JP2019105558A - 血液中のヘマトクリット値を測定する測定方法および測定装置 - Google Patents

血液中のヘマトクリット値を測定する測定方法および測定装置 Download PDF

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【課題】バイオセンサの製造誤差によるヘマトクリット値の測定精度への影響を抑制する。【解決手段】本血液中のヘマトクリット値を測定する測定方法は、血液が接触している電極対に対して異なる周波数の交流信号を印加する第1の工程と、前記異なる周波数の交流信号各々について前記電極対からの応答値を取得する第2の工程と、前記異なる周波数の交流信号各々について前記交流信号と前記応答値との相対関係に係る値を算出し、前記異なる周波数の範囲における、前記相対関係に係る値の周波数に対する変化の割合を算出する第3の工程と、前記変化の割合に基づいて前記血液中のヘマトクリット値を算出する第4の工程と、を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、血液中のヘマトクリット値を測定する測定方法および測定装置に関する。
血液中のヘマトクリット値を測定する技術として様々な技術が提案されている。特許文献1では、バイオセンサの電極の抵抗値をあらかじめ測定しておき、抵抗値の測定結果を用いてヘマトクリット値の測定値を補正する技術が提案されている。特許文献2では、バイオセンサの電極に対してパルス波を印加することでヘマトクリット値を測定する技術が提案されている。特許文献3では、5kHz以下の低周波の交流電圧を印加した際の血液のインピーダンスと20MHz以上の高周波の交流電圧を印加した際の血液のインピーダンスとの比を用いてヘマトクリット値を測定する技術が開示されている。
特開2015−114153号公報 特許第6158133号公報 特公平5−18382号公報
血液中のヘマトクリット値測定に利用されるバイオセンサは血液が付着することから衛生管理上使い捨てにされるため、可能な限り安価に製造することが要請される。また、バイオセンサの製品の多くは、指先サイズ以下の小型サイズである。低コスト要請のあるところで微小製品の製造となるため、バイオセンサが各々有する、電極の抵抗値や血液が流れる流路に製造誤差が生じやすい。上記した製造誤差は、バイオセンサを用いて測定されるヘマトクリット値の測定値について、所望の精度が得られない要因となるおそれがあった。
開示の技術の1つの側面は、バイオセンサの製造誤差によるヘマトクリット値の測定精度への影響を抑制することを課題とする。
開示の技術の1つの側面は、次のような血液中のヘマトクリット値を測定する測定方法によって例示される。本測定方法は、血液が接触している電極対に対して異なる周波数の交流信号を印加する第1の工程と、前記異なる周波数の交流信号各々について前記電極対からの応答値を取得する第2の工程と、前記異なる周波数の交流信号各々について前記交流信号と前記応答値との相対関係に係る値を算出し、前記異なる周波数の範囲における、前記相対関係に係る値の周波数に対する変化の割合を算出する第3の工程と、前記変化の割合に基づいて前記血液中のヘマトクリット値を算出する第4の工程と、を含む。開示の技術は、測定装置としても把握することが可能である。
開示の技術は、バイオセンサの製造誤差によるヘマトクリット値の測定精度への影響を抑制できる。
図1は、実施形態に係る測定システムの一例を示す図である。 図2は、バイオセンサの一例を示す斜視図である。 図3は、測定装置の筐体内部の一例を示す図である。 図4は、検量線データの一例を示す図である。 図5は、実施形態に係る測定システムの処理フローの一例を示す図である。 図6は、血液が接触した電極対に対して印加した交流電圧の周波数と、バイオセンサおよび測定装置を用いて算出したアドミッタンス値との関係を例示するグラフである。 図7は、図6に例示したグラフの各周波数における傾きを例示するグラフである。 図8は、検量線データによって換算されたヘマトクリット値と真値との乖離を例示する図の一例である。 図9は、図8に例示される図のうち、周波数500kHzから1MHzを中心に拡大した図の一例である。 図10は、各周波数における、図7に例示される傾きと検量線とを基に算出したヘマトクリット値の変動係数の一例を示す図である。
