JP2019105347A - 全方向滑り支承装置、仮固定治具及び全方向滑り支承装置の仮固定構造 - Google Patents

全方向滑り支承装置、仮固定治具及び全方向滑り支承装置の仮固定構造 Download PDF

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智里 田邊
Chisato Tanabe
智里 田邊
佑介 林田
Yusuke Hayashida
佑介 林田
竜二 桐子
Ryuji Kiriko
竜二 桐子
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Abstract

【課題】所定の第1方向に長い第1沓と、前記第1方向に直交する第2方向に長い第2沓と、前記上沓と前記下沓との間に配置され、前記上沓及び前記下沓のそれぞれと対向するとともに摺動する第3沓とを組み付けて構成された全方向滑り支承装置であっても容易に仮固定する仮固定治具及び仮固定構造、並びに容易に仮固定することができる全方向滑り支承装置を提供することを目的とする。【解決手段】主桁100及び橋脚110におけるそれぞれの対向部分に配設した上沓10及び下沓30、並びに、上沓10及び下沓30の間に配置され、上沓10及び下沓30のそれぞれと対向するとともに摺動する中沓20を高さ方向Hに組み付けて構成した全方向滑り支承装置1において、上沓10の奥行方向Lに沿う側面10aと、下沓30の幅方向Wに沿う側面30aとに対して仮固定治具40を取り付け、上沓10と下沓30との相対移動を仮固定した。【選択図】図2

Description

この発明は、例えば、橋梁における橋脚等の下部建造物で、主桁等の上部建造物を支持する全方向滑り支承装置を仮固定する仮固定治具及び仮固定構造、並びに容易に仮固定することができる全方向滑り支承装置に関する。
従来より、例えば、橋梁、免震建造物、あるいは固定建造物同士を接続する接続部分等の振動や相対変位が生じる建造物において、特許文献1に示すように、面内方向における全方向に可動支持する全方向滑り支承装置がある。
このような全方向滑り支承装置は、主桁等の被支持建造物と、橋脚等の支持建造物との間に配設され、被支持建造物に固定された上沓と、支持建造物に固定された下沓と、上沓と下沓との間に配置され、上沓及び下沓のそれぞれと対向するとともに摺動する中沓とを組み付けて構成されている。
そして、このような全方向滑り支承装置は、例えば、上沓を橋軸方向に長く、下沓を橋軸直角方向に長く形成し、中沓が上沓と橋軸方向に摺動するとともに、下沓と橋軸直角方向に摺動することで、面内方向における全方向に可動することができる。
また、主桁等の被支持建造物と、橋脚等の支持建造物との間に配設され、被支持建造物に固定された上沓と、支持建造物に固定された下沓とで構成する一般的な滑り支承装置において、特許文献2に提案されるように、建造物に対して滑り支承装置を高精度で効率よく組み付けわせるため、上沓と下沓とを仮固定する固定構造がある。
特許文献2に提案されている固定構造は、平面視形状が大きい下沓に対して、平面視形状が小さい上沓を固定するため、平面視形状が大きい下沓において対向する周縁部同士を跨ぐように固定部材を取付け、平面視形状が小さい上沓を固定部材で挟み込んで、下沓に対する上沓の面内方向の無用な移動を規制している。
しかしながら、特許文献2で提案されるような仮固定構造を、特許文献1に記載された全方向滑り支承装置に適用しようとすると、下沓に対する中沓の仮固定と、上沓に対する中沓の仮固定とを行う必要があり、構造が複雑化するという問題があった。このように構造が複雑化すると、滑り支承装置の建造物への取り付けは非常な狭隘な空間での施工であるため、滑り支承装置を建造物に取り付けるための施工や仮固定を解除するための施工が困難となるおそれがあった。
特開2008−75733号公報 特開2007−16433号公報
そこで本発明では、所定の第1方向に長い第1沓と、前記第1方向に直交する第2方向に長い第2沓と、前記第1沓と前記第2沓との間に配置され、前記第1沓及び前記第2沓のそれぞれと対向するとともに摺動する第3沓とを組み付けて構成された全方向滑り支承装置であっても容易に仮固定する仮固定治具及び仮固定構造、並びに容易に仮固定することができる全方向滑り支承装置を提供することを目的とする。
この発明は、第1建造物及び第2建造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓、並びに、前記第1沓及び前記第2沓の間に配置され、前記第1沓及び前記第2沓のそれぞれと対向するとともに摺動する第3沓を、前記第1建造物及び前記第2建造物が対向する対向方向において、前記第1沓、前記第3沓及び前記第2沓の配置順で組み付けて構成され、前記第1沓は、所定の第1方向において前記第2沓よりも長く、前記第2沓は、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1沓より長い全方向滑り支承装置における前記第1沓の前記第1方向に沿う第1側面と、前記第2沓の前記第2方向に沿う第2側面とに対して連結するように仮固定治具を取り付け、前記第1沓と前記第2沓との相対移動を仮固定する全方向滑り支承装置の仮固定構造であることを特徴とする。
またこの発明は、第1建造物及び第2建造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓、並びに、前記第1沓及び前記第2沓の間に配置され、前記第1沓及び前記第2沓のそれぞれと対向するとともに摺動する第3沓を、前記第1建造物及び前記第2建造物が対向する対向方向において、前記第1沓、前記第3沓及び前記第2沓の配置順で組み付けて構成され、前記第1沓は、所定の第1方向において前記第2沓よりも長く、前記第2沓は、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1沓より長く、前記第1沓の前記第1方向に沿う第1側面と、前記第2沓の前記第2方向に沿う第2側面とに、前記第1側面と前記第2側面とを連結し、前記第1沓と前記第2沓との相対移動を仮固定する仮固定治具を取り付ける仮固定治具取付部が備えられた全方向滑り支承装置であることを特徴とする。
