JP2019103440A - 発酵麦芽飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観最終発酵度が高められた発酵麦芽飲料において、渋味等を目立たせること無く、軽快さとボディ感を兼ね備えた発酵麦芽飲料及びその製造方法を提供すること。【解決手段】発酵麦芽飲料は、外観最終発酵度が88〜98%であり、苦味価が20〜30B.U.であり、イソα酸を含有し、イソα酸の総量に対するイソコフムロンの割合が35質量%〜45質量%である。【選択図】なし

Description

本発明は、発酵麦芽飲料及びその製造方法に関する。
発酵麦芽飲料においては、軽快な(不快な後味が残らずキレが感じられる)飲料についての需要が存在する。軽快な味を有する発酵麦芽飲料を得るために、外観最終発酵度を高める(例えば、88%以上にする)ことが考えられる。しかしながら、単に外観最終発酵度を高めると、ボディ感(コク)が損なわれ、水っぽい飲料になりやすい。
上記に関連して、特許文献1(特許第6170206号)には、コクとキレのバランスに優れたビールテイスト飲料を提供するための技術が開示されている。特許文献1には、外観最終発酵度が95%〜105%であり、特定のアミノ酸濃度を有し、特定の麦芽使用比率を有し、糖質含量が3.0g/100mL以下であるビールテイスト飲料が開示されている。
特許第6170206号
特許文献1に記載された技術では、アミノ酸濃度などを調整することにより、コクとキレのバランスが調整されている。これに対して、本願発明者は、外観最終発酵度が高められた飲料において、苦味価を増加させることによりボディ感を付与することを試みている。しかしながら、単に苦味価を増加させると、香味のバランスが悪くなり、渋味等が目立つようになってしまう。また、元々の狙いである軽快さも損なわれやすい。
そこで、本発明の課題は、外観最終発酵度が高められた発酵麦芽飲料において、渋味等を目立たせること無く、軽快さを損なうことなく、ボディ感を付与することができる、発酵麦芽飲料及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の事項を含んでいる。
〔1〕外観最終発酵度が88〜98%であり、苦味価が20〜30B.U.であり、イソα酸を含有し、イソα酸の総量に対するイソコフムロンの割合が35〜45質量%である、発酵麦芽飲料。
〔2〕原麦汁エキスが8質量%以上16質量%以下である、前記〔1〕に記載の発酵麦芽飲料。
〔3〕ポリフェノール濃度が、200ppm以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の発酵麦芽飲料。
〔4〕ホップ又はホップ抽出物を含有する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
〔5〕アルコール度数が3〜10容量%である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
〔6〕麦芽使用比率が25%以上である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
〔7〕糖質含有量が1.0〜5.0g/100mLである、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
〔8〕外観最終発酵度が88〜98%である麦汁を調製する工程と、前記麦汁の苦味価を、20〜30B.U.になるように調整する工程と、前記麦汁に、イソα酸の総量に対するイソコフムロンの割合が35〜45質量%になるように、イソα酸を含有させる工程と、前記麦汁を発酵させる工程とを備える、発酵麦芽飲料の製造方法。
本発明によれば、外観最終発酵度が高められた発酵麦芽飲料において、渋味等を目立たせること無く、軽快さを損なうことなく、ボディ感を付与することができる、発酵麦芽飲料及びその製造方法が提供される。
以下、本発明の実施態様について説明する。
本発明の実施態様に係る発酵麦芽飲料は、88〜98%の外観最終発酵度、及び20〜30B.U.の苦味価を有する。また、この発酵麦芽飲料は、イソα酸を含有し、イソα酸の総量に対するイソコフムロンの割合(以下、イソコフムロン比率という)が35%〜45質量%である。本実施態様に係る発酵麦芽飲料によれば、特定の外観最終発酵度を有し、特定の苦味価を有する発酵麦芽飲料において、特定のイソコフムロン比率を採用することによって、軽快さとボディ感とが両立し、かつ、渋みが抑制された飲料を得ることができる。
以下、本実施態様に係る発酵麦芽飲料について詳述する。
本発明において、「発酵麦芽飲料」とは、麦芽を含む植物原料の糖化物(以下、麦汁)を発酵させて得られる飲料である。
