JP2019107973A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車室内後方の側面に配置され、左右独立温調可能な車両用空調装置において、ダクトの組み立て時の制約のない構成を提供する。【解決手段】車両の室内の右側面または左側面に配置され、前記室内の右側空間と左側空間とに異なる温度の調和空気を供給可能な車両用空調装置1であって、内部に空気通路を有するとともに、前記空気通路とそれぞれ連通する右側空間用右側吹出口11、右側空間用左側吹出口21、左側空間用右側吹出口12及び左側空間用左側吹出口22を備えるケース10と、前記空気通路に空気流を送風する送風機30と、前記空気通路の内部を隔てて、前記送風機から送風された空気流の一部を前記右側空間用右側吹出口及び前記右側空間用左側吹出口へ導くとともに、前記送風機から送風された空気流の残りを前記左側空間用右側吹出口及び前記左側空間用左側吹出口へ導く空気流配列変更部材100と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両用空調装置に関し、特に、車室内後方の側面近傍に設置される車両用空調装置に関する。
従来から車室内後方に設置される車両用空調装置については、左右を独立して温度調節することが望まれており、そのために種々の技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、後席用空調ユニットであって、車室内後方の側面近傍に設置され、左右独立温調の機能を有し、車両の左右方向に分割された吹出し口から、それぞれ独立に温度調和された空気を吹出すことができる技術思想が開示されている。
すなわち、車室内のうち車両幅方向右側および車両幅方向左側に空気流を吹き出す第1、第2の吹出開口部(90a、90b、90c、90d)と、前記第1、第2の吹出開口部に向けて前記空気流としての温風が流れ易い温風領域(91a)と前記空気流としての冷風が流れ易い冷風領域(91b)とを形成する空気流路(71)を構成するダクト(70)と、前記ダクトのうち前記温風領域および前記冷風領域と前記第1、第2の吹出開口部との間に配置されて、前記吹出開口部に対する前記温風領域の開口面積と前記吹出口に対する前記冷風領域の開口面積とを前記吹出開口部毎に調整する第1、第2のドア(80、81)と、を備えることを特徴とする後席用空調ユニットが開示されている。
これによれば、第1、第2のドアが吹出開口部に対する温風領域の開口面積と吹出開口部に対する冷風領域の開口面積とを吹出開口部毎に調整する。このため、第1、第2の吹出開口部から吹き出される空気温度を独立して制御することができる。よって、車室内右側に吹き出す空気温度と車室内左側に吹き出す空気温度とを独立に制御することができる。
しかしながら、吹出し口が車両の左右に分割されていると、吹出し口に連結されるダクトの組み立て時に制約が発生する。すなわち、車室内の側面近傍に配置される装置であるから、車両の側面(壁面)側の吹出し口(特許文献1の場合、車両右側の吹出し口)に連結されるダクトは、車両の内側の吹出し口(特許文献1の場合、車両左側の吹出し口)に連結されるダクトよりも、必ず先に組みたてる必要がある。このため、生産時の自由度が減少する。
なお、特許文献2には、二層流用空調装置の内部に配置される板状部材を捩じることで、左右方向から吸い込まれた外気および内気の流れを、上下方向の並びに変更する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献2の発明は、インテーク部分から吸い込んだ空気の並びを冷却用熱交換器の上流面に達するまでの領域で上下の並びに変更するものであり、左右の独立温調を目的としたものではない。また、左右の並びを上下の並びに変更するものであって、左右の並びを前後の並びに変更するものでもない。さらには、そもそも車両前方に配置される空調装置であって、本発明のように車両後方に配置されるものでもないし、車両の側面近傍に配置されるものでもない。
