JP2019108031A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】除霜運転時の冷媒の熱損失を低減可能な車両用空調装置を提供する。【解決手段】車両用空調装置1は、冷媒を圧縮する圧縮機11、車室外の空気と冷媒との間の熱交換を提供する室外熱交換器14、および車室内に供給される空気と冷媒との間の熱交換を提供する第2室内熱交換器12を含むヒートポンプサイクル10を備える。車両用空調装置1は、室外熱交換器14を除霜する除霜運転をヒートポンプサイクル10に実行させる空調ECU50を備える。車両用空調装置1は、第2室内熱交換器12が収容された空調ケース21と、空調ケース21内に空気を流通させる送風装置22を備える。空調ECU50は、除霜運転を実行する場合において、送風装置22を停止させるとともに、複数の開口部のうち上下方向において室内熱交換器よりも上方に位置する開口部の合計開口面積を低下させるように複数の吹出ドアを制御する。【選択図】図1
Description
この明細書における開示は、車両用空調装置に関する。
特許文献1には、車両用空調装置における室外熱交換器の着霜を抑制する技術が開示されている。特許文献1の車両用空調装置は、圧縮機から吐出された冷媒を膨張手段において減圧することなく室外熱交換器に流入させることによって室外熱交換器に付着した霜を融解させる除霜運転を行う。除霜運転において圧縮機から吐出された冷媒は、室内熱交換器を流通した後に、膨張手段を通過して室外熱交換器へと流入する。
特許文献1の技術では、除霜運転において圧縮機から吐出された冷媒は、室内熱交換器を流通した後に室外熱交換器へと流入する。この場合、室内熱交換器を通過する際に冷媒の熱が空調ケース内に放熱され、さらに吹出口を介して空調ケースの外部へと流出する。これにより、冷媒の室内熱交換器からの放熱が促進され、熱損失が発生してしまうという課題がある。
開示される目的は、除霜運転時の冷媒の熱損失を低減可能な車両用空調装置を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された車両用空調装置のひとつは、冷媒を圧縮する圧縮機(11)、車室外に設けられて車室外の空気と冷媒との間の熱交換を提供する室外熱交換器(14)、および車室内に対して供給される空気と冷媒との間の熱交換を提供する室内熱交換器(12)を含むヒートポンプサイクル(10)と、室内熱交換器が収容された空調ケース(21)と、空調ケース内に空気を流通させる送風装置(22)と、空調ケースに設けられて、空調ケースから車室内へと流出する空気が通過する複数の開口部(21c、21d、21e)と、複数の開口部のそれぞれの開口面積を調整可能な複数の吹出ドア(31c、31d、31e)と、圧縮機において圧縮され室内熱交換器を通過した冷媒を、室外熱交換器に流通させて室外熱交換器を除霜する除霜運転と、複数の吹出ドアの制御とを実行可能な制御部(50)と、を備え、除霜運転を実行するとともに、送風装置を停止させて、複数の開口部のうち上下方向において室内熱交換器よりも上方に位置する開口部の合計開口面積を除霜運転の実行前よりも低下させるように複数の吹出ドアを制御する開口面積低下モードを有する。
この開示によれば、除霜運転時に室内熱交換器よりも上方に位置する開口部の合計開口面積を低下させることができる。したがって、室内熱交換器から放熱された冷媒の熱が開口部を介して空調ケースの外部へと流出する量を低減できる。これにより、室内熱交換器における冷媒の熱の放熱を抑制することができる。以上により、除霜運転時の冷媒の熱損失を低減可能な車両用空調装置を提供することができる。
(第1実施形態)
第1実施形態の車両用空調装置1について、図1〜図3を参照しながら説明する。車両用空調装置1は、ヒートポンプサイクル10と、空調ユニット20と、空調ECU50とを備える。車両用空調装置1は、例えば電気モータを走行駆動源として備える電気自動車、ハイブリッド車両等に適用される。ここでハイブリッド車両とは、外部からの充電が可能なプラグインハイブリッド車両を含む。車両用空調装置1は、ヒートポンプサイクル10によって空調ユニット20を流通する空気を温度調整して、空調風として空調対象空間である車室内へと吹き出す。車両用空調装置1は、実行可能な運転モードに、車室内を冷房する冷房運転、車室内を暖房する暖房運転モード、室外熱交換器14を除霜する除霜運転モードを含む。
第1実施形態の車両用空調装置1について、図1〜図3を参照しながら説明する。車両用空調装置1は、ヒートポンプサイクル10と、空調ユニット20と、空調ECU50とを備える。車両用空調装置1は、例えば電気モータを走行駆動源として備える電気自動車、ハイブリッド車両等に適用される。ここでハイブリッド車両とは、外部からの充電が可能なプラグインハイブリッド車両を含む。車両用空調装置1は、ヒートポンプサイクル10によって空調ユニット20を流通する空気を温度調整して、空調風として空調対象空間である車室内へと吹き出す。車両用空調装置1は、実行可能な運転モードに、車室内を冷房する冷房運転、車室内を暖房する暖房運転モード、室外熱交換器14を除霜する除霜運転モードを含む。
ヒートポンプサイクル10は、空調ユニット20内の空気を温度調節するための温熱、冷熱を生成する。ヒートポンプサイクル10は、圧縮機11、第2室内熱交換器12、第1室内熱交換器17、室外熱交換器14、第1膨張弁13、第2膨張弁16、電磁弁15、気液分離器18を備える。ヒートポンプサイクル10は、これら複数の機能品を配管によって連結し、冷媒が循環するように構成された冷媒回路100を備える。
