JP2019103992A - 筒形フィルタエレメントの製造方法及び筒形フィルタエレメントの製造装置 - Google Patents

筒形フィルタエレメントの製造方法及び筒形フィルタエレメントの製造装置 Download PDF

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【課題】シール部に段差が生じることを抑制すること。【解決手段】筒形フィルタエレメント10を製造する方法は、治具30の上面に設けられた環状凹部33における複数箇所に対して、吐出装置20の複数の吐出口23から溶融状態のホットメルト接着剤Gをそれぞれ吐出する吐出工程と、濾過部11の一端を治具30の上面に載置することにより同一端に対してホットメルト接着剤Gを塗布する塗布工程とを含む。【選択図】図3

Description

本発明は、筒形フィルタエレメントの製造方法及び筒形フィルタエレメントの製造装置に関する。
従来、内燃機関には、オイルに含まれる異物を濾過するオイルフィルタが設けられている(例えば特許文献1参照)。
こうしたオイルフィルタは、有底筒形のケーシングと、ケーシング内に収納される所謂菊花形のフィルタエレメントとを備えている。菊花形のフィルタエレメントは、濾材シートが襞折りされてなる円筒形状の濾過部と、濾過部の軸線方向の両端における濾材シートの内側同士をシールする端部シール材とを有している。
ケーシング内には、フィルタエレメントを軸線方向の両側から挟持するためのリリーフバルブ及びチェックバルブが設けられている。
また、濾過部の軸線方向の一端及び他端には、リリーフバルブ及びチェックバルブとの間をそれぞれシールする環状のシール部が設けられている。
特許文献1に記載のフィルタエレメントでは、こうした環状のシール部が光硬化性樹脂により形成されている。
特開2003−181212号公報 特開2017−119229号公報
ところで、特許文献1に記載のフィルタエレメントの場合、シール部が光硬化性樹脂により形成されているため、製造コストの低減を図ることが難しいという問題点がある。
これに対して、本願発明者は、例えば特許文献2に記載の吐出装置に相当するホットメルト接着剤を一筆書きにて塗布することにより環状のシール部を形成することを考えた。
しかしながら、この場合、塗布されたホットメルト接着剤のうち最初に塗布された部分と最後に塗布された部分とが重なり合う箇所において、最初に塗布された部分、すなわち温度が低下して硬化が進行している部分の上から、最後に塗布された部分が重なり合って硬化するために段差が生じやすい。
こうした段差はシール部におけるシール性を低下させるおそれがあることから、良品とすることができず、歩留まりを悪化させる一因となっている。
本発明の目的は、シール部に段差が生じることを抑制できる筒形フィルタエレメントの製造方法及び筒形フィルタエレメントの製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するための筒形フィルタエレメントの製造方法は、濾材シートが襞折りされてなる筒形状の濾過部と、前記濾過部の軸線方向の両端における前記濾材シートの内側同士をシールする端部シール材とを有するフィルタエレメントに適用され、前記濾過部の軸線方向の一端に環状のシール部を形成することによりフィルタエレメントを製造する方法であって、治具の一端面に設けられた環状凹部における複数箇所に対して、吐出装置の複数の吐出口から溶融状態のホットメルト接着剤をそれぞれ吐出する吐出工程と、前記濾過部の前記一端を前記治具の前記一端面に載置することにより前記一端に対して前記ホットメルト接着剤を塗布する塗布工程と、を含む。
上記目的を達成するための筒形フィルタエレメントの製造装置は、濾材シートが襞折りされてなる筒形状の濾過部と、前記濾過部の軸線方向の両端における前記濾材シートの内側同士をシールする端部シール材とを有するフィルタエレメントに適用され、前記濾過部の軸線方向の一端に環状のシール部を形成することによりフィルタエレメントを製造する装置であって、環状凹部が設けられた一端面を有する治具と、前記治具の前記環状凹部における複数箇所に対して溶融状態のホットメルト接着剤をそれぞれ吐出する複数の吐出口を有する吐出装置と、を備える。