そこで、本発明では、特に車室内後方の側面近傍に配置され、左右独立温調可能な車両用空調装置において、ダクトの組み立て時の制約のない構成を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、本発明に係る車両用空調装置(1)は、車両の室内の右側面または左側面に当接または近接して配置され、前記室内の右側空間と左側空間とに異なる温度の調和空気を供給可能な車両用空調装置であって、内部に空気通路を有するとともに、前記空気通路とそれぞれ連通する右側空間用右側吹出口(11、11´)、前記右側空間用右側吹出口の左側に位置する右側空間用左側吹出口(21、21´)、前記右側空間用右側吹出口の前後または上下に位置する左側空間用右側吹出口(12、12´)、前記右側空間用左側吹出口の前後または上下に位置する左側空間用左側吹出口(22、22´)、を備えるケース(10)と、前記空気通路に空気流を送風する送風機(30)と、前記空気通路の内部を隔てて、前記送風機から送風された空気流の一部を前記空気通路の右側を経由して前記右側空間用右側吹出口及び前記右側空間用左側吹出口へ導くとともに、前記送風機から送風された空気流の残りを前記空気通路の左側を経由して前記左側空間用右側吹出口及び前記左側空間用左側吹出口へ導く空気流配列変更部材(100、100´、1000、1000´)とを有し、車両の室内の右側面または左側面に当接または近接して配置されることを特徴とする。
このようにすると、例えば車室の右座席と左座席とのように、独立に温調可能な右側空間用吹出口と左側空間用吹出口とをそれぞれ備えた上で、右側空間用右側吹出口と左側空間用右側吹出口とが前後または上下に配置され、右側空間用左側吹出口と左側空間用左側吹出口とが前後または上下に配置されることから、車両の前後方向に延びる車両の側面に沿って吹出し口を配置できるため、ダクトの組み立ての順番について制約をなくすことができる。
また、本発明に係る車両用空調装置(1)は、更に、前記空気流配列変更部材(100)が、前記送風機から送風された空気流の一部を前記空気通路の右側に導き、前記送風機から送風された空気流の残りを前記空気通路の左側に導く左右仕切部(70、700)と、前記空気通路の右側に導かれた空気流を、前記空気通路の左側に導かれた空気の後方または上方に導く方向変更部(80、800)とを有することを特徴としてもよい。
このようにすると、空気流配列変更部材として、簡易な構造の例えば平板状の形状の左右仕切部と、左右仕切部の下流側に形成された捩じりを加えた板状部材で構成される方向変更部によって、空気通路の右側に導かれた空気流を、左側に導かれた空気流の後方または上方に導くことができる。
すなわち、車両用空調装置内部に配置される左右仕切部を車両用空調装置内部で捩じるなどの工夫により、左右に並んだ流路を前後または上下前後の並び方に変更することができ、上下の並びに変更された場合は、車両用空調装置のケースを適宜延長するなどにより、さらに前後の並びへと変更することもでき、これにより、左右の並びとされた2つの流路が、上下または前後の並びへと変更されるので、車両の前後方向に延びる車両の側面に沿ってそれぞれ複数の吹出し口を配置できるから、先に述べた発明の効果を具体的に実現できる。
あるいは、本発明に係る車両用空調装置(1)は、更に、前記空気流配列変更部材(100)が、前記送風機から送風された空気流の一部を前記空気通路の右側に導き、前記送風機から送風された空気流の残りを前記空気通路の左側に導く左右仕切部(70、700)と、前記空気通路の左側に導かれた空気流を、前記空気通路の右側に導かれた空気の後方または上方に導く方向変更部(80´、800´)とを有することを特徴としてもよい。
このようにしても、空気通路の左側に導かれた空気流を、右側に導かれた空気流の後方または上方に導くことができるので、同様に、先に述べた発明の効果を実現することができる。
更に、本発明に係る車両用空調装置(1)は、前記車両の室内の右側面に当接または近接して配置される車両用空調装置であって、前記右側空間用右側吹出口(11)および前記左側空間用右側吹出口(12)は、前記車両の前方、上方、後方のいずれかに向けて開口し、前記右側空間用左側吹出口(21)および前記左側空間用左側吹出口(22)は、前記室内の空間に向けて開口することを特徴としてもよい。すなわち、右側の2つの吹出口(11、12)と、左側の2つの吹出口(21、22)とを、異なる方向に向けて開口することで、比較的寸法が長く作業性が悪いダクトであっても円滑に空調装置に取り付けることができる。
