JP2019099983A - ポリプロピレン延伸繊維 - Google Patents

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Katsuhiko Koike
小池  勝彦
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豊 大越
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Kyoung Hou Kim
慶孝 金
敏文 伊香賀
Toshifumi Ikaga
敏文 伊香賀
立真 國光
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立真 國光
修治 藁科
Shuji Warashina
修治 藁科
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Abstract

【課題】高強度、高弾性率を有するポリプロピレン延伸繊維を提供する。【解決手段】下記要件(1)〜(3)(1)mmmm分率が97%以上;(2)GPCによって求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜7.0;(3)メルトフローレート(230℃、2.16kg)が0〜5g/10分、を満たすアイソタクティックポリプロピレンを含み、(110)面の結晶配向度が0.982〜1.0である延伸繊維が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン延伸繊維に関し、詳しくは高強度、高弾性率を有するポリプロピレン延伸繊維に関する。
ポリプロピレン繊維は、撥水性、非吸水性および耐摩擦性に優れ、低比重であるため軽く、また変色や退色がないことからロープやネットなどの産業資材、建造物や自動車などの内装材、医療・衛生材、衣料素材などに広く用いられている。
ポリプロピレンを延伸して作製する繊維は、不織布等に用いられる繊維とは異なり、高強度のファイバーとして電池のセパレータ用として高い評価を得ているほか、防水シート基布、産業用縫製糸、各種フィルター、ファブリックなどの用途への利用が期待されている。
ポリプロピレンとしては、チーグラー・ナッタ触媒などのマルチサイト触媒を使用したものと、メタロセン触媒を使用したものが知られている。メタロセン触媒を用いて得られたオレフィン系重合体は、従来のマルチサイト触媒を用いて得られたものに比べて、分子量分布および立体規則性分布が狭く、また共重合体にあっては、共重合組成分布が狭いという特徴を有しており、その結果様々な物性の向上や機能の向上がもたらされる。
ポリプロピレン系(共)重合体を延伸して作製した繊維として、特許文献1〜5が知られている。
特許文献1では、繊維基材として用いられるメタロセン触媒によるプロピレン系重合体は、アイソタクチックペンタッド分率(IPF、mmmm分率ともいう)が比較的低いにもかかわらず、従来触媒を用いて得られた高IPFを有するプロピレン系重合体に匹敵する繊維強度をもつポリプロピレン系延伸繊維を得ることができるとされている。例えば、メタロセン触媒を用いて得られたIPF93.0%のプロピレン系重合体を基材とする33.3dTexの未延伸繊維を、水蒸気延伸処理法にて延伸倍率6.5で延伸処理した場合、延伸繊維の強度は10.5cN/dTexであり、強度/延伸倍率比は1.62である。これに対し、従来触媒を用いて得られたIPF97.5%のプロピレン系重合体を基材とする33.3dTexの未延伸繊維を、上記と同様に水蒸気延伸処理法にて延伸倍率10.0で延伸処理した場合、延伸繊維の強度は9.5cN/dTexであり、強度/延伸倍率比は0.95である。
特許文献2では、IPFが80%以上のポリプロピレンの延伸倍率は5〜10倍であり、実施例は5〜7倍である。特に低MFRのものは6倍以下である。
特許文献3では、結晶性ポリプロピレン樹脂100重量部に、脂肪族、脂環族または芳香族の二塩基酸系ジアミド化合物を0.01〜1重量部添加した繊維用ポリプロピレン樹脂組成物を用い、6倍程度の延伸倍率で安定した延伸繊維が製造でき、使用する樹脂としてIPFが96%以上であり、引張強度が要求される用途では分子量分布を2以上6未満、熱収縮率を小さくした用途では分子量分布を6〜15とすることが開示されている。また、実施例では最大延伸倍率が8倍まで記載されているが、この最大延伸倍率は糸切れを生じた際の倍率であり、安定して延伸できる倍率ではない。また、MFRについては5g/10分以上であり、好ましくは8〜55g/10分とされ、実施例は15〜30g/10分のものが使用されている。
特許文献4には、ポリプロピレン本来の軽量性、柔軟性を生かしつつ、耐熱特性を向上
させた繊維及び繊維成形体が開示されている。特許文献4ではアイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が0.950〜0.995、シンジオタクチックペンタッド分率(rrrr)が0〜0.004、2,1挿入反応および1,3挿入反応に起因する異種結合が0〜0.3mol%であり、そして末端二重結合が存在しないことが確認され、さらに重量平均分子量(Mw)が50,000〜1,000,000および重量平均分子量(Mw)対、数平均分子重(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3.8であるポリプロピレンを少なくとも一つの原料としている。延伸倍率として最大5.8倍の例が示されている。MFRについての記載はない。
特許文献5は、結晶性高分子、特にホモポリプロピレン(PP)を用いて、高温・高圧の加圧飽和水蒸気中で延伸する方法が開示されている。延伸倍率は6倍以上、好ましくは7倍以上とされ、実施例では最大13倍に延伸している。原料PPとしては、IPFが95〜100%,好ましくは97〜100%、Q値が4未満、メルトインデックス(MI)が3〜30、好ましくは15〜25であるアイソタクチックPPが使用できるとされている。実施例では、IPFが97%、Q値が3.6、MIが22のアイソタクチックPP、IPFが95%、Q値が6.7、MIが0.65であるアイソタクチックPP、IPFが97%、Q値が3.2、MIが14のアイソタクチックPP、の3種類が使用されている。
特開2001−123322号公報 特開平10−195714号公報 特開平7−258911号公報 WO98/023799 WO99/050490
これらのポリプロピレン繊維は、MFRが低くなるに伴って強度が低下する傾向が示されている。
そこで、本発明の目的は、高強度、高弾性率を有するポリプロピレン延伸繊維を提供するものである。
本発明者らが鋭意検討した結果、低MFRで高立体規則性のポリプロピレンを高延伸倍率で延伸して得られた繊維は、従来の教示に反して強度、弾性率に優れるという知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一形態によれば、下記要件(1)〜(3)
