JP2019104520A - 包装体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザマーキングで包装材に画像を形成する際の、にじみなどの不鮮明さを低減する。【解決手段】基材層とレーザで不可逆的に発色する成分を含むレーザ発色層とを備えた包装材料にレーザを当て、包装材料に画像を形成する画像形成工程を含む包装体の製造方法であって、包装材料の基材層とレーザ発色層との間に密着性向上層があり、レーザビームの平均出力が15W以下、かつ、スポット径が0.08mm以上である包装体の製造方法。また、基材層とレーザで不可逆的に発色する成分を含むレーザ発色層とを備えた包装材料にレーザを当て、包装材料に画像を形成する画像形成工程を含む包装体の製造方法であって、レーザ発色層が架橋剤を含むレーザマーキング用インキ組成物により形成されたものであり、レーザビームの平均出力が15W以下、かつ、スポット径が0.08mm以上である、包装体の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、包装体の製造方法に関する。より具体的には、いわゆるレーザマーキング技術を用いた包装体の製造方法に関する。
レーザ光の照射により不可逆的に発色する成分を含む基材に、レーザ光を照射して、画像を形成する技術(レーザマーキング技術)が、近年、盛んに検討されている。特に、物品の包装(包装材)にレーザマーキングを行う検討が盛んである。
例えば、特許文献1の請求項1には、少なくとも表層及びシール層が積層してなる包装フィルムにレーザマーキングする方法において、フィルムとフィルムでサンドイッチされた酸化チタンを着色剤に用いた白色インキ層にレーザ光を照射して黒変させ、マーキング文字が読取に際して線が太く見えるようにもとの文字と斜め方向にずらした文字で構成され、且つ、レーザ光がもとの文字の黒変箇所に再照射しない、ずらした文字からなるフォントを用いることを特徴とする包装フィルムへのレーザマーキング方法が記載されている。
また、特許文献2の請求項1には、基材と、当該基材上に積層したレーザ発色層とからなり、当該レーザ発色層が最表層であるレーザ印字用包装材料であって、基材がヒートシール性樹脂フィルムであり、レーザ発色層側からレーザ光を照射することにより、レーザ発色層に印字画像を形成することを特徴とする、レーザ印字用包装材料が記載されている。
特開2013−146880号公報 特開2016−124562号公報
上記のように、包装材にレーザマーキングを行う検討が様々に行われている。
しかし、本発明者らの知見によると、従来のレーザマーキングで包装材に画像を形成した場合、その画像に「にじみ」が生じる場合があるなど、画像が不鮮明になる場合があった。包装材へのレーザマーキングは、賞味期限や製造所番号など、消費者の安全性に関係することが多く、画像が不鮮明となることは問題である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。つまり、本発明は、レーザマーキングで包装材に画像を形成するときの、にじみなどの不鮮明さを低減することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、包装材料を改良することと、レーザの当て方を改良すること、これら両面からの改良が、上記不鮮明さの低減に重要であることを知見した。この知見に基づき以下に示す本発明を完成させ、にじみなどの不鮮明さを低減することに成功した。
本発明によれば、
基材層と、レーザビームの照射により不可逆的に発色する成分(X)を含むレーザ発色層とを備えた包装材料に、レーザビームのスポットを当てて、当該包装材料に画像を形成する画像形成工程を含む包装体の製造方法であって、
前記包装材料が、前記基材層と前記レーザ発色層との間に、密着性向上層を備えており、
前記レーザビームの平均出力が15W以下であり、かつ、スポット径が0.08mm以上である、包装体の製造方法
が提供される。
なお、この発明を「第一発明」とも言う。
また、本発明によれば、
基材層と、レーザビームの照射により不可逆的に発色する成分(X)を含むレーザ発色層とを備えた包装材料に、レーザビームのスポットを当てて、当該包装材料に画像を形成する画像形成工程を含む包装体の製造方法であって、
前記レーザ発色層が、前記成分(X)および架橋剤を含むレーザマーキング用インキ組成物により形成されたものであり、
前記レーザビームの平均出力が15W以下であり、かつ、スポット径が0.08mm以上である、包装体の製造方法
が提供される。
なお、この発明を「第二発明」とも言う。
本発明によれば、レーザマーキングで包装材に画像を形成するときの、にじみなどの不鮮明さを低減することができる。
第一発明の実施の形態(第一実施形態)を説明するための模式図である。 描画方法について補足的に説明するための図である。 第二発明の実施の形態(第二実施形態)を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
本明細書中、「略」という用語は、特に明示的な説明の無い限りは、製造上の公差や組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを表す。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」の意である。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタアクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書において、「包装材料」とは、一般に物品を収容または梱包する際に用いられる材料を広く包含する概念であり、固体、液体または気体の物品を運搬・輸送・販売などするときに用いられる「箱」「容器」「袋」「ラッピング」やそれらの材料などを広く包含する。また、シールやラベルなどの商品情報が表示される媒体も本明細書における包装材料に包含される。
以下、第一発明の実施の形態を「第一実施形態」、第二発明の実施の形態を「第二実施形態」と表記する。
<第一実施形態>
第一実施形態の包装体の製造方法は、基材層と、レーザビームの照射により不可逆的に発色する成分(X)を含むレーザ発色層とを備えた包装材料に、レーザビームのスポットを当てて、包装材料に画像を形成する画像形成工程を含む。ここでの包装材料は、基材層とレーザ発色層との間に、密着性向上層を備えるものであり、また、レーザビームの平均出力が15W以下であり、かつ、スポット径が0.08mm以上である。
このようにして包装体を製造することで、レーザマーキングで包装材に画像を形成するときの、にじみなどの不鮮明さを低減することができる理由は、必ずしも全てが明らかではないが、以下のように説明することができる。
本発明者らは、レーザ照射によってにじみが発生した包装材料をよく観察するなどして、にじみ等の不鮮明さの原因を探った。観察の結果、にじみが発生した部分においては、基材層とレーザ発色層との間に微小なすき間(剥がれ)が生じており、これがにじみ等の不鮮明さの原因と考えられた。
この、すき間(剥がれ)の原因は、包装材料の狭い部分に一定の光量を超えるレーザが照射されたためと考えられる。つまり、レーザ照射での過熱により、基材層とレーザ発色層との接着が剥がれてしまうことで、上記すき間(剥がれ)が生じると考えられる。
このようなすき間(剥がれ)自体が、にじみ等の不鮮明さの原因となりうると考えられる。また、このすき間に発色した成分が拡がってしまうことで、画像の輪郭がぼけ、不鮮明さが生じてしまうとも考えられる。
よって、本発明者らは、基材層とレーザ発色層との接着が剥がれてしまうことを抑えるべく、包装材料における基材層とレーザ発色層との間に、密着性向上層を介在させることで、基材層とレーザ発色層との間の微小なすき間(剥がれ)を抑制することとした。
しかし、このように包装材料を改良しても、なお、にじみなどの不鮮明さが生じる場合があった。これは、照射するレーザ自体の強度が強く、包装材料の改良のみによっては包装材料の損傷を避けられなかったためと考えられる。
よって、本発明者らは、上記の包装材料の改良に加え、レーザの照射方法についても改良した。具体的には、レーザビームを包装材料に照射する際、レーザビームの平均出力が15W以下であり、かつ、レーザビームのスポット径(レーザビームが包装材料に当たる点でのレーザビームの径)を0.08mm以上とした。こうすることで、局所的に強いレーザ光が包装材料に当たらないようにした。
