JP2019103964A - 複合膜 - Google Patents

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大地 小川
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佑 福井
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Abstract

【課題】高い濾過流束を有する複合膜を提供すること。【解決手段】塩素化度が45〜80質量%の樹脂材料からなる支持層と、半透膜層とを有する、複合膜。【選択図】なし

Description

本発明は、複合膜に関する。
水処理に使用される複合膜は、海水淡水化、工業廃水処理、及び下水処理等の種々の用途に適用可能なことから、1980年代以降急速に開発が進み、多くの研究が続けられている。
これらの複合膜は、純度の高い水が必要とされる製造業や医療業の場のみならず、水不足の深刻な国や地域においても非常に高い需要がある。より高効率、且つ低コストでの水処理を可能とする複合膜への要望は依然として高い。
かかる複合膜の一形態として、支持体(支持層)と半透膜層とを備えた複合膜が提案されている。水処理の際に複合膜は高圧にさらされるため、それに耐えうる高い機械的強度が、まず必要である。それに加えて、水処理というその目的に鑑みれば、充分な濾過流束を有していることが求められる。しかしながら、高い機械的強度を得ようとすれば、濾過流束の低下を避けることは困難である。
例えば特許文献1では、アクリロニトリルと塩化ビニルとの共重合体を支持層に使用した複合膜が提案されている。しかし、かかる共重合体では、相分離構造を制御することが難しく、膜基材の空隙率が低くなり、濾過流束を大きくすることが困難である。
このように、より高い濾過流束を有する複合膜が求められている。
特表2016−530078号公報
上記のような事情に鑑み、本発明の目的とするところは、高い濾過流束を有する複合膜を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、所定の塩素化度を有する樹脂材料を支持層に使用することで高い濾過流束を有する複合膜が得られることを見出した。本発明者らは、かかる知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の複合膜を提供する。
項1.
塩素化度が45〜80質量%の樹脂材料からなる支持層と、半透膜層とを有する、複合膜。
項2.
前記樹脂材料が塩素化塩化ビニル樹脂である、項1に記載の複合膜。
項3.
前記半透膜層はポリアミド層である、項1又は2に記載の複合膜。
項4.
空隙率が30%〜90%である、項1〜3の何れかに記載の複合膜。
項5.
前記半透膜層の厚みは0.05〜3μmである、項1〜4の何れかに記載の複合膜。
項6.
前記支持層の厚みに対する前記半透膜層の厚みの比率が2.5×10−3〜2%である、項1〜5の何れかに記載の複合膜。
項7
中空糸形状である、項1〜6の何れかに記載の複合膜。
項8.
前記半透膜層は、前記支持層の外側表面又は内側表面に設けられる、項7に記載の複合膜。
項9.
前記中空糸形状における幅方向断面の外径が1〜10mm、厚みが0.1〜2mmである、請求項7又は8に記載の複合膜。
項10.
正浸透膜及び逆浸透膜からなる群より選択される1種以上である、項9に記載の複合膜。
項11.
項1〜10の何れかに記載の複合膜を有する膜処理モジュール。
本発明に係る複合膜は、高い濾過流束を有する。
本発明の複合膜は、塩素化度が45〜80質量%の樹脂材料からなる支持層と、半透膜層とを有することを、特徴とする。
1.複合膜
本発明の複合膜は、特に水処理用の膜として好適に使用することができ、具体的には、正浸透膜、逆浸透膜として使用可能である。中でも、正浸透膜及び逆浸透膜からなる群より選択される1種以上として使用可能である。とりわけ、高圧のポンプを使用する必要がなく、省エネルギーな運転を可能とするとして近年特に注目されている正浸透膜として好適に使用することができる。
尚、半透膜層は、支持層の何れか一方の面に積層されているのが好適であるが、支持層の双方の面に積層されてもよい。また、必要に応じてその他の層を適宜の場所に設けてもよい。
複合膜の空隙率は、複合膜の高い濾過流束を確保し、濾過性能を向上させるという観点から、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、45%以上がさらに好ましい。空隙率の上限値としては、支持層の強度、ひいては複合膜の強度を確保するという観点から、90%が好ましく、80%がより好ましい。なお、本明細書において濾過流束とは、単位時間当たりに流れる単位面積当たりの水の量(L/m/h)と定義する。
1.1.支持層
支持層は、塩素化度が45〜80質量%の樹脂材料からなる。かかる樹脂材料としては、塩化ビニル系樹脂を好適に使用可能であり、より具体的には、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、及び塩化ビニル樹脂との共重合体からなる群より選択される1種以上を使用することが好ましい。上述した塩化ビニル系樹脂の中でも、容易に塩素化度を調整可能であることから、塩素化塩化ビニル樹脂を使用することが、より好ましい。
塩化ビニル樹脂との共重合体は、塩化ビニル樹脂と他の共重合対象物との共重合体である。他の共重合対象物としては、塩化ビニルと共重合体を形成可能な化合物であれば特に限定はなく、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類;エチレン、プロピレン等のオレフィン;(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、などが挙げられる。