冷媒回路100は、第1流路101と、第2流路102と、第3流路103とを含む。第1流路101は、圧縮機11の流出側と室外熱交換器14の流入側とを、第2室内熱交換器12を介して接続する冷媒流路である。第1流路101を流通する冷媒は、第2室内熱交換器12を流通した後に室外熱交換器14へと導かれる。第1流路101には、第1膨張弁13が設けられている。
第2流路102は、室外熱交換器14の流出側と圧縮機11の流入側とを接続する冷媒流路である。第2流路102は、室外熱交換器14を流出した冷媒を、気液分離器18を介して圧縮機11へと導く。第2流路102には、流路断面積を調節するための電磁弁15が設けられている。第2流路102は、室外熱交換器14を流出した冷媒が第1室内熱交換器17をバイパスして流れるバイパス流路であるということもできる。第3流路103は、室外熱交換器14の流出側と第1室内熱交換器17の流入側、第1室内熱交換器17の流出側と圧縮機11の流入側を接続する流路である。第3流路103には第2膨張弁16が設けられている。
圧縮機11は、例えば電動モータによって駆動される電動圧縮機である。圧縮機11は、車両のエンジンルームまたはモータルーム内に設置される。圧縮機11は、吸入した冷媒を圧縮して高圧の状態で吐出する。圧縮機11は、気液分離器18および第2室内熱交換器12のそれぞれと配管により連結されている。圧縮機11は、気液分離器18から流出した冷媒を吸入し、第2室内熱交換器12に対して圧送する。圧縮機11は、空調ECU50によってその作動が制御される。
第2室内熱交換器12は、空調ケース21の内部に設けられた熱交換器である。第2室内熱交換器12は、内部を流通する圧縮された冷媒と、外表面を通過する空気との間の熱交換を提供する。第2室内熱交換器12は、第1膨張弁13と配管により連結される。第2室内熱交換器12は、空調ケース21内を流通する送風空気に対して冷媒の熱を放熱するための凝縮器である。
第1膨張弁13は、通過した冷媒を減圧する減圧装置である。第1膨張弁13は、第2室内熱交換器12および室外熱交換器14と連結されている。第1膨張弁13は、例えばその開度を調節可能な電子式膨張弁により提供される。第1膨張弁13は、空調ECU50によってその開度を制御される。
室外熱交換器14は、例えば車両のエンジンルームまたはモータルームに設けられた熱交換器である。室外熱交換器14は、内部を流通する冷媒とエンジンルームまたはモータルームに流入する外気との間の熱交換を提供する。室外熱交換器14は、例えば車両の前方端に設けられたグリル40の後方に、グリル40に近接して設置される。
グリル40は、車外の空気をエンジンルーム内に取り入れるための通風口である。グリル40には、グリルシャッタ41が設けられている。グリルシャッタ41は、グリル40の開口面積を調整することでエンジンルーム内に流入する空気の量を調整するダンパである。グリルシャッタ41は、例えば回動可能な複数の羽根板によって構成される。グリルシャッタ41は、空調ECU50によってその作動を制御される。
室外送風機42は、回転駆動されるファンと、ファンの回転を制御する電動モータとを備える。ファンは例えば軸流ファンである。室外送風機42は、ファンの回転作動によってグリル40からエンジンルーム内に空気を取り込む。室外送風機42は、エンジンルーム内において、室外熱交換器14に付設されている。室外送風機42は、空調ECU50によってその作動を制御される。
室外熱交換器14の流出側に接続された配管には、冷媒温度センサ110が取り付けられている。冷媒温度センサ110は、室外熱交換器14を流通した直後の冷媒の温度を検出する温度検出部材である。冷媒温度センサ110は、空調ECU50と通信可能に接続されており、検出した冷媒温度情報を空調ECU50に対して送信することができる。
電磁弁15は、第2流路102を開いて第2流路102における冷媒の流通を許可する開状態と、第2流路102を閉じて第2流路102における冷媒の流通を禁止する閉状態とを切り替える弁部材である。電磁弁15が閉状態の場合、冷媒は第3流路103を流通する。すなわち電磁弁15は、冷媒の流通する流路を切り替える流路切替部材であるということもできる。電磁弁15は、空調ECU50によってその作動を制御される。なお電磁弁15は、その開度を全開状態と全閉状態、およびその間の開度にわたって調整可能な構成であってもよいし、全開状態と全閉状態とのみを切り替える構成であってもよい。
第2膨張弁16は、第1膨張弁13と同様に通過した冷媒を減圧する減圧装置である。第2膨張弁16は、第3流路103に設けられている。すなわち、第2膨張弁16は、室外熱交換器14を流出して第1室内熱交換器17へと流入する冷媒を減圧する。第2膨張弁16は、例えば第1膨張弁13と同様に空調ECU50によってその開度を制御される電子式膨張弁である。または第2膨張弁16は、冷媒の温度によってその開度が変化する感温式膨張弁でもよいし、開度が固定された固定式膨張弁であってもよい。
気液分離器18は、液相の状態と気相の状態とが混在する状態で流入した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離し、気相冷媒を流出させる。気液分離器18は、アキュムレータとも呼称される。気液分離器18の流出側は、流出した気相冷媒が圧縮機11に吸入されるように圧縮機11と接続されている。気液分離器18は、圧縮機11に液相冷媒が流入することを抑制する。気液分離器18は、流入側が第2流路102を介して室外熱交換器14と接続されており、室外熱交換器14を流出して第2流路102を流通した冷媒が流入可能となっている。また、気液分離器18の上流側は第1室内熱交換器17とも接続されており、第1室内熱交換器17を流出した冷媒が流入可能となっている。