以下、実施形態について説明する。以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。
(血液中のヘマトクリット値を測定する測定方法)
本実施形態に係る血液中のヘマトクリット値を測定する測定方法は、
血液が接触している電極対に対して異なる周波数の交流信号を印加する第1の工程と、
前記異なる周波数の交流信号各々について前記電極対からの応答値を取得する第2の工程と、
前記異なる周波数の交流信号各々について前記交流信号と前記応答値との相対関係に係る値を算出し、前記異なる周波数の範囲における、周波数に対する前記相対関係に係る値の変化の割合を算出する第3の工程と、
前記変化の割合に基づいて前記血液中のヘマトクリット値を算出する第4の工程と、を含む。
(第1の工程)
交流信号は、例えば、交流電圧や交流電流である。交流信号の一例として交流電圧を使用した場合には、正弦波の交流電圧が好ましい。ただし、正弦波の交流電圧に限らず、例えば三角波や矩形波の交流電圧であってもよい。交流信号の一例として交流電流を使用した場合であっても、交流電圧の場合と同様に、多様な波形を取り得る。上記測定方法で用いられる電極対は、少なくとも作用極及び対極を含み、電極対は試薬を含まない。血液の成分の多数を占める赤血球の細胞膜は2層からなり、その電気的特性はコンデンサーに近似する。血液に印加する交流電圧の周波数が50kHz以下では赤血球が絶縁物と見なされ、100kHzを超えると、赤血球の細胞膜を透過して容量性電流が流れはじめ、20MHz以上では細胞膜のインピーダンスがほぼ無視できること、並びに血液のインピーダンスは100kHz〜10MHzで大きく低下することが、特許文献3(特公平5−18362号公報)に記載されている。発明者は鋭意研究の結果、インピーダンス(またはアドミッタンス)の変化を利用することでヘマトクリット値を測定できることを突き止めるに至った。さらに、異なる周波数における交流信号に対するインピーダンスに変化があれば、どのような周波数の交流信号であってもヘマトクリット値を測定できることを確認した。そのため、実施形態に係る血液中のヘマトクリット値の測定方法では、血液が接触している電極対に印加する交流信号の周波数に限定は無いが、インピーダンスの変化の大きい周波数を利用することが好ましい。インピーダンスの変化の大きい周波数の範囲は、例えば、血液に含まれる血球の細胞膜を通過して容量性電流が流れ始める周波数から、容量
性電流の流れの変化が一定範囲となる周波数までの範囲である。第1の工程において血液に印加する交流信号は、詳細については後述するが、好ましくは周波数が400kHzから3MHzまで間の交流信号であり、より好ましくは周波数が600kHzから2MHzまでの間の交流信号である。また、交流信号の印加では、選択した少なくとも2点の周波数の交流信号を印加してもよいし、所定の範囲の周波数を連続的に変化させながら交流信号を印加してもよい。
(第2の工程)
第2の工程において、第1の工程で印加した異なる周波数の交流信号各々について電極対からの応答値を取得する。応答値は、例えば、交流信号が交流電圧であった場合には電流値が応答値であり、交流信号が交流電流であった場合には電圧値が応答値となる。しかしながら、応答値はこれらに限定されるものではない。応答値は、印加した交流信号に対する応答として電極対から取得できる値であればよい。第1の工程において周波数を連続的に変化させながら交流信号が印加された場合には、応答値を取得する周波数を決定し、決定した周波数における応答値を取得する。応答値を取得する周波数は、あらかじめ決められた周波数を使用してもよいし、実際に取得された交流信号に対する応答値の傾向から決定してもよい。
(第3の工程)
第3の工程において、異なる周波数の交流信号の各々について交流信号と応答値との相対関係に係る値を算出する。相対関係に係る値は、例えば、交流信号を交流電圧とし応答値が血液に流れる電流値とした場合は、インピーダンス値やアドミッタンス値である。インピーダンス値とアドミッタンス値とは、互いに逆数の関係にあるので、いずれか一方を算出すれば他方を算出することは容易である。
