JP2019104937A - ヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、本発明は、保存性や流動性に優れ、粉末の取り扱いのしやすさという点で優れたヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末を提供することを目的とする。【解決手段】圧縮度が20〜40であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末。【選択図】なし
Description
本発明はヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末に関する。
ヒアルロン酸は生体内に多く存在するムコ多糖類であり、高い保湿機能を有することから、化粧料や機能性食品の成分として広く利用されている。しかし、ヒアルロン酸は高分子の多糖類(平均分子量は50万〜200万)であるため、皮膚組織への浸透性に劣り、皮膚に塗布しても表面に留まって生体内に浸透しにくいという問題がある。
そこで、皮膚への浸透性を改善することを目的とした低分子量化ヒアルロン酸及び/又はその塩が提案されている。例えば、特許文献1は、平均分子量1,000〜8,000の範囲内にあるヒアルロン酸を化粧品に配合することが開示されている。特許文献1においては、平均分子量が1,000以上、5,000未満のヒアルロン酸および/またはその塩が開示されている。また、特許文献3においては、平均分子量が3,500以下であり、かさ密度0.25/cm3よりも大きいヒアルロン酸および/またはその塩であり、さらに粒度分布の標準偏差が0.1〜0.3であることが開示されている。
一方、ヒアルロン酸及びその塩は、化粧品や食品等の最終製品の原料として使用される。原料となるヒアルロン酸及びその塩は、粉末状態にして用いられている。ヒアルロン酸及びその塩の粉末は、アルミナパック等で袋詰め状態にし、保管されていて、最終製品の製造では、袋から開封され、使用される。最終製品の製造においては、粉末としての原料の流動性や保存性等の粉末の取り扱いのしやすさが、最終製品の品質の安定性や最終製品の製造の作業効率の観点から、非常に重要な要素である。
従来の低分子量化ヒアルロン酸は、低分子化により皮膚組織への浸透性は改善されており、最終製品の原料として有用である。しかしながら、原料となったヒアルロン酸の粉末の保存性や流動性が劣化し、粉末の取り扱いのしやすさという点で劣るという問題がある。
本発明は、保存性や流動性に優れ、粉末としての取り扱いのしやすさという点で優れたヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末を提供することを目的とする。
低分子量化ヒアルロン酸の粉末としての取り扱いしにくさという課題について検討した結果、高分子のヒアルロン酸を糖類の連結部位である「−O−」を加水分解により切断して低分子量化しているため、両端に親水性のヒドロキシル基(−OH)を有するヒアルロン酸が多く含まれるので、強い親水性を示して吸湿性が高まり、空気中の水分を粉末が吸湿して保存性や流動性が悪くなり、粉末の取り扱いのしやすさが劣るということを見出した。
通常、ヒアルロン酸の粉末は、袋詰めし、保存している。袋詰めされたヒアルロン酸の粉末は、袋の外部の空気との接触が遮断されているが、袋の内部の空気がヒアルロン酸の粉末と接触し、吸湿され、その結果として、ヒアルロン酸の粉末が時間経過とともに製造直後のヒアルロン酸の粉末と比較し、粉末状態が変化し、流動性や保存性が悪くなり、粉末の取り扱いのしやすさが劣ることも見出した。
この検討した結果より、所定の粒度分布におけるD50の粒子径、粒度分布の標準偏差及びL*a*b*表色系によるb*値を有するヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末とすることにより、分子量が5,000以下であるにもかかわらず、粉末の取り扱いのしやすさに優れたヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、平均分子量が5,000以下であり、比表面積5,000cm2/cm3以上である粒度分布におけるD50の粒子径が10μm未満であり、粒度分布の標準偏差が、0.30より大きく0.60以下であり、L*a*b*表色系によるb*値が5.0を超え7.0以下であり、ヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末に関する。
ゆるみかさ密度が0.30〜0.50g/cm3であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末に関する。
かためかさ密度が0.35〜0.90g/cm3以上であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末に関する。
(かためかさ密度−ゆるみかさ密度)/(かためかさ密度)×100で示される圧縮度が20〜40であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末に関する。
粒度分布におけるD10の粒子径は、D50の粒子径に対する40%以上、70%以下であり、粒度分布におけるD90の粒子径は、D50の粒子径に対する120%以上、160%以下であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末に関する。
本発明のヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末は、分子量が5,000以下であり、比表面積5,000cm2/cm3以上であるにもかかわらず、所定の粒度分布におけるD50の粒子径、粒度分布の標準偏差およびL*a*b*表色系によるb*値およびを有することにより、粉末自体の吸湿が抑えられるとともに、袋詰めした際、粒子間の空隙を粉末で埋めることができるので、吸湿が抑えられ、粉末の状態の変化が小さいので保存性が劣化しないのである。また、袋から開封し、粉末を取り出した際には、粉末が分散しやすく、かつ、粉末の飛散領域が適切となり、ヒアルロン酸の粉末を原料として用いて、最終製品を製造するにあたり、流動性に優れ、粉末としての取扱性に優れる。つまり、ヒアルロン酸の粉末の保存性や流動性が劣化せず、粉末の取り扱い性が向上するのである。
本発明は、所定の分子量および比表面積を有し、粒度分布におけるD50の粒子径が10μm未満であり、粒度分布の標準偏差が、0.3より大きく0.6以下であり、L*a*b*表色系によるb*値が5.0を超え7.0以下であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末に関する。
