通信距離が長くなる等の通信特性に優れたものとなる。
図4および図5に示す例のように、蓋体20の基体21の平面視の形状が長方形状である場合には、RFIDタグ用基板30は、蓋体20の凸部22が基体21の短辺方向に沿って伸びる複数の凸条であるものとすることができる。このようにすると、蓋体20と配線基板10との間に熱応力が発生した場合に、蓋体20の長手方向に発生する最大応力に対して変形しやすくなり、熱応力が緩和されやすくなる。これにより、RFIDタグ用基板30として蓋体20の配線基板10への接合信頼性が高く、RFIDタグ100として凹部1a内の半導体素子70の封止信頼性が高いものとなる。特に、図4および図5に示す例のように、蓋体20の平面視の大きさが放射導体2の平面視の大きさと同等で大きい場合には有効である。
ここで、図7(a)および図7(b)はいずれもRFIDタグ用基板およびRFIDタグの蓋体の他の例を示す斜視図である。図8(a)〜図8(d)はいずれもRFIDタグの蓋体の他の例を示す断面図である。
蓋体20(凸部22)の形状は、図1,2,4および図6の例のような、細長い凸条だけに限られるものではない。例えば、図7(a)に示す例の蓋体20は、図6に示す例の蓋体20における凸条の凸部22をさらに分割したような例であり、角柱状(直方体状)の凸部22が基体21の長辺方向と短辺方向の両方向に配列されている例である。上記の凸条の凸部22に対して、凸条の幅より小さい間隔で角柱状の凸部22が配列されているので、さらに蓋体20の表面積が大きいものとなっている。図7(b)に示す例の蓋体20は、四角錐台の凸部22が基体21上おいて、基体21の長辺方向および短辺方向に配列されている。これら2つの例の蓋体20は、平面視形状が長方形の基体21の短辺方向および長辺よりも短い凸部22が短辺長辺方向の両方に沿って配列されたものである。そのため、長辺方向および短辺方向のいずれにも変形しやすい(曲がりやすい)ものとなっており、このような蓋体20を用いたRFIDタグ用基板30は、さらにアンテナ特性に優れるとともに蓋体20の接合信頼性もさらに優れたものとなる。基体21の平面視の形状が長方形の場合に限られず、図1および図2に示す例のような正方形等、他の形状である場合にも適用できる。また、凸部22は基体21の外辺に沿って配列されていないものとすることができる。蓋体20の変形性が均一になるように、基体21上において凸部22はほぼ均一に分布しているものとすることができる。
また、蓋体20の凸部22の断面形状は、上記の図1〜図7(a)に示す例では矩形であるが、これに限られものではない。例えば、図8(a)に示す例の凸部22の断面形状は台形であり、図7(b)に示す例の蓋体20の断面もこのような形状になる。図8(b)に示す例の凸部22の断面形状は半円形であり、図8(c)に示す例の凸部22の断面形状は三角形である。また、図8(d)に示す例の蓋体20は、凸部22によって、波形の表面を有する断面になっている。いずれの場合でも平坦な面に対して表面積が大きくなるものである。図8に示す例は断面図であるが、図1または図4に示す例のような、凸条の凸部22である場合でも、図7に示す例のような柱状の凸部22である場合でも適用されるものである。
また、RFIDタグ用基板30は、図5および図6に示す例のように、誘電体基板1の内部に設けられ、接地導体4の一部と対向している容量導体5と、容量導体5と放射導体2とを電気的に接続している容量部接続導体6とをさらに備えるものとすることができる。
容量導体5は、誘電体基板1の一部を間に挟んで接地導体3と対向し合い、容量部接続導体6を介して放射導体2と電気的に接続されて、所定の静電容量をアンテナ導体に付与する機能を有している。容量導体5は、接続導体4が接続されている端部分とは反対側の端から中央部に向かって伸びている。そして、接続導体4が接続されている端部分とは反対側の端において、容量部接続導体6によって放射導体2と電気的に接続されている。