発酵麦芽飲料は、アルコール(エタノール)度数が1容量%以上であるアルコール飲料であってもよく、アルコール度数が1容量%未満であるいわゆるノンアルコール飲料又はローアルコール飲料であってもよい。但し、好ましくは、発酵麦芽飲料はアルコール飲料である。アルコール度数は、より好ましくは3〜10容量%、更に好ましくは4〜6容量%である。
発酵麦芽飲料の原料である植物原料中には、麦芽以外の植物が含まれていてもよい。麦芽以外の原料としては、例えば、大麦;米、トウモロコシ、大豆等の豆類;及びイモ類などが挙げられる。より好ましくは、麦芽以外の原料として、大麦、及びコーンスターチ等のトウモロコシが挙げられる。発酵麦芽飲料の麦芽使用比率は、好ましくは25%以上、より好ましくは40%以上である。更に好ましくは40%〜60%である。最も好ましくは40%〜49%である。
尚、麦芽使用比率とは、水を除く全原料に対する麦芽の割合(質量%)である。
既述のように、発酵麦芽飲料の外観最終発酵度は、88〜98%である。
外観最終発酵度とは、発酵前の麦汁に含まれる全糖濃度のうち、酵母がアルコール発酵の栄養源として消費できる糖濃度の占める割合を意味する。外観最終発酵度が88〜98%であることにより、軽快な味を有する飲料を得ることができる。尚、外観最終発酵度は、好ましくは89〜97%、より好ましくは90〜96%、更に好ましくは91〜95%である。
外観最終発酵度「Vs end」は、例えば下記式1により、求めることができる。
(式1):Vs end (%) =100×(P-Es end)/P
ここで、式1中、「Es end」は、酵母が消費可能な残存糖分を酵母添加によって全て消費させた場合の、発酵麦芽飲料の外観エキスを示す。外観エキスは、例えば、「BCOJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版)」に記載されるように、下記式2によって求めることができる。
(式2):Es end = -460.234 + 662.649×SGEA-202.414×SGEA 2
尚、式2において、SGEAは、ガス抜き飲料の比重である。
また、式1中、「P」は、原麦汁エキスであり、「BCOJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版)」に記載された方法により、求めることができる。
尚、外観エキス「Es end」は、原麦汁エキス「P」よりも大きな値になることがあるため、外観最終発酵度が100%を超える場合があることにも留意されたい。
外観最終発酵度は、例えば、麦汁を調製する際の糖化条件、糖化時における酵素の使用有無、及び、原材料の種類や配合量などを調整することにより、制御することができる。例えば、糖化時間を長くすること、酵素の使用により糖化反応を促進させること、等により、酵母が使用する事ができる糖濃度を高めることができ、外観最終発酵度を高めることができる。
既述のように、発酵麦芽飲料は、20〜30B.U.の苦味価を有する。
「苦味価」とは、イソフムロンを主成分とするホップ由来物質群により与えられる苦味の指標である。苦味価が20〜30B.U.であることにより、軽快さを損なうことなく、飲料にボディ感を付与することができる。苦味価は、好ましくは21〜28B.U.、より好ましくは22〜26B.U.である。
苦味価は、例えばEBC法(ビール酒造組合:「ビール分析法」8.15、1990年)により測定することができる。
苦味価は、例えば、発酵麦芽飲料にホップ又はホップ抽出物を含有させることにより、調整することができる。
本実施形態に係る発酵麦芽飲料には、イソα酸が含まれる。イソα酸は、主にホップ又はホップ抽出物由来の成分である。詳細には、ホップ及びホップ抽出物中には、α酸が含まれる。発酵麦芽飲料には、このα酸がイソ化したイソα酸が含まれる。これが発酵麦芽飲料の苦味成分となる。イソα酸としては、具体的には、イソコソフムロン、ノルマルイソフムロン、及びアドイソフムロンが知られており、これらの成分には、それぞれにつき、cis体とtrans体が存在する。
ここで、発酵麦芽飲料において、イソα酸の総量に対するイソコフムロンの割合、すなわちイソコフムロン比率は、35〜45質量%である。イソコフムロン比率がこのような範囲にあることで、渋味を抑えつつも、発酵麦芽飲料にボディ感を付与することができる。イソコフムロン比率は、より好ましくは36〜44質量%、更に好ましくは37〜44質量%である。
