JP2019105267A - 内燃機関 - Google Patents

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Matsue Ueda
松栄 上田
竜大 森安
Tatsuhiro Moriyasu
竜大 森安
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Kazuhisa Inagaki
和久 稲垣
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真 永岡
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Taro Ikeda
太郎 池田
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Abstract

【課題】高負荷運転などによってNOx還元触媒が高温になった場合でも、特別な構成を用いることなくNOx排出量を低減できる内燃機関を提供する。【解決手段】内燃機関10は、エンジン12と、エンジン12から排気された排ガスを浄化する三元触媒38およびNOx還元触媒40と、NOx還元触媒40の温度を取得する温度センサ41と、エンジン回転数Neを取得する回転数センサ20と、エンジン12における燃料噴射量を制御する噴射制御装置18と、NOx還元触媒温度T、エンジン回転数Ne、および、噴射制御装置18から取得された燃料噴射量Qに基づいて、エンジン12の燃焼モードをリーン燃焼モードとストイキ燃焼モードとの間で切り替える燃焼切替制御装置11とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に係り、特に、排ガス浄化触媒として三元触媒およびNOx還元触媒を備える内燃機関に関する。
従来、特許文献1には、有害排気ガス低減のため、三元触媒コンバータを備えた圧縮着火エンジンが記載されている。この圧縮着火エンジンにおいて、低エンジン負荷の第1モードでは、エンジンはNOxの排出を減らすために、通常のディーゼル燃焼状態で高い排ガス再循環(EGR)率で運転され、中間から高エンジン負荷の第2モードでは、エンジンは、三元触媒コンバータを用いてNOxの排出を低減することができる化学量論的な状態で運転され、非常に高いエンジン負荷および/またはエンジン速度の第3モードでは、エンジンは最大トルクを得るために通常のディーゼル燃焼状態および低EGR率で運転されることが記載されている。
また、特許文献2には、冷間時のHCとNOxとを低減するために、排気通路に三元触媒とHCトラップ触媒とNOxトラップ触媒(NSR)とが順に配置され、HCトラップ触媒とNOxトラップ触媒の温度センサと排気空燃比センサとを備えたディーゼル機関が記載されている。このディーゼル機関では、冷間始動後、まず排気空燃比がリッチとなるリッチ運転を行い、NOxの低減と触媒の早期活性化を図っている。このときのHCは、HCトラップ触媒にトラップされる。HCトラップ触媒からHCが脱離し、かつこれを浄化できる触媒温度となったら、リッチ運転を終了する。NOxトラップ触媒がNOxをトラップできる温度に達していなければ、ストイキ運転とし、NOxをトラップできる温度に達したら、リーン運転とし、NOxの脱離浄化を促進することが記載されている。
また、特許文献3には、排気浄化触媒を備える内燃機関において、高温の排ガスで触媒が過度に加熱されることで浄化能力が低下することを防止する燃料噴射制御装置が記載されている。この燃料噴射制御装置では、内燃機関の稼動状況に基づいて触媒の温度を算出し、それが所定の温度を上回った場合には燃料噴射量を増加することで、燃料の気化熱によって排気温度を低減させて、触媒を冷却することが記載されている。
また、特許文献4には、内燃機関の回転数および負荷だけでなく、触媒温度も考慮してEGR率を制御することで、NOxの排出を抑制する内燃機関が記載されている。この内燃機関では、NOx触媒が過度に加熱され、NOx浄化性能が低下している状態にある場合は、内燃機関のシリンダ内燃焼でNOxの発生を抑制する。つまり、上記条件においてはEGRガス量を増加させることで燃焼温度を低下させて、NOxの発生を抑制する。同時に、排ガスの温度が低下することで触媒温度の上昇が抑制されるため、NOx触媒の浄化性能の回復を促している。
また、特許文献5には、排気浄化触媒と、排気還流通路と、EGRクーラとを備えた内燃機関において、排気還流通路の還流排気温度を低下させるようにEGRクーラを制御することが記載されている。
特開2012−197794号公報 特開2004−285832号公報 特開2011−220214号公報 特許第5866833号公報 特開2010−168942号公報
上記特許文献1の技術では、高価なNOx還元触媒を廃止してストイキ燃焼と三元触媒とでNOx浄化を図っているが、高負荷時の第三モードで通常のリーン燃焼を行うため、そのリーン燃焼でのNOx排出量が増加するという課題がある。
また、上記特許文献2の技術では、冷間時にはNOxトラップ触媒が活性化しないため、その間はストイキ燃焼させて三元触媒でNOxを浄化し、NOxトラップ触媒がある程度昇温すればNOx吸蔵活性を持つため、それ以降はリーン燃焼させてNOxトラップ触媒によってNOxを吸蔵・還元させている。しかし、この技術では、ディーゼル機関が高負荷運転されてNOxトラップ触媒が高温になったときNOx浄化特性の低下によってNOx排出量が増加することは考慮されていない。
さらに、上記特許文献3の技術では、燃料の噴射量を増加させ、その気化熱によって触媒を冷却しているが、余剰に燃料を噴射するため燃費が悪化するという問題がある。さらにまた、上記特許文献4の技術では、EGRガスの増量により内燃機関の燃焼によるNOx発生自体を抑制するとともに、排ガス温度の低減による触媒の冷却によってNOxの排出を抑制しているが、EGRガスは吸気側と排気側の圧力差で導入できるEGRガス量に物理的上限がある。特に、エンジンの排気ポートに近い排気系の部位から吸気ポートに近い吸気系の部位に排ガスを還流させる高圧ループEGRの場合、触媒温度が上がり易い高負荷な運転条件ほどEGRガスの増量が困難である。他方、エンジンの排気ポートから遠い排気系の部位から吸気ポートから遠い吸気系の部位に排ガスを還流させる低圧ループEGRの場合には導入可能なEGRガスの上限量を引き上げられるが、循環通路が長くなる分だけレスポンスの悪化が生じる。
また、上記特許文献5の技術は、触媒の活性度を検出して活性度が低い場合には還流排気温度(EGR温度)を下げ、内燃機関の燃焼で生じるNOxを低減させるものである。しかし、EGR温度を低下させると排気温度も低下し、場合によっては触媒が活性化する時期が遅れるという課題がある。また、排気温度が高くなる高負荷条件での運転時にはEGRクーラのバイパス弁を閉じる制御(すなわちEGRクーラによりEGR温度を低下させる制御)を行っているが、これは内燃機関の回転数と負荷に基づく制御であり、触媒の状態(触媒温度)を反映して制御していない。したがって、触媒温度が低い場合にもEGRバイパス弁が閉じられ、EGR温度が低下することによって排ガス温度が低下し、その結果、排気触媒の暖機が遅れる可能性がある。
本発明の目的は、高負荷運転によってNOx還元触媒が高温になった場合でも、特別な構成を用いることなくNOx排出量を低減できる内燃機関を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、NOx排出量を同等程度に維持しながら燃費を向上させることができる内燃機関を提供することである。
また、本発明の更に別の目的は、吸気温度および/または再循環排ガス温度の低下によって排気温度を低下させることでNOx還元触媒の温度上昇を抑制することができる内燃機関を提供することである。
本発明に係る内燃機関は、エンジンと、前記エンジンから排気された排ガスを浄化する三元触媒およびNOx還元触媒と、前記NOx還元触媒の温度を取得する温度取得手段と、前記エンジンの回転数を取得する回転数取得手段と、前記エンジンにおける燃料噴射量を制御する噴射制御装置と、前記温度取得手段によって取得されたNOx還元触媒温度、前記回転数取得手段によって取得されたエンジン回転数、および、前記噴射制御装置から取得された燃料噴射量に基づいて、前記エンジンの燃焼モードをリーン燃焼モードとストイキ燃焼モードとの間で切り替える燃焼切替制御装置と、を備える。
本発明に係る内燃機関によれば、温度センサによって検出されたNOx還元触媒温度が所定値を超える高温になったときに、エンジンの燃焼モードをリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り替えることで、三元触媒によるNOx浄化が可能になる。したがって、エンジンの高負荷運転によりNOx還元触媒が高温になってNOx浄化特性が低下した場合にも、NOx排出量を効果的に低減することができる。
本発明に係る第1実施形態の内燃機関の全体構成を概略的に示す図である。 図1に示した内燃機関の燃焼切替制御装置において実行される処理を示すフローチャートである。 EGR率を示すマップを例示するグラフである。 (a)はNOx還元触媒(SCR)の温度、(b)はSCR浄化特性、(c)は燃焼モード切替による空燃比の変化、(d)は三元触媒およびNOx還元触媒のNOx浄化量をそれぞれ示すグラフである。 第2実施形態の内燃機関の全体構成を概略的に示す図である。 図5に示した内燃機関の燃焼切替制御装置において実行される処理を示すフローチャートである。 図5に示した内燃機関の燃焼切替制御装置において実行される処理を示す、図6に続くフローチャートである。 ストイキ燃焼領域に下限を設けたマップの例を示すグラフである。 (a)はSCR浄化特性の変化を示すグラフであり、(b)は三元触媒およびSCRの各排ガス流通量の調整状態を示すグラフである。 第3実施形態の内燃機関の全体構成を概略的に示す図である。 図9に示した内燃機関の燃焼切替制御装置において実行される処理を示すフローチャートである。 (a)はNOx還元触媒(SCR)の温度、(b)はSCR浄化特性、(c)は空燃比、(d)は電動過給装置の出力、(e)は過給圧をそれぞれ示すグラフである。 図9に示した内燃機関の燃焼切替制御装置において実行される別の処理を示すフローチャートである。 (a)はNOx還元触媒(SCR)の温度、(b)は過給圧、EGR率および空燃比(A/F)、(c)はシリンダ内ガス量をそれぞれ示すグラフである。 第4実施形態の内燃機関の全体構成を概略的に示す図である。 図14中のインタークーラを示す図である。 図14に示した内燃機関の燃焼切替制御装置において実行される処理を示すフローチャートである。 (a)はNOx還元触媒(SCR)の温度、(b)はSCR浄化特性、(c)は空燃比、(d)はインタークーラ弁の動作、(e)は排気温度をそれぞれ示すグラフである。 第5実施形態の内燃機関の全体構成を概略的に示す図である。 図18中のEGRクーラを示す図である。 図18に示した内燃機関の燃焼切替制御装置において実行される処理を示すフローチャートである。 (a)はNOx還元触媒(SCR)の温度、(b)はSCR浄化特性、(c)は空燃比、(d)はインタークーラ弁の動作、(e)はEGRクーラ弁の動作、(f)は排気温度をそれぞれ示すグラフである。