さらに、第3の工程では、異なる周波数の範囲における、相対関係に係る値の周波数に対する変化の割合を算出する。例えば、第1の工程において印加した交流電圧の周波数が異なる2つの周波数である場合、算出した相対関係に係る値の差を異なる2つの周波数の差で除算することで、変化の割合が算出される。また、例えば、第1の工程において印加した交流電圧の周波数が異なる3つの周波数(周波数の高い方からF1、F2、F3とする)である場合、F1についての相対関係に係る値とF2についての相対関係に係る値との差をF1とF2との差で割った第1の値を算出し、F2についての相対関係に係る値とF3についての相対関係に係る値との差をF2とF3との差で割った第2の値を算出し、第1の値および第2の値の平均値として変化の割合が算出されてもよい。第1の工程において周波数を連続的に変化させながら交流信号を印加した場合、第2の工程において決定した周波数と決定した周波数に対する応答値の組について同様の処理を実行すればよい。また、例えば、第1の工程において周波数を連続的に変化させながら交流信号を印加した場合における別の一例としては、一方の座標軸に相対関係に係る値、他方の座標軸に交流電圧の周波数をとった二次元座標上に、交流電圧の周波数と当該周波数についての相対関係に係る値を二次元座標上の点として記録し、記録した点を通る近似曲線を決定する。決定した近似曲線上の所定座標における微分値を変化の割合として算出してもよい。ここで、近似曲線を決定する近似法に限定は無い。近似法は、例えば、1次近似であっても2次近似であってもよい。また、所定座標は、例えば、決定した近似曲線上の点であって、一方の座標が、印加した異なる周波数から選択した一つの周波数に対応する座標であってもよい。
(第4の工程)
第4の工程では、算出した変化の割合に基づいて血液中のヘマトクリット値を算出する。算出においては、例えば、変化の割合とヘマトクリット値との対応関係に基づいてヘマトクリット値を算出する。対応関係は、例えば、変化の割合とヘマトクリット値とを対応
付けた検量線、変化の割合が入力されるとヘマトクリット値を出力する関数等である。バイオセンサでは、上述の通り、製造誤差等によって、製品毎に個体差が生じる場合がある。しかしながら、本実施形態では、測定した相対関係に係る値間の変化の割合を算出することにより、当該誤差の影響を抑制し、血液中のヘマトクリット値の測定精度低下を抑制できる。
上述した血液中のヘマトクリット値を測定する測定方法および測定方法を実行する測定装置について、以下図面を参照してさらに詳述する。以下では、バイオセンサを用いて血液中のヘマトクリット値を測定する場合について説明する。
図1は、実施形態に係る測定システム1の一例を示す図である。測定システム1は、測定装置30とバイオセンサ40とを含む。測定システム1は、バイオセンサ40に点着された血液中のヘマトクリット値を測定する。測定装置30は、筐体31、複数の操作ボタン32、表示パネル33およびセンサ挿入口34を備える。
図1に示すように、測定装置30の筐体31には、操作ボタン32および表示パネル33が設けられている。操作ボタン32は、各種の設定(測定条件の設定やユーザのID入力など)や、測定の開始、終了等の動作を行うために使用される。操作ボタン32は、接触式のタッチパネルであってもよい。表示パネル33は、測定結果やエラーを表示するとともに、設定時における操作手順や操作状況等を表示する。表示パネル33は、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、CRTまたはエレクトロルミネッセンスパネル等である。表示パネル33に接触式のタッチパネルが重畳して配置されることで、操作ボタン32と表示パネル33とが一体となっていてもよい。
バイオセンサ40は、測定対象となる血液が接触する電極対を備える。図2は、バイオセンサ40の一例を示す斜視図である。バイオセンサ40は、基板41、スペーサ42、およびカバー43を高さ方向に積層して形成される。基板41の上面に形成される電極対44は、ヘマトクリット値の測定における作用極44aと対極44bとを含む。作用極44aおよび対極44bの各々は、導電性を有し、所定距離離れて配置される。以下の説明において、電極対44をなす2以上の電極(作用極44aと対極44bなど)を特に区別しない場合には「電極」との表現を用いる。電極の素材は導電性のある素材であれば特に限定は無いが、例えば、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)及びパラジウム(Pd)のような金属材料、或いはグラファイト、カーボンナノチューブ、グラフェン、メソポーラスカーボンなどのカーボンに代表される炭素材料を用いて形成される。電極は、例えば、絶縁性の基板41上に形成され、好ましくは、電極対44をなす各電極(作用極44aと対極44bなど)は同一の基板41上に形成される。