更に、上記した他の共重合対象物として、下記(1)〜(4)に記載される化合物が挙げられる。
(1)アミノ基、アンモニウム基、ピリジル基、イミノ基、ベタイン構造等のカチオン性基含有ビニルモノマー及び/又はその塩(以下、単にカチオン性モノマー」ともいう。)、
(2)水酸基、アミド基、エステル構造、エーテル構造等の親水性の非イオン性基含有ビニルモノマー(以下、単に非イオン性モノマーともいう。)、
(3)カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等のアニオン性基含有ビニルモノマー及び/又はその塩(以下、単にアニオン性モノマーともいう。)、
(4)その他のモノマー等が挙げられる。
上記
(1)カチオン性モノマーとしては、具体的には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の炭素数2〜44のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド;
ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等の総炭素数2〜44ジアルキルアミノ基を有するスチレン;
2−又は4−ビニルピリジン等のビニルピリジン;
N−ビニルイミダゾール等のN−ビニル複素環化合物類;
アミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;等のアミノ基を有するモノマーの酸中和物又はこれらのモノマーをハロゲン化アルキル(炭素数1〜22)、ハロゲン化ベンジル、アルキル(炭素数1〜18)もしくはアリール(炭素数6〜24)スルホン酸又は硫酸ジアルキル(総炭素数2〜8)等により4級化したもの;
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のジアリル型4級アンモニウム塩、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−カルボキシメチル)−N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−カルボキシメチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等のベタイン構造を有するビニルモノマー等のモノマーが例示される。
これらのカチオン性基の中でも、アミノ基及びアンモニウム基含有カチオン性モノマーが好ましい。
上記(2)非イオン性モノマーとしては、具体的には、
ビニルアルコール;
N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド;
グリセリンモノ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜8の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(炭素数1〜8、好ましくはポリエチレングリコール)等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、アリルエーテル、ビニルエーテル、スチリルエーテル(反応性を確保するために、ポリアルキレングリコールの平均重合度は4〜140であることが好ましく、4〜100がより好ましい);
(メタ)アクリルアミド;
N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリルアミド;
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のジアルキル(総炭素数2〜8)(メタ)アクリルアミド;
ジアセトン(メタ)アクリルアミド;
N−ビニルピロリドン等のN−ビニル環状アミド;
片末端アルキルエーテルまたはアリールエーテルであるポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、アリルエーテル、ビニルエーテル又はスチリルエーテル(アルキル基は、炭素数が1〜20であり、アリール基が置換されていてもよい(ここでのアリール基は、炭素数6〜12が挙げられ、具体的には、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル等が挙げられる):アリール基は、なかでもフェニル基が好ましく、炭素数1〜14のアルキル基が置換されていてもよい:アルキレン基は、直鎖又は分岐のいずれでもよく、炭素数1〜20であり、ポリエチレングリコールが好ましい。ポリエチレングリコールの水素は、炭素数1〜18のアルキル基で置換されていてもよい。ただし、置換されているエチレングリコール単位は全体の50%以下であることが好ましい。反応性を確保するために、ポリアルキレングリコールの平均重合度は4〜140であることが好ましく、4〜100がより好ましい:スチリル基は、α位及び/又はβ位が炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で置換されていてよく、芳香環上に炭素数1〜20のアルキル基を有していてもよい。);