なお、ここで、右側空間用右側吹出口および左側空間用右側吹出口は、前記車両の上方を主とするが、それに限らず、前方または後方のいずれか、またはそれら3方向の組み合わせの方向に向けて開口してもよく、右側空間用左側吹出口および左側空間用左側吹出口は、室内の主として足元の空間に向けて開口するが、それに限定せず、右側の2つの吹出口と異なる方向であればどの空間に向けて開口してもよい。
このようにすると、車両用空調装置を室内の右側面に当接または近接して配置された場合に、例えば車室の右座席と左座席とのように、独立に温調可能とすることができ、かつ、各々について乗員の上半身と下半身への異なる2方向へ吹出すことができ、更に、快適な空調を実現できる。
あるいは、本発明に係る車両用空調装置(1)は、前記車両の室内の左側面に当接または近接して配置される車両用空調装置であって、前記右側空間用右側吹出口(11´)および前記左側空間用右側吹出口(12´)は、前記室内の空間に向けて開口し、前記右側空間用左側吹出口(21´)および前記左側空間用左側吹出口(22´)は、前記車両の前方、上方、後方のいずれかに向けて開口することを特徴としてもよい。
このようにしても、車両用空調装置を室内の左側面に当接または近接して配置された場合に、例えば車室の右座席と左座席とのように、独立に温調可能とすることができ、かつ、各々について乗員の上半身と下半身への異なる2方向へ吹出すことができ、更に、快適な空調を実現できる。
更にまた、本発明に係る車両用空調装置(1)は、前記左右仕切部を左右方向に貫通するよう配置された加熱用熱交換器と、前記空気通路の右側に配置されて前記加熱用熱交換器を通流する空気流と前記加熱用熱交換器を迂回する空気流との比率を変更可能な右側温度調節ドアと、前記空気通路の左側に配置されて前記加熱用熱交換器を通流する空気流と前記加熱用熱交換器を迂回する空気流との比率を変更可能な左側温度調節ドアとを有することを特徴としてもよい。
このようにすると、左右仕切部を貫通するように単一の加熱用熱交換器を設け、更に、右側と左側とに各々温度調節ドアを設けたから、単一の加熱用熱交換器という簡易な構造で、左右独立の温調機能を実現することができる。
本発明によれば、車室内後方の側面近傍に配置され左右独立温調可能な車両用空調装置において、ダクトの組み立て時の制約のない構成を提供することができる。
以下、図面を参照し、本発明に係る車両用空調装置1の第1の実施形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
図1は本発明に係る車両用空調装置1の第1の実施形態の分解斜視図であり、図2は本発明に係る車両用空調装置1の第1の実施形態の全体の左右中央よりも左側から、右側を見た断面図である。
車両空調装置1は、第1の実施形態では、車両内の後方の右側(車両進行方向を基準としたもので以下同様に解する)の側面に当接して設けられ、内部に空気通路を有するケース10と、ケース10に設けられ空気通路とそれぞれ連通する、右側空間用右側吹出口11と、右側空間用右側吹出口11の左側に位置する右側空間用左側吹出口21と、右側空間用右側吹出口11の前方に位置する左側空間用右側吹出口12と、右側空間用左側吹出口21の前方に位置する左側空間用左側吹出口22と、ケース10に内蔵され吸入した空気流を空気通路に送風する送風機30と、ケース10に内蔵され送風機30から送風された空気流を冷却する冷却用熱交換器40と、ケース10に内蔵され冷却用熱交換器40を通過した空気流を加熱する加熱用熱交換器50と、ケース10に設けられ冷却用熱交換器40を通過した空気流の一部または全部を、加熱用熱交換器50を経由するように空気流を誘導する温度調節ドア60と、ケース10内に設けられ、空気通路の内部を隔てて、送風機30から送風された空気流の一部を空気通路の右側を経由して右側空間用右側吹出口11及び右側空間用左側吹出口21へ導くとともに、送風機30から送風された空気流の残りを空気通路の左側を経由して左側空間用右側吹出口12及び左側空間用左側吹出口22へ導く空気流配列方向変更部材100と、空気流配列変更部材の一部であって送風機30から送風された空気流の一部を空気通路の右側に導き、前記送風機から送風された空気流の残りを前記空気通路の左側に導く左右仕切部70と、左右仕切部70の下流に位置し、空気通路の右側を経由した空気流を、前記空気通路の左側を経由した空気流の後方に導く方向変更部80と、右側を経由して空気通路の後方に吹き出された空気流を右側空間用右側吹出口11と右側空間用左側吹出口21とに配分する右側空間用配風ドア90aと、左側を経由して空気通路の前方に吹き出された空気流を左側空間用右側吹出口12と左側空間用左側吹出口22とに配分する左側空間用配風ドア90bとを有している。
