JP2019109134A - ゲル濾過クロマトグラフィを用いた抗体の変性度合評価方法 - Google Patents
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[1]
(1)一定量の未変性抗体Aを含む溶液に、抗体AのFc領域と結合可能なタンパク質を一定量添加し、抗体Aと前記タンパク質との複合体を形成させる工程、
(2)(1)の工程で得られた溶液をゲル濾過クロマトグラフィに供し、クロマトグラムを得る工程、
(3)(2)の工程で得られたクロマトグラムのうち、前記複合体または前記複合体を形成しない前記タンパク質に相当するピークの高さまたは面積を算出する工程、
(4)一定量の被検抗体Aを含む溶液に、抗体AのFc領域と結合可能なタンパク質を一定量添加し、抗体Aと前記タンパク質との複合体を形成させる工程、
(5)(4)の工程で得られた溶液をゲル濾過クロマトグラフィに供し、クロマトグラムを得る工程、
(6)(5)の工程で得られたクロマトグラムのうち、前記複合体または前記複合体を形成しない前記タンパク質に相当するピークの高さまたは面積を算出する工程、および
(7)(3)の工程での算出結果と(6)の工程での算出結果とを比較する工程、
を含む、被検抗体Aの変性度合を評価する方法。
[2]
抗体のFc領域と結合可能なタンパク質が、以下の(i)〜(iii)から選択される何れかである、[1]に記載の評価方法:
(i)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド
(ii)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸残基において1〜10個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含むアミノ酸配列を含み、かつ、抗体結合活性を有するタンパク質
(iii)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸残基からなるアミノ酸配列に対して、90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、抗体結合活性を有するタンパク質。
[3]
様々な濃度の未変性抗体Aについて前記工程(1)〜(3)を行い、前記複合体量または前記複合体を形成しない前記抗体のFc領域と結合可能なタンパク質量と前記抗体量とで検量線Iを作成する工程、
様々な濃度の被検抗体Aについて前記工程(4)〜(7)を行い、前記複合体量または前記複合体を形成しない前記抗体のFc領域と結合可能なタンパク質量と前記抗体量とで検量線IIを作成する工程、並びに
前記検量線IおよびIIを比較する工程
を含む、[1]又は[2]に記載の評価方法。
(A)配列番号1に記載のヒトFcγRIIIa(UniProt No.P08637)のアミノ酸配列のうち17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を少なくとも含む、Fc結合性タンパク質、および
(B)配列番号1に記載のヒトFcγRIIIa(UniProt No.P08637)のアミノ酸配列のうち17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を少なくとも含み、ただし当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、1以上のアミノ酸残基が欠失、他のアミノ酸残基に置換、または付加されたポリペプチドを含む、Fc結合性タンパク質、
があげられる。また前記(B)の好ましい態様として、
配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチドを含む、Fc結合性タンパク質、
配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を少なくとも含み、ただし当該33番目から208番目までのアミノ酸残基において、192番目のバリンがフェニルアラニンに置換されたポリペプチドを含む、Fc結合性タンパク質、
特開2015−086216号公報で開示のFc結合性タンパク質、
特開2016−169197号公報で開示のFc結合性タンパク質、
特開2017−118871号公報で開示のFc結合性タンパク質、
配列番号1に記載のアミノ酸配列の17番目のグリシンから192番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を少なくとも含み、但し当該17番目から192番目までのアミノ酸残基において、少なくとも176番目のフェニルアラニンがイソロイシン、アラニン、チロシンのいずれかにアミノ酸置換された、Fc結合性タンパク質、
があげられる。上記列挙したFc結合性タンパク質は、抗体結合活性を有する限り、さらに1以上のアミノ酸残基が欠失、他のアミノ酸残基に置換、または付加されていてもよい。1以上のアミノ酸残基とは、アミノ酸残基のタンパク質の立体構造における位置やアミノ酸残基の種類によっても異なるが、具体的には、例えば1〜50個、1〜40個、1〜30個、1〜20個、1〜10個を意味する。上記のアミノ酸の置換、欠失、挿入、または付加等には、遺伝子が由来する微生物の個体差、種の違いに基づく場合などの天然に生じる変異(mutant又はvariant)によって生じるものも含まれる。また、本発明のFc結合性タンパク質は、抗体結合活性を有する限り、配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸残基からなるアミノ酸配列に対し、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含むものであってもよい。