さらにまたこの発明は、第1建造物及び第2建造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓、並びに、前記第1沓及び前記第2沓の間に配置され、前記第1沓及び前記第2沓のそれぞれと対向するとともに摺動する第3沓を、前記第1建造物及び前記第2建造物が対向する対向方向において、前記第1沓、前記第3沓及び前記第2沓の配置順で組み付けて構成され、前記第1沓は、所定の第1方向において前記第2沓よりも長く、前記第2沓は、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1沓より長い全方向滑り支承装置における前記第1沓の前記第1方向に沿う第1側面と、前記第2沓の前記第2方向に沿う第2側面とに対して、連結するように取り付けられ、前記第1沓と前記第2沓との相対移動を仮固定する仮固定治具であることを特徴とする。
上記第1建造物及び第2建造物は、例えば、橋脚を第2建造物とし、主桁を第1建造物とする橋梁、ビルを第2建造物とし、ビルとビルとを連絡する渡り廊下を第1建造物とする連絡通路、柱を第2建造物とし、トラス屋根を第1建造物とする屋根構造、あるいは、ビルを第2建造物とし、別のビルを第1建造物とするエキスパンション構造における建造物とすることができる。
前記第1沓、前記第2沓及び前記第3沓は、前記第1建造物及び前記第2建造物を上下方向に配置した場合における上沓と下沓、そして前記上沓と前記下沓との間に配置された中沓とすることができる。
なお、前記第1沓、前記第2沓、及び前記第3沓には、滑り面を設けることができる。例えば、前記第1沓には、前記第1方向に長く、前記第2方向に短い第1滑り面を設け、前記第2沓には、前記第2方向に長く、前記第1方向に短い第2滑り面を設け、前記第3沓には、前記第1滑り面と対向し、前記第1方向に摺動する第3滑り面と、前記第2滑り面と対向し、前記第2方向に摺動する第4滑り面とを設けることができる。
上記仮固定治具は、前記第1沓の前記第1方向に沿う第1側面と、前記第2沓の前記第2方向に沿う第2側面とに対して、連結するように取り付けることができれば、つまり、前記第1側面と前記第2側面とを連結できる長さがあれば、いわゆるL型アングル部材、角型鋼管、適宜の断面形状の柱状材としてもよい。
なお、上記仮固定治具の第1側面及び第2側面への取り付けは、ボルト等の締結手段で締結してもよいし、仮止め溶接等で固定してもよいし、仮固定部材の一部を第1側面や第2側面に圧入して取り付けてもよい。さらに、上記仮固定治具の第1側面及び第2側面への取り付けは、両方とも同じ方法で取り付けてもよいし、異なる方法で取り付けてもよい。
また、前記仮固定治具は、前記第1沓の両側の第1側面のうち少なくとも一方と、前記第2沓の両側の第2側面のうち少なくとも一方とを連結してもよい。
この発明により、所定の前記第1方向に長い前記第1沓と、前記第1方向に直交する第2方向に長い前記第2沓と、前記第1沓と前記第2沓との間に配置され、前記第1沓及び前記第2沓のそれぞれと対向するとともに摺動する第3沓とを組み付けて構成された全方向滑り支承装置を、前記仮固定治具を用いて容易に仮固定することができる。
詳述すると、所定の第1方向に長い前記第1沓における前記第1方向に沿う第1側面と、前記第2方向に長い前記第2沓における前記第2方向に沿う第2側面とを前記仮固定治具で連結することによって、それぞれと摺動する前記第3沓を介することなく、簡易な構造で、前記第1沓と前記第2沓との相対移動を規制し、容易に仮固定することができる。
この発明の態様として、前記第3沓が、前記第1沓における前記第1方向の中央に配置されるとともに、前記第2沓における前記第2方向の中央に配置された状態で仮固定してもよい。
この発明により、安定して仮固定することができる。
詳述すると、一般的に、建造物の重心位置を考慮し、建造物に滑り支承装置を固定されるが、前記第3沓が、前記第1沓における前記第1方向の中央に配置されるとともに、前記第2沓における前記第2方向の中央に配置されることで、仮固定した状態のまま建造物に取り付けた場合であっても偏荷重が作用することを防止できる。
またこの発明の態様として、前記第1沓、前記第3沓及び前記第2沓が重なり合い、前記対向方向において交差する交差部分の四隅に前記仮固定治具を設けてもよい。
この発明により、前記第1沓を前記第2方向の両側から挟むとともに、前記第2沓を前記第1方向の両側から挟むように前記仮固定治具で連結するため、前記第1方向及び前記第2方向のいずれの方向の相対移動に対しても対抗でき、確実な仮固定状態を実現することができる。また、建造物への取り付け作業時や運搬時に負荷が作用した場合であっても、交差部分の四隅を前記仮固定治具で連結しているため、不用意に仮固定状態が解除されることを防止することができる。
またこの発明の態様として、前記第1沓及び前記第2沓が、前記第1建造物及び前記第2建造物における前記対向部分のそれぞれに固定されるプレート部と、該プレート部に設けられた摺動方向に長い摺動面部材と、該摺動面部材に対して、前記第3沓の摺動方向を規制する摺動方向規制部とで構成され、前記第1側面及び前記第2側面のうち少なくとも一方が、前記プレート部の側面であってもよい。
この発明により、前記仮固定治具を前記プレート部に対して容易に着脱することができる。
例えば、全方向滑り支承装置において平面視内側に配置される前記摺動方向規制部に対して前記仮固定治具を着脱する場合に比べて、平面視外側に配置される前記プレート部の側面に対して前記仮固定治具を着脱するため、建造物同士の間という狭隘な施工空間であっても容易に前記仮固定治具を着脱することができる。