絶縁性の基板41、スペーサ42およびカバー43は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)のような熱可塑性樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂のような各種の樹脂(プラスチック)、ガラス、セラミック、紙のような絶縁性材料で形成される。作用極44a、対極44bおよび基板41の大きさ、厚さ、位置は適宜設定可能である。電極は、例えば、カーボンインクを用いたスクリーン印刷により基板41上に形成することができる。電極の一端は流路46内の血液をその間に挟むよう配置され、他端は測定装置30と電気的に接続可能なように基板41上に露出する。バイオセンサでは血液中に含まれる成分(例えば、グルコース、乳酸、アスコルビン酸、アセトアミノフェン等)を検出するために成分と反応可能な酵素やメディエータなどの試薬を電極対に用いることがあるが、本実施形態に係るバイオセンサ40の電極対44はこのような試薬を用いない。作用極44aおよび対極44bを含む電極対44は、「電極対」の一例である。
流路46は、絶縁性である基板41、スペーサ42、カバー43によって形成され、その一端には血液が点着される採取口45が設けられる。カバー43には、流路46の内部
の気体を外部に排気するための排気口47が設けられる。採取口45に点着された血液は、毛管現象を利用して、排気口47に向けて流路46内を移動する。排気口47に向けて流れた血液は流路46内の電極対44と接触する。
図3は測定装置30の筐体31内部の一例を示す図であり、バイオセンサ40が測定装置30のセンサ挿入口34に挿入された状態を示している。図3では、バイオセンサ40の作用極44a、対極44bが簡略化して示されている。筐体31の内部には、接続部101、印加部102、取得部103、制御部104、記憶部107および出力部108を備える。接続部101は、バイオセンサ40の電極対44と電気的に接続できるよう、電極対44が有する電極に対応した本数の接続端子101a、101bを有する。
印加部102は、異なる周波数の交流信号を生成し、生成した交流信号を接続部101に接続されたバイオセンサ40の電極対44に対して印加する。印加部102は、交流信号として、交流電圧を生成してもよいし、交流電流を生成してもよい。印加部102が生成する交流信号の波形は正弦波であることが好ましいが、正弦波に限定されるわけではない。印加部102は、少なくとも2点の周波数を選択して、選択した周波数の交流信号を印加してもよいし、所定の範囲の周波数を連続的に変化させながら交流信号を印加してもよい。
取得部103は、印加部102がバイオセンサ40の電極対44に対して印加した異なる周波数の交流信号に対する応答値を取得する。例えば、印加部102が電極対44に対して交流電圧を印加すると、電極対44に接触している血液を介して、電極対44の作用極44aと電極対44の対極44bとの間に電流が流れる。そして、対極44bと接続した接続部101の接続端子101bを介して、取得部103は交流電圧に対する応答値である応答電流値を取得できる。ここで、少なくとも2点の周波数を選択し、選択した周波数の交流信号を印加部102が印加する場合には、取得部103は選択した各々の周波数の交流信号に対する応答値を取得する。印加部102が周波数を連続的に変化させながら交流信号を印加した場合には、応答値を取得する周波数が決定され、決定された周波数の交流信号に対する応答値を取得部103が取得する。応答値を取得する周波数は、例えば、あらかじめ所定の周波数が記憶部107に記憶されており、取得部103は記憶部107に記憶された所定の周波数に対する応答値を取得してもよい。また、例えば、応答値を取得する周波数は、取得した交流信号に対する応答値の傾向から、取得部103が決定してもよい。
制御部104は、印加部102が印加する交流電圧の制御ならびに取得部103が取得した応答電流値を用いて血液中のヘマトクリット値の算出等を行う。制御部104は、例えば、Central Processing Unit(CPU)によって例示される演算処理装置である。C
PUは、マイクロプロセッサユニット(MPU)、プロセッサとも呼ばれる。CPUは、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。
