<第1実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠(図示略)と、その内枠の前方に配置される前扉枠14と、内枠の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠には遊技盤20が搭載されている。ここで、遊技盤20の構成を図2に基づいて説明する。図2は、遊技盤20の正面図である。
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口21,可変入賞装置22,上作動口(第1始動入球部)23,下作動口(第2始動入球部)24,スルーゲート25、可変表示ユニット26、メイン表示部33及び役物用表示部34等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23及び下作動口24への入球が発生すると、それが遊技盤20の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口27が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口27を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘28が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口27への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24又はスルーゲート25への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口23及び下作動口24は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤20に設置されている。上作動口23及び下作動口24は共に上向きに開放されている。また、上作動口23が上方となるようにして両作動口23,24は鉛直方向に並んでいる。下作動口24には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物24aが設けられている。電動役物24aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口24に入賞できず、電動役物24aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口24への入賞が可能となる。
可変入賞装置22は、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口22aを備えているとともに、当該大入賞口22aを開閉する開閉扉22bを備えている。開閉扉22bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置22の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置22が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部33及び役物用表示部34は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材29に設けられている。装飾部材29は、遊技盤20の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材29の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル53と対向しており、さらに窓パネル53との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材29の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材29の前面から露出するようにしてメイン表示部33及び役物用表示部34が設けられている。つまり、メイン表示部33及び役物用表示部34は、前扉枠14の窓パネル53を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部33,34の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部33では、上作動口23又は下作動口24への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口23への入賞と下作動口24への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部33にて明示される。そして、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部33にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部33は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部33にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部34では、スルーゲート25への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート25への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部34にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口24に設けられた電動役物24aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット26には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置31が設けられている。また、可変表示ユニット26には、図柄表示装置31を囲むようにしてセンターフレーム32が配設されている。このセンターフレーム32は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置31の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置31は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置31は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置31には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置31における変動表示は、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部33において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置31において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置22の大入賞口22aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置31では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
ちなみに、いずれかの作動口23,24への入賞に基づいて、メイン表示部33及び図柄表示装置31にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム32の前面側における左上部分には、メイン表示部33及び図柄表示装置31に対応した第1保留ランプ部35が設けられている。第1保留ランプ部35はLEDで構成されている。遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部35の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム32の右上部分には、役物用表示部34に対応した第2保留ランプ部36が設けられている。第2保留ランプ部36はLEDで構成されている。遊技球がスルーゲート25を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部36の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部35,36の機能が図柄表示装置31の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
ここで、遊技盤20には、特定発光素子として、当選告知用LED37が設けられている。当選告知用LED37はセンターフレーム32の上部に配置されている。既に説明したとおり図柄表示装置31では図柄の変動表示が行われるため、図柄表示装置31及びセンターフレーム32に対して遊技者の注意が惹きつけられ易い。このため、当選告知用LED37は遊技者にとって目立ち易い箇所(視認され易い箇所)に設置されていると言える。
当選告知用LED37は、遊技者に対して特典が付与される場合、具体的には開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に発光するように設定されている。これにより、遊技者は図柄表示装置31の変動表示態様及び当選告知用LED37の発光態様に対して注目し易い。これにより、遊技への注目度を向上させることができる。
特に、当選告知用LED37の輝度は、他のランプ部35,36と比較して高くなるように設定されているとともに、図柄表示装置31の画像表示に係る輝度よりも高く設定されている。これにより、当選告知用LED37が発光した場合には、遊技者に対してインパクトのある光を視認させることができる。よって、当選告知用LED37が発光する演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。かかる当選告知用LED37の発光に係る構成については後に詳細に説明する。
遊技盤20には、内レール部41と外レール部42とが取り付けられており、これら内レール部41と外レール部42とにより誘導レールが構成され、内枠において遊技盤20の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射ハンドル51が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部52が形成されている。窓部52は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル53が嵌め込まれている。窓パネル53は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部52の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部54が窓部52の上方に設けられている。これら各種ランプ部はLEDから構成されている。また、表示ランプ部54の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部55が設けられている。
前扉枠14における窓部52の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部56と下側膨出部57とが上下に並設されている。上側膨出部56内側には上方に開口した上皿56aが設けられており、下側膨出部57内側には同じく上方に開口した下皿57aが設けられている。上皿56aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿57aは、上皿56a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿56a及び下皿57aには、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
内枠の背面側には、主制御装置と、音声ランプ制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の基本的な電気的構成>
図3は、パチンコ機10の基本的な電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65と、を具備している。なお、主制御装置60において主制御基板61などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしにして粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、当該MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、主制御装置60に設けられた停電監視基板65及び払出制御装置70が接続されている。この場合に、停電監視基板65には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置80が接続されており、MPU62には停電監視基板65を介して電力が供給される。
また、MPU62の入力側には、各種入賞検知センサ67a〜67eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ67a〜67eには、一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24及びスルーゲート25といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU62において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU62では上作動口23及び下作動口24への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート25への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU62の出力側には、停電監視基板65、払出制御装置70及び音声ランプ制御装置90が接続されている。払出制御装置70には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM63のコマンド情報記憶エリア63dが参照される。
音声ランプ制御装置90には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM63のコマンド情報記憶エリア63dが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。
また、MPU62の出力側には、可変入賞装置22の開閉扉22bを開閉動作させる可変入賞駆動部22c、下作動口24の電動役物24aを開閉動作させる電動役物駆動部24b、メイン表示部33及び役物用表示部34が接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口22aが開閉されるように、MPU62において可変入賞駆動部22cの駆動制御が実行される。また、電動役物24aの開放状態当選となった場合には、電動役物24aが開閉されるように、MPU62において電動役物駆動部24bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU62においてメイン表示部33の表示制御が実行される。また、電動役物24aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU62において役物用表示部34の表示制御が実行される。
停電監視基板65は、主制御基板61と電源及び発射制御装置80とを中継し、また電源及び発射制御装置80から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置70は、主制御装置60から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置71により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置80は遊技球発射機構81の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構81は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置90は、遊技盤20に設けられた各種ランプ部35,36並びに当選告知用LED37及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部54を含む各種発光素子の駆動制御を行うLED基板91と接続されており、主制御装置60から入力した各種コマンドに基づいてLED基板91に対して所定の駆動データを出力することで、各種発光素子を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置90は、前扉枠14に設けられたスピーカ部55を駆動制御するとともに、表示制御装置100を制御する。表示制御装置100では、音声ランプ制御装置90から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置31の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置31の表示内容について図4及び図5に基づいて説明する。図4は図柄表示装置31にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図5は図柄表示装置31の表示画面Gを示す図である。
図4(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置31の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図5(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、同一の図柄の組み合わせとは異なる所定の図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置31における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。図柄表示装置31にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU62は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部33の表示の設定、図柄表示装置31の図柄表示の設定、役物用表示部34の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図6に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置31が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部33及び図柄表示装置31における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口24の電動役物24aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ64aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア64bに格納される。
保留球格納エリア64bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口23又は下作動口24への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ64aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口23又は下作動口24への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口23又は下作動口24への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口23又は下作動口24への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部33の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM63における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア63aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置22の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口24の電動役物24aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置22の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置22への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口22aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口22aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口22aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口22aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
本パチンコ機10では、発射ハンドル51が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口22aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口22aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口22aの開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置22への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放制限時間が長い又は1回の開放に対する開放制限個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置22への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口22aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置22への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口24の電動役物24aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口24の電動役物24aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物24aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物24aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口24よりも上作動口23への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口23よりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口24への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート25への入賞に基づき役物用表示部34にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部34における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM63における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)と、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、2種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、確変大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、確変大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示2R確変大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞したタイミングでRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置31における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置31を備え、可変入賞装置22の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置31における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、上記リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や特別表示結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置31の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
図柄の変動表示に係るリーチ表示について具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置31の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図5の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
予告表示には、図柄表示装置31の表示画面において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置60において行うのではなく、表示制御装置100において行われる。これについては後に詳細に説明する。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部33における変動表示時間と、図柄表示装置31における図柄の変動表示時間とをMPU62において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部33における変動表示の開始時及び図柄表示装置31による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート25に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物24aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
既に説明したように、MPU62では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、メイン表示部33における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM63の変動表示時間テーブル記憶エリア63cが用いられる。
<主制御装置60にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置60内のMPU62にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU62では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU62により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理には、各種入賞検知センサ67a〜67eの状態を読み込むとともに、これら各種入賞検知センサ67a〜67eの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理が含まれる。
ステップS101にて読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート25への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート25への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア64cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア64cに格納する。また、音声ランプ制御装置90に対して、役物保留記憶数と対応する可変表示ユニット26の第2保留ランプ部36を点灯させるための処理を実行する。
続くステップS105では上作動口23又は下作動口24への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリア64bに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を保留球格納エリア64bの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置90に対して、始動保留記憶数と対応する可変表示ユニット26の第1保留ランプ部35を点灯させるための処理を実行する。ステップS105の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図8のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置90に対して送信する。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置31による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部33の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS205では、下作動口24に設けられた電動役物24aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM64の電役保留エリア64cに格納されている情報を用いて電動役物24aを開放状態とするか否かの判定、電動役物24aの開閉処理及び役物用表示部34の表示制御などを行う。
その後、ステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置80から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構81のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM64に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板65において停電の発生が確認され当該停電監視基板65からMPU62のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するエリアに格納する。また、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するエリアに格納する。
一方、ステップS207にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM64のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図9のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ格納エリア64eにおける開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口23,24への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、メイン表示部33が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ格納エリア64eにおける変動表示中フラグ格納エリアに変動表示中フラグが格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部33において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部33が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア64bの保留数記憶エリアNAを参照し、保留記憶されている保留情報の数である始動保留記憶数Nが「0」か否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア64bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS304にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では先ず始動保留記憶数Nを1減算する。また、保留球格納エリア64bにおける保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されているデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
なお、データ設定処理では、保留情報のシフトが行われたことを音声ランプ制御装置90に認識させて第1保留ランプ部35における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるための処理を実行する。
データ設定処理を実行した後は、ステップS305にて変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。ここで、変動開始処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア63aに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る値が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア63aに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る値が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリア63bに記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る情報がいずれの大当たり種別に対応しているのかを特定する。
続くステップS404ではステップS403の種別判定処理にて特定した大当たり種別が確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS405にて、上記大当たり種別が15R確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。
15R確変大当たり結果である場合には、ステップS406にて15R確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果であるが15R確変大当たり結果でない場合には、ステップS407にて明示2R確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、確変大当たり結果でない場合(ステップS404:NO)には、ステップS408にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。さらにまた、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果でないと判定した場合には、ステップS409にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS406〜ステップS409の停止結果設定処理では、メイン表示部33に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM63に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM64に記憶する。また、ステップS406、ステップS407及びステップS408では、今回の遊技回の当否判定結果が、15R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU62にて特定するための情報をRAM64に格納する。具体的には、ステップS406では15R確変フラグを格納し、ステップS407では明示2R確変フラグを格納し、ステップS408では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS406〜ステップS409のいずれかの処理を実行した後は、ステップS410にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置31にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM64に15R確変フラグ、明示2R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM63の変動表示時間テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動表示時間カウンタ(変動表示時間計測手段)にセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、変動表示時間テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタにセットする。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留記憶数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留球数Nやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、15R確変大当たり結果の場合、明示2R確変大当たり結果の場合、通常大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及び完全外れ時の場合のそれぞれに対して個別に変動表示時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた変動表示時間の振分が行われることとなる。