次に空調ユニット20について説明する。空調ユニット20は、例えばダッシュパネルとインストルメントパネルとの間に設けられている。空調ユニット20は、乗員室に供給される空気が内部を流通する空調ケース21を備える。空調ユニット20は、送風装置22と、第1室内熱交換器17と、第2室内熱交換器12と、エアミックスドア23と、複数の吹出ドア31c、31d、31eとを備える。
送風装置22は、空調ケース21内に配置されたファンと、ファンを回転駆動するモータとを有する。ファンは、例えばシロッコファン、ターボファン等の遠心式のファンによって提供される。送風装置22は、外気を取り入れる外気取入口21aまたは内気を取り入れる内気取入口21bから空気を吸い込み、空調ケース21内を流通させる。内気と外気の切り替えは、空調ECU50によって制御される内外気切替ドア31aによって行われる。
第1室内熱交換器17および第2室内熱交換器12は、空調ケース21内に収容されている。第1室内熱交換器17は、送風装置22の下流であって第2室内熱交換器12の上流に配置される。第1室内熱交換器17は、空調ケース21内の通路全体を横断するように設けられている。換言すれば、第1室内熱交換器17は、空調ケース21内を流通する実質的に全ての空気と熱交換可能に設けられている。
第2室内熱交換器12は、第1室内熱交換器17の下流に配置されている。第2室内熱交換器12は、空気流れにおける第1室内熱交換器17の下流で、空調ケース21内の空気通路の一部を横断するように設けられている。第2室内熱交換器12は、例えば上下方向において空調ケース21の下部もしくは中央付近に設けられている。
エアミックスドア23は、空調ケース21内において第1室内熱交換器17と第2室内熱交換器12との間の位置に設けられる。エアミックスドア23は、第2室内熱交換器12を通過する送風空気と第2室内熱交換器12を迂回する送風空気との風量の割合を調整する。エアミックスドア23は、図1に示すように板ドアによって提供されていてもよいし、ロータリドアやスライドドア、フィルムドア等の多様なドア部材によって提供されていてもよい。エアミックスドア23は、複数のドア部材によって提供されてもよい。エアミックスドア23は、最大冷房(MAX‐COOL)位置と、と最大暖房(MAX‐HOT)位置との間で駆動される。最大冷房位置は、第2室内熱交換器12を通過する空気の流れを遮断して実質的に全ての送風空気に第2室内熱交換器12を迂回させるエアミックスドア23の位置である。最大暖房位置は、冷風通路を遮断して実質的に全ての送風空気に第2室内熱交換器12を通過させるエアミックスドア23の位置である。エアミックスドア23は、空調ECU50によってその作動を制御される。
複数の開口部21c、21d、21eは、空調ケース21内における空気流れの最下流に設けられた複数の開口である。複数の開口部21c、21d、21eは、第2室内熱交換器12よりも下流側に設けられている。複数の開口部21c、21d、21eは、それぞれ対応する吹出口に連通する通風ダクトに接続されている。したがって複数の開口部21c、21d、21eを通過した送風空気は、通風ダクトおよび吹出口を介して車室内へと吹き出される。
複数の開口部21c、21d、21eには、デフロスタ開口部21c、フェイス開口部21d、フット開口部21eを含む。デフロスタ開口部21cは、第2室内熱交換器12よりも上下方向に関して上方で、空調ケース21の上部に形成された開口である。デフロスタ開口部21cは、通風ダクトを介してデフロスタ吹出口に連通している。デフロスタ吹出口は、車両のフロントガラスに向けて空気を吹き出すように形成された吹出口である。
フェイス開口部21dは、第2室内熱交換器12よりも上下方向に関して上方で、空調ケース21の上部に形成された開口である。フェイス開口部21dは、デフロスタ開口部21cよりも車両の前後方向において後方側に設けられている。フェイス開口部21dは、通風ダクトを介してフェイス吹出口に連通している。フェイス吹出口は、着座した乗員の上半身に向けて空気を吹き出すように形成された吹出口である。フェイス吹出口は、例えばインストルメントパネルの車幅方向中央付近に設けられたセンタフェイス吹出口と、インストルメントパネルの車幅方向両側に設けられたサイドフェイス吹出口とを含む。フェイス開口部21dには、センタフェイス吹出口、サイドフェイス吹出口のそれぞれに対応するセンタフェイス開口部、サイドフェイス開口部を含む。例えば、フェイス開口部21dのうちセンタフェイス開口部は、車幅方向において空調ケース21の中央付近に設けられ、サイドフェイス開口部は、車幅方向においてセンタフェイス開口部の両側に設けられている。
フット開口部21eは、第2室内熱交換器12の上端よりも上下方向に関して下方で、空調ケース21の下部に形成された開口である。フット開口部21eは、通風ダクトを介してフット吹出口に連通している。フット吹出口は、乗員の足元に向けて送風空気を吹き出すように形成された吹出口である。
複数の吹出ドア31c、31d、31eは、開閉動作によりそれぞれ対応する複数の開口部21c、21d、21eの開口面積を調整して、開口部21c、21d、21eから流出する空気の量を調整する流量調整部材である。複数の吹出ドア31c、31d、31eは、板ドアやロータリドア、スライドドア、フィルムドア等の種々のドア部材によって提供できる。複数の吹出ドア31c、31d、31eは、例えばデフロスタドア31c、フェイスドア31d、フットドア31eを含む。デフロスタドア31cは、デフロスタ開口部21cを開閉する。フェイスドア31dは、フェイス開口部21dを開閉する。フットドア31eは、フット開口部21eを開閉する。複数の吹出ドア31cは、その開閉動作を空調ECU50によって制御される。各吹出ドア31c、31d、31eは、それぞれ異なるサーボモータによって互いに独立して開閉動作可能に構成されている。
