JP2019102132A - 燃料電池装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池セルから放出される余剰の燃料ガスと、余剰の酸化剤ガスとを燃焼させる燃焼部における燃焼の安定化を図る。【解決手段】アノードである内側電極層と電解質層とカソードである外側電極層とがこの順で筒状に積層されて、一端から内側電極層内に供給される燃料ガスと外側電極層の周囲に供給される酸化剤ガスとにより発電する複数の燃料電池セルと、燃料電池セルの他端から放出される余剰の燃料ガスと余剰の酸化剤ガスとを燃焼させる燃焼部と、を備える燃料電池装置であって、燃料電池セルの他端には、余剰の燃料ガスを異なる方向に放出可能な複数の放出口が設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池装置に関する。
従来、この種の燃料電池装置としては、内側から外側に向かってアノードである内側電極層と電解質層とカソードである外側電極層とが筒状に積層され、一端から内側電極層内に供給される燃料ガスと、外側電極層の周囲に供給される酸化剤ガスとにより発電するセルと、セルの他端から放出される余剰の燃料ガスと、セルの周囲に存在する余剰の酸化剤ガスとを燃焼させる燃焼部と、を備えるものが提案されている。例えば、特許文献1の燃料電池装置では、燃焼部内に設けられた着火装置に向けて酸化剤ガスを誘導する誘導部材を設けることで、着火するのに十分な量の酸化剤ガスを着火装置に誘導して、燃焼部における着火性を向上させるものとしている。
また、特許文献2の燃料電池装置は、隣り合う燃料電池セルの間から燃料電池セルの軸端よりも上方の空間に亘って配置されて、その空間を閉塞する閉塞部材を備えている。この閉塞部材は、上方に向かうほど互いに近付く一対の傾斜板を含んでおり、その傾斜板に形成された放出口から斜め上方に酸化剤ガスを放出する。また、燃料電池セルの他端からは軸方向上向きに燃料ガスを放出する。これにより、燃料電池セルの他端で燃焼する火炎に酸化剤ガスを安定的に供給して、燃焼部における燃焼を安定させるものとしている。
特開2017−69067号公報 特開2015−185280号公報
しかしながら、上述した特許文献1の燃料電池装置では、着火装置に向けて酸化剤ガスを誘導することから、燃焼部全体でみると各燃料電池セルへの酸化剤ガスの供給にムラが生じる可能性がある。このため、着火性を向上させたとしても、着火装置近傍の燃料電池セルとそれ以外の燃料電池セルとの間で燃焼ムラが生じて保炎性が損なわれる可能性がある。また、特許文献2の燃料電池装置では、隣り合う燃料電池セルの間に燃料電池セルの軸端よりも上方に亘って閉塞部材が配置されるため、燃焼の開始時において閉塞部材によって燃料電池セル間の火炎の伝播性が損なわれる可能性がある。このように、保炎性や火炎の伝播性が損なわれると、燃焼部における燃焼が不安定となってしまう。
本発明は、燃料電池セルから放出される余剰の燃料ガスと、余剰の酸化剤ガスとを燃焼させる燃焼部における燃焼の安定化を図ることを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の燃料電池装置は、アノードである内側電極層と電解質層とカソードである外側電極層とがこの順で筒状に積層されて、一端から前記内側電極層内に供給される燃料ガスと前記外側電極層の周囲に供給される酸化剤ガスとにより発電する複数の燃料電池セルと、前記燃料電池セルの他端から放出される余剰の燃料ガスと余剰の酸化剤ガスとを燃焼させる燃焼部と、を備える燃料電池装置であって、前記燃料電池セルの他端には、余剰の燃料ガスを異なる方向に放出可能な複数の放出口が設けられることを要旨とする。
本発明の燃料電池装置では、燃料電池セルの反応に利用されなかった余剰の燃料ガスを異なる方向に放出可能な複数の放出口が燃料電池セルの他端に設けられる。これにより、燃料ガスの放出口における火炎の向きを様々な方向として、火炎の熱を広範囲に向けて保炎性や火炎の伝播性の向上に繋げることができるから、燃焼部における燃焼の安定化を図ることができる。
本発明の燃料電池装置において、前記燃料電池セルは、前記複数の放出口として、前記燃料電池セルの中心軸に対して所定角度傾いた放出口を含むものとしてもよい。こうすれば、放出口の火炎を隣の燃料電池セル側に向けることができるから、燃焼の開始時において燃料電池セル間の火炎の伝播性を向上させることができる。また、隣り合う燃料電池セルとの火炎間の距離を短くすることができるから、燃焼温度を上昇させて保炎性を向上させることができる。したがって、燃焼部における燃焼をより安定させることができる。