(1)mmmm分率が97%以上;
(2)GPCによって求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜7.0;
(3)メルトフローレート(230℃、2.16kg)が0〜5g/10分、
を満たすアイソタクティックポリプロピレンを含み、
(110)面の結晶配向度が0.982〜1.0である延伸繊維が提供される。
本発明によれば、低MFRで高立体規則性のアイソタクティックポリプロピレンを高延伸倍率で延伸した繊維において、高強度且つ高弾性率の繊維が得られる。
本発明で実施例で用いたヒーター延伸装置の概要図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
本発明では、mmmm分率が97%以上であり、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ)によって求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.0以上、7.0以下、且つメルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg)が0〜5g/10分のアイソタクティックポリプロピレンを溶融紡糸して得られたポリプロピレン系延伸用繊維を、延伸時の応力が通常100MPa以上となる条件で、通常10倍以上に延伸することで、(110)面の結晶配向度が0.982〜1.0であるポリプロピレン系延伸繊維が得られる。
mmmm分率は、13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm(プロピレン単位が5単位連続してアイソタクチック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびP(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式により求められる。PmmmmおよびP13C−NMRスペクトルにおけるピーク面積に相当する。
mmmm分率(%)=(Pmmmm/P)×100
上記の分子量分布範囲のアイソタクティックポリプロピレンは、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒のいずれを用いても製造できる。
チーグラー・ナッタ触媒としては、本発明で規定する要件を満たすポリプロピレンを製造できるものであれば、従来公知のいずれのチーグラー・ナッタ触媒も使用することができる。
メタロセン触媒としては、シクロペンタジエニル骨格を分子内に持つメタロセン化合物を含む重合触媒が好ましく用いられる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を分子内に含むメタロセン化合物としては、その化学構造から下記一般式[I]で表されるメタロセン化合物(D1)および下記一般式[II]で表される架橋型メタロセン化合物(D2)の二種類を例示することができる。これらの中では、架橋型メタロセン化合物(D2)が好ましい。
〔上記一般式[I]および[II]において、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を示し、Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、jは1〜4の整数であり、jが2以上の時は、Qは互いに同一でも異なっていてもよく、CpおよびCpは、互いに同一か又は異なっていてもよく、Mと共にサンドイッチ構造を形成することができるシクロペンタジエニルまたは置換シクロペンタジエニル基である。ここで、置換シクロペンタジエニル基は、インデニル基、フルオレニル基、アズレニル基およびこれらが一つ以上のハイドロカルビル基で置換された基も包含し、インデニル基、フルオレニル基、アズレニル基の場合はシクペンタジエニル基に縮合する不飽和環の二重結合の一部は水添されていてもよい。一般式[II]においてYは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−Ge−、−Sn−、−NR−、−P(R)−、−P(O)(R)−、−BR−または−AlR−を示す(但し、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子または窒素原子に炭素原子数1〜20の炭化水素基が1個または2個結合した窒素化合物残基である。)。〕
本発明において好適に用いられる重合触媒は、本出願人によって既に国際公開(WO01/27124)されている下記一般式[III]で表される架橋性メタロセン化合物、並びに、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物から選ばれる少なくても1種以上の化合物、さらに必要に応じて粒子状担体とからなるメタロセン触媒であることが好ましい。
上記一般式[III]において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。このような炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基などの飽和の、またはアリル基等の不飽和の、直鎖状脂肪族炭化水素基;イソプロピル基、tert−ブチル基、アミル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基などの分岐状脂肪族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの脂環族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの芳香族炭化水素基;ベンジル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基などの芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−フェニルアミノ基、ピリル基、チエニル基などのヘテロ原子含有炭化水素基等を挙げることができる。ケイ素含有基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基などを挙げることができる。また、RからR12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。このような置換フルオレニル基としては、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル基などを挙げることができる。