またこの発明の態様として、前記仮固定治具を前記第1側面及び前記第2側面に対して締結して取り付ける締結具が備えられ、前記第1側面及び前記第2側面に前記締結具が締結する被締結部が設けられてもよい。
この発明により、仮固定並びに仮固定の解放を容易に行うことができる。
詳述すると、例えば、仮固定治具をプレート部の側面に溶接で固定する場合、仮固定するためには溶接機等の設備が必要となり、仮固定を解放するために溶接や仮固定治具を溶断する必要がある。これに対し、前記第1側面及び前記第2側面に向けて前記被締結部に前記締結具を締結することで前記仮固定治具を側面に取り付けて容易に仮固定状態とすることができ、逆に、前記被締結部に締結された前記締結具を取り外すことで、容易に前記仮固定治具を取り外して仮固定状態を解放することができる。
またこの発明の態様として、前記被締結部が、前記プレート部の面上に固定された被締結治具で構成されてもよい。
この発明により、プレート部の側面に締結具を螺入する締結穴を設ける場合に比べてプレート部の厚みを薄くできる。したがって、コンパクトな全方向滑り支承装置を構成することができる。
またこの発明の態様として、前記仮固定治具は、前記第1建造物及び前記第2建造物における前記対向部分のそれぞれに固定される前記プレート部同士の間隔より長く、前記対向部分同士の間隔より短く形成されてもよい。
この発明により、仮固定治具が支障することなく、建造物に対して全方向滑り支承装置を確実に取り付けることができる。
詳述すると、一般的に、建造物の対向面に対して、前記プレート部を溶接して取り付けるが、前記仮固定治具が前記第1建造物及び前記第2建造物における前記対向部分同士の間隔より短く形成されているため、建造物の対向部と前記仮固定治具の端部との間に隙間が形成され、仮固定治具が支障することなく、建造物の対向面と前記プレート部とを溶接して確実に全方向滑り支承装置を取り付けることができる。
また、前記仮固定治具を、前記第1建造物及び前記第2建造物における前記対向部分のそれぞれに固定される前記プレート部同士の間隔より長く形成していることで、前記仮固定治具の端部は前記プレート部の側面にかかっているため、前記被締結部から前記締結具が外れた場合であっても、前記仮固定治具が側面に係止している方向の移動を規制することができる。
本発明により、所定の第1方向に長い第1沓と、前記第1方向に直交する第2方向に長い第2沓と、前記第1沓と前記第2沓との間に配置され、前記第1沓及び前記第2沓のそれぞれと対向するとともに摺動する第3沓とを組み付けて構成された全方向滑り支承装置であっても容易に仮固定する仮固定治具及び仮固定構造、並びに容易に仮固定することができる全方向滑り支承装置を提供することができる。
仮固定状態の全方向滑り支承装置の斜視図。 全方向滑り支承装置の上方からの分解斜視図。 中沓の上方からの分解斜視図。 全方向滑り支承装置の下方からの分解斜視図。 全方向滑り支承装置の平面図。 全方向滑り支承装置の説明図。 仮固定を解放した状態の全方向滑り支承装置の斜視図。 他の実施形態の全方向滑り支承装置の平面図。 他の実施形態の全方向滑り支承装置の説明図。
この発明の一実施形態を以下図面とともに説明する。
図1は仮固定状態の全方向滑り支承装置1の斜視図を示し、図2は全方向滑り支承装置1の上方からの分解斜視図を示し、図3は中沓20の上方からの分解斜視図を示し、図4は全方向滑り支承装置1の下方からの分解斜視図を示し、図5は全方向滑り支承装置1の平面図を示し、図6は全方向滑り支承装置1の説明図を示し、図7は仮固定を解放した状態の全方向滑り支承装置1の斜視図を示している。
なお、図2は奥行方向L及び幅方向Wの手前側の一部を透過状態で図示している。また、図6(a)は全方向滑り支承装置1の正面図を示し、図6(b)は図5に示すA−A矢視断面図を示し、図6(c)は全方向滑り支承装置1の側面図を示し、図6(d)は図5に示すB−B矢視断面図を示している。
全方向滑り支承装置1は、上部建造物である主桁100(図6)を、下部建造物である橋脚110(図6)で支持する橋梁における全方向滑り支承装置であり、主桁100の底面に固定された上沓10と、橋脚110の上面に固定された下沓30と、上沓10と下沓30との間に配置された中沓20とで構成している。
上沓10は、図4に示すように、幅方向Wより奥行方向Lが長い矩形状のソールプレート11と、ソールプレート11の底面において幅方向Wの両側に設けたストッパ12と、奥行方向Lの両端付近に設けたサイドブロック13と、ソールプレート11の底面に装着されるスライドプレート14と、ストッパ12の幅方向W内側に装着されるサイドスライドプレート15と、上沓10において奥行方向Lに沿った幅方向Wの両側の側面10aに対して取り付けられた高ナット16とで構成されている。
ソールプレート11は、上述したように、幅方向Wより奥行方向Lが長い矩形状であり、主桁100の底面に取り付けられる適宜の厚みを有する鋼製のプレート材である。
ソールプレート11の底面において幅方向Wの両側に設けたストッパ12は、ストッパ側面部121と、ストッパ側面部121の下端から幅方向Wの内側に延びるストッパ底面部122とで構成する断面L型形状であり、幅方向Wの左右において、ストッパ底面部122同士が近づく向きで対向配置されている。
なお、ストッパ12は、ストッパ側面部121の幅方向Wの外側面とソールプレート11の底面とを跨ぐリブ123が奥行方向Lに所定間隔を隔てて複数設けられ、ソールプレート11の底面に固定されている。
このように、ソールプレート11の底面において幅方向Wの両側に設けられたストッパ12は、全方向滑り支承装置1の組み付け状態において、上沓10に対する中沓20の奥行方向Lの摺動方向を規制(ガイド)するとともに、上沓10と中沓20との高さ方向Hの離間を規制している。
ソールプレート11の底面における奥行方向Lの両端付近において、ストッパ12の奥行方向Lの両端部を塞ぐように設けられるサイドブロック13は、ソールプレート11と同じ幅方向Wの長さで形成されている。なお、奥行方向Lの両側に設けられたサイドブロック13のうち一方は、幅方向Wの両側に配置されたストッパ12同士の間に、後述する中沓20が挿入された後に装着されることで、ストッパ12同士の間に挿入された中沓20が抜け出ることを防止している。