ステップS410にて、変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS411にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS411にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部54の発光パターンやスピーカ部55からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部54及びスピーカ部55を制御する。また、音声ランプ制御装置90は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置31での変動表示パターンを決定し、その変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置31を表示制御する。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
ステップS411の処理を実行した後は、ステップS412にてメイン表示部33において絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図9)の説明に戻り、メイン表示部33が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS309の遊技回進行用処理を実行する。
遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM64の変動表示時間カウンタに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(ステップS410)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図7)が起動される度に1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部33における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS406〜ステップS409のいずれかの処理にてRAM64に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部33にて表示されるように当該メイン表示部33を表示制御する。
続くステップS309では、変動終了コマンドを設定する。この設定された変動終了コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。その後、本遊技回制御処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図11のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS501では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回のメイン表示部33における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS503にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に、15R確変フラグ、明示2R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置22の大入賞口22aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM63に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図7)が実行される度に1減算される。
続くステップS505では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS506にて、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられたラウンドカウンタRCに、「2」をセットする。ラウンドカウンタRCは、大入賞口22aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS507にて、ラウンドカウンタRCに、「15」をセットする。
ステップS506又はステップS507の処理を実行した後は、ステップS508にてオープニングコマンドを設定した後に、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS508にて設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図8)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。
音声ランプ制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードにおける表示ランプ部54の発光パターンやスピーカ部55からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部54やスピーカ部55を制御する。また、音声ランプ制御装置90は、上記オープニングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を図柄表示装置31において開始させる。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
一方、開閉実行モード中である場合(ステップS501:YES)には、ステップS509に進む。ステップS509では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS510にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS601にて大入賞口22aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部22cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口22aを開放中でない場合には、ステップS602にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS603にてRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられたタイマTの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合又はタイマTの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」でなく且つタイマTの値が「0」である場合には、ステップS604に進み、大入賞口22aを開放すべく可変入賞駆動部22cを駆動状態とする。
続くステップS605では、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理では、先ず高頻度入賞モードであるか否かを判定し、高頻度入賞モードである場合にはタイマTに、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理(図7)が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。また、大入賞口22aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに、「10」をセットする。一方、高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、タイマTに、「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに、「6」をセットする。
その後、ステップS606にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、表示ランプ部54やスピーカ部55における演出内容を変更する。また、音声ランプ制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信した開放コマンドに基づいて、図柄表示装置31における開閉実行モード用の演出を切り換える。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
一方、大入賞口22aが開放中である場合(ステップS601:YES)には、ステップS607に進みタイマTの値が「0」か否かを判定する。タイマTの値が「0」でない場合、ステップS608にて大入賞口22aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置22に対応した検知センサの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS609にて入賞カウンタエリアPCの値を1減算した後にステップS610にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS607にてタイマTの値が「0」の場合、又はステップS610にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS611にて大入賞口22aを閉鎖すべく可変入賞駆動部22cを非駆動状態とする。
続くステップS612ではラウンドカウンタRCの値を1減算し、ステップS613にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合にはステップS614にて高頻度入賞モードであるか否かを判定する。
高頻度入賞モードである場合には、タイマTに「1000」(すなわち2sec)をセットし、低頻度入賞モードである場合には、タイマTに「100」(すなわち0.2sec)をセットする。つまり、低頻度入賞モードでは、ラウンド間において大入賞口22aが閉鎖されている時間が高頻度入賞モードよりも短く設定されている。その後、ステップS617にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口22aの開放が終了したことを特定する。また、音声ランプ制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口22aの開放が終了したことを特定するとともに、それに対応した処理を実行する。かかる処理の具体的な内容については、後に説明する。
遊技状態移行処理(図11)の説明に戻り、ステップS510にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS511にてラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS512にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、開閉実行モードの終了に際しては図柄表示装置31などにてエンディング用の演出が実行されるように構成されており、エンディング用の待機時間とは当該エンディング用の演出が終了するまで主制御装置60にて次の遊技回の開始を待機するための期間である。
ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS513にて、エンディングコマンドを設定する。当該エンディングコマンドは、通常処理(図8)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90は、受信したエンディングコマンドに基づいて、表示ランプ部54やスピーカ部55における開閉実行モード用の演出を終了させる。また、音声ランプ制御装置90は、上記エンディングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信したエンディングコマンドに基づいて、図柄表示装置31における開閉実行モード用の演出を終了させる。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
続くステップS514では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。当該移行処理では、RAM64に15R確変フラグ、明示2R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれが格納されているか否かを判定する。そして、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともにサポートモードを高頻度サポートモードに設定し、通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともにサポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ちなみに、通常大当たりフラグが格納されている場合には、RAM64の各種カウンタエリア64dにおける遊技回数カウンタに終了基準回数である「100」をセットする。かかる遊技回回数カウンタは、上述した変動開始処理が実行される度に1減算され、遊技回数カウンタの値が「0」となった場合にはサポートモードが高頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS515にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグのいずれかが格納されている場合には、それを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<音声ランプ制御装置90の電気的構成>
次に、音声ランプ制御装置90の電気的構成について図13のブロック図を用いて説明する。
音声ランプ制御装置90には音声ランプ制御基板110が設けられている。音声ランプ制御基板110には、サブCPU111と、ROM112と、RAM113と、が設けられている。
サブCPU111は、音声ランプ制御装置90においてメイン制御部としての機能を有している。サブCPU111は音声ランプ制御基板110に設けられた入力ポート114を介して主制御装置60と接続されており、主制御装置60から送信された各種コマンド、具体的には変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)や、オープニングコマンド、エンディングコマンド、開放コマンド及び閉鎖コマンドといった大当たり演出用コマンド(大当たり演出用情報)は入力ポート114を通じてサブCPU111に対して入力される。また、サブCPU111はバスを介してROM112及びRAM113と接続されている。
ROM112は、サブCPU111により実行される各種の制御プログラムや固定値データといった制御用情報を記憶するための不揮発性記憶部であり、具体的にはNOR型のフラッシュメモリで構成されている。固定値データの一部は、ROM112の各エリア112a〜112bに予め記憶されている。これら各エリア112a〜112bの詳細については、サブCPU111にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
RAM113は、サブCPU111による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するための制御用揮発性記憶部であり、具体的にはDRAMで構成されている。ワークデータやフラグ等はRAM113に記憶される。
サブCPU111は、主制御装置60から各種コマンドが入力された場合、ROM112及びRAM113を用いて、当該入力されたコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、サブCPU111には演算回路121が搭載されているとともに、当該演算回路121による演算の結果を一時的に記憶可能なレジスタ122が搭載されている。サブCPU111は、各種コマンドが入力された場合には、ROM112から入力されたコマンドに対応したプログラムを読み出し、当該プログラムを演算回路121にて実行する。そして、演算回路121による演算結果をレジスタ122及びRAM113に書き込む。レジスタ122等に書き込まれたデータはLED基板91、スピーカ部55及び表示制御装置100に対して出力され、LED基板91、スピーカ部55及び表示制御装置100は、上記データに基づいて動作する。
なお、サブCPU111は、主制御装置60から受信した上記各コマンドを、その情報形態を維持したまま表示制御装置100に対して出力し、表示制御装置100は上記各コマンドに基づいて表示画面Gに画像が表示されるように図柄表示装置31を制御する。
サブCPU111の出力側の構成について具体的には、音声ランプ制御基板110には、LED基板91、スピーカ部55及び表示制御装置100それぞれに対応させて、出力ポート131,132,133が設けられているとともに、レジスタ122のデータを各出力ポート131,132,133に対して出力するデータ出力回路134,135,136が設けられている。各出力ポート131,132,133は、それぞれ対応するデータ出力回路134,135,136を介してサブCPU111に対して接続されている。そして、各出力ポート131,132,133はそれぞれ、対応するLED基板91、スピーカ部55及び表示制御装置100に対して接続されている。レジスタ122に設定されたデータは、各データ出力回路134,135,136によって各出力ポート131,132,133に対して出力され、当該各出力ポート131,132,133を介してLED基板91、スピーカ部55及び表示制御装置100に対して出力される。
<各種発光素子の駆動制御に係る電気的構成>
既に説明したとおり、パチンコ機10には各種ランプ部が設けられており、これらランプ部は発光素子としてLEDを備えている。これらLEDは、データ出力回路134が出力ポート131を介してLED基板91に対して出力するデータに基づいて駆動するようになっている。そこで、以下に上記データの構成及びデータ出力回路134の構成について図14の回路図を用いて説明する。
図14に示すように、データ出力回路134は、サブCPU111と出力ポート131とを接続する複数のバス(詳細には5つ)を備えている。各バスには、それぞれ異なるデータが出力されるようになっている。具体的には、LED駆動データSD、クロック信号SG1、データ書き込み信号SG2、第1許可信号SG3及び第2許可信号SG4が出力ポート131に対して出力される。出力ポート131は、複数の端子を備えており、LED駆動データSD及び各信号はこれら複数の端子のうち対応する端子に対してそれぞれ入力されるように構成されている。以下、LED駆動データSD及び各信号に係る構成について個別に説明する。
先ず、LED駆動データSDに係る構成について説明すると、レジスタ122には、LEDの発光の有無を決定するLED駆動データSDに対応したLED駆動用レジスタ141が設けられている。LED駆動用レジスタ141は8ビットの記憶容量を有する記憶領域として第1データレジスタ141a及び第2データレジスタ141bを備えており、全体として16ビットの情報を格納することができるようになっている。各データレジスタ141a,141bはデータ出力回路134と接続されている。データ出力回路134は、各データレジスタ141a,141bに格納されている情報に基づいてLED駆動データSDを出力ポート131に向けて出力するように構成されている。
詳細には、データ出力回路134には、スイッチング素子としてn型のMOSFET142が設けられている。MOSFET142のソースは接地されているとともに、ドレインは+5Vにプルアップされた状態で出力ポート131のDATA端子に接続されている。ソース・ドレイン間には+5Vの電圧が印加されている。MOSFET142のゲートはLED駆動用レジスタ141に対して接続されているとともに、+3.3Vにプルアップされている。当該+3.3VはMOSFET142の閾値電圧よりも大きい電圧値である。MOSFET142のゲートには、LED駆動用レジスタ141に格納されるビット情報に対応した電圧(HI信号又はLOW信号)が印加されるようになっている。
具体的には、LED駆動用レジスタ141の所定のビットに「0」の情報(LOW信号)が記憶されている場合には、MOSFET142のゲートには0Vが印加される。この場合、MOSFET142はOFFとなり、DATA端子にはHI信号に相当する+5Vが入力されることとなる。
一方、LED駆動用レジスタ141の所定のビットに「1」の情報(HI信号)が記憶されている場合又は当該所定のビットの情報が不定の場合には、MOSFET142のゲートには+3.3Vが入力される。この場合、MOSFET142がONとなり、ソース・ドレイン間が導通する。これにより、DATA端子にはLOW信号に相当する0Vが入力されることとなる。
以上のことから、LED駆動用レジスタ141に記憶されているビット情報に応じてDATA端子に対して出力するデータ(電圧)が異なることとなる。
かかる構成において、LED駆動用レジスタ141は、MOSFET142のゲートへの入力電圧を決定付けるビット情報の参照先を順次遷移させることで、各ビット情報を時系列的にDATA端子に対して順次出力するようになっている。これにより、LED駆動用レジスタ141に記憶されるLED駆動データSDが出力ポート131のDATA端子に対して順次出力されることとなる。
ここで、第1データレジスタ141a及び第2データレジスタ141bのうち、一方のデータレジスタに格納されているLED駆動データSDを出力している状況において、他のデータレジスタに対して今後出力されるLED駆動データSDの設定が実行される。これにより、LED駆動用レジスタ141に対するLED駆動データSDの書き込みに係る期間分だけLED駆動データSDの伝送期間を短くすることができる。
次に、クロック信号SG1に係る構成について説明すると、レジスタ122にはクロック信号SG1を制御するクロック信号用レジスタ143が設けられている。クロック信号用レジスタ143は1ビットの記憶容量を有しており、所定の周期で「1」の情報と「0」の情報とが交互に入力されるようになっている。クロック信号用レジスタ143はデータ出力回路134に対して接続されている。データ出力回路134は、クロック信号用レジスタ143の情報の切換に基づいて所定の周期のクロック信号SG1を出力ポート131に対して出力する。
詳細には、データ出力回路134には、スイッチング素子としてn型のMOSFET144が設けられている。MOSFET144は、ソースが接地されているとともに、ドレインが+5Vにプルアップされた状態で出力ポート131のCLK端子に接続されている。MOSFET144のゲートは、プルアップされた状態でクロック信号用レジスタ143に接続されている。
かかる構成によれば、クロック信号用レジスタ143に書き込まれる情報が所定の周期で「1」と「0」とに交互に切り換わることに基づいて、MOSFET144がONとOFFとに交互に切り換わる。当該MOSFET144のON/OFFの切り換わりにより、CLK端子には上記所定の周期のクロック信号SG1が入力されることとなる。当該クロック信号SG1はLED基板91におけるLED駆動データSDの伝送に用いられる。当該伝送の詳細については後述する。
次に、データ書き込み信号SG2に係る構成について説明すると、レジスタ122にはデータ書き込み信号SG2に対応したデータ書き込み信号用レジスタ145が設けられている。データ書き込み信号用レジスタ145は、1ビットの記憶容量を有しており、所定の条件が成立した場合に「1」の情報が書き込まれるように設定されている。データ書き込み信号用レジスタ145はデータ出力回路134に接続されている。データ出力回路134は、データ書き込み信号用レジスタ145に書き込まれている情報に基づく信号を出力ポート131に対して出力する。
詳細には、データ出力回路134には、スイッチング素子としてn型のMOSFET146が設けられている。MOSFET146は、ソースが接地されているとともに、ドレインが+5Vにプルアップされた状態で出力ポート131のL端子に接続されている。MOSFET146のゲートは、プルアップされた状態でデータ書き込み信号用レジスタ145に対して接続されている。
かかる構成によれば、データ書き込み信号用レジスタ145に「1」の情報が書き込まれている場合又はデータ書き込み信号用レジスタ145に格納されている情報が不定の場合には、MOSFET146のゲートにはHI信号に相当する電圧が入力され、MOSFET146がONとなる。これにより、L端子にはLOW信号に対応した0Vが入力されることとなる。
一方、データ書き込み信号用レジスタ145に「0」の情報が書き込まれている場合には、MOSFET146のゲートにはLOW信号に相当する0Vが入力され、MOSFET146がOFFとなる。これにより、L端子にはHI信号に対応した+5Vが入力されることとなる。当該データ書き込み信号SG2はLED駆動データSDを各LEDに対して設定する際に用いられる。当該設定の詳細については後述する。
次に、各許可信号SG3,SG4に係る構成について説明する。レジスタ122には、第1許可信号SG3に対応した第1許可信号用レジスタ147が設けられているとともに、第2許可信号SG4に対応した第2許可信号用レジスタ148が設けられている。各許可信号用レジスタ147,148は1ビットの記憶容量を有しており、「1」又は「0」の情報が格納される。各許可信号用レジスタ147,148はそれぞれ別のバスを介してデータ出力回路134に対して接続されている。データ出力回路134は、各許可信号用レジスタ147,148に書き込まれた情報に対応した信号をそれぞれ出力ポート131に対して出力する。
詳細には、データ出力回路134には、第1許可信号用レジスタ147に対応させてn型のMOSFET149が設けられているとともに、第2許可信号用レジスタ148に対応させてn型のMOSFET150が設けられている。各MOSFET149,150のソースは接地されている。MOSFET149のドレインは+5Vにプルアップされた状態で出力ポート131のE1端子に接続されており、MOSFET150のドレインは+5Vにプルアップされた状態で出力ポート131のE2端子に接続されている。MOSFET149のゲートは第1許可信号用レジスタ147に接続されており、MOSFET150のゲートは第2許可信号用レジスタ148に接続されている。
かかる構成によれば、第1許可信号用レジスタ147に書き込まれている情報に応じた信号がE1端子に入力されるとともに、第2許可信号用レジスタ148に書き込まれている情報に応じた信号がE2端子に入力される。詳細には、例えば第1許可信号用レジスタ147に「1」の情報が設定されている場合、E1端子にはLOW信号が入力され、第1許可信号用レジスタ147に「0」の情報が設定されている場合、E1端子にはHI信号が入力されることとなる。
ここで、各許可信号用レジスタ147,148が個別に設けられていることに対応させて、これら許可信号用レジスタ147,148と出力ポート131とを接続するバスも2つ設けられているとともに、出力ポート131にはE1端子及びE2端子が設けられている。つまり、第1許可信号SG3及び第2許可信号SG4はそれぞれ別系統で伝送されるように構成されている。これにより、第1許可信号SG3及び第2許可信号SG4を個別に制御することが可能となっているとともに、いずれか一方にノイズが入ったとしても、当該ノイズの影響が他方に対して及びにくくなっている。これら各許可信号SG3,SG4は各発光素子の点灯・消滅を制御するのに用いられる。当該制御の詳細については後述する。
なお、既に説明したとおり、各MOSFET142,144,146,149,150のゲートへの入力はプルアップされているため、レジスタ122の情報が不定の場合には各MOSFET142,144,146,149,150はONとなる。これにより、各端子(DATA端子、CLK端子、L端子、E1端子、E2端子)にはLOW信号が入力されることとなる。
また、各MOSFET142,144,146,149,150のドレインと出力ポート131とを接続するバスに対して並列に+5V電源が接続されているが、当該バスと+5V電源とを接続するバス上には、クランプダイオード160が設けられている。クランプダイオード160は、+5V電源側をカソードとして接続されている。これにより、ドレインと出力ポート131とを接続するバスにノイズが入ることに起因して、バス上の電位が一時的に高くなった場合には、+5V電源側に一時的に電流が流れ、出力ポート131側に大電流が流れないようになっている。
さらに、各MOSFET142,144,146,149,150のゲートには振動防止用のゲート抵抗161が設けられている。当該ゲート抵抗161によって、各MOSFET142,144,146,149,150の寄生容量及び寄生インダクタンスによる寄生共振回路のQ値(安定度)が低下し、寄生共振が発生しにくくなる。これにより、上記寄生共振による影響を抑制し得る。
また、出力ポート131には+5V端子及びGND端子が設けられている。+5V端子は+5V電源が接続されており、当該+5V電源から+5Vが印加されている。一方、GND端子は接地されている。
次に、これらの各種信号を用いて各発光素子を駆動させる構成について図15を用いて説明する。図15はLED基板91に搭載されている各種回路の回路図である。
図15に示すように、LED基板91には、複数の入力端子を有する入力ポート171が設けられており、当該入力ポート171には上記出力ポート131から出力された各種信号がそれぞれ個別に入力される。各種信号はそれぞれ、配線を介してLED基板91に設けられたLED駆動部172に対して出力される。LED駆動部172は複数の発光素子としての複数のLED173に対して接続されており、各種信号が入力されることに基づいて上記LED173を駆動させる。
なお、各配線上にはそれぞれシュミットトリガ型のインバータ180が設けられている。当該インバータ180は、HI出力する閾値電圧とLOW出力する閾値電圧とが異なるヒステリシス特性を有している。これにより、各種信号に混入したノイズによる影響、例えばチャタリングの発生等を抑制することができる。
LED駆動部172は、複数のLED駆動用のICを備えており、具体的には各種信号のうちLED駆動データSDが入力される第1駆動IC191と、当該第1駆動IC191に対して直列に接続された第2駆動IC192と、を備えている。各駆動IC191,192は、複数の入力端子及び出力端子を有しており、具体的には入力端子としてDATAIN端子(データ入力部)、CLK端子、L端子、E端子、VDD端子及びGND端子を有しているとともに出力端子としてDATAOUT端子(データ出力部)及び複数のOUT端子を有している。第1駆動IC191のDATAIN端子は、配線(素子制御手段からの配線)を介して入力ポート171のDATA端子に対して接続されており、第2駆動IC192のDATAIN端子は、配線(直列接続用配線)を介して、第1駆動IC191のDATAOUT端子に接続されている。
VDD端子は+5V電源に接続されており、GND端子は接地されている。また、CLK端子、L端子、E端子にはそれぞれ、各種信号のうちクロック信号SG1、データ書き込み信号SG2及び第1許可信号SG3が入力されるように構成されており、詳細には各駆動IC191,192のCLK端子と入力ポート171のCLK端子とが配線で接続されており、各駆動IC191,192のL端子と入力ポート171のL端子とが配線で接続されており、各駆動IC191,192のE端子と入力ポート171のE1端子とが配線で接続されている。この場合、クロック信号SG1、データ書き込み信号SG2及び第1許可信号SG3が各駆動IC191,192に対して並列に入力されるように各配線は分岐している。これにより、クロック信号SG1、データ書き込み信号SG2及び第1許可信号SG3は各駆動IC191,192に対して同時に入力される。第1駆動IC191及び第2駆動IC192は、クロック信号SG1を用いてLED駆動データSDの伝送を行うとともに、データ書き込み信号SG2及び第1許可信号SG3を用いて各LED173の個別設定を行うように構成されている。
各駆動IC191,192の内部構成について図16のブロック図を用いて詳細に説明する。ここで、各駆動IC191,192における内部構成は同一であるため、第1駆動IC191について説明し、第2駆動IC192の内部構成については説明を省略する。
図16に示すように、第1駆動IC191は、LED駆動データSDの取得及び更新を行う更新回路191aと、LED駆動データSDが書き込まれるレジスタ191bと、を備えている。更新回路191aは更新用バッファ191cを備えている。更新用バッファ191cは8ビットのデータ領域D0〜D7を有しているとともに、出力用のアウトデータ領域DAを有している。アウトデータ領域DAはデータ領域D7のコピー領域であり、データ領域D7と同一情報が設定される領域である。アウトデータ領域DAは第1駆動IC191のDATAOUT端子に接続されており、当該DATAOUT端子及び配線(直列接続用配線)を介して第2駆動IC192におけるDATAIN端子(データ入力部)に対して接続されている。更新回路191aは、LED駆動データSDが入力されるDATAIN端子に接続されているとともに、クロック信号SG1が入力されるCLK端子に接続されている。更新回路191aは、クロック信号SG1の立ち上がりに同期してLED駆動データSDをデータ領域D0に書き込むとともに、既にデータ領域D0〜D7に書き込まれているデータを順次シフトさせる。また、更新回路191aは、クロック信号SG1の立ち下がりに同期してアウトデータ領域DAに書き込まれているデータを第2駆動IC192に対して出力するように構成されている。
更新回路191aの具体的な構成の一例について簡単に説明すると、更新回路191aは、データ領域D0〜D7に対応させて8つのDフリップフロップを備えている。各Dフリップフロップは、入力端子(D端子)、出力端子(Q端子)及びクロック端子を有しており、各クロック端子にはクロック信号SG1が入力される。各Dフリップフロップは、クロック信号SG1の立ち上がりに同期して入力端子に入力されている情報を出力端子から出力するように構成されている。各Dフリップフロップは直列に接続されており、具体的には所定のデータ領域Dx(例えばD0)に対応するDフリップフロップの出力端子が、上記所定のデータ領域Dxに対して次のデータ領域D(x+1)(例えばD1)に対応するDフリップフロップの入力端子に対してバスを介して接続されている。そして、データ領域D0に対応するDフリップフロップの入力端子にはLED駆動データSDが入力されるように構成されている。
また、データ領域D7に対応したDフリップフロップの出力端子には、アウトデータ領域DAに対応したDフリップフロップが接続されている。当該Dフリップフロップは上記各データ領域D0〜D7のDフリップフロップと異なり、クロック信号SG1の立ち下がりに同期して入力端子に入力されている情報を出力端子から出力するように構成されている。
なお、第2駆動IC192も同様の構成をなしているが、第1駆動IC191と区別するため、第2駆動IC192の更新回路を更新回路192a、第2駆動IC192のレジスタをレジスタ192b、第2駆動IC192の更新用バッファを更新用バッファ192c、当該更新用バッファ192cの各データ領域をデータ領域D8〜D15、第2駆動IC192の各OUT端子をOUT8端子〜OUT15端子という。
更新回路191aの構成については、Dフリップフロップに限られず、例えばJKフリップフロップ等を用いてもよい。要は、更新回路191aは、複数の情報保持部を有し、データの入出力が可能に構成されているものであって、所定の更新タイミングとなる度に順次各情報保持部に保持されるデータを更新するとともに、データの入出力を行うものであればよい。
また、更新用バッファ191cに格納されている各データを個別制御可能な制御信号を出力するCPU(制御回路)を設ける構成としてもよい。
ここで、既に説明したとおり、第2駆動IC192のDATAIN端子と第1駆動IC191のDATAOUT端子とが配線を介して電気的に接続されているため、更新回路192aは、クロック信号SG1の立ち上がりに同期して第1駆動IC191から出力されるLED駆動データSD(詳細には第1駆動IC191の更新回路191aの更新用バッファ191cのアウトデータ領域DAに書き込まれているデータ)をデータ領域D8に書き込むとともに、既にデータ領域D8〜D15に書き込まれているデータを順次シフトさせる。また、更新回路192aは、クロック信号SG1の立ち下がりに同期してアウトデータ領域DAに書き込まれているデータを出力する。
更新回路191aの動作について図17のタイミングチャートを用いて説明する。図17(a)は入力ポート171のCLK端子に対して入力されるクロック信号SG1の波形、図17(b)は入力ポート171のDATA端子に対して入力されるLED駆動データSDのデータ態様、図17(c)は入力ポート171のDATA端子に対して入力されるLED駆動データSDの実際の波形、図17(d)は各データ領域D0〜D7の態様、図17(e)はDATAOUT端子からの出力波形を示す。
ここで、t2,t4,t5,t7のタイミングは、クロック信号SG1の立ち上がりタイミングであり、t6,t8のタイミングはクロック信号SG1の立ち下がりタイミングである。
図17(a),(b)及び(c)に示すように、LED駆動データSDが時系列的に順次入力されている状況においてクロック信号SG1の立ち上がりに同期して、当該立ち上がりタイミングにおけるLED駆動データSDがデータ領域D0〜D7に設定される。