同方法及び構成によれば、治具の環状凹部における複数箇所に対して、吐出装置の複数の吐出口から溶融状態のホットメルト接着剤がそれぞれ吐出され、環状凹部内の全体に充填される。
このため、吐出口が1箇所のみの場合と比較して、治具の環状凹部内にホットメルト接着剤を充填するために要する時間を短くすることができ、環状凹部内におけるホットメルト接着剤の温度の位置によるばらつきを抑制することができる。
本発明によれば、シール部に段差が生じることを抑制できる。
筒形フィルタエレメントの一実施形態について、(a)は片側断面としたフィルタエレメントの側面図、(b)はフィルタエレメントの平面図。 同実施形態におけるフィルタエレメントの製造装置の断面図。 同実施形態におけるフィルタエレメントの製造方法を順に示す説明図。
以下、図1〜図3を参照して、筒形フィルタエレメントを製造する方法及び装置の一実施形態について説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、筒形フィルタエレメント10は、内燃機関のオイルフィルタに用いられる所謂菊花形のものであり、濾紙などの帯状の濾材シート15が襞折りされてなる円筒形状の濾過部11を有している。
濾過部11の軸線方向(図1の上下方向)の両端には、ホットメルト接着剤からなり、濾材シート15の内側同士の間を接着する端部シール材12が設けられている。
濾過部11の軸線方向の両端部には、円環状のシール部13がそれぞれ設けられている。シール部13の内周面は、濾過部11の中心孔14の内周面と一致している。シール部13の外周面は、濾過部11の外周面よりも内周側に位置している。
次に、フィルタエレメント10のシール部13を製造する装置について説明する。
図2及び図3に示すように、本実施形態のフィルタエレメント10の製造装置は、環状凹部33が設けられた上面を有する治具30と、治具30の環状凹部33における複数箇所(本実施形態では8箇所)に対して溶融状態のホットメルト接着剤(以下、接着剤G)を吐出する吐出装置20とを備えている。
治具30は、中心孔32を有する円盤状の本体部31と、中心孔32の周縁から上方に向けて突設された円筒状の挿入筒部34とを有している。環状凹部33は、円環状をなしており、本体部31の上面に設けられている。本実施形態では、環状凹部33の内径が、挿入筒部34の外径と同一とされている。
図2に示すように、吐出装置20は、略円柱状をなす装置本体21を有している。装置本体21の下部の中心部には、下方に開口する円柱状の空洞部24が設けられている。空洞部24の内径は、上述した治具30の挿入筒部34の外径よりも僅かに大きくされている。また、空洞部24の高さは、治具30の本体部31の上面からの挿入筒部34の高さよりも大きくされている。
これにより、装置本体21の空洞部24内に治具30の挿入筒部34が挿入可能とされている。また、空洞部24内に挿入筒部34が挿入された状態において、装置本体21の下面に本体部31の上面が当接される。
装置本体21の内部には、装置本体21の上面の中心部に開口するとともに中心軸線Cに沿って下方に向けて延びる上流側流路22aが設けられている。また、上流側流路22aの下流側(同図の下側)にて分岐し、装置本体21の下面に開口する複数(本実施形態では8つ)の吐出口23までそれぞれ延びる複数の下流側流路22bが設けられている。装置本体21の上面の開口には、溶融状態の接着剤Gを上流側流路22aに向けて押し出す押出装置40の接続部41が接続されている。
各下流側流路22bは、上流側流路22aとの分岐部から下流側ほど外周側に位置するように装置本体21の中心軸線Cに対して傾斜して延びる上流側部分と、同部分の下流側から中心軸線Cに沿って延びるとともに吐出口23に連なる下流側部分とを有している。
図2に示すように、各吐出口23は、径方向において治具30の環状凹部33に対応する位置に設けられている。
図3に示すように、各吐出口23は、いずれも同一の大きさの円形状をなしており、中心軸線Cを中心とする周方向において等間隔にて設けられている。
