JP2019103279A - 車両用モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストに走行環境に合わせて精度良く左右駆動輪のトルクを制御することができる車両用モータ制御装置を提供すること【解決手段】ステータ21の両側のアキシャル面に所定のギャップを介して第1ロータ22及び第2ロータ23を配置したモータ2と、第1ロータ22及び第2ロータ23を一つのロータとして、この一つのロータを制御する制御量を求め、第1ロータ22及び第2ロータ23のいずれか一方のロータを一つのロータとして第1ロータ22及び第2ロータ23を一つのロータとしたときの制御量に基づいて一方のロータの制御量を求め、この一方のロータの制御量に基づいてモータ2を駆動する三相交流電圧を求めてモータ2を制御するECU5と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用モータ制御装置に関する。
特許文献1には、左右駆動輪に連結され、それぞれを独立に駆動する複数の誘導モータと、各誘導モータを共通に駆動するインバータと、を備え、左右の誘導モータの回転速度の差に基づいて、インバータが左右の誘導モータを駆動するときの一次電流値Iと駆動周波数ωを求める電気自動車が記載されている。
具体的には、各誘導モータが負担するトルクと左右の誘導モータの回転速度の差をもとにマップにより一次電流値Iを求める。
各誘導モータが負担するトルクと左右の誘導モータの回転速度の差をもとにマップによりスベリ速度を求め、スベリ速度と誘導モータの回転速度から駆動電流回転速度を演算し、駆動電流回転速度と誘導モータの極数から駆動周波数ωを演算する。
一次電流値Iを求めるマップやスベリ速度を求めるマップは、車両毎に所望の出力を得るための各種パラメータを実測する試験を行なって作成される。そのように作成されたマップをメモリ内に格納しておき、走行時に適宜読み出して制御処理に使用されるようになっている。
特許第4348783号公報
しかしながら、このようなマップは、一次電流値Iやスベリ速度などの制御値を算出可能な程度の間隔でマップとして展開するものである。ここで、マップの制御値の間隔を大きくしてしまうと、補完精度が低下してしまい、高精度なトルク制御ができなくなる。一方、マップの制御値の間隔を小さくすると、マップを作成してメモリ内に格納する作業が膨大になってしまい、実測実験に時間が掛かるとともに、大容量のメモリが必要になってコストが高くなってしまう。
また、あらゆる状況下でのマップを準備することはできないので、ロバスト性を高く維持することが難しい。
そこで、本発明は、低コストに走行環境に合わせて精度良く左右駆動輪のトルクを制御することができる車両用モータ制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため本発明は、互いに異なる回転速度で回転可能に設けられた二つのロータを有し、前記二つのロータが左右駆動輪にそれぞれ連結され、共通する回転磁界により駆動される誘導モータを制御する車両用モータ制御装置であって、前記二つのロータを一つのロータとして該一つのロータを制御する制御量を求め、前記二つのロータのいずれか一方のロータを一つのロータとして前記二つのロータを一つのロータとしたときの制御量に基づいて前記一方のロータの制御量を求め、該一方のロータの制御量に基づいて前記共通する回転磁界を制御する制御量を求めて前記誘導モータを制御する制御部を備えるものである。
このように、本発明によれば、低コストに走行環境に合わせて精度良く左右駆動輪のトルクを制御することができる。
図1は、本発明の一実施例に係る車両用モータ制御装置の概略構成図である。 図2は、本発明の一実施例に係る車両用モータのステータの斜視図である。 図3は、本発明の一実施例に係る車両用モータのロータの斜視図である。 図4は、本発明の一実施例に係る車両用モータのステータとロータの切断斜視図である。 図5は、車両旋回時の状態を示す図である。 図6は、本発明の一実施例に係る車両用モータの等価回路を示す図である。 図7は、本発明の一実施例に係る車両用モータ制御装置の制御系のブロック図である。 図8は、本発明の一実施例の他の態様に係る車両用モータ制御装置の制御系のブロック図である。