スライドプレート14は、幅方向Wより奥行方向Lが長い平面視矩形状の滑り面を構成し、幅方向Wの両側に配置されたストッパ12同士の間におけるソールプレート11の底面に装着される鋼製の板材であり、少なくとも滑り面となる底面に研磨処理が施されている。
サイドスライドプレート15は、幅方向Wより奥行方向Lが長い平面視矩形状の滑り面を構成し、幅方向Wの両側に配置されたストッパ12におけるストッパ側面部121の内面に装着される鋼製の板材であり、少なくとも滑り面となる内面に研磨処理が施されている。
高ナット16は、ソールプレート11の底面において幅方向Wに向けて取り付けられ、後述する仮固定治具40を連結するボルト41を螺合する高ナット(長ナット)であり、幅方向Wの端部が奥行方向Lに沿った側面10aと面一となるように取り付けられている。また、高ナット16は、ベースプレート31の奥行方向Lの長さに所定の長さを加えた間隔で、ソールプレート11の奥行方向Lの中央に対して両側に設けられている。
下沓30は、上述の上沓10と同様の構成であり、図2に示すように、奥行方向Lより幅方向Wが長い矩形状のベースプレート31と、ベースプレート31の上面において奥行方向Lの両側に設けたストッパ32と、幅方向Wの両端付近に設けたサイドブロック33と、ベースプレート31の上面に装着されるスライドプレート34と、ストッパ32の奥行方向L内側に装着されるサイドスライドプレート35と、下沓30において幅方向Wに沿った奥行方向Lの両側の側面30aに対して取り付けられた高ナット36とで構成されている。
ベースプレート31は、上述したように、奥行方向Lより幅方向Wが長い矩形状であり、橋脚110の上面に取り付けられる適宜の厚みを有する鋼製のプレート材である。
ベースプレート31の上面において奥行方向Lの両側に設けたストッパ32は、ストッパ側面部321と、ストッパ側面部321の上端から奥行方向Lの内側に延びるストッパ上面部322とで構成する断面L型形状であり、奥行方向Lの左右において、ストッパ上面部322同士が近づく向きで対向配置されている。
なお、ストッパ32は、ストッパ側面部321の奥行方向Lの外側面とベースプレート31の上面とを跨ぐリブ323が幅方向Wに所定間隔を隔てて複数設けられ、ベースプレート31の上面に固定されている。
このように、ベースプレート31の上面において奥行方向Lの両側に設けられたストッパ32は、全方向滑り支承装置1の組み付け状態において、下沓30に対する中沓20の摺動方向を幅方向Wに規制(ガイド)するとともに、下沓30と中沓20との高さ方向Hの離間を規制している。
ベースプレート31の上面における幅方向Wの両端付近において、ストッパ32の幅方向Wの両端部を塞ぐように設けられるサイドブロック33は、ベースプレート31と同じ奥行方向Lの長さで形成されている。なお、幅方向Wの両側に設けられたサイドブロック33のうち一方は、奥行方向Lの両側に配置されたストッパ32同士の間に、後述する中沓20が挿入された後に装着されることで、ストッパ32同士の間に挿入された中沓20が抜け出ることを防止している。
スライドプレート34は、奥行方向Lより幅方向Wが長い平面視矩形状の滑り面を構成し、奥行方向Lの両側に配置されたストッパ32同士の間におけるベースプレート31の上面に装着される鋼製の板材であり、少なくとも滑り面となる上面に研磨処理が施されている。
サイドスライドプレート35は、奥行方向Lより幅方向Wが長い平面視矩形状の滑り面を構成し、奥行方向Lの両側に配置されたストッパ32におけるストッパ側面部321の内面に装着される鋼製の板材であり、少なくとも滑り面となる内面に研磨処理が施されている。
高ナット36は、ベースプレート31の上面において奥行方向Lに向けて取り付けられ、後述する仮固定治具40を連結するボルト41を螺合する高ナット(長ナット)であり、奥行方向Lの端部が幅方向Wに沿った側面30aと面一となるように取り付けられている。また、高ナット36は、ソールプレート11の幅方向Wの長さに所定の長さを加えた間隔で、ベースプレート31の幅方向Wの中央に対して両側に設けられている。
このように構成された上沓10及び下沓30との間に配置され、上沓10と下沓30と摺動する中沓20は、図3に示すように、奥行方向L及び幅方向Wに沿う平面視略正方形で、奥行方向Lや幅方向Wの長さの半分程度の高さを有する高さが低い略方形体状のベースポット21と、ベースポット21の上下端において外側に張り出したフランジ211,212の端面に備えたサイドスライダー22,23、ベースポット21の上面21aに備えた上摺動部材24と、ベースポット21の底面21bに備え、下スライダ251及びダストシール252で構成される下摺動部材25とで構成されている。
ベースポット21は、上述のような方形体状の上端において幅方向Wの両方に張り出した左右一対の上フランジ211と、方形体状の下端において奥行方向Lの両方に張り出した前後一対の下フランジ212とが備えられ、上面21aの平面視中央に上摺動部材24を装着する円筒状の空間である上摺動部材装着凹部213が設けられている。
また、ベースポット21の底面21bには、下摺動部材25が装着される下摺動部材装着凹部214が設けられている。なお、下スライダ251及びダストシール252で構成される下摺動部材25を装着する下摺動部材装着凹部214は、下スライダ251を装着する底面視中央に配置された円筒状の空間である下スライダ装着凹部214aと、下スライダ装着凹部214aの外径側で環状の空間に形成されたダストシール装着凹部214bとで構成されている。
上摺動部材装着凹部213に装着される上摺動部材24は、弾性プレート241、シールリング242、ピストン243及びベアリング244で構成している。
弾性プレート241は、上摺動部材装着凹部213よりわずかに小さな径の平面視円形、且つ上摺動部材装着凹部213の深さの半分程度の高さを有するゴム製のプレートである。