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
また、以下においては、エンジンが圧縮点火型のディーゼルエンジンである場合について説明するが、これに限定されず、本発明は火花点火型のガソリンエンジンを含む内燃機関に適用されてもよい。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の内燃機関10の全体構成を概略的に示す図である。内燃機関10は、エンジン12を備える。本実施形態では、エンジン12は、圧縮点火型のディーゼルエンジンであり、例えば4つのシリンダ14を含む。各シリンダ14には、燃料噴射装置16がそれぞれ設置されている。各燃料噴射装置16は、燃焼切替制御装置11からの信号を受けた噴射制御装置18によって、燃料噴射量および噴射時期が制御される。
また、エンジン12には、回転数センサ(回転数取得手段)20が設けられている。回転数センサ20は、エンジン12の各シリンダ内のピストンに連結されているクランク軸の回転数をエンジン回転数Neとして取得する機能を有する。回転数センサ20によって取得されたエンジン回転数Neは、エンジン12における燃焼モード切替等のために燃焼切替制御装置11に送信される。
内燃機関10は、吸気系21、排気系30、排気還流装置50、および、ターボチャージャ(過給装置)60を更に備える。
吸気系21は、エンジン12に空気を供給するための空気通路である。吸気系21における空気の吸気方向が矢印Aで示される。吸気系21は、第1吸気通路22および第2吸気通路24を含む。第1吸気通路22は、一端が図示しないフィルタ等を介して大気開放され、他端がターボチャージャ60のコンプレッサ室62に接続されている。第2吸気通路24は、一端が上記コンプレッサ室62に接続され、他端がエンジン12の吸気ポートに接続されている。第2吸気通路24には、吸気絞り弁26が設けられている。吸気絞り弁26は、例えば、電磁開閉弁によって好適に構成される。本実施形態では、吸気絞り弁26は、ターボチャージャ60のコンプレッサ室62近傍に設置されている。
吸気絞り弁26は、エンジン12に吸気される空気量を調整する空気量調整装置である。吸気絞り弁26は、吸排気制御装置28からの信号を受けて開度調整される。吸排気制御装置28は、燃焼切替制御装置11との間で信号を送受信する。吸排気制御装置28は、燃焼切替制御装置11からの指令信号を受けて、吸気絞り弁26に開度信号を送信する。また、吸排気制御装置28は、吸気絞り弁26の開度状態を示す信号を燃焼切替制御装置11へ送信する。なお、吸気絞り弁26は、ターボチャージャ60による過給圧を調整する過給圧調整装置の一部を構成してもよい。
排気系30は、エンジン12から排気される排ガスを外部に放出するための排ガス通路であり、第1排気通路32、第2排気通路34およびタービンバイパス流路36を含む。第1排気通路32は、一端がエンジン12の排気ポートに接続され、他端がターボチャージャ60のタービン室64に接続されている。第2排気通路34は、一端が上記タービン室64に接続され、他端が図示しないマフラ(または消音器)を介して大気開放されている。
第2排気通路34には、三元触媒38およびNOx還元触媒40が設けられている。排ガスは、これらの三元触媒38およびNOx還元触媒40を通過する間に、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)等が排ガス中から除去・浄化されて大気放出される。なお、本実施形態では、三元触媒38およびNOx還元触媒40の他には触媒(例えば、HCトラップ触媒や微粒子フィルタ(DPF))は設けられていないが、設けてもよい。
三元触媒38は、排ガス中に含まれるHC、CO、NOxを酸化・還元作用によって除去・浄化する機能を有し、その浄化効率は空燃比が化学量論比のときに高くなり、高温でも比較的高く維持できる。これに対し、NOx還元触媒40は、主として排ガス中のNOxを還元作用によって除去・浄化する機能を有し、その浄化効率はリーン運転時においても非常に高いが、高温になると若干低くなる傾向にある。
本実施形態では、NOx還元触媒40として、選択還元型触媒(SCR)が好適に用いられる。ただし、これに限定されるものではなく、NOx還元触媒40は、吸蔵還元型触媒(NSR)によって構成されてもよいし、あるいは、SCRとNSRとの組合せにより構成されてもよい。なお、これらの三元触媒、SCRおよびNSRには、公知または今後開発される如何なる触媒が用いられてもよい。
NOx還元触媒40には、温度センサ41が配置されている。温度センサ41は、NOx還元触媒40の温度Tを取得する温度取得手段を構成する。温度センサ41は、NOx還元触媒40の内部温度を検出するように配置されるのが好ましい。温度センサ41によって取得されたNOx還元触媒40の温度Tは、燃焼切替制御装置11に送信される。なお、本実施形態では、NOx還元触媒40の温度Tを温度センサ41で検出する例について説明するが、これに限定されるものではなく、第1または第2排気通路32,34を流れる排ガスの温度に基づいて燃焼切替制御装置11がNOx触媒温度Tを予測してもよい。
本実施形態では、NOx還元触媒40が、排ガス排出方向(矢印E方向)に関して、三元触媒38の下流側に配置されている。換言すれば、三元触媒38が排ガス排出方向Eに関してNOx還元触媒40の上流側に配置されている。三元触媒38は、NOx還元触媒40に比べて、高温耐性が高く、かつ、高温でもNOx等の汚染物質の浄化特性が維持されるため、より高温の排ガスに晒される上流側に配置するのが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、NOx還元触媒40が三元触媒38の上流側に配置されてもよい。
タービンバイパス流路36は、ターボチャージャ60のタービン室64の上流側で第1排気通路32に接続され、他端が三元触媒38の排ガス排出方向Eの上流側で第2排気通路34に接続されている。タービンバイパス流路36には、ウエストゲートバルブ42が設けられている。ウエストゲートバルブ42は、ターボチャージャ60による吸気の過給圧を調整する機能を有する。また、ウエストゲートバルブ42は、上記過給圧が規定値以上になることを防止して、エンジン12およびターボチャージャ60が損壊しないように保護する機能を有する。
ウエストゲートバルブ42は、例えば、電磁開閉弁によって好適に構成される。ウエストゲートバルブ42は、燃焼切替制御装置11からの信号を受けて開度調整される。ウエストゲートバルブ42の開度が大きくなると、タービン室64内に流入することなくタービンバイパス流路36を通って第2排気通路34にバイパスされる排ガスが増加する。これにより、エンジン12およびターボチャージャ60が損壊しないように保護される。なお、本実施形態におけるタービンバイパス流路36およびウエストゲートバルブ42が、本発明における「過給圧調整装置」に相当する。
第2吸気通路24と第1排気通路32との間には、排気還流装置50が設けられている。排気還流装置50は、第1排気通路32と第2排気通路34とを接続する排気還流通路52と、この排気還流通路52の途中に設置された排ガス還流量調整弁(排気還流量調整装置)54とを含む。排ガス還流量調整弁54は、吸排気制御装置28からの信号を受けて開度調整される。吸排気制御装置28は、燃焼切替制御装置11からの指令を受けて、排ガス還流量調整弁54へ開度調整信号を送信する。このようにして排ガス還流量調整弁54が開度調整されることで、第1排気通路32から排気還流通路52を介して第2吸気通路24に還流または再循環する排ガス量が調整される。
ターボチャージャ60は、コンプレッサ室62に収容されたコンプレッサホイール63と、タービン室64に収容されたタービン65と、コンプレッサホイール63とタービン65とを連結するシャフト66とを備える。第1排気通路32からタービン室64内のタービン65に排ガスが噴き付けることによってタービン65が回転し、この回転動力がシャフト66を介してコンプレッサホイール63に伝達される。これにより、コンプレッサホイール63が回転駆動され、第2吸気通路24を介してエンジン12に供給される空気が加圧(すなわち過給)される構成となっている。
燃焼切替制御装置11は、例えば、処理装置、記憶部、および、I/Oインターフェースなどを備えるマイクロコンピュータによって好適に構成される。処理装置は、記憶部に記憶されたプログラムやデータ等を読み出して実行する。記憶部は、プログラムを記憶するとともに、回転数センサ20で取得されて送信されるエンジン回転数Ne、温度センサ41によって取得されて送信されたNOx還元触媒温度T、マップ、所定値等を記憶する。
また、燃焼切替制御装置11は、エンジン12の各シリンダ14への燃料噴射量や噴射時期を制御するための指令信号を噴射制御装置18に送信する。また、燃焼切替制御装置11は、吸気絞り弁26および排ガス還流量調整弁54の開度調整を行うための指令信号を吸排気制御装置28に送信する。さらに、燃焼切替制御装置11は、ウエストゲートバルブ42に対して開度調整信号を送信する。
なお、燃焼切替制御装置11は、噴射制御装置18および吸排気制御装置28の少なくとも一方と一体のチップとして構成されてもよいし、あるいは、別体のチップとして構成されてもよい。
次に、図2を参照して、本実施形態の内燃機関10の制御について説明する。図2は、図1に示した内燃機関10の燃焼切替制御装置において実行される処理を示すフローチャートである。図3は、EGR率を示すマップを例示するグラフである。図2に示す処理は、燃焼切替制御装置11において、所定の制御周期(例えば、1秒)毎に繰り返し実行される。
図2に示すように、燃焼切替制御装置11は、まず、ステップS1において、NOx還元触媒温度Tを取得する。このNOx還元触媒温度Tは、温度センサ41によって取得されて記憶部に記憶された値を用いることができる。