このような容量導体5が配置されているときには、放射導体2と接地導体3との間の容量成分が大きくなるので、放射導体2および接地導体3を小さくすることができ、逆Fアンテナをより小型化することができる。つまり、RFIDタグ100の小型化に有効な配線基板10とすることができる。容量導体5は、凹部1aによる開口を有していない接地導体3と対向しているので、誘電体基板1内における配置の自由度が高く、より大きいものとすることができ、容量導体5と接地導体3との間に形成される容量をより大きいものとして、配線基板10をより小型化することが可能である。
図9(a)〜図9(c)はいずれもRFIDタグの配線基板の他の例を示す断面図である。いずれも図5および図6に示す例と同様の容量導体5を有するものであるが、図5および図6に示す例に対して、第1接続導体8aまたは第2接続導体8bの形態が異なっている。
図9(a)に示す例の配線基板10においては、第1接続導体8aは第1電極7aと容量導体5とを接続する貫通導体である。第1電極7aは、第1接続導体8aによって放射導体2に接続された容量導体5に接続されている。第1電極7aは、第1接続導体8a、容量導体5および容量部接続導体6を介して放射導体2に電気的に接続されている。そのため、図5および図6に示す例に対して、給電部(第1電極7a)から放射導体2までの配線長が長い。このような構成の場合は、上述したように容量導体5を有していることから小型の逆Fアンテナとなる。そして、給電部と放射導体2(アンテナ導体)との電気的な接続の配線長が長いことから、誘電体基板1の外形を大きくすることなく広帯域化することができる。すなわち、アンテナである配線基板10を、小型のままで広帯域化するのに有効である。したがって、このような配線基板10によれば、小型化および広帯域化が容易なRFIDタグ100の製作に有利な配線基板10を提供することができる。
図5および図6に示す例では、第1電極7aは第1接続導体8aによって(容量導体5および容量部接続導体6を介さずに)放射導体2に直接に、つまり比較的短い接続長さで電気的に接続されている。そのため、第1電極7aから第2電極7bの電気的経路が図9(a)に示す例に比較して短い。具体的には、図9(a)に示す例の配線基板10では、第1電極7a、第1接続導体8a、容量導体5、容量部接続導体6、放射導体2、接続導体4、接地導体3、第2接続導体8b、第2電極7bという電気的経路である。これに対して図5および図6に示す例の配線基板10においては、第1電極7a、第1接続導体8a、放射導体2、接続導体4、接地導体3、第2接続導体8b、第2電極7bという電気的経路である。第1電極7aから第2電極7bの経路が短いため、第1電極7aと第2電極7bとの間のロスが小さく、この経路のQ値を高くすることができる。そのため、効果的に高利得化する上で有効なRFIDタグ100とすることができる。したがって、この配線基板10によれば、図9(a)に示す例の配線基板10と比較して、高利得化等が容易なRFIDタグ100の製作に有利な配線基板10を提供することができる。
図9(b)に示す例の配線基板10は、図5および図6に示す例の配線基板10に対して、第1電極7aから第2電極7bの電気的経路がさらに短い。図9(b)に示す例の配線基板10においては、第2接続導体8bは第2電極7bと接続導体4とを接続する誘電体層間の導体層である。第2接続導体8bは、第2電極7bと一体であり、第2電極7bが凹部1a内から誘電体基板1内へ伸びて接続導体4に接続しているとみなすこともでき
る。第2電極7bは、接地導体3および接続導体4の接地導体3側の部分を介さずに放射導体2に電気的に接続されている。図9(b)に示す例の配線基板10においては、第1電極7a、第1接続導体8a、放射導体2、接続導体4(の放射導体2側)、第2接続導体8b、第2電極7bという電気的経路である。上記のような図5および図6に示す例の配線基板10の第1電極7aから第2電極7bの電気的経路に対して、誘電体基板1の接地導体3側の2つの誘電体層を貫通する、2つの貫通導体(第2接続導体8bおよび接続導体4の接地導体3側の部分)の長さの分だけ短い。そのため、第1電極7aと第2電極7bとの間のロスがより小さく、この経路のQ値をより高くすることができ、より高利得化等が容易なRFIDタグ100の製作に有利な配線基板10を提供することができる。