複数の吹出ドア31c、31d、31eは、空調ECU50によるそれぞれの開閉状態の制御によって、各種の吹出モードを実現する。例えば、複数の吹出ドア31c、31d、31eは、デフロスタモード、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード等を実現可能に制御される。デフロスタモードは、デフロスタドア31cを開状態にしてデフロスタ吹出口から空調風を吹き出すモードである。フェイスモードはフェイスドア31dを開状態にしてフェイス吹出口から空調風を吹き出すモードである。バイレベルモードは、フェイスドア31dとフットドア31eとを開状態にしてフェイス吹出口およびフット吹出口のそれぞれから空調風を吹き出すモードである。フットモードは、フットドア31eを開状態にしてフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。各吹出モードにおいて、開状態にする吹出ドア以外の吹出ドアは、開口面積を実質的にゼロにして対応する吹出口からの空気の流出を禁止する閉状態に制御する。または、所定の開度で開状態に制御してもよい。
空調ECU50は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータを主なハードウェア要素として備える。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能な所定のプログラムを非一時的に記憶する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。空調ECU50は、記憶媒体に記憶された各種のプログラムをCPU等のプロセッサによって実行することで、各種制御処理を実施する機能を有する。空調ECU50が提供する手段および/または機能は、記憶媒体に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、空調ECU50がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。空調ECU50は、車両に搭載された複数のECU(Electronic Control Unit)のうちの1つである。または、複数のECUによって空調ECU50が構成されていてもよい。
空調ECU50は、インストルメントパネル等に設けられた操作スイッチの入力情報や、車両に設けられた各種センサからの検出情報に基づいて、車両用空調装置1の作動を制御する。空調ECU50は、ヒートポンプサイクル10に除霜運転を実行させる制御部の一例である。
次に車両用空調装置1が冷房運転、暖房運転および除霜運転をそれぞれ実行する際の作動について説明する。まずは冷房運転時の車両用空調装置1の作動を説明する。冷房運転を実行する場合、空調ECU50は、ヒートポンプサイクル10において以下の制御を実行する。空調ECU50は、電磁弁15を閉状態に制御する。換言すれば、空調ECU50は、冷媒が第2流路102ではなく第3流路103を流通するように流路の切り替え制御を実行する。また、空調ECU50は、第1膨張弁13の開度を最大開度に制御する。換言すれば、空調ECU50は、第1膨張弁13を通過する冷媒が減圧されないように制御する。また、空調ECU50は、第2膨張弁16の開度を冷媒の減圧が可能な所定の絞り開度に設定し、冷媒が第2膨張弁16で減圧された状態で第1室内熱交換器17に流入するように制御する。また空調ECU50は、空調ユニット20において、送風装置22の回転駆動、エアミックスドア23の開度制御、吹出モードに合わせた吹出ドア31c、31d、31eの開度制御を実行する。
以上により、ヒートポンプサイクル10では、圧縮機11にて圧縮され吐出された冷媒が、高温高圧の状態で第2室内熱交換器12へと流入した後、第1膨張弁13を減圧されることなく通過し、室外熱交換器14へと流入する。冷媒は、第2室内熱交換器12および室外熱交換器14にて放熱されて温度が低下した状態で、第3流路103を通過する。冷媒は、第2膨張弁16にて減圧されて低温低圧の状態となり、第1室内熱交換器17へと流入して第1室内熱交換器17にて送風空気を冷却する。第1室内熱交換器17から流出した冷媒は、気液分離器18にて気液分離された後に、圧縮機11にて再び圧縮され吐出される。
空調ユニット20では、送風装置22により送風された送風空気が、第1室内熱交換器17によって冷却される。送風空気は、エアミックスドア23の開度に応じた風量割合で第2室内熱交換器12にて加熱される。第2室内熱交換器12の下流で、第2室内熱交換器12を通過した加熱空気と、第2室内熱交換器12を迂回した冷却空気は混合され、温度調整された冷房風として、吹出モードに対応した吹出口から吹き出される。
次に暖房運転時の車両用空調装置1の作動を説明する。暖房運転を実行する場合、空調ECU50は、ヒートポンプサイクル10において以下の制御を実行する。空調ECU50は、電磁弁15を開状態に制御する。換言すれば、空調ECU50は、冷媒が第3流路103ではなく第2流路102を流通するように流路の切り替え制御を実行する。また、空調ECU50は、第1膨張弁13の開度を冷媒の減圧が可能な所定の絞り開度に設定し、冷媒が第1膨張弁13で減圧された状態で室外熱交換器14に流入するように制御する。また、空調ECU50は、第2膨張弁16の開度を、冷媒の通過を禁止する全閉状態にすることで、冷媒が第3流路103を流通しないように制御する。また空調ECU50は、空調ユニット20において、送風装置22の回転駆動、エアミックスドア23の開度制御、吹出モードに合わせた吹出ドア31c、31d、31eの開度制御を実行する。