(I−2)(I−1)の工程で得られた溶液をそれぞれゲル濾過クロマトグラフィに供し、クロマトグラムを得る工程
(I−3)(I−2)の工程で得られたクロマトグラムのうち、前記複合体(または前記複合体を形成しない前記抗体のFc領域と結合可能なタンパク質)に相当するピークの高さまたは面積を算出する工程
(I−4)(I−3)の算出結果に基づき、前記複合体量(または前記複合体を形成しない前記抗体のFc領域と結合可能なタンパク質量)と、前記抗体量とで検量線を作成する工程
(I−5)(I−4)で作成した検量線に基づき、前記一定量の抗体のFc領域と結合可能なタンパク質全てを前記複合体(以下、完全複合体化とも表記)にするために必要な抗体量を算出する工程
(I−6)(I−5)で算出した抗体量に基づき、抗体の結合活性を評価する工程
(II−1)一定量の抗体を含む溶液に、種々の量の前記抗体のFc領域と結合可能なタンパク質をそれぞれ添加し、前記抗体と前記タンパク質との複合体を形成させる工程
(II−2)(II−1)の工程で得られた溶液をそれぞれゲル濾過クロマトグラフィに供し、クロマトグラムを得る工程
(II−3)(II−2)の工程で得られたクロマトグラムのうち、前記複合体(または前記複合体を形成しない前記抗体)に相当するピークの高さまたは面積を算出する工程
(II−4)(II−3)の算出結果に基づき、前記複合体量(または前記複合体を形成しない前記抗体)と、前記タンパク質量とで検量線を作成する工程
(II−5)(II−4)で作成した検量線に基づき、前記一定量の抗体を完全複合体化するために必要な前記タンパク質量を算出する工程
(II−6)(II−5)で算出した前記タンパク質量に基づき、抗体の結合活性を評価する工程
本抗体結合活性評価法を利用して、抗体の変性度合も評価できる。抗体が、熱、酸、アルカリ、撹拌、凍結融解などのストレスにさらされると、二次構造などが変化し、変性することがある。当該変性した抗体は、未変性の抗体と比較し、結合活性が低下している。そこで変性した抗体を含む抗体溶液に対し、本抗体結合活性評価法を適用した。その結果、未変性の抗体のみを含む抗体溶液と比較し、抗体と当該抗体のFc領域と結合可能なタンパク質との複合体の量が低下(前記複合体を形成しない前記抗体のFc領域と結合可能なタンパク質の量が増加)していた(後述の実施例2参照)。このことから、本抗体結合活性評価法により、抗体の変性度合の評価もできることがわかった。
(i−2)(i−1)の工程で得られた溶液をそれぞれゲル濾過クロマトグラフィに供し、クロマトグラムを得る工程
(i−3)(i−2)の工程で得られたクロマトグラムのうち、前記複合体(または前記複合体を形成しない抗体AのFc領域と結合可能なタンパク質)に相当するピークの高さまたは面積を算出する工程
(i−4)未変性抗体Aを含む溶液を用いたときの(i−3)の算出結果と、被検抗体Aを含む溶液を用いたときの(i−3)の算出結果との差に基づき、抗体Aの変性度合を評価する工程
前述した本発明の抗体変性度合評価法では、ある一点の(抗体A量および抗体AのFc領域と結合可能なタンパク質量を固定した)条件における、抗体Aと前記タンパク質との複合体(または前記複合体を形成しない抗体AのFc領域と結合可能なタンパク質)の量の変化に基づき評価しているが、前記(I−1)から(I−4)の工程により作成した検量線の変化に基づき、抗体の変性度合を評価してもよい。前記検量線の変化に基づく、本発明の抗体変性度合評価法は、例えば以下の(ii−1)から(ii−3)に示す工程または(iii−1)または(iii−3)に示す工程に基づき行なえばよい。
(ii−2)(ii−1)と同じ種々の量の被検抗体Aを含む溶液に対し、前記(I−1)から(I−4)の工程を実施し、検量線を作成する工程
(ii−3)(ii−1)で作成した検量線の傾きと、(ii−2)で作成した検量線の傾きとを比較し、抗体Aの変性度合を評価する工程
(iii−1)種々の量の未変性抗体Aを含む溶液に対し、前記(I−1)から(I−4)の工程を実施し、検量線を作成する工程
(iii−2)(iii−1)と同じ種々の量の被検抗体Aを含む溶液に対し、前記(I−1)から(I−4)の工程を実施し、検量線を作成する工程
(iii−3)(iii−1)および(iii−2)で作成した検量線をそれぞれ外挿して求められる、抗体のFc領域と結合可能なタンパク質を完全複合体化するために必要な抗体量の差に基づき、抗体Aの変性度合を評価する工程
本発明の抗体変性度合評価法に基づく、被検抗体Aが変性しているか否かの判断は、前記(i−1)から(i−4)の工程に基づき実施する場合は、例えば未変性抗体Aを含む溶液を用いたときの結果から一定値以上乖離しているとき、変性していると判断すればよい。また前記(ii−1)から(ii−3)の工程に基づき実施する場合は、例えば未変性抗体Aを含む溶液を用いたときの検量線の傾きから一定値以上または一定の割合以上乖離しているとき、変性していると判断すればよい。また前記(iii−1)から(iii−3)の工程に基づき実施する場合は、例えば未変性抗体Aを含む溶液を用いたときの、抗体のFc領域と結合可能なタンパク質を完全複合体化するのに必要な抗体量から一定値以上または一定の割合乖離しているとき、変性していると判断すればよい。
以下に示す方法で、抗体結合活性評価法を検証した。
(A−1)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg
(A−2)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+リツキサン(全薬工業製)1,000μg