図9(C)に示す例の配線基板10は、図9(b)に示す例の配線基板10に対しても、第1電極7aから第2電極7bの電気的経路がさらに短い。図9(c)に示す例の配線基板10においては、第2接続導体8bは第2電極7bに接続された誘電体基板1の誘電体層間の導体層と、この導体層から放射導体2まで誘電体層を貫通して伸びる貫通導体とで構成されている。第2接続導体8bは、第2電極7bと一体であり、第2電極7bが凹部1a内から誘電体基板1内へ伸びているとみなすこともできる。第2電極7bは、接地導体3および接続導体4のいずれも介さずに、第2接続導体8bによって放射導体2に直接に接続されている。そのため、図9(c)に示す例の配線基板10においては、第1電極7a、第1接続導体8a、放射導体2、第2接続導体8b、第2電極7bという短い電気的経路である。そのため、第1電極7aと第2電極7bとの間のロスがさらに小さく、この経路のQ値をさらに高くすることができ、さらに高利得化等が容易なRFIDタグ100の製作に有利な配線基板10を提供することができる。
なお、図9(b)および図9(c)に示す例のような、第1電極7aから第2電極7bまでの電気経路が短くなる構成の第2接続導体8bは、図2および図3に示す例のような容量導体5を有さない配線基板10にも適用することができ、その場合にも高利得化することができる。
上述したように、RFIDタグ用基板30は、凹部1aを有する配線基板10と配線基板10の凹部1aを塞いて接合された導電性の蓋体20とを備えている。配線基板10は、凹部1aを含む誘電体基板1と、誘電体基板1に設けられた放射導体2、接地導体3等の導体部分とを有している。
誘電体基板1は、放射導体2および接地導体3等の導体部分を互いに電気的に絶縁させて配置するための電気絶縁性の基体として機能する。また、誘電体基板1は、後述する半導体素子70等の部材を搭載して固定するための基体としても機能する。
誘電体基板1は、例えば一辺の長さが2mm〜40mmで、厚みが0.3mm〜3mmである矩形状の平板状である。この誘電体基板1は、上面の所定部位に凹部1aを有している。凹部1aは、上記のように、給電部を構成する半導体素子70を収容する部分である。
誘電体基板1は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体またはガラスセラミック焼結体等のセラミック焼結体によって形成されている。誘電体基板1は、例えばガラスセラミック焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。まず、ガラス成分となる酸化ケイ素、酸化ホウ素およびフィラー成分となる酸化アルミニウム等の粉末を主成分とする原料粉末を、有機溶剤、バインダと混練してスラリーとするとともに、このスラリーをドクターブレード法またはリップコータ法等の成形方法でシート状に成形して誘電体基板1の誘電体層となるセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を作製する。次に、複数のグリーンシ
ートを積層して積層体を作製する。その後、この積層体を約900〜1000℃程度の温度で焼成することによって誘電体基板1を製作することができる。
誘電体基板1を含む配線基板10は、このような配線基板10となる複数の配線基板領域が母基板に配列された多数個取り配線基板として製作することもできる。複数の配線基板領域を含む母基板を、配線基板領域毎に分割して複数の配線基板10をより効率よく製作することもできる。この場合には、母基板のうち配線基板領域の境界に沿って分割用の溝が設けられていてもよい。
