JP2019107852A - インク供給システム、インクジェットプリンタおよびバルブ異常検出用のコンピュータプログラム - Google Patents

インク供給システム、インクジェットプリンタおよびバルブ異常検出用のコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】バルブの異常を検出する。
【解決手段】インク供給システム30は、インクタンク33と、インクヘッド31と、インクヘッドに接続されたダンパー50と、インクタンクに接続された導入流路41と、導入流路41およびダンパーに接続された通常流路42と、ダンパーに接続され、インクを循環させる循環流路43と、循環流路に設けられた循環バルブ37と、通常流路に設けられた圧力制御弁38と、制御装置とを備えている。制御装置は、循環バルブを開放させる事前制御部と、循環バルブを開放させるように制御した後、ダンパーにおいて、検出機構で貯留室の圧力を検出し、検出した圧力が所定の圧力以下であるか否かを判定する異常判定部と、検出された圧力が所定の圧力以下と判定された場合、所定の制御を行う異常時制御部とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、インク供給システム、インクジェットプリンタ、および、インク供給システムのバルブの異常検出をするためのバルブ異常検出用のコンピュータプログラムに関する。
例えば、特許文献1には、インクを循環させることが可能な循環型のインク供給システムを備えたインクジェットプリンタが開示されている。この種のインク供給システムは、カートリッジとインクヘッドとに接続された加圧流路およびリターン側流路を有するインク流路を備えている。加圧流路には、加圧弁が設けられ、リターン側流路には、循環バルブの一例である吸引弁が設けられている。
例えば、印刷時には、加圧弁が開放され、かつ、吸引弁が閉鎖される。そのため、カートリッジ内のインクは、加圧流路を通じてインクヘッドに供給される。インク循環時には、加圧弁および吸引弁が開放される。そのため、インク供給システムのインク流路内のインクは、加圧流路と循環流路との間で循環する。
特開平11−320913号公報
ところで、上述のような循環型のインク供給システムでは、インク循環時、例えば吸引弁などのバルブを開放するように制御しているにも関わらず、バルブの故障などでバルブが閉鎖していることがあり得る。この場合、リターン側流路にはインクが流れない。そのため、インク循環時、インク流路内のインクが循環しない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バルブの異常を検出することが可能なインク供給システム、インクジェットプリンタおよびバルブ異常検出用のコンピュータプログラムを提供することである。
本発明に係るインク供給システムは、インクタンクと、インクヘッドと、ダンパーと、導入流路と、通常流路と、循環流路と、循環バルブと、圧力制御弁と、制御装置とを備えている。前記インクタンクには、インクが貯留される。前記インクヘッドは、インクを吐出するノズルを有する。前記ダンパーは、前記インクヘッドに接続されている。前記導入流路は、一端が前記インクタンクに接続されている。前記通常流路は、一端が前記導入流路の他端に接続され、他端が前記ダンパーを介して前記インクヘッドに接続されている。前記循環流路は、一端が前記ダンパーを介して前記インクヘッドに接続され、他端が前記通常流路の一端に接続されている。前記循環バルブは、前記循環流路に設けられ、前記循環流路を開閉可能である。前記圧力制御弁は、前記通常流路に設けられている。前記制御装置は、前記ダンパー、前記循環バルブおよび前記圧力制御弁に通信可能に接続されている。前記ダンパーは、前記通常流路、前記循環流路および前記インクヘッドと連通し、一部が開口した貯留室と、前記貯留室の前記開口を覆うダンパー膜と、前記貯留室内の圧力を検出する検出機構と、を備えている。前記制御装置は、事前制御部と、異常判定部と、異常時制御部とを備えている。前記事前制御部は、前記循環バルブを開放させるように制御する。前記異常判定部は、前記事前制御部によって前記循環バルブが開放されるように制御された後、前記検出機構によって前記貯留室の圧力を検出し、前記検出した圧力が所定の圧力以下であるか否かを判定する。前記異常時制御部は、前記圧力検出部によって検出された圧力が前記所定の圧力以下と前記異常判定部によって判定された場合、所定の制御を行う。
前記インク供給システムによれば、事前制御部によって循環バルブが開放されるように制御され、循環バルブが正常に開放されている場合、循環流路は開放されている。そのため、インクタンクから循環流路を通じてダンパーに圧力が掛けられる。この場合、ダンパーの貯留室の圧力が所定の圧力より大きくなる。よって、異常判定部は、貯留室の圧力が所定の圧力より大きいと判定するため、循環バルブが正常に開放されていると判定される。一方、事前制御部によって循環バルブが開放されるように制御されているにも関わらず、循環バルブに異常が発生して閉鎖している場合、循環流路が閉鎖されている。そのため、インクタンクから通常流路を通じてダンパーに圧力が掛けられるが、圧力制御弁によってダンパーに掛けられる圧力が制御され、ダンパーの貯留室の圧力は、略変化せず、所定の圧力以下となる。よって、異常判定部は、貯留室の圧力が所定の圧力以下と判定することで、循環バルブに異常が発生していると判定される。このように、前記インク供給システムによれば、循環バルブが開放されるように事前制御部によって制御された状態で、ダンパーの圧力を検出することで循環バルブに異常が発生しているか否かを検出することができる。
本発明によれば、循環バルブの異常を検出することができる。