次に、燃焼切替制御装置11は、ステップS2において、エンジン回転数Neを取得する。このエンジン回転数Neは、回転数センサ20によって取得されて記憶部に記憶されている値を用いることができる。
続いて、燃焼切替制御装置11は、ステップS3において、燃料噴射量Qを取得する。燃料噴射量Qは、噴射制御装置18から送信されて記憶部に記憶されている値を用いることができる。また、燃焼切替制御装置11は、図示しない上位制御装置から入力されるエンジン12の運転条件(目標トルクTq_tagおよび目標エンジン回転数Ne_tag)が実現されるように、同ステップS3において、通常時のリーン燃焼条件としての、燃料噴射回数、噴射時期、目標EGR率、過給圧、吸気絞り弁26の開度等を決定する。この決定の際には、例えば、記憶部に記憶された各種マップが参照される。例えば、図3にエンジン回転数Neと燃料噴射量Qとから、目標EGR率を導出するためのマップが例示されている。なお、図3に示される実線ULは、エンジン12における運転限界を示す上限ラインである。
再び図2を参照すると、続いて、燃焼切替制御装置11は、ステップS4において、NOx還元触媒温度Tが所定値以上か否かを判定する。ここでの所定値には、予め実験やシミュレーション等から求めて記憶部に記憶された値を用いることができる。上記ステップS4において、肯定判定(YES)されると、続くステップS5に進み、他方、否定判定(NO)されると、ステップS7に進む。
ステップS4において肯定判定されたとき、燃焼切替制御装置11は、ステップS5において、上記ステップS2で取得されたエンジン回転数Neと上記ステップS3で取得された燃料噴射量Qとから、所定のマップに基づいて、エンジン12での燃焼モードがストイキ燃焼モードとなるように、目標EGR率、目標過給圧、目標吸気絞り弁開度等を決定する。ここでは、空気と燃料との比である空燃比が化学量論比(約14.7:1)となるように、目標EGR率、過給圧、吸気絞り弁開度が決定され、所定の吸気酸素濃度でのストイキ燃焼が行われるように設定される。そして、燃焼切替制御装置11は、続くステップS6において、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qから所定のマップに基づいて噴射回数および噴射時期を決定する。
他方、上記ステップS4で否定判定されたとき、燃焼切替制御装置11は、続くステップS7において、上記ステップS3で取得した燃料噴射量Q、および、同ステップS3で決定した燃料噴射回数、噴射時期、目標EGR率、過給圧、吸気絞り弁開度をリーン燃焼条件としてそのまま利用する。すなわち、燃焼切替制御装置11は、上記ステップS3における決定を変更することなく、そのまま維持する。
そして、燃焼切替制御装置11は、ステップS8において、ステップS5およびS6、又は、ステップS7で決定された条件で燃焼を実行する。すなわち、ステップS5およびS6で決定された条件でエンジン12の燃焼が実行される場合、燃焼モードがリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り替えられるか、もしくは、ストイキ燃焼モードを維持する。他方、ステップS7で決定された条件でエンジン12での燃焼が実行される場合、燃焼モードはリーン燃焼モードとなる。
図4(a)はNOx還元触媒40の温度、同(b)はSCR浄化特性、同(c)は燃焼モード切替による空燃比の変化、同(d)は三元触媒およびNOx還元触媒40のNOx浄化量をそれぞれ示すグラフである。図4(a)〜(d)の各グラフでは、それぞれ、横軸は時間を示している。
図4(a)に示すように、エンジン12で通常燃焼モードとしてリーン燃焼モードが実行された状態で時間が経過すると、NOx還元触媒温度Tが次第に上昇する。そして、時間t1の時点で、NOx還元触媒温度Tが所定値T1以上になる。このようにNOx還元触媒40の温度Tが所定値T1以上の高温になると、図4(b),(d)に示すように、NOx浄化特性が低下して、NOx浄化量が減少する特性を有する。これに対し、図4(d)に示すように、三元触媒38は、空燃比が化学量論比に近い条件でNOx浄化量が増加し、それ以外の条件でNOx浄化量が少なくなる特性を有する。また、この特性は高温になっても維持される。
このような三元触媒38およびNOx還元触媒40のNOx浄化特性から、本実施形態の内燃機関10では、図4(a),(c)に示すように、温度センサ41によって取得されたNOx還元触媒温度Tが所定値T1以上の高温になったとき、エンジン12の燃焼モードをリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り替える。これにより、排ガス中に含まれるNOxは、浄化効率が低下したNOx還元触媒40ではなく、空燃比が化学量論比になることでNOx浄化効率が高くなった三元触媒38で浄化可能になる。したがって、本実施形態の内燃機関10によれば、エンジン12の高負荷運転などによりNOx還元触媒40が高温になってNOx浄化特性が低下した場合にも、三元触媒38でNOxを十分に浄化できるため、内燃機関10のNOx排出量を低減できる。
<第2実施形態>
次に、図5〜図7を参照して、第2実施形態の内燃機関10Aについて説明する。図5は、第2実施形態の内燃機関10Aの全体構成を概略的に示す図である。以下では、上述した第1実施形態の内燃機関10と同一の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、内燃機関10Aは、電動圧縮機70を更に備える。電動圧縮機70は、第2吸気通路24において、吸気絞り弁26の吸気方向下流側で、かつ、排気還流通路52との合流点よりも吸気方向下流側に設置されている。本実施形態では、ターボチャージャ60および電動圧縮機70が本発明における「過給装置」を構成する。
電動圧縮機70は、コンプレッサホイール72およびモータ74を有する。コンプレッサホイール72は、モータ74によって回転駆動される。モータ74の駆動は、電動過給装置制御装置76によって制御される。電動過給装置制御装置76は、燃焼切替制御装置11からの指令を受けてモータ74を回転駆動する。モータ74によってコンプレッサホイール72が回転駆動されることで、エンジン12に供給される空気が加圧(すなわち過給)される。したがって、本実施形態では、ターボチャージャ60による過給圧に加えて、電動圧縮機70によっても吸気の過給圧が制御される。このような電動圧縮機70を設けることで、内燃機関の運転状態が変化した際に素早く十分な過給圧を得ることができ、NOx発生を低減することができる。なお、本実施形態における電動圧縮機70のモータ74が、本発明における「過給圧調整装置」の一部を構成する。
また、本実施形態の内燃機関10Aのターボチャージャ60は、排ガス流速を可変する可変ノズルベーン付きタービン65aを有している。可変ノズルベーンでタービン65aに当たる排ガス流速を可変することで、ターボチャージャ60による過給圧を調整できる。可変ノズルベーンの開度調整は、燃焼切替制御装置11からの指令を受けて行われる。本実施形態のターボチャージャ60では、可変ノズルベーンによって過給圧が規定値以上になるのを防止できるので、第1実施形態の内燃機関10に設けられていた排ガスバイパス流路およびウエストゲートバルブが省略されている。なお、本実施形態における可変ノズルベーンが、本発明における「過給圧調整装置」の一部に相当する。
さらに、本実施形態の内燃機関10Aにおいて、第2排気通路34は、三元触媒38とNOx還元触媒40との間で、主排気流路34aと、排気バイパス流路34bとに分岐している。主排気流路34aは、NOx還元触媒40に排ガスを通す通路である。主排気流路34aには、第1開閉弁V1が設けられている。他方、三元触媒38とNOx還元触媒40との間で分岐した排気バイパス流路34bは、NOx還元触媒40を迂回した経路で排ガスを通す通路であり、上記第1開閉弁V1の下流側で主排気流路34aに合流している。また、排気バイパス流路34bには、第2開閉弁V2が設けられている。上記第1および第2開閉弁V1,V2は、燃焼切替制御装置11からの指令に応じて開度調整される。したがって、本実施形態の内燃機関10Aでは、第1および第2開閉弁V1,V2によって、排ガスがNOx還元触媒40を通過する主排気流路34aと排気バイパス流路34bとを選択的に切替可能に構成されている。なお、上記第1および第2開閉弁V1,V2が、本発明における「流路切替装置」を構成する。
本実施形態の内燃機関10Aの他の構成は、上述した第1実施形態と同様であるため、ここでの説明を省略する。
次に、図6A,図6Bおよび図7を参照して、本実施形態の内燃機関10Aの制御について説明する。図6Aおよび図6Bは、内燃機関10Aの燃焼切替制御装置11において実行される処理を示すフローチャートである。図7は、ストイキ燃焼領域に下限を設けたマップの例を示すグラフである。
図6Aおよび図6Bに示す処理のうち、ステップS1〜S6およびS8は上述した第1実施形態とほぼ同様である。したがって、以下では、第1実施形態と相違する処理(ステップS10〜S14)について主として説明する。
図6Aおよび図6Bに示すように、燃焼切替制御装置11は、まずステップS1〜S4を実行し、ステップS4で肯定判定(YES)されたときはステップS10に進み、否定判定(NO)されたときはステップS14に進む。
上記ステップS4で肯定判定されたとき、すなわち、NOx還元触媒温度Tが所定値以上であるとき、続くステップS10において、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qが所定領域内にあるか否かを判定する。ここで、燃焼切替制御装置11は、図7に示すマップを参照して、ステップS10の判定を行う。
具体的には、図7に示すように、マップにおいてストイキ燃焼領域に下限ラインLLを設定し、上限ラインULと下限ラインLLとに囲まれたハッチング領域内に、ステップS2およびS3で取得されたエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qが存在するか否かを判定する。このようにストイキ燃焼領域に下限ラインLLを設定するのは、下限ラインLLより下方の領域ではスモーク(煤煙)が発生しやすくなり、図示していないディーゼル微粒子フィルタ(DPF)等の後処理装置による処理限界を考慮したものである。