実施形態のRFIDタグ用基板30の配線基板10では、上記セラミックグリーンシートが焼成されてなる複数の誘電体層(符号なし)が互いに積層されて誘電体基板1を形成している。このときに、一部のセラミックグリーンシートの中央部等を厚み方向に打ち抜いて枠状に加工しておき、枠状のセラミックグリーンシートを最上層等に積層して焼成すれば、凹部1aを有する誘電体基板1を製作することができる。この場合の誘電体基板1は、それぞれのセラミックグリーンシートが焼結してなる複数の誘電体層が互いに積層された積層体になっている。なお、図2,図3,図5,図6および図9に示す例では、3層の誘電体層で誘電体基板1が構成されているが、これに限られるものではない。また、凹部1aは1層の誘電体層を貫通するものであるが、複数層を貫通するものとすることもできる。
放射導体2は、実際に電波の送受が行なわれるアンテナ導体であり、例えば外形が誘電体基板1と同様の矩形である枠状の導体層である。誘電体基板1の第1面11(上面)には凹部1aが設けられているため、凹部1aの部分には放射導体2は設けられない。そのため、放射導体2は平面視で枠状になっている。
接地導体3もまた、放射導体2および接続導体4とともに逆Fアンテナを構成する導体であり、誘電体基板1と同様の矩形である導体層である。接地導体3の外寸を放射導体2の外形寸法より一回り大きくすることで、両者間の結合が配線基板10の作製時の位置ずれ等でばらつかないようにすることができる。
接続導体4は、放射導体2と接地導体3とを電気的に接続するものであり、誘電体基板1を厚み方向に貫通する貫通導体である。接続導体4は、誘電体基板1の側面に設けた側面導体とすることもできる。図2および図3に示す例では、接続導体4は1つの貫通導体のみで構成されているが、図6に示す例のように複数の貫通導体で構成されていても構わない。これらの貫通導体は、例えば、放射導体の外周部の一部に、互いに隣り合って配置される。複数の貫通導体で接続導体4が構成されているときには、接続導体4の導通抵抗を低減して接地電位を効果的に安定させること等において有利である。
また、接続導体4に限らず、他の貫通導体(容量部接続導体6および第1接続導体8aおよび第2接続導体8bの貫通導体)についても、複数が並んで設けられたものでもよい。すなわち、例えば、容量導体5と放射導体2との間に、複数の容量部接続導体6が、平面視で互いに並んで設けられてもよい。この場合には、複数で1つの容量部接続導体6と同様に機能する。
容量導体5は、上述したように、所定の静電容量をアンテナ導体に付与する機能を有している。所定の静電容量をアンテナ導体に付与する、言い換えれば放射導体2と接地導体3との間の容量成分を大きくするためには、容量導体5は容量部接続導体6によって接地導体3と電気的に接続され、放射導体2と対向するように配置されているものであってもよいが、上述したような理由から、凹部1aによる開口を有していない接地導体3と対向しているものとすることができる。
容量導体5の接地導体3との対向面積は、小型化の点では大きい方が有利であるが、高利得化の点では小さい方がよい。このような点およびRFIDタグ100としての生産性および経済性等を考慮したときに、平面視において接地導体3の面積の10〜90%程度の範囲で、容量導体5と接地導体3とが互いに対向し合うように設定すればよい。
図10(a)および(b)はいずれもRFIDタグ用基板およびRFIDタグの配線基板の他の例を示す断面図である。図9(c)に示す例の配線基板10に対して、小型化のために容量導体5の接地導体3との対向面積を大きくした例である。図10(a)に示す例においては、図9(c)に示す例の配線基板10に対して、容量導体5を接続導体4の方へ伸ばしたものである。図10(b)に示す例では、容量導体5と放射導体2との間に内部接地導体3aを設けている。内部接地導体3aは、容量導体5と対向して配置され、接続導体4に接続されている。内部接地導体3aと容量導体5との対向面積の分だけ放射導体2と接地導体3との間の容量成分が大きくなる。図10(a)に示す例に対して、平面視の大きさをさらに小さくすることができる。このとき、放射導体2の面積が小さくなるので利得が低下するが、上記のような蓋体20によって利得の低下が抑えられる。