この態様の本発明の燃料電池装置において、水蒸気を利用した改質反応により前記燃料ガスを生成する改質器を備え、前記改質器は、前記燃焼部の上方に配置されており、前記燃料電池セルは、前記複数の放出口として、前記燃料電池セルの軸方向に沿って真上を向いた放出口を含むものとしてもよい。こうすれば、燃焼部における燃焼の安定化を図りつつ、改質器に必要な熱を適切に供給することができる。
本発明の燃料電池装置において、前記複数の放出口は、燃料ガス流路に対して小さく開口したオリフィス構造であるものとしてもよい。こうすれば、放出口から放出される燃料ガスの流速を上げることができるから、火炎の長さを長くすることができる。このため、火炎の伝播性をさらに向上させることができる。また、隣り合う燃料電池セルとの火炎間の距離をより短くすることができるから、保炎性をさらに向上させることができる。
本発明の燃料電池装置において、前記燃料電池セルの他端には、底部の中央が凸曲面状に隆起した隆起部を有する有底円筒状のキャップが取り付けられ、前記燃料電池セルは、前記複数の放出口として、前記キャップの前記隆起部の傾斜面に設けられた放出口を含むものとしてもよい。こうすれば、放出口を打ち抜き加工により形成し隆起部を絞り加工により形成するなどにより、キャップをプレス加工により形成することができるから、複数の放出口が設けられたキャップを簡易な加工で製造することができる。このため、製造コストの増大を招くことなく燃焼の安定化を図ることができる。
本実施形態の発電モジュール10の構成の概略を示す構成図である。 燃料電池セル40の構成の概略を示す構成図である。 燃焼部28の燃焼中の様子を示す説明図である。 変形例の上部キャップ160の上面図である。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本実施形態の発電モジュール10の構成の概略を示す構成図であり、図2は燃料電池セル40の構成の概略を示す構成図である。なお、図2(a)は燃料電池セル40(上部キャップ60)の上面図であり、図2(b)は燃料電池セル40の断面図である。発電モジュール10は、図1に示すように、水蒸気を生成する気化器22と、天然ガスやLPガスなどの原燃料ガスを水蒸気改質反応により改質して水素を含む燃料ガス(改質ガス)を生成する改質器24と、水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとを反応させて発電する複数の燃料電池セル40がスタッキングされた燃料電池スタック30と、燃料ガス供給管26を介して改質器24と接続され改質器24からの燃料ガスを各燃料電池セル40に分配する燃料ガスマニホールド34と、酸化剤ガスを各燃料電池セル40に分配する酸化剤ガスマニホールド38と、を備え、これらは、モジュールケース11に収容されている。気化器22と改質器24は、例えば、フェライト系ステンレスなどの金属材料により形成されてモジュールケース11内に設けられた支持板25に支持(載置)されている。なお、発電モジュール10は、その発電に伴って発生した熱を回収して給湯する図示しない給湯ユニット(貯湯タンク)と組み合わされることにより、燃料電池システムを構成する。
モジュールケース11は、断熱性材料により箱形に形成され、原燃料ガス供給管12と改質水供給管14と空気供給管16とが接続されている。原燃料ガス供給管12は、供給源からの原燃料ガスを気化器22へ供給する配管であり、その配管には開閉弁やポンプ、流量計、圧力計、脱硫器などが設けられている。改質水供給管14は、改質水を気化器22へ供給する配管であり、その配管には改質水タンクやポンプなどが設けられている。空気供給管16は、酸化剤ガスとしてのエアを酸化剤ガスマニホールド38へ供給する配管であり、その配管にはエアブロワや流量計などが設けられている。
また、モジュールケース11には、気化器22による水蒸気の生成や改質器24による水蒸気改質反応などに必要な熱を供給するための燃焼部28が設けられている。支持板25に支持された気化器22と改質器24は、この燃焼部28の上方に配置されている。燃焼部28内には、先端に一対の電極(図示略)を有し電極間で火花を発生させることで点火する点火装置29が設けられている。燃焼部28は、燃料電池セル40の発電反応に利用されなかった余剰の燃料ガス(アノードオフガス)および酸化剤ガス(カソードオフガス)を点火装置29により点火して燃焼させ、支持板25を介して燃焼熱を伝達させることにより、気化器22や改質器24を加熱する。