ヒアルロン酸及びその塩の粉末
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、分子量が5,000以下であることを特徴とする。分子量を5,000以下とすることにより、皮膚組織などの生体内に浸透、吸収されやすくなる。
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、分子量が5,000以下であることを特徴とする。分子量を5,000以下とすることにより、皮膚組織などの生体内に浸透、吸収されやすくなる。
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末の比表面積は、5,000cm2/cm3以上である。さらに7,000cm2/cm3以上が好ましく、1,0000cm2/cm3以下であることが好ましい。比表面積が5,000cm2/cm3以上にすることにより、ヒアルロン酸の粉末を原材料として最終製品の製造に用いられる溶液や溶剤等の液体に対して、接触する面積が大きくなるので、溶解しやすくなるからである。逆に、粉末の状態では吸湿しやすくなり、保存性や流動性が変化しやすくなるということもある。なお、本発明に係る比表面積は、レーザー回析/散乱式による粒度分布測定装置を用いて行った。
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、粒度分布におけるD50の粒子径が10μm未満である。粒度分布におけるD50の粒子径が10μm未満のヒアルロン酸の粉末であると、粒子間の空隙が小さくなるので、袋詰めした際、袋にある空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないのである。粒度分布におけるD50の粒子径が10μm以上であると、粒子間の空隙が大きくなり、ヒアルロン酸の粉末として吸湿が抑制されにくい。袋詰めにおける保存性や粉末の取り扱いが変化してしまうのである。なお、本発明に係る粒度分布は、レーザー回析/散乱式による粒度分布測定装置を用いて行った。
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、粒度分布の標準偏差が、0.30より大きく0.60以下である。また、粒度分布の標準偏差が、0.32以上0.55以下であることが好ましい。さらに、粒度分布の標準偏差が、0.34〜0.36であることがより好ましい。粒度分布の標準偏差が、0.30以下であると、ヒアルロン酸の粉末粒子間の空隙度合いが高くなり、吸湿の原因となる空気を含みやすくなり、袋詰め状態にさせても、吸湿しやすくなり、ヒアルロン酸の粉末が保存性や流動性が劣化しやすくなる傾向があり、粉末としての取扱性が悪くなる。また、粒度分布の標準偏差が、0.60を超える場合は、袋詰め状態にすると、ヒアルロン酸の粉末同士が密着し、凝集しやすくなり、袋から開封した際、粉末が分散しがたくなり、粉末の飛散領域が広くなり、粉末の取扱性が悪くなる傾向がある。
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、粒度分布におけるD10の粒子径が、D50の粒子径の40%以上、70%以下であることがより好ましい。D10の粒子径とD50の粒子径との関係を、この範囲にすることにより、主な粒子となるD50の粒子径のヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末間に、D50の粒子径以下の粒子が適度に接触することにより、袋詰めした際に粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないのである。また、粒度分布におけるD10の粒子径が、D50の粒子径の40%未満もしくはD50の粒子径の70%を超える場合には、袋詰めした際に粒子間の空隙を埋めにくくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿により、保存性や流動性が劣化させてしまうのである。
さらに、本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、粒度分布におけるD90の粒子径が、D50の粒子径に対する120%以上、160%以下であることが好ましい。D90の粒子径とD50の粒子径との関係を、この範囲にすることにより、D50の粒子径よりも大きい粒子径の粉末間で形成される空隙をD50の粒子径よりも大きい粒子径より小さい粒子径の粉末を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないのである。粒度分布におけるD90の粒子径が、D50の粒子径の120%未満もしくはD50の粒子径の160%を超える場合には、袋詰めした際に粒子間の空隙を埋めにくいので、空隙内の空気を起因とする吸湿し、保存性や流動性が劣化させてしまうのである。
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、ゆるみかさ密度が0.30〜0.50g/cm3であることが好ましい。ゆるみかさ密度をこの範囲とすることにより、粉末粒子間の空隙を狭くすることできる。粉末の吸湿は粉末粒子間に存在する空気中の水蒸気が一因であると考えられることから、粉末粒子間の空隙を狭くすることにより、粉末と接触し得る空気の量、すなわち粉末と接触する水蒸気の量を減らすことができ、その結果、吸湿しにくい粉末となり、吸湿を原因とする流動性の悪化を抑制することができると考えられる。また、袋から開封した際、分散しやすく、かつ、粉末の飛散領域が適切となり、最終製品での製造がしやすくなるとも考えられ、結果的には、粉末の取扱性が確保されるのである。
前記ゆるみかさ密度は、0.30g/cm3以上が好ましく、0.35g/cm3以上がより好ましい。ゆるみかさ密度が0.30g/cm3未満の場合は、ヒアルロン酸の粉末粒子間の空隙度合いが高くなり、吸湿の原因となる空気を含みやすくなり、袋詰め状態にさせても、吸湿しやすくなり、ヒアルロン酸の粉末が保存性や流動性が劣化しやすくなる傾向があり、粉末としての取扱性が悪くなる。また、ゆるみかさ密度は、0.50g/cm3以下が好ましく、0.45g/cm3以下がより好ましい。ゆるみかさ密度が0.50g/cm3を超える場合は、袋詰め状態にすると、ヒアルロン酸の粉末同士が密着し、凝集しやすくなり、袋から開封した際、粉末が分散しがたくなり、粉末の飛散領域が広くなり、粉末の取扱性が悪くなる傾向がある。