本発明の一実施の形態に係る車両用モータ制御装置は、互いに異なる回転速度で回転可能に設けられた二つのロータを有し、二つのロータが左右駆動輪にそれぞれ連結され、共通する回転磁界により駆動される誘導モータを制御する車両用モータ制御装置であって、二つのロータを一つのロータとして一つのロータを制御する制御量を求め、二つのロータのいずれか一方のロータを一つのロータとして二つのロータを一つのロータとしたときの制御量に基づいて一方のロータの制御量を求め、一方のロータの制御量に基づいて共通する回転磁界を制御する制御量を求めて誘導モータを制御する制御部を備えるよう構成されている。
これにより、低コストに走行環境に合わせて精度良く左右駆動輪のトルクを制御することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る車両用モータ制御装置について詳細に説明する。
図1において、本発明の一実施例に係る車両用モータ制御装置を搭載した車両1は、誘導電動機としてのモータ2と、インバータ3と、バッテリ4と、制御部としてのECU(Electronic Control Unit)5とを備えている。
モータ2は、円環状のステータ21と、円盤状の第1ロータ22と、円盤状の第2ロータ23とを備えている。モータ2は、ステータ21の両側のアキシャル面に、それぞれ第1ロータ22と第2ロータ23の片面を対向させて構成されている。
第1ロータ22は、ステータ21と対向する面と反対側の面において、面の中心に面と垂直に第1出力軸24が連結されている。第1ロータ22は、第1出力軸24を回転軸として回転するようになっている。
第1出力軸24は、左駆動輪61に連結されている。左駆動輪61は、第1ロータ22の回転により回転するようになっている。
第2ロータ23は、ステータ21と対向する面と反対側の面において、面の中心に面と垂直に第2出力軸25が連結されている。第2ロータ23は、第2出力軸25を回転軸として回転するようになっている。
第2出力軸25は、右駆動輪62に連結されている。右駆動輪62は、第2ロータ23の回転により回転するようになっている。第1ロータ22及び第2ロータ23は、ギア等を介してそれぞれ第1出力軸24または第2出力軸25に接続されるようにしてもよい。
第1出力軸24と第2出力軸25は直結されておらず、第1ロータ22と第2ロータ23は独立した回転速度で回転可能となっている。第1出力軸24と第2出力軸25の回転中心は、ステータ21の中心を通る、ステータ21のアキシャル面と垂直に交わる直線(中心線)と一致するようになっている。
図2に示すように、ステータ21は、環状のステータコア211と、このステータコア211に巻回された電機子コイル212とを備えている。ステータコア211は、高透磁率の磁性材料からなる。
ステータコア211は、不図示の環状のステータヨークと、このステータヨークに周方向に所定間隔で設けられた複数のステータティース213とから構成されている。
なお、「周方向」とは、中心線を中心とする円周方向を示す。また、「軸方向」とは、中心線が延伸する方向を示す。
また、「径方向」とは、中心線が延伸する方向に直交する方向であり、中心線を中心として放射方向に示される。「径方向の外側」とは、径方向において中心線から遠い側のことであり、「径方向の内側」とは、径方向において中心線に近い側のことである。
ステータティース213は、ステータヨークの表面から突出しており、軸方向から見て台形、かつ、周方向の断面が矩形の形状に形成されている。本実施例では、ステータティース213は、ステータヨークに周方向に所定間隔で36個設けられている。
電機子コイル212は、ステータコア211の隣り合うステータティース213の間をスロットとして、環状のステータヨークにトロイダル巻で巻き回されている。トロイダル巻とは、ステータヨークの環の内側と外側を交互に通って、ステータヨークに巻線を周回させて巻き回す方法である。
このように、トロイダル巻にすることで、コイルエンドを径方向内側に集中させてコイルエンドを小さくすることができ、モータ2を小型化することができる。コイルエンドを径方向内側に集中させることで、径方向外側に熱経路を設けることができ、放熱性を向上させることができる。
