JP2019109060A - 光学素子の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原器プリズムを用いることなく、より簡易な方法により高精度でプリズムを検査する。【解決手段】光学素子の検査方法は、第1ないし第3の面を有するプリズムを用意し、平行光を第3の面に垂直に照射し、第3の面で反射された第1の光と、プリズムの内部で反射されて第3の面を介して出射する第2の光と、を用いて第1の光と第2の光とのなす角Aの角度を測定し、第1の面と第2の面とのなす第1の角の角度の仕様角度に対するずれ量を算出し、平行光を第1の面に垂直に照射し、第1の面で反射された第3の光と、プリズムの内部で反射されて第1の面を介して出射する第4の光と、を用いて第3の光と第4の光とのなす角Bの角度を測定し、第1の角の角度の仕様角度に対するずれ量の算出値および角Bの角度の測定値から第2の面と第3の面とのなす第2の角の角度の仕様角度に対するずれ量を算出する。【選択図】図1
Description
実施形態の発明は、光学素子の検査方法に関する。
近年、光学機器の高精度化に伴いプリズム等の光学素子の高精度化が求められている。例えば角柱状のプリズムは、隣接する側面のなす角の角度が仕様角度に製造されることが好ましい。このため、隣接する側面のなす角の角度を測定して測定値と仕様角度とのずれ量を算出することにより製造されたプリズムが良品であるか否かを検査する。
従来のプリズムの検査方法としては、例えば第1のオートコリメータからステージ上に設けられた原器プリズムに光を照射してその反射光を第2のオートコリメータにより受光して原器プリズムの隣接する側面のなす角の角度を測定した後、原器プリズムに代えて測定対象プリズムの隣接する側面のなす角の角度を測定し、測定値同士を比較することによりずれ量を算出する方法が知られている。また、ステージ上に原器プリズムと測定対象プリズムとを並べオートコリメータを用いてそれぞれのプリズムの隣接する側面のなす角の角度を測定して比較することによりずれ量を算出する方法が知られている。さらに、平面ミラーを用いて任意の形状のプリズムの隣接する側面のなす角の角度を測定してずれ量を算出する方法も知られている。
しかしながら、従来のプリズムの検査方法では、原器プリズムを用いる必要があり、これの管理や取扱いが煩雑であるといった問題があった。また、2つのオートコリメータを用いた検査方法では、必要なオートコリメータの数が多く、かつ測定の度に角度を校正する必要がある。さらに、平面ミラーを用いた検査方法では、装置が大型で部品点数が多いため、測定誤差が生じやすい。
実施形態の発明が解決しようとする課題は、原器プリズムを用いることなく、より簡易な方法により高精度でプリズムを検査することである。
実施形態の光学素子の検査方法は、第1の面と、第1の面に対して傾斜する第2の面と、第1の面および第2の面のそれぞれに対して傾斜する第3の面と、を有するプリズムを用意するステップと、平行光を第3の面に垂直に照射し、第3の面で反射された第1の光と、プリズムの内部で反射されて第3の面を介して出射する第2の光と、を用いて第1の光と第2の光とのなす角Aの角度を測定し、第1の面と第2の面とのなす第1の角の角度の仕様角度に対するずれ量を算出するステップと、平行光を第1の面に垂直に照射し、第1の面で反射された第3の光と、プリズムの内部で反射されて第1の面を介して出射する第4の光と、を用いて第3の光と第4の光とのなす角Bの角度を測定し、第1の角の角度の仕様角度に対するずれ量の算出値および角Bの角度の測定値から第2の面と第3の面とのなす第2の角の角度の仕様角度に対するずれ量を算出するステップと、を具備する。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面は模式的なものであり、例えば厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。
実施形態のプリズムの検査方法例として略直角をなす2つの側面を有する三角柱状のプリズムの検査方法例について説明する。なお、多角柱状のプリズムであれば同様の方法で検査することができる。
図1はプリズムの検査方法例を説明するためのフローチャートである。プリズムの検査方法例は、プリズム配置ステップS1と、角度検査ステップS2と、プリズム向き変更ステップS3と、角度検査ステップS4と、プリズム向き変更ステップS5と、角度検査ステップS6と、を具備する。