以上、包装材料自体の構成の改良と、レーザの照射方法の改良という、物と方法の両面からのアプローチにより、レーザマーキングにおけるにじみなどの不鮮明さの低減が達成されると考えられる。
第一実施形態の包装体の製造方法について、図1を参照しつつより具体的に説明する。
図1は、包装材料10の表面に、レーザ装置1から照射されるレーザビーム2のスポット3が当てられる様子を模式的に示したものである。
包装材料10は、例えば、図1の吹き出し部に示されるような4層構成とすることができる。
具体的には、包装材料10は、基材層11と、レーザビームの照射により不可逆的に発色する成分(X)を含むレーザ発色層13(以下、単にレーザ発色層13とも表記する)との間に、密着性向上層12を備えている。また、包装材料10は、好ましくは、レーザ発色層13の上面に、更に保護層14を備えている。
包装材料10にスポット3が当たることで、レーザ発色層13中に含まれる成分(X)が発色し、画像を形成することができる。
なお、このような4層の構造(保護層14を備えない場合は3層の構造)は、包装材料10の全体にわたって形成されていてもよいし、包装材料10の一部にのみ形成されていてもよい。
包装材料10の各層についてより具体的に説明する。
[基材層11]
基材層11の材質は、一般に包装材料として使用可能なものであれば特に限定されない。典型的には、以下に説明する樹脂フィルム、紙、金属などが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。また、これらが複合された基材などであってもよい。
特に、基材層11が、樹脂フィルムを含む基材層である場合、樹脂フィルムは過熱により損傷しやすい。よって、第一実施形態の包装体の製造方法により、にじみ等の低減の効果が顕著に得られる。
基材層11が樹脂フィルムを含む場合、その材質としては、例えば公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー;等から選択される一種または二種以上が挙げられる。これらは、包装する物品の保存性や、包装形態(ヒートシール処理の有無等)に応じて適宜選択される。
樹脂フィルムは、延伸されたものであっても、延伸されていないものであってもよい。これも、包装する物品等に応じて適宜選択される。
樹脂フィルムは、2層以上の積層構造であってもよい。積層構造の樹脂フィルムは、一例として、異なる2種以上のフィルムをラミネートする方法により得ることができる。また、別の例として、共押出法や、ある樹脂フィルムの表面に溶液状の樹脂材料を塗布し乾燥させて積層構造を得る方法などもある。
樹脂フィルムは、樹脂以外の添加成分を含んでもよい。例えば、防曇剤やアンチブロッキング剤等の添加剤、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系樹脂等の接着性の樹脂が含まれていてもよい。また、樹脂フィルムは、意匠性、印刷用インキを印刷する際のコントラスト、包装体の内容物の隠ぺい性、光の入射による内容物の劣化を避ける等のいずれかの観点から、色素(例えば顔料、より具体的には白色顔料など)を含んでもよい。
基材層11の材質が紙である場合、その紙は任意のものであってよく、和紙、洋紙、ボール紙、クラフト紙などであってよい。1つの好ましい態様としては、段ボールが挙げられる。ここでの「段ボール」は、箱型に成形された形状であっても、箱型に成形前のシート状のものであっても、その他の形状であってもよい。
紙の表面には、レーザ発色層を均一に形成しやすくするための層や、レーザ発色層の密着性を向上させるための層(アンカーコート層)が設けられていてもよい。また、紙の表面には、レーザ発色層を剥がれにくくするための前処理がされていたりしてもよい。
基材層11の材質が金属である場合、その金属としては、典型的にはアルミニウムや鉄であるが、その他金属ももちろん排除されるものではない。金属は合金でもよい。また、ブリキのように表面にメッキ処理のされた金属基材や、腐食防止などのために樹脂層または塗工層が表面に形成された金属基材などももちろん適用可能である。
基材層11の厚みは、入手可能な樹脂フィルム、紙、金属(金属板、金属容器)などにより特に制限は無いが、例えば樹脂フィルムの場合、通常5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。第一実施形の包装体の製造方法においては、レーザ照射による過熱が抑えられる効果も期待されるため、薄い樹脂フィルムを用いる場合でも、樹脂フィルムの熱収縮によるシワ発生の抑制、ピンホールの発生抑制なども期待することができる。
[密着性向上層12]
密着性向上層12は、これが無いとき(基材層11とレーザ発色層13とが直接接触しているとき)に比べて、レーザ発色層13の密着性を強くする(レーザ発色層13を剥がれにくくする)ものであれば、任意のものであることができる。
例えば、印刷分野において、アンカーコート剤、プライマー、接着剤などとして知られているものを用いて、密着性向上層12を設けることが考えられる。
好ましくは、密着性向上層12は、硬化性樹脂組成物により形成されたものである。より好ましくは、密着性向上層12は、硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されている。
硬化性樹脂組成物により密着性向上層12を形成することで、レーザ発色層13の密着性を簡単にかつ十分に強くすることができると考えられる。
硬化性樹脂組成物は、架橋剤を含むことが好ましい。また、硬化性樹脂組成物は、樹脂を含むことが好ましい。
硬化性樹脂組成物が含む樹脂としては、例えば、後述のインキ組成物が含むことができる樹脂を挙げることができる。
樹脂としては、密着性向上の観点から、ウレタン系樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルポリオール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール等)などを好ましく挙げることができる。
樹脂として、ヒドロキシ基を複数含む樹脂(ポリオール樹脂)を用いることで、硬化性や密着性を一層向上させることが可能な場合がある。
また、樹脂は、接着性向上の観点から、エマルジョンの形態などであってもよい。
樹脂は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
硬化性樹脂組成物が含む架橋剤としては、塗料や印刷インキ等の分野で公知の架橋剤を適宜選択することができる。具体的には、イソシアネート系架橋剤(ブロックイソシアネート型を含む)、アミン系架橋剤(例えばアジリジン、ポリエチレンイミン等)、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキセタン系架橋剤、(メタ)アクリレート系架橋剤、シランカップリング剤、有機チタン化合物(例えば加水分解性のアルコキシチタン化合物など)および有機ジルコニウム化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上を挙げることができる。
これらの中でも、イソシアネート系架橋剤(ブロックイソシアネート型を含む)が、入手性や取扱いの容易さ等から好ましく用いられる。
架橋剤は、市販品を適宜用いることができる。
イソシアネート系架橋剤の市販品として「デュラネート」(旭化成ケミカルズ社製)などを挙げることができる。カルボジイミド化合物の市販品として「カルボジライト」(日清紡ケミカル社製)などを挙げることができる。エポキシ化合物の市販品として「jER」(三菱化学社製)などを挙げることができる。アジリジン化合物の市販品としては、「ケミタイト」(日本触媒社製)などをあげることができる。オキサゾリン化合物の市販品としては「エポクロス」(日本触媒社製)などを挙げることができる。メラミン化合物の市販品としては、日本カーバイド社製の「ニカラック」や日本サイテックスインダストリー社製の「サイメル」等を挙げることができる。
硬化性樹脂組成物は、典型的には、上記の樹脂、架橋剤、必要に応じて後述する任意成分などを、適当な溶媒に溶解させて調製される。溶剤は、後述のインキ組成物で用いることができる溶剤のうち、水や石油系溶剤などを適宜選択して用いることができる。
硬化性樹脂組成物中の樹脂の量は特に限定されないが、例えば、全固形分(不揮発成分)中10〜100質量%、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜85質量%である。