詳細には、先ず、t1のタイミングにてLED駆動データSDの出力が開始される。具体的には、図17(b)に示すように、第2駆動IC192のデータ領域D8に設定されるLED駆動データSD(例えば「1」)を出力する。その後、t2のタイミングで、クロック信号SG1が立ち上がることにより、更新回路191a,192aによる更新処理が行われる。この場合、LED駆動データSDが「1」(HI信号)であるため、データ領域D0に対して「1」がセットされる。詳細には、データ領域D0に対応するDフリップフロップのQ端子からHI信号が出力される。
続く、t3のタイミングではLED駆動データSDが更新される。具体的には、データ領域D7に設定されるLED駆動データSD(例えば「0」)を出力する。その後、t4のタイミングにて、データ領域D0に記憶されている「1」の情報がデータ領域D1にシフトするとともに、データ領域D0に対してLED駆動データSDの情報がセットされる。具体的には、t4のタイミングでは、LED駆動データSDの出力は「0」(LOW信号)であるため、データ領域D0に「0」がセットされる。
以上のように、クロック信号SG1の立ち上がりタイミングとなる度に、その時点においてデータ領域D0〜D7に記憶されているデータが順次シフトする(Dx→D(x+1))とともに、その時点において出力されているLED駆動データSDがデータ領域D0に書き込まれる。この場合、LED駆動データSDが順次更新されており、当該更新されたLED駆動データSDが順次データ領域D0に取り込まれる。
ここで、LED駆動データSDの更新タイミング(t1、t3のタイミング)とデータ領域D0〜DAの更新タイミング(t2、t4のタイミング)とは、同期しないように設定されている。具体的には、クロック信号SG1の立ち上がりタイミングは、LED駆動データSDの更新タイミングに対して所定の期間T1だけずれている(詳細には遅れている)とともに、LED駆動データSDの更新間隔はクロック信号SG1の周期T2の整数倍(詳細には等倍)に設定されている。これにより、LED駆動データSDの更新タイミングとクロック信号SG1の立ち上がりタイミングとが一致することがないため、LED駆動データSDの更新とデータ領域D0〜D7の更新とが同時に行われないようになっている。これにより、LED駆動データSDを取得する際に取得エラーが生じにくくなっている。
すなわち、仮にLED駆動データSDの取得タイミングとLED駆動データSDの更新タイミングとが同時である場合、取得されたLED駆動データSDが、更新前のものか更新後のものか分からなくなり、不安定となる。これに対して、本実施形態によれば、LED駆動データSDの取得タイミングがLED駆動データSDの更新タイミングに対して所定の期間T1だけ遅れているため、安定した状態のLED駆動データSDを取得することが可能となる。これにより、LED駆動データSDの取得エラーが生じにくくなっている。
特に、LED駆動データSDの更新間隔はクロック信号SG1の周期T2と同一に設定されている。これにより、LED駆動データSDの更新とデータ領域Dxの更新とが交互に行われることとなるため、同一のLED駆動データSDがデータ領域Dxに反映されることがない。
なお、所定の期間T1はLED駆動データSDの更新に要する期間、具体的にはLED駆動データSDの立ち上がりに要する期間又は立ち下がりに要する期間よりも長く設定されていればよい。
各データ領域D0〜D7に対してLED駆動データSDが設定されるt5のタイミングでは、データ領域D7に対するデータの書き込みに伴って、アウトデータ領域DAに当該データ領域D7の情報が書き込まれる。
その後、t6のタイミングでは、アウトデータ領域DAに書き込まれているデータが出力される。この場合、アウトデータ領域DAにはデータ領域D8に書き込まれるデータ、具体的には「1」の情報が設定されているため、「1」に相当するHI信号が出力される(図17(e)参照)。
その後、t7のタイミングではデータ領域D0〜D7の更新が行われる。具体的には、データ領域Dxのデータがデータ領域D(x+1)にシフトするとともに、データ領域D0に、当該t7のタイミングにおけるLED駆動データSDの情報、詳細には「1」が書き込まれる。そして、データ領域D7の情報の更新に伴って、アウトデータ領域DAの情報が更新される。
また、クロック信号SG1の立ち上がりに同期して第2駆動IC192におけるデータ領域D8〜D15の更新が行われる。このため、t7のタイミングでは、第1駆動IC191のDATAOUT端子から出力されているデータ領域D8に対応するデータが取得され、当該データがデータ領域D8に書き込まれるとともに、データ領域D8〜D15のデータがシフトする。これにより、更新用バッファ192cに対するLED駆動データSDの設定が行われることになる。なお、第1駆動IC191と第2駆動IC192との間で行われるLED駆動データSDの伝送態様及び第2駆動IC192の動作については後で詳細に説明する。
そして、t8のタイミングにて、アウトデータ領域DAに書き込まれている「0」が出力される。
つまり、予め定められた更新タイミング(クロック信号SG1の立ち上がりタイミング)となる度に、LED駆動データSDのデータが取り込まれ、データ領域Dxに書き込まれているデータが次のデータ領域D(x+1)に順次シフトされる。そして、上記更新タイミングとは異なるタイミング(クロック信号SG1の立ち下がりタイミング)となる度に、データ領域D7のコピーであるアウトデータ領域DAのデータが出力されるようになっている。これにより、第1駆動IC191の更新用バッファ191cから第2駆動IC192の更新用バッファ192cに対してLED駆動データSDが伝送される。
なお、更新回路191a,192aの具体的な構成については、上記Dフリップフロップを用いたものに限られず、上記動作を実現するものであれば任意である。
図16の説明に戻り、レジスタ191bは8ビットのデータ領域D’0〜D’7を有しており、各データ領域D’0〜D’7はそれぞれ更新用バッファ191cのデータ領域D0〜D7に対して接続されている。当該データ領域D’0〜D’5はそれぞれ出力端子を介してLED173と接続されている。さらに、レジスタ191bは、データ書き込み信号SG2及び第1許可信号SG3が入力されるように構成されている。レジスタ191bは、第1許可信号SG3がLOWである状況においてデータ書き込み信号SG2が立ち上がることに基づいて、各データ領域D0〜D7に設定されているデータを自身のデータ領域D’0〜D’7に対して書き込むとともに、各OUT端子(OUT0端子〜OUT7端子)を介して当該データをLED173に対して出力するように構成されている。各LED173は出力されたデータに基づいて動作するように構成されている。
詳細には、各LED173のアノードは+5V電源に接続されており、各LED173のカソードが対応するデータ領域D’0〜D’5に対して接続されている。かかる構成によれば、例えばデータ領域D0が「1」である場合には、データ領域D’0には「1」が設定され、データ領域D’0から「1」に相当する電位(詳細には+5V)が出力される。この場合、LED173のアノード・カソード間に電位差が生じないため、LED173は発光しない。一方、データ領域D0が「0」である場合には、データ領域D’0には「0」が設定され、データ領域D’0から「0」に相当する電位(詳細には0V)が出力される。この場合、LED173のアノード・カソード間に電位差が生じ、LED173が発光することとなる。換言すれば、データ領域Dxが「0」である場合、LED173のカソードが接地され、LED173に対して発光可能な電力が供給されるとも言える。
図15の説明に戻り、LED基板91には当選告知用LED37を駆動させる当選告知用回路201が設けられている。当選告知用回路201は、第2駆動IC192に対して接続されており、第2駆動IC192からLED駆動データSDが伝送されるようになっている。当選告知用回路201は、クロック信号SG1、データ書き込み信号SG2及び第2許可信号SG4が入力されるように構成されており、これらの信号に基づいて当選告知用LED37を駆動させる。
当選告知用回路201について図18の回路図を用いて説明する。
当選告知用回路201は、当選告知用LED37に対して電圧を印加する電圧印加回路202と、当該電圧印加回路202の駆動制御を行う第3駆動IC203と、を備えている。第3駆動IC203は、第1駆動IC191と同様に、入力端子として、DATAIN端子、CLK端子、L端子及びE端子を備えているとともに、出力端子としてOUT16端子〜OUT23端子及びDATAOUT端子を備えている。各端子(DATAIN端子、CLK端子、L端子)にはそれぞれ、LED駆動データSD、クロック信号SG1、データ書き込み信号SG2が入力されるように構成されている。
ここで、第3駆動IC203は第1駆動IC191及び第2駆動IC192に対して直列に接続されており、詳細には第3駆動IC203のDATAIN端子には第2駆動IC192のDATAOUT端子が配線(直列接続用配線)を介して接続されている。これにより、第3駆動IC203には第1駆動IC191及び第2駆動IC192を介してLED駆動データSDが入力されるようになっている。この場合、第3駆動IC203は、LED駆動データSDが伝送される伝送経路の最下流に設けられているとも言える。第3駆動IC203の動作は、第1駆動IC191と同様であるため、説明を省略する。
第3駆動IC203は、上記各駆動IC191,192と異なり、第2許可信号SG4が入力されるようになっている。具体的には、第3駆動IC203のE端子には入力ポート171のE2端子が接続されている(図15参照)。このため、第3駆動IC203は、第2許可信号SG4がLOWである状況においてデータ書き込み信号SG2が立ち上がることに基づいて、OUT16端子〜OUT23端子を介してLED駆動データSDに対応する信号を出力する。
電圧印加回路202は第3駆動IC203と接続されているとともに、第2許可信号SG4が入力されている。電圧印加回路202は、第3駆動IC203からの信号及び第2許可信号SG4が所定の条件を満たす場合に当選告知用LED37に対して当該当選告知用LED37が発光可能な電圧を印加する。
具体的には、電圧印加回路202は、当選告知用LED37と、当該当選告知用LED37に対して直列に接続されたp型MOSFET211及びn型MOSFET212と、を備えている。当選告知用LED37は、p型MOSFET211を介して+5V電源に接続されており、n型MOSFET212を介して接地されている。詳細には、p型MOSFET211のドレインが当選告知用LED37のアノードに接続されており、ソースが+5V電源に接続されているとともに、n型MOSFET212のドレインは当選告知用LED37のカソードに接続されており、ソースが接地されている。p型MOSFET211のゲートは第3駆動IC203のOUT16端子に接続されており、n型MOSFET212のゲートはシュミット型インバータ213を介してE2端子に接続されている。
かかる構成によれば、(A)第3駆動IC203のOUT16端子からLOWが出力され、且つ、(B)第2許可信号SG4がLOWである場合には、両MOSFET211,212がONとなり、当選告知用LED37に対して電圧が印加され、当該当選告知用LED37が発光する。この場合、(A)、(B)いずれか一方の条件を満たしている場合であっても当選告知用LED37に対して電流は流れず、当選告知用LED37は発光しないようになっている。
なお、n型MOSFET212のゲートはプルダウンされているため、第2許可信号SG4が不定の場合にはn型MOSFET212はOFFとなる。これにより、第2許可信号SG4が不定の場合には、当選告知用LED37が点灯しないようになっている。
ここで、第3駆動IC203のOUT16端子とp型MOSFET211とを接続する配線上には、OUT16端子から出力されるLED駆動データSDを加工する時定数回路221が設けられている。時定数回路221は、上記配線上に設けられた抵抗222と、当該抵抗222に対して並列に接続されたコンデンサ223と、を備えている。抵抗222の一端はOUT16端子に接続されており、抵抗222の他端はp型MOSFET211のゲートに接続されている。コンデンサ223の一端は抵抗222の他端に接続されており、コンデンサ223の他端は接地されている。さらに、第3駆動IC203のOUT16端子と抵抗222の一端とを接続する配線はプルアップ抵抗224を介して+5V電源に接続されており、プルアップされている。
かかる構成によれば、OUT16端子から出力されている信号がHI又はオープンである場合には、p型MOSFET211に対してHIが入力される。このため、p型MOSFET211はOFFとなる。
一方、OUT16端子から出力されている信号がLOWとなると、抵抗222とコンデンサ223との過渡現象によってOUT16端子から出力されたLOW信号が遅延されてp型MOSFET211のゲートに入力される。詳細には、OUT16端子から出力されている信号がLOWとなると、コンデンサ223に蓄積されていた電荷が放出され(放電状態)、p型MOSFET211のゲートに対して放出された電荷に対応する電圧が印加される。その結果、OUT16端子から出力されている信号がLOWとなってから所定の期間が経過した後に、p型MOSFET211のゲートにはLOW信号が入力され、p型MOSFET211がONとなる。上記所定の期間は、抵抗222の抵抗値R及びコンデンサ223の静電容量Cによって決まり、具体的には後述する音声ランプ制御装置90にて行われる音声発光制御処理の実行周期よりも長く設定されている。
この場合、コンデンサ223の放電状態中にOUT16端子の信号がHIになると、コンデンサ223は電荷を放出する放電状態から電荷を蓄積する充電状態に移行する。このため、p型MOSFET211はOFFを維持する。すなわち、OUT16端子からLOW信号が上記所定の期間だけ継続していることに基づいて、p型MOSFET211がONとなる。これにより、ノイズ等の影響により一時的にOUT16端子からの出力がLOWとなった場合又はOUT16端子とp型MOSFET211のゲートを接続する配線上に対してノイズ等によって一時的にLOW信号が入った場合であっても、p型MOSFET211はOFFを維持するため、当選告知用LED37は発光しない。よって、ノイズによる当選告知用LED37の誤動作を抑制することができる。換言すれば、時定数回路221は、第3駆動IC203から駆動信号としてのLOW信号が所定の期間に亘って出力されたことに基づいて、当該LOW信号を電圧印加回路202に対して出力するものであるといえる。
さらに、時定数回路221は周波数特性を有しており、当該時定数回路221によって予め定められた特定周波数f0よりも高い周波数の信号は減衰する一方、特定周波数f0よりも低い周波数の信号は通過する。これにより、時定数回路221を通過する信号に特定周波数f0よりも高い周波数の高周波ノイズが混入されている場合には当該高周波ノイズが除去される。これにより、p型MOSFET211のゲートには、高周波ノイズが除去された信号が入力されることとなるため、高周波ノイズによってp型MOSFET211が誤動作する不都合が回避されている。
なお、上記特定周波数f0は、コンデンサ223の静電容量Cと抵抗222の抵抗値Rによって決定されており(f0=1/2πRC)、時定数回路221が当選告知用LED37の駆動を制御する信号まで除去しないように上記静電容量C及び抵抗値Rが設定されている。具体的には、特定周波数f0は当選告知用LED37の発光頻度(発光間隔)よりも大きく設定されている。ここで、当選告知用LED37は遊技者への注意を惹きつける観点から、秒単位で発光するように設定される。このため、特定周波数f0が1Hz以上となるように各静電容量C及び抵抗値Rが設定されている。
また、第3駆動IC203のOUT16端子に電圧印加回路202が接続されているだけで、他のOUT端子(OUT17〜OUT23端子)はオープンになっている。これにより、他のOUT端子に対して接続される配線の影響によりOUT16端子から出力される信号にノイズが混入されることが抑制されている。
さらに、電圧印加回路202が設けられているため、上記各駆動IC191,192と異なり、当選告知用LED37を流れる電流が直接第3駆動IC203内に流れることがない。これにより、第3駆動IC203内に高電流が流れることによる第3駆動IC203の破壊が生じにくくなっている。
すなわち、当選告知用LED37の発光強度を他のLED173よりも大きくするためには、当選告知用LED37に対して流れる電流を大きくする必要がある。かかる状況において当選告知用LED37を流れる電流が直接第3駆動IC203内に流れ込むと、第3駆動IC203が破壊するおそれがある。これに対して、本実施形態によれば、第3駆動IC203はp型MOSFET211を制御するのみで、当選告知用LED37の電流経路は第3駆動IC203から独立している。これにより、当選告知用LED37を流れる電流が第3駆動IC203に流れ込まないようになっている。
<音声ランプ制御装置90にて実行される各種処理について>
次に、音声ランプ制御装置90のサブCPU111にて行われる各種処理について説明する。サブCPU111が行う各種処理には、スピーカ部55及びLED173の制御処理を行う音声発光制御処理と、電源投入時に行われる立ち上げ処理と、が含まれている。以下に、これらの処理について説明する。
先ず、音声ランプ制御装置90の立ち上げ処理について図19のフローチャートを用いて説明する。立ち上げ処理は、パチンコ機10に対して電源投入が行われた際に実行される。
先ず、ステップS701では、各駆動IC191,192,203が動作しないように各許可信号SG3,SG4を設定する。具体的には、各許可信号SG3,SG4がHIとなるように各許可信号用レジスタ147,148に対して「1」を設定する。
この場合、既に説明したとおり、各許可信号用レジスタ147,148と対応するMOSFET149,150のゲートとを接続するバスはプルアップされているため、各許可信号用レジスタ147,148の情報が不定であっても、各許可信号SG3,SG4はHIとなる。これにより、各許可信号用レジスタ147,148に対して「1」を設定する処理を行う前段階においても、各駆動IC191,192,203が誤動作しにくくなっている。
続くステップS702では、各種立ち上げ処理を実行する。具体的には、サブCPU111におけるRAM113の初期化処理を実行したり、異常が無いか否かの異常判定処理を実行したりする。また、音声ランプ制御装置90に接続されている表示制御装置100、スピーカ部55及びLED基板91に対して初期化信号を出力し、これら表示制御装置100、スピーカ部55及びLED基板91において初期化が行われるように制御する。
その後、ステップS703にて、所定の期間が経過したか否かを判定し、当該所定の期間が経過していない場合にはステップS703の処理を再度実行する。所定の期間は、上記表示制御装置100、スピーカ部55及びLED基板91の初期化に係る期間よりも長く設定されている。これにより、音声ランプ制御装置90は制御対象となっている機器の初期化が完了するまで待機していると言える。
なお、この期間の測定は、ステップS703の処理回数をカウントすることにより行われる。例えば、ステップS703にて否定判定してから再度ステップS703の処理を実行するまでに要する時間が0.1msecである場合には、カウント値が10000回となることで、ステップS703の各種立ち上げ処理後から1sec経過したと判定する。なお、期間の測定の具体的な構成は任意であり、例えばリアルタイムクロックを用いて期間の測定を行うようにしてもよい。ステップS703にて所定の期間が経過したと判定した場合には、ステップS704に進む。
ステップS704では、第1許可信号SG3をLOWに設定する一方、第2許可信号SG4をHIに設定する処理を実行する。具体的には、第1許可信号用レジスタ147に対して「0」を設定する一方、第2許可信号用レジスタ148に対して「1」を設定する。これにより、第1駆動IC191及び第2駆動IC192は動作可能となる一方、第3駆動IC203は動作不能となっている。
以上のことから、各種立ち上げ処理を実行する前段階において各許可信号SG3,SG4をHIに設定することで、各種立ち上げ処理の際に各駆動IC191,192,203が動作しないようになっている。これにより、電源投入時において各駆動IC191,192,203が誤動作し、LED173及び当選告知用LED37が誤動作することが抑制されている。そして、立ち上げが完了した後に各駆動IC191,192が動作可能となり、各LED173の発光が可能となる。この場合、第2許可信号SG4はHIであるため、当選告知用LED37は発光しない。
次に、音声発光制御処理について図20のフローチャートを用いて説明する。音声発光制御処理は、所定の周期、具体的には4msec周期で起動される。音声発光制御処理は、主制御装置60から送信される各種コマンドに対応した処理を実行する。
先ず、ステップS801では、主制御装置60から受信したコマンドが変動用コマンドであるか否かを判定する。変動用コマンドである場合には、ステップS802に進み、変動開始処理を実行する。
変動開始処理について図21のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS901にて、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、今回の遊技回における大当たりの有無、大当たりである場合にはその種別及びリーチ発生の有無を把握する。
その後、ステップS902では、上記把握した結果に基づいて大当たりであるか否かを判定する。大当たりであると判定する場合には、ステップS903にて当選告知演出抽選処理を実行する。
具体的には、音声ランプ制御装置90のRAM113には演出抽選カウンタエリア113aが設けられており、当該エリアには所定の周期で更新する演出抽選カウンタが格納されている。ステップS903では、現状の演出抽選カウンタの値を取得し、当選告知演出抽選テーブル記憶エリア112aに記憶されている当選告知演出抽選テーブルを参照することで、当該カウンタの値が予め定められた当選値に対応しているか否かを判定する。
なお、当選告知演出抽選テーブルには予め定められた当選値が複数設定されており、当該当選値の数と演出抽選カウンタが取り得る数値の数との比によって当選確率が決まっている。かかる構成において、設定された当選値の数が異なる当選告知演出抽選テーブルを複数設け、遊技状況に合わせて参照する当選告知演出抽選テーブルを切り換えることで、当選告知演出の当選確率を切り換える構成としてもよい。
当選告知演出に当選した場合には、ステップS905に進み、当選告知演出に対応したLED駆動パターンテーブルを設定する。ROM112には、LED駆動パターンテーブル記憶エリア112bが設けられており、当該LED駆動パターンテーブル記憶エリア112bには、複数種のLED駆動パターンテーブルが記憶されている。各LED駆動パターンテーブルは、メイン表示部33の変動表示が開始されてからの期間の情報に対してLED駆動データSDが1対1に対応させて設定されたテーブルである。これにより、変動表示が開始されてから所定の期間が経過した場合には、LED駆動パターンテーブルを参照することでその期間に対応したLED駆動データSDを取得し、取得されたLED駆動データSDを設定することで、各LED173を駆動制御する。
ステップS905の処理では、今回の遊技回において参照するLED駆動パターンテーブルとして、当選告知演出に対応したLED駆動パターンテーブルを選択する。当選告知演出に対応したLED駆動パターンテーブルは、予め定められたタイミングにおいて当選告知用LED37が発光するように設定されたテーブルである。
一方、大当たりでない場合(ステップS902:NO)、又は当選告知演出に当選しなかった場合(ステップS904:NO)には、ステップS906に進み、その他の演出の決定処理を実行する。その他の演出の決定処理では、当選告知演出以外の演出内容を決定する。
その後、ステップS907にて、今回の遊技回において参照するLED駆動パターンテーブルとして、その他の演出に対応したLED駆動パターンテーブルを選択する。当該その他の演出に対応したLED駆動パターンテーブルは、当選告知用LED37が発光しないように設定されたテーブルである。
ステップS905又はステップS907の処理の実行後、ステップS908にてLED駆動データSDの書き込みを開始する。具体的には、上記ステップS905又はステップS907にて選択されたLED駆動パターンテーブルを参照することで、変動開始タイミングに対応した全LED駆動データSDを取得する。そして、取得された全LED駆動データSDのうち各データレジスタ141a,141bの記憶容量分(8ビット分)のデータを各データレジスタ141a,141bのうち一方のデータレジスタ(詳細には第1データレジスタ141a)に対して書き込む。
続くステップS909では、クロック信号SG1を出力させる処理を実行する。具体的には、クロック信号用レジスタ143に対して「1」の情報と「0」の情報とを交互に設定する。これにより、LED駆動データSDの伝送が開始される。この場合、クロック信号SG1の出力が開始された場合には、最初に第1データレジスタ141aに記憶されているLED駆動データSDを伝送するように予め設定されている。
その後、ステップS910にて、LED駆動データSDの書き込み処理を実行する。具体的には、先に書き込まれたデータレジスタとは異なるデータレジスタに対して未入力のLED駆動データSDを書き込む。例えば、前のLED駆動データ書き込み処理において第1データレジスタ141aに対してLED駆動データSDの書き込みが行われた場合であれば、第2データレジスタ141bに対してLED駆動データSDが書き込まれるように書き込み対象を切り換える。この場合、LED駆動用レジスタ141は、書き込みが行われていない方のデータレジスタの情報が伝送される構成となっている。すなわち、第1データレジスタ141a及び第2データレジスタ141bに対して交互にLED駆動データSDが書き込まれ、書き込みが行われていない方のレジスタのLED駆動データSDが伝送されるように構成されている。これにより、LED駆動データSDの伝送期間の短縮化を図ることができる。
続くステップS911では、LED駆動用レジスタ141に対して全LED駆動データSDの書き込みが完了しているか否かを判定し、書き込みが完了するまでLED駆動データSDの書き込み処理と上記判定処理を繰り返す。具体的には、ステップS911では、全LED駆動データSDのうちLED駆動用レジスタ141に対して未だ入力されていないLED駆動データSDがあるか否かを判定する。当該判定処理にて、未入力のLED駆動データSDがあると判定した場合には、ステップS910にて未入力のLED駆動データSDを順番に書き込む。
ここで、LED駆動データSDの書き込みとクロック信号SG1の出力との関係について説明すると、LED駆動データSDの書き込みが開始されてからクロック信号SG1の出力が開始されるようになっている。詳細には、LED駆動データSDの最初の書き込みが行われた後にクロック信号SG1の出力が開始されるようになっている。その後、クロック信号SG1が出力されるようにクロック信号用レジスタ143に対する書き込み処理を行いつつ、LED駆動データSDの書き込みを行うようになっている。これにより、取得されたLED駆動データSDに対応しない不定情報が伝送されることが抑制されている。
なお、ステップS911の判定処理については、これに限られず、例えばLED駆動データSDの書き込み処理が行われた回数をカウントし、当該カウント数が全LED駆動データSDの書き込みに要する回数か否かを判定する構成としてもよい。また、LED駆動データSDの書き込み処理が行われた場合に、当該書き込みが行われたデータレジスタに空き領域があるか否かを判定する構成としてもよい。要は、全LED駆動データSDの書き込みが完了したことを特定することができれば任意である。
LED駆動データSDの書き込みが完了した場合には、ステップS912に進み、データ書き込み信号SG2を立ち上げる処理を実行する。具体的には、データ書き込み信号用レジスタ145に対して「0」を設定する。これにより、データ書き込み信号SG2が立ち上がる。当該立ち上がりに同期して、各駆動IC191,192,203は各OUT端子からLED駆動データSDに対応した信号を出力する。
ここで、図示は省略するが、ステップS911とステップS912との間には、最後に書き込んだLED駆動データSDが伝送されるためのウエイト期間、詳細にはクロック信号SG1の8周期分の期間が設けられている。これにより、最後に書き込まれたLED駆動データSDが伝送される前段階でデータ書き込み信号SG2が立ち上がる不都合が回避されている。すなわち、ステップS911の判定処理(及び当該判定処理を肯定判定した後のウエイト期間を設定する処理)により、LED駆動データSDの伝送が完了したことを特定する。換言すれば、ステップS911の判定処理は、LED駆動データSDの伝送が完了したか否かを判定している処理と言える。
その後、ステップS913にて、クロック信号SG1を停止する処理を実行し、ステップS914にて、スピーカ部55の制御及び表示制御装置100の制御に係るその他の処理を実行し、本変動開始処理を終了する。
かかる処理が行われた場合の第1駆動IC191及び第2駆動IC192の動作について図22のタイミングチャートを用いて説明する。図22(a)は入力ポート171のCLK端子に対して入力されるクロック信号SG1の波形、図22(b)は入力ポート171のDATA端子に対して入力されるLED駆動データSDの波形、図22(c)は各データ領域D0〜D7及びアウトデータ領域DAの態様、図22(d)は第1駆動IC191のDATAOUT端子の出力波形、図22(e)は各データ領域D8〜D15及びアウトデータ領域DAの態様、図22(f)は入力ポート171のL端子に対して入力されるデータ書き込み信号SG2の波形を示す。なお、t12,t13,t15,t17,t18,t21のタイミングはクロック信号SG1の立ち上がりタイミングであり、t14,t16,t19のタイミングはクロック信号SG1の立ち下がりタイミングである。
先ず、t11のタイミングでLED駆動用レジスタ141へのLED駆動データSDの書き込みが開始され、当該LED駆動データSDの出力が開始される。その後t12のタイミングで、クロック信号SG1の出力が開始され、データ領域D0〜D7の更新が開始される。この場合、クロック信号SG1は第1駆動IC191及び第2駆動IC192それぞれに対して同時に入力されるため、第2駆動IC192においてもデータ領域D8〜D15の更新を行う。
なお、t12のタイミングでは第1駆動IC191のアウトデータ領域DAは不定であるため、第2駆動IC192は不定の情報を取得する。なお、説明の便宜上、不定の情報が格納されているデータ領域を空白で示す。また、アウトデータ領域DAが不定の場合におけるDATAOUT端子からの出力は0Vとして示す。
その後、t13のタイミングにて第1駆動IC191のデータ領域D7に対して、t12のタイミングにて取得された「1」の情報が設定されると、その後のクロック信号SG1の立ち下がりタイミングであるt14のタイミングでは、当該「1」の情報がDATAOUT端子から出力される。
そして、t15のタイミングにて、第1駆動IC191のデータ領域D0〜D7の更新が行われるとともに、第2駆動IC192のデータ領域D8〜D15の更新が行われる。この場合、第1駆動IC191のDATAOUT端子から「1」の情報が出力されているため、第2駆動IC192は「1」の情報をデータ領域D8に対して設定する。一方、第1駆動IC191は、データ領域D0に新たなLED駆動データSDを取得するとともに、各データ領域D0〜D7に対して書き込まれている情報を順次シフトさせる。これにより、データ領域D7の情報が「0」に更新され、アウトデータ領域DAの情報が「0」に更新される。
その後、t16のタイミングにてアウトデータ領域DAの情報がDATAOUT端子を介して第2駆動IC192に対して出力される。これにより、DATAOUT端子からの出力は「0」となる。そして、t17のタイミングにて、第2駆動IC192はデータ領域D8に書き込まれていた情報をデータ領域D9にシフトさせるとともに、「0」の情報をデータ領域D8に対して書き込む。
すなわち、第1駆動IC191から第2駆動IC192に向けてLED駆動データSDをバケツリレーのように順次シフトさせることにより、第2駆動IC192のデータ領域D8〜D15に対して順次LED駆動データSDが設定される。これにより、第2駆動IC192に対して直接LED駆動データSDを設定することなく、当該第2駆動IC192に対するLED駆動データSDの伝送が可能となっている。よって、各駆動IC191,192毎にLED駆動データSDが伝送される配線を別途設ける必要がないため、LED173を駆動させるための配線を少なくすることができる。
ここで、各駆動IC191,192におけるLED駆動データSDの取得タイミング(データ領域D0〜D16の更新タイミング)とLED駆動データSDの送信タイミング(アウトデータ領域DAの出力タイミング)とは、異なっている。詳細には、LED駆動データSDの取得タイミングはLED駆動データSDの送信タイミングよりもクロック信号SG1の半周期分だけ遅れている。これにより、両駆動IC191,192間でLED駆動データSDの伝送を行う際に、伝送エラーが生じにくくなっている。
すなわち、仮にLED駆動データSDの取得タイミングとLED駆動データSDの送信タイミングとが同時である場合、取得されたLED駆動データSDが新たに出力されたLED駆動データSDなのか、又はそれまでに出力されていたLED駆動データSDなのか、分からなくなり、不安定となる。換言すれば、LED駆動データSDの伝送が正しく行われる場合もあれば、正しく行われない場合がある。これに対して、本実施形態によれば、LED駆動データSDの取得タイミングがLED駆動データSDの送信タイミングに対して所定の期間(クロック信号SG1の半周期)だけ遅れているため、安定した状態のLED駆動データSDを取得することが可能となる。これにより、両駆動IC191,192間でのLED駆動データSDの伝送エラーが生じにくくなっている。よって、両駆動IC191,192間でLED駆動データSDの伝送を行う構成にすることによって生じ得る不都合を回避することができる。
特に、同一のクロック信号SG1を用いてLED駆動データSDの取得タイミングとLED駆動データSDの送信タイミングとをずらす構成とした。具体的には、クロック信号SG1の立ち上がりでデータ領域D0〜D15の更新を行う一方、クロック信号SG1の立ち下がりでLED駆動データSDの出力を行う構成とした。これにより、仮にクロック信号SG1がノイズ、寄生容量等の影響によって遅延して各駆動IC191,192に入力された場合であっても、ずれに対応した期間、具体的にはクロック信号SG1の半周期分の期間は担保されている。これにより、クロック信号SG1の遅延等によって上記取得タイミングと送信タイミングとが同期する不都合を回避することができる。
クロック信号SG1の立ち上がりから立ち下がりまでの間隔、すなわちパルス幅は、更新回路191a等の更新に要する期間よりも長くなるように設定されている。これにより、更新回路191aの更新が完了する前にLED駆動データSDの出力が行われることを回避することができる。
さらに、クロック信号SG1の立ち下がりから立ち上がりまでの間隔は、アウトデータ領域DAのLED駆動データSDを出力するのに要する期間よりも長くなるように設定されている。これにより、LED駆動データSDの出力が完了する前に更新回路191aの更新処理が行われ、LED駆動データSDの伝送エラーが生じることを回避することができる。
取得タイミングと送信タイミングとの間隔調整は、クロック信号SG1のデューティー比及び周波数を調整することで容易に実現することができる。換言すれば、クロック信号SG1のデューティー比及び周波数を調整することで、LED駆動データSDの伝送エラーが生じにくいようにLED駆動データSDの取得タイミングとアウトデータ領域DAからのLED駆動データSDの出力タイミングとの間隔を調整することができる。これにより、LED駆動データSDの伝送エラーの発生をより好適に低減することができる。
さらに、クロック信号SG1は各駆動IC191,192に対して並列に入力されるように構成されている。これにより、各駆動IC191,192間でクロック信号SG1がずれにくくなっているため、クロック信号SG1がずれることによって上記取得タイミングと上記送信タイミングとが同期する不都合が回避されている。
なお、第3駆動IC203についても同様に、第2駆動IC192からLED駆動データSDを取得し、当該取得したLED駆動データSDをデータ領域D0に対して設定する。この場合、上記第1駆動IC191及び第2駆動IC192間のLED駆動データSDの伝送と同様に、LED駆動データSDの取得タイミングがLED駆動データSDの出力タイミングに対して遅延している。
ちなみに、LED駆動データSDの遅延について説明すると、各駆動IC191,192,203内におけるLED駆動データSDの伝送距離は、駆動IC191,192間又は駆動IC192,203間の伝送距離よりも十分に短い。このため、駆動IC191,192間又は駆動IC192,203間のLED駆動データSDの伝送によって生じる遅延が支配的となっている。
その後、t18のタイミングにて、LED駆動用レジスタ141に対するLED駆動データSDの書き込みが完了するとともに、各駆動IC191,192に対してLED駆動データSDの伝送が完了する。t11のタイミング〜t18のタイミングまでがLED駆動データSDの伝送に要する期間である。
ここで、当選告知演出を行わない場合のLED駆動データSD、すなわちその他の演出に対応したLED駆動パターンテーブルに設定されているLED駆動データSD(以降の説明において単に通常LED駆動データSDaとも言う)は、第1駆動IC191及び第2駆動IC192に対応した分の情報のみを有し、第3駆動IC203に対応した情報を有していない。具体的には、通常LED駆動データSDaは、データ領域D0〜データ領域D15にのみ対応しており、全体として16ビットの情報を有している。これにより、当選告知用LED37に対応したLED駆動データSDの設定に係る処理分だけLED駆動データSDの書き込み処理の処理負荷が軽減されているとともに、LED駆動データSDの伝送に要する期間が軽減されている。
また、仮に当選告知用LED37の駆動制御を司るデータ領域(詳細には第3駆動IC203におけるOUT16端子の出力に対応したデータ領域)がデータ領域D0〜D15の上流側に配置されている場合、各データ領域D0〜D15に対応したLED駆動データSDは、当選告知用LED37に対応したデータ領域を経由して設定されることとなり、上記経由の分だけLED駆動データSDの伝送に要する期間が長くなる。