N−(メタ)アクリロイルモルホリン等の環状アミノ基を有する(メタ)アクリルアミドが例示される。なかでも、ビニルアルコール、(メタ)アクリルアミド系モノマー及びヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、片末端アルキルエーテルまたはアリールエーテルであるポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、アリルエーテル、ビニルエーテル、スチリルエーテル、N−ビニル環状アミドが好ましく、特に、ビニルアルコール、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜8)基を有する(メタ)アクリル酸エステル、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、ポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、アリルエーテル、ビニルエーテル、スチリルエーテル、片末端アルキルエーテルまたはアリールエーテルであるポリアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、アリルエーテル、ビニルエーテル、スチリルエーテル、N−ビニル環状アミドがより好ましい。
上記(3)アニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性の不飽和基を有するカルボン酸モノマー及び/又はその酸無水物(1つのモノマー中に2つ以上のカルボキシル基を有する場合);
スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−アルキル(炭素数1〜4)プロパンスルホン酸等の重合性の不飽和基を有するスルホン酸モノマー;
片末端がスルホ基(−SO3H)であるポリエチレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル、アリルエーテル、ビニルエーテル、スチリルエーテル(スチリル基は、α位及び/又はβ位が炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン化アルキル基で置換されていてよく、芳香環上に炭素数1〜20のアルキル基を有していてもよい。ポリエチレングリコールの水素は、炭素数1〜18のアルキル基で置換されていてもよい。ただし、置換されているエチレングリコール単位は全体の50%以下であることが好ましい。)、ビニルホスホン酸、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜4)リン酸等の重合性の不飽和基を有するリン酸モノマー等が例示される。ここで、アニオン性基は、塩基性物質により任意の中和度に中和されてもよい。この場合、ポリマー中の全てのアニオン性基又はその一部のアニオン性基は、塩を生成する。ここで、塩における陽イオンとしては、アンモニウムイオン、総炭素数3〜54のトリアルキルアンモニウムイオン(例えば、トリメチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン)、炭素数2〜4のヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、総炭素数4〜8のジヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、総炭素数6〜12のトリヒドロキシアルキルアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン等が例示される。中和は、モノマーを中和しても、ポリマーにしてから中和してもよい。
上記(4)その他のモノマー等として、具体的には、上述したビニルモノマー以外であって、無水マレイン酸、マレイミド等の水素結合可能な活性部位を有するモノマー等が挙げられる。共重合体を構成するモノマー材料として、上述した親水性モノマー又は疎水性モノマーと共重合可能なものであれば、さらに他のモノマーを用いることができる。
このような他のモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、トルイル(メタ)アクリレート、キシリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシ(メタ)アクリレート、2−フェノキシ(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、上述した親水性モノマーにおいて親水性官能基を有さないビニルモノマー等が挙げられる。
さらに、共重合体を構成するモノマー材料として、架橋性モノマーを用いてもよい。
架橋性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;
N−メチルアリルアクリルアミド、N−ビニルアクリルアミド、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビスアクリルアミド酢酸等のアクリルアミド類;
ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ジビニルエチレン尿素等のジビニル化合物;
ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリアリルアンモニウム塩、ペンタエリスリトールのアリルエーテル化体、分子中に少なくとも2個のアリルエーテル単位を有するスクローゼのアリルエーテル化体等のポリアリル化合物;
ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
これらの中では、浸水性を向上させることによって、ろ過流束を向上させる観点から、N-ビニルピロリドン、酢酸ビニルが好ましい。
樹脂材料の塩素化度は45〜80質量%である。塩素化度が45質量%未満であると支持層の空隙率が低下し、その結果、複合膜の濾過性能が低下する。一方、塩素化度が80質量%を超えると、支持層が脆くなってしまい、得られる複合膜の膜強度が低下する。
塩素化度の下限値は、上述の観点から、57質量%が好ましく、60質量%がより好ましい。また、上述の観点から、塩素化度の上限値は75質量%が好ましく、70質量%がより好ましい。