本発明に用いるメタロセン化合物としては、前記一般式[III]において、シクロペンタジエニル環に置換するR、R、R、Rは水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましく、RおよびRが炭素数1〜20の炭化水素基であることがより好ましく、RおよびRが水素原子であり、RおよびRが炭素数1〜5の直鎖状または分岐状アルキル基であることが特に好ましい。
また、前記一般式[III]において、フルオレン環に置換する、RからR12は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。RからR12の隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよい。好ましい態様は、R、R11が同時に水素原子ではないフルオレン環であり、より好ましい態様はR、R、R10及びR11が同時に水素原子ではないフルオレン環である。
本発明に用いるメタロセン化合物としては、前記一般式[III]において、シクロペンタジエニル環とフルオレニル環を架橋するYが第14族元素であることが好ましく、炭素、ケイ素、ゲルマニウムがより好ましく、炭素原子がより好ましい。
また、Yに置換するR13、R14は相互に同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基または炭素数6〜20のアリール基から選ばれる。このような置換基としては、メチル基、エチル基、フェニル基、トリル基などが好ましい。なお、R13、R14は、RからR12の隣接した置換基またはRからRの隣接した置換基と互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式[III]において、Mは好ましくは第4族遷移金属であり、さらに好ましくはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である。また、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数であり、jが2以上の時は、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲンの具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、炭化水素基の具体例としては前述と同様のものなどが挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシなどのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエートなどのカルボキシレート基、メシレート、トシレートなどのスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類等が挙げられる。Qは少なくとも1つがハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
前記の好ましい架橋メタロセン化合物としては、ジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、1−フェニルエチリデン(4−tert−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、[3−(1’,1’,4’,4’,7’,7’,10’,10’−オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3−トリメチル−5−tert−ブチル−1,2,3,3a−テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド、ジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
なお、本発明に用いるメタロセン触媒において、前記一般式[III]で表わされるメタロセン化合物とともに用いられる、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(共触媒)、さらには必要に応じて用いられる粒子状担体については、本出願人による前記公報(WO01/27124)や特開平11−315109号公報中に開示された化合物を制限無く使用することができる。
本発明におけるアイソタクティックポリプロピレンとは、プロピレン単位の含有割合が、95mol%以上、100mol%以下のホモポリプロピレン樹脂である。プロピレン単位以外の含有割合が5mol%を超えると、破断強度、初期弾性率が低いため実用性に貧しい。
好ましい組成は、プロピレン単位の含有割合が97mol%以上、100mol%以下、より好ましい組成は、99mol%以上、100mol%以下である。
プロピレン単位以外の構成成分は特に限定されないが、例えば、他のαオレフィン単位等を挙げることができる。
α−オレフィン単位としては、例えば、エチレン、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の単位が挙げられる。炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、具体的には1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラドデセン、1−ヘキサドデセン、1−オクタドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、ジエチル−1−ブテン、トリメチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジメチル−1−ペンテン、メチルエチル−1−ペンテン、ジエチル−1−ヘキセン、トリメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ヘプテン、エチル−1−オクテン、メチル−1−ノネンなどが挙げられる。これらの単位は一種でもよく、二種以上でもよい。これらの中でも、エチレン単位および炭素数4〜8のα−オレフィン由来の単位が好ましく、エチレン単位がより好ましい。
また、本発明で使用する原料としては、上記要件を満たすアイソタクティックポリプロピレンであり、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記の要件を満たさないプロピレン系(共)重合体、ポリエチレン、ポリブテンなどをブレンドして用いてもよい。上記要件を満たすアイソタクティックポリプロピレンは原料組成物中に70質量%以上含まれていることが好ましい。
プロピレン系共重合体としては、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体であって、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。α−オレフィンとしては、上記のα−オレフィンが挙げられる。
