JP2019106974A - 作業機 - Google Patents
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Description
原動部の動力が伝達される変速装置と、
機体の走行方向に沿って農用資材を圃場に供給する作業装置とが備えられ、
前記変速装置の動力が走行伝動系及び作業伝動系に並列的に分岐されて、前記走行伝動系の動力が走行用の車輪に伝達され、前記作業伝動系の動力が無段変速装置を通って前記作業装置に伝達され、
前記無段変速装置を操作する操作部が、前記無段変速装置の上面部に備えられて、
前記操作部を操作する操作機構が、上下方向において前記無段変速装置よりも高い位置に備えられている。
これにより、圃場や農用資材の状態等に応じて、供給間隔や供給量を細かく適切に設定することができるようになって、作業機の作業精度を向上させることができる。
これにより、操作機構及び無段変速装置の操作部が、圃場から高い位置に配置されるので、走行用の車輪等により圃場の泥等が飛ばされても、泥等が操作機構や無段変速装置の操作部に付着する可能性は低いものとなり、泥等の付着による操作機構の作動不良や無段変速装置の操作部の作動不良を少なくすることができる。
ミッションケースの右又は左の一方の横側部に、前記無段変速装置が設けられ、
前記操作機構が、平面視で前記ミッションケース又は前記無段変速装置と重複するように配置されていると好適である。
前記操作機構が、前記無段変速装置の後側に配置されていると好適である。
これにより、例えばフロア等を操作機構の上側に配置する場合、前述のように操作機構の位置を下げることにより、フロア等の位置も下げることができるのであり、フロア等の位置が必要以上に高くなることはなく、操作機構との干渉を避ける改造をフロア等に施す必要が少なくなる。
ミッションケースの右又は左の一方の横側部に、前記無段変速装置が設けられ、
前記ミッションケースの右又は左の他方の横側部に、前記変速装置が設けられていると好適である。
前記操作部が、前記無段変速装置の上面部から上側に突出して、上下方向の第1軸芯周りに回転操作される操作軸であり、
前記操作機構の上下方向の第2軸芯周りに揺動自在に支持されて前記操作機構により揺動操作される操作アームと、
前記操作軸から水平方向に沿って延出されて前記操作アームに接続された連係部材とが備えられて、
前記操作機構により、前記操作アームが揺動操作され、前記連係部材を介して前記操作軸が回転操作されると好適である。
前記操作機構に、前記操作部を操作する操作力を発生させるアクチュエータが設けられていると好適である。
無段変速装置において各種の制御を行う場合、アクチュエータにより無段変速装置の操作部を制御に沿って操作することが容易に行えるようになる。
前記無段変速装置が、静油圧式の無段変速装置であると好適である。
前記作業装置が、機体の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、苗を圃場に間欠的に植え付ける苗植付装置であると好適である。
前記作業装置が、機体の走行方向に沿って種子を圃場に供給する播種装置であると好適である。
図1〜図11において、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示している。Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
図1及び図2に示すように、乗用型田植機は、右及び左の前輪1(走行用の車輪に相当)と、右及び左の後輪2(走行用の車輪に相当)とを備えた機体11の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられ、リンク機構3の後部に苗植付装置5(作業装置に相当)が支持されている。
図1及び図2に示すように、機体11に、運転座席13、及び前輪1を操向操作する操縦ハンドル14が備えられている。
これにより、計測装置18及び慣性計測装置19によって、機体11の位置及び機体11の方位が検出される。
図1に示すように、機体11の前部に、ミッションケース20が支持されており、ミッションケース20の右及び左の横側部に連結された前車軸ケース21に、右及び左の前輪1が支持されている。機体11の後部に、後車軸ケース22が支持されており、後車軸ケース22に右及び左の後輪2が支持されている。
図3に示すように、ミッションケース20の右の横側部に、ポンプ26が連結されており、ポンプ26は油圧シリンダ4に作動油を供給する。無段変速装置24の入力軸24aがミッションケース20に入り込んでおり、ポンプ26の入力軸26aと、無段変速装置24の入力軸24aとに亘って伝動軸27が連結されている。
