JP2019099402A - ガラス部材及びガラス部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、眩しさを低減可能であり、かつ好適な視認性を有する着色膜を有するガラス部材を得ることを目的とした。【解決手段】ガラス板表面に着色膜を有するガラス部材において、該着色膜が着色ガラスを有するものであることを特徴とするガラス部材。また、ガラス部材の製造方法において、ガラス板表面に、着色ガラス粉末を膜状に成形する工程、及び該着色ガラス粉末を焼成する工程、を有するものであることを特徴とするガラス部材の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、表面に着色膜を有するガラス板に関し、特に着色膜を有する車両用窓ガラスに関する。
従来、建造物用の窓ガラスや車両用のフロントガラス、リアウィンドガラス、サイドウィンドガラス等の窓ガラスに、冷暖房負荷の低減や眩しさ防止、内装材の退色防止や装飾性の向上等を目的として、ある程度の視認性を保ちながら各種波長光の透過を抑制可能な着色膜を有する窓ガラス等のガラス部材が用いられている。上記の着色膜の着色材としては、各種顔料や吸収材等、様々なものが知られている。
上記のようなガラス部材として、特に車両用のフロントガラスは、運転者の眩しさ防止や装飾性の向上の為にシェードバンドを備えたものが、従来検討されてきた。シェードバンドはフロントガラスの上辺に沿って設けられた略帯状の着色領域のことであり、例えば運転者の視界上方斜めから入射する可視光線の透過を抑制する。このようなシェードバンドは、フロントガラスを構成する中間膜の一部を帯状に染色したり、フロントガラスの表面中間膜側に着色膜を成膜したりすることで作られる。
例えば、特許文献1には、低融点ガラスフリット、着色顔料、樹脂および溶剤を混練したセラミックペーストを、窓ガラス表面に塗布し乾燥させた後、620℃以上、670℃以下で加熱硬化させた遮光膜付き窓ガラスが開示されている。当該文献では、着色材として酸化コバルト、酸化クロム、酸化チタン、酸化カドミウム、酸化セリウム、及び酸化銅等の着色顔料が用いられている。
また、例えば特許文献2には、車両用のフロントガラスとして合わせガラスを用い、該合わせガラスの合成樹脂膜として、着色域を形成した合成樹脂膜を用いることが開示されている。
前述したように、冷暖房負荷の低減や眩しさ防止、内装材の退色防止や装飾性の向上等を目的として、着色膜を有する窓ガラス等のガラス部材が検討されている。また、近年、建造物や車両は採光性やデザイン性の観点から、開口部の面積をより大きくしたいという要求があり、上記のような着色膜を有するガラス部材の要求が高まりつつある。
例えば特許文献2のように、合わせガラスの合成樹脂膜を着色する方法では製造工程が煩雑になり易く、また、着色領域の形状が限定されるという問題がある。
また、本発明者らが、特許文献1のような着色顔料を用いた方法を検討したところ、眩しさを低減させるために該着色膜の可視光の透過率を低くすると、該着色膜のヘーズが高くなることがわかった。ヘーズが高くなると、該着色膜を透過して視認される像が変形したりぼやけたりしてしまうことがあり、視認性が確保できないという問題がある。
以上より、本発明は、眩しさを低減可能であり、かつ好適な視認性を有する着色膜を有するガラス部材を得ることを目的とした。
本発明者が上記課題について鋭意検討を行ったところ、ガラス組成内に着色成分を含むガラス粉末(以下、「着色ガラス粉末」と記載することもある)を焼成させて着色膜を形成すると、上記課題を解決できることがわかった。
すなわち本発明は、ガラス板表面に着色膜を有するガラス部材において、該着色膜が着色ガラスを有するものであることを特徴とするガラス部材である。
本発明により、眩しさを低減可能であり、かつ好適な視認性を有する着色膜を有するガラス部材を得ることが可能となった。
1:用語の説明
本明細書における用語を以下に説明する。
本明細書における用語を以下に説明する。
(ヘーズ)
本明細書のヘーズは、JIS K7136に準拠する方法で測定した値を用いた。具体的には、ソーダライムガラス板上に着色膜(厚み15μm)を形成し、ヘーズメーター(スガ試験機製、HZ−T)を用いて該着色膜を測定した。また、本発明では、ヘーズが20%以下のものを「好適な視認性を有する」とした。また、下限値は特に限定するものではないが、例えば0.01%以上としてもよく、より好ましくは0.1%以上としてもよい。