これに対して、本実施形態によれば、当選告知用LED37の駆動を行う第3駆動IC203は第1駆動IC191及び第2駆動IC192に対して下流側に配置されているため、当選告知用LED37に対応したデータ領域は、各データ領域D0〜D15の下流側に配置される。これにより、当選告知用LED37に対応したデータ領域を経由することなく、各データ領域D0〜D15に対してLED駆動データSDが設定されるため、第3駆動IC203を上流側に配置する構成と比較して、LED駆動データSDの伝送に要する期間を短縮することができる。
その後、t19のタイミングにてデータ書き込み信号SG2が立ち上がる。当該データ書き込み信号SG2の立ち上がりに同期して、第1許可信号SG3がLOWであることを条件として更新用バッファ191c、192cに書き込まれているLED駆動データSDが各駆動IC191,192のレジスタ191b、192bに対して書き込まれ、各駆動IC191,192に接続されている各LED173が駆動することとなる。一方、第2許可信号SG4はHIであるため、第3駆動IC203は動作しない。t11〜t19のタイミングまでの期間T3が、各駆動IC191,192が各LED173を制御するのに要する期間であり、当選告知演出を行わない場合の各LED173の制御に要する期間である。
当該期間T3は、音声発光制御処理の実行周期である4msecよりも短く設定されている。詳細には、当該期間T3が音声発光制御処理の実行周期よりも短くなるようにクロック信号SG1の周波数が設定されており、詳細にはクロック信号SG1の周波数は数百MHzに設定されている。これにより、音声発光制御処理の実行周期内に各LED173の態様の設定が完了するようになっている。
また、LED駆動データSDの伝送が完了した後にデータ書き込み信号SG2が立ち上がることによって、レジスタ122に対してLED駆動データSDが書き込まれるようになっているため、各LED173は同時に駆動することとなる。これにより、LED駆動データSDが順次伝送されることによって生じ得るLED173の駆動タイミングのバラツキが生じないようになっている。
その後、t20のタイミングにて、クロック信号SG1の出力が停止する。これにより、各駆動IC191,192は現状設定されている状態を維持する。よって、各LED173は、t19のタイミング以降所定の期間に亘って、具体的には次のLED駆動データSDの伝送が行われるとともにデータ書き込み信号SG2の立ち上がりが生じるまで、その発光態様を維持することとなる。
その後、t21のタイミングにて、再びクロック信号SG1が入力されるとともに、LED駆動データSDが入力されることに基づいて、各データ領域D0〜D15の更新が行われる。
音声発光制御処理(図20)の説明に戻り、変動用コマンドを受信していない場合には、ステップS803に進み、変動中であるか否かを判定する。変動中である場合には、ステップS804に進み、LED駆動データSDを更新する変動中処理を実行する。
変動中処理について図23のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1001では、LED駆動パターンテーブルを参照することで、LED駆動データSDの更新タイミングであるか否かを判定する。既に説明したとおり、LED駆動パターンテーブルには、変動開始タイミングからの期間を示す期間情報が設定されており、本処理回における変動開始タイミングからの経過期間が上記期間情報に対応しているか否かを判定する。
LED駆動データSDの更新タイミングでない場合には、ステップS1016に進む一方、LED駆動データSDの更新タイミングである場合には、ステップS1002にて、今回の遊技回が当選告知演出に対応しているか否かを判定する。具体的には、選択されているLED駆動パターンテーブルが当選告知演出に対応した変動パターンテーブルであるか否かを判定する。
当選告知演出に対応したLED駆動パターンテーブルである場合には、ステップS1003に進む。ステップS1003では、当該LED駆動パターンテーブルを参照することで、当選告知演出開始タイミングであるか否かを判定する。当選告知演出に対応したLED駆動パターンテーブルには、期間情報に対応させて当選告知演出開始タイミングを特定することが可能な特定情報が設定されており、ステップS1003の処理では、当該特定情報が設定されているか否かを判定する。
当選告知演出開始タイミングである場合には、ステップS1004に進み、第2許可信号用レジスタ148に「0」をセットする。これにより、第2許可信号SG4がLOWとなり、第3駆動IC203が動作可能となるとともに、電圧印加回路202のn型MOSFET212がONとなる。
続くステップS1005では、LED駆動データSDを更新する処理を実行する。具体的には、LED駆動パターンテーブルを参照することで、本処理回に対応したLED駆動データSDを把握する。当該LED駆動データSDは、当選告知用LED37が発光するように設定されたデータであり、具体的には、第3駆動IC203のOUT16端子から「0」が出力されるように「0」のデータが付加されている。すなわち、当選告知演出を行う場合のLED駆動データSD(以降、特定LED駆動データSDbともいう)は、第3駆動IC203の出力態様を決定付けるデータを有している分だけ、当選告知演出を行わない場合に設定されるLED駆動データSD(通常LED駆動データSDa)よりも情報量が多く設定されており、全体として17ビットの情報量を有している。
一方、当選告知演出開始タイミングでない場合には、ステップS1006に進み、当選告知演出終了タイミングか否かを判定する。具体的には、当選告知演出に対応したLEDパターンテーブルには、期間情報に対応させて当選告知演出の終了タイミングであることを特定する特定情報が設定されており、ステップS1006の処理では、当該特定情報が設定されているか否かを判定する。
当選告知演出終了タイミングでないと判定した場合には、ステップS1007に進み、LED駆動データSDを更新する処理を実行する。具体的には、当選告知演出に対応したLED駆動パターンテーブルを参照することで、本処理回に対応したLED駆動データSDを把握する。当該LED駆動データSDは、当選告知用LED37が発光するように設定された特定LED駆動データSDbであり、具体的には、第3駆動IC203のOUT16端子から「0」が出力されるように「0」の情報が付加されたデータである。
一方、当選告知演出の終了タイミングであると判定する場合には、ステップS1008に進み、第2許可信号用レジスタ148に対して「1」を書き込む。これにより、第2許可信号SG4がHIとなる。
その後、ステップS1009にて、LED駆動データSDを更新する処理を実行する。具体的には、当選告知演出に対応したLED駆動パターンテーブルを参照することで、本処理回に対応したLED駆動データSDを把握する。当該LED駆動データSDは、第3駆動IC203の出力態様を決定付けるデータを有しておらず、第1駆動IC191及び第2駆動IC192の出力態様を決定付けるデータのみを有している通常LED駆動データSDaである。
すなわち、当選告知演出を行う場合には、当該当選告知演出の期間中に亘って第3駆動IC203の出力態様を決定付けるデータが付加された特定LED駆動データSDbに更新する。当該特定LED駆動データSDbは、第3駆動IC203のOUT16端子からLOW出力されるように設定されたLED駆動データSDである。
ここで、第3駆動IC203のOUT16端子からのLOW信号出力が、少なくとも複数の処理回(具体的には3回)に亘って継続するようにLED駆動データSDの更新タイミングが設定されている。これにより、複数の処理回に相当する期間に亘ってOUT16端子からのLOW信号出力が継続する。なお、上記構成に限られず、例えば当選告知演出に対応したLED駆動パターンテーブルにおいて、複数の処理回に相当する期間に亘って、第3駆動IC203のOUT16端子からLOW出力されるLED駆動データSDに更新するように設定されている構成としてもよい。
今回の遊技回が当選告知演出に対応していない場合(ステップS1002:NO)、ステップS1010にてLED駆動データ更新処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において選択されたLED駆動パターンテーブル、具体的にはその他の演出に対応したLED駆動パターンテーブルを参照することで、今回の処理回に対応したLED駆動データSDを把握する。当該LED駆動データSDは通常LED駆動データSDaである。
ステップS1005、ステップS1007、ステップS1009又はステップS1010の処理を実行した後は、ステップS1011〜ステップS1016にて、各LED173及び当選告知用LED37の駆動制御処理を実行する。当該処理は、変動開始処理のステップS908〜ステップS913と同様であるため、説明を省略する。そして、ステップS1017にて、その他の処理を実行し、本変動中処理を終了する。本その他の処理はステップS914と同様であるため、説明を省略する。
次に、上記処理が行われた場合の当選告知用LED37の動作について図24のタイミングチャートを用いて説明する。図24(a)は音声発光制御処理の実行タイミングを示し、図24(b)は入力ポート171のE2端子に対して入力される第2許可信号SG4の波形を示し、図24(c)はOUT16端子の出力波形を示し、図24(d)はp型MOSFET211のゲート電圧を示し、図24(e)は当選告知用LED37の動作態様を示す。なお、t31,t33,t34,t36のタイミングはサブCPU111にて行われる音声発光制御処理の実行タイミングを示し、期間Taは音声発光制御処理の実行周期(詳細には4msec)を示す。
t31のタイミングの音声発光制御処理において、当選告知演出の開始に係る処理(ステップS1004〜ステップS1005)が行われ、当該処理によって第2許可信号SG4がLOWとなる(図24(b)参照)。
そして、t31のタイミングからLED駆動データSDの伝送に要する期間(図24に示した期間T3)が経過したt32のタイミングにて、第3駆動IC203のOUT16端子からLOW信号が出力される(図24(c)参照)。なお、期間T3は、音声発光制御処理の実行周期の4msec(図24においてTaで示す期間)よりも十分に小さい期間であるが、図面の関係上、所定の間隔を設けて示す。
第3駆動IC203のOUT16端子からLOW信号が出力されることに基づいて、図24(d)に示すように、時定数回路221の過渡現象によりp型MOSFET211のゲートに対して入力されるゲート電圧が徐々に低下する。
その後、t33のタイミング及びt34のタイミングにて実行される2回の音声発光制御処理を経たt35のタイミングにて、p型MOSFET211がONとなる閾値電圧Vthとなる。これにより、p型MOSFET211がONとなり、当選告知用LED37に対して電圧が印加され、当該当選告知用LED37が発光する。当該発光により、遊技者は大当たりに当選したことを認識することができる。
この場合、第3駆動IC203からのLOW信号出力タイミングに対するp型MOSFET211のONタイミングが、t2のタイミングからt35のタイミングまでの遅延期間T4だけ、時定数回路221によって遅延されている。当該遅延期間T4は、音声発光制御処理の実行周期(期間Ta)よりも長く設定されており、具体的には複数の処理回分の期間に設定されている。これにより、複数の処理回に亘って第3駆動IC203からのLOW信号が継続している場合に、当選告知用LED37が発光するようになっている。これにより、仮にLED駆動データSDの伝送エラー又はノイズによって一時的に第3駆動IC203からLOW信号が出力された場合であっても、当選告知用LED37が発光しないようになっている。これにより、意図しない場合に当選告知用LED37が誤動作する不都合を回避することができる。
ここで、既に説明したとおり、当選告知用LED37は、大当たりである場合に発光するように設定されているため、当該当選告知用LED37が発光するか否かは遊技者にとって重要な注目点である。このため、当選告知用LED37に対する遊技者の注目度は高い。さらに、当選告知用LED37の発光による遊技者に与えるインパクトを高めるべく、当選告知用LED37の発光強度は他のLED173と比較して高く設定されているとともに、遊技者にとって比較的見やすい位置であるセンターフレーム32に設けられている。よって、当選告知用LED37の誤動作が目立ち易く、遊技者に対して誤解を与え易い。
これに対して、本実施形態によれば、時定数回路221が設けられているため、LED駆動データSDの伝送エラー又はノイズによって一時的に第3駆動IC203からLOW信号が出力された場合であっても、当選告知用LED37が発光しないようになっている。
なお、遅延期間T4は音声発光制御処理の実行周期の2倍よりも長く設定されているが、これに限られず、例えば3倍,4倍,…であってもよい。
その後、t36のタイミングにて、当選告知演出の終了タイミングに係る処理(ステップS1008〜ステップS1009)が実行されると、第2許可信号SG4がHIとなる。当該第2許可信号SG4がHIとなることに基づいて、電圧印加回路202のn型MOSFET212はOFFとなる。これにより、当選告知用LED37は直ちにOFFとなり、発光しなくなる。
また、第2許可信号SG4がHIとなることに基づいて、第3駆動IC203は動作しないようになり、第3駆動IC203の各OUT端子からの出力はオープンとなる。この場合、p型MOSFET211のゲート電圧はプルアップされているため、p型MOSFET211のゲート電圧が徐々に上昇する。そして、t37のタイミングにてp型MOSFET211のゲート電圧が閾値電圧Vthとなり、当該t37のタイミング以降はp型MOSFET211がOFFとなる。
つまり、当選告知用LED37が発光するタイミングは、時定数回路221によって当選告知演出の開始に係る処理の実行タイミングに対して所定の期間(期間T3及び遅延期間T4を合わせた期間)だけ遅延されている一方、当選告知用LED37の発光が停止するタイミングは、時定数回路221に関わらず、当選告知演出の停止に係る処理が行われた直後となっている。これにより、当選告知用LED37の誤動作を抑制しつつ、当該当選告知用LED37の発光を迅速に停止することが可能となっている。
すなわち、時定数回路221が設けられているため、第2許可信号SG4がHIとなるタイミングに対してp型MOSFET211がOFFとなるタイミングが遅延する。このため、当選告知用LED37の発光停止が遅延することとなり、当選告知演出を好適に行うことができない場合がある。特に、上記遅延の期間T5(t36のタイミングからt37のタイミングまでの期間T5)は遅延期間T4が長くなるほど長くなる。このため、誤動作防止の観点から遅延期間T4が長くなるように設定すると、当選告知演出の停止タイミングのずれが大きくなり、当選告知演出に支障が生じ易い。
これに対して、本実施形態によれば、第2許可信号SG4に応じてON/OFFすることで、当選告知用LED37に対する電圧印加を切り換えるn型MOSFET212が設けられているため、第2許可信号SG4を制御することで、時定数回路221に関わらず直ちに当選告知用LED37の発光を停止させることができる。
また、第2許可信号SG4は当選告知演出が行われている間のみLOWとなるように設定されている。これにより、当選告知演出が行われない場合において、第3駆動IC203が動作しない(全OUT端子からの出力がオープンである)とともに、電圧印加回路202が動作しない(当選告知用LED37に対して電圧を印加しない)。よって、当選告知用LED37の誤動作が生じにくくなっている。
ここで、当選告知用LED37は大当たりの場合に発光するように設定されているため、他の常時点灯しているLED173等と比較して発光頻度が少ない。当該点に着目すれば、第1許可信号SG3は発光頻度が比較的高いLED173を駆動させる第1駆動IC191及び第2駆動IC192に対して入力されるようになっている一方、第2許可信号SG4は発光頻度が比較的低い当選告知用LED37を駆動させる第3駆動IC203に対して入力されるように設定されているといえる。この場合、第1許可信号SG3を常にLOWにする一方、第2許可信号SG4をHIに設定することで、発光頻度が低いLEDの誤動作が抑制されているといえる。
音声発光制御処理(図20)の説明に戻り、変動中でないと判定する場合(ステップS803:NO)、ステップS805にて変動終了タイミングであるか否かを判定する。変動終了タイミングである場合には、ステップS806に進み、現状選択されているLED駆動パターンテーブルを参照することで、変動終了タイミングに対応したLED駆動データSDを把握する。
続くステップS807では、把握されたLED駆動データSDを用いてLED173を制御する処理を実行する。具体的には、ステップS908〜ステップS913の処理を実行する。その後、ステップS808にて、クロック信号SG1を停止して本音声発光制御処理を終了する。
一方、変動終了タイミングでない場合には、ステップS809にて、その他のコマンド対応処理を実行し、本音声発光制御処理を終了する。その他のコマンド対応処理では、受信したコマンドを特定し、当該コマンドに対応した処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
複数のLED173及び当選告知用LED37を個別駆動可能な複数の駆動IC191,192,203を設け、これら各駆動IC191,192,203を直列に接続した。そして、各駆動IC191,192,203間で、LED173及び当選告知用LED37の発光態様を決定付けるLED駆動データSDを伝送するように構成した。これにより、LED駆動データSDを出力する音声ランプ制御基板110とLED基板91とを接続する配線を少なくすることができるとともに、LED基板91において入力ポート171と各駆動IC191,192,203とを接続する配線を少なくすることができる。これにより、配線同士の干渉による当選告知用LED37等の誤動作を抑制することができる。
また、クロック信号SG1の立ち上がりに同期して各データ領域D0〜D16の更新を行う一方、クロック信号SG1の立ち下がりに同期してアウトデータ領域DAに設定されているLED駆動データSDを出力する構成とした。これにより、ノイズ、配線同士の干渉等の影響によりクロック信号SG1が遅延された場合であっても、LED駆動データSDの取得タイミング(各データ領域D0〜D16の更新タイミング)とLED駆動データSDの出力タイミングとの間には所定の期間(クロック信号SG1の半周期)が確保されている。よって、上記影響によるLED駆動データSDの伝送エラーを抑制することができるとともに、複数のクロック信号を用いることによる構成の複雑化を抑制することができる。
さらに、上記構成によれば、デューティー比及びクロック信号SG1の周波数を調整することで、LED駆動データSDの取得タイミングとLED駆動データSDの出力タイミングとの間隔をLED駆動データSDの伝送エラーが生じにくい間隔に調整することができる。これにより、伝送エラーの発生をより好適に抑制することができる。
OUT16端子とp型MOSFET211のゲートを接続する配線上にOUT16端子から出力される信号を遅延させる時定数回路221を設けた。時定数回路221は、OUT16端子から駆動信号としてのLOW信号が所定の期間に亘って出力されている場合にp型MOSFET211のゲートに対してLOW信号を出力するように構成されている。これにより、ノイズ等の影響により一時的にOUT16端子からLOW信号が出力された場合であっても、当選告知用LED37は発光しないため、ノイズ等による当選告知用LED37の誤動作を抑制することができる。
特に、時定数回路221によってLOW信号が遅延されているため、サブCPU111側で所定の期間が経過しているか否かを判定する必要がない。これにより、サブCPU111の処理負荷の軽減を図ることができる。
また、OUT16端子とp型MOSFET211のゲートを接続する配線上に時定数回路221が設けられているため、電圧印加回路202に上記所定の期間をカウントする回路等を設ける必要がない。これにより、電圧印加回路202が当選告知用LED37に対して印加する電力の損失を抑制することができる。よって、当選告知用LED37に対して好適に電流を流すことができ、当選告知用LED37の発光輝度を好適に高めることができる。
更に、時定数回路221は特定周波数よりも高周波数の信号を遮断する周波数特性を備えている。これにより、p型MOSFET211のゲートに対して入力される信号に混入する高周波ノイズを除去することができる。これにより、高周波ノイズによる当選告知用LED37の誤動作を抑制することができる。
各駆動IC191,192,203は許可信号が所定の態様(具体的にはLOW)である場合に動作する構成とした。かかる構成において、許可信号として第1許可信号SG3と第2許可信号SG4とを別系統で設定し、高頻度で使用される(通常使用される)LED173を駆動させる駆動IC191,192に対しては第1許可信号SG3が入力されるようにする一方、低頻度で使用される(当選告知演出を行う場合に使用される)当選告知用LED37を駆動させる第3駆動IC203に対しては第2許可信号SG4が入力される構成とした。これにより、その他の演出を行う場合(当選告知演出を行わない場合)には、第2許可信号SG4をHIに設定しておくことで、第3駆動IC203の誤動作を抑制することができ、その他の演出を行っている状況において当選告知用LED37が発光するという不都合を回避することができる。
当選告知用LED37に対して電圧を印加する電圧印加回路202を設けた。当該電圧印加回路202は、(A)OUT16端子からLOW信号が出力される、且つ(B)第2許可信号SG4がLOWである、場合に当選告知用LED37に対して電圧を印加するように構成されている。OUT16端子の出力信号及び第2許可信号SG4は別系統である。これにより、いずれか一方に誤動作が生じ得るノイズが混入した場合であっても当選告知用LED37は発光しない。
また、電圧印加回路202は、当選告知用LED37を流れる電流が第3駆動IC203に対して流れ込まないように構成されている。これにより、第3駆動IC203に対して大電流が流れ込むことによって当該第3駆動IC203が故障するという不都合を回避することができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、駆動ICの構成が上記第1実施形態と異なっている。具体的には、第1実施形態では、第1駆動IC191等は、クロック信号SG1の立ち上がりタイミングとなる度にLED駆動データSDを順次シフトさせる構成としたが、本実施形態では、これに代えて、クロック信号SG1の立ち上がりタイミングとなる度に更新用バッファにおいて空きバッファを特定し当該空きバッファにLED駆動データSDを順次設定する構成とする。
本実施形態の第1駆動IC301及び第2駆動IC302について図25を用いて説明する。図25は、本実施形態における駆動ICの内部構成を示すブロック図である。なお、第1駆動IC301及び第2駆動IC302は同一の構成であるため、第1駆動IC301のみ説明する。
第1駆動IC301は、第1実施形態と同様に、LED駆動データSD、クロック信号SG1、データ書き込み信号SG2及び第1許可信号SG3が入力されるように構成されている。また、第1駆動IC301は入力端子として新たにZ端子を備えており、当該Z端子は、LED基板91の入力ポート171及び音声ランプ制御基板110の出力ポート131を介してサブCPU111のレジスタ122に設けられた取得許可フラグ用レジスタに接続されている。取得許可フラグは、LED駆動データSDの書き込み処理(ステップS908等)を開始する場合に設定されるように構成されている。そして、取得許可フラグは、LED駆動データSDの設定が完了した場合、詳細にはクロック信号SG1をOFFにする処理(ステップS913等)において消去されるように構成されている。
第1駆動IC301は、第1実施形態と同様に、更新回路301a及びレジスタ301b備えており、当該更新回路301aは更新用バッファ301cを備えている。更新用バッファ301cは、データ領域D0〜D7及びアウトデータ領域DAを備えているとともに、設定済みフラグ領域DF及び取得許可フラグ領域DZを備えている。取得許可フラグ領域DZは出力端子を介して第2駆動IC302のZ端子に接続されている。
更新回路301aは、第1実施形態と同様に、クロック信号SG1の立ち下がりに同期して、アウトデータ領域DAに設定されているデータを出力する構成となっている。ここで、本実施形態におけるアウトデータ領域DAは、データ領域D7のコピー領域ではなく、更新回路301aによってLED駆動データSDが別途設定されるように構成されている。
なお、アウトデータ領域DA、設定済みフラグ領域DF及び取得許可フラグ領域DZは所定のタイミング、詳細にはクロック信号SG1をOFFにする処理(ステップS913等)において0クリアされるように構成されている。
次に、更新回路301aにおいて実行される更新処理について図26のフローチャートを用いて説明する。更新処理は、クロック信号SG1の立ち上がりに同期して実行される。
先ず、ステップS1101では、取得許可フラグが設定されているか否かを判定する。具体的には、第1駆動IC301である場合には、サブCPU111の取得許可フラグレジスタに上記取得許可フラグが設定されているか否かを判定し、第2駆動IC302である場合には、第1駆動IC301の取得許可フラグ領域DZに取得許可フラグが設定されているか否かを判定する。取得許可フラグが設定されていない場合にはそのまま本更新処理を終了する一方、取得許可フラグがある場合にはステップS1102に進み、LED駆動データSDを取得する。
その後、ステップS1103では、設定済みフラグ領域DFに設定済みフラグが設定されているか否かを判定する。設定済みフラグは、各データ領域D0〜D7に対するLED駆動データSDの設定が完了した場合に設定されるフラグである。
設定済みフラグが設定されていない場合には、ステップS1104に進み、取得されたLED駆動データSDを、データ領域D0〜D7において未だ設定されていない空き領域に順次設定する。この場合、データ領域D0→データ領域D1→…の順にデータ領域が空いているか否かを判定し、空いている場合には取得したLED駆動データSDを設定する。これにより、データ領域D0→データ領域D1→…の順にLED駆動データSDが設定されることとなる。
なお、空いているか否かを判定する処理に代えて、カウンタ回路を別途設け、データ領域D0〜D7への設定が行われる度にカウンタを更新する処理を行う構成としてもよい。この場合、カウンタの値を参照することで今回の処理回においてLED駆動データSDを設定すべきデータ領域を特定する処理を実行するとよい。
続くステップS1105では、全データ領域D0〜D7に対してLED駆動データSDの設定が完了したか否かを判定する。全データ領域D0〜D7の設定が完了していない場合には、そのまま本更新処理を終了する一方、全データ領域D0〜D7の設定が完了している場合には、ステップS1106にて設定済みフラグ領域DFに設定済みフラグを設定して、本更新処理を終了する。
一方、設定済みフラグが設定されている場合(ステップS1103:YES)、ステップS1107に進む。ステップS1107では、取得されたLED駆動データSDをアウトデータ領域DAに設定する。
その後、ステップS1108にて、取得許可フラグ領域DZに取得許可フラグを設定し、本更新処理を終了する。
かかる処理が行われた場合、第1駆動IC301のデータ領域D0〜D7に対して順次LED駆動データSDが設定され、当該設定が完了した場合には、取得されたLED駆動データSDが、アウトデータ領域DAを介して第2駆動IC302に向けて出力される。この場合、各データ領域D0〜D7に設定された情報はシフトしない。つまり、各データ領域D0〜D7に対するLED駆動データSDの設定が完了した場合には、第1駆動IC301は取得されたLED駆動データSDをそのまま第2駆動IC302に向けて出力する構成となっている。そして、第2駆動IC302の更新回路302aは、第1駆動IC301の取得許可フラグ領域DZに取得許可フラグが設定されていることを条件として、第1駆動IC301から入力されたLED駆動データSDを更新回路302aに設けられた更新用バッファ302cのデータ領域D8〜D15に対して順次設定する。
この場合、アウトデータ領域DAに対してLED駆動データSDを設定した後に取得許可フラグが設定されるため、第1駆動IC301のアウトデータ領域DAに対してLED駆動データSDが設定された後に第2駆動IC302において上記アウトデータ領域DAの情報の取得が行われる。これにより、第2駆動IC302においてLED駆動データSDでないダミーデータが取得され、当該ダミーデータが空き領域に設定されることがない。これにより、各データ領域D8〜D15に対してダミーデータが設定されることが回避されている。
<第3実施形態>
上記第1実施形態等では、各駆動IC191,192に対して並列にクロック信号SG1が入力される構成とした。これに対して、本実施形態では各駆動ICに対してクロック信号SG1が直列に入力されるように構成されている。そして、各駆動ICは、所定の条件が成立した場合に、クロック信号SG1を接続されている駆動ICに対して伝送するように構成されている。
本実施形態の第1駆動IC401及び第2駆動IC402について図27を用いて説明する。図27は、本実施形態における駆動ICの内部構成を示すブロック図である。なお、第1駆動IC401及び第2駆動IC402は同一の構成であるため、第1駆動IC401のみ説明する。
第1駆動IC401は、更新回路401a及びレジスタ401bを備えており、当該更新回路401aには更新用バッファ401cが設けられている。更新用バッファ401cには、データ領域D0〜D7及びアウトデータ領域DAが設けられているとともに、設定済みフラグ領域DFが設けられている。これらについては、上記第1実施形態及び第2実施形態で説明したものと同様であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、更新用バッファ401cには、クロック信号SG1の伝送を制御するクロック信号許可フラグ領域DCが設けられている。クロック信号許可フラグ領域DCは1ビットの情報を有しており、クロック信号許可フラグを格納することができるように構成されている。クロック信号許可フラグ領域DCにクロック信号許可フラグがセットされている状態、すなわち「1」の情報が設定されている場合には、クロック信号SG1が第1駆動IC401に設けられた出力端子としてのクロック信号用端子を介して出力されるようになっている一方、クロック信号許可フラグ領域DCにクロック信号許可フラグがセットされていない場合、すなわち「0」の情報が設定されている場合には、クロック信号SG1を出力しないように構成されている。
ここで、クロック信号許可フラグ領域DCには、初期状態において「0」の情報が設定されている。具体的には、第1駆動IC401は、電源投入が行われた場合に立ち上げ処理が行われる構成となっており、当該立ち上げ処理においてクロック信号許可フラグ領域DCに「0」を設定する構成となっている。
かかる構成の更新回路401aは、第1及び第2実施形態と同様に、クロック信号SG1の立ち上がりに同期してLED駆動データSDの取得及び各データ領域D0〜D7の更新を行う更新処理を実行するとともに、クロック信号SG1の立ち下がりに同期してアウトデータ領域DAに記憶されているデータを出力する処理を実行する。
更新回路401aにて行われる更新処理について図28のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1201では、LED駆動データSDを取得する。その後、ステップS1202では設定済みフラグ領域DFに設定済みフラグがセットされているか否かを判定する処理を実行する。
設定済みフラグが設定されていない場合には、ステップS1203に進み、取得されたLED駆動データSDを、データ領域D0〜D7において未だ設定されていない空き領域に順次設定する。この場合、データ領域D0→データ領域D1→…の順にデータ領域D0〜D7が空いているか否かを判定し、空いている場合には取得したLED駆動データSDを設定する。これにより、データ領域D0→データ領域D1→…の順にLED駆動データSDが設定されることとなる。
続くステップS1204では、全データ領域D0〜D7の設定が完了したか否かを判定する処理を実行する。全データ領域D0〜D7の設定が完了していない場合には、そのまま本更新処理を終了する一方、全データ領域D0〜D7の設定が完了している場合には、ステップS1205に進み、設定済みフラグをセットして本更新処理を終了する。
一方、設定済みフラグがセットされている場合(ステップS1202:YES)、ステップS1206に進む。ステップS1206では、取得されたLED駆動データSDをアウトデータ領域DAに対して設定する処理を実行する。
その後、ステップS1207にて、クロック信号許可フラグ領域DCに対してクロック信号許可フラグをセットし、本更新処理を終了する。クロック信号許可フラグがセットされることに基づいて、第2駆動IC402に対してクロック信号SG1が出力される。これにより、第2駆動IC402の更新処理が開始されることとなり、第2駆動IC402に対してLED駆動データSDの設定が行われる。
かかる処理が行われた場合、第1駆動IC401に対するLED駆動データSDの設定が行われた後に、第2駆動IC402に対するLED駆動データSDの設定が開始される。この場合、第1駆動IC401に対するLED駆動データSDの設定が行われた後に、LED駆動データSD及びクロック信号SG1が第2駆動IC402に対して入力されるようになっている。これにより、LED駆動データSDの伝送が開始される前に第2駆動IC402の更新処理が開始され、LED駆動データSDではないダミーデータを取得し、当該ダミーデータを空き領域に設定する不都合を回避することができる。
<第4実施形態>
上記第1実施形態では、各駆動IC191,192,203は、同一のクロック信号SG1を用いて動作する構成とした。これに対して、本実施形態では、各駆動IC191,192,203で、入力されるクロック信号が異なっている。その異なる点について図29を用いて説明する。図29は、LED基板91に搭載されている各種回路のブロック図である。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、説明を省略する。
第2駆動IC192のCLK端子と入力ポート171のCLK端子とを接続する配線上には、クロック信号SG1の位相を所定量だけずらす位相シフト回路501が設けられている。位相シフト回路501は、第1駆動IC191に入力されるクロック信号SG1に対して影響を与えない位置、具体的には第2駆動IC192のCLK端子と入力ポート171のCLK端子とを接続する配線のうち第1駆動IC191及び第2駆動IC192それぞれに対して分岐する分岐点よりも第2駆動IC192側の下流位置に設けられている。位相シフト回路501は、入力ポート171を介してクロック信号SG1が入力されることに基づいて、当該クロック信号SG1の位相を所定量(詳細には1/4周期分)遅延させるとともに、当該遅延させた遅延クロック信号DSG1を第2駆動IC192に対して出力する。この場合、第2駆動IC192に入力される遅延クロック信号DSG1の立ち上がりタイミングは、第1駆動IC191に対して入力されるクロック信号SG1の立ち上がりタイミングに対して所定量だけ遅延するため、第1駆動IC191における各データ領域D0〜D7の更新と、第2駆動IC192における各データ領域D8〜D15の更新と、が同時に行われない。これにより、仮にクロック信号SG1の立ち上がりに同期してアウトデータ領域DAに格納されているLED駆動データSDを出力する構成であったとしても、第1駆動IC191におけるLED駆動データSDの出力タイミングと、第2駆動IC192におけるLED駆動データSDの取得タイミングとが一致することがない。これにより、上記出力タイミングと上記取得タイミングとが一致することによって生じ得るLED駆動データSDの伝送エラーを抑制することができる。
位相シフト回路501によって位相がずれた遅延クロック信号DSG1は第2駆動IC192に対して出力されるとともに、当選告知用回路201の第3駆動IC203に対して出力されるように構成されている。具体的には、位相シフト回路501は、第2駆動IC192及び第3駆動IC203に対して並列に接続されている。
ここで、位相シフト回路501と第3駆動IC203とを接続する配線上には、さらに位相シフト回路502が設けられている。位相シフト回路502は、上記位相シフト回路501と同一の内部構成であり、位相シフト回路501から出力された遅延クロック信号DSG1を所定量(詳細には1/4周期分)遅延させて第3駆動IC203に対して出力するように構成されている。これにより、第2駆動IC192に対して入力される遅延クロック信号DSG1に対して、第3駆動IC203に対して入力される遅延クロック信号DSG2は1/4周期分だけ遅延している。この場合、第1駆動IC191に対して入力されるクロック信号SG1に対して、第3駆動IC203に対して入力される遅延クロック信号DSG2は半周期分だけ遅延している。
かかる構成によれば、駆動IC191,192,203毎に位相が異なるクロック信号SG1,DSG1,DSG2が入力される構成となっているため、各駆動IC191,192,203において更新を行うタイミングが異なる。これにより、仮に各駆動IC191,192,203が各クロック信号SG1,DSG1,DSG2の立ち上がりに同期して、LED駆動データSDを取得し、各データ領域D0〜D16の更新を行うとともに、アウトデータ領域DAに設定されているLED駆動データSDを出力する構成としても、LED駆動データSDの伝送エラーが生じにくい。
特に、上流側の駆動IC(第1駆動IC191)から下流側の駆動IC(第3駆動IC203)に向かうに従って、動作契機となるクロック信号が徐々に遅延するように設定されている(クロック信号SG1→遅延クロック信号DSG1→遅延クロック信号DSG2)。これにより、上流側の駆動ICによるアウトデータ領域DAの設定が完了した後に、下流側の駆動ICによるLED駆動データSDの取得が行われるようになっているため、更新前のLED駆動データSDを取得する不都合を回避することができる。