記憶部107は、Random Access Memory(RAM)、Read Only Memory(ROM)やハードディスクなどの補助記憶装置を含む。記憶部107は、制御部104によって実行されるプログラムや、血液中のヘマトクリット値を算出するための検量線データおよび各種測定に用いられる情報を記憶する。図4は、検量線データの一例を示す図であり、検量線データでは変化の割合とヘマトクリット値(ヘマトクリット換算値)とが対応付けられているため、制御部104は変化の割合を基にヘマトクリット値を算出できる。なお、記憶部107に記憶された検量線データは一例であって、変化の割合と血液中のヘマトクリット値の対応関係が記憶部107に記憶されればよい。記憶部107に記憶される対応関係は、例えば、変化の割合が入力されるとヘマトクリット値を出力する関数であってもよい。また、記憶部107は、検量線データの他、各種測定に必要な情報を記憶し、第1算出
部105や第2算出部106等によって利用される。
制御部104が記憶部107に記憶されたプログラムを実行することで、第1算出部105および第2算出部106としての処理を実行したり、印加部102が印加する交流信号の制御を実行したりする。第1算出部105は、異なる周波数の各々について、印加部102が印加した周波数の交流信号と取得部103が取得した応答値との相対関係に係る値を算出し、異なる周波数の範囲における、相対関係に係る値の周波数に対する変化の割合を算出する。例えば、印加部102が交流信号として交流電圧を印加した場合、取得部103は、相対関係に係る値として、インピーダンス値やアドミッタンス値を算出する。第2算出部106は、第1算出部105が算出した変化の割合と記憶部107に記憶された検量線データとを基に、血液中のヘマトクリット値を算出する。出力部108は、制御部104によって算出された血液中のヘマトクリット値を含む各種情報を、表示パネル33へ表示するよう出力する。
図5は、実施形態に係る測定システム1の処理フローの一例を示す図である。図5の処理フロー開始前の準備として、測定対象となる血液が電極対44に接触した状態のバイオセンサ40が測定装置30のセンサ挿入口34に挿入される。以下の処理フローでは、交流信号として交流電圧が印加される場合について説明する。以下、図5を参照して、測定システム1の処理フローの一例について説明する。
S1では、印加部102は、バイオセンサ40の電極対44に異なる周波数の交流電圧を印加する。本実施形態では、印加部102は、例えば、異なる周波数の交流電圧として855kHzの交流電圧と845kHzの交流電圧を電極対44に印加する。S1の工程は、「第1の工程」の一例である。
S2では、取得部103は、855kHzの交流電圧に対する応答電流値と845kHzの交流電圧に対する応答電流値とを取得する。S2の工程は、「第2の工程」の一例である。
S3では、第1算出部105は、S1において印加部102が印加した交流電圧とS2において取得部103が取得した応答電流値とに基づいて855kHzの交流電圧が印加されたときのアドミッタンス値と845kHzの交流電圧が印加されたときのアドミッタンス値とを算出する。
S4では、第1算出部105は、S1で印加した交流電圧の周波数の差とS3で算出したアドミッタンス値の差とに基づいて、周波数に対するアドミッタンス値の変化の割合を算出する。変化の割合の算出においては、例えば、第1算出部105は、S3で算出した855kHzの交流電圧が印加されたときのアドミッタンス値と845kHzの交流電圧が印加されたときのアドミッタンス値との差を算出し、算出したアドミッタンス値の差を855kHzと845kHzとの差である10kHzで除算することで、変化の割合を算出する。S3およびS4の工程は、「第3の工程」の一例である。855kHzの周波数は「第1の周波数」の一例であり、845kHzの周波数は「第2の周波数」の一例である。
S5では、第2算出部106は、S4で算出した周波数に対するアドミッタンス値の変化の割合と記憶部107が記憶する検量線データとに基づいて、ヘマトクリット値を算出する。S5の工程は、「第4の工程」の一例である。
ここで実施形態に係る測定方法の原理について説明する。図6は、血液が接触した電極対44に対して印加した交流電圧の周波数と、バイオセンサ40および測定装置30を用