一実施形態に係るプリンタの斜視図である。 インク供給システムを示す模式図である。 キャリッジの正面断面図であり、ダンパーとインクヘッドとの位置関係を示した図である。 ダンパーの平面図であり、貯留室の圧力が所定の圧力以下である状態を示す図である。 ダンパーの平面断面図であり、貯留室の圧力が所定の圧力より大きい状態を示す図である。 インク供給システムのブロック図である。 印刷時におけるインク供給システムの制御状態を示す模式図である。 インク循環時におけるインク供給システムの制御状態を示す模式図である。 循環バルブの異常を検出する際のインク供給システムの制御状態を示す模式図である。 循環バルブに異常が発生しているか否かを検出する制御手順を示したフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るインク供給システム、および、インク供給システムを備えたインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の斜視図である。以下の説明において、前、後、左、右、上、下とは、プリンタ10を正面から見たときの前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
本実施形態に係るプリンタ10は、インクジェット方式のプリンタである。プリンタ10は、記録媒体5(図1参照)に印刷を行う。記録媒体5は、例えばロール状の記録紙である。ただし、記録媒体5は、記録紙に限定されない。記録媒体5は、シート状の記録媒体、例えば樹脂製のシートであってもよい。
図1に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体11と、プラテン13と、ガイドレール15と、キャリッジ17とを備えている。プラテン13は、プリンタ本体11に固定されている。プラテン13には、記録媒体5が載置される。プラテン13には、円筒状のグリットローラ21が設けられている。グリットローラ21は、その上面部を露出させた状態でプラテン13に埋設されている。グリットローラ21は、図示しないフィードモータによって駆動される。
ガイドレール15は、プラテン13の上方に配置されている。ガイドレール15は、プラテン13と平行に配置され、左右方向に延びている。ガイドレール15の下方には、複数のピンチローラ22が略等間隔に配置されている。ピンチローラ22は、グリットローラ21に対向している。ピンチローラ22は、記録媒体5の厚さに応じて上下方向の位置を設定可能に構成されており、グリットローラ21との間に記録媒体5を挟み込む。グリットローラ21およびピンチローラ22は、記録媒体5を挟持しながら前後方向に搬送可能に構成されている。
キャリッジ17は、ガイドレール15に係合している。キャリッジ17は、ガイドレール15に沿って左右方向に摺動可能に構成されている。図示は省略するが、ガイドレール15の左端側および右端側には、それぞれローラが設けられている。これらローラのうち何れか一方には、キャリッジモータ(図示せず)が接続されている。また、ガイドレール15の左右両端側に設けられたローラには、無端状のベルト19が巻き掛けられている。キャリッジ17は、ベルト19に固定されている。上記キャリッジモータが駆動して、上記ローラが回転することでベルト19が走行する。このことで、キャリッジ17は左右方向に移動する。
図2は、インク供給システム30を示す模式図である。プリンタ10は、複数のインク供給システム30(図2参照)を備えている。インク供給システム30は、後述のインクタンク33から後述のインクヘッド31に向かってインクを供給するシステムである。また、インク供給システム30は、インクを循環させるシステムである。インク供給システム30は、1つのインクヘッド31ごとに設けられている。図3は、キャリッジ17の正面断面図であり、ダンパー50とインクヘッド31との位置関係を示した図である。図3に示すように、ここでは、インクヘッド31の数が「8」であるため、インク供給システム30の数は「8」である。ただし、インク供給システム30の数は特に限定されない。なお、複数のインク供給システム30は、それぞれ同じ構成をしている。そのため、以下では、1つのインク供給システム30の構成について詳述する。
図2に示すように、インク供給システム30は、インクヘッド31と、インクタンク33と、インク流路35と、導入バルブ36、循環バルブ37と、圧力制御弁38と、供給ポンプ39と、ダンパー50と、制御装置80(図6参照)を備えている。
インクヘッド31は、プラテン13(図1参照)に載置された記録媒体5にインクを吐出する。インクヘッド31の底面には、インクを吐出する複数のノズル31aが形成されている。図3に示すように、インクヘッド31は、キャリッジ17に搭載されている。インクヘッド31は、キャリッジ17を介してガイドレール15(図1参照)に沿って左右方向に移動可能である。
図2に示すように、インクタンク33は、インクを貯留するものである。インクタンク33とは、例えばインクカートリッジのことである。本実施形態では、インクタンク33の数は、インクヘッド31の数と同じであり、ここでは「8」である。1つのインクタンク33には、1つのインクヘッド31が接続されている。1つのインクタンク33に貯留されているインクは、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、および、ブラックインクなどのプロセスカラーインクと、ホワイトインク、メタリックインク、オレンジインクおよび、クリアインクなどの特色インクのうち何れかのインクである。
なお、インクタンク33の配置位置は特に限定されない。本実施形態では、インクタンク33は、プリンタ本体11に着脱自在に設けられている。詳しくは、例えば、図1に示すように、プリンタ本体11には、収容部33aが設けられており、複数のインクタンク33は、収容部33aに収容されている。ただし、インクタンク33の配置位置は特に限定されず、例えば、キャリッジ17に着脱自在に設けられていてもよい。
図2に示すように、インク流路35は、インクタンク33に貯留されたインクをインクヘッド31に供給する流路であると共に、インク流路35内のインクを循環させる流路である。インク流路35は、いわゆる循環型のインク流路である。このように、インク流路35内でインクを循環させることで、インクが沈殿することを抑制することができる。そのため、沈殿し易いインク、例えばホワイトインク、および、メタリックインクに対するインク流路を循環型にすることで、より沈殿することを抑制することができる。インク流路35は、導入流路41と、通常流路42と、循環流路43とを備えている。