(A−3)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+リツキサン2,000μg
(A−4)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+リツキサン3,000μg
(A−5)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+リツキサン4,000μg
(A−6)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+リツキサン5,000μg
(2)高速液体クロマトグラフィー装置(HLC−8020、東ソー製)にゲル濾過クロマトグラフィ用カラムであるTSKgel G3000SWXLカラム(東ソー製)を接続し、pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を流速1mL/分で流すことにより平衡化した後、(1)の試料50μL(下記(A−7)から(A−12))を注入し、30分間分析した。
(A−7)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg
(A−8)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+リツキサン(全薬工業製)50μg
(A−9)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+リツキサン100μg
(A−10)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+リツキサン150μg
(A−11)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+リツキサン200μg
(A−12)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+リツキサン250μg
得られたクロマトグラム中、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド(すなわち抗体(リツキサン)との複合体を形成しない前記抗体のFc領域と結合可能なタンパク質)に相当するピーク部分(保持時間9.5分から12分の位置)を拡大した図を図1に示す。抗体(リツキサン)を添加すると、抗体未添加時と比較し、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドに相当するピークの高さおよび面積が減少すること、および抗体(リツキサン)の添加量が増加すると、前記ピークの高さおよび面積がより減少することがわかる。この結果から、種々の量の抗体を含む溶液に、前記抗体のFc領域と結合可能なタンパク質を一定量添加し、前記抗体と前記タンパク質との複合体を形成させた後、ゲル濾過クロマトグラフィにより得られた、前記抗体との複合体を形成しない前記タンパク質を定量することで、前記抗体の結合活性を評価できることがわかる。
(1)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたは下記(B−1)から(B−5)および(C−1)から(C−5)に示す前記ポリペプチドと抗体との混合物を、0.1M Na2SO4を含むpH6.7の0.1M NaH2PO4・2H2Oを用いて1000μLにメスアップし、30℃で30分間静置し、測定試料を調製した。なお熱変性処理したリツキサンは、リツキサンを50℃で18時間処理して調製した。
(B−1)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+リツキサン260μg
(B−2)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+リツキサン1,320μg
(B−3)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+リツキサン3,320μg
(B−4)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+リツキサン5,520μg
(B−5)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+リツキサン6,900μg
(C−1)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+熱変性処理したリツキサン260μg
(C−2)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+熱変性処理したリツキサン1,320μg
(C−3)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+熱変性処理したリツキサン3,320μg
(C−4)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+熱変性処理したリツキサン5,520μg
(C−5)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド620μg+熱変性処理したリツキサン6,900μg
(2)高速液体クロマトグラフィー装置(Prominence、島津製作所製)にゲル濾過クロマトグラフィ用カラムであるTSKgel G3000SWXLカラムを接続し、0.1M Na2SO4を含むpH6.7の0.1M NaH2PO4・2H2Oを流速1mL/分で流すことにより平衡化した後、(1)の試料50μL(下記(B−6)から(B−10)および(C−6)から(C−10))を注入し、30分間分析した。