なお、方向変更部80は左右仕切部70と一体であるとしたが別部材であってもよい。
ケース10は、図示するように、右側ケース10aと左側ケース10bとからなり、右側ケース10aの左側面と左側ケース10bの右側側面とを結合して全体を構成する。
送風機30は、螺旋状に拡大するスクロールハウジングの内部に、モータの回転軸に連結されたシロッコファンが配置されて構成されるもので、モータが回転することでシロッコファンが回転されて空気を回転軸の軸方向から吸い込み、スクロールハウジングの吐出部からその下流側へ吹出すことができる。
冷却用熱交換器40は、エバポレータとも称し、送風機30から送風された空気流を冷却することができる。
加熱用熱交換器50は、高温の温水、電気発熱部材、高温高圧冷媒などにより、通過する空気流を加熱することができる。
空気流配列変更部材100の一部である左右仕切部70は、ケース10内を左右に仕切る板状の部分(または部材)であり、送風機30からケースの左右方向にわたって幅広く吹き出された空気流を左右それぞれの流れに仕切る。図1の例では、左右仕切部70は、ケース10の内部を、左右方向に2等分するように配置されている。
温度調節ドア60は、冷却用熱交換器40を通過した空気流の一部または全部を、加熱用熱交換器50を経由するように空気流を誘導して、フルクール、フルホット、及びその中間の状態を実現しうるものである。この実施形態ではロータリー式のドアを示したが、片持ち式やバタフライ式、スライド式のドアにより構成してもよい。
ここで、温度調節ドア60は、左右仕切部70の右側の空気流を誘導する右側温度調節ドア60aと、右側温度調節ドアを駆動する右側温度調節ドア駆動部61aとを有し、また、左右仕切部70の左側の空気流を誘導する左側温度調節ドア60bと、左側温度調節ドアを駆動する左側温度調節ドア駆動部61bとを有し、これらの温度調節ドア60a、60bは独立に駆動ができるようになっている。
空気流配列変更部材100は、温度調節ドア60よりも下流側にて空気流の方向において右回りに旋回する方向変更部80を備える。図1に示される例では、左右仕切部70に対して、方向変更部80の端辺は、およそ90度捻じれる位置に形成されている。
右側空間用右側吹出口11及び右側空間用左側吹出口21は、左右仕切部70の右側の空気通路を経由した空気流の吹出口であり、右側空間用配風ドア90aによって、両方の吹出口へ配分される空気流の量が調整される。
右側空間用配風ドア90aは、板状の回動可能なドアであり、配風ドア駆動部(図示せず)によって駆動される。
ここで、右側空間用右側吹出口11は車両の右壁面に近接する場所に設けられ、右側空間用左側吹出口21は右側空間用右側吹出口11よりも車両の左側に設けられる。
右側空間用右側吹出口11及び右側空間用左側吹出口21には、それぞれ図示しない送風用のダクトが接続され、右側空間用右側吹出口11から吹き出た空気流は、車室後方の右側空間のうち乗員の上半身近傍に、右側空間用左側吹出口21から吹き出た空気流は、車室後方の右側空間のうち乗員の足元近傍に誘導される。
左側空間用右側吹出口12及び左側空間用左側吹出口22は、左右仕切部70の左側の空気通路を経由した空気流の吹出口であり、左側空間用配風ドア90bによって、両方の吹出口へ配分される空気流の量が調整される。
左側空間用配風ドア90bは、板状の回動可能なドアであり、配風ドア駆動部93によって駆動される。
ここで、左側空間用右側吹出口12は車両の右壁面に近接する場所に設けられ、左側空間用左側吹出口22は左側空間用右側吹出口12よりも車両の左側に設けられる。