導入流路41は、インクタンク33に貯留されたインクを通常流路42に供給する流路である。導入流路41の一端はインクタンク33に着脱可能に接続され、導入流路41の他端は通常流路42に接続されている。本実施形態では、導入流路41は、第1導入部41aと、第2導入部41bとを有している。第1導入部41aは、インクタンク33に着脱可能に接続されている。第2導入部41bは、第1導入部41aよりもインクヘッド31側に配置され、通常流路42に接続されている。
通常流路42は、導入流路41に供給されたインクをインクヘッド31に供給する流路である。通常流路42には、印刷時およびインク循環時にインクが流れる。通常流路42の一端は、導入流路41の他端に接続され、通常流路42の他端は、ダンパー50を介してインクヘッド31に接続されている。本実施形態では、通常流路42は、第1通常部42aと、第2通常部42bと、第3通常部42cとを有している。第1通常部42aは、第2導入部41bに接続されている。第2通常部42bは、第1通常部42aよりもインクヘッド31側に配置され、第1通常部42aと第3通常部42cとの間に位置している。第3通常部42cは、第2通常部42bよりもインクヘッド31側に配置され、ダンパー50を介してインクヘッド31に接続されている。
循環流路43は、ダンパー50内のインクを通常流路42へ流す流路であり、インク流路35内のインクを循環させる流路である。循環流路43の一端はダンパー50を介してインクヘッド31に接続され、循環流路43の他端は導入流路41の他端、および、通常流路42の一端に接続されている。本実施形態では、循環流路43は、第1循環部43aと、第2循環部43bとを有している。第1循環部43aは、インクヘッド31に接続されている。第2循環部43bは、第1循環部43aよりもインクタンク33側に配置され、第2導入部41bおよび第1通常部42aに接続されている。
導入バルブ36は、開閉自在であり、導入流路41を開閉するバルブである。導入バルブ36が導入流路41を開放することで、インクタンク33に貯留されたインクをインクヘッド31に供給することが可能になる。導入バルブ36は、導入流路41に設けられている。詳しくは、導入バルブ36は、第1導入部41aと第2導入部41bとの間に設けられている。なお、導入バルブ36の種類は特に限定されない。ここでは、導入バルブ36は、電気的に制御されるバルブであり、例えばチョークバルブである。
循環バルブ37は、開閉自在であり、循環流路43を開閉するバルブである。循環バルブ37が循環流路43を開放することで、インク流路35内のインクを循環させることができる。他方、循環バルブ37が循環流路43を閉鎖することで、循環流路43内のインクを通常流路42に流すことができなくなるため、インク流路35内のインクを循環させることができない。循環バルブ37は、循環流路43に設けられている。詳しくは、循環バルブ37は、第1循環部43aと、第2循環部43bとの間に設けられている。なお、循環バルブ37の種類は特に限定されない。ここでは、循環バルブ37は、導入バルブ36と同じ種類である。すなわち、循環バルブ37は、電気的に制御されるバルブであり、例えばチョークバルブである。ただし、導入バルブ36と循環バルブ37とは異なる種類であってもよい。
圧力制御弁38は、印刷時、インクの圧力変動を緩和するように機能する。圧力制御弁38は、インクを吐出していないとき、インクヘッド31内を負圧(詳しくは、外圧(例えば大気圧)よりも低い圧力)に保つものである。このことによって、インクヘッド31内のインクがノズル31aから外部に垂れ落ちることを抑制することができる。本実施形態では、圧力制御弁38は、通常流路42に設けられている。詳しくは、圧力制御弁38は、第1通常部42aと第2通常部42bとの間に設けられている。なお、圧力制御弁38の構成は特に限定されず、各種の弁体を採用することができる。例えば、圧力制御弁38は、電磁制御される電磁弁であってもよい。図示は省略するが、例えば、圧力制御弁38は、インクが流れる流路と、流路を開閉する弁機構とを備えている。弁機構は、弁機構よりも下流側の液圧に応じて開閉する。弁機構には、弁機構よりも上流側のインクの液圧と、弁機構よりも下流側のインクの液圧と、弁機構を閉鎖しようとする機械的な力と、弁機構を開放しようとする機械的な力が加えられており、非印刷時には、これらの力が釣り合っている。この釣り合った状態において、弁機構は流路を閉鎖している。弁機構を閉鎖または開放しようとする機械的な力は、例えば、スプリングの復元力である。例えば、供給ポンプ39が駆動し、弁機構より下流側からインクが吸い出されると、下流側のインクの液圧が減少して釣り合いが崩れ、弁機構は開放方向に動く。弁機構が開放されると、流路が開放され、下流方向に向かってインクが供給される。上記のような機構により、圧力制御弁38は、非印刷時にはインクを負圧に保ち、印刷時にはインクをインクヘッド31へ送り出す。
供給ポンプ39は、インクタンク33に貯留されたインクをインクヘッド31に供給すると共に、インクヘッド31からインクを吐出させることを促進させるためのポンプである。また、インク流路35のインクが循環しているとき、インクの循環を促進させるためのポンプである。なお、供給ポンプ39の種類は特に限定されない。例えば、供給ポンプ39は、チューブポンプである。例えば、チューブポンプは、内部に内部チューブと、ローラと、ローラに接続された駆動モータとを備えている。この駆動モータが駆動して、ローラで内部チューブを押し潰しながらローラを遊星回転させることによって、ローラの進行方向にインクを送液する。このことによって、インクタンク33からインクヘッド31にインクが供給される。本実施形態では、供給ポンプ39は、通常流路42に設けられており、圧力制御弁38よりもインクヘッド31側に配置されている。詳しくは、第2通常部42bと第3通常部42cとの間に設けられている。
次に、ダンパー50について説明する。図4は、ダンパー50の平面図であり、貯留室52の圧力が所定の圧力以下の状態を示す図である。図4は、ダンパー50の部分断面図である。図5は、ダンパー50の平面断面図であり、貯留室52の圧力が所定の圧力より大きい状態を示す図である。ダンパー50は、インクの圧力変動を緩和して、インクヘッド31のインク吐出動作を安定させるものである。ダンパー50は、ダンパー50に流入するインクの流量(言い換えると、ダンパー50内の圧力)を検出する。そして、インクの流量の検出結果に基づいて、圧力制御弁38および供給ポンプ39が制御される。図3に示すように、ダンパー50はインクヘッド31に接続されている。ここでは、ダンパー50はインクヘッド31の上部に設けられている。なお、ダンパー50の構成は特に限定されない。本実施形態では、図4に示すように、ダンパー50は、ダンパー本体51と、貯留室52と、ダンパー膜53と、検出機構54とを備えている。