なお、本発明に係る粉末のゆるみかさ密度は、容器(測定セル)を用いる方法により測定することができる。かさ密度の測定用セルの容量および質量を予め測定し、測定用セル内に、ヒアルロン酸の粉末を充填する。充填終了後、測定セルの上部を擦り切ってから、充填後の測定セルの質量を天秤により測定する。充填後の測定セルから測定セルの質量を引いた値がヒアルロン酸のゆるみかさ密度の質量であり、測定セルの容量で割って計算した値が、ゆるめかさ密度である。
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、かためかさ密度が0.35〜0.90g/cm3以上であることが好ましい。かためかさ密度をこの範囲とすることにより、粉末粒子間の空隙を狭くすることできる。粉末の吸湿は粉末粒子間に存在する空気中の水蒸気が一因であると考えられることから、粉末粒子間の空隙を狭くすることにより、粉末と接触し得る空気の量、すなわち粉末と接触する水蒸気の量を減らすことができ、その結果、吸湿しにくい粉末となり、吸湿を原因とする流動性の悪化を抑制することができると考えられる。また、袋から開封した際、粉末が分散しやすくなり、かつ、粉末の飛散領域が適正となり、最終製品での製造がしやすくなるとも考えられ、結果的には、粉末の取扱性が確保されるのである。
前記かためかさ密度は、0.35g/cm3以上が好ましく、0.38g/cm3以上がより好ましい。かためかたさ密度が0.35g/cm3未満の場合は、ヒアルロン酸の粉末粒子間の空隙度合いが高くなり、吸湿の原因となる空気を含みやすくなり、袋詰め状態にさせても、吸湿しやすくなり、ヒアルロン酸の粉末が保存性や流動性が劣化しやすくなる傾向があり、粉末としての取扱性が悪くなる。また、かためかさ密度は0.90g/cm3以下が好ましく、0.83g/cm3以下がより好ましい。かためかたさ密度が0.90g/cm3を超える場合は、袋詰め状態にすると、ヒアルロン酸の粉末同士が密着し、凝集しやすくなり、袋から開封した際、粉末が分散しがたくなり、粉末の飛散領域が広くなり、粉末の取扱性が悪くなる傾向がある。
なお、本発明に係る粉末のかためかさ密度は、容器(測定用セル)を用いる方法により測定することができる。かさ密度の測定用セルの容量および質量を予め測定し、測定用セルにセルキャップを取り付けて、ヒアルロン酸の粉末を充填する。充填終了後、180回のタッピングを行い、セルキャップを取り外し、測定セルの上部を擦り切ってから、充填後の測定セルの質量を天秤により測定する。充填後の測定セルから測定セルの質量を引いた値がヒアルロン酸のゆるみかさ密度の質量であり、測定セルの容量で割って計算した値がかためかさ密度である。
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、「(かためかさ密度−ゆるみかさ密度)×100/かためかさ密度」で示される圧縮度が20〜40であることが好ましい。この圧縮度とは、かためたことにより増加した密度、すなわち詰まった空隙の大きさを示すものであることから、圧縮度が小さいほど、粒子間の空隙が少ないことを示す指標となる。圧縮度をこの範囲とすることにより、袋詰めさせると、粉末粒子間の空隙を狭くすることできる。粉末の吸湿は粉末粒子間に存在する空気中の水蒸気が一因であると考えられることから、粉末粒子間の空隙を狭くすることにより、粉末と接触し得る空気の量、すなわち粉末と接触する水蒸気の量を減らすことができ、その結果、吸湿しにくい粉末となり、吸湿を原因とする流動性の悪化を抑制することができると考えられる。また、袋から開封した際、粉末が分散しやすくなり、粉末の飛散領域が適正になり、最終製品での製造がしやすくなるとも考えられ、結果的には、粉末の取扱性が確保されるのである。
前記圧縮度は、20以上が好ましく、25以上がより好ましい。圧縮度が20未満の場合は、ヒアルロン酸の粉末粒子間の空隙度合いが高くなり、吸湿の原因となる空気を含みやすくなり、袋詰め状態にしても、吸湿しやすくなり、ヒアルロン酸の粉末が保存性や流動性が劣化しやすくなる傾向があり、粉末としての取扱性が悪くなる。
また、圧縮度は40以下が好ましく、38以下がより好ましい。圧縮度が40を超える場合は、袋詰め状態にすると、ヒアルロン酸の粉末同士が密着し、凝集しやすくなり、袋から開封した際、粉末が分散しがたくなり、粉末の飛散領域が広くなり、粉末の取扱性が悪くなる傾向がある。
ゆるみかさ密度が0.30〜0.50g/cm3以上であり、かためかさ密度が0.35〜0.90g/cm3以上であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末であることが好ましい。袋詰めした際、粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないし、袋から開封した際、粉末の分散性が適正となり、最終製品の製造における粉末の取扱性が確保されるからである。
ゆるみかさ密度が0.30〜0.50g/cm3以上であり、圧縮度が20〜40であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末であることが好ましい。袋詰めした際、粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないし、袋から開封した際、粉末の分散性が適正となり、最終製品の製造における粉末の取扱性が確保されるからである。
また、かためかさ密度が0.35〜0.90g/cm3以上であり、圧縮度が20〜40であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末であることが好ましい。袋詰めした際、粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないし、袋から開封した際、粉末の分散性が適正となり、最終製品の製造における粉末の取扱性が確保されるからである。
さらには、ゆるみかさ密度が0.30〜0.50g/cm3以上であり、かためかさ密度が0.35〜0.90g/cm3以上であり、圧縮度が20〜40であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末であることが好ましい。袋詰めした際、粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないし、袋から開封した際、粉末の分散性が適正となり、最終製品の製造における粉末の取扱性が確保されるからである。