塩化物を膜として用いる場合、塩化物の塩素(Cl)がアミンの窒素(N)と置き換わる求核置換反応がおきるが、塩素化度が57%を下回る塩化物を用いると、ジッパー反応により塩素への置換が一気に連続的に行われる。その結果、殆どの塩素が置き換わり、出来上がる膜成分がポリエン骨格を有する膜となり、柔軟性等がなくなり膜強度を維持しにくい傾向にある。そのため、優れた膜強度を得るという観点から、塩素化度は57%以上であることがより好ましい。
支持層の塩素化度は、測定対象となる樹脂1gを10mlのガラス製試験管に取り、窒素気流下で190℃のオイルバス中で加熱し、樹脂から発生する塩酸を水中でトラップし、その水のpHを測定することにより、測定・算出することが可能である。
支持層の厚みは、複合膜の充分な膜強度を確保するために、100μm以上が好ましく、150μm以上がより好ましい。一方、透水性を確保するために、支持層の厚みの上限値としては、5mmが好ましく、3mmがより好ましい。なお、本明細書における透水性とは、流れる水を圧力で割った値(L/m/h/Pa)によって表わされる性質のことである。
支持層の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより、測定することができる。例えば、1つのサンプルから、任意の10点を測定した時の平均値を算出し、当該平均値を支持層の膜厚としている。
1.2.半透膜層
本発明の複合膜は、支持層に加えて、半透膜層を有する。半透膜層は、分離機能層としての役目を果たす層であり、水処理膜における半透膜層に利用される公知の材料を広く使用し、形成することが可能である。即ち、半透膜層は、浸透圧を利用して水を透過させ、希薄溶液側から濃厚溶液側に、水を効率的に移動させる能力を有する材料を使用すればよい。
半透膜層の材料としては、例えば、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリビニルアルコール/ポリピペラジンアミド複合膜、スルホン化ポリエーテルスルホン、ポリピペラジンアミド、ポリイミドなどを好適に用いることが可能である。低浸透圧溶液および高浸透圧溶液に対する耐久性などを考慮して、適宜に材料を選択すればよい。中でも、ポリビニルアルコール/ポリピペラジンアミド複合膜は、例えばDesalination,第257巻(1−3号),pp129−136などに記載されており、製造上、制御し易いため、好適に使用できる。また、これらの材料は一種単独で使用してもよいし、二種以上を併せて使用してもよい。
特に半透膜層の材料としては、支持層表面への薄膜形成が容易であることから、ポリアミドが、好適に使用される。ポリアミドは、ポリアミンとポリカルボン酸誘導体とを重合することにより得られるものであることが好ましい。この場合、ポリアミンのアミノ基とポリカルボン酸誘導体のカルボニル基とが縮合してアミド基が形成されたものであることが好ましい。
ポリアミンは、分子内にアミノ基を2つ以上有する化合物である。このようなポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、ジアミノシクロヘキサンなどの脂肪族ポリアミン;フェニレンジアミン、トリアミノベンゼン、ジアミノトルエンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。ポリアミンとしては、芳香族ポリアミンを用いることが好ましい。ポリアミンは1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
ポリカルボン酸誘導体は、ポリアミンのアミノ基と縮合可能なアシル基を2つ以上有する化合物であればよい。好ましくはアミノ基と縮合可能なアシル基を3つ以上有する化合物である。カルボン酸誘導体は、遊離カルボン酸の形態で用いてもよく、酸無水物、酸ハロゲン化物などの形態で用いてもよい。ポリアミンとの反応性の点から、ポリカルボン酸誘導体としては、ポリカルボン酸ハロゲン化物(酸ハロゲン化物)を用いることが好ましい。ポリカルボン酸ハロゲン化物としては、例えば、ポリカルボン酸フッ化物、ポリカルボン酸塩化物、ポリカルボン酸臭化物、ポリカルボン酸ヨウ化物などが挙げられる。入手容易性、およびアミノ基との反応性を考慮すると、ポリカルボン酸塩化物を用いることが、より好ましい。
ポリカルボン酸塩化物としては、例えば、プロパンジカルボン酸ジクロライド、ブタンジカルボン酸ジクロライド、ペンタンジカルボン酸ジクロライド、プロパントリカルボン酸トリクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライドなどの脂肪族ポリカルボン酸塩化物;テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、トリメシン酸トリクロライドなどの芳香族ポリカルボン酸塩化物などが挙げられる。ポリカルボン酸ハロゲン化物としては、芳香族ポリカルボン酸塩化物を用いることが好ましい。ポリカルボン酸誘導体(ポリカルボン酸塩化物)は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
半透膜層の厚みは、膜欠陥のない膜を達成するために、0.05μm以上とすることが好ましく、0.2μm以上とすることがより好ましい。一方、透水性を確保するため、3μm以下とすることが好ましく、2μm以下とすることがより好ましく、1.5μm以下とすることがさらに好ましい。尚、半透膜層の厚みは、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより、測定することができる。具体的には、1つのサンプルから、任意の10点を測定した時の平均値を算出し、当該平均値を半透膜層の膜厚とする。