なお、点火装置29により点火されると、各燃料電池セル40に火炎を順次伝播させていくことにより、複数の燃料電池セル40が着火して燃焼部28全体で燃焼が行われることになる。燃焼部28の燃焼により生成される燃焼排ガスは、モジュールケース11の上部に設けられた燃焼排ガス排出管18を介してケース外へ排出される。燃焼排ガス排出管18には図示しない熱交換器が接続され、熱交換器は、循環配管を介して貯湯タンクから供給される貯湯水を燃焼排ガスとの熱交換によって加温する。また、熱交換器を通過した燃焼排ガスは、貯湯水との熱交換によって凝縮され、その凝縮水が改質水タンクへ回収される。なお、燃焼部28をモジュールケース11内に独立して形成された箱形の空間(燃焼室)として形成し、その空間からモジュールケース11内を通って燃焼排ガスを排出する燃焼排ガス排出管を設けるものなどとしてもよい。そのようにする場合、支持板25を、空間を形成する上壁などとすればよい。
燃料電池セル40は、図2に示すように、酸素イオン伝導体からなる緻密構造の円筒状の電解質層42と、電解質層42の内側に積層されたアノードとしての多孔質構造の燃料電極層(内側電極層)44と、電解質層42の外側に積層されたカソードとしての多孔質構造の酸化剤電極層(外側電極層)46と、を備える円筒型の固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)セルとして構成されている。燃料電池セル40の上下方向(長手方向)における下端部には燃料電極層44と電気的に接続される集電用の下部キャップ50が取り付けられると共に、上端部には燃料電極層44と電気的に接続される集電用の上部キャップ60が取り付けられる。燃料電極層44の内部には燃料ガスが流れる燃料ガス流路44aが形成されており、燃料電池セル40は、燃料ガス流路44aと燃料ガスマニホールド34とが連通するように燃料ガスマニホールド34の支持板36に立設されている。
電解質層42は、例えば、Y,Sc,Ceなどの希土類元素から選ばれる1種または2種以上をドープした安定化ジルコニア、Gd,Y,Smなどの希土類元素から選ばれる1種または2種以上をドープしたセリア、Ni,Sr,Mg,Co,Fe,Cuから選ばれる1種または2種以上をドープしたランタンガレート、などを用いることができる。
燃料電極層44は、例えば、NiやFeなどの触媒金属とY,Sc,Ceなどの希土類元素から選ばれる1種または2種以上をドープした安定化ジルコニアとの混合体、NiやFeなどの触媒金属とGd,Y,Smなどの希土類元素から選ばれる1種または2種以上をドープしたセリアとの混合体、NiやFeなどの触媒金属とSr,Mg,Co,Fe,Cuから選ばれる1種または2種以上をドープしたランタンガレートとの混合体、などを用いることができる。
酸化剤電極層46は、例えば、Sr,Caから選ばれる1種または2種をドープしたランタンマンガナイト、Sr,Co,Ni,Cuから選ばれる1種または2種以上をドープしたランタンフェライト、Sr,Fe,Ni,Cuから選ばれる1種または2種以上をドープしたランタンコバルタイト、Sr,Feから選ばれる1種または2種をドープしたバリウムコバルタイト、銀、銀−パラジウム合金、白金、などを用いることができる。
なお、電解質層42と酸化剤電極層46との間には、ガドリニウムをドープしたセリア(GDC)、イットリアをドープしたセリア(YDC)、サマリウムをドープしたセリア(SDC)などの希土類をドープしたセリア混合体を用いた反応防止層を設けることも好適である。
下部キャップ50および上部キャップ60は、フェライト系ステンレスなどの導電性を有する金属材料により有底円筒状に形成されている。下部キャップ50は、環状の底部52と、底部52の外周側から軸方向に円筒状に延在する外筒部54と、底部52の内周側(中央)から外筒部54とは逆方向に円筒状に延在する内筒部56とを有し、底部52と外筒部54と内筒部56とが一体的に形成されている。内筒部56は、燃料電池セル40が燃料ガスマニホールド34の支持板36に立設された状態で燃料ガスマニホールド34内に挿入され、燃料ガスマニホールド34からの燃料ガスを燃料ガス流路44a内に導入する。