水田において植付作業を行う場合、副変速装置31を低速状態に操作するのであり、路上等において高速で走行する場合、副変速装置31を高速状態に操作する。
前輪デフ装置36に伝達された動力が、ベベルギヤ40、出力軸39(ベベルギヤ39a)、伝動軸41、後車軸ケース22の内部の伝動軸(図示せず)を介して、右及び左の後輪2に伝達される。
図4に示すように、ミッションケース20の右の横側部に、静油圧型式の無段変速装置45が連結されており、無段変速装置45の入力軸45aと伝動軸28とが連結されている。無段変速装置45の入力軸45aがミッションケース20の反対側に突出しており、無段変速装置45に冷却風を送るファン46が、無段変速装置45の入力軸45aの突出部に連結されている。
苗植付装置5が作動すると、図2に示すように、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース7が図5の反時計方向に回転駆動され、2組の植付アーム8が、苗のせ台10の下部から交互に苗A(農用資材に相当)を取り出して田面Gに植え付ける。これにより、図5に示すように、機体11の走行方向F1に沿って、事前に設定された設定株間L1(供給間隔に相当)で、苗Aが田面Gに間欠的に植え付けられる。
植付クラッチ56を遮断状態に操作すると、苗植付装置5への動力が遮断されて、苗植付装置5が停止し、苗のせ台10及び回転ケース7が停止する。
図4に示すように、不等速変速装置52は、伝動軸49に連結された等速ギヤ58及び不等速ギヤ59、伝動軸48に相対回転自在に外嵌された等速ギヤ60及び不等速ギヤ61を備えており、等速ギヤ58,60が咬合し、不等速ギヤ59,61が咬合している。
図6及び図7に示すように、フロア88(図1及び図2参照)の下側において、機体11に連結されたフレーム67が、平面視で無段変速装置45と重複するように無段変速装置45の上側に配置されており、フレーム67のブラケット67aに操作機構74が連結されている。
図6及び図7に示すように、平板状の基板75が備えられている。基板75に、円筒状のボス部75a、及びチャンネル状に折り曲げられた連結部75bが連結されており、基板75の端部が折り曲げられ延出されて、支持部75cが形成されている。基板75の連結部75bが、フレーム67のブラケット67aにボルト連結されている。
角度センサー81により操作アーム76の角度を検出することによって、無段変速装置45の変速位置が検出される。
図5に示すように、機体11に制御装置63が備えられている。設定株間L1を設定する設定部64が運転座席13又は操縦ハンドル14の近傍に備えられて、設定部64の操作信号が制御装置63に入力されている。
水田において植付作業を行う場合、前輪1及び後輪2にスリップが発生するので、スリップ率検出部68において、以下説明のようにスリップ率が検出される。
第1時点から第2時点において、計測装置18及び慣性計測装置19による機体11の位置及び機体11の方位の検出に基づいて、第1走行距離検出部71により、機体11の実際の走行距離が検出される。この場合、第1走行距離検出部71の検出値には、前輪1及び後輪2のスリップが含まれている。
前輪1及び後輪2のスリップが発生していると、第1走行距離検出部71の検出値が、第2走行距離検出部72の検出値よりも小さくなるのであり、第1走行距離検出部71及び第2走行距離検出部72の検出値の差が大きくなるほど、前輪1及び後輪2のスリップが多く発生していると判断できる。
第1時点から第2時点までのスリップ率が検出されると、第2時点から設定時間が経過した次の第3時点までのスリップ率が検出されるのであり、スリップ率の検出が連続的に繰り返して行われる。
水田において植付作業を行う場合、以下のような操作が行われる。
植付作業の開始時において、前述の(無段変速装置を操作する制御系の構成)に記載のように、作業者は、設定部64により設定株間L1を設定(選択)する。
植付作業の進行に伴って、スリップ率検出部68によりスリップ率が検出されるのに伴って、実際の株間Lが設定株間L1となるように、無段変速装置45が以下の説明のように自動的に操作される。
具体的は、スリップ率に相当する長さが演算されて、設定株間L1からスリップに相当する長さが差し引かれて、実際の株間Lが検出される。
設定部64により設定された設定株間L1が特に大きなものではない場合や、特に小さなものではない場合、作業者は、不等速変速装置52において、等速ギヤ58,60による動力が伝達される状態を設定しておけばよい。