再び図6Aを参照すると、上記ステップS10において肯定判定(YES)、すなわち、所定のストイキ燃焼領域内にあると判定されると、燃焼切替制御装置11は、ステップS5およびS6の処理を行い、エンジン12での燃焼モードがストイキ燃焼モードとなるか若しくはストイキ燃焼モードが維持されるように、目標EGR率、目標過給圧、目標吸気絞り弁開度、および、可変ノズルベーン開度等を決定する。ここでは、空気と燃料との比である空燃比が化学量論比(約14.7:1)となるように、吸引空気量が決定される。そして、燃焼切替制御装置11は、続くステップS6において、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qから所定のマップに基づいて噴射回数および噴射時期を決定する。
続いて、燃焼切替制御装置11は、ステップS11において、NOx還元触媒温度Tに応じて、主排気流路34aを介してNOx還元触媒40を通過する排ガス通過量を減らし、排気バイパス流路34bを通過する排ガス量を増加させるように第1および第2開閉弁V1,V2を操作する。このときの第1および第2開閉弁V1,V2の操作について、図8を参照して説明する。
図8(a)はNOx還元触媒(SCR)40の浄化特性の変化を示すグラフであり、図8(b)は三元触媒38およびNOx還元触媒40の各排ガス流通量の調整状態を示すグラフである。図8(a)に示すように、NOx還元触媒40の浄化特性は、NOx還元触媒温度Tが所定値T1を超えると低下するが、この場合には排ガス中に含まれるNOxは空燃比が化学量論比になることによってNOx浄化特性が高くなった三元触媒38によって除去・浄化されることは第1実施形態において説明した通りである。
このようにエンジン12の燃焼状態がストイキ燃焼モードに移行した後、NOx還元触媒40が所定値T1以上の高温状態が続くと、ストイキ燃焼モードが継続されることになり、その結果、燃費悪化が懸念される。そこで、本実施形態では、NOx還元触媒温度Tを所定値T1未満に低下させるべく、NOx還元触媒40を通過する排ガス量を減らす制御を上記ステップS11で行っている。
より詳しくは、図8(a),(b)に示すように、NOx還元触媒温度Tが所定値T1未満のときは、第1開閉弁V1が全開で、第2開閉弁V2が全閉の状態にあり、排ガス全量が主排気流路34aを介してNOx還元触媒40を通過するが、NOx還元触媒温度Tが所定値T1以上になると、第1開閉弁V1の開度を小さくする一方、第2開閉弁V2の開度を大きくする。これにより、主排気流路34aを介してNOx還元触媒を通過する排ガス量が減少する一方、排気バイパス流路34bを通過する排ガス量が増加する。そして、NOx還元触媒温度Tが所定値T1よりも高い温度T2以上では、第1開閉弁V1を全閉とし、第2開閉弁V2を全開とする。これにより、排ガス全量が排気バイパス流路34bを通過し、NOx還元触媒40には排ガスが通過しない状態になる。その結果、NOx触媒温度Tを所定値T1未満に低下させることができ、エンジン12の燃焼モードをストイキ燃焼モードから通常時のリーン燃焼モードに移行することができる。
なお、図8(b)に示す例では、温度T1〜T2では、第1および第2開閉弁V1,V2の両方が開いた状態にある場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、NOx還元触媒温度Tが所定値T1に上昇した時点で、第1開閉弁V1を全閉にする一方、第2開閉弁V2を全開としてもよい。
再び図6Aおよび図6Bを参照すると、ステップS4で否定判定(NO)されたとき、すなわち、NOx還元触媒温度Tが所定値T1未満であるとき、燃焼切替制御装置11は、続くステップS14において、上記ステップS3で決定した燃料噴射回数、噴射時期、目標EGR率、過給圧、および、吸気絞り弁開度をリーン燃焼条件としてそのまま利用する。また、このとき燃焼切替制御装置11は、第1開閉弁V1を全開に、第2開閉弁V2を全閉に操作し、排ガス全量をNOx還元触媒40に通過させる。これにより、排ガス中に含まれるNOxはNOx還元触媒40によって効果的に浄化される。その結果、NOx排出量を低減できる。
図6Aに示すように、上記ステップS10で否定判定(NO)されたとき、燃焼切替制御装置11は、図6Bに示すように、続くステップS12において、エンジン12の燃焼モードが高過給リーン燃焼モードとなるように、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qから所定のマップに基づいて目標EGR率、目標吸気絞り弁開度、可変ノズルベーン開度、および電動圧縮機70のモータ出力を決定する。また、このとき、燃焼切替制御装置11は、第1開閉弁V1を全開に、第2開閉弁V2を全閉に操作する。これにより、排ガス全量がNOx還元触媒40を通過する状態に設定される。そして、燃焼切替制御装置11は、続くステップS13において、同じくエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qから所定のマップに基づいて燃料噴射回数および噴射時期を決定する。
このように決定された条件によってリーン燃焼モードが実行されることで、通常燃焼時よりも空気量が多い状態でリーン燃焼を行うことができる。その結果、燃焼温度が低下し、NOx発生量を抑制することができる。また、このようにNOx発生量が抑制されることで、NOx還元触媒40が所定値T1以上の高温になってNOx浄化特性が低下しているにもかかわらず、エンジン12から排出されるNOx量が低減したことで、この場合でも内燃機関10Aの外部へのNOx排出量を低減できる。
そして、燃焼切替制御装置11は、ステップS8において、ステップS5およびS6、ステップS12およびS13、または、ステップS14で決定された条件で燃焼を実行する。すなわち、ステップS5およびS6で決定された条件でエンジン12の燃焼が実行される場合、燃焼モードがリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り替えられるか、若しくは、ストイキ燃焼モードが維持される。他方、ステップS14で決定された条件でエンジン12での燃焼が実行される場合、通常時のリーン燃焼モードとなり、ステップS12およびS13で決定された条件でエンジン12での燃焼が実行される場合には通常時よりも過給圧が高い高過給リーン燃焼モードとなる。
上述したように、本実施形態の内燃機関10Aによっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、NOx還元触媒40が高温になってNOx浄化特性が低下した場合にも、リーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り替えることで、高温になって活性が向上した三元触媒38によってNOxを十分に浄化することができ、その結果、内燃機関10のNOx排出量を低減できる。
<第3実施形態>
次に、図9〜図11を参照して、第3実施形態の内燃機関10Bについて説明する。図9は、第3実施形態の内燃機関10Bの全体構成を概略的に示す図である。以下では、内燃機関10Bにおいて上述した第1及び第2実施形態の内燃機関10,10Aと相違する点を主に説明することとし、同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の内燃機関10Bは、主過給装置であるターボチャージャ60と、副過給装置である電動圧縮機70とを備える。ターボチャージャ60は、排ガス流速を可変する可変ノズルベーン付きタービン65aを有している。可変ノズルベーンでタービン65aに当たる排ガス流速を可変することで、ターボチャージャ60による過給圧を調整できる。可変ノズルベーンの開度調整は、吸排気制御装置28を介して燃焼切替制御装置11からの指令を受けて行われる。なお、この点は第2実施形態の内燃機関10Aと同じである。
内燃機関10Bにおいて、電動圧縮機70のコンプレッサホイール72は、ターボチャージャ60のコンプレッサ室62と吸気絞り弁26との間に配置されている。つまり、内燃機関10Bでは、第2吸気通路24に対する排気還流通路52の接続箇所よりも吸気方向Aの上流側に電動圧縮機70が設けられている。
内燃機関10Bは、バッテリBを備える。電動圧縮機70のモータ74は、バッテリBから電力線78を介して電力供給されて駆動される。バッテリBの残量は、吸排気制御装置28を介して燃焼切替制御装置11に送信される。なお、本実施形態では、吸排気制御装置28が電動圧縮機70の制御装置を兼ねているため、第2実施形態における電動過給装置制御装置76が省略されている。また、電動圧縮機70のモータ74は、副過給装置の過給圧調整装置に相当する。
内燃機関10Bが搭載される車両にはアクセルペダル80が設置されている。アクセルペダル80には開度センサ82が設けられている。開度センサ82によって検出されたアクセルペダル80の開度(以下、アクセル開度という)αは、噴射制御装置18を介して燃焼切替制御装置11に送信される。
本実施形態の内燃機関10Bの第2排気通路34は、第1実施形態の内燃機関10と同じであり、排気バイパス通路や流路切替用の開閉弁は設けられていない。内燃機関10Bの他の構成は、第1及び第2実施形態の内燃機関10,10Aと同じである。
続いて、図10を参照して、本実施形態の内燃機関の制御について説明する。図10は、図9に示した内燃機関10Bの燃焼切替制御装置11において実行される処理を示すフローチャートである。
図10に示すように、燃焼切替制御装置11は、まず、ステップS21において、NOx還元触媒40の現在温度Tと、前回温度T0を取得する。現在温度Tは、今回の処理で温度センサ41によって取得されて記憶部に記憶されている値を用いることができる。また、前回温度T0は、所定時間(例えば、1秒)前の過去の処理で温度センサ41によって取得されて記憶部に記憶されている値を用いることができる。
次に、燃焼切替制御装置11は、ステップS22において、エンジン回転数Neと、アクセル開度αを取得する。このエンジン回転数は、回転数センサ20によって取得されて記憶部に記憶されている値を用いることができる。また、アクセル開度αは、開度センサ82によって取得されて記憶部に記憶されている値を用いることができる。
続いて、燃焼切替制御装置11は、ステップS23において、上記ステップS21およびS22で取得したエンジン回転数Neおよびアクセル開度αに基づいて、燃料噴射量Qを決定する。この燃料噴射量Qは、例えば、記憶部に予め記憶されているマップを、エンジン回転数Neおよびアクセル開度αを引数として参照することによって決定することができる。
次に、燃焼切替制御装置11は、ステップS24において、NOx還元触媒40の現在温度Tが所定値T1以上か否かを判定する。このステップS24において、肯定判定(YES)されるとステップS25に進み、否定判定(NO)されるとステップS30に進む。