硬化性樹脂組成物中の架橋剤の量は、全固形分(不揮発成分)中、例えば1〜100質量%、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは1〜50質量%である。
硬化性樹脂組成物の固形分(不揮発成分)の濃度は、所望の膜厚や塗布性などに応じて適宜調整される。
密着性向上層12(または、その素となる硬化性樹脂組成物)は、様々な任意成分を含むことができる。
例えば、酸化チタンなどの白色顔料を含むことができる。これにより、特に、後述する保護層14の側からレーザを照射する場合、レーザ発色のコントラスト向上等の効果を期待することができる。また、保護層14の側からレーザを照射する場合、密着性向上層12に白色顔料を含めることで、密着性向上層12のレーザの吸収を少なくしてその発熱を抑える(ひいては密着性向上層12の損傷を抑える)効果を期待することもできる。
また、密着性向上層12は、意匠性などの観点から、白色顔料ではない顔料(着色顔料、体質顔料など)を含んでもよい。
さらに別の例として、密着性向上層12は、後述のインキ組成物が含んでもよい成分(光重合開始剤、各種添加剤など)を含んでもよい。
これら成分の量は、得ようとする効果や、他成分との兼ね合いなどにより適宜調整される。
密着性向上層12の厚みは特に限定されないが、一例として0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmとすることができる。こうすることで、十分な密着性向上効果を得つつ、薄くて扱いやすい包装材料10とすることができる。
密着性向上層12は、前述の、レーザ照射での加熱によるすき間(剥がれ)の発生低減の観点から、ある程度の熱に対する強さがあることが好ましい。
具体的には、密着性向上層12のガラス転移温度は70〜250℃であることが好ましく、100〜220℃であることがより好ましく、120〜180℃であることがさらに好ましい。
密着性向上層12のガラス転移温度を適切な範囲とする方法としては、例えば、樹脂の重量平均分子量を適切に調整する、樹脂としてバルキーな骨格を含むものを選択する、架橋剤の量を適切に調整する、架橋剤の官能基数を調整する、等の方法が挙げられる。
なお、ガラス転移温度は、例えば、密着性向上層12をDSC測定することで求めることができる(DSC:示差走査熱量分析)。より具体的には、DSC曲線における、ベースラインと、変曲点での接線との交点をガラス転移温度とすることができる。
基材層11の上に密着性向上層12を設ける方法としては、後述のレーザ発色層13を設ける方法と同様、印刷または塗布によることができる。
[レーザ発色層13]
レーザ発色層13は、レーザ照射により不可逆的に発色する成分(X)を含む限り、特に限定されない。
なお、「不可逆的に発色する」とは、いったん生成された色を消して再発色できないことを意味する。色を別の色に変化させることは可能かもしれないが、色のない状態又は元の色に戻した後、最初に生成された色に再度戻すことはできない。ただし、「不可逆的に発色する」という語句は、日光に晒される等の日常の環境下で徐々に色があせる可能性を排除しない。
また、本明細書において、レーザ照射により不可逆的に発色する成分(X)を、単に「成分(X)」とも表記する。
成分(X)は、特に限定されない。例えば、公知のレーザ発色性材料として知られているロイコ染料、銅・モリブデン複合酸化物、フェニルホスホン酸銅などを用いることができる。
成分(X)として特に好ましくは、以下に説明する(i)無機金属オキシアニオン化合物の粒子、および/または、(ii)発色剤および顕色剤の組み合わせである。これらは特に発色濃度を高くすることができ、また経時変化が少ないこと等の観点で好ましい。
これら発色成分は、化学反応により鮮明に発色するものであり、発色濃度を濃くしやすい等の特徴があるが、一方で、レーザ照射に加え化学反応の熱により包装材料10が発熱しやすい傾向にもある。また、レーザ照射が過剰であると、却って発色濃度が低下しがちな傾向がある。
しかし、本実施形態の包装体の製造方法によれば、過度なレーザ照射が抑えられるから、濃い発色濃度を得つつ、包装材料10の損傷抑制や発色濃度の低下抑制も可能となると考えられる。
(i)無機金属オキシアニオン化合物の粒子
無機金属オキシアニオン化合物としては、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジン酸塩、クロム酸塩などの、遷移金属オキシアニオンを含む化合物(遷移金属オキシ酸の塩など)を用いることができる。これらの中でも、モリブデンオキシアニオンを含む化合物(モリブデン酸塩など)が好ましい。モリブデンオキシアニオンとしては、ヘプタモリブデートアニオン(Mo24 2−)やオクタモリブデートアニオン(Mo26 4−)などが挙げられる。
無機金属オキシアニオンの対カチオンとしては、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、オニウムカチオン等が挙げられる。対カチオンとしては、プロトン化された第1級アミン、プロトン化された第2級アミン、プロトン化された第3級アミン、無置換のアンモニウムカチオン(NH )等が好ましい。これらの中でも、無置換のアンモニウムカチオン(NH )がより好ましい。
無機金属オキシアニオン化合物として特に好ましいものは、モリブデン酸アンモニウムであり、とりわけ好ましいものはオクタモリブデン酸アンモニウム((NH・Mo26)である。
無機金属オキシアニオン化合物の粒子のメジアン径(D50A)は、好ましくは0.2〜3μm、より好ましくは0.5〜2μmである。
ここで、無機金属オキシアニオン化合物の粒子が市販品であり、カタログや仕様書などにメジアン径が記載されている場合には、その記載値をメジアン径とする。そうでない場合には、レーザ回折式粒度測定器(例えば、株式会社島津製作所製のレーザ回折式粒度測定器SALD3000Jなど)での測定データに基づきメジアン径を求めることができる。
無機金属オキシアニオン化合物の粒子は、レーザ光が照射されると、酸化状態が変化する等により、不可逆的に発色する。
(ii)発色剤および顕色剤の組み合わせ
ここでの発色剤としては、例えば、ロイコ染料として知られている化合物を用いることができる。使用可能なロイコ染料に特に制限はなく、公知のフタリド系、フルオラン系、トリアリールメタン系、ベンゾオキサジン系、キナゾリン系、スピロピラン系、キノン系、チアジン系またはオキサジン系のロイコ染料を用いることができる。
より具体的な発色剤(ロイコ染料)としては、特開2015−193232号公報の0021段落に記載の化合物や、特許5914235号公報の0047段落から0056段落に記載の化合物などを挙げることができる。
顕色剤としては、公知のものを適宜用いることができる。つまり、レーザ光により、または、レーザ光の照射により発生する熱等により、上記の発色剤を発色させる成分が発生するものを適宜用いることができる。
顕色剤の一例としては、フェノール性水酸基を有する化合物やフェノール性水酸基を有する化合物の金属塩等が挙げられる。例えば、ターシャリーブチルカテコール、n−ステアリルフェノール、o−フェニルフェノール、ヘキサフルオロビスフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナンなどが挙げられ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
本実施形態においては、顕色剤は、以下の一般式(I)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、レーザ光の照射により発熱・溶融する。その溶融物の一部が上記の発色剤(ロイコ染料)と反応・相互作用することで発色剤が発色すると考えられる。
Figure 2019104520
一般式(I)中、
Xは、ケイ素原子またはホウ素原子であり、
EおよびFは、それぞれ独立に2価の有機基であり、
およびRは、それぞれ独立に1価の有機基であり、
Xがケイ素原子の場合、(i)oは1であり、pは0であり、Rは1価の有機基であるか、または、(ii)oは1であり、pは1であり、RとRは互いに連結して環構造を形成し、
Xがホウ素原子の場合、oは0であり、pは0であり、
、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基であり、これらのうちの2つが互いに連結して環構造を形成してもよく、