粉末のかさ密度および圧縮率は粉末の粒子径や粒度分布などの粒子特性に影響を受け、さらに粉末の粒子特性がその色度に影響を及ぼすことが知られている。そこで、本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、b*値を5.0を超え7.0以下の範囲とすることを特徴とし、b*値をこの範囲とすることにより、粒度分布が所定の数値範囲となり、ゆるみかさ密度、かためかさ密度が所定の範囲となり、吸湿性が低く、流動性に優れた粉末とすることができる。なお、L*a*b*表色系によるb*値は、物質が有する色の色度を規定する値であり、b*値が大きいほど黄色が強いことを示し、一方、b*値が小さいほど青色が強いことを示す。
前記b*値は、5.0超であり、5.5以上が好ましい。b*値が5.0以下の場合は、粒度分布の標準偏差が所定の範囲から外れ、ゆるみかさ密度、かためかさ密度が小さく、流動性の向上が不十分となる傾向がある。また、b*値は、7.0以下が好ましい。b*値が7.0を超える場合は、粒度分布の標準偏差が所定の範囲から外れ、ゆるみかさ密度、かため嵩密度が大きくなり、粉末の分散性が適切でなくなる傾向がある。また、b*値は、5.5以上、7.0以下であると、袋詰め等の容器内に保存させると、色の変化が小さい領域であり、つまり、使用時における外観での変化を感じさせないようにする効果を有する。
以上より、ゆるみかさ密度が0.30〜0.50g/cm3以上であり、粒度分布におけるD50の粒子径が10μm未満および粒度分布の標準偏差が粒度分布の標準偏差が、0.30より大きく0.60以下であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末であることが好ましい。袋詰めした際、粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないし、袋から開封した際、粉末の分散性が適正となり、最終製品の製造における粉末の取扱性が確保されるからである。
かためかさ密度が0.35〜0.90g/cm3以上であり、粒度分布におけるD50の粒子径が10μm未満および粒度分布の標準偏差が粒度分布の標準偏差が、0.3より大きく0.6以下であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末であることが好ましい。袋詰めした際、粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないし、袋から開封した際、粉末の分散性が適正となり、最終製品の製造における粉末の取扱性が確保されるからである。
圧縮度が20〜40であり、粒度分布におけるD50の粒子径が10μm未満および粒度分布の標準偏差が粒度分布の標準偏差が、0.3より大きく0.6以下であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末であることが好ましい。袋詰めした際、粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないし、袋から開封した際、粉末の分散性が適正となり、最終製品の製造における粉末の取扱性が確保されるからである。
ゆるみかさ密度が0.30〜0.50g/cm3以上であり、粒度分布におけるD10の粒子径は、D50の粒子径の40%以上、70%以下であるおよび/または粒度分布におけるD90の粒子径は、D50の粒子径に対する120%以上、160%以下であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末であることが好ましい。袋詰めした際、粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないし、袋から開封した際、粉末の分散性が適正となり、最終製品の製造における粉末の取扱性が確保されるからである。
かためかさ密度が0.35〜0.90g/cm3以上であり、粒度分布におけるD10の粒子径は、D50の粒子径の40%以上、70%以下であるおよび/または粒度分布におけるD90の粒子径は、D50の粒子径に対する120%以上、160%以下であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末であることが好ましい。袋詰めした際、粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないし、袋から開封した際、粉末の分散性が適正となり、最終製品の製造における粉末の取扱性が確保されるからである。
圧縮度が20〜40であり、粒度分布におけるD10の粒子径は、D50の粒子径の40%以上、70%以下であるおよび/または粒度分布におけるD90の粒子径は、D50の粒子径に対する120%以上、160%以下であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末であることが好ましい。袋詰めした際、粒子間の空隙を埋めやすくなり、空隙内の空気を起因とする吸湿を抑制することができ、保存性や流動性が劣化しないし、袋から開封した際、粉末の分散性が適正となり、最終製品の製造における粉末の取扱性が確保されるからである。
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は、分子量が5,000以下であることを特徴とする。分子量を5,000以下とすることにより、皮膚組織などの生体内に浸透、吸収されやすくなる。分子量測定は、高速液体クロマトグラフィーを用いて、予め分子量が規定されている試薬を用いて検量線を作成し、溶離時間に対する分子量位置を決め、分子量を求めることで行う。
ヒアルロン酸及びその塩の粉末の分子量は、5,000以下であり、4,000以下が好ましい。分子量が5,000を超える場合は、生体内への浸透、吸収が不十分となる傾向がある。また、分子量は、500以上が好ましく。1,000以上がより好ましい。
本発明のヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末は、低分子量化されているにかかわらず、流動性に優れ、粉末としての取扱性に優れることから、化粧料や食品の原料として用いることが好ましい。
製造方法
本発明のヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末の製造方法は特に限定されないが、溶媒に水を用いて、温度120〜160℃、各温度の飽和蒸気圧以上の圧力で亜臨界処理する亜臨界処理工程を含む製造方法とすることが好ましい。
本発明のヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末の製造方法は特に限定されないが、溶媒に水を用いて、温度120〜160℃、各温度の飽和蒸気圧以上の圧力で亜臨界処理する亜臨界処理工程を含む製造方法とすることが好ましい。