電機子コイル212は、三相交流のU相、V相、W相の何れかに対応している。電機子コイル212は、分布巻でステータヨークに巻き回されている。電機子コイル212はトロイダル巻で形成されているので、コイルエンドを径方向内側に集中させることで、コイルエンドの結線を切り替えるだけで分布巻を形成することができる。
図3に示すように、第1ロータ22は、ロータコア221と、導体バー222とを備えている。ロータコア221のステータ21と対向する面には、ロータティース223が設けられている。ロータティース223は、ロータコア221から軸方向に突出するように形成されている。ロータティース223は、軸方向から見て台形に形成されている。ロータティース223は、周方向に所定間隔で設けられている。本実施例では、ロータティース223は、周方向に所定間隔で40個設けられている。
ロータコア221のロータティース223が形成された面には、導体バー222が全面に設けられている。導体バー222は、例えば、銅やアルミにより形成される。導体バー222は、ロータティース223の突出した先端の面が露出するように形成される。このように、第1ロータ22は、かご型誘導ロータとして構成される。
第2ロータ23は、ロータコア231と、導体バー232とを備えている。ロータコア231のステータ21と対向する面には、図では隠れているが、第1ロータ22と同様にロータティースが設けられている。
ロータコア231のロータティースが形成された面には、第1ロータ22と同様に、導体バー232が全面に設けられている。このように、第2ロータ23は、かご型誘導ロータとして構成される。
第1ロータ22及び第2ロータ23は、同じ構造(スロット数、ロータコア形状、導体バーの電気抵抗)で形成されている。
図4に示すように、第1ロータ22及び第2ロータ23は、ステータ21の両側のアキシャル面に所定のギャップを介して配置されている。
モータ2は、ステータ21の電機子コイル212に三相交流の電力が供給され、ステータ21に回転磁界が発生して、回転磁界とロータとの間で回転差が生じると、第1ロータ22の導体バー222及び第2ロータ23の導体バー232に誘導電流が発生し、その電流と回転する磁場の相互作用によって第1ロータ22及び第2ロータ23が回転する。すなわち、モータ2は、誘導電動機として構成される。
図1において、インバータ3は、バッテリ4の直流電力を三相交流電力に変換して電機子コイル212(図2参照)に供給する。また、インバータ3は、電機子コイル212で発生した三相交流電力を直流電力に変換してバッテリ4に充電する。
バッテリ4は、例えば、ニッケル蓄電池やリチウム蓄電池等からなり、複数のセルを直列に接続して構成されている。バッテリ4は、インバータ3を介してモータ2に電力を供給する。
ECU5は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
このコンピュータユニットのROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをECU5として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、ECU5として機能する。
ECU5の入力ポートには、アクセル開度センサ71、ブレーキ油圧センサ72、操舵角センサ73、車速センサ74、角速度センサ75、左駆動輪速センサ76、右駆動輪速センサ77、電流センサ78を含む各種センサ類が接続されている。
アクセル開度センサ71は、運転者によって操作される図示しないアクセルペダルの開度であるアクセル開度を検出する。
ブレーキ油圧センサ72は、例えば、ブレーキ操作により得られるブレーキ油圧に応じてセンサ情報(電圧信号)を出力するようになっており、ブレーキの踏込み量が大きくなるとセンサ情報の電圧が高くなるようになっている。ECU5は、このセンサ情報の電圧によりブレーキの操作量を検知するようになっている。
操舵角センサ73は、図示しないハンドルの操舵角を検出する。車速センサ74は、車両1の速度を検出する。角速度センサ75は、車両1の重心におけるヨーレートや横加速度を検出する。