シールリング242は、径外側が垂直面となる断面台形状の円形リングであり、外径が弾性プレート241と同じ径で形成し、シールリング242における台形断面における内径側が、連続して上方に向かうにつれ径外側に広がる傾斜面で形成している。
ピストン243は、ステンレス製の略円錐台形状であり、シールリング242の嵌合を許容する嵌合溝243aを外周面の下端に形成している。
ベアリング244は、フッ素樹脂で形成された平面視円形の板状体であり、自己潤滑性を有するとともに表面が低摩擦係数であり、ピストン243の上面に接合されている。
下摺動部材25を構成する下スライダ251は、自己潤滑性を有するとともに表面が低摩擦係数であるフッ素樹脂で形成された平面視円形の板状体である。
下摺動部材25を下スライダ251とともに構成するダストシール252は、矩形断面で構成した、下スライダ251より大きな径の円形のリング体である。
ベースポット21の上端において幅方向Wの両方に張り出した左右一対の上フランジ211の端面に装着される上サイドスライダー22は、組み付け状態において、上沓10のストッパ12を構成するストッパ側面部121の内面に装着されたサイドスライドプレート15と摺動し、自己潤滑性を有するとともに表面が低摩擦係数であるフッ素樹脂製の板材で構成している。
ベースポット21の下端において奥行方向Lの両方に張り出した前後一対の下フランジ212の端面に装着される下サイドスライダー23は、組み付け状態において、下沓30のストッパ32を構成するストッパ側面部321の内面に装着されたサイドスライドプレート35と摺動し、自己潤滑性を有するとともに表面が低摩擦係数であるフッ素樹脂製の板材で構成している。
このように各要素が構成された中沓20は、ベースポット21の上摺動部材装着凹部213に、弾性プレート241、シールリング242、ピストン243及びベアリング244を重ねて装着し、下摺動部材25を構成する下スライダ251を下スライダ装着凹部214aに装着するとともに、ダストシール252をダストシール装着凹部214bに装着し、さらに、フランジ211,212の端面にサイドスライダー22,23を装着して組み付けられる。
上述したように各要素で構成された上沓10、中沓20及び下沓30は、上沓10の底面において幅方向Wの両側に設けたストッパ12同士の間にベースポット21の上フランジ211を奥行方向Lに摺動可能に収容して上沓10と中沓20とを組み付け、下沓30の上面において奥行方向Lの両側に設けたストッパ32同士の間にベースポット21の下フランジ212を幅方向Wに摺動可能に収容して下沓30と中沓20とを組み付けて全方向滑り支承装置1を構成する。
このとき、中沓20の上面21aに露出する上摺動部材24のベアリング244は、上沓10のスライドプレート14と奥行方向Lに摺動し、ベースポット21の上フランジ211の端面に設けた上サイドスライダー22は、ストッパ12のストッパ側面部121の内面に設けたサイドスライドプレート15と奥行方向Lに摺動することとなる。
同様に、中沓20の底面21bに露出する下摺動部材25を構成する下スライダ251とダストシール252とは、下沓30のスライドプレート34と幅方向Wに摺動し、ベースポット21の下フランジ212の端面に設けた下サイドスライダー23は、ストッパ32のストッパ側面部321の内面に設けたサイドスライドプレート35と幅方向Wに摺動することとなる。
そのため、全方向滑り支承装置1は、上沓10と中沓20とが奥行方向Lに摺動し、中沓20と下沓30とが幅方向Wに摺動するため、上沓10と下沓30とは、中沓20を介して、奥行方向Lと幅方向Wとで構成する水平方向(面内方向)における全方向に相対移動することができる。また、ダストシール252が下スライダ251の径外側で接触しながらスライドプレート34と摺動するため、下スライダ251とスライドプレート34との摺動面にゴミ等が侵入することを防止することができる。
上述のように、上沓10と下沓30とが中沓20を介して水平方向(面内方向)における全方向に相対移動することができる全方向滑り支承装置1において、上沓10と下沓30との相対移動を仮固定する仮固定構造について以下で説明する。
全方向滑り支承装置1における上沓10と下沓30との相対移動を仮固定する仮固定構造は、沓10,30の側面10a,30aに対して面一に設けた高ナット16,36と、高ナット16,36が設けられた側面10a,30a同士を連結する仮固定治具40と、仮固定治具40を高ナット16,36に対して締結するためのボルト41とで構成する。
仮固定治具40は、後述する長さで形成された、L型形状を有するいわゆるL型アングル材で構成されるとともに、L型断面に垂直な方向の長さ方向が高さ方向Hとなるように配置され、高ナット16,36に対応する箇所にボルト41を挿通するボルト孔が設けられている。
仮固定治具40の治具長さH1は、図6に示すように、上沓10のソールプレート11の底面と下沓30のベースプレート31の上面との間隔であるプレート間距離H2より長く、上沓10のソールプレート11の上面と下沓30のベースプレート31の底面との距離、つまり全方向滑り支承装置1の高さであり、全方向滑り支承装置1を装着する主桁100と橋脚110との間隔である建造物間距離H3より短く形成している。
このように構成された仮固定治具40は、断面L型形状を構成する二面、すなわちL型の外側面であって互いに直交する二面が平面視において奥行方向L及び幅方向Wにおいてそれぞれ対向するように4つ配置され、ボルト41を高ナット16,36に螺合することによって、仮固定治具40を装着することができる。
具体的には、図5に示すように、平面視において、上沓10と下沓30とが重なり合う正方形状の平面交差部分Xの四隅において、平面交差部分Xの頂点と仮固定治具40の頂点とが対向するとともに、断面L型形状を構成する二面がそれぞれ奥行方向L及び幅方向Wに向くように配置し、固定されている。そのため、断面L型形状を構成する二面はそれぞれ上沓10の側面10a及び下沓30の側面30aに沿うとともに面接触することとなる。