(原料)
本発明のヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末の原料としては特に限定されず、一般にヒアルロン酸の原料とされる、鶏冠、臍の緒、皮膚、軟骨、眼球等の生体組織や、ヒアルロン酸生産微生物を培養して得られる培養液などが挙げられる。
本発明のヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末の原料としては特に限定されず、一般にヒアルロン酸の原料とされる、鶏冠、臍の緒、皮膚、軟骨、眼球等の生体組織や、ヒアルロン酸生産微生物を培養して得られる培養液などが挙げられる。
(原料処理工程)
原料処理工程は、前記原料の抽出および精製などにより、原料ヒアルロン酸及び/又はその塩を調製する工程である。抽出方法としては、酵素処理や酸処理による抽出が挙げられる。調製された原料ヒアルロン酸及び/又はその塩に含まれるヒアルロン酸の分子量は5,000を超える高分子であっても良いが、ヒアルロン酸純度は高いことが、最終製品への影響などの観点から好ましい。具体的には原料ヒアルロン酸及び/又はその塩のヒアルロン酸純度は、80質量%以上であることが好ましい。
原料処理工程は、前記原料の抽出および精製などにより、原料ヒアルロン酸及び/又はその塩を調製する工程である。抽出方法としては、酵素処理や酸処理による抽出が挙げられる。調製された原料ヒアルロン酸及び/又はその塩に含まれるヒアルロン酸の分子量は5,000を超える高分子であっても良いが、ヒアルロン酸純度は高いことが、最終製品への影響などの観点から好ましい。具体的には原料ヒアルロン酸及び/又はその塩のヒアルロン酸純度は、80質量%以上であることが好ましい。
さらに、後述の亜臨界処理工程の前に、pH調製、ゲル化等を行うことが亜臨界処理の効率が向上するという理由から好ましい。ゲル化およびpH調製としては、例えば原料ヒアルロン酸及び/又はその塩に水および塩酸等の酸性水溶液を滴下してpH5.0以下に調整して、5時間以上時間静置する方法などが挙げられる。
(亜臨界処理工程)
亜臨界処理工程は、原料ヒアルロン酸及び/又はその塩を亜臨界処理により低分子化して亜臨界処理物を得る工程である。亜臨界処理とは、所定温度および圧力の条件下で亜臨界状態にした抽出溶媒としての亜臨界流体と抽出対象の原料(本発明では原料ヒアルロン酸及び/又はその塩)とを接触させることにより、抽出原料から所定の成分を抽出するものである。例えば、水は、圧力22.12MPa、温度374.15℃まで上げると液体でも気体でもない状態を示す。この点を水の臨界点といい、臨界点より低い温度および圧力の熱水を亜臨界水という。この亜臨界水は、誘電率低下とイオン積の向上により、優れた成分抽出作用と加水分解作用を有する。
亜臨界処理工程は、原料ヒアルロン酸及び/又はその塩を亜臨界処理により低分子化して亜臨界処理物を得る工程である。亜臨界処理とは、所定温度および圧力の条件下で亜臨界状態にした抽出溶媒としての亜臨界流体と抽出対象の原料(本発明では原料ヒアルロン酸及び/又はその塩)とを接触させることにより、抽出原料から所定の成分を抽出するものである。例えば、水は、圧力22.12MPa、温度374.15℃まで上げると液体でも気体でもない状態を示す。この点を水の臨界点といい、臨界点より低い温度および圧力の熱水を亜臨界水という。この亜臨界水は、誘電率低下とイオン積の向上により、優れた成分抽出作用と加水分解作用を有する。
前記亜臨界処理では、抽出溶媒として水を用いることが好ましい。高温の水処理であれば液体状態でも気体状態でも利用することができる。即ち、亜臨界処理の処理槽へは、水蒸気を供給してもよく、水を供給してもよく、あるいはその両者を供給してもよい。水または水蒸気の温度は望ましくは120℃以上であり、望まれる反応場としては気体よりも液体状態の方が反応は進みやすいので、密閉に近い容器で強制的に液体の状態にした、いわゆる亜臨界の状態の水の使用が好ましい。より具体的には、金属やセラミックスなどの耐圧容器にテンチャと抽出溶媒である水を入れて、密閉状態に近い状態にし、水の亜臨界状態で、両者の接触を一定時間以上行うことで得られる抽出物を亜臨界処理物とすることができる。
亜臨界処理温度は、効率的にヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末が得られるという理由から120〜160℃の間が好ましく、130〜150℃の間がより好ましい。亜臨界処理の温度が120℃未満の場合は、抽出が不十分となり、ヒアルロン酸の分子量が低分子化となりにくい傾向がある。また、亜臨界処理の温度が150℃を超える場合は、過分解してしまう傾向がある。なお、亜臨界処理温度が120〜160℃の間であると、b*値が5.5〜7.0の範囲内に収まるのであり、この範囲で行うことでかさ密度、比表面積が適正となる。
亜臨界処理圧力は、各温度の飽和蒸気圧以上で行うことが好ましい。各温度での飽和蒸気圧は、日本機械学会蒸気表(1968年)を参照するなどして決定することができる。120〜150℃間の飽和蒸気圧を例示すると、120℃:0.20MPa(2.02at)、130℃:0.27MPa(2.75at)、140℃:0.36MPa(3.69at)、150℃:0.48MPa(4.85at)、160℃:0.62MPa(6.30at)である。この飽和蒸気圧以上の圧力にすることにより、ヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末が効率的に得られやすくなる。なお、亜臨界処理の圧力の上限は特に定められないが、高圧装置の仕様上、20〜30MPaあたりに抑えることが好ましい。
亜臨界処理時間は、5〜60分の間で行うことが好ましく、10〜30分の間で行うことがより好ましい。この処理時間の範囲にすることにより、ヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末が効率的に得られやすくなる。亜臨界処理時間が5分未満の場合は、得られるヒアルロン酸の低分子化が不十分となる傾向がある。また、亜臨界処理時間が60分を超える場合は、過分解してしまう傾向がある。
本発明のヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末の製造方法としては、前記原料ヒアルロン酸及び/又はその塩を原料とし、溶媒に水を用いて、温度120〜150℃、各温度の飽和蒸気圧以上の圧力で亜臨界処理する亜臨界処理工程を含み、処理時間は5〜60分の間で行うことが好ましい。この亜臨界処理工程により、ヒアルロン酸を低分子量化し、さらにはヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末のゆるみかさ密度及びb*値を前記の範囲に調整することができる。