ダンパー本体51は中空のものである。貯留室52は、ダンパー本体51内に形成されており、一部が開口している。貯留室52には、インクが一時的に貯留されている。貯留室52は、通常流路42、循環流路43およびインクヘッド31と連通している。本実施形態では、ダンパー本体51の上部には、流入口55aおよび循環流出口55bが形成され、ダンパー本体51の下部には、ヘッド流出口55c(図2参照)が形成されている。ただし、流入口55a、循環流出口55bおよびヘッド流出口55cの形成位置は特に限定されない。流入口55a、循環流出口55bおよびヘッド流出口55cは、貯留室52と連通している。ここでは、図2に示すように、流入口55aには、通常流路42の第3通常部42cが接続されている。循環流出口55bには、循環流路43の第1循環部43aが接続されている。ヘッド流出口55cには、インクヘッド31が接続されている。例えば、印刷時には、ダンパー50は、流入口55aから貯留室52に流入したインクは、ヘッド流出口55cを通じてインクヘッド31へ流れるように構成されている。一方、インク循環時には、ダンパー50は、流入口55aから貯留室52に流入したインクは、循環流出口55bに流れるように構成されている。
ダンパー膜53は、貯留室52の開口部分を覆うようにダンパー本体51に設けられている。ここでは、ダンパー膜53とダンパー本体51によって囲まれた空間が貯留室52である。ダンパー膜53は、例えば可撓性を有する樹脂製のフィルムによって構成されている。ダンパー膜53は、貯留室52内のインクの貯留量や、貯留室52内の圧力に基づいて、図4および図5に示すように、貯留室52の内側および外側に変形可能である。ダンパー膜53は、貯留室52の内側および外側にそれぞれ撓むことができる程度の張力で、ダンパー本体51に取り付けられている。
本実施形態では、図4に示すように、貯留室52には、バネ55が設けられている。バネ55は、圧縮された状態で貯留室52に配置されており、ダンパー膜53に向かって弾性力を付与する。ここでは、バネ55は、ダンパー膜53の貯留室52側の面に接触している。なお、バネ55の種類は特に限定されない。本実施形態では、バネ55はコイルバネである。
検出機構54は、貯留室52内の圧力を検出する機構である。検出機構54の構成は特に限定されない。本実施形態では、検出機構54は、押圧体61と、フィラー62と、フィラーセンサ63とを備えている。押圧体61は、ダンパー膜53の貯留室52とは反対側の面に設けられている。ここでは、押圧体61は、バネ55に支持されており、ダンパー膜53の撓みと共に、貯留室52の内側および外側に移動可能である。
フィラー62は、押圧体61と接触可能にダンパー本体51に設けられている。本実施形態では、ダンパー本体51には、支持バネ65が設けられおり、フィラー62は、支持バネ65に支持されている。フィラー62の形状は特に限定されない。ここでは、フィラー62は、略コの字状に形成されている。詳しくは、フィラー62は、押圧体61の右方において、前後方向に延びた接触部62aと、接触部62aの後端から左方に延びた支持部62bと、接触部62aの前端から左方に延びた被検出部62cとを有している。接触部62aには、押圧体61が接触可能である。支持部62bは、支持バネ65に支持されている。被検出部62cは、フィラーセンサ63によって検出される部位である。
フィラーセンサ63は、フィラー62の位置を検出することによって、貯留室52内の圧力を検出する。フィラーセンサ63は、非接触式のセンサである。本実施形態では、フィラーセンサ63は、一対の検出部63aを有している。図4に示すように、一対の検出部63aの間に、フィラー62の被検出部62cが位置しているとき、フィラーセンサ63は、貯留室52の圧力が所定の圧力以下であることを検出する。図5に示すように、貯留室52の圧力が大きくなるにしたがって、ダンパー膜53が貯留室52の外側に撓む。このとき、押圧体61によって、フィラー62が貯留室52の外側に押されることで、フィラー62は、支持バネ65を軸に回転する。そして、貯留室52の圧力が所定の圧力より大きくなったとき、フィラー62の被検出部62cがフィラーセンサ63の一対の検出部63aの間から外れた位置に移動する。フィラーセンサ63は、一対の検出部63aの間に、フィラー62の被検出部62cが位置していないとき、貯留室52の圧力が所定の圧力よりも大きいことを検出する。
次に、インクヘッド31、インクタンク33、圧力制御弁38およびダンパー50の位置関係について説明する。図2では、インク供給システム30の各部材の位置関係を示している。図2に示すように、インクタンク33は、インクヘッド31およびダンパー50よりも高い位置に配置されている。詳しくは、インクタンク33の下端は、インクヘッド31の下端よりも上方に配置され、かつ、ダンパー50の貯留室52の下端よりも上方に配置されている。圧力制御弁38は、インクヘッド31およびダンパー50よりも低い位置に配置されている。詳しくは、圧力制御弁38の下端は、インクヘッド31の下端よりも下方に配置され、かつ、ダンパー50の貯留室52の下端よりも下方に配置されている。すなわち、圧力制御弁38の下端は、インクタンク33の下端よりも下方に配置されている。
本実施形態では、インク供給システム30は、キャップ71と、キャップ移動機構72と、吸引ポンプ73とを備えている。図示は省略するが、キャップ71および吸引ポンプ73は、ガイドレール15(図1参照)の右端部に位置するホームポジションに配置されている。ここで、ホームポジションとは、非印刷時、すなわち、印刷が行われていない時に、インクヘッド31が待機する位置のことである。キャップ71は、インクヘッド31のノズル31aに付着したインクが硬化して、ノズル31aが詰まることを抑制するものである。キャップ71は、非印刷時において、インクヘッド31のノズル31aを覆うようにインクヘッド31に装着される。キャップ移動機構72は、キャップ71に接続されている。キャップ移動機構72は、ホームポジションにおいて、インクヘッド31の底面に向かってキャップ71を移動させる機構である。このキャップ移動機構72の構成は特に限定されないが、例えば、キャップ移動機構72は駆動モータを備えている。この駆動モータが駆動することで、キャップ71はインクヘッド31に向かって移動する。