また、上部キャップ60は、円状の底部62と、底部62の外周側から軸方向に円筒状に延在する外筒部64と、底部62の中央から外筒部64とは逆方向に凸曲面状に隆起した隆起部66とを有し、底部62と外筒部64と隆起部66とが一体的に形成されている。隆起部66には、燃料電池セル40を通過した余剰の燃料ガスを燃焼部28に放出可能な複数の放出口が設けられている。本実施形態では、隆起部66の頂面中央に開口した1つの第1放出口67と、隆起部66の傾斜面に開口した2つの第2放出口68とが設けられている。第1放出口67および第2放出口68は、開口がφ1mm未満(例えばφ0.8mmなど)であり、その開口面積が燃料ガス流路44aの面積に対して大きく絞られたオリフィス状に構成されている。また、第1放出口67は、燃料電池セル40の軸方向に沿って中心軸上に貫通しており、燃料ガスを真上に向けて放出する。第2放出口68は、燃料電池セル40の中心軸に対して左右方向に所定角度θ(例えば45度)ずつ傾いて貫通しており、燃料ガスを斜め方向に向けて放出する。また、第1放出口67と2つの第2放出口68は、上部キャップ60の中心を通る直線L0上(図2(a)参照)となるように設けられている。なお、上部キャップ60は、底部62と外筒部64とを絞り加工により形成し、各放出口67,68となる開口を打ち抜き加工により形成し、さらに底部62の中央部を隆起させて隆起部66を絞り加工することで、製造される。即ち、上部キャップ60は、プレス加工により製造することができるから、切削加工などに比べて容易に製造可能である。
下部キャップ50と上部キャップ60には、それぞれ電解質層42と燃料電極層44の各端部が挿入され、下部キャップ50の底部52と上部キャップ60の底部62には、燃料電極層44の端部が当接する。下部キャップ50の外筒部54の内周面と燃料電極層44の外周面との間および上部キャップ60の外筒部64の内周面と燃料電極層44の外周面との間は、導電性接合層48によって電気的に接続される。導電性接合層48は、例えば、白金、銀、銅、銀−パラジウム合金などの導電性ペーストやランタンクロマイトなどの導電性セラミックを用いて形成することができる。また、導電性接合層48として、導電性耐熱接着剤を用いるものとしてもよい。なお、導電性接合層48と下部キャップ50との隙間を封止するためのガラスシール層が設けられるものなどとしてもよい。
接続板32は、例えば、フェライト系ステンレスなどの金属材料により形成され、図1に示すように、互いに隣接する2つの燃料電池セル40のうち一方の燃料電池セル40の下部キャップ50(燃料電極層44)と他方の燃料電池セル40の酸化剤電極層46とを電気的に接続する。複数の燃料電池セル40は、互いに隣接する2つの燃料電池セル40が接続板32を介して連結されることにより、電気的に直列に接続される。
燃料ガスマニホールド34は、上部が開口した箱型の部材であり、上部の開口を塞いで密閉空間を形成するように支持板36が接合されている。支持板36は、複数の貫通孔36aが所定間隔で形成されており、それぞれの貫通孔36aに下部キャップ50の内筒部56が貫通するように燃料電池セル40が挿入される。また、燃料電池セル40は、上述した直線L0が、複数の燃料電池セル40の並びの方向(列方向)に沿う向きで配置される。このため、隣り合う燃料電池セル40の第2放出口68は、互いに向き合うものとなる。燃料ガスマニホールド34は、挿入された複数の燃料電池セル40を立設した状態で支持する。これにより、燃料ガスマニホールド34は、各燃料電池セル40の燃料ガス流路44aと中空の下部キャップ50の内筒部56を介して連通し、燃料ガス供給管26から供給される燃料ガスを各燃料電池セル40の下端(一端)から燃料ガス流路44aに供給(分配)する。燃料ガス流路44aに供給された燃料ガスは、燃料ガス流路44aを上方に向かって流れながら発電に利用され、余剰の燃料ガスが上端(他端)に取り付けられた上部キャップ60の第1放出口67や第2放出口68から燃焼部28へ排出される。燃料電池セル40を通過した余剰の燃料ガスは、上述したように、酸化剤ガスと共に燃焼部28にて燃焼され、燃焼排ガスとして燃焼排ガス排出管18へ排出される。支持板36は、例えば、フェライト系ステンレス鋼やオーステナイト系ステンレス鋼などの金属材料により形成したり、絶縁性セラミックなど絶縁性材料により形成したりすることができる。
燃料電池セル40と支持板36との間、すなわち下部キャップ50の底部52の外面と支持板36の上面との間には、ガラスシール部37が形成されている。ガラスシール部37は、例えば、アルミナ−シリカ系結晶化ガラスなどの耐熱性およびシール性に優れた結晶化ガラスを用いて形成することができる。
酸化剤ガスマニホールド38は、空気供給管16と接続されており、各燃料電池セル40の酸化剤電極層46に酸化剤ガス(空気)を分配するための複数の供給口38aが形成されている。供給口38aから供給された酸化剤ガスは、隣り合う燃料電池セル40の間、即ち各燃料電池セル40の酸化剤電極層46の周囲を上方に向かって流れるものとなる。燃料電池セル40には下端から燃料電極層44内の燃料ガス流路44aに燃料ガスが供給されており、燃料電極層44内の燃料ガスと、酸化剤電極層46の周囲の酸化剤ガスとによる発電が行われる。また、発電に利用されずに燃料電池セル40の間を通過した余剰の酸化剤ガスは、燃料ガスと共に燃焼部28にて燃焼される。