装置本体21における上流側流路22aの外周側には、電熱線からなり、上流側流路22aを加熱する加熱部25aが埋設されている。
装置本体21における各下流側流路22bの外周側には、電熱線からなり、各下流側流路22bを加熱する加熱部25bが設けられている。
次に、フィルタエレメント10の製造方法について説明する。
まず、濾過部11を形成する方法について説明する。
帯状の濾材シート15の一方の面における幅方向の両端に対してホットメルト接着剤を塗布するとともに濾材シート15を襞折りし、円筒形状に丸めることで濾過部11を形成する。このとき、濾過部11の軸線方向の両端には、上記ホットメルト接着剤によって端部シール材12が形成される。
次に、図3の左上部に示すように、吐出装置20の空洞部24に対して治具30の挿入筒部34を挿入し、吐出装置20の下面を治具30の本体部31の上面に載置する。
続いて、図2に示すように、押出装置40から接続部41を介して吐出装置20内に溶融状態の接着剤Gを押し出す。押し出された接着剤Gは、吐出装置20内を上流側流路22a及び各下流側流路22bの順に各加熱部25a,25bによって加熱された状態で流れる。そして、溶融状態の接着剤Gを、各吐出口23から、治具30の環状凹部33における複数箇所に対して同時に吐出する(以上、吐出工程)。環状凹部33内の複数箇所に対してそれぞれ吐出された接着剤Gは高温であり、流動性を有しているため、環状凹部33の全体に充填される。
続いて、治具30から吐出装置20を取り外す。
続いて、図3の左下部及び右上部に示すように、濾過部11の中心孔14に対して治具30の挿入筒部34を挿入し、濾過部11の下面を治具30の本体部31の上面に載置する。これにより、濾過部11の下面に対して接着剤Gを塗布する(以上、塗布工程)。なお、中心孔14の内径は、上述した治具30の挿入筒部34の外径よりも僅かに大きくされている。
その後、濾過部11を治具30から外す。
これにより、図3の右下部に示すように、濾過部11の下面(一端面)に環状のシール部13が形成される。
また、同様の工程を繰り返すことにより、濾過部11の上面(他端面)に対してシール部13が形成される。
以上説明した本実施形態に係る筒形フィルタエレメントの製造方法及び筒形フィルタエレメントの製造装置によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)フィルタエレメント10の製造方法は、治具30の一端面に設けられた環状凹部33における複数箇所に対して、吐出装置20の複数の吐出口23から溶融状態の接着剤Gをそれぞれ吐出する吐出工程と、濾過部11の軸線方向における一端を治具30の一端面に載置することにより上記一端に対して接着剤Gを塗布する塗布工程とを含む。
こうした方法によれば、治具30の環状凹部33における複数箇所に対して、吐出装置20の複数の吐出口23から溶融状態の接着剤Gがそれぞれ吐出され、環状凹部33内の全体に充填される。
このため、吐出口23が1箇所のみの場合と比較して、治具30の環状凹部33内に接着剤Gを充填するために要する時間を短くすることができ、環状凹部33内における接着剤Gの温度の位置によるばらつきを抑制することができる。
したがって、シール部13に段差が生じることを抑制できる。
(2)フィルタエレメント10の製造装置は、環状凹部33が設けられた一端面を有する治具30と、治具30の環状凹部33における複数箇所に対して溶融状態の接着剤Gをそれぞれ吐出する複数の吐出口23を有する吐出装置20とを備える。
こうした構成によれば、上述した(1)と同様の効果を得ることができる。
(3)複数の吐出口23は、環状凹部33の中心を中心とする周方向において等間隔にて設けられている。
こうした構成によれば、複数の吐出口23が不等間隔で設けられた場合に比べて、隣り合う吐出口23から吐出された接着剤G同士が接合するタイミングを全周において略同一にできる。すなわち、接着剤G同士の接合位置によって、接着剤Gの硬化度合に差が生じることを抑制できるため、接着剤G同士の接合部分において段差が生じることを一層抑制できる。