nは1または2である。
一般式(I)で表される化合物の好ましい態様を説明する。
Xは、ホウ素原子であることが好ましい。
Eの2価の有機基は、Eが結合している2つのO原子およびXとともに、5員環または6員環を形成するものであることが好ましい。
Eの2価の有機基として具体的には、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜4)、カルボニル基、アリーレン基(フェニレン基など)、エステル基、およびこれら基が連結された基が挙げられる。
Fの2価の有機基の好ましい態様は、上記Eと同様である。
EおよびFの2価の有機基は、好ましくは以下に示されるa〜hのいずれかである。
Figure 2019104520
Figure 2019104520
上記a〜hにおいて、RおよびRは、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、ハロゲン原子、アミノ基またはカルボキシ基である。
およびRの1価の有機基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜11)などが挙げられる。
、RおよびRの1価の有機基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12)、ヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、アリール基(フェニル基など)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜11)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜10)などが挙げられる。これらの中でもアルキル基またはヒドロキシアルキル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
これら有機基は、更にアルキル基やハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。
また、R、RおよびRのうちの2つが互いに連結して環構造を形成してもよい。この場合の環構造としては、モルホリン環やピペリジン環などが挙げられる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、特許第5914235号公報の0027段落および0039段落に列挙されている化合物が挙げられる。
発色剤と顕色剤との比率については、発色剤1質量部に対して顕色剤が通常0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜7質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。
レーザ発色層13における、成分(X)(好ましくは上記(i)や(ii))の存在量は、レーザ光の照射により視認可能な発色がなされる限り特に限定されないが、好ましくは1〜5g/mである。この量は、後述する、レーザ発色層13を形成するためのインキ組成物中の成分(X)の量を増減させたり、そのインキ組成物の塗工量を増減させたりすることで調製可能である
レーザ発色層13の厚みは、特に限定されず、成分(X)の量などにもよるが、通常1〜30μm、好ましくは2〜20μmである。
レーザ発色層13は、一例として、成分(X)を含むインキ組成物を、前述の密着性向上層12の上に印刷または塗布することで設けることができる。
より具体的には、成分(X)を含むインキ組成物を、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、樹脂凸版印刷およびパッド印刷から選択される少なくとものいずれかの印刷方法により、基材層を構成する基材または上述の第3の層を構成する基材に印刷することで得ることができる。このとき、インキ組成物は、基材の片面全部に印刷されてもよいし、当該片面の一部のみに印刷されてもよい。
また、塗布方法としては、公知のバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、コンマコート法などを適用することができる。
インキ組成物は、成分(X)を含む限り特に限定されないが、好ましくは、成分(X)のほかに樹脂を含む。樹脂を含むことにより、インキ組成物が適当な粘性を有することとなり、基材層にインキ組成物を均一に印刷しやすくなる。また、成分(X)の分散が促進されたり沈降が抑えられたりといった効果も期待できる。
以下、インキ組成物の成分等について説明する。
・樹脂
樹脂は、インキや塗料の分野で用いられているものであれば特に限定なく用いることができる。例えば、フェノール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ニトロセルロース樹脂、ロジン変性樹脂、マレイン酸樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
2種以上の樹脂を併用する場合、その組み合わせとしては、好ましくは、ウレタン樹脂と塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂と酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、等が挙げられる。
樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、例えば3000〜100000、好ましくは5000〜50000、より好ましくは5000〜20000である。この範囲とすることで、インキ組成物を適度な粘性とすることができる。また、樹脂の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は特に限定されないが、例えば1〜5、好ましくは1.2〜4である。
なお、これらの値は、例えば、標準物質としてポリスチレンを用いたときのGPC(Gel Permeation Chromatography)測定により求められる。
樹脂のガラス転移温度は特に限定されないが、例えば−50〜150℃、好ましくは−40〜100℃、より好ましくは−15〜50℃である。この範囲とすることで、インキ組成物の流動性を適切なものとすることができる。なお、樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)により、JIS−K7121に準拠して測定することができる。
インキ組成物中の樹脂の量は、インキ組成物の不揮発成分全量を基準として、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。
・溶剤
インキ組成物は、溶剤を含むことが好ましい。
使用可能な溶剤は、大きく分けて、水、石油系溶剤、植物性油脂などが挙げられる。組成物中で分離などしない限り、これらの溶剤を組み合わせて用いてもよい。
石油系溶剤の例としては、炭素数6〜20の炭化水素が好ましく用いられる。具体的には、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、トリメチルペンタンなどのパラフィン系溶剤、シクロヘキサン、シクロヘキシルメタン、オクタデシルシクロヘキサン、メチルイソプロピルシクロヘキサンなどのナフテン系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル系溶剤、イソプロピルアルコールやn−ブタノール等のアルコール系溶剤、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、JX日鉱日石エネルギー株式会社製のAFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号等を挙げることができる。
植物性油脂の例としては、大豆油、亜麻仁油、桐油、パーム油、ヤシ油、米ぬか油などが挙げられる。特に、植物性油脂を用いる場合、米ぬか油が油脂分の20質量%以上含まれるライスインキが好ましい。
インキ組成物中の溶剤の量は、インキ組成物の全成分中、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%である。
・重合性化合物および光重合開始剤