(B−6)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+リツキサン13μg
(B−7)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+リツキサン66μg
(B−8)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+リツキサン166μg
(B−9)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+リツキサン276μg
(B−10)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+リツキサン345μg
(C−6)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+熱変性処理したリツキサン13μg
(C−7)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+熱変性処理したリツキサン66μg
(C−8)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+熱変性処理したリツキサン166μg
(C−9)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+熱変性処理したリツキサン276μg
(C−10)配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド31μg+熱変性処理したリツキサン345μg
実施例1と同様に配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドに相当するピーク面積(縦軸)を前記クロマトグラフィー装置の自動計算により算出し、得られた検量線を図3に示す。熱変性処理したリツキサンを用いたとき(前記(C−6)から前記(C−10)の結果)に得られた検量線の傾きは、熱変性処理しない(熱変性処理前の)リツキサンを用いたとき(前記(B−6)から前記(B−10)の結果)と比較し、小さく(緩やかに)なった。さらに、熱変性処理したリツキサンを用いたときの完全複合体化に必要な抗体量は332μL、熱変性処理しないリツキサンを用いたときの完全複合体化に必要な抗体量は307μLであり、完全複合体化に必要な抗体量は熱変性処理により7%増加した。つまり、リツキサンを熱変性処理することにより、抗体と当該抗体のFc領域と結合可能なタンパク質との結合活性が低下していることがわかる。以上の結果から、本抗体結合活性評価法を用いて、検量線の傾きや完全複合体化に必要な抗体量を比較することで、被検抗体の変性度合を評価できることがわかる。
Claims (3)
- (1)一定量の未変性抗体Aを含む溶液に、抗体AのFc領域と結合可能なタンパク質を一定量添加し、抗体Aと前記タンパク質との複合体を形成させる工程、
(2)(1)の工程で得られた溶液をゲル濾過クロマトグラフィに供し、クロマトグラムを得る工程、
(3)(2)の工程で得られたクロマトグラムのうち、前記複合体または前記複合体を形成しない前記タンパク質に相当するピークの高さまたは面積を算出する工程、
(4)一定量の被検抗体Aを含む溶液に、抗体AのFc領域と結合可能なタンパク質を一定量添加し、抗体Aと前記タンパク質との複合体を形成させる工程、
(5)(4)の工程で得られた溶液をゲル濾過クロマトグラフィに供し、クロマトグラムを得る工程、
(6)(5)の工程で得られたクロマトグラムのうち、前記複合体または前記複合体を形成しない前記タンパク質に相当するピークの高さまたは面積を算出する工程、および
(7)(3)の工程での算出結果と(6)の工程での算出結果とを比較する工程、
を含む、被検抗体Aの変性度合を評価する方法。 - 抗体のFc領域と結合可能なタンパク質が、以下の(i)〜(iii)から選択される何れかである、請求項1に記載の評価方法:
(i)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸残基を少なくとも含むポリペプチド
(ii)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸残基において1〜10個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、または付加を含むアミノ酸配列を含み、かつ、抗体結合活性を有するタンパク質
(iii)配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち33番目のグリシンから208番目のグルタミンまでのアミノ酸残基からなるアミノ酸配列に対して、90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、抗体結合活性を有するタンパク質。 - 様々な濃度の未変性抗体Aについて前記工程(1)〜(3)を行い、前記複合体量または前記複合体を形成しない前記抗体のFc領域と結合可能なタンパク質量と前記抗体量とで検量線Iを作成する工程、
様々な濃度の被検抗体Aについて前記工程(4)〜(7)を行い、前記複合体量または前記複合体を形成しない前記抗体のFc領域と結合可能なタンパク質量と前記抗体量とで検量線IIを作成する工程、並びに
前記検量線IおよびIIを比較する工程
を含む、請求項1又は2に記載の評価方法。
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