左駆動輪速センサ76は、左駆動輪61に連結されている第1出力軸24の回転速度を検出する。右駆動輪速センサ77は、右駆動輪62に連結されている第2出力軸25の回転速度を検出する。
電流センサ78は、ステータ21の電機子コイル212に供給される三相交流のU相、V相、W相、それぞれの電流値を検出する。
一方、ECU5の出力ポートには、インバータ3を含む各種制御対象類が接続されている。
ECU5は、アクセル開度やブレーキ操作量に基づいて左駆動輪61と右駆動輪62の目標総トルクを算出する。ECU5は、目標総トルクに基づいて左駆動輪61の目標トルクと右駆動輪62の目標トルクを算出する。ECU5は、左駆動輪61の目標トルクと、右駆動輪62の目標トルクと、左駆動輪61の回転速度と、右駆動輪62の回転速度と、すべり−トルク特性と、からモータ2を駆動する基本波回転磁界の周波数(「駆動周波数」ともいう)及び電流指令値を求め、これらに基づいてインバータ3を制御してモータ2を駆動させる。
ECU5は、操舵角センサ73により運転者が車両1を旋回させようとしていることを検出すると、車両1を適切に旋回させるようにモータ2を制御する基本波回転磁界の周波数及び電流指令値を算出する。ECU5は、例えば、操舵角センサ73により検出した操舵角が所定の値を超えた場合に、運転者が車両1を旋回させようとしていると判定する。
図5に示すように、ECU5は、第1ロータ22の回転速度n1、第2ロータ23の回転速度n2、アクセル開度Ka、ブレーキ操作量Kb、操舵角δ、車速V、車両重心Gにおけるヨーレートγ、横加速度Ay、に基づいて、車両重心Gにおける目標ヨーレートγ*及び目標横加速度Ay *を算出する。
ECU5は、例えば、マップにより各検出値から車両重心Gにおける目標ヨーレートγ*及び目標横加速度Ay *を算出する。
ECU5は、目標ヨーレートγ*及び目標横加速度Ay *に基づいて、左駆動輪61と右駆動輪62とのトルク差ΔTにより車両1の重心G周りに与える目標ヨーモーメントMr *を算出する。
左駆動輪61と右駆動輪62に回転速度差が生じる車両1の旋回時において、例えば、横加速度Ayが目標横加速度Ay *より小さい場合や、ヨーレートγが目標ヨーレートγ*より小さい場合は、ヨーレートγと同方向の目標ヨーモーメントMr *が算出される。
一方、車両1の旋回時において、例えば、横加速度Ayが目標横加速度Ay *より大きい場合や、ヨーレートγが目標ヨーレートγ*より大きい場合は、ヨーレートγと逆方向の目標ヨーモーメントMr *が算出される。
ECU5は、目標ヨーモーメントMr *から左駆動輪61と右駆動輪62との目標トルク差ΔTr *を算出する。すなわち、ECU5は、第1ロータ22と第2ロータ23のトルク配分を算出する。
ECU5は、アクセル開度Kaやブレーキ操作量Kb基づいて左駆動輪61と右駆動輪62の目標総トルクΣTr *を算出する。例えば、アクセル開度Ka>0かつブレーキ操作量Kb=0の場合、目標総トルクΣTr *は駆動側(回転方向と同方向)に設定され、アクセル開度Kaの増加に対して目標総トルクΣTr *が駆動側に増やされる。
ECU5は、目標トルク差ΔTr *と目標総トルクΣTr *とに基づいて、左駆動輪61の目標トルクTrl *及び右駆動輪62の目標トルクTrr *を算出する。
ECU5は、第1ロータ22の回転速度n1と、第2ロータ23の回転速度n2との差に基づいて、s-T(すべり−トルク)特性から左駆動輪61の目標トルクTrl *、右駆動輪62の目標トルクTrr *を満たすモータ2の基本波回転磁界の周波数f0及び電流指令値A0を求め、これらに基づいてインバータ3を制御してモータ2を駆動させる。
本実施例のモータ2は、図6に示すような等価回路で表すことができる。図6の等価回路は、U相、V相、W相の一相分を示している。