本明細書のヘーズは、JIS K7136に準拠する方法で測定した値を用いた。具体的には、ソーダライムガラス板上に着色膜(厚み15μm)を形成し、ヘーズメーター(スガ試験機製、HZ−T)を用いて該着色膜を測定した。また、本発明では、ヘーズが20%以下のものを「好適な視認性を有する」とした。また、下限値は特に限定するものではないが、例えば0.01%以上としてもよく、より好ましくは0.1%以上としてもよい。
(可視光透過率)
本明細書の可視光透過率は、自記分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用いて測定し、JIS R3106(1998)に準拠する方法で算出した値を用いた。また、当該可視光透過率は、ソーダライムガラス板(厚み1.8mm)の上に着色膜(厚み15μm)を形成した時の、ソーダライムガラス板の可視光透過率と着色膜の可視光透過率とを合わせた値である。また、本発明では、眩しさを低減させるために上記可視光透過率が60%以下のものを用いることとした。また、下限値は特に限定するものではないが、例えば0.1%以上としてもよく、より好ましくは1%以上としてもよい。
本明細書の可視光透過率は、自記分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用いて測定し、JIS R3106(1998)に準拠する方法で算出した値を用いた。また、当該可視光透過率は、ソーダライムガラス板(厚み1.8mm)の上に着色膜(厚み15μm)を形成した時の、ソーダライムガラス板の可視光透過率と着色膜の可視光透過率とを合わせた値である。また、本発明では、眩しさを低減させるために上記可視光透過率が60%以下のものを用いることとした。また、下限値は特に限定するものではないが、例えば0.1%以上としてもよく、より好ましくは1%以上としてもよい。
(着色ガラス、着色ガラス粉末)
本明細書の「着色ガラス」とは、ガラス組成内に着色成分を含むガラスを指すものとする。また、本明細書では当該着色ガラスの形状うち、特に粉末形状のものを「着色ガラス粉末」と記載するものとする。また、着色ガラスはガラス自体が発色したものであり、目視で着色が観察できるとしてもよい。
本明細書の「着色ガラス」とは、ガラス組成内に着色成分を含むガラスを指すものとする。また、本明細書では当該着色ガラスの形状うち、特に粉末形状のものを「着色ガラス粉末」と記載するものとする。また、着色ガラスはガラス自体が発色したものであり、目視で着色が観察できるとしてもよい。
2:ガラス部材の各構成
本発明は、ガラス板表面に着色膜を有するガラス部材において、該着色膜が着色ガラスを有するものであることを特徴とするガラス部材である。以下に、本発明の各構成について説明する。
本発明は、ガラス板表面に着色膜を有するガラス部材において、該着色膜が着色ガラスを有するものであることを特徴とするガラス部材である。以下に、本発明の各構成について説明する。
(ガラス板)
使用するガラス板は特に限定されるものではないが、例えば、通常使用されているソーダライムガラス、無アルカリガラス、高透過ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス等を用いることが可能である。また、生産性の観点から、特にソーダライムガラスを用いるのが好ましい。また、特に車両用のガラスとして用いられる場合は、該ガラス板に風冷強化処理や化学強化処理等を行って、ガラス板の強度を向上させたものを用いてもよい。
使用するガラス板は特に限定されるものではないが、例えば、通常使用されているソーダライムガラス、無アルカリガラス、高透過ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス等を用いることが可能である。また、生産性の観点から、特にソーダライムガラスを用いるのが好ましい。また、特に車両用のガラスとして用いられる場合は、該ガラス板に風冷強化処理や化学強化処理等を行って、ガラス板の強度を向上させたものを用いてもよい。
ガラス板の厚みは用途に応じて適宜選択されればよく、特に限定されるものではない。例えば建造物用の窓ガラスや間仕切りガラス等として用いる場合は、一般的に使用される2〜25mm程度としてもよい。また、車両用の窓ガラスとして用いる場合は、車体の軽量化等を目的として0.1〜3mm程度としてもよい。
また、当該ガラス板の形状は特に限定するものではないが、特に車両用の窓ガラスとして用いる場合は、曲面形状を有するのが好ましい。
(着色膜)