これにより、植付アーム8による苗のせ台10からの苗Aの取り出しから、植付アーム8による苗Aの田面Gへの植え付けまでの領域において、不等速変速装置52により、回転ケース7の回転速度を少し高速にすることができ、苗Aが田面Gに適切に植え付けられるようにすることができる。
これにより、植付アーム8による苗のせ台10からの苗Aの取り出しから、植付アーム8による苗Aの田面Gへの植え付けまでの領域において、不等速変速装置52により、回転ケース7の回転速度を少し低速にすることができ、苗Aが田面Gに適切に植え付けられるようにすることができる。
例えば1日の植付作業の開始時等のように、苗のせ台10に苗Aが全く載置されていない状態において、苗のせ台10に苗Aを補給する場合、苗のせ台10を往復横送りの一方の端部に停止させた状態で、苗のせ台10に苗Aを補給する。
以上の構成により、作業者が起動スイッチ83を操作すると、端部停止部82により、以下に説明するような操作が行われる。
操作機構74を、以下の説明のように構成してもよい。
図8及び図9に示すように、操作機構74において、図6及び図7と同様な基板75、操作アーム76、ギヤケース77、電動モータ78、支持部材80及び角度センサー81等が備えられている。
図6及び図7に示す操作機構74と、本項の(発明の実施の第1別形態)の操作機構74とにおいて、異なる点を以下に説明する。
操作機構74の上面部(基板75の支持部75cの上面部)が、上下方向において無段変速装置45の上面部よりも高い位置に位置し、操作機構74の下面部(角度センサー81の下面部)が、上下方向において無段変速装置45の下面部よりも高い位置に位置しており、操作機構74が、上下方向において無段変速装置45よりも高い位置に備えられた状態となっている。
操作機構74を、以下の説明のように構成してもよい。
図10及び図11に示すように、操作機構74において、図6及び図7と同様な基板75、操作アーム76、ギヤケース77、電動モータ78、支持部材80及び角度センサー81等が備えられている。
図6及び図7に示す操作機構74と、本項の(発明の実施の第2別形態)の操作機構74とにおいて、異なる点を以下に説明する。
フロア88(図1及び図2参照)の下側において、機体11に連結されたフレーム87が無段変速装置45の後側に配置されて、基板75の連結部75eがフレーム87にボルト連結されており、操作機構74が、無段変速装置45の後側に配置されている。
基板75の支持部75cの上面部にギヤケース77がボルト連結されて、ギヤケース77のピニオンギヤ77aが、操作アーム76のギヤ歯76aに咬合している。
操作機構74の上面部(ギヤケース77の上面部、操作アーム76の接続ピン76cの上端部)が、上下方向において無段変速装置45の上面部よりも高い位置に位置し、操作機構74の下面部(角度センサー81の下面部)が、上下方向において無段変速装置45の下面部よりも高い位置に位置しており、操作機構74が、上下方向において無段変速装置45よりも高い位置に備えられた状態となっている。
前述の(植付作業の開始時における株間の設定)において、無段変速装置45の作動油のリークに基づいて、無段変速装置45を、設定株間L1に対応する変速位置に操作された状態で操作機構74(電動モータ78)により微調節する操作を、行わなくてもよい。
逆に無段変速装置45の作動油のリークが大きく、前輪1及び後輪2のスリップが小さい場合、設定部64により設定された設定株間L1よりも、実際の株間Lが大きくなることがある。
計測装置18及び慣性計測装置19を廃止してもよい。
この構成において、第1走行距離検出部71により機体11の実際の走行距離を検出する場合、マーカー12の回転体12aに回転数センサー(図示せず)を設け、機体11の走行に伴って、マーカー12の回転体12aが田面Gに接地して回転する際の回転数を検出することにより、機体11の実際の走行距離を検出すればよい。
設定部64において、設定株間L1を無段階に設定(選択)するように構成するのではなく、少しずつ異なる多数の設定株間L1を設定して、多数の設定株間L1のうちの一つを設定部64により設定(選択)するように構成してもよい。
作業者が不等速変速装置52を手動で操作するのではなく、設定部64による設定株間L1の設定(選択)に基づいて、不等速変速装置52が適切な操作位置に自動的に操作されるように構成してもよい。
ミッションケース20において、ミッションケース20の右の横側部に、無段変速装置24を設け、ミッションケース20の左の横側部に、無段変速装置45を設けてもよい。