いて算出したアドミッタンス値との関係を例示するグラフである。図6では、縦軸はアドミッタンス値を示し、横軸は印加した交流電圧の周波数を示す。図6の横軸は対数で表記されている。図6に係る測定において、印加した電圧は0.2Vp−pである。図6に係る測定では、10kHzから5MHzの範囲で交流電圧の周波数を変更し、インピーダンス値が測定される。図6に例示されるアドミッタンス値は、5回測定したインピーダンス値の平均値を基に算出したものである。測定対象となる血液は、ヘマトクリット値が10%のもの(図6のグラフA)、ヘマトクリット値が42%のもの(図6のグラフB)、ヘマトクリット値が65%のもの(図6のグラフC)の3種類である。測定対象となる血液のヘマトクリット値は、血液を遠心分離器によって遠心分離してあらかじめ測定している。
図7は、図6に例示したグラフの各周波数における傾きを例示するグラフである。図7では、図6に例示したグラフにおいて周波数10kHzごとに傾きを算出してグラフ化している。図7では、縦軸は傾きを示し、横軸は印加した交流電圧の周波数を示す。図7の横軸は、図6と同様に対数で表記されている。図7におけるグラフA、グラフB、グラフCは、各々図6におけるグラフA、グラフB、グラフCに対応する。図7を参照すると理解できるように、850kHz前後の周波数帯域では、他の周波数帯域よりもグラフA、B、C各々における周波数に対する傾きのバラつきが少なく、グラフA、B、C各々の間も離れている。850kHz前後の周波数帯域は、グラフの傾きによってヘマトクリット値を他の周波数帯域よりも高い精度で算出できる周波数帯域であると考えられる。
図7に例示される傾きとヘマトクリット値との対応関係を基に、各周波数における、傾きからヘマトクリット値を算出する検量線を決定する。検量線は、例えば、上述の図4のように、傾きとヘマトクリット値とを対応付けたものである。図8は、検量線によって換算されたヘマトクリット値と真値との乖離を例示する図の一例である。図9は、図8に例示される図のうち、周波数500kHzから1MHzを中心に拡大した図の一例である。図8および図9における真値は、例えば、血液を遠心分離器によって遠心分離して測定された値である。図8および図9では、縦軸は真値からの乖離の大きさを示し、横軸は印加した交流電圧の周波数を示す。図8および図9を参照すると、850kHz前後の500kHzから1MHzの周波数帯域では、他の周波数帯域よりも真値からの乖離が少ないことがわかる。
図10は、各周波数における、図7に例示される傾きと検量線とを基に算出したヘマトクリット値の変動係数の一例を示す図である。図10では、ヘマトクリット値10%の血液、ヘマトクリット値42%の血液およびヘマトクリット値65%の血液の各々について、変動係数が例示される。ヘマトクリット値を好適に算出するには、変動係数が10%以下が好ましく、5%以下ではさらに好ましい。このことから、ヘマトクリット値を算出する際に用いる交流電圧の周波数は、400kHzから3MHzが好ましく、600kHzから2MHzではさらに好ましい。以上の原理を踏まえ、本実施形態の図5に例示される処理フローでは、2点の異なる周波数として、855kHzと845kHzとを選択しているが、上記原理に沿って周波数の値、測定数、値間の周波数の差などを適宜選択すればよい。上記原理に沿って周波数を選択することは、交流電圧に対する応答電流値の傾向から、応答電流値を取得する周波数を決定しているといえる。
<実施形態の効果>
バイオセンサ40では、上述の通り、製造誤差等によって、作用極44a、対極44bの抵抗値や流路46の高さh等において製品毎に個体差が生じやすい。本実施形態では、測定した当該製造誤差等の影響を受けたインピーダンス値(またはアドミッタンス値)間の変化の割合を算出することで、作用極44a、対極44bの抵抗値や流路の高さhの誤差による影響が抑制される。そのため、バイオセンサ40が作用極44a、対極44bの
抵抗値や流路46の高さh等に製造誤差等を有する場合でも、当該誤差の影響を抑制し、血液中のヘマトクリット値の測定精度低下を抑制できる。さらに、作用極44a、対極44bの抵抗値の誤差による影響が抑制されることから、作用極44a、対極44bの抵抗値をあらかじめ測定する工程や測定した抵抗値に基づいてヘマトクリット値を補正する工程を省略することができる。その結果、本実施形態では、バイオセンサに上記した製造誤差によるヘマトクリット値への測定精度への影響を簡易な構成で抑制できる。