図6において、V1は、一相分の印加電圧である。i1は、固定子電流である。i2は、回転子電流である。R1は、固定子抵抗である。X1は、固定子リアクタンスである。imは、励磁電流である。Xmは、励磁リアクタンスである。i21は、第1ロータ22の回転子電流である。i22は、第2ロータ23の回転子電流である。X21は、第1ロータ22の回転子リアクタンスである。X22は、第2ロータ23の回転子リアクタンスである。R21は、第1ロータ22の回転子抵抗である。R22は、第2ロータ23の回転子抵抗である。s1は、第1ロータ22のすべりである。s2は、第2ロータ23のすべりである。jは、虚数単位である。
本実施例においては、図6の2つのロータの並列磁気回路部分(図の右端から2つの並列回路)を合成インピーダンスとして1つのロータとしての制御量(例えば、電流値や電圧値など)を求める。2つのロータの一方に着目して他方のロータを励磁回路に近似して1つのロータとしての制御量から一方のロータの制御量を求め、一方のロータの制御量に基づいて電機子コイル212に供給する三相交流の電力を求める。
ECU5は、例えば、図7の制御ブロック図のようにして、モータ2の制御を行なう。このため、ECU5は、目標q軸電流算出部101、目標q軸電圧算出部102、目標d軸電流算出部103、目標d軸電圧算出部104、第1ロータ座標変換部105、第2ロータ座標変換部106、スイッチ107、目標δ軸電流算出部108、目標δ軸電圧算出部109、目標γ軸電流算出部110、目標γ軸電圧算出部111、スイッチ112、目標三相電圧算出部113、励磁磁束算出部114を備えている。
ECU5は、2つのロータのうち不安定領域において駆動するロータ、すなわち、2つのロータのうちすべりが大きいロータに着目して制御量を求める。スイッチ107、スイッチ112、スイッチ115は、不安定領域にあるロータの値が選択されるように制御される。図7では、第1ロータ22が不安定領域にある場合の状態を示している。ECU5は、例えば、旋回時の内輪側ロータに着目して制御量を求めるようにしてもよい。
目標q軸電流算出部101は、第1ロータ22及び第2ロータ23を1つのロータとして、以下の数1に示すシングルステータシングルロータの誘導機のトルク式に基づいて、目標q軸電流を算出する。
Figure 2019103279
ここで、L2は、二次自己インダクタンスである。Mは、一次二次間相互インダクタンスである。Imは、虚数部記号である。i1dqは、dq座標上の一次電流ベクトルである。ψ2dqは、dq座標上の二次磁束鎖交数ベクトルである。バーは、複素共役記号である。
目標q軸電流算出部101は、第1ロータ22の目標トルクT1refと第2ロータ23の目標トルクT2refとを加算した目標総トルクを二次側(第1ロータ22及び第2ロータ23)の目標磁束密度|ψ2refにより除算した値に(L21+L22)/Mを積算して目標q軸電流i1qrefを算出する。
ここで、L21は、第1ロータ22の自己インダクタンスである。L22は、第2ロータ23の自己インダクタンスである。Mは、第1ロータ22及び第2ロータ23を1つのロータとしたときの一次二次間相互インダクタンスである。第1ロータ22の目標トルクT1refは、上述の左駆動輪61の目標トルクTrl *である。第2ロータ23の目標トルクT2refは、上述の右駆動輪62の目標トルクTrr *である。
二次側の目標磁束密度|ψ2refは、上述のモータ2の基本波回転磁界の周波数f0や電流指令値A0などに基づいて算出される。
目標q軸電圧算出部102は、目標q軸電流i1qrefと、後述する励磁磁束算出部114の算出する現在のq軸電流iqと、の偏差から目標q軸電圧v1qrefを算出する。
目標d軸電流算出部103は、二次側の目標磁束密度|ψ2refと、後述する励磁磁束算出部114の算出する現在の二次側の磁束密度の推定値|ψ2^|と、の偏差から目標d軸電流i1drefを算出する。
目標d軸電圧算出部104は、目標d軸電流i1drefと、後述する励磁磁束算出部114の算出する現在のd軸電流idと、の偏差から目標d軸電圧v1drefを算出する。
第1ロータ座標変換部105は、第1ロータ22の角速度ωm1に基づいて、目標q軸電圧v1qrefと目標d軸電圧v1drefを第1ロータ22の回転座標系(「γ1δ1座標」とする)に座標変換し、γ1δ1座標での第1ロータ22の目標トルクT1refを算出する。
第1ロータ22の角速度ωm1は、左駆動輪速センサ76により検出された第1出力軸24の回転速度から算出される。