インキ組成物は、重合性化合物および光重合開始剤を含有してもよい。この場合、インキ組成物は、典型的には、紫外線などの光により硬化(乾燥)する性質を有する。
重合性化合物としては、エチレン性二重結合を有する化合物を用いることができる。より具体的には、公知の(メタ)アクリルモノマーおよび/または(メタ)アクリルオリゴマーを用いることができる。
重合性化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合性化合物として具体的には、以下を例示することができる。
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン等の単官能(メタ)アクリレートモノマー。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=2〜20)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(n=2〜20)、アルカン(炭素数4〜12)グリコールジ(メタ)アクリレート、アルカン(炭素数4〜12)グリコールエチレンオキサイド付加物(2〜20モル)ジ(メタ)アクリレート、アルカン(炭素数4〜12)グリコールプロピレンオキサイド付加物(2〜20モル)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2〜20モル)ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2〜20モル)ジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレートモノマー。
グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンエチレンオキサイド付加物(3〜30モル)トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物(3〜30モル)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(3〜30モル)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(3〜30モル)トリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレートモノマー。
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物(4〜40モル)テトラ(メタ)アクリレート等の4官能ビニル化合物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物(6〜60モル)ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド付加物(6〜60モル)ヘキサ(メタ)アクリレート等の、4官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマー。
インキ組成物中の重合性化合物の量は、インキ組成物の全成分中、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜60質量%、さらに好ましくは15〜50質量%である。
光重合開始剤としては、公知のものを適宜用いることができる。また、2種以上の光重合開始剤を併用してもよい。光重合開始剤の具体例としては、α−ヒドロキシケトン光開始剤、α−アミノケトン光開始剤、ビスアシルホスフィン光開始剤、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルビフェニルホスフィンオキシド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、モノ−およびビス−アシルホスフィン光開始剤、ベンジルジメチル−ケタール光開始剤、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]等が挙げられる。これらはBASF社で製造され、IRGACURE(登録商標)シリーズ等の名称で販売されている。もちろん、これら以外の光重合開始剤も使用可能である。
インキ組成物中の光重合開始剤の量は、インキ組成物の全成分中、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜13質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。
・その他成分:各種添加剤
インキ組成物は、上記の各成分のほか、レベリング剤、分散助剤、レオロジー調整剤、消泡剤、金属石鹸、酸化防止剤などの各種添加剤を含んでもよい。
レオロジー調整剤としては、例えば以下を用いることができる。
一分子中に二以上のアミド結合を有する化合物:楠本化成株式会社製のディスパロンシリーズ等。
一分子中に二以上のウレア結合を有する化合物:ビックケミージャパン株式会社の製品、BYK−410、BYK−E410、BYK−415、BYK−420、BYK−E420、BYK−D410、BYK−430等。
脂肪酸アミド:日本化成株式会社の製品、ダイヤミッドシリーズ等。
体質顔料:ベントナイト、シリカ、クレー、ホワイトカーボン、沈降性硫酸バリウム、アルミニウムシリケート、カオリン等。
会合型のレオロジー調整剤:アクリル膨潤会合型レオロジー調整剤及び/又はウレタン会合型レオロジー調整剤、具体的には、RM−5、TT−615、TT−935、RM−8、RM−825、RM−1020、SCT−275、RM−2020、RM−SW、RM−2020NPR、RM−R、RM−12W、DR−1、DR−72、DR−300、RM−7、RM−50000、RM−60000、RM−845、RM−995(ローム・アンド・ハース社製)、アデカノールVF、UH−462、UH−752、UH−140S、UH−420、UH−438、UH−472、UH−450、UH−540、UH−550、UH−541VF、UH−526、UH−530(ADEKA社製)、コグニス3220、RheovisPE1332、PU1190、PU1191、PU1214、PU1215、PU1250、PU1251、PU1256、PU1270、PU1280、PU1291、PU1331(BASF社製)、RHEOLATE266、288、244、255、278(RHEOX社製)、SNシックナーA−803、A−804、A−807、A−812、A−814(サンノプコ社製)等。
高分子型のレオロジー調整剤:重量平均分子量が10万〜300万の範囲のアルカリ可溶型のポリマー及び/又はポリエチレングリコールのレオロジー調整剤、具体的には、プライマルASE−60、TT−615、ASE−75、ASE−108、RM−5、ASE−95NP(ローム・アンド・ハース社製)、アルコックスR−1000、R−400、R−150、E−60、E−45、E−30、E−300、E−240、E−160、E−100、E−75(明星化学社製)、RheovisAS1125、AS1130、AS1188、AS1956(BASF社製)、アロンA−20L、A−7100、A−10H、A−7255、A−7185、A−7195、A−7075、A−7055、B−300K、B−500(東亜合成社製)等。
レオロジー調整剤を用いることで、後述の、インキ組成物の粘性を適切に調整することができる。
インキ組成物中の各種添加剤の含有量は、インキ組成物の全成分中、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
・インキ組成物の物性(粘度挙動など)
インキ組成物の粘性については、25℃で、せん断速度1s−1で測定したときの粘度ηが、300Pa・s以下であることが好ましい。より具体的には、ηは、0.05〜300Pa・sがより好ましく、0.05〜100Pa・sがさらに好ましく、0.05〜10Pa・sであることが特に好ましい。
また、別観点として、インキ組成物の、25℃でのせん断速度100s−1における粘度をηとしたとき、η/ηの値が、2以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、10以上であることが特に好ましい。
η/ηの値に特に上限は無いが、現実的な観点からは、η/ηは好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは300以下である。
ここで、ηおよびηの測定には、回転式レオメータを用いることができる。