上記ステップS24において肯定判定されると、燃焼切替制御装置11は、ステップS25において、ストイキ燃焼用のマップの使用を決定する。そして、燃焼切替制御装置11は、続くステップS26において、決定されたマップに基づいてエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qからストイキ燃焼モードのための制御パラメータを決定する。ここで、「制御パラメータ」には、目標EGR率、目標過給圧、吸気絞り弁の開度、電動圧縮機の出力、燃料噴射回数、燃料噴射時期が含まれる。
次に、燃焼切替制御装置11は、ステップS27において、決定された制御パラメータを用いて制御を実行する。すなわち、燃焼切替制御装置11は、エンジン12をストイキ燃焼モードで運転するように制御する。なお、この制御は、図2を参照して説明した第1実施形態の内燃機関10におけるステップS1〜S6およびS8と同様である。
他方、上記ステップS24において否定判定された場合、すなわち、NOx還元触媒40の現在温度Tが所定値T1より低い場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS30において、NOx還元触媒40の現在温度Tが所定値T2(ここで、T2<T1)以上か否かを判定する。このステップS30で肯定判定(YES)された場合にはステップS31に進み、否定判定(NO)された場合にはステップS35に進む。
上記ステップS30で否定判定された場合、すなわち、NOx還元触媒40の現在温度Tが所定値T2より低い場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS35において、通常リーン燃焼用のマップの使用を決定する。そして、燃焼切替制御装置11は、上述したステップS26およびS27において、決定されたマップに基づきエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qから制御パラメータを決定し、この制御パラメータを用いて制御を実行する。すなわち、燃焼切替制御装置11は、エンジン12を通常リーン燃焼モードで運転するように制御する。なお、この制御は、図2を参照して説明した第1実施形態の内燃機関10におけるステップS1〜S4,S7およびS8と同様である。
他方、上記ステップS30において肯定判定された場合、すなわち、NOx還元触媒40の現在温度Tが所定値T2以上である場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS31において、NOx還元触媒40の現在温度Tから前回温度T0を減算した値が0以上か否かを判定する。このステップS31で否定判定(NO)された場合、すなわち、NOx還元触媒40の温度が低下傾向にある場合には、NOx還元触媒40の温度を低減するための燃焼モード切替を行なう必要がないため、ステップS35に進んで通常リーン燃焼モードでの運転を実行する。
これに対し、上記ステップS31で肯定判定(YES)された場合、すなわち、NOx還元触媒40の温度が上昇傾向にある場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS32においてバッテリ残量Sを取得し、続くステップS33においてバッテリ残量Sが所定値S1以上か否かを判定する。この判定は、バッテリ残量Sが電動圧縮機70のモータ74を駆動するのに十分であるかを確認するためのものである。
上記ステップS33で否定判定(NO)された場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS35に進んで通常リーン燃焼モードでの運転を実行する。他方、上記ステップS33で肯定判定された場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS34において、排気温低減モード用マップの使用を決定する。この排気温低減モード用マップは、通常リーン燃焼用マップに比べて、目標過給圧と電動圧縮機70の出力が高く設定されているリーン燃焼用マップである。すなわち、排気温低減モードは、電動圧縮機70を用いて過給圧を上昇させて排気温度を低減する制御モードである。
そして、燃焼切替制御装置11は、ステップS26およびS27において、ステップS34で決定されたマップに基づいてエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qから制御パラメータを決定し、この制御パラメータを用いて制御を実行する。すなわち、燃焼切替制御装置11は、エンジン12を排気温低減リーン燃焼モードで運転するように制御する。
図11(a)はNOx還元触媒(SCR)の温度、同(b)はSCR浄化特性、同(c)は空燃比、同(d)は電動過給装置の出力、同(e)は過給圧をそれぞれ示すグラフである。ここで、(a)〜(e)の各グラフにおいて、横軸は時間を表し、時間t1はSCR温度が所定値T2を超えた時点であり、時間t2は排気温低減モードを使わない場合のストイキ燃焼モードへの切替時点であり、時間t3は排気温低減モードを使う場合のストイキ燃焼モードへの切替時点である。また、図11(a)〜(e)の各グラフにおいて、破線は排気温低減モードを使わない場合を表し、実線は排気温低減モードを使う場合を表している。
図11(a)〜(e)に示すように、本実施形態の内燃機関10Bでは、NOx還元触媒40の温度が所定値T2以上になったとき、バッテリ残量Sが十分にあることを条件に電動過給装置を駆動して過給圧を増加させて、エンジン12の燃焼モードを通常リーン燃焼モードから排気温低減モードに移行する。これにより、エンジン12に供給される吸気量が増加することによって排ガス温度が低下し、その結果、NOx還元触媒40の温度上昇を抑制することができる。より詳しくは、排気温低減モードを使わない場合には、NOx還元触媒40の温度が時間t2で所定値T1以上となって通常リーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り替えられることになる。これに対し、本実施形態の内燃機関10Bでは、排気温低減モードを使うことでNOx還元触媒40の温度上昇が緩やかになって所定値T1以上になる時点を時間t3まで延ばすことができる。その結果、ストイキ燃焼モードへの移行タイミングを遅らせることができ、NOx排出量を同等程度に維持しながら燃費を向上させることができる。
このように本実施形態の内燃機関10Bによれば、副過給装置である電動圧縮機70の余剰能力を用いて過給圧を上げることで、エンジン12のシリンダ14内にトラップされるガス量を増加させ、排気温度を低減する。その際、排気温低減モードの使用の前後で燃料噴射量は不変であるため、上記特許文献3に記載される技術のように燃費の悪化は生じない。また、本実施形態の内燃機関10Bによれば、特許文献4に記載される技術においてEGRガスの増量が困難な条件でも、排気温度を低減可能であり、レスポンスも良好である。
なお、上記では、排気温低減モードにおいて電動圧縮機70を用いて過給圧を増加させる例について説明したが、これに限定されるものではない。排気温低減モードでは、電動圧縮機70だけでなく、排ガス還流量調整弁54、吸気絞り弁26、および、ターボチャージャ60の可変ノズルベーンと同時に制御することで、過給圧の上昇と同時に空燃比およびEGR率を制御してもよい。
次に、図12および図13を参照して、本実施形態の内燃機関10Bにおける別の制御について説明する。図12は、図9に示した内燃機関10Bの燃焼切替制御装置11において実行される別の処理を示すフローチャートである。図13(a)はNOx還元触媒(SCR)の温度、同(b)は過給圧、EGR率および空燃比(A/F)、同(c)はシリンダ内ガス量をそれぞれ示すグラフである。
以下では、図10を参照して上述した処理と異なる内容のステップについて主として説明し、同じ内容のステップには同じステップ番号を付して説明を省略する。図12に示す別の処理は、ステップS21〜S27およびS30〜S35が図12を参照して上述した処理と同様であり、ステップS36,S37,S38が相違している。
ステップS24においてNOx還元触媒40の現在温度Tが所定値T1以上であると判定された場合(ステップS24でYES)、燃焼切替制御装置11は、ステップS36において、EGRストイキ燃焼モードを実行した場合におけるNOx還元触媒40の推定温度T´を導出する。この推定温度T´は、例えば、記憶部に予め記憶されているマップから、エンジン回転数およびトルクから引数として導出することができる。ここで、「EGRストイキ燃焼モード」とは、電動圧縮機70のモータ74、および、排ガス還流量調整弁54を用いて、吸気の導入量を変化させることなく排ガス還流量を増加させることにより排気温度を低減するストイキ燃焼モードである。
次に、燃焼切替制御装置11は、ステップS37において、ステップS36で導出した推定温度T´が所定値T1以下か否かを判定する。このステップS37において肯定判定(YES)されるとステップS38に進み、否定判定(NO)されるとステップS25に進む。否定判定された場合、すなわち、EGRストイキ燃焼モードに移行してもNOx還元触媒40の推定温度T´が所定値T1以下に低下しないと予想される場合には、ステップS25,S26およびS27によって通常のストイキ燃焼モードが実行される。
これに対し、ステップS37で肯定判定された場合、すなわち、EGRストイキ燃焼モードに移行したときNOx還元触媒40の推定温度T´が所定値T1以下に低下すると予想される場合には、燃焼切替制御装置11は、ステップS38において、EGRストイキ燃焼用マップの使用を決定する。このEGRストイキ燃焼用マップは、通常のストイキ燃焼用マップに比べて、目標EGR率および目標過給圧が高く設定されている。
そして、燃焼切替制御装置11は、ステップS26において、ステップS38で決定されたマップに基づきエンジン回転数Ne及び燃料噴射量Qから制御パラメータを決定し、ステップS27において、決定された制御パラメータを用いて制御を実行する。これにより、エンジン12の燃焼モードがEGRストイキ燃焼モードに切り替えられる。
図13(a)はNOx還元触媒(SCR)の温度、同(b)は過給圧、EGR率および空燃比(A/F)、同(c)はシリンダ内ガス量をそれぞれ示すグラフである。図13(a)〜(c)の各グラフにおいて、横軸は時間を表し、時間t1はEGRストイキ燃焼モードに移行すればNOx還元触媒40の推定温度T´が所定値T1以下になると予想される時点であり、時間t2はNOx還元触媒40の温度Tが所定値T1以下になる時点である。