また、上述した支持層の厚みと半透膜層の厚みとの関係においては、透水性の確保という観点から、支持層の厚みに対する半透膜層の厚みの比率が2.5×10−3%以上であることが好ましく、2.5×10−2%以上であることがより好ましい。一方、強度の確保という理由から、上記比率は2%以下であることが好ましく、0.2%以下であることがより好ましい。
1.3.具体的な実施態様
本発明の複合膜の具体的な実施態様としては、平板形状の複合膜や、中空糸形状の複合膜とする態様を挙げることができる。
1.3.1.平板形状の複合膜
平板形状の複合膜は、例えば、濃縮、海水の淡水化及び正浸透発電等の用途に使用することができる。
平板形状の複合膜とした場合、その複合膜の厚みは、50〜2000μmが好ましく、500〜1500μmがより好ましい。複合膜の数値範囲がかかる範囲内にあることにより、用途として適切な透水性と強度の両立ができるというメリットがある。
平板形状の複合膜は、どちらか一方の面に半透膜層が形成されていることが好ましい。半透膜層の形成面は、ろ過もしくは濃縮のいずれかの用途により半透膜層を形成する面を適宜決めることができる。
本明細書において、平板形状の複合膜の厚みは、ダイヤルゲージ(尾崎製作所社製:PEACOCK No.25)を使用し、10点測定値の数平均値として得られる平均厚みLp(μm)であると定義する。
平板形状の複合膜の空隙率は、30〜90%が好ましく、40〜80%がより好ましい。空隙率が30%以上であることにより、複合膜の高い濾過流束を確保し、濾過性能を向上させることができる。また、複合膜の機械的強度を確保するため、80%以下の空隙率であることが好ましい。
本明細書において、平板形状の複合膜の空隙率は、以下のようにして算出するものと定義する。
平膜から5cm×5cmの試験片を切り取り、その質量G(g)を測定した。上記平均厚みLp(μm)および質量平均密度ρ(g/cm)を用いて、以下の数式:
空隙率(%)={1−G/52/ρ/(Lp×10−4)}×100
に従って、該平膜の空隙率を算出する。上記数式中の質量平均密度ρは、平膜の質量Gと、平膜を構成する樹脂の質量密度と、平膜の目付とから算出される質量平均密度である。
1.3.2.中空糸形状の複合膜
中空糸形状の複合膜とする場合、複合膜の中空糸形状の内側に原水(Feed solution)を流す態様であってもよいし、複合膜の中空糸形状の外側に原水を流す態様であってもよい。
中空糸形状の内側に原水を流す態様(いわゆる、「内圧式中空糸膜」)の場合には、原水を膜濾過して得られる膜濾過液(Filtered solution)を得る際に発生する廃液が濃縮された状態で、中空糸形状の複合膜の内側透過口から排出される。したがって、複合膜の目詰まりの要因となりやすい不純物(例えば、繊維物)を含む原水を、好適に濾過処理することができる。
特に、内圧式中空糸膜の実施態様において、中空糸形状の外側に半透膜層を設ける、つまり、支持層の外側表面に半透膜層を設ける場合、分離機能を有する半透膜層が駆動用液(Draw solution,以下、単にDSともいう。)に接することとなる。その結果、DSの希釈による支持層内の内部濃度分極が起こり難くなり、高い透過流束を維持した運転が可能となる。
また、内圧式中空糸膜の実施態様において、中空糸形状の内側に半透膜を設ける、つまり、支持層の内側表面に半透膜層を設ける場合、半透膜層とDSと間に支持層が存在することなり、支持層内における透過水のDSへの拡散が少なくなる。そのため、支持層内において実質的に浸透圧差が減少する内部濃度分極が生じ、透過流束の減少が生じる。一方で、支持層と比較し、半透膜層の表面粗度が低いことから、原水に含まれる汚染物質の蓄積が少なくなる。したがって、汚染物質を多く含む原水を処理する際に好適である。
一方、中空糸形状の外側に原水を流す態様(いわゆる、「外圧式中空糸膜」)は、中空糸形状の内側の圧力損失を抑制する点に優れる。特に、DSとしては一般的に電解質が用いられ、該電解質は粘度が低い。特に本発明の複合膜を正浸透膜として使用する場合には、濾過後の膜濾過液の粘度は、高くなる傾向にあり、圧力損失が発生しやすくなるため、正浸透膜としての複合膜においては、外圧式中空糸膜とするのも好適である。
特に、外圧式中空糸膜の実施態様において、中空糸形状の外側に半透膜層を設ける、つまり、支持層の外側表面に半透膜層を設ける場合、半透膜層とDSと間に支持層が存在することなり、支持層内における透過水のDSへの拡散が少なくなる。そのため、支持層内において実質的に浸透厚差が減少する内部濃度分極が生じ、透過流束の減少が生じる。一方で、支持層と比較し、半透膜層の表面粗度が低いことから、原水に含まれる汚染物質の蓄積が少なくなる。したがって、汚染物質を多く含む原水を処理する際に好適である。
また、外圧式中空糸膜の実施態様において、中空糸形状の内側に半透膜層を設ける、つまり、支持層の内側表面に半透膜層を設ける場合、分離機能を有する半透膜層がDSに接することとなる。その結果、DSの希釈による支持層内の内部濃度分極が起こり難くなり、高い透過流束を維持した運転が可能となる。
中空糸形状における幅方向断面の外径は1〜10mmが好ましく、1.2〜8mmがより好ましい。かかる構成を有することにより、膜強度の確保と膜面積を確保することができる。
中空糸形状における幅方向断面の厚みは0.1〜5mmが好ましく、0.5〜2mmがより好ましい。かかる構成を有することにより、膜強度の確保と膜面積の確保することができる。
尚、本明細書において、上述した中空糸形状における幅方向断面の外径及び厚みは、中空糸形状の複合膜の長手方向の任意の5箇所における幅方向断面を、デジタルマイクロスコープで撮影し、任意の8点の外径及び内径を測定し、計40点の計測値の数値平均より、平均外径R及び平均内径rを算出するものと定義する。