なお、上述したように、高ナット16がベースプレート31の奥行方向Lの長さに所定の長さを加えた間隔で、ソールプレート11の奥行方向Lの中央に対して両側に設けられ、高ナット36がソールプレート11の幅方向Wの長さに所定の長さを加えた間隔で、ベースプレート31の幅方向Wの中央に対して両側に設けられているため、高ナット16,36にボルト41を螺合して仮固定治具40を連結した仮固定状態では、下沓30が上沓10に対して奥行方向Lの中央に配置され、上沓10が下沓30に対して幅方向Wの中央に配置された状態、つまり上沓10と下沓30とが平面視において交差する平面交差部分Xが全方向滑り支承装置1の中央となる位置で仮固定することができる。
上述のように仮固定治具40を用いた仮固定構造は、上述のような全方向滑り支承装置1のみならず、図8及び図9に示すような他の実施形態である全方向滑り支承装置1aにも適用することができる。
なお、図8は全方向滑り支承装置1aの平面図を示し、図9は全方向滑り支承装置1aの説明図を示している。詳述すると、図9(a)は全方向滑り支承装置1aの正面図を示し、図9(b)は図8に示すA−A矢視断面図を示し、図9(c)は全方向滑り支承装置1aの側面図を示し、図9(d)は図8に示すB−B矢視断面図を示している。
図8及び図9に示す全方向滑り支承装置1aは、上述の全方向滑り支承装置1とほぼ同様の構成であるため、以下で全方向滑り支承装置1と異なる構成のみを説明し、同じ構成についての説明は省略する。
上述の全方向滑り支承装置1では、上沓10及び下沓30に対する中沓20の摺動方向を規制するストッパ12,32を、プレート11,31に対して取り付けて構成したが、全方向滑り支承装置1aにおいては、上沓10及び下沓30においてストッパ部12a,32aがプレート11a,31aと一体形成されており、そのため、沓10,30の側面10a,30aは、プレート11a,31aの厚みに加えてストッパ部12a,32aの高さを加えた高さとなる。
そのため、上述の全方向滑り支承装置1では、プレート11,31の面上に、仮固定治具40を連結するためのボルト41を螺合する高ナット16,36を設けたが、全方向滑り支承装置1aでは、プレート11a,31aの厚みにストッパ部12a,32aの高さが加えられた側面10a,30aに、ボルト41を螺合するボルト孔(図示省略)を設けている。
したがって、全方向滑り支承装置1aでは、側面10a,30aにボルト41を螺合して仮固定治具40を連結することで上述のような仮固定状態を実現することができる。
なお、この全方向滑り支承装置1aでは、仮固定治具40の治具長さH1より短いプレート間距離H2は、ソールプレート11aと一体形成されたストッパ部12aの底面と、ベースプレート31aと一体形成されたストッパ部32aの上面との間隔となる。
このように、主桁100及び橋脚110におけるそれぞれの対向部分に配設した上沓10及び下沓30、並びに、上沓10及び下沓30の間に配置され、上沓10及び下沓30のそれぞれと対向するとともに摺動する中沓20を、主桁100及び橋脚110が対向する高さ方向Hにおいて、上沓10、中沓20及び下沓30の配置順で組み付けて構成され、上沓10は、所定の奥行方向Lに長く、奥行方向Lに直交する幅方向Wに短い矩形状のスライドプレート14を有し、下沓30は、幅方向Wに長く、奥行方向Lに短い矩形状のスライドプレート34を有し、中沓20は、スライドプレート14と対向し奥行方向Lに摺動するベアリング244と、スライドプレート34と対向し幅方向Wに摺動する下スライダ251とを有する全方向滑り支承装置1(1a)において上沓10の奥行方向Lに沿う側面10aと、下沓30の幅方向Wに沿う側面30aとに対して連結するように仮固定治具40を取り付けることで、仮固定治具40を用いて容易に仮固定することができる。
上述のように、全方向滑り支承装置1(1a)において、所定の奥行方向Lに長く、奥行方向Lに直交する幅方向Wに短い矩形状のスライドプレート14を有する上沓10における奥行方向Lに沿う側面10aと、幅方向Wに長く、奥行方向Lに短い矩形状のスライドプレート34を有する下沓30における幅方向Wに沿う側面30aとを仮固定治具40で連結することによって、それぞれと摺動する中沓20を介することなく、簡易な構造で、上沓10と下沓30との相対移動を規制し、容易に仮固定することができる。
また、図5(図8)に示すように、中沓20が、上沓10における奥行方向Lの中央に配置されるとともに、下沓30における幅方向Wの中央に配置された状態で仮固定することにより、安定して仮固定することができる。
詳述すると、一般的に、主桁100、橋脚110の重心位置を考慮し、主桁100、橋脚110に全方向滑り支承装置1(1a)が固定されるが、中沓20が上沓10における奥行方向Lの中央に配置されるとともに、中沓20が下沓30における幅方向Wの中央に配置されることで、仮固定した状態のままの全方向滑り支承装置1を主桁100、橋脚110に取り付けた場合であっても偏荷重が作用することを防止できる。
また、上沓10、中沓20及び下沓30が重なり合い、高さ方向Hにおいて交差する平面交差部分Xの四隅に仮固定治具40を取付けているため、上沓10を幅方向Wの両側から挟むとともに、下沓30を奥行方向Lの両側から挟むように仮固定治具40で連結でき、奥行方向L及び幅方向Wのいずれの方向の相対移動に対しても対抗でき、確実な仮固定状態を実現することができる。また、主桁100、橋脚110への取り付け作業時や運搬時に負荷が作用した場合であっても、平面交差部分Xの四隅において仮固定治具40で連結しているため、不用意に仮固定状態が解除されることを防止することができる。