図2は、プリズム配置ステップS1を説明するための図である。図2は、ステージ部11と光入出部12とを備えるコリメータ1と、ステージ部11に配置された治具2と、治具2に配置されたプリズム3と、を図示する。
コリメータ1は、対象物に平行光Lを照射して、その反射光を用いて対象物の角度やその角度ずれを測定または算出する。コリメータ1としては、例えばレーザオートコリメータが挙げられる。
ステージ部11は、X軸(コリメータ1の幅方向)、X軸に垂直なY軸(コリメータ1の奥行方向)、X軸およびY軸に垂直なZ軸(コリメータ1の高さ方向)に沿って移動可能であり、X軸およびY軸に対するZ軸の角度の調節が可能なステージを有する。
光入出部12は、光を照射する光源と、光源からの光から平行光Lを形成するための光学系と、対象物で反射された光を検知する光学センサアレイと、を有する。
治具2は、溝21と、溝22と、を有する。溝21および溝22は、プリズム3を所定の向きに配置できるように異なる形状を有する。溝21および溝22の形状は、プリズム3の構造に応じて異なる。
図3は、プリズム3の構造例を示す図である。プリズム3は、側面31aと、側面31aに対して略垂直な側面31bと、側面31aおよび側面31bのそれぞれに対して傾斜する側面31cと、を有する。
側面31aおよび側面31bのなす角32aの仕様角度は90度であるが、実際の製造において角度ずれが生じる場合があるため、ここでは略直角とする。略直角(略垂直)とは、例えば90度±0.1度の範囲を含む。側面31bおよび側面31cのなす角32b、ならびに側面31cおよび側面31aのなす角32cのそれぞれは鋭角であり、仕様角度は45度であるが、実際の製造において角度ずれが生じる場合があるため、ここでは略45度とする。略45度とは、例えば45度±0.1度の範囲を含む。
プリズム3は、例えばガラスまたは樹脂等の光を透過する材料を用いて形成される。プリズム3は、側面31aの表面および側面31bの表面の少なくとも一つの表面に反射防止膜を有していてもよい。図4は、プリズム3の他の構造例を示す図である。図4に示すプリズム3は、側面31aの表面および側面31bの表面に反射防止膜4を有する。反射防止膜4は、光の反射を防止する機能を有する。反射防止膜4は、例えばTiO2膜とSiO2膜との交互多層膜、SiO2膜やMgF2膜等の単層膜、または中空酸化シリコン(シリカ)膜等、モスアイ構造膜が挙げられる。
プリズム3は、加工途中の製品であってもよい。図5は、プリズム3の他の構造例を示す図である。図5に示すプリズム3は、図3に示すプリズム3の形状に加工する前の状態であって、側面31aないし側面31cに沿って長尺である。換言すると、プリズム3の厚さ(2つの底面の一方から他方までの長さ)は、側面31aないし側面31cのそれぞれの幅(底面の各辺の長さ)よりも長い。このように、実施形態のプリズムの検査方法では、加工途中のプリズムについても検査することができるため、規格を満たさない製品を製造工程途中で排除することができる。
プリズム配置ステップS1では、プリズム3を用意し、プリズム3の側面31cが光入出部12に対向するように側面31cを上に向けてプリズム3を溝21に配置する。このとき、側面31cにおいて角32cと角32bとの中央付近または角32b付近以外の位置に平行光Lが照射されるように、ステージ部11のステージの位置を調整してもよい。これにより、反射光をコリメータ1の光入出部12に入射させやすくすることができる。
図6は、角度検査ステップS2を説明するための図である。角度検査ステップS2では、コリメータ1から平行光Lをプリズム3に照射する。プリズム3の側面31cに垂直な方向に沿って側面31cに照射される。このとき、平行光Lの一部は、側面31cで正反射され、表面反射光L1としてコリメータ1に入射する。平行光Lの他の一部は、側面31cを介してプリズム3を透過し、プリズム3の内部で5回反射されて側面31cを介して出射し、内部反射光L2としてコリメータ1に入射する。図6において、平行光Lの他の一部は、側面31b→側面31a→側面31c→側面31a→側面31bの順で反射される。側面31cを介して出射する内部反射光L2は、プリズム3の屈折率に応じた角度に屈折する。