以上により、圧縮機11から吐出された冷媒は、高温高圧の状態で第2室内熱交換器12へと流入した後、第1膨張弁13で減圧される。減圧されて低温となった冷媒は、室外熱交換器14へと流入し、外気と熱交換して加熱される。加熱された冷媒は、第2流路102を流通して気液分離器18へと流入し、圧縮機11にて圧縮されて再び第2室内熱交換器12へと圧送される。
空調ユニット20では、送風装置22により送風された送風空気が、エアミックスドア23の開度に応じた風量割合で第2室内熱交換器12にて加熱される。第2室内熱交換器12の下流で、第2室内熱交換器12を通過した加熱空気が、吹出モードに対応した吹出口から暖房風として吹き出される。
次に除霜運転時の車両用空調装置1の作動を説明する。除霜運転における電磁弁15、第2膨張弁16の制御および冷媒回路100において冷媒の流れる流路自体は、暖房運転と同様である。除霜運転では、第1膨張弁13の開度を、暖房運転時の開度よりも大きい開度に設定する。これにより、圧縮機11にて圧縮された冷媒は、暖房運転時よりも高温高圧の状態で室外熱交換器14へ流入する。このときの冷媒の熱によって、室外熱交換器14に付着した霜を溶融させて除霜する。
次に車両用空調装置1が除霜運転を実行する場合の作動について、図3のフローチャートを参照して説明する。車両用空調装置1は、図3のフローチャートを、車両の停止中または走行中に自動で実行する。または、後述の第3実施形態のように乗員が除霜運転の開始スイッチを投入した場合に実行してもよい。また、電気自動車やプラグインハイブリッド車両の場合、外部の電力供給源に接続された場合に実行してもよい。
空調ECU50は、まずステップS100で、除霜条件が成立したか否かを判定する。ここで除霜条件とは、室外熱交換器14に着霜していると判定されると成立する条件である。室外熱交換器14に着霜しているか否かは、例えば室外熱交換器14の下流に設けられた冷媒温度センサ110が検出する冷媒の温度によって判定する。すなわち、冷媒温度センサ110が検出する温度が所定温度以下の場合には、室外熱交換器14に着霜していると判定する。所定温度は、予め設定された温度であり、例えば実験等により求められた室外熱交換器14が着霜した際の冷媒の温度に基づいて決定されている。または、乗員が除霜運転の開始スイッチを投入した時点で除霜条件が成立したと判定してもよい。
ステップS100にて除霜条件が成立していると判定された場合には、ステップS101へと進む。ステップS101では、除霜運転を開始する前に、除霜運転時の熱損失を低減するための作動を実行する。すなわち、送風装置22を停止して、空気の送風を停止する。これにより、送風空気によって第2室内熱交換器12からの放熱が促進されることを抑制する。室外送風機42を停止して、外気を室外熱交換器14に対して積極的に送風しないようにする。エアミックスドア23を最大冷房位置に制御し、第2室内熱交換器12に上流から空気が流れ込むことを抑制する。グリルシャッタ41を閉状態に制御し、グリル40からエンジンルーム内へと空気が流入することを抑制することができる。
さらにステップS101では、複数の吹出ドア31c、31d、31eのうち、開状態の吹出ドアを閉状態へと制御する全閉モードを実行する。すなわち、図2に示すように全ての吹出ドア31c、31d、31eについて、対応する開口部21c、21d、21eの開口面積を実質的にゼロにするように制御する。換言すれば、全ての吹出ドア31c、31d、31eは、対応する開口部21c、21d、21eを閉塞する。これにより、第2室内熱交換器12より上方に位置する開口部21c、21dを含む全ての開口部21c、21d、21eの開口面積を、除霜運転を行う前の状態よりも低下させる。全閉モードにより、第2室内熱交換器12から放熱された熱が吹出口を介して空調ケース21の外部へと放熱されることで、第2室内熱交換器12からの冷媒の放熱が促進されてしまうことを抑制する。全閉モードは、第2室内熱交換器12よりも上方に位置する開口部21c、21dの合計開口面積を低下させる開口面積低下モードの一例である。
ステップS101の処理が完了すると、ステップS102へと進み、除霜運転の実行を開始する。ステップS101の処理とステップS102の処理は、同時に実行されてもよいし、時間的に多少前後して実行されてもよい。
ステップS102で除霜運転を開始するとステップS103へと進む。ステップS103では、除霜運転終了条件が成立したか否かを判定する。除霜終了条件とは、室外熱交換器14への着霜が取り除けたと判定される条件である。除霜終了条件は、例えば温度センサが検出する冷媒の温度が所定温度を上回った場合に成立したと判定される。ここでの所定温度は、除霜条件成立を判定する際に使用した所定温度でもよいし、異なる温度を設定してもよい。ステップS103で除霜終了条件が成立するまで、車両用空調装置1は除霜運転を継続する。
ステップS103で除霜終了条件が成立したと判定された場合には、ステップS104に進む。ステップS104では除霜運転を終了し、図3のフローチャートの処理を終了する。