左側空間用右側吹出口12及び左側空間用左側吹出口22には、それぞれ図示しない送風用のダクトが接続され、左側空間用右側吹出口12から吹き出た空気流は、車室後方の左側空間のうち乗員の上半身近傍に、左側空間用左側吹出口22から吹き出た空気流は、車室後方の左側空間のうち乗員の足元近傍に誘導される。
右側空間用配風ドア90aと左側空間用配風ドア90bとは、図1に示されるように、同じ回転軸上に一体的に構成されていてもよい。1つの配風ドア駆動部93により、2つの配風ドア90a、90bを駆動することができ、部品点数を削減できる。
次に、このような構成の本発明の第1の実施形態の車両用空調装置の動作について説明する。図3は本発明に係る車両用空調装置1の第1の実施形態の空気流の説明図である。
外気または内気が送風機30によって吸引され、スクロールハウジングの吐出部からその下流側へ吹き出される。スクロールハウジングの吐出部から吹出された空気は、冷却用熱交換器40を通流し、必要に応じて冷却される。
冷却用熱交換器40を流出した空気流は、左右仕切部70の右側の右側空間と左側の左側空間とを、ほぼ同じ量の空気流となって通流する。図3において右側空間を通流する空気流(右側空気流)は黒矢印で示されており、右側温度調節ドア60aを通過する。また、同図において左側空間を通流する空気流(左側空気流)は白抜き矢印で示されており、左側温度調節ドア60bを通過する。
右側空気流は、右側温度調節ドア60aの回転位置が調節されることで、すべて加熱用熱交換器50に誘導されて加熱された温風(フルホットモード)、全てが加熱用熱交換器50を迂回して加熱されない冷風(フルクールモード)、一部が誘導されて残りが加熱用熱交換器50を迂回して適度な温度とされた温度調和空気流(温度調和モード)、のいずれかとなる。
左側空気流は、左側温度調節ドア60bの回転位置が調節されることで、すべて加熱用熱交換器50に誘導されて加熱された温風(フルホットモード)、全てが加熱用熱交換器50を迂回して加熱されない冷風(フルクールモード)、一部が誘導されて残りが加熱用熱交換器50を迂回して適度な温度とされた温度調和空気流(温度調和モード)、のいずれかとなる。
右側空気流の温度と左側空気流の温度とは、右側温度調節ドア60aと左側温度調節ドア60bの回転位置がそれぞれ独立して調節されることで、異なる温度となるように調整されることが可能となっている。
右側温度調節ドア60aを通過した空気流は、左右仕切部70に沿って下流に向かい、方向変更部材80によって右回りに旋回する。左側温度調節ドア60bを通過した空気流は、左右仕切部70に沿って下流に向かい、方向変更部材80によって右回りに旋回する。この結果、右側空気流と左側空気流の左右方向の配列は、方向変更部材80の下流側端辺において、前後方向へと変換される。具体的には、右側空気流は相対的に後方に、左側空気流は相対的に前方に、導かれる。
相対的に後方に導かれた右側空気流は、右側空間用配風ドア90aによって、右側空間用右側吹出口11に向かう空気流と右側空間用左側吹出口21に向かう空気流の比率が調整される。
相対的に前方に導かれた左側空気流は、左側空間用配風ドア90bによって、左側空間用右側吹出口12に向かう空気流と左側空間用左側吹出口22に向かう空気流の比率が調整される。
右側空間用右側吹出口11に導かれた右側空気流は、図示しないダクトを経由して、車室後方の右側空間のうち乗員の上半身近傍に向けて吹出る。右側空間用左側吹出口21に導かれた右側空気流は、図示しないダクトを経由して、車室後方の右側空間のうち乗員の足元近傍に向けて吹出る。
左側空間用右側吹出口12に導かれた左側空気流は、図示しないダクトを経由して、車室後方の左側空間のうち乗員の上半身近傍に向けて吹出る。左側空間用左側吹出口22に導かれた左側空気流は、図示しないダクトを経由して、車室後方の左側空間のうち乗員の足元近傍に向けて吹出る。
次に、本発明に係る車両用空調装置1の第2の実施形態について説明する。図4は本発明に係る車両用空調装置1の第2の実施形態の分解斜視図である。
この実施形態の車両用空調装置1は、ケース10、送風機30、冷却用熱交換器40、加熱用熱交換器50、温度調節ドア(図示を省略)、左右仕切部(図示を省略)、空気流配列方向変更部材(図示を省略)、および配風ドア(図示を省略)の構成については第1の実施形態と同様である。一方で、右側空間用右側吹出口11と左側空間用右側吹出口12が上下に配置されており、これらの吹出口が前方に向けられている点、右側空間用左側吹出口21が相対的に上側、左側空間用左側吹出口22が相対的に下側に配置されている点で、異なっている。