なお、本実施形態では、クロック信号SG1の位相をずらす位相シフト回路501,502を設けたが、これに限られず、例えばデューティー比を変更する変調回路を設ける構成としてもよい。この場合であっても、各駆動IC191,192,203に対して入力されるクロック信号の立ち上がりタイミングをずらすことができる。
<第5実施形態>
本実施形態では、当選告知用回路601の構成が第1実施形態と異なっている。その異なる点について図30を用いて説明する。図30は、本実施形態における当選告知用回路601を示す回路図である。
図30に示すように、本実施形態における当選告知用回路601には、クロック信号SG1、データ書き込み信号SG2、第2許可信号SG4とは別に、放電制御信号SG5が入力されるよう構成されている。具体的には、サブCPU111(図13及び図14参照)のレジスタ122には、放電制御信号SG5を出力するための放電制御信号用レジスタが設けられている。当該放電制御信号用レジスタは、1ビットの記憶容量を有しており、通常「0」の情報が書き込まれている。放電制御信号用レジスタは、データ出力回路134に対して接続されている。データ出力回路134は、放電制御信号用レジスタに「1」の情報が書き込まれている場合、又は放電制御信号用レジスタの情報が不定の場合には、出力ポート131に設けられたS端子に対してLOW信号を出力する。一方、データ出力回路134は、放電制御信号用レジスタに「0」の情報が書き込まれている場合には、出力ポート131のS端子に対してHI信号を出力する。
出力ポート131のS端子は、LED基板91(図15参照)の入力ポート171に設けられたS端子に接続されており、当該入力ポート171のS端子は当選告知用回路601に接続されている。これにより、放電制御信号SG5が当選告知用回路601に対して入力されることとなる。当選告知用回路601は、放電制御信号SG5に基づいて時定数回路221のコンデンサ223の充放電の制御を行うことにより、電圧印加回路202の制御を行う。なお、S端子と当選告知用回路601との間には、シュミット型のインバータ180は設けられておらず、両者は直接的に接続されている。つまり、S端子から出力された信号は反転することなく当選告知用回路601に伝送されることとなる。
当選告知用回路601について説明すると、当選告知用回路601はOR回路602を備えている。OR回路602は、第3駆動IC203のOUT16端子及び入力ポート171のS端子に対して接続されているとともに、電圧印加回路202に対して接続されている。OR回路602は、OUT16端子から出力される信号及びS端子から出力される信号双方に対応した信号を電圧印加回路202に対して出力することにより、電圧印加回路202を制御する。
具体的には、OR回路602は2つの入力端子と1つの出力端子とを備えており、2つの入力端子のうち一方の入力端子はOUT16端子に対して接続されている。これにより、OUT16端子から出力されるLED駆動データSDに対応した信号は直接OR回路602に対して入力される。なお、上記一方の入力端子はプルアップされている。
一方、他方の入力端子は、時定数回路221を介してS端子に対して接続されている。これにより、S端子からの信号は、時定数回路221を介してOR回路602の入力端子に入力される。この場合、時定数回路221の過渡現象によりOR回路602への信号の入力は遅延される。
OR回路602の出力端子は電圧印加回路202のp型MOSFET211のゲートに接続されている。この場合、OR回路602からLOW信号が出力された場合にはp型MOSFET211がONとなり、OR回路602からHI信号が出力された場合にはp型MOSFET211がOFFとなる。
かかる構成によれば、少なくともS端子及びOUT16端子のいずれか一方からOR回路602に対してHI信号が入力されている場合には、OR回路602からHI信号が出力される。この場合、p型MOSFET211はOFFであるため、当選告知用LED37は発光しない。
一方、S端子及びOUT16端子双方からOR回路602に対してLOW信号が入力されている場合には、OR回路602からLOW信号が出力される。この場合、p型MOSFET211がONとなり、n型MOSFET212がONであることを条件として当選告知用LED37が発光する。
ここで、音声ランプ制御装置90にて行われる立ち上げ処理(図19)のステップS704では、放電制御信号用レジスタに「0」の情報を設定する処理を実行する。これにより、通常の遊技状態においてS端子から出力される信号はHI信号となっている。よって、通常の遊技状態においてコンデンサ223は充電状態となっている。
次に、本実施形態における保留予告用の確認処理について図31のフローチャートを用いて説明する。
保留予告用の確認処理は、タイマ割込み処理(図7)におけるステップS105の作動口用の入賞処理にて保留情報が取得された場合に実行される。保留予告用の確認処理では、上記取得された保留情報のうち大当たり乱数カウンタC1について当否判定を行う。
具体的には、先ずステップS1301にて今回取得された保留情報のうち大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。そして、ステップS1302では、上記ステップS1301にて把握された大当たり乱数カウンタC1について当否判定処理を実行する。
その後、ステップS1303では、上記当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選でない場合にはそのまま本保留予告用の確認処理を終了する。一方、大当たり当選である場合にはステップS1304にて当選保留コマンドを設定して本確認処理を終了する。
当選保留コマンドは、通常処理(図8)の外部出力処理(ステップS201)にて音声ランプ制御装置90に対して出力される。音声ランプ制御装置90は、当選保留コマンドを受信した場合には、その他のコマンド対応処理(ステップS809)において当選保留コマンドに対応した処理を実行する。具体的には、時定数回路221に対してLOW信号が入力されるように放電制御信号用レジスタに「1」の情報を設定する。これにより、入力ポート171のS端子に入力される放電制御信号SG5がLOW信号となり、当該LOW信号が時定数回路221に対して入力されることとなる。これにより、時定数回路221のコンデンサ223からの放電が開始される。
ここで、コンデンサ223を放電させるために、時定数回路221を介してOR回路602の他方の入力端子と、第3駆動IC203のOUT端子(X端子とする)とを接続し、さらに放電用のLED駆動データSDを別途用意する構成も考えられる。当該放電用のLED駆動データSDは、X端子に係るデータが異なる点を除いて同一のLED駆動データSDである。そして、放電タイミングとなった場合には、現状のLED駆動データSDから、当該現状のLED駆動データSDに対応する放電用のLED駆動データSDに更新する処理を実行する。上記構成では、放電用のLED駆動データSDを別途用意する点で、LED駆動データSDに係るデータ量の増大化が懸念される。
これに対して、本実施形態では、放電制御信号SG5を伝送するのに用いられるS端子を別途設け、当該放電制御信号SG5を伝送する配線を、LED駆動データSDを伝送する配線とは別に設けた。また、当選告知用回路601において放電制御信号SG5を伝送する配線上に時定数回路221を設けた。そして、放電制御信号SG5をLED駆動データSDとは別系統で制御する構成とした。これにより、LED駆動データSDのデータ量の増大化を抑制しつつ、コンデンサ223の放電を行わせることができる。
次に、本実施形態における変動開始処理について図32のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1401〜ステップS1405の処理は、第1実施形態の対応する処理と同一であるため、説明を省略する。
ステップS1404にて、当選告知演出を行うか否かの抽選に当選しなかったと判定した場合、ステップS1406に進み、コンデンサ223の充電を開始させる充電処理を実行する。
ここで、大当たりに対応した遊技回が開始される場合、当該遊技回が開始されるタイミングよりも前のタイミングにて当選保留コマンドを受信しているため、大当たりに対応した遊技回が開始されるタイミングにおいてコンデンサ223は放電状態となっている。ステップS1406では、時定数回路221のコンデンサ223が放電状態から充電状態となるように放電制御信号用レジスタに「0」の情報を設定する。これにより、時定数回路221に対して入力される放電制御信号SG5がHI信号となる。よって、コンデンサ223の充電が開始され、その後OR回路602の他方の入力端子にHI信号が入力される。
その後、ステップS1407及びステップS1408の処理を実行し、ステップS1409に進む。ステップS1407及びステップS1408の処理は、第1実施形態のステップS906及びステップS907の処理と同一であるため、説明を省略する。
ステップS1409ではLED駆動データ設定処理を実行する。LED駆動データ設定処理は、把握されたLED駆動データSDを伝送するための処理であり、具体的には第1実施形態のステップS908〜ステップS913の処理である。そして、ステップS1410にてその他の処理を実行して本変動開始処理を終了する。
次に、本実施形態における変動中処理について図33のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS1501〜ステップS1506及びステップS1509〜ステップS1511の処理は、第1実施形態における対応する処理と同一であるため、説明を省略する。
ステップS1506にて当選告知演出の終了タイミングでないと判定した場合には、ステップS1507にてLED駆動データ更新処理を実行して、ステップS1512に進む。この場合、所定の周期で当選告知用LED37が点滅するようにLED駆動データSDの更新を行う。具体的には、所定の周期で把握する対象を通常LED駆動データSDaと特定LED駆動データSDbとに切り換える。これにより、OUT16端子から出力される信号がHIとLOWとに交互に切り換わる。
一方、ステップS1506にて当選告知演出の終了タイミングであると判定した場合には、ステップS1508に進み、充電処理を実行する。これにより、コンデンサ223が充電状態となる。その後、ステップS1509及びステップS1510の処理を実行し、ステップS1512に進む。ステップS1512では、LED駆動データ設定処理を実行する。当該処理は既に説明した通りであるため、説明を省略する。そして、ステップS1513にてその他の処理を実行し、本変動中処理を終了する。
かかる処理によれば、当選告知演出を実行する遊技回においては、当該告知演出の開始タイミングにて当選告知用LED37の発光が開始され、特定期間(複数の更新タイミング)に亘って当選告知用LED37が点滅する。そして、当選告知演出の終了タイミングとなった場合には、当選告知用LED37の発光が停止するとともに、コンデンサ223の充電が開始されることとなる。
次に、上記各処理が行われた場合の当選告知用LED37の動作について、図34のタイミングチャートを用いて説明する。図34(a)はS端子からの出力波形を示し、図34(b)は時定数回路221からの出力波形を示し、図34(c)はOUT16端子からの出力波形を示し、図34(d)は当選告知用LED37の動作を示す。
t41のタイミングにて、大当たり当選に対応した保留情報が取得されると、当選保留コマンドが音声ランプ制御装置90に送信される。そして、音声ランプ制御装置90は、上記当選保留コマンドを受信したことに基づいて、放電制御信号SG5をLOW信号にする(図34(a)参照)。これにより、図34(b)に示すように、時定数回路221の過渡現象により時定数回路221から出力される電圧、すなわちOR回路602の他方の入力端子に入力される電圧が徐々に低下する。
その後、t42のタイミングにて、OR回路602の他方の入力端子に入力される電圧が、当該OR回路602がLOW信号であると判断する閾値電圧Vthとなる。これにより、OR回路602は、時定数回路221と接続されている入力端子には、LOW信号が入力されていると判断する。t41のタイミングからt42のタイミングまでの期間が遅延期間T4に相当する。
その後、上記当選保留コマンドの送信の契機となった保留情報に係る遊技回が開始される。そして、当該遊技回における当選告知演出の開始タイミングとなったt43のタイミングにて、当選告知演出の開始に係る処理(ステップS1504,S1505,S1512)が行われる。そして、t43のタイミングからLED駆動データSDの伝送に要する期間T3が経過したt44のタイミングにて、OUT16端子からLOW信号が出力される。これにより、OR回路602の出力端子からの出力がLOWとなり、p型MOSFET211がONとなる。これにより、n型MOSFET212がONであること(第2許可信号SG4がLOW信号であること)を条件として、当選告知用LED37がONとなる。
その後、所定の周期でOUT16端子からの出力信号がHIとLOWに交互に切り換わり、それに対応して当選告知用LED37が点滅する。この場合、時定数回路221からの出力信号はLOWを維持しているため、OR回路602の出力信号は、OUT16端子からの出力信号のみに依存する。
そして、当選告知演出の終了タイミングであるt45のタイミングにて、S端子から出力される放電制御信号SG5がHI信号になることにより、コンデンサ223の充電が開始される。これにより、OR回路602の他方の入力端子に入力される電圧が徐々に上がる。
その後、t45のタイミングから期間T3が経過したt46のタイミングにてOUT16端子からHI信号が出力され、当選告知用LED37の発光が停止する。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
当選告知演出の開始タイミングよりも前のタイミングにてコンデンサ223の放電を開始する構成とした。これにより、時定数回路221による遅延期間T4に起因する内部的な当選告知演出の開始タイミングと、当選告知用LED37の実際の発光タイミングとの間に発生するタイムラグを小さくすることができる。よって、OUT16端子から出力される信号と、当選告知用LED37の発光タイミングとの同期を好適に図ることができ、当選告知用LED37の制御を好適に行うことができる。
特に、当選告知用LED37の誤動作を抑制する観点に着目すれば、遅延期間T4を長く確保することが好ましい。例えば遅延期間T4が秒単位の期間となるようにコンデンサ223の静電容量C及び抵抗222の抵抗値Rを設定するとよい。しかしながら、遅延期間T4を長くすると上記タイムラグが大きくなり、当選告知用LED37の制御が困難となる。
これに対して、本実施形態によれば、当選告知演出の開始タイミングよりも前のタイミングにて予めコンデンサ223を放電させておくことにより、遅延期間T4を確保しつつ、当選告知用LED37の制御を容易に行うことができる。
また、OUT16端子からHI信号が出力されることに基づいて、直ちにOR回路602からHI信号が出力される。これにより、時定数回路221の過渡現象による遅延を待つことなく当選告知用LED37の発光を停止させることができる。これにより、当選告知用LED37の制御を好適に行うことができる。
コンデンサ223の放電を開始するタイミングとして、当選保留コマンドを受信したタイミングを設定した。当該当選保留コマンドは、大当たり当選に対応した保留情報が取得された場合に設定されるコマンドである。これにより、大当たり当選に係る遊技回の開始タイミング等に設定する構成と比較して、放電期間を長く確保することができ、当選告知演出の開始タイミングにおいて確実にコンデンサ223の放電を完了させておくことができる。
また、大当たり当選に係る遊技回が開始される前に、コンデンサ223の放電が行われるため、当選告知演出の開始タイミングとして、大当たり当選に係る遊技回の開始タイミングや、大当たり当選に係る遊技回の開始タイミングから遅延期間T4が経過するまでのタイミングを設定することが可能となる。これにより、当選告知演出の実行タイミング(当選告知用LED37の発光タイミング)の自由度を高めることができる。
ここで、放電期間を長く確保すると、時定数回路221からの出力がLOW信号である期間が長くなる。この場合、ノイズ等の影響により当選告知用LED37の誤動作の発生頻度が高くなる。しかしながら、時定数回路221からの出力がLOW信号である状況は、大当たり当選に係る保留情報を取得したことに基づいて生じたものである。このため、時定数回路221からの出力がLOW信号である状況における当選告知用LED37の誤動作は、大当たり当選に対応した意図的な動作であると誤認され易い。よって、放電期間を長くすることによって生じ得る不都合、具体的には当選告知用LED37の誤動作に起因して遊技者に対して大当たり当選が発生すると誤認させてしまう不都合は回避されている。
また、仮にS端子から出力される信号のみで当選告知用LED37を制御する構成とすると、時定数回路221の過渡現象に起因して、信号の切換に対する当選告知用LED37の追従性が低下する。さらに、当選告知用LED37を点滅させる場合等にあっては、コンデンサ223に蓄積されている残留電荷に起因して当選告知用LED37が点滅するタイミングが変動してしまう。このため、当選告知用LED37を点滅させる演出において当該点滅を好適に行うことができなくなる。
これに対して、本実施形態によれば、当選告知演出においては、S端子からの出力、すなわち時定数回路221からの出力をLOW信号に維持する構成とした。これにより、時定数回路221から出力される信号ではなく、OUT16端子から出力される信号で当選告知用LED37を制御することができ、当選告知用LED37を好適に点滅させることができる。
ここで、時定数回路221からの出力をLOW信号に維持するのであれば、時定数回路221を設けない構成とすることも考えられる。しかしながら、時定数回路221は、遅延機能だけでなくノイズ除去機能を備えているため、時定数回路221を設けない構成とすると、ノイズの影響を受け易くなる。この点、本実施形態によれば、配線に混入されるノイズの影響を抑制しつつ、当選告知用LED37の制御を好適に行うことができる。
また、コンデンサ223の充放電の制御は、LED駆動データSDによる制御とは別系統で行う構成とした。これにより、LED駆動データSDによる制御に対して影響を与えることなく、コンデンサ223の充放電の制御を行うことができる。
特に、当選保留コマンドを受信したことに基づいてコンデンサ223の充電を開始する構成では、コンデンサ223の充電の開始タイミングは不規則であるとともに、通常の演出中に充電の開始タイミングとなり得る。このため、LED駆動データSDを用いてコンデンサ223の充放電を制御する構成とすると、LED駆動データSDの制御が複雑化する。また、制御を簡素なものとするために充電用のLED駆動データSDと、放電用のLED駆動データSDとを用意する構成とすると、LED駆動データSDのデータ量の増大化が懸念される。
これに対して、本実施形態によれば、別系統でコンデンサ223の充放電を行う構成としたことにより、データ量の増大化を抑制しつつ、比較的簡素な制御でコンデンサ223の充放電の制御を行うことができる。
なお、本実施形態では、コンデンサ223の充放電をLED駆動データSDに基づく制御とは別系統で制御する構成としたが、これに限られず、例えばコンデンサ223の充放電をLED駆動データSDに基づく制御で行う構成としてもよい。具体的にはOUT16端子と時定数回路221とを接続する構成としてもよい。この場合、当選保留コマンドを受信した場合に、その時点において設定されているLED駆動データSDを把握する。そして、OUT16端子からLOW信号が出力されるように、最初のデータとして「0」をセットし、続いて上記把握されたLED駆動データSDをセットする。これにより、現時点におけるLED173の発光態様を変更することなく、コンデンサ223の充放電を行うことができる。
また、本実施形態では、時定数回路221はS端子とOR回路602とを接続する配線上に設けられていたが、これに限られず、例えばOUT16端子とOR回路602とを接続する配線上に設ける構成としてもよい。この場合、OUT16端子からの信号が放電制御信号SG5に対応し、S端子からの信号が当選告知用LED37の発光制御を行う信号に対応する。
また、コンデンサ223の充電を開始するタイミングとして、大当たり当選に対応した保留情報を取得したタイミングを設定したが、これに限られず、例えば大当たり当選に対応した保留情報に係る遊技回が開始されるタイミングとしてもよい。詳細には、当選告知演出の抽選に当選した場合にコンデンサ223の充電を開始する構成とする。この場合、当選告知演出の開始タイミングを、遊技回の開始タイミングから少なくとも遅延期間T4が経過したタイミングに設定するとよい。これにより、当選告知演出の開始タイミングと当選告知用LED37の実際の発光タイミングとの同期を好適に図ることができる。
また、保留用エリアREに大当たり当選に対応した保留情報が複数記憶された場合であっても当選告知演出を好適に行うことができる構成としてもよい。
具体的には、当選保留コマンドを受信した場合に、各種カウンタエリア64dに設けられた大当たり保留カウンタを1加算する処理を実行する。そして、変動開始処理(図32)において大当たりに係る遊技回と判定された場合には大当たり保留カウンタを1減算する。そして、ステップS1404を否定判定した場合に大当たり保留カウンタが0か否かを判定し、大当たり保留カウンタが0である場合にはステップS1406にて充電処理を実行する。一方、大当たり保留カウンタが0でない場合には、充電処理を実行することなくステップS1407に進む構成とするとよい。
さらに、変動中処理(図33)のステップS1506を否定判定した場合には、大当たり保留カウンタが0か否かを判定する。そして、大当たり保留カウンタが0である場合には、ステップS1508にて充電処理を実行する。一方、大当たり保留カウンタが0でない場合には、ステップS1508の充電処理を実行することなくステップS1509に進む構成とするとよい。
以上の処理によれば、大当たりに対応した保留情報が複数格納されている状況において、1の大当たりに係る遊技回が開始されることに起因して充電処理が実行され、次の大当たりに係る遊技回が開始される場合に当選告知用LED37を発光させることができなくなるという事態を避けることができる。
また、本実施形態では、当選告知演出の対象となり得る保留情報は大当たり当選に対応した全遊技回であったが、これに限られない。例えば、当選保留コマンドを受信してから(放電が開始されてから)、遅延期間T4が経過する前のタイミングにて実行される遊技回については当選告知演出の対象としない構成としてもよい。
すなわち、他の保留情報がなく且つ遊技回中でない場合には、取得された保留情報に係る遊技回が直ちに開始される。この場合、当選保留コマンドの受信タイミングと変動用コマンドの受信タイミングとの間隔が短いため、放電に係る期間を十分に確保することができない場合がある。特に、遊技回が開始されてから直ちに当選告知演出が開始される構成の場合には、上記不都合が発生し易い。
これに対して、当選保留コマンドを受信してから、遅延期間T4が経過するまでの間に大当たり当選に係る遊技回が開始される場合には、当該遊技回において当選告知演出を実行しないようにすることにより、放電が不十分な状態での当選告知演出の実行を回避することができる。
具体的には、例えば当選保留コマンドを受信した場合には、所定のタイマカウンタを用いて期間の計測を開始する。そして、音声ランプ制御装置90の変動開始処理において、大当たりと判定した場合(ステップS1402:YES)、上記所定のタイマカウンタの値に基づいて、放電開始タイミングから遅延期間T4が経過したか否かを判定する。そして、放電開始タイミングから遅延期間T4が経過したと判定した場合には、ステップS1403に進む。一方、放電開始タイミングから遅延期間T4が経過していないと判定した場合にはステップS1406に進む。これにより、放電が不十分な状態での当選告知演出の実行を回避することができる。
なお、当選告知演出の開始タイミングを、遊技回の開始タイミングから遅延期間T4が経過していないタイミングに設定してもよい。つまり、遊技回の開始タイミングから当選告知演出の開始タイミングまでの期間を遅延期間T4よりも短く設定してもよい。
この場合、大当たりと判定した場合(ステップS1402:YES)に、上記所定のタイマカウンタの値に基づいて、放電開始タイミングから当選告知演出の開始タイミングまでの期間が、遅延期間T4よりも長いか否かを判定する構成とするとよい。そして、放電開始タイミングから当選告知演出の開始タイミングまでの期間が、遅延期間T4よりも長いと判定した場合には、ステップS1403に進む。一方、放電開始タイミングから当選告知演出の開始タイミングまでの期間が、遅延期間T4よりも短いと判定した場合にはステップS1406に進むとよい。これにより、放電が不十分な状態での当選告知演出の実行を回避しつつ、当選告知演出の実行頻度を高めることができる。
要は、大当たり当選の保留情報の取得タイミングから当該保留情報に係る遊技回の開始タイミングまでの期間が変動することに起因して、放電開始タイミングから当選告知演出の開始タイミングまでの放電可能期間が変動する構成において、当該放電可能期間及び遅延期間T4に基づいて当選告知演出を実行するのか否かを判定すればよい。
なお、当選告知演出の開始タイミングを、遊技回の開始タイミングから少なくとも遅延期間T4が経過したタイミングに設定してもよい。この場合、取得された保留情報に係る遊技回が直ちに開始される場合であっても、当選告知演出を好適に実行することができる。但し、当選告知演出の実行タイミングの自由度の観点に着目すれば、上記構成の方がよい。
本実施形態では、当選告知演出抽選処理は、大当たり当選に対応した遊技回が開始される場合に行われる構成としたが、これに限られず、例えば大当たり当選に対応した保留情報が取得された場合に実行する構成としてもよい。具体的には、保留予告用の確認処理(図31)のステップS1303を肯定判定した場合に、当選告知演出抽選処理を実行する構成としてもよい。この場合、当選告知演出に当選した場合には当選したことを特定するための特定情報をRAM113に記憶させておき、大当たり当選に対応した遊技回が開始される場合に、当該特定情報を確認する構成とするとよい。但し、保留予告用の確認処理の処理負荷の増大化、及び上記特定情報を記憶させておくための領域を確保することに起因するデータ容量の増大化に鑑みれば、大当たり当選に対応した遊技回にて当選告知演出抽選処理を実行する構成とした方がよい。
また、大当たり当選に対応した保留情報が取得された場合に当選告知演出抽選処理を実行する構成において、当該抽選処理に当選した場合には、当該大当たり当選に対応した保留情報に係る遊技回よりも前の遊技回において当選告知演出を行う構成としてもよい。
また、当選告知演出が行われている期間においてS端子から出力される信号はLOW信号を維持する構成としたが、これに限られず、例えばOUT16端子から出力される信号と同期させる構成としてもよい。但し、時定数回路221の過渡現象の影響を鑑みれば、LOW信号を維持する構成の方が好ましい。
また、S端子と時定数回路221との間にシュミット型のインバータ180を設ける構成としてもよい。この場合、サブCPU111から出力する放電制御信号SG5のHIとLOWとを逆にして制御するのは言うまでもない。
また、複数のコンデンサを設け、全コンデンサの充電が完了した場合に当選告知用LED37が発光する構成としてもよい。この場合、事前充電として、複数のコンデンサのうち一部のコンデンサを充電する構成としてもよい。これにより、総コンデンサの充電に要する期間を短くすることが可能となり、所望のタイミングにて当選告知用LED37を発光させることができる。
また、事前充電として、1のコンデンサにおいて信号切換の契機となる電荷量よりも少ない所定電荷量だけ電荷を蓄積する構成としてもよい。この場合であっても、上述した効果を奏することができる。
また、変動表示が開始される場合に、変動表示時間を把握し、その変動表示時間における予め定められた特定タイミングにて当選告知用LED37を発光させる構成としてもよい。この場合、変動表示が開始される場合に、現状の充電状態を把握し、上記特定タイミングまでに充電が完了するか否かを判断し、上記充電が完了すると判断した場合には当選告知演出を実行する一方、上記充電が完了しないと判断した場合には当選告知演出とは異なる演出を実行する構成としてもよい。
また、遊技者に有利な有利状態である開閉実行モード、高確率モード又は高頻度サポートモード中に当選告知用LED37を発光させる構成としてもよい。この場合、各モード中においては常に充電されている構成としてもよい。これにより、各モードにおいて所望のタイミングにて当選告知用LED37を発光させることができる。
<第6実施形態>
本実施形態では、当選告知用回路701の構成が第1実施形態と異なっている。その異なる点について図35を用いて説明する。図35は、本実施形態における当選告知用回路701を示す回路図である。
本実施形態の当選告知用回路701は、第3駆動IC203を備えておらず、第2駆動IC192に対して接続されている。当選告知用回路701は、第2駆動IC192からの信号及びサブCPU111から入力されるスイッチング信号SG6に基づいて、当選告知用LED37の発光制御を行う。
具体的には、サブCPU111は、LED基板91に対して当選告知用LED37の発光制御を行うスイッチング信号SG6を出力するよう構成されている。詳細には、サブCPU111のレジスタ122には、スイッチング信号SG6を出力するためのレジスタが設けられている。当該レジスタは、1ビットの記憶容量を有しており、通常「1」の情報が書き込まれている。
上記レジスタはデータ出力回路134(図14参照)に接続されている。データ出力回路134は、上記レジスタに「1」の情報が書き込まれている場合には、出力ポート131に設けられたSW端子に対してLOW信号を出力する。一方、データ出力回路134は、上記レジスタに「0」の情報が書き込まれている場合にはSW端子に対してHI信号を出力する。
出力ポート131のSW端子は、LED基板91の入力ポート171(図15参照)に設けられたSW端子に接続されている。入力ポート171のSW端子は、図35に示すように、当選告知用回路701に接続されている。これにより、スイッチング信号SG6が、他の信号SG1〜SG3とは別系統で当選告知用回路701に対して入力されることとなる。
なお、入力ポート171のSW端子と当選告知用回路701との間には、シュミット型のインバータ180といった信号を反転させる回路は設けられておらず、SW端子に入力されたスイッチング信号SG6はそのまま当選告知用回路701に対して入力される。
当選告知用回路701は電圧印加回路202を備えている。電圧印加回路202は、既に説明した通り、p型MOSFET211及びn型MOSFET212を備えている。p型MOSFET211のゲートは第2駆動IC192のOUT14端子に接続されている。n型MOSFET212のゲートはSW端子に接続されている。
かかる構成によれば、第2駆動IC192のOUT14端子からLOW信号が出力され、且つスイッチング信号SG6がHI信号である場合に当選告知用LED37が発光し、それ以外の場合には当選告知用LED37は発光しない。これにより、OUT14端子からの信号及びスイッチング信号SG6のいずれか一方に対してノイズが混入した場合であっても、当選告知用LED37は発光しないため、当選告知用LED37の誤動作を抑制することができる。
次に、当選告知用LED37の発光制御について説明する。
先ず、音声ランプ制御装置90の立ち上げ処理(図19)のステップS704では、スイッチング信号SG6がLOW信号となるようにスイッチング信号SG6に対応するレジスタに「1」をセットする。これにより、通常状態においてn型MOSFET212はOFFとなり、当選告知用LED37は発光しない。
その後当選告知演出を実行することに当選し、当選告知演出の実行開始タイミングとなった場合(ステップS1003:YES)、スイッチング信号SG6がHI信号となるように当該スイッチング信号SG6に対応するレジスタの更新を行う。そして、OUT14端子から出力される信号がLOW信号となるようにLED駆動データSDを更新する。これにより、当選告知用LED37が発光する。
その後、当選告知演出の終了タイミングとなった場合(ステップS1006:YES)、スイッチング信号SG6がLOW信号となるように当該スイッチング信号SG6に対応するレジスタの更新を行う。そして、OUT14端子から出力される信号がHI信号となるようにLED駆動データSDを更新する。これにより、当選告知用LED37の発光が停止する。
以上詳述した本実施形態によれば、LED173の発光制御を行う第2駆動IC192に対して当選告知用回路701を接続し、当該第2駆動IC192から出力される信号(詳細にはOUT14端子から出力される信号)とスイッチング信号SG6とによって、当選告知用LED37の発光制御を行う構成とした。これにより、第3駆動IC203を設けることなく当選告知用LED37の発光制御を好適に行うことができる。よって、第3駆動IC203を設ける必要がない点で構成の簡素化を図ることができる。
また、LED駆動データSDのうちOUT14端子の信号に係るデータを当選告知用LED37の発光制御に係るデータとして用いる構成であるため、OUT16端子の信号に係るデータまで用意する必要がない。これにより、LED駆動データSDのデータ量の削減を図ることができる。
すなわち、OUT16端子からの信号に基づいて当選告知用LED37を制御する場合、LED駆動データSDのデータ伝送の関係上、LED173が接続されていないOUT14端子及びOUT15端子に係るデータを設定する必要がある。このため、LED駆動データSDに対して、データ領域D14及びデータ領域D15にセットされるダミーデータを用意する必要が生じる。
これに対して、OUT14端子に当選告知用回路701を接続することにより、ダミーデータを設定する必要がなくなるため、当該ダミーデータの分だけLED駆動データSDのデータ量を削減することができる。
さらに、第2駆動IC192から第3駆動IC203へのLED駆動データSDの伝送が必要ないとともに、伝送に係るデータ量が少なくなるため、LED駆動データSDの伝送期間の短縮を図ることができる。
特に、第2駆動IC192のOUT14端子から出力される信号はLED駆動データSDに基づくものである。このため、各駆動IC191,192間でのLED駆動データSDのデータ伝送においてエラーが生じ得る。
これに対して、本実施形態によれば、LED駆動データSDに基づく信号と、LED駆動データSDとは別系統で伝送されるものであってサブCPU111から直接的に入力されるスイッチング信号SG6と、に基づいて当選告知用LED37の発光制御を行う構成とした。これにより、仮にLED駆動データSDのデータ伝送にエラーが生じた場合であっても、当選告知用LED37の誤動作を抑制することが可能となる。
なお、LED駆動データSDに基づく信号と、当該LED駆動データSDとは別にサブCPU111から入力される信号と、に基づいて当選告知用LED37の発光制御を行う構成は、本実施形態に限られず、他の実施形態においても同様である。詳細には、第1乃至第4実施形態においては、n型MOSFET212のゲートに入力される信号が、「LED駆動データSDとは別にサブCPU111から入力される信号」に対応する。第5実施形態においては、n型MOSFET212のゲートに入力される信号、及び放電制御信号SG5が、「LED駆動データSDとは別にサブCPU111から入力される信号」に対応する。
また、当選告知用LED37の電流経路がLED173の電流経路と異なるため、当選告知用LED37と、LED173とで異なる電圧を印加することが可能となる。これにより、当選告知用LED37に対して、LED173に印加される電圧よりも高電圧(例えば+12V)を印加して当選告知用LED37の発光強度を高めることが可能となる。
ちなみに、当選告知用LED37を点滅させる演出を行う場合には、当該演出が行われている間はOUT14端子からの信号をLOW信号に固定し、スイッチング信号SG6のみで当選告知用LED37を制御する構成とするとよい。これにより、LED駆動データSDの更新を行う必要がない点で処理負荷の軽減を図ることができるとともに、点滅用のLED駆動データSDを別途用意する必要がない点でデータ量の増大化を抑制することができる。
なお、上記構成に限られず、例えばスイッチング信号SG6の切換に対応させて、OUT14端子から出力される信号を交互に切り換える構成としてもよい。この場合、当選告知用LED37の誤動作をより好適に抑制することができる。
また、本実施形態では時定数回路221は設けられていないが、時定数回路221を設ける構成としてもよい。この場合、p型MOSFET211とOUT14端子とを接続する配線上に時定数回路221を設けてもよく、n型MOSFET212とSW端子とを接続する配線上に時定数回路221を設けてもよい。
また、当選告知用LED37を並列に複数設けてもよい。この場合、OUT14端子から出力される信号と、スイッチング信号SG6とにより複数の当選告知用LED37を一括制御することが可能となる。
また、本実施形態では、LED駆動データSDに係る信号に基づいてp型MOSFET211のスイッチング制御を行い、スイッチング信号SG6に基づいてn型MOSFET212のスイッチング制御を行う構成としたが、これに限られず、例えば両MOSFET211,212をLED駆動データSDに係る信号に基づいて制御する構成としてもよい。
具体的には、n型MOSFET212のゲートに対して、SW端子ではなくOUT15端子を接続する。そして、当選告知演出の開始タイミングとなった場合にOUT14端子及びOUT15端子双方から当選告知用LED37を発光させるための信号、詳細にはOUT14端子からLOW信号が出力され且つOUT15端子からHI信号が出力されるようにLED駆動データSDを更新する構成としてもよい。これにより、当選告知用LED37を発光させることが可能となる。この場合、OUT14端子の信号及びOUT15端子の信号に係るデータのいずれかにエラーが発生したとしても当選告知用LED37は発光しない。
さらに、仮にOUT14端子とOUT15端子とが短絡した場合、両端子から出力される信号は同一信号(HI信号又はLOW信号のいずれか)になる。このため、両端子が短絡した場合であっても当選告知用LED37は発光しない。よって、両端子の短絡による当選告知用LED37の誤動作を抑制することができる。
なお、上記構成(駆動ICが両MOSFET211,212のスイッチング制御を行う構成)は、本実施形態に限られず、他の実施形態についても同様である。具体的には、第1乃至第5実施形態では、n型MOSFET212のゲートに対して第3駆動IC203のOUT17端子を接続するとよい。