次に、こうして構成された発電モジュール10の動作、特に、燃焼部28における燃焼について説明する。図3は燃焼部28の燃焼中の様子を示す説明図である。なお、燃焼部28における燃焼は、燃料電池システムの起動の際に発電モジュール10(気化器22や改質器24など)の暖機のために行われる。また、発電モジュール10の発電中に、余剰の燃料ガス(アノードオフガス)および酸化剤ガス(カソードオフガス)を燃焼させて、発電モジュール10の温度を維持するために行われる。
本実施形態の燃料電池セル40は、開口の向きが異なる第1放出口67と複数(2つ)の第2放出口68とが設けられているから、燃焼時における火炎の範囲を広げることが可能となっている。また、中心軸に対して所定角度(45度)傾いて開口する第2放出口68は、隣り合う燃料電池セル40側にも火炎を向けることができる。さらに、第2放出口68をオリフィス構造として、放出される燃料ガスの流速を上げるから、第2放出口68の火炎の長さを長くすることができる。これらのことから、点火装置29により点火して燃焼を開始する際には、第2放出口68の火炎により、隣り合う燃料電池セル40に効率よく火炎を伝播させていくことができ、伝播性を向上させることができる。また、第2放出口68が設けられないものに比べて、隣り合う燃料電池セル40との火炎距離Lf(図3参照)を短くすることができる。この火炎距離Lfは、第2放出口68の向きだけでなく、第2放出口68をオリフィス構造として火炎の長さを長くすることにより、さらに短いものとすることができる。火炎距離Lfを短くすることにより、燃料電池セル40の周辺の燃焼温度を上昇させることができるため、各燃料電池セル40の第1放出口67や第2放出口68の火炎の保炎性を向上させることができる。また、第1放出口67もオリフィス構造とするから、第2放出口68と同様に火炎の長さを長くすることができ、第1放出口67の火炎による熱を支持板25に伝達しやすくすることができる。また、第2放出口68の火炎を斜め方向に向けることで、第2放出口68の火炎は隣り合う燃料電池セル40側だけでなく、支持板25にも向かうことになる。これらのことから、第2放出口68を設けたとしても、支持板25に熱を適切に供給して気化器22や改質器24などに必要な熱を伝達することができるから、気化器22や改質器24などで行われる反応の効率を向上させることができる。
以上説明した発電モジュール10は、燃料電池セル40の反応に利用されなかった余剰の燃料ガスを放出する複数の放出口として、開口の向きが異なる第1放出口67と第2放出口68とが設けられる。これにより、火炎の向きを様々な方向として火炎の熱を広範囲に向けることができるから、燃焼部における燃焼の安定化を図ることができる。
また、発電モジュール10は、燃料電池セル40の中心軸に対して所定角度傾いた第2放出口68が設けられるから、隣り合う燃料電池セル40側に火炎を向けて、火炎の伝播性を向上させると共に保炎性を向上させることができる。
また、発電モジュール10は、燃料電池セル40の軸方向に沿って真上に開口した第1放出口67が設けられるから、燃焼部28の上方にある改質器24などに熱を適切に供給することができる。
また、発電モジュール10は、第1放出口67や第2放出口68をオリフィス構造とすることで、放出される燃料ガスの流速を上げて火炎の長さを長くするから、火炎の伝播性と保炎性をさらに向上させることができる。
また、発電モジュール10は、上部キャップ60(隆起部66、各放出口67,68)をプレス加工により製造するから、切削加工などに比べて容易に製造可能であり、製造コストの低減が可能である。
上述した実施形態では、燃料電池セル40が2つの第2放出口68を備えるものとしたが、これに限られず、第2放出口68を3つ以上備えるものなどとしてもよい。図4は、変形例の上部キャップ160の上面図である。図示するように、上部キャップ160は、直線L0に直交する直線L1上に、第1放出口67を挟んで第2放出口68が2つ設けられており、計4つの第2放出口68が設けられている。これにより、同じ列において隣り合う燃料電池セル40だけでなく、隣り合う列において向かい合う燃料電池セル40に対する火炎の伝播性などを向上させることができる。