ηおよびηの値は、例えば、前述の樹脂を注意深く選択することや、前述のレオロジー調整剤を適量用いること等により調整することができる。
[保護層14]
保護層14は、任意の層である。しかしながら、包装材料10が保護層14を備えることで、レーザ発色層13が破損、脱落等することを抑えることができる。よって、包装材料10は保護層14を備えることが好ましい。
保護層14の素材・材質としては、例えば、樹脂フィルムを挙げることができる(例えば、基材層11において説明した樹脂フィルム等)。具体的には、低密度ポリエチレン、無延伸および延伸ポリプロピレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリアミド(ナイロン等)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコールフイルム等、及びポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セロファン等のフィルムも挙げられる。また、蒸着フィルム、例えばアルミニウムやシリカなどを蒸着したPETフィルムも用いることができる。
これら樹脂フィルムと、基材層11、密着性向上層12およびレーザ発色層13を備えた積層フィルムとをラミネートすること等により、4層構成の包装材料10を得ることができる。ラミネートの方法としては、公知のドライラミネート法などを挙げることができる。包装材料10の製造時に、レーザ発色層13が熱で発色・変質等する可能性を抑える観点から、ドライラミネート法が好ましい。
また、保護層14は、レーザ発色層の上に、適当な塗工液を塗工し、乾燥・硬化させるなどして設けてもよい。この場合の塗工液としては、例えば、(1)樹脂を含むものや、(2)樹脂前駆体(重合性のモノマー、オリゴマー、プレポリマー等)、および、熱または光重合開始剤を含むものが挙げられる。塗工液としては、印刷分野で知られているオーバープリントニス等を適用することも可能である。
適用可能な塗工液の具体的成分については、例えば、特開2007−313875号公報の段落0037〜段落0044等の記載を参考とすることができる。
保護層14は、樹脂以外の添加成分を含んでもよい。例えば、防曇剤やアンチブロッキング剤等の添加剤、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系樹脂等の接着性の樹脂、色素(顔料、例えば白色顔料)などを含んでもよい。
包装材料10に保護層14を設ける場合、その厚みは、通常0.1〜300μm、好ましくは1〜250μm、より好ましくは10〜210μmである。
図1におけるレーザ装置1、レーザビーム2、スポット3などについて、説明を加える。
レーザ装置1の光源の平均出力は、15W以下であり、好ましくは2〜12W、より好ましくは3〜10Wである。
平均出力は、レーザ出力条件の出力%により設定することができる。例えば、最大出力30Wのレーザにおいて、出力30%に設定すると、平均出力は9Wとなる。この数値範囲内とすることで、印字の濃度と生産コストとの両立を図りやすくなる。
レーザ装置1の光源がパルスレーザである場合、その繰り返し周波数は、特に限定されないが、5〜50kHz、より好ましくは10〜30kHzである。この数値範囲内とすることで、印字濃度と生産コストとの両立を図りやすくなる。
レーザビーム2の波長は、特に限定されないが、好ましくは700nm〜1000μmの赤外線領域である。より具体的には、900〜1100nmの近赤外領域や、9000〜11000nmの遠赤外線領域であることが、発色濃度の観点などから好ましい。これら波長のビームを発振するレーザ装置1としては、好ましくは近赤外レーザまたはCOパルスレーザを挙げることができる。
もちろん、レーザ装置1は、上記以外のものであってもよい。例えば、Qスイッチ又はシャッターを利用したパルスレーザ、半導体レーザ、ファイバーレーザ、YAGレーザ、YVOレーザなどを用いることができる。
スポット3の直径dは、その中心(光強度が一番強い点)の光強度を1(100%)としたときに、光強度が1/e(約13.5%)に落ちた部分の強度での幅で定義することができる。ここで、eは、自然対数の底である。
スポット3の直径dは、0.08mm以上、好ましくは0.1〜0.5mm、より好ましくは0.12〜0.3mmである。
スポット3を適切に動かす方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜適用すればよい。
典型的には、公知のガルバノミラーやfθレンズなどの機構により、スポット3を適切に動かす(制御する)ことができる。
また、いわゆる「フラットベッドタイプ」と呼ばれる、レーザ光源そのものをX方向およびY方向に動かす機構により、スポット3を適切に動かしても(制御しても)よい。
念のために述べておくが、図1はあくまで模式的な説明図であり、スポット3を適切に動かすための手段までは明示されていない。
スポット3の動かし方について補足する。
レーザマーキングによる描画の方法として、大きくは、(i)図1に示されるように、描こうとする文字または図形(図1では、アルファベットの大文字「О」)を構成する線に沿ってスポット3を動かす方法と、(ii)図2に示されるように、スポット3をある一定の方向(主走査方向、符号4A、4Bおよび4Cで示される走査線の矢印の方向)にのみ動かし、その途中で断続的にレーザビーム2をオン・オフさせて所望の文字や図形を描画する方法とがある。
第一実施形態の包装体の製造方法において、スポット3の動かし方は、レーザビーム2の平均出力が15W以下であり、かつ、スポット径が0.08mm以上である限りにおいて、上記(i)(ii)のどちらでもよい。
ここで、描画方法が(i)である場合、走査速度(スポットの移動速度)は、0.1〜20m/s、好ましくは、0.5〜10m/s、より好ましくは0.5〜8m/sである。
また、描画方法が(ii)である場合、走査速度(スポット3が図2中の左から右に移動する速度)は、0.5〜10m/s、好ましくは1〜6m/sである。
このような条件で描画することで、包装材料10の過熱を一層抑えることができ、結果、にじみ等の不鮮明さの一層の低減を図ることができる。
ちなみに、通常、レーザ発色層13のほうが基材層11よりもレーザ装置1により近い位置となるようにしてレーザビーム2が照射される。別の言い方としては、包装材料10へのレーザビーム2の照射は、通常、包装材料10が備える基材層11とは反対側の面から行われる。
なお、上記では、包装材料10を固定してスポット3を動かすことを前提として記載しているが、もちろん、スポット3を固定して包装材料10を動かしてもよいし、また、包装材料10とスポット3の両方を動かしてもよい。これらの場合、包装材料10に対するスポット3の「相対的な」速度が上記に説明した数値にあることが好ましい。
<第二実施形態>
第二実施形態の包装体の製造方法は、基材層と、レーザビームの照射により不可逆的に発色する成分(X)を含むレーザ発色層とを備えた包装材料に、レーザビームのスポットを当てて、包装材料に画像を形成する画像形成工程を含む。ここで、レーザ発色層は、成分(X)および架橋剤を含むレーザマーキング用インキ組成物により形成されたものである。また、レーザビームの平均出力が15W以下であり、かつ、スポット径が0.08mm以上である。
簡単に言うと、第一実施形態の包装体の製造方法では、包装材料中のレーザ発色層と密着性向上層は別個の層として設けた一方、第二実施形態の包装体の製造方法では、架橋剤を含むレーザマーキング用インキ組成物によりレーザ発色層を設けて、基材層とレーザ発色層との接着性向上を意図している。
第二実施形態の包装体の製造方法においても、第一実施形態の包装体の製造方法と同様、レーザ照射での過熱により、基材層とレーザ発色層との接着が剥がれてしまうことを抑えることができ、これにより、にじみなどの不鮮明さの低減を図ることができる。
第二実施形態の包装体の製造方法について、図3を参照しつつより具体的に説明する。
図3において、レーザ装置1、レーザビーム2、スポット3などの詳細や具体的事項などについては、図1(第一実施形態)と同様であるため、説明は省略する。
包装材料10は、図3の吹き出し部に示されるような3層構成とすることができる。具体的には、包装材料10は、基材層11の片面に、成分(X)および架橋剤を含むレーザマーキング用インキ組成物により形成されたレーザ発色層15(以下、単にレーザ発色層15とも表記する)を備えている。