側面31aおよび側面31bでは入射角が臨界角(プリズム3の屈折率によるが、例えば45度以下)よりも大きいため光が全反射するが、側面31cでは入射角が臨界角よりも小さいため光が全反射せずに一部が側面31cを介して出射する。この出射光は例えば遮光板5により遮ってコリメータ1に入射させないことが好ましい。遮光板5の位置は、上記出射光がコリメータ1に入射しないように調整される。これにより、測定のノイズとなる出射光(非測定光)がカットされて高い精度でプリズムを検査することができる。遮光板5としては、例えば黒色アルマイト処理された金属板や樹脂板等が挙げられ、特に、光の反射を抑制することが可能な材料であることが好ましい。
コリメータ1に入射された表面反射光L1および内部反射光L2は光学センサアレイにより検知され、結像される表面反射光L1のスポット像および内部反射光L2のスポット像は2次元の角度座標上に表示される。図7は、角度座標上の表面反射光L1のスポット像および内部反射光L2のスポット像の例を示す図である。角度座標は、例えば表示装置を用いて表示されてもよい。表示装置は、コリメータ1に設けられていてもよく、また外部からコリメータ1に接続されていてもよい。
表面反射光L1は、角度座標の原点に位置するようにステージ部11のステージを移動させることにより調整される。
表面反射光L1のスポット像の位置と内部反射光L2のスポット像の位置とから得られる表面反射光L1と内部反射光L2とのなす角Aの角度をθとした場合、角度θおよび角32aの角度の90度(仕様角度)に対するずれ量Δθは、式:θ=4nΔθを満足する。nはプリズム3の屈折率を表す。よって、角32aの角度の90度に対するずれ量Δθは、式:Δθ=θ/4nにより求められる。このように、角度検査ステップS2では、表面反射光L1のスポット像の位置と内部反射光L2のスポット像の位置とのずれから、表面反射光L1と内部反射光L2とのなす角Aの角度θを測定し、角32aの角度の90度に対するずれ量(度)を算出することにより、角32aの角度を高い精度で検査することができる。
前述の角度検査ステップS2では、プリズム3の2つの側面のなす角の角度(仕様角度)が90度であることを前提に、90度に対するずれ量を算出することにより、高い精度で角度を測定している。ここで、角度検査ステップS2において、側面のなす角の角度は90度に限定されない。角度検査ステップS2において、プリズム3に入射する平行光Lが、プリズム3の内部で5回反射されて平行光Lを入射した側面と同一の側面を介して出射するのであれば、90度以外の角度であっても測定が可能である。
プリズム向き変更ステップS3では、プリズム3の側面31aがコリメータ1の光入出部12に対向するように側面31aを上向きにしてプリズム3を溝21から溝22に移動させて配置しプリズム3の向きを変更する。このとき、側面31aにおいて角32a付近または角32b付近以外の位置に平行光Lが照射されるように、ステージ部11のステージの位置を調整してもよい。これにより、反射光をコリメータ1の光入出部12に入射させやすくすることができる。
図8は、角度検査ステップS4を説明するための図である。角度検査ステップS4では、コリメータ1から平行光Lをプリズム3に照射する。平行光Lは、プリズム3の側面31aに垂直な方向に沿って側面31aに照射される。このとき、平行光Lの一部は、側面31aで正反射され、表面反射光L3としてコリメータ1に入射する。平行光Lの他の一部は、側面31aを介してプリズム3を透過し、プリズム3の内部で3回反射されて側面31aを介して出射し、内部反射光L4としてコリメータ1に入射する。図8において、平行光Lの他の一部は、側面31c→側面31b→側面31cの順で反射される。側面31aを介して出射する内部反射光L4は、プリズム3の屈折率に応じた角度に屈折する。
側面31cでは入射角が臨界角(プリズム3の屈折率によるが、例えば45度以下)よりも大きいため光が全反射するが、側面31bでは入射角が臨界角よりも小さいため光が全反射せずに一部が側面31bを介して出射する。この出射光はコリメータ1の光入出部12と異なる向きに出射するためコリメータ1に入射されない。
コリメータ1に入射された表面反射光L3および内部反射光L4は光学センサアレイにより検知され、コリメータ1により結像される表面反射光L3のスポットの位置および内部反射光L4のスポットの位置は2次元の角度座標上に表示される。表面反射光L3は、角度座標の原点に位置するようにステージ部11のステージを移動させることにより調整される。