イソコフムロン比率は、例えば、ホップの品種ごとに、イソコフムロン及びそれ以外のイソα酸の含有量を測定して、イソコフムロン比率が所定の値になるような品種のホップを選択することにより、調整することができる。例えば、ホップの品種としては、信州早生種、ヘラクレス種、ザーツ種、スパルトセレクト種、ペルレ種、ノーザンブリュワー種、ヘルスブルッカー種、ハラタウミッテルフリュワー種、ハラタウトラディション種、テットナング種、ナゲット種、ガリーナ種、ウィラメット種、カスケード種、モツウエカ種、サミット種、パシフィックジェム種、ブリオン種、ブリューワーズゴールド種、チヌーク種、クラスター種、イーストケントゴールディング種、ファグルス種、ハレトウ種、マウントフッド種、カリプソ種及びスティリアン種からなる群から選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。
或いは、慣用のホップ又はホップ抽出物に加えて、イソコフムロン、ノルマルイソフムロン、又はアドイソフムロンを精製又は粗精製した製剤を使用することにより、イソコフムロンの割合を調整することもできる。
但し、好ましい態様では、所定のイソコフムロン比率が得られるように複数の品種のホップが使用される。より好ましくは、ホップとして、信州早生種、カリプソ種、ペルレ種、ヘラクレス種、カスケード種、サミット種、クラスター種、ブリューワーズゴールド種からなる群から選ばれるいずれかの組み合わせが使用される。
発酵麦芽飲料中のイソコフムロン比率は、次の式に従って求めることができる。
(式):イソコフムロン比率=(イソコフムロン濃度)/(イソフムロン濃度+イソコフムロン濃度+イソアドフムロン濃度)×100(%)
イソフムロン濃度、イソアドフムロン濃度、およびイソコフムロン濃度は、例えば、以下のように分析、定量する。
炭酸ガスを抜いた発酵麦芽飲料10gに3N塩酸 1mlを添加し、試料をガラスバイアルに入れる。更に、20mlのイソオクタン液を添加し、振とう後、遠心分離し、イソオクタン層を得る。そしてイソオクタン層を、例えば下記の条件で逆相HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により分析する。
<逆相HPLCの条件>
分離モジュール:1200シリーズ(アジレント・テクノロジーズ社製)
UV検出器:(アジレント・テクノロジーズ社製)
カラム:A250×4.6mm i.d.カラム(XBridge Phenyl、5μ、ウォーターズ社製)
カラム温度:40℃
注入量:40μL
検出波長:275nm
移動相A:1.0%ギ酸水溶液
移動相B:1.0%ギ酸−アセトニトリル溶液
<グラジエント条件>
流速:0.9ml/min
40%B液(0〜40min)→55%B液(40〜40.1min)→100%B液→100%B液(40.1〜50min)
イソフムロン、イソアドフムロン、およびイソコフムロン濃度は、得られたクロマトグラフのピーク面積から求めることができる。ピーク面積からの定量方法は、面積百分率法によってもよく、濃度既知の標準品のピーク面積との比から求めてもよい。
本実施形態に係る発酵麦芽飲料は、原麦汁エキスが8質量%以上16質量%以下である麦汁から得られた飲料であることが好ましい。原麦汁エキスは、麦汁の濃さを示す指標である。原麦汁エキスは、より好ましくは9〜15質量%、更に好ましくは10〜12質量%である。原麦汁エキスは、既述のように、「BCOJビール分析法(日本醸造協会発酵、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版)」に記載された方法により、求めることができる。
本実施形態に係る発酵麦芽飲料は、ポリフェノール濃度が200ppm以下であることが好ましい。一般的に、発酵麦芽飲料には、麦芽等の植物原料由来のポリフェノールが含まれている。ポリフェノールは、渋味の原因となる。ポリフェノール濃度が200ppm以下であることにより、渋味を抑制することができる。
尚、ポリフェノール濃度は、例えば、ポリフェノールを吸着する機能を有する濾過助剤材を用いて飲料を濾過することにより、200ppm以下に低減させることができる。好ましくは、そのような濾過助剤として、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)が挙げられる。
ポリフェノール濃度は、より好ましくは30〜180ppm、更に好ましくは60〜160ppmである。
発酵麦芽飲料中の総ポリフェノール濃度は、EBC(European Brewery Convention)のAnalytica−EBC標準法(9.11)に従って分析することができる。
発酵麦芽飲料の糖質含有量は、特に限定されるものではないが、通常のビールと当程度の値とすることができる。糖質含有量は、例えば1.0〜5.0g/100mL、好ましくは1.5〜4.5g/100mL、より好ましくは2.0〜4.0g/100mL、更に好ましくは2.0〜3.5g/100mLである。