次に第1実施形態の車両用空調装置1がもたらす作用効果について説明する。第1実施形態の車両用空調装置1において、空調ECU50は、除霜運転を実行するとともに、送風装置22を停止させる。加えて空調ECU50は、複数の開口部21c、21d、21eのうち上下方向において第2室内熱交換器12よりも上方に位置する開口部21c、21dの合計開口面積を低下させるように複数の吹出ドア31c、31d、31eを制御する。すなわち、車両用空調装置1は、除霜運転を実行するとともに、送風装置22を停止させて、開口部21c、21dの合計開口面積を除霜運転の実行前よりも低下させるように複数の吹出ドアを制御するモードである全閉モードを有する。全閉モードは、開口面積低下モードの一例である。
これによれば、除霜運転時に第2室内熱交換器12よりも上方に位置する開口部21c、21dの合計開口面積を低下させることができる。したがって、第2室内熱交換器12から放熱された冷媒の熱が開口部21c、21dを介して空調ケース21の外部へと流出する量を低減できる。これにより、室内熱交換器における冷媒の熱の放熱を抑制することができる。以上により、除霜運転時の冷媒の熱損失を低減可能な車両用空調装置1を提供することができる。またこれにより、第2室内熱交換器12を通過する際に冷媒の温度が低下することを抑制でき、冷媒の熱による室外熱交換器14の除霜をより短時間で完了することができる。
全閉モードにおいては、全ての吹出ドア31c、31d、31eが、それぞれ対応する開口部21c、21d、21eの開口面積を低下させるように制御される。これによれば、空調ケース21における吹出ドア31c、31d、31eが設けられた全ての開口部21c、21d、21eの開口面積を除霜運転時に低下できるので、空調ケース21の外部への放熱をより抑制することができる。
空調ECU50は、全閉モードにおいて制御する吹出ドア31c、31d、31eについて、対応する開口部21c、21d、21eを閉塞するように制御する。これによれば、対応する開口部21c、21d、21eからの熱の放出をより確実に遮断できるので、空調ケース21から流出する熱量をより低減できる。したがって、第2室内熱交換器12における冷媒の熱損失をより低減することができる。
空調ECU50は、第2室内熱交換器12よりも上方に位置する開口部21c、21dの合計開口面積が低下した状態を、車室内の暖房を行う暖房運転を開始するまで維持する。これによれば、除霜運転の開始時に第2室内熱交換器12から放熱されて空調ケース21内に蓄えられた熱を暖房風として車室内に供給することができる。
空調ECU50は、除霜運転を実行する場合において、第2室内熱交換器12を通過する空気の流れを遮断するようにエアミックスドア23を制御し、室外熱交換器14への送風を停止するように室外送風機42を制御する。これによれば、エアミックスドア23によって、第2室内熱交換器12から空調ケース21内の空気への放熱を抑制できる。加えて、室外熱交換器14への送風の停止によって室外熱交換器14における冷媒の放熱を抑制し、除霜を促進することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態における車両用空調装置1の変形例について説明する。図4において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第2実施形態では、第1実施形態における車両用空調装置1の変形例について説明する。図4において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第2実施形態において、車両用空調装置1は、プレ空調を実施する際に除霜条件が成立すると除霜運転を実行する。第2実施形態の車両用空調装置1は、図4に示すフローチャートの処理を、プレ空調の実行条件が成立した場合に実行する。ここでプレ空調の実行条件は、例えば車外の乗員が携帯端末等からプレ空調の開始操作を実行した場合に成立する。または、車外の乗員が車両に所定距離以内に接近した場合に成立するとしてもよい。
図4のフローチャートに示すように、ステップS103にて除霜終了条件が成立すると、ステップS114へと進む。ステップS114では、プレ空調運転へと移行する処理を実施する。ステップS102で除霜運転を実行していた場合には、除霜運転からプレ空調運転へと移行する。プレ空調にて暖房運転を実行する場合には、第1膨張弁13の開度を除霜運転時の開度から暖房運転時の開度へと低下させる。送風装置22は停止状態から作動状態へと制御される。エアミックスドア23は、第2室内熱交換器12を通過する送風空気を加熱するために開状態に制御される。
複数の吹出ドア31c、31d、31eのうち、プレ空調にて実行する空調モードに対応した吹出ドアは、閉状態から開状態に制御される。例えばフットモードで暖房運転をする場合には、除霜運転中に閉状態であったフットドア31eを、開状態へと制御する。すなわち、除霜運転から暖房運転へと移行するまでは、吹出ドア31c、31d、31eの全閉モードを維持している。換言すれば、第2室内熱交換器12よりも上方に位置する開口部21c、21dの合計開口面積が低下した状態を、暖房運転を開始するまで維持している。吹出ドア31c、31d、31e、エアミックスドア23、送風装置22の制御は、同時に実行することが望ましい。ステップS104でプレ空調運転に移行すると、図4のフローチャートの処理を終了する。また、ステップS100において除霜条件が成立しないと判定された場合には、除霜運転を実行せずにステップS114へと進み、空調が停止された状態からプレ空調へと移行する。
ステップS100〜ステップS114の処理により、プレ空調を開始する直前に除霜運転を実行した場合に、冷媒の熱損失を低減できるため、除霜運転の時間を短くすることができる。したがって、プレ空調の行う時間をより長く確保できるようになり、乗車前の車室内の空調環境を要求される状態により近付けることができる。