このように、右側空間用右側吹出口11と左側空間用右側吹出口12とが、従来技術のような左右に隣接するのではなく、上下に隣接して配置されているので、乗員の上半身近傍に調和空気を導く2つのダクトを組付ける場合に、組付けの順番に自由度を持たせることが出来る。
また、右側空間用左側吹出口21と左側空間用左側吹出口22とが、従来技術のような左右に隣接するのではなく、上下に隣接して配置されているので、乗員の足元近傍に調和空気を導く2つのダクトを組付ける場合にも、組付けの順番に自由度を持たせることが出来る。
これまでの第1の実施形態及び第2の実施形態において、左右仕切部70は、ケース10の内部を、左右方向に2等分するように配置されているとして説明したが、必ずしも2等分する位置に設けられなくともよい。吹出される右側空間と左側空間の容積の比率に応じて、あるいは、右側空間用および左側空間用のダクトの通気抵抗の差に応じて、適宜配置されることでよい。具体的には、右側空間用のダクトが短いために通気抵抗が相対的に低く、左側空間用のダクトが長いために通気抵抗が相対的に高い場合、左右仕切部70は、ケース10の内部を、右側の空気通路が相対的に狭く、左側の空気通路が相対的に広い位置に設けられることが好ましい。右側空間と左側空間とで、同等の空気を吹出することができる。
また、これまでに、右側空間用右側吹出口11及び左側空間用右側吹出口12の吹出し方向を、上方あるいは前方として説明したが、後方であってもよい。
また、これまでの第1の実施形態及び第2の実施形態において、右側空間用左側吹出口21及び左側空間用左側吹出口22の吹出し方向を、水平方向に室内の左側に向けたものとして説明したが、これに限定されず、右側空間用右側吹出口11及び左側空間用右側吹出口12の吹出し方向と異なればよい。例えば、2つの右側吹出口(右側空間用右側吹出口11及び左側空間用右側吹出口12)が上方に向けられているとき、2つの左側吹出口(右側空間用左側吹出口21及び左側空間用左側吹出口22)は前方に向けられていてもよい。
さらにまた、空気流配列変更部材100は、温度調節ドア60よりも下流側にて空気流の方向において右回りに旋回する方向変更部80を備えるとして説明したが、この方向変更部80に代えて、左回りに旋回する方向変更80´を備えた空気流配列変更部材100´としてもよい。このように左回りに旋回する方向変更部80´を備えると、右側空気流と左側空気流の左右方向の配列は、方向変更部材80´の下流側端辺において前後方向へと変換される。具体的には、右側空気流は相対的に前方に、左側空気流は相対的に後方に導かれる。そして、右側空間用右側吹出口11´、右側空間用左側吹出口21´、左側空間用右側吹出口12´、左側空間用左側吹出口22´のそれぞれを、右側空間用右側吹出口11´、右側空間用右側吹出口の左側に右側空間用左側吹出口21´、右側空間用右側吹出口の後方または上方に左側空間用右側吹出口12´、右側空間用左側吹出口の後方または上方に左側空間用左側吹出口22´、となるように構成する。これにより、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、ダクトの組付けの順番に自由度を持たせることが出来る。
次に、本発明に係る車両用空調装置1の第3の実施形態について説明する。図示は省略するが、車両用空調装置1が車両の左側に配置される場合である。
この場合、車両の室内の左側面に当接または近接して配置される車両用空調装置1であって、その構成は、ほぼ第1の実施形態と同じであるが、右側空間用左側吹出口21および左側空間用左側吹出口22が、車両の左壁部に近接して設けられ、車両の前方、上方、後方のいずれかに向けて開口し、右側空間用右側吹出口11および左側空間用右側吹出口12は、前記室内の空間に向けて(右側に向けて)開口し、2つの左側吹出口(右側空間用左側吹出口21及び左側空間用左側吹出口22)と、2つの右側吹出口(右側空間用右側吹出口1及び左側空間用右側吹出口12)とが異なる方向に向けられていればよい。
このようにすると、車両用空調装置を車両の右側部に設けた場合と同様な効果が得られる。すなわち、ダクトの組付けの順番に自由度を持たせることが出来る。