また、上沓10及び下沓30が、主桁100及び橋脚110における対向部分のそれぞれに固定されるプレート11,31(11a,31a)と、プレート11,31(11a,31a)に設けられた摺動方向に長いスライドプレート14,34と、スライドプレート14,34に対して、中沓20の摺動方向を規制するストッパ12,32(ストッパ部12a,32a)とで構成されており、仮固定治具40をプレート11,31(11a,31a)の側面である側面10a,30aに連結するため、仮固定治具40を容易に着脱することができる。
例えば、全方向滑り支承装置1(1a)の平面視内側に配置されるストッパ12,32(12a,32a)に対して仮固定治具40を着脱する場合に比べて、平面視外側に配置されるプレート11,31(11a,31a)の側面である側面10a,30aに対して仮固定治具40を着脱するため、主桁100と橋脚110との間という狭隘な施工空間であっても容易に仮固定治具40を着脱することができる。
また、仮固定治具40を締結するボルト41を螺合する高ナット16,36(ボルト孔)が設けられているため、仮固定並びに仮固定の解放を容易に行うことができる。
詳述すると、例えば、仮固定治具40をプレート11,31(11a,31a)の側面に溶接で固定する場合、仮固定するためには溶接機等の設備が必要となり、仮固定を解放するために溶接や仮固定治具40を溶断する必要があるが、側面10a,30aに沿って設けた高ナット16,36(ボルト孔)にボルト41を螺合することで仮固定治具40を容易に側面10a,30aに取り付けて仮固定状態とすることができる。また逆に、高ナット16,36(ボルト孔)に締結されたボルト41を取り外すことで、容易に仮固定治具40を取り外して仮固定状態を解放することができる。
また、全方向滑り支承装置1では、プレート11,31の面上に固定された高ナット16,36が設けられているため、プレート11a,31aの側面にボルト41を螺入するボルト孔を設ける全方向滑り支承装置1aに比べてプレート11,31の厚みを薄くできる。したがって、全方向滑り支承装置1aに比べて全方向滑り支承装置1をコンパクトに構成することができる。
また、仮固定治具40は、主桁100及び橋脚110における対向部分のそれぞれに固定されるプレート間距離H2より長く、建造物間距離H3より短く形成されているため、仮固定治具40が支障することなく、主桁100、橋脚110に対して全方向滑り支承装置1(1a)を確実に取り付けることができる。
詳述すると、一般的に、主桁100、橋脚110の対向面に対して、プレート11,31(11a,31a)を溶接して取り付けるが、仮固定治具40が主桁100及び橋脚110における建造物間距離H3より短く形成されているため、主桁100、橋脚110の対向部と仮固定治具40の端部との間に隙間が形成され、仮固定治具40が支障することなく、主桁100、橋脚110の対向面とプレート11,31(11a,31a)とを溶接して確実に取り付けることができる。
また、仮固定治具40を、主桁100及び橋脚110における対向部分のそれぞれに固定されるプレート間距離H2より長く形成していることで、高ナット16,36がプレート11,31の面上に固定された全方向滑り支承装置1の場合には、仮固定治具40の端部はプレート11,31の側面にかかっているため、高ナット16,36からボルト41が外れた場合であっても、仮固定治具40が側面に係止している方向の移動を規制することができる。
また、プレート11a,31aの側面にボルト41を螺入するボルト孔を設けた全方向滑り支承装置1aの場合にも、仮固定治具40の端部はプレート11a,31aの側面にかかっているため、ボルト孔からボルト41が外れた場合であっても、仮固定治具40が側面に係止している方向の移動を規制することができる。
以上、本発明の構成と、前述の実施態様との対応において、
本発明の第1建造物は本実施形態の主桁100に対応し、
以下同様に、
第2建造物は橋脚110に対応し、
第1沓は上沓10に対応し、
第2沓は下沓30に対応し、
第3沓は中沓20に対応し、
対向方向は高さ方向Hに対応し、
第1方向は奥行方向Lに対応し、
第2方向は幅方向Wに対応し、
第1滑り面はスライドプレート14に対応し、
第2滑り面はスライドプレート34に対応し、
第3滑り面はベアリング244に対応し、
第4滑り面は下スライダ251に対応し、
全方向滑り支承装置は全方向滑り支承装置1,1aに対応し、
第1側面は側面10aに対応し、
第2側面は側面30aに対応し、
仮固定治具は仮固定治具40に対応し、
交差部分は平面交差部分Xに対応し、
プレート部はプレート11,31あるいはプレート11a,31aに対応し、
摺動面部材はスライドプレート14,34に対応し、
摺動方向規制部はストッパ12,32あるいはストッパ部12a,32aに対応し、
締結具はボルト41に対応し、
被締結部は高ナット16,36あるいはボルト孔に対応し、
被締結治具は高ナット16,36に対応し、
プレート部同士の間隔はプレート間距離H2に対応し、
対向部分同士の間隔は建造物間距離H3に対応するも、上記実施形態に限定するものではない。
例えば、橋脚110で主桁100を支持する場合の全方向滑り支承装置1,1aについて説明したが、ビルとビルとを連絡する渡り廊下をビルから支持する場合の支承装置、トラス屋根を柱で支持する場合の支承装置、あるいは、ビル同士を接続するエキスパンション構造における支承装置として用いてもよい。
上述の説明では仮固定治具40をL型アングル材で構成したが、上沓10の奥行方向Lに沿う側面10aと、下沓30の幅方向Wに沿う側面30aとに対して、連結するように取り付けることができれば、つまり、少なくとも互いに直交する二面を外側面を備えた形状であって、側面10aと側面30aとを連結できる長さがあれば、L型形状に限られず、例えば三角柱形状や四角柱形状などの適宜の形状でもよく、いわゆる角型鋼管等を用いて仮固定治具40を構成してもよい。
また、上述の説明では側面10a,30aを仮固定治具40で連結したが、例えば、上沓10のストッパ12のストッパ側面部121と下沓30の側面30aとを仮固定治具40で連結したり、逆に、下沓30のストッパ32のストッパ側面部321と上沓10の側面10aとを仮固定治具40で連結したりして仮固定してもよい。