本発明で使用するアイソタクティックポリプロピレンは、以下の(1)〜(3)の要件を満たすものである。
(1)mmmm分率が97%以上。
(2)GPCによって求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜7.0。
(3)メルトフローレート(230℃、2.16kg)が0〜5g/10分。
(1)のmmmm分率は好ましくは98%以上である。上限はとくにないが100%以下、通常99%以下である。
(2)の分子量分布(Mw/Mn)は好ましくは1.0〜3.5、より好ましくは1.0〜3.0の範囲にある。分子量分布は例えば触媒の選定により調整可能である。
(3)のメルトフローレート(MFR)は、得られる原料ポリマーの分子量を適宜調整することで達成できる。また、ホモポリプロピレンに前述したホモポリプロピレン以外の構成成分を適宜配合することでMFRを調整することもできる。MFRが5g/10分を超えると、いずれの延伸倍率においても破断強度、初期弾性率が5g/10分以下のものと比較して低下する。MFRは、紡糸工程での押出の観点からは、1g/10分以上であることが好ましい。
また、本発明で使用する原料組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でこの分野で使用される各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、適宜中和剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、気泡防止剤、分散剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、架橋剤、架橋助剤等の添加剤、染料、顔料等の着色剤などが挙げられる。
〔ポリプロピレン延伸繊維の製造方法〕
本発明に係るポリプロピレン延伸繊維の製造方法は、まず、上記のアイソタクティックポリプロピレンを含む原料組成物を溶融紡糸して延伸用繊維を得る。
(延伸用繊維の製造工程(紡糸工程))
上記の原料樹脂組成物を溶融し、溶融物を所定の孔径を有するノズルから押出して延伸用繊維(as-spun繊維)を得る。
原料を溶融押出する手段としては、当該技術分野で通常使用されるプラスチック繊維の溶融押出技術を使用すればよい。溶融押出する手段としては、限定するものではないが、例えば、原料プラスチックを加熱、溶融した後、該溶融物を加圧押出する押出装置を挙げることができる。前記の押出装置を本工程に使用することにより、結果として得られる延伸繊維の繊維径を好適な範囲に調整することが可能となる。
特に、本発明では、以下の(A−1)〜(A−3)に記載の要件で溶融紡糸した繊維であることが好ましい
(A−1)メルトドローレシオ(Melt draw ratio:MDR)が8〜500、
(A−2)紡糸温度が180〜300℃、
(A−3)1ホール当りの吐出量が1〜100g/min。
メルトドローレシオ(MDR)とは、送り出し速度(m/min)に対する引(巻)き取り速度(紡糸速度)(m/min)の比であり、このMDRを調整することにより、押出繊維中の晶質、非晶質等の配向状態をある程度制御することができる。本発明では高強度の繊維を得るために、比較的低いMDRでas-spun繊維を作製することが好ましい。また、紡糸速度は吐出量(g/min)と押出機のノズル孔径に依存していることから、吐出量を制御した上で巻き取り可能な最小MDRとなるように制御する。
MDRは10〜200であることがより好ましい。1ホール当りの吐出量は1〜50g/minであることがより好ましい。
紡糸速度は速くなるほど、生産性を高めることができる。紡糸速度は、通常は30〜10000m/minである。本発明では、比較的高速の紡糸にも対応できる。
紡糸温度は、原料のアイソタクティックポリプロピレンの特性に応じて、適宜最適となる温度を選択することが好ましい。特にMFRが低くなるほど、紡糸温度を高くして紡糸することが好ましい。
as-spun繊維は、溶融押出手段における加熱温度から所定の温度Aに急冷され、該温度
Aにおいて、引取りながら紡糸されることが好ましい。ここで温度Aは、原料樹脂のガラス転移温度(Tg)以上且つTg+25℃以下の範囲の温度であることが好ましく、Tg以上且つTg+20℃以下の範囲の温度であることがより好ましい、さらにTg以上且つTg+10℃以下の範囲の温度であることがより好ましい。なお、ポリプロピレンのTgは−20〜5℃である。
冷却は、風冷あるいは冷媒、たとえば水、メタノール、エタノール、アセトンなどの強制冷却手段を用いて行うことが可能である。冷却することで結晶化速度を速めることができる。水などで強制的に冷却する場合(水冷)は、風冷の場合に比較して、冷却速度が速いため、as-spun繊維の結晶化度が低く、均一に延伸し易い。そのため、破断強度が高い
延伸糸を得やすいので好適である。なお、水冷の場合は、ノズルと樹脂が固化する位置との間の距離が、風冷の場合に比較して短いため、溶融温度を高く設定し、樹脂の粘度を低くし、引き取りによる糸径の低下割合を大きくすることが好ましい。
as-spun繊維を温度Aにおいて引取る手段は特に限定されない。例えば、前記冷媒に導入されたas-spun繊維を、冷媒中、当該技術分野で慣用される通常の引取手段を用いて所定の引取速度で巻取軸に巻取り巻糸体を形成させるか、又は冷媒中を所定の引取速度で通過させた後、該冷媒の外で、通常の引取手段を用いて所定の引取速度で巻取軸に巻取り巻糸体を形成させることによって、as-spun繊維を温度Aにおいて引取ることができる。或いは、前記冷媒で温度Aに急冷されたas-spun繊維を、通常の引取手段を用いて所定の引取速度で引取りながら、予め温度Aに冷却された容器に収容することによって、温度Aにおいてas-spun繊維を引取ることもできる。いずれの場合も本工程の実施形態に包含される。ここで、前記引取手段としては、限定するものではないが、例えば、ボビンのような巻取軸に繊維を巻取ることで巻糸体を形成させる巻取装置及びローラーを挙げることができる。また、as-spun繊維は、引取によって付与された該繊維の緊張状態を維持したまま前記手段で回収され、次の延伸工程に供されるまでは所定の温度で維持されることが好ましい。
なお、紡糸速度を高めるほど、巻き取りが不安定になることが知られており、高速化の妨げとなる。
本発明では、このように紡糸した延伸用繊維を、例えば10倍以上の高延伸倍率で延伸することで、高強度、高弾性率を有する延伸繊維が得られる。なお、高速紡糸を行った場合、紡糸段階である程度延伸もされて配向性が高まるため、延伸用繊維からさらに10倍以上の延伸が適当でない場合もある。したがって、後述するように延伸繊維を得る場合は延伸応力で制御することが肝要となる。