角32bの角度の仕様角度(45度)に対するずれは、角32aの角度の90度に対するずれを考慮して算出する必要がある。表面反射光L3のスポット像の位置と内部反射光L4のスポット像の位置とから得られる表面反射光L3と内部反射光L4とのなす角Bの角度をθ2とした場合、角度θ2、実際の角32aの角度の仕様角度(90度)に対するずれ量Δθ、および実際の角32bの角度の仕様角度(45度)に対するずれ量Δθ’は、式:θ2=n×(4×Δθ’+2×Δθ)を満足する。よって、ずれ量Δθ’は、式:Δθ’=(θ2/n−2Δθ)/4により求められる。このように、表面反射光L3のスポット像の位置と内部反射光L4のスポット像の位置とのずれから、表面反射光L3と内部反射光L4とのなす角Bの角度θ2を測定し、さらに角32aのずれ量を考慮して角32bの仕様角度(45度)に対するずれ量を算出することにより角32bの角度を高い精度で検査することができる。
プリズム向き変更ステップS5では、プリズム3の側面31bがコリメータ1の光入出部12に対向するようにプリズム3を側面31bを上向きにしてプリズム3を溝22に配置してプリズム3の向きを変更する。このとき、側面31aにおいて角32a付近または角32b付近以外の位置に平行光Lが照射されるように、ステージ部11のステージの位置を調整してもよい。
図9は、角度検査ステップS6を説明するための図である。角度検査ステップS6では、コリメータ1から平行光Lをプリズム3に照射する。平行光Lは、プリズム3の側面31bに垂直な方向に沿って側面31bに照射される。このとき、平行光Lの一部は、側面31bで正反射され、表面反射光L5としてコリメータ1に入射する。平行光Lの他の一部は、側面31bを介してプリズム3を透過し、プリズム3の内部で3回反射されて側面31bを介して出射し、内部反射光L6としてコリメータ1に入射する。図9において、平行光Lの他の一部は、側面31c→側面31a→側面31cの順で反射される。側面31bを介して出射する内部反射光L2は、プリズム3の屈折率に応じた角度に屈折する。
側面31cでは入射角が臨界角(プリズム3の屈折率によるが、例えば45度以下)よりも大きいため光が全反射するが、側面31aでは入射角が臨界角よりも小さいため光が全反射せずに一部が側面31aを介して出射する。この出射光はコリメータ1の光入出部12と異なる向きに出射するためコリメータ1に入射されない。
コリメータ1に入射された表面反射光L5および内部反射光L6は光学センサアレイにより検知され、コリメータ1により結像される表面反射光L5のスポットの位置および内部反射光L6のスポットの位置は2次元の角度座標上に表示される。表面反射光L5は、角度座標の原点に位置するようにステージ部11のステージを移動させることにより調整される。
内部反射光L6は、前述のとおり、反射の過程で一部がコリメータ1に入射されないため、表面反射光L5よりも光量が少ない。よって、表面反射光L5および内部反射光L6は、光量の違いから互いに区別することができる。
角32cの角度の仕様角度(45度)に対するずれは、角32aの角度の90度に対するずれを考慮して算出する必要がある。表面反射光L5のスポット像の位置と内部反射光L6のスポット像の位置とから得られる表面反射光L5と内部反射光L6とのなす角Cの角度をθ3とした場合、角度θ3、実際の角32aの角度の仕様角度(90度)に対するずれ量Δθ、および実際の角32cの角度の仕様角度(45度)に対するずれ量Δθ’は、式:θ3=n×(4×Δθ’+2×Δθ)を満足する。よって、ずれ量Δθ’は、式:Δθ’=(θ3/n−2Δθ)/4により求められる。このように、表面反射光L5のスポット像の位置と内部反射光L6のスポット像の位置とのずれから、表面反射光L5と内部反射光L6とのなす角Cの角度θ3を測定し、さらに角32aのずれ量を考慮して角32cの仕様角度(45度)に対するずれ量を算出することにより角32cの角度を高い精度で検査することができる。
前述の角度検査ステップS4、S6では、プリズム3の2つの側面のなす角の角度が45度であることを前提に、45度に対するずれ量を算出することにより、高い精度で角度を測定している。ここで、角度検査ステップS4、S6において、側面のなす角の角度は45度に限定されない。角度検査ステップS4、S6において、プリズム3に入射する平行光Lが、プリズム3の内部で3回反射されて平行光Lを入射した側面と同一の側面を介して出射するのであれば、45度以外の角度であっても測定が可能である。