図13(b)に示すように、時間t1で、EGR率および過給圧がそれぞれ増加されるが、空燃比は化学量論比(約14.7:1)のままでストイキ燃焼が行われる。このとき、図13(c)に示すように、シリンダ内ガス量は、吸気量(空気)は変化しないがEGRガス量が増加していることで、総量が増加している。このようにEGR率および過給圧をそれぞれ増加させてEGRストイキ燃焼モードを実行することで、排ガス温度が低下する。その結果、図13(a)に示すように、NOx還元触媒40の温度低下が促進されて所定値T1以下に速やかに低下し、リーン燃焼モードに切り替えることができる。したがって、ストイキ燃焼モードでの運転時間が短縮され、燃費を向上させることができる。
<第4実施形態>
次に、図14〜図17を参照して第4実施形態の内燃機関について説明する。図14は、第4実施形態の内燃機関10Cの全体構成を概略的に示す図である。図15は、図14中のインタークーラ84を示す図である。以下では、本実施形態の内燃機関10Cについて第1実施形態と相違する構成を主として説明し、上述した第1〜第3実施形態の内燃機関10,10A、10Bと同一の構成には同一の参照符号を付して説明を適宜に省略する。
図14に示すように、内燃機関10Cは、インタークーラ84を備える。インタークーラ84は、吸気系21によってエンジン12に吸気される空気を冷却する機能を有する。インタークーラ84は、吸気方向(矢印A方向)に関してターボチャージャ60の下流側に設けられている。より詳しくは、インタークーラ84は、第2吸気通路24において、コンプレッサ室62と吸気絞り弁26との間に設けられている。
図15に示すように、インタークーラ84は、水冷式の冷却装置が好適に用いられる。インタークーラ84は、冷却水の供給管82aおよび排出管82bを有し、供給管82aには冷却水量を調整するインタークーラ弁83が設けられている。インタークーラ弁83は、インタークーラ制御装置86から指令を受けて開度調整される。これにより、インタークーラ84は、冷却水の供給量が調整されることで吸気の冷却能力が可変になっている。
再び図14を参照すると、インタークーラ制御装置86は、燃焼切替制御装置11に電気的に接続されている。燃焼切替制御装置11は、インタークーラ制御装置86を介してインタークーラ弁83の開度を調整することができ、インタークーラ84の冷却能力を制御することができる。
なお、インタークーラ84の冷却能力は、冷却水温度を変更することによって可変としてもよい。また、インタークーラ84は、水冷式のものに限定されず、空冷式のものであってもよい。この場合、冷却風量を変更することで、冷却能力を可変とすることができる。
本実施形態の内燃機関10Cにおいて、ターボチャージャ60は、排ガス流速を可変する可変ノズルベーン付きタービン65aを有している。可変ノズルベーンでタービン65aに吹き付ける排ガス流速を可変することで、ターボチャージャ60による過給圧を調整できる。可変ノズルベーンの開度調整は、燃焼切替制御装置11からの指令を受けて行われる。なお、この点は、第2実施形態の内燃機関10Aと同様である。
なお、アクセルペダル80およびアクセル開度センサ82が設けられており、アクセル開度信号αが噴射制御装置18を介して燃焼切替制御装置11に送信されることは第3実施形態と同様である。また、本実施形態の内燃機関10Cの他の構成は、第1実施形態の内燃機関10と同様である。
図16は、図14に示した内燃機関10Cの燃焼切替制御装置11において実行される処理を示すフローチャートである。この処理において、上述した第3実施形態の内燃機関10Bの処理(図10参照)と同じ処理内容については同一の参照符号を付して説明を適宜に省略する。
図16に示すように、燃焼切替制御装置11は、まずステップS20において、NOx還元触媒温度Tを取得する。このNOx還元触媒温度Tは、温度センサ41によって取得されて記憶部に記憶された値を用いることができる。なお、このステップS20は、第1および第2実施形態の内燃機関10,10Aの場合と同様である。
続いて、燃焼切替制御装置11は、ステップS22〜S27を実行する。これらの処理によって、NOx還元触媒40の温度Tが所定値T1以上である場合に、エンジン12における運転状態が通常リーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り替えられる。このことは、第1実施形態における図2に示した処理、および、第3実施形態における図10に示した処理と同様である。これにより、第1および第3実施形態の場合と同様の効果を奏する。
これに対し、ステップS24において否定判定された場合、すなわち、NOx還元触媒40の温度Tが所定値T1より低い場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS30において、NOx還元触媒40の温度Tが所定値T2(ここで、T2<T1)以上か否かを判定する。このステップS30で肯定判定(YES)された場合にはステップS41に進み、否定判定(NO)された場合にはステップS40に進む。
上記ステップS30で否定判定された場合、すなわち、NOx還元触媒40の温度Tが所定値T2より低い場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS40において、インタークーラ弁83の開度をエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qを2軸の座標とするマップで制御する。すなわち、この場合はエンジン12の負荷状態に基づいてインタークーラ弁83の開度が決定される。そして、燃焼切替制御装置11は、続くステップS35において、通常リーン燃焼用のマップの使用を決定する。その後、燃焼切替制御装置11は、ステップS26およびS27において、決定されたマップに基づきエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qから制御パラメータを決定し、この制御パラメータを用いて制御を実行する。すなわち、燃焼切替制御装置11は、エンジン12を通常リーン燃焼モードで運転するように制御する。なお、これらのステップS35,S26およびS27の処理は、図10を参照して説明した第3実施形態の内燃機関10Cの場合と同様である。
他方、上記ステップS30において肯定判定された場合、すなわち、NOx還元触媒40の温度Tが所定値T2以上である場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS41において、インタークーラ弁83が全開であるか否かを判定する。ここで、インタークーラ弁83が全開であると判定された場合(ステップS41でYES)、インタークーラ弁83の更なる開度増大(すなわち冷却能力アップ)ができないため、燃焼切替制御装置11はステップS35,S26およびS27の処理を実行して、通常リーン燃料モードを実行する。
これに対し、全開でないと判定された場合(ステップS41でNO)、インタークーラ弁83を開く処理を実行し、続いて上記ステップS35,S26およびS27の処理を実行する。これにより、インタークーラ84の冷却能力が上がり、エンジン12に吸気される空気の温度が低下する。その結果、ステップS35,S26およびS27の処理によって通常リーン燃料モードが実行された場合の排気温度が低減され、排ガス中に含まれるNOx発生量を低減することができる。このようにインタークーラ84を用いて排気温度を低減する制御モード実行することで、NOxの発生を抑制することができる。
図17において、(a)はNOx還元触媒(SCR)の温度、(b)はSCR浄化特性、(c)は空燃比、(d)はインタークーラ弁の動作、(e)は排気温度をそれぞれ示すグラフである。ここで、(a)〜(e)の各グラフにおいて、横軸は時間を表し、時間t1はSCR温度が所定値T2を超えた時点であり、時間t2は排気温低減モードを使わない場合のストイキ燃焼モードへの切替時点であり、時間t3は排気温低減モードを使う場合のストイキ燃焼モードへの切替時点である。また、図17(a)〜(e)の各グラフにおいて、破線はインタークーラ84がない場合を表し、実線はインタークーラ84を用いた排気温低減モードを行った場合を表している。
図17(a)〜(e)に示すように、本実施形態の内燃機関10Cでは、NOx還元触媒40の温度が所定値T2以上になったとき、インタークーラ弁83が全開でない場合にインタークーラ弁83の開度を増大させて排気温低減モードを実行する。これにより、エンジン12に供給される吸気温度が低下することによって排ガス温度も低下し、その結果、NOx還元触媒40の温度上昇を抑制することができる。より詳しくは、排気温低減モードを使わない場合には、NOx還元触媒40の温度が時間t2で所定値T1以上となって通常リーン燃焼モードからストイキ燃焼モードに切り替えられることになる。これに対し、本実施形態の内燃機関10Cでは、排気温低減モードを使うことでNOx還元触媒40の温度上昇が緩やかになって所定値T1以上になる時点を時間t3まで延ばすことができる。その結果、ストイキ燃焼モードへの移行タイミングを遅らせることができ、NOx排出量が増加しないようにしながら燃費を向上させることができる。
なお、本実施形態ではインタークーラ84を用いて排気温度を低減する制御モードを行う場合について説明したが、インタークーラ84の冷却能力を制御するだけでなく、排ガス還流量調整弁54(排気還流量調整装置)、ターボチャージャ60の可燃ノズルベーン(過給圧調整装置)および吸気絞り弁26(空気量調整装置)を同時に制御することで、過給圧を上昇させると共に空燃比およびEGR率を制御してもよい。
<第5実施形態>
次に、図18〜図21を参照して第5実施形態の内燃機関10Dについて説明する。図18は、第5実施形態の内燃機関10Dの全体構成を概略的に示す図である。図19は、図18中のEGRクーラ53を示す図である。以下では、本実施形態の内燃機関10Dについて第4実施形態と相違する構成を主として説明し、上述した第1〜第4実施形態の内燃機関10,10A、10B,10Cと同一の構成には同一の参照符号を付して説明を適宜に省略する。
本実施形態の内燃機関10Dは、EGRクーラ(再循環排ガスクーラ)53を備える。EGRクーラ53は、排気還流装置50によってエンジン12に再循環される排ガスを冷却する機能を有する。EGRクーラ53は、排気還流通路52において、排ガス流れ方向に関して排ガス還流量調整弁54の上流側に設けられている。
図19に示すように、EGRクーラ53は、水冷式の冷却装置が好適に用いられる。EGRクーラ53は、冷却水の供給管53aおよび排出管53bを有し、供給管53aには冷却水量を調整するEGRクーラ弁57が設けられている。EGRクーラ弁57は、EGRクーラ制御装置55から指令を受けて開度調整される。これにより、EGRクーラ53は、冷却水の供給量が調整されることでEGRガスの冷却能力が可変になっている。