なお、延伸前の繊維の配向度が低いほど、延伸糸の最高到達強度は高くなるため、好適である。配向度が低い繊維を得るためには低速で紡糸することが必要であるが、産業上の利用の観点からは好ましくない場合があり、適宜適正な条件を選択すればよい。
延伸倍率と結晶配向度の間には良好な相関関係がある。本発明において、高倍率で延伸された繊維とは、結局のところ、延伸後の結晶配向度が高いものである。
延伸前の配向度が高いと、延伸倍率は低くなるが、延伸後の結晶配向度が所望のレベルに達していれば良い。
本発明に係る延伸用繊維の特徴としては、
(A)平均直径が30〜300μmであり、
(B)糸径のばらつきCVが5%以下である。
直径がこの範囲より大きいと加熱延伸の際に繊維を均一に加熱することが難しく、延伸の際に破断しやすい。また、平均直径がこの範囲より小さいと延伸により細くなりすぎ、破断しやすい。糸径のばらつきがこの範囲より大きいと加熱延伸の際に破断しやすくなる。
(延伸工程)
以上のように得られたas-spun繊維は、延伸工程によって延伸されて目的の延伸繊維とする。
本発明において、as-spun繊維の延伸は、当該技術分野で通常に使用される延伸手段を用いて行うことができる。例えば、図1に示すように、送出ローラー1と巻取ローラー5との速度差によって繊維を連続的に延伸している。送出ローラー1と巻取ローラー5との速度差によって延伸倍率が規定される。送出ローラー1から引き出されたas-spun繊維6は、ヒーター2で所定の温度に加熱されて延伸される。ヒーター2での加熱温度はas-spun繊維6がヒーター2表面に融着せずに安定して延伸できる範囲であれば良い。一方、加熱温度に依存して延伸倍率の違いにより延伸繊維7が白化する現象が見られる。つまり、加熱温度により延伸後の繊維が白化しない倍率(以降、白化限界倍率)が異なることとなる。
延伸時のヒーター温度はas-spun繊維の融点(Tm)未満であり、Tm−22±15℃の範囲であることが好ましい。
加熱に適用するヒーターの形状、仕組みに特に制限はなく、繊維を所望の温度にすることができればよく、プレートヒーター、ロールヒーター、熱風炉、温水浴、飽和水蒸気炉などを適用することができる。
延伸工程では、延伸繊維7の張力を張力計3で測定し、さらに延伸繊維7の糸径を寸法測定器4で測定し、得られた延伸張力をその場測定で得られた延伸後の糸径(平均直径)から算出される糸断面積で割ることで延伸応力を算出することができる。
本発明では、この延伸応力が100MPa以上、10000MPa以下となる条件下、延伸倍率10倍以上で延伸する。延伸応力が100MPa未満では、所望の延伸倍率まで延伸することができない場合がある。延伸応力が10000MPaを超えると破断し延伸することができない。
実際は、高い延伸倍率で延伸することで、高い配向状態にし、高い強度、初期弾性率を発現させる。延伸倍率は、送出ローラー1から引き出されるas-spun繊維6の送り出し速度(m/min)と巻取ローラー5での延伸繊維の巻き取り速度(m/min)の比(ドローレシオ、DR)を意味する。
延伸時の加熱温度が一定の条件では、延伸倍率が高くなるほど延伸応力が大きくなる傾向にある。このましい延伸倍率は、延伸前の糸の配向状態によって異なる。延伸前の糸の配向性が低いほど、延伸により高倍率で延伸することができる。その結果、高結晶配向度の延伸糸を形成することができる。
延伸倍率の上限は特に限定されるものではないが、好ましくは40倍である。延伸倍率が40倍以下であれば、上記延伸応力の範囲内で破断なく延伸することができる。
また、延伸は、図示するような1段階で延伸でもよいが、2段階以上に延伸してもよい。
2段延伸では、1回目の延伸において、結晶分散温度付近の温度で比較的低倍率で延伸し、2回目の延伸において、延伸前の融点を超える温度で延伸をする。1段延伸に比較して、総延伸倍率が大きくすることできる。そのため強度をさらに高めることができる。PP繊維の場合は、延伸過程において、内部にボイドが発生することがあるが、2段延伸により抑制することができる。この場合も2回の延伸で得られる延伸糸の結晶配向度が所望の範囲になるように延伸すればよく、1段延伸の場合に比較して、結晶配向度が高い延伸糸を形成することができる。
本発明における好ましい延伸倍率は、紡糸工程におけるMDRとのバランスで設定する。該MDRが小さい場合は、as-spun繊維の配向が小さいため、高い倍率で延伸する。逆に大きい場合は、as-spun繊維の配向が大きいため、MDRが小さい場合に比較して、低い倍率で延伸する。
本発明における延伸倍率は、延伸を1段階で完了する場合は、好ましくは10倍以上、20倍以下、より好ましくは10倍以上、16倍以下である。
2段階で延伸する場合は、延伸倍率(1段目)は、3倍以上、15倍以下である。好ましくは、5倍以上、12倍以下、より好ましくは7倍以上、11倍以下である。
2段階で延伸する場合総延伸倍率(1段目と2段目の積)は、10倍以上、40倍以下であり、10倍以上、36倍以下であることが好ましく、10倍以上、30倍以下がより好ましく、12倍以上、22倍以下であることが最も好ましい。
本発明における延伸後の繊維の平均直径は7〜150μmである。この範囲より平均直径が小さい繊維は、元となるas-spun繊維が細いため、延伸工程で破断しやすく作製が困難である。平均直径が大きい繊維は、元となるas-spun繊維の直径が大きいため、延伸工程において均一に加熱することが困難なため破断しやすく、作製が困難である。
ここで、本発明における結晶配向度はポリプロピレンの(110)面に対する強度プロフィールを使って求めた値である。延伸繊維の好適な結晶配向度は、0.982以上、1.0以下、より好ましくは、0.986以上、1.0以下であり、さらに好ましくは0.988以上、1.0以下、さらに好ましくは0.989以上、1.0以下である。なお、ポリプロピレンの(040)、(130)面から求めた結晶配向度に関しても、(110)面から求めたものと同様に延伸倍率と良好な相関を示すので、適用することができる。
延伸繊維は、破断強度が好ましくは8.0cN/dtex以上、より好ましくは10.0cN/dtex以上、さらに好ましくは11.0cN/dtex以上、さらに好ましくは12.0cN/dtex以上、とりわけ好ましくは12.2cN/dtex以上である。破断強度は高いほど好ましく上限値はとくにないが通常20.0cN/dtex以下、あるいは16.0cN/dtex以下である。
また、延伸繊維は、初期弾性率が好ましくは80.0cN/dtex以上、より好ましくは100.0cN/dtex以上、さらに好ましくは120.0cN/dtex以上、とりわけ好ましくは140.0cN/dtex以上である。
このように延伸した本発明に係るポリプロピレン延伸繊維は、高い強度、高い弾性率を有する。その結果、本発明の条件を満たさないポリプロピレンの高延伸繊維に比較して、強度、弾性率(初期弾性率)が優れている。これは、次のように推察される。