なお、第1及び第2の実施形態で述べた変形例は、第3の実施形態でも同様に適用することができる。
次に、本発明に係る車両用空調装置1の第4の実施形態について説明する。図5は本発明に係る車両用空調装置1の第4の実施形態における空気流配列変更部材1000の左右仕切部700及び方向変更部800の斜視図である。
図5に示す左右仕切部700は、空気流上流側端辺(下方部)の左側は左からの空気流を全て受け入れる形状となっており、また、右側は右からの空気流を全て受け入れる形状となっている。
この左右仕切部700の下方部と滑らかに連続する部分は、方向変更部800であり、空気流下流側端辺(上方部)は凹凸が連結した終端部断面形状となっていて、左側からの空気流が前方に、右側からの空気流が後方に配列方向が変更される。
このような左右仕切部700及び方向変更部800を有する空気流配列変更部材1000であっても、第1乃至第3の実施形態と同様の効果が得られる。
また、図示しないが、図5に示す空気流配列変更部材1000について、左右仕切部700の下方部と滑らかに連続する部分を、右側からの空気流が前方に、左側からの空気流が後方に配列方向を変更するように方向変更部800´が設けられた空気流配列変更部材1000´としてもよい。
このような左右仕切部700及び方向変更部800´を有する空気流配列変更部材1000´であっても、第1乃至第3の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、左右仕切部及び方向変更部の形状については、第1の実施形態及び第4の実施形態の構造に限定されず、同様の効果を奏するものであればどのようなものであってもよい。
本発明に係る車両用空調装置は、工業的に製造することができ、また商取引の対象とすることができるから、経済的価値を有して産業上利用することができる発明である。
1 車両用空調装置
10 ケース
11、11´ 右側空間用右側吹出口
12、12´ 左側空間用右側吹出口
21、21´ 右側空間用左側吹出口
22、22´ 左側空間用左側吹出口
30 送風機
40 冷却用熱交換器
50 加熱用熱交換器
60 温度調節ドア
60a 右側温度調節ドア
60b 左側温度調節ドア
70、700 左右仕切部
80、80´、800、800´ 方向変更部
90 配風ドア
90a 右側空間用配風ドア
90b 左側空間用配風ドア
100、100´、1000、1000´ 空気流配列方向変更部材
10 ケース
11、11´ 右側空間用右側吹出口
12、12´ 左側空間用右側吹出口
21、21´ 右側空間用左側吹出口
22、22´ 左側空間用左側吹出口
30 送風機
40 冷却用熱交換器
50 加熱用熱交換器
60 温度調節ドア
60a 右側温度調節ドア
60b 左側温度調節ドア
70、700 左右仕切部
80、80´、800、800´ 方向変更部
90 配風ドア
90a 右側空間用配風ドア
90b 左側空間用配風ドア
100、100´、1000、1000´ 空気流配列方向変更部材
Claims (6)
- 車両の室内の右側面または左側面に当接または近接して配置され、前記室内の右側空間と左側空間とに異なる温度の調和空気を供給可能な車両用空調装置であって、
内部に空気通路を有するとともに、前記空気通路とそれぞれ連通する右側空間用右側吹出口(11、11´)、前記右側空間用右側吹出口の左側に位置する右側空間用左側吹出口(21、21´)、前記右側空間用右側吹出口の前後または上下に位置する左側空間用右側吹出口(12、12´)、前記右側空間用左側吹出口の前後または上下に位置する左側空間用左側吹出口(22、22´)、を備えるケース(10)と、
前記空気通路に空気流を送風する送風機(30)と、
前記空気通路の内部を隔てて、前記送風機から送風された空気流の一部を前記空気通路の右側を経由して前記右側空間用右側吹出口及び前記右側空間用左側吹出口へ導くとともに、前記送風機から送風された空気流の残りを前記空気通路の左側を経由して前記左側空間用右側吹出口及び前記左側空間用左側吹出口へ導く空気流配列変更部材(100、100´、1000、1000´)と
を有する、車両の室内の右側面または左側面に当接または近接して配置される車両用空調装置(1)。 - 前記空気流配列変更部材は、