中空糸形状の複合膜の空隙率は、40%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。空隙率が40%以上であることにより、複合膜の高い濾過流束を確保し、濾過性能を向上させることができる。また、複合膜の機械的強度を確保するために、80%以下の空隙率であることが好ましい。
本明細書において、中空糸形状の複合膜の空隙率は、下記数式を用いて算出するものと定義する。
空隙率(%)=(1−G/ρ/V)×100
上記数式中のGは、中空糸膜の質量(g)である。ρは、中空糸膜を構成するポリマーの密度(g/cm)である。Vは、中空糸形状の複合膜の膜部の体積(cm)であり、上記中空糸形状の複合膜の外径、中空糸形状の複合膜の膜部の厚み、ならびに中空の長さ(70cm)および本数(10本の平均値)から算出した。
以上にしてなる本発明の複合膜は、特に正浸透膜として好適に使用可能であり、かかる正浸透膜を備えた正浸透膜処理モジュールとすることも好ましい実施態様である。かかる正浸透膜処理モジュールの具体的な構成としては、公知のモジュールの構成を広く採用することが可能であり、特に限定はない。具体的には、複数の中空糸形状の複合膜を束ね、円筒形状のケースに格納する態様を挙げることができる。
2.複合膜の製造方法
本発明の複合膜は、上述した構成を達成可能な公知の製造方法であれば、何れの製造方法によっても製造可能であり、特に限定はなく、例えば、以下の製造方法により、製造することが可能である。
2.1.支持層
塩素化度が45〜80質量%の樹脂材料からなる支持層は、該当樹脂をジメチルアセトアミドのような有機溶媒に溶解し、樹脂溶液を金型などにより連続的に凝固槽内(水充填)に吐出させ、凝固槽にて相分離させることにより、支持層を得ることができる。
樹脂材料としての塩素化塩化ビニル樹脂は、密閉可能な反応容器内で塩化ビニル系樹脂を水性媒体中に分散させ、反応容器内を減圧した後、塩素を容器内に導入して塩化ビニル系樹脂を塩素化することにより、得ることができる。
また、樹脂材料としての塩化ビニル樹脂との共重合体は、密閉可能な反応容器内で塩化ビニルなどのモノマーおよびそれに反応するモノマーを水性媒体中に分散させ、ラジカル重合などにより共重合することにより、得ることができる。
樹脂材料における塩素化度は、密閉可能な反応容器内で塩化ビニル系樹脂を水性媒体中に分散させ、反応容器内を減圧した後の塩素濃度や反応時間を調整することにより調整することができる。
2.2.半透膜層
半透膜層は、支持層の片方又は双方の表面に設けることが可能である。例えば、ポリアミド層により構成される半透膜層を設ける場合、支持層の表面にポリアミン水溶液を塗布し、例えば、10〜180秒間常温で静置する。10秒以上静置することにより、アミン溶液均一に展開することができるというメリットがある。また、空気中の水蒸気の混入を防ぐため、静置する時間は180秒以内とすることが好ましい。
さらにその上に、ポリカルボン酸誘導体を適宜の溶媒に溶かしたポリカルボン酸誘導体含有溶液を塗布する。これにより、ポリアミンとポリカルボン酸誘導体とが界面重合し、ポリアミドの半透膜層が形成される。
上述のポリカルボン酸誘導体を溶かすための適宜の溶媒としては、有機溶媒が好ましく、有機溶媒の中でも水に対する溶解度の低いものが好ましい。例えば、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、ジメチルスルホキシド等の炭化水素系溶媒を使用することが好ましい。
また、ポリアミン水溶液およびポリカルボン酸誘導体含有溶液の濃度および塗布量を調整することにより、半透膜層の孔径、厚みなどを変えることができ、得られる正浸透膜の分離能を調整することができる。かかる半透膜層の形成は、例えば、特開昭58−24303号公報、特開平1−180208号公報などを参考にして行うことができる。
上述の方法により半透膜層を形成し、余剰のポリカルボン酸含有溶液を除去した後、さらにアニーリングを行ってもよい。アニーリングは公知の方法により行うことが可能である。特に限定はなく、例えば、加熱処理による方法、熱水と接触させた後に次亜塩素酸ナトリウム水溶液で洗浄する方法などが挙げられる。アニーリングを行うことにより、半透膜層の透水性能を高めることができる。アニーリングを加熱によって行う場合、例えば、70℃〜160℃(好ましくは80℃〜130℃)の範囲の温度で、1分〜20分(好ましくは3分〜15分)加熱すればよい。
また、中空糸形状の複合膜を製造するに際しては、上記した方法に基づき支持層及び半透膜層を形成すること以外は、公知の方法に基づき、製造することが可能であり、特に限定はない。
例えば、塩素化塩ビ中空糸膜の外側へポリアミド半透膜層を積層する場合には、中空糸形状の支持層を引取機などによって送りながら、第1モノマー溶液中を通過させて該中空の外側へ第1モノマー溶液を付着させた後、余分な液を除去したうえで、第2モノマー溶液中を通過させる方法を用いることができる。
塩素化塩ビ中空糸膜の内側へポリアミド半透膜層を積層する場合の方法としては、塩素化塩ビ中空糸膜のモジュールを作製した後に、ポリアミド半透膜層を積層する方法を好ましく適用することができる。
塩素化塩ビ中空糸膜のモジュールを作製する方法は、特に限定されない。一例を示すと、例えば、先ず、中空糸膜を所定の長さに切断し、必要本数を束ねた後、筒状ケースに入れる。その後、該ケースの両端に仮のキャップをし、中空糸膜両端部にウレタン系、エポキシ系などの接着剤を入れる。このとき遠心機でモジュールを回転させながら接着剤を入れる方法は、接着剤が均一に充填されるために好ましい方法である。接着剤が固化した後、仮のキャップを外し、さらに中空糸膜の両端が開口するように両端部を切断することにより、中空糸膜のモジュールが得られる。