尚、本明細書において、糖質とは、食物繊維ではない炭水化物をいう。
本発明に係る発酵麦芽飲料には、必要に応じて、食物繊維、pH調整剤、苦味料、酸味料、甘味料、香料等の添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤の含有量については、これらの添加剤について、慣用されている量を採用すればよい。
(発酵麦芽飲料の製造方法)
続いて、本実施態様に係る発酵麦芽飲料の製造方法の一例について説明する。
まず、麦芽の粉砕物を原料として用意する。必要に応じて、副原料として、米やコーンスターチ等のデンプン質材料を混合する。次いで、原料に温水を加えて混合し、加温する。これにより、主に麦芽の酵素により、原料を糖化させ、糖化液を麦汁として得る。糖化処理は、所定の外観最終発酵度が得られるような条件で行われる。尚、糖化時間を長くする、或いは、麦芽とは別に酵素を添加して糖化反応を促進させることにより、外観最終発酵度を高めることができる。酵素としては、例えば、グルコアミラーゼが挙げられる。
得られた麦汁を濾過する。濾過後、麦汁にホップ又はホップ抽出物を所定量添加する。ホップの添加後、煮沸釜において麦汁を煮沸する。麦汁を煮沸することにより、ホップ又はホップ抽出物に含まれるα酸がイソα酸に一部変化する。
尚、ホップ又はホップ抽出物は、麦汁の煮沸中に添加されてもよい。ホップ又はホップ抽出物の添加量や添加タイミングは、所定の苦味価が得られるように調整される。
煮沸後、麦汁を沈殿槽(ワールプール等と呼ばれる)に移送し、ホップ粕等の沈殿物を除去する。沈殿物の除去後、熱交換器(プレートクーラー)により、適切な発酵温度にまで冷却する。
冷却後、麦汁に酵母を接種して発酵させる。更に、発酵後、必要に応じて発酵液を熟成させる。その後、発酵液を濾過し、目的の発酵麦芽飲料が得られる。
尚、濾過工程においては、好ましくは、ポリフェノール濃度が200ppm以下になるように、濾過助剤としてポリビニルポリピロリドン(PVPP)が使用される。
(実施例1)
麦芽19kg、大麦11kgを50℃、120Lの湯と混合し、タンパク分解させた後に、10kgのコーンスターチを液化させた原料と混合して、植物原料の水溶液を調製した。また、酵素としてグルコアミラーゼを添加した。この水溶液を糖化し、次いで、76℃で酵素失活を行い、麦汁を得た。
次いで、麦汁を濾過した。濾過後、麦汁を煮沸釜に入れ、180Lになるように水を加えた後、ホップを添加した。ホップとしては、ヘラクレス種のホップエキス15g、信州早生種のホップペレット30g、ペルレ種のホップペレット60g、サミット種のホップペレット10gの組み合わせを用いた。ホップの添加後、60分間煮沸し、濃度調整のために湯を添加して、200Lの麦汁を得た。その後、ワールプール(旋回分離槽)で固液分離した。固液分離後、熱交換器によって麦汁を冷却した。冷却後、麦汁に酵母を添加し、発酵させた。発酵後の液を濾過し、実施例1に係る発酵麦芽飲料を得た。
得られた発酵麦芽飲料のアルコール度数は4〜6容量%であった。苦味価は、24.5B.U.であった。糖質含有量は、2.0〜3.5g/100mLであった。ポリフェノール濃度は、100〜140ppmの範囲内であった。イソコフムロン比率は、39.6質量%であった。外観最終発酵度は、93.1%であった。また、原麦汁エキスは、10〜12%であった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、実施例2に係る発酵麦芽飲料を得た。但し、ホップの添加量を変更することにより、イソコフムロン比率を調整した。具体的には、ヘラクレス種のホップエキス15g、信州早生種のホップペレット15g、ペルレ種のホップペレット60g、サミット種のホップペレット20gの組み合わせを用いた。
(実施例3)
実施例1と同様の方法により、実施例3に係る発酵麦芽飲料を得た。但し、ホップの添加量を変更することにより、イソコフムロン比率を調整した。具体的には、ヘラクレス種のホップエキス15g、信州早生種のホップペレット45g、ペルレ種のホップペレット60g、サミット種のホップペレット5gの組み合わせを用いた。
(比較例1)
実施例1と同様の方法により、比較例1に係る発酵麦芽飲料を得た。但し、糖化工程における糖化時間を短くすることにより、外観最終発酵度を87.5%となるように調整した。
(比較例2)
実施例1と同様の方法により、比較例2に係る発酵麦芽飲料を得た。但し、ホップの添加量を変更することにより、苦味価を16.0に調整した。具体的には、ホップとして、ヘラクレス種のホップエキス10g、信州早生種のホップペレット18g、ペルレ種のホップペレット38g、サミット種のホップペレット10gの組み合わせを用いた。