着色膜は、ガラス板の表面に形成された膜であり、膜は着色ガラスを有する。着色膜として、従来のように着色材として顔料を使用せず、ガラス自体を発色させた着色ガラスを用いることによってヘーズが高くなることを抑制したものである。
着色膜は、ガラス板の表面に形成された膜であり、膜は着色ガラスを有する。着色膜として、従来のように着色材として顔料を使用せず、ガラス自体を発色させた着色ガラスを用いることによってヘーズが高くなることを抑制したものである。
着色膜は、目的とする可視光透過率を達成できるのであれば、厚みを特に限定するものではない。例えば、ガラスペーストの塗布、焼成や、ゾルゲル法等を用いて着色膜を形成する場合、厚みを1〜30μm程度としてもよい。また、好ましくは5〜30μmとしてもよい。
また、着色膜は、可視光透過率やヘーズを損なわないのであれば、各種吸収材、無機フィラー等を含んでもよい。
(着色ガラス)
本発明の着色ガラスは、ガラス板表面に膜状に成形され着色膜となる。当該着色ガラスは、上記ガラス板よりも軟化点が低いガラスを用いればよく、特に限定されるものではない。例えば、Bi2O3系ガラス、P2O5系ガラス、弗化物ガラス、V2O5系ガラス、TeO2系ガラス、V2O5−TeO2系ガラス、SiO2−RO−R2O系ガラス、SiO2−RO系ガラス、SiO2−B2O3−RO系ガラス、SiO2−B2O3−RO−R2O系ガラス、SiO2−B2O3−ZnO−RO−R2O系ガラス、SiO2−B2O3−ZnO−RO系等に、着色成分を混合したガラスが挙げられる。なお、「RO」とはアルカリ土類金属、「R2O」とはアルカリ金属を示すものとする。
本発明の着色ガラスは、ガラス板表面に膜状に成形され着色膜となる。当該着色ガラスは、上記ガラス板よりも軟化点が低いガラスを用いればよく、特に限定されるものではない。例えば、Bi2O3系ガラス、P2O5系ガラス、弗化物ガラス、V2O5系ガラス、TeO2系ガラス、V2O5−TeO2系ガラス、SiO2−RO−R2O系ガラス、SiO2−RO系ガラス、SiO2−B2O3−RO系ガラス、SiO2−B2O3−RO−R2O系ガラス、SiO2−B2O3−ZnO−RO−R2O系ガラス、SiO2−B2O3−ZnO−RO系等に、着色成分を混合したガラスが挙げられる。なお、「RO」とはアルカリ土類金属、「R2O」とはアルカリ金属を示すものとする。
上記の着色ガラスの組成内に含まれる着色成分は、ガラスを発色させる成分であれば特に限定されるものではない。また、ガラス組成中で発色し易いことから、遷移金属元素を含むものが好ましい。当該遷移金属元素は、所望の色が得られるのであれば特に限定するものではなく、また、単独で用いるものでも、複数で用いるものでもよい。遷移金属元素としては、例えば、Cu、Co、Fe、Cr、Ni、Mn、Nd、Er、Ce、V、Sn、Au、Cd、及びSe等が挙げられ、ガラス組成中には、CuO、Cu2O、CoO、Cr2O3、NiO、MnO2、Mn2O3、Nd2O3、Er2O3、CeO2、V2O5、SnO2、Au、CdO、及びSeO2等の着色成分として含まれる。
上記の着色成分の含有量は、所望の可視光透過率及び色が得られるのであれば特に限定するものではないが、例えば、着色ガラスのガラス組成中に、1〜50wt%含むとしてもよい。
(ガラス部材)
本発明のガラス部材は着色膜を有するものであり、該着色膜を形成した箇所の可視光透過率が60%以下、及びヘーズが20%以下となるものである。可視光透過率は、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下としてもよい。下限値は特に限定するものではないが、例えば1%以上としてもよい。また、ヘーズは、好ましくは18%以下としてもよい。また、ヘーズは低いほど好ましいことから、下限値は特に限定するものではないが、例えば0%以上、より好ましくは着色膜を形成したガラス板と同程度としてもよい。
本発明のガラス部材は着色膜を有するものであり、該着色膜を形成した箇所の可視光透過率が60%以下、及びヘーズが20%以下となるものである。可視光透過率は、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下としてもよい。下限値は特に限定するものではないが、例えば1%以上としてもよい。また、ヘーズは、好ましくは18%以下としてもよい。また、ヘーズは低いほど好ましいことから、下限値は特に限定するものではないが、例えば0%以上、より好ましくは着色膜を形成したガラス板と同程度としてもよい。