また、本実施形態では、当選告知用LED37を発光制御するために2つのMOSFET211,212を用いたが、これに限られず、1のMOSFETを用いる構成としてもよい。当該構成について図36を用いて説明する。図36は、当選告知用回路801の回路図である。
図36に示すように、当選告知用回路801は、当選告知用LED37とn型MOSFET212とを備えている。当選告知用LED37とn型MOSFET212とは接続されており、具体的には当選告知用LED37のカソードがn型MOSFET212のソースに対して接続されている。当選告知用LED37のアノードは+5V電源に対して接続されている。n型MOSFET212のドレインはOUT14端子に接続されている。n型MOSFET212のゲートにはスイッチング信号SG6が入力されるようになっている。
かかる構成によれば、OUT14端子からLOW信号が出力され(OUT14端子がグランド電位となり)、且つスイッチング信号SG6がHI信号となっている場合に、当選告知用LED37が発光する。これにより、1のMOSFETを用いて2系統の制御信号、具体的にはOUT14端子からの信号(LED駆動データSDに基づく信号)及びスイッチング信号SG6(サブCPU111から直接出力される信号)に基づく当選告知用LED37の発光制御を行うことが可能となる。これにより、構成の簡素化を図りつつ、当選告知用LED37の発光制御を好適に行うことができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、3つの駆動IC191,192,203が設けられている構成としたが、これに限られず、例えば4つ、5つとしてもよく、駆動させたいLED173の数に合わせて設ければよい。
ここで、新たに設けた駆動ICが常時点灯するLEDに対応させて設けたものである場合には、当該新たな駆動ICは、第3駆動IC203が最下流側に配置されるように第2駆動IC192の下流側に直列に接続するとともに、新たな駆動ICに対して直列に第3駆動IC203を接続するとよい。そして、新たな駆動ICに対して第1許可信号SG3、クロック信号SG1及びデータ書き込み信号SG2が入力されるようにするとともに、LED駆動データSDの情報をLED173の数に対応させて増加させる。これにより、新たな駆動ICを含めて各駆動ICを好適に動作させることができるとともに、当選告知用LED37を点灯させない場合には、第3駆動IC203に対応するLED駆動データSDの設定及び伝送を省略することで、処理負荷の軽減及びLED駆動データSDの伝送に要する期間の短縮化を図ることができる。
また、当選告知用LED37を複数設けることに対応させて、当該当選告知用LED37を駆動させる駆動ICを新たに設ける場合には、第3駆動IC203に対して直列に接続させればよい。そして、新たな駆動ICに対して第2許可信号SG4、クロック信号SG1及びデータ書き込み信号SG2が入力されるようにするとともに、LED駆動データSDを新たに設けた当選告知用LED37に対応させて増加させる。これにより、既存の駆動ICに対する変更を伴うことなく、当選告知用LED37を追加することができる。
この場合、仮に、当選告知用LED37の発光を行わない状況においても当該当選告知用LED37に対応したLED駆動データSDを設定する構成とすると、当選告知用LED37の増加に伴って、LED駆動用レジスタ141に対するLED駆動データSDの書き込み処理の処理負荷が増大するとともに、当該LED駆動データSDの伝送に要する期間が長くなる。これに対して、第1実施形態等で示すように、当選告知用LED37の発光を行わない場合には、当該当選告知用LED37に対応したデータが省略された通常LED駆動データSDaを用いることにより、LED駆動データSDの書き込みの処理負荷及びLED駆動データSDの伝送に要する期間を短縮することができる。
(2)上記各実施形態では、遊技状況を報知する各種ランプ部に用いられるLED173について説明したが、これに限られず、例えば図柄表示装置31がLEDバックライト構造の液晶表示装置を用いる場合には当該LEDバックライトのLED群に対して本発明を適用してもよい。
また、発光素子としてLED173を用いたが、これに限られず、例えば蛍光灯、白熱電球、有機EL等の他の発光素子を用いてもよい。この場合であっても、本発明を適用することができる。但し、設置スペース、消費電力等の観点に着目すれば、LED173を用いる構成の方が優れている。
(3)上記各実施形態では、各駆動IC191,192,203の制御対象は複数のLED173及び当選告知用LED37であったが、これに限られず、例えば遊技盤20に複数の電動の演出用可動役物を設けた場合に当該演出用可動役物を制御対象として設定してもよい。要は、複数の同種の電動装置(素子)であれば、複数の駆動ICによる制御対象となるものは任意である。
(4)上記各実施形態では、LED駆動データSDの書き込み処理を行う場合にのみクロック信号SG1を出力する構成としたが、これに限られず、電源投入されることに基づいて絶えずクロック信号SG1を出力する構成としてもよい。この場合であっても、データ書き込み信号SG2が立ち上がらない限り、各LED173の駆動態様は変更されない。なお、上記構成の場合、LED駆動データSDは「1」(又は「0」)を出力し続ける構成とするとよい。これにより、各データ領域D0〜D16の初期化を行うことができる。
(5)上記各実施形態では、各駆動IC191,192におけるOUT端子のうち6ピンをLED173の点灯に用いたが、これに限られず、例えば8ピン全部を用いてもよく、任意である。但し、駆動ICに流れ込む総電流値及び局所的な発熱等を鑑みれば、6ピンが好ましい。
(6)上記各実施形態では、当選告知演出を行わない場合の通常LED駆動データSDaと、当選告知演出を行う場合の特定LED駆動データSDbとで、設定されている情報量がことなるように設定されていたが、これに限られず、同一に設定されている構成としてもよい。具体的には、当選告知演出を行わない場合においてOUT16端子からHI信号が出力されるように、通常LED駆動データSDaに対して「1」の情報を付加してもよい。但し、処理負荷の軽減及びLED駆動データSDの伝送期間の短縮化を鑑みれば、当選告知用LED37に対応しない通常LED駆動データSDaと当選告知用LED37に対応した特定LED駆動データSDbとを設定する構成の方が優れている。
(7)上記各実施形態では、p型MOSFET211とOUT16端子とを接続する配線上にのみ時定数回路221を設ける構成としたが、これに限られず、通常のLED173と駆動ICとを接続する配線上に時定数回路221を設ける構成としてもよい。但し、誤動作が目立ちにくい点、構成の複雑化及び設置スペース等の観点に着目すれば、当選告知用LED37のような遊技における重要要素のLEDに対応する配線上にのみ時定数回路221を設ける構成の方がよい。
(8)上記各実施形態では、OUT16端子から出力されるLOW信号を所定の期間(複数の処理回分の期間)だけ遅延させる時定数回路221を設けたが、これに限られず、例えば時定数回路221に代えて、立ち上がり又は立ち下がりをカウントするカウント回路を設ける構成としてもよい。この場合、当選告知演出を行う状況において音声発光制御処理が行われる度にOUT16端子から所定のパルス信号が出力される構成とするとともに、カウント回路は、予め定められた特定回数だけカウントした場合にp型MOSFET211のゲートに対してLOW信号を出力する構成とするとよい。係る構成であっても、ノイズによるp型MOSFET211の誤動作を抑制することができ、当選告知用LED37の誤動作を抑制することができる。但し、高周波ノイズ除去の観点及び構成の簡素化の観点に着目すれば、時定数回路221を設ける構成の方が優れている。
(9)上記各実施形態によれば、高周波ノイズを除去する時定数回路221として抵抗222とコンデンサ223とが並列接続された回路を設けたが、これに限られず、例えばオペアンプを用いた構成でもよい。この場合、帰還抵抗を介してネガティブフィードバックさせるとともに、当該帰還抵抗に対して並列にコンデンサを設けるとよい。要は、予め定められた特定範囲の周波数の信号のみを透過し、その他の周波数の信号を遮断する機能を有するものであればよく、当選告知用LED37を駆動させる駆動信号は上記特定範囲内に設定されていればよい。
(10)上記各実施形態では、立ち上げ処理において各許可信号SG3,SG4をHIとしたが、これに限られず、例えば立ち上げ処理において各許可信号SG3,SG4をLOWとしてもよい。この場合、各LED173が発光するように設定されたLED駆動データSDを伝送し、各LED173を発光させる処理を実行してもよい。これにより、各LED173が正常に発光するか否かを確認することができる。
(11)上記各実施形態において、LED173の正常な発光が行われているか否かを判断する電流検知センサを設け、当該電流検知センサによる検知結果が音声ランプ制御基板110の入力ポート114を介してサブCPU111に対して入力されるようにしてもよい。この場合、サブCPU111は検知結果に基づいてLED173の異常の有無を判定し、異常がある場合には表示画面Gにその旨の報知が行われるように表示制御装置100に対してコマンドを送信する処理を実行するとよい。これにより、LED173の異常の検査を容易に行うことができる。
(12)上記各実施形態では、各データ領域D0〜D16の情報は初期化されることなく、順次更新される構成としたが、これに限られず、例えばLED駆動データSDの書き込み処理が行われることに基づいて、各駆動IC191,192,203においてデータ領域D0〜D16の初期化処理を実行する構成としてもよい。なお、初期化処理の実行タイミングはデータ書き込み信号SG2が立ち上がった後でもよく、任意である。
(13)上記各実施形態では、第1許可信号SG3及び第2許可信号SG4を個別に出力する構成とし、第1許可信号SG3によって発光頻度が比較的高いLED173を制御し、第2許可信号SG4によって発光頻度が比較的低い当選告知用LED37を制御する構成としたが、これに限られず、例えば第1演出に対応したLEDを制御するのに第1許可信号SG3を用いるとともに、第1演出とは演出内容が異なる第2演出に対応したLEDを制御するのに第2許可信号SG4を用いる構成としてもよい。さらに、各種異常報知を行う場合のLEDと、演出用のLEDと、が異なる構成である場合には、両者に対応させて第1許可信号SG3及び第2許可信号SG4を設定する構成としてもよい。
(14)上記各実施形態では、電圧印加回路202は、第2許可信号SG4がLOWである場合に当選告知用LED37に対して電圧を印加可能となったが、これに限られず、第2許可信号SG4によらずOUT16端子からの出力のみで制御される構成としてもよい。但し、ノイズによる誤動作及び当選告知用LED37の迅速な発光停止を行うことができる観点に着目すれば、第2許可信号SG4によって制御可能な構成の方がよい。
(15)上記各実施形態において、LED基板91に新たにOR回路を設け、当該OR回路の出力に基づいてp型MOSFET211のゲートに入力される電圧が決まる構成としてもよい。具体的には、OUT16端子からの配線を二股にするとともに、当該二股の配線をそれぞれOR回路の入力端子に接続する。そして、OR回路の出力端子とp型MOSFET211のゲートとを接続する。この場合、二股の配線のうち、一方の配線にのみ時定数回路221を設ける構成とする。係る構成によれば、OUT16端子からLOW信号が出力された場合には、OR回路の一方の入力端子には直ちにLOWが入力される一方、時定数回路221が設けられている側の配線からのLOW信号の入力は遅延される。これにより、OUT16端子からの出力が所定の期間が経過した後に、p型MOSFET211のゲートに対してLOWが出力されるため、ノイズ等の影響を受けにくくなっている。
これに対して、OUT16端子からの信号がLOWからHIに切り換わると、当該切り換わりによってOR回路の一方の入力端子にHIが入力され、直ちにp型MOSFET211のゲートに対してHIが入力されることとなる。これにより、当選告知用LED37の迅速な発光停止を行うことができる。
(16)上記各実施形態では、各許可信号SG3,SG4がLOWである場合に各駆動IC191,192,203が動作するいわゆるローアクティブ型であったが、これに限られず、例えばハイアクティブ型であってもよい。この場合、各バス及び配線をプルアップからプルダウンに切り換える。但し、ノイズマージンの大きさに着目すれば、ローアクティブ型の方が好ましい。
また、LED173は各OUT端子からの出力が「0」の場合に発光する構成としたが、これに限られず、各OUT端子からの出力が「1」の場合に発光する構成としてもよい。
(17)上記各実施形態では、電圧印加回路202を設けたが、これに限られず、例えば直接第3駆動IC203と当選告知用LED37とを接続する構成としてもよい。但し、この場合、第2許可信号SG4がHIになった場合に直ちに当選告知用LED37の発光を停止することができないとともに、第3駆動IC203が破壊するおそれがある。これらの点を鑑みれば、電圧印加回路202が設けられている構成の方が優れている。
(18)上記各実施形態では、OUT16端子からの出力がLOWである場合に、電圧印加回路202が当選告知用LED37に対して駆動電圧を印加する構成としたが、これに限られず、例えばOUT16端子からの出力がHIである場合に、電圧印加回路202が当選告知用LED37に対して駆動電圧を印加する構成としてもよい。この場合、p型MOSFET211に代えてn型のMOSFETを設けるとともに、当該n型のMOSFETのゲート電圧をプルダウンする。但し、ノイズマージンの大きさに着目すれば、OUT0端子からの出力がLOWである場合に、電圧印加回路202が当選告知用LED37に対して駆動電圧を印加する構成の方が優れている。
(19)上記各実施形態では、LED基板91と音声ランプ制御装置90とが接続されており、当選告知用LED37等は音声ランプ制御装置90によって制御される構成としたが、これに限られず、例えば主制御装置60が当選告知用LED37を制御する構成としてもよい。
(20)上記各実施形態では、大当たり当選の場合の遊技回において当選告知用LED37が発光する構成としたが、これに限られず、例えば高確率モード中又は高頻度サポートモード中に発光する構成としてもよい。
(21)上記各実施形態において、当選告知用LED37が発光する場合に、スピーカ部55において予め定められた特定音声を出力する構成としてもよい。これにより、当選告知演出を派手にすることができ、当該当選告知演出への注目度を高めることができる。この場合、音声ランプ制御装置90がスピーカ部55及び当選告知用LED37の制御を行う構成であるため、両者の関連付けを容易に行うことができる。
(22)上記各実施形態では、クロック信号SG1の立ち上がりに同期してデータ領域D0〜D7等の更新が行われ、クロック信号SG1の立ち下がりに同期してアウトデータ領域DAのデータの出力が行われる構成としたが、これに限られず、クロック信号SG1の立ち下がりに同期してデータ領域D0〜D7等の更新が行われ、クロック信号SG1の立ち上がりに同期してアウトデータ領域DAのデータの出力が行われる構成としてもよい。
また、同期を取る信号として定期的に出力されるクロック信号SG1を用いたが、これに限られず、例えばパルス幅が異なる複数のパルス信号を1単位とするパルス信号群を所定の周期で出力するパルス信号出力手段を設け、当該パルス信号群を用いて同期を取る構成としてもよい。要は、所定の立ち上がりと次の立ち上がりとの間に立ち下がりが発生する信号であれば、立ち上がり間の間隔及び/又は立ち下がり間の間隔が変動してもよく、立ち上がりと立ち下がりとの間隔が変動してもよい。
(23)上記各実施形態では、LED駆動データSDの書き込みが開始されてからクロック信号SG1の出力が開始されるように構成されていたが、これに限られず、クロック信号SG1が出力されてからLED駆動データSDの書き込みが行われるように構成されていてもよい。詳細には、ステップS908及びステップS1011の処理を省略してもよい。この場合、クロック信号SG1がONとなってから、所定の期間(詳細にはLED駆動データSDがデータレジスタに書き込まれるのに要する期間)が経過した後に各駆動IC191,192,203に対してクロック信号SG1が入力されるように当該クロック信号SG1を遅延させる遅延回路を設けてもよい。これにより、ステップS908及びステップS1011の処理を省略した場合であっても、不定情報が伝送されることを抑制することができる。
(24)上記各実施形態において、クロック信号用レジスタ143に代えて、専用のクロック信号出力回路を音声ランプ制御基板110に別途搭載する構成としてもよい。この場合、サブCPU111は、クロック信号出力回路から出力されるクロック信号がLED基板91に対して伝送されるのを許可又は禁止するように構成されているとよい。
(25)上記各実施形態において、遊技が行われている状況において常時クロック信号SG1を出力させる構成としてもよい。但し、誤動作の観点に着目すれば、必要な場合にクロック信号SG1の出力をONとする構成の方がよい。
(26)当選告知用LED37を発光させる前段階において、予めコンデンサ223の放電を行う構成としてもよい。これにより、ノイズを除去するために時定数回路221を設けたことによって生じ得る当選告知用LED37の発光タイミングの遅延を抑制することができる。但し、当選告知用LED37の誤動作抑制の観点に着目すれば、第1実施形態等のほうが優れている。
なお、当選告知用LED37を発光させる前段階としては、例えば変動開始処理が実行されるタイミング、大当たり当選が特定されたタイミング、当選告知演出に当選したタイミング等が考えられる。また、作動口23,24に遊技球が入球したことに基づいて、当該入球に係る変動開始処理が行われるタイミングよりも前のタイミングにおいて当否判定を行う先特定処理を実行する機能を備えている遊技機においては、当該先特定処理による当否判定が行われるタイミング、当該当否判定により大当たりであると判定したタイミング等をコンデンサ223の放電開始タイミングとして設定する構成が考えられる。
また、例えば一方の入力端子が時定数回路221の出力に接続され、他方の入力端子がOUT17端子に接続されているとともに、出力端子がp型MOSFET211のゲートに接続されたOR回路を設けてもよい。この場合、当選告知用LED37の発光タイミングよりも前の事前タイミングでOUT16端子から出力される信号がHI信号からLOW信号に切り換わり、上記発光タイミングにてOUT17端子から出力される信号がHI信号からLOW信号に切り換わるように第3駆動IC203を制御するとよい。これにより、当選告知用LED37の発光タイミングを好適に制御することができる。この場合、事前タイミングと発光タイミングとの間の期間は、コンデンサ223の放電に要する期間よりも長く設定されているとよい。
(27)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作される又は所定期間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.複数の素子(LED173)と、
前記複数の素子を個別に駆動させる素子駆動手段(LED駆動部172)と、
前記素子駆動手段と配線を介して接続され、当該配線を介して所定の駆動データを前記素子駆動手段に対して出力することにより、各素子を個別制御する素子制御手段(サブCPU111)と、
を備え、
前記素子駆動手段は、前記配線を介して前記素子制御手段から前記駆動データが入力された場合に当該駆動データに対応した態様で各素子を個別に駆動させる遊技機において、
前記素子駆動手段は、互いに直列に接続された複数の駆動部(駆動IC191,192,203)を備え、
前記複数の駆動部には、前記複数の素子が割り振られた状態で接続されており、
前記素子駆動手段は、前記素子制御手段から前記駆動データが入力されている状況において予め定められた更新タイミングとなる度に前記複数の駆動部間で前記駆動データを順次伝送することで、各素子の態様を順次設定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、複数の駆動部間で駆動データの伝送を行うことで、各素子の駆動状態が設定される。これにより、各駆動部それぞれに対して駆動データを伝送する必要がないため、素子駆動手段と素子制御手段とを接続する配線を削減することができる。この場合、配線が占めるスペースを小さくすることができるため、配線に周囲のノイズが入らないように当該配線の位置を調整したり、コーティング処理を施したりすることが容易となる。よって、各素子のノイズによる誤動作を抑制し得る。
以上のことから、構成の簡素化を図りつつ、各素子の駆動を好適に行うことができる。
また、素子を新たに設ける場合には、素子とそれに対応した駆動部を更に直列に設ければよく、既存の駆動部に対する設計変更が少なくて済む。これにより、素子の追加等に容易に対応することができる。
特徴A2.前記複数の駆動部はそれぞれ、
前記駆動データが入力されるデータ入力部(DATAIN端子)と、
前記駆動データが出力されるデータ出力部(DATAOUT端子)と、
を備え、
各駆動部を直列に接続する直列接続用配線(第1駆動IC191のDATAOUT端子と第2駆動IC192のDATAIN端子とを接続する配線、第2駆動IC192のDATAOUT端子と第3駆動IC203のDATAIN端子とを接続する配線)が設けられており、
当該直列接続用配線が前記複数の駆動部のうち所定の駆動部におけるデータ出力部と他の所定の駆動部におけるデータ入力部とを接続することにより、前記複数の駆動部の直列接続がなされており、
前記直列接続用配線がデータ入力部に接続されていない駆動部のデータ入力部には、前記素子制御手段からの配線が接続されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、所定の駆動部のデータ出力部と他の所定の駆動部のデータ入力部とが直列接続用配線によって接続されており、直列接続用配線がデータ入力部に接続されていない駆動部のデータ入力部に素子制御手段が接続されている。これにより、素子制御手段から特定駆動部に対して入力される駆動データを、当該特定駆動部から各駆動部に順次伝送することができる。
なお、「直列接続用配線がデータ入力部に接続されていない駆動部」は、具体的には、直列接続されている複数の駆動部のうち、駆動データの伝送経路において最上流に配置されている駆動部である。
特徴A3.前記駆動部は、
予め定められた取得タイミングとなる度に前記駆動データを取得するとともに、当該取得された駆動データを予め定められた記憶領域(データ領域D0〜D16)に設定する駆動データ取得部(更新回路191a,192a等)と、
予め定められた送信タイミングとなる度に前記記憶領域に記憶されている駆動データを送信する駆動データ送信部(更新回路191a,192a等)と、
を備え、
前記取得タイミングと前記送信タイミングとが異なるように設定されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、取得タイミングとなる度に駆動データを取得し、当該取得された駆動データを記憶領域に記憶し、送信タイミングとなる度に記憶領域に記憶されている駆動データを出力する。これにより、バケツリレーのように駆動データが複数の駆動部間で順次伝送されることとなる。
かかる構成において、仮に取得タイミングと送信タイミングとが同時の場合、既に記憶領域に記憶されている駆動データが送信されるのか、駆動データ取得部によって新たに取得された駆動データが送信されるのか不明となり、駆動データの伝送が不安定となる。このため、駆動データが正しく伝送されないおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、送信タイミングと取得タイミングとが異なっているため、記憶領域に記憶されている駆動データが安定している状態で当該駆動データの伝送が行われる。これにより、上記のような駆動データの伝送エラーを抑制することができ、当該伝送エラーによる素子の誤動作を抑制し得る。
特徴A4.前記取得タイミングは所定の周期となるように設定されており、
前記取得タイミングと前記送信タイミングとのズレは、前記所定の周期よりも小さく設定されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、所定の周期で駆動データが順次取得される。この場合、取得タイミングと送信タイミングとのズレが駆動データの取得間隔よりも小さく設定されているため、取得と出力とが交互に行われる。これにより、例えば同一データを重複して取得するといった不都合を回避することができる。よって、取得タイミングと送信タイミングとをずらすことによって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴A5.HIレベル信号とLOWレベル信号とが交互に切り換わる特定信号を出力する特定信号出力手段(サブCPU111においてクロック信号SG1を出力する機能)を備え、
前記駆動データ取得部は、前記特定信号が予め定められた第1形態となることに基づいて前記駆動データを取得するとともに、当該取得された駆動データを予め定められた記憶領域に設定するものであり、
前記駆動データ送信部は、前記特定信号が前記第1形態と異なる第2形態となることに基づいて前記駆動データを出力するものであることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、特定信号が第1形態となることに基づいて、駆動データの送信が行われ、特定信号が第2形態となることに基づいて、駆動データの取得が行われる。当該第1形態と第2形態とは互いにその形態が異なっているため、取得タイミングと送信タイミングとが異なることとなる。これにより、同一の特定信号を用いて取得タイミングと送信タイミングとを異ならせることが可能となる。
ここで、例えば駆動データ取得部及び駆動データ送信部がそれぞれ異なる特定信号で動作する構成の場合、一方の特定信号の遅延等の理由により、送信タイミングと取得タイミングとが同期するおそれがある。これに対して、本特徴によれば、同一の特定信号を用いているため、仮に特定信号が遅延した場合であっても、送信タイミングと取得タイミングとの間には所定の間隔が確保される。これにより、特定信号の遅延等によって駆動データの送信と受信とが同期してしまう不都合を回避することができる。
特徴A6.前記特定信号出力手段は、前記特定信号として所定の周期でクロック信号を出力するクロック手段であり、
前記駆動データ取得部は、前記クロック信号が前記第1形態となることに基づいて前記駆動データを取得するとともに、当該取得された駆動データを予め定められた記憶領域に設定するものであり、
前記駆動データ送信部は、前記クロック信号が前記第2形態となることに基づいて前記駆動データを出力するものであることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、特定信号としてクロック信号を用いることにより、特徴A5の効果を得ることができる。
特徴A7.前記第1形態は前記クロック信号の立ち上がり及び立ち下がりのうちいずれか一方であり、
前記第2形態は前記クロック信号の他方であることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、クロック信号のデューティー比を調整することで、駆動データの送信タイミングと取得タイミングとの間隔を調整することができる。これにより、駆動データの伝送エラーが生じにくい間隔に調整する調整作業を容易に行うことができる。
特徴A8.前記クロック手段は、前記複数の駆動部に対してそれぞれ並列で接続されており、各駆動部に対して前記クロック信号を同時に出力しているものであることを特徴とする特徴A6又は特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、クロック手段は各駆動部に対して並列に接続されているとともに、クロック信号が各駆動部に対してそれぞれ出力されているため、クロック信号を各駆動部間に直列で伝送する構成と比較して、各駆動部間でのクロック信号のずれが生じにくい。これにより、各駆動部において駆動データの送信タイミング又は取得タイミングがずれることに起因する起動データの伝送エラーを抑制し得る。
特徴A9.前記クロック手段は、前記素子駆動手段に対して前記駆動データが入力されていない場合には、各駆動部に対する前記クロック信号の出力を停止するものであることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、素子駆動手段に対して駆動データが入力されていない状況では、各駆動部に対してクロック信号が入力されない。これにより、各駆動部はデータの伝送を行わないため、誤ってデータ伝送が行われ、素子が誤動作する不都合を回避することができる。
特徴A10.前記駆動データの伝送が完了したか否かを判定する判定手段(音声ランプ制御装置90においてステップS911の処理を実行する機能)と、
前記判定手段により前記駆動データの伝送が完了したと判定された場合に、各駆動部に対して駆動開始信号を出力する駆動開始信号出力手段(音声ランプ制御装置90においてステップS912の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動部は、前記駆動開始信号が入力されることに基づいて、前記駆動データに対応した態様で各素子の駆動させるものであることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、駆動データの伝送が完了したことにより駆動開始信号が出力され、各素子が駆動される。これにより、駆動データの伝送が完了する前のタイミングで駆動が開始される不都合を回避することができる。
また、駆動開始信号が入力されたことに基づいて、各素子の駆動が行われるため、各素子の駆動開始タイミングを同期させることができる。よって、駆動データを順次伝送することによって生じ得る遅延に起因して各素子の駆動開始タイミングがばらつくという不都合を抑制することができる。
なお、駆動開始信号出力手段は、各駆動部に対して並列に接続されており、各駆動部それぞれに対して前記駆動開始信号を出力する構成とするとよい。これにより、各駆動部間で駆動開始信号のずれが生じにくい。
特徴A11.前記配線は第1配線(LED駆動データSDを伝送する配線)であり、
予め定められた許可信号を出力する許可信号出力手段(サブCPU111における第1許可信号SG3及び第2許可信号SG4を出力する機能)と、
前記許可信号出力手段と各駆動部とを接続するものであって、前記第1配線とは別系統の第2配線(第1許可信号SG3及び第2許可信号SG4を伝送する配線)と、
を備え、
前記駆動部は、前記第2配線を介して前記許可信号が入力されている場合に、前記駆動データに対応した態様で各素子を駆動させる一方、前記第2配線を介して前記許可信号が入力されていない場合には、各素子を駆動させないようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、許可信号が入力されている場合に、駆動部によって各素子が駆動する一方、許可信号が入力されていない場合には各素子は駆動しない。これにより、許可信号を制御することによって、駆動させたくない素子の誤動作を抑制することができる。
かかる構成において、駆動データの伝送と許可信号の伝送とは別系統の配線で行われるため、両者のうちいずれか一方にノイズが入ったとしても、他方への影響は少なく、結果として駆動部はノイズの影響を受けにくい。これにより、ノイズによって素子が誤動作する不都合を回避することができる。
また、駆動データの伝送の際に当該駆動データに別途フラグ等の特別な情報を設定する必要がないため、駆動データの伝送の構成の簡素化を図ることができるとともに、上記特別な情報を設定することによって生じ得る伝送エラーを抑制し得る。
さらに、許可信号を駆動データとは別系統で伝送する構成とすることにより、両者が干渉することを抑制することができる。これにより、許可信号と駆動データとが干渉することによって生じ得る各素子の誤動作を抑制することができる。
特徴A12.予め定められた条件が成立したことに基づいて、特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置60におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段の判定結果が特典を付与する付与対応結果である場合には、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置60における遊技状態移行処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記素子制御手段は、前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果である場合に、前記複数の素子のうち予め定められた特定素子が予め定められた特定態様で駆動するように前記駆動データを前記素子駆動手段に対して出力するものであり、
前記許可信号出力手段は、
前記特定素子に対応した特定駆動部に対して前記許可信号を出力する第1出力手段(サブCPU111において第2許可信号SG4を出力する機能)と、
前記複数の駆動部のうち前記特定駆動部以外の駆動部に対して前記許可信号を出力する第2出力手段(サブCPU111において第1許可信号SG3を出力する機能)と、
を備えているものであることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第1出力手段と第2出力手段とが設けられおり、特定駆動部は第1出力手段から許可信号が入力されることに基づいて特定素子を駆動させる。これにより、特定素子を駆動させない場合には、第1出力手段が許可信号を出力しないように設定しつつ、第2出力手段が許可信号を出力するように設定することで、特定素子の誤動作が生じないようにしつつ、特定素子以外の素子を駆動させることができる。
特徴A13.前記素子制御手段は、
前記駆動データが記憶可能な第1記憶手段及び第2記憶手段(LED駆動用レジスタ141)と、
前記第1記憶手段及び前記第2記憶手段に対して交互に前記駆動データを書き込む書き込み処理を実行する駆動データ書き込み手段(音声ランプ制御装置90におけるステップS908の処理を実行する機能)と、
前記第1記憶手段及び前記第2記憶手段のうち前記駆動データ書き込み手段による前記書き込み処理が行われていない記憶手段に記憶されている駆動データを前記素子駆動手段に対して送信する送信手段と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、一方の記憶手段に記憶されている駆動データを素子駆動手段に対して送信している間に、他方の記憶手段において駆動データの書き込み処理が行われる。これにより、書き込み処理が完了するまで駆動データの出力を待機する必要がないため、駆動データの伝送に要する期間を短くすることができる。よって、駆動データを順次伝送することによって生じ得る伝送期間の長期間化を低減することができる。
特徴A14.前記素子制御手段は、予め定められた特定周期(音声発光制御処理の実行周期)で前記駆動データを更新する駆動データ更新手段(LED駆動データ更新処理を実行する機能)を備え、前記駆動データ更新手段により更新された駆動データを順次出力するものであり、
前記駆動データの伝送は、前記特定周期よりも短い期間で完了するように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、駆動データが予め定められた特定周期で更新されることで、各素子の駆動状態が周期的に更新される。かかる構成において、駆動データの伝送は上記特定周期よりも短い期間で完了するように設定されているため、駆動態様が駆動データの更新に追従することができる。これにより、駆動データの伝送が完了する前に駆動データが更新されることによって生じ得る各素子の誤動作を抑制することができる。
なお、特徴A3との関係によれば、「前記駆動データの伝送が前記特定周期よりも短い期間で完了するように前記取得タイミング間の間隔及び前記送信タイミング間の間隔が設定されている」とよい。
さらに、特徴A6との関係によれば、「前記駆動データの伝送が前記特定周期よりも短い期間で完了するように、前記クロック信号の周波数が設定されている」とよい。
特徴A15.前記素子には、発光することで遊技に関する報知を行う発光素子(LED173及び当選告知用LED37)が含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、発光素子によって遊技に関する報知が行われる。これにより、発光素子に遊技者の注意を惹きつけることができ、遊技への注目度を高めることができる。
ここで、発光素子に遊技者の注意が惹きつけられている状況において発光素子が誤動作すると、遊技者に誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらないおそれがある。特に、発光素子の誤動作は発光を伴うため、他の素子と比較して目立ち易い。
これに対して、特徴A3等の構成を適用することで、発光素子の誤動作を抑制することができるため、遊技者に意図したゲーム性が伝わらない不都合を回避することができる。
また、遊技への注目度を高めるためには発光素子は複数設けられている構成が好ましい。この点、特徴1の構成を適用することにより、発光素子と接続された駆動部を更に直列に追加することによって、複数の発光素子を容易に駆動させることができる。これにより、遊技への注目度を高めるための構成を容易に実現することができる。
特徴A16.予め定められた条件が成立したことに基づいて、特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置60におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段の判定結果が特典を付与する付与対応結果である場合には、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置60における遊技状態移行処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記素子制御手段は、前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果である場合に、前記複数の素子のうち予め定められた特定素子(当選告知用LED37)が予め定められた特定態様で駆動するように前記駆動データを前記素子駆動手段に対して出力するものであることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、付与対応結果である場合には特定態様で特定素子が駆動する。これにより、特定素子に遊技者の注意を惹きつけることができ、遊技への注目度を高めることができる。