エンジン23に代えて、電動モータ(図示せず)を原動部として使用してもよい。
操作機構74において電動モータ78を廃止して、作業者が操作する手動の操作レバー(図示せず)により、操作機構74(操作アーム76)が操作されるように構成してもよい。
例えば一つの水田において、使用される苗Aの総量が決まっている場合、この総量に相当する苗Aを過不足なく田面Gに植え付けるように、実際の株間Lを微調節するという操作を行うことが可能である。
前述の状態で植付作業を開始すると、実際の株間Lが、前述の必要な株間Lとなるように、無段変速装置45が自動的に操作される。
例えば一つの水田を小さな領域に区分し、水田の領域の各々において、前年度の稲の生育状態や収穫量が、データとして蓄積されていることがある。
前述の状態において、同じ水田での次年度の植付作業を行う場合、計測装置18及び慣性計測装置19の検出に基づいて、水田の領域の各々において適した実際の株間Lで、植付作業が行われるように、無段変速装置45を自動的に操作することも可能である。
作業装置を、機体11の走行方向F1に沿って事前に設定された供給間隔L,L1で、種子(農用資材に相当)を圃場に間欠的に供給したり、種子を圃場に連続的に供給したりする播種装置(図示せず)とすることにより、作業機を水田用又は畑作用の乗用型播種機としてもよい。
2 後輪(車輪)
5 苗植付装置(作業装置)
11 機体
20 ミッションケース
23 エンジン(原動部)
24 無段変速装置(変速装置)
45 無段変速装置
45c 操作軸(操作部)
74 操作機構
76 操作アーム
78 電動モータ(アクチュエータ)
79 連係部材
A 苗(農用資材)
F1 走行方向
G 田面(圃場)
L 株間(供給間隔)
L1 設定株間(供給間隔)
P1 第1軸芯
P2 第3軸芯
Claims (9)
- 原動部の動力が伝達される変速装置と、
機体の走行方向に沿って農用資材を圃場に供給する作業装置とが備えられ、
前記変速装置の動力が走行伝動系及び作業伝動系に並列的に分岐されて、前記走行伝動系の動力が走行用の車輪に伝達され、前記作業伝動系の動力が無段変速装置を通って前記作業装置に伝達され、
前記無段変速装置を操作する操作部が、前記無段変速装置の上面部に備えられて、
前記操作部を操作する操作機構が、上下方向において前記無段変速装置よりも高い位置に備えられている作業機。 - ミッションケースの右又は左の一方の横側部に、前記無段変速装置が設けられ、
前記操作機構が、平面視で前記ミッションケース又は前記無段変速装置と重複するように配置されている請求項1に記載の作業機。 - 前記操作機構が、前記無段変速装置の後側に配置されている請求項1に記載の作業機。
- ミッションケースの右又は左の一方の横側部に、前記無段変速装置が設けられ、
前記ミッションケースの右又は左の他方の横側部に、前記変速装置が設けられている請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の作業機。 - 前記操作部が、前記無段変速装置の上面部から上側に突出して、上下方向の第1軸芯周りに回転操作される操作軸であり、
前記操作機構の上下方向の第2軸芯周りに揺動自在に支持されて前記操作機構により揺動操作される操作アームと、
前記操作軸から水平方向に沿って延出されて前記操作アームに接続された連係部材とが備えられて、
前記操作機構により、前記操作アームが揺動操作され、前記連係部材を介して前記操作軸が回転操作される請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の作業機。 - 前記操作機構に、前記操作部を操作する操作力を発生させるアクチュエータが設けられている請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の作業機。
- 前記無段変速装置が、静油圧式の無段変速装置である請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の作業機。
- 前記作業装置が、機体の走行方向に沿って事前に設定された供給間隔で、苗を圃場に間欠的に植え付ける苗植付装置である請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の作業機。
- 前記作業装置が、機体の走行方向に沿って種子を圃場に供給する播種装置である請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の作業機。
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