放射導体2、接地導体3、内部接地導体3a、接続導体4、容量導体5、容量部接続導体6、第1電極7a、第2電極7b、第1接続導体8aおよび第2接続導体8bといった導体部分は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金、ニッケルまたはコバルト等の金属材料によって形成されている。また、これらの導体部分は上記の金属材料を含む合金材料等によって形成されているものでもよい。このような金属材料等は、メタライズ導体またはめっき導体等の導体として誘電体基板1の所定部位に設けられている。この導体は、例えば誘電体層の露出表面または誘電体層同士の層間に層状に設けられたものと、誘電体層を厚み方向に貫通する貫通孔(符号なし)内に充填された柱状等のものとを含んでいる。
上記の導体部分は、誘電体基板1が上述したようなガラスセラミック焼結体からなる場合であれば、例えば銅のメタライズ層で形成することができる。例えば、銅の粉末を有機溶剤および有機バインダと混合して作製した金属ペーストを誘電体基板1となるセラミックグリーンシートの所定位置にスクリーン印刷法等の方法で印刷した後に、これらを同時焼成する方法で形成することができる。
接続導体4等の誘電体基板1(誘電体層)を厚み方向に貫通している部分は、あらかじめセラミックグリーンシートに貫通孔を設けておき、この貫通孔内に上記と同様の金属ペーストを充填して焼成することで形成することができる。貫通孔は、機械的な孔あけ加工またはレーザ加工等の方法でセラミックグリーンシートに設けることができる。
また、このような導体部分がメタライズ層で形成されるときに、そのメタライズ層の露出表面をニッケル、コバルト、パラジウムおよび金等から適宜選択されためっき層で被覆して、酸化腐食の抑制および後述するボンディングワイヤ71のボンディング性等の特性の向上を行なうようにしてもよい。
蓋体20は、配線基板10の凹部1aを塞いで凹部1a内の半導体素子70を保護するためのものである。また、蓋体20は、配線基板10の放射導体2に電気的に接続されている。蓋体20は板状の基体21と、基体21の配線基板30とは反対側の面に設けられた凸部22とを有しているので、基体21が放射導体2に電気的に接続されるが、凸部22も放射導体2に電気的に接続されていてもよい。上述したように、導電性の蓋体20で凹部1aが塞がれ、蓋体20は表面に凸部22を有し表面積が大きいのでアンテナ導体の表面積を増大させるものである。
蓋体20を構成する導電性の材料としては、例えば銅、アルミニウム、ステンレス鋼、Fe−Ni−Co合金等の金属からなる材料が挙げられる。これらの材料からなる蓋体20を導電性接合材23で配線基板10の放射導体2に接合することで、蓋体20を配線基板30に固定するとともに蓋体20と放射導体2とを電気的に接続することができる。誘電体基板1がセラミックスからなる場合は、蓋体20としてセラミックスと熱膨脹係数の近いFe−Ni−Co合金を用いると蓋体20の接合信頼性の高いものとなる。
蓋体20の平面視の大きさは、例えば図1の例では凹部1aを覆うことができる大きさであればよい。例えば凹部1aの開口寸法が1.5×1.5mmの正方形である場合には、蓋体20は2.0〜2.5×2.0〜2.5mmの正方形に設定することができる。また、図4に示す例のように蓋体20が放射導体2の全面と重なって接続されている場合には、誘電体基板1の平面視の大きさとほぼ同等の大きさに設定することができる。誘電体基板1の平面視の大きさが例えば7.0×4.0mmであれば、蓋体20の平面視の大きさは6.0〜8.0×3.0〜5.0mmに設定することができる。いずれの場合でも、基体21および凸部22の厚みは例えば共に0.2〜1.0mmに設定し、蓋体20の厚みとしては0.4mm〜2mmとすることができる。
蓋体20は、上記のような材料の金属板をプレス加工、切削あるいは研削加工することで、あるいは鋳造することで作製することができる。