再び図18を参照すると、EGRクーラ制御装置55は、燃焼切替制御装置11に電気的に接続されている。燃焼切替制御装置11は、EGRクーラ制御装置55を介してEGRクーラ弁57の開度を調整することができ、EGRクーラ53の冷却能力を制御することができる。
なお、EGRクーラ53の冷却能力は、冷却水温度を変更することによって可変としてもよい。また、EGRクーラ53は、水冷式のものに限定されず、空冷式のものであってもよい。この場合、冷却風量を変更することで、EGRクーラ53の冷却能力を可変とすることができる。
本実施形態の内燃機関10Dの他の構成は、第4実施形態の内燃機関10Cと同様である。
図20は、図18に示した内燃機関10Dの燃焼切替制御装置11において実行される処理を示すフローチャートである。この処理において、上述した第4実施形態の内燃機関10Cの処理(図16参照)と同じ処理内容については同一の参照符号を付して説明を適宜に省略する。図20に示す処理は、EGRクーラ53に関連する処理であるステップS43〜S46が図16に示す処理と相違し、他の処理は同じである。
図20に示すように、燃焼切替制御装置11は、ステップS30において、NOx還元触媒40の温度Tが所定値T2(ここで、T2<T1)以上か否かを判定する。このステップS30で肯定判定(YES)された場合にはステップS41に進み、否定判定(NO)された場合にはステップS43に進む。
上記ステップS30で否定判定された場合、すなわち、NOx還元触媒40の温度Tが所定値T2より低い場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS43において、EGRクーラ弁57の開度及びインタークーラ弁83の開度をエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qを2軸の座標とするEGRクーラ用マップおよびインタークーラ用マップでそれぞれ制御する。すなわち、この場合はエンジン12の負荷状態に基づいてEGRクーラ弁57およびインタークーラ弁83の各開度が決定される。そして、燃焼切替制御装置11は、続くステップS35において、通常リーン燃焼用のマップの使用を決定する。その後、燃焼切替制御装置11は、ステップS26およびS27において、決定されたマップに基づきエンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qから制御パラメータを決定し、この制御パラメータを用いて制御を実行する。すなわち、燃焼切替制御装置11は、エンジン12を通常リーン燃焼モードで運転するように制御する。
他方、上記ステップS30において肯定判定された場合、すなわち、NOx還元触媒40の温度Tが所定値T2以上である場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS41およびS42において、インタークーラ弁83の開度を制御する。この制御は、第4実施形態における図16の処理と同様である。
燃焼切替制御装置11は、ステップS42の処理に続くステップS44において、EGRクーラ弁57が開いているか否かを判定する。ここで否定判定(NO)された場合、燃焼切替制御装置11は、ステップS35,S26およびS27の処理を実行して、通常リーン燃料モードを実行する。他方、EGRクーラ弁57が開いていると判定された場合(ステップS44でYES)、燃焼切替制御装置11は、ステップS45において、EGRクーラ弁57が全開であるか否かを判定する。ここで、EGRクーラ弁57が全開であると判定された場合(ステップS45でYES)、EGRクーラ弁57の更なる開度増大(すなわち冷却能力アップ)ができないため、燃焼切替制御装置11はステップS35,S26およびS27の処理を実行して、通常リーン燃料モードを実行する。
これに対し、EGRクーラ弁57が全開でないと判定された場合(ステップS45でNO)、燃焼切替制御装置11は、ステップS46においてEGRクーラ弁57を開く処理を実行し、続いて上記ステップS35,S26およびS27の処理を実行する。これにより、EGRクーラ53の冷却能力が上がり、エンジン12に再循環される排ガスの温度が低下し、これに伴って吸気温度が低下する。その結果、ステップS35,S26およびS27の処理によって通常リーン燃料モードが実行された場合の排気温度が低減され、排ガス中に含まれるNOx発生量を低減することができる。このようにEGRクーラ53を用いて排気温度を低減する制御モード実行することで、NOxの発生をさらに抑制することができる。
図21において、(a)はNOx還元触媒(SCR)の温度、(b)はSCR浄化特性、(c)は空燃比、(d)はインタークーラ弁の動作、(e)はEGRクーラ弁の動作、(f)は排気温度をそれぞれ示すグラフである。ここで、(a)〜(f)の各グラフにおいて、横軸は時間を表し、時間t1はSCR温度が所定値T2を超えた時点であり、時間t2はEGRクーラ53およびインタークーラ84による排気温低減モードを使わない場合のストイキ燃焼モードへの切替時点であり、時間t3はインタークーラ84による排気温低減モードを使った場合のストイキ燃焼モードへの切替時点であり、時間t4はEGRクーラ53およびインタークーラ84による排気温度低減モードを使った場合のストイキ燃焼モードへの切替時点である。
また、図21(a)〜(f)の各グラフにおいて、破線はEGRクーラ53およびインタークーラ84がないか又は各クーラ53,84による排気温度低減モードを実行しない場合を表し、実線はインタークーラ84を用いた排気温低減モードを行った場合を表し、一点鎖線はEGRクーラ53およびインタークーラ84を用いた排気温低減モードを行った場合を表している。
図21(a)〜(d),(f)の各グラフにおいて、破線および実線は、図17(a)〜(e)に示すものと同様である。すなわち、本実施形態の内燃機関10Dでは、NOx還元触媒40の温度が所定値T2以上になったとき、インタークーラ弁83が全開でない場合にインタークーラ弁83の開度を増大させて排気温低減モードを実行する。これにより、エンジン12に供給される吸気温度が低下することによって排気温度も低下し、その結果、NOx還元触媒40の温度上昇を抑制することができる。
さらに、本実施形態の内燃機関10Dでは、EGRクーラ53を用いて、エンジン12に再循環される排ガスを冷却することによる排気温度低減モードを併せて実行する。具体的には、図21(d),(e)に示すように、インタークーラ弁83およびEGRクーラ弁57の両方が開かれて、吸気温度および再循環排ガス温度が低減される。これにより、図21(f)に示すように、インタークーラ84だけを用いた場合よりも排気温度の上昇をより一層緩やかにすることができる。その結果、図21(a)に示すように、NOx還元触媒40の温度Tが所定値T1以上になる時点を時間t4までさらに延ばすことができる。したがって、本実施形態の内燃機関10Dによれば、第4実施形態の内燃機関10Cよりもストイキ燃焼モードへの移行タイミングをさらに遅らせることができ、NOx排出量が増加しないようにしながら燃費を向上させることができる。
なお、本実施形態ではEGRクーラ53とインタークーラ84の両方を用いて排気温度を低減する制御モードを行う場合について説明したが、EGRクーラ53だけを用いて排気温度を低減する制御モードを行ってもよい。この場合、EGRクーラ53の冷却能力を制御するだけでなく、排ガス還流量調整弁54(排気還流量調整装置)、ターボチャージャ60の可燃ノズルベーン(過給圧調整装置)および吸気絞り弁26(空気量調整装置)を同時に制御することで、過給圧を上昇させると共に空燃比およびEGR率を制御してもよい。
なお、本発明に係る内燃機関は、上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲内において種々の変更や改良が可能である。
例えば、上記においては、過給装置としてターボチャージャ60を用いる例について説明したが、これに限定されるものではない。第1ないし第5実施形態におけるターボチャージャ60に代えて、エンジン動力によって過給動作する機械式スーパーチャージャを用いてもよい。また、ターボチャージャまたは機械式スーパーチャージャまたはそれらの組合せによって、過給装置を複数段に設けてもよい。さらに、ターボチャージャ、機械式スーパーチャージャ、電動圧縮機に加えて、圧縮空気を貯留する蓄圧タンクを設け、蓄圧タンクから供給された圧縮空気を過給に用いてもよい。第3実施形態において蓄圧タンクを用いて過給する場合、蓄圧タンクの圧縮空気の残量が所定値以下であるときは、上記ステップS33において排気温低減モードに移行しない判定(NO)を行ってもよい。
また、上記第2ないし第5実施形態においては過給調整装置として可変ノズルベーンを用いた例を説明したが、これに代えて、第1実施形態と同様に制御されるウエストゲートバルブを用いてもよい。
また、第2及び第3実施実施形態では電動圧縮機70でターボチャージャ60による過給をアシストする構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、蓄圧タンクを設け、蓄圧タンクから供給される圧縮空気を吸気絞り弁26の吸気方向下流側、または、タービン65aの排気方向上流側に導入して、過給をアシストする構成としてもよい。
さらに、第2実施形態では、排気バイパス流路34bを用いてNOx還元触媒40の温度Tを低下させる例について説明したが、これに限定されるものではなく、三元触媒とNOx還元触媒との間に排ガス温度を調整する温調機を設けてもよいし、外部空気を排気系に直接供給してNOx還元触媒の温度の上昇抑制または低下を図ってもよいし、あるいは、NOx還元触媒を冷却する冷却装置を設けてもよい。
さらにまた、上記第1ないし第5実施形態において、NOx還元触媒がSCRの場合は、その上流側に還元剤(例えば、尿素)を添加する装置を排気系30に設けることが望ましい。