(仕上工程)
仕上工程は、前記亜臨界処理工程で得られた亜臨界処理物をヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末に仕上げる工程である。具体的な仕上工程としては、脱色工程、中和工程、滅菌工程、乾燥工程、粉砕工程などが挙げられる。
仕上工程は、前記亜臨界処理工程で得られた亜臨界処理物をヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末に仕上げる工程である。具体的な仕上工程としては、脱色工程、中和工程、滅菌工程、乾燥工程、粉砕工程などが挙げられる。
前記脱色工程としては、活性炭、イオン交換樹脂等の吸着剤を用いた脱色工程が挙げられる。加圧ろ過を用いた脱色工程としてもよい。脱色工程により加水分解で褐色となったヒアルロン酸の粉末が脱色される。
前記中和工程としては、中和剤としての塩基性の水溶液もしくは酸性の水溶液の滴下により、ヒアルロン酸を中性化させる。その一例としては、水酸化ナトリウム等の塩基性の水溶液の滴下により、pH6.0〜7.5に調整することが好ましい。
また、前記滅菌工程としては、メンブレンフィルターによるフィルター滅菌などが挙げられる。
前記乾燥工程は、亜臨界処理物を乾燥させることによりヒアルロン酸及び/又はその塩の乾燥物とする工程である。乾燥方法としては一般的な乾燥方法を用いることができ、自然放置はもちろんのこと、加熱系である箱型乾燥や噴霧乾燥(スプレードライ)などの伝熱乾燥、マイクロ波乾燥などの内部発熱乾燥、非加熱系である凍結乾燥、真空乾燥、吸引乾燥、加圧乾燥、超音波乾燥等が可能である。一般的で簡便なオーブン、恒温槽を用いて乾燥することももちろん許容される。
なかでも、所望のゆるみかさ密度、比表面積、b*値の粉末が得られやすいという理由からは、凍結乾燥、噴霧乾燥が好ましく、よりかさ密度の高い粉末が得られやすいという理由から凍結乾燥がより好ましい。また、後述の粉砕工程が不要となるという理由からは、噴霧乾燥が好ましい。なお、亜臨界処理と凍結乾燥もしくは亜臨界処理と噴霧乾燥を経て得られたヒアルロン酸の粉末は、粒度分布におけるD50の粒子径が10μm未満、粒度分布の標準偏差が、0.30より大きく0.60以下、粒度分布におけるD10の粒子径は、D50の粒子径に対する40%以上、70%以下、粒度分布におけるD90の粒子径は、D50の粒子径に対する120%以上、160%以下となる傾向にある。
前記粉砕工程は、必要に応じて乾燥工程で得られたヒアルロン酸及び/又はその塩の乾燥物を粉砕することで粉末にする工程である。粉砕方法としては、ピンミル、ジェットミル、ボールミル、ビーズミルなどの粉砕機による粉砕や、乳鉢および乳棒による粉砕などが挙げられる。粉砕工程を経たヒアルロン酸粉末は、エチレン系樹脂等のビニール袋に詰められ、その後、アルミナパックに封入される。
本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末は保存性や流動性に優れ、粉末としての取扱性に優れることを特徴とする。なお、本明細書における粉末の流動性の評価は、安息角、崩壊角と分散度によって行い、保存性の評価は、一定期間の袋詰めされたヒアルロン酸及びその塩の粉末の質量変化で行う。
安息角とは、平坦な板上にロートで粉末を落下させて堆積したときにできる。山の斜面の板との角度をいう。ヒアルロン酸の粉末における求められる安息角は、45〜55°であり、この範囲に入ることにより、ヒアルロン酸の粉末を原料としたときの粉末に求められる流動性となる。
崩壊角とは、水平かつ平坦な板上にロートなどで粉末を落下させて堆積したときにできる山を、所定の衝撃(例えば、所定の重りを所定の高さから板面に3回落下させることによる衝撃)により崩壊させた後の山の斜面と平坦な板面との角度である。崩壊角が小さいほど、流動性に優れ、粉末としての取扱性に優れることを示す。本発明のヒアルロン酸及びその塩の粉末の崩壊角は、40°以下が好ましく、38°以下がより好ましい。ヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末における求められる崩壊角は、31〜40°であり、この範囲に入ることにより、ヒアルロン酸の粉末を原料としたときの粉末に求められる流動性となる。よって、最終製品を製造する工程で、溶媒に溶解させる際、袋からの開封した粉末が凝集せずに独立している状態であり、攪拌等の時間を短くでき、均等に混合しやすく、最終製品の製造工程において取り扱いやすい粉末となる。
分散度は、一定量の粉末を一定の高さから落下させたとき、落下地点に設置してある時計皿にどの程度粉末が飛散せずに残ったかを計量し、飛散した割合を算出する。ヒアルロン酸の粉末における求められる分散度は、50%以下であり、この範囲に入ることにより、ヒアルロン酸の粉末を原料としたときの粉末が最終製品を製造するための容器内に収まりやすくなるので、所望の流動性となり、最終製品の製造工程において取り扱いやすい粉末となる。
粉末の質量変化は、ヒアルロン酸粉末を用意し、袋詰めにして、2ヶ月間放置した後、ヒアルロン酸粉末の質量を測定し、質量の変化の有無により確認することができる。質量変化がない場合、保存性に優れると判断される。粉末を袋詰めで保管しても、吸湿しないので、保存性や流動性が劣化しないのである、その結果、最終製品の製造工程において取り扱いやすい粉末となる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
<ヒアルロン酸粉末の調製>
実施例および比較例のヒアルロン酸粉末を説明する。
実施例および比較例のヒアルロン酸粉末を説明する。
実施例1(亜臨界処理、凍結乾燥)
1.5kgの原料ヒアルロン酸(粘度分子量100〜120万 ヒアルロン酸の純度:95質量%以上)に、3.5kgのイオン交換水、281gの10%塩酸水溶液を加えて12時間静置し、ゲル化およびpH調整を行った。容積20Lの耐圧容器に、ゲル化原料ヒアルロン酸を入れ、処理温度135℃、処理圧力0.4MPa、処理時間16分(昇温時間を除いた)で亜臨界処理を行い、亜臨界処理物を回収した。回収した亜臨界処理物に対し、活性炭をろ材とする加圧ろ過機(薮田機械社製 40D−10型)による脱色工程、30%水酸化ナトリウム水溶液の滴下によるpH6.3への中和工程、さらに0.20μmメンブランフィルターによるフィルター滅菌工程を行った。さらに、乾燥条件:−20℃、12時間での凍結乾燥機による乾燥工程、並びにピンミル及びジェットミルによる粉砕工程を行い、ヒアルロン酸粉末Aを調製した。