蓋体20は、導電性接合材23の接合性の向上あるいは蓋体20の耐腐食性の向上のために、表面にめっき法などで金属皮膜を形成したものとことができる。
導電性接合材23は、例えばはんだやAuSnろう等の金属や、樹脂やガラス等の絶縁性の材料に金属等の導電性粒子を混合して導電性を持たせたもの等が挙げられる。
RFIDタグ100は、上記のようなRFIDタグ用基板30と、RFIDタグ用基板30(の配線基板10)の凹部1a内に搭載され第1電極7aおよび第2電極7bに電気的に接続された半導体素子70とを含んでいる。本開示の1つの態様のRFIDタグによれば、上記構成のアンテナ特性の向上したRFIDタグ用基板100を含むことから、通信距離等の通信特性に優れたものとなる。
半導体素子70は、凹部1aの底面に接合材(不図示)で固定されている。この接合材は、例えば金−シリコン(Au−Si)ろう等の低融点ろう材、ガラス複合材料または樹脂接着剤を用いることができる。
図1、図2、図4および図5に示す例においては、半導体素子70の端子(不図示)と第1電極7aおよび第2電極7bとはボンディングワイヤ71を介して電気的に接続されている。半導体素子70の端子と第1電極7aおよび第2電極7bとの電気的接続は、これに限られず、例えばはんだボール、金などの金属からなるバンプ等を用いたフリップチップ接続で接続することもできる。
なお、凹部1a内に収容されている給電部は、封止樹脂で封止されていても構わない。凹部1aが封止樹脂で充填されているときには、封止樹脂の上面と蓋体20とを導電接合材23で接合することができる。このとき、凹部1aの上方においては、蓋体20と配線基板10とが封止樹脂を介して接合される。そのため、蓋体20と配線基板10との接合面積が増加するのでの接合蓋体20の接合信頼性、半導体素子70の封止信頼性が向上する。図1および図2に示す例のように、蓋体20の大きさが凹部1aの開口部より少し大きい程度の場合は、接合面積の増加による効果が大きい。
封止樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂およびシリコーン樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂材料にシリカ粒子またはガラス粒子等のフィラー粒子が添加されていても構わない。フィラー粒子は、例えば、封止樹脂の機械的な強度、耐湿性または電気特性等の各種の特性を調整するために添加される。封止樹脂は、このような各種の樹脂材料から、RFIDタグ100の生産時の作業性(生産性)および経済性等の条件に応じて適宜選択して用いることができる。
図11はRFIDシステムを示す模式図であり、RFIDタグの斜視図およびリーダライタの斜視図を含んでいる。RFIDシステム600は、上記構成のRFIDタグ100と、RFIDタグ100の放射導体2との間で電波を送受するアンテナ201を備えるリーダライタ200とを含んでいる。RFIDタグ100は物品300に固定されている。
このようなRFIDシステム600によれば、上記構成のRFIDタグ100を含むことから、広帯域で、物品300とリーダライタ200との間の情報の通信距離の増大等に対して有効なRFIDシステムを提供することができる。
リーダライタ200は、例えば電気絶縁材料からなる基体にアンテナ201が設けられて形成されている。基体はアンテナ201を収容する筐体で、筐体内にはアンテナ201に接続された回路を有し、また、この回路に接続されており、RFIDタグ100の情報等が表示される表示部、情報の書き換え等を行なう入力部等を備えるものであってもよい。
RFIDタグ100が実装される物品300は、使用に際して、その使用履歴等が必要な各種の物品である。例えば、機械加工、金属加工、樹脂加工等の各種の工業用加工において用いられるジグまたは工具等の用具が挙げられる。この用具には、切削または研磨等の消耗性のものも含まれる。また、工業用に限らず、家庭用の日用品、農産物、交通機関用等の各種のプリペイドカードおよび医療用の器具等も上記の物品300に含まれる。