実施形態では、燃料電池セル40が第1放出口67と第2放出口68とを備えるものとしたが、これに限られず、第1放出口67を備えずに第2放出口68のみを備えるものとしてもよい。
実施形態では、2つの第2放出口68が燃料電池セル40の中心軸に対して所定角度θずつ傾いて開口するものとしたが、これに限られず、異なる角度で傾いて開口するものなど、異なる方向に燃料ガスを放出可能な放出口が設けられるものであればよい。
実施形態では、第1放出口67や第2放出口68が燃焼部28の上方にある気化器22や改質器24に対し支持板25を介して熱を伝達するものとしたが、これに限られず、支持板25を設けないものとして、支持板25を介さずに気化器22や改質器24に熱を直接的に伝達するものとしてもよい。また、気化器22や改質器24に熱を伝達するものに限られず、燃焼部28の空間を構成する壁に熱を伝達するものであればよい。
本実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。本実施形態では、燃料電池セル40が「燃料電池セル」に相当し、燃焼部28が「燃焼部」に相当し、発電モジュール10が「燃料電池装置」に相当し、第1放出口67および第2放出口68が「放出口」に相当する。また、第2放出口68が「所定角度傾いた放出口」に相当する。また、改質器24が「改質器」に相当し、第1放出口67が「軸方向に沿って真上を向いた放出口」に相当する。また、上部キャップ60が「キャップ」に相当する。
なお、本実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、本実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、本実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、燃料電池装置の製造産業などに利用可能である。
10 発電モジュール、11 モジュールケース、12 原燃料ガス供給管、14 改質水供給管、16 空気供給管、18 燃焼排ガス排出管、22 気化器、24 改質器、25 支持板、26 燃料ガス供給管、28 燃焼部、29 点火装置、30 燃料電池スタック、32 接続板、34 燃料ガスマニホールド、36 支持板、36a 貫通孔、37 ガラスシール部、38 酸化剤ガスマニホールド、38a 供給口、40 燃料電池セル、42 電解質層、44 燃料電極層、44a 燃料ガス流路、46 酸化剤電極層、48 導電性接合層、50 下部キャップ、52 底部、54 外筒部、56 内筒部、60,160 上部キャップ、62 底部、64 外筒部、66 隆起部、67 第1放出口、68 第2放出口。

Claims (5)

  1. アノードである内側電極層と電解質層とカソードである外側電極層とがこの順で筒状に積層されて、一端から前記内側電極層内に供給される燃料ガスと前記外側電極層の周囲に供給される酸化剤ガスとにより発電する複数の燃料電池セルと、前記燃料電池セルの他端から放出される余剰の燃料ガスと余剰の酸化剤ガスとを燃焼させる燃焼部と、を備える燃料電池装置であって、
    前記燃料電池セルの他端には、余剰の燃料ガスを異なる方向に放出可能な複数の放出口が設けられる
    燃料電池装置。
  2. 請求項1に記載の燃料電池装置であって、
    前記燃料電池セルは、前記複数の放出口として、前記燃料電池セルの中心軸に対して所定角度傾いた放出口を含む
    燃料電池装置。
  3. 請求項2に記載の燃料電池装置であって、
    水蒸気を利用した改質反応により前記燃料ガスを生成する改質器を備え、
    前記改質器は、前記燃焼部の上方に配置されており、
    前記燃料電池セルは、前記複数の放出口として、前記燃料電池セルの軸方向に沿って真上を向いた放出口を含む
    燃料電池装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃料電池装置であって、
    前記複数の放出口は、燃料ガス流路に対して小さく開口したオリフィス構造である
    燃料電池装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の燃料電池装置であって、
    前記燃料電池セルの他端には、底部の中央が凸曲面状に隆起した隆起部を有する有底円筒状のキャップが取り付けられ、
    前記燃料電池セルは、前記複数の放出口として、前記キャップの前記隆起部の傾斜面に設けられた放出口を含む
    燃料電池装置。
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