本実施形態に係るヘマトクリット値の測定方法では、作用極44a、対極44bの抵抗値における誤差の影響が大きくなる低ヘマトクリット値(例えば、10%程度)の測定であっても、位相測定と同程度の測定精度が実現される。また、本実施形態に係るヘマトクリット値の測定方法は、高速サンプリングが不要なため、高速サンプリングが必要となる位相測定を用いたヘマトクリット値の測定方法よりも安価なシステムで実現できる。
本実施形態に係るヘマトクリット値の測定方法は、パルス波を用いてヘマトクリット値を測定する特許文献2に係る技術と比較した場合、低ヘマトクリット値においてより高い測定精度であるため、低ヘマトクリット値を含む様々なヘマトクリット値の血液に対して高い測定精度が実現できる。
本実施形態に係るヘマトクリット値の測定方法は、特許文献3に係る技術のような20MHz以上の高周波を用いなくともよいため、特許文献3に係る技術よりも安価な装置によって実現できる。
1・・・測定システム
30・・・測定装置
31・・・筐体
32・・・操作ボタン
33・・・表示パネル
34・・・センサ挿入口
40・・・バイオセンサ
41・・・基板
42・・・スペーサ
43・・・カバー
44・・・電極対
44a・・・作用極
44b・・・対極
45・・・採取口
46・・・流路
101・・・接続部
102・・・印加部
103・・・取得部
104・・・制御部
105・・・第1算出部
106・・・第2算出部
107・・・記憶部
108・・・出力部

Claims (9)

  1. 血液が接触している電極対に対して異なる周波数の交流信号を印加する第1の工程と、
    前記異なる周波数の交流信号各々について前記電極対からの応答値を取得する第2の工程と、
    前記異なる周波数の交流信号各々について前記交流信号と前記応答値との相対関係に係る値を算出し、前記異なる周波数の範囲における、前記相対関係に係る値の周波数に対する変化の割合を算出する第3の工程と、
    前記変化の割合に基づいて前記血液中のヘマトクリット値を算出する第4の工程と、を含む、
    血液中のヘマトクリット値を測定する測定方法。
  2. 前記電極対は試薬を含まない、
    請求項1に記載の測定方法。
  3. 前記第3の工程では、前記相対関係は、前記交流信号と前記応答値との比であって、
    第1の周波数に対応する前記比の値と第2の周波数に対応する前記比の値との差を前記第1の周波数と前記第2の周波数との差で割ることで、前記変化の割合を算出する、
    請求項1または2に記載の測定方法。
  4. 前記第4の工程では、前記変化の割合とヘマトクリット値とを対応付けた検量線に基づいて前記血液中のヘマトクリット値を算出する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の測定方法。
  5. 前記交流信号は交流電圧であり、前記応答値は前記交流電圧によって前記血液に流れる電流値である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の測定方法。
  6. 前記異なる周波数は、前記血液に含まれる血球の細胞膜を通過して容量性電流が流れ始める周波数から、前記容量性電流の流れの変化が一定範囲となる周波数までの間から選択される、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のヘマトクリット値を測定する測定方法。
  7. 前記異なる周波数は、400kHzから3MHzまでの間から選択される、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の測定方法。
  8. 前記異なる周波数は、600kHzから2MHzまでの間から選択される、
    請求項7に記載の測定方法。
  9. 血液と接触させる電極対を含むバイオセンサとの接続部と、
    前記接続部と接続された前記電極対に対して異なる周波数の交流信号を印加する印加部と、
    前記異なる周波数の交流信号各々について前記電極対からの応答値を取得する取得部と、
    前記異なる周波数の各々について前記交流信号と前記応答値との相対関係に係る値を算出し、前記異なる周波数の範囲における、前記相対関係に係る値の周波数に対する変化の割合を算出する第1算出部と、
    前記変化の割合に基づいて前記血液中のヘマトクリット値を算出する第2算出部と、を備える、
    測定装置。
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