また、本発明の着色膜は太陽光の眩しさを低減するものであるため、該ガラス部材を車両や建造物の窓ガラスとして組み付けた時に、少なくとも上辺に該着色膜があるようにするのが好適である。また、着色膜を形成しない非膜領域を同一面上に設けると、可視光透過率を損なわない部分を両立させることが可能となるため、採光や視認性の観点から好ましい。すなわち、上記ガラス部材の前記着色膜を有する面は、着色膜が形成されない非膜領域を有するのが好ましい。
また、本発明は、車両用の窓ガラスであり、該窓ガラスの前記着色膜を有する面は、着色膜が形成されない非膜領域を有し、該ガラス部材を車体へ組み付けた時、該ガラス部材の上辺に該着色膜を有するのが好ましい。当該窓ガラスのような着色膜は前述したシェードバンドであり、上辺に設けられた着色膜によって太陽光の眩しさを低減し、非膜領域によって運転者の視界を妨げることを防ぐことが可能である。すなわち、本発明のガラス部材は、該ガラス部材を車両の前面に設けた車両用フロントガラスとして用いることが特に好適である。
また、当該ガラス部材は、建造物用の窓ガラスや間仕切りとして用いる場合、単板で用いるものでも、合わせガラスや複層ガラス内に組み込んで用いるものでもよい。また、車両用の窓ガラスとして用いる場合も同様に、単板や合わせガラスとして用いてもよい。
3:ガラス部材の製造方法
本発明は、ガラス板表面に、着色ガラス粉末を膜状に成形する工程、及び該着色ガラス粉末を焼成する工程、を有するものであることを特徴とするガラス部材の製造方法である。
本発明は、ガラス板表面に、着色ガラス粉末を膜状に成形する工程、及び該着色ガラス粉末を焼成する工程、を有するものであることを特徴とするガラス部材の製造方法である。
(着色ガラス粉末)
前述したように、着色ガラス粉末とは、着色ガラスを粉末形状としたものである。当該着色ガラス粉末を焼成することによって、ガラス板表面に所望の形状や大きさ、厚みの着色膜を形成することが可能である。また、複数種類の着色ガラス粉末を混合したり、着色されていないガラス粉末と混合したりすることによって、可視光透過率や色調等を調整することが可能である。また、着色ガラス粉末は、着色ガラス粉末単独で用いても、着色ガラス粉末と任意の粉末との混合物でもよいが、膜状に成形し易い点から着色ガラス粉末とビヒクルとを混練したガラスペーストを用いるのが好ましい。
前述したように、着色ガラス粉末とは、着色ガラスを粉末形状としたものである。当該着色ガラス粉末を焼成することによって、ガラス板表面に所望の形状や大きさ、厚みの着色膜を形成することが可能である。また、複数種類の着色ガラス粉末を混合したり、着色されていないガラス粉末と混合したりすることによって、可視光透過率や色調等を調整することが可能である。また、着色ガラス粉末は、着色ガラス粉末単独で用いても、着色ガラス粉末と任意の粉末との混合物でもよいが、膜状に成形し易い点から着色ガラス粉末とビヒクルとを混練したガラスペーストを用いるのが好ましい。
着色ガラス粉末を膜状に成形する際は公知の方法で行えばよく、特に限定するものではない。また、「膜状に成形」とは、所望の厚みと形状になるように、ガラス板表面に該着色ガラス粉末を配置することを指すものとする。例えばガラスペーストとして用いる場合は、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷、バーコーター、ダイコーターなどが使用できる。
上記の着色ガラス粉末は、平板のガラス板表面に膜形状に成形するものでも、曲げガラス板表面に膜形状に成形するものでもよく、平板のガラス板上に膜を成形した後に、強化処理や曲げ加工処理を行って、その際の熱で焼成させるものでもよい。
また、着色ガラス粉末は、焼成のし易さや膜の成形のし易さの観点から、平均粒子径が0.1〜50μmであるものを用いるのが好ましい。また、より好ましくは0.2〜30μm程度としてもよい。なお、所望の可視光透過率やヘーズを得るために、複数種類の着色ガラス粉末を用いてもよく、着色成分を含んでいないガラス粉末を含んでいてもよい。
また、着色ガラス粉末の軟化点は、使用するガラス板の軟化点より低いものを用いるのが望ましい。例えば、ガラス板としてソーダライムガラスを用いる場合、軟化点は汎用的なもので720〜740℃程度であることから、使用する着色ガラス粉末の軟化点も使用するガラス板の軟化点未満となるようにするのが望ましく、より好ましくは720℃未満としてもよい。
(ガラスペースト)