ここで、特定素子の誤動作が発生すると、遊技者に誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらないおそれがある。特に、特定素子に遊技者の注意が惹きつけられている状況においては当該特定素子の誤動作が目立ち易い。これに対して、特徴A3等の構成を適用することで、特定素子の誤動作を抑制することができるため、遊技者に意図したゲーム性が伝わらない不都合を回避することができる。
なお、特徴A15との関係においては、前記特定素子は特定発光素子であるとよい。この場合、複数の素子として複数の発光素子が設けられている場合には、特定発光素子は他の発光素子と比較して光量が大きく設定されているものであるとよい。これにより、インパクトのある光を遊技者に対して視認させる光の演出を行うことができる一方、特定発光素子の誤動作が生じた場合には当該誤動作が目立ち易くなる。これに対して、特徴A3等の構成を適用することにより、遊技者に対してインパクトのある報知を行いつつ、当該インパクトの強さによって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴A17.前記特定素子は、前記複数の駆動部のうち予め定められた特定駆動部(第1乃至第5実施形態における第3駆動IC203、第6実施形態における第2駆動IC192)に対して接続されており、前記特定駆動部から所定の駆動信号が入力された場合に、前記特定態様で駆動するように形成されており、
前記特定素子と前記特定駆動部との間に設けられ、前記駆動信号に入るノイズを除去するノイズ除去手段(時定数回路221)を備えていることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、ノイズ除去手段が設けられているため、特定素子に入力される駆動信号のノイズが低減されている。これにより、駆動部から特定素子に対して出力される駆動信号に混入されるノイズによって特定素子が誤動作する不都合を回避することができる。
特徴A18.前記特定素子は、前記複数の駆動部のうち予め定められた特定駆動部(第1乃至第5実施形態における第3駆動IC203、第6実施形態における第2駆動IC192)に対して接続されており、前記特定駆動部から所定の駆動信号が入力された場合に、前記特定態様で駆動するように形成されており、
前記特定素子と前記特定駆動部との間に設けられ、前記特定駆動部から前記駆動信号が所定の期間だけ出力されていることに基づいて、前記駆動信号を前記特定素子に対して伝送する伝送手段を備えていることを特徴とする特徴A16又は特徴A17に記載の遊技機。
仮に特定素子が駆動信号の入力に伴って直ちに駆動する構成の場合、特定素子はノイズによって瞬間的に駆動するおそれがある。このため、遊技者に対して誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらないおそれがある。特に、遊技への注目度を高めるべく、特定素子を遊技者にとって見易い位置に配置する場合には、上記誤動作が目立ち易い。
これに対して、本特徴によれば、特定駆動部から駆動信号が出力されている状態が所定の期間だけ維持された場合に、特定素子に対して駆動信号が伝送し、特定素子が駆動する。これにより、ノイズの影響によって瞬間的に駆動信号に対応した信号が発生した場合であっても、特定素子は駆動しない。よって、ノイズの影響を受けにくくすることができ、上記不都合を回避することができる。
特徴A19.前記素子駆動手段は、前記複数の素子のうち予め定められた特定素子(当選告知用LED37)を駆動させる特定素子駆動手段(当選告知用回路201,601,701,801)を備え、
前記素子制御手段は、
予め定められた特定契機に基づいて、予め定められた特定駆動データ(特定LED駆動データSDb等)を出力する手段(LED駆動データSDを出力する機能)と、
前記特定契機に基づいて、前記特定駆動データとは別に予め定められた特定駆動信号(第1乃至第4実施形態においてn型MOSFET212のゲートに入力される第2許可信号SG4、第5実施形態においてn型MOSFET212のゲートに入力される第2許可信号SG4及び放電制御信号SG5、第6実施形態におけるスイッチング信号SG6)を出力する手段(第2許可信号SG4、放電制御信号SG5、スイッチング信号SG6等を出力する機能)と、
を備え、
前記特定素子駆動手段は、前記特定駆動データが入力され且つ前記特定駆動信号が入力された場合に前記特定素子を予め定められた特定態様で動作させるものであることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A19によれば、特定素子駆動手段に対して特定駆動データと特定駆動信号とが別系統で入力されることにより、特定素子が特定態様で動作する。これにより、仮に各駆動部間において特定駆動データの伝送を行うことに起因して特定駆動データにエラーが生じた場合であっても特定素子が誤動作しにくい。よって、各駆動部間で特定駆動データの伝送を行う構成において、特定素子の誤動作を好適に抑制することが可能となる。
上記特徴A群は以下の課題に対して効果的である。
例えばパチンコ機等の遊技機には、表示画面を有する図柄表示装置を備えたものがある。例えば、パチンコ機における表示画面上では、遊技領域に備えられた作動口を遊技球が通過することを条件として図柄を変動表示し遊技の興趣を高める演出を行う、又は、所定条件成立時に特定図柄を停止表示し、大当たり等の遊技者に有利な特別遊技状態の教示を行うものがある。遊技の興趣を高める演出として、例えば、大当たりと密接に関連し、遊技者に大当たりへの期待度を高めるようなリーチ演出がある。また、近年では、遊技の興趣を一層高めるべく、遊技回毎に変動表示される図柄に加えて演出用のキャラクタ等を表示しこのキャラクタを用いてリーチ演出を行う、或いは表示画面上に表示する図柄数を増加させる等の工夫が行われており、表示演出が多様化しつつある。
ここで、遊技の興趣を高めるものとして、図柄表示装置とは別に、例えば発光素子、電動の可動素子等の各種遊技で用いられる素子が複数設けられているとともに、当該素子を駆動させる素子駆動手段としての駆動回路が搭載されている。駆動回路は遊技に関する制御を行う制御装置と例えば配線等を介して接続されており、当該制御装置から制御信号が入力された場合に、対応する素子を駆動するように構成されている。
かかる構成において、例えば遊技の興趣を高めるべく素子を複数設けると、例えば配線の接続構成が複雑になるといった構成の複雑化が懸念される。また、駆動回路に対してノイズが入ると、素子が誤動作する場合がある。
上記課題は、複数の素子及び各素子を駆動させる素子駆動手段を備えた遊技機に共通する課題である。
ちなみに、上記特徴A1〜A19のいずれか1の構成に対して、下記特徴B1〜B17、下記特徴C1〜C17、下記特徴D1〜D13のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴B群>
特徴B1.発光することで遊技に関する報知を行う発光素子(LED173)と、
遊技の状況に応じてあらかじめ定められた駆動信号を出力する駆動信号出力手段(第1乃至第4実施形態における駆動IC191,192,203、第5実施形態における駆動IC191,192,203及び放電制御信号SG5を出力する機能)と、
前記駆動信号出力手段から前記駆動信号が出力されている場合に前記発光素子を発光させる駆動手段(電圧印加回路202)と、
前記駆動信号に混入されるノイズを除去するノイズ除去手段(時定数回路221)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技の状況に応じて発光素子を発光させることで、遊技の状況を把握することができる。これにより、発光素子に遊技者の注意を惹きつけることができ、遊技への注目度を高めることができる。
かかる構成において、仮に駆動信号にノイズが混入している場合、当該ノイズによって発光素子が瞬間的に発光するおそれがある。このため、遊技者に対して誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらないおそれがある。特に、遊技への注目度を高めるべく、発光素子を遊技者にとって見易い位置に配置するとともに発光素子の光量を高く設定した場合には、上記誤動作による発光が目立ち易い。
これに対して、本特徴によれば、ノイズ除去手段が設けられているため、発光素子に入力される駆動信号のノイズが低減されている。これにより、駆動手段から発光素子に対して出力される駆動信号に混入されるノイズによって発光素子が誤動作する不都合を回避することができる。
以上のことから、発光素子の駆動を好適に行うことができる。
特徴B2.前記駆動信号出力手段と前記駆動手段とを接続するとともに、前記駆動信号を伝送する配線(OUT16端子とp型MOSFET211とを接続する配線)を備え、
前記ノイズ除去手段は、前記配線上に設けられ、所定範囲の周波数の信号の伝送を規制する規制手段を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、規制手段によって所定範囲の周波数の信号の伝送が規制される。これにより、所定の範囲の周波数を有するノイズを駆動信号から除去することができる。
特徴B3.前記規制手段は、前記配線上に設けられた抵抗と、当該抵抗に対して並列に接続されたコンデンサと、を有する特定回路を備えていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、特定回路が設けられているため、特定の周波数よりも高周波の信号の伝送が当該特定回路によって規制され、特定の周波数よりも低周波の信号が特定回路を介して伝送される。当該特定の周波数は、コンデンサの電気容量及び抵抗の抵抗値に基づいて決定される。これにより、コンデンサの電気容量及び抵抗の抵抗値を調整することで除去対象のノイズの周波数に合わせて特定周波数を設定することによって、ノイズを好適に除去することができる。
特徴B4.前記特定回路は、前記駆動信号が所定の期間だけ出力されていることに基づいて、当該駆動信号又はそれに対応した信号を前記駆動手段に対して出力するものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
仮に駆動手段が駆動信号の出力に伴って直ちに発光素子を発光させる構成の場合、発光素子はノイズによって瞬間的に発光するおそれがある。このため、遊技者に対して誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらないおそれがある。特に、遊技への注目度を高めるべく、発光素子を遊技者にとって見易い位置に配置したり、発光素子の光量を高く設定している場合には、上記誤動作による発光が目立ち易い。
これに対して、本特徴によれば、駆動信号が出力されている状態が所定の期間だけ維持された場合に、発光素子の発光が行われる。これにより、ノイズの影響によって瞬間的に駆動信号に対応した信号が発生した場合であっても、駆動手段は駆動しない。よって、ノイズの影響を受けにくくすることができ、発光素子の誤動作を抑制することができ、上記不都合を回避することができる。
特徴B5.予め定められた特定周期で実行される定期処理にて所定の駆動データを更新する駆動データ更新手段(LED駆動データ更新処理を実行する機能)を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記駆動データに基づいて前記駆動信号を出力するものであり、
前記所定の期間は前記特定周期よりも長く設定されていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、駆動データ更新手段から出力される駆動データに基づいて駆動信号が出力され、発光素子が発光することとなる。当該駆動データは特定周期毎に行われる定期処理にて更新される。この場合、駆動データを更新することにより、例えば発光素子を所定の周期で点滅させる演出を行うことができる。
かかる構成において、駆動信号の出力期間が特定周期よりも長い場合に駆動手段が動作し、発光素子が発光する。これにより、仮にノイズの影響によって駆動データの更新の際にエラーが生じた場合であっても、当該エラーが複数回に亘って生じない限り発光素子は発光しない。これにより、駆動データの更新の際に生じ得るエラー又は駆動データに基づいて駆動信号を出力する際に生じ得るエラーによって発光素子が誤動作することを抑制することができる。よって、駆動データの更新を行うことで発光素子の制御を好適に行いつつ、それによって生じ得るエラーに起因する発光素子の誤動作を抑制することができる。
なお、本特徴の具体的な構成としては、「前記所定の期間が前記特定周期よりも長くなるように前記コンデンサの電気容量及び抵抗の抵抗値が設定されている」ことが考えられる。
特徴B6.前記駆動信号出力手段は、前記駆動信号として第1駆動信号(第5実施形態における放電制御信号SG5のLOW信号)と、第2駆動信号(第5実施形態におけるOUT16端子から出力されるLOW信号)とを出力するものであり、
前記ノイズ除去手段は、所定の期間に亘って前記駆動信号出力手段から前記第1駆動信号が出力された場合に、当該第1駆動信号を出力するものであり、
前記ノイズ除去手段から前記第1駆動信号が入力され且つ前記駆動信号出力手段から前記第2駆動信号が入力されている場合には前記発光素子が発光するように前記駆動手段を制御する一方、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号のいずれかが入力されていない場合には前記発光素子を発光しないように前記駆動手段を制御する駆動制御手段(OR回路602)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第1駆動信号と第2駆動信号とが別系統で入力される構成において、各駆動信号が駆動制御手段に入力されている場合に発光素子が発光する一方、いずれか一方が入力されていない場合には発光素子の発光が停止する。これにより、第1駆動信号の態様に関わらず、第2駆動信号の出力を停止させることにより発光素子を直ちに停止させることができる。よって、発光素子の発光の停止を好適に行うことができる。
また、各駆動信号が駆動制御手段に入力されている場合にのみ発光素子が発光するため、第1駆動信号が所定の期間分だけ出力されたことに基づいて、発光素子が発光することとなる。これにより、ノイズの影響によって瞬間的に第1駆動信号に対応した信号が発生した場合であっても、駆動手段は駆動しない。よって、ノイズの影響を受けにくくすることができ、発光素子の誤動作を抑制することができる。
特徴B7.前記駆動信号出力手段は、予め定められた発光開始タイミングに対して少なくとも前記所定の期間だけ前のタイミングにて前記第1駆動信号を出力し、前記発光開始タイミングにて前記第2駆動信号を出力するものであることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、発光開始タイミングよりも前のタイミングにて予め第1駆動信号を出力させることにより、発光開始タイミングにて発光素子を発光させることができる。これにより、内部的に予め定められた発光開始タイミングと実際に発光するタイミングとの間にタイムラグが発生しないようにすることができ、発光素子の発光タイミングの制御を好適に行うことができる。
特徴B8.予め定められた条件が成立した場合に、特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置60におけるステップS401の処理を実行する機能、及び第5実施形態におけるステップS1302の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段の判定結果が特典を付与する付与対応結果である場合には、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置60における遊技状態移行処理を実行する機能等)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われた後に、前記付与判定手段の判定結果に対応した遊技動作が行われるようにする遊技動作実行手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われた場合に、前記第1駆動信号の出力を開始し得るものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、付与判定手段による付与判定が行われた場合に第1駆動信号の出力が開始され得る。これにより、当該付与判定に係る遊技動作が行われる前段階にて第1駆動信号の出力を開始することができる。よって、上記付与判定に係る遊技動作において発光素子を発光させる場合に、所定の期間に起因するタイムラグを低減することができる。
なお、「前記駆動信号出力手段は、前記付与判定手段により前記付与対応結果と判定された場合に、前記第1駆動信号の出力を開始するものである」とよい。これにより、付与対応結果に係る遊技動作において発光素子が発光し得るため、発光素子への注目度をより好適に高めることができる。
特徴B9.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS105の処理にて保留情報を取得する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS105の処理にて保留情報を保留用エリアREに記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(第5実施形態において主制御装置60のMPU62の保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記先特定手段による特定が行われた場合に前記第1駆動信号の出力を開始し得るものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B9によれば、所定の特別情報についての付与判定の結果が、当該特別情報が付与判定の対象となる前のタイミングにて特定される構成において、上記所定の特別情報についての上記特定が行われた場合に第1駆動信号の出力が開始され得る。これにより、上記所定の特別情報に係る遊技回が開始されるタイミングよりも前のタイミングにて上記所定の期間のカウントを開始させることができる。よって、発光開始タイミングとして上記所定の特別情報に係る遊技回の開始タイミング等を設定することが可能となり、発光素子の発光タイミングの自由度を高めることができる。
また、本特徴の具体的な構成としては、例えば「前記駆動信号出力手段は、前記先特定手段による特定が行われたタイミングにて前記第1駆動信号の出力を開始し得るものであり、さらに前記発光開始タイミングとして、前記先特定手段による前記特定が行われてから少なくとも前記所定の期間が経過したタイミングにて、前記第2駆動信号を出力し得るものである」構成が考えられる。
この場合、「前記先特定手段による特定が行われたタイミングから前記所定の特別情報に係る遊技回が開始されるタイミングまでの信号継続期間を把握する手段と、前記所定の特別情報に係る遊技回が開始される場合に、前記信号継続期間が前記所定の期間よりも短いか否かを判定する手段と、を備え、前記駆動信号出力手段は、前記信号継続期間が前記所定の期間よりも短いと判定された場合には、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号の少なくとも一方を出力しないものである」とよい。これにより、所定の保留情報に係る遊技回にて発光素子を発光させる場合に、上記所定の期間に基づくタイムラグが生じ得る場合には発光素子の発光自体が行われない。よって、上記タイムラグによる違和感を遊技者に与えることを抑制することができる。
なお、「前記駆動信号出力手段は、前記先特定手段による特定結果が前記付与対応結果に対応した結果である場合に前記第1駆動信号の出力を開始するものである」とよい。これにより、付与対応結果に係る遊技回において発光素子を発光させることができるため、発光素子への注目度をより好適に高めることができる。
特徴B10.前記遊技回制御手段は、前記遊技回が開始される場合に、前記発光素子を発光させるか否かの抽選を行う発光抽選手段(音声ランプ制御装置90のサブCPU111におけるステップS1403の処理を実行する機能)を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記発光抽選手段による抽選結果が前記発光素子を発光させないことに対応したものである場合には、前記第1駆動信号の出力を停止するものであることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、遊技回が開始される場合に発光素子を発光させるか否かの抽選を行い、当該抽選に外れた場合には第1駆動信号の出力を停止するため、当該遊技回中に発光素子が発光する事態を避けることができる。
特徴B11.前記駆動信号出力手段は、前記発光開始タイミングから予め定められた特定期間(当選告知演出が行われている期間)が経過するまで、前記第1駆動信号の出力を維持するものであることを特徴とする特徴B7乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B11によれば、特定期間においては第1駆動信号の出力は維持されているため、第2駆動信号を制御することにより、上記所定の期間を考慮することなく発光素子の制御を行うことができる。これにより、発光素子の制御を好適に行うことができる。
特徴B12.前記駆動信号出力手段は、前記特定期間において前記発光素子が点滅するように前記第2駆動信号を制御する手段(サブCPU111のステップS1507の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
特徴B12によれば、特定期間において発光素子が点滅する演出を行うことができ、当該演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
ここで、仮に駆動信号が第1駆動信号のみだと仮定すると、上記所定の期間と点滅の周期との関係によっては、第1駆動信号の制御が発光素子の点滅に追従することができない場合が生じ得る。
これに対して、本特徴によれば、上記所定の期間を待つことなく伝送される第2駆動信号を制御することで発光素子の制御を行う構成となっているため、上記不都合を回避することができる。
特徴B13.予め定められた特定周期で実行される定期処理にて所定の駆動データを更新する駆動データ更新手段(LED駆動データ更新処理を実行する機能)を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記駆動データに基づいて前記第1駆動信号を出力する一方、前記駆動データとは別に前記第2駆動信号を出力するものであることを特徴とする特徴B6乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B13によれば、駆動データ更新手段から出力される駆動データに基づいて第1駆動信号が出力されることで、発光素子を発光させることができる。当該駆動データは特定周期毎に行われる定期処理にて更新される。この場合、駆動データを更新することにより、例えば発光素子を所定の周期で点滅させる演出を行うことができる。
かかる構成において、第2駆動信号は上記駆動データとは別に出力される。これにより、駆動データを更新することなく第2駆動信号を制御することができる。よって、第2駆動信号の制御の容易化を図ることができるともに、第2駆動信号の出力タイミングが不規則である場合であっても、当該不規則に好適に対応することができる。
特徴B14.予め定められた許可信号(第2許可信号SG4)を前記駆動信号出力手段及び前記駆動手段に対して出力する許可信号出力手段(サブCPU111において第2許可信号SG4を出力する機能)を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記許可信号出力手段から前記許可信号が入力されることに基づいて、前記駆動信号を出力不可又は困難な状態から前記駆動信号を出力可能な状態に移行するものであり、
前記駆動手段は、前記許可信号出力手段から前記許可信号が入力されており且つ前記駆動信号出力手段から前記駆動信号が入力されている場合に、前記発光素子を駆動させるものであり、
前記許可信号出力手段は、前記発光素子を発光させない場合には、前記許可信号の出力を停止するものであることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B14によれば、許可信号が出力されている場合に駆動信号を出力することが可能となる。これにより、駆動データを出力しない場合には、許可信号を出力しないことによって駆動信号が誤って出力することを抑制することができる。
また、駆動手段は許可信号が入力している場合に発光素子を駆動するようになっているため、仮に駆動信号が誤って出力された場合であっても、許可信号が入力されていない限り駆動手段は動作しない。これにより、誤動作によって駆動信号またはそれに対応した信号が駆動手段に対して入力された場合における発光素子の誤動作を抑制することができる。
ここで、ノイズ除去手段を設けた場合、当該ノイズ除去手段によって駆動信号が停止した場合にその停止に係る信号の伝送が遅延されるおそれがある。特に、特徴B4のように、ノイズの影響を受けにくくするために所定の期間を設定した場合、上記遅延が顕著になり、発光素子の発光の停止が遅延される。
これに対して、本特徴によれば、許可信号の出力を停止することにより、ノイズ除去手段によって駆動信号の停止に係る信号の伝送が遅延した場合であっても直ちに発光素子の発光を停止させることができる。よって、ノイズ除去手段を設けることによって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴B15.前記発光素子を複数設けるとともに、各発光素子に対応させて前記駆動信号出力手段を複数設け、
各駆動信号出力手段は互いに直列に接続されており、
各駆動信号出力手段には、前記複数の発光素子が割り振られた状態で接続されており、
前記複数の駆動信号出力手段のうち少なくとも1の駆動信号出力手段に対して所定の駆動データを出力するとともに、予め定められた更新タイミングとなる度に当該駆動データを更新する駆動データ制御手段(サブCPU111)を備え、
各駆動信号出力手段は、前記駆動データ制御手段から前記駆動データが出力されている状況において所定の更新タイミングとなる度に各駆動信号出力手段間で前記駆動データの伝送を順次行うことで、前記駆動信号の出力状態を前記駆動データに対応したものに設定するものであり、
前記ノイズ除去手段は、前記複数の駆動信号出力手段のうち所定の駆動信号出力手段から出力される駆動信号に混入されるノイズを除去するものであることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B15によれば、発光素子が複数設けられており、各発光素子に対応して駆動信号出力手段が複数設けられている。駆動データ制御手段により駆動データが出力されている場合には、各駆動信号出力手段間で駆動データの伝送が行われ、各駆動信号出力手段の駆動信号の出力状態が駆動データに対応したものに設定される。これにより、駆動データを伝送するために駆動データ制御手段と各駆動信号出力手段とをそれぞれ接続する必要がないため、駆動データ制御手段と駆動信号出力手段とを接続する配線の数を削減することができる。よって、構成の簡素化を図りつつ、各発光素子の駆動を好適に行うことができる。
かかる構成において、複数の駆動信号出力手段のうち所定の駆動信号出力手段の駆動信号に混入されるノイズがノイズ除去手段によって除去される。これにより、所定の駆動信号として、例えば特に遊技において目立ち易い発光素子の駆動制御を司る駆動信号を設定することにより、誤動作が目立ち易い発光素子の誤動作を抑制することができる。また、所定の駆動信号として、例えば商用電源を直流電源に変換する電源部等の他の遊技機器との位置関係によって他の駆動信号と比較してノイズが入り易い駆動信号を設定することで、特にノイズが入り易い駆動信号の誤動作を抑制したりすることができる。
特徴B16.予め定められた条件が成立したことに基づいて、特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置60におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段の判定結果が特典を付与する付与対応結果である場合には、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置60における遊技状態移行処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記駆動データ制御手段は、前記付与対応結果である場合に、前記発光素子のうち予め定められた特定発光素子が予め定められた特定態様で発光するように、前記駆動データを設定するものであり、
前記ノイズ除去手段は、前記特定発光素子を駆動させる特定駆動手段と当該特定駆動手段に対して前記駆動信号を出力する特定駆動信号出力手段との間に設けられ、当該駆動信号に混入されるノイズを除去するものであることを特徴とする特徴B15に記載の遊技機。
特徴B16によれば、付与対応結果である場合には特定態様で特定発光素子が発光する。これにより、特定発光素子に遊技者の注意を惹きつけることができ、遊技への注目度を高めることができる。この場合、特定発光素子への注目度の高さに起因して特定発光素子の誤動作による発光が遊技者に視認され易く、目立ち易い。これにより、遊技者に対して誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらないおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、特定発光素子を駆動させる駆動信号に混入されるノイズがノイズ除去手段によって除去されているため、特定発光素子の誤動作が生じにくくなっている。これにより、特定発光素子の誤動作を抑制することができ、当該誤動作によって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴B17.前記特定駆動信号出力手段は、前記複数の駆動信号出力手段によって形成される駆動データの伝送経路において下流側に設けられていることを特徴とする特徴B16に記載の遊技機。
特定発光素子は、遊技への興趣を高めるべく遊技機の種類毎に設計変更が行われ易い。この点、本特徴によれば、特定発光素子の駆動制御を行う特定駆動手段に対して駆動信号を出力する特定駆動信号出力手段は駆動データの伝送経路において下流側に設けられているため、仮に特定発光素子を別途変更する必要が生じた場合、上流側の構成については変更する必要がない。これにより、特定発光素子及びそれを駆動制御する構成の変更を容易に行うことができる。
ちなみに、上記特徴B1〜B17のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A19、下記特徴D1〜D13のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴C群>
特徴C1.発光することで遊技に関する報知を行う発光素子(LED173)と、
当該発光素子を発光させる駆動手段(電圧印加回路202)と、
遊技の状況に応じて前記駆動手段に対して予め定められた駆動信号を出力する駆動信号出力手段(第1乃至第4実施形態における駆動IC191,192,203、第5実施形態における駆動IC191,192,203及び放電制御信号SG5を出力する機能)と、
前記駆動信号が所定の期間だけ出力されていることに基づいて、前記発光素子が発光するように前記駆動手段を制御する駆動制御手段(第1乃至第4実施形態における時定数回路221、第5実施形態における時定数回路221及びOR回路602)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技の状況に応じて発光素子を発光させることで、遊技の状況を把握することができる。これにより、発光素子に遊技者の注意を惹きつけることができ、遊技への注目度を高めることができる。
かかる構成において、仮に駆動手段が駆動信号の出力に伴って直ちに発光素子を発光させる構成の場合、発光素子はノイズによって瞬間的に発光するおそれがある。このため、遊技者に対して誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらないおそれがある。特に、遊技への注目度を高めるべく、発光素子を遊技者にとって見易い位置に配置したり、発光素子の光量を高く設定している場合には、上記誤動作による発光が目立ち易い。
これに対して、本特徴によれば、駆動信号が出力されている状態が所定の期間だけ維持された場合に、発光素子の発光が行われる。これにより、ノイズの影響によって瞬間的に駆動信号に対応した信号が発生した場合であっても、駆動手段は駆動しない。よって、ノイズの影響を受けにくくすることができ、上記不都合を回避することができる。
以上のことから、発光素子の駆動を好適に行うことができる。
特徴C2.予め定められた特定周期で実行される定期処理にて所定の駆動データを更新する駆動データ更新手段(LED駆動データ更新処理を実行する機能)を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記駆動データに基づいて前記駆動信号を出力するものであり、
前記所定の期間は前記特定周期よりも長く設定されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、駆動データ更新手段から出力される駆動データに基づいて駆動信号が出力され、発光素子が発光することとなる。当該駆動データは特定周期毎に行われる定期処理にて更新される。この場合、駆動データを更新することにより、例えば発光素子を所定の周期で点滅させる演出を行うことができる。
かかる構成において、駆動信号の出力期間が特定周期よりも長い場合に駆動手段が動作し、発光素子が発光する。これにより、仮にノイズの影響によって駆動データの更新の際にエラーが生じた場合であっても、当該エラーが複数回に亘って生じない限り発光素子は発光しない。これにより、駆動データの更新の際に生じ得るエラー又は駆動データに基づいて駆動信号を出力する際に生じ得るエラーによって発光素子が誤動作することを抑制することができる。よって、駆動データの更新を行うことで発光素子の制御を好適に行いつつ、それによって生じ得るエラーに起因する発光素子の誤動作を抑制することができる。
特徴C3.前記駆動信号出力手段と前記駆動手段とを接続するとともに、前記駆動信号を伝送する配線(OUT16端子とp型MOSFET211とを接続する配線)を備え、
前記駆動制御手段は、前記配線上に設けられ、前記駆動信号出力手段から前記駆動信号が出力されている状態が前記所定の期間だけ継続した場合に、当該駆動信号を前記駆動手段に対して伝送する伝送手段(時定数回路221)を備えていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
発光素子への注目度を高める観点から、発光素子の輝度を高めようとすると、当該発光素子に対して供給する電力を高める必要がある。この場合、駆動手段に対して所定の期間を計測する構成等の所定の期間に対応した構成を設けると、当該構成の分だけ電力損失が生じ、発光素子への電力供給が好適に行われないおそれが生じ得る。
これに対して、本特徴によれば、駆動信号出力手段と駆動手段とを接続する配線上に伝送手段が設けられているため、所定の期間に対応した構成を駆動手段に対して別途設ける必要がない。これにより、発光素子への電力供給を好適に行うことができ、当該発光素子の発光輝度を好適に高めることができる。よって、特徴C1の効果を確保しつつ、発光素子への注目度を高めることが可能となる。
特徴C4.前記伝送手段は、
前記配線上に設けられた抵抗と、当該抵抗に対して並列に接続されたコンデンサと、を有する特定回路を備えていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、抵抗と当該抵抗に対して並列に接続されたコンデンサとが設けられているため、駆動信号が出力された場合、抵抗及びコンデンサによる過渡現象によって当該駆動信号の伝送が遅延される。当該遅延期間は、抵抗の抵抗値及びコンデンサの静電容量によって決まる。これにより、抵抗値及び静電容量を調整することにより所定の期間を調整することができ、誤動作が生じにくい期間に設定することができる。
特徴C5.前記伝送手段は、予め定められた特定の周波数よりも高い周波数の信号の伝送を規制する規制手段を備えていることを特徴とする特徴C3又は特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、特定の周波数よりも高い周波数の信号の伝送が規制手段によって規制されるため、駆動信号に混入した高周波数の信号が除去される。これにより、上記高周波数の信号が駆動手段に対して入ることによって生じ得る誤動作を抑制することができる。
なお、特徴C4との関係によれば、特定回路によって特定の周波数よりも高い周波数の信号が除去される。つまり、特定回路は、伝送手段として機能するとともに規制手段として機能する。これにより、構成の簡素化を図りつつ、上記各効果を奏することができる。
特徴C6.前記駆動信号出力手段は、前記駆動信号として第1駆動信号(放電制御信号SG5のLOW信号)と、第2駆動信号(OUT16端子から出力されるLOW信号)とを出力するものであり、
前記駆動制御手段は、
前記所定の期間に亘って前記駆動信号出力手段から前記第1駆動信号が出力された場合に、当該第1駆動信号を出力する特定出力手段(時定数回路221)と、