角度検査ステップS4を例にして説明すると、角32bの角度(θo)は、角32aの角度の90度に対するずれを考慮して算出する必要がある。表面反射光L3のスポット像の位置と内部反射光L4のスポット像の位置とから得られる表面反射光L3と内部反射光L4とのなす角Bの角度をθ4とした場合、角度θ4、実際の角32aの角度の仕様角度(90度)に対するずれ量Δθ、および実際の角32bの角度(θo)は、
式:θ4=arcsin(n×sin(4×θo+2×Δθ−180°))
を満足する。よって、この式を変形し、sinθ4=n×sin(4×θo+2×Δθ−180°)により求められる。このように、表面反射光L3のスポット像の位置と内部反射光L4のスポット像の位置とのずれから、表面反射光L3と内部反射光L4とのなす角Bの角度θ4を測定し、角32bの角度を高い精度で検査することができる。
式:θ4=arcsin(n×sin(4×θo+2×Δθ−180°))
を満足する。よって、この式を変形し、sinθ4=n×sin(4×θo+2×Δθ−180°)により求められる。このように、表面反射光L3のスポット像の位置と内部反射光L4のスポット像の位置とのずれから、表面反射光L3と内部反射光L4とのなす角Bの角度θ4を測定し、角32bの角度を高い精度で検査することができる。
以上のように、実施形態のプリズムの検査方法では、1つのコリメータのみを用いてプリズムの隣接する側面の角度を検査することができる。また、複数のコリメータや原器プリズムを用いることがないためより簡易な方法により高い精度でプリズムを検査することができる。
(実施例1)
反射防止膜を有しない5つの直角プリズムを用意した。直角プリズムは、ガラス製であり、底面は一辺が6mmの直角二等辺三角形状であり、厚さが6mmである。それぞれの直角プリズムについて角32aに相当する第1の角、角32bに相当する第2の角の角度を駿河精機社製レーザオートコリメータH400−C050(光源波長650nm)を用いて実施形態のプリズムの検査方法と同様に直角プリズムを検査した。各角度の測定値を表1に示す。なお、第2の角の角度の測定では、2回反射して出射する光を遮光板で遮った。
反射防止膜を有しない5つの直角プリズムを用意した。直角プリズムは、ガラス製であり、底面は一辺が6mmの直角二等辺三角形状であり、厚さが6mmである。それぞれの直角プリズムについて角32aに相当する第1の角、角32bに相当する第2の角の角度を駿河精機社製レーザオートコリメータH400−C050(光源波長650nm)を用いて実施形態のプリズムの検査方法と同様に直角プリズムを検査した。各角度の測定値を表1に示す。なお、第2の角の角度の測定では、2回反射して出射する光を遮光板で遮った。
(比較例1)
図10は、比較例1の検査方法を説明するための上面図である。オプティカルフラットからなるステージ103上にプリズム100として原器プリズムを配置し、オートコリメータ101から平行光を原器プリズムに照射し、反射光をオートコリメータ102で受光しての角32aに相当する第1の角の角度を測定した。同様の方法で角32bに相当する第2の角の角度についても測定した。このとき、上面視においてオートコリメータ101およびオートコリメータ102が互いに垂直、すなわち90度になるように配置した。次に、原器プリズムの代わりにプリズム100として実施例1の直角プリズムを配置して直角プリズムの角32aに相当する第1の角の角度を測定した。同様の方法で角32bに相当する第2の角の角度についても測定して直角プリズムの検査を行った。直角プリズム毎の各角度の測定値を表1に示す。
図10は、比較例1の検査方法を説明するための上面図である。オプティカルフラットからなるステージ103上にプリズム100として原器プリズムを配置し、オートコリメータ101から平行光を原器プリズムに照射し、反射光をオートコリメータ102で受光しての角32aに相当する第1の角の角度を測定した。同様の方法で角32bに相当する第2の角の角度についても測定した。このとき、上面視においてオートコリメータ101およびオートコリメータ102が互いに垂直、すなわち90度になるように配置した。次に、原器プリズムの代わりにプリズム100として実施例1の直角プリズムを配置して直角プリズムの角32aに相当する第1の角の角度を測定した。同様の方法で角32bに相当する第2の角の角度についても測定して直角プリズムの検査を行った。直角プリズム毎の各角度の測定値を表1に示す。