また、車両用空調装置1は、第2室内熱交換器12よりも上方に位置する開口部21c、21dの合計開口面積が低下した状態を、車室内の暖房を行う暖房運転を開始するまで維持する。これにより、除霜運転の開始時に第2室内熱交換器12から放熱されて空調ケース21内に蓄えられた熱を暖房風として車室内に供給することができる。
(第3実施形態)
第2実施形態に代えて、または第2実施形態に加えて、車両用空調装置1は種々の状況において除霜運転を実行する車両に適用できる。例えば、乗員の指示に基づいて除霜運転を実行する車両においても、上述の構成を適用できる。例えば車両の走行中に、乗員から除霜運転指示があったと判断できる除霜指示条件が成立した場合に、図3のフローチャートに示す処理を開始する構成であってもよい。除霜指示条件は、例えば車室内に設けられた除霜運転開始スイッチを乗員が投入するなどによって成立する。
第2実施形態に代えて、または第2実施形態に加えて、車両用空調装置1は種々の状況において除霜運転を実行する車両に適用できる。例えば、乗員の指示に基づいて除霜運転を実行する車両においても、上述の構成を適用できる。例えば車両の走行中に、乗員から除霜運転指示があったと判断できる除霜指示条件が成立した場合に、図3のフローチャートに示す処理を開始する構成であってもよい。除霜指示条件は、例えば車室内に設けられた除霜運転開始スイッチを乗員が投入するなどによって成立する。
この場合には、図3のフローチャートにおけるステップS104の処理にて、除霜運転終了の処理に加えて、除霜指示条件が成立する直前に実行していた空調運転に移行する処理を実行する構成にすればよい。例えば、除霜指示条件が成立する直前に暖房運転を実行していた場合には、ステップS104において除霜運転から暖房運転へと移行する。このとき、ステップS101において実行した吹出ドアの全閉モード制御は、暖房運転の実行まで維持される。この構成によっても、除霜運転において空調ケース21内に保持されていた第2室内熱交換器12からの熱を暖房運転で車室内に供給することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1実施形態における車両用空調装置1の変形例について説明する。図5において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第4実施形態では、第1実施形態における車両用空調装置1の変形例について説明する。図5において第1実施形態の図面中と同一符号を付した構成要素は、同様の構成要素であり、同様の作用効果を奏するものである。
第4実施形態の車両用空調装置1では、複数の吹出ドア31c、31d、31eがモードリンクによって連結されている。複数の吹出ドア31c、31d、31eは、モードリンクによって各吹出モードに対応した開閉状態に制御される。
第4実施形態において空調ECU50は、除霜運転時に第2室内熱交換器12よりも上方に設けられた開口部21c、21dの合計開口面積が最も小さくなる吹出モードとなるように、複数の吹出ドア31c、31d、31eを制御する。図5のフローチャートに示す例では、空調ECU50は、複数の吹出ドア31c、31d、31eが除霜条件成立時にバイレベルモード等のフットモード以外の吹出モードであった場合には、フットモードに制御する。ここでフットモードは、フット開口部21e以外のフェイス開口部21d、デフロスタ開口部21cを閉状態とするモードであるとする。すなわち、除霜運転時の吹出モードとして、フットモードを選択する。
この構成によっても、第2室内熱交換器12より上方の開口部21c、21dの合計開口面積を低下させることができるので、冷媒の熱が空調ケース21から外部へと放出されることを抑制できる。また、この構成の場合は、各吹出ドア31c、31d、31eを独立に制御する構成が不要となるため、より低コストな車両用空調装置1を提供することができる。除霜運転時にフットモード以外の吹出モードからフットモードへの切替制御を実行することは、第2室内熱交換器12よりも上方に位置する開口部21c、21dの合計開口面積を低下させる開口面積低下モードの実行の一例に相当する。すなわち、第4実施形態においてはフットモードが開口面積低下モードである。
第4実施形態において、フットモードでは、フット開口部21eのみが開口され、フェイス開口部21d、デフロスタ開口部21cは閉状態となるように制御されるとした。フットモードは、フット開口部21e以外の開口部21c、21dも所定の開度で開状態とするモードでもよい。例えば、フットモードがフット開口部21eに加えてデフロスタ開口部21cを開状態とする吹出モードであってもよい。すなわち、第2室内熱交換器12より上方の開口部21c、21dを開状態とする吹出モードであっても、第2室内熱交換器12より上方の開口部21c、21dの合計開口面積が他の吹出モードよりも小さくなるモードであれば、開口面積低下モードとして適用できる。また、ステップS101の実行前に、吹出モードが既にフットモードになっていた場合には、フットモードのまま維持すればよい。
(他の実施形態)
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上述の実施形態において、除霜運転時には第2室内熱交換器12よりも上方の吹出ドアを閉じる、すなわち合計開口面積をゼロにするとしたが、除霜運転を開始する前よりも合計開口面積が低下していれば、開状態であってもよい。特に合計開口面積をゼロにすることで、第2室内熱交換器12において放熱された冷媒の熱が開口部21c、21dを介して空調ケース21の外部に流出することをより確実に抑制することができる。