1.5kgの原料ヒアルロン酸(粘度分子量100〜120万 ヒアルロン酸の純度:95質量%以上)に、3.5kgのイオン交換水、281gの10%塩酸水溶液を加えて12時間静置し、ゲル化およびpH調整を行った。容積20Lの耐圧容器に、ゲル化原料ヒアルロン酸を入れ、処理温度135℃、処理圧力0.4MPa、処理時間16分(昇温時間を除いた)で亜臨界処理を行い、亜臨界処理物を回収した。回収した亜臨界処理物に対し、活性炭をろ材とする加圧ろ過機(薮田機械社製 40D−10型)による脱色工程、30%水酸化ナトリウム水溶液の滴下によるpH6.3への中和工程、さらに0.20μmメンブランフィルターによるフィルター滅菌工程を行った。さらに、乾燥条件:−20℃、12時間での凍結乾燥機による乾燥工程、並びにピンミル及びジェットミルによる粉砕工程を行い、ヒアルロン酸粉末Aを調製した。
実施例2(亜臨界処理、噴霧乾燥)
実施例1の亜臨界処理物に対し、噴霧乾燥機による乾燥工程を行い、ヒアルロン酸粉末Bを調製した。
実施例1の亜臨界処理物に対し、噴霧乾燥機による乾燥工程を行い、ヒアルロン酸粉末Bを調製した。
比較例1および2
比較例1および2のヒアルロン酸の粉末は、それぞれ市販品AおよびBを用いた。
比較例1および2のヒアルロン酸の粉末は、それぞれ市販品AおよびBを用いた。
<評価>
実施例および比較例のヒアルロン酸の粉末について、下記の評価を行った。各ヒアルロン酸の特徴及び評価結果を表1に示す。
実施例および比較例のヒアルロン酸の粉末について、下記の評価を行った。各ヒアルロン酸の特徴及び評価結果を表1に示す。
分子量
実施例及び比較例の各ヒアルロン酸粉末を、0.45μmメンブランフィルターによりろ過し、高速液体クロマトグラフィー(アジレントテクノロジー社製HP1100シリーズ)による測定を行った。分析条件は、カラムA(東ソー社製 品番:TSK guard column PWXL(6.0mm I.D.×40mm)およびTSKgel G3000PWXL(7.8mm I.D.×300mm)とカラムB(東ソー社製 品番:TSK guard column PWXL(6.0mm I.D.×40mm)およびTSKgel G6000PWXL(7.8mm I.D.×300mm)の2つのカラムを用い、それぞれのカラムに対して、溶離液を0.2M NaCl +0.003M PBS、カラム温度30℃、流速0.5mL/min、検出UV220nm、390nm、RI、導入量30μL、分析時間40minにて分子量分布測定用の標準試薬としてPolyethylene glycol/Polyethylene oxide Standard(SIGMA−ALDRICH)分子量:1,015,000、分子量:478,000、分子量:222,000、分子量:86,200、分子量:42,700、分子量:18,600、分子量:6,690、分子量:1,960、分子量:599、分子量:232により検量線を作成し、溶離時間に対する分子量位置を決め、分子量を求めた。この検量線を用いて、ヒアルロン酸粉末の高速液体クロマトグラフィーの測定結果より分子量を求めた。
実施例及び比較例の各ヒアルロン酸粉末を、0.45μmメンブランフィルターによりろ過し、高速液体クロマトグラフィー(アジレントテクノロジー社製HP1100シリーズ)による測定を行った。分析条件は、カラムA(東ソー社製 品番:TSK guard column PWXL(6.0mm I.D.×40mm)およびTSKgel G3000PWXL(7.8mm I.D.×300mm)とカラムB(東ソー社製 品番:TSK guard column PWXL(6.0mm I.D.×40mm)およびTSKgel G6000PWXL(7.8mm I.D.×300mm)の2つのカラムを用い、それぞれのカラムに対して、溶離液を0.2M NaCl +0.003M PBS、カラム温度30℃、流速0.5mL/min、検出UV220nm、390nm、RI、導入量30μL、分析時間40minにて分子量分布測定用の標準試薬としてPolyethylene glycol/Polyethylene oxide Standard(SIGMA−ALDRICH)分子量:1,015,000、分子量:478,000、分子量:222,000、分子量:86,200、分子量:42,700、分子量:18,600、分子量:6,690、分子量:1,960、分子量:599、分子量:232により検量線を作成し、溶離時間に対する分子量位置を決め、分子量を求めた。この検量線を用いて、ヒアルロン酸粉末の高速液体クロマトグラフィーの測定結果より分子量を求めた。
ゆるみかさ密度
各ヒアルロン酸粉末のゆるみかさ密度を、セイシン企業、マルチテスターMT−1001を用いて行った。容器(測定用セル)を用いる方法により行った。かさ密度の測定用セルの容量および質量を予め測定し、測定用セル内に、ヒアルロン酸の粉末を充填する。充填終了後、測定セルの上部を擦り切ってから、充填後の測定セルの質量を天秤により測定した。この質量の測定よりゆるめかさ密度を算出した。
各ヒアルロン酸粉末のゆるみかさ密度を、セイシン企業、マルチテスターMT−1001を用いて行った。容器(測定用セル)を用いる方法により行った。かさ密度の測定用セルの容量および質量を予め測定し、測定用セル内に、ヒアルロン酸の粉末を充填する。充填終了後、測定セルの上部を擦り切ってから、充填後の測定セルの質量を天秤により測定した。この質量の測定よりゆるめかさ密度を算出した。
かためかさ密度
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末のかためかさ密度を、セイシン企業、マルチテスターMT−1001を用いて行った。容器(測定用セル)を用いる方法により行った。かさ密度の測定用セルの容量および質量を予め測定し、測定用セルにセルキャップを取り付けて、ヒアルロン酸の粉末を充填する。充填終了後、180回のタッピングを行い、セルキャップを取り外し、測定セルの上部を擦り切ってから、充填後の測定セルの質量を天秤により測定した。この質量の測定よりかためかさ密度を算出した。
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末のかためかさ密度を、セイシン企業、マルチテスターMT−1001を用いて行った。容器(測定用セル)を用いる方法により行った。かさ密度の測定用セルの容量および質量を予め測定し、測定用セルにセルキャップを取り付けて、ヒアルロン酸の粉末を充填する。充填終了後、180回のタッピングを行い、セルキャップを取り外し、測定セルの上部を擦り切ってから、充填後の測定セルの質量を天秤により測定した。この質量の測定よりかためかさ密度を算出した。