第2ロータ座標変換部106は、第2ロータ23の角速度ωm2に基づいて、目標q軸電圧v1qrefと目標d軸電圧v1drefを第2ロータ23の回転座標系(「γ2δ2座標」とする)に座標変換し、γ2δ2座標での第2ロータ23の目標トルクT2refを算出する。
第2ロータ23の角速度ωm2は、右駆動輪速センサ77により検出された第2出力軸25の回転速度から算出される。
目標δ軸電流算出部108は、スイッチ107により選択されたロータを1つのロータとし、他方のロータを励磁回路に近似して上述の数1に示すシングルステータシングルロータの誘導機のトルク式に基づいて、目標δ軸電流iδrefを算出する。
目標δ軸電流算出部108は、スイッチ107により選択されたロータ(図7では第1ロータ22)のγδ座標の目標トルクを他方のロータの目標磁束密度(図7では第2ロータ23の目標磁束密度|ψ22ref)により除算した値にL2x/Mを積算して目標δ軸電流iδrefを算出する。ここで、L2xは、スイッチ107により選択されたロータの自己インダクタンスである。
第1ロータ22の目標磁束密度|ψ21ref、第2ロータ23の目標磁束密度|ψ22refは、モータ2の基本波回転磁界の周波数f0や電流指令値A0、第1ロータ22の目標トルクT1ref、第2ロータ23の目標トルクT2refなどに基づいて算出される。
目標δ軸電圧算出部109は、目標δ軸電流iδrefと、後述する励磁磁束算出部114の算出する現在のδ軸電流iδと、の偏差から目標δ軸電圧vδrefを算出する。
目標γ軸電流算出部110は、他方のロータの目標磁束密度(図7では第2ロータ23の目標磁束密度|ψ22ref)と、後述する励磁磁束算出部114の算出する現在の他方のロータの磁束密度の推定値(図7では第2ロータ23の磁束密度の推定値|ψ22^|)と、の偏差から目標γ軸電流iγrefを算出する。
目標γ軸電圧算出部111は、目標γ軸電流iγrefと、後述する励磁磁束算出部114の算出する現在のγ軸電流iγと、の偏差から目標γ軸電圧vγrefを算出する。
目標三相電圧算出部113は、スイッチ112により選択されたロータの角速度(図7では第1ロータ22の角速度ωm1)に基づいて、目標δ軸電圧vδrefと目標γ軸電圧vγrefをdq座標に座標変換して、目標q軸電圧vqref及び目標d軸電圧vdrefを算出する。
目標三相電圧算出部113は、第1ロータ22の角速度ωm1と第2ロータ23の角速度ωm2を加算した値に基づいて、目標q軸電圧vqrefと目標d軸電圧vdrefをαβ座標に座標変換して、目標α軸電圧vα_ref及び目標β軸電圧vβ_refを算出する。
目標三相電圧算出部113は、目標α軸電圧vα_refと目標β軸電圧vβ_refから三相の目標電圧vu_ref、vv_ref、vw_refを算出し、インバータ3に指令値として送信する。
励磁磁束算出部114は、電流センサ78により検出された三相の電流値iu、iv、iwをαβ座標の電流値iα、iβに変換する。
励磁磁束算出部114は、第1ロータ22の角速度ωm1と第2ロータ23の角速度ωm2を加算した値に基づいて、αβ座標の電流値iα、iβをdq座標の電流値id、iqに変換する。
励磁磁束算出部114は、スイッチ112により選択されたロータの角速度(図7では第1ロータ22の角速度ωm1)に基づいて、dq座標の電流値id、iqをγδ座標の電流値iγ、iδに変換して出力する。
励磁磁束算出部114は、αβ座標の電流値iα、iβと第1ロータ22の角速度ωm1と第2ロータ23の角速度ωm2を加算した値に基づいて、現在の二次側の磁束密度の推定値|ψ2^|を算出して出力する。
励磁磁束算出部114は、γδ座標の電流値iγ、iδとスイッチ112により選択されたロータの角速度(図7では第1ロータ22の角速度ωm1)に基づいて、現在の他方のロータの磁束密度の推定値(図7では第2ロータ23の磁束密度の推定値|ψ22^|)を算出して出力する。
励磁磁束算出部114は、γδ座標の電流値iγ、iδとスイッチ112により選択されたロータの角速度(図7では第1ロータ22の角速度ωm1)に基づいて、dq座標の電流値id、iqを算出して出力する。