10,10A 内燃機関、11 燃焼切替制御装置、12 エンジン、14 シリンダ、16 燃料噴射装置、18 噴射制御装置、20 回転数センサ(回転数取得手段)、21 吸気系、22 第1吸気通路、24 第2吸気通路、26 吸気絞り弁、28 吸排気制御装置、30 排気系、32 第1排気通路、34 第2排気通路、34a 主排気流路、34b 排気バイパス流路、36 タービンバイパス流路、38 三元触媒、40 NOx還元触媒、41 温度センサ(温度取得手段)、42 ウエストゲートバルブ(過給圧調整装置)、50 排気還流装置、52 排気還流通路、53 EGRクーラ(再循環排ガスクーラ)、54 排ガス還流量調整弁(排気還流量調整装置)、55 EGRクーラ制御装置、57 EGRクーラ弁、60 ターボチャージャ(過給装置)、62 コンプレッサ室、63,72 コンプレッサホイール、64 タービン室、65 タービン、65a 可変ノズルベーン付きタービン、66 シャフト、70 電動圧縮機(過給装置)、74 モータ(過給圧調整装置)、76 電動過給装置制御装置、78 電力線、80 アクセルペダル、82 開度センサ、83 インタークーラ弁、84 インタークーラ、86 インタークーラ制御装置、A 吸気方向、B バッテリ、E 排ガス排出方向、Ne エンジン回転数、Q 燃料噴射量、T 温度またはNOx還元触媒温度、V1 第1開閉弁(流路切替装置)、V2 第2開閉弁(流路切替装置)。

Claims (30)

  1. エンジンと、
    前記エンジンから排気された排ガスを浄化する三元触媒およびNOx還元触媒と、
    前記NOx還元触媒の温度を取得する温度取得手段と、
    前記エンジンの回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記エンジンにおける燃料噴射量を制御する噴射制御装置と、
    前記温度取得手段によって取得されたNOx還元触媒温度、前記回転数取得手段によって取得されたエンジン回転数、および、前記噴射制御装置から取得された燃料噴射量に基づいて、前記エンジンの燃焼モードをリーン燃焼モードとストイキ燃焼モードとの間で切り替える燃焼切替制御装置と、を備える、
    内燃機関。
  2. 前記燃焼切替制御装置は、リーン燃焼モードにおいてNOx還元触媒温度が所定値以上であるとき、ストイキ燃焼モードに切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記燃焼切替制御装置は、ストイキ燃焼モードにおいてNOx還元触媒温度が所定値以上であるとき、ストイキ燃焼モードを維持することを特徴とする、請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記燃焼切替制御装置は、ストイキ燃焼モードでは空燃比が化学量論比となるように前記エンジンの吸気状態を制御する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関。
  5. 前記温度取得手段は、前記NOx還元触媒の温度を検出または予測する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関。
  6. 前記NOx還元触媒は、選択還元型触媒(SCR)および/または吸蔵還元型触媒(NSR)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関。
  7. 前記NOx還元触媒は、排ガス排出方向に関して前記三元触媒の下流側に配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関。
  8. 前記エンジンの排ガスの一部を再循環する排気還流装置と、
    前記エンジンに再循環する排ガス量を調整する排気還流量調整装置と、
    前記エンジンに吸気される空気を過給する過給装置と、
    前記過給装置による過給圧を調整する過給圧調整装置と、
    吸気される空気量を調整する空気量調整装置と、を更に備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関。
  9. 前記過給装置は、ターボチャージャ、機械式スーパーチャージャ、および、電動圧縮機の少なくとも1つで構成される、請求項8に記載の内燃機関。
  10. 前記過給圧調整装置は、タービンバイパス流路に設けられたウエストゲートバルブ、タービンに当たる排ガス流速を可変する可変ノズルベーン、または、電動圧縮機のモータで構成される、請求項8または9に記載の内燃機関。
  11. 前記燃焼切替制御装置は、ストイキ燃焼モードにおいてはエンジン運転条件に応じた所定の吸気酸素濃度および過給圧となるように前記排気還流量調整装置および前記空気量調整装置を制御し、エンジン運転条件に応じた所定の燃料噴射制御を行う、請求項8〜10のいずれか一項に記載の内燃機関。
  12. 前記燃焼切替制御装置は、ストイキ燃焼モードにおいてはエンジン運転条件に応じて所定の吸気酸素濃度および過給圧となるように前記排気還流量調整装置、前記空気量調整装置、および、前記過給圧調整装置を制御し、エンジン運転条件に応じた所定の燃料噴射制御を行う、請求項8〜11のいずれか一項に記載の内燃機関。
  13. 前記燃焼切替制御装置は、エンジン回転数および燃料噴射量からストイキ燃焼領域か否かを判定し、NOx還元触媒の温度が所定値以上であるが、ストイキ燃焼領域外であるとき、前記過給圧調整装置によって過給圧を上昇させた高過給リーン燃焼を行うように制御する、請求項8〜12のいずれか一項に記載の内燃機関。
  14. 前記三元触媒と前記NOx還元触媒との間から分岐してNOx還元触媒の排気方向下流側で合流する排気バイパス流路、および、排ガスが前記NOx還元触媒を通過する流路と前記排気バイパス流路とを選択的に切替可能にする流路切替装置を備える、請求項8〜13のいずれか一項に記載の内燃機関。
  15. 前記流路切替装置は、通常時であるリーン燃焼モードにおいては排ガスが前記三元触媒および前記NOx還元触媒を通過するように前記燃焼切替制御装置によって操作される、請求項14に記載の内燃機関。
  16. 前記流路切替装置は、ストイキ燃焼モードにおいて、前記NOx還元触媒を通過する排ガス量を減少させ、前記排気バイパス流路を通過する排ガス量を増加させるように前記燃焼切替制御装置によって操作される、請求項15に記載の内燃機関。
  17. 前記流路切替装置は、前記NOx還元触媒の温度に応じて、前記NOx還元触媒と前記排気バイパス流路を通過する排ガス量を調整するように前記燃焼切替制御装置によって操作される、請求項16に記載の内燃機関。
  18. 前記過給装置は主過給装置および副過給装置を含み、前記主過給装置はターボチャージャおよび/または機械式スーパーチャージャであり、前記副過給装置は電動圧縮機および/または蓄圧タンクであり、前記副過給装置の過給圧調整装置として電動圧縮機のモータおよび蓄圧タンクのバルブを備えており、
    前記燃焼切替制御装置は、前記NOx還元触媒の温度が所定値T1未満でかつ所定値T2以上である(ただし、T2<T1)場合、前記副過給装置の過給圧調整装置を用いて過給圧を上昇させて排気温度を低減する制御モードに移行する、請求項8に記載の内燃機関。
  19. 前記燃焼切替制御装置は、排気温度を低減する制御モードにおいて、運転条件に応じて前記副過給装置の過給圧調整装置だけでなく、前記排気還流量調整装置、前記空気量調整装置、前記主過給装置の過給圧調整装置と同時に制御することで、過給圧の上昇と同時に空燃比およびEGR率を制御する、請求項18に記載の内燃機関。
  20. 前記燃焼切替制御装置は、前記NOx還元触媒の温度が所定値T1未満でかつ所定値T2以上である場合であっても、前記電動圧縮機のモータを駆動するバッテリの残量および/または前記蓄圧タンクの圧縮空気の残量が所定値以下であれば排気温度を低減する制御モードに移行しない、請求項18または19に記載の内燃機関。
  21. 前記燃焼切替制御装置は、前記エンジンがストイキ燃焼モードで運転されている状態において所定の条件を満たす場合、前記副過給装置の過給圧調整装置、および、前記排気還流量調整装置を用いて、吸気の導入量を変化させることなく排気還流量を増加させることにより排気温度を低減するEGRストイキ燃焼モードに切り替える、請求項18〜20のいずれか一項に記載の内燃機関。
  22. 前記燃焼切替制御装置は、前記エンジンがストイキ燃焼モードで運転されている状態において、エンジン回転数とトルクからEGRストイキ燃焼モードに切り替えた場合における前記NOx還元触媒の温度を推定し、この推定温度が所定値T1未満になるときEGRストイキ燃焼モードに切り替える、請求項21に記載の内燃機関。
  23. 吸気方向に関して前記過給装置の下流側に吸気を冷却するインタークーラが設けられ、前記インタークーラは吸気冷却能力が可変になっている、請求項8に記載の内燃機関。
  24. 前記燃焼切替制御装置は、前記NOx還元触媒の温度が所定値T1未満でかつ所定値T2以上である(ただし、T2<T1)場合、前記インタークーラの冷却能力を上げて吸気温度を低下させることで、排気温度を低減する制御モードを実行する、請求項23に記載の内燃機関。
  25. 前記燃焼切替制御装置は、前記インタークーラの冷却能力を制御するだけでなく、前記排気還流量調整装置、前記過給圧調整装置および前記空気量調整装置を同時に制御することで、過給圧を上昇させると共に空燃比およびEGR率を制御する、請求項23または24に記載の内燃機関。
  26. 前記排気還流装置は再循環される排ガスを冷却する再循環排ガスクーラを有し、前記再循環排ガスクーラは排ガス冷却能力が可変になっている、請求項8に記載の内燃機関。
  27. 前記燃焼切替制御装置は、前記NOx還元触媒の温度が所定値T1未満でかつ所定値T2以上である(ただし、T2<T1)場合、前記再循環排ガスクーラの冷却能力を上げて吸気温度を低下させることで、排気温度を低減する制御モードを実行する、請求項26に記載の内燃機関。
  28. 前記燃焼切替制御装置は、前記再循環排ガスクーラの冷却能力を制御するだけでなく、前記排気還流量調整装置、前記過給圧調整装置および前記空気量調整装置を同時に制御することで、過給圧を上昇させると共に空燃比およびEGR率を制御する、請求項26または27に記載の内燃機関。
  29. 吸気方向に関して前記過給装置の下流側に吸気を冷却するインタークーラが設けられ、前記インタークーラは吸気冷却能力が可変になっており、
    前記排気還流装置は再循環される排ガスを冷却する再循環排ガスクーラを有し、前記再循環排ガスクーラは排ガス冷却能力が可変になっており、
    前記燃焼切替制御装置は、前記インタークーラおよび前記再循環排ガスクーラの各冷却能力を制御することで、排気温度を低減する制御モードを実行する、請求項8に記載の内燃機関。
  30. 前記燃焼切替制御装置は、前記インタークーラおよび前記再循環排ガスクーラの各冷却能力を制御するだけでなく、前記排気還流量調整装置、前記過給圧調整装置および前記空気量調整装置を同時に制御することで、過給圧を上昇させると共に空燃比およびEGR率を制御する、請求項29に記載の内燃機関。
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