RFIDタグ100の物品300への実装は、例えば、配線基板10の接地導体3が物品300の金属部に接地する形態で行なわれる。このような実装の形態とすることで、物品300の金属部がRFIDタグ100のアンテナ(上記逆Fアンテナ等)の接地導体として働くこともできる。これによって、アンテナの利得が向上し、RFIDタグ100の通信範囲を広げることもできる。つまり、物品300とリーダライタ200との間の情報の送受の距離を大きくすること等について有利なRFIDシステム600を形成することができる。
また言い換えれば、上記実施形態のRFIDタグ100を含むRFIDシステム600によれば、金属部を含む物品300、さらには金型、はさみ等の切断用具等の金属製の物品300であっても、良好にリーダライタ200のアンテナ201との間で電波の送受が可能なRFIDシステム600を構成することができる。つまり、物品(金属)による電磁誘導に妨げられる可能性を低減することができる。したがって、例えば複数の金属製の物品300とリーダライタ200との間で同時に情報(電波)の授受が容易になり、実用性が効果的に向上したRFIDシステムを構成することができる。
1・・・誘電体基板
1a・・・凹部
11・・・第1面
12・・・第2面
2・・・放射導体
3・・・接地導体
3a・・・内部接地導体
4・・・接続導体
5・・・容量導体
6・・・容量部接続導体
7a・・・第1電極
7b・・・第2電極
8a・・・第1接続導体
8b・・・第2接続導体
10・・・配線基板
20・・・蓋体
21・・・基体
22・・・凸部
23・・・導電性接合材
30・・・RFIDタグ用基板
70・・・半導体素子
71・・・ボンディングワイヤ
100・・・RFIDタグ
200・・・リーダライタ
201・・・アンテナ
300・・・物品
600・・・RFIDシステム

Claims (6)

  1. 凹部を有する配線基板と該配線基板の前記凹部を塞いて接合された導電性の蓋体とを備えており、
    前記配線基板は、
    前記凹部を含む第1面および該第1面に対向する第2面を有する誘電体基板と、
    該誘電体基板の前記第1面に設けられた放射導体と、
    前記誘電体基板の前記第2面に設けられた接地導体と、
    前記放射導体と前記接地導体とを電気的に接続する接続導体と、
    前記凹部内に設けられており、第1接続導体によって前記放射導体と電気的に接続されている第1電極と、
    前記凹部内に設けられており、第2接続導体によって前記接地導体と電気的に接続されている第2電極とを有しており、
    前記蓋体は、
    前記放射導体に電気的に接続された板状の基体と、
    該基体の前記配線基板とは反対側の面に設けられた凸部とを有している、
    RFIDタグ用基板。
  2. 前記蓋体は前記放射導体の全面と重なって接続されている請求項1に記載のRFIDタグ用基板。
  3. 前記蓋体の前記基体は平面視の形状が長方形状であり、前記蓋体の前記凸部は、前記基体の短辺方向に沿って伸びる複数の凸条である請求項1または請求項2に記載のRFIDタグ用基板。
  4. 前記誘電体基板の内部に設けられ、前記接地導体の一部と対向している容量導体と、該容量導体と前記放射導体とを電気的に接続している容量部接続導体とをさらに備える請求項1〜3のいずれかに記載のRFIDタグ用基板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のRFIDタグ用基板と、該RFIDタグ用基板の前記凹部内に搭載され前記第1電極および前記第2電極に接続された半導体素子と、を含むRFIDタグ。
  6. 請求項5に記載のRFIDタグと、
    該RFIDタグとの間で電波を送受するアンテナを備えるリーダライタと、を含むRFIDシステム。
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