このように、2つのロータを1つのロータとして、目標q軸電流算出部101、目標q軸電圧算出部102、目標d軸電流算出部103、目標d軸電圧算出部104により制御量を求め、2つのロータの一方に着目して、第1ロータ座標変換部105、第2ロータ座標変換部106、目標δ軸電流算出部108、目標δ軸電圧算出部109、目標γ軸電流算出部110、目標γ軸電圧算出部111により1つのロータとしての制御量から一方のロータの制御量を求め、目標三相電圧算出部113により一方のロータの制御量を元の座標系に変換して電機子コイル212に供給する三相交流の電力を求める。これにより、走行環境に合わせて精度良く左右駆動輪のトルクを制御することができる。
また、2つのロータのうち不安定領域において駆動するロータを一方のロータとしているため、走行安定性を向上させることができる。
本実施例の他の態様としては、目標q軸電流i1qref、目標d軸電流i1dref、目標δ軸電流iδref、目標γ軸電流iγrefをマップにより算出する。
ECU5は、例えば、図8の制御ブロック図のようにして、モータ2の制御を行なう。なお、上述の実施例と同様な構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する。
ECU5は、目標dq軸電流算出部121、目標δ軸電流算出部122、スイッチ123、スイッチ124、目標γ軸電流算出部125、電流算出部126を備えている。
スイッチ123、スイッチ124は、不安定領域にあるロータの値が選択されるように制御される。図8では、第1ロータ22が不安定領域にある場合の状態を示している。
目標dq軸電流算出部121は、第1ロータ22の目標トルクT1refと第2ロータ23の目標トルクT2refとを加算した目標総トルクと、dq座標の目標角速度ω1と現在の角速度(第1ロータ22の角速度ωm1と第2ロータ23の角速度ωm2の和)の偏差と、から目標q軸電流i1qref及び目標d軸電流i1drefが決まるマップにより目標q軸電流i1qref及び目標d軸電流i1drefを算出する。
dq座標の目標角速度ω1は、モータ2の基本波回転磁界の周波数f0や電流指令値A0などに基づいて算出される。
目標δ軸電流算出部122は、スイッチ107により選択されたロータ(図8では第1ロータ22)のγδ座標の目標トルクと、スイッチ123により選択されたロータ(図8では第1ロータ22)の目標角速度と、から目標δ軸電流iδref及び目標γ軸電流iγrefが決まるマップにより目標δ軸電流iδrefを算出する。
第1ロータ22の目標角速度ωm1ref、第2ロータ23の目標角速度ωm2refは、モータ2の基本波回転磁界の周波数f0や電流指令値A0、第1ロータ22の目標トルクT1ref、第2ロータ23の目標トルクT2refなどに基づいて算出される。
目標γ軸電流算出部125は、スイッチ107により選択されたロータ(図8では第1ロータ22)のγδ座標の目標トルクと、スイッチ123により選択されたロータ(図8では第1ロータ22)の目標角速度と現在の角速度(スイッチ124により選択されたロータ(図8では第1ロータ22)の角速度)の偏差と、から目標δ軸電流iδref及び目標γ軸電流iγrefが決まるマップにより目標γ軸電流iγrefを算出する。
電流算出部126は、電流センサ78により検出された三相の電流値iu、iv、iwをαβ座標の電流値iα、iβに変換する。
電流算出部126は、第1ロータ22の角速度ωm1と第2ロータ23の角速度ωm2を加算した値に基づいて、αβ座標の電流値iα、iβをdq座標の電流値id、iqに変換する。
電流算出部126は、スイッチ112により選択されたロータの角速度(図8では第1ロータ22の角速度ωm1)に基づいて、dq座標の電流値id、iqをγδ座標の電流値iγ、iδに変換して出力する。
電流算出部126は、γδ座標の電流値iγ、iδとスイッチ112により選択されたロータの角速度(図8では第1ロータ22の角速度ωm1)に基づいて、dq座標の電流値id、iqを算出して出力する。
このように、本実施例の他の態様では、一部の数値をマップにより求めているため、制御システムをシンプルに構成することができる。