表1に示すように、実施例1の各角度の測定値と比較例1の各角度の測定値とを比較しても大きな差異がないことがわかる。このことから、複数のコリメータと原器プリズムを用いない場合であっても高い精度でプリズムを検査することができることがわかる。
なお、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…コリメータ、2…治具、3…プリズム、4…反射防止膜、5…遮光板、11…ステージ部、12…光入出部、21…溝、22…溝、31a…側面、31b…側面、31c…側面、32a…角、32b…角、32c…角、100…プリズム、101…オートコリメータ、102…オートコリメータ、103…ステージ。
Claims (7)
- 第1の面と、前記第1の面に対して傾斜する第2の面と、前記第1の面および前記第2の面のそれぞれに対して傾斜する第3の面と、を有するプリズムを用意するステップと、
平行光を前記第3の面に垂直に照射し、前記第3の面で反射された第1の光と、前記プリズムの内部で反射されて前記第3の面を介して出射する第2の光と、を用いて前記第1の光と前記第2の光とのなす角Aの角度を測定し、前記第1の面と前記第2の面とのなす第1の角の角度の仕様角度に対するずれ量を算出するステップと、
平行光を前記第1の面に垂直に照射し、前記第1の面で反射された第3の光と、前記プリズムの内部で反射されて前記第1の面を介して出射する第4の光と、を用いて前記第3の光と前記第4の光とのなす角Bの角度を測定し、前記第1の角の角度の仕様角度に対するずれ量の算出値および前記角Bの角度の測定値から前記第2の面と前記第3の面とのなす第2の角の角度の仕様角度に対するずれ量を算出するステップと、
を具備する、光学素子の検査方法。 - 前記第2の光は、前記プリズムの内部で5回反射されて前記第3の面を介して出射する、請求項1に記載の光学素子の検査方法。
- 前記第1の角のずれ量を算出するステップにおいて、前記平行光を前記第3の面に垂直に照射し、前記プリズムの内部を2回反射して前記第3の面を介して出射する光を遮る、請求項1または請求項2に記載の光学素子の検査方法。
- 前記第1の角の仕様角度は、90度である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の光学素子の検査方法。
- 前記第2の角の仕様角度は、45度である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の光学素子の検査方法。
- 前記プリズムは、前記第1の面ないし前記第3の面に沿って長尺である、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の光学素子の検査方法。
- 前記プリズムは、前記第1の面および前記第2の面に反射防止膜を有する、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の光学素子の検査方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114266834A (zh) * | 2021-11-30 | 2022-04-01 | 珠海广浩捷科技股份有限公司 | 一种多相机相对角度标定方法 |
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2017
- 2017-12-15 JP JP2017240408A patent/JP2019109060A/ja active Pending
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CN114266834A (zh) * | 2021-11-30 | 2022-04-01 | 珠海广浩捷科技股份有限公司 | 一种多相机相对角度标定方法 |
CN114266834B (zh) * | 2021-11-30 | 2024-06-04 | 珠海广浩捷科技股份有限公司 | 一种多相机相对角度标定方法 |
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