吸引ポンプ73は、インクヘッド31にキャップ71が装着されている状態において、インクヘッド31内のインクを吸引するものである。吸引ポンプ73は、キャップ71に接続されている。ここでは、キャップ71は、チューブである排出流路74を介して廃液タンク75に接続されている。吸引ポンプ73は、排出流路74の途中部分に設けられている。吸引ポンプ73によって吸引されたインクは、廃液タンク75に排出される。
次に、制御装置80について説明する。図6は、インク供給システム30のブロック図である。制御装置80は、印刷に関する制御、および、インクをインク流路35内で循環させる制御、および、循環バルブ37の異常を検出する制御を行う装置である。制御装置80の構成は特に限定されない。例えば、制御装置80は、コンピュータであり、中央演算処理装置(以下、CPUという)と、CPUが実行するプログラムなどを格納したROMと、RAMなどを備えていてもよい。
図6に示すように、制御装置80は、導入バルブ36、循環バルブ37、圧力制御弁38、供給ポンプ39およびダンパー50の検出機構54のフィラーセンサ63に通信可能に接続されており、導入バルブ36、循環バルブ37、圧力制御弁38、供給ポンプ39およびフィラーセンサ63を制御する。制御装置80は、導入バルブ36の開閉状態を制御することで、導入流路41の開閉を制御する。制御装置80は、循環バルブ37の開閉状態を制御することで、循環流路43の開閉を制御する。制御装置80は、圧力制御弁38を制御することで、ダンパー50の貯留室52の圧力を調整する。制御装置80は、供給ポンプ39の駆動を制御することで、ダンパー50およびインクヘッド31に供給するインクの量を調整する。制御装置80は、フィラーセンサ63によって貯留室52の圧力が所定の圧力以下であるか否かを検出する。また、制御装置80は、キャップ移動機構72および吸引ポンプ73に通信可能に接続され、キャップ移動機構72および吸引ポンプ73を制御する。制御装置80は、キャップ移動機構72を制御することで、キャップ71の移動を制御する。制御装置80は、インクヘッド31にキャップ71が装着されている状態において吸引ポンプ73を制御することで、インクヘッド31内のインクの吸引のタイミングなどを制御する。
本実施形態では、制御装置80は、記憶部81と、印刷制御部82と、循環制御部83とを備えている。印刷制御部82は、印刷時に関する制御を行う。図7は、印刷時におけるインク供給システム30の制御状態を示す模式図である。図8は、インク循環時におけるインク供給システム30の制御状態を示す模式図である。図面に関して、導入バルブ36および循環バルブ37の「×」は、閉鎖された状態を示している。また、供給ポンプ39の「×」は、停止している状態を示している。ここでは、印刷制御部82は、図7に示すように、印刷時、導入バルブ36を開放させ、かつ、循環バルブ37を閉鎖させるように制御すると共に、供給ポンプ39を駆動させるように制御する。このことによって、導入流路41が開放され、かつ、循環流路43が閉鎖された状態となり、インクタンク33に貯留されたインクは、矢印A1のように、導入流路41および通常流路42を通じてダンパー50の貯留室52(図4参照)に流入する。そして、貯留室52内のインクは、インクヘッド31に流れ、ノズル31aからプラテン13(図1参照)に載置された記録媒体5に向かって吐出される。なお、このとき、印刷制御部82は、ダンパー50の貯留室52に供給される単位時間当たりのインクの量が第1の量にとなるように、供給ポンプ39を駆動させている。このことで、貯留室52の圧力は変化する。例えば、印刷制御部82は、フィラーセンサ63によって貯留室52の圧力が所定の圧力より大きくなったことを検出すると、貯留室52の圧力を小さくするように圧力制御弁38を制御する。一方、印刷制御部82は、フィラーセンサ63によって貯留室52の圧力が所定の圧力以下であることを検出すると、貯留室52の圧力を大きくするように圧力制御弁38を制御する。
循環制御部83は、インク流路35内のインクの循環に関する制御を行う。インクの循環は、非印刷時に、所定の時間(例えば、6時間)毎に行われる。このことによって、インクがインク流路35内に沈殿することを抑制することができる。本実施形態では、インク循環時、循環制御部83は、図8に示すように、導入バルブ36を閉鎖させ、かつ、循環バルブ37を開放させるように制御すると共に、供給ポンプ39を駆動させるように制御する。さらに、循環制御部83は、キャップ71がインクヘッド31のノズル31aを覆うように、キャップ移動機構72を制御する。このことによって、導入流路41が閉鎖され、かつ、循環流路43が開放された状態となり、通常流路42と循環流路43が連通した状態となる。そして、供給ポンプ39の駆動により、通常流路42内のインクは、矢印A2のように、ダンパー50の貯留室52に流れ、その後、矢印A3のように、循環流路43に流れる。なお、本実施形態では、循環制御部83は、ダンパー50の貯留室52に供給される単位時間当たりのインクの量が第2の量にとなるように、供給ポンプ39を駆動させる。第2の量は、上記第1の量よりも多い。すなわち、本実施形態では、印刷時よりもインク循環時の方が、インク流路35を流れるインクの流速が速い。
ところで、上述のように、インク循環時、循環バルブ37は開放されている。しかしながら、制御装置80が循環バルブ37を開放させるように制御しているにも関わらず、物理的な原因などによって、実際には循環バルブ37が閉鎖していることがあり得る。仮に、循環バルブ37が閉鎖している状態で、インク循環を行う場合、循環流路43内にインクが流れ、インクは循環流路43内に停滞することになる。その結果、ダンパー50の貯留室52に掛かる圧力が大きくなる。貯留室52に掛かる圧力が大きくなることで、ダンパー膜53が貯留室52の外側に広がり過ぎる。そこで、本実施形態では、インクを循環させる前において、循環バルブ37の開閉が正常に行われているか否かを制御装置80が行う。