前記特定出力手段から前記第1駆動信号が入力され且つ前記駆動信号出力手段から前記第2駆動信号が入力されている場合には前記発光素子が発光するように前記駆動手段を制御する一方、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号のいずれかが入力されていない場合には前記発光素子を発光しないように前記駆動手段を制御する特定駆動制御手段(OR回路602)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、第1駆動信号と第2駆動信号とが別系統で入力される構成において、各駆動信号が特定駆動制御手段に入力されている場合に、発光素子が発光する。一方、各駆動信号のいずれか一方が入力されていない場合には発光素子の発光が停止する。これにより、第1駆動信号の態様に関わらず、第2駆動信号の出力を停止させることにより発光素子を直ちに停止させることができる。よって、発光素子の発光停止を好適に行うことができる。
また、各駆動信号が特定駆動制御手段に入力されている場合にのみ発光素子が発光するため、第1駆動信号が所定の期間分だけ出力されたことに基づいて、発光素子が発光することとなる。これにより、ノイズの影響によって瞬間的に第1駆動信号に対応した信号が発生した場合であっても、駆動手段は駆動しない。よって、ノイズの影響を受けにくくすることができ、発光素子の誤動作を抑制することができる。
特徴C7.前記駆動信号出力手段は、予め定められた発光開始タイミングに対して少なくとも前記所定の期間だけ前のタイミングにて前記第1駆動信号を出力し、前記発光開始タイミングにて前記第2駆動信号を出力するものであることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、発光開始タイミングよりも前のタイミングにて予め第1駆動信号を出力させることにより、発光開始タイミングにて発光素子を発光させることができる。これにより、発光開始タイミングと実際に発光するタイミングとの間にタイムラグが発生しないようにすることができ、発光素子の発光タイミングの制御を好適に行うことができる。
特徴C8.予め定められた条件が成立した場合に、特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置60におけるステップS401の処理を実行する機能、及び第5実施形態におけるステップS1302の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段の判定結果が特典を付与する付与対応結果である場合には、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置60における遊技状態移行処理を実行する機能等)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われた後に、前記付与判定手段の判定結果に対応した遊技動作が行われるようにする遊技動作実行手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われた場合に、前記第1駆動信号の出力を開始し得るものであることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、付与判定手段による付与判定が行われた場合に第1駆動信号の出力が開始され得る。これにより、当該付与判定に係る遊技動作が行われる前段階にて第1駆動信号の出力を開始することができる。よって、上記付与判定に係る遊技動作において発光素子を発光させる場合に、所定の期間に起因するタイムラグを低減することができる。
なお、「前記駆動信号出力手段は、前記付与判定手段により前記付与対応結果と判定された場合に、前記第1駆動信号の出力を開始するものである」とよい。これにより、付与対応結果に係る遊技動作において発光素子が発光し得るため、発光素子への注目度をより好適に高めることができる。
特徴C9.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS105の処理にて保留情報を取得する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS105の処理にて保留情報を保留用エリアREに記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(第5実施形態において主制御装置60のMPU62における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記先特定手段による特定が行われた場合に前記第1駆動信号の出力を開始し得るものであることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
特徴C9によれば、所定の特別情報についての付与判定の結果が、当該特別情報が付与判定の対象となる前のタイミングにて特定される構成において、上記所定の特別情報についての上記特定が行われた場合に第1駆動信号の出力が開始され得る。これにより、上記所定の特別情報に係る遊技回が開始されるタイミングよりも前のタイミングにて上記所定の期間のカウントを開始させることができる。よって、発光開始タイミングとして上記所定の特別情報に係る遊技回の開始タイミング等を設定することが可能となり、発光素子の発光タイミングの自由度を高めることができる。
また、本特徴の具体的な構成としては、例えば「前記駆動信号出力手段は、前記先特定手段による特定が行われたタイミングにて前記第1駆動信号の出力を開始し得るものであり、さらに前記発光開始タイミングとして、前記先特定手段による前記特定が行われてから少なくとも前記所定の期間が経過したタイミングにて、前記第2駆動信号を出力し得るものである」構成が考えられる。
この場合、「前記先特定手段による特定が行われたタイミングから前記所定の特別情報に係る遊技回が開始されるタイミングまでの信号継続期間を把握する手段と、前記所定の特別情報に係る遊技回が開始される場合に、前記信号継続期間が前記所定の期間よりも短いか否かを判定する手段と、を備え、前記駆動信号出力手段は、前記信号継続期間が前記所定の期間よりも短いと判定された場合には、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号の少なくとも一方を出力しないものである」とよい。これにより、所定の保留情報に係る遊技回にて発光素子を発光させる場合に、上記所定の期間に基づくタイムラグが生じ得る場合には発光素子の発光自体が行われない。よって、上記タイムラグによる違和感を遊技者に与えることを抑制することができる。
なお、「前記駆動信号出力手段は、前記先特定手段による特定結果が前記付与対応結果に対応した結果である場合に前記第1駆動信号の出力を開始するものである」とよい。これにより、付与対応結果に係る遊技回において発光素子を発光させることができるため、発光素子への注目度をより好適に高めることができる。
特徴C10.前記遊技回制御手段は、前記遊技回が開始される場合に、前記発光素子を発光させるか否かの抽選を行う発光抽選手段(音声ランプ制御装置90のサブCPU111におけるステップS1403の処理を実行する機能)を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記発光抽選手段による抽選結果が前記発光素子を発光させないことに対応したものである場合には、前記第1駆動信号の出力を停止するものであることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、遊技回が開始される場合に発光素子を発光させるか否かの抽選を行い、当該抽選に外れた場合には第1駆動信号の出力を停止するため、当該遊技回中に発光素子が発光する事態を避けることができる。
特徴C11.前記駆動信号出力手段は、前記発光開始タイミングから予め定められた特定期間(当選告知演出が行われている期間)が経過するまで、前記第1駆動信号の出力を維持するものであることを特徴とする特徴C7乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C11によれば、特定期間においては第1駆動信号の出力は維持されているため、第2駆動信号を制御することにより、上記所定の期間を考慮することなく発光素子の制御を行うことができる。これにより、発光素子の制御を好適に行うことができる。
特徴C12.前記駆動信号出力手段は、前記特定期間において前記発光素子が点滅するように前記第2駆動信号を制御する手段(サブCPU111のステップS1507の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
特徴C12によれば、特定期間において発光素子が点滅する演出を行うことができ、当該演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。
ここで、仮に駆動信号が第1駆動信号のみだと仮定すると、上記所定の期間と点滅の周期との関係によっては、第1駆動信号の制御が発光素子の点滅に追従することができない場合が生じ得る。
これに対して、本特徴によれば、上記所定の期間を待つことなく伝送される第2駆動信号を制御することで発光素子の制御を行う構成となっているため、上記不都合を回避することができる。
特徴C13.予め定められた特定周期で実行される定期処理にて所定の駆動データを更新する駆動データ更新手段(LED駆動データ更新処理を実行する機能)を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記駆動データに基づいて前記第1駆動信号を出力する一方、前記駆動データとは別に前記第2駆動信号を出力するものであることを特徴とする特徴C6乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、駆動データ更新手段から出力される駆動データに基づいて第1駆動信号が出力されることで、発光素子を発光させることができる。当該駆動データは特定周期毎に行われる定期処理にて更新される。この場合、駆動データを更新することにより、例えば発光素子を所定の周期で点滅させる演出を行うことができる。
かかる構成において、第2駆動信号は上記駆動データとは別に出力される。これにより、駆動データを更新することなく、第2駆動信号を制御することができる。よって、第2駆動信号の制御の容易化を図ることができるともに、第2駆動信号の出力タイミングが不規則である場合であっても、当該不規則に好適に対応することができる。
特徴C14.予め定められた許可信号(第2許可信号SG4)を前記駆動信号出力手段及び前記駆動手段に対して出力する許可信号出力手段(サブCPU111において第2許可信号SG4を出力する機能)を備え、
前記駆動信号出力手段は、前記許可信号出力手段から前記許可信号が入力されることに基づいて、前記駆動信号を出力不可又は困難な状態から前記駆動信号を出力可能な状態に移行するものであり、
前記駆動手段は、前記許可信号出力手段から前記許可信号が入力されており且つ前記駆動信号出力手段から前記駆動信号が入力されている場合に、前記発光素子を駆動させるものであり、
前記許可信号出力手段は、前記発光素子を発光させない場合には、前記許可信号の出力を停止するものであることを特徴とする特徴C1乃至C13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C14によれば、許可信号が出力された場合に駆動信号を出力することが可能となる。これにより、駆動信号を出力しない場合には、許可信号を出力しないことによって駆動信号が誤って出力することを抑制することができる。
また、駆動手段は許可信号が入力している場合に発光素子を駆動するようになっているため、仮に駆動信号が誤って出力された場合であっても、許可信号が入力されていない限り駆動手段は動作しない。これにより、誤動作によって駆動信号またはそれに対応した信号が駆動手段に対して入力された場合における発光素子の誤動作を抑制することができる。
ここで、特徴C3との関係によれば、伝送手段を設けた場合、当該伝送手段によって駆動信号が停止した場合にその停止に係る信号の伝送が遅延されるおそれがある。これに対して、本特徴によれば、許可信号の出力を停止することにより、伝送手段によって駆動信号の停止に係る信号の伝送が遅延した場合であっても直ちに発光素子の発光を停止させることができる。よって、ノイズ除去手段を設けることによって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴C15.前記発光素子を複数設けるとともに、各発光素子に対応させて前記駆動信号出力手段を複数設け、
各駆動信号出力手段は互いに直列に接続されており、
各駆動信号出力手段には、前記複数の発光素子が割り振られた状態で接続されており、
前記複数の駆動信号出力手段のうち少なくとも1の駆動信号出力手段に対して所定の駆動データを出力するとともに、予め定められた更新タイミングとなる度に当該駆動データを更新する駆動データ制御手段(サブCPU111)を備え、
各駆動信号出力手段は、前記駆動データ制御手段から前記駆動データが出力されている状況において所定の更新タイミングとなる度に各駆動信号出力手段間で前記駆動データの伝送を順次行うことで、前記駆動信号の出力状態を前記駆動データに対応したものに設定するものであり、
前記駆動制御手段は、前記複数の駆動信号出力手段のうち所定の駆動信号出力手段から出力される駆動信号が前記所定の期間だけ出力されていることに基づいて、前記所定の駆動信号出力手段に接続された発光素子を発光させるものであることを特徴とする特徴C1乃至C14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C15によれば、発光素子が複数設けられており、各発光素子に対応して駆動信号出力手段が複数設けられている。駆動データ制御手段により駆動データが出力されている場合には、各駆動信号出力手段間で駆動データの伝送が行われ、各駆動信号出力手段の駆動信号の出力状態が駆動データに対応したものに設定される。これにより、駆動データを伝送するために駆動データ制御手段と各駆動信号出力手段とをそれぞれ接続する必要がないため、駆動データ制御手段と駆動信号出力手段とを接続する配線の数を削減することができる。よって、構成の簡素化を図りつつ、各発光素子の駆動を好適に行うことができる。
かかる構成において、複数の駆動信号出力手段のうち所定の駆動信号出力手段の駆動信号が所定の期間だけ出力されている場合に所定の駆動信号出力手段に接続された発光素子の発光が行われる。これにより、所定の駆動信号出力手段として、例えば特に遊技において目立ち易い発光素子の駆動制御を司る駆動信号を出力する駆動信号出力手段とすることにより、誤動作が目立ち易い発光素子の誤動作を抑制することができる。また、所定の駆動信号出力手段として、例えば商用電源を直流電源に変換する電源部等の他の遊技機器との位置関係によって他の駆動信号と比較してノイズが入り易い駆動信号出力手段を設定することで、特にノイズが入り易い駆動信号の誤動作を抑制したりすることができる。
特徴C16.予め定められた条件が成立したことに基づいて、特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置60におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段の判定結果が特典を付与する付与対応結果である場合には、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置60における遊技状態移行処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記駆動データ制御手段は、前記付与対応結果である場合に、前記発光素子のうち予め定められた特定発光素子が予め定められた特定態様で発光するように、前記駆動データを設定するものであり、
前記駆動制御手段は、
前記特定発光素子を駆動させる特定駆動手段と当該特定駆動手段に対して前記駆動信号を出力する特定駆動信号出力手段との間に設けられ、前記特定駆動信号出力手段から前記駆動信号が出力されている状態が前記所定の期間だけ継続した場合に、当該駆動信号を前記特定駆動手段に対して伝送する伝送手段を備えていることを特徴とする特徴C15に記載の遊技機。
特徴C16によれば、付与対応結果である場合には特定態様で特定発光素子が発光する。これにより、特定発光素子に遊技者の注意を惹きつけることができ、遊技への注目度を高めることができる。この場合、特定発光素子への注目度の高さに起因して特定発光素子の誤動作による発光が遊技者に視認され易く、目立ち易い。これにより、遊技者に対して誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらないおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、特定発光素子を駆動させる駆動信号が所定の期間だけ出力された場合に、当該駆動信号が特定駆動手段に対して伝送され、特定発光素子が発光する。これにより、ノイズによる特定発光素子の誤動作を抑制することができるため、当該誤動作によって生じ得る不都合を回避することができる。
特徴C17.前記特定駆動信号出力手段は、前記複数の駆動信号出力手段によって形成される駆動データの伝送経路において下流側に設けられていることを特徴とする特徴C16に記載の遊技機。
特定発光素子は、遊技への興趣を高めるべく遊技機の種類毎に設計変更が行われ易い。この点、本特徴によれば、特定発光素子の駆動制御を行う特定駆動手段に対して駆動信号を出力する特定駆動信号出力手段は駆動データの伝送経路において下流側に設けられているため、仮に特定発光素子を別途変更する必要が生じた場合、上流側の構成については変更する必要がない。これにより、特定発光素子及びそれを駆動制御する構成の変更を容易に行うことができる。
ちなみに、上記特徴C1〜C17のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A19、下記特徴D1〜D13のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
上記特徴B群及び特徴C群は以下の課題に対して効果的である。
例えばパチンコ機等の遊技機には、表示画面を有する図柄表示装置を備えたものがある。例えば、パチンコ機における表示画面上では、遊技領域に備えられた作動口を遊技球が通過することを条件として図柄を変動表示し遊技の興趣を高める演出を行う、又は、所定条件成立時に特定図柄を停止表示し、大当たり等の遊技者に有利な特別遊技状態の教示を行うものがある。遊技の興趣を高める演出として、例えば、大当たりと密接に関連し、遊技者に大当たりへの期待度を高めるようなリーチ演出がある。また、近年では、遊技の興趣を一層高めるべく、遊技回毎に変動表示される図柄に加えて演出用のキャラクタ等を表示しこのキャラクタを用いてリーチ演出を行う、或いは表示画面上に表示する図柄数を増加させる等の工夫が行われており、表示演出が多様化しつつある。
ここで、遊技の興趣を高めるものとして、図柄表示装置とは別に、発光素子が設けられているとともに、当該発光素子を駆動させる素子駆動手段としての駆動回路が搭載されている。駆動回路は遊技に関する制御を行う制御装置と例えば配線等を介して接続されており、当該制御装置から制御信号が入力された場合に発光素子を発光させる。当該発光により遊技の興趣の向上が図られている。
かかる構成において、例えば駆動回路に対してノイズが入ると、発光素子が誤動作し、当該誤動作によって遊技者に対して誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらない場合がある。
上記課題は、発光素子及び当該発光素子を駆動させる素子駆動手段を備えた遊技機に共通する課題である。
<特徴D群>
特徴D1.複数の素子(LED173)と、
前記複数の素子を個別に駆動させる素子駆動手段(LED駆動部172)と、
前記素子駆動手段と配線を介して接続され、当該配線を介して所定の駆動データを前記素子駆動手段に対して出力することにより、各素子を個別制御する素子制御手段(サブCPU111)と、
を備え、
前記素子駆動手段は、前記配線を介して前記素子制御手段から前記駆動データが入力された場合に当該駆動データに対応した態様で各素子を個別に駆動させる遊技機において、
前記素子駆動手段は、互いに直列に接続された複数の駆動部(駆動IC191,192,203)を備え、
前記複数の駆動部には、前記複数の素子が割り振られた状態で接続されており、
前記素子駆動手段は、前記素子制御手段から前記駆動データが入力されている状況において予め定められた更新タイミングとなる度に前記複数の駆動部間で前記駆動データを順次伝送することで、各素子の態様を順次設定するものであり、
前記各駆動部は、自身に接続されている素子が前記設定された態様で動作するようにするものであり、
前記複数の駆動部のうち動作する駆動部を選択する選択手段(サブCPU111)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、複数の駆動部間で駆動データの伝送を行うことで、各素子の駆動状態が設定される。これにより、各駆動部それぞれに対して駆動データを伝送する必要がないため、素子制御手段と素子駆動手段とを接続する配線を削減することができる。この場合、配線が占めるスペースを小さくすることができるため、配線に周囲のノイズが入らないように当該配線の位置を調整したり、コーティング処理を施したりすることが容易となる。よって、各素子のノイズによる誤動作を抑制し得る。
また、素子を新たに設ける場合には、素子とそれに対応した駆動部を更に直列に設ければよく、既存の駆動部に対する設計変更が少なくて済む。これにより、素子の追加等に容易に対応することができる。
かかる構成において、駆動データの伝送の際に伝送エラーが生じる場合があるとともに、駆動データにノイズが入る場合がある。これらの場合、素子制御手段によって誤った態様が設定され、素子が誤動作する場合がある。
これに対して、本特徴によれば、駆動データにおいて駆動対象となっている素子に対応した駆動部のみを選択し、駆動対象となっていない素子に対応した駆動部を選択しないことによって、駆動対象となっていない素子に対応する駆動部を動作させないようにすることができる。これにより、上記伝送エラーやノイズによって駆動対象となっていない素子が駆動することを抑制することができる。
以上のことから、構成の簡素化を図りつつ、各素子の駆動を好適に行うことができる。
特徴D2.前記配線は第1配線(LED駆動データSDを伝送する配線)であり、
前記選択手段は、予め定められた許可信号(第1許可信号SG3及び第2許可信号SG4)を出力する許可信号出力手段(サブCPU111において各許可信号SG3,SG4を出力する機能)を備え、
当該許可信号出力手段は、前記第1配線とは別系統の第2配線(各許可信号SG3,SG4を伝送する配線)を介して各駆動部に対して接続されており、
前記駆動部は、前記第2配線を介して前記許可信号が入力されている場合に動作するように構成されており、
前記選択手段は、前記許可信号の出力対象となる駆動部を切り換えることで、動作する駆動部を選択するものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、許可信号の出力対象となる駆動部を切り換えることで駆動データの伝送とは関係なく動作する駆動部を選択することができる。この場合、駆動データの伝送と許可信号の伝送とは別系統で行われるため、両者のうちいずれか一方にノイズが入ったとしても、他方への影響は少なく、結果として駆動部はノイズの影響を受けにくい。これにより、ノイズによって素子が誤動作する不都合を回避することができる。
また、駆動データの伝送の際に当該駆動データに別途フラグ等の特別な情報を設定する必要がないため、駆動データの伝送の構成の簡素化を図ることができるとともに、上記特別な情報を設定することによって生じ得る伝送エラーを抑制し得る。
さらに、許可信号を駆動データとは別系統で伝送する構成とすることにより、両者が干渉することを抑制することができる。これにより、許可信号と駆動データとが干渉することによって生じ得る各素子の誤動作を抑制することができる。
特徴D3.前記許可信号出力手段は、
前記複数の駆動部のうち第1の駆動部(第1駆動IC191、第2駆動IC192)に対して予め定められた第1許可信号(第1許可信号SG3)を出力する第1出力手段(サブCPU111において第1許可信号SG3を出力する機能)と、
前記第1の駆動部とは異なる第2の駆動部(第3駆動IC203)に対して予め定められた第2許可信号(第2許可信号SG4)を出力する第2出力手段(サブCPU111において第2許可信号SG4を出力する機能)と、
を備え、
前記第1の駆動部は、前記第1許可信号が入力されている場合に動作するように構成されており、
前記第2の駆動部は、前記第2許可信号が入力されている場合に動作するように構成されており、
前記選択手段は、前記第1出力手段及び前記第2出力手段からの各許可信号を制御することで、動作する駆動部を選択するものであることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、例えば第1出力手段から第1許可信号を出力させ、第2出力手段から第2許可信号を出力させないように制御することにより、第1の駆動部に接続されている素子が駆動可能となる一方、第2の駆動部に接続されている素子が駆動できないようになる。これにより、各出力手段の信号制御によって駆動させたくない素子の誤動作を抑制することができる。
特徴D4.前記複数の素子には、前記第1の駆動部に接続された第1素子(LED173)と、前記第2の駆動部に接続された第2素子(当選告知用LED37)と、が含まれており、
前記素子制御手段は、前記第1素子の駆動頻度が前記第2素子の駆動頻度よりも高くなるように制御するものであることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、第1許可信号によって動作する第1の駆動部と、第2許可信号によって動作する第2の駆動部とは、各駆動部に接続されている素子の駆動頻度によって区分されている。これにより、第1許可信号を出力する一方、第2許可信号を出力しないことで、比較的駆動頻度が高い第1素子に対応した第1の駆動部を常に動作させつつ、比較的駆動頻度が低い第2素子に対応した第2の駆動部が動作しないようにすることができる。よって、第2の駆動部を動作させない分だけ処理負荷を軽減することができるとともに、第2素子の誤動作を抑制することができる。
特徴D5.前記第2素子には、遊技に関する報知を行う特定報知素子(当選告知用LED37)が含まれており、
予め定められた条件が成立したことに基づいて、特典を付与するか否かの判定を行う付与判定手段(主制御装置60におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段の判定結果が特典を付与する付与対応結果である場合には、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置60における遊技状態移行処理を実行する機能等)と、
を備え、
前記素子制御手段は、前記付与対応結果である場合に、前記特定報知素子が予め定められた特定態様で駆動するように、前記駆動データを設定するものであり、
前記選択手段は、前記付与対応結果である場合に、前記第2許可信号が出力されるように前記第2出力手段を制御するものであることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、付与対応結果である場合には特定態様で特定報知素子が駆動する。これにより、特定報知素子に遊技者の注意を惹きつけることができ、遊技への注目度を高めることができる。この場合、特定報知素子への注目度の高さに起因して特定報知素子の誤動作による駆動が遊技者に視認され易く、目立ち易い。これにより、遊技者に対して誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらないおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、特定報知素子を駆動させる第2の駆動部は付与対応結果である場合にのみ動作するようになっている。これにより、付与対応結果でない場合に特定報知素子が駆動する誤動作が抑制されている。よって、遊技者に対して誤解を与える不都合を回避することができる。
なお、複数の素子として複数の報知素子が設けられている構成の場合には、当該特定報知素子は他の素子と比較してその光量が大きく設定されているとよい。
特徴D6.前記第2の駆動部は、前記複数の駆動部によって形成される駆動データの伝送経路において下流側に設けられていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特定報知素子は、遊技への興趣を高めるべく遊技機の種類毎に設計変更が行われ易い。この点、本特徴によれば、第2の駆動部は駆動データの伝送経路において下流側に設けられているため、仮に特定報知素子及びそれを駆動させる第2の駆動部を別途変更する必要が生じた場合、上流側の構成については変更する必要がない。これにより、特定報知素子及び第2の駆動部の設計変更を容易に行うことができる。
特徴D7.前記特定報知素子は発光素子であることを特徴とする特徴D5又は特徴D6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、発光素子が発光することにより、遊技者に対して光の演出を行うことができ、当該光の演出を通じて遊技への注目度を高めることができる。かかる構成において、遊技への注目度を高める観点から、発光素子の光量を大きくすることが考えられる。この場合、発光素子への注意を惹きつけることができる一方、当該発光素子が誤動作した場合に当該誤動作が目立ち易くなるという不都合が生じ得る。
これに対して、特徴D1等の構成を適用することで、上記誤動作の発生を抑制することができ、上記不都合を回避しつつ、好適に発光素子の発光による光の演出を行うことができる。
なお、複数の素子として複数の発光素子を備える構成の場合には、前記特定報知素子は、前記複数の発光素子と比較して光量が高く設定されている特定発光素子であるとよい。これにより、特定発光素子を他の発光素子と比較して目立たせることができる。
特徴D8.前記素子制御手段は、前記第2素子に対して当該第2素子が駆動可能な電力を供給可能な供給手段(電圧印加回路202)を備え、
前記第2の駆動部は、前記第2許可信号が入力されている状況において、前記駆動データに基づいて予め定められた駆動信号を前記供給手段に対して出力する駆動信号出力部(第3駆動IC203においてOUT16端子からLOW信号を出力する機能)を備え、
前記第2出力手段は、前記供給手段に対しても前記第2許可信号を出力するものであり、
前記供給手段は、前記第2許可信号が入力されているとともに前記駆動信号が入力されている場合に、前記第2素子に対して前記電力を供給するものであることを特徴とする特徴D4乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D8によれば、供給手段に対して第2許可信号が入力されていない場合、仮に駆動信号出力部から駆動信号が入力されている場合であっても第2素子は駆動しない。これにより、ノイズによって駆動信号に対応する信号が出力された場合であっても、第2許可信号が入力されていない限り供給手段が動作しないため、上記ノイズ又は伝送エラーによる第2素子の誤動作を抑制することができる。
特徴D9.前記供給手段と前記駆動信号出力部と接続するとともに、前記駆動信号を伝送する駆動信号用配線と、
当該駆動信号用配線上に設けられ、前記駆動信号出力部から前記駆動信号が出力された状態が所定の期間だけ継続した場合に、当該駆動信号を前記供給手段に対して伝送する伝送手段(時定数回路221)と、
を備えていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
仮に駆動部が駆動信号の出力に伴って直ちに第2素子を駆動させる構成の場合、第2素子はノイズによって瞬間的に駆動するおそれがある。特に、特徴D5のように、特定報知素子が誤動作した場合、遊技者に対して誤解を与え、遊技者に意図したゲーム性が伝わらないおそれがある。
これに対して、本特徴によれば、駆動信号が出力されている状態が所定の期間だけ維持された場合に、駆動信号が供給手段に対して伝送され、第2の駆動部が動作し、第2素子が駆動する。これにより、ノイズの影響によって瞬間的に駆動信号に対応した信号が発生した場合であっても、供給手段は動作しない。よって、ノイズの影響を受けにくくすることができ、第2素子の誤動作を抑制することができ、上記不都合を回避することができる。
かかる構成において、駆動信号の出力が停止した場合、当該駆動信号の停止に係る信号の伝送が伝送手段によって所定の期間だけ遅延するおそれがある。これに対して、特徴D8の構成を適用することにより、第2許可信号の出力を停止することによって直ちに供給手段による電力供給を停止させることができる。これにより、伝送手段を設けることによって生じ得る不都合を回避することが可能となる。
特徴D10.前記素子制御手段は、予め定められた特定周期で実行される定期処理(音声発光制御処理)にて前記駆動データを更新する駆動データ更新手段(LED駆動データ更新処理を実行する機能)を備え、
前記所定の期間は前記特定周期よりも長く設定されていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
特徴D10によれば、駆動信号の出力期間が特定周期よりも長い場合に供給手段が動作し、第2素子が駆動する。これにより、仮にノイズの影響によって駆動データの更新の際にエラーが生じた場合であっても、当該エラーが複数回に亘って生じない限り第2素子の駆動は行われない。これにより、駆動データの更新の際に生じ得るエラー又は駆動データに基づいて駆動信号を出力する際に生じ得るエラーによって第2素子が誤動作することを抑制することができる。よって、駆動データの更新を行うことで第2素子の制御を好適に行いつつ、それによって生じ得るエラーに起因する第2素子の誤動作を抑制することができる。
特徴D11.前記複数の素子は複数のLEDであり、
前記駆動部は、前記許可信号が入力されることに基づいて、前記複数のLEDを駆動させることが不能な非アクティブ状態から前記複数のLEDを駆動させることが可能なアクティブ状態に移行する駆動ICであることを特徴とする特徴D2乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D11によれば、駆動ICに対して許可信号が入力されることに基づいて、当該駆動ICがアクティブ状態となり、各LEDを駆動させることができる。これにより、許可信号の出力対象となる駆動ICを切り換えることで、アクティブ状態となる駆動ICを選択することができる。
特徴D12.遊技の進行に関する遊技制御を実行する制御手段(サブCPU111)を更に備え、
前記制御手段は、動作電力が供給された場合に、前記遊技制御に先立って初期化処理を含む特定処理を実行するものであり、
前記選択手段は、前記特定処理中は各駆動部が動作しないようにするものであることを特徴とする特徴D1乃至D11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D12によれば、特定処理が行われている間は、各駆動部が動作しないようになっているため、当該特定処理中に素子が誤動作しないようになっている。これにより、遊技が開始される前段階で各素子が誤動作し、遊技者に誤解を与える不都合を回避することができる。
特徴D13.前記複数の駆動部はそれぞれ、
前記駆動データが入力されるデータ入力部(DATAIN端子)と、
前記駆動データが出力されるデータ出力部(DATAOUT端子)と、
を備え、
各駆動部を直列に接続する直列接続用配線(第1駆動IC191のDATAOUT端子と第2駆動IC192のDATAIN端子とを接続する配線、第2駆動IC192のDATAOUT端子と第3駆動IC203のDATAIN端子とを接続する配線)が設けられており、
当該直列接続用配線が前記複数の駆動部のうち所定の駆動部におけるデータ出力部と他の所定の駆動部におけるデータ入力部とを接続することにより、前記複数の駆動部の直列接続がなされており、
前記直列接続用配線がデータ入力部に接続されていない駆動部のデータ入力部には、前記素子制御手段からの配線が接続されていることを特徴とする特徴D1乃至D12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D13によれば、所定の駆動部のデータ出力部と他の所定の駆動部のデータ入力部とが直列接続用配線によって接続されており、直列接続用配線がデータ入力部に接続されていない駆動部のデータ入力部に素子制御手段が接続されている。これにより、素子制御手段から特定駆動部に対して入力される駆動データを、当該特定駆動部から各駆動部に順次伝送することができる。
なお、「直列接続用配線がデータ入力部に接続されていない駆動部」は、具体的には、直列接続されている複数の駆動部のうち、駆動データの伝送経路において最上流に配置されている駆動部である。
上記特徴D群は以下の課題に対して効果的である。
例えばパチンコ機等の遊技機には、表示画面を有する図柄表示装置を備えたものがある。例えば、パチンコ機における表示画面上では、遊技領域に備えられた作動口を遊技球が通過することを条件として図柄を変動表示し遊技の興趣を高める演出を行う、又は、所定条件成立時に特定図柄を停止表示し、大当たり等の遊技者に有利な特別遊技状態の教示を行うものがある。遊技の興趣を高める演出として、例えば、大当たりと密接に関連し、遊技者に大当たりへの期待度を高めるようなリーチ演出がある。また、近年では、遊技の興趣を一層高めるべく、遊技回毎に変動表示される図柄に加えて演出用のキャラクタ等を表示しこのキャラクタを用いてリーチ演出を行う、或いは表示画面上に表示する図柄数を増加させる等の工夫が行われており、表示演出が多様化しつつある。
ここで、遊技の興趣を高めるものとして、図柄表示装置とは別に、例えば発光素子、電動の可動素子等の各種遊技で用いられる素子が複数設けられているとともに、当該素子を駆動させる素子駆動手段としての駆動回路が搭載されている。駆動回路は遊技に関する制御を行う制御装置と例えば配線等を介して接続されており、当該制御装置から制御信号が入力された場合に、対応する素子を駆動するように構成されている。
かかる構成において、例えば遊技の興趣を高めるべく素子を複数設けると、例えば配線の接続構成が複雑になるといった構成の複雑化が懸念される。また、駆動回路に対してノイズが入ると、素子が誤動作する場合がある。
上記課題は、複数の素子及び各素子を駆動させる素子駆動手段を備えた遊技機に共通する課題である。
ちなみに、上記特徴D1〜D13のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A19、上記特徴B1〜B17、上記特徴C1〜C17のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。