(比較例3)
実施例1と同様の方法により、比較例3に係る発酵麦芽飲料を得た。但し、ホップの品種を変更することにより、イソコフムロン比率を調整した。具体的には、ホップとして、ナゲット種のホップエキス15g、信州早生種のホップペレット30g、ペルレ種のホップペレット60g、サフィア種のホップペレット20gの組み合わせを用いた。
(比較例4)
実施例1と同様の方法により、比較例4に係る発酵麦芽飲料を得た。但し、使用したホップを変更することにより、イソコフムロン比率及び苦味価を低減させた。具体的には、ホップとして、ナゲット種のホップエキス10g、信州早生種のホップペレット18g、ペルレ種のホップペレット38g、サフィア種のホップペレット20gの組み合わせを用いた。
(官能評価)
得られた実施例1及び比較例1乃至4に係る発酵麦芽飲料について、5名の専門パネルにより、官能検査を行った。評価項目は、軽快さ、ボディ感、渋味のなさ、及び総合評価(ビール香味の良さ)とした。
軽快さ、ボディ感、渋味のなさについては、それぞれ、〇、△、×の3段階で評価を行った。各評価項目の基準は以下の通りとした。
[軽快さ]
〇:軽快である。
△:あまり軽快ではない。
×:軽快ではない。(不快な後味が残る。)
[ボディ感]
〇:ボディ感がある。
△:あまりボディ感がない。(やや水っぽい。)
×:ボディ感がない。(水っぽい。)
[渋味のなさ]
〇:渋味が感じられない。
△:やや渋味が感じられる。
×:不快な渋味を感じる。
また、総合評価については、軽快さ、ボディ感、渋味のなさを踏まえて、1、2、3、4、5の5段階で評価を行った。値が大きい程、総合評価が良好であることを示す。
結果を、外観最終発酵度、苦味価、イソコフムロン比率と併せて、下記表1に示す。
Figure 2019103440
表1に示されるように、実施例1〜3に係る飲料においては、軽快さ、ボディ感、及び渋みのなさのいずれの項目においても優れており、比較例1乃至4よりも総合評価が高かった。特に、実施例1に係る飲料が、最も総合評価が高かった。
一方、外観最終発酵度が88%未満である比較例1に係る飲料では、軽快さが得られなかった。
また、苦味価が20B.U.未満である比較例2に係る飲料は、ボディ感が損なわれ、水っぽい味の飲料であった。
イソコフムロン比率が35%未満である比較例3に係る飲料は、軽快さが損なわれ、渋味や雑味が目立っていた。
苦味価が20B.U.未満であり、イソコフムロン比率が35%未満である比較例4に係る飲料は、軽快さ、ボディ感、渋味のなさのいずれの項目においても、実施例1乃至3よりも劣っていた。
以上の結果から、外観最終発酵度が88〜89%であり、苦味価が20〜30B.U.であり、イソコフムロン比率が35質量%〜45質量%である飲料において、渋味などを目立たせること無く、軽快さとボディ感とを両立できることが理解できる。

Claims (8)

  1. 外観最終発酵度が88〜98%であり、
    苦味価が20〜30B.U.であり、
    イソα酸を含有し、
    イソα酸の総量に対するイソコフムロンの割合が35〜45質量%である、発酵麦芽飲料。
  2. 原麦汁エキスが8質量%以上16質量%以下である、請求項1に記載の発酵麦芽飲料。
  3. ポリフェノール濃度が、200ppm以下である、請求項1又は2に記載の発酵麦芽飲料。
  4. ホップ又はホップ抽出物を含有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
  5. アルコール度数が3〜10容量%である、請求項1乃至4のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
  6. 麦芽使用比率が25%以上である、請求項1乃至5のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
  7. 糖質含有量が1.0〜5.0g/100mLである、請求項1乃至6のいずれかに記載の発酵麦芽飲料。
  8. 外観最終発酵度が88〜98%である麦汁を調製する工程と、
    前記麦汁の苦味価を、20〜30B.U.になるように調整する工程と、
    前記麦汁に、イソα酸の総量に対するイソコフムロンの割合が35〜45質量%になるように、イソα酸を含有させる工程と、
    前記麦汁を発酵させる工程と、
    を備える、発酵麦芽飲料の製造方法。
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