<延伸繊維に引張応力がかかった際の挙動>
延伸繊維は、配向した結晶部とそれをつなぐ(緊張)タイ分子鎖からなるフィブリルの束で構成される。引張応力を加えることによる応力とひずみの関係は、初期の段階では主に結晶と結晶間に束縛されている非晶部の配向で決定される。フィブリル間で滑りが生じ始める点が降伏点と呼ばれ、該降伏点において一部の結晶が破壊され、外力が緊張タイ分子鎖に集中する。この際、引張応力がいったん急激に低下することもある。
さらに引張応力を加えるとタイ分子鎖の破断もしくはタイ分子鎖間の滑りを伴う結晶の破壊をきっかけに繊維全体の破断に至る。その点が、破断強度を示す点となる。
例えば、タイ分子の密度が高い場合は、耐応力が高く、破断強度が高いと考えられる。
このため、分子量が大きいと分子鎖末端の数が減るので応力を支える分子鎖が増え、結果としてより多くのタイ分子鎖が形成されるため、より大きな繊維強度を発現することができる。また分子量分布が狭いと、より均一に配向したタイ分子鎖ができ易く、結果として個々のフィブリルに印加される応力も均一になり易いため、より大きな繊維強度を発現することができる。
弾性率(初期弾性率)は、降伏点の前の応力とひずみの直線関係の係数であり、主にフィブリルをまたいだ結晶の硬さと非晶部の配向に由来する。例えば、結晶部が均一で破壊しにくく、タイ分子鎖密度も高いと弾性率は高くなると考えらえる。
(マルチフィラメント)
また、本発明におけるポリプロピレン延伸繊維は、複数のホールを有する紡糸ノズルを適用して形成することにより、複数の糸が束になった状態に形成してもよい。
(複合繊維)
また、本発明で得られたポリプロピレン延伸繊維は、各種複合繊維の一部材として、例えば、代表的には芯鞘延伸複合繊維の芯材として好適に使用できる。
そのような繊維としては、例えば、以下のような構成のものを挙げることができる。
芯材の直径が0.5〜70μm、芯材と鞘材を合わせた繊維の直径が1〜100μmであり、繊維の断面における鞘材と芯材の比率が、断面積比において70:30〜40:60である。
なお、鞘材と芯材との断面における位置関係は同心であっても、偏心であってもよい。
また、鞘材を構成する重合体としては、例えば高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、具体的にはプロピレン−ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体、あるいは軟質ポリプロピレンなどの非結晶性プロピレン系重合体、ポリ4−メチルペンテン−1などを挙げることができる。これらのオレフィン系重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のような、芯材として本発明に係る延伸繊維を用いた延伸複合繊維においては、弾性率と破断強度のバランスに優れた複合繊維を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
製造例1〜5(延伸用繊維の製造)
株式会社プライムポリマー製の以下の3種類のポリプロピレン樹脂を用いて紡糸を行い、延伸用繊維を得た。
(1)分子量分布(Mw/Mn)
分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。
分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とした。移動相にはo−ジクロロベンゼンおよび酸化防止剤としてBHT0.025質量%を用い、1.0ml/分で移動させた。試料(プロピレン単独重合体)濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は400μLとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、東ソー社製を用いた。
(2)IPF(mmmm分率)
プロピレン単独重合体のIPF(mmmm分率)は、A.zambelliらのMacromolecules,8,687(1975)に示された帰属により定められた値であり、13C−NMRにより、下記条件で測定し、IPF=(21.7ppmでのピーク面積)/(19〜23ppmでのピーク面積)とした。
〈測定条件〉
種類 JNM−Lambada400(日本電子(株)社製)
分解能 400MHz
測定温度 125℃
溶媒 1,2,4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=7/4
パルス幅 7.8μsec
パルス間隔 5sec
積算回数 2000回
シフト基準 TMS=0ppm
モード シングルパルスブロードバンドデカップリング
(3)メルトフローレート(MFR)
プロピレン単独重合体のメルトフローレート(MFR)を、ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定した。
(4)ガラス転移温度(Tg)
DSC測定により求めた。DSC測定の詳細については下記に示す。
装置名:パーキンエルマー社製 Diamond DSC(3)
測定条件:30℃〜230℃
1st昇温温度: 500℃/min
保持温度:230℃
保持時間:5min
降温速度:500℃/min
保持温度:-70℃
保持時間:5min
2nd昇温速度: 20℃/min
サンプル容器:通常パン
測定雰囲気:ヘリウム
サンプル重量:約5mg
(5)融点(Tm)
DSC測定により求めた。DSC測定の詳細については下記に示す。
装置名:パーキンエルマー社製 Diamond DSC(3)
測定条件:30℃〜230℃
1st昇温温度: 500℃/min
保持温度:230℃
保持時間:5min
降温速度:10℃/min
保持温度50℃
保持時間:1min
2nd昇温速度: 10℃/min
サンプル容器:通常パン
測定雰囲気:チッソ
サンプル重量:約5mg
<紡糸手法>
溶融紡糸は、プラスチック工学研究所社製の二軸押出機BT−30−S2−42−Lを用いた。紡糸温度、吐出量、紡糸速度、MDR、紡糸ノズルの口金径を表2に記載する。
平均直径及びその変動係数(CV)(糸径のばらつきCV)は、下記の測定及び算出法によって求めた。
紡糸後の繊維直径を測定器((株)KEYENCE製高速・高精度ディジタル寸法測定器LS−7010(商品名))を用いて測定した。平均直径はサンプリング周期100msで測定した5分間のデータ(3000データ)を平均した値であり、変動係数は5分間のデータから得られた標準偏差を平均値で除すことで得られた値である。表2において、糸径のばらつきCVの単位は%である。
<分子量分布(Mw/Mn)>
Mw、MnおよびMw/Mnを、前述したポリプロピレン樹脂の評価方法と同様にして測定した。結果を表2に示す。
<引張試験>