本実施形態では、図6に示すように、制御装置80は、さらに、事前制御部85と、異常判定部86と、異常時制御部87とを備えている。事前制御部85、異常判定部86および異常時制御部87の具体的な制御に関する説明は後述する。図9は、循環バルブ37の異常を検出する際のインク供給システムの制御状態を示す模式図である。図10は、循環バルブ37に異常が発生しているか否かを検出する制御手順を示したフローチャートである。次に、循環バルブ37に異常が発生しているか否かを検出する制御手順について、図10のフローチャートに沿って説明する。なお、図10のステップS101において、ダンパー50の貯留室52の圧力が所定の圧力以下であり、図4に示すように、フィラーセンサ63の一対の検出部63aの間に、フィラー62の被検出部62cが位置している状態である。
まず、図10のステップS101では、インクヘッド31のノズル31aにキャップ71が覆われていない場合には、図9に示すように、事前制御部85は、キャップ71をインクヘッド31に装着させる。ここでは、事前制御部85は、キャップ71がノズル31aを覆う位置に配置されるように、キャップ移動機構72を制御する。なお、ノズル31aがキャップ71に覆われている場合には、ステップS101は省略される。次に、ステップS102では、事前制御部85は、導入バルブ36を開放させると共に、循環バルブ37を開放させるように制御する。このことによって、導入流路41が開放された状態となる。循環バルブ37に異常が発生していない場合には、循環バルブ37は正常に開放されているため、循環流路43は開放された状態となる。なお、本実施形態では、事前制御部85は、供給ポンプ39を停止するように制御する。
このように、事前制御部85によって導入バルブ36および循環バルブ37が開放されるように制御された後、ステップS103では、異常判定部86は、ダンパー50の貯留室52の圧力が所定の圧力以下であるか否かを判定する。ここでは、まず、異常判定部86は、検出機構54によって貯留室52の圧力を検出する。本実施形態では、異常判定部86は、フィラーセンサ63の所定の範囲内にフィラー62が移動したか否かを検出することで、貯留室52の圧力が所定の圧力以下であるか否かを判定する。ここでは、「所定の範囲」とは、図4に示すように、フィラーセンサ63の一対の検出部63aの間に、フィラー62の被検出部62cが位置するような範囲のことをいう。例えば、フィラーセンサ63の一対の検出部63aの間に、フィラー62の被検出部62cが位置していないとき、異常判定部86は、貯留室52の圧力が所定の圧力よりも大きいと判定し、次にステップS104に進む。一方、フィラーセンサ63の一対の検出部63aの間に、フィラー62の被検出部62cが位置しているとき、異常判定部86は、貯留室52の圧力が所定の圧力以下であると判定し、次にステップS105に進む。
本実施形態では、上述のようにインクタンク33はダンパー50よりも高い位置に配置されている。そのため、導入流路41および循環流路43が開放されている場合には、インクタンク33と貯留室52との間のプラスの水頭差によって、インクタンク33から循環流路43を通じて貯留室52に圧力が掛かる。よって、貯留室52の圧力が大きくなる。したがって、貯留室52の圧力が所定の圧力よりも大きくなったときには、循環流路43が開放されているといえるため、循環バルブ37は正常に開放されていると判定される。この場合、ステップS104に進み、循環制御部83によってインク流路35のインクの循環が行われる。
一方、導入バルブ36によって導入流路41が開放されている状態で、ダンパー50の貯留室52の圧力が所定の圧力以下であり、貯留室52の圧力が略変動しないときとは、循環流路43が閉鎖されているときである。この場合、インクタンク33と貯留室52との間のプラスの水頭差によって、インクタンク33から通常流路42を通じて貯留室52に圧力が掛かる。しかしながら、通常流路42には、ダンパー50よりも低い位置に配置されている圧力制御弁38が設けられている。そのため、圧力制御弁38と貯留室52との間のマイナスの水頭差によって、インクタンク33によって掛けられた圧力が小さくなり、貯留室52の圧力が変動しない。このように、貯留室52の圧力が変動しないときには、循環流路43が閉鎖されているといえる。そのため、循環バルブ37を開放させるように制御したにも関わらず、循環バルブ37は開放されていないと判定される。よって、循環バルブ37に異常が発生していると判定され、ステップS105に進み、異常時制御部87は、所定の制御を行う。
ここでは、本発明の「所定の制御」には、例えば通知制御が含まれる。本実施形態では、通知制御として、異常時制御部87は、利用者に循環バルブ37に異常が発生している旨の通知をする。この通知の具体的な方法は特に限定されない。例えば、プリンタ本体11には、表示パネル26(図1参照)が設けられており、異常時制御部87は、表示パネル26に循環バルブ37に異常が発生している旨の警告メッセージを表示してもよい。例えば、プリンタ本体11には、警告ブザー(図示せず)が設けられており、異常時制御部87は、この警告ブザーを鳴らすことで、循環バルブ37に異常が発生していることを利用者に通知してもよい。このように、循環バルブ37の異常を通知された利用者は、業者などに連絡し、異常が発生している循環バルブ37を新しい循環バルブ37に交換してもらうとよい。なお、「所定の制御」には、インクの循環を行わないという制御が含まれてもよい。このことによって、インクの循環が行われないため、インク循環時に、循環バルブ37の異常に起因した不具合が発生することを抑制することができる。