本実施例では、1つのステータで2つのロータを駆動する場合を示したが、2つの同様な構成のモータを1つのインバータで駆動させる場合にも同様に適用することができる。
また、本実施例では、各種センサ情報に基づきECUが各種の判定や算出を行なう例について説明したが、これに限らず、車両が外部サーバ等の車外装置と通信可能な通信部を備え、該通信部から送信された各種センサの検出情報に基づき車外装置によって各種の判定や算出が行なわれ、その判定結果や算出結果を通信部で受信して、その受信した判定結果や算出結果を用いて各種制御を行なってもよい。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 車両
2 モータ(誘導モータ)
3 インバータ
5 ECU(制御部)
22 第1ロータ
23 第2ロータ
101 目標q軸電流算出部
103 目標d軸電流算出部
105 第1ロータ座標変換部
106 第2ロータ座標変換部
108 目標δ軸電流算出部
110 目標γ軸電流算出部
113 目標三相電圧算出部
114 励磁磁束算出部
121 目標dq軸電流算出部
122 目標δ軸電流算出部
125 目標γ軸電流算出部
126 電流算出部

Claims (4)

  1. 互いに異なる回転速度で回転可能に設けられた二つのロータを有し、前記二つのロータが左右駆動輪にそれぞれ連結され、共通する回転磁界により駆動される誘導モータを制御する車両用モータ制御装置であって、
    前記二つのロータを一つのロータとして該一つのロータを制御する制御量を求め、前記二つのロータのいずれか一方のロータを一つのロータとして前記二つのロータを一つのロータとしたときの制御量に基づいて前記一方のロータの制御量を求め、該一方のロータの制御量に基づいて前記共通する回転磁界を制御する制御量を求めて前記誘導モータを制御する制御部を備える車両用モータ制御装置。
  2. 前記制御部は、前記二つのロータを一つのロータとしたときの目標総トルクと目標磁束密度に基づいて目標q軸電流を算出する目標q軸電流算出部と、前記目標磁束密度と現在の磁束密度に基づいて目標d軸電流を算出する目標d軸電流算出部と、前記目標d軸電流及び前記目標q軸電流を前記一方のロータの回転座標としてのγδ座標に変換して該γδ座標での前記一方のロータの目標トルクを算出する座標変換部と、前記一方のロータの目標トルクと他方のロータの目標磁束密度に基づいて前記γδ座標の目標δ軸電流を算出する目標δ軸電流算出部と、前記他方のロータの目標磁束密度と前記他方のロータの現在の磁束密度に基づいて目標γ軸電流を算出する目標γ軸電流算出部と、前記目標γ軸電流及び前記目標δ軸電流に基づいて前記誘導モータを駆動する三相の交流電圧を算出する目標三相電圧算出部と、を備える請求項1に記載の車両用モータ制御装置。
  3. 前記制御部は、前記二つのロータを一つのロータとしたときの目標総トルクと目標角速度から目標d軸電流及び目標q軸電流が決まるマップにより前記目標d軸電流及び前記目標q軸電流を算出する目標dq軸電流算出部と、前記目標d軸電流及び前記目標q軸電流を前記一方のロータの回転座標としてのγδ座標に変換して該γδ座標での前記一方のロータの目標トルクを算出する座標変換部と、前記一方のロータの目標トルクと前記一方のロータの目標角速度から前記γδ座標の目標δ軸電流が決まるマップにより前記目標δ軸電流を算出する目標δ軸電流算出部と、前記一方のロータの目標トルクと前記一方のロータの目標角速度と現在の角速度の偏差とから前記γδ座標の目標γ軸電流が決まるマップにより前記目標γ軸電流を算出する目標γ軸電流算出部と、前記目標γ軸電流及び前記目標δ軸電流に基づいて前記誘導モータを駆動する三相の交流電圧を算出する目標三相電圧算出部と、を備える請求項1に記載の車両用モータ制御装置。
  4. 前記制御部は、前記二つのロータのうち、不安定領域のロータを前記一方のロータとする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用モータ制御装置。
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