なお、上記仮固定治具40の側面10a,30aへの取り付けは、ボルト41以外の締結手段で締結してもよいし、仮止め溶接等で固定してもよいし、仮固定部材の一部を側面10aや側面30aに圧入して取り付けてもよい。さらに、上記仮固定治具40の側面10a,30aへの取り付けは、両方とも同じ方法で取り付けてもよいし、異なる方法で取り付けてもよい。
また、仮固定治具40は、平面交差部分Xの四隅に備えたが、四隅全てに備えずとも、例えば対角上の二か所に備えたり、いずれか一か所に備えてもよいし、施工性を考慮して三か所に備えてもよい。
さらには、仮固定治具40に、中央に向かって延びる部材を設け、中央に向かって延びる部材を設けられた仮固定治具40で他方向から挟み込んで中沓20の移動も規制するように構成してもよい。
1,1a…全方向滑り支承装置
10…上沓
10a…側面
11,11a,…ソールプレート
31,31a…ベースプレート
12,12a,32,32a…ストッパ
14,34…スライドプレート
16,36…高ナット
20…中沓
30…下沓
30a…側面
40…仮固定治具
41…ボルト
100…主桁
110…橋脚
244…ベアリング
251…下スライダ
H…高さ方向
H2…プレート間距離
H3…建造物間距離
L…奥行方向
W…幅方向
X…平面交差部分

Claims (9)

  1. 第1建造物及び第2建造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓、並びに、前記第1沓及び前記第2沓の間に配置され、前記第1沓及び前記第2沓のそれぞれと対向するとともに摺動する第3沓を、前記第1建造物及び前記第2建造物が対向する対向方向において、前記第1沓、前記第3沓及び前記第2沓の配置順で組み付けて構成され、
    前記第1沓は、所定の第1方向において前記第2沓よりも長く、前記第2沓は、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1沓より長い全方向滑り支承装置における前記第1沓の前記第1方向に沿う第1側面と、前記第2沓の前記第2方向に沿う第2側面とに対して連結するように仮固定治具を取り付け、前記第1沓と前記第2沓との相対移動を仮固定する
    全方向滑り支承装置の仮固定構造。
  2. 前記第3沓が、前記第1沓における前記第1方向の中央に配置されるとともに、
    前記第2沓における前記第2方向の中央に配置された状態で仮固定する
    請求項1に記載の全方向滑り支承装置の仮固定構造。
  3. 前記第1沓、前記第3沓及び前記第2沓が重なり合い、前記対向方向において交差する交差部分の四隅に前記仮固定治具を設ける
    請求項1又は2に記載の全方向滑り支承装置の仮固定構造。
  4. 前記第1沓及び前記第2沓が、
    前記第1建造物及び前記第2建造物における前記対向部分のそれぞれに固定されるプレート部と、
    該プレート部に設けられた摺動方向に長い摺動面部材と、
    該摺動面部材に対して、前記第3沓の摺動方向を規制する摺動方向規制部とで構成され、
    前記第1側面及び前記第2側面のうち少なくとも一方が、前記プレート部の側面である
    請求項1乃至3のうちいずれかに記載の全方向滑り支承装置の仮固定構造。
  5. 前記仮固定治具を前記第1側面及び前記第2側面に対して締結して取り付ける締結具が備えられ、
    前記第1側面及び前記第2側面に前記締結具が締結する被締結部が設けられた
    請求項4に記載の全方向滑り支承装置の仮固定構造。
  6. 前記被締結部が、
    前記プレート部の面上に固定された被締結治具で構成された
    請求項5に記載の全方向滑り支承装置の仮固定構造。
  7. 前記仮固定治具は、
    前記第1建造物及び前記第2建造物における前記対向部分のそれぞれに固定される前記プレート部同士の間隔より長く、前記対向部分同士の間隔より短く形成された
    請求項4乃至6のうちいずれかに記載の全方向滑り支承装置の仮固定構造。
  8. 第1建造物及び第2建造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓、並びに、前記第1沓及び前記第2沓の間に配置され、前記第1沓及び前記第2沓のそれぞれと対向するとともに摺動する第3沓を、前記第1建造物及び前記第2建造物が対向する対向方向において、前記第1沓、前記第3沓及び前記第2沓の配置順で組み付けて構成され、
    前記第1沓は、所定の第1方向において前記第2沓よりも長く、
    前記第2沓は、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1沓より長く、
    前記第1沓の前記第1方向に沿う第1側面と、前記第2沓の前記第2方向に沿う第2側面とに、
    前記第1側面と前記第2側面とを連結し、前記第1沓と前記第2沓との相対移動を仮固定する仮固定治具を取り付ける仮固定治具取付部が備えられた
    全方向滑り支承装置。
  9. 第1建造物及び第2建造物におけるそれぞれの対向部分に配設した第1沓及び第2沓、並びに、前記第1沓及び前記第2沓の間に配置され、前記第1沓及び前記第2沓のそれぞれと対向するとともに摺動する第3沓を、前記第1建造物及び前記第2建造物が対向する対向方向において、前記第1沓、前記第3沓及び前記第2沓の配置順で組み付けて構成され、前記第1沓は、所定の第1方向において前記第2沓よりも長く、前記第2沓は、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1沓より長い全方向滑り支承装置における前記第1沓の前記第1方向に沿う第1側面と、前記第2沓の前記第2方向に沿う第2側面とに対して、連結するように取り付けられ、前記第1沓と前記第2沓との相対移動を仮固定する
    仮固定治具。
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