また、包装材料10は、好ましくは、レーザ発色層15の上面に、更に保護層14を備えている。
図3において、基材層11および保護層14の詳細や具体的事項などについては、図1(第一実施形態)と同様であるため説明は省略する。以下、レーザ発色層15について説明する。
レーザ発色層15は、典型的には、成分(X)および架橋剤を含むレーザマーキング用インキ組成物により形成される。
このインキ組成物としては、例えば、前述の第一実施形態の包装体の製造方法で説明したインキ組成物に、更に架橋剤を加えて調製された組成物を用いることができる。
加えることができる架橋剤としては、第一実施形態の包装体の製造方法において、密着性向上層12を形成するための硬化性樹脂組成物が含む成分として説明された、各種の架橋剤を挙げることができる。すなわち、具体的には、イソシアネート系架橋剤(ブロックイソシアネート型を含む)、アミン系架橋剤(例えばアジリジン、ポリエチレンイミン等)、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキセタン系架橋剤、(メタ)アクリレート系架橋剤、シランカップリング剤、有機チタン化合物および有機ジルコニウム化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上を挙げることができる。これらの中でも、イソシアネート系架橋剤(ブロックイソシアネート型を含む)が、入手性や取扱いの容易さ等から好ましく用いられる。
架橋剤の使用量(インキ組成物への添加量)は、特に限定されないが、インキ組成物の全固形分(不揮発成分)中、例えば0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜6質量%である。この範囲とすることで、他の性能を維持しつつ、十分な密着性向上効果を得ることができると考えられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
I.第一実施形態に関する実施例
1.密着性向上層を形成するための硬化性樹脂組成物の作製
以下組成の、樹脂組成物1〜樹脂組成物5を調製した。
(樹脂組成物1)
メチルエチルケトン(MEK)/酢酸エチルからなる混合希釈溶剤中にアクリルポリオ−ル5質量部を投入し、攪拌した。次いで、イソホロンジイソシアネ−ト(IPDI)をアクリルポリオ−ルのOH基に対してNCO基が等量となるように加えて混合組成物を調製した。その後、適宜希釈した。
以上により、樹脂組成物1を調製した。
(樹脂組成物2)
1.9質量部のポリエチレンイミンと、0.5質量部のエチレングリコールモノヘキシルエーテルとを、水に投入し、混合、希釈した。
以上により、樹脂組成物2を調製した。
(樹脂組成物3)
まず、アクリルポリオール6gと、イソシアナートプロピルトリメトキシシラン0.6gとを混合撹拌して、固形分20wt%の溶液を調製した。次に、この溶液7gに対して、硬化剤としてイソシアナート樹脂(固形分50wt%)1.5gと希釈溶媒とを加えて30分撹拌した。そして、固形分濃度を適宜調整した。
以上により、樹脂組成物3を調製した。
(樹脂組成物4)
特開2004−238403号公報の段落0043等の記載に準じて準備されたポリウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3量体を配合した。配合比は固形分質量比で100/20の比率となるようにした。そして、メチルエチルケトンを加え、固形分濃度を適宜調整した。
以上により、樹脂組成物4を調製した。
(樹脂組成物5)
ポリウレタン樹脂の水分散体100質量部(不揮発分25質量%)に対して、メラミン系架橋剤(ベッカミンAPM、DIC社製)5質量部を加えて均一に混合した。その後、固形分濃度を適宜調整した。
以上により、樹脂組成物5を調製した。
(樹脂組成物6)
アクリルエマルジョン「JONCRYL PDX−7326」(BASF社製)を、イオン交換水にて適宜調製した。
以上により、樹脂組成物6を調製した。
(樹脂組成物7)
特開2007−313876号公報の段落0069の記載を参考に合成したウレタン樹脂と、トルエン/メチルエチルケトン/イソプロパノール(質量比2/2/1)の混合溶剤とを均一に混合、希釈した。
以上により、樹脂組成物7を調製した。
2.包装材料の作製
[実施例1の包装材料の作製]
(1)第一フィルムの作製
グラビア印刷装置およびインキ組成物(以下に示す)を用いて、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(基材層に相当する)のコロナ処理面(片面)に、グラビア版を用いて、上述の樹脂組成物1により密着性向上層を形成した。層の厚みは1.0μmとなるよう適宜調整した。
なお、このように形成した密着性向上層の一部を採取し、DSC分析によりガラス転移温度を測定したところ、100〜220℃の範囲内であった。
密着性向上層の形成後、グラビア印刷装置を用いて、インキ組成物により密着性向上層の上にレーザ発色層を形成した。インキ組成物としては、以下の素材を十分に混合・分散したものを用いた。このインキ組成物のη/ηの値は2以上だった。
・レーザ発色成分:オクタモリブデン酸アンモニウム粒子、粒径(D50A)1.5μm 20質量部
・顔料粒子:二酸化チタン、粒径(D50B)0.5μm、略球形(アスペクト比1)、ルチル型の純度90質量% 8質量部
・樹脂:重量平均分子量10000〜30000、ガラス転移温度10℃前後のウレタン樹脂 15質量部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 5質量部
・溶剤:メチルエチルケトン 40質量部、酢酸エチル 5質量部、2−プロパノール(イソプロピルアルコール) 5質量部
・添加剤:脂肪酸アミド、分散剤(界面活性剤系)、酸化防止剤など 合計で2質量部
以上により、第一フィルムを作製した。
(2)第二フィルムの作製
上記とは別に、アルミニウムの蒸着が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(略称:VMPET、厚さ25μm)を準備した。この片面のコロナ処理面に、エステル系ラミネート用接着剤をコーティングし、加熱乾燥させた。コーティングはグラビアローラーコート法により行った。
以上により、第二フィルムを作製した。
(3)貼り合せ
第1フィルムのレーザ発色層と、第2フィルムの接着剤層とを対向させ、ドライラミネートした。これにより、基材層−密着性向上層−レーザ発色層−保護層を備えた包装材料を得た。
[実施例2〜7および比較例1の包装材料の作製]
基材層、密着性向上層および保護層について、後掲の表1に示したようにした以外は、実施例1と同様にして包装材料を得た。
なお、インキ組成物については、すべて、実施例1と同じものを用いた。
また、各包装材料における密着性向上層の一部を採取し、DSC分析によりガラス転移温度を測定したところ、100〜220℃の範囲内であった。
[実施例8の包装材料の作製]
実施例1で、インキ組成物中のレーザ発色成分を、オクタモリブデン酸アンモニウム粒子に代えて、山本化成株式会社製のロイコ染料(商品名:ODB−2)17.5質量部と下記化合物(顕色剤)36.5質量部との混合物としたこと以外は、実施例1と同様にして包装材料を作成した。
Figure 2019104520
Figure 2019104520
表1の略号の意味は以下のとおりである。
OPP:2軸延伸ポリプロピレンフィルム
CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム
VMCPP:アルミニウムの蒸着が施された無延伸ポリプロピレンフィルム
WOPP:白色顔料含有2軸延伸ポリプロピレンフィルム
LLDPE:直鎖状短鎖分岐ポリエチレンフィルム
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム
Ny:ナイロンフィルム
VMPET:アルミニウムの蒸着が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム
3.包装体の製造(レーザマーキング評価)
レーザマーキング装置として、キーエンス社製の装置「ML−Z9520」(光源:COレーザ)を用い、上記の包装材料のそれぞれにレーザビームのスポットを当て、文字列「LOT−4EA89」を描画して、包装体を製造した。なお、ここでの描画は、図1に示されるように、文字を構成する線に沿ってスポットを動かす方法とした。また、レーザビームは、各包装材料における、第1フィルムに相当する面の側から照射された。