得られた延伸用繊維(as-spun繊維)の引張試験を行った。結果を表2に示す。測定は室温で行い、as-spun繊維は初期試料長は40mm、引張速度は100mm/minである。測定本数は12本とし、KEYENCE社製のデジタルマイクロスコープVHK−1000(商品名)を用いて各試料の直径を3点ずつ測定し、そこから得られた3点の平均直径から密度を0.9g/cmとして繊度を算出した。
(例A1〜A71)
次に、得られた延伸用繊維を表3に示す各種条件で延伸して、延伸繊維を得た。延伸手法、延伸繊維の各種物性評価方法については以下の通りである。結果を表3に併せて示す。なお、表3中、各例は、実施例、参考例、比較例のいずれかを示し、種別として表3に示している。
<延伸手法>
実施例で用いたヒーター延伸装置の概要図を図1に示す。送出ローラー1(送出速度1m/min)と巻取ローラー5との速度差によって繊維を連続的に延伸している。繊維とヒーター2の接触長は225mm、加熱温度は、延伸時にヒーター表面に繊維が融着しない最大温度として140℃、145℃および150℃に設定した。サンプリングは、10分間安定して延伸が可能な最大倍率までの範囲で行った。
延伸中の張力を、定格100gfまたは200gfのテンションピックアップセンサー3を装備したエイコー測器(株)製のテンションメータHS−1500S型(商品名)により測定した。また、延伸後の繊維直径を測定器4((株)KEYENCE製高速・高精度ディジタル寸法測定器LS−7010(商品名))を用いてその場測定した。測定された張力と直径のデータは、(株)KEYENCE製NR−2000(商品名)を介してサンプリング周期100msでコンピュータに取り込んで平均直径を求めた。また、得られた延伸張力を、その場測定で得られた延伸後の平均直径から算出される断面積で割ることで延伸応力を算出した。
<引張試験>
得られた延伸繊維について、(株)島津製作所製のオートグラフAGS−X(商品名)引張試験機で引張特性を調べた。測定には50Nのロードセルと50N用のエアーチャックを用いた。測定は室温で行い、初期試料長は40mm、引張速度は40mm/minである。測定本数は12本とし、サーチ株式会社製オートバイブ口式繊度測定器DENICON DC−21(商品名)を用いて測定した繊度の値を使用した。得られた公称応力−歪曲線から破断強度、初期弾性率、破断伸びを算出した。それぞれの平均値を求めた。
<広角X線回折測定(結晶化度および結晶配向度)>
Rigaku社製RA−Micro7型高輝度X線回折装置を用いて、広角X線回折像を撮像した。光源には管電圧40kV、管電流20mAで発生させた波長0.154nmのCu−Kα線を用いた。撮像には縦横30cm,3000×3000pixelのイメージングプレート(IP)を用い、カメラ長250mmで各10分間撮像した。撮影後、Rigaku社製R−AXIS−IV++によってIPをスキャンし、ディジタル情報としてコンピュータに取り込んだ。
その後、フリーソフトFIT2Dを用いて、得られた広角回折像に対してΦ−2θ変換を行い、縦軸を傾斜角、横軸を回折角に変換した。変換した画像から、2θ=14.1°,16.9°,18.6°についての方位角方向強度プロフィールを得ると共に、傾斜角の全範囲の積分強度をとった上で散乱ベクトルの2乗(s)をかけるLorentz補正を施すことで、回折角方向に対する積分強度プロフィールを得た。得られた積分強度プロフィールを、結晶性の回折に寄与する赤道上のピークの(110)面、(040)面、(130)面回折と、第一層線に出現する(111)面、(−131)面回折と、非晶相に寄与するピークの総和と考え、式(1−1)のPearson VII型曲線を仮定して2θ=10〜23°の範囲でピーク分離した。また、PPの非晶の散乱プロフィールは非対称であることが知られているため、その形状を近似するため、非晶のピーク位置を2θ=17°[西田幸次、小西隆士、金谷利治、繊維学会誌、63(12)、412−416(2007)参照]と固定し、ピークよりも低角側の半価幅τを5.6°、広角側を23.8°とすることで、非対称の左右非対称の関数で近似した。なお、Iはピーク強度、φはピーク位置、τは半価幅、mは曲線の形状を反映する係数であり、2.5とした。得られたピーク強度と幅より各ピークの総積分強度を求め,10−23°の範囲のピークの総積分強度に対する,結晶化度インデックスを式(1−2)を用いて求めた。
なお、ピーク幅βは実測した強度プロフィールからピークフィッティングによって半価幅βeを求め、測定装置に由来するピークの広がりβを使って式β=β −β で補正した。βには粉末状Alの(012)面回折強度プロフィールから求めた半価幅0.1°を用いた
上記解析に加えて、延伸繊維については方位角方向に対する強度プロフィールについて前記式(1−1)のPearson VII型でピークフィッティングを行った。ここで、φはピーク位置、τは半価幅、mは曲線の形状を反映する係数であり2.5とした。各回折面の方位角方向に対する強度プロフィールから、式(2−1)および式(2−2)によって繊維軸に対する各面法線の配向度fを求め、これらから式(2−3)によって配向軸(繊維軸)に対するc軸の配向度fを推定した。
<小角X線散乱測定(SAXS)(相関長およびインバリアント/ボイド率)>
延伸繊維について、小角X線散乱測定を行った。結果を表3および表4に示す。表中に数値がないものについては、未測定である。
測定装置には、リガク製NanoViewerを用いて撮像した。光源には管電圧40kV、管電流30mAで発生させた波長0.154nmのCu−Kα線を用いた。撮像には縦横30cm,3000×3000pixelのイメージングプレート(IP)を用い、カメラ長1350.38mmで各1時間撮像した。撮影後、Rigaku社製R−AXIS−IV++によってIPをスキャンし、ディジタル情報としてコンピュータに取り込んだ。得られたX線散乱像から空気散乱を差し引いた後、赤道・子午線、両方向に対する強度プロフィールを求めた。測定に適用した試料の厚みは約150μmである。
この結果、いずれの散乱像についても、子午線方向に長周期ピークは観察されなかった。このことは、いずれの試料でも、明瞭な長周期構造は形成されていないことを意味する。すなわち、形成されているラメラ結晶の量はいずれも少なく、ほぼフィブリル状の構造からなって居ることを想定することができる。また、赤道方向の強度プロフィールを−1/2乗することで得られたI(q)−1/2からq=0.06〜0.18の範囲で直線的増加する領域が見られた。そこで式(2−4)で示されるDebye Plotによってq=0.06〜0.18の範囲内でI(q)−1/2の傾きから繊維軸と垂直方向に対する相関長aを見積もった。ここで、q=4πsinθ/λは散乱ベクトル(λ:X線の波長、θ:散乱角)の大きさである。