以上、本実施形態では、事前制御部85によって導入バルブ36および循環バルブ37が開放されるように制御され、循環バルブ37が正常に開放されている場合、導入流路41および循環流路43が開放されている。そのため、インクタンク33から循環流路43を通じてダンパー50に圧力が掛けられる。この場合、ダンパー50の貯留室52の圧力が所定の圧力より大きくなる。よって、異常判定部86は、貯留室52の圧力が所定の圧力より大きいと判定するため、循環バルブ37が正常に開放されていると判定される。一方、事前制御部85によって導入バルブ36および循環バルブ37が開放されるように制御されているにも関わらず、循環バルブ37に異常が発生して閉鎖している場合、循環流路43が閉鎖されている。この場合、インクタンク33から通常流路42を通じてダンパー50に圧力が掛けられるが、圧力制御弁38によってダンパー50に掛けられる圧力が制御され、ダンパー50の貯留室52の圧力は、略変化せず、所定の圧力以下となる。よって、異常判定部86は、貯留室52の圧力が所定の圧力以下と判定することで、循環バルブ37に異常が発生していると判定される。このように、本実施形態では、循環バルブ37が開放されるように事前制御部85によって制御された状態でダンパー50の圧力を検出することで、循環バルブ37に異常が発生したか否かを検出することができる。
本実施形態では、図2に示すように、インクタンク33の下端は、貯留室52の下端よりも上方に配置されている。圧力制御弁38の下端は、貯留室52の下端よりも下方に配置されている。このことによって、インクタンク33と貯留室52との間には、プラスの水頭差が発生し、圧力制御弁38と貯留室52との間には、マイナスの水頭差が発生する。よって、このような水頭差によって、循環バルブ37の開閉の状態に応じて貯留室52の圧力の大きさが変化する。したがって、上記水頭差を利用することで、循環バルブ37の異常を検出することができる。
本実施形態では、印刷時、印刷制御部82は、ダンパー50に供給される単位時間当たりのインクの量が第1の量になるように供給ポンプ39を駆動させる。インク循環時、循環制御部83は、ダンパー50に供給される単位時間当たりのインクの量が第1の量よりも多い第2の量となるように、供給ポンプ39を駆動させる。このことによって、印刷時と比較して、インク循環時の方がインク流路35を流れるインクの流速が速くなる。そのため、仮に循環バルブ37に異常が発生し、循環バルブ37が開放されない場合、供給ポンプ39の駆動によって貯留室52の圧力がより大きくなり易く、不具合が発生し易くなる。そのため、本実施形態のように、インクを循環させる前に、循環バルブ37の異常の有無を検出することは特に有用である。
本実施形態では、異常時制御部87は、貯留室52の圧力が所定の圧力以下と異常判定部86によって判定された場合、循環バルブ37が閉鎖されている旨を通知する。このことによって、利用者は、循環バルブ37に異常が発生していることを知ることができ、新しい循環バルブ37に交換することができる。
本実施形態では、異常判定部86は、フィラーセンサ63の所定の範囲内にフィラー62が移動したか否かを判定することで、貯留室52の圧力が所定の圧力以下か否かを判定している。このことによって、貯留室52の圧力が所定の圧力以下であるか否かを容易に判定することができる。本実施形態では、ダンパー50の貯留室52の圧力から、循環バルブ37の異常を検出している。ダンパー50は、印刷時のインク吐出時に使用されるものである。このように、循環バルブ37の異常を検出するための専用のセンサを設けることなく、印刷時に使用されるダンパー50を使用して、循環バルブ37の異常を検出することができる。よって、部品点数を削減することができる。
本実施形態では、事前制御部85は、キャップ71がノズル31aを覆うようにキャップ移動機構72を制御する。このように、循環バルブ37の異常を検出する際には、ノズル31aはキャップ71に覆われている。そのため、導入バルブ36を開放させた場合において、インクヘッド31は、ノズル31aからインクが吐出されないように構成されているが、仮に、ノズル31aからインクが吐出された場合であっても、キャップ71がインクを受け止める。よって、循環バルブ37の異常検出時、ノズル31aからインクがプラテン13に向かって吐出されることを防止することができる。
以上、本実施形態に係るインク供給システム30を備えたプリンタ10について説明した。上記実施形態では、フィラーセンサ63は、非接触式のセンサであった。しかしながら、フィラーセンサ63は、接触式のセンサであってもよい。また、上記実施形態では、フィラーセンサ63の一対の検出部63aの間に、フィラー62の被検出部62cが位置しているとき、貯留室52の圧力が所定の圧力以下であると判定されていた。この場合、本発明の「所定の範囲」とは、一対の検出部63aの間に被検出部62cが位置する範囲である。しかしながら、貯留室52の圧力が所定の圧力以下であるとき、一対の検出部63aの間に、被検出部62cが位置しないように構成されていてもよい。この場合、本発明の「所定の範囲」とは、一対の検出部63aの間に被検出部62cが位置しない範囲である。
また、検出機構54は、貯留室52の圧力の値を測定可能なセンサを備えていてもよい。この場合、異常判定部86は、上記センサによって測定された圧力が所定の圧力以下であるか否かを判定してもよい。
上記実施形態では、ダンパー本体51には、1つのインク供給システム30のダンパー50の貯留室52、ダンパー膜53および検出機構54が設けられていた。しかしながら、ダンパー本体51には、複数(例えば2つ)のインク供給システム30のダンパー50の貯留室52、ダンパー膜53および検出機構54が設けられていてもよい。すなわち、2つのダンパー50を構成する部位が1つのダンパー本体51に設けられていてもよい。
上記実施形態では、全てのインク供給システム30に循環流路43が設けられ、全てのインク供給システム30がインク循環型のシステムであった。しかしながら、一部のインク供給システム30では、循環流路43が省略されてもよい。例えば、ホワイトインク、メタリックインクおよびオレンジインクなどのインクが沈殿し易い色のインクが流れるインク供給システム30には、循環流路43が設けられ、ホワイトインク、メタリックインクおよびオレンジインク以外の色のインクが流れるインク供給システム30では、循環流路43が省略されてもよい。