このようにして得られるモジュールを用い、送液ポンプを用いて先ず第1モノマー溶液を該モジュール内の塩素化塩ビ中空糸膜の内側に送給して該中空の内側へ第1モノマー溶液を付着させた後、余分な第1モノマー溶液を除去したうえで、第2モノマー溶液を同様に送給して反応させる方法を用いることができる。その後、余分な第2モノマー溶液を除去し、さらにアニーリングすることが好ましい。アニーリングは公知の方法によって行えばよい。例えば、加熱処理による方法、熱水と接触させた後に次亜塩素酸ナトリウム水溶液で洗浄する方法などが挙げられる。アニーリングによって半透膜層の性能を高めることができる。アニーリングを加熱により行う場合、例えば、70℃〜160℃の範囲の温度で、1〜20分間加熱すればよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
塩素化塩化ビニル樹脂として積水化学工業株式会社製、HA31K(塩素化度67%、重合度800)を25質量%と、ジメチルアセトアミドに溶解した。この樹脂溶液を紡糸金型により連続的にほぼ水平に凝固槽内(水充填)に吐出させ、凝固槽にて相分離させることによって多孔質の中空糸膜を得た。
膜紡糸方向を水平方向とし、凝固槽内(水充填)において、紡糸金型の吐出口から10m一直線に水平方向に引き取った。その下流1m程度の間で、膜をローラーにより10cm程度持ち上げ、凝固槽外であって、凝固槽内の紡糸金型の吐出口の位置よりも高い切断位置で、切断機によって所定の長さに切断し、支持層を得た。
得られた支持層上に、1,3−フェニレンジアミン2質量%、カンファースルホン酸4質量%、トリエチルアミン2質量%、およびドデシル硫酸ナトリウム0.25質量%を含むアミン水溶液を塗布した。その後、余分なアミン水溶液を除去するために、膜を垂直にして60秒間静置した。次いで、塗布面上に濃度0.15質量%の1,3,5−トリメソイルクロライド(トリメシン酸トリクロライド)のヘキサン溶液を塗布し、余分なトリメシン酸クロライド溶液を除去するために、膜を垂直にして60秒間静置して、積層体を得た。得られた積層体につき、90℃において600秒間のアニーリング処理を行い、水で十分洗浄することにより、支持層上にポリアミド半透膜層が形成された実施例1の複合膜を得た。
(実施例2〜7)
上記実施例1において、支持層形成の際の樹脂溶液の組成、凝固時の樹脂溶液の温度、凝固水槽の温度、および半透膜層形成用塗工液の組成を、それぞれ、表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして実施例2〜7の複合膜を得た。
(実施例8)
ガラス板にアプリケーターを用いて樹脂溶液を展開し、その後、水を充填した凝固層内に浸漬し相分離・固化することで、平板形状としたこと以外は実施例1と同様にして実施例8の複合膜を得た。
(実施例9〜11)
上記実施例1において、支持層形成の際の樹脂溶液の組成、凝固時の樹脂溶液の温度、凝固水槽の温度、および半透膜層形成用塗工液の組成を、それぞれ、表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして実施例9〜11の複合膜を得た。
(実施例12)
塩素化塩化ビニル樹脂を徳山積水工業社製の塩化ビニル樹脂TS800E(塩素化度56.8%、重合度800)にした以外は実施例1と同様にして実施例12の複合膜を得た。
(実施例13)
塩素化塩化ビニル樹脂を徳山積水工業社製の塩化ビニル樹脂TS800E(塩素化度56.8%、重合度800)にした以外は実施例2と同様にして実施例13の複合膜を得た。
(実施例14)
塩素化塩ビ樹脂溶液の濃度を26質量%にして、支持層の空隙率を37%にした以外は実施例1と同様にして実施例14の複合膜を得た。
(実施例15)
塩素化塩ビ樹脂溶液の濃度を26質量%にして、指示層の空隙率を37%にした以外は実施例3と同様にして実施例15の複合膜を得た。
(実施例16)
塩素化塩ビ樹脂溶液の濃度を22質量%にして、指示層の空隙率を82%にした以外は実施例1と同様にして実施例16の複合膜を得た。
(実施例17)
半透膜層の材料を変え、酢酸セルロース(置換度:2.4、平均重合度:約150、和光純薬社製)20質量%、塩化リチウム1質量%(0.32mol/kg)、及びジメチルスルホキシド79質量%を80℃で撹拌溶解し半透膜層形成用塗工液を得た。次いで、実施例1と同様にして半透膜層を形成し、酢酸セルロース層を内表面に有する実施例17の複合膜を得た。
(比較例1)
塩化ビニル−アクリロニトリルとの共重合体樹脂としてBASF社製、塩化ビニル−アクリロニトリルとの共重合体樹脂(塩素化度40%)25質量%と、製孔助剤としてポリエチレングリコール400を20質量%とを、ジメチルアセトアミドに溶解した。この樹脂溶液を紡糸金型により連続的にほぼ水平に凝固槽内(水充填)に吐出させ、凝固槽にて相分離させることによって多孔質の中空糸膜を得た。
膜紡糸方向を水平方向とし、凝固槽内(水充填)において、紡糸金型の吐出口から10m一直線に水平方向に引き取った。その下流1m程度の間で、膜をローラーにより10cm程度持ち上げ、凝固槽外であって、凝固槽内の紡糸金型の吐出口の位置よりも高い切断位置で、切断機によって切断し、支持層を形成した。
得られた支持層外側に、1,3−フェニレンジアミン2質量%、カンファースルホン酸4質量%、トリエチルアミン2質量%、およびドデシル硫酸ナトリウム0.25質量%を含むアミン水溶液を塗布した。その後、余分なアミン水溶液を除去した。次いで、塗布面上に濃度0.15質量%の1,3,5−トリメソイルクロライド(トリメシン酸トリクロライド)のヘキサン溶液を塗布し、余分なトリメシン酸クロライド溶液を除去して、積層体を得た。得られた積層体につき、90℃において600秒間のアニーリング処理を行い、水で十分洗浄することにより、支持層外側にポリアミド半透膜層が形成された比較例1の複合膜を得た。
(比較例2)