前記送風機から送風された空気流の一部を前記空気通路の右側に導き、前記送風機から送風された空気流の残りを前記空気通路の左側に導く左右仕切部(70、700)と、
前記空気通路の右側に導かれた空気流を、前記空気通路の左側に導かれた空気の後方または上方に導く方向変更部(80、800)と
を有する請求項1に記載の車両用空調装置(1)。 - 前記空気流配列変更部材は、
前記送風機から送風された空気流の一部を前記空気通路の右側に導き、前記送風機から送風された空気流の残りを前記空気通路の左側に導く左右仕切部(70、700)と、
前記空気通路の左側に導かれた空気流を、前記空気通路の右側に導かれた空気の後方または上方に導く方向変更部(80´、800´)と
を有する請求項1に記載の車両用空調装置(1)。 - 前記車両の室内の右側面に当接または近接して配置される車両用空調装置であって、
前記右側空間用右側吹出口(11)および前記左側空間用右側吹出口(12)は、前記車両の前方、上方、後方のいずれかに向けて開口し、
前記右側空間用左側吹出口(21)および前記左側空間用左側吹出口(22)は、前記室内の空間に向けて開口する、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用空調装置(1)。 - 前記車両の室内の左側面に当接または近接して配置される車両用空調装置であって、
前記右側空間用右側吹出口(11´)および前記左側空間用右側吹出口(12´)は、前記室内の空間に向けて開口し、
前記右側空間用左側吹出口(21´)および前記左側空間用左側吹出口(22´)は、前記車両の前方、上方、後方のいずれかに向けて開口する、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用空調装置(1)。 - 前記左右仕切部を左右方向に貫通するよう配置された加熱用熱交換器(50)と、
前記空気通路の右側に配置されて前記加熱用熱交換器を通流する空気流と前記加熱用熱交換器を迂回する空気流との比率を変更可能な右側温度調節ドア(60a)と、
前記空気通路の左側に配置されて前記加熱用熱交換器を通流する空気流と前記加熱用熱交換器を迂回する空気流との比率を変更可能な左側温度調節ドア(60b)と、
を有する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用空調装置(1)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017241734A JP2019107973A (ja) | 2017-12-18 | 2017-12-18 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017241734A JP2019107973A (ja) | 2017-12-18 | 2017-12-18 | 車両用空調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019107973A true JP2019107973A (ja) | 2019-07-04 |
Family
ID=67178760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017241734A Pending JP2019107973A (ja) | 2017-12-18 | 2017-12-18 | 車両用空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019107973A (ja) |
-
2017
- 2017-12-18 JP JP2017241734A patent/JP2019107973A/ja active Pending
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191218 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200923 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20210406 |