前述したように、着色ガラス粉末を膜状に成形する際、着色ガラス粉末とビヒクルとを混練したガラスペーストを用いてもよい。ガラスペーストを用いる場合、ガラスペーストの全質量に対して固形分を20〜80wt%含有するのが好ましい。80wt%を超えるとガラスペーストの粘度が高くなりすぎ塗布が困難になる。また、20wt%未満ではガラス成分が少なくなりすぎるため、ガラスペーストの粘度が過度に低くなり、塗布し難くなることがある。また、粘度が低くなるに伴って、ピンホール等の欠陥を生じ易くなる場合がある。なお、上記の「固形分」とは、焼成後の着色ガラス内に残留する成分であり、着色ガラス粉末や、前述したフィラー等の合計量を指すものとする。
前述したように、着色ガラス粉末を膜状に成形する際、着色ガラス粉末とビヒクルとを混練したガラスペーストを用いてもよい。ガラスペーストを用いる場合、ガラスペーストの全質量に対して固形分を20〜80wt%含有するのが好ましい。80wt%を超えるとガラスペーストの粘度が高くなりすぎ塗布が困難になる。また、20wt%未満ではガラス成分が少なくなりすぎるため、ガラスペーストの粘度が過度に低くなり、塗布し難くなることがある。また、粘度が低くなるに伴って、ピンホール等の欠陥を生じ易くなる場合がある。なお、上記の「固形分」とは、焼成後の着色ガラス内に残留する成分であり、着色ガラス粉末や、前述したフィラー等の合計量を指すものとする。
(ビヒクル)
上記のビヒクルとは溶剤とバインダーとからなるものであり、ガラスペーストを加熱、焼成させた後に燃焼、分解、および揮発等により消失するものである。
上記のビヒクルとは溶剤とバインダーとからなるものであり、ガラスペーストを加熱、焼成させた後に燃焼、分解、および揮発等により消失するものである。
上記のバインダーとは着色ガラス粉末をガラスペースト中に分散・保持させるものであり、当該ガラスペーストが焼成される際の加熱によりペースト内から除去されるものである。当該バインダーは焼成時に除去可能であれば特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、メタアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等を、単独又は混合して使用することができる。
上記の溶剤は上記のバインダーと同様、加熱時にガラスペーストから除去できれば特に限定するものではない。例えば、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−テルピネオール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノ(2−メチルプロパノアート)、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、n−ペンタノール、4−メチルペンタノール、シクロヘキサノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤が使用可能である。
(焼成工程)
膜状に成形した着色ガラス粉末を焼成する工程は、一般的に、使用する着色ガラス粉末の軟化点以上、溶融温度未満で行われ、好ましくは軟化点+200℃以下としてもよい。また、加熱に用いる装置等は特に限定するものではなく、例えば電気炉等を用いてもよい。
膜状に成形した着色ガラス粉末を焼成する工程は、一般的に、使用する着色ガラス粉末の軟化点以上、溶融温度未満で行われ、好ましくは軟化点+200℃以下としてもよい。また、加熱に用いる装置等は特に限定するものではなく、例えば電気炉等を用いてもよい。
本発明の実施例及び比較例を以下に記載する。
1:ガラス粉末の作製
まず、表1に記載した組成になるように、各種無機原料を秤量、混合して原料バッチを作製した。着色成分としてNo.1はCoOを、No.2はCoOとCuOを含み、No.3は含まない。この原料バッチを白金ルツボに投入し、1100℃の電気加熱炉内で約30分間熔融した後、カーボン板上にキャストすることによってバルク体のガラスNo.1〜No.3を得た。次に、得られたNo.1〜No.3のバルク体のガラスを粉砕することでガラス粉末(D50=4μm、Dmax=10um)を作製した。
まず、表1に記載した組成になるように、各種無機原料を秤量、混合して原料バッチを作製した。着色成分としてNo.1はCoOを、No.2はCoOとCuOを含み、No.3は含まない。この原料バッチを白金ルツボに投入し、1100℃の電気加熱炉内で約30分間熔融した後、カーボン板上にキャストすることによってバルク体のガラスNo.1〜No.3を得た。次に、得られたNo.1〜No.3のバルク体のガラスを粉砕することでガラス粉末(D50=4μm、Dmax=10um)を作製した。