レーザの平均出力は9W、スポット径は0.2mm、スポット3の移動速度(平均)は、およそ3m/sであった。
ここで印字された文字の大きさは、一文字あたりおよそ縦4mm×横3mm、線の太さはほぼ均一の0.16mmであった。
印字された文字を観察したところ、実施例1〜8の全てにおいて、にじみ等の不鮮明な部分は特に観察されなかった。つまり、本実施形態の包装体の製造方法により、レーザマーキングによる印字工程を含む包装体の製造において、鮮明な文字を印字することができた。
一方、比較例1においては、文字に「にじみ」が生じていることが確認された。
II.第二実施形態に関する実施例
1.架橋剤を含むインキ組成物の調製
レーザ発色層形成のためのインキ組成物として、以下の素材を十分に混合・分散したものを準備した。このインキ組成物のη/ηの値は2以上だった。
・レーザ発色成分:オクタモリブデン酸アンモニウム粒子、粒径(D50A)1.5μm 40質量部
・顔料粒子:二酸化チタン、粒径(D50B)0.5μm、略球形(アスペクト比1)、ルチル型の純度90質量% 4質量部
・樹脂:重量平均分子量10000〜30000、ガラス転移温度10℃前後のウレタン樹脂 15質量部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 5質量部
・溶剤:メチルエチルケトン 40質量部、酢酸エチル 5質量部、2−プロパノール(イソプロピルアルコール) 5質量部
・架橋剤:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート3量体 2質量部
・添加剤:脂肪酸アミド、分散剤(界面活性剤系)、酸化防止剤など 合計で2質量部
2.包装材料の作製
[実施例9〜15および比較例2の包装材料の作製]
実施例9〜15については、(i)密着性向上層を形成しなかったこと、および(ii)インキ組成物として上記の架橋剤を含むインキ組成物を用いたこと以外は、上記「I.第一実施形態に関する実施例」の「2.包装材料の作製」の手順と同様にして、包装材料を得た。
比較例2については、比較例1と同様にして包装材料を得た(インキ組成物は、上記II.1.のものではなく、上記I.2.の架橋剤を含まないものである)。
各包装材料の基材層および保護層については表2に示すとおりである。略号の意味は表1と同様である。
Figure 2019104520
3.包装体の製造(レーザマーキング評価)
得られた包装材料を用いて、「I.第一実施形態に関する実施例」の「3.包装体の製造(レーザマーキング評価)と同様の評価を行った。
印字された文字を観察したところ、実施例9〜15の全てにおいて、にじみ等の特に不鮮明な部分は観察されなかった。つまり、本実施形態の包装体の製造方法により、レーザマーキングによる印字工程を含む包装体の製造において、鮮明な文字を印字することができた。
一方、比較例2においては、文字に「にじみ」が生じていることが確認された。
1 レーザ装置
2 レーザビーム
3 スポット
4A、4B、4C 走査線
10 包装材料
11 基材層
12 密着性向上層
13 レーザ発色層(第一実施形態におけるレーザ発色層)
14 保護層
15 レーザ発色層(第二実施形態におけるレーザ発色層)

Claims (12)

  1. 基材層と、レーザビームの照射により不可逆的に発色する成分(X)を含むレーザ発色層とを備えた包装材料に、レーザビームのスポットを当てて、当該包装材料に画像を形成する画像形成工程を含む包装体の製造方法であって、
    前記包装材料が、前記基材層と前記レーザ発色層との間に、密着性向上層を備えており、
    前記レーザビームの平均出力が15W以下であり、かつ、スポット径が0.08mm以上である、包装体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の包装体の製造方法であって、
    前記密着性向上層は、硬化性樹脂組成物により形成されたものである、包装体の製造方法。
  3. 請求項2に記載の包装体の製造方法であって、
    前記硬化性樹脂組成物が、架橋剤を含む、包装体の製造方法。
  4. 請求項3に記載の包装体の製造方法であって、
    前記架橋剤が、イソシアネート系架橋剤、アミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキセタン系架橋剤、(メタ)アクリレート系架橋剤、シランカップリング剤、有機チタン化合物および有機ジルコニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、包装体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装体の製造方法であって、
    前記密着性向上層のガラス転移温度が70〜250℃である、包装体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装体の製造方法であって、
    前記密着性向上層の厚みが、0.1〜10μmである、包装体の製造方法。
  7. 基材層と、レーザビームの照射により不可逆的に発色する成分(X)を含むレーザ発色層とを備えた包装材料に、レーザビームのスポットを当てて、当該包装材料に画像を形成する画像形成工程を含む包装体の製造方法であって、
    前記レーザ発色層が、前記成分(X)および架橋剤を含むレーザマーキング用インキ組成物により形成されたものであり、
    前記レーザビームの平均出力が15W以下であり、かつ、スポット径が0.08mm以上である、包装体の製造方法。
  8. 請求項7に記載の包装体の製造方法であって、
    前記架橋剤が、イソシアネート系架橋剤、アミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキセタン系架橋剤、(メタ)アクリレート系架橋剤、シランカップリング剤、有機チタン化合物および有機ジルコニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、包装体の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の包装体の製造方法であって、
    前記レーザマーキング用インキ組成物に含まれる前記架橋剤の量が、前記レーザマーキング用インキ組成物の不揮発成分の全量に対して0.1〜10質量%である、包装体の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の包装体の製造方法であって、
    前記レーザビームの波長が700nm〜1000μmである、包装体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の包装体の製造方法であって、
    前記成分(X)が、無機金属オキシアニオン化合物の粒子を含む、包装体の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の包装体の製造方法であって、
    前記成分(X)が、発色剤、および、以下一般式(I)で表される化合物の粒子を含む、包装体の製造方法。
    Figure 2019104520
    一般式(I)中、
    Xは、ケイ素原子またはホウ素原子であり、
    EおよびFは、それぞれ独立に2価の有機基であり、
    およびRは、それぞれ独立に1価の有機基であり、
    Xがケイ素原子の場合、(i)oは1であり、pは0であり、Rは1価の有機基であるか、または、(ii)oは1であり、pは1であり、RとRは互いに連結して環構造を形成し、
    Xがホウ素原子の場合、oは0であり、pは0であり、
    、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基であり、これらのうちの2つが互いに連結して環構造を形成してもよく、
    nは1または2である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112172352A (zh) * 2020-09-11 2021-01-05 北京如影智能科技有限公司 一种玻璃图案的镭雕方法

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