上述の実施形態において、除霜運転から暖房運転に移行するまで開口面積低下モードを維持するとしたが、除霜運転が終了すると暖房運転を開始する前に開口面積低下モードを解除してもよい。例えば、除霜運転を実行して直ちに暖房運転を開始しない場合には、開口面積低下モードを解除するように吹出ドアを制御することで、暖房運転を開始する場合に即座に暖房風を吹出口から吹き出せるようにしてもよい。
上述の実施形態において、車両用空調装置1は、開口面積低下モードで除霜運転を実行するとともに送風装置22を停止させ、開口部21c、21dの合計開口面積を除霜運転実行前よりも低下させるように複数の吹出ドア31c、31d、31eを制御するとした。これに加えて車両用空調装置1は、開口面積低下モードを実行する以外の状況で除霜運転を実行してもよい。すなわち、除霜運転の実行において、複数の吹出ドア31c、31d、31eを制御しない場合があってもよい。
上述の実施形態において、除霜運転時には第1膨張弁13の開度を開状態にするとした。これに代えて、除霜運転時には冷媒が第1膨張弁13をバイパスする構成であってもよい。例えば、第1膨張弁13をバイパスするバイパス流路と、冷媒が第1膨張弁13を通過する状態とバイパス流路を通過する状態とを切り替える電磁弁等の切替装置とをヒートポンプサイクル10に設けてもよい。この場合、空調ECU50は切替装置を制御する。この構成によれば、第1膨張弁13として、電子式膨張弁以外にも温度によってその開度を変化する感温式膨張弁や、開度が固定された固定式膨張弁を用いることができる。
上述の実施形態において、冷媒回路100の冷媒の流通経路は、除霜運転時と暖房運転時とで同様であるとした。しかし、除霜運転時に冷媒が第2室内熱交換器12を流通した後に室外熱交換器14へと流入する構成であれば、冷媒回路100の冷媒の流通経路はこれに限定されない。
上述の実施形態において、除霜条件および除霜終了条件は、室外熱交換器14の流出側に設けられたセンサ110が検出する冷媒の温度によって成立したか否かを判定するとした。これに代えて、室外熱交換器14に取り付けられた温度センサが検出する室外熱交換器14の温度によって基づいて除霜条件および除霜終了条件の成立を判定してもよい。
上述の実施形態に加えて、車両用空調装置1は、空調ケース21内における第2室内熱交換器12の空気流れの下流側に、空気の加熱を補助する電気ヒータを有する構成であってもよい。また、除霜運転の実行時に、この電気ヒータを作動させるように制御してもよい。これによって、除霜運転時に第2室内熱交換器12の周辺の空気を加熱することができる。したがって、第2室内熱交換器12からの放熱をより抑制することが可能となる。
10 ヒートポンプサイクル、 11 圧縮機、 12 第2室内熱交換器(室内熱交換器)、 14 室外熱交換器、 21 空調ケース、 21c、21d、21e 開口部、 22 送風装置、 23 エアミックスドア、 31c、31d、31e 吹出ドア、 42 室外送風機、 50 空調ECU(制御部)。
Claims (5)
- 冷媒を圧縮する圧縮機(11)、車室外に設けられて前記車室外の空気と前記冷媒との間の熱交換を提供する室外熱交換器(14)、および車室内に対して供給される空気と前記冷媒との間の熱交換を提供する室内熱交換器(12)を含むヒートポンプサイクル(10)と、
前記室内熱交換器が収容された空調ケース(21)と、
前記空調ケース内に前記空気を流通させる送風装置(22)と、
前記空調ケースに設けられて、前記空調ケースから前記車室内へと流出する前記空気が通過する複数の開口部(21c、21d、21e)と、
複数の前記開口部のそれぞれの開口面積を調整可能な複数の吹出ドア(31c、31d、31e)と、
前記圧縮機において圧縮され前記室内熱交換器を通過した前記冷媒を、前記室外熱交換器に流通させて前記室外熱交換器を除霜する除霜運転と、複数の前記吹出ドアの制御とを実行可能な制御部(50)と、
を備え、
前記除霜運転を実行するとともに、前記送風装置を停止させて、複数の前記開口部のうち上下方向において前記室内熱交換器よりも上方に位置する前記開口部の合計開口面積を前記除霜運転の実行前よりも低下させるように複数の前記吹出ドアを制御する開口面積低下モードを有する車両用空調装置。 - 前記開口面積低下モードにおいて、全ての前記吹出ドアについてそれぞれ対応する前記開口部の前記開口面積を低下させるように制御する請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記開口面積低下モードにおいて制御される前記吹出ドアは、対応する前記開口部を閉塞することで、前記合計開口面積を低下させる請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記室内熱交換器よりも上方に位置する前記開口部の前記合計開口面積が低下した状態を、車室内の暖房を行う暖房運転を開始するまで維持する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
- 前記空調ケースにおいて前記室内熱交換器を通過する前記空気の流れを遮断可能なエアミックスドア(23)と、
前記室外熱交換器に空気を送風する室外送風機(42)と、
を有し、
前記制御部は、前記除霜運転を実行する場合において、前記空気の流れを遮断するように前記エアミックスドアを制御し、前記室外熱交換器への送風を停止するように前記室外送風機を制御する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
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