2:サンプルの作製
表1のガラス粉末を用いて、固形分濃度を62wt%となるようにビヒクルと混合してガラスペーストを作成した。その際、表2に記載したサンプルとなるように、各種ガラス粉末や顔料を混合した。なお、表2中の「青色顔料」は、大日精化工業社製のダイピロキサイドブルー(#9410)を用いた。
表1のガラス粉末を用いて、固形分濃度を62wt%となるようにビヒクルと混合してガラスペーストを作成した。その際、表2に記載したサンプルとなるように、各種ガラス粉末や顔料を混合した。なお、表2中の「青色顔料」は、大日精化工業社製のダイピロキサイドブルー(#9410)を用いた。
得られたガラスペーストをガラス板(厚み1.8mmのソーダライムガラス)表面にスクリーン印刷を行って、140℃で約30分間加熱し、該ガラスペーストを乾燥させた。次に、乾燥後のサンプルを電気加熱炉内へ入れ、600℃で約20分間焼成させてガラス板表面に着色膜を形成したガラス部材の各サンプルを得た。また、得られた各サンプルの着色膜の膜厚は15μmだった。
3:光学特性
得られた各サンプルについて、可視光透過率とヘーズをそれぞれ測定し、得られた値を表2及び図1に記載した。
得られた各サンプルについて、可視光透過率とヘーズをそれぞれ測定し、得られた値を表2及び図1に記載した。
(ヘーズ)
各サンプルについて、ヘーズメーター(スガ試験機製、HZ−T)を用いて、JIS K7136に準拠する方法で測定を行った。
各サンプルについて、ヘーズメーター(スガ試験機製、HZ−T)を用いて、JIS K7136に準拠する方法で測定を行った。
(可視光透過率)
各サンプルについて、可視光透過率を、自記分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用いて測定し、JIS R3106(1998)に準拠する方法で算出した。なお、この時得られる当該可視光透過率は、ガラス板と着色膜の合計の可視光透過率とを合わせた値である。
各サンプルについて、可視光透過率を、自記分光光度計(日立製作所製、U−4000)を用いて測定し、JIS R3106(1998)に準拠する方法で算出した。なお、この時得られる当該可視光透過率は、ガラス板と着色膜の合計の可視光透過率とを合わせた値である。
以上より、実施例1〜5はいずれも可視光透過率が40%未満、かつヘーズが18%未満を満たすものとなることがわかった。一方で、着色顔料を用いた比較例1〜3は、図1に示したように可視光透過率が低くなるに伴ってヘーズが増大する傾向にあることがわかった。また、比較例1〜3はいずれも本発明の目的には適さないものだった。
Claims (8)
- ガラス板表面に着色膜を有するガラス部材において、該着色膜が着色ガラスを有するものであることを特徴とするガラス部材。
- 前記着色ガラスは、ガラス組成中の成分として遷移金属元素を含むものであることを特徴とする請求項1記載のガラス部材。
- 前記ガラス部材の前記着色膜を有する面は、着色膜が形成されない非膜領域を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラス部材。
- 前記ガラス板が、ソーダライムガラスであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガラス部材。
- 前記ガラス板が、曲面形状を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガラス部材。
- 前記ガラス部材が車両用の窓ガラスであり、
該窓ガラスの前記着色膜を有する面は、着色膜が形成されない非膜領域を有し、
該ガラス部材を車体へ組み付けた時、該ガラス部材の上辺に該着色膜を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガラス部材。 - 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のガラス部材が、車両の前面に設けられたものであることを特徴とする車両用フロントガラス。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のガラス部材の製造方法において、
ガラス板表面に、着色ガラス粉末を膜状に成形する工程、及び
該着色ガラス粉末を焼成する工程、を有するものであることを特徴とするガラス部材の製造方法。
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