圧縮度
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末の圧縮度を、「圧縮度=かためかさ密度−ゆるみかさ密度)×100/かためかさ密度」の式により算出した。
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末の圧縮度を、「圧縮度=かためかさ密度−ゆるみかさ密度)×100/かためかさ密度」の式により算出した。
b*値
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末のb*値を色彩色差計(コニカミノルタ株式会社製 スペクトロメーター CM−3600d、光源:D65、視野:10度、方式:SCI)にてL*a*b*表色系によるb*値を測定した。
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末のb*値を色彩色差計(コニカミノルタ株式会社製 スペクトロメーター CM−3600d、光源:D65、視野:10度、方式:SCI)にてL*a*b*表色系によるb*値を測定した。
粒度分布測定
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末の粒度分布測定は、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製 LA−950V4)を用いて行った。測定レンジ:乾式ユニット、測定モード:ワンショットモード、測定範囲:0.1〜3,000μm、粒子径基準:体積基準、屈折率:1.66−0.001という測定条件で行った。その結果については、図1〜4に粒度分布を示し、D50の粒子径、D10の粒子径、D90の粒子径、標準偏差、比表面積を表1に示した。また、粒度分布におけるD10の粒子径は、D50の粒子径に対する比率をD10/D50と表記し、D10の粒子径/D50の粒子径×100%とし、粒度分布におけるD90の粒子径は、D50の粒子径に対する比率をD90/D50と表記し、D90の粒子径/D50の粒子径×100%として算出した。その結果については、表1に示した。
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末の粒度分布測定は、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製 LA−950V4)を用いて行った。測定レンジ:乾式ユニット、測定モード:ワンショットモード、測定範囲:0.1〜3,000μm、粒子径基準:体積基準、屈折率:1.66−0.001という測定条件で行った。その結果については、図1〜4に粒度分布を示し、D50の粒子径、D10の粒子径、D90の粒子径、標準偏差、比表面積を表1に示した。また、粒度分布におけるD10の粒子径は、D50の粒子径に対する比率をD10/D50と表記し、D10の粒子径/D50の粒子径×100%とし、粒度分布におけるD90の粒子径は、D50の粒子径に対する比率をD90/D50と表記し、D90の粒子径/D50の粒子径×100%として算出した。その結果については、表1に示した。
安息角及び崩壊角
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末の安息角は、測定器(筒井理化学器械社製 ABC粉体特性測定器)により行った。安息角は、10gの各粉末を水平で平坦な板上に、固定された漏斗を用いて落下させ、粉末の堆積によりできた山の斜面と板上面との角度を測定した。また、崩壊角は、安息角の測定後、前記板上に10gテーブルの錘を3回落下させることで衝撃を与え、前記山が崩壊した後の山の斜面と板上面との角度を測定した。
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末の安息角は、測定器(筒井理化学器械社製 ABC粉体特性測定器)により行った。安息角は、10gの各粉末を水平で平坦な板上に、固定された漏斗を用いて落下させ、粉末の堆積によりできた山の斜面と板上面との角度を測定した。また、崩壊角は、安息角の測定後、前記板上に10gテーブルの錘を3回落下させることで衝撃を与え、前記山が崩壊した後の山の斜面と板上面との角度を測定した。
分散度
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末の分散度は、測定器(筒井理化学器械社製 ABC粉体特性測定器)により行った。粉末10gをサンプル投入ユニットにセットし、ホッパーのシャッターを開け、粉末を投入する。粉末の受け皿となるウォッチグラスに残った粉末の質量を秤った。
分散度(%)=(10g−ウォッチグラスに残った粉末の質量g)/10g×100
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末の分散度は、測定器(筒井理化学器械社製 ABC粉体特性測定器)により行った。粉末10gをサンプル投入ユニットにセットし、ホッパーのシャッターを開け、粉末を投入する。粉末の受け皿となるウォッチグラスに残った粉末の質量を秤った。
分散度(%)=(10g−ウォッチグラスに残った粉末の質量g)/10g×100
粉末の質量変化
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末20gを用意し、袋詰めにして、2ヶ月間放置した後、各ヒアルロン酸粉末の質量を測定し、質量変化の有無を行った。このとき、1%以上の質量の増加が確認された場合、変化ありと判断した。
実施例および比較例の各ヒアルロン酸粉末20gを用意し、袋詰めにして、2ヶ月間放置した後、各ヒアルロン酸粉末の質量を測定し、質量変化の有無を行った。このとき、1%以上の質量の増加が確認された場合、変化ありと判断した。
表1の結果より、実施例でのヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末は、低分子量化されているにもかかわらず、崩壊角、分散度、質量変化で適切であり、保存性や流動性に優れ、粉末の取り扱いのしやすさという点で優れていることが分かる。それに対して、比較例のヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末は、保存性や流動性に劣っていることが分かる。
Claims (1)
- 圧縮度が20〜40であるヒアルロン酸及び/又はその塩の粉末。
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