MFR=4のHm4から得られた延伸繊維は、同延伸倍率で得られたMFR=20のZN20から得られた延伸繊維より明瞭に大きい相関長を示している。得られた相関長が長いことは、フィブリルサイズが大きいことを意味している。フィブリルサイズが大きいことは、特に結晶分散温度以上でのフィブリル間滑りを阻害すると考えられる。この結果は、MFR=4のHm4から得た延伸繊維のクリープが、MFR=20のZN20から得た延伸繊維のクリープと比較して明瞭に抑制されることを良く説明している。
さらにナノサイズボイド割合として、インバリアント/総ボイド量を見積もった。
インバリアントQは、赤道方向の強度プロフィールI(q)について、式(2−4−2)に従ってq=0.039〜0.427の範囲の積分値として得た。
該インバリアントQは、ナノサイズのボイドの量を示す。また、総ボイド量を繊維の測定外径と理論外径から求めた。ここで理論外径とは、as-spun繊維の直径(測定値)を基準とし、延伸による密度変化がないと仮定して、延伸倍率に応じた外径を算出したものである。すなわち、インバリアント/総ボイド量は、総ボイド量に占めるナノサイズのボイド量の割合を示す。
同一延伸倍率におけるMFR=20のZN20から得られた延伸繊維と、MFR=4のHm4およびZN4から得られた延伸繊維について比較を行う。ナノサイズボイドの割合はMFR=4の方が大きい。MFR=4の方がナノサイズボイドの割合が大きくなったことは、延伸時、ナノサイズボイドが大きなボイド(裂け目)に成長し難いことを意味している。得られた延伸糸のフィブリル間に形成される大きな裂け目が少ないことから、外力が作用した際にもフィブリル間での滑りが起こりにくく、結果として大きな繊維強度が得られたと推測される。
<TMA測定(クリープひずみ)>
クリープひずみ測定を行った。測定装置には、SIIナノテクノロジー(株)社製TMA/SS6100熱分析レオロジーシステムTMA(Thermo Mechanical Analyzer)を用いた。クリープ歪の測定は、初期試料長10mm、一定応力50MPa、室温から25−30分で125℃まで昇温し、その後約50分間温度を保持して測定した。さらに一部の実験は、一定応力を60MPa、昇温する温度を135℃に変更して実施した。一定応力50MPa、125℃まで昇温した際のクリープひずみをクリープひずみA、一定応力60MPa、135℃まで昇温した際のクリープひずみをクリープひずみBと呼ぶ。
(例B1〜B53)
次に、各延伸繊維を2段延伸した例について説明する。まず、1段目延伸として延伸倍率10倍で延伸し、続いて、2段目の延伸を行って、それぞれ、最終的に総延伸倍率が18倍、20倍、22倍、24倍、26倍、28倍、30倍となるように延伸した。Maxは30倍を越え、破断しない最大倍率まで延伸した例を示す。加熱温度は、ヒーター表面に繊維が融着しない最大温度とし、1段延伸は、140℃、145℃および150℃、2段延伸は175℃および180℃に設定した。各条件及び、前述した条件にて評価した延伸繊維物性を表4に示す。なお、表4中、各例は、実施例、参考例、比較例のいずれかを示し、種別として表4に示している。
本発明で得られたポリプロピレン延伸繊維は、ロープ、ネット、ケーブルなどの産業資材、建造物や自動車などの内装材、医療・衛生材、衣料素材などに使用でき、特に耐熱クリープ性に優れることから、電池のセパレータ用として高い評価を得ているほか、防水シート基布、産業用縫製糸、各種フィルター、ファブリック等に好適に使用できる。
また、本発明で得られたポリプロピレン延伸繊維は、各種複合繊維の一部材として、例えば、代表的には芯鞘複合繊維の芯材として好適に使用できる。芯材として本発明に係る延伸繊維を使用すると、複合強度が高まり、従来にない高い強度を有する複合繊維を得ることができる。
1 送出ローラー
2 ヒーター
3 張力計(テンションピックアップセンサー)
4 寸法測定器
5 巻取ローラー
6 延伸用繊維(as-spun繊維)
7 延伸繊維

Claims (8)

  1. 下記要件(1)〜(3):
    (1)mmmm値が97%以上である;
    (2)GPCによって求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜7.0;
    (3)メルトフローレート(230℃、2.16kg)が0〜5g/10分;
    を満たすアイソタクティックポリプロピレンを含み、(110)面の結晶配向度が0.982〜1.0である延伸繊維。
  2. 平均直径が7〜150μmである、請求項1に記載の延伸繊維。
  3. 下記要件(1)〜(3)を満たす、アイソタクティックポリプロピレンを含む延伸用繊維を、延伸時の応力が100MPa以上、10000MPa以下となる条件下、延伸倍率10倍以上で延伸する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の延伸繊維の製造方法:
    (1)mmmm値が97%以上である;
    (2)GPCによって求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜7.0;
    (3)メルトフローレート(230℃、2.16kg)が0〜5g/10分。
  4. 前記延伸用繊維が、下記(A−1)〜(A−3)に記載の要件で溶融紡糸した繊維であることを特徴とする、請求項3に記載の延伸繊維の製造方法:
    (A−1)メルトドローレシオ(Melt draw ratio:MDR)が8〜500、
    (A−2)紡糸温度が180〜300℃、
    (A−3)1ホール当りの吐出量が1〜100g/min。
  5. 前記延伸用繊維を以下の(A)及び(B)の少なくとも2段階で延伸することを特徴とする、請求項3又は4に記載の延伸繊維の製造方法:
    (A)結晶分散温度で、延伸倍率3倍以上、15倍以下で延伸、
    (B)延伸前の融点を超える温度で、総延伸倍率10倍以上40倍以下となるように延伸。
  6. 前記延伸用繊維は、溶融押出手段における溶融押出温度から押出直後に前記ポリプロピレンのガラス転移温度(Tg)以上(Tg+25℃)以下の範囲に冷却し、紡糸して製造することを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の延伸繊維の製造方法:
  7. 前記延伸用繊維は、平均直径が30〜300μmであり、糸径のばらつきCVが5%以下である、ことを特徴する請求項3〜6のいずれか1項に記載の延伸繊維の製造方法。
  8. 延伸後の繊維の平均直径が7〜150μmである、ことを特徴とする請求項7に記載の延伸繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023074268A1 (ja) * 2021-10-28 2023-05-04 東洋紡株式会社 高強度高伸度ポリプロピレン繊維及びその製造方法

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