半透膜層を得るためのアミン水溶液、及び1,3,5−トリメソイルクロライド(トリメシン酸トリクロライド)のヘキサン溶液を支持層内側に塗布したこと以外は、比較例1と同様にして比較例2の複合膜を得た。
Figure 2019103964
各評価方法を以下に示す。
(支持層および正浸透膜を含む複合膜の形状特性の評価)
(1)中空糸膜の内径および外径
得られた実施例1〜17および比較例1〜2の長手方向の任意の5か所について、該長手方向に垂直な断面をキーエンス社製のデジタルマイクロスコープ(型式:VHX−5000)で撮影し、各断面画像における任意の8点の内径および外径をそれぞれ計測した。そして、計40点の計測値の数平均値として得られる平均内径r(mm)および平均外径R(mm)を、それぞれ該中空糸膜の内径および外径とした。
(2−1)平板の厚みの測定方法
ダイヤルゲージ(尾崎製作所社製:PEACOCK No.25)を用いて測定し、数平均値として得られる平均厚みLp(μm)を、該平膜の膜厚とした。
(2−2)中空糸膜の厚みの測定方法
上記で求めた中空糸膜の平均内径rおよび平均外径Rを用いて、数式(R−r)/2に従って得られる中空糸膜の平均厚みLh(mm)を、該中空糸膜の膜厚とした。
(3−1)平板の空隙率(支持層および透過膜を含む)
平膜から5cm×5cmの試験片を切り取り、その質量G(g)を測定した。上述で得られた平均厚みLp(μm)および質量平均密度ρ(g/cm)を用いて、空隙率を下記式(1)により求めた。
空隙率(%)={1−G/52/ρ/(Lp×10−4)}×100 式(1)
式(1)中の質量平均密度ρは、平膜の質量Gと、平膜を構成する塩素化塩ビ、ポリエステル、およびポリプロピレンの質量密度と、平膜の目付と、から算出される質量平均密度である。
(3−2)中空糸膜の空隙率(支持層および透過膜を含む)
中空糸膜における複合膜の空隙率は、下記式(2)より求めた。
空隙率(%)=(1−G/ρ/V)×100 式(2)
上記数式中のGは、中空糸膜の質量(g)である。ρは、中空糸膜を構成するポリマーの密度(g/cm)である。Vは、中空糸膜の膜部の体積(cm)であり、上述により測定した中空糸膜の外径、前述により測定した中空糸膜の膜部の平均厚み、ならびに中空糸膜の長さ(70cm)および本数(10本)から算出した。
(4)支持層の厚み、半透膜層の厚み、および複合膜の孔径の測定方法
塩素化塩ビ支持層の平均厚みと、半透膜層(ポリアミド層)の平均厚み、複合膜(支持層)に存在する孔径は、TEM画像から測定した。測定装置として日本電子社製の走査型電子顕微鏡(型式:JEM-2100)を用い、加速電圧200kVの条件下で観察し、TEM像を得た。得られたTEM像から、塩素化塩ビ支持層の平均厚み、ポリアミド半透膜層の平均厚み、複合膜(支持層)に存在する孔径と、をそれぞれ測定した。
[正浸透処理試験]
実験室レベルの循環濾過ユニットに基づき、複合膜の正浸透性能を評価した。膜は、膜の方向に応じて2つのモードで試験した。
(1)PROモード:駆動溶液がポリアミド層に面する。
(2)FOモード:原水が、ポリアミド層に面する。
(試験条件)
温度:RPOモードは室温で行った(23±0.5℃)。
FOモードは室温で行った(23±0.5℃)。
供給原料:導電性が1.0μS未満の超純水
駆動溶液:濃縮されたNaCl溶液(0.5M、1.0M、1.5M、2.0M)
導電性測定:水濾過流束Jvを、所定の時間間隔(20分)で、供給する溶液の質量と導電性を測定することによって特定した。
水濾過流束(Jv、L/m/h、略称LMH):供給原料又は駆動溶液の体積変動から計算した:
v = ΔV/(AΔt) (3)
ここでΔV(L)は、所定の時間Δt(時間)にわたって、FOモード持続下で集めた透過水である。Aは、膜の有効表面積(m2)である。
供給水における塩の濃度:単一の塩溶液についての較正曲線を用いた導電性測定から特定した。
[膜強度強化試験]
膜の内外圧の強度試験は、それぞれ膜内側と外側に手押しポンプで水圧を印加し続け、膜の破壊時の水圧を膜の強度とした。なお、試験水の温度は、23℃で行った。
正浸透処理試験は、下記表2に示した評価基準に基づき、評価項目が△以上のものを実用上問題ないと判断した。
Figure 2019103964
(試験評価結果)
表3に示すように、各実施例の複合膜は、各比較例の複合膜と対比し、高い膜強度を有しつつも、高い濾過流束を有することが確認された。
Figure 2019103964

Claims (11)

  1. 塩素化度が45〜80質量%の樹脂材料からなる支持層と、半透膜層とを有する、複合膜。
  2. 前記樹脂材料が塩素化塩化ビニル樹脂である、請求項1に記載の複合膜。
  3. 前記半透膜層はポリアミド層である、請求項1又は2に記載の複合膜。
  4. 空隙率が30〜90%である、請求項1〜3の何れか1項に記載の複合膜。
  5. 前記半透膜層の厚みは0.05〜3μmである、請求項1〜4の何れか1項に記載の複合膜。
  6. 前記支持層の厚みに対する前記半透膜層の厚みの比率が2.5×10−3〜2%である、請求項1〜5の何れか1項に記載の複合膜。
  7. 中空糸形状である、請求項1〜6の何れか1項に記載の複合膜。
  8. 前記半透膜層は、前記支持層の外側表面又は内側表面に設けられる、請求項7に記載の複合膜。
  9. 前記中空糸形状における幅方向断面の外径が1〜10mm、厚みが0.1〜2mmである、請求項7又は8に記載の複合膜。
  10. 正浸透膜及び逆浸透膜からなる群より選択される1種以上である、請求項10に記載の複合膜。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の複合膜を有する膜処理モジュール。
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