なお、インク供給システム30の制御装置80の各部である記憶部81と、印刷制御部82と、循環制御部83と、事前制御部85と、異常判定部86と、異常時制御部87は、ソフトウェアによって構成されていてもよい。すなわち、制御装置80の上記各部は、コンピュータプログラムがコンピュータに読み込まれることにより、当該コンピュータによって実現されるようになっていてもよい。本発明には、コンピュータを上記各部として機能させるためのバルブ異常検出用のコンピュータプログラムが含まれる。また、本発明には、当該コンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体が含まれる。また、上記各部は、制御装置80に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで実現されるプロセッサであってもよい。この場合、各部は、1つのプロセッサによって実現されるものであってもよいし、複数のプロセッサによって実現されるものであってもよい。また、本発明には、各部が実行するプログラムと同様の機能が実現された回路が含まれる。
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
30 インク供給システム
31 インクヘッド
33 インクタンク
36 導入バルブ
37 循環バルブ
38 圧力制御弁
41 導入流路
42 通常流路
43 循環流路
50 ダンパー
52 貯留室
53 ダンパー膜
54 検出機構
80 制御装置
81 記憶部
82 印刷制御部
83 循環制御部
85 事前制御部
86 異常判定部
87 異常時制御部

Claims (11)

  1. インクが貯留されるインクタンクと、
    インクを吐出するノズルを有するインクヘッドと、
    前記インクヘッドに接続されたダンパーと、
    一端が前記インクタンクに接続された導入流路と、
    一端が前記導入流路の他端に接続され、他端が前記ダンパーを介して前記インクヘッドに接続された通常流路と、
    一端が前記ダンパーを介して前記インクヘッドに接続され、他端が前記通常流路の一端に接続された循環流路と、
    前記循環流路に設けられ、前記循環流路を開閉可能な循環バルブと、
    前記通常流路に設けられた圧力制御弁と、
    前記ダンパー、前記循環バルブおよび前記圧力制御弁に通信可能に接続された制御装置と、
    を備え、
    前記ダンパーは、
    前記通常流路、前記循環流路および前記インクヘッドと連通し、一部が開口した貯留室と、
    前記貯留室の前記開口を覆うダンパー膜と、
    前記貯留室内の圧力を検出する検出機構と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記循環バルブを開放させるように制御する事前制御部と、
    前記事前制御部によって前記循環バルブが開放されるように制御された後、前記検出機構によって前記貯留室の圧力を検出し、前記検出した圧力が所定の圧力以下であるか否かを判定する異常判定部と、
    前記圧力検出部によって検出された圧力が前記所定の圧力以下と前記異常判定部によって判定された場合、所定の制御を行う異常時制御部と、
    を備えた、インク供給システム。
  2. 前記導入流路に設けられ、前記導入流路を開閉可能な導入バルブを備え、
    前記制御装置は、前記導入バルブに通信可能に接続され、
    前記事前制御部は、前記導入バルブを開放させるように制御する、請求項1に記載されたインク供給システム。
  3. 前記圧力制御弁よりも前記インクヘッド側の前記通常流路に設けられた供給ポンプを備え、
    前記制御装置は、前記供給ポンプに通信可能に接続されている、請求項2に記載されたインク供給システム。
  4. 前記制御装置は、
    前記導入バルブを開放させ、かつ、前記循環バルブを閉鎖させると共に、前記供給ポンプを駆動させる印刷制御部と、
    前記導入バルブを閉鎖させ、かつ、前記循環バルブを開放させると共に、前記供給ポンプを駆動させる循環制御部と、
    を備えた、請求項3に記載されたインク供給システム。
  5. 前記印刷制御部は、前記ダンパーに供給される単位時間当たりのインクの量が第1の量となるように、前記供給ポンプを駆動させ、
    前記循環制御部は、前記ダンパーに供給される単位時間当たりのインクの量が前記第1の量よりも多い第2の量となるように、前記供給ポンプを駆動させる、請求項4に記載されたインク供給システム。
  6. 前記インクタンクの下端は、前記貯留室の下端よりも上方に配置され、
    前記圧力制御弁の下端は、前記貯留室の下端よりも下方に配置されている、
    請求項1から5までの何れか1つに記載されたインク供給システム。
  7. 前記異常時制御部は、前記検出された圧力が前記所定の圧力以下と前記異常判定部によって判定された場合、前記循環バルブが閉鎖されている旨を通知する、請求項1から6までの何れか1つに記載されたインク供給システム。
  8. 前記検出機構は、
    前記貯留室とは反対側の前記ダンパー膜の面に設けられた押圧体と、
    前記ダンパー膜よりも前記貯留室とは反対側に設けられ、前記押圧体の移動に伴って位置が変更されるフィラーと、
    前記フィラーが所定の範囲内に移動したか否かを検出するフィラーセンサと、
    を有し、
    前記異常判定部は、前記フィラーセンサの前記所定の範囲内に前記フィラーが移動したか否かを判定し、
    前記異常時制御部は、前記異常判定部によって前記フィラーセンサの前記所定の範囲内に前記フィラーが移動したと判定されたとき、前記所定の制御を行う、請求項1から7までの何れか1つに記載されたインク供給システム。
  9. 前記インクヘッドの前記ノズルを覆うキャップと、
    前記キャップを、前記ノズルを覆う位置まで移動させるキャップ移動機構と、
    を備え、
    前記事前制御部は、前記キャップが前記ノズルを覆うように前記キャップ移動機構を制御する、請求項1から8までの何れか1つに記載されたインク供給システム。
  10. 記録媒体が載置されるプラテンと、
    請求項1から9までの何れか1つに記載されたインク供給システムと、
    を備えた、インクジェットプリンタ。
  11. 請求項1から9までの何れか1つに記載されたインク供給システムにおいて、前記事前制御部、前記異常判定部、および、前記異常時制御部を少なくともコンピュータに実現させるためのバルブ異常検出用のコンピュータプログラム。
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