(4)吐出装置20の内部には、上流側流路22aと、上流側流路22aの下流側にて分岐するとともに複数の吐出口23までそれぞれ延びる複数の下流側流路22bとが設けられている。吐出装置20には、各下流側流路22bを加熱する加熱部25bが設けられている。
こうした構成によれば、各下流側流路22bを流れる接着剤Gを効果的に加熱することができる。このため、各吐出口23から吐出される接着剤Gの溶融状態に差が生じることを抑制でき、治具30の環状凹部33に吐出された接着剤Gの溶融状態が位置によってばらつくことを抑制できる。したがって、シール部13に段差が生じることを一層抑制できる。
(5)シール部13をホットメルト接着剤Gにより形成するため、例えば光硬化性樹脂を用いてシール部を形成する場合と比較して、製造コストを低減することができる。
<変形例>
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・吐出工程において、治具30を回転させるようにしてもよい。
こうした構成によれば、吐出装置20から接着剤Gが吐出される間、治具30が装置本体21に対して回転される。このため、治具30の環状凹部33の全体に接着剤Gを充填させるために要する時間を一層短くすることができ、環状凹部33内における接着剤Gの温度の位置によるばらつきを一層抑制することができる。
・下流側流路の断面積を吐出口23に向けて徐々に小さくすることもできる。
・複数の吐出口23を、装置本体21の中心軸線Cを中心とする周方向において不等間隔にて設けることもできる。
・吐出口を四角形など円形以外の形状にすることもできる。
・上流側加熱部25aを省略し、下流側加熱部25bのみにすることもできる。また、下流側加熱部25bを省略し、上流側加熱部25aのみにすることもできる。
10…フィルタエレメント、11…濾過部、12…端部シール材、13…シール部、14…中心孔、20…吐出装置、21…装置本体、22a…上流側流路、22b…下流側流路、23…吐出口、24…空洞部、25a…上流側加熱部、25b…下流側加熱部、30…治具、31…本体部、32…中心孔、33…環状凹部、34…挿入筒部、40…押出装置、41…接続部。

Claims (4)

  1. 濾材シートが襞折りされてなる筒形状の濾過部と、前記濾過部の軸線方向の両端における前記濾材シートの内側同士をシールする端部シール材とを有するフィルタエレメントに適用され、前記濾過部の軸線方向の一端に環状のシール部を形成することによりフィルタエレメントを製造する方法であって、
    治具の一端面に設けられた環状凹部における複数箇所に対して、吐出装置の複数の吐出口から溶融状態のホットメルト接着剤をそれぞれ吐出する吐出工程と、
    前記濾過部の前記一端を前記治具の前記一端面に載置することにより前記一端に対して前記ホットメルト接着剤を塗布する塗布工程と、を含む、
    筒形フィルタエレメントの製造方法。
  2. 濾材シートが襞折りされてなる筒形状の濾過部と、前記濾過部の軸線方向の両端における前記濾材シートの内側同士をシールする端部シール材とを有するフィルタエレメントに適用され、前記濾過部の軸線方向の一端に環状のシール部を形成することによりフィルタエレメントを製造する装置であって、
    環状凹部が設けられた一端面を有する治具と、
    前記治具の前記環状凹部における複数箇所に対して溶融状態のホットメルト接着剤をそれぞれ吐出する複数の吐出口を有する吐出装置と、を備える、
    筒形フィルタエレメントの製造装置。
  3. 前記複数の吐出口は、前記環状凹部の中心を中心とする周方向において等間隔にて設けられている、
    請求項2に記載の筒形フィルタエレメントの製造装置。
  4. 前記吐出装置の内部には、上流側流路と、前記上流側流路の下流側にて分岐するとともに前記複数の吐出口までそれぞれ延びる複数の下流側流路とが設けられており、
    前記吐出装置には、前記複数の下流側流路の各々を加熱する加熱部が設けられている、
    請求項2または請求項3に記載の筒形フィルタエレメントの製造装置。
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